JP2013062939A - 回転電気機械 - Google Patents

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Toshinari Kondo
俊成 近藤
Yoshiaki Yasuda
善紀 安田
Yoshinari Asano
能成 浅野
Akio Yamagiwa
昭雄 山際
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Abstract

【課題】立体ギャップ構造を採用した回転電気機械において、ギャップを挟んで対向するステータ及びロータの対向面を最適な形状にすることで、コギングトルクの低減を図る。
【解決手段】ロータ(10)側及びティース(34)側の各段差部(19,36)の径方向面は、共にロータ(10)の回転中心から径方向外方へ凸状となる円弧面(20a〜20d,37a〜37d)で構成される一方、互いに対面するロータ(10)側及びティース(34)側の円弧面(20a〜20d,37a〜37d)は非同心であるとともに、ロータ(10)側及びティース(34)側の円弧面(20a〜20d,37a〜37d)のうち径方向内方に位置する側の曲率は径方向外方に位置する側の曲率以下にする。
【選択図】図6

Description

本発明は、ロータコアとステータコアとの間に立体ギャップが形成されたモータ等の回転電気機械に関するものである。
モータ等の回転電気機械では、ステータコアとロータコアとの間のギャップが軸方向に凹凸形状となる所謂立体ギャップ構造とすることで、等価的にギャップ長を短縮したのと同等の特性となる効果(等価狭ギャップ効果)を期待できることが知られている。この等価狭ギャップ効果によって、トルクを代表とするモータの各種特性の改善が期待できる(例えば、下記非特許文献1を参照)。
ところで、このような立体ギャップ構造とするために、ステータコア及びロータコアの対向面には、それぞれ複数の段差部が形成されている。そして、各コアの対向面に複数の段差部を形成する場合には、各段の側面の形状を各コアの軸心が中心となる同心状の円弧面で構成することが考えられる。
真田雅之、伊藤圭祐、森本茂雄、"等価狭ギャップ効果の高い立体ギャップ構造の開発"、2009年、電気学会論文誌D(産業応用部門誌)Vol.129(2009),No.12 p.1228−1229
しかしながら、各段の側面を同心状の円弧面で構成すると、上述したエアギャップの径方向幅が一定になるため、コギングトルクが発生しやすくなるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、立体ギャップ構造を採用した回転電気機械において、ギャップを挟んで対向するステータ及びロータの対向面を最適な形状にすることで、コギングトルクの低減を図ることにある。
第1の発明は、略円筒状のロータ(10)と、上記ロータ(10)の外側又は内側に同心状に位置する略円筒状のステータ(30)と、上記ステータ(30)におけるロータ(10)側の円筒面から周方向に間隔を空けて延びる複数のティース(34)とを備え、上記ロータ(10)の円筒面(17)及び上記ティース(34)の先端面には、軸方向の形状が凹凸状となるエアギャップ(G)を挟んで互いに対向しながら径方向へ起伏する複数の段差部(19,36)がそれぞれ形成され、上記ロータ(10)側及び上記ティース(34)側の各段差部(19,36)の径方向面は、共に上記ロータ(10)の回転中心から径方向外方へ凸状となる円弧面(20a〜20d,37a〜37d)で構成される一方、互いに対面する上記ロータ(10)側及び上記ティース(34)側の円弧面(20a〜20d,37a〜37d)は非同心であるとともに、上記ロータ(10)側及び上記ティース(34)側の円弧面(20a〜20d,37a〜37d)のうち径方向内方に位置する側の曲率は径方向外方に位置する側の曲率以下であることを特徴としている。
第1の発明では、上記ティース(34)の先端面に複数の段差部(36)を設け、該ティース(34)側の複数の段差部(36)に対向するように、上記ロータ(10)の円筒面(17)に複数の段差部(19)を設けることにより、上記ティース(34)と上記ロータ(10)との間に、上述した凹凸状の立体ギャップ(G)が形成される。
そして、上記ロータ(10)側及び上記ティース(34)側の円弧面(20a〜20d,37a〜37d)を互いに非同心とすることにより、上記立体ギャップ(G)の径方向幅が一定にならないようにしている。又、上記ロータ(10)の外側にティース(34)がある場合には、上記ロータ(10)側の円弧面(20a〜20d)の曲率をティース(34)側の円弧面(37a〜37d)の曲率以下にし、上記ロータ(10)の内側にティース(34)がある場合には、上記ティース(34)側の円弧面(37a〜37d)の曲率をロータ(10)側の円弧面(20a〜20d)の曲率以下にしている。
これにより、上記立体ギャップ(G)の径方向幅は、上記ロータ(10)側の円弧面(20a〜20d)の周方向一端から中央へ行くほど徐々に狭くなり、中央から他端へ行くほど徐々に広くなる。
第2の発明は、第1の発明において、上記ティース(34)に係る複数の段差部(36)の円弧面(37a〜37d)は、全て同じ曲率であることを特徴としている。
第2の発明では、上記ティース(34)に係る複数の円弧面(37a〜37d)を全て同じ曲率にすることにより、上記ティース(34)の先端面に複数の段差部(36)を形成しやすくなる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記ロータ(10)に係る複数の段差部(19)の円弧面(20a〜20d)は、全て同じ曲率であることを特徴としている。
第3の発明では、上記ロータ(10)に係る複数の円弧面(20a〜20d)を全て同じ曲率にすることにより、上記ロータ(10)の円筒面(17)に複数の段差部(19)を形成しやすくなる。
第4の発明は、第1から第3の何れか1つの発明において、上記ロータ(10)及び上記ティース(34)のうち、内側に位置する方の段差部(19)に係る最内周の円弧面(20a)の円中心は、上記ロータ(10)の軸心と一致していることを特徴としている。
第4の発明では、上記最内周の円弧面(20a)が、上記ロータ(10)の軸心を中心とする同心状の円弧面になる。
第5の発明は、第1から第4の何れか1つの発明において、上記ロータ(10)及び上記ティース(34)のうち、外側に位置する方の段差部(36)における最外周の円弧面(37a)の円中心は、上記ロータ(10)の軸心と一致していることを特徴としている。
第5の発明では、上記最外周の円弧面(37a)が、上記ロータ(10)の軸心を中心とする同心状の円弧面になる。
第6の発明は、複数の分割ロータコア(13)を周方向へ配列してなる略円筒状のロータ(10)と、複数の分割ステータコア(33)を周方向へ配列してなるとともに上記ロータ(10)の外側又は内側に同心状に位置する略円筒状のステータ(30)と、上記ステータ(30)におけるロータ(10)側の円筒面から周方向に間隔を空けて延びる複数のティース(34)とを備え、上記ロータ(10)におけるステータ(30)側の円筒面(17)及び上記ティース(34)の先端面には、エアギャップ(G)を挟んで互いに対向しながら径方向へ起伏する複数の段差部(19,36)がそれぞれ形成される回転電気機械の製造方法を前提としている。そして、この回転電気機械の製造方法において、鋼板(53)から所定部分を打ち抜いて複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を形成するプレス工程と、上記プレス工程後の複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を厚さ方向に積層する積層工程とを備え、上記プレス工程は、上記分割ロータコア(13)の円筒面(17)となる部分を第1ロータ側可動金型(51)で円弧状となるように打ち抜き、上記分割ロータコア(13)に係る円弧面(20a〜20d)以外の部分を第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜く第1ロータ側打抜工程と、上記第1ロータ側可動金型(51)を所定のピッチで鋼板(53)の面方向へスライドさせる第1ロータ側スライド工程とを交互に行う第1ロータ側プレス工程とを含む一方、上記積層工程は、上記分割ロータコア(13)の円弧面に複数の段差部(19)が形成されるように上記第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜いた部分の側辺を揃えながら、上記第1ロータ側プレス工程後の板材(21a〜21d)を積層して分割ロータコア(13)を形成するロータ側積層工程を含んでいることを特徴としている。
第6の発明では、上記第1ロータ側プレス工程で形成した複数の板材(21a〜21d)を上記ロータ側積層工程で厚さ方向へ積層することにより、分割ロータコア(13)が形成される。上記第1ロータ側プレス工程において、第1ロータ側可動金型(51)の位置をずらすことにより、互いに形状の異なる複数の板材(21a〜21d)が形成される。そして、上記ロータ側積層工程において、上記第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜いた部分の外縁を揃えることにより、分割ロータコア(13)の円筒面(17)に複数の段差部(19)が形成される。
ここで、上述したように、従来のロータ(10)の場合、複数の段差部に係る円弧面が同心であるため、上記第1ロータ側プレス工程において、第1ロータ側可動金型(51)を曲率の異なるものに取り替えなければならなかった。しかしながら、第6の発明では、複数の段差部(19)に係る円弧面(20a〜20d)が全て同じ曲率であるため、第1ロータ側可動金型(51)を形状の異なる別の金型に取り替える必要がなくなる。
第7の発明は、周方向に非分割の略円筒状のロータ(10)と、複数の分割ステータコア(33)を周方向へ配列してなるとともに上記ロータ(10)の外側又は内側に同心状に位置する略円筒状のステータ(30)と、上記ステータ(30)におけるロータ(10)側の円筒面から周方向に間隔を空けて延びる複数のティース(34)とを備え、上記ロータ(10)におけるステータ(30)側の円筒面(17)及び上記ティース(34)の先端面には、エアギャップ(G)を挟んで互いに対向しながら径方向へ起伏する複数の段差部(19,36)がそれぞれ形成される回転電気機械を製造する製造方法を前提としている。
そして、この回転電気機械の製造方法において、鋼板(53)から所定部分を打ち抜いて複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を形成するプレス工程と、上記プレス工程後の複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を厚さ方向に積層する積層工程とを備え、上記プレス工程は、上記ロータ(10)の円筒面(17)となる部分を、周方向に並べた複数の第1ロータ側可動金型(51)で複数の円弧面が周方向に並ぶ形状となるように打ち抜き、上記ロータ(10)の円筒面(17)以外の部分を第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜く第1ロータ側打抜工程と、上記第1ロータ側可動金型(51)を所定のピッチで鋼板(53)の面方向に沿ってスライドさせる第1ロータ側スライド工程とを交互に行う第1ロータ側プレス工程とを含む一方、
上記積層工程は、上記ロータ(10)の円弧面に複数の段差部(19)が形成されるように上記第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜いた部分の側辺を揃えながら、上記第1ロータ側プレス工程後の板材(21a〜21d)を積層して上記ロータ(10)を形成するロータ側積層工程を含んでいることを特徴としている。
第7の発明では、上記ロータ(10)が、複数の分割ロータコア(13)で形成されていない構成のため、上記ロータ(10)を形成する板材(20a〜20d)が円形となる。このことから、これらの板材(20a〜20d)の外周縁に沿って上記第1ロータ側可動金型(51)が複数並べられる。
そして、上記第1ロータ側プレス工程において、各第1ロータ側可動金型(51)の位置を径方向へずらすことにより、互いに形状の異なる複数の板材(21a〜21d)が形成される。又、上記ロータ側積層工程において、上記第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜いた部分の外縁を揃えることにより、上記ロータ(10)の円筒面(17)に複数の段差部(19)が形成される。
尚、第7の発明でも、第6の発明と同様に、複数の段差部(19)に係る円弧面(21a〜21d)が全て同じ曲率であるため、第1ロータ側可動金型(51)を形状の異なる別の金型に取り替える必要がなくなる。
第8の発明は、第6又は第7の発明において、上記プレス工程は、上記ロータ(10)を軸方向へ貫通するフラックスバリア(16)となる部分を第2ロータ側固定金型(56)及び第2ロータ側可動金型(55)で打ち抜く第2ロータ側打抜工程と、第1ロータ側可動金型(51)で形成した部分を切り欠かない範囲で上記第2ロータ側可動金型(55)を上記第1ロータ側可動金型(51)と同ピッチで同方向へスライドさせる第2ロータ側スライド工程とを交互に行う第2ロータ側プレス工程を含んでいることを特徴としている。
第8の発明では、上記第2ロータ側プレス工程を行うことにより、各板材(21a〜21d)に上記フラックスバリア(16)となる開口部が形成される。ここで、上記第2ロータ側可動金型(55)を上記第1ロータ側可動金型(51)と同ピッチで同方向へスライドさせることにより、この開口部の開口縁と第1ロータ側可動金型(51)で形成した円弧の外縁との間の部分の長さを一定にすることができるようになる。この部分は、上記分割ロータコア(13)のブリッジ部(18)に相当する部分であり、このブリッジ部(18)の幅を一定にすることができるようになる。
第9の発明は、第6又は第7の発明において、上記第1ロータ側打抜工程は、上記分割ロータコア(13)に係る円弧面(20a〜20d)以外の部分を第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜く際に、上記ロータ(10)を軸方向へ貫通するフラックスバリア(16)となる部分が形成されるように第1ロータ側可動金型(51)で形成した円弧部分を切り欠く工程であることを特徴としている。
第9の発明では、上記第2ロータ側プレス工程を行うことにより、各板材に上記フラックスバリア(16)となる開口部が形成される。ここで、第1ロータ側可動金型(51)で形成した部分を切り欠くように第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜くことにより、フラックスバリア(16)を分割ロータコア(13)の円弧面(20a〜20d)に向けて開口させることができるようになる。
第10の発明は、略円筒状のロータ(10)と、複数の分割ステータコア(33)を周方向へ配列してなるとともに上記ロータ(10)の外側又は内側に同心状に位置する略円筒状のステータ(30)と、上記ステータ(30)におけるロータ(10)側の円筒面から周方向に間隔を空けて延びる複数のティース(34)とを備え、上記ロータ(10)におけるステータ(30)側の円筒面(17)及び上記ティース(34)の先端面には、エアギャップ(G)を挟んで互いに対向しながら径方向へ起伏する複数の段差部(19,36)がそれぞれ形成される回転電気機械を製造する製造方法を前提としている。
そして、回転電気機械を製造する製造方法において、鋼板(53)から所定部分を打ち抜いて複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を形成するプレス工程と、上記プレス工程後の複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を厚さ方向に積層する積層工程とを備え、上記プレス工程は、上記分割ステータコア(33)に係るティース(34)の先端面となる部分をステータ側可動金型(61)で円弧状となるように打ち抜き、上記分割ステータコア(33)に係るティース(34)の先端面以外の部分をステータ側固定金型(62)で打ち抜くステータ側打抜工程と、上記ステータ側可動金型(61)を所定のピッチで鋼板(53)の面方向へスライドさせるステータ側スライド工程とを交互に行うステータ側プレス工程とを含む一方、上記積層工程は、上記分割ステータコア(33)の外周面に複数の段差部(36)が形成されるように上記ステータ側固定金型(62)で打ち抜いた部分の外縁を揃えながら、上記ステータ側プレス工程後の板材(38a〜38d)を積層して分割ステータコア(33)を形成するステータ側積層工程を含んでいることを特徴としている。
第10の発明では、上記ステータ側プレス工程で形成した複数の板材(38a〜38d)を上記ステータ側積層工程で厚さ方向へ積層することにより、分割ステータコア(33)が形成される。上記ステータ側プレス工程において、ステータ側可動金型(61)の位置をずらすことにより、分割ステータコア(33)に係るティース(34)の先端面となる部分の形状が互いに異なる複数の板材(38a〜38d)が形成される。又、上記ステータ側積層工程において、上記ステータ側固定金型(62)で打ち抜いた部分の外縁を揃えることにより、分割ステータコア(33)のティース(34)の先端面に複数の段差部(36)が形成される。
ここで、上述したように、従来のロータ(10)の場合、複数の段差部に係る円弧面が同心であるため、上記ステータ側プレス工程において、ステータ側可動金型(61)を曲率の異なるものに取り替えなければならなかった。しかしながら、第10の発明では、複数の段差部に係る円弧面が全て同じ曲率であるため、ステータ側可動金型(61)を取り替える必要がなくなる。
本発明によれば、上記立体ギャップ(G)の径方向幅を上記ロータ(10)側の円弧面(20a〜20d)の周方向一端から中央へ行くほど徐々に狭くし、中央から他端へ行くほど徐々に広くすることができる。これにより、上記立体ギャップ(G)の径方向幅が一定にならず、上記ロータ(10)側の円弧面(20a〜20d)の中央ほど該径方向幅が狭くなるので、モータのコギングトルクを低減することができる。
また、上記第2の発明によれば、上記ティース(34)の先端面に複数の段差部(36)を形成しやすくなり、上記ステータ(30)の製造工程を簡素化することができる。
また、上記第3の発明によれば、上記ロータ(10)の円筒面(17)に複数の段差部(19)を形成しやすくなり、上記ロータ(10)の製造工程を簡素化することができる。
また、上記第4の発明によれば、上記最内周の円弧面(20a)を上記ロータ(10)の軸心を中心とする同心状の円弧面にすることにより、上記最内周の円弧面(20a)を形成しやすくすることができる。
また、上記第5の発明によれば、上記最外周の円弧面(37a)を上記ロータ(10)の軸心を中心とする同心状の円弧面にすることにより、上記最外周の円弧面(37a)を形成しやすくすることができる。
また、上記第6の発明によれば、分割ロータコア(13)の円筒面(17)に複数の段差部(19)を形成することができる。又、複数の段差部(19)に係る円弧面(20a〜20d)を全て同じ曲率にすることができる。さらに、上記第6の発明によれば、上記第1ロータ側プレス工程において、第1ロータ側可動金型(51)を形状の異なる別の金型に取り替える必要がない。したがって、上記第1ロータ側プレス工程を簡素化することができる。
また、上記第7の発明によれば、ロータコア(11)の円筒面(17)に複数の段差部(19)を形成することができる。尚、このロータコア(11)は、第6の発明とは違い、周方向に非分割なものである。又、複数の段差部(19)に係る円弧面(20a〜20d)を全て同じ曲率にすることができる。さらに、上記第7の発明によれば、上記第1ロータ側プレス工程において、第1ロータ側可動金型(51)を形状の異なる別の金型に取り替える必要がない。したがって、上記第1ロータ側プレス工程を簡素化することができる。
また、上記第8の発明によれば、上記分割ロータコア(13)を形成する際に、ブリッジ部(18)の幅を一定にすることができる。これにより、分割ロータコア(13)の性能を向上させることができる。
また、上記第9の発明によれば、第1ロータ側打抜工程により、フラックスバリア(16)を分割ロータコア(13)の円弧面(20a〜20d)に向けて開口させることができる。これにより、第8の発明で説明したブリッジ部(18)が分割ロータコア(13)の円弧面(20a〜20d)付近に形成されなくなるので、このブリッジ部(18)の幅を一定にするための可動金型(55)をなくすことができ、第1ロータ側打抜工程を簡素化することができる。
また、上記第10の発明によれば、分割ステータコア(33)に係るティース(34)の先端面に複数の段差部(36)を形成することができる。又、複数の段差部(36)に係る円弧面(37a〜37d)を全て同じ曲率にすることができる。さらに、上記第10の発明によれば、上記ステータ側プレス工程において、ステータ側可動金型(61)を形状の異なる別の金型に取り替える必要がない。このことから、上記ステータ側プレス工程を簡素化することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るモータを適用した電動圧縮機の構成を模式的に示す縦断面図である。 図2は、本実施形態のロータ及びステータの構成を示す平面図である。 図3は、分割ロータコアを構成する板材の平面図であり、(a)は小さな形状のもの、(b)は中くらいの形状のもの、(c)は大きな形状のものである。 図4は、分割ステータコアを構成する板材の平面図であり、(a)は小さな形状のもの、(b)は中くらいの形状のもの、(c)は大きな形状のものである。 図5は、ロータ及びステータに係る板材の積層状態を示す図である。 図6は、ロータとティースの対向部分を拡大して示す断面図である。 図7は、第1ロータ側プレス工程を概念的に示す図であり、(a)は第1ロータ側打抜工程を示す図であり、(b)は第1ロータ側スライド工程を示す図である。 図8は、ステータ側プレス工程を概念的に示す図であり、(a)はステータ側打抜工程を示す図であり、(b)はステータ側スライド工程を示す図である。 図9は、本実施形態の変形例1に係るロータ及びステータの構成を示す平面図である。 図10は、ロータコアを構成する板材の平面図であり、(a)は小さな形状のもの、(b)は中くらいの形状のもの、(c)は大きな形状のものである。 図11は、変形例1に係る第1可動金型の位置を示した図である。 図12は、第2ロータ側プレス工程を概念的に示す図であり、(a)は第2ロータ側打抜工程を示す図であり、(b)は第2ロータ側スライド工程を示す図である。 図13は、その他の実施形態に係る板材の積層状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るモータ(1)を適用した電動圧縮機(100)の構成を模式的に示す縦断面図である。上記モータ(1)は回転電気機械であり、ロータ(10)、ステータ(30)、及び駆動軸(60)を備え、例えば、空気調和機に用いる電動圧縮機(100)のケーシング(70)に収容されている。上記モータ(1)は、所謂IPM(Interior Permanent Magnet)モータであり、本実施形態では電動圧縮機(100)内の圧縮機構(80)を駆動する。
なお、以下の説明において、軸方向とは駆動軸(60)の軸心の方向をいい、径方向とは上記軸心と直行する方向をいう。また、外周側とは上記軸心からより遠い側をいい、内周側とは上記軸心により近い側をいう。
〈ロータ〉
図2は、本実施形態のロータ(10)及びステータ(30)の構成を示す平面図である。
上記ロータ(10)は、図2に示すように、ロータコア(11)と、複数の永久磁石(12)(この例では6つ)を備えている。又、上記ロータコア(11)の中心には、駆動軸(60)を挿入する軸穴(14)が形成されている。
実施形態のロータコア(11)は、6つの分割ロータコア(13)で形成されている。各々の分割ロータコア(13)は、円環体を周方向に分割した形状である。分割ロータコア(13)は、複数の板材(21a〜21d)を軸方向に積層してなる積層体である。なお、実施形態では、複数の板材(21a〜21d)は、電磁鋼板(53)によって構成されている。実施形態では、互いに形状の異なる4種類の板材(21a〜21d)を積層することにより、分割ロータコア(13)が形成されている。図3(a)〜(c)は、4種類の板材(21a〜21d)のうちの1種類を省略し、残りの3種類の板材を小さいものから大きいものの順で示している。各板材(21a〜21d)は、略扇形状に形成されている。そして、各々の板材(21a〜21d)は、図3の径方向寸法(A)が何れも異なっている。尚、図3において、各板材(21a〜21d)の径方向寸法(A)の違いは誇張して示されている。
実施形態では、径方向寸法(A)が長い群から短い群の順で板材(21a〜21d)が下側から上側へ積層されている(図5を参照)。このように、複数の板材(21a〜21d)を積層することにより、分割ロータコア(13)の円筒面(17)には、複数の段差部(19)が形成される。この複数の段差部(19)は、上記ロータ(10)の径方向へ起伏する形状である。又、各段差部(19)の径方向面は、上記ロータ(10)の回転中心から径方向外方へ凸状となる円弧面(20a〜20d)である。
ここで、図6に示すように、最内周の円弧面(20a)は、その円中心が上記ロータ(10)の回転中心と一致している。つまり、最内周の円弧面(20a)は、平面視で上記ロータ(10)の回転中心の仮想同心円(a)に重なる形状である。そして、各円弧面(20a〜20d)は、全て同じ曲率に形成されている。
上記分割ロータコア(13)には、図6に示すように、永久磁石(12)を埋め込むための磁石用スロット(15)が形成されている。この磁石用スロット(15)は、分割ロータコア(13)を軸方向に貫通するように形成されている。また、磁石用スロット(15)は、平面視(軸穴(14)の軸方向視)で、両端部がロータコア(11)の外周縁付近に位置している。そして、磁石用スロット(15)の両端部から間隔を空けて、フラックスバリア(16)が形成されている。
上記フラックスバリア(16)は、上記分割ロータコア(13)を軸方向に貫通するように形成され、その開口形状は平面視で上記分割ロータコア(13)の径方向に延びる矩形状に形成されている。このフラックスバリア(16)は、その一端が上記分割ロータコア(13)の円筒面(17)に開口し、他端が上記磁石用スロット(15)の端部に近接している。そして、このフラックスバリア(16)の他端と磁石用スロット(15)の端部との間がブリッジ部(18)である。このブリッジ部(18)によって、上記分割ロータコア(13)の外周側と内周側とが繋がれている。
永久磁石(12)は、平面視で磁石用スロット(15)の中央付近に保持されている。この永久磁石(12)の全長は、磁石用スロット(15)の全長よりも短く、各磁石用スロット(15)の両端部分には、永久磁石(12)を収容した状態で空隙部がそれぞれ形成されている。
〈ステータ〉
ステータ(30)は、図2に示すように、円筒状のステータコア(31)とコイル(32)を備えている。実施形態のステータコア(31)は、9つの分割ステータコア(33)で形成されている。各々の分割ステータコア(33)は、複数の積層板(38a〜38d)を軸方向に積層してなる積層体である。なお、実施形態では、複数の板材(38a〜38d)は、電磁鋼板(53)によって構成されている。実施形態では、互いに形状の異なる4種類の板材(38a〜38d)を積層することにより、分割ステータコア(33)が形成されている。図4(a)〜(c)は、4種類の板材(38a〜38d)のうちの1種類を省略し、残りの3種類の板材を小さいものから大きいものの順で示している。そして、各々の板材(38a〜38d)は、図4の高さ方向寸法(B)が何れも異なっている。尚、図4において、各板材(38a〜38d)の高さ方向寸法(B)の違いは誇張して示されている。
上記分割ステータコア(33)は、複数のティース(34)とコアバック部(35)とを備えている。上記各ティース(34)は、分割ステータコア(33)において径方向に伸びる部分である。
そして、複数の板材(38a〜38d)を、上述したように積層することにより、このティース(34)に係る先端部(35)の先端面には、複数の段差部(36)が形成されている。この複数の段差部(36)は、上記ステータ(30)の径方向へ起伏する形状である。又、各段差部(36)の径方向面は、上記ロータ(10)の回転中心から径方向外方へ凸状となる円弧面(37a〜37d)である。
ここで、図6に示すように、最外周の円弧面(37a)は、その円中心が上記ロータ(10)の回転中心と一致している。つまり、最外周の円弧面(37a)は、平面視で上記ロータ(10)の回転中心の仮想同心円(a)に重なる形状である。そして、各円弧面(37a〜37d)は、全て同じ曲率に形成されている。
尚、ステータ(30)側の最外周の円弧面(37a)とロータ(10)側の最内周の円弧面(20a)とは同心であるため、ロータ(10)側の最内周の円弧面(20a)の曲率は、ステータ(30)側の最外周の円弧面(37a)の曲率よりも小さい。このことから、ロータ(10)側の全円弧面(20a〜20d)の曲率は、ステータ(30)側の全円弧面(37a〜37d)の曲率よりも小さく設定されている。
又、上記ティース(34)には、コイル(32)が巻回される(図2参照)。また、上記コアバック部(35)は、円弧状に形成され、各ティース(34)を該ティース(34)の外周側で連結している。上記各ティース(34)の間の空間が、コイル(32)が収容されるコイル用スロット(37)である。この例では、1つの分割ステータコア(33)には、9つのコイル用スロット(37)がある。
上記コイル(32)は、所謂分布巻きに構成され、各ティース(34)に巻回されている(図2を参照)。このコイル(32)に所定の電力を供給することで、ステータ(30)に回転磁界が発生する。
〈立体エアギャップ〉
図5、図6に示すように、上記ロータ(10)の段差部(19)と上記ティース(34)の段差部(36)との間に、凹凸状の立体ギャップ(G)が形成されている。ここで、実施形態では、互いに対向する上記ロータ(10)側の円弧面(20a〜20d)と上記ティース(34)側の円弧面(37a〜37d)とが非同心となるように、上記ロータ(10)側の板材(21a〜21d)が積層され、上記ティース(34)側の板材(38a〜38d)が積層されている。具体的には、上述したようにロータ(10)側の最内周の円弧面(20a)とステータ(30)側の最外周の円弧面(37a)とは互いに同心であるが、ロータ(10)側の最内周の円弧面(20a)に係る板材(21a)を最上段に配置し、ステータ(30)側の最外周の円弧面(37a)を最下段に配置している。
尚、これらの円弧面(20a〜20d,37a〜37d)を同心にすると、図6の仮想同心円(破線a)に示すように、立体ギャップ(G)の径方向幅が一定になってしまう。本実施形態では、互いに対向する円弧面(20a〜20d,37a〜37d)を非同心とすることにより、立体ギャップ(G)の径方向幅が一定にならないようにしている。
又、上記ロータ(10)側の円弧面(20a〜20d)の曲率をティース(34)側の円弧面(37a〜37d)の曲率よりも小さくしている。これにより、図6からわかるように、上記立体ギャップ(G)の径方向幅は、上記ロータ(10)側の円弧面(20a〜20d)の周方向一端から中央へ行くほど徐々に狭くなり、中央から他端へ行くほど徐々に広くなっている。
−運転動作−
上記コイル(32)に所定の電力を供給すると、ステータ(30)に回転磁界が発生し、ロータ(10)が回転する。このロータ(10)の回転によって圧縮機構(80)が駆動する。
特に、上記モータ(1)は、ステータ(30)とロータ(10)との間のギャップ(G)が凹凸形状に形成されているため、ギャップ(G)が凹凸形状に形成されない場合に比べてステータ(30)とロータ(10)との対向面積が飛躍的に増大し、等価的にギャップ長を短縮したのと同等の特性が発揮され、この等価狭ギャップ効果によって、トルクを代表とするモータ(1)の各種特性が改善されている。
具体的には、ステータ(30)のコイル(32)に電力が供給されて回転磁界が発生すると、該回転磁界の極とロータ(10)の永久磁石(12)の磁極との吸引及び反発によってマグネットトルクが発生する。また、ステータ(30)の回転磁界による極とロータ(10)の突極との吸引によってリラクタンストルクが発生する。上記マグネットトルクとリラクタンストルクとによってロータ(10)が回転する。
〈分割ロータコア及び分割ステータコアの製造方法〉
次に、分割ロータコア(13)及び分割ステータコア(33)の製造方法について説明する。これらの製造方法は、共にプレス工程と積層工程とを備えている。尚、これらのプレス工程は、プレス機械で行われる。
−分割ロータコアの製造方法−
《第1ロータ側プレス工程》
上記分割ロータコア(13)に係る第1ロータ側プレス工程では、第1可動金型(第1ロータ側可動金型)(51)及び第1固定金型(第1ロータ側固定金型)(52)が用いられる。
具体的に、上記第1固定金型(52)を電磁鋼板(53)の面直角方向へ移動させて該電磁鋼板(53)から所定部分を打ち抜き(図7(a)を参照)、上記第1可動金型(51)を電磁鋼板(53)の面直角方向へ移動させて該電磁鋼板(53)から所定部分を打ち抜く(図7(b)を参照)。ここで、上記第1可動金型(51)によって、上記分割ロータコア(13)の円筒面(17)となる部分が形成され、上記第1固定金型(52)によって、上記分割ロータコア(13)に係る円筒面(17)以外の部分と上記フラックスバリア(16)となる部分と上記磁石用スロット(15)となる部分とが形成される。これが第1ロータ側打抜工程である。
この打抜工程が終わると、略扇形状となる板材(21a〜21d)の径方向外方へ所定のピッチだけ上記分割ロータコア(13)を移動させる(図7(b)の矢印方向)。これが第1ロータ側スライド工程である。そして、このスライド工程が終わると、再び打抜工程が行われる。
このように、この第1ロータ側プレス工程では、上記第1可動金型(51)を所定のピッチで移動させることにより、径方向寸法(A)が異なる略扇形状の板材(21a〜21d)を形成することができる(図3を参照)。又、この第1ロータ側プレス工程において、上記第1可動金型(51)が別の形状のものに取り替えられることがないので、複数の板材(21a〜21d)に係る円弧面(20a〜20d)の曲率が、全て同一となる。
《ロータ側積層工程》
上記分割ロータコア(13)に係るロータ側積層工程は、上記ロータ側プレス工程で形成された複数の板材(21a〜21d)を厚さ方向に積層して上記分割ロータコア(13)を形成する工程である。このロータ側積層工程では、複数の板材(21a〜21d)のうち径方向寸法(A)が長い群から短い群の順で板材(21a〜21d)が下側から上側へ積層されている(図5の左側を参照)。
このように、実施形態に係る分割ロータコア(13)の製造方法によって、複数の段差部(19)が形成された外周面を有し、複数の段差部(19)に係る円弧面(20a〜20d)の曲率が全て同一の分割ロータコア(13)が形成される。
−分割ステータコアの製造方法−
《ステータ側プレス工程》
上記分割ステータコア(33)の製造方法に係るステータ側プレス工程では、可動金型(61)及び固定金型(62)が用いられる。
具体的に、上記固定金型(62)を電磁鋼板(53)の面直角方向へ移動させて該電磁鋼板(53)から所定部分を打ち抜き(図8(a)を参照)、上記可動金型(61)を電磁鋼板(53)の面直角方向へ移動させて該電磁鋼板(53)から所定部分を打ち抜く(図8(b)を参照)。
ここで、上記可動金型(61)によって、上記分割ステータコア(33)に係るティース(34)の先端面となる部分が円弧状に形成され、上記固定金型(62)によって、上記分割ステータコア(33)に係るティース(34)の先端面以外となる部分が形成される。これが、上記ステータ側プレス工程の打抜工程である。
この打抜工程が終わると、所定のピッチだけ一方向へ上記可動金型(61)を移動する(図8(b)の矢印方向)。これが、上記ステータ側プレス工程のスライド工程である。そして、このスライド工程が終わると、再び打抜工程が行われる。
このように、このステータ側プレス工程では、上記可動金型(61)を所定のピッチで移動させることにより、径方向寸法(B)が異なる板材(38a〜38d)を形成することができる(図4を参照)。又、このステータ側プレス工程において、上記可動金型(61)が別の形状のものに取り替えられることがないので、複数の板材(38a〜38d)に係る円弧面(37a〜37d)の曲率が、全て同一となる。
《ステータ側積層工程》
上記分割ステータコア(33)の製造方法に係るステータ側積層工程は、上記ステータ側プレス工程で形成された複数の板材(38a〜38d)を厚さ方向に積層して上記分割ステータコア(33)を形成する工程である。このロータ側積層工程では、複数の板材(38a〜38d)のうち高さ方向寸法(B)が短い群から長い群の順で板材(38a〜38d)が下側から上側へ積層されている(図5の右側を参照)。
このように、実施形態に係る分割ステータコア(33)の製造方法によって、上記分割ステータコア(33)に係るティース(34)の先端部に複数の段差部(36)が形成され、複数の段差部(36)に係る円弧面(37a〜37d)の曲率が全て同一となる。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、上記立体ギャップ(G)の径方向幅を上記ロータ(10)側の円弧面(20a〜20d)の周方向一端から中央へ行くほど徐々に狭くし、中央から他端へ行くほど徐々に広くすることができる。これにより、上記立体ギャップ(G)の径方向幅が一定にならず、上記ロータ(10)側の円弧面(20a〜20d)の中央ほど該径方向幅が狭くなるので、モータ(1)のコギングトルクを低減することができる。
また、本実施形態によれば、分割ロータコア(13)の円筒面(17)に複数の段差部(19)を形成することができる。又、複数の段差部(19)に係る円弧面(20a〜20d)を全て同じ曲率にすることができる。さらに、本実施形態によれば、上記第1ロータ側プレス工程において、第1ロータ側可動金型(51)を形状の異なる別の金型に取り替える必要がない。したがって、上記第1ロータ側プレス工程を簡素化することができる。
また、本実施形態によれば、分割ステータコア(33)に係るティース(34)の先端面に複数の段差部(36)を形成することができる。又、複数の段差部(36)に係る円弧面(37a〜37d)を全て同じ曲率にすることができる。さらに、本実施形態によれば、上記ステータ側プレス工程において、ステータ側可動金型(61)を形状の異なる別の金型に取り替える必要がない。このことから、上記ステータ側プレス工程を簡素化することができる。
−実施形態の変形例1−
図9は、実施形態の変形例1に係るモータ(1)のロータ及びステータの構成を示す平面図である。この変形例1に係るモータ(1)では、上記ロータ(10)の構成が実施形態の場合と異なる。以下、実施形態と同じ点についての説明は省略し、実施形態と異なる点についてのみ説明する。
この変形例1に係るロータ(10)は、ロータコア(11)が周方向に分割されていない構成のものである。このことから、このロータコア(11)を形成する複数の板材(21a〜21d)は略円形状になっている。この変形例1では、互いに形状の異なる4種類の板材(21a〜21d)を積層することにより、ロータコア(13)が形成されている。図10(a)〜(c)は、4種類の板材(21a〜21d)のうちの1種類を省略し、残りの3種類の板材を小さいものから大きいものの順で示している。そして、各々の板材(21a〜21d)は、図10の径方向寸法(A)が何れも異なっている。尚、図10において、各板材(21a〜21d)の径方向寸法(A)の違いは誇張して示されている。
この変形例1では、径方向寸法(A)が長い群から短い群の順で板材(21a〜21d)が下側から上側へ積層されている。このように、複数の板材(21a〜21d)を積層することにより、ロータコア(13)の円筒面(17)には、複数の段差部(19)が形成される。
又、この変形例1に係るロータ(10)の製造方法では、上記実施形態とは違い、複数の第1可動金型(51)が周方向に配列されている(図11を参照)。これらの可動金型(51)を所定のピッチで径方向に移動させながら打ち抜くことにより、互いに径方向寸法(A)が異なる略扇形状の板材(21a〜21d)を形成することができる。
そして、これらの板材(21a〜21d)を厚さ方向に積層することにより、複数の段差部(19)が形成された外周面を有するロータコア(11)を形成することができる。又、この変形例1では、複数の可動金型(51)が全て同一の形状に形成されているため、複数の段差部(19)に係る円弧面(20a〜20d)の曲率が全て同一になっている。
このように、ロータコア(11)が周方向に分割されていない構成のものであっても、複数の可動金型(51)を周方向へ並べることにより、本実施形態と同様に、ロータコア(11)の外周面に複数の段差部(19)を形成することができる。
−実施形態の変形例2−
図12に示す変形例2では、上記フラックスバリア(16)となる開口部を第2可動金型(61)と第2固定金型(62)の両方で形成している。このフラックスバリア(16)を形成する工程が第2ロータ側プレス工程である。
この第2ロータ側プレス工程では、上述した第1ロータ側プレス工程の第1固定金型(52)と同じタイミングで上記第2固定金型(62)を電磁鋼板(53)の面直角方向へ移動させて該電磁鋼板(53)から所定部分を打ち抜き(図12(a)を参照)、上述した第1ロータ側プレス工程の第1可動金型(51)と同じタイミングで上記第2可動金型(61)を電磁鋼板(53)の面直角方向へ移動させて該電磁鋼板(53)から所定部分を打ち抜く(図12(a)を参照)。この工程が第2ロータ側打抜工程である。
ここで、上記第2固定金型(62)及び上記第2可動金型(61)における各々の打ち抜き箇所の一部をだぶらせることにより、両方の金型(61,62)でフラックスバリア(16)を形成している。
この打抜工程が終わると、上述した第1ロータ側プレス工程の第1可動金型(51)と同ピッチで同方向へ第2可動金型(61)を移動させる(図12(b)を参照)。これにより、フラックスバリア(16)となる開口部をスライド方向へ大きくすることができる。又、この開口部の開口縁と上述した第1可動金型(51)で形成した円弧の外縁との間の部分の長さを一定にすることができるようになる。この部分は、上記分割ロータコア(13)のブリッジ部(18)に相当する部分であり、このブリッジ部(18)の幅を一定にすることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態のモータは、上記ロータ(10)の外側にティース(34)がある、いわゆるインナーモータであったが、これに限定されず、上記ティース(34)の外側にロータ(10)がある、いわゆるアウターモータであってもよい。この場合であっても、本発明と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態では、ロータコア(13)を製造するに際し、複数の板材(21a〜21d)のうち径方向寸法(A)が長い群から短い群の順で板材(21a〜21d)が下側から上側へ積層し、分割ステータコア(33)を製造するに際し、複数の板材(38a〜38d)のうち高さ方向寸法(B)が短い群から長い群の順で板材(38a〜38d)が下側から上側へ積層していたが、これに限定されない。
例えば、図13に示すように、ロータコア(13)に係る複数の板材(21a〜21d)うち径方向寸法(A)の長い群と短い群とが繰り返されるように積層され、分割ステータコア(33)に係る複数の板材(38a〜38d)のうち高さ方向寸法(B)の長い群と短い群とが繰り返されるように積層されて、上記立体ギャップ(G)が形成されてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、ロータコアとステータコアとの間に立体ギャップが形成されたモータ等の回転電気機械について有用である。
1 モータ
10 ロータ
11 ロータコア
30 ステータ
31 ステータコア
32 コイル
33 分割ステータコア
34 ティース
35 コアバック部
51 第1可動金型(第1ロータ側可動金型)
52 第1固定金型(第1ロータ側固定金型)
55 第2可動金型(第2ロータ側可動金型)
56 第2固定金型(第2ロータ側固定金型)
60 駆動軸
61 可動金型(ステータ側可動金型)
62 固定金型(ステータ側固定金型)
70 ケーシング
80 圧縮機構
100 電動圧縮機

Claims (10)

  1. 略円筒状のロータ(10)と、
    上記ロータ(10)の外側又は内側に同心状に位置する略円筒状のステータ(30)と、
    上記ステータ(30)におけるロータ(10)側の円筒面から周方向に間隔を空けて延びる複数のティース(34)とを備え、
    上記ロータ(10)の円筒面(17)及び上記ティース(34)の先端面には、軸方向の形状が凹凸状となるエアギャップ(G)を挟んで、互いに対向しながら径方向へ起伏する複数の段差部(19,36)がそれぞれ形成され、
    上記ロータ(10)側及び上記ティース(34)側の各段差部(19,36)の径方向面は、共に上記ロータ(10)の回転中心から径方向外方へ凸状となる円弧面(20a〜20d,37a〜37d)で構成される一方、
    互いに対面する上記ロータ(10)側及び上記ティース(34)側の円弧面(20a〜20d,37a〜37d)は非同心であるとともに、
    上記ロータ(10)側及び上記ティース(34)側の円弧面(20a〜20d,37a〜37d)のうち径方向内方に位置する側の曲率は径方向外方に位置する側の曲率以下であることを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項1において、
    上記ティース(34)に係る複数の段差部(36)の円弧面(37a〜37d)は、全て同じ曲率であることを特徴とする回転電気機械。
  3. 請求項1又は2において、
    上記ロータ(10)に係る複数の段差部(19)の円弧面(20a〜20d)は、全て同じ曲率であることを特徴とする回転電気機械。
  4. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    上記ロータ(10)及び上記ティース(34)のうち、内側に位置する方の段差部(19)に係る最内周の円弧面(20a)の円中心は、上記ロータ(10)の軸心と一致していることを特徴とする回転電気機械。
  5. 請求項1から4の何れか1つにおいて、
    上記ロータ(10)及び上記ティース(34)のうち、外側に位置する方の段差部(36)における最外周の円弧面(37a)の円中心は、上記ロータ(10)の軸心と一致していることを特徴とする回転電気機械。
  6. 複数の分割ロータコア(13)を周方向へ配列してなる略円筒状のロータ(10)と、複数の分割ステータコア(33)を周方向へ配列してなるとともに上記ロータ(10)の外側又は内側に同心状に位置する略円筒状のステータ(30)と、上記ステータ(30)におけるロータ(10)側の円筒面から周方向に間隔を空けて延びる複数のティース(34)とを備え、上記ロータ(10)におけるステータ(30)側の円筒面(17)及び上記ティース(34)の先端面には、エアギャップ(G)を挟んで互いに対向しながら径方向へ起伏する複数の段差部(19,36)がそれぞれ形成される回転電気機械の製造方法であって、
    鋼板(53)から所定部分を打ち抜いて複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を形成するプレス工程と、
    上記プレス工程後の複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を厚さ方向に積層する積層工程とを備え、
    上記プレス工程は、上記分割ロータコア(13)の円筒面(17)となる部分を第1ロータ側可動金型(51)で円弧状となるように打ち抜き、上記分割ロータコア(13)に係る円弧面(20a〜20d)以外の部分を第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜く第1ロータ側打抜工程と、上記第1ロータ側可動金型(51)を所定のピッチで鋼板(53)の面方向へスライドさせる第1ロータ側スライド工程とを交互に行う第1ロータ側プレス工程とを含む一方、
    上記積層工程は、上記分割ロータコア(13)の円弧面に複数の段差部(19)が形成されるように上記第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜いた部分の側辺を揃えながら、上記第1ロータ側プレス工程後の板材(21a〜21d)を積層して分割ロータコア(13)を形成するロータ側積層工程を含んでいることを特徴とする回転電気機械の製造方法。
  7. 周方向に非分割の略円筒状のロータ(10)と、複数の分割ステータコア(33)を周方向へ配列してなるとともに上記ロータ(10)の外側又は内側に同心状に位置する略円筒状のステータ(30)と、上記ステータ(30)におけるロータ(10)側の円筒面から周方向に間隔を空けて延びる複数のティース(34)とを備え、上記ロータ(10)におけるステータ(30)側の円筒面(17)及び上記ティース(34)の先端面には、エアギャップ(G)を挟んで互いに対向しながら径方向へ起伏する複数の段差部(19,36)がそれぞれ形成される回転電気機械を製造する回転電気機械の製造方法であって、
    鋼板(53)から所定部分を打ち抜いて複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を形成するプレス工程と、
    上記プレス工程後の複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を厚さ方向に積層する積層工程とを備え、
    上記プレス工程は、上記ロータ(10)の円筒面(17)となる部分を、周方向に並べた複数の第1ロータ側可動金型(51)で複数の円弧面が周方向に並ぶ形状となるように打ち抜き、上記ロータ(10)の円筒面(17)以外の部分を第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜く第1ロータ側打抜工程と、上記第1ロータ側可動金型(51)を所定のピッチで鋼板(53)の面方向に沿ってスライドさせる第1ロータ側スライド工程とを交互に行う第1ロータ側プレス工程とを含む一方、
    上記積層工程は、上記ロータ(10)の円弧面に複数の段差部(19)が形成されるように上記第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜いた部分の側辺を揃えながら、上記第1ロータ側プレス工程後の板材(21a〜21d)を積層して上記ロータ(10)を形成するロータ側積層工程を含んでいることを特徴とする回転電気機械の製造方法。
  8. 請求項6又は7において、
    上記プレス工程は、上記ロータ(10)を軸方向へ貫通するフラックスバリア(16)となる部分を第2ロータ側固定金型(56)及び第2ロータ側可動金型(55)で打ち抜く第2ロータ側打抜工程と、第1ロータ側可動金型(51)で形成した部分を切り欠かない範囲で上記第2ロータ側可動金型(55)を上記第1ロータ側可動金型(51)と同ピッチで同方向へスライドさせる第2ロータ側スライド工程とを交互に行う第2ロータ側プレス工程を含んでいることを特徴とする回転電気機械の製造方法。
  9. 請求項6又は7において、
    上記第1ロータ側打抜工程は、上記分割ロータコア(13)に係る円筒面(17)以外の部分を第1ロータ側固定金型(52)で打ち抜く際に、上記ロータ(10)を軸方向へ貫通するフラックスバリア(16)となる部分が形成されるように第1ロータ側可動金型(51)で形成した円弧部分を切り欠く工程であることを特徴とする回転電気機械の製造方法。
  10. 略円筒状のロータ(10)と、複数の分割ステータコア(33)を周方向へ配列してなるとともに上記ロータ(10)の外側又は内側に同心状に位置する略円筒状のステータ(30)と、上記ステータ(30)におけるロータ(10)側の円筒面から周方向に間隔を空けて延びる複数のティース(34)とを備え、上記ロータ(10)におけるステータ(30)側の円筒面(17)及び上記ティース(34)の先端面には、エアギャップ(G)を挟んで互いに対向しながら径方向へ起伏する複数の段差部(19,36)がそれぞれ形成される回転電気機械を製造する製造方法であって、
    鋼板(53)から所定部分を打ち抜いて複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を形成するプレス工程と、
    上記プレス工程後の複数の板材(21a〜21d,38a〜38d)を厚さ方向に積層する積層工程とを備え、
    上記プレス工程は、上記分割ステータコア(33)に係るティース(34)の先端面となる部分をステータ側可動金型(61)で円弧状となるように打ち抜き、上記分割ステータコア(33)に係るティース(34)の先端面以外の部分をステータ側固定金型(62)で打ち抜くステータ側打抜工程と、上記ステータ側可動金型(61)を所定のピッチで鋼板(53)の面方向へスライドさせるステータ側スライド工程とを交互に行うステータ側プレス工程とを含む一方、
    上記積層工程は、上記分割ステータコア(33)の外周面に複数の段差部(36)が形成されるように上記ステータ側固定金型(62)で打ち抜いた部分の外縁を揃えながら、上記ステータ側プレス工程後の板材(38a〜38d)を積層して分割ステータコア(33)を形成するステータ側積層工程を含んでいることを特徴とする回転電気機械の製造方法。
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