JP2016150232A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動部の後退動作を開始後に、後退位置で可動部を検出できないときの後退動作の停止契機を適切に確保できる遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ遊技機は、遊技者によって把持される把持手段(例えば、フェースカバー61)と、把持手段に設けられ、把持手段から突出する突出位置と、突出位置から後退する後退位置との間で変位可能な可動部(例えば、ハンドルボタン50A)と、可動部の変位を制御する変位制御手段と、を備える。変位制御手段は、可動部を突出位置に変位させた後に、後退位置に変位させるための後退動作を開始させて、可動部が後退位置にて検出されたことに応じて後退動作を停止させ、後退動作の開始後所定期間内に、可動部が後退位置にて検出されなければ、後退動作を停止させる。【選択図】図11
Description
本発明は、遊技を行う遊技機に関する。
特許文献1には、遊技者によって操作される操作部(同文献では遊技発射ハンドル41)の一部が、遊技状況に応じて、初期位置と当該初期位置よりも突出した突出位置との間で移動する可動部(同文献では可動部材210)として構成された遊技機が開示されている。
しかしながら、特許文献1の遊技機では、可動部を突出位置から、初期位置としての後退位置に変位させるための後退動作を開始後に、後退位置で可動部を検出できなかった場合(可動部が初期位置にあることを検出できなかった場合)の当該後退動作の停止契機を適切に確保できない。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、可動部の後退動作を開始後に、後退位置で可動部を検出できないときの後退動作の停止契機を適切に確保できる遊技機を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本願発明に係る遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
遊技者によって把持される把持手段(例えば、フェースカバー61など)と、
前記把持手段に設けられ、前記把持手段から突出する突出位置と、前記突出位置から後退する後退位置との間で変位可能な可動部(例えば、ハンドルボタン50A、ボタン駆動用モータ59など)と、
前記可動部の変位を制御する変位制御手段(例えば、演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記変位制御手段は、
前記可動部を前記突出位置に変位させた後に、前記後退位置に変位させるための後退動作を開始させて、前記可動部が前記後退位置にて検出されたことに応じて前記後退動作を停止させ、
前記後退動作の開始後所定期間内に、前記可動部が前記後退位置にて検出されなければ、前記後退動作を停止させる(例えば、演出制御用CPU120が、図48のS702〜S704の処理の実行後に、S705で没入駆動を停止させるなど)、
ことを特徴とする。
この構成によれば、可動部の後退動作を開始後に、後退位置で可動部を検出できないときの後退動作の停止契機を適切に確保できる。
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
遊技者によって把持される把持手段(例えば、フェースカバー61など)と、
前記把持手段に設けられ、前記把持手段から突出する突出位置と、前記突出位置から後退する後退位置との間で変位可能な可動部(例えば、ハンドルボタン50A、ボタン駆動用モータ59など)と、
前記可動部の変位を制御する変位制御手段(例えば、演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記変位制御手段は、
前記可動部を前記突出位置に変位させた後に、前記後退位置に変位させるための後退動作を開始させて、前記可動部が前記後退位置にて検出されたことに応じて前記後退動作を停止させ、
前記後退動作の開始後所定期間内に、前記可動部が前記後退位置にて検出されなければ、前記後退動作を停止させる(例えば、演出制御用CPU120が、図48のS702〜S704の処理の実行後に、S705で没入駆動を停止させるなど)、
ことを特徴とする。
この構成によれば、可動部の後退動作を開始後に、後退位置で可動部を検出できないときの後退動作の停止契機を適切に確保できる。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記可動部は、前記突出位置のときに遊技者の操作に応じて変位可能であり、
遊技者に前記可動部の操作を促す操作促進表示(例えば、図42(C)、(D)に示す操作促進表示など)を表示する表示部(例えば、演出表示装置5など)をさらに備え、
前記変位制御手段は、前記操作促進表示が表示されるよりも前に、前記可動部を変位させることが可能である(例えば、演出制御用CPU120が図39のS405でハンドルボタン50Aの駆動開始が可能であることなど)、ようにしてもよい。
この構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
前記可動部は、前記突出位置のときに遊技者の操作に応じて変位可能であり、
遊技者に前記可動部の操作を促す操作促進表示(例えば、図42(C)、(D)に示す操作促進表示など)を表示する表示部(例えば、演出表示装置5など)をさらに備え、
前記変位制御手段は、前記操作促進表示が表示されるよりも前に、前記可動部を変位させることが可能である(例えば、演出制御用CPU120が図39のS405でハンドルボタン50Aの駆動開始が可能であることなど)、ようにしてもよい。
この構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記可動部は、前記突出位置と前記後退位置との間で水平方向に沿って変位する、ようにしてもよい。
この構成によれば、可動部が自重で初期位置に復帰できない構造であっても後退動作の停止契機を適切に確保できる。
前記可動部は、前記突出位置と前記後退位置との間で水平方向に沿って変位する、ようにしてもよい。
この構成によれば、可動部が自重で初期位置に復帰できない構造であっても後退動作の停止契機を適切に確保できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記変位制御手段は、
前記後退動作を実行してから特定期間が経過後、又は、前記後退動作を所定回数実行後に、前記可動部が前記後退位置で検出されない場合、前記後退動作の実行を終了する(例えば、演出制御用CPU120が、図48のエラー検出処理で、エラー回数が3回以上20回未満である場合(S708;N、S710;N)には、エラー検出(S704)後に没入駆動を停止する(S705)など)、ようにしてもよい。
この構成によれば、可動部の後退動作の停止契機をより適切に確保できる。
前記変位制御手段は、
前記後退動作を実行してから特定期間が経過後、又は、前記後退動作を所定回数実行後に、前記可動部が前記後退位置で検出されない場合、前記後退動作の実行を終了する(例えば、演出制御用CPU120が、図48のエラー検出処理で、エラー回数が3回以上20回未満である場合(S708;N、S710;N)には、エラー検出(S704)後に没入駆動を停止する(S705)など)、ようにしてもよい。
この構成によれば、可動部の後退動作の停止契機をより適切に確保できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記変位制御手段は、前記後退動作の実行を停止後に、前記可動部の操作が検出されると、前記後退動作を再び実行する(例えば、図48のエラー検出処理で、ハンドルボタン50Aの押圧操作が検出されると(S711;Y)、演出制御用CPU120が没入駆動を再開する(S709)など)、ようにしてもよい。
この構成によれば、遊技者又は遊技店店員の操作に応じて後退動作を再開でき、後退動作の再開契機を適切に確保できる。
前記変位制御手段は、前記後退動作の実行を停止後に、前記可動部の操作が検出されると、前記後退動作を再び実行する(例えば、図48のエラー検出処理で、ハンドルボタン50Aの押圧操作が検出されると(S711;Y)、演出制御用CPU120が没入駆動を再開する(S709)など)、ようにしてもよい。
この構成によれば、遊技者又は遊技店店員の操作に応じて後退動作を再開でき、後退動作の再開契機を適切に確保できる。
(6)上記(5)の遊技機において、
前記変位制御手段は、前記遊技機が初期動作中の場合は、前記操作の検出を待たずに、前記後退動作を連続して実行する、ようにしてもよい。
この構成によれば、初期動作における待機を省略して後退動作を実行できる。
前記変位制御手段は、前記遊技機が初期動作中の場合は、前記操作の検出を待たずに、前記後退動作を連続して実行する、ようにしてもよい。
この構成によれば、初期動作における待機を省略して後退動作を実行できる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記変位制御手段は、
前記後退動作を特定回数実行後に、前記可動部が前記後退位置に復帰されない場合は、前記可動部を前記突出位置に移動させる突出動作を実行しない(例えば、図48のエラー検出処理で、エラー検出回数が20回になると(S710;Y)、演出制御CPU120がデッドエンドフラグをオン状態とする(S712)など)、ようにしてもよい。
この構成によれば、可動部が後退位置にないと特定回数判定された後は、可動部が意図せず動作することを抑制することができる。
前記変位制御手段は、
前記後退動作を特定回数実行後に、前記可動部が前記後退位置に復帰されない場合は、前記可動部を前記突出位置に移動させる突出動作を実行しない(例えば、図48のエラー検出処理で、エラー検出回数が20回になると(S710;Y)、演出制御CPU120がデッドエンドフラグをオン状態とする(S712)など)、ようにしてもよい。
この構成によれば、可動部が後退位置にないと特定回数判定された後は、可動部が意図せず動作することを抑制することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図2は、パチンコ遊技機1に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。なお、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置51(図2参照)から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示(可変表示)ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果(可変表示結果)として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
なお、以下の説明において、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uを保留表示エリアと称することがある。保留記憶数は、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留記憶表示の数により認識可能である。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせてもよい。なお、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
保留記憶表示エリアとともに、あるいは保留記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われたりするなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けてもよい。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすればよい。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。また、遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。アウト口に取り込まれた遊技球は、図2に示すアウト球スイッチ24によって検出されるが、アウト球スイッチ24を備えず、かかる検出を行わない構成であってもよい。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される操作ハンドルユニット50(操作ノブ)が設けられている。なお、本実施例の操作ハンドルユニット50は、遊技者が把持してハンドルリング62(図3参照)の回転操作を行うことで、遊技球を発射するとともに、その操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
また、本実施例の操作ハンドルユニット50には、ハンドルボタン50Aが設けられている。このハンドルボタン50Aは、後述するスーパーリーチ演出内のボタン操作の有効期間(図45参照)において操作ボタンとして機能するようになっている。更に、操作ハンドルユニット50は、後述するように、遊技者による操作とは無関係にハンドルボタン50Aを前後方向に移動させるための駆動機構(図2に示すボタン駆動用モータ59など)を備えており、ハンドルボタン50Aが初期位置の一例としての没入位置(後退位置)から突出位置に突出するハンドルボタン演出が実行可能となっている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置51(図2参照)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者による押下動作などの所定の指示操作が可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に検出可能に構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すればよい。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすればよい。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
なお、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。なお、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とするが、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出玉(賞球)の期待値が少ない大当り状態であればよい。なお、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態としてもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出玉(賞球)が少ないものであればよい。
なお、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すればよい。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出玉(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すればよい。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、図14に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
なお、本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図14参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。なお、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示してもよい。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示してもよい。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示してもよい。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示してもよい。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」である演出図柄は、上記した「7」である演出図柄と同様に確変図柄と称される。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。なお、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
なお、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すればよい。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行してもよい。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行わればよい。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。また、打球発射装置51や遊技球を払い出す球払出装置97などに接続された払出制御基板37も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図12(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図12(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図12(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。なお、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図12(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図12(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。なお、小当りを発生させる場合には、小当りに対応する変動表示結果指定コマンド(例えば、コマンド8CX4H(Xは1〜3の任意の値))を設定して、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知すればよい。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB5XXHは、時短回数の残り回数(変動回数)を通知するための演出制御コマンドであり、時短回数の残り回数(変動回数)に応じたEXTデータが設定されることにより、時短回数の残り回数(変動回数)が通知される。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図13は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図13に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図17に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図14は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。なお、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
図14に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
なお、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
なお、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図14に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図15は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小当りを発生させる場合において、小当りの当選確率を第1特図と第2特図とで異なるようにする場合には、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしてもよい。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。すなわち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図16は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別決定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図16(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図16に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
なお、図16に示す大当り種別決定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、上記したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン決定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン決定テーブルと、特図表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン決定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン決定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。なお、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「非確変大当り」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、ハズレ用変動パターン決定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン決定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン決定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン決定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン決定テーブルDとが予め用意されている。
ハズレ用パターン決定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用パターン決定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用パターン決定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用パターン決定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
なお、図14に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図17に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図17に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)126と、が搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
なお、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示すように、本実施例の操作ハンドルユニット50には、遊技者による操作量を検知するためのハンドルセンサ52と、遊技者が操作ハンドルユニット50を把持していることを検出するタッチリング53(タッチセンサ)と、打球発射装置51が備える発射モータの駆動を一旦停止させるための単発スイッチ54と、ハンドルボタン50Aが押圧操作されたことを検出するためのボタン操作検出センサ57と、ハンドルボタン50Aの駆動機構を構成する回転体68(図7参照)の回転位置を検出するための回転位置検出センサ58と、ハンドルボタン50Aを移動させるためのボタン駆動用モータ59と、ハンドルボタン50Aに設けられたボタン演出用ランプ63と、を備えている。ボタン操作検出センサ57と回転位置検出センサ58は、各々、例えばフォトスイッチから構成されている。
なお、操作ハンドルユニット50のハンドルセンサ52とタッチリング53と単発スイッチ54とは、払出制御基板37に接続されており、これらのセンサ類から入力された信号に基づいて、払出制御基板37は、打球発射装置51を制御する。また、打球発射装置51により遊技球が発射されたことを示す信号が払出制御基板37から主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。
また、操作ハンドルユニット50におけるボタン操作検出センサ57と回転位置検出センサ58とボタン駆動用モータ59とボタン演出用ランプ63とは、演出制御基板12に接続されており、ボタン操作検出センサ57及び回転位置検出センサ58の検出信号が演出制御基板12に入力されるとともに、演出制御基板12の演出制御用CPU120がボタン駆動用モータ59及びボタン演出用ランプ63を制御する。このように操作ハンドルユニット50におけるボタン操作検出センサ57と回転位置検出センサ58とボタン駆動用モータ59とボタン演出用ランプ63とは、払出制御基板37に接続されるハンドルセンサ52やタッチリング53や単発スイッチ54と回路的に別構成として設けられている。
次に、本実施例における操作ハンドルユニット50について図3から図11を参照して説明する。
図3及び図4に示すように、操作ハンドルユニット50は、パチンコ遊技機1の前面に設けられているハンドル取付カバー3A(図10参照)に対して固定されるハンドルベース60を有している。このハンドルベース60は、前方側に突出されており、その先端部には、フェースカバー61が、固定用ボス60a,60b(図5(A)参照)を用いて固定されている。また、ハンドルベース60とフェースカバー61との間には、遊技者が回転操作を行うためのハンドルリング62が回転可能に設けられている。
このハンドルリング62は、正面視で略円形状をなし、遊技者が手指を掛けるための突起(図5(A)の二点鎖線参照)が5箇所に形成されている。なお、ハンドルリング62を正面視で反時計回りに付勢するバネ部材77(図10参照)が設けられており、遊技者は、バネ部材77の付勢力に抗してハンドルリング62を時計回りに回転させることで、遊技球の発射操作が行えるようになっている。
また、図10に示すように、操作ハンドルユニット50の内部には、ハンドルリング62の回転操作力を伝達するためのハンドルシャフト65が設けられており、このハンドルシャフト65の後端部65bがハンドルセンサ52に接続されている。そして、遊技者がハンドルリング62を回転させると、その回転量がハンドルシャフト65を介してハンドルセンサ52に伝達されるようになっており、この回転量に応じて払出制御基板37が打球発射装置51を制御して遊技球が発射される。
また、図3、図4に示すように、ハンドルリング62の後方側近傍には、遊技者が操作ハンドルユニット50を握っていることを検出するタッチリング53が設けられている。このタッチリング53は、正面視で略円形状をなし、ハンドルベース60に対して固定されている。なお、タッチリング53は、熱電効率がよいアルミニウム等の金属材料で構成され、遊技者の手指が接触することで生じる微弱な電圧の変化を検出するようになっている。また、払出制御基板37は、ハンドルセンサ52がハンドルリング62の回転量を検知しても、タッチリング53により遊技者の手指を検出できなれければ、遊技球を発射しないようにし、遊技球の誤発射や不正発射を防止する制御を行っている。
図5(A)に示すように、操作ハンドルユニット50において、遊技者の親指が配置される部位には、単発レバースイッチ64が設けられている。この単発レバースイッチ64は、単発スイッチ54に連係されており、遊技者は、単発レバースイッチ64を押圧することで、打球発射装置51が備える発射モータの駆動を一旦停止させることができる。
図3(A)に示すように、操作ハンドルユニット50の前面側を覆うフェースカバー61(把持手段)は、遊技者が握り易いように正面側に膨出した略半球形状をなしている。また、フェースカバー61の中央部は、略円形状に繰り抜かれており、その中央部には、ハンドルボタン50A(可動部)が配置されている。更に、ハンドルボタン50Aは、その外周縁がフェースカバー61の中央部の円孔の内周縁に摺接案内されながら、前後方向(水平方向)に移動自在に配置される。
また、図3(B)に示すように、操作ハンドルユニット50の背面側には、ボタン駆動用モータ59などのハンドルボタン50Aを移動させるための駆動機構が設けられている。ボタン駆動用モータ59や駆動力を伝達する各ギヤ70、71などは、操作ハンドルユニット50の背面側の機構ベース72に取り付けられている。なお、この機構ベース72は、ハンドル取付カバー3A(図10参照)内部の所定の位置に固定されている。
図6に示すように、遊技者の回転操作力を伝達するためのハンドルシャフト65は、その軸部が中空状に形成されており、その軸部に軸方向(前後方向)に移動自在に配置された可動シャフト66が配置される。なお、ハンドルシャフト65は、軸方向(前後方向)に移動不能であるとともに円周方向に回動可能に配置される。更に、可動シャフト66は、軸方向(前後方向)に移動可能であるとともに円周方向に回動不能に配置される。
ハンドルシャフト65の後部は、その一部が切り欠かれて軸内の中空部が露呈される切欠部65aが形成されている。そして、ハンドルシャフト65の軸内の中空部に可動シャフト66が配置されたときに、可動シャフト66の後部が切欠部65aから露呈するようになっている。
また、ハンドルシャフト65の周囲には、従動円筒体67が配置される。この従動円筒体67は、円筒形状をなす部材となっており、上下2つに分割された半円筒状の分割部材67a,67bが互いにネジにより連結されることで構成される。更に、可動シャフト66の後部には、2つのネジがそれぞれ挿設される2つの挿設孔66a,66aが形成される。
なお、ハンドルシャフト65の軸内の中空部に可動シャフト66が配置された状態で、可動シャフト66の後部は、挿設孔66a,66aに挿設されたネジによって、下方の分割部材67bの接続部67e,67eに固定的に接続される。つまり、下方の分割部材67bの接続部67e,67eは、ハンドルシャフト65の切欠部65aを介して、可動シャフト66の後部と固定される。
そして、下方の分割部材67bに上方の分割部材67aが連結され、従動円筒体67が形成される。つまり、本実施例では、可動シャフト66の周囲にハンドルシャフト65が配置され、さらにハンドルシャフト65の周囲に従動円筒体67が配置される構成となっている(図5(A)参照)。また、ハンドルシャフト65の切欠部65aは、軸方向に長い孔部となっており、この切欠部65aにより既定される前後範囲内で、可動シャフト66が軸方向(前後方向)に移動自在になっている。
なお、従動円筒体67の上部と下部には、後述する回転体68(図7参照)の動作に従動する従動突部67c、67dが設けられている。この従動突部67c、67dは、従動円筒体67の周面から突出する略円柱形状をなしている。なお、本実施例では、従動突部67c、67dが斜め上方及び斜め下方を向くように、従動円筒体67が若干傾いて配置される(図7参照)。
図7及び図8に示すように、可動シャフト66の先端部は、ハンドルベース60の中心軸に挿設された状態で、ハンドルボタン50Aに固定的に接続される。なお、ハンドルボタン50Aの内部には、LEDなどで構成されるボタン演出用ランプ63が実装されたランプ基板74が設けられている。このボタン演出用ランプ63は、後述するハンドルボタン演出や後述する操作予告演出などが実行されるときに点灯される。更に、ランプ基板74の前方側には、ボタン演出用ランプ63の発光を反射・拡散するためのリフレクタ板73が設けられている。また、リフレクタ板73とランプ基板74とは一体的に連結され、ランプ基板74の中央の円孔からリフレクタ板73の中央部が背面側に露呈され、このリフレクタ板73の中央部にコイルスプリング75が配置される。
また、ハンドルベース60の中心部には、コイルスプリング75が配置される座部76が形成されている。このコイルスプリング75は、リフレクタ板73(ランプ基板74)と座部76との間に配置されている(図10参照)。そして、コイルスプリング75が拡張する付勢力によって、ハンドルボタン50Aが前方側に移動するように付勢されている。なお、このコイルスプリング75の付勢力により、ハンドルボタン50Aを介して可動シャフト66が前方側に移動するように付勢される。また、可動シャフト66に一体的に固定されている従動円筒体67も同様に前方側に移動するように付勢される。
また、ハンドルシャフト65の先端部は、ハンドルベース60の中心軸に挿設された状態で、ハンドルリング62に固定的に接続される(図10参照)。なお、ハンドルリング62は、バネ部材77により正面視で反時計回りに付勢されており、この付勢力によりハンドルリング62を介してハンドルシャフト65も正面視で反時計回りに付勢されている。
また、従動円筒体67の周囲を覆うように配置される回転体68が設けられている。この回転体68は、前部側にギヤ69を有する略円筒形状をなす部材となっている。回転体68のギヤ69には、機構ベース72に設けられたギヤ70が噛合されており、このギヤ70がボタン駆動用モータ59の回転軸のギヤ71により駆動されることで、回転体68が回転するようになっている。なお、本実施例では、回転体68が正面視で時計回りをなす一方向に回転される。
更に、回転体68の後部は、従動円筒体67の周囲に沿って後方に延びており、その縁部が側面視で湾曲されて曲線状に切り欠かれた曲線部68cと、その縁部が側面視で軸方向(前後方向)に直線状に切り欠かれた直線部68dとが形成されている(図11参照)。なお、回転体68には、同一構成をなす曲線部68c及び直線部68dが回転体68の円周上における2箇所に設けられている。これらの曲線部68c及び直線部68dは、互いに180度の回転対称をなす位置に設けられている。
また、コイルスプリング75の付勢力により前方側に従動円筒体67が付勢されていることで、従動円筒体67の従動突部67c、67dが回転体68の曲線部68cまたは直線部68dに常に接触されるようになっている。そのため、回転体68の回転に応じて、従動円筒体67の従動突部67c、67dが、回転体68の曲線部68cまたは直線部68dの形状に沿って従動的に前後移動され、それに伴って従動円筒体67が前後移動されるようになる。
図10に示すように、従動円筒体67の従動突部67c、67dが、回転体68の曲線部68cの後端に接触された状態では、コイルスプリング75の付勢力に抗して従動突部67c、67dが後方側に移動され、それに伴って従動円筒体67及び可動シャフト66も後方側に移動されるため、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)まで移動される。なお、後述するハンドルボタン演出が実行されていない通常時において、ハンドルボタン50Aは没入位置に維持される。
本実施例では、ハンドルボタン50Aが没入位置にあるときに、ハンドルボタン50Aの表面位置(最前面位置)がフェースカバー61の表面位置(最前面位置)よりも、所定距離L1没入した没入状態となっている。このハンドルボタン50Aが没入状態にあるときに、遊技者が操作ハンドルユニット50を握っても、遊技者の掌がハンドルボタン50Aに接触しないようになっている。
図11に示すように、回転体68が所定角度回転することで、従動円筒体67の従動突部67c、67dに対応する位置に、回転体68の直線部68dが配置されると、コイルスプリング75の付勢力によって可動シャフト66及び従動円筒体67が前方に移動されるとともに、従動突部67c、67dが直線部68dに沿って前方側に移動される。そして、ハンドルボタン50Aが突出位置まで移動される。なお、後述するハンドルボタン演出の実行時において、ハンドルボタン50Aは突出位置まで突出される。
本実施例では、ハンドルボタン50Aが突出位置にあるときに、ハンドルボタン50Aの表面位置(最前面位置)がフェースカバー61の表面位置(最前面位置)よりも、所定距離L2突出した突出状態となっている。遊技者が操作ハンドルユニット50を握った状態で、ハンドルボタン50Aが突出状態になると、遊技者の掌にハンドルボタン50Aが接触するようになっている。このハンドルボタン50Aの接触により、ハンドルボタン演出が実行されていることを遊技者に報知することができる。
なお、ハンドルボタン50Aは、コイルスプリング75の付勢力のみで突出されるようになっているため、遊技者の掌にハンドルボタン50Aが接触しても、遊技者の手を痛めないようになっている。また、従動突部67c、67dは、回転体68の後縁辺に接触しているのみであるため、遊技者が突出位置にあるハンドルボタン50Aを押し込んだりしても、従動突部67c、67dが回転体68の後縁辺から離れる動作が生じるのみで、他のボタン駆動用モータ59やギヤ70、71などの駆動機構に押圧力が伝達されることがないので、これらの駆動機構が破損してしまう虞がないようになっている。
また、スーパーリーチ演出中において、ハンドルボタン50Aが突出位置まで突出する動作を含むハンドルボタン演出が実行可能である。このハンドルボタン演出としては、ハンドルボタン単発突出動作する演出と、ハンドルボタン連続突出動作する演出とがあり、後述する突出動作抽選により、その何れかが選択されるようになっている。ハンドルボタン単発突出動作は、ハンドルボタン50Aが一度突出し(単発突出)、その突出状態が維持される動作である。ハンドルボタン連続突出動作は、ハンドルボタン50Aが突出状態と没入状態とを繰り返し(連続突出)、ハンドルボタン50Aが最後に突出した突出状態で維持される動作である。
なお、ハンドルボタン連続突出を実行する際には、ボタン駆動用モータ59を駆動させ続けることによって、回転体68を一方向に回転し続けるようにし、この回転体68の回転に応じて、従動円筒体67の従動突部67c、67dが、回転体68の後縁辺の曲線部68c及び直線部68dの形状に沿って前後に繰り返し移動するようになる。それに伴ってハンドルボタン50Aは突出状態と没入状態とを繰り返すようになる。
図7及び図8に示すように、従動円筒体67と回転体68とは、機構ベース72に形成された円筒部72aに収容される。この円筒部72aには、従動円筒体67の従動突部67c、67dが挿設される2つの案内孔72b、72bが形成されている。この案内孔72b、72bは、前後方向に延びる切り欠き状の長孔となっており、従動突部67c、67d及び従動円筒体67を前後方向に移動可能にした状態で、従動突部67c、67d及び従動円筒体67を円周方向に回動不能にしている。
図5(B)及び図9に示すように、機構ベース72における円筒部72aの近傍には、回転体68の回転位置(円周方向の向き)を検出するための1つの回転位置検出センサ58が設けられている。そして、回転体68の円周上における2箇所には、回転位置検出センサ58により検出されるドグ68a、68bが設けられている。なお、これらのドグ68a、68bは、互いに180度の回転対称をなす位置に設けられている。2つのドグ68a、68bの配置位置は、前述した2箇所の曲線部68c及び直線部68dにそれぞれ対応して設けられている。
ボタン駆動用モータ59は、例えば、ステッピングモータである。回転位置検出センサ58によりドグ68a、68bの一方が検出された時点(この時点では、図10に示すように、従動円筒体67の従動突部67c、67dが回転体68の曲線部68cの後端に接触した状態となり、ハンドルボタン50Aが没入位置にある)から、ステッピングモータに送るパルス信号の回数を、演出制御用CPU120がカウントすることで、回転体68の回転位置を把握することができる。そして、前述したように、回転体68の回転位置により従動円筒体67の前後位置が定まるため、演出制御用CPU120は、回転位置検出センサ58からの検出信号に基づき、従動円筒体67が前後方向のいずれの位置にあるか、つまりハンドルボタン50Aが突出位置にあるか没入位置(後退位置)にあるかを検出することができる。このようにステッピングモータに送るパルス信号の送信回数を制御することで、ハンドルボタン50Aが突出位置にある突出状態と、ハンドルボタン50Aが没入位置にある没入状態とを制御することができる。
なお、ボタン駆動用モータ59は、演出制御基板12に接続されており、演出制御基板12の演出制御用CPU120は、モータ駆動用のデバイスドライバまたはボタン駆動用モータ59が備える駆動回路を介してボタン駆動用モータ59を制御可能である。
また、機構ベース72における円筒部72aの近傍には、ハンドルボタン50Aが没入位置等にあることを検出するためのボタン操作検出センサ57が設けられている。そして、従動円筒体67の上部の従動突部67cには、ボタン操作検出センサ57により検出されるドグ67c’が設けられている(図10参照)。なお、図11に示すように、コイルスプリング75の付勢力によってハンドルボタン50Aが突出位置にあるときには、可動シャフト66および従動円筒体67が前方側に移動しており、従動円筒体67のドグ67c’がボタン操作検出センサ57により検出されないようになる。突出位置のハンドルボタン50Aが遊技者などの掌で押されて、ドグ67c’がボタン操作検出センサ57により検出されると、ボタン操作検出センサ57から検出信号が演出制御基板12へ出力される。演出制御用CPU120は、当該検出信号に基づいて、ハンドルボタン50Aが押圧操作されたこと、つまり遊技者などによるボタン操作を検出できる。
詳しくは、図11に示す突出位置のハンドルボタン50Aが遊技者の掌で押されて、ハンドルボタン10Aが没入位置(図10参照)よりも手前位置である検出可能位置(当該検出可能位置は、ハンドルボタン50Aの表面位置がフェースカバー61の表面位置と同一位置(図10に破線で示す位置)又はそれよりも僅かに突出した位置(図10に二点鎖線で示す位置)に対応する)に至ったときに、ドグ67c’の一部がボタン操作検出センサ57により検出される。これにより、遊技者は、突出位置のハンドルボタン10Aを没入位置(図10参照)まで完全に押し込む必要がなく、その手前位置である検出可能位置まで押せば十分であるため、ハンドルリング62を把持した状態の掌でハンドルボタン50Aを好適に押圧操作することができる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば、図18(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図18(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば、演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図18(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、変動表示中の第1特図に対応した格納領域(バッファ番号「1−0」に対応した領域)とが設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)と、変動表示中の第2特図に対応した格納領域(バッファ番号「2−0」に対応した領域)とが設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−0」またはバッファ番号「2−0」の記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第1特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していき、第2始動入賞口への始動入賞時には、コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの第2特図保留記憶に対応する空きエントリにおける先頭(バッファ番号の最も若いエントリ)から格納していく。
始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから保留記憶数通知コマンドまでが順次送信される。したがって、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、保留記憶数通知コマンドには、始動入賞時の保留記憶数に対応するコマンドが格納され、各エントリの記憶内容がシフトされるときに、保留記憶数通知コマンドの内容もそのままシフトされるため、保留記憶がシフトされた後であっても、当該保留記憶数通知コマンドにより始動入賞時の保留記憶数が確認できるようになっている。
始動入賞時には、始動口入賞指定コマンドから保留記憶数通知コマンドまでが順次送信される。したがって、コマンド受信が行われれば、第1特図保留記憶または第2特図保留記憶に対応するバッファ番号の末尾「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、保留記憶数通知コマンドには、始動入賞時の保留記憶数に対応するコマンドが格納され、各エントリの記憶内容がシフトされるときに、保留記憶数通知コマンドの内容もそのままシフトされるため、保留記憶がシフトされた後であっても、当該保留記憶数通知コマンドにより始動入賞時の保留記憶数が確認できるようになっている。
図18(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、直前に終了した変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−0」または「2−0」のエントリ)に格納されているものが削除されるとともに、該開始する変動表示の保留記憶に対応したエントリ(バッファ番号「1−1」または「2−1」に対応したエントリ)に格納されているものと、該開始する変動表示の保留記憶以降のエントリの記憶内容がシフトされる。例えば図18(B)に示す格納状態において第1特図保留記憶の演出図柄の変動表示が終了した場合には、バッファ番号「0」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドがバッファ番号「0」にシフトされるとともに、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」、「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」、「3」に対応した領域にシフトされる。よって、バッファ番号「0」は、その時点において変動表示されている保留記憶に関する各コマンドを格納するための領域(エントリ)となる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。
遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図19のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図19に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図20は、特別図柄プロセス処理として、図19に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞判定処理では、図21に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図19に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図19に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図22(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図21のS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図20のS22、図24)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図20のS23、図25)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前、つまり、該変動表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることや、演出図柄の変動表示態様がいずれのカテゴリの変動表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留表示予告演出が実行されるようになる。
図22(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S121)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S121の処理に続いて、図15に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(S122)。その後、図21のS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S123)。大当り判定範囲には、S122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
S123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとならないと判定された場合には(S123;N)、変動表示結果が「ハズレ」となることに応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S124)、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S125)。時短フラグがセットされていない場合は(S125;N)、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし、時短フラグがセットされている場合は(S125;Y)、ハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S127)。
なお、ハズレ用変動パターン判定テーブルAは、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルである。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルDは、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルである。
なお、本実施例では、これらのハズレ用変動パターン判定テーブルAやハズレ用変動パターン判定テーブルDに加えて、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、図23に示すように、これらハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cのうち、ハズレ用変動パターン判定テーブルAでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aまでの値が割り当てられており、ハズレ用変動パターン判定テーブルB,Cでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aを超える値が割り当てられている。一方、ハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cでは、スーパーリーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうちB〜997までの値が割り当てられている。
このため、S126においてハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチまたはスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて判定するようになっている。
図22(A)に示すように、S123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとなると判定された場合には(S123;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S128)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
また、S128において判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S129)、大当り変動パターンを複数のいずれかに判定するためのテーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S130)。
S126,S127,S130の処理のいずれかを実行した後には、S126,S127,S130の処理にて設定された変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(S131)。本実施例では、図22(B)に示すように、少なくとも変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の変動表示態様(例えばノーマルリーチ)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
その後、S131の処理による判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(S132)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
なお、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図24は、特別図柄通常処理として、図20のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図15に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(S150)。なお、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図16(A)に示す大当り種別決定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別決定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
なお、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図25は、変動パターン設定処理として、図20のS23にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S161)。そして、大当りフラグがオンであれば(S161;Y)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン決定テーブルを選択してセットする(S162)。
S161にて大当りフラグがオフであるときには(S161;N)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否か(セットされているか)を判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(S163)。そして、時短フラグがオンであれば(S163;Y)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン決定テーブルDを選択してセットする(S164)。
一方、時短制御中ではないとき、つまり、時短フラグがオフであるとき(セットされていないとき)には(S163;N)、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定し、該特定した合計保留記憶数が2以上であるか否かを判定する(S165)。
特定した合計保留記憶数が2以上でない場合(S165;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン決定テーブルAを選択してセットする(S166)。
また、特定した合計保留記憶数が2以上である場合(S165;Y)には、S167に進んで、合計保留記憶数が5以上であるか否かをさらに判定する(S167)。
合計保留記憶数が5以上でない場合(S167;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン決定テーブルBを選択してセットする(S168)。
また、合計保留記憶数が5以上である場合(S167;Y)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン決定テーブルCを選択してセットする(S169)。
S162,S164,S166,S168,S169の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、選択された大当り用変動パターン決定テーブルまたはハズレ用変動パターン決定テーブルA〜Dのいずれかを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S170)。
なお、大当りフラグがオフであるときには、S170の処理にて変動パターンを決定することにより、演出図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、S170の処理には、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
S170にて変動パターンを決定した後には、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S171)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S171の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S172)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
S172の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S173)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S174)、変動パターン設定処理を終了する。
S172でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図19に示すS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図26は、特別図柄停止処理として、図20のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。なお、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S190に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグおよび時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変A)、大当り開始2指定コマンド(確変B)、大当り開始3指定コマンド(非確変)を送信するための設定を行う(S185)。
さらにCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、非確変大当りや確変大当りAの場合には16回。確変大当りBの場合には5回。)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新する(S189)。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S195に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、時短回数指定コマンドの送信設定を行い(S192)、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS195に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、確変フラグまたは時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。なお、本実施例では、S192において時短回数指定コマンドの送信設定することで、時短回数を演出制御基板12に通知するようにしているが、該S192を実行しないようにすることで、時短回数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図27は、大当り終了処理として、図20のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S201;N)には、大当りフラグをリセットし(S202)、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S203)。なお、本実施例では、大当り終了表示の開始するときに、大当りフラグをリセットして大当り終了指定コマンドの送信設定を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り終了表示時間が経過することでS206においてYesと判定された後のタイミングで、大当りフラグをリセットして大当り終了指定コマンドの送信設定を行うようにしてもよい。
そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S204)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S205)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S206)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S206;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBであるかを判定する(S207)。
大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合(S207;Y)には、確変フラグをセットし(S208)、時短フラグをセットし(S209)、時短回数カウンタに「0」をセットした後(S210)、S213に進む。
一方、大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBでない場合(S207;N)には、S211とS212を実行することで、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタに「100」をセットした後、S213に進む。
S213では、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S214)。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図28は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図12参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、後述のエラー検出処理(S70)(図48参照)の実行後に、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図12参照)であるのかを、図29に示すように解析する。
図29は、コマンド解析処理として、図28のS54にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S221)。このとき、受信コマンドがなければ(S221;N)、コマンド解析処理を終了する。
S221にて受信コマンドがある場合には(S221;Y)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S222)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(S222;Y)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(S223)。例えば、S223の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S222にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(S222;N)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S224)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(S224;Y)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(S225)。例えば、S225の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S224にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(S224;N)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S226)。S226にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S226;N)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S227)。S227にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(S227;N)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S228)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(S228;Y)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S229)。
S228にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(S228;N)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S230)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(S230;Y)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S231)。
S226にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(S226;Y)、S227にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(S227;Y)、あるいはS223,S225,S229,S231の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを図示しない始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭に格納するとともに(S232)、格納したエントリの表示未決定フラグに、未決定である旨を示す「1」をセットしてから(S233)、S221の処理に戻る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
S230にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(S230;N)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(S234)、S221の処理に戻る。
図30は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、後述のエラー検出処理(S70)(図48参照)の実行後に、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。S73〜S79の各処理において、演出制御用CPU120は、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図31は、図30に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第1特図保留記憶のバッファ番号「1−0」〜「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。なお、バッファ番号「1−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「1−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「1−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける第2特図保留記憶のバッファ番号「2−0」〜「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。なお、バッファ番号「2−0」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
具体的には、第2特図保留記憶のバッファ番号「2−1」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−0」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「2−2」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−1」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「2−3」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−2」に対応付けて格納するようにシフトし、第1特図保留記憶のバッファ番号「2−4」に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグをバッファ番号「2−3」に対応付けて格納するようにシフトする。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
なお、この実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、ハズレに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(ハズレ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すればよい。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すればよい。
次いで、演出制御用CPU120は、当該変動表示においてボタン演出を実行するか否かなどを決定するボタン演出決定処理を実行する(S277)。例えば、このボタン演出決定処理では、当該変動がスーパーリーチ変動パターンである場合に、ボタン演出が実行有りに決定され、カットイン演出の種別とボタン操作演出の種別とが決定される。
詳しくは、このボタン演出決定処理では、共通の操作促進前表示(図42(A)、(B)参照)の表示後に操作促進表示(図42(C)に示すプッシュボタン31Bの操作促進表示、又は、図42(D)に示すハンドルボタン50Aの操作促進表示)を表示するためのボタン操作演出の種別が決定される。また、操作促進表示の表示期間内などにボタン操作(プッシュボタン31B又はハンドルボタン50Aの操作)がある場合に表示されるカットイン演出(図41(G)、図43(G)など参照)の種別が決定される。なお、カットイン演出は、例えば、一連の場面(バトル場面)に、別の短い場面(キャラクタが所定の表示態様で登場するなどの場面)が挿入される演出である。
図32は、図31に示された演出図柄変動開始処理におけるボタン演出決定処理を示すフローチャートである。図32に示すボタン演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動表示結果と変動パターンとを特定する(S291)。変動表示結果は、変動開始時において主基板11から送信される変動表示結果(ハズレ、確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)を指定するための変動表示結果指定コマンドを格納するための変動表示結果指定コマンド格納領域に記憶されている変動表示結果指定コマンドにより特定することができる。また、変動パターンは、前述したように、変動パターン指定コマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにて特定できる。
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターンがスーパーリーチであるのか否かを判定する(S292)。本実施例では、スーパーリーチ大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当り)又はスーパーリーチハズレの場合に、ボタン演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU120は、当該変動がスーパーリーチ変動パターンである場合には(S292;Y)、カットイン演出実行決定用乱数SR0(図33参照)を抽出するとともに、カットイン演出種別決定用テーブル(図34(A)参照)を用いてカットイン演出の種別を決定するカットイン演出決定処理を行う(S293)。
なお、本実施例では、カットイン演出実行決定用乱数SR0は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、カットイン演出実行決定用乱数SR0の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらカットイン演出実行決定用乱数SR0の範囲等は適宜に決定すればよい。また、これらカットイン演出実行決定用乱数SR0を生成するためのカットイン演出決定用乱数カウンタがRAM122に設定されており、該カットイン演出決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
図34(A)に示すように、カットイン演出Aは、スーパーリーチ演出内のボタン操作の有効期間に、遊技者によるボタン操作(プッシュボタン31B又はハンドルボタン50Aの操作)があると、例えばキャラクタAの登場する場面が挿入される演出である。また、カットイン演出Bは、スーパーリーチ演出内のボタン操作の有効期間に、遊技者によるボタン操作(プッシュボタン31B又はハンドルボタン50Aの操作)があると、例えばキャラクタBの登場する場面が挿入される演出である。なお、ボタン操作後のカットイン演出表示の実行開始タイミングが、ボタン演出のプロセステーブルに記述されている。
次いで、演出制御用CPU120は、ボタン操作演出実行決定用乱数SR1(図33参照)を抽出するとともに、図34(B)に示すボタン操作演出種別決定用テーブルを用いてボタン操作演出の種別を決定するボタン操作演出決定処理を行う(S294)。また、このボタン操作演出決定処理(S294)では、ハンドルボタン演出A〜Cの何れかが決定された場合に、ハンドルボタン50Aの突出動作を決定するための突出動作抽選も実行される。この突出動作抽選により、ハンドルボタン単発突出動作とハンドルボタン連続突出動作との何れか一方に決定される。本実施例では、突出動作抽選を行っているが、かかる抽選を行わない構成とし、ハンドルボタン単発突出動作とハンドルボタン連続突出動作との何れか一方を実行する構成であってもよい。なお、ボタン操作演出決定処理(S294)は、前記カットイン演出決定処理と同様に、当該変動がスーパーリーチ変動パターンである場合(S292;Y)にのみ行われる。
なお、本実施例では、ボタン操作演出実行決定用乱数SR1は、1〜100の範囲の乱数とされていて1〜100の範囲のいずれかの値が抽出される。つまり、ボタン操作演出実行決定用乱数SR1の判定値数の1〜100の範囲の100個とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらボタン操作演出実行決定用乱数SR1の範囲等は適宜に決定すればよい。また、これらボタン操作演出実行決定用乱数SR1を生成するためのボタン操作演出実行決定用乱数カウンタがRAM122に設定されており、該ボタン操作演出実行決定用乱数カウンタが乱数更新処理にてタイマ割込毎に更新される。
図34(B)に示すように、ボタン操作演出としては、例えば、プッシュボタン演出、ハンドルボタン演出A、ハンドルボタン演出B、ハンドルボタン演出Cの4種類がある。いずれのボタン操作演出も、プッシュボタン演出とハンドルボタン演出A〜Cとで共通の操作促進前表示(図42(A)、(B)参照)がなされ、その後に、プッシュボタン31Bの操作を促す操作促進表示(図42(C)参照)又はハンドルボタン50Aの操作を促す操作促進表示(図42(D)参照)がなされうる演出である。
本実施例では、共通の操作促進前表示は、図42(A)に示すように、演出表示装置5の表示画面の左右両側から半透明のプッシュボタン31Bの画像がそれぞれ登場し、両方のプッシュボタン31Bの画像が中央に向かって移動し、図42(B)に示すように、表示画面の中央位置で両プッシュボタン31Bの画像が重なり合うととともに光を放つという表示態様としている。なお、共通の操作促進前表示は、この表示態様に限定されるものではなく、種々の表示態様のものを用いることができる。例えば、共通の操作促進前表示として、演出表示装置5の表示画面の全部又は一部領域に光が集まって強い光を放つというような表示態様(例えば集光エフェクトと呼ばれる表示態様)などを用いてもよい。この集光エフェクトの直後に操作促進表示が表示される。
前記の操作促進前表示後に表示される操作促進表示としては、プッシュボタン31Bの操作を促す操作促進表示(図42(C)参照)と、ハンドルボタン50Aの操作を促す操作促進表示(図42(D)参照)とがある。図42(C)に示す操作促進表示は、例えば、表示画面の中央位置に、プッシュボタン31Bの画像が不透明(半透明ではない)に表示される態様である。図42(D)に示す操作促進表示は、例えば、表示画面の中央位置に、ハンドルボタン50Aの画像が不透明(半透明ではない)に表示される態様である。
なお、図42(C)、(D)の操作促進表示には、操作部(プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50A)の操作有効期間を示す操作有効期間表示(例えば、横長棒状のインジケータ表示IDD)が付加されている。図42(C)、(D)では、インジケータ表示IDDは、横幅全体が塗りつぶし表示されており、操作有効期間が最大期間残されていることを示している。インジケータ表示IDDは、操作有効期間が短くなるに連れてその塗りつぶし領域が右側から順番に減じられ、塗りつぶし領域がなくなった時点で操作有効期間が終了したことを示す表示である。インジケータ表示IDDにより、遊技者は操作部(プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50A)の操作有効期間を把握することができ、操作有効期間内に操作部を操作することができる。なお、本実施例では、操作有効期間を量的表示するインジケータ表示IDDを用いているが、操作有効期間を数的表示する7セグメント表示などを用いてもよく、各種の表示を用いることができる。また、図42(C)、(D)の操作促進表示が表示されたときに初めて操作有効期間表示が表示されるようにしてもよい。また、操作有効期間表示に替えて又はそれと共に操作有効期間の音声報知などを行うようにしてもよい。また、操作有効期間表示を備えなくてもよい。
プッシュボタン演出は、共通の操作促進前表示(図41(E)参照)後にプッシュボタン31Bの操作促進表示(図41(F)参照)が表示される演出である。なお、プッシュボタン演出では、ハンドルボタン50Aが没入状態のままである。
ハンドルボタン演出Aは、共通の操作促進前表示(図43(E)参照)後にハンドルボタン50Aの操作促進表示(図43(F)参照)が表示され、この操作促進表示後にハンドルボタン50Aが突出動作する演出である。ハンドルボタン50Aの突出動作は、前述したボタン操作演出決定処理(S294)内での突出動作抽選により、ハンドルボタン単発突出動作又はハンドルボタン連続突出動作に決定される。
ハンドルボタン演出Bは、共通の操作促進前表示(図44(E)参照)が表示され、この操作促進前表示中にハンドルボタン50Aが突出動作し、操作促進前表示後にハンドルボタン50Aの操作促進表示(図44(F)参照)が実行可能な演出である。つまり、図44(E)に示す操作促進前表示中にボタン操作(プッシュボタン31B又はハンドルボタン50Aの操作)がなければ、操作促進前表示後に図44(F)に示す操作促進表示がなされるが、操作促進前表示中にボタン操作(プッシュボタン31B又はハンドルボタン50Aの操作)があると、図44(F)に示す操作促進表示を行うことなく図44(G)に示すカットイン演出が実行される。
ハンドルボタン演出Cは、操作促進前表示開始と同時にハンドルボタン50Aが突出動作し、それ以外はハンドルボタン演出Bと同じである。
なお、操作促進前表示と操作促進表示の各開始タイミングと、ハンドルボタン演出A〜Cのようなハンドルボタン50Aの各駆動開始タイミングとが、ボタン演出のプロセステーブルに記述されている。
ところで、本実施例のカットイン演出種別決定用テーブルは、図34(A)に示すように、変動パターンがスーパーリーチ大当りとなる場合については、「カットイン演出A」が20%の確率で決定され、「カットイン演出B」が80%の確率で決定されるようになっている。なお、「カットイン演出なし」を10%の確率で決定され、「カットイン演出A」が20%の確率で決定され、「カットイン演出B」が70%で決定されるようにしてもよい。また、変動パターンがスーパーリーチハズレである場合については、「カットイン演出A」が50%の確率で決定され、「カットイン演出B」が50%の確率で決定されるようになっている。なお、「カットイン演出なし」が20%の確率で決定され、「カットイン演出A」が40%の確率で決定され、「カットイン演出B」が40%で決定されるようにしてもよい。
このように決定確率が設定されていることにより、当該変動表示においてスーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチハズレとなる場合よりも「カットイン演出B」が実行され易くなっている。また、スーパーリーチハズレである場合については、「カットイン演出A」と「カットイン演出B」とが同じ確率で実行されるようになっている。更に、ノーマルリーチハズレや非リーチハズレである場合については、カットイン演出が実行されないようになっている。つまり、カットイン演出が実行される場合の方が実行されない場合よりも大当りとなる可能性が高く、カットイン演出が実行される場合にはカットイン演出Bの方がカットイン演出Aよりも大当りとなる可能性が高いようになっている。
また、ボタン操作演出種別決定用テーブルにおいては、図34(B)に示すように、変動パターンがスーパーリーチ大当りである場合については、「プッシュボタン演出」が80%の確率で決定され、「ハンドルボタン演出A」が5%の確率で決定され、「ハンドルボタン演出B」が10%の確率で決定され、「ハンドルボタン演出C」が5%の確率で決定される。また、変動パターンがスーパーリーチハズレである場合については、「プッシュボタン演出」が100%の確率で決定され、「ハンドルボタン演出A〜C」は選択されない。
このように決定確率が設定されていることにより、スーパーリーチにおいてプッシュボタン演出が実行された場合にも大当りとなる可能性があり、プッシュボタン31Bによるボタン演出について期待感を持って楽しむことができる。更に、ハンドルボタン演出A〜Cは大当り確定のもの(つまり、プレミアム演出)とすることができ、ハンドルボタン50Aによるボタン演出について、格段の喜びを感じることができ、遊技の興趣を向上できる。
なお、ハンドルボタン演出A〜Cでは、操作ハンドルユニット50を握っている遊技者の掌に、ハンドルボタン50Aが突出して接触するので、触覚による報知を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。それらの中でも、特に、ハンドルボタン演出B、Cでは、遊技者が操作ハンドルユニット50を握っている状態において、操作促進表示が表示される前にハンドルボタン50Aが掌に突出して接触する、つまり、「視覚」よりも先に「触覚」が刺激されるので、最も驚きが増す。人間の五感の中で一番驚きを司るのは、触感であり、視覚情報よりも先に触覚情報が入ってくることにより、最も驚きが増す。このため、図43(F)に示す操作促進表示の表示後にハンドルボタン50Aが突出動作するハンドルボタン演出Aに比べて、操作促進表示(図44(F)参照)が表示される前にハンドルボタン50Aが突出動作する(図44(E)参照)ハンドルボタン演出B、Cの方が、遊技者の意表を突いた演出を提供することができ、遊技の興趣をより向上させることができる。
本実施例では、ハンドルボタン50の突出動作タイミングは、図45に示すように、操作促進前表示の表示開始と同時のタイミング(同図(C)参照)と、操作促進前表示中のタイミング(同図(B)参照)と、操作促進表示のタイミング(同図(A)参照)との3種類あり、いずれの突出動作タイミングであっても「信頼度」は同じとしているが、これに限定されない。例えば、ハンドルボタン50の突出動作タイミングに応じて「信頼度」が異なるようにしてもよい。例えば、ハンドルボタン50の突出動作タイミングが早いほど「信頼度」を高くしてもよい。
なお、本実施例では、ハンドルボタン単発演出とハンドルボタン連続演出との「信頼度」は同じとしているが、異なるようにしてもよい。例えば、ハンドルボタン単発演出に比べてハンドルボタン連続演出の方が「信頼度」を高くしてもよい。また、ハンドルボタン50Aの突出回数の増加に連れて「信頼度」が高くなるようにしてもよい。
図32に戻り、演出制御用CPU120は、決定したボタン操作演出の種別とカットイン演出の種別とをRAM122の所定領域に記憶する(S295)。そして、S296に進んで、ボタン演出実行決定フラグをセットした後、当該ボタン演出決定処理を終了する。
図31に戻り、S277のボタン演出決定処理の後に、S278において演出制御用CPU120は、ボタン演出実行決定フラグがセットされているか否かを判定する。つまり、S277のボタン演出決定処理において、「プッシュボタン演出」、「ハンドルボタン演出A」、ハンドルボタン演出B」および「ハンドルボタン演出C」のいずれかのボタン演出が決定されたか否かを判定する。
ボタン演出実行決定フラグがセットされている場合には、S279に進んで、ボタン演出開始待ちタイマに、ボタン演出開始までの期間を設定し(S279)、ボタン演出実行決定フラグをクリアして(S280)、S281に進む。一方、ボタン演出実行決定フラグがセットされていない場合には、S279を経由することなくS281に進む。
ボタン演出開始までの期間としては、本実施例では、例えば、2人のキャラクタが登場してバトルするリーチ演出開始(例えば図41(D)参照)から所定期間が経過するまでの期間としている。つまり、ボタン演出が開始されるタイミングの前にリーチ演出が開始され、当該リーチ演出開始から所定期間経過した特定タイミングが、ボタン演出開始タイミングとしている。また、前記特定タイミングになると、ボタン演出の開始から実行されるボタン演出プロセステーブルに基づいて、ボタン演出が開始されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばリーチ演出開始と同時にボタン演出が開始される場合には、リーチ演出の開始タイミングまでの期間をボタン演出開始待ちタイマに設定すればよい。
S281において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S282)。
なお、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、スピーカ8L、8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。また、プロセステーブルには、後述するハンドルボタン50Aの駆動開始タイミングが記述されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L、8R、操作部(プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A、ハンドルボタン50A等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L、8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S286)。
図35は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を「−1」する(S301、S302、S303)。また、演出制御用CPU120は、ボタン演出開始待ちタイマがセットされている(ボタン演出を行うことに決定されている)か、又はボタン演出の実行中であることを示すボタン演出実行中フラグがセットされている(ボタン演出の実行中である)場合には(S304;Y)、図36に示すボタン演出処理を実行する(S305)。ボタン演出実行決定フラグもボタン演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305のボタン演出処理を実施することなく、S306に進む。なお、ボタン演出実行中フラグは、演出制御用CPU120により、後述のS341、S343、S345、又はS347の処理が開始された際にオン状態にセットされる。
S306において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S307)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等に基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S309)。
次に、変動制御タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(S310)。変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(S310;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。
表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(S313)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S314;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S315)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
図36は、ボタン演出処理の一例を示すフローチャートである。ボタン演出処理において、演出制御用CPU120は、図32のS295で決定されたボタン操作演出の種別がプッシュボタン演出であるか否かを判定する(S341)。プッシュボタン演出である場合には(S341;Y)、演出制御用CPU120は、プッシュボタン演出処理を実行する(S342)。
図37は、図36のボタン演出処理におけるプッシュボタン演出処理(S342)を示すフローチャートである。プッシュボタン演出処理において、演出制御用CPU120は、操作促進前表示中であるか否かを判定する(S351)。S351において、操作促進前表示中でない場合には(S351;N)、操作促進前表示の実行開始タイミングであるか否かを判定する(S352)。S352において、操作促進前表示の実行開始タイミングである場合には(S352;Y)、図41(E)に示す操作促進前表示を開始する(S353)。
前記のS351において、演出制御用CPU120は、操作促進前表示中である場合には(S351;Y)、操作促進前表示の終了タイミングであるか否かを判定する(S354)。S354において、操作促進前表示の終了タイミングである場合には(S354;Y)、図41(E)に示す操作促進前表示を終了する(S355)。
前記のS352において操作促進前表示の実行開始タイミングでない場合(S352;N)、S354において操作促進前表示の終了タイミングでない場合(S354;N)、操作促進前表示を開始した(S353)あと、又は、操作促進前表示を終了した(S355)あとには、演出制御用CPU120は、操作促進前表示が終了か否かを判定する(S356)。S356において、操作促進前表示が終了でない場合(S356;N)には、プッシュボタン演出処理を終了する。
S356において、操作促進前表示が終了である場合(S356;Y)には、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bの操作促進表示中であるか否かを判定する(S357)。S357において、プッシュボタン31Bの操作促進表示中でない場合(S357;N)には、演出制御用CPU120は、操作促進表示の実行開始タイミングであるか否かを判定する(S358)。S358において、操作促進表示の実行開始タイミングである場合(S358;Y)には、図41(F)に示す操作促進表示を開始し(S359)、プッシュボタン演出処理を終了する。S358において、操作促進表示の実行開始タイミングでない場合(S358;N)には、プッシュボタン演出処理を終了する。
S357において、プッシュボタン31Bの操作促進表示中である場合(S357;Y)には、演出制御用CPU120は、操作促進表示の終了タイミングであるか否かを判定する(S360)。S360において、操作促進表示の終了タイミングでない場合(S360;N)には、プッシュボタン31Bの操作の有無を判定する(S361)。S361において、プッシュボタン31Bの操作有りの場合(S361;Y)には、図41(F)に示す操作促進表示を終了し、カットインあり演出を実行する(S362)。つまり、図41(G)に示すカットイン演出を実行し、図41(H)に示すリーチ演出を実行する。S361において、プッシュボタン31Bの操作無しの場合(S361;N)には、プッシュボタン演出処理を終了する。
前記のS360において、操作促進表示の終了タイミングである場合(S360;Y)には、図41(F)に示す操作促進表示を終了し、カットインなし演出を実行する(S363)。つまり、図41(G)に示すカットイン演出を実行することなく、図41(H)に示すリーチ演出を実行する。前記のS362、S363のあと、演出制御用CPU120は、ボタン演出実行中フラグをクリアし(S364)、プッシュボタン演出処理を終了する。
前記実施例のS363では、カットインなし演出を実行しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、前記のS360において、操作促進表示の終了タイミングである場合(S360;Y)にもS362に進むようにし、S363を削除した構成であってもよい。この場合には、プッシュボタン31Bを操作しないときでも、図41(G)に示すカットイン演出を実行することができ、プッシュボタン31Bを操作したくない遊技者又はプッシュボタン31Bの操作に気付かなかった遊技者などに対しても、図41(G)に示すカットイン演出を提供することができ、遊技の興趣を確保することができる。
図36に戻って、プッシュボタン演出でない場合には(S341;N)、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン演出Aであるか否かを判定する(S343)。ハンドルボタン演出Aである場合には(S343;Y)、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン演出A処理を実行する(S344)。
図38は、図36のボタン演出処理におけるハンドルボタン演出A処理(S344)を示すフローチャートである。ハンドルボタン演出A処理において、演出制御用CPU120は、操作促進前表示中であるか否かを判定する(S371)。S371において、操作促進前表示中でない場合には(S371;N)、操作促進前表示の実行開始タイミングであるか否かを判定する(S372)。S372において、操作促進前表示の実行開始タイミングである場合には(S372;Y)、図43(E)に示す操作促進前表示を開始する(S353)。
前記のS371において、演出制御用CPU120は、操作促進前表示中である場合には(S371;Y)、操作促進前表示の終了タイミングであるか否かを判定する(S374)。S374において、操作促進前表示の終了タイミングである場合には(S374;Y)、図43(E)に示す操作促進前表示を終了する(S375)。
前記のS372において操作促進前表示の実行開始タイミングでない場合(S372;N)、S374において操作促進前表示の終了タイミングでない場合(S374;N)、操作促進前表示を開始した(S373)あと、又は、操作促進前表示を終了した(S375)あとには、演出制御用CPU120は、操作促進前表示が終了か否かを判定する(S376)。S376において、操作促進前表示が終了でない場合(S376;N)には、ハンドルボタン演出A処理を終了する。
S376において、操作促進前表示が終了である場合(S376;Y)には、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン50Aの操作促進表示中であるか否かを判定する(S377)。S377において、ハンドルボタン50Aの操作促進表示中でない場合(S377;N)には、演出制御用CPU120は、操作促進表示の実行開始タイミングであるか否かを判定する(S378)。S378において、操作促進表示の実行開始タイミングである場合(S378;Y)には、図43(F)に示す操作促進表示を開始し(S379)、ハンドルボタン演出A処理を終了する。S378において、操作促進表示の実行開始タイミングでない場合(S378;N)には、ハンドルボタン演出A処理を終了する。
なお、S376において、操作促進前表示の終了(S375)を契機にハンドルボタン50Aの操作促進表示を開始するようにしてもよい。また、S378を設けない構成であってもよい。つまり、ハンドルボタン50Aの操作促進表示中でない場合(S377;N)に、図43(F)に示す操作促進表示を開始する(S379)ようにしてもよい。
S377において、ハンドルボタン50Aの操作促進表示中である場合(S377;Y)には、演出制御用CPU120は、デッドエンドフラグがオン状態であるか否かを判定する(S377A)。なお、デッドエンドフラグは、後述のエラー検出処理(S70)(図48参照)において、ボタン駆動用モータ59などのハンドルボタン50Aの駆動機構に異常が発生したと見做せる所定の場合に、オン状態にセットされる(S712)。デッドエンドフラグがオン状態である場合(S377A;Y)、演出制御用CPU120は、図43(F)に示す操作促進表示を終了する(S377B)と共に、ボタン演出実行中フラグをオフ状態にクリアし、ハンドルボタン演出A処理を終了する。このようにデッドエンドフラグがオン状態である場合は、ボタン駆動用モータ59などの異常が解消されるまで、ハンドルボタン50Aの駆動が行われない。詳しくは後述する。
S377Aにおいて、デッドエンドフラグがオフ状態である場合(S377A;N)には、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン50Aの駆動開始タイミングであるか否かを判定する(S380)。S380において、ハンドルボタン50Aの駆動開始タイミングである場合(S380;Y)には、ハンドルボタン50Aの駆動(単発突出又は連続突出)を開始する(S381)。
なお本実施例のハンドルボタン演出Aでは、S379とS380との処理が分かれており、操作促進表示の開始(S379)とハンドルボタン50Aの突出開始(S381)とが同時となっていない。すなわち、図45(A)に示すように、ハンドルボタン50Aの操作促進表示の表示後にハンドルボタン50Aが突出するようになっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、S379の処理内にてS381を同時に実行するようにするとともに、S380を設けず、ハンドルボタン50Aの操作促進表示中である場合(S377;Y)には、S382に進むようにする。この場合には、図45(A)に示すハンドルボタン50Aの操作促進表示とハンドルボタン50Aの突出とが同時に開始することができる。
演出制御用CPU120は、S380において、ハンドルボタン50Aの駆動開始タイミングでない場合(S380;N)には、ハンドルボタン50Aの駆動終了タイミングであるか否かを判定する(S382)。S382において、ハンドルボタン50Aの駆動終了タイミングであれば、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン50Aの駆動を終了する(S383)。ここで駆動が終了されたハンドルボタン50Aは、突出位置で停止した状態で維持される。
前記のS382においてハンドルボタン50Aの駆動終了タイミングでない場合(S382;N)、ハンドルボタン50Aの駆動を開始した(S381)あと、又は、ハンドルボタン50Aの駆動終了(S383)のあとには、演出制御用CPU120は、操作促進表示の終了タイミングであるか否かを判定する(S384)。S384において、操作促進表示の終了タイミングでない場合(S384;N)には、プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aの操作の有無を判定する(S385)。S385において、プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aのいずれかが操作有りの場合(S385;Y)には、図43(F)に示す操作促進表示を終了し、カットインあり演出を実行する(S386)。つまり、図43(G)に示すカットイン演出を実行し、図43(H)に示すリーチ演出を実行する。S385において、プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aのいずれも操作無しの場合(S385;N)には、ハンドルボタン演出A処理を終了する。
前記のS384において、操作促進表示の終了タイミングである場合(S384;Y)には、図43(F)に示す操作促進表示を終了し、カットインなし演出を実行する(S387)。つまり、図43(G)に示すカットイン演出を実行することなく、図43(H)に示すリーチ演出を実行する。前記のS386、S387のあと、演出制御用CPU120は、ボタン演出実行中フラグをオフ状態にクリアし(S388)、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)にあるか否かを判定する(S389)。S389において、ハンドルボタン50Aが没入位置にない場合(S389;N)には、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン50Aを没入位置に戻す駆動(没入駆動)を開始すると共に、没入駆動中であることを示す没入駆動中フラグをオン状態にセットし(S390)、ハンドルボタン演出A処理を終了する。なお、没入駆動中フラグは、後述のエラー検出処理(S70)(図48参照)で、没入駆動の停止に伴いオフ状態にクリアされる(S705)。S389において、ハンドルボタン50Aが没入位置にある場合(S389;Y)には、ハンドルボタン演出A処理を終了する。
前記実施例のS387では、カットインなし演出を実行しているが、これに限定されない。例えば、前記のS384において、操作促進表示の終了タイミングである場合(S384;Y)にもS386に進むようにし、S387を削除した構成であってもよい。この場合には、プッシュボタン31Bおよびハンドルボタン50Aを操作しないときでも、図43(G)に示すカットイン演出を実行することができ、プッシュボタン31Bやハンドルボタン50Aを操作したくない遊技者又はプッシュボタン31Bやハンドルボタン50Aの操作に気付かなかった遊技者などに対しても、図43(G)に示すカットイン演出を提供することができ、遊技の興趣を確保することができる。
図36に戻って、ハンドルボタン演出Aでない場合には(S343;N)、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン演出Bであるか否かを判定する(S345)。ハンドルボタン演出Bである場合には(S345;Y)、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン演出B処理を実行する(S346)。
図39は、図36のボタン演出処理におけるハンドルボタン演出B処理(S346)を示すフローチャートである。ハンドルボタン演出B処理において、演出制御用CPU120は、操作促進前表示中であるか否かを判定する(S401)。S401において、操作促進前表示中でない場合には(S401;N)、操作促進前表示の実行開始タイミングであるか否かを判定する(S402)。S402において、操作促進前表示の実行開始タイミングである場合には(S402;Y)、図44(E)に示す操作促進前表示を開始する(S403)。
前記のS401において、操作促進前表示中である場合には(S401;Y)、演出制御用CPU120は、デッドエンドフラグがオン状態であるか否かを判定する(S401A)。デッドエンドフラグがオン状態である場合(S401A;Y)には、演出制御用CPU120は、図44(E)に示す操作促進前表示を終了する(S401B)と共に、ボタン演出実行中フラグをオフ状態にクリアし、ハンドルボタン演出A処理を終了する。このようにデッドエンドフラグがオン状態である場合は、ボタン駆動用モータ59などの異常が解消されるまで、ハンドルボタン50Aの駆動が行われない。詳しくは後述する。
S401Aにおいて、デッドエンドフラグがオフ状態である場合(S401A;N)には、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン50Aの駆動開始タイミングであるか否かを判定する(S404)。S404において、ハンドルボタン50Aの駆動開始タイミングである場合(S404;Y)には、ハンドルボタン50Aの駆動(単発突出又は連続突出)を開始する(S405)。
このハンドルボタン演出Bでは、図39に示すように、S403とS404との処理が分かれており、操作促進前表示の開始(S403)後に、ハンドルボタン50Aの突出開始(S405)されるようになっている。本実施例では、図45(B)に示すように、操作促進前表示の開始から例えば0.5秒経過した時点で、ハンドルボタン50Aが突出する。
演出制御用CPU120は、S404において、ハンドルボタン50Aの駆動開始タイミングでない場合(S404;N)には、ハンドルボタン50Aの駆動終了タイミングであるか否かを判定する(S406)。S406において、ハンドルボタン50Aの駆動終了タイミングであれば、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン50Aの駆動を終了する(S407)。ここで駆動が終了されたハンドルボタン50Aは、突出位置で停止した状態で維持される。
前記のS406においてハンドルボタン50Aの駆動終了タイミングでない場合(S406;N)、ハンドルボタン50Aの駆動を開始した(S405)あと、又は、ハンドルボタン50Aの駆動終了(S407)のあとには、演出制御用CPU120は、操作促進前表示の終了タイミングであるか否かを判定する(S408)。S408において、操作促進前表示の終了タイミングである場合には(S408;Y)、図44(E)に示す操作促進前表示を終了する(S409)。
前記のS408において操作促進前表示の終了タイミングでない場合(S408;N)には、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aの操作の有無を判定する(S410)。S410において、プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aのいずれかが操作有りの場合(S410;Y)には、ボタン操作済みフラグをオン状態にセットする(S411)。
前記のS410において、プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aのいずれも操作無しの場合(S410;N)、操作促進前表示が終了した(S409)あと、又は、ボタン操作済みフラグをセットした(S411)あとには、演出制御用CPU120は、操作促進前表示が終了であるか否かを判定する(S412)。S412において、操作促進前表示が終了でない場合(S412;N)には、ハンドルボタン演出B処理を終了する。S412において、操作促進前表示が終了である場合(S412;Y)には、ボタン操作済みフラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(S413)。
S413において、ボタン操作済みフラグがセットされていない場合(S413;N)には、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン50Aの操作促進表示中であるか否かを判定する(S415)。S415において、ハンドルボタン50Aの操作促進表示中でない場合(S415;N)には、演出制御用CPU120は、操作促進表示の実行開始タイミングであるか否かを判定する(S416)。S416において、操作促進表示の実行開始タイミングである場合(S416;Y)には、図44(F)に示す操作促進表示を開始し(S417)、ハンドルボタン演出B処理を終了する。S416において、操作促進表示の実行開始タイミングでない場合(S416;N)には、ハンドルボタン演出B処理を終了する。
S413において、ボタン操作済みフラグがセットされている場合(S413;Y)には、演出制御用CPU120は、図44(F)に示す操作促進表示を実行せずに、図44(G)に示すカットインあり演出を実行する(S414)。つまり、図44(F)に示す操作促進表示を一切表示せずに、図44(G)に示すカットイン演出を実行し、図44(H)に示すリーチ演出を実行する。そして、S414のあと、演出制御用CPU120は、ボタン操作済みフラグをリセットする(S414A)。
前記のS415において、ハンドルボタン50Aの操作促進表示中である場合(S415;Y)には、演出制御用CPU120は、操作促進表示の終了タイミングであるか否かを判定する(S418)。S418において、操作促進表示の終了タイミングでない場合(S418;N)には、プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aの操作の有無を判定する(S420)。S420において、図44(F)に示す操作促進表示が表示された後にプッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aのいずれかが操作有りの場合(S420;Y)には、図44(F)に示す操作促進表示を終了し、カットインあり演出を実行する(S421)。つまり、図44(E)に示す操作促進前表示期間において、プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aのいずれも操作されずに、図44(F)に示す操作促進表示が表示された後にプッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aのいずれかが操作された場合には、図44(F)に示す操作促進表示を終了し、図44(G)に示すカットイン演出を実行し、図44(H)に示すリーチ演出を実行する。S420において、プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aのいずれも操作無しの場合(S420;N)には、ハンドルボタン演出B処理を終了する。
前記のS418において、操作促進表示の終了タイミングである場合(S418;Y)には、図44(F)に示す操作促進表示を終了し、カットインなし演出を実行する(S419)。つまり、図44(G)に示すカットイン演出を実行することなく、図44(H)に示すリーチ演出を実行する。前記のS414A、S419、S421のあと、演出制御用CPU120は、ボタン演出実行中フラグをオフ状態にクリアし(S422)、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)にあるか否かを判定する(S423)。S423において、ハンドルボタン50Aが没入位置にない場合(S423;N)には、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン50Aを没入位置に戻す駆動(没入駆動)を開始すると共に、没入駆動中フラグをオン状態にセットし(S424)、ハンドルボタン演出B処理を終了する。なお、没入駆動中フラグは、後述のエラー検出処理(S70)(図48参照)で、没入駆動の停止に伴いオフ状態にクリアされる(S705)。S423において、ハンドルボタン50Aが没入位置にある場合(S423;Y)には、ハンドルボタン演出B処理を終了する。
前記実施例のS419では、カットインなし演出を実行しているが、これに限定されない。例えば、前記のS418において、操作促進表示の終了タイミングである場合(S418;Y)にもS421に進むようにし、S419を削除した構成であってもよい。この場合には、プッシュボタン31Bおよび突出位置のハンドルボタン50Aを操作しないときでも、図44(G)に示すカットイン演出を実行することができ、プッシュボタン31Bや突出位置のハンドルボタン50Aを操作したくない遊技者又はプッシュボタン31Bや突出位置のハンドルボタン50Aの操作に気付かなかった遊技者などに対しても、図44(G)に示すカットイン演出を提供することができ、遊技の興趣を確保することができる。
図36に戻って、ハンドルボタン演出Bでない場合には(S345;N)、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン演出Cであるか否かを判定する(S347)。ハンドルボタン演出Cである場合には(S347;Y)、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン演出C処理を実行する(S348)。
図40は、図36のボタン演出処理におけるハンドルボタン演出C処理(S348)を示すフローチャートである。なお、前述したハンドルボタン演出B処理では、図45(B)に示すように、操作促進前表示の表示期間中にハンドルボタン50Aが突出開始する(詳しくは、操作促進前表示の開始から0.5秒経過後にハンドルボタン50Aが突出開始する)ものである。これに対して、ハンドルボタン演出C処理では、操作促進前表示の表示開始と同時にハンドルボタン50Aが突出するようになっている。このため、ハンドルボタン演出C処理については、前記のハンドルボタン演出B処理と異なっている点のみを説明し、その他については同様であるため説明を省略する。
ハンドルボタン演出C処理において、演出制御用CPU120は、操作促進前表示中であるか否かを判定する(S431)。S431において、操作促進前表示中でない場合には(S431;N)、演出制御用CPU120は、デッドエンドフラグがオン状態であるか否かを判定する(S431A)。デッドエンドフラグがオン状態である場合(S431A;Y)には、演出制御用CPU120は、ボタン演出実行中フラグをオフ状態にクリアし、ハンドルボタン演出C処理を終了する。このようにデッドエンドフラグがオン状態である場合は、ボタン駆動用モータ59などの異常が解消されるまで、ハンドルボタン50Aの駆動が行われない。詳しくは後述する。
S431Aにおいて、デッドエンドフラグがオフ状態である場合(S431;N)には、演出制御用CPU120は、操作促進前表示の実行開始タイミングであるか否かを判定する(S432)。S432において、操作促進前表示の実行開始タイミングである場合には(S432;Y)、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン演出C処理において特徴となるS433の処理を実行する。
具体的には、S433では、操作促進前表示の開始とハンドルボタン50Aの駆動開始(突出開始)とを同時に実行する点が特徴となる。図39に示すハンドルボタン演出B処理と対比すると、ハンドルボタン演出C処理のS433は、ハンドルボタン演出B処理でのS403内にS404とS405とを取り込んだ構成となっている。
ハンドルボタン演出Cでは、図45(C)に示すように、操作促進前表示の表示開始とハンドルボタン50Aの突出開始とが同時に実行されている。
ここで、図45を用いてハンドルボタン演出A〜Cについて説明する。ハンドルボタン演出Aは、図45(A)に示すように、リーチ成立後のリーチ演出開始タイミングから所定時間経過後に、図43(E)に示す操作促進前表示が所定期間(例えば1秒間)表示され、その操作促進前表示の終了と同時に図43(F)に示す操作促進表示が開始され、この操作促進表示が所定期間(例えば4秒間)表示される。図45(A)では、有効時間表示(4s)と表記している。ハンドルボタン50Aは、操作促進表示後に突出するため、実際の操作有効期間は4秒弱である。図45(A)では、実際の有効期間(約4s)と表記している。なお前述したように、操作促進表示の開始と同時にハンドルボタン50Aが突出するようにし、実際の操作有効期間も操作促進表示と同一(例えば4秒)としてもよい。
ハンドルボタン演出Bは、図45(B)に示すように、リーチ演出開始タイミングから所定時間経過後に、図44(E)に示す操作促進前表示が所定期間(例えば1秒間)表示され、その操作促進前表示の表示期間中にハンドルボタン50Aが突出する。図45(B)では、操作促進前表示の開始から0.5秒が経過した時点で、ハンドルボタン50Aが突出している。そして、操作促進前表示の終了と同時に図44(F)に示す操作促進表示が開始され、この操作促進表示が所定期間(例えば4秒間)表示される。図45(B)では、有効時間表示(4s)と表記している。ハンドルボタン50Aは、操作促進前表示中に突出しているため、実際の操作有効期間は4.5秒である。図45(B)では、実際の有効期間(約4.5s)と表記している。なお、前述したように操作促進前表示の表示期間中における、ハンドルボタン50Aが突出したときから当該操作促進前表示が終了するまでの期間内に、プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aが操作された場合には、操作促進表示は実行されないようになっている。
ハンドルボタン演出Cは、図45(C)に示すように、リーチ演出開始タイミングから所定時間経過後に、図44(E)に示す操作促進前表示とハンドルボタン50Aの突出とが同時に実行され、操作促進前表示が所定期間(例えば1秒間)表示され、その操作促進前表示の終了と同時に図44(F)に示す操作促進表示が開始され、この操作促進表示が所定期間(例えば4秒間)表示される。図45(C)では、有効時間表示(4s)と表記している。ハンドルボタン50Aは、操作促進前表示の開始と同時に突出しているため、実際の操作有効期間は5秒である。図45(C)では、実際の有効期間(約5s)と表記している。なお、前述したように操作促進前表示の表示期間中にプッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aが操作された場合には、操作促進表示は実行されないようになっている。
ここからは、図30の演出制御プロセス処理におけるエラー検出処理(S70)について説明する。図48は、エラー検出処理(S70)のフローチャートである。エラー検出処理では、まず、演出制御用CPU120は、没入駆動中フラグがオン状態であるか否か、即ち没入駆動中であるか否かを判定する(S701)。なお、没入駆動中フラグは、前述のS390、S424、S452、後述のS709のいずれかで没入駆動を開始するときにオン状態にセットされ、後述のS705で没入駆動を停止するときにオフ状態にクリアされる。
S701で没入駆動中フラグがオン状態の場合(S701;Y)、演出制御用CPU120は、前述の回転位置検出センサ58からの検出信号に基づき、ハンドルボタン50Aが没入位置にあるか否か(ハンドルボタン50Aが没入位置にあることを検出できたか否か)を判定する(S702)。ハンドルボタン50Aが没入位置にない場合(S702;N)、演出制御用CPU120は、没入駆動開始から7sが経過したか否かを判定する(S703)。
なお、S703における「没入駆動開始から7s」という期間は、あくまで一例であり、没入駆動開始から数秒、数十秒等の所定期間であればよい。当該所定期間は、妨害等がなければ、ハンドルボタン50Aが没入位置に戻るのに十分な期間であればよい。また、S703での判定処理は、前記のS390、S424、又はS452でスタートしたタイマの計時値に基づいて行われる。当該タイマは、後述のS706又はS713でリセットされる。
S703で没入駆動開始から7s経過していない場合(S703;N)、演出制御用CPU120は、エラー検出処理を終了する。一方、没入駆動開始から7s経過している場合(S703;Y)、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設定されたエラー検出回数を示すカウンタ値を「+1」する(S704)。これにより、ハンドルボタン50Aが没入駆動中(没入駆動中フラグがオン状態)(S701;Y)で、ハンドルボタン50Aが没入位置にあることが検出されない場合(S702;N)は、7s毎にエラー検出回数が1ずつ加算されていくことになる。
S704に続いて、演出制御用CPU120は、没入駆動を停止させると共に、没入駆動中フラグをオフ状態にクリアすると(S705)、エラー検出処理を終了する。前記のS702でハンドルボタン50Aが没入位置にある場合(S702;Y)には、演出制御用CPU120は、エラー検出回数を示すカウンタをリセットした上で(S706)、前記のS705の処理を実行し、エラー検出処理を終了する。
S701で没入駆動中フラグがオフ状態の場合(S701;N)、演出制御用CPU120は、エラー検出回数が0回(エラー検出回数を示すカウンタ値が「0」)であるか否かを判定する(S707)。エラー検出回数が0回である場合(S707;Y)、演出制御用CPU120は、エラー検出処理を終了する。一方で、エラー検出回数が0回でない場合(S707;N)には、演出制御用CPU120は、エラー検出回数が3回未満(エラー検出回数を示すカウンタ値が「3」未満)であるか否かを判定する(S708)。エラー検出回数が3回未満である場合(S708;Y)、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン50Aの没入駆動を再開すると共に、没入駆動中フラグをオン状態にセットし(S709)、エラー検出処理を終了する。このようにS708の判定処理を設けたことにより、エラー検出回数が3回未満である場合は、ハンドルボタン50Aの没入駆動が繰り返し実行されることになる。
前記のS708でエラー検出回数が3回未満でない場合(S708;N)、演出制御用CPU120は、エラー検出回数が20回(エラー検出回数を示すカウンタ値が「20」)であるか否かを判定する(S710)。エラー検出回数が20回でない場合(S710;N)、演出制御用CPU120は、前述のボタン操作検出センサ57からの検出信号に基づき、ハンドルボタン50Aが押圧操作されたか(押圧操作が検出された)否かを判定する(S711)。演出制御用CPU120は、押圧操作の検出がされない場合(S711;N)にはエラー検出処理を終了する一方で、押圧操作を検出された場合(S711;Y)には前記のS709を実行後にエラー検出処理を終了する。
このように、ハンドルボタン50Aの没入駆動が停止した状態(没入駆動中フラグがオフ状態)(S701;N)で、エラー検出回数が3回以上20回未満である場合(S708;N、S710;Y)は、演出制御用CPU120は、ハンドルボタン50Aの押圧操作が検出されると(S711;Y)、没入駆動を再び実行する(S709)。このようにしたから、遊技者又は遊技店店員の操作に応じて没入駆動(後退動作)を再開でき、没入駆動の再開契機を適切に確保できる。
なお、S708やS710における3回(所定回数)、20回(特定回数)といったエラー検出回数の閾値は、あくまで一例であり、適宜変更が可能である。例えば、所定回数としては、当該所定回数にエラー検出回数が達した場合に、ハンドルボタン50Aの駆動機構の故障の蓋然性があると見做せる回数を任意に設定可能である。また、特定回数としては、所定回数よりも大きい回数であって、当該特定回数にエラー検出回数が達した場合に、ハンドルボタン50Aの駆動機構が故障したと見做せる回数を任意に設定可能である。
前記のS710でエラー検出回数が20回である場合(S710;Y)、ボタン駆動用モータ59などのハンドルボタン50Aの駆動機構に異常が発生したと見做せるため、演出制御用CPU120は、デッドエンドフラグをオン状態にセットする(S712)。なお、デッドエンドフラグは、例えば、パチンコ遊技機1の電源再投入後の初期動作中において、ボタン駆動用モータ59などの異常が解消した場合にオフ状態にクリアされる。S712に続いて、演出制御用CPU120は、エラー検出回数を示すカウンタをリセットし(S713)、エラー検出処理を終了する。
S712でデッドエンドフラグがオン状態となった以降は、前記のボタン演出処理(図36参照)において、ハンドルボタン演出A処理、ハンドルボタン演出B処理、及び、ハンドルボタン演出C処理のいずれが実行されても、ハンドルボタン50Aの駆動(ハンドルボタン50Aを突出させる駆動と没入駆動)が実行されないことになる。これにより、エラー検出が特定回数(本実施例では20回)に達した後は、ハンドルボタン50Aが意図せず動作することを抑制することができる。
なお、パチンコ遊技機1の電源投入直後に行われる初期動作中(初期動作開始から所定期間(例えば、1分間)が経過するまで)は、演出制御用CPU120が、前記のS708の判定処理を実行せずに、エラー検出回数が0回でない場合(S707;N)は、没入駆動を再開する(S709)するようにエラー検出処理を構成してもよい。このように構成した場合、初期動作中では、エラー検出回数が3回以上であっても、演出制御用CPU120は、S711のハンドルボタン50Aの押圧検出判定を実行せずに、没入駆動を再開する(S709)。こうすれば、パチンコ遊技機1が初期動作中の場合は、エラー検出回数によらず、ハンドルボタン50Aの操作の検出を待たずに、没入駆動(後退動作)を連続して実行することができる。
なお、パチンコ遊技機1の初期動作中においても、エラー検出回数が20回(特定回数)に達した場合は、デッドエンドフラグがオン状態となる(S712)ようにしてもよい。このようにすれば、初期動作中においても、ボタン駆動用モータ59の発熱等によりハンドルボタン50Aの駆動機構に不具合が生じることを防止することができる。
なお、パチンコ遊技機1の初期動作中においても、エラー検出回数が20回(特定回数)に達した場合は、デッドエンドフラグがオン状態となる(S712)ようにしてもよい。このようにすれば、初期動作中においても、ボタン駆動用モータ59の発熱等によりハンドルボタン50Aの駆動機構に不具合が生じることを防止することができる。
また、パチンコ遊技機1の初期動作が開始すると、演出制御用CPU120は、前記S390、S424、及びS452の処理を経ずに、没入駆動中フラグをオン状態とし、S702〜S706の処理が実行されるようにしてもよい。そして、初期動作中において、ハンドルボタン50Aが没入位置にあることが検出された場合(S702;Y)は、初期動作前(前回の電源オン時)にボタン駆動用モータ59などの異常があった場合(デッドエンドフラグがオン状態になっている場合)でもその異常が解消されたと見做せるため、演出制御用CPU120は、S706やS705の処理のタイミングで、デッドエンドフラグをオフ状態にクリアすればよい。
以上に説明したパチンコ遊技機1では、演出制御用CPU120(変位制御手段)が、ハンドルボタン50A(可動部)を突出位置に変位させた後に、没入位置(後退位置)に変位させるための没入駆動(後退動作)を開始させて、ハンドルボタン50Aが没入位置にて検出されたことに応じて没入駆動を停止させる。また、演出制御用CPU120は、没入駆動の開始後所定期間(例えば、7s)内に、ハンドルボタン50Aが没入位置にて検出されなければ、没入駆動を停止させる。
この構成によれば、ハンドルボタン50Aの没入駆動(後退動作)を開始後に、没入位置(後退位置)でハンドルボタン50Aを検出できないときの没入駆動の停止契機を適切に確保できる。
この構成によれば、ハンドルボタン50Aの没入駆動(後退動作)を開始後に、没入位置(後退位置)でハンドルボタン50Aを検出できないときの没入駆動の停止契機を適切に確保できる。
また、パチンコ遊技機1は、図45(B)、図45(C)に示すように、ハンドルボタン50A(可動部)の操作を促す操作促進表示が表示されるよりも前に、ハンドルボタン50Aを突出位置に変位させることが可能である。操作促進表示前にハンドルボタン50Aが突出して遊技者の掌に接触すれば、遊技者に驚きを与えることができる。
このようにして、パチンコ遊技機1によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
このようにして、パチンコ遊技機1によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
また、パチンコ遊技機1では、ハンドルボタン50Aが突出位置と没入位置(後退位置)との間で水平方向(前後方向)に変位するように構成されている。この構造では、ハンドルボタン50Aの自重だけでは、初期位置としての没入位置に復帰できないが、当該構造であっても、パチンコ遊技機1によれば、ハンドルボタン50Aの没入駆動(後退動作)の停止契機を適切に確保できる。
なお、ハンドルボタン50Aの変位方向は、水平方向に限られない。例えば、ハンドルボタン50Aの変位する方向は、水平面に対する斜め方向や、垂直方向であってもよい。ただし、以上に説明したエラー検出処理(S70)における突出位置から没入位置(後退位置)への復帰動作は、ハンドルボタン50Aが自重のみで復帰できない構造を有する場合に特に有用である。したがって、ハンドルボタン50Aは、水平方向、又は、自重のみで復帰できない範囲内であれば水平方向に対して傾いた方向において、変位可能に構成されることが好ましい。つまり、ハンドルボタン50Aは、水平方向に沿って(略水平方向に)変位可能であることが好ましい。
また、パチンコ遊技機1は、没入駆動(後退動作)を実行してから特定期間(例えば、7s等の所定期間にエラー検出回数を乗算した期間)が経過後、又は、没入駆動を所定回数(例えば、3回以上20回未満の回数)実行後に、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)で検出されない場合、没入駆動の実行を終了する。このようにしたから、パチンコ遊技機1によれば、ハンドルボタン50A(可動部)の没入駆動(後退動作)の停止契機をより適切に確保できる。
なお、以上の実施例では、ハンドルボタン50Aの没入駆動開始から7s経過した場合に加算されるエラー検出回数が、3回以上になった場合に、没入駆動の実行を終了する例を示したが、これに限られない。単に、ハンドルボタン50Aの没入駆動開始から21s(7sX3)といった特定期間が経過した場合に、没入駆動の実行を終了してもよい。
なお、以上の実施例では、ハンドルボタン50Aの没入駆動開始から7s経過した場合に加算されるエラー検出回数が、3回以上になった場合に、没入駆動の実行を終了する例を示したが、これに限られない。単に、ハンドルボタン50Aの没入駆動開始から21s(7sX3)といった特定期間が経過した場合に、没入駆動の実行を終了してもよい。
また、パチンコ遊技機1では、没入駆動(後退動作)の実行を停止後に、ハンドルボタン50Aの押圧操作が検出されると、没入駆動を再び実行する。このようにしたから、遊技者又は遊技店店員の操作に応じて後退動作を再開でき、後退動作の再開契機を適切に確保できる。
また、パチンコ遊技機1は、自機が初期動作中の場合は、ハンドルボタン50Aの操作の検出を待たずに、没入駆動(後退動作)を連続して実行してもよい。こうすれば、初期動作における待機を省略して没入駆動(後退動作)を実行できる。
また、パチンコ遊技機1は、没入駆動(後退動作)を特定回数(例えば、20回など)実行後に、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)に復帰されない場合は、ハンドルボタン50Aを突出位置に移動させる突出動作を実行しない(例えば、デッドエンドフラグがオン状態となった以降は、パチンコ遊技機1の電源再投入後に、ボタン駆動用モータ59などの異常が解消したことに基づいてデッドエンドフラグがオン状態となるまではハンドルボタン50Aは突出しない)。このようにしたから、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)にないと特定回数判定された後は、ハンドルボタン50Aが意図せず動作することを抑制することができる。
なお、以上では、ハンドルボタン演出A処理、ハンドルボタン演出B処理、及び、ハンドルボタン演出C処理を、デッドエンドフラグがオン状態の場合(S377A;Y、S401A;Y、S431A;Y)に、ハンドルボタン50Aの駆動が実行されないように構成した例を示したが、これに限られない。例えば、デッドエンドフラグがオン状態である場合には、図32に示すボタン演出決定処理(S277)におけるボタン操作演出決定処理(S294)で、図34(B)に示すボタン操作演出種別決定用テーブルを用いてハンドルボタン演出A〜Cを選ばない(つまり、デッドエンドフラグがオン状態の際は、プッシュボタン演出のみ実行される)ようにしてもよい。このようにしても、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)にないと特定回数判定された後は、ハンドルボタン50Aが意図せず動作することを抑制することができる。
ところで、ハンドルボタン50Aの突出状態において、遊技者が意図的にハンドルボタン50Aを掴んだり、ハンドルボタン50Aとフェースカバー61との間に物を挟んだりなどして、ハンドルボタン50Aを没入位置に復帰させないように悪戯などが行われる場合がある。このような場合、パチンコ遊技機1がハンドルボタン50Aの没入駆動を連続的に実行すると、ボタン駆動用モータ59が熱を持ち、当該モータの不具合や故障が生じ、最終的にハンドルボタン50Aが動作不能となることがある。また、ボタン駆動用モータ59が故障し、修理や取り替えが必要になった場合には、遊技機が稼働不能となるため、遊技店側の損失が生じてしまう。
本実施例のパチンコ遊技機1によれば、没入位置でハンドルボタン50Aを検出できないときの没入駆動の停止契機を適切に確保できるため、上記の悪戯などによる不具合の発生や、遊技店側の損失の発生を抑制することもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1によれば、没入位置でハンドルボタン50Aを検出できないときの没入駆動の停止契機を適切に確保できるため、上記の悪戯などによる不具合の発生や、遊技店側の損失の発生を抑制することもできる。
また、パチンコ遊技機1は、操作部として、プッシュボタン31Bとハンドルボタン50Aとを備え、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)と突出位置とに移動可能であるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、プッシュボタン31Bの操作を促す第1操作促進表示(図42(C)参照)と、ハンドルボタン50Aの操作を促す第2操作促進表示(図42(E)参照)とにより、遊技者が操作すべき操作部を明確にすることができ、操作部を的確に操作できる遊技機を提供することができる。
また、プッシュボタン31Bの第1操作促進表示(図42(C)参照)およびハンドルボタン50Aの第2操作促進表示(図42(E)参照)の表示前には、共通の操作促進前表示(図42(A)、(B)参照)が表示される。言い換えれば、共通の操作促進前表示(図42(A)、(B)参照)が表示されると、この操作促進前表示の表示後に、図42(C)の第1操作促進表示または図42(E)の第2操作促進表示のどちらが表示されるかに遊技者を注目させることができ、操作部の演出の面白みを向上させることができる。
また、ハンドルボタン演出B、Cでは、図42(E)の操作促進表示が表示されるよりも前に実行される操作促進前表示(図42(A)参照)の表示中に、ハンドルボタン50Aが移動される。つまり、操作促進表示の表示タイミングよりも前に、ハンドルボタン50Aが移動することにより、遊技者は不意を突かれ、驚きが増す。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者は、共通の操作促進前表示(図42(A)、(B)参照)後に、図42(C)の第1操作促進表示または図42(E)の第2操作促進表示のどちらが表示されるかドキドキしている状況(図42(E)の第2操作促進表示であれば大当り確定であるから)において、操作促進前表示中にハンドルボタン50Aが移動することにより、図42(E)の第2操作促進表示となることを先に気付くこと(操作促進表示よりも前に気付くこと)ができ、遊技の興趣が飛躍的に向上する。
また、図44(E)に示す操作促進前表示の表示中に操作部(プッシュボタン31B又は突出位置のハンドルボタン50Aのいずれか)が操作されたときには、図44(F)に示す操作促進表示を表示することなく所定の演出(図44(G)に示すカットイン演出など)を実行するので、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。詳しく言えば、図44(E)の操作促進前表示の表示中に操作部が操作されたということは、操作促進表示の表示前に既に操作部が操作されたと言える。かかる操作後に図44(F)の操作促進表示が表示されると、操作部の操作が受け付けられていないと感じたり、図44(F)の操作促進表示が無駄に表示されていると感じたりするなどの違和感が生じてしまう。そこで、図44(E)の操作促進前表示の表示中に操作部が操作されたときには、図44(F)の操作促進表示を表示することなく所定の演出(図44(G)に示すカットイン演出など)を実行するので、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。なお、本実施例では、「所定の演出」としてカットイン演出を用いているが、これに限定されない。ハンドルボタン50Aなど(操作部)の操作に対応して実行される各種の演出(例えば、特定のキャラクタなどが登場する演出、背景画像の表示態様が変更される演出、別の表示態様のリーチ演出など)であってもよい。
また、操作促進表示の表示前にハンドルボタン50Aが突出動作するハンドルボタン演出B、C(図45(B)、(C)参照)と、操作促進表示後にハンドルボタン50Aが突出動作するハンドルボタン演出A(図45(A)参照)とを備える。つまり、操作促進表示後にハンドルボタン50Aが突出動作することがあるので、操作促進表示の表示前にハンドルボタン50Aが突出動作しない場合にも遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、ハンドルボタン50Aが没入位置から突出位置または突出位置から没入位置に移動可能となるため、このハンドルボタン50Aが没入位置のときと突出位置のときとで、遊技者の掌に与える触覚が異なるようになるので、操作ハンドルユニット50のハンドルボタン50Aの移動による遊技者への報知を適切に行うことができる。
なお、本実施例では、ハンドルボタン50Aは、フェースカバー61の表面位置から没入した没入状態からフェースカバー61の表面位置から突出される突出状態に変化するため、ハンドルボタン50Aの最小限度の移動量で遊技者に対して報知を行うことができる。つまり、ハンドルボタン50Aが遊技者の掌を押圧する押圧量が最小限度にすることでき、操作ハンドルユニット50を把持している遊技者の発射操作を阻害することなく報知を行うことができる。
なお、本実施例では、操作ハンドルユニット50にハンドルボタン50Aが設けられていることで、周囲の他の遊技者や店員などに気付かれずにボタン操作を行うことができる。
また、本実施例によれば、ボタン演出決定処理(図32)を含む演出図柄変動開始処理(図31)と、ボタン演出処理(図36)を含む演出図柄変動中処理(図35)とを実行して演出を制御する演出制御用CPU120からの指示に基づいてパチンコ遊技機1におけるスーパーリーチ演出の一環として、操作ハンドルユニット50のハンドルボタン50Aを移動(突出)させることができ、遊技興趣を向上できる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120がハンドルボタン50Aを没入位置と突出位置とに連続して移動させるハンドルボタン連続突出を実行することで、遊技者の掌からハンドルボタン50Aが離れる位置と接触する位置とに繰り返し移動されるので、操作ハンドルユニット50のハンドルボタン50Aの移動による遊技者への報知をより明確に行うことができる。
また、本実施例によれば、遊技者が操作ハンドルユニット50を把持した状態でハンドルボタン50Aをボタン操作手段(操作部)として用いることができ、遊技機の周囲の他の遊技者などに気付かれることなく、遊技者がハンドルボタン50Aによる操作を行うことができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更(変形)や追加があっても本発明に含まれる。
パチンコ遊技機1は、少なくとも、遊技者によって把持される把持手段(例えば、フェースカバー61など)と、把持手段に設けられ、把持手段から突出する突出位置と、前記突出位置から後退する後退位置との間で変位可能な可動部(例えば、ハンドルボタン50Aなど)と、可動部の変位を制御する変位制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、を備えていればよい。そして、変位制御手段は、後退動作の開始後所定期間内に、可動部が後退位置にて検出されなければ、後退動作を停止させるものであればよい。
また、以上では、エラー検出処理において、所定回数、当該所定回数よりも大きい特定回数というように、段階的にエラー検出回数の閾値を設けた例を示したが、これに限られない。エラー検出回数の閾値を段階的に設けなくとも良い。
例えば、エラー検出処理を、エラー検出回数が所定回数以上となった場合に、ハンドルボタン50Aの没入駆動を停止させるのみの構成としてもよい。この構成によれば、ハンドルボタン50Aの駆動機構の故障の蓋然性があると見做せる、エラー検出回数が所定回数以上になった場合には、常に、押圧操作によってハンドルボタン50Aの没入駆動の再開契機を確保することができる。
また、特定回数よりも小さい所定回数を設けずに、エラー検出回数が、特定回数に達した場合には、直ぐに、デッドエンドフラグがオン状態となる構成であってもよい。このように構成すれば、ハンドルボタン50Aに故障の可能性があると判定された以後、すぐにハンドルボタン50Aの駆動が行われないことになるので、ハンドルボタン50Aの駆動機構に著しい破損が発生するといったことを良好に抑制することができる。
例えば、エラー検出処理を、エラー検出回数が所定回数以上となった場合に、ハンドルボタン50Aの没入駆動を停止させるのみの構成としてもよい。この構成によれば、ハンドルボタン50Aの駆動機構の故障の蓋然性があると見做せる、エラー検出回数が所定回数以上になった場合には、常に、押圧操作によってハンドルボタン50Aの没入駆動の再開契機を確保することができる。
また、特定回数よりも小さい所定回数を設けずに、エラー検出回数が、特定回数に達した場合には、直ぐに、デッドエンドフラグがオン状態となる構成であってもよい。このように構成すれば、ハンドルボタン50Aに故障の可能性があると判定された以後、すぐにハンドルボタン50Aの駆動が行われないことになるので、ハンドルボタン50Aの駆動機構に著しい破損が発生するといったことを良好に抑制することができる。
また、パチンコ遊技機1の初期動作中においても、ハンドルボタン50Aの駆動機構の故障の蓋然性があると見做せる、エラー検出回数が所定回数以上になった場合には、ハンドルボタン50Aの押圧検出を待つようにしてもよい。こうすれば、初期動作中においても、後退動作の再開契機を適切に確保できる。
以上に説明した、ハンドルボタン演出A処理、ハンドルボタン演出B処理、及びハンドルボタン演出C処理では、操作促進表示の終了タイミングに併せて、ハンドルボタン50Aを突出位置から没入位置に移動させる没入駆動を開始する例を示したが、これに限られない。例えば、ハンドルボタン50Aの突出を開始したと同時に、演出制御用CPU120は、タイマをスタートし、予め定められた所定期間(例えば、数秒)が経過後に、没入駆動を開始してもよい。
以上に説明したハンドルボタン演出A処理(図38参照)、及び、ハンドルボタン演出B処理(図39参照)では、ハンドルボタン50Aの操作促進表示中(S377;Y)や、操作促進前表示中(S401;Y)において、デッドエンドフラグがオン状態であるか否かを判定する例を示したが、これに限られない。デッドエンドフラグがオン状態の場合は、ハンドルボタン50Aの駆動を行わないのみならず、操作促進表示や操作促進前表示を行わないようにしてもよい。これにより、ハンドルボタン50Aに何らかの異常が発生したことを、ハンドルボタン50Aが動かないということからだけでなく、操作促進表示や操作促進前表示が表示されないということからも、遊技者や遊技店店員に気付かせることができる。
また、以上では、演出制御用CPU120が回転位置検出センサ58からの検出信号に基づき、ハンドルボタン50Aの前後方向における位置(突出位置及び後退位置を含む)を検出した例を示したが、これに限られない。
例えば、回転体68に一定角ごとの回動でパルスを出力するパルスエンコーダを取り付けて、当該出力のパルス数に基づいて、演出制御用CPU120がハンドルボタン50Aの前後方向における位置を検出するようにしてもよい。そして、前記のS702(図48参照)、S389(図38)、S423(図39)、S451(図40)の各処理において、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)にあるか否かの判定を、当該パルスエンコーダの出力に基づいて実行してもよい。
例えば、回転体68に一定角ごとの回動でパルスを出力するパルスエンコーダを取り付けて、当該出力のパルス数に基づいて、演出制御用CPU120がハンドルボタン50Aの前後方向における位置を検出するようにしてもよい。そして、前記のS702(図48参照)、S389(図38)、S423(図39)、S451(図40)の各処理において、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)にあるか否かの判定を、当該パルスエンコーダの出力に基づいて実行してもよい。
また、図48に示すエラー検出処理において、S702,S703の待機処理に代えて、ボタン駆動用モータ59(ステッピングモータ)に所定のステップ数(ハンドルボタン50Aの没入位置(後退位置)への変位終了に相当するステップ数)のパルス信号を送出したときに、ハンドルボタン50Aが没入位置(後退位置)にあることを検出できなければ、演出制御用CPU120がエラー検出回数を「+1」する(S704)ようにしてもよい。
前記実施例のパチンコ遊技機1は、操作部として、プッシュボタン31Bとハンドルボタン50Aとの2つを備えるが、操作部は、1つでもよく、3つ以上であってもよい。操作部が1つである構成例としては、スティックコントローラ31Aおよびプッシュボタン31Bを備えず、ハンドルボタン50Aを有する操作ハンドルユニット50のみとする構成や、操作ハンドルユニット50はハンドルボタン50Aを備えず、プッシュボタン31Bが突出位置)と当該突出位置から後退する後退位置とに変位可能な構成とするものであってもよい。
また、前記実施例では、ハンドルボタン50Aの初期位置を、その表面位置(最前面位置)がフェースカバー61の表面位置(最前面位置)よりも所定距離L1だけ没入した没入位置(図10参照)としたが、これに限定されない。例えば、ハンドルボタン50Aの没入位置(後退位置)は、突出位置よりも後退した位置であればよく、フェースカバー61の表面位置から没入した位置でなくともよい。が、具体的には、突出位置よりも後退した位置であれば、ハンドルボタン50Aの後退位置は、フェースカバー61の表面位置(最前面位置)と同一位置(面一となる位置)又は突出した位置であってもよい。こうした場合には、突出位置のハンドルボタン50Aをフェースカバー61の表面位置から没入した位置まで押し込む必要がなく、掌によるハンドルボタン50Aの押下操作がし易い。
前記実施例では、操作促進表示(図42(C)、(D)参照)が表示される前に操作促進前表示(図42(A)、(B)参照)を実行しているが、操作促進前表示(図42(A)、(B)参照)を実行することなく操作促進表示(図42(C)、(D)参照)を実行してもよい。すなわち、いきなり操作促進表示が表示され、この操作促進表示が表示される前にハンドルボタン50Aが突出可能とするものであってもよい。
また、図34(B)に示すボタン演出を先読み演出として実行してもよい。先読み演出実行中は、遊技者が操作ハンドルユニット50を握っている状態であることが一番想定され、この状況下でボタン演出(ハンドルボタン50Aの突出動作)が実行されることで遊技者に確実にボタン演出を提供でき、効果倍増となる。例えば、先読み演出を実行する構成としては、主基板11側で先読み判定(例えばステップS112の処理など)し、主基板11での先読み判定結果のコマンドが送信され(例えばステップS17の処理など)、演出制御基板12側でその受信コマンドに基づいて先読み予告演出を実行する(例えば図30の演出制御プロセス処理内に先読み予告設定処理と先読み予告実行処理とを設けるなど)構成とすればよいが、これに限定されない。例えば、主基板11で乱数値を示すコマンド送信し(例えば入賞時乱数値を示すコマンドを送信する実行するCPU103など)、演出制御基板12側で大当り判定(例えば先読み判定を実行する演出制御用CPU120など)し、演出制御基板12側で先読み予告演出を実行する(前記先読み予告設定処理と先読み予告実行処理とを実行する演出制御用CPU120など)構成であってもよい。つまり、主基板11側ではなく、演出制御基板12側で先読み判定を行うようにしてもよい。
前記実施例では、スーパーリーチのリーチ演出中にボタン演出(ハンドルボタン50Aが突出動作することを含む)を実行しているが、スーパーリーチ以外のノーマルリーチなどのリーチ演出中に実行してもよい。また、リーチ成立時からリーチ演出開始までにボタン演出を実行してもよい。また、前記のリーチ中のみならず、変動開始時からリーチ成立までのいずれでもボタン演出を実行してもよい。変動開始時からリーチ成立までにボタン演出を実行する際には、変動開始からより早いタイミングでボタン演出を実行した方が、遊技者が操作ハンドルユニット50を握っている割合が高いため、効果的にボタン演出を実行することができる。例えば、熱い予告(例えばスーパーリーチでのリーチ演出や予告演出など)が実行されると、遊技者は大当りを期待し、無駄玉を抑えるために操作ハンドルユニット50から手を離す遊技者が多いことから、変動開始からより早いタイミングでボタン演出を実行すればよい。
前記実施例では、操作ハンドルユニット50は、ハンドルボタン50Aが突出位置にあるときにしか操作できない機構(ハード構成)となっているが、これに限定されない。例えば、演出制御基板12の演出制御用CPU120が、遊技者によるハンドルボタン50Aの操作が操作有効期間内にあった場合には有効と判定し、操作有効期間外にあった場合には無効と判定する構成(ソフト構成)であってもよい。
また、前記実施例では、図42(C)に示す第1操作促進表示(プッシュボタン31Bの操作促進表示)と、図42(D)に示す第2操作促進表示(ハンドルボタン50Aの操作促進表示)とで、共通の操作促進前表示(図42(A)、(B)参照)が表示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1操作促進表示と第2操作促進表示とで異なる操作促進前表示が表示されるようにしてもよい。この場合には、遊技者は、操作有効期間の開始前にどちらの操作部が有効になるかがわかるので、有効になる操作部の操作をスムーズに行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前記実施例のボタン演出決定処理(S272)では、図32に示すように、当該変動がスーパーリーチの場合には(S292;Y)、必ずカットイン演出とボタン操作演出とが実行されているが、カットイン演出とボタン操作演出とのうち少なくとも一方の実行の有無がある構成であってもよい。例えば、カットイン演出は必ず実行されるがボタン操作演出の実行の有無がある場合には、図32でのS293とS294との間に、ボタン操作演出の実行の有無を判定する処理を設け、ボタン操作演出の実行有りの場合にボタン操作演出処理(S294)に進み、ボタン操作演出の実行無しの場合に「リターン」に進む構成にすればよい。また、ボタン操作演出は必ず実行されるがカットイン演出の実行の有無がある場合には、図32でのS292とS293との間に、カットイン演出の実行の有無を判定する処理を設け、カットイン演出の実行有りの場合にカットイン演出処理(S293)とボタン操作演出処理(S294)とに順に進み、カットイン演出の実行無しの場合にカットイン演出処理(S293)を飛ばしてボタン操作演出処理(S294)に進む構成にすればよい。また、カットイン演出とボタン操作演出との両方についての実行の有無がある場合には、前記両者を組み合わせた構成にすればよい。
前記の実施例では、リーチ成立後のリーチ演出中にボタン演出を実行しているが、変形例として、リーチ成立前の予告演出においてボタン演出を実行するようにしてもよい。このように予告演出においてボタン演出を実行するものを操作予告演出と適宜に呼ぶ。ここで、操作予告演出が実行される際の画面の流れについて図46を参照して説明する。図46(A)に示すように、操作予告演出が開始されると、キャラクタが登場してボタン操作指示表示(操作促進表示)を行うとともにハンドルボタン50Aが突出する。ボタン操作指示表示は、「ボタンを押してね!」などの遊技者に対してボタン操作を促す操作促進表示となっている。なお、ボタン操作指示表示(操作促進表示)の表示前に、ハンドルボタン50Aが突出動作するものであってもよい。
このボタン操作指示表示中にボタン操作が行われずに所定期間経過してタイムアウトとなった場合には、図46(B)に示すように、操作検出後演出が実行されず、操作予告演出が終了する。
一方、ボタン操作指示表示中にプッシュボタン31Bまたは突出位置のハンドルボタン50Aのいずれかのボタン操作が行われた場合には、図46(C)に示すように、複数の星が表示される操作検出後演出が実行され、その後に操作予告演出が終了する。例えば、複数の星が表示される操作検出後演出であれば「信頼度」が高いとするものでもよく、操作検出後演出において表示される星の数が多いほど「信頼度」が高いとするものであってもよい。
また、前記変形例では、操作予告演出が登録された操作予告演出種別決定用テーブルと、ハンドルボタン演出が登録されたハンドルボタン演出種別決定用テーブルの2つのテーブルを用いて予告演出の種別を決定することが可能であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれのテーブルにも操作予告演出及びハンドルボタン演出の予告演出の双方の種別の予告演出が登録されていてもよいし、一部の予告演出だけ(例えば、操作予告演出A)が、操作予告演出種別決定用テーブルおよびハンドルボタン演出種別決定用テーブルに共通に設定されていてもよい。
次に、変形例における操作予告演出が実行される際の画面の流れについて図47を参照して説明する。なお、変形例では、遊技者が単発レバースイッチ64を押圧することで、打球発射装置51が備える発射モータの駆動を一旦停止させたときに、単発スイッチ54の検出信号が払出制御基板37を開始して主基板11に入力される。そして、この単発レバースイッチ64が押圧されていることを示す単発レバースイッチ押圧通知コマンドが演出制御基板12に送信されるようになっている。つまり、演出制御基板12の演出制御用CPU120は、遊技者が単発レバースイッチ64を押圧中であるか否かを把握できるようになっている。
図47(A)に示すように、操作予告演出が開始されると、キャラクタが登場してボタン操作指示表示を行う。そして、このボタン操作指示表示中にハンドルボタン50Aの押圧操作が行われたときに、遊技者が単発レバースイッチ64を押圧中である場合には、操作検出後演出を実行せずに、「単発スイッチを離してからボタンを押してね!」などの操作補助表示がなされる(図47(B)参照)。
なお、単発レバースイッチ64を離してハンドルボタン50Aを押圧操作すると、図47(C)に示すように、複数の星が表示される操作検出後演出が実行され、その後に操作予告演出が終了する。つまり変形例では、単発レバースイッチ64の押圧中は、ハンドルボタン50Aの操作が無効となっている。そのため、遊技者は単発レバースイッチ64を離した状態でハンドルボタン50Aの操作を行うようになるので、遊技球の発射が促進される。
なお、本実施例では、ハンドルボタン50Aが突出位置と没入位置の2つの位置の間で前後移動される動作のみを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンドルボタン50Aの突出移動量を調整して、没入位置の他に複数の突出位置を設けるようにしてもよい。例えば、変形例における操作ハンドルユニット50では、没入位置の他に突出量の小さい第1突出位置(この第1突出位置は前記検出可能位置よりも突出している)と、この第1突出位置よりも突出量の大きな第2突出位置とを設けるようにしてもよい。つまり、突出位置を第1突出位置と第2突出位置の2つとしたり、更に多い3以上の突出位置としたりしてもよい。
そして、変動表示においてスーパーリーチ大当りとなる場合には、例えばスーパーリーチハズレとなる場合よりも「第2突出位置となるハンドルボタン演出」が実行され易く、スーパーリーチハズレである場合については、「第1突出位置となるハンドルボタン演出」が実行され易くなるように、ハンドルボタン演出種別決定用テーブルの決定確率を設定してもよい。
このようにすることで、ハンドルボタン50Aを没入位置から第1突出位置または第2突出位置に移動させたときに、変動表示が大当りとなる場合には、第2突出位置までハンドルボタン50Aが突出し易く、変動表示がハズレとなる場合には、第1突出位置までハンドルボタン50Aが突出し易くなり、遊技者はハンドルボタン50Aの突出位置に基づいて大当りの期待度を把握することができる。なお、ノーマルリーチなどにおいてもハンドルボタン50Aを第1突出位置または第2突出位置に移動させるようにしてもよい。
また、ハンドルボタン50Aの後退移動量(没入移動量)を調整して、フェースカバー61の表面から突出した突出位置の他に、当該突出位置から後退した複数の後退位置を設けるようにしてもよい。そして、前記のS390、S424、S452、S709での没入駆動は、ハンドルボタン50Aを突出位置から、前記の複数の後退位置のいずれかに戻す駆動であってもよい。つまり、没入駆動は、ハンドルボタン50Aの突出位置から、初期位置としての所定の没入位置に復帰する動作に限らず、突出位置から、後退した後退位置への後退動作であればよい。
また、変形例によれば、変動表示が大当りとなる場合には、第2突出位置までハンドルボタン50Aが突出し易く、変動表示がハズレとなる場合には、第1突出位置までハンドルボタン50Aが突出し易くなっていることで、操作ハンドルユニット50のハンドルボタン50Aの移動によるパチンコ遊技機1の遊技状態及び演出状態の少なくともいずれか一方に関する報知の態様を多様化することができる。
また、前記実施例や前記変形例では、遊技者が操作ハンドルユニット50を握っているか否かにかかわらず、ボタン操作演出や操作予告演出を実行するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、タッチリング53(タッチセンサ)を用いて遊技者が操作ハンドルユニット50を握っているか否かを判別し、遊技者が操作ハンドルユニット50を握っていない場合には、ボタン操作演出や操作予告演出の実行を中止するようにしてもよい。また、遊技者が操作ハンドルユニット50を握っているか否かを判別は、タッチリング53のみならず、打球発射装置51または球発射検出センサ等を用いて行ってもよい。
また、前記変形例では、操作予告演出及びボタン操作演出の双方を実行可能となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作予告演出及びボタン操作演出のいずれか一方を実行するものであってもよい。
なお、連続予告演出(連続演出)において操作予告演出やボタン操作演出を実行するようにしてもよく、当該連続予告演出のプロセステーブルにて、操作予告演出やボタン操作演出の開始タイミングを予め設定しておくようにしてもよい。
なお、ハンドルボタン50Aの駆動タイミング(操作予告演出やボタン操作演出の実行タイミング)は、リーチ状態が成立した後のリーチ演出期間であってもよい。また、リーチ状態が成立した後のリーチ演出期間だけではなく、変動開始からリーチ状態が成立する前の期間内の所定タイミングであってもよいし、変動表示が実行されていない、例えば、大当り遊技期間中の所定タイミングにおいて、例えば、確変昇格演出として実行するようにしてもよい。つまり、ハンドルボタン50Aの駆動タイミングは、変動表示中におけるリーチ状態が成立前であってもよいし、リーチ状態の成立後であってもよいし、変動表示中ではない大当り遊技期間中であってもよい。
また、リーチ状態が成立した後のリーチ演出期間中に操作予告演出を実行する場合には、遊技者がボタン操作を行わずに所定期間経過してタイムアウトとなった場合であっても、タイムアウト後に操作検出後演出が実行されるようにし、その後に、演出図柄が揃う演出を行うようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、予告演出プロセステーブルの記述を参照して、ハンドルボタン50Aの駆動タイミングであるときに、ハンドルボタン50Aを駆動させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンドルボタン50Aを駆動させる条件、つまりハンドルボタン50Aを駆動させて遊技者に報知する報知条件としては、その他の条件であってもよい。例えば、演出図柄が揃って大当りとなったことを条件に、ハンドルボタン50Aを駆動させるようにしてもよいし、始動入賞口を遊技球が通過したことを条件に、ハンドルボタン50Aを駆動させるようにしてもよいし、保留記憶表示の表示態様を変化させる保留予告演出において、保留記憶表示の表示態様が変化されることを条件に、ハンドルボタン50Aを駆動させるようにしてもよいし、デモ演出から復帰した最初の遊技球の発射、つまり遊技が開始されたことを条件に、ハンドルボタン50Aを駆動させるようにしてもよい。
また、ボタン操作演出をリーチ状態が成立した後のリーチ演出期間において実行する場合としては、例えば、リーチ演出において、例えば役物等を作動させて、変動表示結果を遊技者が認識可能に示すタイミングにおいて実行することにより、変動表示結果を示す際の演出効果を高めるようにすればよい。
また、ボタン操作演出の実行タイミングは、変動表示毎に異なっていてもよい。例えば、1の変動表示では、リーチ演出の実行中にボタン操作演出の実行を開始し、他の変動表示では、リーチ演出の実行前にボタン操作演出の実行を開始してもよい。更に、大当りの期待度に応じてボタン操作演出の実行開始タイミングを異ならせるようにしてもよい。
また、前記実施例では、ハンドルボタン演出の演出対象を「大当り」とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらハンドルボタン演出の演出対象を、その他の遊技価値、例えば、「確率変動」であったり、「ラウンド数」であったり、時短状態の変動表示回数であっても良く、ハンドルボタン演出の演出対象が「確率変動」である場合は、例えば、大当り遊技中において上記した確変昇格演出を実行すればよい。
また、前記実施例では、操作ハンドルユニット50のハンドルボタン50Aを可動部とした例を示したが、これに限定されるものではない。可動部は、スティックコントローラなどの把持可能な操作手段に設けられ、当該操作手段から突出可能なボタンなどであってもよい。
また、前記実施例では、操作予告演出が実行されるとともにハンドルボタン演出が実行されるときに、ハンドルボタン50Aが常に突出位置で停止して、ボタン操作が行える態様を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作予告演出が実行されるとともにハンドルボタン演出が実行されるときに、ハンドルボタン50Aが没入位置で停止して、ボタン操作を行わない演出態様としてもよい。
なお、遊技球が貯留される下皿に遊技球が満杯になったときに、そのことを遊技者に報知するためにハンドルボタン50Aを突出させる動作を行うようにしてもよい。このようにすることで、遊技者は、操作ハンドルユニット50に視線を向けるようになるので、操作ハンドルユニット50の近傍にある下皿に遊技球が満杯になったことを認識することができる。このように本発明は、下皿満タンエラー等の異常報知にも適用可能である。
なお、演出表示装置5にデモ画面が表示される客待ちモード中に、ハンドルボタン50Aが連続して往復動作を行うデモ演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、台選び中に遊技者が、操作ハンドルユニット50に注目するようになる。このようにすることで、台選び中の遊技者が当該操作ハンドルユニット50を備えた遊技機に注目することにより、当該操作ハンドルユニット50を備えた遊技機の稼働率が向上する。
なお、操作ハンドルユニット50の他に、上皿などの他の部位に遊技者の動作を検出するプッシュボタンやカメラや赤外線センサやタッチパネルなどの動作検出手段を設けるようにしてもよい。そして、このような動作検出手段が設けられる構成において、遊技者に動作を指示する動作指示画像を表示中に、操作ハンドルユニット50のハンドルボタン50Aを押圧操作した場合には、動作検出手段にて遊技者の動作を検出したときと同じ検出状態として判定しても良く、このようにすることで、遊技者は周囲の他の遊技者や店員などに気付かれずに各種動作をしたときと同じ入力を行うことが可能になる。例えば、演出中にパチンコ遊技機1の前で大きく手を振るなどの動作を行うことが恥ずかしいと思っている遊技者にとってハンドルボタン50Aが有効な操作部となる。
また、ハンドルボタン50Aの小さな複数の凸部を設けるようにして、ハンドルボタン50Aが遊技者の掌に接触状態にあること、または非接触状態にあることを感知し易いようにしても良く、最低限のハンドルボタン50Aの移動量で遊技者に対して報知を行うことができる。
また、前記実施例では、ボタン駆動用モータ59がステッピングモータで構成されている例を示したが、ボタン駆動用モータ59は直流モータから構成されていてもよい。さらには、ハンドルボタン50Aを移動させる駆動機構として、ボタン駆動用モータ59以外の駆動機構によりハンドルボタン50Aを移動させるようにしてもよい。例えば、ソレノイド等の電磁アクチュエータによってハンドルボタン50Aを移動させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、ハンドルボタン50Aが前方に突出したり後方に没入したりするハンドルボタン演出が予告演出中に実行されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンドルボタン演出を変動中又は大当り中に、始動前の保留記憶の大当り判定結果に基づいて実行してもよい。つまり先読み演出の一態様としてハンドルボタン演出を実行するようにしてもよい。また、変動終了後大当り前の確変昇格演出としてハンドルボタン演出を実行するようにしてもよい。また、大当り中のラウンド昇格演出としてハンドルボタン演出を実行するようにしてもよい。
なお、ハンドルボタン演出の実行直前またはハンドルボタン演出の実行時に、操作ハンドルユニット50の形状に対応する画像を演出表示装置5の表示画面に表示するようにし、操作ハンドルユニット50においてハンドルボタン50Aが駆動するハンドルボタン演出が実行されることを遊技者に報知するようにしてもよい。
また、前記実施例では、操作ハンドルユニット50において駆動されるハンドルボタン50Aが予告演出において用いられる操作ボタンとして機能するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作ハンドルユニット50において、操作ボタンとしての機能を有しておらず、単に突出位置と没入位置とで移動可能な可動部材を設けるようにしてもよい。つまり操作ハンドルユニット50において可動部材を駆動させることで遊技者に報知することができる報知手段としての機能のみを有するものであってもよい。このような報知手段であれば、表示装置やランプやスピーカ等を用いずに、周囲の他の遊技者や店員などに気付かれずに、当該パチンコ遊技機1にて遊技をしている遊技者のみに報知を行うことができる。
また、ハンドルボタン50Aが没入位置にある場合であっても押圧可能し、没入位置にあるハンドルボタン50Aを操作用のボタンとして機能できるようにしてもよい。
また、操作ハンドルユニット50におけるハンドルボタン50Aの配置位置、つまり操作ハンドルユニット50の突出部位及び突出方向(没入方向)について、前記実施例では、操作ハンドルユニット50における遊技者の掌に接触可能な部位をハンドルボタン50Aとして突出・没入させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作ハンドルユニット50における遊技者の指の付け根又は指先に接触可能な部位を、ハンドルボタン50Aとして突出・没入させてもよい。
また、本実施例では、変動時間等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
なお、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を確変大当りAに比べて著しく短くした突然確変大当りを設け、遊技者に対して突然に確変状態となったように見せるようにしてもよい。なお、突然確変大当りを設ける場合には、該突然確変大当りにおける大入賞口の開放パターンと同一又は類似の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにしてもよい。この場合、突然確変大当りや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにし、該状態において所謂潜伏演出を実行してもよい。また、潜伏確変中は、非潜伏中に比べて操作予告演出やハンドルボタン演出の実行割合を変化させてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。このような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
50 … 操作ハンドルユニット
50A … ハンドルボタン(可動部)
57 … ボタン操作検出センサ
59 … ボタン駆動用モータ
61 … フェースカバー(把持手段)
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部
2 … 遊技盤
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12 … 演出制御基板
50 … 操作ハンドルユニット
50A … ハンドルボタン(可動部)
57 … ボタン操作検出センサ
59 … ボタン駆動用モータ
61 … フェースカバー(把持手段)
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部
Claims (2)
- 遊技が可能な遊技機であって、
遊技者によって把持される把持手段と、
前記把持手段に設けられ、前記把持手段から突出する突出位置と、前記突出位置から後退する後退位置との間で変位可能な可動部と、
前記可動部の変位を制御する変位制御手段と、を備え、
前記変位制御手段は、
前記可動部を前記突出位置に変位させた後に、前記後退位置に変位させるための後退動作を開始させて、前記可動部が前記後退位置にて検出されたことに応じて前記後退動作を停止させ、
前記後退動作の開始後所定期間内に、前記可動部が前記後退位置にて検出されなければ、前記後退動作を停止させる、
ことを特徴とする遊技機。 - 前記可動部は、前記突出位置のときに遊技者の操作に応じて変位可能であり、
遊技者に前記可動部の操作を促す操作促進表示を表示する表示部をさらに備え、
前記変位制御手段は、前記操作促進表示が表示されるよりも前に、前記可動部を変位させることが可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015031140A JP2016150232A (ja) | 2015-02-19 | 2015-02-19 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015031140A JP2016150232A (ja) | 2015-02-19 | 2015-02-19 | 遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016150232A true JP2016150232A (ja) | 2016-08-22 |
Family
ID=56694859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015031140A Pending JP2016150232A (ja) | 2015-02-19 | 2015-02-19 | 遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016150232A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021164881A (ja) * | 2018-08-31 | 2021-10-14 | 株式会社ソフイア | 遊技機 |
JP2022066559A (ja) * | 2019-02-15 | 2022-04-28 | 株式会社ソフイア | 遊技機 |
JP7475694B2 (ja) | 2017-01-26 | 2024-04-30 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
-
2015
- 2015-02-19 JP JP2015031140A patent/JP2016150232A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7475694B2 (ja) | 2017-01-26 | 2024-04-30 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
JP2021164881A (ja) * | 2018-08-31 | 2021-10-14 | 株式会社ソフイア | 遊技機 |
JP7246767B2 (ja) | 2018-08-31 | 2023-03-28 | 株式会社ソフイア | 遊技機 |
JP2022066559A (ja) * | 2019-02-15 | 2022-04-28 | 株式会社ソフイア | 遊技機 |
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