以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、遊技機1の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態による遊技機1について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の正面図である。
また、図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は島設備に固定される本体枠2に、ヒンジ4を介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠3及びクリア部材保持枠(ガラス枠)18によって構成されている。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図3参照)が交換可能に配設されるとともに、遊技盤10の前面を覆うクリア部材18aを備えたクリア部材保持枠18が取り付けられる。ここで、クリア部材18aは、ガラス、アクリル、ポリカーボネイト等の透明部材である。このように、クリア部材18aは、遊技盤10に形成される遊技領域10a(図3参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠3及びクリア部材保持枠18は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、クリア部材保持枠18のみを開放することで、遊技盤10の遊技領域10aにアクセスすることができる。
クリア部材保持枠18のクリア部材18a周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
クリア部材保持枠18の上部及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置9、11が配設されている。装飾装置9、11は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置9、11の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18d(図32参照)の一部を構成している。
クリア部材保持枠18の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ30aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ30aとは別に遊技機1の下部には、2つの下スピーカ30bが設けられている。下スピーカ30bは、クリア部材保持枠18の下左角部分及び前面枠3の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ30a及び下スピーカ30bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1の始動口スイッチ等に対して電波を発振する行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサ39a(図31参照)によって磁気を検出したり、電波センサ39b(図31参照)によって電波を検出したりすることで検知される。
また、不正に前面枠3やクリア部材保持枠18を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠3の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ3b(図31参照)によって検出され、クリア部材保持枠18の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ18b(図31参照)によって検出される。
クリア部材保持枠18の右側部には、遊技機1の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット19が配設されている。突出演出ユニット19は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット19の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18d(図32参照)の一部を構成している。
クリア部材保持枠18の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニット20が取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、前面枠3の下部に設けられる発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニット20は、遊技者からの入力操作を受け付ける演出ボタン31と、遊技状態に応じて発光演出等を行う上皿伝播装飾装置29と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置25と、遊技機1の左下角に位置する下スピーカ30bと、をさらに備える。
演出ボタン31は、遊技者が操作しやすいように上皿ユニット20の上部中央に設けられる。演出ボタン31は、押しボタンの他にタッチパネル機能が組み込まれた操作装置であり、さらに上皿伝播装飾装置29の発光演出の一端を担って発光機能も有している。
さらに、クリア部材保持枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図3参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、クリア部材保持枠18を施錠するための鍵15が備えられている。
遊技者が演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図3参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば特定遊技状態(普電サポート状態又は時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
上皿伝播装飾装置29は、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニット20の前側部分に設けられている。
球貸操作装置25は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニット20の上部右側に設けられている。球貸操作装置25は、球貸ボタン26と、返却ボタン27と、残高表示部28と、を備えている。球貸ボタン26は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン27は台間装置のカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部28は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
〔遊技盤〕
続いて、図3から図4を参照して、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技盤10について説明する。
図3は、第1ロボット役物(第1可動役物)100及び第2ロボット役物(第2可動役物)200の初期状態を示す遊技盤10の正面図である。
また、図4は、センターフレーム46、遊技盤10及び裏面構成体60の斜視図である。
図3に示すように、遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体(ベース部材)10bを備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール35で囲まれた遊技領域10aを有している。遊技盤本体10bは、例えば、木製又は合成樹脂製である。
遊技盤本体10bの表面には、光沢のある通常セル部(透光性部材)81(図27参照)又は反射光に金属感のあるプリズムセル部(反射部材)82(図27参照)が貼られ、遊技盤本体10bの表面に高級感をもたらしている。
遊技盤本体10bの前面であってガイドレール35の外側には、前面構成体(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成体33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール35で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、流下方向変化部材としての風車(図示省略)や多数の障害釘(図示省略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの流下方向変化部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。また、前面構成体33には、六角形状の透明樹脂部46hが設けられ、遊技盤10の表面を装飾する。
遊技領域10aの略中央には、前面構成体33として変動表示ゲームの表示領域となる窓部(開口部)46aを形成するセンターフレーム46が取り付けられている。センターフレーム46は、開口部46aを有する異形リング状部材であり、合成樹脂によって形成されている。センターフレーム46は、その外周が遊技盤10に形成された開口に嵌められて遊技盤10の前面に取り付けられる。
センターフレーム46に形成された窓部の後方かつ遊技盤10の裏面には、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200を有する裏面構成体60が配設される。
図4に示すように、裏面構成体60は、遊技盤10の裏面に取り付けられる枠状の収容部材61と、収容部材61の前面に設置されるスライド役物400(図6参照)と、スライド役物400の前面に設置され、上昇役物300、発光演出装置63、排出流路64、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200を役物取付ベース90(図6参照)に支持してなる可動役物構成体80(図6参照)と、を備える。ここで、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200を動作させる第1駆動機構130及び第2駆動機構230(図18参照)は、第1カバー装飾部材137及び第2カバー装飾部材237の内部に備えられている。
収容部材61には、発光演出装置63や可動役物構成体80が収容される収容部61aと、表示装置48の表示画面が臨む開口部61bとが形成される。そして、収容部61aの前面に、スライド役物400が設置され、スライド役物400の前面に役物取付ベース90が設置される。また、収容部材61の裏面に、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置(変動表示装置)として表示装置48が設けられる。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターフレーム46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよく、また、投影される画像を表示するスクリーン状のものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技盤本体10bにセンターフレーム46及び裏面構成体60が取り付けられた状態では、表示装置48の表示画面は、開口部46a及び開口部61bを介して遊技者から視認可能となっている。また、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200は、表示装置48の表示画面の右側部及び左側部に配置され、開口部46aを介して遊技者から視認可能となっている。
センターフレーム46の窓部底部には、ステージ部46bが左右方向に設けられる。ステージ部46bには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターフレーム46の内部に配置されたワープ通路46dを通過した遊技球が排出される。ステージ部46bは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されており、ステージ部46b上で転動した遊技球を第1始動入賞口37に流下しやすいように形成された始動口1ガイド部46e、及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように形成された始動口2ガイド部46fを備える。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
遊技領域10aのセンターフレーム46の右下側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図31参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれ、センターフレーム46の上方を通過して右側の遊技領域を流下する遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると(所定条件の成立)、普図変動表示ゲーム(所定遊技)が実行される。
さらに、センターフレーム46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターフレーム46の右下側の普図始動ゲート34の下方には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図31参照)によって検出される。
また、センターフレーム46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられる。第1始動入賞口37は、後述する透過性意匠部371の背面に設けられ、第1始動入賞口37への入賞は、透過性意匠部371を通して視認することができる。
第1始動入賞口37の直下には、開閉可能な開閉部材38aを備える第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設される。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の開閉部材38aは、遊技球が入賞不可能な閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(特定結果)となった場合には、駆動装置(駆動機構)としての普電ソレノイド38b(図31参照)によって、開閉部材38aを開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変換(変化)させられるように構成されている。
なお、普図変動表示ゲーム及び開閉部材38aは、後述する遊技制御装置500(図31参照)によって制御される。遊技制御装置500は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに遊技領域10aの第1始動入賞口37の右側には、大入賞口ソレノイド42b(図31参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図31参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図31参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、遊技領域10aの最下部には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部51〜59が設けられている。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘(図示省略)や風車(図示省略)等の流下方向変化部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、アウト口43へ流入し遊技領域10aから排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図31参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると(所定条件の成立)、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲーム(所定遊技)が実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を所定期間表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図31参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図31参照)と始動口2スイッチ38d(図31参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図31参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターフレーム46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(表示装置48、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の識別情報(特図、特別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図31参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、実行権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲーム又は変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやクリア部材保持枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔裏面構成体〕
次に、図5から図6を参照して裏面構成体60について説明する。
図5は、裏面構成体60の正面図である。
図6は、裏面構成体60の分解斜視図である。
図5に示すように、裏面構成体60には、収容部材61、スライド役物400、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物を支持する可動役物構成体80、上昇役物300、排出流路64が配設される。このうち、スライド役物400は、初期位置において待機する場合、正面視でロボット役物100、200等と重なり遊技者から視認困難な位置にある。
図6に示すように、裏面構成体60において、収容部材61を奥側として、収容部材61にスライド役物400、可動役物構成体80、上昇役物300、排出流路64が順に取りつけられる。スライド役物400及び可動役物構成体80は、略矩形であり、中央部に後方の表示装置の視認を妨げない大きさの開口部をそれぞれ有する。
可動役物構成体80は、役物取付ベース90に第1ロボット役物100、第2ロボット役物200が取り付けられており、役物取付ベース90は、上部中央に発光演出装置63を備える。役物取付ベース90の下部中央には、さらに、上昇役物300が取り付けられる。
図5、図6に示すように、上昇役物300は、収容部材61の下方に設けられる収容空間(図示省略)に設けられる。具体的には、上昇役物300の収容空間は、収容部材61の下辺部を下端とし、役物取付ベース90の下辺部90b(図18(B)参照)の内側辺を上端する空間である。さらに、上昇役物300の収容空間は、収容部61aの前面であって、排出流路64の背面に設けられるため、正面視で遊技者から視認することができない空間である。
排出流路64は、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、一般入賞口44に入賞した遊技球が流下する流路であり、流路の途中には第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、一般入賞口44に対応したカウントスイッチが備えられる。
〔スライド役物の構造〕
次に、図7から図17を参照してスライド役物400について説明する。まず、図7から図9を参照してスライド役物400が備える襖(ふすま)部材の動作及び機能について説明する。
図7は、襖部材が初期位置にあるスライド役物400を説明する図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
図8は、襖部材が中間位置にあるスライド役物400を説明する図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
図9は、襖部材が最大動作位置にあるスライド役物400を説明する図であり、(A)は正面図、(B)は背面図である。
図7から図9に示すように、スライド役物400は、略矩形であり、スライド役物400の躯体であるスライド役物取付ベース401により囲まれる開口部を有する。可動部材としての左右の襖(ふすま)部材420、460は、初期位置にある場合、開口部の後方に位置する表示装置48の視認を妨げない。
スライド役物400は、可動役物構成体80の背面に配置されるため、移動可能な左右の襖部材420、460を除いて遊技者から視認不能であり、襖部材420、460が初期位置にある場合には、襖部材420、460も遊技者から視認することができない。襖部材420、460は、遊技の進行に応じてモータ432、472の駆動力によって左右方向にスライド動作する。モータ432、472は、本実施形態では、ギアードパルスモータであり、左襖部材420を動作させるモータ432と、右襖部材460を動作させるモータ472とが配設される。襖部材420、460の動作量は、モータ432、472のステップ数により制御される。
襖部材420、460は、後方を視認可能な透明部(透明部材)423、463と後方を視認不能な装飾部(装飾部材、カバー)427、467に分かれる。透明部材423、463は、導光可能な透明板(導光部材)で構成されており、透明板は、端部から導光された光を前方へと散乱する散乱部(図示省略)を備える。散乱部(発光パターン)は、例えば、透明板表面の凹凸面である。演出制御装置550は、遊技の進行に応じてLED基板422、462の発光を制御することにより、発光パターンを発光させる発光演出を行う。
装飾部材427、467は、内部にLED426a、466aを備え、前方に向けて照明可能である(図13参照)。また、装飾部材427は、対になる装飾部材467と対応する造形が施された造形部が形成されている。装飾部材467も同様に装飾部材427と対応する造形が施された造形部が形成されている。演出制御装置550は、遊技の進行に応じてLED426基板、466基板を制御することにより、装飾部材427、467を発光させる発光演出を行う。
図9に示すように、襖部材420、460が最大動作位置にある場合には、左襖部材420及び右襖部材460が当接する。左右の襖部材420、460が当接すると透明部423、463も当接するため、襖部材420、460の装飾部427、467に縁取られた一区画の表示領域が形成され、表示装置48の表示画面が正面視で装飾部427、467によって3分割される。襖部材420、460が最大動作位置にあるか否かは、モータ432、472のステップ数によって判断される。
次に、図10から図17を参照してスライド役物400の構造について説明する。
まず、スライド役物400を構成する左右のスライド役物400の構造を簡単に説明する。
図10は、本発明の第1の実施の形態のスライド役物400の分解斜視図である。
図11は、本発明の第1の実施の形態の左スライド役物410及び右スライド役物450の正面図である。
図12は、本発明の第1の実施の形態の左スライド役物410及び右スライド役物450の背面図である。
図10に示すように、スライド役物取付ベース401に左スライド役物410及び右スライド役物450が取り付けられる。左右のスライド役物410、450は、襖部材420、460と襖部材420、460を案内する案内部430、470からなり、案内部430、470は、襖部材420、460に駆動力を与えるスライド駆動機構部431、471を含む。スライド駆動機構部431、471は前面カバー435、475を備え、前面カバー435、475とスライド役物400ベースに挟まれる空間には、襖部材420、460にモータの駆動力を伝達する主動ギア433、373及び複数の従動ギア434、474を収容する。
図11及び図12に示すように、左スライド役物410の襖部材(左襖部材)420の頭部に設けられる係合部材429は、右スライド役物450の前面カバー475の下面左半分に設けられるガイド溝475aに係合される。ガイド溝475aは、左襖部材420を上側からガイドするとともに、左襖部材420のスライド範囲を規制する。右スライド役物450の襖部材(右襖部材)460の最下部に設けられる係合部材469は、スライド役物取付ベース401に設けられるガイド溝401aに係合される(図10参照)。
次に、左右のスライド役物410、450の構造を詳細に説明する。
図13は、本発明の第1の実施の形態の左スライド役物410の分解斜視図である。
図14は、本発明の第1の実施の形態の右スライド役物450の分解斜視図である。
図13を参照して左スライド役物410から説明する。左スライド役物410の案内部430は、レール436、スライド部材437、スライド規制部材438、検出センサ取付部材439、モータ432、主動ギア433、従動ギア434、左前面カバー435からなる。このうち、モータ432、主動ギア433、従動ギア434、左前面カバー435によって左スライド駆動機構部431が構成される。
モータ432は、スライド役物取付ベース401に取り付けられて固定される。主動ギア433の軸部は、モータ432の出力軸に軸着され、従動ギア434の軸部はスライド役物取付ベース401に形成される軸芯402に軸支される(図10参照)。モータ432の駆動力は主動ギア433及び複数の従動ギア434を介してスライド部材437に形成されるラック437aに伝達される。
スライド部材437は、下面にラック437aが形成されて、ラック437aは第4従属ギア434dと噛み合わされる。またスライド部材437は、レール436の溝部436aにスライド可能に係合され、モータ432の動力によって左右に移動する(スライド動作する)。
また、スライド部材437には一側面に左襖部材420が固定され、スライド部材437のスライド動作に合わせて左襖部材420もスライド動作する。具体的には、レール436と係合する側面ではない方のスライド部材437の側面に左襖部下部カバー427cの接続部427dが固定される。左襖部下部カバー427cの中ほどには、水平方向に平らな板状の規制板427eが形成され、規制板427eがスライド規制部材438の規制部438aに当接することで、左襖部材420が初期位置よりも左方向へスライドしないように規制される。
スライド規制部材438の一端には検出センサ取付部材439が固定される。検出センサ取付部材439には、位置検出センサ439aが取付けられ、左襖部材420が初期位置にあるか否かを検出する。
左襖部材420は、上下のベース部材421、上下のLED基板(照射手段)422、前貼423a及び裏貼423b、側部LED基板426、上下及び側部のカバー427等からなる。導光可能な透明板で形成される左前貼423a及び左裏貼423bは、左襖部側面部材424を挟み込み、上下を左襖部上部カバー427a及び左襖部下部カバー427cによって固定される。左襖部側面部材424は、左襖部上部ベース部材421a及び左襖部下部ベース部材421bに固定され、前貼423a及び裏貼423bと同様に導光可能な透明板で形成されてもよい。
左前貼423a及び左裏貼423bの上方には左襖部上LED基板422aが配設され、左前貼423a及び左裏貼423bの下方には左襖部下LED基板422bが配設される。上下のLED基板422は、前貼423a及び裏貼423bの端部から前貼423a及び裏貼423bに導光するために設けられ、各LED基板422には、複数のLEDが左前貼423a及び左裏貼423bの端部に対応した位置(端部に対向した位置)に配置される。左襖部上LED基板422aは、左襖部上部ベース部材421aのベース面に固定され、左襖部下LED基板422bは、左襖部下部ベース部材421bのベース面に固定される。
左襖部材420の縁にあたる部分は、左襖部側部ベース部材425に左襖部側部カバー427bが固定されて形成される。左襖部側部ベース部材425は、左襖部側部LED基板426を収容し、左襖部側部ベース部材425の上下は、左襖部上部カバー427a及び左襖部下部カバー427cに固定される。左襖部側部LED基板426に配設されるLEDは、左襖部側部カバー427bを後方より照明するために設けられ、左襖部側部カバー427bは、LEDの光を透過可能に形成される。
前述の係合部となる係合部材429は、左襖部上部ベース部材421aに固定される。また、左襖部上部ベース部材421aには、左襖部上部カバー427aが固定される。
左襖部下部ベース部材421bは、左襖部下部挟持部材428に挟み込まれて、左襖部下部カバー427cに固定される。左襖部下部カバー427cには、スライド部材437に固定される接続部427dが形成され、接続部427dがスライド部材437に固定されることで、左襖部材420全体を下方より支持する。
続いて、図14を参照して右スライド役物450を説明する。右スライド役物450も案内部470と襖部材460に分かれ、案内部470はスライド駆動機構部471を含む。
右スライド役物450の案内部は、右前面カバー475、第1から第4のスライド部材477、モータ472、主動ギア473、第1から第7の従動ギア474からなる。このうち、モータ472、主動ギア473、従動ギア474、右前面カバー475によってスライド駆動機構部が構成される。
モータ472は、右前面カバー475に取り付けられて固定される。主動ギア473の軸部は、モータ472の出力軸に軸着され、第1から第7の従動ギア474の軸部はスライド役物400ベースに形成される軸芯403(図10参照)に軸支される。モータ472の駆動力は主動ギア473及び複数の従動ギア474を介して第1スライド部材477aに形成されるラック477eに伝達される。
スライド部材477は、側面方向に厚みを持たせるために第1スライド部材477aから第4スライド部材477dまでの4枚の部材によって構成される。第1スライド部材477aは、上面にラック477eが形成され、モータ472の駆動力を受け付ける。第2スライド部材477bは、右襖部材460を固定するために設けられる第3スライド部材477cを第1スライド部材477aから離れた位置に配置するために設けられる。第4スライド部材477dは、スライド部材を右前面カバー475に形成されるレール475b(図12参照)に係合させるために設けられる。
検出センサ取付部材479は、スライド役物取付ベース401に固定される。検出センサ取付部材479には、位置検出センサ479aが取付けられ、右襖部材460が初期位置にあるか否かを検出する。
右襖部材460は第3スライド部材477cに形成される接続部477fに右襖部上部ベース部材461aが固定され、スライド部材477に吊り下げられる形で固定される。
右襖部材460は、上下のベース部材461、上下のLED基板462、前貼463a及び裏貼463b、側部LED基板466、上下及び側部のカバー467等からなる。係合部材469及び下部カバー467cを除いて、左襖部材420と右襖部材460は左右対称に形成される。
導光可能な透明板で形成される右前貼463a及び右裏貼463bは、右襖部側面部材464を挟み込み、上下を右襖部上部カバー467a及び右襖部下部カバー467cによって固定される。右襖部側面部材464は、右襖部上部ベース部材461a及び右襖部下部ベース部材461bに固定される。
右前貼463a及び右裏貼463bの上方には右襖部上LED基板462aが配設され、右前貼463a及び右裏貼463bの下方には右襖部下LED基板462bが配設される。上下のLED基板462は、前貼463a及び裏貼463bの端部から前貼463a及び裏貼463bに導光するために設けられ、各LED基板462には、複数のLEDが右前貼463a及び右裏貼463bの端部に対応した位置に配置される。右襖部上LED基板462aは、右襖部上部ベース部材461aのベース面に固定され、右襖部下LED基板462bは、右襖部下部ベース部材461bのベース面に固定される。
右襖部材460の縁にあたる部分は、右襖部側部ベース部材465に右襖部側部カバー467が固定されて形成される。右襖部側部ベース部材465は、右襖部側部LED基板466を収容し、右襖部側部ベース部材465の上下は、右襖部上部カバー467a及び右襖部下部カバー467cに固定される。右襖部側部LED基板466に配設されるLEDは、右襖部側部カバー467bを後方より照明するために設けられ、右襖部側部カバー467bは、LEDの光を透過可能に形成される。
前述の係合部となる係合部材469は、右襖部下部ベース部材461bと右襖部下部カバー467cに挟み込まれて、右襖部下部カバー467cに固定される。係合部材469の係合部469aは、スライド役物取付ベース401に係合し、右襖部材460のスライド動作に伴うバタつきを抑止する。
次に、図15から図16を参照して左右のスライド役物400の動作について説明する。
図15は、本発明の第1の実施の形態の左スライド役物410の動作を説明する図であり、(A)は左襖部材420が初期位置にある図、(B)は左襖部材420がスライド動作中の図である。
図16は、本発明の第1の実施の形態の右スライド役物450の動作を説明する図であり、(A)は右襖部材460が初期位置にある図、(B)は右襖部材460がスライド動作中の図である。
図15を参照して左スライド役物410から説明する。図15(A)に示すように、スライド部材437が左限に位置する場合、左襖部材420は初期位置に位置する。また、図15(B)に示すように、モータ432の回転に連動してスライド部材437が左右方向へとスライド動作し、スライド部材437に固定される左襖部材420も移動する。位置検出センサ439aは、スライド規制部材438を介してスライド役物取付ベース401に固定されるため、スライド部材437が移動しても移動しない。
位置検出センサ439aは、例えば、フォトインタラプタであり、発光部と受光部を対向して備える。スライド部材437の左端に形成されるセンサ用突出部437bにより、位置検出センサ439aの受光部の受光が遮られる場合には、スライド部材437が初期位置にあることが検出される。
モータ432は、Nステップでスライド部材437を初期位置から最大動作位置へと移動するように設定され、スライド部材437及び左襖部材420を高速で移動させることができる。また、左襖部材420は、モータ432のパルス制御に加えて上部に設けられる係合部材429が右前面カバー475のガイド溝475aによって、移動範囲を規制されるため、最大動作位置を超えて移動することはできない。
続いて図16を参照して右スライド役物450の動作について説明する。図16(A)に示すように、スライド部材477が右限に位置する場合、右襖部材460は初期位置に位置する。また、図16(B)に示すように、主動ギア473及び従動ギア474を介してモータ472の回転に連動してスライド部材477が左右方向へとスライド動作する。
位置検出センサ479aは、スライド役物取付ベース401に固定されるため、スライド部材477が移動しても位置検出センサ479aは移動しない。第1スライド部材477aの上面には、センサ用突出部477gが形成され、スライド部材477が初期位置にある場合には、位置検出センサ479aの受光を遮る。
次に、図17を参照してスライド役物400と画面の制御を説明する。
図17は、本発明の第1の実施の形態のスライド役物400の動作に応じた画面の表示を説明する図であり、(A)は左右の襖部材420、460が初期位置にあるスライド役物400及び表示画面の正面図、(B)は左右の襖部材420、460が中間位置にあるスライド役物400及び表示画面の正面図、(C)は左右の襖部材420、460が最大動作位置にあるスライド役物400及び表示画面の正面図である。
図17(A)に示すように、左右の襖部材420、460が初期位置にある場合、表示装置48の画面は分割されず、1画面として表示される。
左右の襖部材420、460が最大動作位置の約3/4まで移動すると、図17(B)に示すように、表示装置48の画面は5分割されて表示される。画面の一番右側の第1領域48aには、例えば、左側を向いたキャラクタ49aが表示され、右から2番目の第2領域48bには、「伝説のガード」という文字が縦に表示される。第2領域48bは、正面視で右襖部材460と重なる位置に表示され、遊技者は、右襖部材460の透明部463を通して「伝説のガード」という文字を視認することができる。
また、一番左側の第5領域48eには、右側を向いたキャラクタ49bが表示され、左から2番目の第4領域48dには、「でるか?」という文字が縦に表示される。第4領域48dも正面視で左襖部材420と重なる位置に表示され、遊技者は左襖部材420の透明部423を通して「でるか?」という文字を視認することができる。画面の中央にあたる第3領域48cには、何も表示されない。
左右の襖部材420、460が最大動作位置まで移動すると、図17(C)に示すように、表示装置の画面は3分割されて表示される。画面中央の第2領域48bには、例えば、「出た!伝説のガード」という文字が斜めに表示される。第2領域48bは、正面視で最大動作位置にある左右の襖部材420、460と重なる位置に表示され、遊技者は、両襖部材420、460の透明部423、463を通して「出た!伝説のガード」という文字を視認することができる。
図17(A)〜(C)のような表示をするために、演出制御装置550は、左右の襖部材420、460を動かすモータ432、472のステップ数を同じに制御するとともに、ステップ数に応じて画面の所定の領域に所定の表示を行う。
このように、襖部材420、460が所定の位置に移動したタイミングに同期して、表示装置48の画面には、襖部材420、460の位置に応じた領域に文字等が表示される。そのため、遊技者は襖部材420、460を通して画面に表示される文字等を視認することが可能であり、これまでにない斬新な演出によって遊技の興趣を高めることができる。また、襖部材420、460の位置によって分割された表示装置48の画面領域には、画面の領域毎に関連性のある文字やキャラクタ等が表示されることで、インパクトのある演出が可能であり、遊技の興趣を高めることができる。
また、襖部材420、460が最大動作位置に移動すると、左右の襖部材420、460が当接して襖が閉まった状態となる。そのため、演出場面を一度仕切る印象を遊技者に与えることが可能であり、襖部材420、460の開閉によって演出の進行を表現することができる。
〔役物構成体〕
次に、図18から図20を参照して可動役物構成体80について説明する。
図18は、本発明の第1の実施の形態の可動部材としての第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が初期位置にある可動役物構成体80を説明する図であり、(A)は第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が初期位置にある可動役物構成体80の正面図、(B)は第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が初期位置にある可動役物構成体80の背面図である。
可動役物構成体80は、第1ロボット役物100、第2ロボット役物200、発光演出装置63を備える。第1ロボット役物100、第2ロボット役物200は、略矩形の役物取付ベース90に動作可能に取り付けられ、モータ(駆動源)132、232の駆動力によってそれぞれ左右方向に、つまり表示装置48の前方へと移動可能である。発光演出装置63は、役物取付ベース90の上辺部90aの中央部に取り付けられる。また、役物取付ベース90の前面には装飾板91が取り付けられて装飾が施される。
役物取付ベース90の下辺部90bは、上辺部90aと右辺分90c及び左辺部90dと比較して厚みをもって形成される。下辺部90bの右側部には、第1ロボット役物100にモータ132の駆動力を伝達する第1駆動機構130が収容され、下辺部90bの左側部には、第2ロボット役物200にモータ232の駆動力を伝達する第2駆動機構230が収容される。下辺部90bの中央部は、上昇役物300を収容する収容空間を確保するために奥側へと凹状に形成され、下辺部90bの中央部のみ薄く形成される。
図18(A)(B)に示すように、第1ロボット役物100は、上から順に頭部材102、盾部材107、胴部材103、腕部材105、上腿部材104、腕部材105を動作させるモータ(図示省略)を備える。盾部材107は腕部材105の上端部に取り付けられ、頭部材102、胴部材103、腕部材105、上腿部材104は、第1ロボット役物100の第1ロボット取付ベース101(図19(B)参照)にそれぞれ回動可能に取り付けられる。腕部材105は、肩部分及び肘部分を関節部として回動可能に構成され、上腕部材105a及び前腕部材105bに腕部材105を動作させるモータ(図示省略)と当該モータの駆動力を関節部に伝達する複数のギア(図示省略)が取り付けられる。頭部材102、胴部材103、腕部材105は、それぞれ内部にLEDを有し、各部材は内側より発光可能である。腕部材105に動力を供給するモータ(図示省略)は、遊技者から視認されないように、盾部材107の裏面部であって第1ロボット取付ベース101に取り付けられる。
第1ロボット役物100は、第1ロボット取付ベース101の下端が第1駆動機構130に接続されて下方より支持される。また、第1ロボット役物100は、頭部材102の裏面に設けられる頭部可動軸102a、胴部材103の裏面上方に設けられる胴部上方可動軸103aが役物取付ベース90に形成される長穴状のスライド溝90e、90fにそれぞれ動作可能に係合され、背面より支持される。また、胴部材103の裏面下方に設けられる胴部下方可動軸103b(図19(B)参照)が第1ロボット取付ベース101に形成される長穴状のスライド溝101a(図19(B)参照)に動作可能に係合され、背面より支持される。これにより、第1ロボット役物100の左右方向への移動に伴って動作する第1ロボット役物100の上方の動作が規制される。
第2ロボット役物200は、頭部材202、胴部材203、腕部材205、爪部材206、上腿部材204、爪部材206を動作させるソレノイド(駆動源)209を備える。頭部材202、胴部材203、腕部材205、上腿部材204は、第2ロボット役物の第2ロボット取付ベース201(図19(B)参照)にそれぞれ回動可能に取り付けられ、爪部材206は、腕部材205に動作可能に取り付けられる。頭部材202、胴部材203、爪部材206は、それぞれ内部にLEDを有し、各部材は内部より発光可能である。
第2ロボット役物200は、第2ロボット取付ベース201の下端が第2駆動機構230に接続されて下方より支持される。また、第2ロボット役物200は、頭部材202の裏面に設けられる頭部可動軸202a、胴部材203の裏面上方に設けられる胴部上方可動軸203aが役物取付ベース90に形成される長穴状のスライド溝90g、90hにそれぞれ動作可能に係合され、背面より支持される。また、胴部材203の裏面下方に設けられる胴部下方可動軸203b(図19(B)参照)が第2ロボット取付ベース201に形成される長穴状のスライド溝201a(図19(B)参照)に動作可能に係合され、背面より支持される。さらに、上腿部材204の裏面に設けられる上腿部可動軸204a(図19(B)参照)が第2ロボット取付ベース201に形成される長穴状のスライド溝201b(図19(B)参照)に動作可能に係合され、背面より支持される。これにより、第2ロボット役物200の左右方向への移動に伴って動作する第2ロボット役物200の上方の動作が規制される。
役物取付ベース90に形成されるスライド溝90e、90f及び第1ロボット取付ベース101に形成されるスライド溝101aは、可動軸102a、103a、103b等と共に、第1ロボット役物100が左右方向に移動する際に、係合する部材に動作を与えるカム機構を構成する。また、役物取付ベース90に形成されるスライド溝90g、90h及び第2ロボット取付ベース201に形成されるスライド溝201a、201bは、可動軸202a、203a、203b、204a等と共に、第2ロボット役物200が左右方向に移動する際に、係合する部材に動作を与えるカム機構を構成する。
このように、第1ロボット役物100、第2ロボット役物200が初期位置にある場合は、2つのロボット役物が所定の距離を置いて控えた状態となる。また、第1ロボット役物100、第2ロボット役物200が初期位置にある場合には、それぞれ胴部材103、203が下方を向き、腕部材105、205が肘を引いた状態にあるため、役物取付ベース90に形成される開口の視認が十分に確保されて、開口部の背面に位置する表示装置48の視認を妨げない。
図19は、本発明の第1の実施の形態の第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が動作位置にある可動役物構成体80を説明する図であり、(A)は第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が動作位置にある可動役物構成体80の正面図、(B)は第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が動作位置にある可動役物構成体80の背面図である。
また、図20は、本発明の第1の実施の形態の第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が動作位置にある可動役物構成体80及び左右の襖部材420、460が最大動作位置にあるスライド役物400の正面図である。
第1ロボット役物100、第2ロボット役物200は、遊技の進行に応じて、同じタイミングでそれぞれ表示装置48の前方へ移動し、バトル状態を演出する。図19(A)(B)に示すように、第1ロボット役物100は、初期位置から動作位置へと移動すると、胴部材103を左方向へ突き出し、さらに腕部材105を第2ロボット役物200へ当接するように、つまり第2ロボット役物200をパンチするように突き出す。なお、演出制御装置550は、遊技の進行に応じて、モータ132、232、腕部材105を動作させるモータ(図示省略)、ソレノイド209を介して、ロボット役物100、200の動作を制御する。
第1ロボット役物100の移動に伴って、胴部上方可動軸103aが下方へと下がり、胴部下方可動軸103bが上方へと押し上げられると、第1ロボット役物100の胴部材103が左方向へと突き出るように動作する。
腕部材105は、肩部分を軸として第1ロボット取付ベース101に取り付けられており、盾部材107の裏面に配置されるモータ(図示省略)の駆動力により上腕部材105a及び前腕部材105bが連動して動作する。腕部材105は、モータに軸着されたギア(図示省略)が上腕部材105aを動作するとともに、モータの駆動力を伝達するために上腕部材105aの裏面に配置される複数のギア(図示省略)が前腕部材105bを動作される。
このように、上腕部材105a及び前腕部材105bは、第1ロボット役物100の動作に連動して動作しても一端が固定されているので、安定した動作となるとともに、第1ロボット役物100の移動に応じて部材幅が拡がり、遊技者に迫力のある演出を提供することができる。
第2ロボット役物200は、初期位置から動作位置へと移動すると、胴部材203を右方向へ突き出し、さらに第1ロボット役物100が付き出す腕部材105へ当接するように、つまり第1ロボット役物100のパンチに対抗するように爪部材206を突き出す。
第2ロボット役物200の移動に伴って、胴部上方可動軸203aが下方へと下がり、胴部下方可動軸203bが上方へと押し上げられると、第2ロボット役物の胴部材203が右方向へと突き出るように動作する。
爪部材206は、扇状に形成される爪部材206の要部分を軸として前腕部材205bに取り付けられ、ソレノイド209の駆動力によって回動する。
このように、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が表示装置48の前方へと移動すると、連動して胴部材103、203や腕部材105、爪部材206が回動して第1ロボット役物100と第2ロボット役物200がぶつかり合う様なバトル演出を実行する。そのため、遊技者にダイナミックな演出を提供することができる。
また、図20に示すように、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が動作位置へと移動した場合には、表示画面の中央領域のみが視認できるが、スライド役物400の左右の襖部材420、460が最大動作位置へと移動することで、当該限定された視認領域に表示されるメッセージ等がより印象的なものとなる。そのため、これまでにない斬新で印象的な演出を遊技者に提供することができる。
〔上昇役物〕
次に、図21から図26を参照して上昇役物300について説明する。
図21は、本発明の第1の実施の形態の突出動作部材310が初期位置にある上昇役物300の図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図である。
図22は、本発明の第1の実施の形態の突出動作部材310が初期位置にある場合の可動部材309を説明する図であり、(A)は可動部材309の背面図、(B)は可動部材309の斜視図、(C)は可動部材309の左側面図である。
図23は、本発明の第1の実施の形態の突出動作部材310が動作位置にある上昇役物300の図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図である。
図24は、本発明の第1の実施の形態の突出動作部材310が動作位置にある場合の可動部材309を説明する図であり、(A)は可動部材309の背面図、(B)は可動部材309の斜視図、(C)は可動部材309の左側面図である。
図25は、本発明の第1の実施の形態の突出動作部材310が上昇する仕組みを説明するための可動部材309の背面図であり、(A)は突出動作部材310が初期位置にある場合の図、(B)は突出動作部材310が上昇を開始した図、(C)は突出動作部材310が動作位置にある場合の図である。
図21から図24に示すように、上昇役物300は、上昇役物取付ベース301、可動部材309、モータ302、前面カバー303を備える。上昇役物取付ベース301は、可動部材309、モータ302、前面カバー303、固定ラックギア304、検出センサ取付部材307(位置検出センサ307a)を取り付けるベース部材である。
可動部材309は、図22、図24に示すように、突出動作部材(突出動作部)310、スライド部材320、レール部材325、リンク部材326、及び蓋部材330を備える。突出動作部材310及びスライド部材320は、モータ302の駆動力によって上下方向にスライド可能に上昇役物取付ベース301に取り付けられる。蓋部材330は、モータの駆動力によって開閉可能に前面カバー303に取り付けられる。リンク部材326はモータ302の回転運動による駆動力を上下方向の運動へと変換してスライド部材320に伝達する部材であり、上昇役物取付ベース301に取り付けられる。そして、演出制御装置550は、遊技の進行に基づいてモータ302を制御して、突出動作部材310及びスライド部材320を動作させる。
突出動作部材310の前面は、透過可能な装飾板311により装飾され、装飾板311の裏面に配置されるLED(図示省略)により突出動作部材310が上昇したタイミング等で発光演出が可能である。また、装飾の一部として突出動作部材310の前面には、複数枚の羽根を持つ風車状の回転体312を備える。突出動作部材310の背面中央部には、回転体312に駆動力を与えるモータ313及び回転体312に駆動力を伝達する複数のギアを備える。当該複数のギアは、モータ313に軸着されたウォームギア314と回転体の回転軸に軸着された平歯車(図示省略)とからなり、ウォームギア314と平歯車が噛み合わされることにより、モータ313の動力が回転体312に伝達される。
また、突出動作部材310の背面左下には、上昇役物取付ベース301に形成される右スライド溝(図示省略)に係合される突出動作部係合部315が設けられるとともに、突出動作部材310の背面下部には、突出動作部材310を上下させるための上昇ラックギア316が縦方向に取り付けられる。上昇ラックギア316はスライド部材320に軸支されるピニオンギア321と噛み合わされ、また、ピニオンギア321は、上昇役物取付ベース301に固定される固定ラックギア304とも噛み合わされる。
さらに、突出動作部材310の下部には、センサ用突出部(図示省略)が設けられる。突出動作部材310が初期位置にある場合には、センサ用突出部が位置検出センサ307aの受光を遮るため、可動部材309が初期位置にあることが検出される。
スライド部材320の背面左上及び背面左下には、上昇役物取付ベース301にスライド可能に係合される上係合部322a、下係合部322bが設けられ、また、スライド部材320の背面右下には、テコ327の一端と連結される連結ピン323が設けられる。また、スライド部材320の左側面には、蓋部材330を開閉するためのアーム332をガイドするガイドレール324が形成され、アーム332の下端とガイドレール324とは、アームピン333により係合される。
レール部材325は、突出動作部材310が安定して上下可能なようにガイドするための部材であり、前面レール325aと背面レール325bの2本のレールを備え、前面レール325aと背面レール325bとは、例えば、スチールボールやコロ部材を介してスライド可能に係合される。背面レール325bは、上昇役物取付ベース301に縦方向に固定され、前面レール325aは、突出動作部材310の背面に縦方向に固定される。
リンク部材326は、一端に形成される軸受部327aを支点として他端が上下動するテコ327と、テコ327に上下方向の動力を伝達する従動ギア328からなる。従動ギア328は、上昇役物取付ベース301に軸支され、従動ギア328の前面には歯車(図示省略)が、背面にはフランジ328aが形成され、さらに、フランジ328aの外周部の一点にクランクピン329が背面方向に形成される。従動ギア328の前面の歯車は、モータ302に軸着される主動ギア305と噛み合わされ、クランクピン329は、テコ327の略中央部に形成される長スライド溝327bに係合される。
テコ327は、軸受部327aにおいて軸306を介して上昇役物取付ベース301に回動可能に取り付けられ、軸受部327aの反対側の端に形成される短スライド溝(作用部)327cにおいて連結ピン323と係合され、スライド部材320と接続される。また、上述のとおり、テコ327の略中央部に形成される長スライド溝327bにおいてクランクピン329と係合され、クランクピン329を介して従動ギア328の回転力をテコ327の上下方向への運動へと変換される。
なお、突出動作部材310、スライド部材320、リンク部材326は、後方より(奥側より)順にリンク部材326、スライド部材320、突出動作部材310の順に配置される。
図25(A)に示すように、モータ302の制御により、クランクピン329が従動ギア328のフランジ328aの下方に位置し、テコ327の作用部327cが下限にある場合には、スライド部材320及び突出動作部材310はそれぞれ下限に位置する。スライド部材320及び突出動作部材310の下限位置が可動部材309の初期位置となる。
図25(B)及び(C)に示すようにモータ302が回転すると、主動ギア305及び従動ギア328が回転し、従動ギア328に形成されるクランクピン329がテコ327の長スライド溝327bを上方へと持ち上げる。テコ327は、短スライド溝(作用部)327cにおいて連結ピン323を上方へと持ち上げるため、連結ピン323によってスライド部材320が持ち上げられる。スライド部材320は、上昇に伴って、固定ラックギア304と噛み合わされるピニオンギア321が回転し、ピニオンギア321の回動力はさらに上昇ラックギア316に伝達されて、突出動作部材310を上方へと持ち上げる。
つまり、スライド部材320は、リンク部材326によって上方に持ちあげられるとともに、ピニオンギア321によって突出動作部材310を上方に持ち上げるため、突出動作部材310は、スライド部材320の上昇分に加えて上昇ラックギア316の移動分が加わって上昇する。
そのため、突出動作部材310は、連結ピン323の上昇幅の約2倍の上昇幅を持って上下可能であり、図25(A)に示す初期位置から図25(C)に示す動作位置へと、大きく上方へと飛び出すことが可能である。
なお、突出動作部材310が初期位置にある場合は、蓋部材330が閉状態であり、突出動作部材310が上昇を開始すると、蓋部材330は開状態となる。これについては、次に図26を参照して説明する。
図26は、本発明の第1の実施の形態の蓋部材330の開閉動作を説明するための可動部材309の左側面図であり、(A)は突出動作部材310及びスライド部材320が初期位置にある状態の図、(B)は突出動作部材310及びスライド部材320が上昇を開始した状態の図、(C)は突出動作部材310及びスライド部材320が動作位置にある状態の図である。
図26に示すように、蓋部材330は、略長方形の部材であり、長辺の一辺に軸部331が設けられ、軸部331によって前面カバー303に回動可能に取り付けられる。蓋部材330は、装飾が施された透過可能な上部カバー334及び後方からの光を散乱する散乱板(図示省略)によって前面を覆われる。蓋部材330の内部はLED等による発光部(図示省略)が設けられて、内部より発光可能である。
蓋部材330は、軸部331に備えるバネ(図示省略)により開状態となるように付勢されており、アーム332によって下方へと引き下げられることにより、閉状態となる。蓋部材330とアーム332とは、蓋部材330の軸部331の後方であって、左側面に形成されるアーム係合部335によって回動可能に係合される。アーム332の下端は、アームピン333によってスライド部材320に形成されるガイドレール324に移動可能に係合される。
ガイドレール324は、垂直にアームをガイドする垂直部324aと、斜めにアームをガイドする傾斜部324bとが一体となって形成され、傾斜部324bは後方(奥側)へと傾斜して形成される。ガイドレール324の傾斜部324bは、アームピン333を後方(奥側)へとガイドするため、アーム332に対して緩やかに張力をかけることができる。
図26(A)に示すように、突出動作部材310及びスライド部材320が初期位置にある場合は、アームピン333がガイドレール324の上端に位置し、アーム332が蓋部材330を下方へ引っ張るため、蓋部材330は閉状態となる。このとき、蓋部材330は、完全に水平にはならず、やや前方を向いた傾斜姿勢をとる。そのため、遊技者に蓋部材330の上部カバー334の装飾を視認させることができる。
次に、突出動作部材310及びスライド部材320が上昇を開始すると、図26(B)に示すように、ガイドレール324が上方へと持ち上がり、アームピン333が蓋部材330のバネの付勢によって傾斜部324bの上端から傾斜部324bの下方へと移動する。そのため、アーム332に作用する張力が減少して蓋部材330が開状態へとなる。蓋部材330は、アームピン333が傾斜部324bを移動する間にバネの付勢が解除されるため、一気に蓋部材330が開閉せずに、緩やかに開閉させることができる。
さらに、突出動作部材310及びスライド部材320が動作位置へと上昇すると、図26(C)に示すように、ガイドレール324はさらに上方へと持ち上がるが、アームピン333がガイドレール324の垂直部324aを下方へと移動可能であり、アーム332に張力がかからないため、蓋部材330は開状態を保つ。
このように、ガイドレール324の傾斜部324bによってアーム332にかかる張力の大小が緩やかに変化する。そのため、蓋部材330はバネにより開状態となるように付勢されていても、緩やかに開閉することができ、遊技者に不要な驚きを与えない。
〔センターフレームの表面装飾〕
次に、図27から図29を参照してセンターフレーム46の表面に施される装飾について説明する。
図27は、本発明の第1の実施の形態の透明樹脂部46hが1枚のセンターフレーム46の構造を説明する図であり、(A)はセンターフレーム46の左上部の拡大正面図、(B)は(A)に示すA−A線での断面図、(C)は(A)に示すA−A線での遊技盤10を含む断面図、(D)は(C)の拡大図である。
また、図28は、本発明の第1の実施の形態の透明樹脂部46hが前後に2枚設けられるセンターフレーム46の構造を説明する図であり、(A)はセンターフレーム46の左上部の拡大正面図、(B)は(A)に示すB−B線での断面図、(C)は(A)に示すB−B線での遊技盤10を含む拡大断面図である。
また、図29は、本発明の第1の実施の形態の透明樹脂部46hを遊技盤表面に形成する場合について説明する図であり、(A)は断面視で台形に形成された透明樹脂部46hが嵌め込まれた通常樹脂部46gの断面図、(B)は断面視で台形に形成され係止部46kを備えた透明樹脂部46hが嵌め込まれた通常樹脂部46gの断面図である。
遊技盤10は、一定の厚さを有するベニヤ等の板状の部材(ベース部材10b)の表面にシールやスプレー、合成樹脂等によってコーティングされ、障害釘等が植設される。上述のとおり、遊技盤10の中央部にはセンターフレーム46を嵌め込むための開口が設けられ、センターフレーム46が嵌挿される。本実施形態のセンターフレーム46の外周部には、遊技盤表面の見た目の質感を向上させるために、鍔状の透明樹脂部46hが形成される。
図27(A)から(D)に示すように、ベース部材10bの表面には、通常セル部81及びプリズムセル部82からなるセル部材が貼り付けられる。セル部材は、例えば、合成樹脂やプラスチックを材料とし、遊技盤本体10bの表面に化粧板として設けられる。通常セル部81は、遊技盤表面に模様を表すために設けられ、プリズムセル部82は、反射率の高い金属色等によってメッキ調の質感を与えるために設けられる。通常セル部81は、異なる色調の透光性部材を重ねて設けてもよい。また、通常セル部81は、端部から導光された光を前方へと散乱する散乱部によって形成された発光パターン(図示省略)を備え、端部から導光された光によって発光パターンを発光可能であってもよい。
図27(D)に示すように、プリズムセル部82の前面にはセンターフレーム46に形成される透明樹脂部46hが重なるように配置される。キラキラした質感のプリズムセル部82の前方に透光性の高い透明樹脂部46hが配置されることで、遊技盤表面にメッキが施してあるような質感を与えることができる。さらに、透明樹脂部46hの模様を中央部と周辺部とで厚さの異なる複数の六角形状とすることで、透明樹脂部46hにレンズ作用を与えることができる。
また、図28に示すように、センターフレーム46には、前後方向に2枚の透明樹脂部46hが形成される部分がある。1枚目の透明樹脂部であり遊技盤に接触する第1透明樹脂部46iと2枚目の透明樹脂部であり第1透明樹脂部46iの前方に形成される第2透明樹脂部46jとの間は、遊技球が通過可能な幅を有し、遊技領域10aに発射された遊技球が流下可能である。遊技球が第1透明樹脂部46iと第2透明樹脂部46jとの間を流下すると、遊技盤表面に設けられるプリズムセル部82のメッキ調の質感に遊技球が溶け込み、遊技者に独特の雰囲気を提供することができる。
また、図27(A)及び図28(A)に示すように、センターフレーム46には、遊技球の流下方向を変更するために複数の突出部46mが形成される。突出部46mは、障害釘等に相当し、突出部46mの表面に形成される模様は、透明樹脂部46hと同様の模様が施される。そのため、突出部46mは、センターフレーム46の外周部に調和して遊技者からは同じ様な質感として認識され、装飾効果が向上する。なお、突出部46mは、ベース部材10bに設けられてもよく、突出部46mの表面に形成される模様は、ベース部材10bと同様の模様や質感であってもよい。
センターフレーム46への透明樹脂部46hの取付方法については、図29(A)に示すように、断面視で台形の開口部が形成された通常樹脂部46gに、開口部と同一形状に形成された透明樹脂部46hを嵌め込むことで透明樹脂部46hを取り付けることが可能である。
また、図29(B)に示すように、断面視で台形に形成され、斜面部に係止部46kを設けた透明樹脂部46hを嵌め込むことで、さらに透明樹脂部46hを脱落しにくくすることができる。透明樹脂部46hに係止部46kを設けることで、センターフレーム46の製造時に透明樹脂部46hを嵌め込むだけで脱落を防止できるので、遊技機1の組み立て作業の効率性が向上する。
図30は、本発明の第1の実施の形態の可動役物を適用したスロット遊技機の正面図である。スロット遊技機70は、筺体の上方に数字や図柄等の3つの識別情報を可変表示するリール式可変表示装置71を備え、筺体中央に設けられるスタートレバー72及びストップボタン73を遊技者が操作することで識別情報の可変表示の開始及び停止を実行するように構成される。そして、スロット遊技機70には、リール式可変表示装置71の他に演出表示を行う演出表示装置74が備えられている。
そこで、演出表示装置74の前面に本実施形態の第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200を備えて、演出表示装置74における液晶表示と共に可変表示ゲームの演出を実行可能にしてもよい。
続いて、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の制御について説明する。
〔遊技制御装置〕
図31は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置600で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置600は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部610と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部620と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部630などを備える。
電源装置600は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部620及び制御信号生成部630は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、電源装置600若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部620及び制御信号生成部630を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部620は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部630は、例えば、通常電源部610で生成された32Vの電圧を監視して、当該電圧が例えば、17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部620は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が16R当りや4R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。本発明では、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアムリーチに対応するリーチとして、リーチA、リーチB、リーチC、リーチD(表示バトル演出)、リーチE(役物バトル演出)が設定されている。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(図35のS701)や特図普段処理(図35のS709)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(払出制御コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、図示しないカードユニットからの貸出要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置600から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置600からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置600からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の開閉部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば、遊技店に設置された情報収集端末(図示省略)や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置600から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図32を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図32は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカ30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターフレーム46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターフレーム46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ(操作手段SW31a)や盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ31bのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカ30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカ30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
また、演出制御装置550は、遊技場で隣接して配置された遊技機1の演出制御装置550と通信可能である。
電源装置600の通常電源部610は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部610に設けるようにしてもよい。
電源装置600の制御信号生成部630により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の開閉部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカ30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1.6秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回又は9回)継続する(繰り返す)制御(ラウンド遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置500による制御のうちメイン処理について説明する。図33Aは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。図33Bは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S502)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S503)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S504)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S505)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S506)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S507)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S508)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っており、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置600内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S509)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S509の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S510〜S513)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S510及びS511の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S512及びS513の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S513の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S514)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S515)、これらの値が一致するか否かを判定する(S516)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S509の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S511又はS513の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS514の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S516の結果が「N」)、図33BのS541〜S545の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S516の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図33BのS517〜S523)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S517)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S518)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S519)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S520)。高確率でないと判定された場合には(S520の結果が「N」)、S523以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S520の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S521)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LEDをオン(点灯)に設定する(S522)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S523)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S541)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S542)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S543)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定する(例えばセキュリティ信号を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする)(S544)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S545)、S524以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S523又はS545の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S524)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S525)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S526)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S527)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S528)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置600から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S529)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S530)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S530の結果が「N」)、S528の初期値乱数更新処理を再び実行し、S528からS530までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S528)の前に割り込みを許可(S527)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S528)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S530の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS529の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S531)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S531の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S530)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S531の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S532〜S538)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S532)、全出力ポートをオフに設定する(S533)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S534)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S535)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S536)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S537)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S538)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図34は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S601)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS601の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S602)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S603)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S604)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S605)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S606)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S607)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S608)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図35にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S609)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S610)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S611)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ30から報知音を出力したり、遊技状態LED(図示省略)を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S612)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S613)。その後、S601の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S614)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S615)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S608)の詳細について説明する。
図35は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S701)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図36にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S702)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S703)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S709〜S715)を実行するときに初期値がセットされ、S703の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S709;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S704の結果が「N」)、S716以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S704の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S705)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S706)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S707)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S708)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S708の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S709)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図39にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S708の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S710)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S708の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S711)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。なお、特図表示中処理の詳細については、図45A及び図45Bにて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S708の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S712)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S708の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S713)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S708の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S714)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S708の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S715)。大当り終了処理は、S709の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、大当り終了処理の詳細については、図46にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S716)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S717)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S718)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S719)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S701)の詳細について説明する。
図36は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S801)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S802)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図37にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の開閉部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S803)。普通電動役物が作動中である場合には(S803の結果が「Y」)、S806以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S803の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S804)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S805)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S804及びS805の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S805の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S805の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S806)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S807)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S802、S807)の詳細について説明する。
図37は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S901、S902)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S902の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S902の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S903)。そして、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出した大当り乱数をロードして準備する(S904)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報を、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S905)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S906、S907)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S907の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S908)。
遊技制御装置500は、S908の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S907の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S909、S910)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S910の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S911)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S912)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S913)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S914)。
次に、遊技制御装置500は、S911で更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S915)。
続いて、遊技制御装置500は、S904の処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブし(S916)、対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)して準備する(S917)。そして、対応する大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S918)。
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数セーブ領域にセーブする(S919)。変動パターン乱数は、例えば、変動パターンを設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
また、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である特図保留情報判定処理を実行する(S920)。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図38にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S910の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S931、S932)。監視対象が始動口1スイッチ37dの場合には(S932の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S933)、コマンド設定処理を実行して(S934)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合(S932の結果が「N」)には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述した特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(S920)の詳細について説明する。
図38は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置500は、まず、保留中の始動記憶が先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックし(S1001)、判定する(S1002)。先読み演出を実行してよい条件とは、例えば、特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dであること、又は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dである場合には普電サポート中又は大当り中でないこと、である。このような条件にすることで、特図変動表示ゲームの実行にあたり、特図2変動表示ゲームを特図1変動表示ゲームの実行に優先させて実行させることができる。
そして、遊技制御装置500は、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合には(S1002の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合には(S1002の結果が「Y」)、大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1003)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(S1004)。
そして、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1004の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定する(S1005)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当り時の識別図柄を特定する図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている情報テーブルのアドレスや大当り乱数の判定値に応じた大当り種類の振り分け率が定義されている。
次に、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、演出内容を選択するためのテーブルとして設定する(S1006)。
一方、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1004の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(S1007)。
続いて、遊技制御装置500は、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、RWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1008)。さらに、設定した情報テーブルから始動入賞演出図柄コマンドを取得し、RWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1009)。
次に、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備した後(S1010)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(S1011)。
続いて、遊技制御装置500は、対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1012)。そして、特図変動表示ゲームにおける変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(S1013)。
そして、遊技制御装置500は、前述の変動パターン設定処理(S1013)で準備された変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE、ACTION)を準備した後(S1014)、コマンド設定処理を実行する(S1015)。
続いて、遊技制御装置500は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1016)、コマンド設定処理を実行する(S1017)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、S1014の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらにS1016の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始のタイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(S709)の詳細について説明する。
図39は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1101、S1102)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1102の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1103、S1104)。このように、特図2保留数のチェック(S1101)を、特図1保留数のチェック(S1103)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1104の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1105、S1106)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1106の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1107)。続いて、客待ちデモコマンドを準備して(S1108)、演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S1109)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1106の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S1110以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1110)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。なお、特図普段処理移行設定処理1の詳細については、図49にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1102の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(S1111)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1112)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。なお、特図2変動開始処理1の詳細については、図41にて後述する。
また、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(S1104の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(S1113)。そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1114)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。なお、特図1変動開始処理1の詳細については、図40にて後述する。
〔特図1変動開始処理1〕
次に、上述した特図普段処理における特図1変動開始処理1(S1113)の詳細について説明する。
図40は、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための対応する大当りフラグ1(特図1用)に、大当り乱数の判定によってはずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1201)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームにおける特図1停止図柄の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S1202)。
その後、遊技制御装置500は、特図1停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1203)。続いて、特図1停止図柄設定処理によって設定された図柄情報をRWMの特図1に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブする(S1204)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)を設定して準備し(S1205)、その後RWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S1206)。続いて、遊技制御装置500は、変動パターンに関する情報を設定する特図1用のテーブルを準備する(S1207)。
そして、遊技制御装置500は、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行し(S1208)、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のパターンを設定する変動パターン設定処理を実行した後(S1209)、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行して(S1210)、特図1変動開始処理1を終了する。なお、変動パターン設定処理についての詳細は、図42にて後述する。
〔特図2変動開始処理1〕
次に、前述した特図普段処理における特図2変動開始処理1(S1111)の詳細について説明する。
図41は、本発明の第1の実施の形態の特図2変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理1は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
特図2変動開始処理1は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の特図1変動開始処理1と同様の手順で遊技制御装置500によって実行される。具体的には、S1301〜S1310の処理はそれぞれS1201〜S1210の処理に対応して、S1301の処理で大当りフラグ2が処理対象となり、S1302及びS1303の処理で特図2停止図柄が処理対象となり、S1305及びS1306の処理で特図2変動フラグが処理対象となる。さらにS1307の処理で特図2用のテーブルが処理対象となる。
〔変動パターン設定処理〕
続いて、前述した特図保留情報判定処理における変動パターン設定処理(S1013)、特図1変動開始処理1(図40)における変動パターン設定処理(S1209)及び特図2変動開始処理1(図41)における変動パターン設定処理(S1309)の詳細について説明する。
図42は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、遊技制御装置500は、特図ゲームモードフラグ領域をチェックして(S1401)、高確率フラグ及び時短フラグが設定されているか否か、すなわち遊技状態が高確率かつ電サポ状態であるか否かを判定する(S1402)。高確率フラグ及び時短フラグは、図48において後述する大当り終了設定処理2のS1905で設定されるフラグである。
そして、遊技制御装置500は、高確率フラグ及び時短フラグが設定されていない場合には(S1402の結果が「N」)、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報かチェックして判定する(S1403、S1404)。図柄情報は、前述のS1008の処理、S1204の処理又はS1304の処理でRWMの特図に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブされている。
遊技制御装置500は、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報である場合には(S1404の結果が「Y」)、はずれ変動パターン選択テーブル(通常時用)のアドレスを取得して準備する(S1405)。また、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報でない場合、すなわち当り図柄情報である場合には(S1404の結果が「N」)、当り変動パターン選択テーブル(通常時用)のアドレスを取得して準備する(S1406)。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグ及び時短フラグが設定されている場合にも(S1402の結果が「Y」)、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報かチェックして判定する(S1407、S1408)。
そして、遊技制御装置500は、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報である場合には(S1408の結果が「Y」)、はずれ変動パターン選択テーブル(特殊演出用)のアドレスを取得して準備する(S1409)。また、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報でない場合、すなわち当り図柄情報である場合には(S1408の結果が「N」)、当り変動パターン選択テーブル(特殊演出用)のアドレスを取得して準備する(S1410)。
その後、遊技制御装置500は、前述の特図始動口スイッチ共通処理におけるS919の処理でRWMの変動パターン乱数セーブ領域にセーブした変動パターン乱数をロードし、準備して(S1411)、変動表示ゲームの変動態様を表す変動パターン乱数の振り分け値(変動パターン番号)を決める振分け処理を実行する(S1412)。ここで、変動パターン番号は、前述のS1405の処理、S1406の処理、S1409の処理、又はS1410の処理で準備した変動パターン選択テーブルを用いて決定される。変動パターン選択テーブルの詳細については、図43及び図44にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、取得した変動パターン番号をRWMの対象の変動パターン番号領域にセーブして(S1413)、変動パターン設定処理を終了する。
〔変動パターン選択テーブル〕
図43は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理で用いる変動パターン選択テーブル振分テーブルである。本図は、前述の変動パターン設定処理で遊技状態に応じて準備される変動パターン選択テーブルを一覧表にまとめたものである。
まず、特図変動表示ゲーム後の遊技状態が通常状態の場合と、特図高確率状態かつ電サポ状態の場合とで変動パターン選択テーブルが振分けられる。さらに、対応する特図変動表示ゲームの結果がはずれになる場合と、当りになる場合とで変動パターン選択テーブルが振分けられる。
具体的には、遊技状態が通常状態の場合、特図変動表示ゲームの結果がはずれのときははずれ変動パターン選択テーブル(通常時用)が用いられ、当りのときは当り変動パターン選択テーブル(通常時用)が用いられる。また、遊技状態が特図高確率状態かつ電サポ状態の場合、特図変動表示ゲームの結果がはずれのときははずれ変動パターン選択テーブル(特殊演出用)が用いられ、当りのときは当り変動パターン選択テーブル(特殊演出用)が用いられる。
続いて、図44を参照して変動パターン選択テーブルの内容について説明する。
図44は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン設定処理で用いる変動パターン選択テーブルの一例であり、(A)は通常時用、すなわち前述の変動パターン設定処理のS1402の処理の結果が「N」の場合に用いられる変動パターン選択テーブルであり、(B)は特殊演出用、すなわち前述の変動パターン設定処理のS1402の処理の結果が「Y」の場合に用いられる変動パターン選択テーブルである。
ここで変動パターンは6パターンあり、図44(A)に示すように通常時用のはずれ変動パターン選択テーブルでは高い確率で通常変動が選択される。また、通常時用の当り変動パターン選択テーブルでは通常変動ではなく必ずリーチ演出A〜Eのいずれかに振り分けられる。
図44(B)に示すように特殊演出用のはずれ変動パターン選択テーブルでは99.8%の確率で通常変動が選択され、0.2%の確率でリーチ演出Eが選択される。また、特殊演出用の当り変動パターン選択テーブルでは、100%の確率でリーチ演出Eが選択される。
このように、遊技状態が高確率かつ電サポ状態の場合のリーチ演出は、必ず役物(第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200)を用いたリーチ演出Eが選択される。そして、遊技結果がはずれの場合にリーチ演出Eが選択される確率は0.2%である。また、遊技状態が通常状態の場合においても遊技結果がはずれであればリーチ演出Eが選択される確率は0.05%である。よって、本発明の第1の実施の形態では、リーチ演出Eの実行は遊技結果がほぼ大当りになることを示す。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図表示中処理(S711)の詳細について説明する。
図45Aは、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の前半部の手順を示すフローチャートである。また、図45Bは、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の後半部の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2変動表示ゲームが大当りになる場合にRWMの大当りフラグ2領域に設定される大当りフラグ2をロードし(S1701)、大当りフラグ2領域をクリアする(S1702)。
次に、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(S1703)、大当りであるか否かを判定する(S1704)。そして、大当りと判定された場合には(S1704の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S1710)。さらに、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1711)。特図2大当りの開始に関する信号には、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄2当り信号をONにしたりすることが含まれる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(S1704の結果が「N」)、RWMの大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1をロードする(S1705)。大当りフラグ1領域に大当りフラグ1が設定されている場合には、特図1変動表示ゲームが大当りになる。さらに、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S1706)。
続いて、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ1をチェックし(S1707)、大当りであるか否かを判定する(S1708)。そして、大当りと判定された場合には(S1708の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1709)。特図1大当りの開始に関する信号には、特図2大当りの場合と同様に、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄1当り信号をONにしたりすることが含まれる。
そして、遊技制御装置500は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(S1709)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(S1711)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(S1712)。
次に、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(S1713)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S1714)。
このように、ラウンド数上限値テーブル上には、ラウンド数上限値及びラウンドLEDポインタが定義される。
次に、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(S1715)、コマンド設定処理を実行する(S1716)。
続いて、遊技制御装置500は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報をRWMからロードし、当該図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(S1717)、コマンド設定処理を実行する(S1718)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、16R確変大当りと4R通常大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置550に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S1719)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S1720)。
次に、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報をロードし、当該大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブするとともに、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号もRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S1721)。
さらに、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(S1722)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S1723)。
その後、遊技制御装置500は、大入賞口への不正入賞数をセーブしている大入賞口不正入賞数領域をリセットし(S1724)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(S1725)。
そして、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(S1726)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、特図ゲーム処理においてファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定し、各種状態を示す情報を設定したり、大当り終了処理(図40)におけるS1807の処理で特殊演出情報(振分用)領域にセーブされた特殊演出情報(設定用)をクリア(0クリア)したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(一括表示装置50のエラー表示部58)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示部58)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置550に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(S1708の結果が「N」)、遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S1730)。遊技状態が時短状態の場合には、所定のゲーム回数を消化すると、他の遊技状態に遷移するため、ゲームの消化回数を管理するための処理を行う必要がある。
遊技制御装置500は、遊技状態が時短状態の場合には(S1730の結果が「Y」)、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームが1回分終了したため、時間短縮変動回数を1減算して更新する(S1731)。
そして、遊技制御装置500は、S1731の処理で更新された時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する(S1732)。時間短縮変動回数が0の場合には(S1732の結果が「Y」)、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了することになるので、時間短縮終了時の確率情報コマンドを準備し(S1733)、コマンド設定処理を実行する(S1734)。そして、普図状態は非入賞容易状態(普電サポートなし)になるので、遊技状態を通常状態に移行して特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を実行し(S1735)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)では、遊技状態を時短状態から通常状態に移行させるために必要な各種フラグやパラメータを設定する。なお、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)の詳細については、図50にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、遊技状態が時短状態でない、すなわち、遊技状態が確変状態又は通常状態である場合(S1730の結果が「N」)、もしくは、次回の特図変動表示ゲームも時短状態である場合(S1732の結果が「N」)には、遊技状態を遷移せずに特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(S1736)、特図表示中処理を終了する。なお、特図普段処理移行設定処理1の詳細については、図49にて後述する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理(S715)の詳細について説明する。
図46は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置500は、まず、確率変動判定フラグ領域に格納されている確率変動判定フラグが高確率突入フラグか否かをチェックし、判定する(S1801、S1802)。そして、確率変動判定フラグが高確率突入フラグでない場合には(S1802の結果が「N」)、大当り終了設定処理1を実行する(S1803)。大当り終了設定処理1の詳細については、図47にて後述する。また、確率変動判定フラグが高確率突入フラグである場合には(S1802の結果が「Y」)、大当り終了設定処理2を実行する(S1804)。大当り終了設定処理2の詳細については、図48にて後述する。
遊技制御装置500は、S1803もしくはS1804の大当り終了設定処理が終了すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(S1805)。そして、確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S1806)。
そして、遊技制御装置500は、特殊演出情報(設定用)をロードして特殊演出情報(振分用)領域にセーブした後(S1807)、特図普段処理を実行するための特図普段処理移行処理3(大当り終了時)を実行し(S1808)、大当り終了処理を終了する。なお、特図普段処理移行処理3(大当り終了時)の詳細については、図51にて後述する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理1(S1803)の詳細について説明する。
図47は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理1は、大当り終了後の遊技状態を時短状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、時短状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S1901)。また、時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S1902)。さらに、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブする(S1903)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S1904)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短フラグをセーブし(S1905)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブする(S1906)。最後に、時短変動回数領域に時短変動回数の初期値をセーブし(S1907)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理2(S1804)の詳細について説明する。
図48は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理2は、大当り終了後の遊技状態を高確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、高確率状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S2001)。また、高確率状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S2002)。さらに、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブする(S2003)。
そして、遊技制御装置500は、高確率状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S2004)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S2005)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(S2006)。最後に、次回大当りまで高確率状態が継続するため、時短変動回数領域をリセットし(S2007)、大当り終了設定処理2を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(S1110)及び特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理1(S1736)の詳細について説明する。
図49は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理1は、遊技状態を移行することなく特図普段処理を実行するための設定を行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図ゲーム処理番号として「0」を設定し(S2101)、RWMの特図ゲーム処理番号領域にセーブする(S2102)。そして、RWMの変動図柄判別フラグ領域をリセットし(S2103)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブした後(S2104)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)〕
続いて、前述した特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理2(S1735)の詳細について説明する。
図50は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理2の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理2は、遊技状態を時短状態から通常(低確率)状態に移行して特図普段処理を実行するための設定を行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図ゲーム処理番号として「0」を設定し(S2201)、RWMの特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(S2202)。そして、時短の終了に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2203)。また、時短の終了に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2204)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする(S2205)。そして、RWMの普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブし(S2206)、さらにRWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(S2207)。
そして、遊技制御装置500は、RWMの停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(S2208)。また、RWMの変動図柄判別フラグ領域をリセットして(S2209)、特殊演出情報(振分用)領域もリセットする(S2210)。その後、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3(大当り終了時)〕
続いて、前述した大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(S1808)の詳細について説明する。
図51は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理移行設定処理3の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理3は、遊技機1が大当り状態を終了して特図普段処理を実行するための設定を行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図ゲーム処理番号として「0」を設定し(S2301)、RWMの特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(S2302)。
次に、遊技制御装置500は、大当りの終了に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2303)。また、大当りの終了に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2304)。
次に、遊技制御装置500は、RWMの変動図柄判別フラグ領域をリセットし(S2305)、大当りのラウンドLEDポインタ領域もリセットする(S2306)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(S2307)、特殊演出情報(設定用)領域をリセットした後(S2308)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
続いて、演出制御装置550による処理について説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
まず、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。
図52は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2401)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S2402)。そしてCPU初期化処理を実行する(S2403)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S2404)、乱数初期化処理を実行する(S2405)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2406)。そして割込みを許可する(S2407)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2408)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S2403)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を行ったりする演出ボタン入力処理を実行する(S2409)。そして、演出ボタン31の操作タイミングや操作内容に応じた演出を行うボタン演出制御処理を実行する(S2410)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200の動作演出を行う可動役物制御処理を実行する(S2411)。また、遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2412)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S2413)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S2412)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S2414)。なお、1stシーン制御処理の詳細については、図55にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2415)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2416)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカ30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2417)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S2418)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2419)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2420)、S2408の処理に戻る。以降、S2408からS2420までの処理を繰り返す。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。
図53は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S2501)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S2502)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S2503)。
次に、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S2504)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S2505)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S2506)。各種制御処理の初期化処理では、次の図54において後述する通常ゲーム処理(S2511)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(S2507)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S2508)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S2509)。システム周期待ちフラグは、説明を省略するが、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(S2509の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2510)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。そして、表示装置48で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(S2511)、S2508の処理に戻る。以降、S2508からS2511までの処理を繰り返す。
〔通常ゲーム処理(2ndCPU)〕
次に、前述したメイン処理における通常ゲーム処理(S2511)の詳細について説明する。
図54は、本発明の第1の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、主制御用マイコン(1stCPU)551で受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(S2601)。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示される画像のうち、静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(S2602)。次に、表示装置48に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備するリール制御/表示処理を実行する(S2603)。さらに、表示装置48に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S2604)。
また、始動記憶数が無い場合や変動表示ゲームが所定時間なされない場合などは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に客待ちデモ画面を表示するように客待ちデモ処理を実行する(S2605)。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)551で実行されるメイン処理の1stシーン制御処理(S2414)におけるシーンの描画を準備する2ndシーン制御/表示処理を実行する(S2606)。ここで2ndシーン制御/表示処理は、背景処理が静止画像の描画に対して実行されるのに対して、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行される。そして、表示装置48に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(S2607)。そして本処理を終了して、メイン処理のS2508に戻る。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述したメイン処理における1stシーン制御処理(S2414)の詳細について説明する。
図55は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S2701)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中である場合には(S2701の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S2701の結果が「N」)、表示装置48に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S2702)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S2702の結果が「N」)、S2703〜S2706の処理を実行せずにS2707の処理に移行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S2702の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S2703)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2710)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S2704)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S2704の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S2705)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S2706)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S2704の結果が「N」)、S2705及びS2706の処理を実行せずにS2707の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2412)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S2707)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S2708)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S2709)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S2710)
。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S2711)
。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(S2712)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、ファンファーレ処理を実行する(S2713)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、ラウンド中処理を実行する(S2714)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、インターバル処理を実行する(S2715)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、エンディング処理を実行する(S2716)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄コマンド受信処理(S2717)、保留数コマンド受信処理(S2718)、先読みコマンド受信処理(S2719)、及び確率情報コマンド受信処理(S2720)を順に実行して、1stシーン制御処理を終了する。
続いて、遊技機1の第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200を用いた役物バトル演出(図44のリーチ演出E)について説明する。本発明では、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200の動作によって特図変動表示ゲームの遊技結果(遊技結果A、遊技結果B)を報知する演出が行われる。ここで、遊技結果A及び遊技結果Bは、大当りの種類(第1大当り、第2大当り)である。役物バトル演出では、最終場面で第1ロボット役物100が動作した場合は第1大当り、第2ロボット役物200が動作した場合は第2大当りになることを報知する。なお、最終場面でどちらの役物も動作しない場合ははずれを報知する。
〔振り子部材〕
次に、図56から図62を参照してセンターフレーム46の下部に設けられる振り子部材47の回動角度に基づく報知演出について説明する。
図56は、本発明の第1の実施の形態のセンターフレーム46の正面図である。
また、図57は、本発明の第1の実施の形態のセンターフレーム46の斜視図であり、(A)は右上から見た斜視図、(B)は左上から見た斜視図である。
また、図58は、本発明の第1の実施の形態の振り子部材47の動作を説明するための図であり、(A−1)は遊技球が振り子部材47に接触する前の状態の正面図、(A−2)は同状態の斜視図、(B−1)は遊技球が振り子部材47に接触して振り子部材47が回動した状態の正面図、(B−2)は同状態の斜視図、(C−1)は遊技球が振り子部材47によって返された状態の正面図、(C−2)は同状態の斜視図である。
図56及び図57に示すように、センターフレーム46の窓部下方には、ワープ通路46dを通過した遊技球が転動可能なステージ部46bが窓部の底部に左右方向に延設される。また、ステージ部46bの上方には、ステージ部46bにおける遊技球が流下する高さを規制するステージルーフ46cがステージ部46bの左端から中央より右側約1/3の位置まで延設される。ステージ部46bとステージルーフ46cとの間の空間は遊技球が流下可能な空間であり、ステージルーフ46cが途切れる右側の位置に、遊技球の転動方向を変換する変換部材として振り子部材47が設けられる。
振り子部材47は、円柱状に形成された軸部47aと板状に形成された作用部47bからなり、作用部47bが左右に回動できるように軸部47aがセンターフレーム46に取り付けられる。ワープ通路46dを通過してステージ部46bへと導かれた遊技球の一部は、ステージ部46bに形成された始動口1ガイド部46e又は一対の始動口2ガイド部46fに案内されて遊技領域10aへ流下し、また、一部の遊技球は始動口1ガイド部46e及び始動口2ガイド部46fを超えてさらに右方へと転動して振り子部材47に当接する。
図58に示すように、振り子部材47に当接する遊技球は、ステージルーフ46cによる高さ規制があるため、振り子部材47の作用部47bに当接し、作用部47bを回動させる。遊技球が作用部47bに当接する前は、作用部47bは垂直状態(0度回動状態)である。遊技球が当接すると、遊技球の運動エネルギーが振り子部材47へと伝達して作用部47bが右方向へと回動する。なお、遊技球が振り子部材47を超えて振り子部材47の右側の領域に転動することがないように、作用部47bは最大で60度までしか回動できない。遊技球が運動エネルギーを一旦失うと、作用部47bは左方向へと揺り戻すように回動し、遊技球を左方向へと転動させる。
このように、振り子部材47は、ステージ部46bの中央部を超えて転動する遊技球を振り子作用によって逆方向へと転動させる。そのため、単に遊技球を跳ね返す構造と比較して、見た目の面白さが加わり、遊技の興趣を高めることができる。
〔先読み報知態様〕
次に、振り子部材47の回動角度に基づく期待度の報知について説明する。本実施形態では、振り子部材47の回動角度に基づいて実行中の変動表示ゲームの期待度を報知する。
図59は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶表示領域85を示す図である。
また、図60は、本発明の第1の実施の形態の振り子部材47の回動角度を示す図である。
また、図61は、本発明の第1の実施の形態の振り子部材47の回動角度に応じた現在の変動表示ゲームの期待度の報知態様を説明する図である。
本発明の第1の実施の形態では、始動記憶の表示は、例えば、図59に示す始動記憶表示領域85によって画面に表示される。左に表示される一番大きい八角形状の表示窓は、現在実行中の変動表示ゲームの期待度等を表示する実行中始動記憶表示86である。丸形状の記憶表示は、特図1始動記憶表示87(87a〜87d)であり、保留数に応じて左から順に表示される。三角形状の記憶表示は、特図2始動記憶表示88(88a〜88d)であり、保留数に応じて左から順に表示される。
振り子部材47は、0度回動状態を中心として左右方向にそれぞれ60度まで回動することができる。振り子部材47が遊技球によって回動されると、図60及び図61に示すように、現在実行中の変動表示ゲームの大当り期待度が回動角度の大きさに応じた種類によって報知される。
具体的には、振り子部材47の右方向への回動角度が0度から20度までの回動角度である場合には、例えば、「◎」、「○」、「△」、「×」によって大当り期待度が実行中始動記憶表示86に表示される。また、回動角度が20度から40度である場合には、例えば、「10%」、「30%」と具体的な数値によって大当り期待度が表示される。また、回動角度が40度から60度である場合には、例えば、天使、悪魔等のキャラクタによって大当り期待度が表示される。
このように、遊技球によって振り子部材47が回動することで実行中の変動表示ゲームの大当り期待度が報知されるため、遊技の興趣を高めることができる。特に、振り子部材47の回動角度が大きいほど精度の高い期待度が報知されるため、遊技の興趣を高めることができる。
〔先読み予告設定処理〕
次に、上述した1stシーン制御処理における先読み予告設定処理(S2719)の詳細について説明する。
図62は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550は、まず、受信待ちの事前判定コマンドがあるか否かをチェックし、判定する(S2801、S2802)。事前判定コマンドは、上述した特図保留情報判定処理において遊技制御装置500が設定するコマンドである。受信待ちの事前判定コマンドがない場合には(S2802の結果が「N」)、本処理を終了する。
受信待ちの事前判定コマンドがある場合には(S2802の結果が「Y」)、演出制御装置550は、事前判定コマンドを受信したか否かを判定する(S2803)。事前判定コマンドを受信していない場合には(S2803の結果が「N」)、本処理を終了する。
事前判定コマンドを受信した場合には(S2803の結果が「Y」)、演出制御装置550は、変動表示ゲームを実行中の始動記憶領域に事前判定コマンドの内容をセーブする(S2804)。
次に、演出制御装置550は、振り子部材SW31cの信号を受信したか否かを判定する(S2805)。振り子部材SW31cの信号を受信していない場合には(S2805の結果が「N」)、本処理を終了する。
振り子部材SW31cの信号を受信している場合には(S2805の結果が「Y」)、演出制御装置550は、振り子部材47の回動角度を検出し(S2806)、振り子部材47の回動角度に応じて図61に示す表示態様のテーブルをセットする(S2807)。
次に、演出制御装置550は、選択された先読み予告態様を実行中始動記憶表示86に設定し(S2808)、本処理を終了する。
なお、実行中の変動表示ゲームの報知について、ここでは大当り期待度の報知について説明したが、遊技状態等に応じて実行中の変動表示ゲームの発展期待度や確変期待度を報知してもよい。
〔特図変動入賞装置ユニット〕
次に、図63から図65を参照して特図変動入賞装置ユニット370について説明する。
図63は、本発明の第1の実施の形態の特図変動入賞装置ユニット370の図であり、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は平面図、(D)は左側面図、(E)は斜視図である。
また、図64は、本発明の第1の実施の形態の透過性意匠部371の発光態様を説明するための特図変動入賞装置ユニット370の平面図及び透過性意匠部371の正面図であり、(A)は発光していない状態の図、(B)は導光部371aのみ発光した状態の図、(C)は導光部371a及びLED374が発光した状態の図、(D)は導光部371a及びLED374が発光中であり第1始動入賞口37に遊技球が入賞した状態の図である。
図63に示すように、特図変動入賞装置ユニット370は、透過性意匠部371及び開閉部材38aを装飾板372の前面に備える。第1始動入賞口37は、透過性意匠部371と装飾板372との間に形成される。また、特図変動入賞装置ユニット370は、装飾板372の背面に第1始動入賞口37への入賞球を排出する第1排出流路375、第2始動入賞口38への入賞球を排出する第2排出流路376を備える。上述のとおり、開閉部材38aが所定のタイミングで開状態に変換されることで、第2始動入賞口38に入賞可能となる。
透過性意匠部371は、透過性部材(透光性部材)によって形成され、例えば、イルミネーションボードによって構成されることが好ましい。透過性意匠部371は、端面より導光された光により図64(B)に示す星形の模様を導光部371aに発光可能であり、また、LED374の照明を受けて図64(C)に示す長方形の範囲を発光可能である。
LED374は、第1排出流路375の背面に設けられる。LED374から透過性意匠部371までの光路を確保するために、光路上にあたる第1排出流路375、装飾板372の一部は透光性の部材によって形成される。導光部371a、LED374は、それぞれ所定期間発光可能であり、また、点滅や輝度の変化が可能である。LED374は複数設けられて、複数の色を出力可能であってもよい。
なお、本実施形態では、LED374の照明により透過性意匠部371を長方形に発光させているが、LED374の照射範囲を広くし、装飾板372に照射規制部(図示省略)を設ける等により六角形の透光性部材の全面を発光させることも可能である。さらに、光源であるLED374と照射規制部の距離を変化させる、照射規制部の形状を変化させる等によって、透過性意匠部371の発光態様を変化させてもよい。
透過性意匠部371は、例えば、図64(A)に示す発光しない状態、図64(B)に示す導光部371aのみ発光する状態、図64(C)に示す導光部371a及びLED374による完全発光状態に制御可能である。特に、完全発光状態では、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したタイミングにおいて、透過性意匠部371に遊技球の影が映り、発光部と影部とのコントラストにより、入賞シーンを盛り上げる。
導光部371aは、例えば、特定遊技状態中に発光し、LED374は、例えば、特別遊技状態中に発光する。また、例えば、第1始動入賞口37に入賞が発生すると導光部371aが発光してもよいし、操作部24が操作されると導光部371aが発光してもよい。
このように、遊技状態や遊技機1の操作状態に応じて透過性意匠部371の導光部371aが発光する。そのため、透過性意匠部371を幻想的に演出し、遊技の興趣を高めることができる。
また、遊技状態等に応じて、LED374の照明により輝度の変化や照明色の変化を伴って透過性意匠部371の全面を発光させることができる。そのため、透過性意匠部371にインパクトのある発光演出が可能であり、遊技の興趣をさらに高めることができる。特に、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したタイミングでは、透過性意匠部371に遊技球の影が映り、発光部と影部とのコントラストにより、入賞シーンを印象的に演出することができる。
〔画面遷移図〕
図65は、本発明の第1の実施の形態の透過性意匠部371の発光による演出表示の一例を説明する画面遷移図であり、(A)は遊技者に入賞口付近を見ることを促す状態の画面図、(B)は報知態様を通知する状態の画面図、(C)は透過性意匠部371の発光状態が変化したことを示す特図変動入賞装置ユニット370の正面図、(D)は大当りが確定した状態の画面図である。
図65では、画面演出及び透過性意匠部371の発光演出による大当りの確定報知を一例として説明する。
図65(A)は、実行中の変動表示ゲームがリーチ状態であり、遊技者に特図変動入賞装置ユニット370に注目してもらうために「下の入賞口を見よ」と表示された状態の画面である。また、画面下部には、始動記憶表示領域85が表示される。
図65(B)は、報知態様を説明するために「青く光れば大当り!?」と表示された状態の画面である。
図65(C)は、透過性意匠部371が、青く発光した状態に変化した状態を説明する図である。当初、透過性意匠部371の星形の導光部371aのみが発光していたが、実行中の変動表示ゲームの大当りを報知するために、星形の内側も青く発光した状態に変化している。当該青色の発光色は、例えば、LED374による発光色である。
図65(D)は、遊技者に大当りの確定を確信させるために「おめでとう!」と表示された状態の画面である。
このように、導光部371aの発光及びLED374の照明による発光を組み合わせた演出とすることで、これまでにない斬新な演出を遊技者に提供することができる。また、画面において透過性意匠部371の発光内容と報知内容を説明することで、演出内容を理解して遊技をすることができ、さらに遊技の興趣を高めることができる。
また、LED374による発光色や発光パターンによって期待度を報知することができるため、期待度の報知の一手段として活用することができる。
なお、透過性意匠部371が設けられる場所は、第1始動入賞口37の前面に限られず、第2始動入賞口38、普図始動ゲート34等の前面であってもよい。照明源であるLED374が設けられる場所も同様である。
(第1の実施の形態の効果)
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、襖部材420、460が所定の位置に移動したタイミングにおいて、襖部材420、460の位置に応じた画面領域に文字等が表示される。そのため、遊技者は襖部材420、460を通して画面に表示される文字等を視認することが可能であり、これまでにない斬新な演出によって遊技の興趣を高めることができる。また、演出制御装置550が襖部材420、460によって分割された画面の表示領域毎に関連性のある文字やキャラクタを表示することで、印象的な演出を実行することができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、襖部材420、460が最大動作位置に移動すると、左右の襖部材420、460が当接して襖が閉まった状態となる。そのため、演出場面を一度仕切る印象を遊技者に与えることが可能であり、襖部材420、460の開閉によって演出の進行を表現することができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が表示装置48の前方へと移動すると、連動して胴部材103、203や腕部材105、爪部材206が回動して第1ロボット役物100と第2ロボット役物200がぶつかり合う様なバトル演出を実行し、遊技者にダイナミックな演出を提供することができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、第1ロボット役物100及び第2ロボット役物200が動作位置へと移動した場合には、表示画面の中央領域のみが視認できるが、スライド役物400の左右の襖部材420、460が最大動作位置へと移動することで、当該限定された視認領域に表示されるメッセージ等がより印象的なものとなる。そのため、これまでにない斬新で印象的な演出を遊技者に提供することができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、スライド部材320は、リンク部材326によって上方に持ちあげられるとともに、ピニオンギア321によって突出動作部材310を上方に持ち上げるため、突出動作部材310は、スライド部材320の上昇分に加えて上昇ラックギア316の移動分が加わって上昇する。そのため、突出動作部材310は、初期位置から動作位置へと、高速で大きく上方へと飛び出すことが可能であり、遊技者にインパクトのある演出を提供することができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、可動部材309が初期状態にある場合の蓋部材330は、完全に水平にはならず、やや前方を向いた傾斜姿勢をとるため、遊技者に蓋部材330の上部カバー334の装飾を視認させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、蓋部材330は、アームピン333がガイドレール324に形成される傾斜部324bを移動する間にバネの付勢が解除されるため、蓋部材330を緩やかに開閉させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、振り子部材47は、ステージ部46bの中央部を超えて転動する遊技球を振り子作用によって逆方向へと転動させる。そのため、単に遊技球を跳ね返す構造と比較して、見た目の面白さが加わり、遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、遊技球によって振り子部材47が回動することで実行中の変動表示ゲームの大当り期待度が報知されるため、遊技の興趣を高めることができる。特に、振り子部材47の回動角度が大きいほど精度の高い期待度が報知されるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、遊技状態や遊技機1の操作状態に応じて透過性意匠部371の導光部371aが発光する。そのため、透過性意匠部371を幻想的に演出し、遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、遊技状態等に応じて、LED374の照明により輝度の変化や照明色の変化を伴って透過性意匠部371の全面を発光させることができる。そのため、透過性意匠部371にインパクトのある発光演出が可能であり、遊技の興趣をさらに高めることができる。特に、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したタイミングでは、透過性意匠部371に遊技球の影が映り、発光部と影部とのコントラストにより、入賞シーンを印象的に演出することができる。
(第1の実施の形態の変形例1)
第1の実施の形態では、振り子部材47の回動角度に応じて実行中の変動表示ゲームの期待度が報知された。これに対して、第1の実施の形態の変形例1では、振り子部材47の回動角度に応じて始動記憶の期待度を報知する。
以下、図66から図69を参照して本発明の第1の実施の形態の変形例1について説明する。
図66は、本発明の第1の実施の形態の第1の実施の形態の変形例1の振り子部材47の回動角度に応じた先読み演出のタイプを表す図である。
また、図67は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の先読み演出のタイプと保留数毎の演出内容を表す図である。
また、図68は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の始動記憶表示領域85の表示を説明する図であり、(A)は通常保留表示からBタイプ保留表示に変化した状態を示す図、(B)はタイプ別の始動記憶表示領域85の表示例を示す図である。
本変形例では、振り子部材47の回動角度に基づいて演出パターンがAタイプからCタイプに分けられ、さらに保留数に応じて演出内容が選択される。
図66に示すように、振り子部材47の回動角度が0度である場合は、通常の保留表示、1度から20度ではAタイプの保留表示、20度から40度ではBタイプの保留表示、40度から60度ではCタイプの保留表示が選択される。通常の保留表示は先読み演出がされていない状態の表示態様である。
さらに、図67に示すように、演出パターンのタイプ毎に設定されるテーブルによって保留数に応じた演出内容が選択される。
例えば、振り子部材47の回動角度が20度から40度であって保留数が「3」の場合に、始動記憶に「☆」が表示されると、Bタイプのテーブルに基づいて、演出制御装置550は、対象の始動記憶が当り以上、つまり、当り又は確変当りであることを報知する。
図68(A)では、始動記憶の先読み報知として、背景模様がBタイプの背景模様となり左から2番目の特図1始動記憶表示87bが「●」から「◎」に変化した状態を示している。左から2番目の特図1始動記憶表示87bは入賞時にSPリーチが選択されており、振り子部材47が20度から40度の範囲で回動したことによって、通常の保留表示である「●」から「◎」へと変化した。なお、図68(B)に示すように、振り子部材47の回動角度によって選択された演出パターンのタイプに基づいて、始動記憶表示領域85の背景模様ないし背景色が変化する。そのため、振り子部材47の回動を正確に視認できなくても、遊技者は始動記憶表示領域85の背景模様を確認することで振り子部材47がどの程度回動したかを確認することができ、またどの演出パターンのタイプに基づいて報知されるかが一目瞭然となる。
次に、第1の実施の形態の変形例1の報知制御について説明する。
〔先読み予告設定処理〕
図69は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の先読み予告演出設定処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、第1の実施の形態と相違する点についてのみ説明する。
第1の実施の形態と本変形例とは、先読み対象の始動記憶が相違するため、先読み予告演出設定処理の最後の処理(ステップ)において、演出制御装置550は、選択された先読み予告態様を対象となる始動記憶表示87、88に設定し(S2901)、本処理を終了する。
(第1の実施の形態の変形例1の効果)
このように、第1の実施の形態の変形例1によれば、振り子部材47の回動角度及び保留数に基づいて始動記憶の先読み内容が報知される。そのため、これまでにない報知演出により遊技の興趣を高めることができる。特に、振り子部材47の回動角度によって始動記憶表示領域85の背景模様が変化するため、遊技者は、振り子部材47の回動によって先読み演出が実行されることを直感的に理解することができる。また、一方で、ある程度の遊技をしないとAタイプ〜Cタイプの内部テーブルが把握できないため、分かる人には分かる玄人向けの報知演出を提供することができる。
なお、始動記憶表示領域85の表示が変化するタイミングは、遊技球によって振り子部材47が回動したタイミングでもよいし、始動記憶が消化されるタイミングでもよい。
(第1の実施の形態の変形例2)
第1の実施の形態の変形例1では、振り子部材47の回動角度と保留数に基づいて先読み内容が選択された。これに対して第1の実施の形態の変形例2では、振り子部材47の回動角度に基づいて先読み判定される始動記憶表示87、88の数が決定される。
以下、図70から図71を参照して本発明の第1の実施の形態の変形例2について説明する。
図70は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の振り子部材47の回動角度に応じた先読み演出のタイプを表す図である。
また、図71は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の始動記憶表示領域85の表示を説明する図であり、(A)は通常保留表示からBタイプ保留表示に変化した状態を示す図、(B)はタイプ別の始動記憶表示領域85の表示例を示す図である。
本変形例では、振り子部材47の回動角度に基づいて演出パターンがAタイプからCタイプに分けられ、演出パターンのタイプによって判定可能な始動記憶表示87、88の数が決定される。
図70に示すように、振り子部材47の回動角度が0度である場合は、通常の保留表示、1度から20度ではAタイプの保留表示、20度から40度ではBタイプの保留表示、40度から60度ではCタイプの保留表示が選択される。演出パターンの振り分けは第1の実施の形態の変形例1と同様である。
また、演出パターン毎に先読み判定可能な始動記憶表示87、88の数が設定されており、Aタイプでは2個、Bタイプでは4個、Cタイプでは8個まで始動記憶の判定が可能である。先読み判定される始動記憶は、特図2始動記憶が優先されてもよいし、また、入賞順に判定されてもよい。
図71(A)では、特図1始動記憶表示87のうち4個(87a〜87d)と特図2始動記憶表示88のうち3個(88a〜88c)が表示中である通常の保留表示が、Cタイプの演出パターンに基づいて始動記憶表示87、88が変化した状態を示している。Cタイプでは8個まで先読み判定が可能であり、左から2番目の特図1始動記憶表示87bが「●」から「◎」へと、左から4番目の特図1始動記憶表示87dが「●」から「☆」へと変化して、期待度が高いことを報知している。また、左から1番目の特図2始動記憶表示88aが「▲」から「☆」へと変化して、期待度が高いことを報知している。
なお、始動記憶表示87、88の変化は、判定可能な数を超えて変化してもよい。例えば、6個の始動記憶表示87、88がある中で1度から20度の範囲で振り子部材47が回動した場合、つまり2個まで判定可能である場合に、3個目以降の始動記憶表示87、88が変化してもよい。この場合、3個目以降の始動記憶表示87、88の変化はいわゆるガセ報知となる。このようなガセ報知は、ある程度の遊技経験を積んだ遊技者には判別が可能であるため、玄人向けに遊技性を高めることができる。
(第1の実施の形態の変形例2の効果)
このように、第1の実施の形態の変形例2によれば、振り子部材47の回動角度に基づいて先読み判定可能な始動記憶の数が決定され、当該決定された数の範囲内の始動記憶表示87、88の表示態様が変化して先読み演出が実行される。そのため、これまでにない報知演出により遊技の興趣を高めることができる。特に、遊技球によって振り子部材47が大きく回動されることにより、複数の始動記憶表示87、88を対象として一斉に先読み演出が実行される場合は、遊技者に爽快感を与えることができる。
また、第1の実施の形態の変形例2によれば、判定可能な数を超えて始動記憶表示87、88を変化させていわゆるガセ報知を実行することができる。そのため、ガセ報知を判別する力のある遊技者に対して遊技の興趣を高めることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、ロボット役物100、200を構成する各部材の輪郭(端部)やエッジ部(角部)が発光する。各部材は、前述の頭部材102、202、胴部材103、203、上腿部材104、204、腕部材105、205、爪部材106、盾部材107等であり、多面体の形状を有する。以下、図72から図75を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
図72は、本発明の第2の実施の形態のロボット役物100、200が発光していない状態の可動役物構成体80の正面図である。
図73は、本発明の第2の実施の形態の発光した状態を示す第1ロボット役物100と第2ロボット役物200の正面図である。
図74は、本発明の第2の実施の形態の発光箇所を強調した第1ロボット役物100と第2ロボット役物200の正面図である。
図75は、本発明の第2の実施の形態のロボット役物100、200の発光演出に連動した画面表示を説明する画面遷移図であり、(A)は第2ロボット役物200が発言した状態の画面、(B)は第1ロボット役物100が発言した状態の画面、(C)はロボット役物100、200がバトル状態となったことを示す図である。
上述のとおり、ロボット役物100、200は、内部に照明源(LED)を有し発光可能である。なお、第1の実施の形態と同様に、照明源(LED)をロボット役物100、200の各部材ごとに設けてよい。第2の実施の形態では、ロボット役物100、200の各部材の輪郭部やエッジ部、手の甲に設けた模様等に透光性部材を用いて、効果的な発光演出を提供する。なお、エッジ部は、多面体形状の各部材における面と面の境界である辺の部分、即ち面と面の境界部である。各部材は、内部の照明源を前方から覆うような薄いカバー状の部材でもよいし、内部に照明源が埋め込まれるような厚みのある部材でもよい。
図72に示す発光していない状態から図73に示す発光状態となると、ロボット役物100、200各部材の輪郭部、エッジ部、手の甲の模様のみが発光する。ロボット役物100、200の一部をポイント(点状)で発光させたり、各部材の面を面状に発光させるのではなく、輪郭部とエッジ部を発光させるため、ロボット役物100、200が浮き上がるように演出される。そのため、可動役物の形状が際立って表現され装飾効果が向上する。
ロボット役物100、200の各部材は、例えば、透光性部材によって形成され、正面又は裏面に色の付いた非透光性物質が蒸着される。そして、レーザーやカッター等によって輪郭部及びエッジ部の色(非透光性物質)を除去することで、各部材は、輪郭部及びエッジ部のみが透光可能に形成される。
なお、ロボット役物100、200が発光するタイミングで装飾装置9、11の輝度を低下させてもよい。センターフレーム46周辺の明るさが低下することで、センターフレーム46内のロボット役物100、200の発光演出がより鮮やかなものとなり、発光演出中のロボット役物100、200とロボット役物100、200周辺とのコントラストがより鮮明になる。
ロボット役物100、200の照明源は、演出制御装置550によって制御され、ロボット役物100、200の動作や画面表示に合わせて発光する。図74に示すように、バトル状態となったロボット役物100、200の攻撃部位(第1ロボット役物100の前腕部材105b)やダメージを受けた部位(第2ロボット役物200の胴部材203)のエッジ部のみが発光することで臨場感のあるバトル演出を実行することができる。この場合には、各部材ごとに照明源を設けて、上記部位に相当する部材の照明源のみを発光させる。
また、掛け合いの際にロボット役物100、200が動くようにしてもよい。例えば、図75(A)に示すように「勝負だ!左側!」と画面に表示されたタイミングで第2ロボット役物200が挑戦的なポーズをとるように動作をしてもよい。さらに、図75(B)に示すように、「こい!右側」と画面に表示されたタイミングで第1ロボット役物100も動作し、図75(C)に示すバトル状態へと移行してもよい。
(第2の実施の形態の効果)
以上のように、第2の実施の形態によれば、ロボット役物100、200の一部をポイントで発光させたり、各部材を面状に発光させるのではなく、各部材の輪郭部とエッジ部を発光させる。そのため、ロボット役物100、200が浮き上がるように表現されて幻想的な演出を提供することができる。なお、各部材の輪郭部とエッジ部の一部分のみを発光させてもよい。また、各部材の輪郭ではなく、ロボット役物100、200全体の前方から見た輪郭、即ちロボット役物100、200の最外縁を発光させてもよい。
また、第2の実施の形態によれば、バトル状態となったロボット役物100、200の攻撃部位やダメージを受けた部位のエッジ部のみを発光させることで臨場感のあるバトル演出を実行することができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。