JP2013064984A - カラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013064984A
JP2013064984A JP2012141300A JP2012141300A JP2013064984A JP 2013064984 A JP2013064984 A JP 2013064984A JP 2012141300 A JP2012141300 A JP 2012141300A JP 2012141300 A JP2012141300 A JP 2012141300A JP 2013064984 A JP2013064984 A JP 2013064984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
pigment
red
color filter
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012141300A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6179075B2 (ja
Inventor
Norihiro Ogura
教弘 小倉
Tomoki Murata
智基 村田
Takehiro Ozawa
武浩 小澤
Hiroaki Segawa
裕章 瀬川
Yoshito Maeno
義人 前野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012141300A priority Critical patent/JP6179075B2/ja
Publication of JP2013064984A publication Critical patent/JP2013064984A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6179075B2 publication Critical patent/JP6179075B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】分散性及び分散安定性に優れ、且つ高輝度及び高コントラスト化の要求も達成するカラーフィルタ用赤色顔料分散液及び、高輝度で、且つ高コントラストな着色層を形成可能なカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ジケトピロロピロール系赤色顔料と、黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤と、溶媒とを含有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体である、カラーフィルタ用赤色顔料分散液及び当該顔料分散液を含むカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、顔料分散液及びその製造方法、当該顔料分散液を用いたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物、当該顔料分散液の製造方法を用いたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の製造方法、当該感光性樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルタ、並びにこのカラーフィルタを有する液晶表示装置に関するものである。
近年、液晶パネルの価格下落や地上デジタル放送開始の影響などに伴い、フラットパネルディスプレイの普及が急速に進んでいる。現在、実用化されているフラットパネルディスプレイの中でも、液晶ディスプレイは、テレビやパソコン用モニターの他、携帯電話、携帯ゲーム機、タブレットPC等の携帯端末にも広く利用されており、液晶ディスプレイの市場は益々拡大する状況にある。
このような状況において、液晶ディスプレイをカラー表示化させる機能を有するカラーフィルタにおいても、高輝度化や高コントラスト化、色再現性の向上といった要望が高まっている。特に最近は、バックライトの消費電力低減やLEDバックライトの特性に起因して、カラーフィルタの高輝度化の要望が高まっている。
また上述した課題は、今後普及されていくことが予想される有機ELディスプレイにおいても同様であり、高輝度化や色再現性の向上については当該ディスプレイにおいても解決すべき問題であった。
ここで、カラーフィルタは、一般的に、透明基板と、透明基板上に形成され、赤、緑、青の三原色の着色パターンからなる着色層と、各着色パターンを区画するように透明基板上に形成された遮光部とを有している。
このような着色層の形成方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法などが知られている。中でも、分光特性、耐久性、パターン形状及び精度等の観点から、平均的に優れた特性を有する顔料分散法が最も広範に採用されている。
一般に顔料を分散したカラーフィルタは、顔料による光の散乱等により、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまうという問題がある。すなわち、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりするため、ON状態とOFF状態における表示装置上の輝度の比(コントラスト比)が低いという問題がある。
カラーフィルタの高コントラスト化を実現させるため、これまで、着色層中に含まれる顔料を微細化することが検討されてきている。顔料の微細化の試みとして、顔料と、顔料に類似の構造を有する顔料誘導体を組み合わせた顔料配合物が用いられている。赤色着色層に対しては、ジケトピロロピロール顔料にスルホンアミド等の置換基を導入したジケトピロロピロール顔料誘導体を顔料分散剤として、ジケトピロロピロール顔料と組み合わせた試みがなされている(例えば、特許文献1)。しかしながら、上記のようなジケトピロロピロール顔料誘導体をジケトピロロピロール顔料に組み合わせると、微細に顔料を分散できるようになるものの、上記のようなジケトピロロピロール顔料誘導体は電子吸引基の影響によって混合するジケトピロロピロール顔料よりも色が青側の色(より長波長まで吸収するようになる)になることが多く、上記のようなジケトピロロピロール顔料誘導体を組み合わせて用いた赤色着色層は、ジケトピロロピロール顔料の透過波長に、吸収をもつ化合物を添加することになるため、輝度を下げてしまうという問題があった。近年の開発の高輝度化のトレンドによれば、輝度を下げるような顔料誘導体は使用できなくなってきている。さらに上記のような顔料誘導体では、ジケトピロロピロール顔料を細かく分散はできるものの、その分散液を使用して感光性樹脂組成物を作製した場合、カラーフィルタ製造工程におけるベイク時に結晶が析出してしまうという問題点があった。
ベイク時に結晶が析出してしまうという問題点を解消するために、特許文献2では、少なくとも2種類以上のベンゾニトリル化合物とコハク酸ジエステルとを環化反応させて生じたジケトピロロピロール系顔料組成物であって、粗結晶を有機溶剤処理時に、結晶成長抑制剤として色素誘導体を添加して得られたジケトピロロピロール系顔料組成物(粒子)を開示している。ジケトピロロピロール系顔料組成物(粒子)を形成する際に用いられる上記色素誘導体は、色相の改善に用いられても良い旨が記載されているが、色相は彩度や明度とは異なるもので、特になるべく色相を変えずに輝度を向上させるという発想はない。また、特許文献2で具体的に記載されている技術では、赤色のベンゾイソインドール誘導体を色素誘導体として用いており、輝度が不十分になってしまう上、顔料分散液を調製した時の顔料分散性の向上も不十分であった。
また、特許文献3では、コントラストに優れ、表面粗さの低減された着色膜を形成することを目的として、ジケトピロロピロール系顔料に、ソルトミリングの際にフタルイミドアルキル化ジケトピロロピロール及びフタルイミドアルキル化キナクリドンを混合した顔料分散組成物を開示している。しかしながら、ジケトピロロピロール系顔料に赤色顔料誘導体を組み合わせて赤色顔料分散組成物を調製した特許文献3の技術では、輝度が不十分になるという問題がある。
また、C.I.ピグメントレッド254とC.I.ピグメントレッド177を同時に用いた場合にこれらの顔料が凝集しやすい問題を解決するものとして、特許文献4では、C.I.ピグメントレッド254とC.I.ピグメントレッド177と、特定のスルホン化誘導体を組み合わせたカラーフィルタ用インクが開示されている。上記特定のスルホン化誘導体としては、キノリン構造とフタルイミド構造を有する化合物にスルホン酸が結合した構造が記載されている。特許文献4では、インク中の顔料同士の凝集を防ぎ、分散性、分散安定性が向上すると記載され、酸価を有する分散剤と、アミン価を有する分散剤を併用することにより、顔料分散安定性が更に向上すると記載されている。しかしながら、特許文献4に記載された分散剤を用いたインクでは、特に、ジケトピロロピロール系赤色顔料を単独で用いた場合、分散性及び分散安定性が十分ではなかった。
特開2001−214085号公報 国際公開第2009/081930号パンフレット 特開2009−251586号公報 特開2009−145804号公報
本発明は、このような状況下になされたものであり、分散性及び分散安定性に優れ、且つ高輝度及び高コントラスト化の要求も達成するカラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、分散性及び分散安定性に優れ、高輝度、高コントラストな着色層を形成可能で、且つアルカリ現像性に優れたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、当該感光性樹脂組成物を用いて形成された高輝度且つ高コントラストなカラーフィルタ及びこのカラーフィルタを有する液晶表示装置及び有機発光表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジケトピロロピロール系赤色顔料を、黄色顔料のスルホン化誘導体と特定の顔料分散剤との存在下で、溶媒中で分散させると、高輝度を達成しながら、ジケトピロロピロール系赤色顔料の分散性及び分散安定性が向上し、高輝度で且つ高コントラスト化の要求を達成可能で、更にアルカリ現像性に優れた顔料分散液、感光性樹脂組成物が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液は、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤と、溶媒とを含有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であることを特徴とする。
また、本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液の製造方法は、溶媒中、黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤との存在下で、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料を分散させる工程を有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であることを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物は、上記本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分とを含有することを特徴とする。
また、本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の製造方法は、溶媒中、黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤との存在下で、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料を分散させて赤色顔料分散液を調製する工程と、
前記赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分とを混合する工程を有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であることを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、並びに、本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法においては、前記黄色顔料のスルホン化誘導体が、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン化誘導体であることが、特に高輝度を達成しながら、ジケトピロロピロール系赤色顔料の分散性及び分散安定性が向上し、高輝度で且つ高コントラスト化の要求を達成可能な点から好ましい。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、並びに、本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法においては、更に下記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するジケトピロロピロール系赤色顔料のイミドアルキル化誘導体、及び下記一般式(2)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体よりなる群から選択される1種以上のジケトピロロピロール系顔料誘導体を含むことが、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程後においても顔料の凝集が抑制され、高輝度で且つ高コントラスト化を達成可能になる点から好ましい。
Figure 2013064984
(一般式(1)中、Rは、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Xは、アリーレン基を表し、当該アリーレン基は、ハロゲン原子、アリールスルホニル基、アシル基、又は−(C=O)−C−(C=O)−により置換されていても良い。)
Figure 2013064984
(一般式(2)中、Pcは、置換基を有していても良く、ヘテロ原子を含んでいても良い多環式化合物基を表す。Aは、ハロゲン原子、ベンジル基、フェニル基、及び炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキル基よりなる群から選択される置換基であり、nは0〜5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のAは同一であっても異なっていても良い。)
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、並びに、本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法においては、前記黄色顔料のスルホン化誘導体の含有量が、100質量部のジケトピロロピロール系赤色顔料に対して1〜25質量部であり、且つ、前記ジケトピロロピロール系顔料誘導体の含有量が、100質量部のジケトピロロピロール系赤色顔料に対して0〜15質量部であることが、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程後においても顔料の凝集が抑制され、高輝度で且つ高コントラスト化を達成可能な点から好ましい。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、並びに、本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法においては、前記顔料分散剤における前記エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーが、下記一般式(I)で表されることが、高輝度を達成しながら、ジケトピロロピロール系赤色顔料の分散性及び分散安定性が向上し、高輝度で且つ高コントラスト化を達成可能な点から好ましい。
Figure 2013064984
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表すか、R及びRが互いに結合して環状構造を形成する。Qは2価の連結基を表す。)
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、並びに、本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法においては、前記顔料分散剤における、前記有機酸化合物が、下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表されることが、分散性及び分散安定性に優れ、高輝度及び高コントラスト化の要求を達成しやすく、かつ現像性に優れる点から好ましい。
Figure 2013064984
(式(II)及び式(III)中、R及びRa’はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Ra’’で示される1価の基であり、R及びRa’のいずれかは炭素原子を含む。Ra’’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。
は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。
及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
、Ra’、及びRにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、並びに、本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法においては、前記顔料分散剤における、前記マクロモノマーの前記ポリマー鎖が、下記一般式(IV)又は一般式(V)で表される構成単位を少なくとも1種有するものであることが、分散性及び分散安定性に優れ、高輝度及び高コントラスト化の要求を達成しやすい点から好ましい。
Figure 2013064984
(式(IV)及び、式(V)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、−[CO−(CH−O]−R、−CO−O−R又は−O−CO−R10で示される1価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO又は−CHCOOR11で示される1価の基であり、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−[CO−(CH−O]−Rで示される1価の基である。R10は、炭素数1〜18のアルキル基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
本発明は、上記カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を硬化させて形成された着色層を有することを特徴とする、カラーフィルタを提供する。
また、本発明は、上記カラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
更に、本発明は、上記カラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする有機発光表示装置を提供する。
本発明によれば、分散性及び分散安定性に優れ、且つ高輝度及び高コントラスト化の要求も達成するカラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、分散性及び分散安定性に優れ、高輝度、高コントラストな着色層を形成可能で、且つアルカリ現像性に優れたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、当該感光性樹脂組成物を用いて形成された高輝度且つ高コントラストなカラーフィルタ及びこのカラーフィルタを有する液晶表示装置及び有機発光表示装置を提供することができる。
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略図である。 本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。 本発明の有機発光表示装置の一例を示す概略図である。 本発明に用いられるグラフト共重合体の好ましい構造の一例を示す模式図である。
以下、本発明のカラーフィルタ用赤色顔料分散液、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置について順に説明する。
なお、本発明において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことを言う。また本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのいずれかであることを意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートのいずれかであることを意味する。
1.カラーフィルタ用赤色顔料分散液、及びその製造方法
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液は、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤と、溶媒とを含有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体(以下、塩型グラフト共重合体ということがある)であることを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用赤色顔料分散液は、前記溶媒中、前記黄色顔料のスルホン化誘導体と前記特定の顔料分散剤との存在下で、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料を分散させて得られたものであることが好ましい。
赤色顔料であるジケトピロロピロール系赤色顔料を溶媒中で分散する際に、黄色顔料のスルホン化誘導体と、上記特定の塩型グラフト共重合体である顔料分散剤とを組み合わせた顔料分散剤の存在下で分散を行うことにより、高輝度を達成しながら、ジケトピロロピロール系赤色顔料の分散性及び分散安定性が向上し、高輝度で且つ高コントラスト化の要求を達成可能な顔料分散液、感光性樹脂組成物が得られる。
上記特定の組み合わせにより、上記のような効果を発揮する作用としては、未解明であるが以下のように推測される。
本発明によれば、ジケトピロロピロール系赤色顔料を溶媒中で分散する際に、黄色顔料のスルホン化誘導体を用いる。黄色顔料のスルホン化誘導体は、共役系に窒素原子やカルボニル基を持つものが多いため、共役系に窒素原子やカルボニル基を持つジケトピロロピロール系赤色顔料と親和性が高く、赤色顔料の表面に吸着することにより、赤色顔料の表面を酸性にし、ジケトピロロピロール系赤色顔料そのものよりも、顔料分散剤との親和性を高める、顔料分散剤との仲介役を果たす。また、黄色顔料のスルホン化誘導体は、赤色顔料のスルホン化誘導体と異なり、もともとの色が着色力の低い黄色であるため、ジケトピロロピロール系赤色顔料の透過波長よりもより短波長側まで透過することにより、赤色顔料の色を大きく変化させることなく、赤色顔料分散液の輝度を向上させる役割を果たす。
また本発明によれば、黄色顔料のスルホン化誘導体と組み合わせて用いられる顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であることにより、塩型グラフト共重合体において、前記塩形成部位が、顔料、及び、特に顔料表面に吸着された黄色顔料のスルホン化誘導体に対する吸着性が強く、一方でポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマー由来の側鎖は溶媒に対して溶解性を有する。
このような顔料分散剤と黄色顔料のスルホン化誘導体とを組み合わせて用いると、ジケトピロロピロール系赤色顔料を微細化しつつ、1次粒子径以下まで微細化されて露出された顔料表面に黄色顔料のスルホン化誘導体と顔料分散剤が適切に吸着して溶媒中での顔料の安定化を図ることができ、ジケトピロロピロール系赤色顔料をより均一に微細化することができると推定される。その結果、コントラストが向上した塗膜を得ることができる。
本発明のカラーフィルタ用赤色顔料分散液は、少なくともジケトピロロピロール系赤色顔料と、黄色顔料のスルホン化誘導体と、上記特定の塩型グラフト共重合体である顔料分散剤と、溶媒とを必須成分として含有するものであり、必要に応じて他の成分を含有しても良いものである。
以下、このような本発明の赤色顔料分散液の各成分について順に詳細に説明する。
(ジケトピロロピロール系赤色顔料)
ジケトピロロピロール系赤色顔料は、下記化学式で示される構造を有する。
Figure 2013064984
(A’及びA”はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、水素原子、フェニル基、又はメチル基を示す。)
上記式中のA’及びA”におけるハロゲン原子としては、Cl、Brなどが挙げられる。
ジケトピロロピロール系赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド270等が挙げられる。中でも、輝度の点から、ジケトピロロピロール系赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が用いられることが好ましい。
C.I.ピグメントレッド254は、下記化学式で示される構造を有する。
Figure 2013064984
本発明に用いられるジケトピロロピロール系赤色顔料等の顔料の平均一次粒径としては、カラーフィルタの着色層とした場合に、所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されず、用いる顔料の種類によっても異なるが、10〜70nmの範囲内であることが好ましく、10〜50nmの範囲内であることがより好ましい。顔料の平均一次粒径が上記範囲であることにより、本発明のカラーフィルタ用赤色顔料分散液、感光性樹脂組成物を用いて製造された液晶表示装置及び有機発光表示装置を高コントラストで、かつ高品質なものとすることができる。また従来の顔料分散剤であれば、顔料の粒径の微小化に伴い、顔料分散剤が多量に必要になり、アルカリ現像性の低下や残渣の増加といった問題が生じるおそれがあるが、本発明のカラーフィルタ用赤色顔料分散液及び感光性樹脂組成物に用いられる顔料分散剤は、有機酸化合物を用いて塩を形成しているため、アルカリ現像性に優れ、そのような問題を生じるおそれが少ない。したがって、該顔料の平均粒径が上記範囲に示すように、従来に比べ微小であるほど、本発明のカラーフィルタ用感光性樹脂組成物が有する特徴を発揮することができる。
なお、上記顔料の平均粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とする。次に、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(質量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を求めそれを平均粒径とする。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
顔料分散液中の顔料の平均分散粒径は、用いる顔料の種類によっても異なるが、10〜70nmの範囲内であることが好ましく、10〜50nmの範囲内であることがより好ましい。
顔料分散液中の顔料の平均分散粒径は、少なくとも溶剤を含有する分散媒体中に分散している顔料粒子の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、顔料分散液に用いられている溶剤で、顔料分散液をレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分散粒径は、体積平均粒径である。
本発明に用いられるジケトピロロピロール系赤色顔料は、再結晶法、ソルベントソルトミリング法等の公知の方法にて製造することができる。また、市販のジケトピロロピロール系赤色顔料、例えば、市販のC.I.ピグメントレッド254(例えば、BASF製イルガフォアレッドB−CF等)をミリングして用いても良い。
本発明のカラーフィルタ用赤色顔料分散液において、ジケトピロロピロール系赤色顔料の含有量は、適宜調整されれば良く、特に限定されない。通常、ジケトピロロピロール系赤色顔料を含む顔料の含有量は、カラーフィルタ用赤色顔料分散液の全量に対して5〜40質量%、更に8〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
(黄色顔料のスルホン化誘導体)
本発明の顔料分散液において用いられる、黄色顔料のスルホン化誘導体を誘導する黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等が挙げられる。
上記の中でも、黄色顔料のスルホン化誘導体を誘導する黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー109、110、138、139、185が、輝度が高く、C.I.ピグメントレッド254等のジケトピロロピロール系赤色顔料との親和性が高い点から好ましい。更に、C.I.ピグメントイエロー138、139を用いることが、中でも特に、C.I.ピグメントイエロー138を用いることが、特に輝度が高く、C.I.ピグメントレッド254等のジケトピロロピロール系赤色顔料との親和性が高く、かつ、色相を大きく変えることなく、高輝度及び高コントラストを実現しやすい点から好ましい。
黄色顔料のスルホン化誘導体は、少なくとも1つのスルホン酸基(−SOH)、又はスルホンアミド基が、黄色顔料に結合した構造を有するものであり、更に、スルホン酸基の一部、もしくは全部がアミンやアンモニウムヒドロキシド、クロリド、ブロミド等や、金属等によって塩形成され、スルホン酸塩となっていても良い。
スルホン酸基のアミド化合物であるスルホンアミド基としては、下記化学式(1)〜(3)で表されるスルホンアミド基が好ましい。
化学式(1): −SONH−(CHm’−NR’R”
化学式(2): −SONH−(CHm’−COOH
化学式(3): −SONH−(CHm’−SO
化学式(1)において、R’及びR”はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の置換されていても良い飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基若しくは芳香族炭化水素基、又は、隣接する窒素原子と共に更に窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含んでいても良い複素環を形成したものを表す。
化学式(1)〜(3)において、m’はそれぞれ独立に、1〜6の整数である。
上記化学式(1)の−SONH−(CHm’−NR’R”で表される置換基として導入されるアミン成分(−(CHm’−NR’R”)の代表的なものとしては、ピペリジノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノプロピル、ジブチルアミノプロピル、ピペリジノエチル、ピペコリノエチル、モルホリノエチル、ピペリジノプロピル、ピペコリノプロピル、ジエチルアミノヘキシル、ジエチルアミノエトキシプロピル、ジエチルアミノブチル、ジメチルアミノアミル、N−N−メチル−ラウリル−アミノプロピル、2−エチルヘキシルアミノエチル、ステアリルアミノエチル、オレイルアミノエチル等が挙げられる。
更に、−SONH−基に、p−ジメチルアミノエチルスルファモイルフェニル、p−ジエチルアミノエチルスルファモイルフェニル、p−ジメチルアミノプロピルスルファモイルフェニル、p−ジエチルアミノエチルカルバモイルフェニル等が結合したようなスルホンアミド基であっても良い。
塩形成していないスルホン酸基が存在している場合の方が、後述の塩型グラフト共重合体型顔料分散剤の塩形成部位との相互作用で分散剤の顔料吸着力を向上させることができるためコントラスト向上の点からは好ましい。
また、黄色顔料のスルホン化誘導体には、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホン酸塩以外に、更にフタルイミドメチル基等の他の官能基が置換されていても良い。
中でも、化学式(1)で表されるスルホンアミド基の場合、及び炭素数が3以上の長鎖アルキル基を含むアミノ基と塩形成したスルホン酸塩の場合には、溶剤再溶解性が良好になる点から好ましい。ここで溶剤再溶解性とは、一度乾燥した感光性樹脂組成物の固形分が再度溶媒に溶解する性質をいう。溶剤再溶解性が良好であると、カラーフィルター製造時に付着した感光性樹脂組成物の乾燥物の除去、清掃が容易になり、製造上大きなメリットになる。
スルホン酸基(−SOH)、又はスルホンアミド基の黄色顔料1分子中の置換数は、1〜3であることが好ましく、中でも1〜2であることが、更に、1であることが
立体障害や分散剤との親和性の点から好ましい。
本発明において用いられる好適に用いられる黄色顔料のスルホン化誘導体としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー138に、少なくともスルホン酸基、スルホンアミド基、スルホン酸塩が結合したような以下の構造が挙げられる。
Figure 2013064984
(化学式(4)において、Zは、スルホン酸基、−SONH−(CHm’−NR’R”、−SONH−(CHm’−COOH、−SONH−(CHm’−SOH、及びスルホン酸塩よりなる群から選択される1種であり、R’及びR”はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の置換されていても良い飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基若しくは芳香族炭化水素基、又は、隣接する窒素原子と共に更に窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含んでいても良い複素環を形成したものを表し、m’はそれぞれ独立に、1〜6の整数である。n’は置換基数を示し、1〜4の整数を表す。)
好適に用いられる置換基としては、スルホン酸基、−SONHCCOOH、−SO N(CH(C1837 、−SONHCN(C等が挙げられる。
化学式(4)において、置換基数n’は、1〜2であることが好ましく、中でも1であることが、顔料分散剤の塩形成部位との親和性が高い点から好ましい。
黄色顔料のスルホン化誘導体は、例えば、黄色顔料を、濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸又はこれらの混合液などに投入してスルホン化反応を行うことにより製造することができる。スルホン化反応後、反応液を大量の水で希釈するか、あるいはアミン塩を製造する際にはアミン水溶液で中和することが好ましく、得られた懸濁液を濾過した後に水系の洗浄液で洗浄し、乾燥する。用いられるアミン水溶液のアミンを適宜選択することにより、スルホン酸のアミン塩を適宜設計通りに導入できる。また、スルホン酸アミドを製造する際には、上述の方法で得られた黄色顔料のスルホン化物に塩化チオニルを作用させ、スルホン酸クロリドとした後にアミンと混合することでスルホン化アミドを適宜設計どおりに導入できる。
上記の方法でスルホン化を行う場合、反応液濃度、反応温度、反応時間などを調整することにより1分子当たりのスルホン酸基やスルホンアミド基の導入量を制御することができる。
黄色顔料のスルホン化誘導体としては、1種単独で又は2種類以上混合して用いることができる。例えば、スルホン酸基及び/又はスルホンアミド基の種類、置換位置又は置換数が異なるスルホン化誘導体を2種以上混合して用いても良い。
本発明において、黄色顔料のスルホン化誘導体は、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料の100質量部に対して、1〜25質量部含有されることが好ましい。中でも、黄色顔料のスルホン化誘導体は、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料の100質量部に対して、1〜15質量部、更に3〜10質量部含有されることが好ましい。このような含有量で用いられることにより、色相を大きく変えることなく高輝度で且つ高コントラスト化の要求を達成する塗膜を作製可能になる。
(顔料分散剤)
本発明に用いられる顔料分散剤は、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体である。
本発明によれば、用いられる顔料分散剤が、上記塩型グラフト共重合体であることにより、塩形成部位が顔料に対する吸着性が強く、一方でグラフトされているポリマー鎖が溶媒に対して溶解性を有する。上記顔料分散剤を用いると、従来顔料分散性、及び顔料分散安定性が悪かった顔料に対しても溶媒中での安定化を図ることができ、顔料の分散性及び分散安定性を優れたものとすることができる。
また、有機酸化合物を有することにより、上記モノマーに含まれるアミノ基と有機酸化合物とが形成する塩形成部位が、アルカリ現像時のアルカリ水溶液に対して高い溶解性を有することから、アルカリ現像性に優れたものとすることができる。したがって、本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を用いて、カラーフィルタを製造した場合には、アルカリ現像時間を短縮することができ、生産性に優れたものとすることができる。また、アルカリ現像性に優れることにより、未露光箇所におけるカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の残渣が少ない高品質なカラーフィルタを得ることができる。
<グラフト共重合体>
上記グラフト共重合体は、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するものである。
上記エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーとしては、特に限定されない。中でも、下記一般式(I)で表されるものであることが、顔料分散性の点から好ましい。
Figure 2013064984
(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表すか、R及びRが互いに結合して環状構造を形成する。Qは2価の連結基を表す。)
及びRにおける、環状若しくは鎖状の炭化水素基としては、特に限定されない。中でも炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などを挙げることができる。これらの中で、メチル基及びエチル基が好ましい。
及びRは、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
また、R及びRが互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。具体的には、例えば下記式の構造が挙げられる。
Figure 2013064984
また、2価の連結基Qとしては、例えば、炭素数1〜8のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−A−基、−COO−A−基(但し、Aは、炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−又は−[(CH−O]−(CH−で示される2価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)等が挙げられ、好ましくは−COO−A−基、−CONH−A−基である。ジケトピロロピロール系赤色顔料の分散性、分散安定性の点からは、−CONH−A−基がより好ましい。
ここで、上記炭素数1〜8のアルキレン基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基、各種オクチレン基などである。アリーレン基としては、フェニレン基等が挙げられる。
及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
xは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、yは1〜5の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。zは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。本発明においては、x、y及びzが、上記の範囲にあれば、本発明の顔料分散液及びカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物は、顔料の分散性に優れたものになる。
このAとしては、炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。炭素数が1〜8の範囲内であれば、顔料の分散性を良好に保つことができる。
上記一般式(I)で表されるモノマーとしては、発現する物性のバランス及び入手が容易な点からは、下記一般式(I’)で表されるモノマーが好適に用いられる。
Figure 2013064984
(一般式(I’)中、Rは水素原子又はメチル基、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基、Aは、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R)−CH(R)−O]−CH(R)−CH(R)−又は−[(CH−O]−(CH−で示される2価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
一般式(I’)中、R〜R及びAは、前記一般式(I)において説明したものと同様のものとすることができる。
上記一般式(I)で表されるモノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系単量体;ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアクリルアミド系単量体等が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(I)で表されるモノマーは、1種類からなるものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
本発明に用いられるマクロモノマーは、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなるものである。このエチレン性不飽和二重結合を有する基は、ポリマー鎖の一方の末端(以下、「片末端」と称することがある。)のみに有することが好ましい。また、マクロモノマーは、グラフト共重合体の分散性能等を妨げない範囲で、置換基で置換されていてもよく、置換基としては、例えばハロゲン原子などが挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などが好ましく挙げられ、なかでも(メタ)アクリロイル基、ビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。
前記マクロモノマーのポリマー鎖は、下記一般式一般式(IV)又は一般式(V)で表される構成単位を少なくとも1種有するものであることが好ましい。
Figure 2013064984
(式(IV)及び、式(V)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、−[CO−(CH−O]−R、−CO−O−R又は−O−CO−R10で示される1価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO又は−CHCOOR11で示される1価の基であり、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−[CO−(CH−O]−Rで示される1価の基である。R10は、炭素数1〜18のアルキル基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
における、炭素数1〜18のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、ボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、低級アルキル基置換アダマンチル基などが挙げられる。
における、アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は、6〜24が好ましく、更に6〜12が好ましい。
における、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、7〜20が好ましく、更に7〜14が好ましい。
が芳香環を有する場合は、当該芳香環上に、更に置換基を有していてもよく、当該置換基としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状、分枝状のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
は、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−[CO−(CH−O]−Rで示される1価の基である。上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のRで示したとおりである。
及びRは前記と同じであり、Rは、水素原子、あるいは置換基を有してもよい、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO又は−CHCOOR11で示される1価の基である。R11は水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基であり、R10は、炭素数1〜18のアルキル基である。
上記Rで示される1価の基において、有してもよい置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記R10及びRのうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のRで示したとおりである。
上記R及びRおいて、x、y及びzは、前記Aで説明したとおりである。
本発明において、上記R及びRとしては、なかでも、後述する溶媒との溶解性に優れたものを用いることが好ましく、具体的には、上記グラフト共重合体を構成する構成単位等によっても異なるが、上記溶媒が、カラーフィルタ用の溶媒として一般的に使用されているエーテルアルコールアセテート系、エーテル系、エステル系などの溶媒を用いる場合には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ベンジル基等が好ましい。
ここで、上記R及びRをこのように設定する理由は、上記R及びRを含む構成単位が、上記溶媒に対して溶解性を有し、上記モノマーのアミノ基と後述する有機酸化合物とが形成する塩形成部位が顔料に対して高い吸着性を有するものであることにより、顔料の分散性、及び安定性を特に優れたものとすることができるからである。
さらに、上記RびRは、上記グラフト共重合体の分散性能等を妨げない範囲で、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、水素結合形成基等の置換基によって置換されたものとしてもよい。また、これらの置換基を有するグラフト共重合体を合成した後に、当該置換基と反応する官能基と重合性基とを有する化合物を反応させて、重合性基を付加したものとしてもよい。例えば、カルボキシル基を有するグラフト共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを反応させたり、イソシアネート基を有するグラフト共重合体にヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたりして、重合性基を付加することができる。
また、本発明の赤色感光性樹脂組成物において用いられるマクロモノマーのポリマー鎖は、ガラス転移温度が30℃以上であることが好ましく、更に、50℃以上であることがより好ましい。本発明で用いられるマクロモノマーのポリマー鎖のガラス転移温度が30℃以上である場合には、本発明の顔料分散液又は感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層の耐熱性や耐溶剤性が向上する。耐熱性が向上すると、カラーフィルタの製造工程における例えば230℃で30分加熱するようなポストベーク工程後に、着色層が変色したり、輝度やコントラストが低下することを抑制することが可能になる。また、耐溶剤性が向上すると、カラーフィルタの製造工程において、例えば液晶配向膜としてポリイミド膜を形成する際に使用されるN−メチルピロリドンによって、着色層表面が荒れるといった不具合を抑制することが可能になる。
本発明におけるマクロモノマーのポリマー鎖のガラス転移温度(Tg)は下記式で計算することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの質量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。なお、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は、Polymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用することができる。
以上のような点を考慮すると、本発明で用いられるマクロモノマーのポリマー鎖は、上記した構成単位のなかでもメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、及びビニルシクロヘキサンよりなる群から選択される1種以上のモノマー由来の構成単位の総量がマクロモノマーのポリマー鎖全体の30質量%以上で含まれるものが好ましく、更に50質量%以上で含まれるものが好ましく、また、メチルメタクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及び/又はイソボルニル(メタ)アクリレート由来の構成単位が含まれるものがより好ましい。しかしながら、これらに限定されるものではない。
マクロモノマーのポリマー鎖は、単独重合体でもよく、共重合体であってもよい。
例えば、単独重合体ではガラス転移温度が30℃未満となるような構成単位であっても、ポリマー鎖の共重合成分として含まれ、上記計算式で表されるポリマー鎖全体の計算Tgが30℃以上となる場合には、本発明の感光性樹脂組成物のマクロモノマーとして、好適に用いることができる。
更に、グラフト共重合体に用いられるマクロモノマーは、1種単独で用いられても良いが、2種以上混合して用いても良い。
マクロモノマーを2種以上混合して用いる場合には、ガラス転移温度が30℃以上であるポリマー鎖を有するマクロモノマーが、マクロモノマー全体の30質量%以上、更に50質量%以上となるように用いることが好ましい。
mは1〜5の整数、好ましくは2〜5の整数、より好ましくは4又は5の整数である。また、マクロモノマーの構成単位のユニット数l及びl’は、5〜200の整数であればよく、特に限定されないが、5〜100の範囲内であることが好ましい。
マクロモノマーの質量平均分子量Mwは、500〜20000の範囲内であることが好ましく、1000〜10000の範囲内であることがより好ましい。上記範囲であることにより、顔料分散剤としての十分な立体反発効果を保持できるとともに、立体効果による顔料への吸着時間の増大を抑制することもできる。
このようなマクロモノマーは、適宜合成したものでもよいし、市販品であってもよく、市販品としては、例えば片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートオリゴマー(質量平均分子量:6000,「AA−6(商品名)」:東亞合成化学(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリ−n−ブチルアクリレートオリゴマー(質量平均分子量:6000,「AB−6(商品名)」:東亞合成化学(株)製)、片末端メタクリロイル化ポリスチレンオリゴマー(質量平均分子量:6000,「AS−6(商品名)」:東亞合成化学(株)製)、カプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(「プラクセルFM5(商品名)」:ダイセル化学(株)製)、カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(「プラクセルFA10L(商品名)」:ダイセル化学(株)製)などが挙げられる。
このようなマクロモノマーを合成するには、リビング重合法や、連鎖移動剤を用いるラジカル重合法がよく知られている。ラジカル重合法の方が、モノマーの選択の自由度が大きい点で利用しやすい。例えば、メルカプトプロピオン酸のような、カルボキシル基を有する連鎖移動剤の存在下でモノマーをラジカル重合することにより、片末端にカルボキシル基を有するオリゴマーが得られる。このオリゴマーにグリシジルメタクリレートを付加すると、片末端にメタクリロイル基を有するオリゴマー、すなわちマクロモノマーが得られる。
本発明に用いられるグラフト共重合体において、前記エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーに由来する繰り返し単位は、3〜80質量%の割合で含まれていることが好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。グラフト共重合体中の上記モノマーに由来する繰り返し単位の含有量が上記範囲内にあれば、グラフト共重合体中のアミノ基が形成する塩形成部位の割合が適切となり、かつマクロモノマー側鎖によって溶媒に対する溶解性の低下を抑制できるので、顔料に対する吸着性が良好となり、顔料の分散性、及び安定性が得られる。
また、上記グラフト共重合体の質量平均分子量Mwは、1000〜100000の範囲内であることが好ましく、3000〜50000の範囲内であることがより好ましく、5000〜30000の範囲内であることがさらに好ましい。上記範囲であることにより、顔料を均一に分散させることができる。
なお、上記質量平均分子量Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された値である。測定は、東ソー(株)製のHLC−8120GPCを用い、溶出溶媒を0.01モル/リットルの臭化リチウムを添加したN−メチルピロリドンとし、校正曲線用ポリスチレンスタンダードをMw377400、210500、96000、50400、206500、10850、5460、2930、1300、580(以上、Polymer Laboratories社製 Easi PS−2シリーズ)及びMw1090000(東ソー(株)製)とし、測定カラムをTSK−GEL ALPHA−M×2本(東ソー(株)製)として行われたものである。
本発明に用いられるグラフト共重合体は、上記したアミノ基を有するモノマーとマクロモノマーとを共重合体成分として有し、さらに前記モノマーが有するアミノ基と有機酸化合物とが塩を形成したものであり、その構造は、例えば図4のように表される。図4において、グラフト共重合体は、アミノ基を有するモノマー単位51が重合反応により主鎖を形成し、該重合反応においてマクロモノマーの重合性基部位(エチレン性不飽和二重結合を有する基部位)52が同時にアミノ基を有するモノマー(窒素含有モノマー)と重合し、マクロモノマーは当該エチレン性不飽和二重結合を有する基部位に接続しつつポリマー鎖53として側鎖を形成しており、有機酸化合物54は、アミノ基を有するモノマー単位51のアミノ基と塩を形成したものである。
<有機酸化合物>
本発明において用いられる有機酸化合物は、前述したアミノ基を有するモノマーのアミノ基と塩形成をするものであれば、特に限定されない。
本発明においては、上記有機酸化合物を用いることにより、顔料分散剤を、顔料の分散性及び安定性に優れたものとすることができ、さらに塩形成部位が、アルカリ現像時のアルカリ水溶液に対して高い溶解性を有することから、アルカリ現像性に優れたものとすることができる。
有機酸化合物としては、中でも、下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013064984
(式(II)及び式(III)中、R及びRa’はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Ra”で示される1価の基であり、R及びRa’のいずれかは炭素原子を含む。Ra”は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。
は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。
及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。R、Ra’、R、R及びRにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
上記一般式(II)において、R及びRa’は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]c−R又は−O−Ra”を示し、R及びRa’のうちいずれかは炭素原子を含む。尚、R及びRa’が芳香環を有する場合、該芳香環上に適当な置換基、例えば、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基などを有していてもよい。
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記Rで示したとおりである。
上記炭素数2〜18のアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。このようなアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、各種ブテニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種デセニル基、各種ドデセニル基、各種テトラデセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種オクタデセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などを挙げることができる。アルケニル基の二重結合の位置には限定はないが、得られたポリマーの反応性の点からは、アルケニル基の末端に二重結合があることが好ましい。
及び/又はRa’が、−O−Ra”の場合、酸性リン酸エステルとなる。上記Ra”は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のRで示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のR及びRa’で示したとおりである。尚、Ra”が芳香環を有する場合、該芳香環上に適当な置換基、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基などを有していてもよい。
上記R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。Rは水素原子、あるいは置換基を有してもよい、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH、又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数が1〜5の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基である。
上記Rで示される1価の基において、有してもよい置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記Rのうちの炭素数1〜18のアルキル基は前記のRで示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のR及びRa’で示したとおりである。
、Ra’及びRa”において、sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数である。sは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、tは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。uは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。
上記一般式(III)において、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R又は−O−Rb’を示す。尚、Rが芳香環を有する場合、該芳香環上に適当な置換基、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基などを有していてもよい。
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のRで示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のR及びRa’で示したとおりである。
が、−O−R’の場合、酸性硫酸エステルとなる。上記R’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。
上記炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記のRで示したとおりであり、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記のR及びRa’で示したとおりである。尚、R’が芳香環を有する場合、該芳香環上に適当な置換基、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基などを有していてもよい。
上記R、R及びRは、前記と同じである。
上記R及びR’において、sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数である。好ましいs、t、uは、上記R、Ra’及びRa”と同様である。
上記一般式(II)で表される有機酸化合物としては、前記一般式(II)におけるR及びRa’が、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基、ビニル基、アリル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−R、あるいは、−O−Ra’’で示される1価の基であり、R及びRa’のいずれかは炭素原子を含み、且つ、Ra’’が、メチル基、エチル基、置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基、ビニル基、アリル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rであり、R及びRが、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rが−CO−CH=CH又は−CO−C(CH)=CHであるものが顔料分散性に優れたものとすることができる点から好ましい。
また、一般式(III)で表される有機酸化合物としては、一般式(III)におけるRが、メチル基、エチル基、置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基、ビニル基、アリル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−R、あるいは、−O−Rb’で示される1価の基であり、Rb’が、メチル基、エチル基、置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基、ビニル基、アリル基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rであり、R及びRが、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rが−CO−CH=CH又は−CO−C(CH)=CHであるものが顔料分散性に優れたものとすることができる点から好ましい。
中でも、上記一般式(II)及び一般式(III)で表される有機酸化合物は、R、Ra’及び/又はRa’’、並びに/或いは、R及び/又はRb’として、芳香環を有することが顔料分散性の点から好ましい。R、Ra’及びRa’’の少なくとも1つ、或いは、R又はRb’が、置換基を有していても良いアリール基又はアラルキル基、より具体的には、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基であることが、顔料分散性の点から好ましい。前記一般式(II)においては、R及びRa’の一方が芳香環を有する場合には、R及びRa’の他方は、水素原子や水酸基であるものも好適に用いられる。
また、耐熱性や耐薬品性、特に耐アルカリ性の点からは、上記一般式(II)及び一般式(III)で表される有機酸化合物としては、リン(P)や硫黄(S)に炭素原子が直接結合した化合物であることが好ましく、R及びRa’が、それぞれ独立に水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−Rで示される1価の基であり、R及びRa’のいずれかは炭素原子を含むことが好ましい。また、Rが、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−Rで示される1価の基であることが好ましい。
顔料分散性、耐熱性、耐薬品性、及び耐アルカリ性の点からは、中でも特に、リン(P)や硫黄(S)にアリール基が直接結合した化合物であることが好ましく、R及びRa’のいずれか、或いは、Rが、置換基を有していても良いアリール基であることが好ましい。
また、上記一般式(II)及び一般式(III)で表される有機酸化合物は、R、Ra’及び/又はRa’’、並びに/或いは、R及び/又はRb’としては、重合性基を有するもの、すなわち、ビニル基、アリル基あるいは−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rであり、且つ、Rが−CO−CH=CH又は−CO−C(CH)=CHであるものが好ましく、特に、R、Ra’及び/又はRa’’、並びに/或いは、R及び/又はRb’が、ビニル基、アリル基、2−メタクリロイルオキシエチル基、2−アクリロイルオキシエチル基であるものが好ましい。
このような場合には、本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を用いて着色層を形成する際の露光時に、上記重合性基同士及び/又は上記重合性基と、本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂及び多官能性モノマー等とを容易に重合することができ、カラーフィルタの着色層中において、上記顔料分散剤が、安定に存在することを可能とする。このようなカラーフィルタを用いて液晶表示装置を製造した際には、液晶層等へ上記顔料分散剤がブリードアウトすることを防止することができる。
また、当該有機酸化合物が、重合性基を含むことにより、着色層形成に用いる前に、当該有機酸化合物が有する重合性基同士を重合させることができ、その結果顔料分散剤が高分子量化されるため、着色層形成の現像時において、未露光箇所のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を、アルカリ現像性に特に優れるものとすることができる。
本発明で用いられるグラフト共重合体における該有機酸化合物の含有量は、良好な分散安定性が発揮されるのであればよく、特に制限はないが、一般にモノマー由来の構成単位に含まれるアミノ基に対して、0.05〜1.0モル当量が好ましい。
中でも、該有機酸化合物の含有量は前記アミノ基に対して、0.2〜0.8モル当量であることが好ましい。このように、前記アミノ基に対して所定量の一部が塩形成され、所定量の一部がアミノ基としてグラフト共重合体中に残存することにより、顔料の吸着力、黄色顔料のスルホン化誘導体との相互作用が高まり、顔料分散性及び顔料分散安定性がより優れるようになる。また、顔料分散剤や樹脂組成物の粘度の増加を抑制したりむしろ粘度を低下させる効果がある。更に、溶剤への溶解性や、樹脂組成物が一度乾燥した後の再溶解性も飛躍的に向上する。
尚、上記該有機酸化合物を2種以上併用する場合、これらを合計した含有量が上記範囲内にあればよい。
本発明の顔料分散液、及びカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物においては、顔料分散剤として、前述したように、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基からなるマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であり、さらに前記窒素含有モノマーが有するアミノ基と、有機酸化合物とが塩を形成してなる塩型グラフト共重合体が用いられる。
このような塩型グラフト共重合体を顔料分散剤として用いることにより、本発明のカラーフィルタ用顔料分散液、及びカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を、顔料の分散安定性に優れたものとすることができる。
<塩型グラフト共重合体の製造>
本発明において、顔料分散剤として用いる塩型グラフト共重合体の製造方法としては、前記のアミノ基を有するモノマーと、ポリマー鎖とその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基とからなるマクロモノマーとを共重合体成分として含有し、かつ窒素含有モノマーが有するアミノ基と、有機酸化合物とが塩を形成したものを製造することができる方法であればよく特に限定されない。本発明においては、例えば、前記モノマーと前記マクロモノマーと、必要に応じてその他のモノマーとを公知の重合手段を用いてグラフト重合させることが可能である。次いで、該溶媒中に上記有機酸化合物を添加し、攪拌することにより塩型グラフト共重合体を製造することができる。なお、上記重合においては、重合に一般的に用いられる添加剤、例えば重合開始剤、分散安定剤、連鎖移動剤などを用いてもよい。
本発明のカラーフィルタ用顔料分散液、及びカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物において、顔料分散剤としては、上記塩型グラフト共重合体を1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよく、その含有量は、用いる顔料の種類、更に感光性樹脂組成物中の固形分濃度等に応じて適宜選定される。本発明のカラーフィルタ用顔料分散液、及びカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物において、顔料分散剤としては、顔料100質量部に対して、通常、5〜200質量部の範囲であり、10〜100質量部であることが好ましく、20〜80質量部であることがより好ましい。塩型グラフト共重合体の含有量が上記範囲内にあれば、顔料を均一に分散させることができる。また、感光性樹脂組成物において、相対的にアルカリ可溶性樹脂、多官能性モノマーの配合比率が低下することがなく、十分な硬度を持った着色層が形成できる。
なお本発明において、顔料誘導体以外の含有量を規定する際の、顔料には、顔料の他、顔料誘導体が含まれ、例えば、黄色顔料のスルホン化誘導体も含まれる。
(溶媒)
本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液には、顔料を分散させるために溶媒が含まれる。顔料分散液に用いる溶媒としては、該顔料分散液中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶媒であればよく、特に限定されない。
本発明の顔料分散液に用いる溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのセロソルブ系溶媒;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶媒;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶媒;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶媒;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶媒;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなどの飽和炭化水素系溶媒などの有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒の中では、メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶媒;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶媒;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒が好適に用いられる。中でも、本発明に用いる溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(CHOCHCH(CH)OCOCH)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
これらの溶媒は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の顔料分散液は、以上のような溶媒を、当該溶媒を含む顔料分散液の全量に対して、通常は60〜85質量%の割合で用いて調製する。溶媒が少なすぎると、粘度が上昇し、顔料分散性が低下しやすい。また、溶媒が多すぎると、顔料濃度が低下し、樹脂組成物を調製後目標とする色度座標に達成することが困難な場合がある。
(他の顔料誘導体)
本発明の効果が損なわれない限り、他の顔料誘導体を含んでいても良い。このような顔料誘導体は、顔料骨格に官能基を付与し、様々な機能を顔料に付加する役割を持つ化合物である。顔料分散時に顔料誘導体を顔料に添加すると、顔料誘導体の顔料類似骨格が顔料表面に吸着もしくは結合し、それにより顔料の表面が極性を有するようになったり、顔料表面が安定化する。これにより、分散剤と顔料間の親和性が向上し、分散性、分散安定性を向上させたり、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程後においても顔料同士の凝集を抑制することができると考えられている。
本発明の顔料分散液においては、更に、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程後において顔料の凝集を抑制する機能を有するジケトピロロピロール系顔料誘導体を用いることが好ましい。ジケトピロロピロール系赤色顔料の分散時間を長くする等により分散を強化した場合に、高温加熱工程後において顔料の凝集が生じ、却ってコントラストが低下する場合がある。この場合に、顔料の凝集を抑制する機能を有するジケトピロロピロール系顔料誘導体を併用すると、高温加熱工程後において顔料の凝集を抑制できるので、微分散が保持され、特に高輝度で且つ高コントラスト化を達成可能になる。その他、黄色顔料のフタルイミドアルキル化誘導体を用いても良い。
<ジケトピロロピロール系顔料誘導体>
カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程後において顔料の凝集を抑制する機能を有するジケトピロロピロール系顔料誘導体としては、中でも、下記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するジケトピロロピロール系赤色顔料のイミドアルキル化誘導体、及び下記一般式(2)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体よりなる群から選択される1種以上のジケトピロロピロール系顔料誘導体を用いることが好ましい。
Figure 2013064984
(一般式(1)中、Rは、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Xは、アリーレン基を表し、当該アリーレン基は、ハロゲン原子、アリールスルホニル基、アシル基、又は−(C=O)−C−(C=O)−により置換されていても良い。)
Figure 2013064984
(一般式(2)中、Pcは、置換基を有していても良く、ヘテロ原子を含んでいても良い多環式化合物基を表す。Aは、ハロゲン原子、ベンジル基、フェニル基、及び炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキル基よりなる群から選択される置換基であり、nは0〜5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のAは同一であっても異なっていても良い。)
上記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するジケトピロロピロール系赤色顔料のイミドアルキル化誘導体は分子内、分子間で、ジケトピロロピロール系赤色顔料の水素結合部位と水素結合を形成することで、ジケトピロロピロール系赤色顔料の水素結合部位をブロックし、他のジケトピロロピロール系赤色顔料が分子レベルで近づけないようにすることで結晶が成長しにくくなると推測される。
上記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するジケトピロロピロール系赤色顔料のイミドアルキル化誘導体において、環状イミドアルキル基は、顔料を構成する顔料骨格に、上記一般式(1)で表されるアルキレン基Rで結合する。
一般式(1)中、Rの炭素数1〜6のアルキレン基としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基が挙げられ、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基等が挙げられる。中でも、製造が容易な点から、アルキレン基としては、メチレン基であることが好ましい。
一般式(1)中、Xは、アリーレン基を表し、1,2−フェニレン、1,2−ナフチレン、2,3−ナフチレン、1,8−ナフチレン、及び2,2’−ビフェニレン等が挙げられる。一般式(1)中のXとしては、フタルイミドとなる1,2−フェニレン、及び、ナフタルイミドとなる1,8−ナフチレンが好ましい。
一般式(1)中、Xのアリーレン基に置換されていても良いハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子が好ましい。
一般式(1)中、Xのアリーレン基に置換されていても良いアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、及び、置換されたフェニルスルホニル基、例えば、p−トリルスルホニル基、p−クロロフェニルスルホニル基、p−ブロモフェニルスルホニル基等を挙げることができる。
一般式(1)中、Xのアリーレン基に置換されていても良いアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンジル基等を挙げることができる。
本発明において用いられる顔料のイミドアルキル化誘導体は、中でも、下記一般式(1’)で表されるフタルイミドアルキル基を有するフタルイミドアルキル化誘導体であることが、効率的に顔料凝集体を抑制できる点から好ましい。
Figure 2013064984
(式(1’)中、Rは、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。)
一般式(1’)で表されるフタルイミドアルキル基において、アルキレン基Rは、上記一般式(1)と同様であってよく、中でも、メチレン基が、効率的に顔料凝集体を抑制できる点から好ましい。
また、上記特定のイミドアルキル基の置換数は、1〜5が挙げられるが、1〜2であることが好ましく、中でも1であることが、効率的に顔料凝集体を抑制できる点から好ましい。
顔料のイミドアルキル化誘導体の分子量が小さい方が、重量あたりの有効成分の割合が増えるため、効率的に顔料凝集体を抑制できる。
顔料のイミドアルキル化誘導体は、例えば、顔料を、パラホルムアルデヒドとフタルイミド等の特定のイミドとを、三酸化硫黄や硫酸中で、反応させることにより製造することができる。なお、合成方法については、特表2004−501911号公報に詳細に記載され、これを参照することができる。顔料のイミドアルキル化誘導体としては、1種単独で又は2種類以上混合して用いることができる。例えば、アルキレン基の種類、イミドアルキル基の種類、各種イミドアルキル基の置換位置又は置換数が異なるイミドアルキル化誘導体を2種以上混合して用いても良い。
一方、上記一般式(2)ジケトピロロピロール誘導体は、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の一方のフェニル基を多環式化合物基としたことにより、上記フタルイミドメチル化ジケトピロロピロール誘導体と同様に、顔料析出抑制機能を有する。なお、非対称型とは、ジケトピロロピロール骨格の2つのピロール環に置換された置換基が異なることをいう。
一般式(2)におけるフェニル基に置換されたAは、ハロゲン原子、ベンジル基、フェニル基、及び炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキル基よりなる群から選択される置換基である。当該特定の置換基Aの場合には、本発明の効果を大きく妨げることはない。なお、Aがフェニル基の場合であって、Pcがビフェニル基である場合には、ジケトピロロピロール骨格の2つのピロール環に対して対称的な構造にならないように、Aのフェニル基は結合する。
一般式(2)におけるフェニル基としては、置換基を有しない(n=0である)ことが好ましい。フェニル基に塩素等、置換基が無い方が、顔料に作用する側の立体障害が小さく、顔料の一次粒子の表面により多く水素結合したり、吸着したりできるため、顔料析出抑制が向上する。
置換基Aを有する場合のAとしては、中でも、ハロゲン原子、炭素数1〜3の直鎖又は分枝のアルキル基であることが、立体障害が小さく、顔料に対する吸着を妨げない点から好ましい。ハロゲン原子としては、Cl、Brなどが挙げられる。炭素数1〜3の直鎖又は分枝のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
一般式(2)のPcにおける、多環式化合物基とは、環構造を2つ以上含む多環式化合物から水素原子を1個除いた残りの原子団をいう。ここでの多環式化合物は、2環以上が縮合した縮合多環式化合物だけでなく、環構造が直接相互に連結された非縮合多環式化合物も含まれる。また環構造としては、芳香族炭化水素、芳香族複素環式化合物、非芳香族複素環式化合物、脂肪族環状炭化水素が挙げられる。環構造としては、中でも、芳香族炭化水素、芳香族複素環式化合物、非芳香族複素環式化合物が、剛直な立体障害となる点から好ましい。
芳香族炭化水素の単環構造としては、ベンゼンが挙げられる。芳香族複素環式化合物の単環構造としては、フラン、チオフェン、ピロール等が挙げられる。非芳香族複素環式化合物としては、環式エーテル、ラクトン、環式イミン、ラクタム等の構造が挙げられ、例えば、オキセタン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、ブチロラクトン、エチレンイミン等が挙げられる。また、脂肪族環状炭化水素としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等が挙げられる。
縮合多環式化合物としては、ナフタレン、インデン、アズレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、クリセン、ナフタセン等の縮合環炭化水素や、ベンゾフラン、イソベンゾフラン等の縮合複素環化合物が挙げられる。また、縮合多環式化合物には、縮合環炭化水素や縮合複素環化合物の一部が水素添加された構造も含まれる。
Pcにおける多環式化合物としては、縮合多環式化合物を用いるか、或いは、単環構造同士、縮合多環式化合物同士、又は、単環構造と縮合多環式化合物を、直接結合により相互に連結された多環式化合物を用いる。このような多環式化合物を用いると、相互の水素原子や立体障害によって安定な位置に環構造が強く固定されるため、剛直で加熱時にも動きにくく、顔料析出抑制機能が向上するというメリットがある。
Pcにおける単環構造同士、縮合多環式化合物同士、又は、単環構造と縮合多環式化合物を、直接結合により相互に連結された多環式化合物の具体例としては、例えば、ビフェニル、1−フェニル−2,5−ジメチルピロール、ビピリジル等が挙げられる。
Pcにおける多環式化合物としては、置換基を有していても良く、当該置換基としては、フェニル基に結合していても良いAと同じ置換基が挙げられる。
Pcにおける多環式化合物としては、炭素数が4〜20であることが好ましく、更に炭素数が5〜18であることが、顔料のジケトピロロピロール骨格に対する吸着性と顔料析出抑制機能の効果のバランス、および溶剤への溶解性の点から好ましい。
本発明で用いられる非対称型ジケトピロロピロール誘導体は、顔料のジケトピロロピロール骨格に対する吸着性と顔料析出抑制機能の効果のバランス、および溶剤への溶解性、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料とほぼ同じ色を有し、添加による色変化、輝度低下が少ない点から、中でも、ジケトピロロピロール骨格に芳香族炭化水素が直接結合した構造を有していることが好ましく、下記一般式(2’)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体であることが好ましい。
Figure 2013064984
(一般式(2’)中、Ar〜Arは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は有機基であり、それらが結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。但し、Ar〜Arの少なくとも1つが置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良いヘテロアリール基であるか、及び/又は、Ar〜Arの少なくとも2つが結合して環状構造を形成しているものである。A及びnは、一般式(2)と同じである。)
Ar〜Arにおける有機基は、少なくとも炭素原子を含む置換基をいう。Ar〜Arにおける有機基としては、例えば、置換基を有していても良い、直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの組み合わせが挙げられる。当該有機基中には、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子等のヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいても良い。ヘテロ原子を含んでいる当該有機基としては、例えば、シアノ基、アルコキシ基等が挙げられる。
一般式(2’)中のAr〜Arは、Ar〜Arの少なくとも2つが結合して環状構造を形成しているか、及び/又は、Ar〜Arの少なくとも1つが置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良いヘテロアリール基である。Ar〜Arの少なくとも2つが結合して環状構造を形成している場合としては、Ar〜Arの少なくとも2つが結合して、Ar〜Arが結合しているベンゼン環と共に上述の縮合多環式化合物を形成している場合が挙げられる。また、少なくとも1つがアリール基又はヘテロアリール基である場合のアリール基としては、上述の芳香族炭化水素が挙げられ、ヘテロアリール基としては、上述の芳香族複素環式化合物、非芳香族複素環式化合物が挙げられる。また、当該アリール基又はヘテロアリール基が有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、ベンジル基、又は炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキル基が挙げられる。
一般式(2)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体としては、例えば、以下の構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013064984
本発明において用いられる一般式(2)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体は、例えば、特定のピロリノンとベンゾニトリルとを反応させることにより製造することができる。この合成方法については、欧州特許出願公開第0184982号明細書に詳細に記載され、これを参照することができる。非対称型ジケトピロロピロール誘導体としては、1種単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
本発明において、上記顔料の凝集を抑制する機能を有するジケトピロロピロール系顔料誘導体は、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料の100質量部に対して、0〜15質量部含有される。中でも、上記ジケトピロロピロール系顔料誘導体は、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料の100質量部に対して、1〜15質量部、更に3〜15質量部含有されることが好ましい。このような含有量で用いられることにより、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程後においても顔料の凝集が抑制され、特に高輝度で且つ高コントラスト化を達成可能になる。
また、前記黄色顔料のスルホン化誘導体と、上記顔料の凝集を抑制する機能を有するジケトピロロピロール系顔料誘導体との含有量の比が、20:1〜20:40、中でも20:1〜20:30であることが、色相を大きく変えずに、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程後においても顔料の凝集が抑制され、特に高輝度で且つ高コントラスト化を達成可能になる点から好ましい。
前記黄色顔料のスルホン化誘導体と、上記顔料の凝集を抑制する機能を有するジケトピロロピロール系顔料誘導体とを併用すると、それらの相乗効果により、赤色顔料誘導体を単独で用いた場合の色相の変化を抑制でき、輝度も向上でき、かつ耐熱性が向上し、ベイク時のジケトピロロピロール系赤色顔料の結晶析出を抑制でき、且つ高コントラスト化を達成できる。
(その他の顔料)
本発明の顔料分散液には、本発明の効果が損なわれない限り、更に他の顔料が含まれていても良い。他の顔料としては、例えば、他の赤色顔料や、後述の赤色感光性樹脂組成物において述べるような、カラーフィルタの赤色着色層に必要な特定の色味を達成する点から黄色顔料が挙げられる。但し、ジケトピロロピロール系赤色顔料を分散させる際に、黄色顔料のスルホン化誘導体と、上記塩型グラフト共重合体である顔料分散剤が存在することが好ましい。すなわち、本発明に係る赤色顔料分散液は、赤色感光性樹脂組成物を調製する際に、別途黄色顔料分散液と混合される赤色顔料分散液として好適に用いられる。本発明においては、C.I.ピグメントレッド177のようなアントラキノン骨格を有する赤色顔料を含まなくても、また、前記黄色顔料のスルホン化誘導体の原料である黄色顔料を含まなくても、顔料分散性や分散安定性が向上したものとなる。
その他の赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド265等が挙げられる。
(その他の成分)
本発明の顔料分散液には、さらに必要に応じて、顔料分散補助樹脂やその他の成分を配合しても良い。
顔料分散補助樹脂としては、例えば後述する感光性樹脂組成物で例示されるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂の立体障害によって顔料粒子同士が接触しにくくなり、分散安定化することやその分散安定化効果によって分散剤を減らす効果がある場合がある。
また、本発明の効果が損なわれない限り、他の顔料分散剤を含んでいても良い。
また、その他の成分としては、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
<顔料分散液の製造方法>
本発明の顔料分散液は、上記溶媒中、上記黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤との存在下で、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料を分散させる工程を有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であることを特徴とする。
分散工程において、分散処理を行うための分散機としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.05〜1.0mmである。
具体的には、ビーズ径が比較的大きめな2mmジルコニアビーズで予備分散を行い、更にビーズ径が比較的小さめな0.1mmジルコニアビーズで本分散することが挙げられる。また、分散後、0.1〜5.0μmのメンブランフィルターで濾過することが好ましい。
本発明においては、公知の分散機を用いて分散させる分散時間は、適宜調整され特に限定されないが、顔料の平均分散粒径が15〜50nm程度となるように、例えばペイントシェーカーを用いた場合には5〜50時間とすることが、顔料を微細化して高いコントラストを実現する点から好ましい。
このようにして、顔料粒子の分散性に優れた顔料分散液が得られる。該顔料分散液は、顔料分散性に優れたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を調製するための予備調製物として用いられる。
すなわち、顔料分散液とは、後述の感光性樹脂組成物を調製する前段階において、予備調製される(組成物中の顔料分)/(組成物中の顔料以外の固形分)比の高い顔料組成物である。具体的には、(組成物中の顔料分)/(組成物中の顔料以外の固形分)比は通常1.0以上である。顔料分散液と少なくともバインダー成分を混合することにより、顔料分散性に優れたカラーフィルタ用赤色樹脂組成物を調製することができる。
2.カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物
本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物は、少なくとも前記本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分とを含有することを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物は、上記本発明に係る顔料分散液を含むため、特に高輝度を達成し、且つ高コントラスト化の要求も達成するカラーフィルタを形成可能になり、アルカリ現像性にも優れる。
以下、このような本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物に用いられる成分を説明する。
なお、上記本発明に係るカラーフィルタ用赤色顔料分散液に含まれ得る成分については、上記顔料分散液の箇所において説明したものと同様のものを用いることができるので、他の顔料と他の顔料分散剤以外、ここでの説明は省略する。
(他の顔料)
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物には、カラーフィルタにおける用途や仕様に必要とされる色度を達成でき、本発明の効果を損なわない限り、他の黄色顔料や更に橙色等の他の顔料を含有していても良い。
他の顔料としては、黄色顔料を含有することが、カラーフィルタの赤色着色層に必要な特定の色味を達成しながら、コントラストを向上する点から好ましい。
<黄色顔料>
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー150もしくはその誘導体顔料、C.I.ピグメントイエロー138及びC.I.ピグメントイエロー139からなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
ここで、C.I.ピグメントイエロー150の誘導体顔料としては、具体的には、少なくとも1種のゲスト化合物のホストとして働く下記化学式またはそれの互変異性構造の1つに従うアゾ化合物のモノ、ジ、トリおよびテトラアニオンと金属Li,Cs,Mg,Cd,Co,Al,Cr,Sn,Pb、特に好適にはNa,K,Ca,Sr,Ba,Zn,Fe,Ni,Cu,MnおよびLaに相当する金属錯体を挙げることができる。
Figure 2013064984
(上記化学式中、RおよびR’は、独立して、−OH、−NH、−NH−CN、アシルアミノ基またはアリールアミノ基であり、そしてRおよびR’は、独立して、−OHまたは−NHである。)
これらの誘導体顔料は、特開2001−354869号公報、特開2005−325350号公報、特開2007−25687号公報、特開2007−23287号公報、特開2007−23288号公報、及び特開2008−24927号公報を参照することにより入手可能である。
(感光性バインダー成分)
本発明においては、塗膜に充分な強度、耐久性、密着性を付与する点から、基板上に塗工又は転写などによりパターンを形成後、該塗膜を重合反応により硬化させることができる、バインダー成分を用いる。以下に説明する感光性バインダー成分の他に、エポキシ樹脂のような加熱により重合硬化させることができる熱硬化性のバインダー成分を更に用いてもよい。優れた顔料分散性を有する上記本発明に係る顔料分散液を用いて本発明に係る樹脂組成物を調製するにあたり、その優れた顔料分散性を阻害しないように、適宜バインダー成分を選択する必要がある。
感光性バインダー成分には、紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含み、露光部を硬化させて未露光部を溶解除去することにより露光部のみの塗膜パターンの作成が可能となるネガ型の感光性バインダー成分が挙げられる。
本発明に係るカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物においては、ネガ型感光性バインダー成分であることが、フォトリソグラフィー法によって既存のプロセスを用いて簡便にパターンを形成できる点から好ましい。
紫外線、電子線等の光により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含むネガ型感光性バインダー成分は、(i)アルカリ可溶性樹脂、(ii)多官能性モノマー、(iii)光重合開始剤、及び増感剤等を配合して構成される。
(i)アルカリ可溶性樹脂
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は側鎖にカルボキシル基を有するものであり、バインダー樹脂として作用し、かつパターン形成する際に用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に可溶性である限り、適宜選択して使用することができる。
本発明における好ましいアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有する樹脂であり、具体的には、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、側鎖にカルボキシル基を有するとともに、さらに側鎖にエチレン性不飽和基等の光重合性官能基を有するものである。光重合性官能基を含有することにより形成される硬化膜の膜強度が向上するからである。また、これらアクリル系共重合体、及びエポキシアクリレート樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとエチレン性不飽和モノマーを共重合して得られる。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更に芳香族炭素環を有する構成単位を含有していてもよい。芳香族炭素環は感光性樹脂組成物に塗膜性を付与する成分として機能する。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更にエステル基を有する構成単位を含有していてもよい。エステル基を有する構成単位は、感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性を抑制する成分として機能するだけでなく、溶剤に対する溶解性、さらには溶剤再溶解性を向上させる成分としても機能する。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2,2’−オキシビス(メチレン)ビス−2−プロペノエート、スチレン、γ−メチルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどの中から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸、アクリル酸の二量体(例えば、東亞合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの無水物の中から選ばれる1種以上とからなるコポリマーを例示できる。また、上記のコポリマーに、例えばグリシジル基、水酸基等の反応性官能基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させるなどして、エチレン性不飽和結合を導入したポリマー等も例示できるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で、コポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加等することにより、エチレン性不飽和結合を導入したポリマー等は、露光時に、後述する多官能性モノマーと重合することが可能となり、着色層がより安定なものとなる点で、特に好適である。
カルボキシル基含有共重合体におけるカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの共重合割合は、通常、5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%である。この場合、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーの共重合割合が5質量%未満では、得られる塗膜のアルカリ現像液に対する溶解性が低下し、パターン形成が困難になる。また、共重合割合が50質量%を超えると、アルカリ現像液による現像時に、形成されたパターンの基板からの脱落やパターン表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。
カルボキシル基含有共重合体の好ましい分子量は、1,000〜500,000の範囲であり、さらに好ましくは3,000〜200,000である。1,000未満では硬化後のバインダー機能が著しく低下し、500,000を超えるとアルカリ現像液による現像時に、パターン形成が困難となる場合がある。
カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、特に限定されるものではないが、エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物を酸無水物と反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート化合物が適している。
エポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、またはビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物などのエポキシ化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
不飽和基含有モノカルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。これら不飽和基含有モノカルボン酸は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基性酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エンドビシクロ−[2,2,1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
このようにして得られるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に制限されないが、好ましくは1000〜40000、より好ましくは2000〜5000である。
(ii)多官能性モノマー
本発明における多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物;ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート等を挙げることができる。
これらの多官能性モノマーのうち、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのこはく酸変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのこはく酸変性物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましい。前記多官能性モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における多官能性モノマーの使用量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常、5〜500質量部、好ましくは20〜300質量部である。多官能性モノマーの含有量が上記範囲より少ないと十分に光硬化が進まず、露光部分が溶出する場合があり、また、多官能性モノマーの含有量が上記範囲より多いとアルカリ現像性が低下する可能性がある。
(iii)光重合開始剤、及び増感剤等
ネガ型感光性バインダー成分には、通常、使用する光源の波長に対して活性を有する光重合開始剤が配合される。光重合開始剤は、光重合成を有する重合体や光重合成モノマーの反応形式の違い(例えばラジカル重合やカチオン重合等)や、各材料の種類を考慮して適宜選択され、特に限定されない。
光重合開始剤としては、例えば、紫外線のエネルギーによりフリーラジカルを発生する化合物であって、ビイミダゾール系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、ケタール系化合物、アゾ系化合物、過酸化物、2,3−ジアルキルジオン系化合物、ジスルフィド系化合物、チウラム化合物類、フルオロアミン系化合物、オキシムエステル系化合物などが挙げられる。これらは1種又は2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物において用いられる光重合開始剤の含有量は、上記多官能性モノマー100質量部に対して、通常0.01〜100質量部程度、好ましくは5〜60質量部である。この含有量が上記範囲より少ないと十分に重合反応を生じさせることができないため、着色層の硬度を十分なものとすることができない場合があり、一方上記範囲より多いと、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の固形分中の顔料等の含有量が相対的に少なくなり、十分な着色濃度が得られない場合がある。
また、本発明においては、必要に応じて、前記光重合開始剤と共に、増感剤および硬化促進剤の群から選ばれる1種以上をさらに併用することもできる。前記増感剤の具体例としては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。また、前記硬化促進剤の具体例としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−4,6−ジメチルアミノピリジン、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール等の連鎖移動剤を挙げることができる。
(その他の顔料分散剤)
感光性樹脂組成物においては、着色層の色度調整の点から、顔料として、黄色顔料等他の顔料が更に用いられ得る。当該他の顔料を分散させるために、上記本発明に係る顔料分散液に用いられた顔料分散剤を用いても良いが、他の顔料分散剤を用いて分散させても良く、感光性樹脂組成物に他の顔料分散剤が含まれていても良い。
他の顔料分散剤としては、特に限定されず、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。また、溶媒に少量溶解するような顔料誘導体を顔料分散剤として用いてもよい。
顔料分散剤は、使用される顔料を良好に分散させるために適宜選択して用いられる。具体例には、ノナンアミド、デカンアミド、ドデカンアミド、N−ドデシルヘキサデカンアミド、N−オクタデシルプロピオアミド、N,N−ジメチルドデカンアミド及びN,N−ジヘキシルアセトアミド等のアミド化合物、ジエチルアミン、ジヘプチルアミン、ジブチルヘキサデシルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルメタンアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン及びトリオクチルアミン等のアミン化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N',N'−(テトラヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N'−トリ(ヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N',N'−テトラ(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)−1、2−ジアミノエタン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン及び1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のヒドロキシ基を有するアミン等を例示することができ、その他にニペコタミド、イソニペコタミド、ニコチン酸アミド等の化合物を挙げることができる。
さらに、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類;ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの変性物;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリシロキサン類;長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるアミドやそれらの塩類等を挙げることができる。
(任意添加成分)
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ各種添加剤を含むものであってもよい。該添加剤としては、例えば重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等などが挙げられる。
これらの中で、用いることができる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類等を挙げることができる。また、その他にもフッ素系界面活性剤も用いることができる。
さらに、可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げられる。消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物等が挙げられる。
<感光性樹脂組成物における各成分の配合割合>
顔料の合計の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して、10〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%の割合で配合することが好ましい。顔料が少なすぎると、感光性樹脂組成物を所定の膜厚(例えば1.0〜3.0μm)に塗布した際の透過濃度が十分でないおそれがあり、また顔料が多すぎると、感光性樹脂組成物を基板上へ塗布し硬化させた際の基板への密着性、硬化膜の表面荒れ、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがあり、またその感光性樹脂組成物中の顔料分散に使われる分散剤の量の比率も多くなるために現像性、耐熱性等の特性も不十分になるおそれがある。尚、本発明において固形分は、上述した溶媒以外のもの全てであり、溶媒中に溶解している多官能性モノマー等も含まれる。
また、顔料分散剤の合計の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して、1〜40質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも5〜30質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して、1質量%未満の場合には、顔料を均一に分散することが困難になる恐れがあり、60質量%を超える場合には、硬化性、現像性の低下を招く恐れがある。
アルカリ可溶性樹脂、多官能モノマー、及び光開始剤は、これらの合計量が、感光性樹脂組成物の固形分全量に対して15〜89質量%、好ましくは25〜80質量%の割合で配合するのが好ましい。
また、溶媒の含有量としては、着色層を精度良く形成することができるものであれば特に限定されるものではない。該溶媒を含む上記感光性樹脂組成物の全量に対して、通常、65〜95質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも75〜88質量%の範囲内であることが好ましい。上記溶媒の含有量が、上記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができる。
(カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の製造)
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の製造方法は、溶媒中、黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤との存在下で、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料を分散させて赤色顔料分散液を調製する工程と、
前記赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分とを混合する工程を有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体であることを特徴とする。
カラーフィルタの赤色着色層に必要な特定の色味を達成するために、必要に応じて、上記本発明に係る赤色顔料分散液に含まれる顔料とは異なる、他の顔料を更に用いる場合には、別途、上記本発明に係る顔料分散液の製造方法と同様にして、予め他の顔料分散液を調製することが好ましい。
この場合には、本発明の感光性樹脂組成物の製造方法としては、本発明に係る顔料分散液と、他の顔料分散液と、感光性バインダー成分、必要に応じて更に、溶媒、各種添加成分とを添加し混合する方法を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物は、予め顔料分散液を製造して用いるので、顔料の凝集を効果的に防ぎ、均一に分散させ得る点から好ましい。
なお、上述の顔料の凝集を抑制する機能を有するジケトピロロピロール系顔料誘導体を用いる場合、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の製造方法は、2つの方法が挙げられる。第一の製造方法は、溶媒中、黄色顔料のスルホン化誘導体と、ジケトピロロピロール系顔料誘導体と、顔料分散剤との存在下で、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料を分散させて赤色顔料分散液を調製する工程と、
前記赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分とを混合する工程を有するものである。
第二の製造方法は、溶媒中、黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤との存在下で、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料を分散させて赤色顔料分散液を調製する工程と、
前記赤色顔料分散液と、ジケトピロロピロール系顔料誘導体と、感光性バインダー成分とを混合する工程を有するものであり、当該製造方法は、コントラストをより高くできる点から好ましい。この製造方法によれば、顔料分散液を調製するまでの工程、すなわち、顔料組成物を調製する顔料処理時や、顔料を分散する時までには、ジケトピロロピロール系顔料誘導体を添加しないので、顔料分散時に顔料表面の極性が弱まることなく、上記黄色顔料のスルホン化誘導体と上記顔料分散剤により顔料の分散性や安定性を従来より向上することができる。次いで、微細化した顔料分散液を調製後に、顔料のジケトピロロピロール系顔料誘導体を添加することにより、高温加熱工程において熱運動により顔料分散剤の吸着が弱まった際には、相対的に顔料表面との吸着力が強い顔料のジケトピロロピロール系顔料誘導体が、代わりに顔料表面を安定化させるのではないかと推定される。その結果、高温時も、ジケトピロロピロール系顔料誘導体が微細に分散された顔料表面を安定化させたまま維持可能であるため、従来よりも高コントラスト化の要求を達成しながら、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程後においても顔料凝集体が析出しない塗膜を作製可能であると推定される。
第二の製造方法において、顔料分散液と、ジケトピロロピロール系顔料誘導体とを混合する方法は特に限定されない。例えばバインダー成分と上記ジケトピロロピロール系顔料誘導体とを予め混合して配合されても良い。中でも、上記ジケトピロロピロール系顔料誘導体を、溶媒に溶解乃至分散させた顔料誘導体溶液を調製する工程を有し、当該工程で調製された顔料誘導体溶液を、顔料分散液やバインダー成分と混合することが好ましい。
顔料誘導体溶液を調製するための溶媒としては、使用するジケトピロロピロール系顔料誘導体の溶解度(25℃)が1g/L以上であることが好ましく、更に3g/L以上であることが好ましい。
一方、顔料誘導体溶液を調製するための溶媒は、顔料分散液を調製するために用いられる溶媒と相溶性があることが好ましく、顔料誘導体溶液を調製するための溶媒は、顔料分散液を調製するために用いられる溶媒の溶解度(25℃)が100g/L以上であることが好ましく、更に500g/L以上であることが好ましい。
ジケトピロロピロール系顔料誘導体を、溶媒中に溶解乃至分散させる方法としては、特に限定されない。溶媒に対して溶解度が高い場合には、混合や加熱処理により溶解する場合もある。一方、溶媒に対して溶解度が低めの場合には、上記顔料分散液を調製する工程で述べたような顔料分散剤、その他の顔料誘導体、顔料分散補助樹脂などを用いた顔料分散方法によって、ジケトピロロピロール系顔料誘導体を、溶媒中に溶解乃至分散させることが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
[カラーフィルタ]
本発明のカラーフィルタは、前述した本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を硬化させて形成されてなる着色層を有することを特徴とする。
このような本発明のカラーフィルタについて、図を参照しながら説明する。図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1によれば、本発明のカラーフィルタ10は、透明基板1と、遮光部2と、着色層3とを有している。
(着色層)
本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、前述した本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を硬化させて形成されたものであればよく、特に限定されないが、通常、後述する透明基板上の遮光部の開口部に形成され、該カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物に含まれる顔料の種類によって、3色以上の着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、カラーフィルタ用感光性樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1〜5μmの範囲であることが好ましい。
当該着色層は、例えば下記の方法により形成することができる。
まず、前述した本発明のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、コールコート法、スピンコート法などの塗布手段を用いて後述する透明基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及び多官能性モノマー等を光重合反応させて、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用するカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
次に、現像液を用いて現像処理し、未露光部分を溶解、除去することにより、所望のパターンで塗膜が形成される。現像液としては、通常、水や水溶性溶媒にアルカリを溶解させた溶液が用いられる。このアルカリ溶液には、界面活性剤などを適量添加してもよい。また、現像方法は一般的な方法を採用することができる。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、感光性樹脂組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
(遮光部)
本発明のカラーフィルタにおける遮光部は、後述する透明基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。この遮光部としては、例えば、黒色顔料をバインダ樹脂中に分散又は溶解させたものや、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。この金属薄膜は、CrO膜(xは任意の数)及びCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrO膜(xは任意の数)、CrN膜(yは任意の数)及びCr膜が3層積層されたものであってもよい。
当該遮光部が黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散又は溶解させたものである場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であればよく、特に限定されず、例えば、遮光部用感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
上記の場合であって、遮光部の形成方法として印刷法やインクジェット法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、上記の場合であって、遮光部の形成方法としてフォトリソグラフィー法を用いる場合、バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。この場合、顔料としてカーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔料及び感光性樹脂を含有する遮光部用感光性樹脂組成物には、光重合開始剤を添加してもよく、さらには必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を添加してもよい。
一方、遮光部が金属薄膜である場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であればよく、特に限定されず、例えば、フォトリソグラフィー法、マスクを用いた蒸着法、印刷法等を挙げることができる。
遮光部の膜厚としては、金属薄膜の場合は0.2〜0.4μm程度で設定され、黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散又は溶解させたものである場合は0.5〜3.0μm程度で設定される。
(透明基板)
本発明のカラーフィルタにおける透明基板としては、可視光に対して透明な基材であればよく、特に限定されず、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板を使用することができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタの用途に応じて、例えば100μm〜1mm程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、上記透明基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには配向膜や柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明のカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルタ10と上記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
本発明の液晶表示装置の駆動方式としては、特に限定はなく一般的に液晶表示装置に用いられている駆動方式を採用することができる。このような駆動方式としては、例えば、TN方式、IPS方式、OCB方式、及びMVA方式等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの方式であっても好適に用いることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
液晶層の形成方法としては、一般に液晶セルの作製方法として用いられる方法を使用することができ、例えば、真空注入方式や液晶滴下方式等が挙げられる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタ及び対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルタ及び対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
次に、本発明の有機発光表示装置について説明する。
[有機発光表示装置]
本発明の有機発光表示装置は、前述した本発明のカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする。
このような本発明の有機発光表示装置について、図を参照しながら説明する。図3は、本発明の有機発光表示装置の一例を示す概略図である。図3に例示するように本発明の有機発光表示装置100は、カラーフィルタ10と、有機発光体80とを有している。
カラーフィルタ10と、有機発光体80との間に、有機保護層50や無機酸化膜60を有していても良い。
有機発光体80の積層方法としては、例えば、カラーフィルタ上面へ透明陽極71、正孔注入層72、正孔輸送層73、発光層74、電子注入層75、および陰極76を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体80を無機酸化膜60上に貼り合わせる方法などが挙げられる。有機発光体80における、透明陽極71、正孔注入層72、正孔輸送層73、発光層74、電子注入層75、および陰極76、その他の構成は、公知のものを適宜用いることができる。このようにして作製された有機発光表示装置100は、例えば、パッシブ駆動方式の有機ELディスプレイにもアクティブ駆動方式の有機ELディスプレイにも適用可能である。
なお、本発明の有機発光表示装置は、この図3に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた有機発光表示装置として公知の構成とすることができる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
黄色顔料スルホン化誘導体としては、下記構造式で表され、置換基Zがそれぞれ異なる黄色顔料スルホン化誘導体A〜Cを用いた。
Figure 2013064984
(製造例1 黄色顔料スルホン化誘導体A(上記式Z=SOH)の合成)
11質量%発煙硫酸374.76質量部を10℃に冷却しながら攪拌し、ピグメントイエロー138 74.96質量部を加えた。次いで、90℃で6時間攪拌した。反応液を氷水1600質量部に加え、15分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを800質量部の水で3回洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、黄色顔料スルホン化誘導体Aを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
(製造例2 黄色顔料スルホン化誘導体B(上記式Z=SONHCCOOH)の合成)
クロロ硫酸374.75質量部にピグメントイエロー138 62.46質量部を加えた。次いで、120℃で2時間後、75℃で塩化チオニル38.75質量部を滴下した。その後、80℃で3時間攪拌を行った。
反応液を氷水1093質量部に3℃以下に冷却しながら加えた。さらに氷を1300質量部を添加し、15分間攪拌し、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを氷冷しながら660質量部の氷水で洗浄した。水酸化ナトリウム11.77質量部、水23.92質量部、βアラニン24.30質量部を調製した後、氷水259.78質量部を加え、5℃以下に保ちながらウェットケーキを加えた。5℃以下で1時間攪拌後、25℃で30分、次いで50℃で30分、さらに70℃で30分攪拌した。放冷後、10%塩酸を加えてpH2とした。沈殿をろ過し、水560質量部で2回洗浄を行った。80℃で真空乾燥し、黄色顔料スルホン化誘導体Bを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
(製造例3 黄色顔料スルホン化誘導体C(上記式Z=SO N(CH(C1837 )の合成)
11%発煙硫酸374.76質量部を10℃に冷却しながら攪拌し、ピグメントイエロー138 74.96質量部を加えた。次いで、90℃で6時間攪拌した。
反応液を氷水1600質量部に加え、15分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを800質量部の水で3回洗浄した。ウェットケーキに水600質量部を加え、60℃で1時間攪拌する。ジステアリルアンモニウムクロライド55.60質量部を加え、60℃で1時間攪拌を行った。沈殿をろ過し、600質量部の水で水洗を2回行った。80℃で真空乾燥し、黄色顔料スルホン化誘導体Cを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
(製造例4 赤色顔料スルホン化誘導体Aの合成)
20%発煙硫酸300.0質量部を10℃に冷却しながら攪拌し、ピグメントレッド254を30.0質量部加えた。次いで、63℃で6時間攪拌した。
反応液を氷水3000質量部に加え、15分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを2000質量部の水で洗浄、ろ過した。80℃で真空乾燥し、下記構造式(n=1)で表される赤色顔料スルホン化誘導体Aを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
Figure 2013064984
(製造例5 赤色顔料イミドアルキル化誘導体Aの合成)
96%硫酸461.2質量部を撹拌しながらピグメントレッド255 23.08質量部を冷却しながら加える。ついで、冷却しながら1時間撹拌後、100%硫酸461.2質量部と、N−ヒドロキシメチルフタルイミド28.37質量部を加える。室温で一晩攪拌した後、反応液を氷水3800質量部にあけ、沈殿をろ過して取り出した。
得られたウェットケーキを温水で3回洗浄し、真空乾燥、粉砕することでピグメントレッド255にフタルイミドメチル基が置換した、赤色顔料イミドアルキル化誘導体Aを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
(製造例6 非対称型ジケトピロロピロール誘導体Aの合成)
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370質量部にナトリウム5.16質量部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。4−シアノビフェニル13.7質量部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に上記で合成した3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7質量部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0質量部、水57.0質量部、酢酸14.5質量部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、粉砕することで下記構造式で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体Aを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
Figure 2013064984
(製造例7 非対称型ジケトピロロピロール誘導体Bの合成)
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370質量部にナトリウム5.16質量部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。5−シアノフタリド12.2質量部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7質量部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0質量部、水57.0質量部、酢酸14.5質量部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、粉砕することで下記構造式で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体Bを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
Figure 2013064984
(製造例8 非対称型ジケトピロロピロール誘導体Cの合成)
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370質量部にナトリウム5.16質量部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。1−(4−シアノフェニル)−2,5−ジメチルピロール 15.07質量部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7質量部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0質量部、水57.0質量部、酢酸14.5質量部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、粉砕することで下記構造式で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体Cを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
Figure 2013064984
(製造例9 バインダー樹脂Aの合成)
重合槽に、溶媒としてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(EMDG)130質量部を仕込み、窒素雰囲気下で110℃に昇温した後、メタクリル酸メチル(MMA)32質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)22質量部、メタクリル酸(MAA)24質量部、開始剤としてα,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2質量部および連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン4.5質量部を含む混合物を、それぞれ1.5時間かけて連続的に滴下した。
その後、合成温度を保持して反応を続け、滴下終了から2時間後に重合禁止剤として、p−メトキシフェノール0.05質量部を添加した。
次に、空気を吹き込みながら、メタクリル酸グリシジル(GMA)22質量部を添加して、110℃に昇温した後、トリエチルアミン0.2質量部を添加して110℃で15時間付加反応させ、バインダー樹脂A(固形分44質量%)を得た。
得られたバインダー樹脂Aの質量平均分子量は8500、酸価は85mgKOH/gであった。なお、質量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて算出し、酸価はJIS−K0070に従い測定した。
(製造例10 マクロモノマーMM−1の合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(略称PGMEA)80.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。メタクリル酸メチル50.0質量部、メタクリル酸−n−ブチル30.0質量部、メタクリル酸ベンジル20.0質量部、メルカプトエタノール4.0質量部、PGMEA30質量部、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(略称AIBN)1.0質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、さらに3時間反応した。次に、窒素気流を止めて、この反応溶液を80℃に冷却し、カレンズMOI(昭和電工(株)社製)8.74質量部、ジラウリン酸ジブチルすず0.125質量部、p−メトキシフェノール0.125質量部、及びPGMEA10質量部、を加えて3時間攪拌することで、マクロモノマーMM−1の49.5質量%溶液を得た。得られたマクロモノマーMM−1を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて、N−メチルピロリドン、0.01mol/L臭化リチウム添加/ポリスチレン標準の条件で確認したところ、質量平均分子量(Mw)4010、数平均分子量(Mn)1910、分子量分布(Mw/Mn)は2.10であった。マクロモノマーMM−1の計算により算出されるTgは、64℃である。
(製造例11 マクロモノマーMM−2の合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA80.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。メタクリル酸メチル100.0質量部、メルカプトエタノール4.0質量部、PGMEA30質量部、AIBN1.0質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、さらに3時間反応した。次に、窒素気流を止めて、この反応溶液を80℃に冷却し、カレンズMOI8.74質量部、ジラウリン酸ジブチルすず0.125質量部、p−メトキシフェノール0.125質量部、及びPGMEA10質量部、を加えて3時間攪拌することで、マクロモノマーMM−2の49.8質量%溶液を得た。得られたマクロモノマーMM−2を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて、N−メチルピロリドン、0.01mol/L臭化リチウム添加/ポリスチレン標準の条件で確認したところ、質量平均分子量(Mw)4130、数平均分子量(Mn)1940、分子量分布(Mw/Mn)は2.13であった。マクロモノマーMM−2の計算により算出されるTgは、105℃である。
(製造例12 グラフト共重合体GP−1の合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA80.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。製造例10のマクロモノマーMM−1溶液75.76質量部(有効固形分37.5質量部)、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(略称DMA)12.5質量部、n−ドデシルメルカプタン1.24質量部、PGMEA20.0質量部、AIBN0.5質量部の混合溶液混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部 、PGMEA10.0質量部 の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体GP−1の25.8質量%溶液を得た。得られたグラフト共重合体GP−1は、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)11480、数平均分子量(Mn)4650、分子量分布(Mw/Mn)は2.47であった。なおアミン価は89mgKOH/gであった。
(製造例13 グラフト共重合体GP−2の合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA80.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。製造例11のマクロモノマーMM−2溶液75.30質量部(有効固形分37.5質量部)、DMA12.5質量部、n−ドデシルメルカプタン1.24質量部、PGMEA20.0質量部、AIBN0.5質量部の混合溶液混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部 、PGMEA10.0質量部 の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体GP−2の26.0質量%溶液を得た。得られたグラフト共重合体GP−2は、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)11230、数平均分子量(Mn)4350、分子量分布(Mw/Mn)は2.58であった。なおアミン価は90mgKOH/gであった。
(製造例14 グラフト共重合体GP−3の合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA80.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。製造例10のマクロモノマーMM−1溶液50.51質量部(有効固形分25.0質量部)、プラクセルFA−10Lを17.86質量部(ダイセル化学社製 ヒドロキシエチルアクリレートにカプロラクトン10mol付加品 70%溶液 有効固形分12.5質量部)、DMA12.5質量部、n−ドデシルメルカプタン1.24質量部、PGMEA30.0質量部、AIBN0.5質量部の混合溶液混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部 、PGMEA10.0質量部 の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体GP−3の26.4質量%溶液を得た。得られたグラフト共重合体GP−3は、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)12760、数平均分子量(Mn)4810、分子量分布(Mw/Mn)は2.65であった。なおアミン価は90mgKOH/gであった。
(製造例15 グラフト共重合体GP−4の合成)
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA80.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。製造例10のマクロモノマーMM−1溶液75.76質量部(有効固形分37.5質量部)、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(略称DMAPAA、興人(株)社製)12.5質量部、n−ドデシルメルカプタン1.24質量部、PGMEA20.0質量部、AIBN0.5質量部の混合溶液混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部、PGMEA10.0質量部の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体GP−4の25.6質量%溶液を得た。得られたグラフト共重合体GP−4は、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)11150、数平均分子量(Mn)4620、分子量分布(Mw/Mn)は2.41であった。なおアミン価は89mgKOH/gであった。
(製造例16 分散剤溶液Aの調製)
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA28.90質量部、製造例12のグラフト共重合体GP−1溶液68.86質量部(有効固形分17.8質量部)をそれぞれ溶解させ、フェニルホスホン酸(商品名:PPA、日産化学社製)2.23質量部(グラフト共重合体の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、室温で30分攪拌することで分散剤溶液A(固形分20質量%)を調製した。得られた分散剤溶液Aの酸価は79mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP-1のアミノ基は、PPAのホスホン酸基との酸・塩基反応により塩形成されている。
(製造例17 分散剤溶液Bの調製)
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA28.32質量部、製造例12のグラフト共重合体GP−1溶液69.65質量部(有効固形分18.0質量部)をそれぞれ溶解させ、フェニルホスフィン酸(東京化成社製)2.03質量部(グラフト共重合体の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、室温で30分攪拌することで分散剤溶液B(固形分20質量%)を調製した。得られた分散剤溶液Bの酸価は41mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP-1のアミノ基は、フェニルホスフィン酸のホスフィン酸基との酸・塩基反応により塩形成されている。
(製造例18 分散剤溶液Cの調製)
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA29.43質量部、製造例13のグラフト共重合体GP−2溶液68.33質量部(有効固形分17.8質量部)をそれぞれ溶解させ、PPA2.23質量部(グラフト共重合体の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、室温で30分攪拌することで分散剤溶液C(固形分20質量%)を調製した。得られた分散剤溶液Cの酸価は79mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP-2のアミノ基は、PPAのホスホン酸基との酸・塩基反応により塩形成されている。
(製造例19 分散剤溶液Dの調製)
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA30.47質量部、製造例14のグラフト共重合体GP−3溶液67.30質量部(有効固形分17.8質量部)をそれぞれ溶解させ、PPA2.23質量部(グラフト共重合体の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、室温で30分攪拌することで分散剤溶液D(固形分20質量%)を調製した。得られた分散剤溶液Dの酸価は80mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP-3のアミノ基は、PPAのホスホン酸基との酸・塩基反応により塩形成されている。
(製造例20 分散剤溶液Eの調製)
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA28.40質量部、製造例15のグラフト共重合体GP−4溶液69.35質量部(有効固形分17.75質量部)をそれぞれ溶解させ、PPA2.25質量部(グラフト共重合体の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、室温で30分攪拌することで分散剤溶液E(固形分20質量%)を調製した。得られた分散剤溶液Eの酸価は80mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP-4のアミノ基は、PPAのホスホン酸基との酸・塩基反応により塩形成されている。
(製造例21 分散剤溶液Fの調製)
冷却管を備えた200mLフラスコ中に、PGMEA27.74質量部、製造例12のグラフト共重合体GP−1溶液70.43質量部(有効固形分18.2質量部)をそれぞれ溶解させ、塩化ベンジル(関東化学社製)1.83質量部(グラフト共重合体の3級アミノ基に対して0.5モル当量)を加え、80℃で6時間反応させることで分散剤溶液F(固形分20質量%)を調製した。得られた分散剤溶液Fの酸価は0mgKOH/gであった。
このとき、グラフト共重合体GP-1のアミノ基は、塩化ベンジルとの4級化反応により塩形成されている。
(実施例1)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの調製
色材成分としてジケトピロロピロール骨格を有する赤色顔料であるC.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)9.50質量部、製造例1で得られた黄色顔料スルホン化誘導体A0.50質量部、製造例16で調製した分散剤溶液A30.00質量部、製造例9のバインダー樹脂A4.55質量部、PGMEA55.45質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて2mmジルコニアビーズで1時間、さらに0.1mmジルコニアビーズで10時間分散し、赤色顔料分散液Aを得た。なお、分散時のビーズ充填率は50%とした。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Aの調製
上記で得られた実施例1の赤色顔料分散液A52.76質量部に、下記バインダー組成物18.76質量部、PGMEA28.48質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.02質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.20質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Aを得た。
<バインダー組成物(固形分40%)>
・アルカリ可溶性樹脂(製造例9のバインダー樹脂A、固形分44質量%):23.18質量部
・3〜4官能アクリレートモノマー(商品名:アロニックスM305、東亞合成(株)製):23.80質量部
・光重合開始剤(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)):1.80質量部
・光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)):4.2質量部
・溶剤(PGMEA):47.02質量部
(実施例2〜3)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液B、Cの調製
実施例1(1)において、黄色顔料スルホン化誘導体Aの代わりに製造例2、3で得られた黄色顔料スルホン化誘導体B、Cを用いた以外は、実施例1(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液B、Cを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物B、Cの調製
実施例1(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液B、Cを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物B、Cを得た。
(実施例4)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Dの調製
実施例1(1)において、色材成分として、C.I.ピグメントレッド254 9.00質量部、製造例1で得られた黄色顔料スルホン化誘導体A0.50質量部、製造例5で得られた赤色顔料イミドアルキル化誘導体A0.50質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Dを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Dの調製
実施例1(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Dを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Dを得た。
(実施例5〜8)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液E〜Hの調製
実施例1(1)において、分散剤溶液Aの代わりに製造例17〜20で調製した分散剤溶液B〜Eを用いた以外は、実施例1(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液E〜Hを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物E〜Hの調製
実施例1(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液E〜Hを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物E〜Hを得た。
(比較例1)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Iの調製
実施例1(1)において、色材成分として黄色顔料スルホン化誘導体を含まず、C.I.ピグメントレッド254 10.00質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Iを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Iの調製
実施例1(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Iを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Iを得た。
(比較例2)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Jの調製
実施例1(1)において、黄色顔料スルホン化誘導体Aの代わりに製造例4で得られた赤色顔料スルホン化誘導体Aを用いた以外は、実施例1(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Jを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Jの調製
実施例1(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Jを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Jを得た。
(比較例3)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Kの調製
実施例1(1)において、黄色顔料スルホン化誘導体Aの代わりに製造例5で得られた赤色顔料イミドアルキル化誘導体Aを用いた以外は、実施例1(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Kを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Kの調製
実施例1(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Kを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Kを得た。
(比較例4)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Lの調製
実施例1(1)において、分散剤溶液Aの代わりに製造例12で調製したグラフト共重合体GP−1溶液23.26質量部、PGMEA62.20質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Lを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Lの調製
実施例1(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Lを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Lを得た。
(比較例5)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Mの調製
実施例1(1)において、分散剤溶液Aの代わりに製造例21で調製した分散剤溶液Fを用いた以外は、実施例1(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Mを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Mの調製
実施例1(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Mを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Mを得た。
(比較例6)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Nの調製
実施例1(1)において、分散剤溶液Aの代わりに市販分散剤「アジスパーPB821」(味の素ファインテクノ社製,固形分濃度100質量%)6.00質量部、PGMEA 79.45質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Nを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Nの調製
実施例1(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Nを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Nを得た。
(比較例7)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Oの調製
実施例1(1)において、分散剤溶液Aの代わりに市販分散剤の「DISPERBYK−166」(ビックケミー社製,固形分濃度29.5質量%)14.12質量部、「DISPERBYK−111」(ビックケミー社製,固形分濃度95質量%)1.93質量部、PGMEAを69.40質量部とした以外は、実施例1(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Oを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Oの調製
実施例1(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Aの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Oを用いた以外は、実施例1(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Oを得た。
(実施例9)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Pの調製
色材成分としてジケトピロロピロール骨格を有する赤色顔料であるC.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径15〜50nm)9.00質量部、製造例1で得られた黄色顔料スルホン化誘導体A0.50質量部、製造例5で得られた赤色顔料イミドアルキル化誘導体A0.50質量部、製造例16で調製した分散剤溶液A30.00質量部、製造例9のバインダー樹脂A4.55質量部、PGMEA55.45質量部を混合し、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて2mmジルコニアビーズで1時間、さらに0.1mmジルコニアビーズで20時間分散し、赤色顔料分散液Pを得た。なお、分散時のビーズ充填率は50%とした。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Pの調製
上記で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液P52.76質量部に、下記バインダー組成物18.76質量部、PGMEA28.48質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.02質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.20質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Pを得た。
(実施例10)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Qの調製
実施例9(1)において、赤色顔料イミドアルキル化誘導体Aの代わりに製造例6で得られた非対称型ジケトピロロピロール誘導体Aを用いた以外は、実施例9(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Qを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Qの調製
実施例9(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Pの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Qを用いた以外は、実施例9(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Qを得た。
(実施例11)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Rの調製
実施例9(1)において、赤色顔料イミドアルキル化誘導体Aの代わりに製造例7で得られた非対称型ジケトピロロピロール誘導体Bを用いた以外は、実施例9(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Rを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Rの調製
実施例9(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Pの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Rを用いた以外は、実施例9(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Rを得た。
(実施例12)
(1)カラーフィルタ用赤色顔料分散液Sの調製
実施例9(1)において、赤色顔料イミドアルキル化誘導体Aの代わりに製造例8で得られた非対称型ジケトピロロピロール誘導体Cを用いた以外は、実施例9(1)と同様にして、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Sを得た。
(2)カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Sの調製
実施例9(2)において、カラーフィルタ用赤色顔料分散液Pの代わりに、上記(1)で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液Sを用いた以外は、実施例9(2)と同様にして、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物Sを得た。
(評価)
<顔料分散安定性評価>
顔料分散安定性の評価として、各実施例及び比較例で得られたカラーフィルタ用赤色顔料分散液を、40℃で1週間静置し、静置前後の上記顔料分散液中の顔料粒子の平均粒径とせん断粘度の測定を行った。平均粒径の測定には、日機装社製「ナノトラック粒度分布計UPA−EX150」を用い、粘度測定には、Anton Paar製「レオメータMCR301」を用いて、せん断速度が60rpmのときのせん断粘度を測定した。
結果を表1及び表3に示す。
<光学性能(色度・輝度・コントラスト)>
各実施例及び比較例で得られたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(日本電気硝子社製、「OA−10G」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。超高圧水銀灯を用いて30mJ/cmの紫外線を照射することによって硬化膜(赤色着色層)を得た。乾燥硬化後の膜厚は目標色度x=0.650になるように調整した。着色層が形成されたガラス板を230℃のクリーンオーブンでポストベークし、得られた着色基板のコントラスト、色度(x、y)及び輝度(Y)を測定した。コントラストは壺坂電気社製「コントラスト測定装置CT−1B」を用い、色度及び輝度はオリンパス社製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて測定した。
結果を表2及び表4に示す。
<耐溶剤性>
上記(光学性能)評価で得られた赤色着色基板を、N−メチルピロリドン(NMP)中に室温で30分間浸漬させ、純水で洗浄後、NMP浸漬前後の色差(ΔEab)を測定した。
結果を表2及び表4に示す。
<アルカリ現像性>
各実施例及び比較例で得られたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。この着色層にフォトマスクを介し、超高圧水銀灯を用いて30mJ/cmの紫外線を照射した。その後、上記着色層が形成されたガラス板を、アルカリ現像液として0.05質量%水酸化カリウム水溶液を用いてシャワー現像し、上記着色層を形成した箇所のガラス面が現れるまでの時間を現像時間として測定した。
結果を表2及び表4に示す。
<耐アルカリ性評価>
各実施例及び比較例で得られたカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。この着色層にライン&スペースが80μmのストライプパターンの描かれたフォトマスクを介して超高圧水銀灯を用いて30mJ/cmの紫外線を照射した。その後、上記着色層が形成されたガラス板を、アルカリ現像液として0.05質量%水酸化カリウム水溶液を用いて60秒間シャワー現像したのち、さらに60秒間超純水で洗浄し、さらに230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークした。なお、60秒で現像できない場合は現像できるまでシャワー現像を行った。
得られた着色パターンが形成されたガラス基板を40度に保持した5.0質量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させ、着色パターンがガラス基板から剥離するまでの時間を測定した。
結果を表2及び表4に示す。
Figure 2013064984
Figure 2013064984
Figure 2013064984
Figure 2013064984
[結果のまとめ]
ジケトピロロピロール系赤色顔料と、黄色顔料のスルホン化誘導体と、前記特定の塩型グラフト共重合体とを組み合わせて用いた実施例1〜12の赤色顔料分散液は、分散性、分散安定性ともに良好であった。また、当該顔料分散液を用いた、実施例1〜12の赤色感光性樹脂組成物は、現像性、耐アルカリ性及び耐溶剤性に優れており、且つ、高輝度及び高コントラストな着色層を形成することができた。
中でも、塩型グラフト共重合体のアミノ基を有するモノマーとしてジメチルアミノプロピルアクリルアミドを用いた実施例8においては、特に顔料の分散性及び分散安定性に優れ、現像性及び耐溶剤性が良好であることが明らかにされた。
また、分散時間を20時間と分散をより強化し、且つ、顔料の凝集を抑制する機能を有するジケトピロロピロール系顔料誘導体を併用した、実施例9〜12においては、高温加熱工程後において顔料の凝集が抑制され、且つ、強化された分散が保持され、特に高いコントラストを達成できることが明らかにされた。
黄色顔料のスルホン化誘導体を用いていない比較例1の顔料分散液は、分散性、分散安定性が悪く、得られた着色層の輝度も低いものであった。
黄色顔料のスルホン化誘導体の代わりに、C.I.ピグメントレッド254のスルホン酸誘導体を用いた比較例2では、分散性、分散安定性は良好であったが、得られた着色層の輝度が低かった。
黄色顔料のスルホン化誘導体の代わりに、C.I.ピグメントレッド255のフタルイミドメチル化誘導体を用いた比較例3では、分散性、分散安定性が悪く、得られた着色層の輝度及びコントラストが低かった。
塩形成していないグラフト共重合体を顔料分散剤として用いた比較例4は、分散性、分散安定性が悪く、コントラストが低かった。また、塩化ベンジルと塩形成したグラフト共重合体を顔料分散剤として用いた比較例5は、コントラストが低くなり、現像性が悪かった。
また、有機酸化合物と塩形成していない市販の分散剤を用いた比較例6の感光性樹脂組成物は、コントラストが低く、耐アルカリ性、耐溶剤性も悪かった。また、従来技術の特許文献4の実施例で使用された市販の分散剤を用いた比較例7の感光性樹脂組成物は、分散性、分散安定性が悪く、コントラストが低く、耐アルカリ性、耐溶剤性も悪かった。
<溶剤再溶解性>
評価方法としては、縦100mm×幅5mmにカットしたガラス基板の縦2cm分を、実施例1〜3の感光性樹脂組成物及び比較例1の感光性樹脂組成物にそれぞれ浸漬し、引き上げたものを23℃、70%RHの恒温恒湿層で30分間乾燥させた。次にその乾燥させた塗膜が付着したガラス基板をPGMEA中に15秒間攪拌しながら浸漬した。このとき、乾燥塗膜の再溶解状態により、下記の3段階で評価した。
・○:浸漬中に乾燥塗膜がすべて溶解した。
・△:15秒間浸漬後も、乾燥塗膜の一部が残った。
・×:15秒間浸漬後も乾燥塗膜がほとんどもしくは全く溶解しなかった。
その結果、実施例3は○、実施例1、2は△、比較例1は×であった。
以上のことから、長鎖のアルキル基と塩形成したスルホン化誘導体を含有する感光性樹脂組成物は、溶剤再溶解性に優れることが明らかにされた。
1 透明基板
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
50 有機保護層
51 アミノ基を有するモノマー単位
52 マクロモノマーの重合性部位
53 マクロモノマーによるポリマー鎖
54 有機酸化合物
60 無機酸化膜
71 透明陽極
72 正孔注入層
73 正孔輸送層
74 発光層
75 電子注入層
76 陰極
80 有機発光体
100 有機発光表示装置

Claims (13)

  1. ジケトピロロピロール系赤色顔料と、黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤と、溶媒とを含有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体である、カラーフィルタ用赤色顔料分散液。
  2. 前記黄色顔料のスルホン化誘導体が、C.I.ピグメントイエロー138のスルホン化誘導体である、請求項1に記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
  3. 更に、下記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するジケトピロロピロール系赤色顔料のイミドアルキル化誘導体、及び下記一般式(2)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体よりなる群から選択される1種以上のジケトピロロピロール系顔料誘導体を含む、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
    Figure 2013064984
    (一般式(1)中、Rは、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、Xは、アリーレン基を表し、当該アリーレン基は、ハロゲン原子、アリールスルホニル基、アシル基、又は−(C=O)−C−(C=O)−により置換されていても良い。)
    Figure 2013064984
    (一般式(2)中、Pcは、置換基を有していても良く、ヘテロ原子を含んでいても良い多環式化合物基を表す。Aは、ハロゲン原子、ベンジル基、フェニル基、及び炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキル基よりなる群から選択される置換基であり、nは0〜5の整数を表す。nが2以上の場合、複数のAは同一であっても異なっていても良い。)
  4. 前記黄色顔料のスルホン化誘導体の含有量が、100質量部のジケトピロロピロール系赤色顔料に対して1〜25質量部であり、且つ、前記ジケトピロロピロール系顔料誘導体の含有量が、100質量部のジケトピロロピロール系赤色顔料に対して0〜15質量部である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
  5. 前記顔料分散剤において、前記エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーが、下記一般式(I)で表される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
    Figure 2013064984
    (式(I)中、Rは水素原子又はメチル基、R及びRは、各々独立に、水素原子、又は置換されていてもよい環状若しくは鎖状の炭化水素基を表すか、R及びRが互いに結合して環状構造を形成する。Qは2価の連結基を表す。)
  6. 前記顔料分散剤において、前記有機酸化合物が、下記一般式(II)及び/又は下記一般式(III)で表される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
    Figure 2013064984
    (式(II)及び式(III)中、R及びRa’はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Ra’’で示される1価の基であり、R及びRa’のいずれかは炭素原子を含む。Ra’’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。
    は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−O−Rb’で示される1価の基である。Rb’は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、又は−[(CH−O]−Rで示される1価の基である。
    及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、Rは、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO、−CO−CH=CH、−CO−C(CH)=CH又は−CHCOORで示される1価の基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
    、Ra’、及びRにおいて、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基はそれぞれ、置換基を有していてもよい。
    sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
  7. 前記顔料分散剤において、前記マクロモノマーの前記ポリマー鎖が、下記一般式(IV)又は一般式(V)で表される構成単位を少なくとも1種有するものである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液。
    Figure 2013064984
    (式(IV)及び、式(V)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、−[CO−(CH−O]−R、−CO−O−R又は−O−CO−R10で示される1価の基である。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
    は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO又は−CHCOOR11で示される1価の基であり、Rは、炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、シアノ基、−[CH(R)−CH(R)−O]−R、−[(CH−O]−R、又は−[CO−(CH−O]−Rで示される1価の基である。R10は、炭素数1〜18のアルキル基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
    mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
  8. 溶媒中、黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤との存在下で、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料を分散させる工程を有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体である、カラーフィルタ用赤色顔料分散液の製造方法。
  9. 少なくとも前記請求項1乃至7のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分とを含有する、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物。
  10. 溶媒中、黄色顔料のスルホン化誘導体と、顔料分散剤との存在下で、前記ジケトピロロピロール系赤色顔料を分散させて赤色顔料分散液を調製する工程と、
    前記赤色顔料分散液と、感光性バインダー成分とを混合する工程を有し、前記顔料分散剤が、エチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらにエチレン性不飽和二重結合とアミノ基とを有するモノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体である、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記請求項9に記載のカラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物を用いて形成された着色層を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
  12. 前記請求項11に記載のカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする液晶表示装置。
  13. 前記請求項11に記載のカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする有機発光表示装置。
JP2012141300A 2011-09-02 2012-06-22 カラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置 Active JP6179075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012141300A JP6179075B2 (ja) 2011-09-02 2012-06-22 カラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011192076 2011-09-02
JP2011192076 2011-09-02
JP2012141300A JP6179075B2 (ja) 2011-09-02 2012-06-22 カラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013064984A true JP2013064984A (ja) 2013-04-11
JP6179075B2 JP6179075B2 (ja) 2017-08-16

Family

ID=48188513

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012141300A Active JP6179075B2 (ja) 2011-09-02 2012-06-22 カラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6179075B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180110619A (ko) * 2017-03-29 2018-10-10 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 착색 경화성 수지 조성물
JP2018168364A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 住友化学株式会社 着色硬化性樹脂組成物
WO2019208210A1 (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 大塚化学株式会社 分散剤組成物、着色組成物およびカラーフィルタ
CN114051519A (zh) * 2019-07-09 2022-02-15 Dnp精细化工股份有限公司 色材分散液、分散剂、感光性着色树脂组合物、固化物、滤色器、显示设备

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09132575A (ja) * 1995-09-18 1997-05-20 Ciba Geigy Ag 1、4−ジケトピロロピロールの固溶体
JP2001240780A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Nippon Steel Chem Co Ltd 赤色カラーレジストインキ及びカラーフィルター
JP2002179979A (ja) * 2000-10-05 2002-06-26 Toray Ind Inc カラーペースト、カラーフィルターおよび液晶表示パネル
JP2009251586A (ja) * 2008-04-11 2009-10-29 Fujifilm Corp 顔料分散組成物、顔料分散組成物の製造方法、着色重合性組成物、カラーフィルタ、及びカラーフィルタの製造方法
JP2009276741A (ja) * 2008-04-16 2009-11-26 Mitsubishi Chemicals Corp カラーフィルタ用着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機elディスプレイ
JP2009299076A (ja) * 2009-09-28 2009-12-24 Nippon Steel Chem Co Ltd 赤色カラーレジストインキ及び顔料分散体
JP2010083923A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Dainippon Printing Co Ltd 顔料分散剤、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP2011075661A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタ用顔料分散液、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP2011118219A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd カラーフィルタ用着色組成物、及びカラーフィルタ

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09132575A (ja) * 1995-09-18 1997-05-20 Ciba Geigy Ag 1、4−ジケトピロロピロールの固溶体
JP2001240780A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Nippon Steel Chem Co Ltd 赤色カラーレジストインキ及びカラーフィルター
JP2002179979A (ja) * 2000-10-05 2002-06-26 Toray Ind Inc カラーペースト、カラーフィルターおよび液晶表示パネル
JP2009251586A (ja) * 2008-04-11 2009-10-29 Fujifilm Corp 顔料分散組成物、顔料分散組成物の製造方法、着色重合性組成物、カラーフィルタ、及びカラーフィルタの製造方法
JP2009276741A (ja) * 2008-04-16 2009-11-26 Mitsubishi Chemicals Corp カラーフィルタ用着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機elディスプレイ
JP2010083923A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Dainippon Printing Co Ltd 顔料分散剤、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP2009299076A (ja) * 2009-09-28 2009-12-24 Nippon Steel Chem Co Ltd 赤色カラーレジストインキ及び顔料分散体
JP2011075661A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタ用顔料分散液、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP2011118219A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd カラーフィルタ用着色組成物、及びカラーフィルタ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180110619A (ko) * 2017-03-29 2018-10-10 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 착색 경화성 수지 조성물
JP2018168364A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 住友化学株式会社 着色硬化性樹脂組成物
JP7079127B2 (ja) 2017-03-29 2022-06-01 住友化学株式会社 着色硬化性樹脂組成物
KR102631806B1 (ko) * 2017-03-29 2024-02-01 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 착색 경화성 수지 조성물
WO2019208210A1 (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 大塚化学株式会社 分散剤組成物、着色組成物およびカラーフィルタ
JP6605783B1 (ja) * 2018-04-26 2019-11-13 大塚化学株式会社 分散剤組成物、着色組成物およびカラーフィルタ
CN111971116A (zh) * 2018-04-26 2020-11-20 大塚化学株式会社 分散剂组合物、着色组合物和彩色滤光片
CN114051519A (zh) * 2019-07-09 2022-02-15 Dnp精细化工股份有限公司 色材分散液、分散剂、感光性着色树脂组合物、固化物、滤色器、显示设备
CN114051519B (zh) * 2019-07-09 2023-10-13 Dnp精细化工股份有限公司 色材分散液、分散剂、感光性着色树脂组合物、固化物、滤色器、显示设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP6179075B2 (ja) 2017-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4911256B1 (ja) 染料分散液、カラーフィルター用感光性樹脂組成物、カラーフィルター、液晶表示装置、及び、有機発光表示装置
JP4985859B1 (ja) カラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、液晶表示装置、及び有機発光表示装置
JP5659761B2 (ja) カラーフィルタ用赤色顔料分散液、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置
JP6578252B2 (ja) カラーフィルタ用色材分散液、カラーフィルタ用感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び表示装置
JP6059397B2 (ja) カラーフィルタ用色材分散液、カラーフィルタ用感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び表示装置
JP6078999B2 (ja) カラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
WO2018062105A1 (ja) カラーフィルタ用感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び表示装置
JP2012236882A (ja) 黄色顔料分散液、カラーフィルタ用黄色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機発光表示装置
JP2013213982A (ja) カラーフィルター用感光性樹脂組成物、及びその製造方法、カラーフィルター、液晶表示装置、並びに、有機発光表示装置
JP5229426B2 (ja) カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
JP5110222B2 (ja) 顔料分散液、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
JP6179075B2 (ja) カラーフィルタ用赤色顔料分散液及びその製造方法、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
WO2018025498A1 (ja) 着色組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置、並びに、発光表示装置
JP5899719B2 (ja) 顔料分散液、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
JP5899720B2 (ja) カラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液及び複合化顔料誘導体の製造方法、カラーフィルタ用樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
JP5834389B2 (ja) カラーフィルタ用樹脂組成物、カラーフィルタ、並びに液晶表示装置
JP2011215186A (ja) カラーフィルタ用紫色顔料分散液、カラーフィルタ用青色感光性樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、及び液晶表示装置
JP2012088423A (ja) カラーフィルタ用青色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP5942365B2 (ja) カラーフィルタ用顔料分散液、カラーフィルタ用ネガ型レジスト組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置
JP2012118264A (ja) カラーフィルタ用顔料分散液、カラーフィルタ用樹脂組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置
JP2012211266A (ja) 黄色顔料分散液、カラーフィルタ用黄色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機発光装置
JP2013064065A (ja) 結晶析出抑制剤前駆物質、顔料分散液、カラーフィルタ用赤色樹脂組成物及びカラーフィルタの製造方法
JP5724274B2 (ja) カラーフィルタ用赤色顔料分散液、カラーフィルタ用赤色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置
JP5822015B2 (ja) カラーフィルタ用樹脂組成物の製造方法、カラーフィルタの製造方法
WO2023120268A1 (ja) 感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170703

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6179075

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150