以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えば、LCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリアが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリアと共に、あるいは始動入賞記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリアと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値に対応した個数のLEDを含んで構成されている。
遊技盤の盤面上に形成された遊技領域2には、画像表示装置5の天辺よりも左側の左遊技領域2Aと、右側の右遊技領域2Bとがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域2の内部における画像表示装置5の端面や釘の配列PL等により区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域2に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能又は誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時遊技球が進入可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。例えば普通可変入賞球装置6Bは、画像表示装置5の右側方に設けられ、通過ゲート41は、普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって、垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入し難いように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、第2始動入賞口を遊技球が通過可能な第1可変状態と、遊技球が通過不可能又は通過困難な第2可変状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6B等の配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた通過ゲート41を通過したり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過したりすることが不可能又は困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過することが不可能又は困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aの左方には、特別可変入賞球装置7Aが設けられている。即ち、特別可変入賞球装置7Aは、第1遊技領域となる左遊技領域2Aに設けられている。また、普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7Bが設けられている。即ち、特別可変入賞球装置7Bは、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに設けられている。
特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す左大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される左大入賞口扉を備え、その左大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する左大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Aでは、左大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに左大入賞口扉が左大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Aでは、左大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに左大入賞口扉が左大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Aに形成された左大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す左大入賞口スイッチ23Aによって検出される。
特別可変入賞球装置7Bは、図2に示す右大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される右大入賞口扉を備え、その右大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する右大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Bでは、右大入賞口扉用のソレノイド82Bがオフ状態であるときに右大入賞口扉が右大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Bでは、右大入賞口扉用のソレノイド82Bがオン状態であるときに右大入賞口扉が右大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Bに形成された右大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す右大入賞口スイッチ23Bによって検出される。
特別可変入賞球装置7Aが形成する左大入賞口や特別可変入賞球装置7Bが形成する右大入賞口を遊技球が通過することにより、多数の遊技球が賞球として払い出される。即ち、特別可変入賞球装置7Aは、左大入賞口扉により左大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、右大入賞口扉により右大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、特別可変入賞球装置7Aは、右大入賞口扉により右大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、右大入賞口扉により右大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が左大入賞口や右大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が左大入賞口や右大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
遊技盤の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。
画像表示装置5の表示領域における所定縁部の近傍には、可動演出部材60Aが設けられている。一例として、表示領域が横長の方形状である場合には、長辺における外周縁部の近傍にて表示領域の周囲を装飾する装飾部材の内部又は外部に、可動演出部材60Aが収容されていればよい。このように、可動演出部材60Aは、画像表示装置5における表示領域の所定端部に近接して設けられたものであればよい。
可動演出部材60Aは、図2に示す可動演出部材用モータ61Aの回転駆動により、画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出用模型を構成するものであればよい。即ち、可動演出部材60Aは、表示領域の周囲を装飾する装飾部材の内部又は外部に収容された退避位置と、表示領域の前面に進出した進出位置との間で、移動可能なものであってもよい。このとき、退避位置から進出位置へと向かう方向は、画像表示装置5における表示領域の所定縁部から他の縁部へと向かう方向であればよい。なお、所定縁部から他の縁部に達するまで進出してもよいし、他の縁部に達するより前に進出位置となるようにしてもよい。可動演出部材60Aは、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出動作によって、リーチ演出が「スーパーリーチ」となる可能性が高いこと、ひいては可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆すればよい。なお、可動演出部材60Aは、表示領域の前面に進出可能なものに限定されず、例えば回転装飾体を用いて構成され、表示領域の近傍にて回転する演出動作によって、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆してもよい。このような構成によれば、可動演出部材60Aの動作態様を、パチンコ遊技機1のモチーフに応じて、より好適なものとすることができる。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、可動演出部材60Bが設けられている。可動演出部材60Bは、図2に示す可動演出部材用モータ61Bの回転駆動により、左右に進出する演出用模型を構成するものであればよい。即ち、可動演出部材60Bは、遊技盤における遊技領域2の中央付近の初期位置と、初期位置よりも左方に進出した第1進出位置、又は初期位置よりも右方に進出した第2進出位置との間で、移動可能なものであってもよい。可動演出部材60Bは、第1進出位置に進出する演出動作によって、遊技球を左遊技領域2Aに発射すること、第2進出位置に進出する演出動作によって、遊技球を右遊技領域2Bに発射することを指示すればよい。
遊技盤の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域2の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域2の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングが設けられていればよい。遊技領域2の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。上皿の下方には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111等が搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、左大入賞口扉用のソレノイド82A、右大入賞口扉用のソレノイド82Bへと伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9や装飾用LED等における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ、大入賞口スイッチといった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODEを示し、2バイト目はEXTを表す。MODEデータの先頭ビットは必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105等は外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行するということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104等により、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104等のハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的又は不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態となる開放状態や拡大開放状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。更に、演出制御基板12には、可動演出部材60Aを動作させる可動演出部材用モータ61Aや、及び可動演出部材60Bを動作させる可動演出部材用モータ61Bを駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令等に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定すること等により、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP、CGROM、VRAM、LCD駆動回路等が搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU、GCL、あるいは、より一般的にDSPと称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリ等の書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11等から伝送された演出制御コマンドや操作検出ユニット31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令、ランプ制御基板14へと伝送される指令、モータ駆動回路16へと伝送される指令等が出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータ等により、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、右遊技領域2Bにおいて普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと等により第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。但し、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定等が行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示が行われる。
画像表示装置5による飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示態様、あるいは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部では予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリアでは飾り図柄が変動している表示態様、あるいは「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、飾り図柄の可変表示動作等により遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には、「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されること等に対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動させる演出表示を、所定回行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。初回変動が開始されてから全部の飾り図柄が一旦仮停止表示された後、最終停止図柄となる確定飾り図柄が導出されるまでの期間にて、1回目に実行される擬似連変動は第1擬似連変動とも称され、2回目に実行される擬似連変動は第2擬似連変動とも称され、3回目に実行される擬似連変動は第3擬似連変動とも称される。
「擬似連」の可変表示演出では、一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて、特殊組み合わせの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組み合わせのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組み合わせとなる飾り図柄の組み合わせが含まれてもよい。また、擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチハズレ組み合わせとなる飾り図柄の組み合わせが含まれてもよい。例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の飾り図柄表示エリアに停止表示される飾り図柄を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄としてもよい。通常時における飾り図柄の可変表示でも使用される飾り図柄のうちに、「中」の飾り図柄表示エリアに停止表示されることで擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄が含まれてもよい。
擬似連チャンス図柄を含む擬似連チャンス目を停止表示することのように、「擬似連」の可変表示演出において初回変動を含む複数回の変動表示に伴って実行される画像表示等の所定演出は、再変動演出という。なお、再変動演出は、画像表示装置5の画面上にて画像表示を行うことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。
再変動演出として、擬似連チャンス図柄といった特殊な飾り図柄を停止表示することに代えて、あるいは特殊な飾り図柄の停止表示と共に、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示の期間中に、画像表示装置5の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。また、再変動演出として、例えば擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されるとき等に、特殊な効果音となる音声をスピーカ8L、8Rから出力するように制御されてもよい。こうした再変動演出の一部又は全部に加えて、あるいはこれらの再変動演出の一部又は全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部又は全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性といった、所定の遊技価値が付与される可能性が高まるようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。即ち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定される。この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」とならない場合に、可変表示結果が「ハズレ」となる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、左大入賞口又は右大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7A又は特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間、あるいは所定個数の遊技球が左大入賞口又は右大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、左大入賞口又は右大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、左大入賞口や右大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難又は発生不可能となる。左大入賞口に遊技球が進入したときには、左大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され、その検出毎に所定個数の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数に達するまで繰り返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球を極めて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御を行う確変状態となることがある。この実施の形態において、確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されたという所定の確変終了条件が開始されるまで継続するように制御されてもよい。右大入賞口が開放状態となる大当り遊技状態が終了した後の確変状態であるときには、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御も行われる。
右大入賞口が開放状態となる大当り遊技状態が終了した後の確変状態であるときには、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過し易い有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態と第2可変状態とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させて遊技球が第2始動入賞口を通過し易くなる制御は、高開放制御や高ベース制御、あるいは有利制御と称される。このような確変状態となることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、右大入賞口が開放状態となる大当り遊技状態が終了した後の確変状態にて確変制御が行われる時でも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて右大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過困難又は通過不可能なラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り種別が大当り遊技状態よりも遊技者にとって不利な特殊遊技状態としての「突確」であるとも称される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
この実施の形態では、通常状態であるときには、右遊技領域2Bよりも左遊技領域2Aに向けて遊技球を発射した方が遊技者にとって有利であり、時短状態であるときには、左遊技領域2Aよりも右遊技領域2Bに向けて遊技球を発射した方が遊技者にとって有利である。言い換えると、通常状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射されるよりも遊技者にとって不利となる。時短状態であるときには遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射されるよりも遊技者にとって有利となる。
つまり、通常状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射するよりも遊技者にとって不利となるのは、例えば普通入賞球装置6Aよりも普通可変入賞球装置6Bへの遊技球の進入確率が低くなることで、入賞の発生による賞球数が減少したと共に、可変表示の開始条件が成立し難くなるためである。
また、時短状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射されるよりも遊技者にとって有利となるのは、例えば普通入賞球装置6Aへ遊技球が進入する場合よりも普通可変入賞球装置6Bへ遊技球が進入する場合の方がより有利な大当り遊技状態に制御される可能性が高いからである。
そこで、この実施の形態では、遊技状態に応じて、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことを遊技者に報知する左打ち指示報知、又は右遊技領域2Bに発射すべきことを遊技者に報知する右打ち指示報知のいずれかを行う。また、特に遊技状態の移行に伴って遊技球を発射すべき領域が変わる場合、遊技者がこれに気付かずにそのまま遊技球を打ち続けていると損をする虞があるため、遊技者に対し発射すべき領域を指示する報知を行う。
左打ち指示報知は、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に報知されるものであればよい。この実施の形態では、第1左打ち指示報知と、第1左打ち指示報知よりも視認性の低い態様で実行される第2左打ち指示報知と、が実行可能となっている。
第1左打ち指示報知は、例えば「左打ちに戻して!」といった文字によるメッセージや、左向き矢印を示す演出画像等を画像表示装置5の上方の表示領域に表示することにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に報知される。なお、画像表示装置5における演出画像の表示と共に、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体の点灯動作等により、第1左打ち指示報知が行われるようにしてもよい。
第2左打ち指示報知は、第1左打ち指示報知よりも小さくて薄い左向き矢印のみを示す演出画像を画像表示装置5の下方左側の表示領域に表示することにより、第1左打ち報知よりも視認性の低い態様で遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に報知される。なお、第1左打ち指示報知及び第2左打ち指示報知は、所定回の飾り図柄の可変表示、あるいは所定期間に亘って実行され、所定回の飾り図柄の可変表示の終了後、あるいは所定期間の経過後、終了すればよい。あるいは、所定回の飾り図柄の可変表示の終了後、あるいは所定期間の経過後、第1左打ち指示報知を終了する一方で、第2左打ち指示報知は大当り遊技状態になるまで継続して実行されてもよい。このような構成によれば、他の演出の邪魔になることなく、指示報知を継続することができる。
右打ち指示報知は、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に報知されるものであればよい。この実施の形態では、図3に示すような、第1右打ち指示報知と、第1右打ち指示報知よりも視認性の低い態様で実行される第2右打ち指示報知と、が実行可能となっている。
第1右打ち指示報知は、例えば「右打ちしてね!」といった文字によるメッセージや、右向き矢印を示す演出画像51を画像表示装置5の上方の表示領域に表示することにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に報知される。なお、画像表示装置5における第1右打ち指示報知画像51の表示と共に、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体の点灯動作等により、第1右打ち指示報知が行われるようにしてもよい。
第2右打ち指示報知は、第1右打ち指示報知よりも小さくて薄い右向き矢印のみを示す演出画像52を画像表示装置5の下方右側の表示領域に表示することにより、第1右打ち指示報知よりも視認性の低い態様で遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に報知される。なお、第1右打ち指示報知及び第2右打ち指示報知は、高ベース制御が終了するまで実行されればよい。
このように、第2左打ち指示報知や第2右打ち指示報知は、第1左打ち指示報知や第2右打ち指示報知よりも視認性の低い態様で実行されるため、煩わしさを感じさせないようにすることができる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払い出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態等の特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数よりも多い第1ラウンド数となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数よりも多い第1回数となること、確変状態における大当り確率が第2確率よりも高い第1確率となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数よりも多い第1連チャン数となることの一部又は全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、左大入賞口スイッチ23A、右大入賞口スイッチ23Bといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込み処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値となっているか否かを判定する。このとき、第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域に保留データとして記憶させる。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して左大入賞口又は右大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、左大入賞口又は右大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や左大入賞口スイッチ23A又は右大入賞口スイッチ23Bによって検出された遊技球の個数等に基づいて、左大入賞口又は右大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、左大入賞口又は右大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、左大入賞口又は右大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理等が含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理等が含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図5は、特別図柄通常処理として、図4のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102の所定領域に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、RAM102の所定領域にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;YES)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102の所定領域に記憶されている第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームよりも、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを優先して実行することになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;NO)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリに記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否か等に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図6(A)は、ステップS239の処理における特図表示結果の決定例を示している。この決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になり易く、大当り遊技状態になり易い。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;YES)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種別のうちでいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図等に応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。変動特図は、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームで用いられる第1特図と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームで用いられる第2特図とのうちで、開始条件の成立に基づいて可変表示が行われる特別図柄である。CPU103は、変動特図指定バッファ値が「1」であれば変動特図が第1特図であり、変動特図指定バッファ値が「2」であれば変動特図が第2特図であると特定すればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図6(B)は、ステップS242の処理における大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。図6(B)に示す決定例では、変動特図が第1特図であるときに、5/100の割合で大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」に決定され、25/100の割合で大当り種別が「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」に決定され、40/100の割合で大当り種別が「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」に決定され、5/100の割合で大当り種別が「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」に決定され、5/100の割合で大当り種別が「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」に決定され、20/100の割合で大当り種別が「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」に決定される。即ち、第1特図を用いた特図ゲームの実行を開始するための第1開始条件が成立したときには、大当り種別を「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」と「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」と「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」と「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」と「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」と「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」とのうちでいずれとするかを所定割合で決定する。これに対して、第2特図を用いた特図ゲームの実行を開始するための第2開始条件が成立したときには、大当り種別を「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」と「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」とのうちでいずれとするかを所定割合で決定する。
この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」の場合に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の上限回数が「15」となり、右大入賞口を開放状態とする第15ラウンドのラウンド遊技が実行されて、大当り遊技状態の終了後に高ベース制御ありの確変状態となる。図6(B)に示すような決定割合で大当り種別が決定されることにより、変動特図が第2特図であるときには、第1特図であるときよりも高い割合で、大当り遊技状態の終了後に高ベース制御ありの確変状態となる。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。ステップS243の処理では、例えばRAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することで、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合や(ステップS241;NO)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図7は、変動パターン設定処理として図4のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態では、図8に示すような変動パターンが予め用意されている。より具体的には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合等に対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図7に示す変動パターン設定処理は、予め用意された複数の変動パターンのうちでいずれかを選択して、使用パターンに設定する処理等を含んでいる。こうした変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、例えば予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された複数の変動パターン決定テーブルのうちから、使用テーブルとなるものを選択する(ステップS261)。複数の変動パターン決定テーブルでは、それぞれ、例えば第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数等の保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。
図9は、この実施の形態で用いられる変動パターン決定テーブルの構成例を示している。変動パターン決定テーブルとしては、テーブルTB1、テーブルTB2が予め用意されている。図10は、ステップS261の処理における変動パターン決定テーブルの選択例を示している。この実施の形態において、CPU103は、可変表示結果等に応じて図9に示されたテーブルTB1、テーブルTB2のいずれかを選択する。
図9(A)に示すテーブルTB1は、可変表示結果が「ハズレ」に決定されたときに選択される。テーブルTB1では、保留記憶数が「0」又は「1」、「2」又は「4」、「4」のいずれであるかに応じた所定割合で、図8に示す変動パターンPA1−1、変動パターンPA2−1〜PA2−3、変動パターンPA3−1〜PA3−2、変動パターンPA4−1〜PA4−3、変動パターンPA5−1〜PA5−3のいずれかに決定されるように、決定値が割り当てられている。なお、保留記憶数は、変動特図が第1特図であれば第1特図保留記憶数を参照し、変動特図が第2特図であれば第2特図保留記憶数を参照すればよい。図9(B)に示すテーブルTB2は、可変表示結果が「大当り」に決定されたときに選択される。テーブルTB2では、図8に示す変動パターンPB3−1〜PB3−2、変動パターンPB4−1〜PB4−3、変動パターンPB5−1〜PB5−3のいずれかに所定割合で決定されるように、決定値が割り当てられている。
図7に示すステップS261にて以上のような変動パターン決定テーブルを選択した後には、その選択された変動パターン決定テーブルや変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、変動パターンを決定する(ステップS262)。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ステップS261の処理により選択された変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを決定すればよい。
ステップS262にて変動パターンを決定した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS263)。特図変動時間は、図8に示すような変動パターンに対応して予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS264)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS264の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS265)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン開始コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアで可変表示される飾り図柄等の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS265の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS266)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS266にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図11は、特別図柄停止処理として、図4のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、RAM102の所定領域に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS281)。特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、オン状態にセットされる。
ステップS281にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS281;NO)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS282)。また、図柄確定時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS283)。例えば、図柄確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。更に、特図確定表示時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS284)。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS285)、特別図柄停止処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行される。
ステップS281にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS281;YES)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS286)。このとき、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS286;NO)、特別図柄停止処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行され、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS286にて特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS286;YES)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS287)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS288)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS288;YES)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS289)。このときには、大当り開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS290)。例えば、大当り開始指定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。
ステップS290の処理を実行した後には、RAM102の所定領域に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS291)。続いて、確変制御を終了するための設定を行う(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理として、RAM102の所定領域に設けられた確変フラグをクリアしてオフ状態とする処理等が実行されればよい。また、CPU103は、高ベース制御を終了するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理として、RAM102の所定領域に設けられた高ベースフラグをクリアしてオフ状態とする処理等が、実行されればよい。
ステップS293の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS294)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。
ステップS288にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS288;NO)、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“0”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図12は、大当り開放前処理として、図4のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図**に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS311)。大当り開始フラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図11に示すステップS291の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS311にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS311;YES)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS312)。このとき、大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS312;NO)、大当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放前処理が再び実行され、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS312にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS312;YES)、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS313)、例えば大当り種別バッファ等から大当り種別の記憶データを読み出す(ステップS314)。そして、ラウンド上限判定値を決定する(ステップS315)。ラウンド上限判定値は、大当り遊技状態にて実行されるラウンド遊技の上限回数である。図13(A)は、ステップS315の処理によるラウンド上限判定値の決定例を示している。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」であるときに、ラウンド上限判定値が「15」に決定される。一方、大当り種別が「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」又は「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」であるときに、ラウンド上限判定値が「5」に決定される。一方、大当り種別が「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」又は「第5大当り(5R突確、高ベース制御あり)」であるときに、ラウンド上限判定値が「2」に決定される。このようなステップS315の処理を実行した後には、RAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「1」を設定する(ステップS316)。
ステップS311にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS311;NO)、ステップS316の処理を実行した後には、ラウンド遊技にて開放状態とする大入賞口を、特別可変入賞球装置7Aに形成された左大入賞口、又は特別可変入賞球装置7Bに形成された右大入賞口のいずれかに決定する(ステップS317)。図13(B)は、ステップS317の処理により開放する大入賞口の決定例を示している。この実施の形態では、大当り種別が「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」のいずれかであるときに、左大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。これにより、大当り種別が「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」であるときには、左大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかであるときに、右大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。したがって、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」となったときに、右大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。
ステップS317の処理により開放する大入賞口を決定することにあわせて、遊技球を有効に検出するための検出有効スイッチを設定してもよい。例えば、大当り種別が「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」のいずれかであるときには、左大入賞口が開放状態となることにあわせて、左大入賞口スイッチ23Aによる遊技球の検出を有効にする。一方、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかであるときには、右大入賞口が開放状態となることにあわせて、右大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出を有効にする。
ステップS317の処理に続いて、大入賞口開放上限時間を設定する(ステップS318)。大入賞口開放上限時間は、大当り遊技状態にて実行される各回のラウンド遊技において、左大入賞口又は右大入賞口を開放状態とする上限時間である。この実施の形態では、大当り種別が第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」のいずれかであるときには、一定の大入賞口開放上限時間として29.5秒が設定される。一方、大当り種別が「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかであるときには、一定の大入賞口開放上限時間として0.05秒が設定される。
ステップS318の処理を実行した後には、大入賞口を閉鎖状態から開放状態とするための開放開始制御が行われる(ステップS319)。このときには、ステップS317の処理により決定された開放する大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに駆動信号を送信するための設定が行われる。一例として、左大入賞口を開放状態とする場合には、左大入賞口扉用のソレノイド82Aに駆動信号を送信するための設定を行う。一方、右大入賞口を開放状態とする場合には、右大入賞口扉用のソレノイド82Bに駆動信号を送信するための設定を行う。
その後、特図プロセスフラグの値を“5”に更新してから(ステップS320)、大当り開放前処理を終了する。ステップS320にて特図プロセスフラグの値が“5”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS115の大当り開放中処理が実行される。
図14は、大当り開放中処理として、図4のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS331)。このとき、大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS331;NO)、左大入賞口スイッチ23Aと右大入賞口スイッチ23Bのうちで、遊技球の検出が有効な大入賞口スイッチから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS332)。例えば、大当り種別が「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」のいずれかであるときには、左大入賞口スイッチ23Aによる遊技球の検出が有効となることから、ステップS332の処理では、左大入賞口スイッチ23Aから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する。一方、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかであるときには、右大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出が有効となることから、ステップS332の処理では、右大入賞口スイッチ23Bから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する。
ステップS332にて大入賞口スイッチがオンである場合には(ステップS332;YES)、入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS333)。入賞個数カウント値は、RAM102の所定領域に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技が実行される間に大入賞口スイッチにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。その後、大入賞口スイッチにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS334)。なお、賞球を払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。
ステップS332にて大入賞口スイッチがオフである場合や(ステップS332;NO)、ステップS334の処理を実行した後には、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値に達したか否かを判定する(ステップS335)。このとき、入賞上限判定値に達していなければ(ステップS335;NO)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS331にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や(ステップS331;YES)、ステップS335にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS335;YES)、今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口を閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる(ステップS336)。このときには、開放した大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに対する駆動信号の送信を停止するための設定が行われればよい。
ステップS336の処理に続いて、入賞個数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS337)。そして、特図プロセスフラグの値を“6”に更新してから(ステップS338)、大当り開放中処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“6”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS116の大当り開放後処理が実行される。
この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数にかかわらず、大当り種別が「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」のいずれかである場合には、特別可変入賞球装置7Aに形成された左大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。一方、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」であるか「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」であるか「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」であるかに応じて、ラウンド遊技の実行回数が異なるように設定する。より具体的には、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」の場合には、ラウンド上限判定値が「15」に決定され、全ラウンドにて右大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。これに対して、大当り種別が「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」の場合には、ラウンド上限判定値が「5」に決定され、全ラウンドにて右大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。これに対して、大当り種別が「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」の場合には、ラウンド上限判定値が「5」に決定され、全ラウンドにて左大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。これに対して、大当り種別が「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」の場合には、ラウンド上限判定値が「2」に決定され、全ラウンドにて右大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。これに対して、大当り種別が「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」の場合には、ラウンド上限判定値が「2」に決定され、全ラウンドにて右大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。これに対して、大当り種別が「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」の場合には、ラウンド上限判定値が「5」に決定され、全ラウンドにて左大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。
大当り種別は、図5に示すステップS242の処理により、図6(B)に示すような変動特図に応じて異なる割合で決定される。第1特図を用いた特図ゲームは、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて実行される。一方、第2特図を用いた特図ゲームは、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて実行される。第2始動入賞口は、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片が開放状態又は拡大開放状態になることで遊技球が通過し易くなり、閉鎖状態又は通常開放状態になることで遊技球が通過不可能あるいは通過困難になる。普通可変入賞球装置6Bは、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったときに、開放状態又は拡大開放状態になる。高ベース制御が行われるときには、高ベース制御が行われない通常状態等よりも第2始動入賞口を遊技球が通過し易い有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態又は拡大開放状態に変化させる。
図15は、大当り開放後処理として、図4のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、RAM102の所定領域に設けられた次ラウンド待ちフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS351)。次ラウンド待ちフラグは、大当り遊技状態における次回のラウンドが開始されるまで待機することに対応して、オン状態にセットされる。
ステップS351にて次ラウンド待ちフラグがオフであるときには(ステップS351;NO)、ラウンドカウント値が予め定められたラウンド上限判定値に達したか否かを判定する(ステップS352)。ラウンド上限判定値は、図12に示すステップS315の処理により、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」であれば「15」に決定され、大当り種別が「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」であれば「5」に決定され、大当り種別が「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」であれば「2」に決定される。ステップS352にて、ラウンド上限判定値に達していなければ(ステップS352;NO)、次ラウンド待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS353)。そして、次ラウンド待ちフラグをオン状態にセットしてから(ステップS354)、大当り開放後処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行される。
ステップS352にてラウンド上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS352;YES)、大当り終了時間として予め定められた時間を設定する(ステップS355)。その後、ラウンドカウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS356)。また、大当りフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS357)。そして、特図プロセスフラグの値を“7”に更新してから(ステップS358)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“7”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS117の大当り終了処理が実行される。
ステップS351にて次ラウンド待ちフラグがオンであるときには(ステップS351;YES)、次ラウンド待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS359)。このとき、次ラウンド待ち時間が経過していなければ(ステップS359;NO)、大当り開放後処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行され、次ラウンド待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS359にて次ラウンド待ち時間が経過した場合には(ステップS359;YES)、次ラウンド待ちフラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS360)、ラウンドカウント値を1加算するように更新する(ステップS361)。そして、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS362)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。こうして、ラウンドカウント値がラウンド上限判定値に達していない場合には、次ラウンド開始待ち時間が経過するまで待機してから、新たなラウンド遊技の実行を開始させることができる。
図16は、図4のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS371)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS371;NO)、大当り終了処理の実行を終了させて待機する。
ステップS371にて大当り終了前時間が経過した場合には(ステップS371;YES)、終了する大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかであるか否かを判定する(ステップS372)。
ステップS372にて終了する大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかである場合には(ステップS372;YES)、確変制御を開始して遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS373)。一例として、ステップS373の処理では、確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS373の処理に続いて、終了する大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかであるか否かを判定する(ステップS374)。
ステップS374にて終了する大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかである場合には(ステップS374;YES)、高ベース制御を開始するための設定を行う(ステップS375)。一例として、ステップS375の処理では、高ベースフラグをオン状態にセットする。高ベースフラグがオンであるときには、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100にてタイマ割込みが発生する毎に実行される普通図柄プロセス処理にて、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御のうちで、一部又は全部の制御が行われるようにすればよい。これにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させて、通常状態よりも遊技球が第2始動入賞口を通過し易くなる高ベース制御が行われる。
ステップS372にて終了する大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれでもない場合や(ステップS372;NO)、ステップS374にて終了する大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれでもない場合(ステップS374;NO)、ステップS375の処理の後には、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS376)、大当り終了処理を終了する。特図プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図17は、ゲームフローの一例を示す図である。パチンコ遊技機1は、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、図17(A)に示す低確低ベース状態に制御される。低確低ベース状態では、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態となり、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能となるため、遊技球を右遊技領域2Bに発射するよりも左遊技領域2Aに発射することで遊技者にとって有利な遊技が行われる。したがって、低確低ベース状態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームで「大当り」を目指すことになる。
図17(A)に示す低確低ベース状態において、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームで「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」又は「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」になると、パチンコ遊技機1は、図17(B)に示す右大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に制御され、遊技球を左遊技領域2Aに発射するよりも右遊技領域2Bに発射することで遊技者にとって有利な遊技が行われる。
図17(B)に示す大当り遊技状態が終了すると、パチンコ遊技機1は、図17(C)に示す高確高ベース状態に制御される。高確高ベース状態では、普通可変入賞球装置6Bが第1可変状態としての拡大開放状態や開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が通過可能となるため、遊技球を左遊技領域2Aに発射するよりも右遊技領域2Bに発射することで遊技者にとって有利な遊技が行われる。したがって、高確高ベース状態では、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームで「大当り」を目指すことになる。
図17(C)に示す高確高ベース状態において、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームで「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」になると、パチンコ遊技機1は、上述した図17(B)に示す右大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に制御される。
図17(C)に示す高確高ベース状態において、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームで「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」になると、パチンコ遊技機1は、図17(D)に示す左大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に制御され、遊技球を右遊技領域2Bに発射するよりも左遊技領域2Aに発射することで遊技者にとって有利な遊技が行われる。
図17(D)に示す大当り遊技状態が終了すると、パチンコ遊技機1は、上述した図17(A)に示す低確低ベース状態に制御される。
図17(A)に示す低確低ベース状態において、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームで「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」になると、パチンコ遊技機1は、図17(E)に示す左大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に制御され、遊技球を右遊技領域2Bに発射するよりも左遊技領域2Aに発射することで遊技者にとって有利な遊技が行われる。
図17(E)に示す大当り遊技状態が終了すると、パチンコ遊技機1は、図17(F)に示す高確低ベース状態に制御される。高確低ベース状態では、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態となり、第2始動入賞口を遊技球が通過困難又は通過不可能となるため、遊技球を右遊技領域2Bに発射するよりも左遊技領域2Aに発射することで遊技者にとって有利な遊技が行われる。したがって、高確低ベース状態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームで「大当り」を目指すことになる。
図17(F)に示す高確低ベース状態において、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームで「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」又は「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」になると、パチンコ遊技機1は、上述した図17(B)に示す右大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に制御される。
図17(F)に示す高確低ベース状態において、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームで「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」になると、パチンコ遊技機1は、上述した図17(E)に示す左大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に制御される。
図17(A)に示す低確低ベース状態において、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームで「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」又は「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」になると、パチンコ遊技機1は、図17(G)に示す右大入賞口を開放状態にする「突確」の大当り遊技状態に制御され、右大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過困難又は通過不可能なラウンド遊技が実行される。
同様に、図17(F)に示す高確低ベース状態において、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームで「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」又は「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」になると、パチンコ遊技機1は、図17(G)に示す右大入賞口を開放状態にする「突確」の大当り遊技状態に制御される。
図17(G)に示す「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」の大当り遊技状態が終了すると、パチンコ遊技機1は、上述した図17(F)に示す高確低ベース状態に制御される。一方、図17(G)に示す「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」の大当り遊技状態が終了すると、パチンコ遊技機1は、上述した図17(C)に示す高確高ベース状態に制御される。
図17(A)に示す低確低ベース状態において、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームで「第6大当り(5R非確変、高ベース制御あり)」になると、パチンコ遊技機1は、上述した図17(D)に示す左大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に制御される。
同様に、図17(F)に示す高確低ベース状態において、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームで「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」になると、パチンコ遊技機1は、上述した図17(D)に示す左大入賞口を開放状態にする大当り遊技状態に制御される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LED等の発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図18は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、サブ側時短フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS161)。このとき、サブ側時短フラグがオンであれば(ステップS161;YES)、第1右打ち指示報知及び第2右打ち指示報知を開始するための設定を行うと共に(ステップS162)、指示報知フラグをオン状態にセットする(ステップS163)。一例として、ステップS162の処理では、演出制御パターンから読み出した演出制御実行データに応じて、第1右打ち指示報知及び第2右打ち指示報知を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13等に対して伝送させればよい。より具体的には、図3に示すように、第1右打ち指示報知に対応して、「右打ちしてね!」といった文字によるメッセージや、右向き矢印を示す演出画像51を表示させるための表示制御指令を作成して表示制御部123へと伝送させたり、「右打ちしてね!」といった音声を出力させるための効果音信号等を作成して音声制御基板13へと伝送させたりする。また、第2右打ち指示報知に対応して、第1右打ち指示報知よりも小さくて薄い右向き矢印のみを示す演出画像52を表示させるための表示制御指令を作成して表示制御部123へと伝送する。ステップS162の処理により演出制御基板12の演出制御用CPU120等から伝送された表示制御指令に応じて、表示制御部123が所定の映像信号を生成して画像表示装置5に供給したり、所定の音声制御指令に応じて、音声制御基板13が所定の効果音信号を生成してスピーカ8L、8Rに供給したりすることにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことを遊技者に報知する第1右打ち指示報知及び第2右打ち指示報知が行われる。
ステップS161にてサブ側時短フラグがオフであれば(ステップS161;NO)、第1左打ち指示報知及び第2左打ち指示報知を開始するための設定を行うと共に(ステップS164)、指示報知フラグをオン状態にセットする(ステップS165)。一例として、ステップS164の処理では、演出制御パターンから読み出した演出制御実行データに応じて、第1左打ち指示報知及び第2左打ち指示報知を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13等に対して伝送させればよい。より具体的には、第1左打ち指示報知に対応して、「左打ちに戻して!」といった文字によるメッセージや、左向き矢印を示す演出画像を表示させるための表示制御指令を作成して表示制御部123へと伝送させたり、「左打ちに戻して!」といった音声を出力させるための効果音信号等を作成して音声制御基板13へと伝送させたりする。また、第2左打ち指示報知に対応して、第1左打ち指示報知よりも小さくて薄い左向き矢印のみを示す演出画像を表示させるための表示制御指令を作成して表示制御部123へと伝送する。ステップS164の処理により演出制御基板12の演出制御用CPU120等から伝送された表示制御指令に応じて、表示制御部123が所定の映像信号を生成して画像表示装置5に供給したり、所定の音声制御指令に応じて、音声制御基板13が所定の効果音信号を生成してスピーカ8L、8Rに供給したりすることにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことを遊技者に報知する第1左打ち指示報知及び第2左打ち指示報知が行われる。
ステップS163の処理を実行した後や、ステップS165の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、例えばRAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。可変表示開始処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理には、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御等を行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果等に基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したこと等に基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したこと等に対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図19は、可変表示開始設定処理として、図18のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄等を決定する(ステップS501)。ステップS501の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。
例えばステップS501の処理では、可変表示結果が「ハズレ」で変動パターンが「非リーチ」に対応した変動パターンである場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて異なる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。一方、可変表示結果が「ハズレ」で変動パターンが「リーチ」に対応した変動パターンである場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の飾り図柄と「中」の飾り図柄表示エリアにて異なる飾り図柄とを最終停止図柄に決定する。他方、可変表示結果が「大当り」となる場合には、遊技状態が通常状態であるか否か等に応じて、異なる飾り図柄を最終停止図柄に決定してもよい。一例として、遊技状態が通常状態であるときは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の数字を示す飾り図柄を最終停止図柄に決定する。他方、確変状態であるときは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて数字とは異なる同一のキャラクタ等を示す飾り図柄を最終停止図柄に決定する。
ステップS501にて最終停止図柄等を決定した後には、変動パターン指定コマンドで示された変動パターン等に基づいて、各種演出実行期間を設定する(ステップS502)。
その後、示唆演出決定処理を実行する(ステップS503)。ここで、示唆演出とは、遊技球の発射態様を示唆する演出である。例えば、示唆演出は、左大入賞口を開放状態とする大当り種別であるときには、大当り遊技状態の終了後に遊技球を左遊技領域2Aに発射するよう示唆し、右大入賞口を開放状態とする大当り種別であるときには、大当り遊技状態の終了後に遊技球を右遊技領域2Bに発射するよう示唆する演出を実行するものである。
ステップS503の処理を実行した後には、可変表示中演出決定処理を実行する(ステップS504)。可変表示中演出決定処理は、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合や「擬似連」の可変表示演出が実行される場合等に対応して、各種の演出態様を決定するための処理を含んでいる。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS505)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターン等に対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。なお、各種演出実行期間を設定する処理は、ステップS502の処理により演出制御パターンを決定する処理とは別個に実行されてもよいし、変動パターンに対応した演出制御パターンを決定することにより各種演出実行時間が設定されて、別個に各種演出実行期間を設定する処理が実行されないようにしてもよい。
ステップS505の処理に続き、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS506)。そして、画像表示装置5における飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行う(ステップS507)。このときには、例えばステップS505にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させること等により、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS508)、可変表示開始設定処理を終了する。
図20は、示唆演出設定処理として、図19のステップS503にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す示唆演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、示唆演出を実行するか否かという、示唆実行の有無を決定する(ステップS121)。このときには、例えば図21に示すように、特図表示結果や大当り種別の組み合わせに応じて異なる決定割合で、示唆演出を実行するか否かが決定されればよい。
ステップS121における決定に続いて、その決定結果が示唆演出を実行する「示唆演出あり」か否かを判定する(ステップS122)。このとき、示唆演出を実行しない「笹演出なし」の場合には(ステップS122;NO)、示唆演出設定処理を終了する。これに対して、「示唆演出あり」の場合には(ステップS122;YES)、示唆演出実行設定処理を実行して(ステップS123)、示唆演出設定処理を終了する。ステップS123の示唆演出実行設定処理は、示唆演出パターンを、予め用意された複数の示唆演出パターンから選択するための処理である。
図22は、可変表示中演出決定処理として、図19のステップS504にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示中演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンを特定する(ステップS611)。続いて、特定した変動パターンに対応して、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるリーチありか否かを判定する(ステップS612)。このとき、リーチありと判定した場合には(ステップS612;YES)、予告演出を決定する(ステップS613)。
図23は、ステップS613の処理による予告演出の決定例を示している。この実施の形態において、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後には、常に予告演出が実行される。この予告演出における演出態様には、可動演出部材60Aを画像表示装置5の表示領域における所定端部の近傍にて揺動させる「可動演出部材動作」と、所定のキャラクタを示す演出画像を画像表示装置5の表示領域における所定端部の近傍にて揺動するように表示させる「予告画像表示」とがある。ステップS613の処理では、予告演出における演出態様を「可動演出部材動作」と「予告画像表示」のいずれとするかが決定される。
一例として、演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された予告演出決定テーブルを参照すること等により、予告演出における演出態様を決定すればよい。予告演出決定テーブルでは、リーチ演出が「ノーマルリーチ」と「スーパーリーチ」のいずれであるかに応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値が、予告演出における複数の演出態様のいずれかに割り当てられていればよい。
図23に示す決定例でリーチ演出が「ノーマルリーチ」となる場合に、予告演出の演出態様が「予告画像表示」に決定される割合は、「可動演出部材動作」に決定される割合よりも高くなるように設定されている。一方、リーチ演出が「スーパーリーチ」となる場合に、予告演出における演出態様が「可動演出部材動作」に決定される割合は、「予告画像表示」に決定される割合よりも高くなるように設定されている。また、予告演出における演出態様が「可動演出部材動作」に決定される割合は、リーチ演出が「ノーマルリーチ」となる場合よりも「スーパーリーチ」となる場合に高くなる一方、「予告画像表示」に決定される割合は、リーチ演出が「ノーマルリーチ」となる場合よりも「スーパーリーチ」となる場合に低くなるように設定されている。こうした設定により、可動演出部材60Aを揺動させる予告演出が実行されたときには、所定のキャラクタを示す演出画像を表示させる予告演出が実行されたときよりも、スーパーリーチのリーチ演出が実行される期待度、ひいては大当り期待度が高められる。
なお、予告演出の演出態様に応じた期待度は、「可動演出部材動作」よりも「予告画像表示」の方が高くなるように設定してもよい。また、予告演出の期待度は、演出態様によらず一定になるように設定してもよい。飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後には、常に予告演出が実行されるものに限定されず、予告演出が実行されない場合を設けてもよい。この場合、ステップS613の処理では、リーチ演出に応じた所定割合で、予告演出を実行するか否かが決定されればよい。例えば、リーチ演出が「スーパーリーチ」となる場合には「ノーマルリーチ」となる場合よりも高い割合で、予告演出を実行することに決定されればよい。こうして、予告演出が実行されたときには、実行されないときよりも、スーパーリーチのリーチ演出が実行される期待度が高められるようにしてもよい。即ち、予告演出は、リーチ演出が「スーパーリーチ」となる可能性が高いことを示唆する演出として実行されてもよい。このような構成によれば、例えば、複数種類の予告演出を用意しておき、その各予告演出の演出態様に応じた期待度を異ならせる等して、いずれの予告演出が実行されるかに注目を集めることができ、興趣を向上させることができる。
ステップS613の処理を実行した後には、予告演出を実行するための設定を行う(ステップS614)。一例として、ステップS614の処理では、ステップS613の処理により決定された予告演出における演出態様に対応して、可動演出部材60Aを進出させる予告演出と、所定のキャラクタを示す演出画像を表示領域に表示させる予告演出のうち、いずれかの予告演出を実行するための演出制御パターンが指定されればよい。
図24は、可変表示中演出として、図18のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値等に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。一例として、ステップS521の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたとき等に、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS521にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS521;NO)、示唆演出を実行するための示唆演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS522)。示唆演出実行期間は、例えば示唆演出の演出態様に対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS522にて示唆演出実行期間であるときには(ステップS522;YES)、示唆演出を実行するための演出制御動作を行う(ステップS523)。
一例として、ステップS523の処理では、演出制御パターンから読み出した演出制御実行データに応じて、所定の演出態様による示唆演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123に対して伝送させればよい。より具体的には、示唆演出を実行するときに、図25に示すように、所定のキャラクタが「この変動で大当りになれば右打ちだよ」のようなセリフを呼びかける等して、「大当り」になれば、その「大当り」の終了後に遊技球を左遊技領域2Aと右遊技領域2Bとのいずれかに発射することになることを示唆する演出画像を表示させるための表示制御指令を作成して、表示制御部123へと伝送させる。
ステップS522にて示唆演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS522;NO)、ステップS523の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS524)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS524にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS524;YES)、予告演出を実行するための予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS525)。予告演出実行期間は、例えば予告演出の演出態様に対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS525にて予告演出実行期間であると判定されたときには(ステップS525;YES)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS526)。
一例として、ステップS526の処理では、演出制御パターン等から読み出した演出制御データに応じて、所定の演出態様による予告演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123やモータ駆動回路16等に対して伝送させればよい。より具体的には、「可動演出部材動作」の予告演出を実行するときに、可動演出部材60Aを画像表示装置5における表示領域の前面に進出させるための駆動制御信号を作成して、モータ駆動回路16へと伝送させる。一方、「予告画像表示」の予告演出を実行するときに、所定のキャラクタを示す演出画像を表示させるための表示制御指令を作成して、表示制御部123へと伝送させる。ステップS526の処理により演出制御基板12の演出制御用CPU120等から伝送された駆動制御信号に応じて、モータ駆動回路16が可動演出部材用モータ61Aを回転駆動することにより、可動演出部材60Aを画像表示装置6における所定端部の近傍から表示領域の前面へと進出させる「可動演出部材動作」の予告演出が実行される。
ステップS526の処理を実行した後には、ステップS526にて「予告画像表示」の予告演出を実行するための設定が行われたか否かを判定する(ステップS527)。このとき、「予告画像表示」の予告演出を実行するための設定が行われていれば(ステップS527;YES)、指示報知フラグがオンであるか否かを判定することにより、第1左打ち指示報知及び第1右打ち指示報知が実行されているか否かを判定する(ステップS528)。
ステップS528にて指示報知フラグがオンであるときには(ステップS528;YES)、サブ側時短フラグがオンであるか否かに応じて、第1左打ち指示報知画像又は第1右打ち指示報知画像51を移動させる演出動作を実行させるための演出動作制御を行う(ステップS529)。
ステップS529の処理では、サブ側時短フラグがオフである場合、即ち第1左打ち指示報知及び第2左打ち指示報知が実行されている場合には、第2左打ち指示報知画像を元の位置に表示させたまま、第1左打ち指示報知画像を中央上方から中央左側に移動させる演出動作制御を行う。これに対して、サブ側時短フラグがオンである場合、即ち図26(A)に示すように、第1右打ち指示報知及び第2右打ち指示報知が実行されている場合、第2右打ち指示報知画像52を元の位置に表示させたまま、図26(B)に示すように、第1右打ち指示報知画像51を中央上方から中央右側に移動させる演出動作制御を行う。なお、「予告画像表示」の予告演出が終了した場合には、中央左側に移動させた第1左打ち指示報知画像や、中央右側に移動させた第1右打ち指示報知画像51を元の上方中央の位置に戻す演出動作制御が行われればよい。
このように、第1左打ち指示報知や第1右打ち指示報知を、画像表示装置5における上方の表示領域のうち、上方左側、上方中央及び上方右側といった複数の表示領域のうちのいずれかで実行する。これにより、「予告画像表示」の予告演出等の画像表示装置5における他の表示を邪魔することなく、第1左打ち指示報知や第1右打ち指示報知を実行することができる。
図24に示すステップS525にて予告演出実行期間ではないと判定されたときには(ステップS525;NO)、スーパーリーチのリーチ演出を実行するためのスーパーリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS530)。スーパーリーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS530にてスーパーリーチ演出実行期間であるときには(ステップS530;YES)、スーパーリーチのリーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS531)。
ステップS531の処理を実行した後には、指示報知フラグがオンであるか否かを判定することにより、第1左打ち指示報知及び第1右打ち指示報知が実行されているか否かを判定する(ステップS532)。このとき、指示報知フラグがオンであれば(ステップS532;YES)、第1左打ち指示報知画像や第1右打ち指示報知画像51を表示する演出動作を停止するための演出動作制御を行う(ステップS533)。
ステップS533の処理では、サブ側時短フラグがオフで指示報知フラグがオンである場合、即ち第1左打ち指示報知及び第2左打ち指示報知が実行されている場合、第1左打ち指示報知画像を表示する演出動作を停止させる一方で、第2左打ち指示報知画像を表示する演出動作を継続させるための演出動作制御を行う。これに対して、サブ側時短フラグ及び指示報知フラグがオンである場合、即ち第1右打ち指示報知及び第2右打ち指示報知が実行されている場合、第1右打ち指示報知画像51を表示する演出動作を停止させる一方で、第2右打ち指示報知画像52を表示する演出動作を継続させるための演出動作制御を行う。
このように、スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合には、第1左打ち指示報知や第1右打ち指示報知の実行が制限される一方で、第2左打ち指示報知や第2右打ち指示報知は実行されるため、スーパーリーチのリーチ演出の妨げとなることなく、左遊技領域2Aや右遊技領域2Bに遊技球を発射すべき旨の指示、即ち第2左打ち指示報知画像や第2右打ち指示報知画像52を表示することができる。なお、第1左打ち指示報知や第1右打ち指示報知の実行の制限は、スーパーリーチのリーチ演出の終了後、第1左打ち指示報知画像や第1右打ち指示報知画像51を表示する演出動作が再開されることにより、解除されればよい。
図27は、第1右打ち指示報知及び第2右打ち指示報知の実行中に、「可動演出部材動作」の予告演出が実行される場合の演出動作例を示している。この例では、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後、「可動演出部材動作」の予告演出が開始されるときに、図27(A)に示すように、第1右打ち指示報知画像51及び第2右打ち指示報知画像52と共に、操作ボタンの操作を遊技者に促す演出画像が画像表示装置5に表示される。その後、遊技者により操作ボタンが操作されると、図27(B)に示すように、可動演出部材50Aが表示領域における所定端部の近傍から表示領域の前面へと進出され、第1右打ち指示報知画像51が表示される画像表示装置5の上方の表示領域の少なくとも一部の視認が妨げられる一方で、第2右打ち指示報知画像52が表示される画像表示装置5の下方右側の表示領域の視認は妨げられることなく、第2右打ち指示報知が実行される。
このように、「可動演出部材動作」の予告演出が実行されることにより、第1右打ち指示報知画像51が表示される画像表示装置5の上方の表示領域の少なくとも一部の視認が妨げられる場合でも、第2右打ち指示報知画像52が表示される画像表示装置5の下方右側の表示領域の視認は妨げられることなく、第2右打ち指示報知が実行されるため、遊技者は、右遊技領域2Bに遊技球を発射すべきことの指示を容易に認識することができる。
なお、第1左打ち指示報知及び第2左打ち指示報知の実行中に、「可動演出部材動作」の予告演出が実行されることにより、第1左打ち指示報知画像が表示される画像表示装置5の上方の表示領域の少なくとも一部の視認が妨げられる場合でも、第2左打ち指示報知画像が表示される画像表示装置5の下方左側の表示領域の視認は妨げられることなく、第2左打ち指示報知が実行されるため、第1右打ち指示報知及び第2右打ち指示報知の実行中と同様に、遊技者は、左遊技領域2Aに遊技球を発射すべきことの指示を容易に認識することができる。
そして、スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合には、可動演出部材60Aが表示領域の前面から表示領域における所定端部の近傍へと退避すると、図27(C)に示すように、リーチ演出がノーマルリーチのリーチ演出からスーパーリーチのリーチ演出に発展されると共に、図24に示すステップS533の処理が実行されることにより、第1右打ち指示報知画像51が消去される一方で、第2右打ち指示報知画像52は継続して表示される。なお、スーパーリーチのリーチ演出が実行されない場合には、リーチ演出がノーマルリーチのリーチ演出からスーパーリーチのリーチ演出に発展されず、ステップS533の処理が実行されないため、第1右打ち指示報知画像51は消去されることなく、第2右打ち指示報知画像52と共に継続して表示されればよい。
図24に示すステップS530にてスーパーリーチ演出実行期間ではないと判定されたときには(ステップS530;NO)、予告演出及びスーパーリーチのリーチ演出以外のリーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS534)。
ステップS524にてリーチ演出実行期間ではないときや(ステップS524;NO)、ステップS527にて「予告画像表示」の予告演出を実行するための設定が行われていないとき、すなわち「可動演出部材」の予告演出を実行するための設定が行われているとき(ステップS527;NO)、ステップS528にて指示報知フラグがオフであるとき(ステップS528;NO)、ステップS529、S533及びS524のいずれかの処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定等に基づいて、「擬似連」や「滑り」の可変表示演出を実行するための演出動作制御等、その他の飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS535)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS521にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS521;YES)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS536)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS536;NO)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS536にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS536;YES)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS537)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS538)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS539)、可変表示中演出処理を終了する。
図28(A)は、可変表示停止処理として、図18のステップS173にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28(A)に示す可変表示停止処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS541)。このとき、大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していなければ(ステップS541;NO)、主基板11から伝送される大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS542)。そして、大当り開始指定コマンドの受信がない場合には(ステップS542;NO)、可変表示停止処理を終了する。ここでは、演出プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに可変表示停止処理が再び実行され、大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過するまで、又は大当り開始指定コマンドを受信するまで、待機する。
ステップS542にて大当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS542;YES)、例えば受信した大当り開始指定コマンドの通知内容に基づいて、大当り前の遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する(ステップS543)。
図28(B)は、この実施の形態における大当り開始指定コマンドによる通知内容の設定例等を示している。大当り開始指定コマンドは、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が図11に示すステップS290の処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12へと伝送される。この大当り開始指定コマンドは、可変表示結果が「大当り」となるときの遊技状態や、大当り種別等に応じて、異なる通知内容を示している。例えば大当り前の遊技状態が低ベース状態であり、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」であるときには、大当り開始指定コマンドとして、コマンドA000Hが送信される。また、大当り前の遊技状態が低ベース状態であり、大当り種別が「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」であるときには、大当り開始指定コマンドとして、コマンドA001Hが送信される。また、大当り前の遊技状態が低ベース状態であり、大当り種別が「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」であるときには、大当り開始指定コマンドとして、コマンドA002Hが送信される。また、大当り前の遊技状態が低ベース状態であり、大当り種別が「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」であるときには、大当り開始指定コマンドとして、コマンドA003Hが送信される。また、大当り前の遊技状態が低ベース状態であり、大当り種別が「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」であるときには、大当り開始指定コマンドとして、コマンドA004Hが送信される。また、大当り前の遊技状態が低ベース状態であり、大当り種別が「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」であるときには、大当り開始指定コマンドとして、コマンドA005Hが送信される。また、大当り前の遊技状態が高ベース状態であり、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」であるときには、大当り開始指定コマンドとして、コマンドA006Hが送信される。また、大当り前の遊技状態が高ベース状態であり、大当り種別が「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」であるときには、大当り開始指定コマンドとして、コマンドA007Hが送信される。
演出制御用CPU120は、このような大当り開始指定コマンドによる通知内容に基づいて、大当り前の遊技状態が高ベース状態ではないと判定した場合には(ステップS543;NO)、例えば受信した大当り開始指定コマンドの通知内容に基づいて、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかであるか否かを判定する(ステップS544)。
演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンドによる通知内容に基づいて、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかであると判定した場合には(ステップS544;YES)、可動演出部材60Bを遊技領域2の中央付近よりも右方に移動させるための駆動制御信号を作成して、モータ駆動回路16へと伝送させる(ステップS545)。ステップS545の処理により演出制御基板12の演出制御用CPU120等から伝送された駆動制御信号に応じて、モータ駆動回路16が可動演出部材用モータ61Bを回転駆動することにより、可動演出部材60Bを遊技領域2の中央付近よりも右方に移動させる演出が実行される。このようにして、大当り前の遊技状態が高ベース状態ではない場合には、可動演出部材60Bが、図29(A)に示す遊技領域2の中央付近の初期位置よりも左方の第1進出位置に位置しているところ、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれかの「大当り」となる場合、即ち、これから右大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態が実行されて、大当り遊技状態の終了後に高ベース状態に制御される場合には、可動演出部材60Bを、図29(B)に示す初期位置よりも右方の第2位置に移動することにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射することを指示する演出が実行される。
一方、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンドによる通知内容に基づいて、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれでもないと判定した場合には(ステップS544;NO)、ステップS545の処理を実行せず、可動演出部材60Bを移動させるための処理を行わない。このようにして、大当り前の遊技状態が高ベース状態ではない場合には、可動演出部材60Bが、図29(A)に示す遊技領域2の中央付近の初期位置よりも左方の第1進出位置に位置しているところ、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」、「第5大当り(2R突確、高ベース制御あり)」のいずれでもない「大当り」となる場合、即ち、これから左大入賞口を開放状態とする確変大当り、又は右大入賞口を短期開放状態とする突確大当りの大当り遊技状態が実行されて、大当り遊技状態の終了後に低ベース状態に制御される場合には、可動演出部材60Bを、図29(A)に示す初期位置よりも左方の第1進出位置から移動させないことにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射することを指示する演出が実行され続ける。
演出制御用CPU120は、ステップS543にて大当り開始指定コマンドによる通知内容に基づいて、大当り前の遊技状態が高ベース状態であると判定した場合には(ステップS543;YES)、例えば受信した大当り開始指定コマンドの通知内容に基づいて、大当り種別が「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」であるか否かを判定する(ステップS546)。
演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンドによる通知内容に基づいて、大当り種別が「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」であると判定した場合には(ステップS546;YES)、可動演出部材60Bを遊技領域2の中央付近よりも左方に移動させるための駆動制御信号を作成して、モータ駆動回路16へと伝送させる(ステップS547)。ステップS547の処理により演出制御基板12の演出制御用CPU120等から伝送された駆動制御信号に応じて、モータ駆動回路16が可動演出部材用モータ61Bを回転駆動することにより、可動演出部材60Bを遊技領域2の中央付近よりも左方に移動させる演出が実行される。このようにして、大当り前の遊技状態が高ベース状態である場合には、可動演出部材60Bが、図29(B)に示す遊技領域2の中央付近の初期位置よりも右方の第2進出位置に位置しているところ、大当り種別が「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」の「大当り」となる場合、即ち、これから左大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態が実行されて、大当り遊技状態の終了後に低ベース状態に制御される場合には、可動演出部材60Bを、図29(A)に示す初期位置よりも左方の第1位置に移動することにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射することを指示する演出が実行される。
一方、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンドによる通知内容に基づいて、大当り種別が「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」ではないと判定した場合には(ステップS546;NO)、ステップS547の処理を実行せず、可動演出部材60Bを移動させるための処理を行わない。このようにして、大当り前の遊技状態が高ベース状態である場合には、可動演出部材60Bが、図29(B)に示す遊技領域2の中央付近の初期位置よりも右方の第2進出位置に位置しているところ、大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」となる場合、即ち、これから右大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態が実行されて、大当り遊技状態の終了後に高ベース状態に制御される場合には、可動演出部材60Bを、図29(B)に示す初期位置よりも右方の第2進出位置から移動させないことにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射することを指示する演出が実行され続ける。
その後、可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知の開始設定を行う(ステップS548)。そして、演出プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS549)、可変表示停止処理を終了する。大当り開始指定コマンドを受信することなく、ステップS541にて大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したと判定された場合には(ステップS541;YES)、演出プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS550)、可変表示停止処理を終了する。演出プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込み処理が発生したときには、図18に示すステップS170の可変表示開始待ち処理が実行される。
上記実施の形態では、大当り遊技状態にて開放する大入賞口の決定例として、例えば、図13(B)に示すように、「第4大当り(2R突確、高ベース制御なし)」を除き、大当り遊技状態の終了後に低ベース状態となる場合には左大入賞口を開放し、大当り遊技状態の終了後に高ベース状態となる場合には右大入賞口を開放する例を示したが、これは一例である。大当り遊技状態にて開放する大入賞口は、図30(B)に示す「第7大当り(5R確変、高ベース制御あり)」のように、大当り遊技状態の終了後に高ベース状態となる場合に左大入賞口を開放し、図30(B)に示す「第8大当り(5R確変、高ベース制御なし)」のように、大当り遊技状態の終了後に低ベース状態となる場合に右大入賞口を開放するようにしてもよい。そして、図30(A)に示すように、このような大当り種別が他の大当り種別よりも低い割合で決定されるようにすることによって、左大入賞口を開放する大当り遊技状態の終了後には低ベース状態となり易く、右大入賞口を開放する大当り遊技状態の終了後には高ベース状態となり易くなるようにしてもよい。
以上説明したように、この実施の形態に係るパチンコ遊技機は、遊技球を遊技領域に発射することで遊技が行われ、特定条件が成立すること(例えば特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されること等)で遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態等)に制御される遊技機(例えばパチンコ遊技機1等)であって、前記遊技領域の第1領域(例えば左遊技領域2A等)に設けられ遊技者にとって有利な状態に変化する(例えば左大入賞口扉により左大入賞口を開放状態とすること等)第1可変入賞手段(例えば特別可変入賞球装置7A等)と、前記遊技領域の第2領域(例えば右遊技領域2B等)に設けられ遊技者にとって有利な状態に変化する(例えば右大入賞口扉により右大入賞口を開放状態とすること等)第2可変入賞手段(例えば特別可変入賞球装置7B等)とを備え、前記第1可変入賞手段が遊技者にとって有利な状態に変化する特定遊技状態の終了後には、遊技球を前記第1領域に発射することで前記特定条件が成立するための契機が発生し易い遊技状態となり(例えば大当り種別が「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」の大当り遊技状態の終了後に低ベース状態となること等)、前記第2可変入賞手段が遊技者にとって有利な状態に変化する特定遊技状態の終了後には、遊技球を前記第2領域に発射することで前記特定条件が成立するための契機が発生し易い遊技状態となる(例えば大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」の大当り遊技状態の終了後に高ベース状態となること等)。
このような構成によれば、遊技球を発射すべき遊技領域における領域について、特定遊技状態において発射すべき領域と、特定遊技状態の終了後において発射すべき領域とが同じ領域となるため、混乱が生じないようにすることができる。
また、この実施の形態に係るパチンコ遊技機は、遊技球を遊技領域に発射することで遊技が行われ、特定条件が成立すること(例えば特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されること等)で遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態等)に制御される遊技機(例えばパチンコ遊技機1等)であって、前記遊技領域の第1領域(例えば左遊技領域2A等)に設けられ遊技者にとって有利な状態に変化する(例えば左大入賞口扉により左大入賞口を開放状態とすること等)第1可変入賞手段(例えば特別可変入賞球装置7A等)と、前記遊技領域の第2領域(例えば右遊技領域2B等)に設けられ遊技者にとって有利な状態に変化する(例えば右大入賞口扉により右大入賞口を開放状態とすること等)第2可変入賞手段(例えば特別可変入賞球装置7B等)とを備え、前記第1可変入賞手段が遊技者にとって有利な状態に変化する特定遊技状態の終了後には、遊技球を前記第1領域に発射することで前記特定条件が成立するための契機が発生し易い遊技状態となり易く(例えば大当り種別が「第3大当り(5R確変、高ベース制御なし)」、「第6大当り(5R非確変、高ベース制御なし)」の大当り遊技状態の終了後に低ベース状態となる一方、大当り種別が「第7大当り(5R確変、高ベース制御あり)」の大当り遊技状態の終了後にも低ベース状態となること等)、前記第2可変入賞手段が遊技者にとって有利な状態に変化する特定遊技状態の終了後には、遊技球を前記第2領域に発射することで前記特定条件が成立するための契機が発生し易い遊技状態となり易い(例えば大当り種別が「第1大当り(15R確変、高ベース制御あり)」、「第2大当り(5R確変、高ベース制御あり)」の大当り遊技状態の終了後に高ベース状態となる一方、大当り種別が「第8大当り(5R確変、高ベース制御なし)」の大当り遊技状態の終了後にも高ベース状態となること等)。
このような構成によれば、遊技球を発射すべき遊技領域における領域について、特定遊技状態において発射すべき領域と、特定遊技状態の終了後において発射すべき領域とが同じ領域となり易いため、混乱が生じ難いようにすることができる。
また、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば特別図柄や飾り図柄等)の可変表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば「大当り」等)が導出表示され、前記特定遊技状態に制御される場合に、前記識別情報の可変表示中において、前記特定遊技状態の終了後には遊技球を前記第1領域と前記第2領域とのいずれかに発射することになることを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段(例えば図24のステップS523にて示唆演出を実行する演出制御用CPU120等)を更に備えるように構成されてもよい。
このような構成によれば、識別情報の可変表示中において、特定遊技状態の終了後における遊技球の発射態様を示唆するため、興趣を向上させることができる。
また、遊技球を前記第1領域に発射するよう指示する演出を行う第1態様(例えば初期位置よりも左方の第1進出位置に進出する態様等)と、遊技球を前記第2領域に発射するよう指示する演出を行う第2態様(例えば初期位置よりも右方の第2進出位置に進出する態様等)とに変化する可動指示演出部材(例えば可動演出部材60B等)を更に備えるように構成されてもよい。
このような構成によれば、遊技球を発射すべき遊技領域における領域を、分かり易く指示することができる。
また、前記可動指示演出部材は、遊技機への電力供給が開始されたときには、前記第1態様及び前記第2態様のいずれの態様とも異なる第3態様(例えば遊技盤における遊技領域2の中央付近の初期位置等)に変化するように構成されてもよい。
このような構成によれば、遊技機への電力供給が開始されたときに、遊技球を発射すべき遊技領域における領域について、誤った指示を行ってしまうことを防止することができる。
また、前記第1可変入賞手段は、遊技球を前記第2領域に発射することで遊技者にとって有利な遊技が行われているときに、前記第1特定遊技状態及び前記第2特定遊技状態よりも遊技者にとって不利な特殊遊技状態(例えば大当り種別が「突確」の大当り遊技状態等)となったことに応じて、遊技者にとって有利な状態に変化し、前記第2可変入賞手段は、遊技球を前記第1領域に発射することで遊技者にとって有利な遊技が行われているときに前記特殊遊技状態となったことに応じて、遊技者にとって有利な状態に変化するように構成されてもよい。
このような構成によれば、特殊遊技状態において、賞球を得難いようにすることができる。
また、遊技球の発射態様を指示する指示演出を実行する指示演出実行手段(例えば図18のステップS162やステップS163にて指示報知を行う演出制御用CPU120等)と、特定の態様(例えば画像表示装置5における表示領域の前面に進出する態様等)に変化する可動部材(例えば可動演出部材60A等)とを更に備えるように構成されてもよい。
このような構成によれば、指示演出や、可動部材を用いた演出により、興趣を向上させることができる。
また、前記指示演出実行手段は、前記可動部材が特定の態様に変化したときに、前記可動部材と重なる領域で第1態様による前記指示演出(例えば第1左打ち指示報知画像や第1右打ち指示報知画像51等)を実行し、前記可動部材と重ならない領域で前記第1態様よりも視認性の低い第2態様による前記指示演出(例えば第2左打ち指示報知画像や第2右打ち指示報知画像52等)を実行するように構成されてもよい。
このような構成によれば、可動部材を用いた演出が実行されているときでも、遊技球の発射態様を指示する指示演出を視認させ続けることができる。
以上の他にも、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態において、特定条件が成立することで遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される例として、大当り遊技状態に制御されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特定条件が成立することで遊技者にとって有利な特定遊技状態は、賞球となる遊技球の払い出しや得点を付与することや、確変状態等の特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数よりも多い第1ラウンド数となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数よりも多い第1回数となること、確変状態における大当り確率が第2確率よりも高い第1確率となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数よりも多い第1連チャン数となることの一部又は全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況であればよい。このような構成によれば、様々な特定遊技状態に制御され得るため、興趣を向上させることができる。
上記実施の形態において、2つの大入賞口のうち、第1大入賞口は左遊技領域2Aに設けられ、第2大入賞口は右遊技領域2Bに設けられているものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、画像表示装置よりも下方における遊技領域の略中央に第1大入賞口を設け、第1大入賞口よりも更に下方における遊技領域の略中央に第2大入賞口を設けると共に、第1大入賞口には遊技球を左遊技領域2Aに発射することで入賞するように、第2大入賞口には遊技球を右遊技領域2Bに発射することで入賞するようにしてもよい。このような構成によれば、左遊技領域2Aや右遊技領域2Bのスペースを、広く確保することができるため、役物や副表示装置等を設ける等して、興趣を向上させることができる。
上記実施の形態において、左大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態の終了後には、遊技球を左遊技領域2Aに発射することで、特定条件が成立するための契機が発生し易い遊技状態、即ち、大当り遊技状態となり易い遊技状態としての低ベース状態となり、又は低ベース状態となり易く、右大入賞口を開放状態とする大当り遊技状態の終了後には、遊技球を右遊技領域2Bに発射することで、特定条件が成立するための契機が発生し易い遊技状態、即ち、大当り遊技状態となり易い遊技状態としての高ベース状態となり、又は高ベース状態となり易くなる例について説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特定条件が成立するための契機が発生し易い遊技状態は、賞球となる遊技球の払い出しや得点が付与され易い遊技状態や、確変状態等の特別遊技状態に制御され易い遊技状態、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数よりも多い第1ラウンド数となり易い遊技状態、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数よりも多い第1回数となり易い遊技状態、確変状態における大当り確率が第2確率よりも高い第1確率となり易い遊技状態、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数よりも多い第1連チャン数となり易い遊技状態の一部又は全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となり易い遊技状態であればよい。このような構成によれば、特定条件が成立するための契機が発生し易い様々な遊技状態と成り得るため、興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態において、大当り遊技状態におけるラウンド遊技が実行される毎に、左大入賞口又は右大入賞口のいずれか一方が閉鎖状態から開放状態へと変化し、入賞個数が所定数に達したこと、又は大入賞口開放上限時間が経過したことにより、開放状態の大入賞口を閉鎖状態に戻して1回のラウンド遊技が終了するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、1回のラウンド遊技にて大入賞口を短時間で閉鎖状態と開放状態とに繰り返し変化させ、その繰り返し回数が所定回数に達したこと、又は入賞個数が所定数に達したことにより、1回のラウンドが終了するようにしてもよい。一例として、大当り遊技状態として、特定回数のラウンド遊技において大入賞口を継続して開放状態とするものと、特定回数のラウンド遊技において大入賞口を閉鎖状態と開放状態とに繰り返し変化させるものとを設けてもよい。例えば、「第1大当り」の大当り種別には、「第1大当りA」と「第1大当りB」とが含まれ、図5に示すステップS242の処理では、「第2大当り」〜「第6大当り」の他に「第1大当りA」と「第1大当りB」のいずれかに所定割合で決定されてもよい。そして、大当り種別が「第1大当りA」である場合には、特定回数のラウンド遊技にて大入賞口が2.0秒にわたり1回だけ開放状態とする。一方、大当り種別が「第1大当りB」である場合には、特定回数のラウンド遊技にて大入賞口が0.1秒にわたり開放状態とした後に閉鎖状態とする動作が20回まで繰り返し実行される。こうした設定により、大入賞口を開放状態とする合計時間は同一であっても、特定回数のラウンド遊技において大入賞口に遊技球が進入する可能性を異ならせることができる。
上記実施の形態において、特図表示結果が「大当り」となるか否かにかかわらず、示唆演出が実行され得るものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特図表示結果が「大当り」となる場合にのみ示唆演出を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、示唆演出が実行されることに対する注目を高めることができ、興趣を向上させることができる。
上記実施の形態において、示唆演出とリーチ演出とを実行する場合、リーチ演出よりも前に示唆演出を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、リーチ演出の実行中に示唆演出を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、リーチ演出が終了するまで示唆演出が実行されるか否かに注目させることができるため、興趣を向上させることができる。
上記実施の形態において、可動演出部材60Bが初期位置よりも左方の第1進出位置に進出することにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射するよう指示し、可動演出部材60Bが初期位置よりも右方の第2進出位置に進出することにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射するよう指示するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可動演出部材60Bが初期位置からは移動せず、可動演出部材60Bの一部、例えば可動演出部材60Bが所定のキャラクタを模したものである場合、その腕から指先までの部分が左遊技領域2Aや右遊技領域2Bを指すことにより、遊技領域を発射すべき遊技領域における領域を指示するようにしてもよい。このような構成によれば、より簡易な構造にて、遊技球を発射すべき遊技領域における領域を、分かり易く指示することができる。
上記実施の形態において、可動演出部材60Bは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となる場合に移動するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可動演出部材60Bは、例えば、可動演出部材60Aが動作したときに移動するようにしてもよい。このような構成によれば、遊技者が注視している画像表示装置5の前面にて動作する可動演出部材60Aに注目を集めることになるため、可動演出部材60Bがいつの間にか移動していたかのような感覚を遊技者に対して感じさせることができる。一方、上記実施の形態のように、可動演出部材60Aと可動演出部材60Bとをそれぞれ異なるタイミングで動作させるようにすれば、電力消費を抑えることができる。
上記実施の形態において、可動演出部材60Bは、第1進出位置又は第2進出位置のいずれかに留まっているものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可動演出部材60Bは、例えば、第1進出位置に留まっている期間中に、初期位置に短期間戻ってから再度第1進出位置まで移動したり、第2進出位置に留まっている期間中に、初期位置に短期間戻ってから再度第2進出位置まで移動したりしてもよい。このような構成によれば、可動演出部材60の突発的な動きに注視させることができ、遊技球の発射態様をより分かり易く指示することができる。
上記実施の形態において、変動特図が第1特図であるときに大当り種別が「突確」の「大当り」となった場合、右大入賞口を短期開放状態とする大当り遊技状態に制御される例について説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、変動特図が第2特図であるときに大当り種別が「突確」の「大当り」となった場合、左大入賞口を短期開放状態とする大当り遊技状態に制御されることがあってもよい。このような構成によれば、変動特図が第2特図であっても、遊技者にとって不利な特殊遊技状態とすることができる。
上記実施の形態において、特定遊技状態よりも遊技者にとって不利な特殊遊技状態として、「突確」を例に説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、特定遊技状態よりも遊技者にとって不利な特殊遊技状態は、賞球となる遊技球の払い出しや得点を付与しないことや、確変状態等の特別遊技状態に制御しないこと、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第1回数よりも少ない第2回数となること、確変状態における大当り確率が第1確率よりも低い第2確率となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第1連チャン数よりも少ない第2連チャン数となることの一部又は全部といった、遊技者にとってより不利な遊技状況であればよい。このような構成によれば、様々な特殊遊技状態に制御され得るため、興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、可動演出部材60Aが表示領域における所定端部の近傍から表示領域の前面へと進出されることにより、第1左打ち指示報知画像や第1右打ち指示報知画像51が表示される画像表示装置5の上方の表示領域のうちの少なくとも一部の視認が妨げられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第1表示領域のうちの少なくとも一部の視認を妨げるものは任意であり、例えば画像表示装置5の前面に配置された、あるいは前面へと進出する導光板であってもよい。また、導光板以外にも、画像が表示されないときには透明となる透明液晶装置や透過液晶装置が画像表示装置5の前面に配置された、あるいは前面へと進出するものであってもよい。更に、第1表示領域のうちの少なくとも一部の視認は、物理的に妨げられるものに限定されるものではなく、例えば予告演出等により画像表示装置5の表示動作上、妨げられるものであってもよい。また、可動演出部材60Aの他、単に動作する、あるいは単に動作して発行する所謂役物や、サブ液晶装置、EL表示装置、7セグメント表示器及びLEDドット表示器等の表示装置にも本願発明は適用可能である。更に、動作前は盤面、もしくはロゴ役物等の背面で表示内容を視認困難な位置から、画像表示装置5の前面に重複して表示内容を視認可能な位置に移動するようなものであってもよい。このような構成によれば、可動演出部材60Aの動作態様を、パチンコ遊技機1のモチーフに応じて、より好適なものとすることができる。
上記実施の形態では、飾り図柄の可変表示中に、可動演出部材60Aが表示領域における所定端部の近傍から表示領域の前面へと進出され、第1左打ち指示報知画像や第1右打ち指示報知画像51が表示される画像表示装置5の上方の表示領域の少なくとも一部の視認が妨げられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り中演出やエンディング演出等の実行中に、例えば昇格演出において、可動演出部材60Aが表示領域における所定端部の近傍から表示領域の前面へと進出され、第1右打ち指示報知画像51が表示される画像表示装置5の上方の表示領域の少なくとも一部の視認が妨げられてもよい。この場合でも、第2右打ち指示報知画像52が表示される画像表示装置5の下方右側の表示領域の視認は妨げられることなく、第2右打ち指示報知が実行されるため、上記実施の形態と同様に、右遊技領域2Bに遊技球を発射すべきことの指示を容易に認識することができる。
上記実施の形態では、第2左打ち指示報知は、第1左打ち指示報知よりも小さくて薄い左向き矢印のみを示す演出画像を画像表示装置5の下方左側の表示領域に表示することにより、第1左打ち指示報知よりも視認性の低い態様で遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことを遊技者に報知するものとして説明した。また、第2右打ち指示報知は、第1右打ち指示報知よりも小さくて薄い右向き矢印のみを示す演出画像52を画像表示装置5の下方右側の表示領域に表示することにより、第1右打ち指示報知よりも視認性の低い態様で遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことを遊技者に報知するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第2左打ち指示報知画像や第2右打ち指示報知画像を半透明で表示することにより、第1左打ち指示報知や第1右打ち指示報知よりも視認性の低い態様で遊技球を左遊技領域2Aと右遊技領域2Bとのいずれに発射すべきかを遊技者に報知してもよい。このような構成によれば、指示報知の演出態様を、指示報知以外の演出態様に応じて、より好適なものとすることができる。
上記実施の形態では、第2左打ち指示報知画像や第2右打ち指示報知画像が画像表示装置5の下方右側の表示領域に表示されるものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、第2左打ち指示報知画像や第2右打ち指示報知画像が表示される位置は任意に変更可能であり、例えば画像表示装置5とは別体の副画像表示装置50に表示されるものであってもよい。このような構成によれば、指示報知の演出態様を、指示報知以外の演出態様に応じて、より好適なものとすることができる。
上記実施の形態において、第1左打ち指示報知及び第2左打ちは共に左向き矢印を示す演出画像を表示し、第1右打ち指示報知及び第2右打ち指示報知は共に右向き矢印を示す演出画像を表示するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第1左打ち指示報知では、例えば「左打ちに戻して!」といった文字によるメッセージのみが示され、左向き矢印が示されていない演出画像を表示し、第2左打ち指示報知では、左向き矢印のみが示された演出画像を表示するようにしてもよい。また、第1右打ち指示報知では、例えば「右打ちしてね!」といった文字によるメッセージのみが示され、右向き矢印が示されていない演出画像を表示し、第2右打ち指示報知では、右向き矢印のみが示された演出画像を表示するようにしてもよい。このような構成によれば、指示報知の演出態様を、指示報知以外の演出態様に応じて、より好適なものとすることができる。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組み合わせから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、所定演出を実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作、更には遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。