JP2013064993A - カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び固体撮像素子 - Google Patents

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Yuji Kaneko
祐士 金子
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Abstract

【課題】平坦化処理における着色パターンの表面荒れを抑制することができるカラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び固体撮像素子を提供する。
【解決手段】第1の着色層を第1の着色組成物により形成する工程、第1の着色層に複数の第1の貫通孔が形成されるようにドライエッチングによりパターニングする工程、第1の着色層上に第2の着色組成物による第2の着色層を積層する工程、第1の貫通孔とは別の複数の第2の貫通孔をドライエッチングによりパターニングして、複数の第1の着色画素を形成する工程、第1着色層上に、第3の着色組成物による第3の着色層を含む1層以上の着色層を積層する工程、及び第1の着色層上に積層された1層以上の着色層を第1の着色層が少なくとも露出するまで平坦化処理する工程を有するカラーフィルタの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び固体撮像素子に関する。
例えば固体撮像素子には、半導体基板等の支持体上に赤色画素、緑色画素、青色画素などの複数色の着色画素が2次元配列されたカラーフィルタが設けられている。この固体撮像装置においては、近年、画素数の増加は顕著であり、従来と同じインチサイズの固体撮像素子と比較した場合、その画素サイズの縮小化は顕著である。また、画素サイズが縮小するにつれて、色分離の性能要求は厳しくなり、色シェーディング特性、混色防止などのデバイス特性維持のため、カラーフィルタに求められる性能に薄膜化、矩形化、及び各着色画素間に色同士が重なり合うオーバーラップ領域をなくす等の性能が要求されている。
このようなカラーフィルタの製造方法として、以前からフォトリソ法が多く用いられている。フォトリソ法は、支持体上に着色感光性組成物を塗布・乾燥させて着色層を形成した後、この着色層をパターン露光・現像等を行なって第1色目(例えば緑色)の着色画素を形成し、以下同様にして残りの色の着色画素を形成する方法である。
ところが、固体撮像装置の画素の微細化にともない、いわゆるフォトリソ法によるパターン形成では、カラーフィルタの微細化及び薄膜化の要求に対して、カラーフィルタの分光特性とパターン形成性の両立が困難になってきている。具体的には、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいて、着色パターンの薄層化については例えば厚みが1μm以下、画素パターンサイズについては2μm以下(例えば0.5〜2.0μm)となるような微小サイズ化が図られる傾向にある。
特に薄膜化が進むにつれ、顔料等の着色剤の膜中の相対量が増える反面、着色剤以外のフォトリソ性に寄与する成分の膜中の量が相対的に減少しており、この減少によるパターン形成性は、2.0μmを下回るパターン形成の要求に対し、OPCなどの補正を行なった場合であっても、上面から観察されるパターンの形状改善効果はあるが、断面を観察した場合のパターン形状はパターンエッジが丸く矩形性に乏しい等の問題が存在する。これは、顔料分散液を使用したカラーフィルタ(顔料を種々の組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフォトリソ法によって作製したカラーフィルタ)では、顔料による露光時の光散乱の影響により、パターンエッジの丸まりが顕著になることが知られている。
特に最近では、固体撮像素子用カラーフィルタの更なる高精細化の要求から例えば1.4μmパターンの形成性が問われるようになってきており、従来のフォトリソ法では解像力の限界に近い。
フォトリソ法を利用したカラーフィルタの製造方法に対して、パターンの微細化と薄膜化を実現するのに有効な方法として、ドライエッチング法を用いた加工方法が提案されている。ドライエッチング法は、パターン(各着色画素)を矩形に形成する方法として従来から採用されており、フォトリソ法とドライエッチング法とを組み合わせたパターン形成法などが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2006−222290号公報 特開2007−48774号公報
近年、カラーフィルタを有するイメージセンサーなどの固体撮像素子のデバイス性能向上のため、デバイス作成工程においてドライエッチング法によるカラーフィルタのパターニングと、エッチバック処理や、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)処理等の研磨処理による平坦化処理とを組み合わせたパターン形成方法が試みられている。具体的には、第1の着色層をドライエッチング法によりパターニングして形成した第1の着色パターンを鋳型として用い、これを覆うように第2の着色層を積層し、その後、第1の着色層が少なくとも露出するまで第2の着色層を平坦化処理するといった方法が挙げられる。
しかしながら、従来の技術では、鋳型として用いられる第1の着色パターンにおけるパターンの矩形性が不十分であるという問題があった。またドライエッチングに続く、平坦化処理において、着色パターンの表面が荒れるという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、すなわち本発明の目的は、ドライエッチング法によるカラーフィルタのパターニングと平坦化処理とを組み合わせたカラーフィルタの製造方法において、第1の着色パターンにおけるパターンの矩形性が高く、かつ平坦化処理における着色パターンの表面荒れを抑制することができるカラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び固体撮像素子を提供することにある。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
〔1〕
(ア)複数の第1の着色画素を形成するための第1の着色層を第1の着色組成物により形成する工程、
(イ)前記第1の着色層に複数の第1の貫通孔が形成されるようにドライエッチングによりパターニングする工程、
(ウ)前記第1の貫通孔各々の内部に第2の着色組成物を埋設させて複数の第2の着色画素が形成されるように、前記第1の着色層上に前記第2の着色組成物による第2の着色層を積層する工程、
(エ)前記第1の貫通孔とは別の複数の第2の貫通孔が前記第1の着色層に形成されるようにドライエッチングによりパターニングして、前記複数の第1の着色画素を形成する工程、
(オ)前記第2の貫通孔各々の内部に第3の着色組成物を埋設させて複数の第3の着色画素が形成されるように、前記第1着色層上に、前記第3の着色組成物による第3の着色層を含む1層以上の着色層を積層する工程、及び
(カ)前記第1の着色層上に積層された1層以上の着色層を前記第1の着色層が少なくとも露出するまで平坦化処理する工程
を有するカラーフィルタの製造方法であって、
前記第1の着色組成物が着色剤と樹脂とを含有し、前記第1の着色組成物の全固形分に対する前記着色剤の含有量が55質量%以上であり、かつ、固形分酸価が最も大きな樹脂の固形分酸価が80mgKOH/g以下である、カラーフィルタの製造方法。
〔2〕
前記第1の着色組成物に含有される前記着色剤がC.I.ピグメント・グリーン 36及びC.I.ピグメント・イエロー 185の少なくとも一方である、〔1〕に記載のカラーフィルタの製造方法。
〔3〕
前記第2の着色層を積層する工程(ウ)の後、ドライエッチングによるパターニング工程(エ)の前に、(ウ’)前記第2の着色層を前記第1の着色層が少なくとも露出するまで平坦化処理する工程を更に有し、前記工程(オ)及び(カ)における前記第1の着色層上に積層された1層以上の着色層が前記第3の着色層である、〔1〕又は〔2〕に記載のカラーフィルタの製造方法。
〔4〕
前記平坦化処理工程(ウ’)が、エッチバック処理又は化学的機械的研磨処理により行われる、〔3〕に記載のカラーフィルタの製造方法。
〔5〕
前記工程(オ)及び(カ)における前記第1の着色層上に積層された1層以上の着色層が前記第2の着色層と前記第3の着色層とからなる層である、〔1〕又は〔2〕に記載のカラーフィルタの製造方法。
〔6〕
前記ドライエッチングによるパターニング工程(イ)及び(エ)の各々において、前記第1の着色層上に更にフォトレジスト層を形成する工程、
露光及び現像することにより前記フォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、及び
前記レジストパターンをエッチングマスクとして前記第1の着色層をドライエッチングする工程
を有する、〔3〕に記載のカラーフィルタの製造方法。
〔7〕
前記ドライエッチングによるパターニング工程(イ)においては、前記第1の着色層上に、前記パターニング工程(エ)においては、前記第2の着色層上に、それぞれ、更にフォトレジスト層を形成する工程、
露光及び現像することにより前記フォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、及び
前記レジストパターンをエッチングマスクとして前記着色層をドライエッチングする工程
を有する、〔5〕に記載のカラーフィルタの製造方法。
〔8〕
前記平坦化処理工程(カ)が、エッチバック処理又は化学的機械的研磨処理により行われる、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
〔9〕
前記第1の着色組成物が含有する樹脂が、分散樹脂と、前記分散樹脂以外のベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含有する樹脂とであり、前記ベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含有する樹脂の含有割合が、前記分散樹脂を含めた全樹脂の質量に対して、10質量%以下である、〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
〔10〕
前記第1の着色層が緑色透過層である、〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
〔11〕
前記第2の着色画素及び前記第3着色画素の一方が赤色透過部であり、他方が青色透過部である、〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
〔12〕
〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタ。
〔13〕
〔12〕に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
本発明によれば、ドライエッチング法によるカラーフィルタのパターニングと平坦化処理とを組み合わせたカラーフィルタの製造方法において、第1の着色パターンにおけるパターンの矩形性が高く、かつ、平坦化処理における着色パターンの表面荒れを抑制することができるカラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、及び固体撮像素子を提供することができる。
カラーフィルタ及び固体撮像素子の構成例を示す概略断面図である。 第1着色層の上にフォトレジスト層が形成された状態を示す概略断面図である。 第1の着色層の上にレジストパターンが形成された状態を示す概略断面図である。 エッチングによって第1の着色層に複数の貫通孔が設けられることにより、第1着色パターンが形成された状態を示す概略断面図である。 図4におけるレジストパターンが除去された状態を示す概略断面図である。 第2の着色パターン及び第2の着色層が形成された状態を示す概略断面図である。 第2の着色層の上にレジストパターンが形成された状態を示す概略断面図である。 エッチングによって第1及び第2の着色層に複数の貫通孔が設けられた状態を示す概略断面図である。 図8におけるレジストパターンが除去された状態を示す概略断面図である。 第3の着色パターン及び第3の着色層が形成された状態を示す概略断面図である。 平坦化処理により第1〜3の着色パターンを有するカラーフィルタが製造されたことを示す概略断面図である。 平坦化処理により図6における第2の着色層が除去され第1の着色層の上にレジストパターンが形成された状態を示す概略断面図である。 エッチングによって第1の着色層に更に複数の貫通孔が設けられた状態を示す概略断面図である。 図13におけるレジストパターンが除去された状態を示す概略断面図である。 第3の着色パターン及び第3の着色層が形成された状態を示す概略断面図である。
本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタアクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタアクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマー及びポリマーと区別され、質量平均分子量が2,000未満の化合物をいう。本明細書中において、重合性化合物とは、重合性基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性基とは、重合反応に関与する基を言う。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、
(ア)複数の第1の着色画素を形成するための第1の着色層を第1の着色組成物により形成する工程、
(イ)前記第1の着色層に複数の第1の貫通孔が形成されるようにドライエッチングによりパターニングする工程、
(ウ)前記第1の貫通孔各々の内部に第2の着色組成物を埋設させて複数の第2の着色画素が形成されるように、前記第1の着色層上に前記第2の着色組成物による第2の着色層を積層する工程、
(エ)前記第1の貫通孔とは別の複数の第2の貫通孔が前記第1の着色層に形成されるようにドライエッチングによりパターニングして、前記複数の第1の着色画素を形成する工程、
(オ)前記第2の貫通孔各々の内部に第3の着色組成物を埋設させて複数の第3の着色画素が形成されるように、前記第1着色層上に、前記第3の着色組成物による第3の着色層を含む1層以上の着色層を積層する工程、及び
(カ)前記第1の着色層上に積層された1層以上の着色層を前記第1の着色層が少なくとも露出するまで平坦化処理する工程
を有し、前記第1の着色組成物が着色剤と樹脂とを含有し、前記着色組成物の全固形分に対する前記着色剤の含有量が55質量%以上であり、かつ、固形分酸価が最も大きな樹脂の固形分酸価が80mgKOH/g以下である。
上述のような、ドライエッチング法によるカラーフィルタのパターニングと、エッチバック処理や、化学的機械的研磨(CMP)処理等の研磨処理による平坦化処理とを組み合わせたカラーフィルタの製造方法において、鋳型として用いられる第1の着色パターンにおけるパターンの矩形性が不十分であったり、平坦化処理によって、着色パターンの表面が荒れたりすると、分光が変化してしまいデバイス感度の低下につながる。
これに対し、本発明においては、第1の着色層の着色剤の含有量を55質量%以上とすることにより、固形分中の着色剤濃度が高くなり、ドライエッチングによるパターン形成時のエッチングレートが遅くなる。これにより、パターンの上部及び下部のエッチングレートの差が小さくなるため、基板に対するパターンの垂直性が高くなり矩形性が向上する。更に、これに伴い、エッチングにより形成される着色パターンの膜厚均一性が高くなり、平坦化処理時の表面荒れが抑制される。また、着色剤濃度が高いことで着色層の強度が高くなり、CMP処理等の研磨処理による平坦化処理によって生じる表面荒れも軽減することができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、例えば厚みが0.7μm以下及び/又は画素パターンサイズ(正方パターンにおける一辺)が2μm以下(例えば0.5〜2.0μm)となるような微小サイズが求められる固体撮像素子用のカラーフィルタを作製するのに有効である。
また、本発明は、本発明のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタに関するものでもある。
ここで、固体撮像素子について、一例として図1を参照して略説する。
図1に示すように、固体撮像素子10は、シリコン基板上に設けられた受光素子(フォトダイオード)42、カラーフィルタ13、平坦化膜14、マイクロレンズ15等から構成される。本発明においては、平坦化膜14は必ずしも設ける必要はない。なお、図1では、各部を明確にするため、相互の厚みや幅の比率は無視して一部誇張して表示している。
支持体としては、シリコン基板のほか、カラーフィルタに用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば酸化膜、窒化シリコン等が挙げられる。また、これら支持体とカラーフィルタ13との間には本発明を損なわない限り中間層などを設けてもよい。
シリコン基板上には、Pウエル41を有し、このPウエルの表面の一部にフォトダイオード42を有している。フォトダイオード42は、Pウエルの表面の一部にPやAs等のN型不純物をイオン注入した後、熱処理を行うことにより形成される。また、シリコン基板のPウエル41の表面であって前記一部とは異なる領域には、フォトダイオード42よりN型不純物濃度の高い不純物拡散層43を有している。この不純物拡散層43は、PやAs等のN型不純物をイオン注入した後、熱処理を行うことにより形成され、フォトダイオード42が入射光を受けることにより発生した電荷を転送する浮遊拡散層の役割を果たす。ウエル41をP型不純物層、フォトダイオード42及び不純物拡散層43をN型不純物層とする以外にも、ウエル41をN型不純物層、フォトダイオード32及び不純物拡散層43をP型不純物層として実施することもできる。
Pウエル41、フォトダイオード42、及び不純物拡散層43上には、SiO又はSiO/SiN/SiO等の絶縁膜47を有しており、この絶縁膜47上にはポリSi、タングステン、タングステンシリサイド、Al、Cu等からなる電極44が設けられている。電極44は、ゲートMOSトランジスタのゲートの役割を果たし、フォトダイオード42に発生した電荷を不純物拡散層43に転送するための転送ゲートとしての役割を果たすことができる。さらに、電極44の上方には、配線層45が形成されている。配線層45の更に上方には、BPSG膜46、P−SiN膜48を有している。BPSG膜46とP−SiN膜48の界面がフォトダイオード42の上方で下に湾曲する形状になるように形成されており、入射光を効率よくフォトダイオード42に導くための層内レンズの役割を果たす。BPSG膜46上には、P−SiN膜48表面又は画素領域以外の凹凸部を平坦化する目的で平坦化膜層49が形成されている。
この平坦化膜層49上にカラーフィルタ13が形成されている。なお、以下の説明では、領域を区切らずにシリコン基板上に形成されている着色膜(いわゆるベタ膜)を「着色
(着色感放射線性)層」といい、パターン状に領域を区切って形成されている着色膜(例えば、ストライプ状にパターニングされている膜等)を「着色パターン」という。また、着色パターンのうち、カラーフィルタ13を構成する要素となっている着色パターン(例えば、正方形や長方形にパターン化された着色パターン等)を「着色(赤色、緑色、青色)画素」という。
カラーフィルタ13は、2次元配列された複数の緑色画素(第1色画素)20G、赤色画素(第2色画素)20R、及び青色画素(第3色画素)20Bから構成されている。各着色画素20R,20G,20Bは、それぞれ受光素子42の上方位置に形成されている。緑色画素20Gが市松模様に形成されるとともに、青色画素20B及び赤色画素20Rは、各緑色画素20Gの間に形成されている。なお、図1では、カラーフィルタ13が3色の画素から構成されていることを説明するために、各着色画素20R,20G,20Bを1列に並べて表示している。
平坦化膜14は、カラーフィルタ13の上面を覆うように形成されており、カラーフィルタ表面を平坦化している。後述する本発明のカラーフィルタの製造方法のように、平坦化処理を行なう場合には、必ずしもこの平坦化層は必要ではない。
マイクロレンズ15は、凸面を上にして配置された集光レンズであり、平坦化膜14(平坦化膜を有しない場合はカラーフィルタ)の上方でかつ受光素子42の上方に設けられている。各マイクロレンズ15は、被写体からの光を効率良く各受光素子42へ導く。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、先ず、第1の着色組成物によって第1の着色層11を形成する(工程(ア))。
第1の着色層11は緑色透過層であることが好ましい形態であるため、第1着色組成物における着色剤は、C.I. Pigment Green 7,10,36,37,58及び、C.I.Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214から選択される1種以上であることが好ましい。
第1の着色層11の形成は、着色組成物を支持体上に回転塗布、スリット塗布、スプレー塗布等の塗布方法により塗布し、乾燥させて着色層を形成することにより行なえる。
ここでの第1の着色層11の厚みとしては、0.3〜1μmの範囲が好ましく、0.35〜0.8の範囲がより好ましく、0.35〜0.7μmの範囲がより好ましい。
第1の着色組成物が硬化性化合物を含有している場合、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、第1の着色層11を加熱して、硬化させることが好ましい。加熱温度は、120℃〜250℃であることが好ましく、160℃〜230℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱手段により異なるが、ホットプレート上で加熱する場合、通常3〜30分間程度であり、オーブン中で加熱する場合、通常、30〜90分間程度である。
次いで、第1の着色層11に複数の第1の貫通孔121が形成されるようにドライエッチングしてパターニングする(工程(イ))。これにより第1の着色パターン12を形成する。この手法によれば、着色組成物により第1の着色層を形成し、当該第1の着色層を露光、現像することによって複数の貫通孔を設ける場合と比較して、所望の形状の複数の貫通孔をより確実に設けることができる。これは、組成物の全固形分に対する着色剤の含有量が55質量%以上とされた着色組成物においては、組成物中に現像能に寄与する成分を添加できる余地が限られてくるため、現像による確実なパターニングが困難になるためである。
第1の着色パターン12は、支持体上に第1色目として設けられる着色パターンでもよいし、場合によっては、既設のパターンを有する支持体上に例えば第2色目あるいは第3色目以降のパターンとして設けられる着色パターンでもよい。
ドライエッチングは、第1の着色層11を、パターニングされたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングガスを用いて行うことができる。例えば、図2の概略断面図に示すように、先ず、第1着色層11の上にフォトレジスト層51を形成する。
具体的には、着色層上にポジ又はネガ型の感放射線性組成物を塗布し、これを乾燥させることによりフォトレジスト層51を形成する。フォトレジスト層51の形成においては、更にプリベーク処理を施すことが好ましい。特に、フォトレジストの形成プロセスとしては、露光後の加熱処理(PEB)、現像後の加熱処理(ポストベーク処理)を実施する形態が望ましい。
フォトレジストとしては、例えば、ポジ型の感放射線性組成物が用いられる。このポジ型の感放射線性組成物としては、紫外線(g線、h線、i線)、エキシマー・レーザー等を含む遠紫外線、電子線、イオンビームおよびX線等の放射線に感応するポジ型フォトレジスト用に好適なポジ型レジスト組成物が使用できる。放射線のうち、g線、h線、i線が好ましく、中でもi線が好ましい。
具体的には、ポジ型の感放射線性組成物として、キノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有する組成物が好ましい。キノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型の感放射線性組成物は、500nm以下の波長の光照射によりキノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じ、結果としてアルカリ不溶状態からアルカリ可溶性になることを利用するものである。このポジ型フォトレジストは解像力が著しく優れているので、ICやLSI等の集積回路の作製に用いられている。キノンジアジド化合物としては、ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。
フォトレジスト層51の厚みとしては、0.1〜3μmが好ましく、0.2〜2.5μmが好ましく、0.3〜2μmが更に好ましい。なお、フォトレジスト層51の塗布は、既述の第1着色層11における塗布方法を用いて好適に行なえる。
次いで、図3の概略断面図に示すように、このフォトレジスト層51を露光、現像することにより、複数のレジスト貫通孔51Aが設けられたレジストパターン(パターニングされたフォトレジスト層)52を形成する。
レジストパターン52の形成は、特に制限なく、従来公知のフォトリソグラフィーの技術を適宜最適化して行なうことができる。露光、現像によりフォトレジスト層51に、複数のレジスト貫通孔51Aが設けられることによって、次のエッチングで用いられるエッチングマスクとしてのレジストパターン52が、第1着色層11上に設けられる。
フォトレジスト層51の露光は、所定のマスクパターンを介して、ポジ型又はネガ型の感放射線性組成物に、g線、h線、i線等、好ましくはi線で露光を施すことにより行なうことができる。露光後は、現像液で現像処理することにより、着色パターンを形成しようとする領域に合わせてフォトレジストが除去される。
前記現像液としては、着色剤を含む第1の着色層には影響を与えず、ポジレジストの露光部及びネガレジストの未硬化部を溶解するものであればいずれも使用可能であり、例えば、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。アルカリ性の水溶液としては、アルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%となるように溶解して調製されたアルカリ性水溶液が好適である。アルカリ性化合物は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等が挙げられる。尚、アルカリ性水溶液を現像液として用いた場合は、一般に現像後に水で洗浄処理が施される。
次に、図4の概略断面図に示すように、前記第1の着色層11に複数の第1の貫通孔121が形成されるようにドライエッチングしてパターニングする。レジストパターン52をエッチングマスクとして、第1の着色層11に対してドライエッチングを行うことにより、第1の着色層11に、複数の第1の貫通孔121を形成し、第1の着色パターン12を形成する。
第1の着色層11に形成される複数の第1の貫通孔121は四角形状であることが好ましい。
具体的には、ドライエッチングは、レジストパターン52をエッチングマスクとして、第1の着色層11をドライエッチングする。ドライエッチングの代表的な例としては、特開昭59−126506号、特開昭59−46628号、同58−9108号、同58−2809号、同57−148706号、同61−41102号などの公報に記載の方法がある。
ドライエッチングとしては、パターン断面をより矩形に近く形成する観点や支持体へのダメージをより低減する観点から、以下の形態で行なうのが好ましい。
フッ素系ガスと酸素ガス(O)との混合ガスを用い、支持体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行なう第1段階のエッチングと、この第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N)と酸素ガス(O)との混合ガスを用い、好ましくは支持体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行なう第2段階のエッチングと、支持体が露出した後に行なうオーバーエッチングとを含む形態が好ましい。以下、ドライエッチングの具体的手法、並びに第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、及びオーバーエッチングについて説明する。
ドライエッチングは、下記手法により事前にエッチング条件を求めて行なう。
(1)第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)とをそれぞれ算出する。
(2)第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間とをそれぞれ算出する。
(3)前記(2)で算出したエッチング時間に従って第1段階のエッチングを実施する。
(4)前記(2)で算出したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施する。あるいはエンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。
(5)前記(3)、(4)の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出し、オーバーエッチングを実施する。
前記第1段階のエッチング工程で用いる混合ガスとしては、被エッチング膜である有機材料を矩形に加工する観点から、フッ素系ガス及び酸素ガス(O)を含むことが好ましい。また、第1段階のエッチング工程は、支持体が露出しない領域までエッチングする形態にすることで、支持体のダメージを回避することができる。
また、前記第2段階のエッチング工程及び前記オーバーエッチング工程は、第1段階のエッチング工程でフッ素系ガス及び酸素ガスの混合ガスにより支持体が露出しない領域までエッチングを実施した後、支持体のダメージ回避の観点から、窒素ガス及び酸素ガスの混合ガスを用いてエッチング処理を行なうのが好ましい。
第1段階のエッチング工程でのエッチング量と、第2段階のエッチング工程でのエッチング量との比率は、第1段階のエッチング工程でのエッチング処理による矩形性を損なわないように決定することが重要である。なお、全エッチング量(第1段階のエッチング工程でのエッチング量と第2段階のエッチング工程でのエッチング量との総和)中における後者の比率は、0%より大きく50%以下である範囲が好ましく、10〜20%がより好ましい。エッチング量とは、被エッチング膜の残存する膜厚のことをいう。
また、エッチングは、オーバーエッチング処理を含むことが好ましい。オーバーエッチング処理は、オーバーエッチング比率を設定して行なうことが好ましい。また、オーバーエッチング比率は、初めに行なうエッチング処理時間より算出することが好ましい。オーバーエッチング比率は任意に設定できるが、フォトレジストのエッチング耐性と被エッチングパターンの矩形性維持の点で、エッチング工程におけるエッチング処理時間の30%以下であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、10〜15%であることが特に好ましい。
次いで、図5の概略断面図に示すように、エッチング後に残存するレジストパターン(すなわちエッチングマスク)52を除去することが好ましい。レジストパターン52の除去は、レジストパターン52上に剥離液又は溶剤を付与して、レジストパターン52を除去可能な状態にする工程と、レジストパターン52を洗浄水を用いて除去する工程とを含むことが好ましい。
レジストパターン52上に剥離液又は溶剤を付与し、レジストパターン52を除去可能な状態にする工程としては、例えば、剥離液又は溶剤を少なくともレジストパターン52上に付与し、所定の時間停滞させてパドル現像する工程を挙げることができる。剥離液又は溶剤を停滞させる時間としては、特に制限はないが、数十秒から数分であることが好ましい。
また、レジストパターン52を洗浄水を用いて除去する工程としては、例えば、スプレー式又はシャワー式の噴射ノズルからレジストパターン52に洗浄水を噴射して、レジストパターン52を除去する工程を挙げることができる。洗浄水としては、純水を好ましく用いることができる。また、噴射ノズルとしては、その噴射範囲内に支持体全体が包含される噴射ノズルや、可動式の噴射ノズルであってその可動範囲が支持体全体を包含する噴射ノズルを挙げることができる。噴射ノズルが可動式の場合、レジストパターン52を除去する工程中に支持体中心部から支持体端部までを2回以上移動して洗浄水を噴射することで、より効果的にレジストパターン52を除去することができる。
剥離液は、一般には有機溶剤を含有するが、無機溶媒を更に含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、1)炭化水素系化合物、2)ハロゲン化炭化水素系化合物、3)アルコール系化合物、4)エーテル又はアセタール系化合物、5)ケトン又はアルデヒド系化合物、6)エステル系化合物、7)多価アルコール系化合物、8)カルボン酸又はその酸無水物系化合物、9)フェノール系化合物、10)含窒素化合物、11)含硫黄化合物、12)含フッ素化合物が挙げられる。剥離液としては、含窒素化合物を含有することが好ましく、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことがより好ましい。
非環状含窒素化合物としては、水酸基を有する非環状含窒素化合物であることが好ましい。具体的には、例えば、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられ、好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンであり、より好ましくはモノエタノールアミン(HNCHCHOH)である。また、環状含窒素化合物としては、イソキノリン、イミダゾール、N−エチルモルホリン、ε−カプロラクタム、キノリン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピリジン、ピロリジン、N−メチル−2−ピロリドン、N−フェニルモルホリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジンなどが挙げられ、好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチルモルホリンであり、より好ましくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)である。
剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことが好ましいが、中でも、非環状含窒素化合物として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種と、環状含窒素化合物として、N−メチル−2−ピロリドン及びN−エチルモルホリンから選ばれる少なくとも1種とを含むことがより好ましく、モノエタノールアミンとN−メチル−2−ピロリドンとを含むことが更に好ましい。
剥離液で除去するときには、第1の着色パターン12の上に形成されたレジストパターン52が除去されていればよく、第1の着色パターン12の側壁にエッチング生成物であるデポ物が付着している場合でも、該デポ物が完全に除去されていなくてもよい。デポ物とは、エッチング生成物が着色層の側壁に付着し堆積したものをいう。
剥離液としては、非環状含窒素化合物の含有量が、剥離液100質量部に対して9質量部以上11質量部以下であって、環状含窒素化合物の含有量が、剥離液100質量部に対して65質量部以上70質量部以下であるものが望ましい。また、剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物との混合物を純水で希釈したものが好ましい。
次いで、図6の概略断面図に示すように、第1の貫通孔121各々の内部に第2の着色組成物を埋設させて複数の第2の着色画素を有する第2着色パターン22を形成する(工程(ウ))。ここで、第2の着色画素は四角形状の画素となっていることが好ましい。また第1の着色パターン12が形成されている第1の着色層11上に前記第2の着色組成物による第2の着色層21を積層する。第2の着色層21の形成は、既述の第1着色層11を形成する方法と同様にして行なえる。
ここでの第2の着色層21の厚みとしては、0.3〜1μmの範囲が好ましく、0.35〜0.8の範囲がより好ましく、0.35〜0.7μmの範囲がより好ましい。
次に、前記第1の貫通孔とは別の複数の第2の貫通孔が前記第1の着色層に形成されるようにドライエッチングによりパターニングして、前記複数の第1の着色画素を形成する
(工程(エ))。
本発明のカラーフィルタの製造方法において、工程(エ)を行う前に平坦化処理を行うか否かの違いにより2つの実施態様がある。以下、工程(エ)を行う前に平坦化処理を行わない態様を実施態様1、工程(エ)を行う前に平坦化処理を行う態様を実施態様2という。
まず、実施態様1について説明する。
実施態様1においては、図7の概略断面図に示すように、露光及び現像することによりフォトレジスト層をパターニングして複数のレジスト貫通孔51Bが設けられたレジストパターン52’を得る工程、及び
図8の概略断面図に示すように、前記レジストパターン52’をエッチングマスクとして前記第1の着色層11をドライエッチングする工程を行うことができる。これにより、第1の着色パターン12が形成されている第1の着色層11に、複数の第2の貫通孔122を形成することができる。これにより、第1の着色層11に複数の第1の貫通孔121と複数の第2の貫通孔122が設けられることになり、その結果、第1の着色パターン12は、複数の四角形状の第1の着色画素を有することになる。
フォトレジスト層の形成、露光及び現像することによりパターニングしてレジストパターン52’を得る方法及びその好ましい態様、ドライエッチングの方法及びその好ましい態様としては前述した方法及びその好ましい態様と同様である。
そして、図9の概略断面図に示すように、エッチング後に残存するレジストパターン(すなわちエッチングマスク)52’を除去する。レジストパターン52’の除去方法としては、レジストパターン52の除去について前述した方法と同様に行うことができる。
次いで、この実施態様1においては、図10の概略断面図に示すように、第2の貫通孔122各々の内部に第3の着色組成物を埋設させて、複数の第3の着色画素が形成されるように、第1の着色層(すなわち、複数の第1の貫通孔121の中に第2の着色パターン22が形成されてなる第1の着色パターン12)上に、第2の着色層21と、第3の着色組成物による第3の着色層31とからなる層第3の着色組成物による第3の着色層31を積層する(工程(オ))。
ここで、第3の着色画素は四角形状の画素となっていることが好ましい。第3の着色層31の形成は、既述の第1の着色層11を形成する方法と同様にして行なえる。
ここでの第3の着色層31の厚みとしては、0.3〜1μmの範囲が好ましく、0.35〜0.8の範囲がより好ましく、0.35〜0.7μmの範囲がより好ましい。
そして、第1の着色層11上に積層された第2の着色層21と第3の着色層31とからなる層を第1の着色層11が少なくとも露出するまで平坦化処理し(工程(カ))、除去することができる。
これにより、図11の概略断面図に示すように、第1の着色パターン12と、第2の着色パターン22と、第3の着色パターン32とを有するカラーフィルタ100が製造される。
平坦化処理としては、製造工程の簡略化や製造コストの観点から、全面をドライエッチングするエッチバック処理、又は全面を化学的・機械的に研磨する化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)処理等の研磨処理などが挙げられる。
研磨(CMP)処理に用いるスラリーとしては、粒径10〜100nmのSiO砥粒を0.5〜20質量%含有させたpH9〜11の水溶液を用いることが好ましい。研磨パッドとしては、連続発砲ウレタン等の軟質タイプを好ましく用いることができる。前述のスラリー及び研磨パッドを使用して、スラリー流量:50〜250ml/min、ウエハ圧:0.2〜5.0psi、リテーナーリング圧:1.0〜2.5psiの条件により研磨することができる。また、研磨処理が終了した後、被研磨面を精密洗浄処理する洗浄工程、脱水ベーク(好ましくは、100〜200℃で1〜5分間)処理(脱水処理)を施す脱水処理工程を行なう。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法における工程(エ)を行う前に平坦化処理を行う実施態様2について説明する。
実施態様2においては、第1の貫通孔とは別の複数の第2の貫通孔が第1の着色層に形成されるようにドライエッチングによりパターニングして、複数の第1の着色画素を形成する工程(エ)を行う前に、第2の着色層を前記第1の着色層が少なくとも露出するまで平坦化処理する工程(ウ’)を行う。
これにより、図6の概略断面図に示される第2の着色層21を除去することができる。
平坦化処理の方法及び好ましい態様としては前述の通りである。
次に、図12の概略断面図に示すように、露光及び現像することによりフォトレジスト層をパターニングして複数のレジスト貫通孔51Cが設けられたレジストパターン52”を得る工程、及び
図13の概略断面図に示すように、レジストパターン52”をエッチングマスクとして第1の着色層11をドライエッチングする工程を行う。
フォトレジスト層の形成、露光及び現像することによりパターニングしてレジストパターン52”を得る方法及びその好ましい態様、ドライエッチングの方法及びその好ましい態様としては前述した方法及びその好ましい態様と同様である。
そして、図14の概略断面図に示すように、エッチング後に残存するレジストパターン
(すなわちエッチングマスク)52”を除去する。レジストパターン52”の除去の態様としては、レジストパターン52の除去について前述した方法と同様に行うことができる。
次いで、図15の概略断面図に示すように、この実施態様2において、前記第2の貫通孔122の各々の内部に第3の着色組成物を埋設させて、複数の第3の着色画素が形成されるように、第1の着色層(すなわち、複数の第1の貫通孔121の中に第2の着色パターン22が形成されてなる第1の着色パターン12)上に、第3の着色組成物による第3の着色層31を積層する工程(オ)を行う。これにより、第1の着色層11の複数の第2の貫通孔122の中に、複数の第3の着色画素を有する第3着色パターン32が形成される。
ここで、第3の着色画素は四角形状の画素となっていることが好ましいこと、第3の着色層31の形成は、既述の第1の着色層11を形成する方法と同様であること、第3の着色層31の厚みについては、実施態様1について前述したのと同様である。
次いで、前記第1の着色層11(すなわち、複数の第1の貫通孔121の中に第2の着色パターン22及び第3の着色パターン32が形成されてなる第1の着色パターン12)上に積層された第3の着色層を前記第1の着色層11が少なくとも露出するまで平坦化処理する工程(カ)を行い、除去することができる。
これにより、実施態様1と同様に、図11の概略断面図に示すように、第1の着色パターン12と、第2の着色パターン22と、第3の着色パターン32とを有するカラーフィルタ100が製造される。
上述した第2の着色組成物、及び、第3の着色組成物は、それぞれ、着色剤を含有する。着色剤としては、特に制限はないが、第2の着色画素及び第3着色画素の一方が赤色透過部であり、他方が青色透過部であることが好ましい。赤色透過部を形成するための着色組成物に含有される着色剤は、C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73、及び、C.I.Pigment Red
1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279から選択される1種以上であることが好ましく、青色透過部を形成するための着色組成物に含有される着色剤は、C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、及び、C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80から選択される1種以上であることが好ましい。
第2の着色組成物、及び、第3の着色組成物の各々において、着色剤の組成物の全固形分に対する含有量は、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。また、着色剤の組成物の全固形分に対する含有量は、通常、90質量%以下であり、80質量%以下であることが好ましい。
第1着色画素、第2着色画素及び第3着色画素における一辺の長さ(画素が長方形である場合は短辺の長さであり、画素が正方形である場合は一辺の長さを指す)は、画像解像度の観点から、0.5〜1.7μmが好ましく、0.6〜1.5μmがより好ましい。
以上に説明した本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、第1の着色層、ひいては、第1着色画素における着色剤の濃度が高いため、第1着色画素の厚みを極めて薄くできる(例えば、0.7μm以下)。
また、第1の着色パターンは、上述したように、ドライエッチングによるパターン形成時のパターンの矩形性が高く、また膜の平坦化処理におけるエッチングや化学的機械的研磨処理等の研磨処理に対し表面荒れを少なくすることができる。
<着色組成物>
本発明の着色組成物は、着色剤と樹脂とを含有する。本発明の着色組成物において、着色組成物の全固形分に対する着色剤の含有量が55質量%以上であり、かつ、前記着色組成物に含有される全種の樹脂の内、最も固形分酸価が高い樹脂の当該固形分酸価が80mgKOH/g以下である。
以下、本発明の着色組成物を構成する各成分について説明する。
[1]着色剤
本発明の着色組成物は、着色剤の少なくとも一種を含有する。着色剤は、特に限定されず、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。
顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を挙げることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、平均粒子径がなるべく小さい顔料の使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。
本発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279
C.I. Pigment Green 7,10,36,37,58
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80
C.I.Pigment Black 1
これら有機顔料は、単独若しくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。
本発明において、着色剤が染料である場合には、組成物中に均一に溶解した状態の着色組成物を得ることができる。
染料としては特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピロメテン系等の染料が使用できる。また、これらの染料の多量体を用いてもよい。
また、着色剤としては、酸性染料及び/又はその誘導体が好適に使用できる場合がある。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、及び/又は、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
以下に酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、
acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40〜45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;及びこれらの染料の誘導体が挙げられる。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料及びこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
なかでも、着色剤としては、トリアリールメタン系、アントラキノン系、アゾメチン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アンスラピリドン系ピロメテン系から選ばれる着色剤であることが好ましい。
さらに、顔料と染料を組み合わせて使用してもよい。
本発明における着色剤は、染料、若しくは、顔料であることが好ましい。とりわけ、平均粒子径(r)が、20nm≦r≦300nm、好ましくは125nm≦r≦250nm、特に好ましくは30nm≦r≦200nmを満たす顔料が望ましい。このような平均粒子径の顔料を用いることにより、高コントラスト比であり、かつ高光透過率の画素を得ることができる。ここでいう「平均粒子径」とは、顔料の一次粒子(単微結晶)が集合した二次粒子についての平均粒子径を意味する。平均一次粒子径は、SEMあるいはTEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求めることができる。
また、本発明において使用しうる顔料の二次粒子の粒子径分布(以下、単に「粒子径分布」という。)は、(平均粒子径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが望ましい。なお、本発明においては、粒子径分布は、散乱強度分布を用いて測定した。
前記した平均粒子径及び粒子径分布を有する顔料は、市販の顔料を、場合により使用される他の顔料(平均粒子径は通常、300nmを越える。)と共に、好ましくは分散剤及び溶媒と混合した顔料混合液として、例えばビーズミル、ロールミル等の粉砕機を用いて、粉砕しつつ混合・分散することにより調製することができる。このようにして得られる顔料は、通常、顔料分散液の形態をとる。
−顔料の微細化−
本発明においては、必要に応じて、微細でかつ整粒化された有機顔料を用いることができる。顔料の微細化は、顔料と水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類と共に高粘度な液状組成物を調製し、湿式粉砕装置等を使用して、応力を付加して摩砕する工程を経ることで達成される。
顔料の微細化工程に使用される水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
また、少量用いることで顔料に吸着して、廃水中に流失しない限りにおいては、水溶性は低いか、或いは、水溶性を有しない他の溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を用いてもよい。
顔料の微細化工程に使用する溶剤は、1種のみでもよく、必要に応じて2種類以上を混合して使用してもよい。
本発明において顔料の微細化工程に使用される水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。
微細化工程における水溶性無機塩の使用量は顔料の1〜50質量倍であり、多い方が摩砕効果はあるが、より好ましい量は生産性の点で1〜10質量倍である。また、水分が1%以下の無機塩類を用いることが好ましい。
微細化工程における水溶性有機溶剤の使用量は、顔料100質量部に対して50質量部から300質量部の範囲であり、好ましくは100質量部から200質量部の範囲である。
顔料の微細化工程における湿式粉砕装置の運転条件については特に制限はないが、粉砕メディアによる磨砕を効果的に進行させるため、装置がニーダーの場合の運転条件は、装置内のブレードの回転数は、10〜200rpmが好ましく、また2軸の回転比が相対的に大きいほうが摩砕効果が大きく好ましい。運転時間は乾式粉砕時間と併せて1時間〜8時間が好ましく、装置の内温は50〜150℃が好ましい。また粉砕メディアである水溶性無機塩は粉砕粒度が5〜50μmで粒子径の分布がシャープで、且つ球形が好ましい。
−顔料の調合−(色合わせ)
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。上記組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー139またはC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。また、赤色顔料と他顔料との質量比は、100:5〜100:80が好ましい。この範囲においては、400nmから500nmの光透過率を抑え、色純度の向上が図れ、且つ、十分な発色力が達成される。特に、上記質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。なお、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を1種単独で又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメント・グリーン7、36、37、58とC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー180又はC.I.ピグメント・イエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:200が好ましい。質量比上記範囲において、400〜450nmの光透過率を抑えることができ、色純度の向上が図れ、且つ、主波長が長波長寄りになることがなく、設計値どおりのNTSC目標色相近傍の色相を得ることができる。上記質量比としては100:20〜100:150の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を1種単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。特に好適な例として、C.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との混合を挙げることができる。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
本発明の着色組成物において、着色組成物の全固形分に対する着色剤の含有量は、55質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは65質量%以上である。これにより、例えば、着色組成物から得られる着色画素の厚みを極めて薄くしても
(例えば、0.6μm以下)、十分な発色を得ることができる。
また、着色組成物の全固形分に対する着色剤の含有量は、80質量%以下であることが好ましく、これにより、特に着色組成物が硬化性化合物を含有する場合、硬化を充分に進めることができ、膜としての強度低下を抑制することができる。
[2]樹脂
本発明の着色組成物は樹脂を含有する。樹脂としては、例えば、上述した着色剤を分散させる分散樹脂として機能するものや、バインダー樹脂として機能するものを挙げることができる。また、樹脂は、例えば、分散樹脂として機能するのみならず、バインダー樹脂として機能するものであっても良い。
上記したように、本発明の着色組成物に含有される全種の樹脂の内、最も固形分酸価が高い樹脂の当該固形分酸価(以下、この酸価を「樹脂の最大固形分酸価」とも言う)が80mgKOH/g以下である。これにより、着色組成物の液における着色剤の分散安定性を優れたものにでき、その結果、理由は定かではないが、基板に対するパターンの矩形性が向上し、平坦化処理によって生じる表面荒れも軽減することができる。これは、酸基が少ない樹脂を使用することにより樹脂間での水素結合の形成を抑制し、粘度の増加が抑えられるためと考えられる。なお、着色組成物に、1種の樹脂のみが含有されている場合、樹脂の最大固形分酸価は、当該1種の樹脂における酸価である。
また、樹脂の最大固形分酸価が80mgKOH/g以下であることにより、第1の着色層が、カラーフィルタの製造過程において、他の着色組成物における有機溶剤と接触した場合においても、これらの液に対して高い耐久性能を示し、着色層の色落ちの発生や複数の色が互いに重なり合うオーバーラップ領域の発生を抑制できるため、最終的に得られるカラーフィルタの性能を向上させることができる。
樹脂の最大固形分酸価は、70mgKOH/g以下であることが好ましく、60mgKOH/g以下であることがより好ましい。
樹脂の最大固形分酸価が、0mgKOH/gの場合は、本発明の範囲内であるとともに、好ましい形態であるが、樹脂の最大固形分酸価が0mgKOH/gを超える場合においては、樹脂の最大固形分酸価は、例えば、1mgKOH/g以上とされる。
樹脂の固形分酸価は、樹脂中の酸基の量を調整することにより、調整できる。
より具体的には、本発明における分散樹脂は、酸基を有する構造単位(繰り返し単位)を有していても有さなくても良いが、酸基を有する構造単位を有する場合、分散樹脂の総質量に対し1質量%〜40質量%であることが好ましく、1質量%〜30質量%であることがより好ましく、1質量%〜20質量%であることが更に好ましい。
酸基を有する構造単位の含有量が上記範囲内であることにより、分散樹脂の酸価を80mgKOH/g以下に好適に調整できる。
酸基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられる。酸基は、これらを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、分散樹脂の酸価は、例えば、分散樹脂中における酸基の平均含有量から算出することができる。また、分散樹脂を構成する酸基を含有するモノマー単位の含有量を変化させることで所望の酸価を有する樹脂を得ることができる。
分散樹脂としては、多くの種類の化合物が使用可能であるが、中でも、本発明における分散樹脂は、グラフト重合体であることが好ましい。グラフト重合体は、水素原子を除いた原子数が40〜10000の範囲であるグラフト鎖を有していることが好ましく、この場合のグラフト鎖とは、共重合体の主鎖の根元(主鎖から枝分かれしている基において主鎖に結合する原子)から、主鎖から枝分かれしている基の末端までを示す。着色組成物において、この分散樹脂は、着色剤(特に、顔料)に分散性を付与する分散樹脂であり、グラフト鎖によって分散樹脂が溶媒との親和性を有するために、着色剤の分散性、及び、経時後の分散安定性に優れる。また、着色組成物としたとき、グラフト鎖と溶媒とが良好な相互作用を示すことにより、塗布膜における膜厚の均一性がより良好なものとなる。
グラフト重合体としては、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が40から10000であることが好ましいが、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が100から500であることがより好ましく、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が150から260であることが更に好ましい。
グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が40未満では、グラフト鎖が短いため、立体反発効果が小さくなり分散性や分散安定性が低下する場合がある。一方、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が10000を超えると、グラフト鎖が長くなりすぎ、着色剤への吸着力が低下して分散性や分散安定性が低下する場合がある。
なお、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数とは、主鎖を構成する高分子鎖に結合している根元の原子から、主鎖から枝分かれしている枝ポリマーの末端までに含まれる水素原子以外の原子の数である。またグラフト重合体にグラフト鎖が2種以上含まれる場合、少なくとも1種のグラフト鎖の水素原子を除いた原子数が上記要件を満たしていればよい。
グラフト鎖のポリマー構造としては、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル構造、ポリウレタン構造、ポリウレア構造、ポリアミド構造、ポリエーテル構造などを用いることができるが、グラフト鎖と溶媒との相互作用性を向上させ、それにより分散性や分散安定性を高めるために、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル構造、ポリエーテル構造を有するグラフト鎖であることが好ましく、ポリエステル構造、ポリエーテル構造を有することがより好ましい。
グラフト重合体は、上記グラフト鎖を有する構造単位(繰り返し単位)を有することが好ましく、例えば、ポリマー構造をグラフト鎖として有するマクロモノマーを、常法に基づいて重合させることにより得ることができ、このようなマクロモノマーの構造としては、ポリマー主鎖部と反応可能な置換基を有し、かつ本発明の要件を満たすグラフト鎖を有していれば、特に限定されないが、好ましくは、反応性二重結合性基を有するマクロモノマーを好適に使用することができる。
グラフト重合体の合成に好適に用いられる市販マクロモノマーとしては、AA−6(東亞合成社製)、AA−10(東亞合成社製)、AB−6(東亞合成社製)、AS−6(東亞合成社製)、AN−6(東亞合成社製)、AW−6(東亞合成社製)、AA−714(東亞合成社製)、AY−707(東亞合成社製)、AY−714(東亞合成社製)、AK−5(東亞合成社製)、AK−30(東亞合成社製)、AK−32(東亞合成社製)、ブレンマーPP−100(日油社製)、ブレンマーPP−500(日油社製)、ブレンマーPP−800(日油社製)、ブレンマーPP−1000(日油社製)、ブレンマー55−PET−800(日油社製)、ブレンマーPME−4000(日油社製)、ブレンマーPSE−400(日油社製)、ブレンマーPSE−1300(日油社製)、ブレンマー43PAPE−600B(日油社製)、などが挙げられる。この中でも、好ましくは、AA−6(東亞合成社製)、AA−10 (東亞合成社製)、AB−6(東亞合成社製)、AS−6(東亞合成社製)、AN−6(東亞合成社製)、ブレンマーPME−4000(日油社製)などが挙げられる。
本発明に使用されるグラフト重合体は、上記グラフト鎖を有する構造単位として、少なくとも下記式(1)〜式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことが好ましく、少なくとも、下記式(1A)、下記式(2A)、下記式(3A)、下記式(3B)、及び、下記式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことがより好ましい。
式(1)〜式(4)において、X、X、X、X、及び、Xはそれぞれ独立に水素原子或いは1価の有機基を表す。合成上の制約の観点から、好ましくは水素原子、或いは炭素数1から12のアルキル基であり、水素原子或いはメチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)〜式(4)において、W、W、W、及び、Wはそれぞれ独立に酸素原子或いはNHを表し、特に酸素原子が好ましい。
式(1)〜式(4)において、Y、Y、Y、及び、Yはそれぞれ独立に2価の連結基であり、特に構造上制約されない。具体的には、下記の(Y−1)から(Y−21)の連結基などが挙げられる。下記構造でA、Bはそれぞれ、式(1)〜式(4)における左末端基、右末端基との結合を意味する。下記に示した構造のうち、合成の簡便性から、(Y−2)、(Y−13)であることがより好ましい。
式(1)〜式(4)において、Z、Z、Z、及び、Zは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基であり、置換基の構造は特に限定されないが、具体的には、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、或いはヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、或いはヘテロアリールチオエーテル基、アミノ基などが挙げられる。この中でも、特に分散性向上の観点から、立体反発効果を有することが好ましく、Z〜Zで表される1価の置換基としては、各々独立に炭素数5〜24のアルキル基又は炭素数5〜24のアルコキシ基が好ましく、その中でも、特に各々独立に炭素数5〜24の分岐アルキル基を有するアルコキシ基或いは炭素数5〜24の環状アルキル基を有するアルコキシ基が好ましい。また、Zで表される1価の置換基としては、炭素数5〜24のアルキル基が好ましく、その中でも、各々独立に炭素数5〜24の分岐アルキル基或いは炭素数5〜24の環状アルキル基が好ましい。
式(1)〜式(4)において、n、m、p、及び、qはそれぞれ1から500の整数である。
式(1)及び式(2)において、j及びkは、それぞれ独立に、2〜8の整数を表す。式(1)及び式(2)におけるj及びkは、分散安定性の観点から、4〜6の整数が好ましく、5が最も好ましい。
式(3)中、R’は、分岐若しくは直鎖のアルキレン基を表す。式(3)中のR’は、炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることがより好ましい。
また、式(3)中のR’としては分散樹脂中に構造の異なるR’を2種以上混合して用いても良い。
式(4)中、Rは水素原子又は1価の有機基を表し、特に構造上限定はされないが、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基である。該Rがアルキル基である場合、該アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐状アルキル基、又は炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が特に好ましい。
また、式(4)中のRとしては分散樹脂中に構造の異なるRを2種以上混合して用いても良い。
前記式(1)で表される構造単位としては、分散安定性の観点から、下記式(1A)又は(2A)で表される構造単位であることがより好ましい。
式(1A)中、X、Y、Z及びnは、式(1)におけるX、Y、Z及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(2A)中、X、Y、Z及びmは、式(2)におけるX、Y、Z及びmと同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、前記式(3)で表される構造単位としては、分散安定性の観点から、下記式(3A)又は下記式(3B)で表される構造単位であることがより好ましい。
式(3A)又は(3B)中、X、Y、Z及びpは、前記式(3)におけるX、Y、Z及びpと同義であり、好ましい範囲も同様である。
グラフト重合体としては、前記式(1A)で表される構造単位を有するものであることが更に好ましい。
本発明に使用されるグラフト重合体において、上記グラフト鎖を有する構造単位(繰り返し単位)は、質量換算で、分散樹脂の総質量に対し10%〜75%の範囲で含むことが好ましく、12%〜50%の範囲で含むことがより好ましく、15%〜40%の範囲で含むことが特に好ましい。この範囲内であると着色剤の分散性や分散安定性が高く、着色組成物を用いた形成した塗布膜における膜厚の均一性が更に良好になる。また、本発明に使用される分散樹脂としては、2種以上の構造が異なるグラフト重合体の組み合わせであってもよい。
また、本発明における分散樹脂は、強度などの諸性能を向上する目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に種々の機能を有する他の構造単位、例えば、分散物に用いられる分散媒との親和性を有する官能基、などを有する構造単位を共重合成分に由来する構造単位として含むことができる。
本発明に係る分散樹脂に共重合可能な共重合成分としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類、アクリロニトリル類、メタクリロニトリル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類などから選ばれるラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、アルキルアクリレート(該アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましい)等のアクリル酸エステル類、(具体的には、例えば、ベンジルアクリレート、4−ビフェニルアクリレート、ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、4−t−ブチルフェニルアクリレート、4−クロロフェニルアクリレート、ペンタクロロフェニルアクリレート、4−シアノベンジルアクリレート、シアノメチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソプロピルアクリレート、メチルアクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、オクチルアクリレート、フェネチルアクリレート、フェニルアクリレート、プロピルアクリレート、トリルアクリレート、アミルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパギルアクリレートなど)、
アルキルメタクリレート(該アルキル基の炭素原子は1〜20のものが好ましい)等のメタクリル酸エステル類(例えば、ベンジルメタクリレート、4−ビフェニルメタクリレート、ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、4−t−ブチルフェニルメタクリレート、4−クロロフェニルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、4−シアノフェニルメタクリレート、シアノメチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、メチルメタクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、フェネチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、プロピルメタクリレート、トリルメタクリレート、アミルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパギルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノメタクリレートなど)、
スチレン、アルキルスチレン等のスチレン類(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロへキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えばメトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えばクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレンなど)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
これらラジカル重合性化合物のうち、好適に使用されるのは、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、スチレン類であり、特に好適に使用されるのは、ベンジルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、4−t−ブチルフェニルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、4−シアノフェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、メチルメタクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、
アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、モルホリルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ナフチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−アリルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、2−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジイソプロピルアクリルアミド、N、N−ジ−t−ブチルアクリルアミド、N、N−ジシクロヘキシルアクリルアミド、N、N−フェニルアクリルアミド、N、N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド、N、N−ジアリルアクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、モルホリルメタクリルアミド、ピペリジルメタクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ナフチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−アリルメタクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、2−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、N、N−ジメチルメタクリルアミド、N、N−ジイソプロピルメタクリルアミド、N、N−ジ−t−ブチルメタクリルアミド、N、N−ジシクロヘキシルメタクリルアミド、N、N−フェニルメタクリルアミド、N、N−ジヒドロキシエチルメタクリルアミド、N、N−ジアリルメタクリルアミド、
スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、シクロへキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレンである。
これらのラジカル重合性化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。分散樹脂は、上記のラジカル重合性化合物を含有してもしなくても良いが、含有する場合、これらのラジカル重合性化合物に対応する構造単位の含有量は、分散樹脂の総質量に対し0.1質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは、0.1質量%以上30質量%以下である。
本発明における分散樹脂は、従来公知の方法により合成することができる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合してもよい。
本発明における分散樹脂の好ましい具体例としては、以下の例示化合物1〜32が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。下記例示化合物中、各構造単位に併記される数値(主鎖繰り返し単位に併記される数値)は、当該構造単位の含有量〔質量%:(wt%)と記載〕を表す。側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、当該繰り返し部位の繰り返し数を示す。
また、分散樹脂が、pKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位と、側鎖に原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有し、かつ塩基性窒素原子を含有する樹脂(B1)である形態も好ましい。ただし、樹脂(B1)の固形分酸価は80mgKOH/g以下である。
ここで、塩基性窒素原子とは、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はないが、樹脂(B1)がpKb14以下の窒素原子を有する構造を含有することが好ましく、pKb10以下の窒素原子を有する構造を含有することがより好ましい。
本発明において塩基強度pKbとは、水温25℃でのpKbをいい、塩基の強さを定量的に表すための指標のひとつであり、塩基性度定数と同義である。塩基強度pKbと、後述の酸強度pKaとは、pKb=14−pKaの関係にある。
pKa14以下の官能基を有する基Xについては、樹脂(B)について後述する基Xと同義である。
樹脂(B1)が側鎖に有する原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとしても、樹脂(B)について後述する原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yと同義である。
樹脂(B1)としては、下記式で表されるpKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位、下記式で表される塩基性窒素原子を有する繰り返し単位、及び下記式で表される原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを有する繰り返し単位(下記繰り返し単位の構造の左から順に対応する。)を含有する樹脂などが挙げられる。
上記式中、x、y、及びzはそれぞれ繰り返し単位の重合モル比を示し、xは5〜50、yは5〜60、zは10〜90であることがこのましい。lはポリエステル鎖の連結数を示し、原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を形成し得る整数であり、70〜2000であることが好ましい。
前記樹脂(B1)は、前記pKa14以下の官能基を有する基Xが結合する窒素原子を含有する繰り返し単位と、側鎖に原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有する樹脂(B2)であることが好ましい。
前記樹脂(B1)は、(B)(i)ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の、窒素原子を含有する繰り返し単位であって、前記窒素原子に結合し、かつpKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位と、側鎖に(ii)原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有する樹脂
(B)(以下、適宜、「特定樹脂」と称する)であることが特に好ましい。
((i)ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位)
特定樹脂は、ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位(i)を有する。これにより、着色剤表面への吸着力が向上し、且つ着色剤分子間の相互作用が低減できる。
ポリ(低級アルキレンイミン)は鎖状であっても網目状であってもよい。
ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位(i)を重合して得られる主鎖の数平均分子量、すなわち、樹脂(B)から側鎖の前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Y部分を除いた部分の数平均分子量は、100〜10,000が好ましく、200〜5,000がさらに好ましく、300〜2,000が最も好ましい。主鎖部の数平均分子量は、核磁気共鳴分光法で測定した末端基と主鎖部の水素原子積分値の比率から求めるか、原料であるアミノ基を含有するオリゴマー又はポリマーの分子量の測定により求めることができる。
窒素原子を含有する繰り返し単位(i)としては、特にポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、又はポリアリルアミン系繰り返し単位であることが好ましい。なお、本発明において、ポリ(低級アルキレンイミン)における低級とは炭素数が1〜5であることを示し、低級アルキレンイミンとは炭素数1〜5のアルキレンイミンを表す。この構造を明示すれば、特定樹脂は、一般式(I−1)で表される繰り返し単位及び一般式(I−2)で表される繰り返し単位を有する構造、或いは、一般式(II−1)で表される繰り返し単位及び一般式(II−2)で表される繰り返し単位を有する構造を含むことが好ましい。
(一般式(I−1)で表される繰り返し単位及び一般式(I−2)で表される繰り返し単位)
特定樹脂の好ましい構成成分である一般式(I−1)で表される繰り返し単位及び一般式(I−2)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
上記一般式(I−1)及び(I−2)中、
及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。aは、各々独立に、1〜5の整数を表す。*は繰り返し単位間の連結部を表す。
XはpKa14以下の官能基を有する基を表す。
Yは原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
特定樹脂は、一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される繰り返し単位に加えて、さらに一般式(I−3)で表される繰り返し単位を共重合成分として有することが好ましい。このような繰り返し単位を併用することで、この樹脂を着色剤の分散剤として用いたときにさらに分散性能が向上する。
上記一般式(I−3)中、
、R及びaは一般式(I−1)と同義である。
Y’はアニオン基を有する原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
上記一般式(I−3)で表される繰り返し単位は、主鎖部に一級又は二級アミノ基を有する樹脂に、アミンと反応して塩を形成する基を有するオリゴマー又はポリマーを添加して反応させることで形成することが可能である。
一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)において、R及びRは特に水素原子であることが好ましい。aは2であることが原料入手の観点から好ましい。
特定樹脂は、一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)で表される繰り返し単位以外に、低級アルキレンイミンを繰り返し単位として含んでいてもよい。前述と同様に、低級アルキレンイミンとは、炭素数1〜5のアルキレンイミンを表す。特定樹脂は、そのような低級アルキレンイミン繰り返し単位を含有していても、含有していなくてもよいが、含有する場合、低級アルキレンイミン繰り返し単位は、特定樹脂に含まれる全繰り返し単位中、1〜70モル%含有することが好ましく、3〜50モル%含有することが最も好ましい。なお、そのような低級アルキレンイミン繰り返し単位における窒素原子には、さらに、前記X、Y又はY’で示される基が結合していてもよい。このような主鎖構造に、Xで示される基が結合した繰り返し単位とYが結合した繰り返し単位の双方を含む樹脂もまた、特定樹脂に包含される。
一般式(I−1)で表される繰り返し単位は、pKa14以下の官能基を有する基Xが結合する窒素原子を含有する繰り返し単位であり、このような窒素原子を含有する繰り返し単位は、保存安定性の観点から、本発明の樹脂に含まれる全繰り返し単位中、1〜80モル%含有することが好ましく、3〜50モル%含有することが最も好ましい。
一般式(I−2)で表される繰り返し単位は、原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を有する繰り返し単位であり、このような繰り返し単位は、保存安定性の観点から、本発明の樹脂の全繰り返し単位中、10〜90モル%含有することが好ましく、30〜70モル%含有することが最も好ましい。
両者の含有比について検討するに、分散安定性及び親疎水性のバランスの観点からは、繰り返し単位(I−1):(I−2)はモル比で10:1〜1:100の範囲であることが好ましく、1:1〜1:99の範囲であることがより好ましい。
なお、所望により併用される一般式(I−3)で表される繰り返し単位は原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を含む部分構造が、主鎖の窒素原子にイオン的に結合しているものであり、本発明の樹脂の全繰り返し単位中、効果の観点からは、0.5〜20モル%含有することが好ましく、1〜10モル%含有することが最も好ましい。
なお、ポリマー鎖Yがイオン的に結合していることは、赤外分光法や塩基滴定により確認できる。
(一般式(II−1)で表される繰り返し単位及び(II−2)で表される繰り返し単位)
特定樹脂の他の好ましい構成成分である一般式(II−1)で表される繰り返し単位及び一般式(II−2)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
一般式(II−1)及び(II−2)中、
、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基を表す。*、X及びYは一般式(I−1)及び(I−2)中の*、X及びYと同義である。
本発明の樹脂は、一般式(II−1)で表される繰り返し単位、一般式(II−2)で表される繰り返し単位に加えて、さらに一般式(II−3)で表される繰り返し単位を共重合成分として含むことが好ましい。このような繰り返し単位を併用することで、この樹脂を着色剤の分散剤として用いたときにさらに分散性能が向上する。
一般式(II−3)中、*、R、R、R及びRは一般式(II−1)と同義である。Y’は一般式(I−3)中のY’と同義である。
一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)において、R、R、R及びRは水素原子であることが原料の入手性の観点から好ましい。
一般式(II−1)はpKa14以下の官能基を有する基Xが結合する窒素原子を含有する繰り返し単位であり、このような窒素原子を含有する繰り返し単位は、保存安定性の観点から、本発明の樹脂に含まれる全繰り返し単位中、1〜80モル%含有することが好ましく、3〜50モル%含有することが最も好ましい。
一般式(II−2)は原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを有する繰り返し単位であり、このような繰り返し単位は、保存安定性の観点から、本発明の樹脂の全繰り返し単位中、10〜90モル%含有することが好ましく、30〜70モル%含有することが最も好ましい。
両者の含有比について検討するに、分散安定性及び親疎水性のバランスの観点からは、繰り返し単位(II−1):(II−2)はモル比で10:1〜1:100の範囲であることが好ましく、1:1〜1:99の範囲であることがより好ましい。
所望により併用される一般式(II−3)で表される繰り返し単位は本発明の樹脂の全繰り返し単位中、0.5〜20モル%含有することが好ましく、1〜10モル%含有することが最も好ましい。
特定樹脂においては、分散性の観点から、特に一般式(I−1)で表される繰り返し単位と一般式(I−2)で表される繰り返し単位の双方を含むことが最も好ましい。
<pKa14以下の官能基を有する基X>
Xは水温25℃でのpKaが14以下の官能基を有する。ここでいう「pKa」とは、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載されている定義のものである。
「pKa14以下の官能基」は、物性がこの条件を満たすものであれば、その構造などは特に限定されず、公知の官能基でpKaが上記範囲を満たすものが挙げられるが、特にpKaが12以下である官能基が好ましく、pKaが11以下である官能基が最も好ましい。具体的には、例えば、カルボン酸(pKa 3〜5程度)、スルホン酸(pKa −3〜−2程度)、−COCHCO−(pKa 8〜10程度)、−COCHCN(pKa 8〜11程度)、−CONHCO−、フェノール性水酸基、−RCHOH又は−(RCHOH(Rはペルフルオロアルキル基を表す。pKa 9〜11程度)、スルホンアミド基(pKa 9〜11程度)等が挙げられ、特にカルボン酸(pKa 3〜5程度)、スルホン酸(pKa −3〜−2程度)、−COCHCO−(pKa 8〜10程度)が好ましい。
前記基Xが有する官能基のpKaが14以下であることにより、着色剤との相互作用を達成することができる。
このpKa14以下の官能基を有する基Xは、前記窒素原子を含有する繰り返し単位における窒素原子に直接結合することが好ましいが、前記窒素原子を含有する繰り返し単位の窒素原子とXとは、共有結合のみならず、イオン結合して塩を形成する態様で連結していてもよい。
本発明におけるpKa14以下の官能基を含有する基Xとしては、特に一般式(V−1)、一般式(V−2)又は一般式(V−3)で表される構造を有するものが好ましい。
上記一般式(V−1)、一般式(V−2)中、
Uは単結合又は2価の連結基を表す。
d及びeは、それぞれ独立して0又は1を表す。
上記一般式(V−3)中、Qはアシル基又はアルコキシカルボニル基を表す。
Uで表される2価の連結基としては、例えば、アルキレン(より具体的には、例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHMe−、−(CH−、−CHCH
(n−C1021)−等)、酸素を含有するアルキレン(より具体的には、例えば、−CHOCH−、−CHCHOCHCH−等)、アリーレン基(例えば、フェニレン、トリレン、ビフェニレン、ナフチレン、フラニレン、ピロリレン等)、アルキレンオキシ(例えば、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、フェニレンオキシ等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基)等が挙げられるが、特に炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30アルケニレン基又は炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、炭素数1〜20のアルキレン、炭素数2〜20アルケニレン基又は炭素数6〜15のアリーレン基が最も好ましい。また、生産性の観点から、dは1が好ましく、また、eは0が好ましい。
Qはアシル基又はアルコキシカルボニル基を表す。Qにおけるアシル基としては、炭素数1〜30のアシル基(例えば、ホルミル、アセチル、n−プロパノイル、ベンゾイル等)が好ましく、特にアセチルが好ましい。Qにおけるアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基等)が好ましい。Qは、特にアシル基が好ましく、アセチル基が製造のし易さ、原料(Xの前駆体X’)の入手性の観点から好ましい。
本発明における基Xは、窒素原子を含有する繰り返し単位の前記窒素原子と結合していることが好ましい。これにより、着色剤の分散性・分散安定性が飛躍的に向上する。この理由は不明であるが、次のように考えている。すなわち、窒素原子を含有する繰り返し単位の前記窒素原子はアミノ基、アンモニウム基又はアミド基の構造で存在しており、これらは着色剤表面の酸性部と水素結合・イオン結合等の相互作用をして吸着していると考えられる。さらに、本発明におけるXは酸基として機能するため、着色剤が塩基性を呈する場合、より強い相互作用することができる。つまり、特定樹脂は、前記窒素原子と基Xとで、前記着色剤の塩基性部と酸性部の双方を吸着することができるため、吸着能が高まり、分散性・保存安定性が飛躍的に向上するものと考えられる。
また、本発明におけるXは溶剤溶解性をも付与し、経時における樹脂の析出を抑え、これにより分散安定性に寄与すると考えられる。
XにおけるpKa14以下の官能基の含有量は特に制限がないが、特定樹脂1gに対し、0.01〜5mmolであることが好ましく、0.05〜1mmolであることが最も好ましい。この範囲において、着色剤の分散性、分散安定性が向上する。
(原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Y)
Yとしては、特定樹脂の主鎖部と連結できるポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の公知のポリマー鎖が挙げられる。Yの特定樹脂との結合部位は、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの末端であることが好ましい。
Yは、ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位の前記窒素原子と結合していることが好ましい。ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位などの主鎖部とYとの結合様式は、共有結合、イオン結合、又は、共有結合及びイオン結合の混合である。Yと前記主鎖部の結合様式の比率は、共有結合:イオン結合=100:0〜0:100であるが、95:5〜5:95が好ましく、90:10〜10:90が最も好ましい。この範囲外であると、分散性・分散安定性が悪化し、且つ溶剤溶解性が低くなる。
Yは、前記窒素原子を含有する繰り返し単位の前記窒素原子とアミド結合、又はカルボン酸塩としてイオン結合していることが好ましい。
前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの原子数としては、分散性・分散安定性の観点から、50〜5,000であることが好ましく、60〜3,000であることがより好ましい。
前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Y1本あたりの原子数が40未満では、グラフト鎖が短いため、立体反発効果が小さくなり分散性が低下する場合がある。一方、前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Y1本あたりの原子数が10000を超えると、前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yが長くなりすぎ、着色剤への吸着力が低下して分散性が低下する場合がある。
また、Yの数平均分子量はGPC法によるポリスチレン換算値により測定することができる。Yの数平均分子量は、特に1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000が分散性・分散安定性の観点から最も好ましい。
Yで示される側鎖構造は、主鎖連鎖に対し、樹脂1分子中に、2つ以上連結していることが好ましく、5つ以上連結していることが最も好ましい。
特に、Yは一般式(III−1)で表される構造を有するものが好ましい。
一般式(III−1)中、Zはポリエステル鎖を部分構造として有するポリマー又はオリゴマーであり、下記一般式(IV)で表される遊離のカルボン酸を有するポリエステルからカルボキシル基を除いた残基を表す。
一般式(IV)中、Zは一般式(III−1)中のZと同義である。
特定樹脂が一般式(I−3)又は(II−3)で表される繰り返し単位を含有する場合、Y’が一般式(III−2)であることが好ましい。
一般式(III−2)中、Zは一般式(III−1)のZと同義である。
片末端にカルボキシル基を有するポリエステル(一般式(IV)で表わされるポリエステル)は、(IV−1)カルボン酸とラクトンの重縮合、(IV−2)ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合、(IV−3)二価アルコールと二価カルボン酸(もしくは環状酸無水物)の重縮合などにより得ることができる。
(IV−1)カルボン酸とラクトンの重縮合反応において用いるカルボン酸は、脂肪族カルボン酸(炭素数1〜30の直鎖又は分岐のカルボン酸が好ましく、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、n−ヘキサン酸、n−オクタン酸、n−デカン酸、n−ドデカン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン酸等)、ヒドロキシ基含有カルボン酸(炭素数1〜30の直鎖又は分岐のヒドロキシ基含有カルボン酸が好ましく、例えば、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシドデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、2,2−ビス(ヒロドキシメチル)酪酸等)が挙げられるが、特に、炭素数6〜20の直鎖脂肪族カルボン酸又は炭素数1〜20のヒドロキシ基含有カルボン酸が好ましい。これらカルボン酸は混合して用いても良い。ラクトンは、公知のラクトンを用いることができ、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−カプロラクトン、δ−ドデカノラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等を挙げることができ、特にε−カプロラクトンが反応性・入手性の観点から好ましい。
これらラクトンは複数種を混合して用いても良い。
カルボン酸とラクトンの反応時の仕込みモル比率は、目的のポリエステル鎖の分子量によるため一義的に決定できないが、カルボン酸:ラクトン=1:1〜1:1,000が好ましく、1:3〜1:500が最も好ましい。
(IV−2)ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合におけるヒドロキシ基含有カルボン酸は、前記(IV−1)におけるヒドロキシ基含有カルボン酸と同様であり、好ましい範囲も同様である。
(IV−3)二価アルコールと二価カルボン酸(もしくは環状酸無水物)の重縮合反応における二価アルコールとしては、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール(炭素数2〜30のジオールが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等)が挙げられ、特に炭素数2〜20の脂肪族ジオールが好ましい。
二価カルボン酸としては、直鎖又は分岐の二価の脂肪族カルボン酸(炭素数1〜30の二価の脂肪族カルボン酸が好ましく、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、グルタル酸、スベリン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸等)が挙げられ、特に炭素数3〜20の二価カルボン酸が好ましい。また、これら二価カルボン酸と等価な酸無水物(例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸等)を用いてもよい。
二価カルボン酸と二価アルコールは、モル比で1:1で仕込むことが好ましい。これにより、末端にカルボン酸を導入することが可能となる。
ポリエステル製造時の重縮合は、触媒を添加して行うことが好ましい。触媒としては、ルイス酸として機能する触媒が好ましく、例えばTi化合物(例えば、Ti(OBu)、Ti(O−Pr)等)、Sn化合物(例えば、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズラウレート、モノブチルスズヒドロキシブチルオキシド、塩化第二スズ等)、プロトン酸(例えば、硫酸、パラトルエンスルホン酸等)等が挙げられる。触媒量は、全モノマーのモル数に対し、0.01〜10モル%が好ましく、0.1〜5モル%が最も好ましい。反応温度は、80〜250℃が好ましく、100〜180℃が最も好ましい。反応時間は、反応条件により異なるが、概ね1〜24時間である。
ポリエステルの数平均分子量はGPC法によるポリスチレン換算値として測定することができる。ポリエステルの数平均分子量は、1,000〜1,000,000であるが、2,000〜100,000が好ましく、3,000〜50,000が最も好ましい。分子量がこの範囲にある場合、分散性がより良好となる。
Yにおけるポリマー鎖を形成するポリエステル部分構造は、特に、(IV−1)カルボン酸とラクトンの重縮合、及び、(IV−2)ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合、により得られるポリエステルであることが、製造容易性の観点から好ましい。
特定樹脂の具体的態様〔(A−1)〜(A−61)〕を、樹脂が有する繰り返し単位の具体的構造とその組合せにより以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。下記式中、k、l、m、及びnはそれぞれ繰り返し単位の重合モル比を示し、kは1〜80、lは10〜90、mは0〜80、nは0〜70であり、且つk+l+m+n=100である。p及びqはポリエステル鎖の連結数を示し、それぞれ独立に5〜100,000を表す。R’は水素原子又はアルキルカルボニル基を表す。
特定樹脂を合成するには、(1)一級又は二級アミノ基を有する樹脂と、Xの前駆体x、及びYの前駆体yとを反応させる方法、(2)Xを含有するモノマーとYを含有するマクロモノマーとの重合による方法などにより製造することが可能であるが、まず、一級又は二級アミノ基を主鎖に有する樹脂を合成し、その後、該樹脂に、Xの前駆体x及びYの先駆体yを反応させて、主鎖に存在する窒素原子に高分子反応により導入することで製造することが好ましい。
一級又は二級アミノ基を有する樹脂としては、窒素原子を有する主鎖部を構成する1級又は2級アミノ基を含有するオリゴマー又はポリマーが挙げられ、例えば、ポリ(低級アルキレンイミン)、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物、ポリビニルアミン等が挙げられる。これらのうち、ポリ(低級アルキレンイミン)、又は、ポリアリルアミンから構成されるオリゴマー又はポリマーが好ましい。
pKa14以下の官能基を有する基Xの前駆体xとは、前記一級又は二級アミノ基を有する樹脂と反応し、主鎖にXを導入することのできる化合物を表す。
xの例としては、環状カルボン酸無水物(炭素数4〜30の環状カルボン酸無水物が好ましく、例えば、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、イタコン酸無水物、マレイン酸無水物、アリルコハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、n−オクチルコハク酸無水物、n−デシルコハク酸無水物、n−ドデシルコハク酸無水物、n−テトラデシルコハク酸無水物、n−ドコセニルコハク酸無水物、(2−ヘキセン−1−イル)コハク酸無水物、(2−メチルプロペン−1−イル)コハク酸無水物、(2−ドデセン−1−イル)コハク酸無水物、n−オクテニルコハク酸無水物、(2,7−オクタンジエン−1−イル)コハク酸無水物、アセチルリンゴ酸無水物、ジアセチル酒石酸無水物、ヘット酸無水物、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3又は4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラフルオロコハク酸無水物、3又は4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、フタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、ナフタル酸無水物、ナフタル酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンカルボン酸二無水物等)、ハロゲン原子含有カルボン酸(例えば、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、4−クロロ−n−酪酸等)、スルトン(例えば、プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン等)、ジケテン、環状スルホカルボン酸無水物(例えば、2−スルホ安息香酸無水物等)、−COCHCOClを含有する化合物(例えば、エチルマロニルクロリド等)、又はシアノ酢酸クロリド等が挙げられ、特に環状カルボン酸無水物、スルトン、ジケテンが、生産性の観点から好ましい。
原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの前駆体yとは、前記一級又は二級アミノ基を有する樹脂と反応し、前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを導入することのできる化合物を表す。
yは、特定樹脂の窒素原子と共有結合又はイオン結合できる基を末端に有する原子数40〜10,000のオリゴマー又はポリマーが好ましく、特に、片末端に遊離のカルボキシル基を有する原子数40〜10,000のオリゴマー又はポリマーが最も好ましい。
yの例としては、一般式(IV)で表される片末端に遊離のカルボン酸を有するポリエステル、片末端に遊離のカルボン酸を有するポリアミド、片末端に遊離のカルボン酸を有するポリ(メタ)アクリル酸系樹脂等が挙げられるが、特に、一般式(IV)で表される片末端に遊離のカルボン酸を含有するポリエステルが最も好ましい。
yは公知の方法で合成することができ、例えば、一般式(IV)で表される片末端に遊離のカルボン酸を含有するポリエステルは、前記の通り、(IV−1)カルボン酸とラクトンの重縮合、(IV−2)ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合、(IV−3)二価アルコールと二価カルボン酸(もしくは環状酸無水物)の重縮合より製造する方法が挙げられる。片末端に遊離のカルボン酸を含有するポリアミドは、アミノ基含有カルボン酸(例えば、グリシン、アラニン、β−アラニン、2−アミノ酪酸等)の自己縮合等により製造することができる。片末端に遊離のカルボン酸を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルはカルボキシル基含有連鎖移動剤(例えば、3−メルカプトプロピオン酸等)の存在下、
(メタ)アクリル酸系モノマーをラジカル重合することにより製造することができる。
特定樹脂は、(a)一級又は二級アミノ基を有する樹脂とx、yを同時に反応させる方法、(b)一級又は二級アミノ基を有する樹脂とxを反応させた後、yと反応させる方法、(c)一級又は二級アミノ基を有する樹脂とyを反応させた後、xと反応させる方法、により製造することができる。特に、(c)一級又は二級アミノ基を有する樹脂とyを反応させた後、xと反応させる方法が好ましい。
反応温度は、条件により適宜選択できるが、20〜200℃が好ましく、40〜150℃が最も好ましい。反応時間は、1〜48時間が好ましく、1〜24時間が生産性の観点からさらに好ましい。
反応は溶媒存在下で行っても良い。溶媒としては、水、スルホキシド化合物(例えば、ジメチルスルホキシド等)、ケトン化合物(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル化合物(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート等)、エーテル化合物(例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素化合物(例えば、ペンタン、ヘキサン等)、芳香族炭化水素化合物(例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等)、二トリル化合物(例えば、アセトニトリル、プロピオンニトリル等)、アミド化合物(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、カルボン酸化合物(例えば、酢酸、プロピオン酸等)、アルコール化合物(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、3−メチルブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等)、ハロゲン系溶媒(例えば、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)が挙げられる。
溶媒を用いる場合、基質に対し、0.1〜100質量倍用いることが好ましく、0.5〜10質量倍用いることが最も好ましい。
特定樹脂は、再沈法で精製してもよい。再沈法で、低分子量成分を除去することにより、得られた特定樹脂を分散剤として使用した場合の分散性能が向上する。再沈には、ヘキサン等の炭化水素計溶媒、メタノールなどのアルコール系溶媒を用いることが好ましい。
以下に、本発明の特定樹脂の具体例をその分子量とともに記載する。R’はアルキル基を表す。
本発明における着色組成物には、上述のように、分散樹脂以外にも更に樹脂(以下、単に追添樹脂ということもある)を含有していてもよい。
上述のエッチング後に残存するレジストパターン(すなわちエッチングマスク)を除去する工程(以下、単にリンス工程ともいう)を行う場合、ドライエッチング後の前記リンス工程に使用する溶剤に対する耐性の観点から、前記着色組成物は、有機溶剤に対する溶解性が小さいことが好ましい。
一方、ベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位は有機溶剤溶解性が高く、ベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含有する追添樹脂は、有機溶剤に対する溶解性が高くなる傾向にある。
この観点から、前記着色組成物に追添樹脂を含有させる場合、ベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含有する追添樹脂の含有割合が、分散剤樹脂を含めた全樹脂の質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
また、追添樹脂におけるベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位の含有量は、追添樹脂の全繰り返し単位に対し、15モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましく、8モル%以下であることが更に好ましい。
なお、ベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含有する樹脂などの有機溶剤に対する溶解性の高い樹脂をすべて分散剤樹脂として使用する場合は、その他の(有機溶剤溶解性の低い)分散剤樹脂と比べても有機溶剤に対する耐性は、理由は定かではないが、ほとんど変わらず影響がない。
追添樹脂のうち、バインダー樹脂としては、顔料分散液調製時に添加する場合が多く、アルカリ可溶性を必要とせず、有機溶剤に可溶であればよい。
バインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶であるものも好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特公昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
これら各種バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、例えばベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸、ベンジルメタアクリレート/ベンジルメタアクリルアミドのような各共重合体、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
これらのバインダー中に既述の着色剤を高濃度に分散させることで、下層等との密着性を付与でき、これらはスピンコート、スリットコート(着色層形成)時の塗布面状にも寄与している。
本発明における樹脂の重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、5,000以上300,000以下であることが好ましく、7,000以上100,000以下であることがより好ましく、10,000以上50,000以下であることが特に好ましい。
本発明の着色組成物において、樹脂は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、樹脂としては、後述する硬化性化合物が高分子化合物であるものや、後述する界面活性剤が高分子化合物であるものも挙げることができる。
本発明の着色組成物の全固形分に対する樹脂の含有量は、10〜50質量%の範囲が好ましく、11〜40質量%の範囲がより好ましく、12〜30質量%の範囲が更に好ましい。
[3]硬化性化合物
本発明の着色組成物は、硬化性化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。
硬化性化合物は、加熱により膜硬化が行なえるものであることが好ましく、例えば、熱硬化性官能基を有する化合物を用いることができる。このような熱硬化性化合物は、熱硬化性官能基として例えば、エポキシ基、メチロール基、アルコキシメチル基、アシルオキシメチル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、ビニル基、及びメルカプト基から選ばれる少なくとも1つの基を有するものが好ましい。熱硬化性化合物としては、熱硬化性官能基を2つ以上で有するものがより好ましい。
更に好ましくは、エポキシ樹脂、アルコキシメチル化、アシルオキシメチル化メラミン化合物あるいは樹脂、アルコキシメチル化、アシルオキシメチル化ウレア化合物あるいは樹脂、ヒドロキシメチル化又はアルコキシメチル化フェノール化合物あるいは樹脂、及びアルコキシメチルエーテル化フェノール化合物あるいは樹脂等が挙げられる。
特に好ましい硬化性化合物としては、分子量が1200以下、分子内にベンゼン環を3〜5個含み、更にヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、そのヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基を少なくともいずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合してなるフェノール誘導体を挙げることができる。このようなフェノール誘導体を用いることにより、本発明の効果をより顕著にすることができる。ベンゼン環に結合するアルコキシメチル基としては、炭素数6個以下のものが好ましい。具体的にはメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、i−ブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基が好ましい。更に、2−メトキシエトキシ基及び、2−メトキシ−1−プロポキシ基の様に、アルコキシ置換されたアルコキシ基も好ましい。
硬化性化合物は、分子内にベンゼン環を有するフェノール化合物であることが好ましく、分子内にベンゼン環を2個以上有するフェノール化合物であることがより好ましく、また、窒素原子を含まないフェノール化合物であることが好ましい。
硬化性化合物は、熱硬化性官能基を1分子あたり2〜8個有するフェノール化合物であることが好ましく、熱硬化性官能基を3〜6個有することがより好ましい。
これらのフェノール誘導体の内、特に好ましいものを以下に挙げる。式中、L〜Lはアルコキシメチル基等の熱硬化性官能基を示し、同じであっても異なっていてもよく、熱硬化性官能基としては好ましくはヒドロキシメチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を示す。
硬化性化合物は、市販されているものを用いることもでき、また公知の方法で合成することもできる。例えば、ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物(上記式においてL〜Lが水素原子である化合物)とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を60℃以下で行うことが好ましい。具体的には、特開平6−282067号、特開平7−64285号等に記載されている方法にて合成することができる。
アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を100℃以下で行うことが好ましい。具体的には、EP632003A1等に記載されている方法にて合成することができる。このようにして合成されたヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、保存時の安定性の点で好ましいが、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は保存時の安定性の観点から特に好ましい。ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、いずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合してなるこのようなフェノール誘導体は、単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また硬化性化合物としては、以下の(i)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物、及び(ii)エポキシ化合物も挙げることができる。
(i)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物としては、下記一般式(CLNM−1)で表される部分構造を2個以上(より好ましくは2〜8個)有する化合物が好ましい。
一般式(CLNM−1)に於いて、RNM1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はオキソアルキル基を表す。
一般式(CLNM−1)に於ける、RNM1のアルキル基は、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましい。RNM1のシクロアルキル基は、炭素数5〜6のシクロアルキル基が好ましい。RNM1のオキソアルキル基は、炭素数3〜6のオキソアルキル基が好ましく、例えば、β‐オキソプロピル基、β‐オキソブチル基、β‐オキソペンチル基、β‐オキソへキシル基等を挙げることができる。
一般式(CLNM−1)で表される部分構造を2個以上有する化合物のより好ましい態様として、下記一般式(CLNM−2)で表されるウレア系架橋剤、下記一般式(CLNM−3)で表されるアルキレンウレア系架橋剤、下記一般式(CLNM−4)で表されるグリコールウリル系架橋剤、下記一般式(CLNM−5)で表されるメラミン系架橋剤が挙げられる。
一般式(CLNM−2)に於いて、RNM1は、各々独立に、一般式(CLNM−1)に於ける、RNM1と同様のものである。RNM2は、各々独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、又はシクロアルキル基(炭素数5〜6が好ましい)を表す。
一般式(CLNM−2)で表されるウレア系架橋剤の具体例としては、例えば、N,N−ジ(メトキシメチル)ウレア、N,N−ジ(エトキシメチル)ウレア、N,N−ジ(プロポキシメチル)ウレア、N,N−ジ(イソプロポキシメチル)ウレア、N,N−ジ(ブトキシメチル)ウレア、N,N−ジ(t−ブトキシメチル)ウレア、N,N−ジ(シクロヘキシルオキシメチル)ウレア、N,N−ジ(シクロペンチルオキシメチル)ウレア、N,N−ジ(アダマンチルオキシメチル)ウレア、N,N−ジ(ノルボルニルオキシメチル)ウレア等が挙げられる。
一般式(CLNM−3)に於いて、RNM1は、各々独立に、一般式(CLNM−1)に於ける、RNM1と同様のものである。RNM3は、各々独立に、水素原子、ヒドロキシル基、直鎖又は分岐のアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数5〜6が好ましい)、オキソアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、アルコキシ基(炭素数1〜6が好ましい)又はオキソアルコキシ基(炭素数1〜6が好ましい)を表す。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基(炭素数1〜3が好ましい)又はカルボニル基を表す。より具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1−メチルエチレン基、ヒドロキシメチレン基、シアノメチレン基等が挙げられる。
一般式(CLNM−3)で表されるアルキレンウレア系架橋剤の具体例としては、例えば、N,N−ジ(メトキシメチル)‐4,5−ジ(メトキシメチル)エチレンウレア、N,N−ジ(エトキシメチル)‐4,5−ジ(エトキシメチル)エチレンウレア、N,N−ジ(プロポキシメチル)‐4,5−ジ(プロポキシメチル)エチレンウレア、N,N−ジ
(イソプロポキシメチル)‐4,5−ジ(イソプロポキシメチル)エチレンウレア、N,N−ジ(ブトキシメチル)‐4,5−ジ(ブトキシメチル)エチレンウレア、N,N−ジ
(t−ブトキシメチル)‐4,5−ジ(t−ブトキシメチル)エチレンウレア、N,N−ジ(シクロヘキシルオキシメチル)‐4,5−ジ(シクロヘキシルオキシメチル)エチレンウレア、N,N−ジ(シクロペンチルオキシメチル)‐4,5−ジ(シクロペンチルオキシメチル)エチレンウレア、N,N−ジ(アダマンチルオキシメチル)‐4,5−ジ(アダマンチルオキシメチル)エチレンウレア、N,N−ジ(ノルボルニルオキシメチル)‐4,5−ジ(ノルボルニルオキシメチル)エチレンウレア等が挙げられる。
一般式(CLNM−4)に於いて、RNM1は、各々独立に、一般式(CLNM−1)に於ける、RNM1と同様のものである。RNM4は、各々独立に、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基を表す。
NM4のアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数5〜6が好ましい)、アルコキシ基(炭素数1〜6が好ましい)として、より具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(CLNM−4)で表されるグリコールウリル系架橋剤の具体例としては、例えば、N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(イソプロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(ブトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(t−ブトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(シクロヘキシルオキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(シクロペンチルオキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(アダマンチルオキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(ノルボルニルオキシメチル)グリコールウリル等が挙げられる。
一般式(CLNM−5)に於いて、RNM1は、各々独立に、一般式(CLNM−1)に於ける、RNM1と同様のものである。RNM5は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は下記一般式(CLNM−5´)で表される原子団を表す。RNM6は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は下記一般式(CLNM−5´´)で表される原子団を表す。
一般式(CLNM−5´)において、RNM1は、一般式(CLNM−1)に於ける、RNM1と同様のものである。一般式(CLNM−5´´)において、RNM1は、一般式(CLNM−1)に於ける、RNM1と同様のものであり、RNM5は、一般式(CLNM−5)に於けるRNM5と同様のものである。
NM5及びRNM6のアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)、シクロアルキル基(炭素数5〜6が好ましい)、アリール基(炭素数6〜10が好ましい)として、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t‐ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
一般式(CLNM−5)で表されるメラミン系架橋剤としては、例えば、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(エトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(プロポキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(イソプロポキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(ブトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(t−ブトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(シクロヘキシルオキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(シクロペンチルオキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(アダマンチルオキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(ノルボルニルオキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)アセトグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ
(エトキシメチル)アセトグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(プロポキシメチル)アセトグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(イソプロポキシメチル)アセトグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(ブトキシメチル)アセトグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(t−ブトキシメチル)アセトグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(エトキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(プロポキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(イソプロポキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(ブトキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(t−ブトキシメチル)ベンゾグアナミン、等が挙げられる。
一般式(CLNM−1)〜(CLNM−5)に於ける、RNM1〜RNM6で表される基は、更に置換基を有してもよい。RNM1〜RNM6が有してもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルコキシ基(好ましくは炭素数3〜20)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20)等を挙げることができる。
以下に、上記一般式(CLNM−1)で表される部分構造を2個以上有する化合物の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(ii)エポキシ化合物としては、下記一般式(EP1)で表される化合物が挙げられる。
式(EP1)中、
EP1〜REP3は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表し、該アルキル基及びシクロアルキル基は置換基を有していてもよい。またREP1とREP2、REP2とREP3は、互いに結合して環構造を形成していてもよい。アルキル基及びシクロアルキル基が有していてもよい置換基としては例えば、ヒドロキシル基、シアノ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホン基、アルキルスルホニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミド基、などが挙げられる。QEPは単結合若しくはnEP価の有機基を表す。REP1〜REP3は、これら同士だけでなくQEPとも結合して環構造を形成していても良い。nEPは2以上の整数を表し、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜6である。但しQEPが単結合の場合、nEPは2である。
EPがnEP価の有機基の場合、鎖状若しくは環状のnEP価の飽和炭化水素基(炭素数2〜20が好ましい)、nEP価の芳香環基(炭素数6〜30が好ましい)、又は鎖状若しくは環状の飽和炭化水素若しくは芳香族炭化水素に、エーテル、エステル、アミド、スルホンアミド、アルキレン(炭素数1〜4が好ましく、メチレンがより好ましい)等の2価の連結基、−N(−)等の3価の連結基又はこれらの組み合わせが連結した構造を有するnEP価の有機基などが好ましい。
以下に(B)エポキシ構造を有する化合物の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明において、硬化性化合物は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
着色組成物中における硬化性化合物の総含有量としては、素材により異なるが、着色組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜30質量%が好ましく、0.2〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
なお、硬化性化合物が高分子化合物(すなわち樹脂)である場合、その高分子化合物の固形分酸価は、80mgKOH/g以下とされる。
[4]顔料誘導体
本発明の着色化合物は、着色剤として顔料を含有する場合、顔料に対する分散樹脂の吸着性を上げるため、更に、顔料誘導体を含有することが好ましい。
顔料誘導体とは、有機顔料の一部分を、酸性基、塩基性基又はフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物である。顔料誘導体としては、分散性及び分散安定性の観点から、酸性基又は塩基性基を有する顔料誘導体を含有することが好ましい。
顔料誘導体を構成するための有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
また、顔料誘導体が有する酸性基としては、スルホン酸、カルボン酸及びその4級アンモニウム塩が好ましく、カルボン酸基及びスルホン酸基がさらに好ましく、スルホン酸基が特に好ましい。顔料誘導体が有する塩基性基としては、アミノ基が好ましく、特に三級アミノ基が好ましい。
顔料誘導体としては、特に、キノリン系、ベンズイミダゾロン系及びイソインドリン系の顔料誘導体が好ましく、キノリン系及びベンズイミダゾロン系の顔料誘導体がさらに好ましい。特に、下記構造を有する顔料誘導体が好ましい。
一般式(P)中、Aは、下記一般式(PA−1)〜(PA−3)から選ばれる部分構造を表す。Bは単結合、又は(t+1)価の連結基を表す。Cは、単結合、−NH−、−CONH−、−CO−、−SONH−、−O−、−S−又は−SO−を表す。Dは、単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表す。Eは、−SOH、−SOM(Mはアルカリ金属原子を表す)、−COH又は−N(Rpa)(Rpb)を表す。Rpa及びRpbは、各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、Rpa及びRpbは互いに連結して環を形成してもよい。tは1〜5の整数を表す。
一般式(PA−1)及び(PA−2)中、Rp1は、炭素数1〜5のアルキル基又はアリール基を表す。一般式(PA−3)中、Rp2は、ハロゲン原子、アルキル基、又はヒドロキシル基を表す。sは、0〜4の整数を表す。sが2以上の場合、複数のRp2は、互いに同じであっても、異なっていてもよい。一般式(PA−1)及び一般式(PA−3)中、Rp3は、単結合、−NH−、−CONH−、−CO−、−SONH−、−O−、−S−又は−SO−を表す。*はBとの連結部を表す。
一般式(P)中、Rp1は、特にメチル基又はフェニル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。一般式(PA−3)中、Rp2は、ハロゲン原子が好ましく、塩素原子が最も好ましい。
一般式(P)中、Bで表される(t+1)価の連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基が挙げられる。これらのうちでも、特に、下記構造式(PA−4)〜(PA−9)で表される連結基が好ましい。
構造式(PA−4)〜(PA−9)のうちでも、特にBとして、構造式(PA−5)又は(PA−8)で表される連結基を有する顔料誘導体が、分散性により優れることから好ましい。
一般式(P)中、Dで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基及びアリーレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、デシレン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロオクチレン、シクロデシレン、フェニレン、ナフチレン等が挙げられる。これらのうちでも、Dとしては、特にアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレンが最も好ましい。
一般式(P)中、Eが−N(Rpa)(Rpb)を表す場合に、Rpa及びRpbにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロデシル、フェニル、ナフチル等を挙げることができる。Rpa及びRpbとしては、特にアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が最も好ましい。前記tは1又は2が好ましい。
以下に、顔料誘導体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例中、Mは、アルカリ金属(Na,K等)を表す。
前記顔料誘導体のうち、(A−1)、(A−2)、(A−5)、(A−9)、(A−10)、(A−11)、(A−19)、(A−20)、(A−21)、(A−22)、(A−23)、(A−24)及び(A−25)が好ましく、(A−1)、(A−2)、(A−9)、(A−10)及び(A−23)がさらに好ましい。
本発明の着色組成物における顔料誘導体の含有量は、顔料の全質量に対し、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がさらに好ましい。顔料誘導体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[5]酸無水物
本発明の着色組成物は、酸無水物を含有しても良い。酸無水物を含有することにより、硬化性化合物、特にエポキシ化合物の熱硬化による架橋性を向上させることができる。
酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、ナジック酸無水物、マレイン酸無水物、琥珀酸無水物などが挙げられる。中でも、酸無水物は、顔料分散への影響が少ない点で、フタル酸無水物が好ましい。
エポキシ硬化剤としてアミン系化合物も一般的であるが、ポットライフが比較的長いなどの利点がある。
酸無水物の着色組成物中における含有量としては、硬化性化合物(特にエポキシ化合物)の含有量に対して、10〜40質量%の範囲が好ましく、15〜30質量%の範囲がより好ましい。酸無水物の含有量は、10質量%以上であると硬化性化合物、特にエポキシの架橋密度が向上し、機械的強度を高めることができ、30質量%以下であると塗膜中の熱硬化成分が抑制され、色材の濃度を高めるのに有利である。
[6]溶剤
本発明の着色組成物は、一般には、溶剤(通常、有機溶剤)を用いて構成することができる。溶剤は、各成分の溶解性や着色硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はない。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキル
(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの溶剤は、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合する形態も好ましい。この場合、特に好ましくは、上記の3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
溶剤の着色組成物中における含有量は、塗布性の観点から、組成物の全固形分濃度が5〜80質量%になる量とすることが好ましく、5〜60質量%が更に好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。
[7]各種添加物
本発明の着色組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加物、例えば、重合開始剤、重合性化合物、界面活性剤、硬化剤、硬化触媒、重合禁止剤、シランカップリング剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。
(重合開始剤)
本発明の着色組成物は、さらに重合開始剤を含有していてもよい。
本発明における重合開始剤としては、以下に述べる重合開始剤として知られているものを用いることができる。
重合開始剤としては、後に詳述する重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、重合開始剤は、約300nm〜800nm(330nm〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなど)などが挙げられる。
また、上記以外の重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタンなど)、N−フェニルグリシンなど、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトンなど)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフラノイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−
(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5−19475号公報、特開平7−271028号公報、特開2002−363206号公報、特開2002−363207号公報、特開2002−363208号公報、特開2002−363209号公報などに記載のクマリン化合物など)、アシルホスフィンオキサイド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959,IRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤として、365nmまたは405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も用いることができる。また、アシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
重合開始剤として、より好ましくはオキシム系化合物が挙げられる。オキシム系開始剤の具体例としては、特開2001−233842号記載の化合物、特開2000−80068号記載の化合物、特開2006−342166号記載の化合物を用いることができる。
本発明で重合開始剤として好適に用いられるオキシム誘導体等のオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
オキシム化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等が挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)も好適に用いられる。
また上記記載以外のオキシム化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報および米国特許公開2009−292039号記載の化合物、国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム系化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報記載の化合物、などを用いてもよい。
好ましくはさらに、特開2007−231000号公報、及び、特開2007−322744号公報に記載される環状オキシム化合物に対しても好適に用いることができる。環状オキシム化合物の中でも、特に特開2010−32985号公報、特開2010−185072号公報に記載されるカルバゾール色素に縮環した環状オキシム化合物は、高い光吸収性を有し高感度化の観点から好ましい。
また、オキシム化合物の特定部位に不飽和結合を有する特開2009−242469号公報に記載の化合物も、重合不活性ラジカルから活性ラジカルを再生することで高感度化を達成でき好適に使用することができる。
最も好ましくは、特開2007−269779号公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061号公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
具体的には、オキシム系重合開始剤としては、下記式(OX−1)で表される化合物が好ましい。なお、オキシム結合のN−O結合が(E)体のオキシム化合物であっても、(Z)体のオキシム化合物であっても、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。
(式(OX−1)中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。)
前記式(OX−1)中、Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。
前記一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、及び、3−ニトロフェナシル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、o−クメニル基、m−クメニル基及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、並びに、オバレニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、及び、4−メトキシベンゾイル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、及び、トリフルオロメチルオキシカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基として具体的には、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、及び、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子若しくはリン原子を含む、芳香族又は脂肪族の複素環が好ましい。
具体的には、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、及び、チオキサントリル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルキルチオカルボニル基として具体的には、メチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、ヘキシルチオカルボニル基、オクチルチオカルボニル基、デシルチオカルボニル基、オクタデシルチオカルボニル基、及び、トリフルオロメチルチオカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリールチオカルボニル基として具体的には、1−ナフチルチオカルボニル基、2−ナフチルチオカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルチオカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルチオカルボニル基、2−クロロフェニルチオカルボニル基、2−メチルフェニルチオカルボニル基、2−メトキシフェニルチオカルボニル基、2−ブトキシフェニルチオカルボニル基、3−クロロフェニルチオカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルチオカルボニル基、3−シアノフェニルチオカルボニル基、3−ニトロフェニルチオカルボニル基、4−フルオロフェニルチオカルボニル基、4−シアノフェニルチオカルボニル基、及び、4−メトキシフェニルチオカルボニル基が挙げられる。
前記式(OX−1)中、Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、又は、複素環カルボニル基を表す。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
なかでも、特に好ましくは以下に示す構造である。
下記の構造中、Y、X、及び、nは、それぞれ、後述する式(OX−2)におけるY、X、及び、nと同義であり、好ましい例も同様である。
前記式(OX−1)中、Aで表される二価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12のシクロアルキレン基、炭素数2〜12のアルキニレン基が挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
中でも、式(OX−1)におけるAとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
前記式(OX−1)中、Arで表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、また、置換基を有していてもよい。置換基としては、先に置換基を有していてもよいアリール基の具体例として挙げた置換アリール基に導入された置換基と同様のものが例示できる。
なかでも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
式(OX−1)においては、前記式(OX−1)中のArとそれに隣接するSとで形成される「SAr」の構造が、以下に示す構造であることが感度の点で好ましい。なお、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
オキシム化合物は、下記式(OX−2)で表される化合物であることが好ましい。
(式(OX−2)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、A及びYは各々独立に二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、nは0〜5の整数である。)
式(OX−2)におけるR、A、及びArは、前記式(OX−1)におけるR、A、及びArと同義であり、好ましい例も同様である。
前記式(OX−2)中、Xで表される一価の置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、複素環基、ハロゲン原子が挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
これらの中でも、式(OX−2)におけるXとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、アルキル基が好ましい。
また、式(2)におけるnは、0〜5の整数を表し、0〜2の整数が好ましい。
前記式(OX−2)中、Yで表される二価の有機基としては、以下に示す構造が挙げられる。なお、以下に示される基において、「*」は、前記式(OX−2)において、Yと隣接する炭素原子との結合位置を示す。
中でも、高感度化の観点から、下記に示す構造が好ましい。
さらにオキシム化合物は、下記式(OX−3)で表される化合物であることが好ましい。
(式(OX−3)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、nは0〜5の整数である。)
式(OX−3)におけるR、X、A、Ar、及び、nは、前記式(OX−2)におけるR、X、A、Ar、及び、nとそれぞれ同義であり、好ましい例も同様である。
以下好適に用いられるオキシム化合物の具体例(B−1)〜(B−10)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものであり、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることが好ましく、365nm及び455nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
オキシム化合物は、365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
本発明に用いられる重合開始剤は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明の着色組成物に用いられる重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物であり、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
本発明の着色組成物に含有される重合開始剤の含有量(2種以上の場合は総含有量)は、着色組成物の全固形分に対し0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上30質量%以下、更に好ましくは1質量%以上20質量%以下である。
(重合性化合物)
重合性化合物は、具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの多量体などの化学的形態のいずれであってもよい。本発明における重合性化合物は一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
より具体的には、モノマー及びそのプレポリマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの多量体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの多量体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号〔0095〕〜〔0108〕に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、前記重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010−160418、特開2010−129825、特許4364216等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性不飽和基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0254]〜[0257]に記載の化合物も好適である。
上記のほか、下記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。
前記一般式において、nは0〜14であり、mは1〜8である。一分子内に複数存在するR、T、は、各々同一であっても、異なっていてもよい。
前記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される重合性化合物の各々において、複数存在するRの少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH、又は、−OC(=O)C
(CH)=CHで表される基を表す。
前記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される重合性化合物の具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
中でも、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製)、多官能アクリレート(市販品としてはKAYARAD RP−1040;日本化薬株式会社製)及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。以下に好ましい重合性化合物の態様を示す。
重合性化合物としては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入してもよい。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明において、酸基を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、
特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
これらのモノマーは1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いてもよい。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
また、重合性モノマーとして、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体を含有することも好ましい態様である。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸及びε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記一般式(Z−1)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
一般式(Z−1)中、6個のRは全てが下記一般式(Z−2)で表される基であるか、又は6個のRのうち1〜5個が下記一般式(Z−2)で表される基であり、残余が下記一般式(Z−3)で表される基である。
一般式(Z−2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは1又は2の数を示し、「*」は結合手であることを示す。
一般式(Z−3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
このようなカプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(Z−1)〜(Z−3)においてm=1、式(Z−2)で表される基の数=2、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(Z−2)で表される基の数=3、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(Z−2)で表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、式(Z−2)で表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)等を挙げることができる。
本発明において、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明における特定モノマーとしては、下記一般式(Z−4)又は(Z−5)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
前記一般式(Z−4)及び(Z−5)中、Eは、各々独立に、−((CH)yCHO)−、又は−((CH)yCH(CH)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、水素原子、又はカルボキシル基を表す。
前記一般式(Z−4)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(ii)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(Z−4)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
前記一般式(Z−5)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(Z−4)又は一般式(Z−5)中の−((CH)yCHO)−又は−((CH)yCH(CH)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
前記一般式(Z−4)又は一般式(Z−5)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
また、一般式(Z−4)又は一般式(Z−5)で表される化合物の重合性化合物中における全含有量としては、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
前記一般式(Z−4)又は一般式(Z−5)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト−ル又はジペンタエリスリト−ルにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端水酸基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程は良く知られた工程であり、当業者は容易に一般式(i)又は(ii)で表される化合物を合成することができる。
前記一般式(Z−4)又は一般式(Z−5)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
一般式(Z−4)、(Z−5)で表される重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
また、重合性化合物としては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、重合性化合物として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、着色組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、着色硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、4官能以上のものが好ましく、さらに5官能以上のものが好ましい。更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。さらに、3官能以上のものでエチレンオキサイド鎖長の異なる重合性化合物を併用することも好ましい。
また、着色組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料)、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の着色組成物中における重合性化合物の含有量は、着色組成物中の固形分に対して0.1質量%〜90質量%が好ましく、1.0質量%〜80質量%がさらに好ましく、2.0質量%〜70質量%が特に好ましい。
(界面活性剤)
本発明の着色組成物は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、本発明の着色組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する着色組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、着色組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF781(DIC(株)製)等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
着色組成物は、界面活性剤を含有してもしなくても良いが、含有する場合、界面活性剤の添加量は、着色組成物の全質量に対して、0.001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%である。
なお、界面活性剤が高分子化合物(すなわち樹脂)である場合、その高分子化合物の固形分酸価は、80mgKOH/g以下とされる。
(硬化剤)
硬化性化合物としてエポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤を添加することが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤は種類が非常に多く、性質、樹脂と硬化剤の混合物との可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが使用する硬化剤の種類によって非常に異なるため、硬化剤の使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ばねばならない。硬化剤に関しては、垣内弘編「エポキシ樹脂(昇晃堂)」第5章に詳しく解説されている。以下、硬化剤の例を示す。
触媒的に作用するものとしては、第三アミン類、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、エポキシ樹脂の官能基と化学量論的に反応するものとして、ポリアミン、酸無水物等;また、常温硬化のものとして、ジエチレントリアミン、ポリアミド樹脂、中温硬化のものの例としてジエチルアミノプロピルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;高温硬化の例として、無水フタル酸、メタフェニレンジアミン等がある。また化学構造別にみるとアミン類では、脂肪族ポリアミンとしてはジエチレントリアミン;芳香族ポリアミンとしてはメタフェニレンジアミン;第三アミンとしてはトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;酸無水物としては無水フタル酸、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化ホウ素−モノエチルアミンコンプレックス;合成樹脂初期縮合物としてはフェノール樹脂、その他ジシアンジアミド等が挙げられる。
これら硬化剤は、加熱によりエポキシ基と反応し、重合することによって架橋密度が上がり硬化するものである。薄膜化のためには、バインダー、硬化剤とも極力少量の方が好ましく、特に硬化剤に関しては熱硬化性化合物に対して35質量%以下、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下とすることが好ましい。
(硬化触媒)
着色剤濃度の高い組成を実現するためには、硬化剤との反応による硬化のほか、主としてエポキシ基同士の反応による硬化が有効である。このため、硬化剤は用いず、硬化触媒を使用することもできる。硬化触媒の添加量としては、エポキシ当量が150〜200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10〜1/1000程度、好ましくは1/20〜1/500程度さらに好ましくは1/30〜1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
(重合禁止剤)
本発明の着色組成物においては、該着色組成物の製造中又は保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、全組成物の質量に対して、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
(シランカップリング剤)
本発明の着色組成物には、更なる基板との密着性向上の観点から、シランカップリング剤を使用することができる。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましい。また有機樹脂との間で相互作用もしくは結合形成して親和性を示す基を有することが好ましく、そのような基としては(メタ)アクリロイル基、フェニル基、メルカプト基、グリシジル基、オキセタニル基を有するものが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイル基又はグリシジル基を有するものが好ましい。
即ち、本発明に用いるシランカップリング剤としては、アルコキシシリル基と、(メタ)アクリロイル基又はエポキシ基と、を有する化合物であることが好ましく、具体的には下記構造の(メタ)アクリロイル−トリメトキシシラン化合物、グリシジル−トリメトキシシラン化合物等が挙げられる。
また、本発明におけるシランカップリング剤は、一分子中に少なくとも2種の反応性の異なる官能基を有するシラン化合物も好ましく、特に、官能基としてアミノ基とアルコキシ基とを有するものが好ましい。このようなシランカップリング剤としては、例えば、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−メチルジメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−602)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−603、信越化学工業社製)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBE−602)、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBM−903)、γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン(信越化学工業社製商品名 KBE−903)等がある。
シランカップリング剤を用いる場合の添加量としては、本発明に用いられる着色組成物中の全固形分中、0.1質量%〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜3.0質量%がより好ましい。
<着色組成物の調製方法>
本発明における着色組成物の好ましい調製方法について説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明における着色組成物は、着色剤として顔料を含有する場合、顔料粒子を微粒子化し、且つその粒子サイズ分布をシャープにした顔料を用いる方法が好適である。具体的には、平均粒子径が0.01μm程度であり、且つ粒子径が0.01±0.005μmの範囲にある顔料粒子を75質量%以上含んで構成される顔料を用いる方法が好ましい。顔料の粒子サイズ分布を上述の範囲に調整するためには、顔料の分散方法が特に重要となる。そのような分散方法としては、例えば、ニーダーや二本ロールなどのロールミルを用いて高粘度状態で分散する乾式分散(混練分散処理)と三本ロールやビーズミル等を用いて比較的低粘度状態で分散する湿式分散(微分散処理)とを組合せた分散方法が挙げられる。また、前記分散方法においては、2種以上の顔料を共分散したり、混練分散処理時には、溶剤を使用しないか若しくは使用量をできるだけ少なくしたり、各種分散剤を用いるのも好ましい。更に、ソルベントショックを和らげるために樹脂成分を前記混練分散処理時と微分散処理時とに分けて添加(2分割使用)したりすることが好ましく、また、混練分散処理から微分散処理に移行する際に顔料粒子が再凝集するのを防止するために溶解性に優れた樹脂成分を用いるのが好ましい。更に、微分散処理時に使用するビーズミルのビーズに高硬度のセラミックスを使用したり、粒径の小さいビーズを使用したりする手段も有効である。
本発明においては、特に、2種以上の顔料を用い、更に2種以上の顔料を50000mPa・s以上の高粘度状態で分散した後に、更に1000mPa・s以下の低粘度状態で分散して得られた着色剤を用いることが好ましい。
一般に、これら顔料は合成後、種々の方法で乾燥を経て供給される。通常は水媒体から乾燥させて粉末体として供給されるが、水が乾燥するには大きな蒸発潜熱を必要とするため、乾燥して粉末とさせるには大きな熱エネルギーを与える。そのため、顔料は一次粒子が集合した凝集体(二次粒子)を形成しているのが普通である。
着色組成物の調製方法において、着色剤が顔料の場合、まず着色剤(顔料)に上述のバインダーを混練分散処理後の粘度が50,000mPa・s以上(好ましくは50,000〜100,000mPa・s)の比較的高粘度になるように混練分散処理を施すのが好ましい。ここで、混練分散処理は、高粘度分散であってもよいし、乾式分散であってもよい。次いで、必要に応じて混練分散処理後の分散物に上述のバインダーを追加添加し、微分散処理後の粘度が1000mPa・s以下(好ましくは100mPa・s以下)の比較的低粘度になるように微分散処理を施すことが好ましい。尚、微分散処理は、低粘度分散であってもよいし、湿式分散であってもよい。
前記混練分散処理においては、溶剤の比率が被分散物に対して0〜20質量%であることが好ましい。このように、溶剤をあまり使用せずに分散を行なうと、顔料粒子の表面をビヒクルの樹脂成分を主体とした構成成分との濡れを促進させることができ、顔料粒子表面が形成する界面を、顔料粒子と空気との固体/気体界面から、顔料粒子とビヒクル溶液との固体/溶液界面に変換することができる。顔料粒子の表面が形成する界面を空気から溶液に変換し混合攪拌すると、顔料を一次粒子に近い微小な状態にまで分散することができる。
このように、顔料を高度に分散させるためには、顔料粒子表面が形成する界面を空気から溶液に変換することが有効である。かかる変換には強い剪断力や圧縮力が必要である。このため、前記混練分散処理においては、強い剪断力や圧縮力を発揮できる混練機を用い、被混練物として高粘度のものを用いるのが好ましい。
また、前記微分散処理時においては、ガラスやセラミックの微粒状の分散用メディアと共に混合攪拌することが好ましい。さらに、微分散処理時における溶剤の比率は、被分散物の20〜90質量%であることが好ましい。前記微分散処理時においては、顔料粒子を微小な状態にまで均一に安定させて分布させることが必要であることから、凝集している顔料粒子に衝撃力と剪断力とを付与できる分散機とを用い、被分散物として低粘度のものを用いるのが好ましい。
着色剤が染料の場合は、前記のような分散工程を必要とせず、しかるべき溶剤にバインダーとともに溶解させるだけでよい。
特に、熱硬化性化合物がエポキシ化合物である場合、このようにして得られた顔料の分散物又は染料の溶液に熱硬化性化合物と硬化触媒や硬化剤とを添加、あるいは既にバインダーが熱硬化性化合物である場合には、硬化触媒や硬化剤を添加して熱硬化機能を付与し、必要に応じて溶剤を添加することで本発明における着色組成物を調製することが好ましい。
<フィルターろ過>
本発明の着色組成物は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルターで濾過することが好ましい。
フィルターろ過に用いるフィルターとしては、従来からろ過用途等に用いられているフィルターであれば特に限定されることなく用いることができる。
前記フィルターの材質の例としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む);等が挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)が好ましい。
前記フィルターの孔径には特に限定はないが、例えば0.01〜20.0μm程度であり、好ましくは0.01〜5μm程度であり、さらに好ましくは0.01〜2.0μm程度である。
フィルターの孔径を上記範囲とすることにより、微細な粒子をより効果的に取り除くことができ、濁度をより低減することができる。
ここで、フィルターの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルターとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
前記フィルターろ過では、2種以上のフィルターを組み合わせて用いてもよい。
例えば、まず第1のフィルターを用いてろ過を行い、次に、第1のフィルターとは孔径が異なる第2のフィルターを用いてろ過を行うことができる。
その際、第1のフィルターでのフィルタリング及び第2のフィルターでのフィルタリングは、それぞれ、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
第2のフィルターは、上述した第1のフィルターと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
本発明の着色組成物から得られるカラーフィルタは、液晶表示装置(LCD)や固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)用として好適に用いることができる。また電子ペーパーや有機EL等の画像表示デバイスにも好適に用いることができる。特に、本発明のカラーフィルタは、CCD、及びCMOS等の固体撮像素子用として好適に用いることができる。
本発明のカラーフィルタは、液晶表示装置用のカラーフィルタとして好適である。このようなカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。なお、各工程において、市販の処理液を用いた処理を行なう場合、特記しない限りメーカー指定の方法に従って各処理を行なった。
[実施例1〜53、比較例1〜4]
(実施例18)
<顔料分散液の調製>
−Green顔料分散液の調製−
顔料として、フタロシアニン顔料であるPigment Green36 8.6部とPigment Yellow185顔料 5.7部と、顔料誘導体としての誘導体A 1.4部と、分散樹脂としての分散剤A 4.3部と、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) 80部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Green顔料分散液を調製した。
<Green顔料含有組成物(塗布液)の調製>
上記のGreen顔料分散液を用い、下記組成となるように混合、撹拌してGreen着色硬化性組成物を調製した。
<組成>
・顔料分散液 :前記Green顔料分散液 85.0部
・硬化性化合物:添加剤A 3.24部
・溶剤 :PGMEA 8.76部
・界面活性剤 :F−781(DIC(株)製)(高分子型界面活性剤:質量平均分子量30000,固形分酸価0mgKOH/g)のPGMEA0.2%溶液) 3.0部
(実施例1〜17、19〜53、比較例1〜4)
Green顔料濃度(着色硬化性組成物の全固形分に対する含有量)、及び、D/P値(分散樹脂/顔料の質量比)がいずれも実施例18におけるものと同じ実施例及び比較例については、Green顔料、顔料誘導体、分散樹脂及び硬化性化合物の種類を表1及び表2に記載のものに変更することによりGreen着色硬化性組成物を調製した。
D/P値が実施例18におけるものと異なる実施例に関しては、Green着色硬化性組成物におけるGreen顔料、顔料誘導体、分散樹脂及び硬化性化合物の種類を表1及び表2に記載のものにするとともに、表1及び表2に記載のD/P値となるように、分散樹脂の量を変更し、更に、硬化性化合物の量を調整して、Green着色硬化性組成物の全固形分に対するGreen顔料の濃度を表1及び表2に記載の値とした以外は、実施例18と同様にして、Green着色硬化性組成物を調製した。
D/P値が実施例18におけるものと同じではあるが、Green顔料濃度が異なる実施例に関しては、Green顔料、顔料誘導体、分散樹脂及び硬化性化合物の種類を表1及び表2に記載のものにするとともに、硬化性化合物の量を調整して、Green着色硬化性組成物の全固形分に対するGreen顔料の濃度を表1及び表2に記載の値とした以外は、実施例18と同様にして、Green着色硬化性組成物を調製した。
(Red顔料分散液の調製)
顔料としてPigment Red254 8.3部、およびPigment Yellow139 3.7部と、顔料分散剤としてBYK−161(BYK社製)4.8部と、PGMEA 83.2部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Red顔料分散液R1を調製した。
(Blue顔料分散液の調製)
顔料としてPigment Blue15:6 9.5部、およびPigment Violet23 2.4部と、顔料分散剤としてBYK−161(BYK社製)5.6部と、PGMEA 82.5部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Blue顔料分散液B1を調製した。
<Red顔料含有組成物(塗布液)の調製>
下記組成の諸成分を混合して、Red顔料含有熱硬化性組成物100g(固形分量=12質量%、固形分中の顔料含有量:61.6質量%)を調製した。
<Red顔料含有熱硬化性組成物の組成>
・上記Red顔料分散液R1・・・56.998g
・硬化性化合物:添加剤A・・・0.50g
・モノマー(新中村化学社製、NKエステル A−TMP−6BO)・・・0.10g
・界面活性剤(フッ素系界面活性剤):F−781(DIC(株)製)・・・0.006g(高分子型界面活性剤:質量平均分子量30000,固形分酸価0mgKOH/g)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・42.366g
(PGMEA、添加溶剤)
<Blue顔料含有組成物(塗布液)の調製>
下記組成の諸成分を混合して、Blue顔料含有熱硬化性組成物100g(固形分量=18質量%、固形分中の顔料含有量:60.7質量%)を調製した。
<Blue顔料含有組成物の組成>
・上記Blue顔料分散液B1・・・78.48g
・硬化性化合物:添加剤A・・・2.25g
・メチルフタル酸無水物 ・・・0.45g
・界面活性剤(フッ素系界面活性剤):F−781(DIC(株)製)・・・0.02g
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・18.3g
(PGMEA、添加溶剤)
〔カラーフィルタの製造〕
<緑色パターン形成工程>
(ドライエッチングによるパターン形成)
8インチシリコンウェハ上にスピンコータにて、前記Green顔料含有組成物を膜厚0.5μmの塗布膜となるように塗布した後、ホットプレートを使用して、200℃で5分間の加熱を行い、塗布膜の硬化を行って第1の着色層(緑色層)を形成した。この第1の着色層(緑色層)の膜厚は0.5μmであった。
(マスク用レジストの塗布)
次いで、ポジ型フォトレジスト「FHi622BC」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を塗布し、プリベークを実施し、膜厚0.8μmのフォトレジスト層を形成した。
(マスク用レジストのパターン露光と現像)
続いて、フォトレジスト層を、i線ステッパー(キャノン(株)製)を用い、350mJ/cmの露光量でパターン露光し、フォトレジスト層の温度又は雰囲気温度が90℃となる温度で1分間、加熱処理を行なった。その後、現像液「FHD−5」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)で1分間の現像処理を行ない、さらに110℃で1分間のポストベーク処理を実施して、レジストパターンを形成した。このレジストパターンのサイズは、エッチング変換差(エッチングによるパターン幅の縮小)を考慮して、一辺1.25μmで形成した。
(ドライエッチング)
次に、レジストパターンをエッチングマスクとして、第1の着色層(緑色層)のドライエッチングを以下の手順で行った。
ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をCF:80mL/min.、O:40mL/min.、Ar:800mL/min.として、80秒の第1段階のエッチング処理を実施した。
このエッチング条件での第1の着色層(緑色層)の削れ量は467nm(89%のエッチング量)となり、約58nmの残膜がある状態になった。
次いで、同一のエッチングチャンバーにて、RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:250W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN:500mL/min.、O:50mL/min.、Ar:500mL/min.とし(N/O/Ar=10/1/10)、エッチングトータルでのオーバーエッチング率を20%として、第2段階エッチング処理、オーバーエッチング処理を実施した。
第2段階のエッチング条件での第1の着色層(緑色層)のエッチングレートは600nm/min以上であって、第1の着色層(緑色層)の残膜をエッチングするのに約10秒の時間を要した。第1段階のエッチング時間の80秒と第2段階のエッチング時間10秒を加算したものをエッチング時間と算出した。その結果、エッチング時間:80+10=90秒、オーバーエッチング時間:90×0.2=18秒になり、全エッチング時間は90+18=108秒に設定した。
上記条件でドライエッチングを行った後、フォトレジスト剥離液「MS230C」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を使用して120秒間、剥離処理を実施してレジストパターンを除去し、更に純水による洗浄、スピン乾燥を実施した。その後、100℃で2分間の脱水ベーク処理を行った。以上により、第1の緑色パターンを得た。この緑色パターンのサイズは、1.2μmであった。
<矩形性評価>
エッチング後の上記第1の緑色パターンの矩形性を、前記シリコンウェハ表面(水平面)に対するパターンの側壁の角度で評価した。側壁の角度が90度(°)に近いほうが、より矩形性が高く好ましい。
<第2の着色層の形成>
上記のように凹凸状のパターンが形成された基板の凹凸形成面に、第2の着色硬化性組成物として上記のRed顔料含有組成物を、乾燥及びポストベーク後の厚みが0.40μmになるように塗布し、乾燥させた。その後、200℃で5minのポストベークを行ない、第2の着色層として赤色層を形成した。
<実施例1〜10について第2の着色層のエッチバックによる平坦化工程>
ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:250W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN:500mL/min.、Ar:500mL/min.(N/Ar=1/1)とし、緑色画素(=終点となる画素)が露出するまで実施した。
この時の第2の着色層の赤色層のエッチングレートは共に150nm/minであって、緑色画素を露出させるには40秒の時間を要する計算となった。これに4秒間のオーバーエッチングを加算してエッチング時間とした。その結果、エッチング時間:40秒、オーバーエッチング時間:4秒となり、全エッチング時間は40+4=44秒と設定した。
以上により、緑色画素上の赤色層が除去された。赤色画素は、緑色画素領域形成に埋め込む形で配列され、1.2μm角の正方形に形成された。
カラーフィルタ表面は、Δ0.1μm以内(膜厚最大値と膜厚最小値との差が0.1μm以内)のフラットな状態となって形成された。即ち、赤色画素20R:0.51μm、及び緑色画素20G:0.515μmであった。初期膜厚0.525μmからの減膜は、オーバーエッチングによる削れ量であった。
<実施例41〜53について第2の着色層のCMPによる平坦化工程>
研磨(CMP)装置(AMT製 BC−15)にて、スラリーセミスパース25希釈液
(原液:純水=1:19)にて研磨処理を行った。このとき、スラリー希釈液流量:300ml/min、ウエハ圧:1.2psi、リテーナーリング圧:1.5psi、研磨PAD回転数50rpm、ウエハ回転数50rpmの条件により研磨処理を実施した。
この研磨処理により、緑色画素(終点となる画素)が露出するのに要する研磨時間は25秒必要であった。オーバー研磨率を20%と設定し、実際の研磨時間は25秒×1.2=30秒に設定した。これにより緑色画素が形成された。また、各着色画素は、互いに隣り合う画素同士が面で接するように形成された。更に、各着色画素の表面は面一に形成され、各着色画素の膜厚は共に0.50μmであった。
(マスク用レジストの塗布)
続いて、ポストベーク後の赤色層の上に、実施例1〜10、及び41〜53については緑色層(一部に赤色画素を含む。)の上に、それぞれ、ポジ型のフォトレジスト「FHi622BC」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコーターにて塗布し、90℃で1分間のプリベーク処理を行ない、膜厚が1.0μmになるようにフォトレジスト層を形成した。
(マスク用レジストのパターン露光と現像)
次いで、形成したフォトレジスト層を、i線ステッパー(FPA3000i5、キャノン(株)製)を用いて140mJ/cmの露光量でパターン露光し、フォトレジスト層の温度又は雰囲気温度が110℃で1分間、加熱処理(PEB処理)を行なった。その後、現像液FHD−5(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH):2.38質量%、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)で1分間、パドル現像を行なった後、純水でリンスした。さらに、110℃で1分間、ポストベーク処理を実施して、第3色目(青色)の着色パターンを形成しようとする領域のフォトレジスト層を除去し、緑及び赤の着色パターンを形成しようとする赤色層の領域に、実施例1〜10、及び41〜53については緑色層(一部に赤色画素を含む。)に、それぞれ、フォトレジスト層を形成した。レジストパターンは、パターンサイズが1.0μmであるベイヤー配列のパターンになるように形成した。マスクバイアスは、−0.05μmとした。
(ドライエッチング)
下記条件にてドライエッチング処理を実施し、第1の着色層(緑色層)及び第2の着色層(赤色層)を加工し、実施例1〜10、及び41〜53については緑色層に、それぞれ、凹凸状にパターンを形成した。
<エッチング条件>
・エッチング装置:U−621(日立ハイテクノロジーズ社製)
・ガス流量 :Ar/N/O=500/500/100sccm
・Bias :RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W
・電極高さ :68mm
・圧力 :2.5Pa
・エッチング時間:80sec(オーバーエッチング率20%)
下記条件で、エッチングマスクとして用いたフォトレジスト層の剥離処理を行なった。
<剥離条件>
・基板温度 :50℃
・剥離液 :MS230C(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)
・剥離時間 :120sec(パドル処理)
・リンス :純水で60秒間、スプレーノズルにて噴射(0.2Pa)
・スピン乾燥:2000rpm、30秒間
次いで、ホットプレートを用いて120℃で2分間、脱水処理を行なって、第3層目(第3のパターン)を形成する領域の加工を終了した。
<第3の着色層の形成>
上記のように第3のパターンと同じパターンが形成された基板の凹凸形成面に、第3の着色硬化性組成物として上記のBlue顔料含有組成物を、乾燥及びポストベーク後の厚みが0.40μmになるように塗布し、乾燥させた。その後、200℃で5minのポストベークを行ない、第3の着色層として青色層を形成した。
実施例1〜10については第3の着色層のエッチバックによる平坦化処理を、実施例11〜53及び比較例1〜4については第3の着色層のCMPによる平坦化処理を、それぞれ行い、カラーフィルタを製造するとともに表面あれ評価を行った。
<実施例1〜10、について第3の着色層のエッチバックによる平坦化工程>
ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:250W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN:500mL/min.、Ar:500mL/min.(N/Ar=1/1)とし、緑色画素(=終点となる画素)が露出するまで実施した。
この時の青色層ないしは赤色層のエッチングレートは共に150nm/minであって、緑色画素を露出させるには40秒の時間を要する計算となった。これに4秒間のオーバーエッチングを加算してエッチング時間とした。その結果、エッチング時間:40秒、オーバーエッチング時間:4秒となり、全エッチング時間は40+4=44秒と設定した。
以上により、同じエッチバック処理にて、緑色画素上の赤色及び青色パターンが除去された。赤色画素及び青色画素は、緑色画素領域形成に埋め込む形で配列され、それぞれ1.2μm角の正方形に形成された。
カラーフィルタ表面は、Δ0.1μm以内(膜厚最大値と膜厚最小値との差が0.1μm以内)のフラットな状態となって形成された。即ち、赤色画素20R:0.51μm、青色画素20B:0.515μm、及び緑色画素:0.515μmであった。初期膜厚0.525μmからの減膜は、オーバーエッチングによる削れ量であった。
<実施例11〜53及び比較例1〜4について第3の着色層のCMPによる平坦化工程>
研磨(CMP)装置(AMT製 BC−15)にて、スラリーセミスパース25希釈液(原液:純水=1:19)にて研磨処理を行った。このとき、スラリー希釈液流量:300ml/min、ウエハ圧:1.2psi、リテーナーリング圧:1.5psi、研磨PAD回転数50rpm、ウエハ回転数50rpmの条件により研磨処理を実施した。
この研磨処理により、緑色画素(終点となる画素)が露出するのに要する研磨時間は25秒必要であった。オーバー研磨率を20%と設定し、実際の研磨時間は25秒×1.2=30秒に設定した。これにより緑色画素が形成された。また、各着色画素は、互いに隣り合う画素同士が面で接するように形成された。更に、各着色画素20R,20G,20Bの表面は面一に形成され、各着色画素の膜厚は共に0.50μmであった。
<表面荒れ評価>
エッチバック又はCMPで研磨後の緑色着色パターンの表面を、AFMによるラフネス(Ra)で評価した。ラフネス(Ra)の値が小さいほうが、表面荒れが小さく、好ましい。
上記の評価の結果を、下記表に示す。
表1及び表2に掲載した略号及び化合物は、次の通りである。
(着色剤)
G7: C.I.ピグメント・グリーン 7
G36: C.I.ピグメント・グリーン 36
G58: C.I.ピグメント・グリーン 58
Y139: C.I.ピグメント・イエロー 139
Y150: C.I.ピグメント・イエロー 150
Y185: C.I.ピグメント・イエロー 185
(顔料誘導体)
(分散剤)
下記例示化合物(ただし、分散剤Aを除く)中、各構造単位に併記される数値(主鎖繰り返し単位に併記される数値)は、当該構造単位の含有量〔質量%:(wt%)と記載〕を表す。側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、当該繰り返し部位の繰り返し数を示す。また、分散剤Aにおけるa及びbは、それぞれ、括弧内で表される部分構造の数を表し、a+b=6を満たす。
なお、各分散剤は上記表に示す固形分酸価のものを下記構造の中から選択して使用した。
(硬化性化合物)
表1及び表2から明らかなように、第1の着色組成物の全固形分に対する着色剤の含有量が55質量%未満の比較例1及び2、並びに第1の着色組成物中に含有される固形分酸価が最も大きな樹脂の固形分酸価が80mgKOH/gを超える比較例3及び4は、パターンの側壁の角度が小さく矩形性に劣り、かつ表面あれが大きいことが分かる。
一方、第1の着色組成物の全固形分に対する着色剤の含有量が55質量%以上であり、かつ、固形分酸価が最も大きな樹脂の固形分酸価が80mgKOH/g以下の実施例1〜53は、パターンの側壁の角度が90°に近く矩形性に優れ、かつ表面あれが小さいことが分かる。
また、上記実施例において、顔料種をC.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23の質量比80:20の顔料混合物(PB15:6/PV23=80/20)に変更した場合、及び、C.I.ピグメント・レッド254とC.I.ピグメント・イエロー139の質量比75:25の顔料混合物(PR254/PY139=75/25)に変更した際も同様の結果が得られた。
[実施例54〜57]
(実施例54)
<顔料分散液の調製>
−Green顔料分散液2の調製−
顔料として、フタロシアニン顔料であるPigment Green36 8.6部とPigment Yellow185顔料 5.7部と、顔料誘導体としての誘導体A 1.4部と、分散樹脂としての分散剤F 4.3部と、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) 80部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Green顔料分散液2を調製した。
<Green顔料含有組成物(塗布液)の調製>
上記のGreen顔料分散液2を用い、下記組成となるように混合、撹拌してGreen着色硬化性組成物を調製した。
<組成>
・顔料分散液 :前記Green顔料分散液2 85.0部
・硬化性化合物:添加剤A 3.24部
・溶剤 :PGMEA 8.76部
・界面活性剤 :F−781(DIC(株)製)(高分子型界面活性剤:質量平均分子量30000,固形分酸価0mgKOH/g)のPGMEA0.2%溶液)
3.0部
(実施例55)
−Green顔料分散液3の調製−
顔料として、フタロシアニン顔料であるPigment Green36 8.6部とPigment Yellow185顔料 5.7部と、顔料誘導体としての誘導体A 1.4部と、分散樹脂としての分散剤F 4.085部と、溶剤としてPGMEA 80.215部とからなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、Green顔料分散液3を調製した。
<Green顔料含有組成物(塗布液)の調製>
上記のGreen顔料分散液3を用い、下記組成となるように混合、撹拌してGreen着色硬化性組成物を調製した。
<組成>
・顔料分散液 :前記Green顔料分散液3 85.0部
・追添樹脂:前記分散剤Fと同じ樹脂 0.18部
(ベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含有する追添樹脂)
・硬化性化合物:添加剤A 3.24部
・溶剤 :PGMEA 8.76部
・界面活性剤 :F−781(DIC(株)製)(高分子型界面活性剤:質量平均分子量30000,固形分酸価0mgKOH/g)のPGMEA0.2%溶液)
3.0部
(実施例56)
Green顔料分散液3の調製時の分散剤Fの量を3.87部に、PGMEAの量を80.43部に変更し、着色硬化性組成物の調製時の追添樹脂としての樹脂Fの量を0.365部に変更する以外は実施例55と同様にして実施例56のGreen着色硬化性組成物を調製した。
(実施例57)
Green顔料分散液3の調製時の分散剤Fの量を3.44部に、PGMEAの量を80.86部に変更し、着色硬化性組成物の調製時の追添樹脂としての樹脂Fの量を0.731部に変更する以外は実施例55と同様にして実施例57のGreen着色硬化性組成物を調製した。
以上のようにして調製した実施例54、55、56、57のGreen着色硬化性組成物は、分散樹脂と追添樹脂とを併せた全樹脂に占める、ベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含有する追添樹脂の含有割合が、それぞれ、0、5、10、20質量%となっている。
〔カラーフィルタの製造〕
ガラス基板上に、実施例54、55、56、57の着色硬化性組成物を、それぞれ、膜厚が0.6μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。次いで、220℃のホットプレートを用いて300秒間加熱処理(ポストベーク)を行い、第1の着色層(緑色層)を形成した。
<耐溶剤性試験評価>
このようにして得られたカラーフィルタの第1の着色層(緑色層)を、紫外可視近赤外分光光度計UV3600(島津製作所製)の分光光度計(ref.ガラス基板)で300nm〜800nmの波長域で透過率を測定した。また、OLYMPUS製光学顕微鏡 BX60を用いて、反射観測(倍率50倍)にて微分干渉像を観察した。
次いで、下記の溶剤中に5分間浸漬し、乾燥させた後に再度分光測定および光学式顕微鏡による膜表面を観察しを実施し、溶剤浸漬前後の透過率変動と膜面異常を評価した。
(使用溶剤)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
アセトン
FHD−5(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
N−メチル−2−ピロリドン
<評価>
(溶剤浸漬前後での分光変動)
<評価基準>
AA:良好 溶剤浸漬前後での300nm〜800nmの透過率変動が2%未満
A:やや良好 溶剤浸漬前後での300nm〜800nmの透過率変動が2%以上5%未満
B:十分 溶剤浸漬前後での300nm〜800nmの透過率変動が5%以上10%未満
C:不十分 溶剤浸漬前後での300nm〜800nmの透過率変動が10%以上
上記4つの溶剤のうち最も評価が悪いものをその実施例の評価とした。
(溶剤浸漬前後での目視評価)
<評価基準>
AA:良好 全く変化無し
A:やや良好 ほとんど変化無し
B:十分 表面荒れが一部見られる
C:不十分 表面荒れが見られる。
上記4つの溶剤のうち最も評価が悪いものをその実施例の評価とした。
次に、実施例1〜53、比較例1〜4と同様な手法により、第1の着色層(緑色層)に対しドライエッチングを行い、ドライエッチング後の第1の緑色パターンの矩形性を評価した。
矩形性の評価方法については前述の通りである。
その後、実施例1〜10と同様に、第2の着色層の形成を行い、第2の着色層のエッチバックによる平坦化を行い、ドライエッチングを行い、第3の着色層を形成し、第3の着色層のエッチバックによる平坦化を行い、実施例54、55、56、57のカラーフィルタを製造するとともに表面荒れ評価を行った。
以上の通り、実施例54〜57の着色硬化性組成物及びカラーフィルタについては、矩形性及び表面荒れの評価だけでなく、上記溶剤耐性の評価も行なった。それらの結果を下記表に示す。
上記表に示した結果から明らかなように、着色組成物の全固形分に対する着色剤の含有量が55質量%以上であり、かつ、固形分酸価が最も大きな樹脂の固形分酸価が80mgKOH/g以下の実施例54〜57は、パターンの側壁の角度が90°に近く矩形性に優れ、かつ表面あれが小さいことが分かる。
特に、ベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含有する追添樹脂の含有割合が、分散剤樹脂を含めた全樹脂の質量に対して、10質量%以下である実施例54〜56のカラーフィルタは溶剤浸漬前後での、分光変動がなく、目視評価にも優れていることがわかる。
10 固体撮像素子
11 第1の着色層
12 第1の着色パターン
13,100 カラーフィルタ
21 第2の着色層
22 第2の着色パターン
31 第3の着色層
32 第3の着色パターン
120 貫通孔
121 第1の貫通孔
122 第2の貫通孔

Claims (13)

  1. (ア)複数の第1の着色画素を形成するための第1の着色層を第1の着色組成物により形成する工程、
    (イ)前記第1の着色層に複数の第1の貫通孔が形成されるようにドライエッチングによりパターニングする工程、
    (ウ)前記第1の貫通孔各々の内部に第2の着色組成物を埋設させて複数の第2の着色画素が形成されるように、前記第1の着色層上に前記第2の着色組成物による第2の着色層を積層する工程、
    (エ)前記第1の貫通孔とは別の複数の第2の貫通孔が前記第1の着色層に形成されるようにドライエッチングによりパターニングして、前記複数の第1の着色画素を形成する工程、
    (オ)前記第2の貫通孔各々の内部に第3の着色組成物を埋設させて複数の第3の着色画素が形成されるように、前記第1着色層上に、前記第3の着色組成物による第3の着色層を含む1層以上の着色層を積層する工程、及び
    (カ)前記第1の着色層上に積層された1層以上の着色層を前記第1の着色層が少なくとも露出するまで平坦化処理する工程
    を有するカラーフィルタの製造方法であって、
    前記第1の着色組成物が着色剤と樹脂とを含有し、前記第1の着色組成物の全固形分に対する前記着色剤の含有量が55質量%以上であり、かつ、固形分酸価が最も大きな樹脂の固形分酸価が80mgKOH/g以下である、カラーフィルタの製造方法。
  2. 前記第1の着色組成物に含有される前記着色剤がC.I.ピグメント・グリーン 36及びC.I.ピグメント・イエロー 185の少なくとも一方である、請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記第2の着色層を積層する工程(ウ)の後、ドライエッチングによるパターニング工程(エ)の前に、(ウ’)前記第2の着色層を前記第1の着色層が少なくとも露出するまで平坦化処理する工程を更に有し、前記工程(オ)及び(カ)における前記第1の着色層上に積層された1層以上の着色層が前記第3の着色層である、請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記平坦化処理工程(ウ’)が、エッチバック処理又は化学的機械的研磨処理により行われる、請求項3に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記工程(オ)及び(カ)における前記第1の着色層上に積層された1層以上の着色層が前記第2の着色層と前記第3の着色層とからなる層である、請求項1又は2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記ドライエッチングによるパターニング工程(イ)及び(エ)の各々において、前記第1の着色層上に更にフォトレジスト層を形成する工程、
    露光及び現像することにより前記フォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、及び
    前記レジストパターンをエッチングマスクとして前記第1の着色層をドライエッチングする工程
    を有する、請求項3に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 前記ドライエッチングによるパターニング工程(イ)においては、前記第1の着色層上に、前記パターニング工程(エ)においては、前記第2の着色層上に、それぞれ、更にフォトレジスト層を形成する工程、
    露光及び現像することにより前記フォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、及び
    前記レジストパターンをエッチングマスクとして前記第1の着色層をドライエッチングする工程
    を有する、請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法。
  8. 前記平坦化処理工程(カ)が、エッチバック処理又は化学的機械的研磨処理により行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 前記第1の着色組成物が含有する樹脂が、分散樹脂と、前記分散樹脂以外のベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含有する樹脂とであり、前記ベンジル(メタ)アクリレートに由来する繰り返し単位を含有する樹脂の含有割合が、前記分散樹脂を含めた全樹脂の質量に対して、10質量%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記第1の着色層が緑色透過層である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 前記第2の着色画素及び前記第3着色画素の一方が赤色透過部であり、他方が青色透過部である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法により得られるカラーフィルタ。
  13. 請求項12に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
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