JP5899720B2 - カラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液及び複合化顔料誘導体の製造方法、カラーフィルタ用樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置 - Google Patents
カラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液及び複合化顔料誘導体の製造方法、カラーフィルタ用樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置 Download PDFInfo
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Description
このような状況において、液晶ディスプレイをカラー表示化させる機能を有するカラーフィルタにおいても、高輝度化や高コントラスト化、色再現性の向上といった要望が高まっている。特に最近は、バックライトの消費電力低減やLEDバックライトの特性に起因して、カラーフィルタの高輝度化の要望が高まっている。
また上述した課題は、今後普及されていくことが予想される有機ELディスプレイにおいても同様であり、高輝度化や色再現性の向上については当該ディスプレイにおいても解決すべき問題であった。
このような着色層の形成方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法などが知られている。中でも、分光特性、耐久性、パターン形状及び精度等の観点から、平均的に優れた特性を有する顔料分散法が最も広範に採用されている。
一般に顔料を分散したカラーフィルタは、顔料による光の散乱等により、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまうという問題がある。すなわち、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰したりすることで、ON状態とOFF状態における表示装置上の輝度の比(コントラスト比)が低くなってしまう。
しかしながら、従来の技術では、高温加熱工程時の顔料析出抑制をした場合に、低輝度、分散安定性及び低コントラストが問題になっていた。
顔料の微細化が進むにつれ、顔料凝集体析出を抑制するために、顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体の添加量をより多くしていく必要がある。すると、顔料の分散性や安定性が低下してしまい、更なる高コントラスト化と顔料の析出抑制を両立することが困難であった。
工程1.(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤を、(C)溶媒中に溶解乃至分散させた重合性分散安定化剤溶液に、(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体を添加して顔料誘導体分散体を形成する分散工程
工程2.前記顔料誘導体分散体中の前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基を重合させる重合工程
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
工程1.(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤を、(C)溶媒中に溶解乃至分散させた重合性分散安定化剤溶液に、(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体を添加して顔料誘導体分散体を形成する分散工程
工程2.前記顔料誘導体分散体中の前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基を重合させて、カラーフィルタ用複合化顔料誘導体を調製する工程
工程3.前記カラーフィルタ用複合化顔料誘導体と、顔料と、バインダー成分とを混合する工程
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
R25は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR28で示される1価の基であり、R26は、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基、−[CH(R23)−CH(R24)−O]x−R25、−[(CH2)y−O]z−R25、−[CO−(CH2)y−O]z−R25で示される1価の基である。R27は炭素数1〜18のアルキル基であり、R28は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
Rbは、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基であり、且つ、Rb’が、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基、及び、Reが、炭素数2〜18のアルケニル基、−CO−CH=CH2、又は−CO−C(CH3)=CH2である。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
また、本発明は、上記カラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
更に、本発明は、上記カラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする有機発光表示装置を提供する。
なお、本発明において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことを言う。また本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのいずれかであることを意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートのいずれかであることを意味する。
本発明に係るカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液は、(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体、(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤、及び(C)溶媒を含有する顔料誘導体分散体の、前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基が重合されてなることを特徴とする。
また、本発明に係るカラーフィルタ用複合化顔料誘導体の製造方法は、下記の工程1及び工程2を有することを特徴とする。
工程1.(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤を、(C)溶媒中に溶解乃至分散させた重合性分散安定化剤溶液に、(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体を添加して顔料誘導体分散体を形成する分散工程
工程2.前記顔料誘導体分散体中の前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基を重合させる重合工程
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
本発明によれば、顔料凝集体が析出しやすい顔料に対して、顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体を分散安定化剤と複合化した本発明の複合化顔料誘導体を組み合わせて用いることにより、顔料の分散性及び分散安定性を阻害することなく、200℃以上の高温加熱工程時においても顔料が析出せず、高コントラストな着色層が得られる。
カラーフィルタの更なる高コントラスト化を実現させるため、これまで、着色層中に含まれる顔料を微細化することが検討されてきている。
極性基を有する分散安定化剤や顔料誘導体を用いて顔料を分散すると、溶媒中で分散を進めることにより、顔料を微細化しつつ、微細化されて露出された顔料表面に極性基を有する分散安定化剤や顔料誘導体が適切に吸着して溶媒中での顔料の安定化を図ることができ、顔料をより均一に微細化することができると推定される。しかしながら、均一に微細化されていた顔料が塗膜にされた後、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程で200℃もの高温が塗膜にかけられると、顔料に吸着されていた分散安定化剤の熱運動により分散安定化剤の吸着が弱まり、微細化されて露出された顔料表面同士の凝集力が強まって、顔料が析出してしまうのではないかと推定される。
しかしながら、上記のような顔料誘導体は、極性が弱く或いは立体障害が大きいため、当該顔料誘導体を表面に吸着した顔料は、分散安定化剤と吸着し難くなり、顔料の分散性や分散安定性が低下してしまうと推定される。
本発明のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体について、図5〜図6に模式図を示す。図5に表されるような重合性基101と塩形成部位102を有する(B)重合性分散安定化剤200を溶解乃至分散させた(C)溶媒に、(A)顔料析出抑制機能を有する特定の顔料誘導体104を添加すると、図6に表されるように、(A)顔料誘導体104の表面に(B)重合性分散安定化剤が集まって吸着し、顔料誘導体分散体300が形成されるものと推定される。そして、顔料誘導体分散体300における(B)重合性分散安定化剤の重合性基101が重合されると(301)、分散安定化剤が顔料誘導体の表面に固定化され、複合化顔料誘導体400が形成されるものと推定される。
本発明のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体400は、常温では、分散安定化剤が複合化されて顔料誘導体の表面に固定化された状態であるが、200℃以上もの高温で加熱すると、図7に表されるように、熱運動により上記分散安定化剤が顔料誘導体表面で固定化することができなくなり、熱により顔料誘導体が溶融する等して、顔料誘導体分子104が分子レベルで複合化顔料誘導体から放出されると推定される。
そのため、本発明のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体400を、顔料と組み合わせて用いると、常温では、顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体が顔料表面に直接接触することなく存在するため、顔料の分散性及び分散安定性が良好なものになると推定される。一方、200℃以上もの高温では、上記顔料誘導体分子が複合化顔料誘導体から放出されて、微細化された顔料表面に吸着することができるようになる。従って、高温加熱工程時において、上記顔料誘導体は結晶析出抑制機能を発現することができ、200℃以上の高温加熱工程時においても顔料凝集体が析出せず、高コントラストな着色層が得られるものと推定される。
以下、各成分について順に説明する。
本発明において用いられる(A)顔料誘導体は、カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体である。このような(A)顔料誘導体は、長時間分散するなどして1次粒子径以下まで微細化された顔料が200℃以上の高温加熱工程時に顔料凝集体を析出する場合に、添加することにより、顔料凝集体の析出が抑制される顔料誘導体を適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、顔料100質量部に対して1〜30質量部の添加により、顔料析出抑制機能が発揮される顔料誘導体を好適に用いることができる。
なお、顔料析出抑制機能は、例えば、顔料濃度が固形分中に15〜60質量%含まれる塗膜を200℃以上の加熱により顔料凝集体が析出する場合に、顔料100質量部に対して顔料誘導体1〜30質量部の添加して、同じ加熱条件で塗膜上に顔料凝集体が析出しなくなるか否かにより、顔料析出抑制機能があるか否かを判断することができる。
以下に本発明において用いられる(A)顔料誘導体の例を挙げるが、高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体であればよく、これらの構造に限定されるものではない。
一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有する顔料のイミドアルキル化誘導体において、顔料は特に限定されず、後述する樹脂組成物において組み合わせて用いられる顔料や、得られる着色層の色相等の点から適宜選択することができる。例えば、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサンジン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。
一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有する顔料のイミドアルキル化誘導体において、環状イミドアルキル基は、顔料を構成する顔料骨格に、上記一般式(1)で表されるアルキレン基Rで結合する。
一般式(1)中、Xのアリーレン基に置換されていても良いアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、及び、置換されたフェニルスルホニル基、例えば、p−トリルスルホニル基、p−クロロフェニルスルホニル基、p−ブロモフェニルスルホニル基等を挙げることができる。
一般式(1)中、Xのアリーレン基に置換されていても良いアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンジル基等を挙げることができる。
顔料のイミドアルキル化誘導体の分子量が小さい方が、質量あたりの有効成分の割合が増えるため、効率的に顔料凝集体を抑制できる。
上記一般式(2)ジケトピロロピロール誘導体は、ジフェニルジケトピロロピロール骨格を持つ赤色顔料の一方のフェニル基を多環式化合物基としたことにより、上記フタルイミドメチル化ジケトピロロピロール誘導体と同様に、顔料析出抑制機能を有する。なお、非対称型とは、ジケトピロロピロール骨格の2つのピロール環に置換された置換基又は置換位置が異なることをいう。
中でも、一般式(2)におけるフェニル基に置換されたA1は、樹脂組成物において組み合わせて用いられる前記ジケトピロロピロール系顔料と同一の母体を有すること、すなわち、化学式(P−A1)におけるA’又はA”と同一であることが、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程時に結晶の析出が抑制され、高コントラストな着色層を作製可能な点から好ましい。
例えば、樹脂組成物において組み合わせて用いられるジケトピロロピロール系顔料がC.I.ピグメントレッド254の場合には、置換基A1が塩素原子であることが、顔料に吸着しやすくジケトピロロピロール系顔料の再結晶化を阻害することができる点から好ましい。
また、置換基A1を有しない(n=0である)場合も、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程時に結晶の析出が抑制され、高コントラストな着色層を作製可能な点から好ましい。フェニル基に塩素等、置換基が無い方が、ジフェニルジケトピロロピロール系顔料に作用する側の立体障害が小さく、ジフェニルジケトピロロピロール系顔料の一次粒子の表面により多く水素結合したり、吸着したりでき、これによりジケトピロロピロール系顔料の再結晶化を阻害することができる。
置換基A1を有する場合のA1としては、中でも、ハロゲン原子、炭素数1〜3の直鎖又は分枝のアルキル基であることが、立体障害が小さく、顔料に対する吸着を妨げない点から好ましい。ハロゲン原子としては、Cl、Brなどが挙げられる。炭素数1〜3の直鎖又は分枝のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
一般式(3)で表されるN置換非対称型ジケトピロロピロール誘導体において、N置換非対称型とは、ジケトピロロピロール骨格の2つの窒素原子の1つに置換基が導入されることにより、化学構造が非対称となっているものをいう。
上記一般式(3)の、A2及びA3におけるハロゲン原子は、Cl、Br等が挙げられる。A2及びA3における1価の有機基は、特に限定されず、例えば、前記化学式(2’)におけるAr1〜Ar5と同様のものが挙げられる。中でも、A2及びA3としては、ハロゲン原子、ベンジル基、フェニル基、炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキル基であることが、更に、ハロゲン原子、炭素数1〜3の直鎖又は分枝のアルキル基であることが、顔料析出抑制機能が高い点から好ましい。
上記A2及びA3におけるベンジル基、フェニル基及びアルキル基は更にハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
また、置換基A2及びA3を有しない(n、n’=0である)場合も、カラーフィルタ製造工程における高温加熱工程時に結晶の析出が抑制され、高コントラストな着色層を作製可能な点から好ましい。フェニル基に塩素等、置換基が無い方が、ジフェニルジケトピロロピロール系顔料に作用する側の立体障害が小さく、ジフェニルジケトピロロピロール系顔料の一次粒子の表面により多く水素結合したり、吸着したりでき、これによりジケトピロロピロール系顔料の再結晶化を阻害することができる。
本発明のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液において、(A)顔料誘導体の含有量は特に限定されない。中でも、分散性、分散安定性が高く、高温加熱工程時における顔料の析出を効率よく抑制し、高コントラストな着色層を形成可能な点から、カラーフィルタ用複合化顔料誘導体全体を100質量部とした場合、(A)顔料誘導体が20〜90質量部含有することが好ましく、30〜80質量部含有することがより好ましく、更に40〜70質量部含有されることがより好ましい。
上記顔料誘導体の平均粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とする。次に、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(質量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を求めそれを平均粒径とする。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
本発明において(B)重合性分散安定化剤は、少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体が用いられる。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
本発明においては、上記R2及びR3は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
xは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、yは1〜5の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。zは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。本発明においては、x、y、及びzが、上記の範囲内にあれば、(A)顔料誘導体の分散性を優れたものとすることができる。
このAとしては、炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。炭素数が1〜8の範囲内であれば、(A)顔料誘導体の分散性を良好に保つことができる。
本発明において、(B)重合性分散安定化剤を構成する重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物は、前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と塩を形成している。前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成していることにより、溶媒中での(A)顔料誘導体分散性の安定化を図ることができ、その結果、優れた複合化顔料誘導体を得ることができる。
エチレン性不飽和結合含有基としては、例えば、炭素数2〜18のアルケニル基、(メタ)アクリロイル基、−[CH(R31)−CH(R32)−O]a−R33又は−[(CH2)b−O]c−R33で示される1価の基であり、且つ、R31及びR32がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R33が、炭素数2〜18のアルケニル基、−CO−CH=CH2、又は−CO−C(CH3)=CH2等を挙げることができる。ここで、aは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、bは1〜5の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。cは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。中でも、ビニル基、アリル基あるいは−[CH(R31)−CH(R32)−O]a−R33、又は−[(CH2)b−O]c−R33であり、且つ、R33が−CO−CH=CH2又は−CO−C(CH3)=CH2であるものが好ましく、特に、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、であることが好ましい。
(B)重合性分散安定化剤における前記重合性基を有する有機酸化合物としては、下記一般式(V)及び/又は下記一般式(VI)で表される有機酸化合物が好適に用いられる。
Rbは、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基であり、且つ、Rb’が、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基、及び、Reが、炭素数2〜18のアルケニル基、−CO−CH=CH2、又は−CO−C(CH3)=CH2である。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。)
尚、Ra及びRa’及びRa’’が炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基である場合、置換基を有していてもよい。
上記アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、7〜20が好ましく、更に7〜14が好ましい。
アリール基やアラルキル基等の芳香環の置換基としては、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基の他、ニトロ基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。アルキル基、アルケニル基等の炭化水素基の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
なお、上記好ましい炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
上記Reのうちの炭素数1〜18のアルキル基、及び、炭素数2〜18のアルケニル基は、前記Ra及びRa’で示したとおりである。
上記Ra、Ra’及びRa’’において、sは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数であり、tは1〜5の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2又は3である。uは1〜18の整数、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数である。
上記炭素数2〜18のアルケニル基は、前記Ra及びRa’で示したとおりである。また、上記Rc及びRdは、前記と同じである。
上記Rb及びRb’において、a、b、及びcは、前記Ra及びRa’で説明したとおりである。
尚、上記重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
以下、好ましい特定のブロック共重合体、及び好ましいグラフト共重合体について、順に説明する。
本発明においては、前記(B)重合性分散安定化剤として用いられる前記重合体が、前記一般式(I)で表される構成単位(1)と、下記一般式(II)で表される構成単位(2)とを有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素とが塩を形成したブロック共重合体(塩型ブロック共重合体と称することがある)であることが、ナノサイズの(A)顔料誘導体を均一かつ安定的に分散させ、かつ分散時の(A)顔料誘導体の平均粒径を小さく保つことができる複合化顔料誘導体分散液を製造できる点から好ましい。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
上記R5のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記Ra及びRa’で示したのと同様であって良い。
アリール基やアラルキル基等の芳香環の置換基としては、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基の他、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
なお、上記好ましい炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
上記R8で示される1価の基において、有してもよい置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記R8のうちの炭素数1〜18のアルキル基、及び、アラルキル基、アリール基は、前記Ra及びRa’で示したのと同様であって良い。
上記R4において、x、y及びzは、前記Aで説明したとおりである。
また、上記一般式(II)で表される繰り返し単位(2)中のR4及びR5は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
ここで、上記R5をこのように設定する理由は、上記R5を含む構成単位(2)が、後述する溶媒に対して溶解性を有し、上記構成単位(1)のアミノ基と、前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが形成する塩形成部位が(A)顔料誘導体に対して高い吸着性を有するものであることにより、(A)顔料誘導体の分散性、及び安定性を特に優れたものとすることができるからである。
さらに、上記R5は、上記ブロック共重合体の分散性能等を妨げない範囲で、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、水素結合形成基等の置換基によって置換されたものとしてもよい。
さらに、上記ブロック共重合体の質量平均分子量Mwは、500〜20000の範囲内であることが好ましく、1000〜15000の範囲内であることがより好ましく、3000〜12000の範囲内であることがさらに好ましい。上記範囲内であることにより、(A)顔料誘導体を均一に分散させる分散初期の(A)顔料誘導体に対する濡れ性と分散安定性を両立することが可能となる。
本発明において、塩型ブロック共重合体の製造方法としては、前記の構成単位(1)と、構成単位(2)とを有し、かつ構成単位(1)が有するアミノ基と、前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素とが塩を形成したものを製造することができる方法であればよく特に限定されない。本発明においては、例えば、前記の構成単位(1)および構成単位(2)を公知の重合手段を用いて重合した後、後述する溶媒中に溶解または分散し、次いで前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物を添加し、25〜120℃の温度で反応させることにより製造することができる。
上記重合手段としては、前記の構成単位(1)および構成単位(2)を所望のユニット比で重合し、所望の分子量とすることができる手段であればよく、特に限定されず、ビニル基を有する化合物の重合に一般的に用いられる方法を採用することができ、例えば、アニオン重合やリビングラジカル重合などを用いることができる。本発明においては、なかでも、「J.Am.Chem.Soc.」105、5706(1983)に開示されているグループトランスファー重合(GTP)のようにリビング的に重合が進行する方法を用いることが好ましい。この方法によると、分子量、分子量分布などを所望の範囲とすることが容易であるので、分散性などの特性を均一にすることができる。
本発明においては、前記(B)重合性分散安定化剤として用いられる前記重合体が、下記一般式(I’)で表される窒素含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらに前記窒素含有モノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素とが塩を形成したグラフト共重合体(塩型グラフト共重合体と称することがある)であることが、ナノサイズの(A)顔料誘導体を均一かつ安定的に分散させ、かつ分散時の(A)顔料誘導体の平均粒径を小さく保つことができる複合化顔料誘導体分散液が得られる点から好ましい。
エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などが好ましく挙げられ、なかでも(メタ)アクリロイル基、ビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル基が好ましい。
R25は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR28で示される1価の基であり、R26は、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基、−[CH(R23)−CH(R24)−O]x−R25、−[(CH2)y−O]z−R25、−[CO−(CH2)y−O]z−R25で示される1価の基である。R27は炭素数1〜18のアルキル基であり、R28は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
上記R25で示される1価の基において、有してもよい置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記R22、R25、R26及びR27のうちの炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基は、前記Ra及びRa’で示したのと同様であって良い。
上記R22及びR26において、x、y及びzは、前記R5と同様であって良い。
ここで、上記R22及びR26をこのように設定する理由は、上記R22及びR26を含む構成単位が、上記溶媒に対する溶解性を有し、上記窒素含有モノマーのアミノ基と前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが形成する塩形成部位が(A)顔料誘導体に対して高い吸着性を有するものであることにより、(A)顔料誘導体の分散性、及び安定性を特に優れたものとすることができるからである。
本発明において、(B)重合性分散安定化剤として用いる塩型グラフト共重合体の製造方法としては、前記窒素含有モノマーと、ポリマー鎖とその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基とからなるマクロモノマーとを共重合体成分として含有し、かつ窒素含有モノマーが有するアミノ基と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成したものを製造することができる方法であればよく特に限定されない。本発明においては、例えば、前記窒素含有モノマーと前記マクロモノマーと、必要に応じてその他のモノマーとを公知の重合手段を用いてグラフト重合させることが可能である。次いで、後述する溶媒に上記重合性基を有するハロゲン化炭化水素を添加し、25〜120℃の温度で反応させることにより塩型グラフト共重合体を製造することができる。なお、上記重合においては、重合に一般的に用いられる添加剤、例えば重合開始剤、分散安定剤、連鎖移動剤などを用いてもよい。
本発明で用いられる(C)溶媒としては、上記重合体が溶解性を示す媒体であれば特に限定されるものではない。通常、比較的極性の低い媒体が好適に用いられる。具体的には、テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのジアルキレングリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのジエチレングリコールアルキルエーテル類や、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのジプロピレングリコールアルキルエーテル類などのジアルキレングリコールアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類や、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類などのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−3−メトキシブチルなどのエステル類;ヘキサン、ヘプタンなどのアルカン類などが挙げられ、なかでもジエチレングリコール類、アルキレングリコールアルキルエーテル類、ジアルキレングリコールアルキルエーテル類、及びアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましく、特に3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
ここで、SP値(単位:(cal/cm3)1/2)とは、お互いの分子間の引き合う力、すなわち凝集エネルギー密度CED(Cohensive Energy Density)の平方根で表されるものである。ここで、CEDの定義は、1cm3のものを蒸発させるのに要するエネルギー量(単位:cal/cm3)である。
本発明のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液は、以上のような溶媒を、当該溶媒を含む複合化顔料誘導体分散液の全量に対して、通常は70〜99質量%の割合で用いて調製する。溶媒が少なすぎると、粘度が上昇し、分散性が低下したり、重合工程において分散液がゲル化する場合がある。また、溶媒が多すぎると、(A)顔料誘導体濃度が低下し、顔料析出抑制機能を十分に発揮することが困難な場合がある。
本発明に係るカラーフィルタ用複合化顔料誘導体の製造方法は、上述のように、下記の工程1及び工程2を有する。
工程1.上記(B)重合性分散安定化剤を、上記(C)溶媒中に溶解乃至分散させた重合性分散安定化剤溶液に、上記(A)顔料誘導体を添加して顔料誘導体分散体を形成する分散工程
工程2.前記顔料誘導体分散体中の前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基を重合させる重合工程
以下、本発明の複合化顔料誘導体の製造方法の各工程について説明する。
工程1で調製される顔料誘導体分散液は、上記(C)溶媒中に溶解乃至分散させた重合性分散安定化剤溶液に、上記(A)顔料誘導体を添加することにより、(A)顔料誘導体の表面に(B)重合性分散安定化剤が集積したものである。本発明においては、(B)重合性分散安定化剤が、構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなるものであるため、(A)顔料誘導体を添加した際に、重合体が(A)顔料誘導体の表面に選択的に集積することができる。そのため、(A)顔料誘導体の分散性及び安定性に優れた顔料誘導体分散液を得ることができる。
工程2は、上記顔料誘導体分散液中の重合性分散安定化剤が有する重合性基を重合させる重合工程である。本工程においては、重合体からなる分散安定化剤を(A)顔料誘導体表面に固定させることができるため、分散性と安定性とに優れた複合化顔料誘導体を形成することができる。
また、(B)重合性分散安定化剤が、顔料誘導体表面に選択的に集積し、かつ顔料誘導体表面の全体を覆うように存在し得ることから、複合化顔料誘導体の粒径を小さくし、かつ顔料誘導体同士の再凝集を効果的に防ぐことができる。このことから、本発明で得られた複合化顔料誘導体は、例えば、溶媒から取出し、乾燥した後に、用途に応じた溶媒に再分散させることもできる。
さらに、カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時において、顔料誘導体表面に存在する重合後の分散安定化剤は、熱運動により(A)顔料誘導体の表面に固定化できなくなる。及び/又は、顔料誘導体が溶融して顔料誘導体分子が重合後の分散安定化剤の外に放出される。これにより、当該高温加熱工程時に(A)顔料誘導体は顔料析出抑制機能を発揮することができる。
また、本重合工程は30〜150℃の温度条件が好ましく、30〜50℃がより好ましい。重合工程の温度条件が上記範囲内にあれば、加熱条件による(A)顔料誘導体の再凝集などを防止することができる。
本工程において用いられる開始剤としては、従来知られている各種光開始剤、熱開始剤の中から適宜選択して用いることができる。光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、4,4´−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンなどの芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾイン;2−(o−クロロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メチルフェニル)イミダゾール2量体、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのハロメチルオキサジアゾール化合物、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−S−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジンなどのハロメチル−S−トリアジン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン、1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、4−ベンゾイル−メチルジフェニルサルファイド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノンなどが挙げられる。これらの光開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係るカラーフィルタ用樹脂組成物は、少なくとも前記本発明に係るカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液、又は前記本発明に係るカラーフィルタ用複合化顔料誘導体の製造方法により得られたカラーフィルタ用複合化顔料誘導体と、顔料と、分散安定化剤と、バインダー成分とを含有することを特徴とする。
以下、このような本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物の各成分について順に説明する。なお各成分のうち、複合化顔料誘導体分散液及び複合化顔料誘導体は、前述したとおりであるので、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる顔料は、着色層を形成した際に所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されない。例えば、前記化学式(PA−1)で表されるジケトピロロピロール系顔料、前記化学式(PB−1)表されるキノフタロン系顔料、その他に、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等の有機顔料が挙げられる。
ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントオレンジ81、キノフタロン系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー138、イソインドリン系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントオレンジ66、C.I.ピグメントオレンジ69、C.I.ピグメントレッド260、イソインドリノン系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー173、C.I.ピグメントオレンジ61、キナクリドン系顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントオレンジ48、ジオキサジン系顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントブルー80、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントブルー60、ペリノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントオレンジ43、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントブラック31、C.I.ピグメントブラック32、チオインジゴ系顔料としては、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントブラウン27、フタロシアニン系顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、アゾ系顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド242等のカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
しかしながら、今後、顔料の微細化がより進行して高温加熱工程後における顔料凝集体の析出が問題になった顔料に対しては、同様に適用することができ、これらに限定されるものではない。
中でも、本発明においては、高輝度を達成可能であるが、従来より高温加熱工程後に顔料凝集体の析出が問題になっているC.I.ピグメントレッド254のようなジケトピロロピロール系顔料や、C.I.ピグメントイエロー138のようなキノフタロン系顔料が特に好適に用いられる。
なお、顔料は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる顔料の平均一次粒径としては、カラーフィルタの着色層とした場合に、所望の発色が可能なものであればよく、特に限定されず、用いる顔料の種類によっても異なるが、コントラストを向上させる点から、10〜50nmの範囲内であることが好ましく、10〜40nmの範囲内であることがより好ましい。顔料の平均一次粒径が上記範囲であることにより、本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物を用いて製造された液晶表示装置を高コントラストで、かつ高品質なものとすることができる。
なお、上記顔料の平均粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とする。次に、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(質量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を求めそれを平均粒径とする。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
顔料分散液中の顔料の平均分散粒径は、少なくとも溶剤を含有する分散媒体中に分散している顔料粒子の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、顔料分散液に用いられている溶剤で、顔料分散液をレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分散粒径は、体積平均粒径である。
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物において、分散安定化剤(顔料分散剤)は、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、コントラストを向上する点から、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
本発明に係るカラーフィルタ用樹脂組成物は、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与するために、バインダー成分を含有する。バインダー成分としては、特に限定されず、従来公知のカラーフィルタの着色層を形成するのに用いられるバインダー成分を適宜用いることができる。硬化性の樹脂を含むバインダー成分を用いることが硬化させることにより塗膜に充分な硬度を付与するため好ましい。
硬化性バインダー成分としては、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含む光硬化性バインダー成分や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性樹脂を含む熱硬化性バインダー成分を含むものを用いることができる。
一方、着色層を形成する際にフォトリソグラフィー方式を用いる場合には、アルカリ現像性を有する感光性バインダー成分が好適に用いられる。
以下、感光性バインダー成分と、インクジェット方式に用いるのに適した熱硬化性バインダー成分について具体的に説明するが、硬化性バインダー成分はこれらに限定されるものではない。
感光性バインダー成分としては、ポジ型感光性バインダー成分とネガ型感光性バインダー成分が挙げられる。ポジ型感光性バインダー成分としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂及び感光性付与成分としてo−キノンジアジド基含有化合物を含んだ系が挙げられ、アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ポリイミド前駆体等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は側鎖にカルボキシル基を有するものであり、バインダー樹脂として作用し、かつパターン形成する際に用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ現像液に可溶性である限り、適宜選択して使用することができる。
本発明における好ましいアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有する樹脂であり、具体的には、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、側鎖にカルボキシル基を有するとともに、さらに側鎖にエチレン性不飽和基等の光重合性官能基を有するものである。光重合性官能基を含有することにより形成される硬化膜の膜強度が向上するからである。また、これらアクリル系共重合体、及びエポキシアクリレート樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更に芳香族炭素環を有する構成単位を含有していてもよい。芳香族炭素環は感光性樹脂組成物に塗膜性を付与する成分として機能する。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更にエステル基を有する構成単位を含有していてもよい。エステル基を有する構成単位は、感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性を抑制する成分として機能するだけでなく、溶剤に対する溶解性、さらには溶剤再溶解性を向上させる成分としても機能する。
これらの中で、コポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加等することにより、エチレン性不飽和結合を導入したポリマー等は、露光時に、後述する多官能性モノマーと重合することが可能となり、着色層がより安定なものとなる点で、特に好適である。
エポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、またはビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物などのエポキシ化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
このようにして得られるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に制限されないが、好ましくは1000〜40000、より好ましくは2000〜5000である。
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物において用いられる多官能性モノマーは、後述する光開始剤によって重合可能なものであればよく、特に限定されず、通常、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物が用いられ、特にアクリロイル基又はメタクリロイル基を2つ以上有する、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
上記多官能性モノマーの含有量は、特に制限はないが、上記アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常5〜500質量部程度、好ましくは20〜300質量部の範囲である。多官能性モノマーの含有量が上記範囲より少ないと十分に光硬化が進まず、露光部分が溶出する場合があり、また、多官能性モノマーの含有量が上記範囲より多いとアルカリ現像性が低下するおそれがある。
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物において用いられる光開始剤としては、特に制限はなく、従来知られている各種光開始剤の中から、適宜選択して用いることができる。例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メチルフェニル)イミダゾール2量体、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール化合物、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−S−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−S−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン、1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、4−ベンゾイル−メチルジフェニルサルファイド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノンなどが挙げられる。これらの光開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性バインダーとしては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としては、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、エチレン性不飽和結合等が挙げられる。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に用いても良い。
通常硬化性バインダー成分として用いられる比較的分子量の高い重合体であるエポキシ化合物(以下、「バインダー性エポキシ化合物」ということがある)としては、少なくとも下記式(V)で表される構成単位及び下記式(VI)で表される構成単位から構成され且つグリシジル基を2個以上有する重合体を用いることができる。
式(VI)において、R33として好ましいのは水素またはメチル基である。式(VI)で表される構成単位を誘導するモノマーとして、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを例示することができ、特にグリシジルメタクリレート(GMA)が好ましい。
本発明に用いられる熱硬化性バインダーには、通常、硬化剤が組み合わせて配合される。硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
熱硬化性バインダーには、硬化層の硬度および耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
熱潜在性触媒は、加熱されたとき、触媒活性を発揮し、硬化反応を促進し、硬化物に良好な物性を与えるものであり、必要により加えられるものである。この熱潜在性触媒は、60℃以上の温度で酸触媒活性を示すものが好ましく、このようなものとしてプロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、オニウム化合物類等が挙げられ、前記特開平4−218561号公報に記載されているような各種の化合物を使用することができる。
熱潜在性触媒は、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物及び硬化剤の合計100質量部に対して、通常は0.01〜10.0質量部程度の割合で配合する。
本発明に係るカラーフィルタ用樹脂組成物には、顔料を分散させるためや、硬化性バインダー成分を溶解させるために溶媒が含まれる。溶媒としては、該樹脂組成物中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶媒であればよく、特に限定されない。
本発明の樹脂組成物に用いる溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどのアルコール系溶媒;メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのセロソルブ系溶媒;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶媒;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶媒;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶媒;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶媒;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなどの飽和炭化水素系溶媒などの有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒の中では、メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶媒;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶媒;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒が好適に用いられる。中でも、本発明に用いる溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(CH3OCH2CH(CH3)OCOCH3)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート及びシクロヘキサノンよりなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じ各種添加剤を含むものであってもよい。
例えば、本発明の効果が損なわれない限り、更に他の顔料誘導体を含んでいても良い。このような顔料誘導体は、顔料骨格に官能基を付与し、様々な機能を顔料に付加する役割を持つ化合物である。顔料分散時に顔料誘導体を顔料に添加すると、顔料誘導体の顔料類似骨格が顔料表面に吸着もしくは結合し、それにより顔料の表面が極性を有するようになることによって、分散剤と顔料間の親和性が向上し、分散性、分散安定性を確保できると考えられる。
これらの中で、用いることができる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類等を挙げることができる。また、その他にもフッ素系界面活性剤も用いることができる。
さらに、可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げられる。消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物等が挙げられる。
顔料の合計の含有量は、樹脂組成物の固形分全量に対して、10〜60質量%、より好ましくは15〜45質量%の割合で配合することが好ましい。顔料の合計の含有量が少なすぎると、樹脂組成物を所定の膜厚(通常は1.0〜3.0μm)に塗布した際の透過濃度が十分でないおそれがあり、また顔料が多すぎると、樹脂組成物を基板上へ塗布し硬化させた際の基板への密着性、硬化膜の表面荒れ、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがあり、またその樹脂組成物中の顔料の分散に使われる分散剤の量の比率も多くなるために現像性、耐熱性等の特性も不十分になるおそれがある。尚、本発明において固形分は、上述した(C)溶媒以外のもの全てであり、溶媒中に溶解している多官能性モノマー等も含まれる。
また、上記本発明に係る複合化顔料誘導体の固形分は、樹脂組成物の固形分全量に対して、0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも0.5〜3質量%の範囲内であることが好ましい。
バインダー成分は、これらの合計量が、樹脂組成物の固形分全量に対して10〜80質量%、好ましくは20〜60質量%の割合で配合するのが好ましい。
また、溶媒の含有量としては、着色層を精度良く形成することができるものであれば特に限定されるものではない。該溶媒を含む樹脂組成物の全量に対して、通常、65〜95質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも75〜88質量%の範囲内であることが好ましい。上記溶媒の含有量が、上記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができる。
本発明に係るカラーフィルタ用樹脂組成物の製造方法は、下記の工程1〜工程3を有することを特徴とする。
工程1.(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤を、(C)溶媒中に溶解乃至分散させた重合性分散安定化剤溶液に、(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体を添加して顔料誘導体分散体を形成する分散工程
工程2.前記顔料誘導体分散体中の前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基を重合させて、カラーフィルタ用複合化顔料誘導体を調製する工程
工程3.前記カラーフィルタ用複合化顔料誘導体と、顔料と、バインダー成分とを混合する工程
以下、各工程について順に説明するが、工程1及び工程2については、前述した本発明に係るカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液の製造方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
前記工程2により得られたカラーフィルタ用複合化顔料誘導体と、顔料と、前記バインダー成分とを混合する。混合する方法及び順序は特に限定されない。バインダー成分は、別途溶媒に溶解させてから混合してもよい。
工程3’.分散安定化剤を溶媒中に溶解させた溶液に、顔料を添加して顔料分散液を調製する工程
本発明においては、前記分散安定化剤を前記溶媒中に溶解させた溶液に、前記顔料を添加して顔料分散液を調製する。このようにすることにより、顔料粒子の分散性に優れたカラーフィルタ用樹脂組成物が得られる。本発明においては、当該顔料分散液を調製する際に、顔料と(A)顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体とが、直接接触しないため、顔料の分散性及び分散安定性が向上する。
分散処理を行うための分散機としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.05〜1.0mmである。
本発明においては、公知の分散機を用いて分散させる分散時間は、適宜調整され特に限定されない。
3.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、透明基板と、当該透明基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが前記本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物を硬化させて形成されてなる着色層であることを特徴とする。
このような本発明のカラーフィルタについて、図を参照しながら説明する。図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1によれば、本発明のカラーフィルタ10は、透明基板1と、遮光部2と、着色層3とを有している。
本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、前述した本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物を用いて硬化させて形成された黄色着色層が含まれていれば、特に限定されないが、通常、後述する透明基板上の遮光部の開口部に形成され、3色以上の着色層を含む着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、カラーフィルタ用樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1〜5μmの範囲であることが好ましい。
まず、前述した本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、コールコート法、スピンコート法などの塗布手段を用いて後述する透明基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及び多官能性モノマー等を光重合反応させて、カラーフィルタ用樹脂組成物の塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用するカラーフィルタ用樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、カラーフィルタ用樹脂組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
まず、前記本発明のカラーフィルタ用樹脂組成物を含み、その他必要に応じて各色用の顔料がそれぞれ配合されたカラーフィルタ用樹脂組成物を用意する。そして、透明基板1の表面に、遮光部2のパターンにより画成された各色の着色層形成領域に、対応する色のカラーフィルタ用樹脂組成物をインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する。このインクの吹き付け工程において、カラーフィルタ用樹脂組成物は、インクジェットヘッドの先端部で粘度増大を起こし難く、良好な吐出性を維持し続ける必要がある。各色のカラーフィルタ用樹脂組成物を、複数のヘッドを使って同時に基板上に吹き付けることもできるので、印刷等の方法で各色ごとに着色層を形成する場合と比べて作業効率を向上させることができる。
次に、各色のインク層を乾燥し必要に応じてプリベークした後、適宜加熱乃至露光することにより硬化させる。インク層を適宜加熱乃至露光すると、カラーフィルタ用樹脂組成物中に含まれる硬化性樹脂の架橋要素が架橋反応を起こし、インク層が硬化して着色層3が形成される。
本発明のカラーフィルタにおける遮光部は、後述する透明基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。この遮光部としては、例えば、黒色顔料をバインダー樹脂中に分散又は溶解させたものや、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。この金属薄膜は、CrOx膜(xは任意の数)及びCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrOx膜(xは任意の数)、CrNy膜(yは任意の数)及びCr膜が3層積層されたものであってもよい。
当該遮光部が黒色着色剤をバインダー樹脂中に分散又は溶解させたものである場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であればよく、特に限定されず、例えば、遮光部用カラーフィルタ用樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルタにおける透明基板としては、可視光に対して透明な基材であればよく、特に限定されず、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板を使用することができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタの用途に応じて、例えば100μm〜1mm程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、上記透明基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには配向膜や柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明のカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルタ10と上記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルタ及び対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルタの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルタを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルタ及び対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
本発明の有機発光表示装置は、前述した本発明のカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする。
このような本発明の有機発光表示装置について、図を参照しながら説明する。図3は、本発明の有機発光表示装置の一例を示す概略図である。図3に例示するように本発明の有機発光表示装置100は、カラーフィルタ10と、有機発光体80とを有している。
カラーフィルタ10と、有機発光体80との間に、有機保護層50や無機酸化膜60を有していても良い。
なお、本発明の有機発光表示装置は、この図3に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた有機発光表示装置として公知の構成とすることができる。
パラホルムアルデヒド5.14質量部とフタルイミド17.71質量部を3.6質量%の発煙硫酸338.67質量部に25℃で加えた後、50℃で30分撹拌した。次いでC.I.ピグメントイエロー138 69.40質量部を加え、100℃で3時間撹拌した。反応液を氷水2400質量部に加え、60℃で30分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを温水で3回洗浄し、真空乾燥、粉砕することでピグメントイエロー138にフタルイミドメチル基が1個置換した、下記化学式(n=1)で表される黄色顔料誘導体Aを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
パラホルムアルデヒド5.14質量部と3,4,5,6−テトラクロロフタルイミド34.27質量部を3.6質量%の発煙硫酸338.67質量部に25℃で加えた後、50℃で30分撹拌した。次いでピグメントイエロー138 69.40質量部を加え、100℃で3時間撹拌した。反応液を氷水2400質量部に加え、60℃で30分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを60℃の温水1Lで3回洗浄し真空乾燥、粉砕することでピグメントイエロー138にテトラクロロナフタルイミドメチル基が1個置換した、下記化学式(n=1)で表される黄色顔料誘導体Bを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
パラホルムアルデヒド5.14質量部とナフタルイミド23.72質量部を3.6質量%の発煙硫酸338.67質量部に25℃で加えた後、50℃で30分撹拌した。次いでピグメントイエロー138 69.40質量部を加え、100℃で3時間撹拌した。反応液を氷水2400質量部に加え、60℃で30分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを60℃の温水1Lで3回洗浄し、真空乾燥、粉砕することでピグメントイエロー138にナフタルイミドメチル基が1個置換した、下記化学式(n=1)で表される黄色顔料誘導体Cを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
11質量%発煙硫酸374.76質量部を10℃に冷却しながら攪拌し、ピグメントイエロー138 74.96質量部を加えた。次いで、90℃で6時間攪拌した。
反応液を氷水1600質量部に加え、15分間攪拌した後、沈殿をろ過した。得られたウェットケーキを800mlの水で3回洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、粉砕することでピグメントイエロー138にスルホン酸基が1個置換した、下記化学式(n=1)で表される黄色顔料誘導体Dを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
96%硫酸461.2質量部を撹拌しながらピグメントレッド255 23.08質量部を冷却しながら加えた。ついで、冷却しながら1時間撹拌後、100%硫酸461.2質量部と、N−ヒドロキシメチルフタルイミド28.37質量部を加えた。室温で一晩攪拌した後、反応液を氷水3800質量部にあけ、沈殿をろ過して取り出した。得られたウェットケーキを温水で3回洗浄し、真空乾燥、粉砕することでピグメントレッド255にフタルイミドメチル基が置換した、赤色顔料誘導体Aを得た。
(1)中間体:3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オンの合成
酢酸ベンゾイルエチル21.2質量部、クロロ酢酸エチル13.5質量部および粉末炭酸カリウム18.2質量部を、アセトン60質量部中で16時間還流した。反応液をろ過し、ヘキサンで洗浄した。ろ液を濃縮し、下記化学式で表される粗生成物を得た。
モレキュラーシーブで脱水したtert−アミルアルコール370質量部にナトリウム5.16質量部を加え、100℃で攪拌し、アルコキシドを合成した。4−シアノビフェニル13.7質量部をアルコラート中へ加え、100℃に加熱したアルコラート溶液中に上記で合成した3−エトキシカルボニル−2−フェニル−2−ピロリン−5−オン17.7質量部を徐々に加えた。その後、90℃で3時間攪拌した。室温まで冷却し、メタノール57.0質量部、水57.0質量部、酢酸14.5質量部の混合液中に反応液を加えた。沈殿をろ過し、メタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、下記化学式で表される赤色顔料誘導体B(非対称型DPP誘導体)を得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
無水ジメチルホルムアミド54質量部にPR255(C.I.ピグメントレッド255)5.79質量部と30%ナトリウムメチラート溶液 8.00質量部を加え、70〜75℃で3時間撹拌した。次いで、85〜90℃に昇温し、ベンジルクロライド3.18質量部を加えて混合物を2時間撹拌した。酢酸2.66質量部を加え、70℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、水に反応液を注入し、懸濁液を1時間撹拌した。沈殿をろ過し、水で、次いでメタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、下記化学式で表される赤色顔料誘導体Cを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
無水ジメチルホルムアミド54質量部にPR255 5.79質量部と30%ナトリウムメチラート溶液8.00質量部を加え、70〜75℃で3時間撹拌した。次いで、85〜90℃に昇温し、クロロアセトニトリル2.27質量部を加えて混合物を2時間撹拌した。酢酸2.66質量部を加え、70℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、水に反応液を注入し、懸濁液を1時間撹拌した。沈殿をろ過し、水で、次いでメタノールで洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、下記化学式で表される赤色顔料誘導体Dを得た。TOF−MSにより、目的物の分子量を確認した。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(略称PGMEA)80.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度90℃に加温した。メタクリル酸メチル50.0質量部、メタクリル酸−n−ブチル30.0質量部、メタクリル酸ベンジル20.0質量部、メルカプトエタノール4.0質量部、PGMEA30質量部、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(略称AIBN)1.0質量部の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、さらに3時間反応した。次に、窒素気流を止めて、この反応溶液を80℃に冷却し、カレンズMOI(昭和電工(株)社製)8.74質量部、ジラウリン酸ジブチルすず0.125g、p−メトキシフェノール0.125質量部、及びPGMEA10質量部、を加えて3時間攪拌することで、マクロモノマーAの49.5質量%溶液を得た。得られたマクロモノマーAを、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて、N−メチルピロリドン、0.01mol/L臭化リチウム添加/ポリスチレン標準の条件で確認したところ、質量平均分子量(Mw)4010、数平均分子量(Mn)1910、分子量分布(Mw/Mn)は2.10であった。マクロモノマーAの計算により算出されるTgは、64℃である。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、PGMEA85.0質量部を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、温度85℃に加温した。製造例9のマクロモノマーA溶液67.34質量部(有効固形分33.33質量部)、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(略称DMA)16.67質量部、n−ドデシルメルカプタン1.24質量部、PGMEA20.0質量部、AIBN0.5質量部の混合溶液混合溶液を1.5時間かけて滴下し、3時間加熱攪拌したのち、AIBN0.10質量部 、PGMEA10.0質量部 の混合液を10分かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成することで、グラフト共重合体Aの26.0%溶液を得た。得られたグラフト共重合体Aは、GPC測定の結果、質量平均分子量(Mw)12420、数平均分子量(Mn)4980、分子量分布(Mw/Mn)は2.49であった。なおアミン価は118mgKOH/gであった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、脱水テトラヒドロフラン(THF)300質量部および開始剤のジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール2.68質量部を添加用ロートを介して加え、充分に窒素置換を行った。触媒のテトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートの1モル/Lのアセトニトリル溶液0.40質量部をシリンジを用いて注入し、メタクリル酸メチル50質量部、メタクリル酸n−ブチル30質量部、メタクリル酸ベンジル20質量部の混合液を添加用ロートを用いて、60分かけて滴下した。反応フラスコを氷浴で冷却することにより、温度を40℃未満に保った。1時間後、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル(略称DMA)50質量部を20分かけて滴下した。1時間反応させた後、メタノール1質量部を加えて反応を停止させた。得られたブロック共重合体THF溶液をエバポレーション、真空乾燥により精製を行い、ブロック共重合体Aを得た。このようにして得られたブロック共重合体Aを、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて、N−メチルピロリドン、0.01モル/Lの臭化リチウム添加/ポリスチレン標準の条件で確認したところ、質量平均分子量Mw:9250、数平均分子量Mn:7850、分子量分布Mw/Mnは1.18であった。なおアミン価は120mgKOH/gであった。
300mL丸底フラスコ中で、PGMEA29.2質量部、n−ブトキシエタノール30.0質量部、製造例10で調製したグラフト共重合体A溶液136.2質量部(固形分35.4質量部)を溶解させ、重合性基を有するハロゲン化炭化水素として、4−クロロメチルスチレン(アクロス社製)を4.6質量部(グラフト共重合体のDMAユニットに対し、0.40モル当量)加え、反応温度80℃で6時間攪拌することにより、固形分20質量%のグラフト型重合性分散安定化剤溶液Aを調製した。このとき、グラフト共重合体のアミノ基は、4−クロロメチルスチレンとの4級化反応により塩形成されている。
300mL丸底フラスコ中で、PGMEA27.2質量部、n−ブトキシエタノール30.0質量部、製造例10で調製したグラフト共重合体A溶液138.9質量部(固形分36.1質量部)を溶解させ、重合性基を有しないハロゲン化炭化水素として、塩化ベンジル(関東化学社製)を3.9質量部(グラフト共重合体のDMAユニットに対し、0.4モル当量)加え、反応温度80℃で6時間攪拌することにより、固形分20質量%のグラフト型分散安定化剤溶液Aを調製した。このとき、グラフト共重合体のアミノ基は、塩化ベンジルとの4級化反応により塩形成されている。
300mL丸底フラスコ中で、PGMEA130.0質量部、n−ブトキシエタノール30.0質量部、製造例11で調製したブロック共重合体A35.9質量部を溶解させ、重合性基を有するハロゲン化炭化水素として、4−クロロメチルスチレンを4.1質量部(ブロック共重合体のDMAユニットに対し、0.35モル当量)加え、反応温度80℃で6時間攪拌することにより、固形分20質量%のブロック型重合性分散安定化剤溶液Aを調製した。このとき、ブロック共重合体のアミノ基は、4−クロロメチルスチレンとの4級化反応により塩形成されている。
300mL丸底フラスコ中で、PGMEA130.0質量部、n−ブトキシエタノール30.0質量部、製造例11で調製したブロック共重合体A36.5質量部を溶解させ、重合性基を有しないハロゲン化炭化水素として、塩化ベンジルを3.5質量部(ブロック共重合体のDMAユニットに対し、0.35モル当量)加え、反応温度80℃で6時間攪拌することにより、固形分20質量%のブロック型分散安定化剤溶液Bを調製した。このとき、ブロック共重合体のアミノ基は、塩化ベンジルの4級化反応により塩形成されている。
300mL丸底フラスコ中で、PGMEA130.0質量部、n−ブトキシエタノール30.0質量部、製造例11で調製したブロック共重合体A30.2質量部を溶解させ、重合性基を有するハロゲン化炭化水素として、4−クロロメチルスチレンを9.8質量部(ブロック共重合体のDMAユニットに対し、1.0モル当量)加え、反応温度80℃で6時間攪拌することにより、固形分20質量%のブロック型重合性分散安定化剤溶液Bを調製した。このとき、ブロック共重合体のアミノ基は、4−クロロメチルスチレンとの4級化反応により塩形成されている。
300mL丸底フラスコ中で、PGMEA130.0質量部、n−ブトキシエタノール30.0質量部、製造例11で調製したブロック共重合体A31.5質量部を溶解させ、重合性基を有しないハロゲン化炭化水素として、塩化ベンジルを8.5質量部(ブロック共重合体のDMAユニットに対し、1.0モル当量)加え、反応温度80℃で6時間攪拌することにより、固形分20質量%のブロック型分散安定化剤溶液Bを調製した。このとき、ブロック共重合体のアミノ基は、塩化ベンジルの4級化反応により塩形成されている。
300mL丸底フラスコ中で、PGMEA 160.0質量部、製造例11で調製したブロック共重合体A32.5質量部を溶解させ、ビニルホスホン酸(東京化成製)を7.5質量部(ブロック共重合体のDMAユニットに対し、1.0モル当量)加え、反応温度40℃で2時間攪拌することにより、固形分20質量%のブロック型重合性分散安定化剤溶液Cを調製した。このとき、ブロック共重合体のアミノ基は、ビニルホスホン酸との酸−塩基反応により塩形成されている。
300mL丸底フラスコ中で、PGMEA 160.0質量部、製造例11で調製したブロック共重合体A32.5質量部を溶解させ、ビニルスルホン酸(旭化成ファインケム製「VSA−H」)を7.5質量部(ブロック共重合体のDMAユニットに対し、1.0モル当量)加え、反応温度40℃で2時間攪拌することにより、固形分20質量%のブロック型重合性分散安定化剤溶液Dを調製した。このとき、ブロック共重合体のアミノ基は、ビニルスルホン酸との酸−塩基反応により塩形成されている。
(1)黄色顔料誘導体分散液A−1の製造
製造例12で得られたグラフト型重合性分散安定化剤溶液A 7.2質量部(固形分量:1.44質量部)、製造例1の黄色顔料誘導体A 1.8質量部、PGMEA 19.7質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME) 1.3質量部、2.0mmジルコニアビーズ30質量部をマヨネーズビンに入れて、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いでその分散液30質量部と粒径0.1mmのジルコニアビーズ60質量部とをマヨネーズビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて3時間分散を行い、黄色顔料誘導体分散液A−1を得た。
50mlのナスフラスコ中に、上記で得られた黄色顔料誘導体分散液A−1 30質量部に対して、開始剤として2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70:和光純薬社製)0.010質量部を加えて、超音波処理を行いながら50℃で3時間反応させることで複合化黄色顔料誘導体分散液Aを得た。
実施例1において、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液A−1を比較例1−1とした。
製造例13で得られたグラフト型分散安定化剤溶液A 7.2質量部(固形分量:1.44質量部)、製造例1の黄色顔料誘導体A 1.8質量部、PGMEA19.7質量部、PGME1.3質量部、2.0mmジルコニアビーズ30質量部をマヨネーズビンに入れて、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いでその分散液30質量部と粒径0.1mmのジルコニアビーズ60質量部とをマヨネーズビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて3時間分散を行い、黄色顔料誘導体分散液A−2を得た。
実施例1において、グラフト型重合性分散安定化剤溶液Aの代わりに製造例14で得られたブロック型重合性分散安定化剤溶液Aとした以外は実施例1と同様にして、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液B−1、及び、複合化黄色顔料誘導体分散液Bを得た。
実施例2において、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液B−1を比較例2−1とした。
比較例1−2において、グラフト型分散安定化剤溶液Aの代わりに製造例15で得られたブロック型分散安定化剤溶液Aとした以外は比較例1−2と同様にして黄色顔料誘導体分散液B−2を得た。
実施例1において、グラフト型重合性分散安定化剤溶液Aの代わりに製造例16で得られたブロック型重合性分散安定化剤溶液B 7.2質量部、PGMEA 15.6質量部、PGME 5.4質量部とした以外は実施例1と同様にして、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液C−1、及び、複合化黄色顔料誘導体分散液Cを得た。
実施例3において、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液C−1を比較例3−1とした。
比較例1−2において、グラフト型分散安定化剤溶液Aの代わりに製造例17で得られたブロック型分散安定化剤溶液B 7.2質量部、PGMEA 15.6質量部、PGME 5.4質量部とした以外は比較例1−2と同様にして、黄色顔料誘導体分散液C−2を得た。
(1)黄色顔料誘導体分散液Dの製造
製造例14で得られたブロック型重合性分散安定化剤溶液A 12.0質量部(固形分量:2.4質量部)、製造例1の黄色顔料誘導体A 3.0質量部、PGMEA 13.8質量部、PGME 1.2質量部、2.0mmジルコニアビーズ30質量部をマヨネーズビンに入れて、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いでその分散液30質量部と粒径0.1mmのジルコニアビーズ60質量部とをマヨネーズビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて3時間分散を行い、黄色顔料誘導体分散液Dを得た。
50mlのナスフラスコ中に、上記で得られた黄色顔料誘導体分散液D 30質量部に対して、開始剤としてV−70 0.015質量部を加えて、超音波処理を行いながら50℃で3時間反応させることで複合化黄色顔料誘導体分散液Dを得た。
実施例4において、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液Dを比較例4とした。
(1)黄色顔料誘導体分散液Eの製造
製造例16で得られたブロック型重合性分散安定化剤溶液B 1.2質量部(固形分量:0.24質量部)、製造例1の黄色顔料誘導体A 0.3質量部、PGMEA 22.6質量部、PGME 5.9質量部、2.0mmジルコニアビーズ30質量部をマヨネーズビンに入れて、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いでその分散液30質量部と粒径0.1mmのジルコニアビーズ60質量部とをマヨネーズビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて2時間分散を行い、黄色顔料誘導体分散液Eを得た。
50mlのナスフラスコ中に、上記で得られた黄色顔料誘導体分散液E 30質量部に対して、開始剤としてV−70 0.005質量部を加えて、超音波処理を行いながら50℃で3時間反応させることで複合化黄色顔料誘導体分散液Eを得た。
実施例5において、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液Eを比較例5とした。
実施例5において、黄色顔料誘導体Aの代わりに製造例2で得られた黄色顔料誘導体B、製造例3で得られた黄色顔料誘導体Cをそれぞれ用いた以外は実施例5と同様にして、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液F、G、及び、複合化黄色顔料誘導体分散液F、Gを得た。
実施例6、7において、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液F、Gを比較例6、7とした。
実施例5において、ブロック型重合性分散安定化剤溶液Bの代わりに製造例18、19で得られたブロック型重合性分散安定化剤溶液C、Dを用い、PGMEA 28.5質量部、PGME 0質量部とした以外は実施例5と同様にして、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液H、I、及び、複合化黄色顔料誘導体分散液H、Iを得た。
実施例8、9において、複合化する前の黄色顔料誘導体分散液H、Iを比較例8、9とした。
(1)赤色顔料誘導体分散液Aの製造
製造例16で得られたブロック型重合性分散安定化剤溶液B 1.2質量部(固形分量:0.24質量部)、製造例5の赤色顔料誘導体A 0.3質量部、PGMEA 22.6質量部、PGME 5.9質量部、2.0mmジルコニアビーズ30質量部をマヨネーズビンに入れて、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いでその分散液30質量部と粒径0.1mmのジルコニアビーズ60質量部とをマヨネーズビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて2時間分散を行い、赤色顔料誘導体分散液Aを得た。
50mlのナスフラスコ中に、上記で得られた赤色顔料誘導体分散液A 30質量部に対して、開始剤としてV−70 0.005質量部を加えて、超音波処理を行いながら50℃で3時間反応させることで複合化赤色顔料誘導体分散液Aを得た。
実施例10において、複合化する前の赤色顔料誘導体分散液Aを比較例10とした。
実施例10において、赤色顔料誘導体Aの代わりに製造例6で得られた赤色顔料誘導体B、製造例7で得られた赤色顔料誘導体C、製造例8で得られた赤色顔料誘導体Dをそれぞれ用いた以外は実施例10と同様にして、複合化する前の赤色顔料誘導体分散液B〜D、及び、複合化赤色顔料誘導体分散液B〜Dを得た。
実施例11〜13において、複合化する前の赤色顔料誘導体分散液B〜Dを比較例11〜13とした。
<分散安定性評価>
顔料誘導体分散液の分散安定性の評価として、各実施例及び比較例で得られた複合化顔料誘導体分散液及び顔料誘導体分散液を、40℃で1週間静置し、静置前後の上記顔料誘導体分散液中の顔料誘導体粒子の平均粒径とせん断粘度の測定を行った。平均粒径の測定には、日機装社製「ナノトラック粒度分布計UPA−EX150」を用い、粘度測定には、Anton Paar製「レオメータMCR301」を用いて、せん断速度が60rpmのときのせん断粘度を測定した。
結果を表1及び表2に示す。
一方、顔料誘導体と分散安定化剤が複合化されていない比較例1〜13ではいずれも、分散粒径が大きくなり、比較的高粘度で、更に安定性が悪化することが明らかにされた。
300mL丸底フラスコ中で、PGMEA 62.5質量部、製造例10で調製したグラフト共重合体A溶液 131.8質量部(固形分34.3質量部)を溶解させ、フェニルホスホン酸(日産化学製「PPA」)を5.7質量部(グラフト共重合体のDMAユニットに対し、0.5モル当量)加え、反応温度40℃で2時間攪拌することにより、固形分20質量%のグラフト型分散安定化剤溶液Bを調製した。このとき、グラフト共重合体のアミノ基は、PPAとの酸−塩基反応により塩形成されている。
300mL丸底フラスコ中で、PGMEA 160.0質量部、製造例11で調製したブロック共重合体A 35.8質量部を溶解させ、PPAを4.2質量部(ブロック共重合体のDMAユニットに対し、0.35モル当量)加え、反応温度40℃で2時間攪拌することにより、固形分20質量%のブロック型分散安定化剤溶液Cを調製した。このとき、ブロック共重合体のアミノ基は、PPAとの酸−塩基反応により塩形成されている。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた反応器に、溶媒としてジエチレングリコールエチルメチルエーテル(EMDG)130質量部を仕込み、窒素雰囲気下で110℃に昇温した後、メタクリル酸メチル(MMA)32質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)22質量部、メタクリル酸(MAA)24質量部、開始剤としてα,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2質量部および連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン4.5質量部を含む混合物を、それぞれ1.5時間かけて連続的に滴下した。
その後、合成温度を保持して反応を続け、滴下終了から2時間後に重合禁止剤として、p−メトキシフェノール0.05質量部を添加した。
次に、空気を吹き込みながら、メタクリル酸グリシジル(GMA)22質量部を添加して、110℃に昇温した後、トリエチルアミン0.2質量部を添加して110℃で15時間付加反応させ、バインダー樹脂A(固形分44質量%)を得た。
得られたバインダー樹脂Aの質量平均分子量は8500、酸価は85mgKOH/gであった。なお、質量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて算出し、酸価はJIS−K0070に従い測定した。
製造例20で調製したグラフト型分散安定化剤溶液B 6.0質量部、製造例22のバインダー樹脂A2.7質量部、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138(PY138:平均一次粒径10〜40nm)3.0質量部、PGMEA 18.3質量部、2.0mmジルコニアビーズ30質量部をマヨネーズビンに入れて、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いでその分散液30質量部と粒径0.1mmのジルコニアビーズ60質量部とをマヨネーズビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて16時間分散を行い、黄色顔料分散液Aを得た。
製造例23において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 2.85質量部、製造例4の黄色顔料誘導体D(PY138スルホン酸誘導体)0.15質量部とした以外は、製造例23と同様にして、黄色顔料分散液Bを得た。
製造例23において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 2.85質量部、製造例1の黄色顔料誘導体A(PY138フタルイミドメチル誘導体)0.15質量部とした以外は、製造例23と同様にして、黄色顔料分散液Cを得た。
製造例23において、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 2.70質量部、製造例1の黄色顔料誘導体A(PY138フタルイミドメチル誘導体)0.15質量部、製造例4の黄色顔料誘導体D(PY138スルホン酸誘導体)0.15質量部とした以外は、製造例23と同様にして、黄色顔料分散液Dを得た。
製造例23において、グラフト型分散安定化剤溶液Bの代わりに製造例21で調製したブロック型分散安定化剤溶液Cを用いた以外は、製造例23と同様にして、黄色顔料分散液Eを得た。
製造例23において、グラフト型分散安定化剤溶液Bの代わりに製造例21で調製したブロック型分散安定化剤溶液Cを用い、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー138 2.85質量部、製造例1の黄色顔料誘導体A(PY138フタルイミドメチル誘導体)0.15質量部とした以外は、製造例23と同様にして、黄色顔料分散液Fを得た。
製造例21で調製したブロック型分散安定化剤溶液C 6.0質量部、製造例22のバインダー樹脂A 2.7質量部、色材成分としてC.I.ピグメントレッド254(PR254:平均一次粒径10〜50nm)3.0質量部、PGMEA 18.3質量部、2.0mmジルコニアビーズ30質量部をマヨネーズビンに入れて、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いでその分散液30質量部と粒径0.1mmのジルコニアビーズ60質量部とをマヨネーズビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて16時間分散を行い、赤色顔料分散液Aを得た。
製造例29において、色材成分としてC.I.ピグメントレッド254 2.85質量部、製造例5の赤色顔料誘導体A(PR255フタルイミドメチル誘導体)0.15質量部とした以外は、製造例29と同様にして、赤色顔料分散液Bを得た。
実施例1で得られた複合化黄色顔料誘導体分散液A 0.71質量部、製造例23で得られた黄色顔料分散液A 8.14質量部、下記バインダー組成物A 7.29質量部、PGMEA 3.86質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、黄色感光性樹脂組成物Aを得た。
・アルカリ可溶性樹脂(製造例22のバインダー樹脂A、固形分44質量%):8.18質量部
・3〜4官能アクリレートモノマー(商品名:アロニックスM305、東亞合成社製):8.4質量部
・光重合開始剤:2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、BASF社製):0.82質量部
・光重合開始剤:2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(商品名:ビイミダゾール、黒金化成社製):1.64質量部
・光重合開始剤:2−メルカプトベンゾチアゾール(東京化成社製):0.26質量部
・光増感剤:2,4ジエチルチオキサントン(商品名:カヤキュアーDETX−S、日本化薬社製):0.28質量部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA):55.42質量部
実施例14において、黄色顔料分散液Aの代わりに製造例24で得られた黄色顔料分散液Bを用いた以外は、実施例14と同様にして黄色感光性樹脂組成物Bを調製した。
製造例23で得られた黄色顔料分散液A8.57質量部、バインダー組成物A7.29質量部、PGMEA4.14質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、黄色感光性樹脂組成物Cを得た。
比較例14において、黄色顔料分散液Aの代わりに製造例24で得られた黄色顔料分散液B、製造例25で得られた黄色顔料分散液C、製造例26で得られた黄色顔料分散液Dをそれぞれ用いた以外は、比較例14と同様にして黄色感光性樹脂組成物D〜Fを調製した。
実施例14において、複合化黄色顔料誘導体分散液Aの代わりに実施例2で得られた複合化黄色顔料誘導体分散液B、黄色顔料分散液Aの代わりに製造例27で得られた黄色顔料分散液Eを用いた以外は、実施例14と同様にして黄色感光性樹脂組成物Gを調製した。
実施例14において、複合化黄色顔料誘導体分散液Aの代わりに実施例3で得られた複合化黄色顔料誘導体分散液C、黄色顔料分散液Aの代わりに製造例27で得られた黄色顔料分散液Eを用いた以外は、実施例14と同様にして黄色感光性樹脂組成物Hを調製した。
比較例14において、黄色顔料分散液Aの代わりに製造例27で得られた黄色顔料分散液Eを用いた以外は、比較例14と同様にして黄色感光性樹脂組成物Iを調製した。
比較例14において、黄色顔料分散液Aの代わりに製造例28で得られた黄色顔料分散液Fを用いた以外は、比較例14と同様にして黄色感光性樹脂組成物Jを調製した。
実施例4で得られた複合化黄色顔料誘導体分散液D 0.43質量部、製造例27で得られた黄色顔料分散液E 8.14質量部、上記バインダー組成物A 7.29質量部、PGMEA 4.14質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、黄色感光性樹脂組成物Kを得た。
実施例5で得られた複合化黄色顔料誘導体分散液E 4.29質量部、製造例27で得られた黄色顔料分散液E 8.14質量部、上記バインダー組成物A 7.29質量部、PGMEA0.29質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、黄色感光性樹脂組成物Lを得た。
実施例19において、複合化黄色顔料誘導体分散液Eの代わりに実施例6〜9で得られた複合化黄色顔料誘導体分散液F〜Iを用いた以外は、実施例19と同様にして黄色感光性樹脂組成物M〜Pを調製した。
実施例2で得られた複合化黄色顔料誘導体分散液Bをヘキサン中で再沈殿を行い、ろ過、洗浄、乾燥、粉砕することで複合化黄色顔料誘導体粉末を得た。得られた複合化黄色顔料誘導体粉末0.04質量部、製造例27で得られた黄色顔料分散液E 8.14質量部、上記バインダー組成物A 7.29質量部、PGMEA 4.53質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、黄色感光性樹脂組成物Qを得た。
実施例10で得られた複合化赤色顔料誘導体分散液A 5.14質量部、製造例29で得られた赤色顔料分散液A 9.77質量部、下記バインダー組成物B 4.37質量部、PGMEA 0.71質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、赤色感光性樹脂組成物Aを得た。
・アルカリ可溶性樹脂(製造例22のバインダー樹脂A、固形分44質量%):23.18質量部
・3〜4官能アクリレートモノマー(商品名:アロニックスM305、東亞合成社製):23.80質量部
・光重合開始剤(2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン(商品名:イルガキュア907、BASF社製)):1.80質量部
・光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(商品名イルガキュア369、BASF社製)):4.2質量部
・溶剤(PGMEA):47.02質量部
実施例25において、複合化赤色顔料誘導体分散液Aの代わりに実施例11〜13で得られた複合化赤色顔料誘導体分散液B〜Dを用いた以外は、実施例25と同様にして赤色感光性樹脂組成物B〜Dを調製した。
製造例29で得られた赤色顔料分散液A 10.29質量部、上記バインダー組成物B 4.37質量部、PGMEA 5.34質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、赤色感光性樹脂組成物Eを得た。
比較例20において、赤色顔料分散液Aの代わりに製造例30で得られた赤色顔料分散液Bを用いた以外は、比較例20と同様にして赤色感光性樹脂組成物Fを調製した。
<光学性能(色度・輝度・コントラスト)>
各実施例及び比較例で得られた黄色感光性樹脂組成物及び赤色感光性樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(日本電気硝子社製、「OA−10G」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行い、超高圧水銀灯を用いて30mJ/cm2の紫外線を照射することによって硬化膜(黄色着色層)を得た。乾燥硬化後の膜厚は目標色度x=0.420(黄色)、x=0.650(赤色)になるように調整した。着色層が形成されたガラス板を230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークし、得られた着色基板のポストベーク前後のコントラスト、色度(x、y)及び輝度(Y)を測定した。コントラストは壺坂電気(株)社製「コントラスト測定装置CT−1B」を用い、色度及び輝度はオリンパス(株)社製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて測定した。
上記評価で得られた着色基板を240℃及び260℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークし、塗膜上に顔料凝集体の析出の有無がないか確認した。
(評価基準)
○:析出無し
×:塗膜面に析出有り
××:塗膜全面に析出有り
結果を表4、5に示す。例として、実施例16と比較例18の260℃での耐熱性評価結果の写真を、図8及び図9にそれぞれ示す。
また、実施例14と比較例16とを比較すると、複合化黄色顔料誘導体分散液を添加した実施例では、顔料分散液を作製する際にPY138フタルイミドメチル誘導体と共分散した場合よりもコントラストが高くなることが明らかにされた。実施例15と比較例17との比較でも、同様のことが明らかにされた。
更に、実施例16〜28からも、複合化顔料誘導体分散液を添加することで、未添加の比較例と同等の初期コントラスト(EXP後)で、コントラストの保持率が高く、耐熱性が改善され、且つ、顔料分散液を作製する際に顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体と共分散した場合よりもコントラストが高くなることが明らかにされた。
また、実施例24の結果から、本発明の製造方法で得られる複合化顔料誘導体は、一度乾燥されても分散安定化剤と複合化された状態を保持できるので、樹脂組成物の製造時に添加することにより、複合化顔料誘導体分散液を添加した時と同様に良好に分散乃至溶解し、同様の効果を発揮できることが明らかにされた。
製造例20で調製したグラフト型分散安定化剤溶液B 6.0質量部、製造例22のバインダー樹脂A 2.7質量部、色材成分としてC.I.ピグメントイエロー150(PY150:平均一次粒径10〜50nm)3.0質量部、PGMEA18.3質量部、2.0mmジルコニアビーズ30質量部をマヨネーズビンに入れて、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いでその分散液30質量部と粒径0.1mmのジルコニアビーズ60質量部とをマヨネーズビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて3時間分散を行い、黄色顔料分散液Gを得た。
実施例1と同様にして、分散安定性評価を行ったところ、分散直後の平均粒径が55nm、分散直後の粘度が4.4mPa・s、40℃で1週間静置後の粒径が60nm、40℃で1週間静置後の粘度が5.1mPa・sであった。
製造例20で調製したグラフト型分散安定化剤溶液B 6.8質量部、製造例22のバインダー樹脂A 3.1質量部、色材成分としてC.I.ピグメントグリーン58(PG58:平均一次粒径10〜50nm)3.9質量部、PGMEA16.2質量部、2.0mmジルコニアビーズ30質量部をマヨネーズビンに入れて、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いでその分散液30質量部と粒径0.1mmのジルコニアビーズ60質量部とをマヨネーズビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて4時間分散を行い、緑色顔料分散液Aを得た。
実施例1と同様にして、分散安定性評価を行ったところ、分散直後の平均粒径が65nm、分散直後の粘度が4.9mPa・s、40℃で1週間静置後の粒径が62nm、40℃で1週間静置後の粘度が4.7mPa・sであった。
実施例2で得られた複合化黄色顔料誘導体分散液B 0.45質量部、製造例27で得られた黄色顔料分散液E 5.13質量部、製造例32で得られた緑色顔料分散液A5.08質量部、バインダー組成物A7.53質量部、PGMEA1.81質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、緑色感光性樹脂組成物Aを得た。
製造例27で得られた黄色顔料分散液E 5.40質量部、製造例32で得られた緑色顔料分散液A 5.08質量部、バインダー組成物A 7.53質量部、PGMEA 1.99質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、緑色感光性樹脂組成物Bを得た。
製造例28で得られた黄色顔料分散液F 5.40質量部、製造例32で得られた緑色顔料分散液A 5.08質量部、バインダー組成物A 7.53質量部、PGMEA 1.99質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、緑色感光性樹脂組成物Cを得た。
製造例31で得られた黄色顔料分散液G 3.84質量部、製造例32で得られた緑色顔料分散液A6.28質量部、バインダー組成物A7.61質量部、PGMEA2.27質量部、界面活性剤R08MH(DIC製)0.004質量部、シランカップリング剤KBM503(信越シリコーン製)0.04質量部を添加混合し、加圧濾過を行って、緑色感光性樹脂組成物Dを得た。
<光学性能(色度・輝度・コントラスト)>
各実施例及び比較例で得られた緑色感光性樹脂組成物を、厚み0.7mmのガラス基板(日本電気硝子社製、「OA−10G」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。超高圧水銀灯を用いて30mJ/cm2の紫外線を照射することによって硬化膜(緑色着色層)を得た。乾燥硬化後の膜厚は目標色度y=0.590になるように調整した。着色層が形成されたガラス板を230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークし、得られた着色基板のポストベーク前後のコントラスト、色度(x、y)及び輝度(Y)を測定した。コントラストは壺坂電気(株)社製「コントラスト測定装置CT−1B」を用い、色度及び輝度はオリンパス(株)社製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて測定した。
結果を表6に示す。
上記評価で得られた黄色着色基板を240℃及び260℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークし、塗膜上に顔料凝集体の析出の有無がないか確認した。
(評価基準)
○:析出無し
×:塗膜面に析出有り
××:塗膜全面に析出有り
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
50 有機保護層
51 窒素含有モノマー単位
52 マクロモノマーの重合性部位
53 マクロモノマーによるポリマー鎖
54 重合性基を有するハロゲン化炭化水素又は重合性基を有する有機酸化合物
60 無機酸化膜
71 透明陽極
72 正孔注入層
73 正孔輸送層
74 発光層
75 電子注入層
76 陰極
80 有機発光体
100 有機発光表示装置
101 重合性基
102 塩形成部位
103 溶媒親和性部位
104 (A)顔料誘導体
105 (A)顔料誘導体分子
200 (B)重合性分散安定化剤
300 顔料誘導体分散体
301 重合形成部位
400 複合化顔料誘導体
Claims (10)
- (A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体、(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤、及び(C)溶媒を含有する顔料誘導体分散体の、 前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基が重合されてなり、
前記(A)顔料誘導体が、下記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するキノフタロン系顔料のイミドアルキル化誘導体、下記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するジケトピロロピロール系顔料のイミドアルキル化誘導体、下記一般式(2)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体、及び、下記一般式(3)で表されるN置換非対称型ジケトピロロピロール誘導体よりなる群から選択される1種以上の顔料誘導体であり、
前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素が、エチレン性不飽和結合含有基を有するハロゲン化アラルキルであり、
前記重合性基を有する有機酸化合物が、下記一般式(V)及び/又は下記一般式(VI)で表される、カラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
Rbは、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基であり、且つ、Rb’が、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基、及び、Reが、炭素数2〜18のアルケニル基、−CO−CH=CH2、又は−CO−C(CH3)=CH2である。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。) - 前記(B)重合性分散安定化剤における前記重合体が、前記一般式(I)で表される構成単位(1)と、下記一般式(II)で表される構成単位(2)とを有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は前記重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成したブロック共重合体である、請求項1に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。) - 前記(B)重合性分散安定化剤における前記重合体が、下記一般式(I’)で表される窒素含有モノマーと、ポリマー鎖及びその末端にエチレン性不飽和二重結合を有する基を含むマクロモノマーとを共重合成分として含有するグラフト共重合体であって、さらに前記窒素含有モノマー由来のアミノ基の少なくとも一部と、前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は前記重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成したグラフト共重合体である、請求項1に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
- 前記マクロモノマーの前記ポリマー鎖が、下記一般式(III)又は、一般式(IV)で表される構成単位を少なくとも1種有するものである、請求項3に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液。
R25は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CH2CHO又は−CH2COOR28で示される1価の基であり、R26は、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、アラルキル基、シアノ基、−[CH(R23)−CH(R24)−O]x−R25、−[(CH2)y−O]z−R25、−[CO−(CH2)y−O]z−R25で示される1価の基である。R27は炭素数1〜18のアルキル基であり、R28は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。
mは1〜5の整数、l及びl’は5〜200の整数を示す。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。) - 下記の工程1及び工程2を有するカラーフィルタ用複合化顔料誘導体の製造方法。
工程1.(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤を、(C)溶媒中に溶解乃至分散させた重合性分散安定化剤溶液に、(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体を添加して顔料誘導体分散体を形成する分散工程
前記(A)顔料誘導体が、下記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するキノフタロン系顔料のイミドアルキル化誘導体、下記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するジケトピロロピロール系顔料のイミドアルキル化誘導体、下記一般式(2)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体、及び、下記一般式(3)で表されるN置換非対称型ジケトピロロピロール誘導体よりなる群から選択される1種以上の顔料誘導体であり、
前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素が、エチレン性不飽和結合含有基を有するハロゲン化アラルキルであり、
前記重合性基を有する有機酸化合物が、下記一般式(V)及び/又は下記一般式(VI)で表される
工程2.前記顔料誘導体分散体中の前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基を重合させる重合工程
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
Rbは、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基であり、且つ、Rb’が、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基、及び、Reが、炭素数2〜18のアルケニル基、−CO−CH=CH2、又は−CO−C(CH3)=CH2である。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。) - 少なくとも前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液と、顔料と、分散安定化剤と、バインダー成分とを含有する、カラーフィルタ用樹脂組成物。
- 下記の工程1〜工程3を有するカラーフィルタ用樹脂組成物の製造方法。
工程1.(B)少なくとも下記一般式(I)で表される構成単位(1)を有し、更に前記構成単位(1)が有するアミノ基の少なくとも一部と、重合性基を有するハロゲン化炭化水素及び/又は重合性基を有する有機酸化合物とが塩を形成した重合体からなる重合性分散安定化剤を、(C)溶媒中に溶解乃至分散させた重合性分散安定化剤溶液に、(A)カラーフィルタ製造工程における200℃以上の高温加熱工程時の顔料析出抑制機能を有する顔料誘導体を添加して顔料誘導体分散体を形成する分散工程
前記(A)顔料誘導体が、下記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するキノフタロン系顔料のイミドアルキル化誘導体、下記一般式(1)で表される環状イミドアルキル基を有するジケトピロロピロール系顔料のイミドアルキル化誘導体、下記一般式(2)で表される非対称型ジケトピロロピロール誘導体、及び、下記一般式(3)で表されるN置換非対称型ジケトピロロピロール誘導体よりなる群から選択される1種以上の顔料誘導体であり、
前記重合性基を有するハロゲン化炭化水素が、エチレン性不飽和結合含有基を有するハロゲン化アラルキルであり、
前記重合性基を有する有機酸化合物が、下記一般式(V)及び/又は下記一般式(VI)で表される
工程2.前記顔料誘導体分散体中の前記(B)重合性分散安定化剤の重合性基を重合させて、カラーフィルタ用複合化顔料誘導体を調製する工程
工程3.前記カラーフィルタ用複合化顔料誘導体と、顔料と、バインダー成分とを混合する工程
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
Rbは、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、−[(CH2)t−O]u−Re、又は−O−Rb’で示される1価の基であり、且つ、Rb’が、炭素数2〜18のアルケニル基、−[CH(Rc)−CH(Rd)−O]s−Re、又は−[(CH2)t−O]u−Reで示される1価の基、及び、Reが、炭素数2〜18のアルケニル基、−CO−CH=CH2、又は−CO−C(CH3)=CH2である。
sは1〜18の整数、tは1〜5の整数、uは1〜18の整数を示す。) - 前記請求項6に記載のカラーフィルタ用樹脂組成物を用いて形成された着色層を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
- 前記請求項8に記載のカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする液晶表示装置。
- 前記請求項8に記載のカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする有機発光表示装置。
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JP2011192074A JP5899720B2 (ja) | 2011-09-02 | 2011-09-02 | カラーフィルタ用複合化顔料誘導体分散液及び複合化顔料誘導体の製造方法、カラーフィルタ用樹脂組成物及びその製造方法、カラーフィルタ、並びに、液晶表示装置及び有機発光表示装置 |
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