JP2013061322A - 直流電流検出装置 - Google Patents

直流電流検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013061322A
JP2013061322A JP2012176093A JP2012176093A JP2013061322A JP 2013061322 A JP2013061322 A JP 2013061322A JP 2012176093 A JP2012176093 A JP 2012176093A JP 2012176093 A JP2012176093 A JP 2012176093A JP 2013061322 A JP2013061322 A JP 2013061322A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
excitation
magnetic
magnetic core
current
processing unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012176093A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5943768B2 (ja
Inventor
Yoshimasa Watanabe
佳正 渡邊
Hiroshi Nishizawa
博志 西沢
Hajime Nakajima
一 仲嶋
Mitsugi Mori
貢 森
Yuji Tsuchimoto
雄二 土本
Keita Hamano
恵太 濱野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2012176093A priority Critical patent/JP5943768B2/ja
Publication of JP2013061322A publication Critical patent/JP2013061322A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5943768B2 publication Critical patent/JP5943768B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】使用環境温度が変化する状況下においても、センサ感度を補正し、高精度に被測定電流を検出することができる直流電流検出装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るフラックスゲート型電流センサは、閉磁路を形成する磁性体コア、該磁性体コアに巻回された励磁巻線、及び該磁性体コアに巻回された検出巻線を有し、被測定電流線が磁性体コアを貫通しているフラックスゲート電流センサと、励磁巻線を通電して励磁磁界を発生させる交流励磁部と、検出巻線の出力電圧波形から励磁磁界の第2高調波成分のみを抽出するフィルタ部と、フィルタ部の出力に基づいて、被測定電流線を流れる電流値を演算する演算処理部と、検出巻線の出力電圧波形を積分処理する積分処理部などとを備え、演算処理部は、積分処理などの結果及び該磁性体コアの磁気特性の温度依存性から、磁性体コアの使用環境温度を推定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラックスゲート型電流センサにおいて、センサの温度特性を補正する信号処理方式に関する。
フラックスゲート型電流センサは、フラックスゲート型磁気センサを応用したものである。一般的にフラックスゲート型磁気センサは、磁気センサであるホール素子や磁気抵抗素子に比べ磁界検出感度が高く、地磁気等の微小磁界の検出に適している。また、ホール素子や磁気抵抗素子に比べ温度依存性も優れている。このため、市販されているホール素子や磁気抵抗素子を利用した電流センサは、A(アンペア)オーダの電流検出用に幅広く利用されているのに対し、フラックスゲート型電流センサは、mA(ミリアンペア)オーダの電流検出に幅広く利用されているのが現状である。
従来のフラックスゲート型電流センサは、例えば特許文献1の第2図に示されているように、高透磁率材からなる磁性体リングコアに励磁巻線及び検出巻線を巻回した構造であり、被測定電流が流れる導体をリングコア内に貫通させている。
次に動作原理について説明する。励磁巻線に交流励磁電流を流し、磁性体リングコアを周期的に磁気飽和させる。被測定電流値が零である場合、励磁電流により発生する磁界変化は、磁性体リングコア材のB−H曲線の原点に関して対称となる。検出巻線には、ファラデーの電磁誘導則に従い、検出巻線を巻回した磁性体リングコア内の磁束量の変化に比例する出力電圧が発生する。よって、磁性体リングコアが十分飽和した磁界領域においては、出力電圧は零となる。即ち、B−H曲線が原点に対し対称曲線である場合に、ある一定周期で磁性体リングコアを励磁すると、出力電圧は一定の時間間隔で零となり、周期はB−H曲線の原点対称性から励磁周波数の2倍となる。
一方、被測定電流値が零でない場合、励磁電流により発生する励磁磁界に加え、被測定電流が発生する磁界が重畳される。よって、その磁界変化は、磁性体リングコア材のB−H曲線の原点に関して対称ではなくなる。その結果、ある一定周期の励磁磁界で磁性体リングコアを励磁したとしても、出力電圧値が零となる時間間隔は一定でなくなり、磁界変化の挙動が正側及び負側に変化した場合で異なるようになる。出力電圧値が零である時間間隔の差分から、被測定電流値を演算することができるため、フラックスゲート型電流センサは、被測定電流線と非接触で被測定電流値を計測することができる。
さらに、フラックスゲート型電流センサの検出精度を向上させるために、検出巻線を鎖交する磁界変化に対し、励磁磁界の影響を除去させるような構造、例えば励磁磁界の向きと被測定電流が発生する磁界の向きとを直交させた構造が特許文献2の図2に示されている。また、特許文献3の図2には、2つの磁性体リングコアにそれぞれ逆向きの励磁磁界を印加し、検出巻線を一体巻回し、差動検出する構造が示されている。また、特許文献4の図1に示されている、2つの磁性体リングコアに検出巻線をそれぞれ巻回し、後段回路にて差動処理する構造により、被測定電流線から生じる磁界成分のみを検出することができる。さらに、フィードバック回路を設け、検出した磁界を打ち消すように、磁性体リングコアにフィードバック巻線に電流を通電するクローズドループ制御をすることによって、被測定電流値を高精度に計測することができる。加えて、差動化やクローズドループ制御により、磁性体リングコアのヒステリシス特性を相殺することができる。
実昭59−92532号公報(1頁、図1) 特開平6−281674号公報(4頁16行、図1) 特開2001−228181号公報(3頁17行、図2) 特開2002−22774号公報(3頁17行、図1)
フラックスゲート型電流センサは、磁性体コアの非線形磁気特性を利用したセンサである。そのため、磁性体コアの使用環境温度の変化により磁性体コアの磁気特性が変化し、結果的にセンサ感度が変化するという課題を有する。温度変化が無視できる状況でフラックスゲート型電流センサを使用する場合、磁性体コアの使用環境温度を一定とみなすことができるため、特に問題にはならない。しかし、温度変化の大きい自動車向けや産業機器向けにフラックスゲート型電流センサを適用する場合、磁性体コアの使用環境温度も大きく変化するため、センサ感度の温度特性を補正する必要がある。温度特性を補正する従来の手法は、2つの磁性体リングコアを用いて差動処理することによって、温度変化の影響を相殺していた。しかしながら、磁性体コアを2つ用いる必要があるため、センサ寸法の大型化や部材コストの増加を招き、小型化、部材コストの低減が課題であった。
本発明の目的は、使用環境温度が変化する状況下においても、センサ感度を補正し、高精度に被測定電流を検出することができる直流電流検出装置を提供することである。
上記目的を達成するために、第1の発明における直流電流検出装置は、閉磁路を形成する磁性体コア、該磁性体コアに巻回された励磁巻線、及び該磁性体コアに巻回された検出巻線を有し、被測定電流線が磁性体コアを貫通しているフラックスゲート電流センサと、励磁巻線を通電して励磁磁界を発生させる交流励磁部と、検出巻線の出力電圧波形から励磁磁界の第2高調波成分のみを抽出するフィルタ部と、フィルタ部の出力に基づいて、被測定電流線を流れる電流値を演算する演算処理部と、検出巻線の出力電圧波形を積分処理する積分処理部とを備え、演算処理部は、積分処理の結果及び該磁性体コアの磁気特性の温度依存性から、磁性体コアの使用環境温度を推定する。
上記目的を達成するために、第2の発明における直流電流検出装置は、閉磁路を形成する磁性体コア、該磁性体コアに巻回された励磁巻線、及び該磁性体コアに巻回された検出巻線を有し、被測定電流線が磁性体コアを貫通しているフラックスゲート電流センサと、励磁巻線を通電して励磁磁界を発生させる交流励磁部と、検出巻線の出力電圧波形から励磁磁界の第2高調波成分のみを抽出するフィルタ部と、フィルタ部の出力に基づいて、被測定電流線を流れる電流値を演算する演算処理部と、検出巻線の出力電圧波形から、励磁磁界と同一の周波数成分を抽出する基本波成分抽出処理部とを備え、演算処理部は、基本波成分抽出処理の結果及び該磁性体コアの磁気特性の温度依存性から、磁性体コアの使用環境温度を推定する。
上記目的を達成するために、第3の発明における直流電流検出装置は、閉磁路を形成する磁性体コア、該磁性体コアに巻回された励磁巻線、及び該磁性体コアに巻回された検出巻線を有し、被測定電流線が磁性体コアを貫通しているフラックスゲート電流センサと、励磁巻線を通電して励磁磁界を発生させる交流励磁部と、検出巻線の出力電圧波形から励磁磁界の第2高調波成分のみを抽出するフィルタ部と、フィルタ部の出力に基づいて、被測定電流線を流れる電流値を演算する演算処理部と、検出巻線の出力電圧波形から、出力電圧のピーク値、実効値及び平均値から成る群から選択される特徴値を抽出する特徴値抽出処理部とを備え、演算処理部は、特徴値抽出処理の結果及び該磁性体コアの磁気特性の温度依存性から、磁性体コアの使用環境温度を推定する。
本発明によれば、検出コイルの出力電圧波形を、積分処理部において積分処理した結果、基本波成分抽出処理部において励磁磁界と同一の周波数成分を抽出した結果、又は特徴値抽出処理部において検出巻線の出力電圧波形から、出力電圧のピーク値、実効値及び平均値から成る群から選択される特徴値を抽出した結果と、予め演算処理部に記憶させておいた磁性体コアの磁気特性の温度依存性の情報とから、磁性体コアの使用環境温度を推定することができる。
本発明の実施の形態1に係る直流電流検出装置を示す。 励磁磁界と磁束密度との関係を示す説明図であり、図2(a)は被測定電流値が零である場合、図2(b)は被測定電流値が零でない場合を示す。 検出巻線の出力電圧波形を示す図であり、図3(a)は被測定電流値が零である場合、図3(b)は被測定電流値が零でない場合を示す。 被測定電流値と検出巻線の第2高調波成分の実効値との関係を示す。 使用環境温度を変化させた場合の、磁性体コアの励磁磁界に対する磁気特性の一例を示す。 使用環境温度を変化させた場合の、励磁磁界と磁束密度との関係を示す図であり、図6(a)は被測定電流値が零である場合、図6(b)は被測定電流値が零でない場合を示す。 使用環境温度を変化させた場合の、検出巻線の出力電圧波形を示す図であり、図7(a)は被測定電流値が零である場合、図7(b)は被測定電流値が零でない場合を示す。 使用環境温度を変化させた場合の、被測定電流値と検出巻線の第2高調波成分の実効値との関係を示す。 使用環境温度を変化させた場合の、磁性体コアの励磁磁界に対する磁気特性の一例を示す。 使用環境温度を変化させ、被測定電流値が零である場合の検出巻線の出力電圧波形を示す。 本発明の実施の形態1に係る、零相電流センサとして使用する場合の直流電流検出装置を示す。 本発明の実施の形態2に係る直流電流検出装置を示す。 本発明の実施の形態3に係る直流電流検出装置を示す。 使用環境温度を変化させ、被測定電流値が零である場合の励磁磁界と磁束密度との関係を示す。 使用環境温度を変化させ、被測定電流値が零である場合の検出巻線の出力電圧波形を示す。 使用環境温度を変化させ、被測定電流値が零である場合の励磁磁界と磁束密度との関係を示す。 使用環境温度を変化させ、被測定電流値が零である場合の検出巻線の出力電圧波形を示す。 本発明の実施の形態5に係る、励磁巻線と検出巻線とを共通化した直流電流検出装置を示す。 本発明の実施の形態6に係る直流電流検出装置を示す。 本発明の実施の形態7に係る直流電流検出装置を示す。 本発明の実施の形態8に係る直流電流検出装置を示す。 本発明の実施の形態9に係る直流電流検出装置を示す。 励磁磁界と磁束密度との関係を示す説明図であり、励磁電流が零の場合と零でない場合とを併せて示す。 検出巻線の出力電圧波形を示す図であり、励磁電流が零の場合と零でない場合とを併せて示す。 使用環境温度を変化させた場合の、磁性体コアの励磁磁界に対する磁気特性の一例を示す。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1を示す構成図である。直流電流検出装置101は、電流センサ部51、及びセンサ出力補正処理部52などを備える。
電流センサ部51は、環状の磁性体コア3、該コアに巻回した励磁巻線1及び検出巻線2、並びに磁性体コア3内を貫通している被測定電流線4を有するフラックスゲート型電流センサ10と、励磁巻線1に周波数fの励磁電流を通電する交流励磁部5と、検出巻線2の出力電圧波形から励磁電流の周波数2fの信号成分のみを抽出するフィルタ部6とを備える。磁性体コア3は、例えば珪素鋼板又はPCパーマロイのような高透磁率材料からなる。
尚、図1では、環状の磁性体コア3を示しているが、閉磁路が形成されている形状であれば、環状に限らない。これは、他の実施形態でも同様である。
センサ出力補正処理部52は、検出巻線2の出力電圧波形を積分する積分処理部7、及びフィルタ部6の出力に基づいて、被測定電流線4を流れる電流値を演算する演算処理部8を備える。演算処理部8は、積分処理部7の出力結果に基づいて磁性体コアの使用環境温度を推定し、フィルタ部6の出力値を補正する機能も有する。
本発明の直流電流検出装置101は、被測定電流線4の近傍に生じる磁界を非接触で検出可能なフラックスゲート型磁気センサの技術を応用している。フラックスゲート型磁気センサは、ホール素子や磁気抵抗素子(MR素子やGMR素子)といった磁気センサに比べ、微小磁界を検出することができ、温度依存性も良いことが知られている。フラックスゲート型磁気センサを応用したフラックスゲート型電流センサ10の動作原理について図1〜図4を用いて説明する。
まず、被測定電流線4に流れる電流が零の場合を考える。励磁巻線1に三角波形状の励磁電流を通電することにより、図2(a)に示すように正負対称の励磁磁界31が磁性体コア3に印加される。尚、励磁磁界Hは、式(1)で表すことができる。
Figure 2013061322
ただし、Nは励磁巻線の巻数、Iは励磁電流、rは磁性体コアの平均半径を表す。
磁性体コア3は、ある一定以上の磁界に対して磁束密度が増加しない磁気特性32を有しているため、励磁磁界31に対し、磁性体コア3内の磁束密度が飽和する磁気飽和現象が得られる。一方、磁性体コア3の断面積をS、磁性体コア3の磁束密度をBとすると、磁性体コア3を貫く磁束φはφ=B×Sで表すことができる。検出巻線2は磁性体コア3に巻回している。よってファラデーの電磁誘導則に従って、式(2)で表す出力電圧が得られる。
Figure 2013061322
ただし、Nは検出巻線2の巻数、μは磁性体コア3の透磁率、μは真空の透磁率(4π×10−7H/m)、μは磁性体コア3の比透磁率、Sは磁性体コア3の断面積、fは励磁磁界の周波数、Hは励磁磁界を表す。
磁性体コア3の断面積Sは定数であるため、磁性体コア3の磁束密度Bの時間変化33に応じた出力電圧が検出巻線2に得られることになる。図3(a)は、検出巻線の出力電圧波形を示したもので、磁性体コア3が磁気飽和している状態では磁束の時間変化は零である。よってその間、検出巻線2の出力電圧は式(2)に従って零となる。磁性体コア3の磁気特性32は、励磁磁界に対し原点対称の特性を示すため、励磁磁界の2倍の周期で零電圧が繰り返されることが特徴である。
次に、被測定電流線4に流れる電流が零でない場合を考える。被測定電流線4近傍にはアンペールの法則に従い、磁界が発生する。尚、発生磁界Hは下記の式(3)で表すことができる。
Figure 2013061322
ただし、Iは被測定電流、rは磁性体コア3の平均半径を表す。
被測定電流線4に流れる電流が直流電流である場合、該電流によって発生した磁界は、図2(b)に示すように直流のバイアス磁界として励磁磁界に重畳し、磁性体コア3に印加されることになる。そのため、検出巻線2の出力電圧は、図3(b)に示すように、磁性体コア3に印加される磁界の極に応じて零電圧の時間間隔が異なり、一方は零電圧の時間間隔が増加し、一方は減少する波形となる。
この変化は、励磁磁界の2倍の周期で得られる。よって、フィルタ部6を用いて検出巻線2の出力電圧波形から、励磁磁界の周波数の2倍に相当する成分(第2高調波成分)V2fのみを抽出することによって、被測定電流値Iを演算することができる。
尚、第2高調波成分の抽出は、励磁磁界の制御と同期し、ロックインアンプを用いて実行してもよい。さらに本発明において、フィルタ部6は、アナログ回路で構築したバンドパスフィルタ、デジタル回路で構築したデジタルフィルタ、マイクロコンピュータを用いてフーリエ演算による特定周波数成分のみを抽出する形態、その他検出巻線2の出力電圧波形から励磁磁界の周期の2倍周期の信号のみを抽出可能な形態を含む。
尚、本明細書において、「センサ感度」は、被測定電流値Iの変化量に対する検出巻線2の出力電圧の第2高調波成分の実効値V2fの変化量を指す。
励磁磁界波形が三角波で、かつ磁性体コアが磁気飽和に至るまで比透磁率μが一定である場合、式(2)より、検出巻線2の出力電圧Vの振幅値は一定の値を示す。よって被測定電流により変化を受けるのは、零電圧の時間間隔のみである。即ち、被測定電流値Iに比例して零電圧の時間間隔は増減するため、検出巻線2の第2高調波成分の実効値V2fの被測定電流値Iに対する変化は、図4に示すように線形的な特性を得ることができる。例えばこの線形性を利用して、被測定電流値Iを演算することができる。
以下に、使用環境温度の変化により磁性体コア3の磁気特性が変化した場合の、フラックスゲート型電流センサ10が出力に与える影響について説明する。
フラックスゲート型磁界センサは、ホール素子や磁気抵抗素子(MR素子やGMR素子)といった半導体や抵抗体を用いた磁気センサに比べると、温度特性が優れている。しかしこれは、使用環境温度に対し、磁気特性が変化し難い磁性体コアを選定する、又はクローズドループ制御構成や差動化構成にすることが前提である。
一般的に、磁性材料の磁気特性は、使用環境温度によって変化する。変化量は、使用環境温度、磁性材料及び組成によっても異なる。変化する磁気特性としては、比透磁率μの値、飽和磁束密度の値、残留磁束密度の値、保磁力の値などが挙げられる。磁性材料の使用環境温度がわからない状況下では、これらの値の変化に対応することはできない。よって従来のフラックスゲート型電流センサでは、クローズドループ制御構成や差動化構成により、磁性体コア3の使用環境温度の変化による磁気特性の変化を相殺することが必要であった。
しかしながら、クローズドループ制御構成は、磁性体コア3に印加された磁界を打ち消すための電流源を必要とするため、センサの消費電流が増大するという課題を有していた。また、差動化構成には2つの磁性体コア3が必要となるため、センサの寸法が増大するという課題を有していた。
図5は、使用環境温度を変化させた場合の、磁性体コアの励磁磁界に対する磁気特性の一例を示す。真空の透磁率μと比透磁率μの積である透磁率μは、磁束密度Bと磁界の強さHとの比で表される。よって図5中、低温時は高温時と比較して、磁性体コア3の比透磁率μの値及び、飽和磁束密度の値が増加していることがわかる。
被測定電流線4に流れる電流が零である場合、図6(a)に示すように、励磁磁界31に対する磁性体コア3内の磁束密度の変化は、使用環境温度によって異なる。その結果、図7(a)に示すように、使用環境温度によってピーク値が異なる出力電圧が得られる。これは式(2)の磁性体コアの比透磁率μが使用環境温度によって変化したことが影響している。
被測定電流線4に流れる電流が零でない場合、磁性体コア3内の磁束密度の変化や出力電圧の波形は、図6(b)、図7(b)のようになる。被測定電流に比例して零電圧の時間間隔は増減するため、被測定電流値Iに対する検出巻線2の第2高調波成分の実効値V2fの変化は、図8に示すように使用環境温度によって異なる。即ち、センサ感度は使用温度環境によって変化する。図5では、室温時に比べ使用環境温度が上昇すると、比透磁率μの値は小さくなるため、センサ感度も減少する。
使用環境温度の変化に対するセンサ感度の変化率は、式(2)より磁性体コア3の比透磁率μの変化率によって説明することができる。例えば、磁性体コア3の比透磁率μの値が10%上昇した場合、センサ感度は10%増加する。
そこで、本実施形態に係る直流電流検出装置101では、電流センサ部51の後段にセンサ出力補正処理部52を設け、センサ感度の温度特性を補正する。
次に、検出巻線2の出力電圧を積分することによって得られる結果について説明する。検出巻線2の出力電圧Vの絶対値を積分すると、下記の式(4)に示すように、出力信号Vが得られる。この結果、下記の式(5)に示すように、磁性体コア3の磁束密度Bを算出することができる。尚、出力電圧Vの二乗を積分しても磁束密度Bを算出することができる。
Figure 2013061322
励磁磁界に対して、磁性体コア3の磁束密度は、飽和磁束密度の値で飽和する。即ち、検出巻線2の出力電圧波形を積分することによって、周期的に磁性体コア3が磁気飽和していることを観察することができる。図5に示すように、飽和磁束密度の値は温度によって異なるため、検出巻線2の出力電圧の積分結果から飽和磁束密度の値を求めることができれば、使用環境温度を推定することができる。
演算処理部8は、例えば、A/D変換器、マイクロコンピュータ、メモリなどから構成される。磁性体コア3の磁気特性、及びセンサ感度の温度依存性の情報を予めメモリに記憶させておく。A/D変換器を介して得た積分処理部の出力信号V、及び磁性体コア3の磁気特性の温度依存性の情報から、使用環境温度を推定する。また、推定した使用環境温度、及びセンサ感度の温度依存性の情報から、センサ感度の補正係数を算出する。
続いて、A/D変換器を介して得たフィルタ部6の出力値に、算出したセンサ感度の補正係数を乗算することで、使用環境温度が変化した場合でも、センサ感度を一定に保持することができる。また、演算処理部8において、例えば図8での、検出巻線2の第2高調波成分の実効値V2fと被測定電流値Iとの線形性を利用して、被測定電流値Iを演算することができる。上述のようにセンサ感度を一定に保持することができるので、使用環境温度が変化した場合でも、正確な電流値に補正することができる。該電流値Iは、例えば、モニタに値を表示する、又はリレーを構築して出力することができる。
また、積分処理をデジタル信号処理によって実行してもよい。さらに、積分処理部7と演算処理部8とを一体化してデジタル回路によって構成してもよい。又は、積分処理部7及び演算処理部8を、アナログ回路のみで構成することもできる。この場合、演算処理部8に、例えば加算回路、減算回路、乗算回路、及び除算回路を設け、積分処理部7の出力信号Vとフィルタ部6の出力信号とを演算処理し、センサ感度を補正できるようにしてもよい。
また、図1では、環状の磁性体コア3に対して、励磁巻線1、検出巻線2を局所的に巻回しているが、励磁巻線1及び/又は検出巻線2を全周に均一巻きにしてもよい。
また、以上の記載では、図5のように、使用環境温度の変化によって比透磁率及び飽和磁束密度が変化する特性を有する磁性体コア3について説明したが、図9のように、さらに飽和磁束密度に達する磁界の強さが温度によって異なる特性を有する磁性体コア3に対しても、本発明を適用することができる。この特性を有する磁性体コア3の場合、図10に示すように、被測定電流線4に流れる電流が零である場合でも、電圧が零である時間間隔が異なる。よって、被測定電流値I及びセンサ感度を適正に補正できないようにも思われる。しかし、この場合も、励磁磁界の形状が三角波であれば、被測定電流値Iに対する検出巻線2の第2高調波成分の実効値V2fの変化において、図8と同様の結果を得ることができるため、被測定電流値I及びセンサ感度を補正することができる。
また、図11のように磁性体コア3に複数の被測定電流線4を貫通させ、零相電流センサとして使用してもよい。この場合、漏電検出センサとして使用することができる。
図において、説明の便宜上、ヒステリシス特性及び原点付近の非線形特性を省略していて記載している。また、説明の便宜上、励磁磁界は三角波を用いて説明するが、励磁磁界が正弦波の場合でも、検出巻線2の出力電圧波形が多少異なるだけであり、同様の効果を得ることができる。これは、以下の記載においても同様である。
以上、本実施形態では、検出巻線2の出力電圧波形を積分処理し、磁性体コアの飽和磁束密度の値を算出した。その値を用いてセンサ感度を補正することができるため、使用環境温度が変化した場合でも、一定のセンサ感度を有する直流電流検出装置を提供できる。さらに、本実施形態の構成は、クローズドループ制御構成及び差動化構成を有しない。そのため、センサの消費電流は増大せず、センサの寸法も増大しないという利点を有する点で、従来構成とは大きく異なる。これは、他の実施形態でも同様である。
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2に係る直流電流検出装置を示す。図12は、センサ出力補正処理部53に、積分処理部7でなく、基本波成分抽出処理部9を備えた点で図1と異なる。その他の構成は、実施形態1と同様である。
基本波成分抽出処理部9は、検出巻線2の出力電圧から基本波成分のみを抽出する処理を行う。基本波成分は、励磁磁界の周期に相当する。フィルタ部6及び基本波成分抽出処理部9は、例えばアナログ回路のバンドパスフィルタで構成される。励磁磁界の周波数をfとした場合、好ましくは、フィルタ部6の通過帯域の中心周波数は2f、基本波成分抽出処理部9の通過帯域の中心周波数はfに設定する。
次に、検出巻線2の出力電圧から基本波成分のみを抽出した場合に得られる結果について説明する。実施形態1と同様に、使用環境温度の変化によって、磁性体コア3の磁気特性が図5のように変化した場合を考える。被測定電流線4に流れる電流が零である場合、検出巻線2の出力電圧は、図7(a)に示した波形が得られ、使用環境温度に応じて、出力電圧波形の振幅値は異なることがわかる。出力電圧波形の振幅の主成分は、励磁磁界の周波数成分であるため、基本波成分の値が温度によって異なる。よって検出巻線2の出力電圧から基本波成分の値を求めることができれば、使用環境温度を推定することができる。
図1と同様に、演算処理部8は、A/D変換器を介して得た、基本波成分抽出処理部9の出力する検出巻線2の基本波成分、及び磁性体コア3の磁気特性の温度依存性の情報から、使用環境温度の推定を行う。また、推定した使用環境温度、及びセンサ感度の温度依存性の情報から、センサ感度の補正係数を算出する。
以上、本実施形態では、検出巻線2の出力電圧波形から基本波成分のみを抽出した。その値を用いてセンサ感度を補正することができるため、使用環境温度が変化した場合でも、一定のセンサ感度を有する直流電流検出装置を提供することができる。
実施の形態3.
図13は、本発明の実施の形態3を示す構成図である。図13は、励磁磁界制御部20を追加した点で、図1及び図12と異なる。励磁磁界制御部20は、積分処理部7又は基本波成分抽出処理部9の出力結果に基づいて交流励磁部5を制御する。その他の構成は、実施形態1又は2と同様である。
励磁磁界制御部20の動作について図14〜図17を用いて説明する。実施形態1と同じく、使用環境温度の変化により、磁性体コア3の磁気特性が図5のように変化した場合を考える。実施形態1では、磁性体コア3に印加する励磁磁界31の振幅及び周波数は、使用環境温度にかかわらず一定として扱った。本実施形態では、励磁磁界の振幅又は周波数を、磁性体コア3の使用環境温度に応じて変化させることが特徴である。尚、使用環境温度は、前述のように、積分処理部7又は基本波成分抽出処理部9の出力結果に基づいて推定することができる。
以下、被測定電流線4に流れる電流が零である場合について説明するが、上述のように、被測定電流により変化を受けるのは、零電圧の時間間隔のみであり、振幅は変化を受けない。よって、被測定電流線4に流れる電流が零でない場合も同様の効果を得ることができる。
また、励磁磁界の振幅又は周波数を変化させることは、式(1)から解るように、励磁磁界制御部20が交流励磁部5を制御して、励磁電流の振幅又は周波数を変化させることを意味する。
励磁磁界の振幅を変化させる場合、励磁磁界制御部20は、図14中のH−t図のように、低温時は励磁磁界の振幅を減少させ、高温時は増加させることが好ましい。図6と比較すると、図14中のB−t図において、磁気飽和状態を除いてdB/dtが等しくなることがわかる。即ち、図15に示すように、振幅が同じ出力電圧波形を得ることができる。
励磁磁界の周波数を変化させる場合、励磁磁界制御部20は、図16中のH−t図のように、低温時は励磁磁界の周波数を小さくし、高温時は大きくすることが好ましい。図6と比較すると、図14中のB−t図において、磁気飽和状態を除いてdB/dtが等しくなることがわかる。即ち、図17に示すように、周波数は異なるが、振幅が同じ出力電圧波形を得ることができる。
以上より、励磁磁界の振幅又は周波数を制御することで、磁気飽和状態を除く磁性体コア3の磁束密度の変化を、室温時と同一にすることができる。これは式(2)では、使用環境温度の変化による磁性体コア3の比透磁率μの増減を、励磁磁界の時間変化dH/dtによって相殺することを意味する。よって、励磁磁界の形状が三角波である場合、一定のセンサ感度を有する直流電流検出装置を提供することができる。
また、励磁磁界制御部20は、励磁磁界を磁性体コア3の使用環境温度に応じて変調させたが、励磁巻線1の巻数を、例えばスイッチ回路により変更させる形態でもよい。
尚、本実施形態で、励磁周波数をfからf’に変化させた場合、励磁周波数の変化に併せて、フィルタ部6の中心周波数を予め2fから2f’に変更しておくことが好ましい。
以上、本実施形態では、実施形態1又は2の方法で推定した磁性体コアの使用環境温度に基づいて、励磁磁界を制御することによって、室温時と同じセンサ感度を有する直流電流検出装置を提供することができる。
実施の形態4.
本実施形態の特徴は、図1、図12において、演算処理部8からフィルタ部6への矢印で示している。その他の構成は、実施形態1又は2と同様である。
実施形態1及び2では、上述のように、推定した使用環境温度、及びセンサ感度の温度依存性の情報に基づいて、演算処理部8においてセンサ感度を補正している。本実施形態で演算処理部8は、推定した使用環境温度に基づいて、フィルタ部6の通過帯域の中心周波数を2fから2f’に制御する構成を有する。中心周波数を変更することで、フィルタ部6の利得が変更されるため、センサ感度を補正することができる。
実施の形態5.
図18は、本発明の実施の形態5に係る、励磁巻線と検出巻線とを共通化した直流電流検出装置を示す。つまり、本実施形態では、励磁巻線1及び検出巻線2が励磁検出巻線11として共通化され、励磁検出巻線11は、励磁巻線としても検出巻線としても機能する。その他の構成は、実施形態1又は2と同様である。
励磁巻線1と検出巻線2との結合度が1である場合、即ち、理想的なトランス状態が構成されている場合、励磁巻線1及び検出巻線2の両端電圧は、励磁巻線1の巻数と検出巻線2の巻数の比率で決まる。よってこの場合、励磁巻線1と検出巻線2とを共通化することができる。これは、図18に示すような、検出巻線2を削除し、励磁巻線1(励磁検出巻線11)の両端電圧をフィルタ部6及び積分処理部7に入力する形態である。
実施の形態6.
図19は、本発明の実施の形態6に係る直流電流検出装置を示す。図19は、センサ出力補正処理部56に、積分処理部7でなく、ピーク値抽出処理部12を備えた点で図1と異なる。その他の構成は、実施形態1と同様である。
ピーク値抽出処理部12は、検出巻線2の出力電圧のピーク値を抽出する処理を行う。実施形態1と同様に、使用環境温度の変化によって、磁性体コア3の磁気特性が図5のように変化した場合を考える。被測定電流線4に流れる電流が零である場合、検出巻線2の出力電圧は、図7(a)に示した波形が得られ、使用環境温度に応じて、出力電圧波形の振幅値、即ち出力電圧のピーク値は異なることがわかる。つまり、出力電圧のピーク値を求めることができれば、使用環境温度を推定することができる。
図1と同様に、演算処理部8は、ピーク値抽出処理部12の出力する検出巻線2の出力電圧ピーク値、及び磁性体コア3の磁気特性の温度依存性の情報から、使用環境温度の推定を行う。また、推定した使用環境温度、及びセンサ感度の温度依存性の情報から、センサ感度の補正係数を算出する。
以上、本実施形態では、検出巻線2の出力電圧波形からピーク値のみを抽出した。その値を用いてセンサ感度を補正することができるため、使用環境温度が変化した場合でも、一定のセンサ感度を有する直流電流検出装置を提供することができる。
実施の形態7.
図20は、本発明の実施の形態7に係る直流電流検出装置を示す。図20は、センサ出力補正処理部57に、積分処理部7でなく、実効値抽出処理部13を備えた点で図1と異なる。その他の構成は、実施形態1と同様である。
実効値抽出処理部13は、下記の式(6)で表される検出巻線2の出力電圧Vの実効値Veffを抽出する処理を行う。
Figure 2013061322
ただし、Tは出力電圧Vの周期を表す。周期Tは、励磁周波数fとの間に、T=1/2fの関係がある。実施形態1と同様に、使用環境温度の変化によって、磁性体コア3の磁気特性が図5のように変化した場合を考える。被測定電流線4に流れる電流が零である場合、検出巻線2の出力電圧として図7(a)に示した波形が得られる。これより、使用環境温度に応じて、出力電圧波形の振幅値、したがって出力電圧の実効値は異なることがわかる。つまり、出力電圧の実効値を求めることができれば、使用環境温度を推定することができる。
図1と同様に、演算処理部8は、実効値抽出処理部13の出力する検出巻線2の出力電圧の実効値Veff、及び磁性体コア3の磁気特性の温度依存性の情報から、使用環境温度の推定を行う。また、推定した使用環境温度、及びセンサ感度の温度依存性の情報から、センサ感度の補正係数を算出する。
以上、本実施形態では、検出巻線2の出力電圧波形から実効値のみを抽出した。その値を用いてセンサ感度を補正することができるため、使用環境温度が変化した場合でも、一定のセンサ感度を有する直流電流検出装置を提供することができる。
実施の形態8.
図21は、本発明の実施の形態8に係る直流電流検出装置を示す。図21は、センサ出力補正処理部58に、積分処理部7でなく、平均値抽出処理部14を備えた点で図1と異なる。その他の構成は、実施形態1と同様である。
平均値抽出処理部14は、下記の式(7)で表される検出巻線2の出力電圧Vの平均値Vavを抽出する処理を行う。
Figure 2013061322
ただし、Tは出力電圧Vの周期を表す。周期Tは、励磁周波数fとの間に、T=1/2fの関係がある。実施形態1と同様に、使用環境温度の変化によって、磁性体コア3の磁気特性が図5のように変化した場合を考える。被測定電流線4に流れる電流が零である場合、検出巻線2の出力電圧として図7(a)に示した波形が得られる。これより、使用環境温度に応じて、出力電圧波形の振幅値、したがって出力電圧の平均値は異なることがわかる。つまり、出力電圧の平均値を求めることができれば、使用環境温度を推定することができる。
図1と同様に、演算処理部8は、実効値抽出処理部13の出力する検出巻線2の出力電圧の平均値、及び磁性体コア3の磁気特性の温度依存性の情報から、使用環境温度の推定を行う。また、推定した使用環境温度、及びセンサ感度の温度依存性の情報から、センサ感度の補正係数を算出する。
以上、本実施形態では、検出巻線2の出力電圧波形から平均値のみを抽出した。その値を用いてセンサ感度を補正することができるため、使用環境温度が変化した場合でも、一定のセンサ感度を有する直流電流検出装置を提供することができる。
実施の形態9.
図22は、本発明の実施の形態9に係る直流電流検出装置を示す。図22は、センサ出力補正処理部59に、積分処理部7でなく、基本波成分振幅抽出処理部15を備えた点で図1と異なる。その他の構成は、実施形態1と同様である。
基本波成分振幅抽出処理部15は、検出巻線2の出力電圧の基本波成分の振幅を抽出する処理を行う。まず、被測定電流線4に流れる電流が零の場合を考える。前述の通り、検出巻線の出力電圧波形を示す図3(a)からわかるように、磁性体コア3が磁気飽和している状態では磁束の時間変化は零である。
次に、被測定電流線4に流れる電流が零でない場合を考える。前述の通り、検出巻線2の出力電圧は、図3(b)に示すように、磁性体コア3に印加される磁界の極に応じて零電圧の時間間隔が異なり、一方は零電圧の時間間隔が増加し、一方は減少する波形となる。この変化は、励磁磁界の2倍の周期で得られる。フィルタ部6を用いて検出巻線2の出力電圧波形から抽出した、励磁磁界の周波数の2倍に相当する成分(第2高調波成分)V2fに基づいて、被測定電流値Iを演算することができる。以下、かかる演算について数式を用いて説明する。図3(b)に示した検出巻線2の出力電圧波形に対し、フーリエ級数展開を行うと、式(8),(9)が得られる。
Figure 2013061322
ただし、Nは検出巻線2の巻数、μは真空の透磁率(4π×10−7H/m)、μは磁性体コア3の比透磁率、Sは磁性体コア3の断面積、fは励磁磁界の周波数、Hは励磁磁界の最大値、Hは被測定電流による発生磁界、Hは磁性体コア3の飽和磁界を表す。
さらに、フラックスゲート電流センサの出力電圧は検出巻線の第2高調波成分であることから、式(9)でn=2として第2高調波成分の振幅値を求めると、式(10)が得られる。
Figure 2013061322
尚、被測定電流による発生磁界Hは式(3)に示した通りであり、式(3)を式(7)に代入することで、式(8)の被測定電流Iとセンサの出力電圧の振幅b2との関係式(11)を導くことができる。
Figure 2013061322
式(11)より、フラックスゲート電流センサの出力電圧の振幅bは、励磁周波数f、検出巻線2の巻数N、励磁磁界の最大値H、磁性体コア3の飽和磁界H、比透磁率μ、断面積S等に依存することがわかる。
以下に、使用環境温度の変化により磁性体コア3の磁気特性が変化した場合、フラックスゲート型電流センサの出力に与える影響について説明する。
実施形態1と同様に、使用環境温度の変化によって、磁性体コア3の磁気特性が図5のように変化した場合を考える。被測定電流線4に流れる電流が零である場合、検出巻線2の出力電圧は、図7(a)に示した波形が得られ、使用環境温度に応じて、出力電圧波形の振幅値は異なることがわかる。また、使用環境温度の変化に対するセンサ出力値の変化は、式(11)より磁性体コア3の比透磁率μの変化によって説明することができる。
一方、使用環境温度の変化により磁性体コア3の磁気特性が変化した場合、検出巻線2の出力電圧の基本波成分振幅値に与える影響について説明する。式(8)より、n=1とすると、検出巻線2の出力電圧の基本波成分振幅値bを下記の式(12)の通り求めることができる。
Figure 2013061322
式(8)に示した第2次高調波成分の振幅値bと同じく、基本波成分の振幅値bも、飽和磁界Hの増減により変化することがわかる。つまり、検出巻線2の出力電圧の基本波成分の振幅値を求めることができれば、使用環境温度を推定することができる。
図1と同様に、演算処理部8は、基本波成分振幅抽出処理部15の出力する検出巻線2の出力電圧の基本波成分の振幅値、及び磁性体コア3の磁気特性の温度依存性の情報から、使用環境温度の推定を行う。また、推定した使用環境温度、及びセンサ感度の温度依存性の情報から、センサ感度の補正係数を算出する。
次に、励磁磁界の形状が正弦波である場合について説明する。
図23は励磁磁界と磁束密度との関係を示す説明図であり、励磁電流が零の場合を実線で、零でない場合を点線でそれぞれ示している。尚、図23のH−t図において、Hdは被測定電流が発生する磁界の大きさを、Hsは磁性体コア3の飽和磁界を、Hmは励磁磁界の最大値をそれぞれ示す。図23のB−t図より、検出巻線の出力電圧波形を示す図24が得られる。
図24に示した検出巻線2の出力電圧波形に対しフーリエ級数展開を行うと、式(13)が得られる。尚、式(14)において、n=2の場合はフラックスゲート電流センサの出力電圧の第2高調波成分の振幅値b2となる。
Figure 2013061322
式(8)と同様に、フラックスゲート電流センサの出力電圧の第2高調波成分の振幅値bは、励磁周波数f、検出巻線2の巻数N、励磁磁界の最大値H、磁性体コア3の飽和磁界H、比透磁率μ、断面積S等に依存することがわかる。
また、以上の記載では、図5のように、使用環境温度の変化によって比透磁率及び飽和磁束密度が変化する特性を有する磁性体コア3について説明したが、図25のように、飽和磁束密度に達する磁界の強さが温度によって異なる特性を有する磁性体コア3に対しても、本発明を適用することができる。例えば、図9の特性を有する磁性体コア3の場合、図10に示すように、被測定電流線4に流れる電流が零である場合でも、電圧が零である時間間隔が異なる。よって、被測定電流値I及びセンサ感度を適正に補正できないようにも思われる。しかし、この場合も、励磁磁界の形状が三角波であれば、被測定電流値Iに対する検出巻線2の第2高調波成分の実効値V2fの変化において、図8と同様の結果を得ることができるため、被測定電流値I及びセンサ感度を補正することができる。
また、出力電圧の基本波成分や第2高調波成分は、デジタル信号処理、例えばフーリエ変換処理を用いて求めてもよい。
以上、本実施形態では、検出巻線2の出力電圧波形の基本波成分の振幅値を用いてセンサ感度を補正することができるため、使用環境温度が変化した場合でも、一定のセンサ感度を有する直流電流検出装置を提供できる。さらに、本実施形態の構成は、クローズドループ制御構成及び差動化構成を有しない。そのため、センサの消費電流は増大せず、センサの寸法も増大しないという利点を有する点で、従来構成とは大きく異なる。
1 励磁巻線、2 検出巻線、3 磁性体コア、4 被測定電流線、5 交流励磁部、 6 フィルタ部、7 積分処理部、8 演算処理部、9 基本波成分抽出処理部、 10 フラックスゲート型電流センサ、11 励磁検出巻線、12 ピーク値抽出処理部、13 実効値抽出処理部、14 平均値抽出処理部、15 基本波成分振幅抽出処理部、20 励磁磁界制御部、31 励磁磁界、32 磁気特性(B−H特性)、33 磁束変化、34 バイアス磁界が重畳した励磁磁界、35 磁束変化 51 電流センサ部、52〜59 センサ出力補正処理部、101〜108 直流電流検出装置。

Claims (11)

  1. 閉磁路を形成する磁性体コア、該磁性体コアに巻回された励磁巻線、及び該磁性体コアに巻回された検出巻線を有し、被測定電流線が磁性体コアを貫通しているフラックスゲート電流センサと、
    励磁巻線を通電して励磁磁界を発生させる交流励磁部と、
    検出巻線の出力電圧波形から励磁磁界の第2高調波成分のみを抽出するフィルタ部と、
    フィルタ部の出力に基づいて、被測定電流線を流れる電流値を演算する演算処理部と、
    検出巻線の出力電圧波形を積分処理する積分処理部とを備え、
    演算処理部は、積分処理の結果及び該磁性体コアの磁気特性の温度依存性から、磁性体コアの使用環境温度を推定するようにした直流電流検出装置。
  2. 閉磁路を形成する磁性体コア、該磁性体コアに巻回された励磁巻線、及び該磁性体コアに巻回された検出巻線を有し、被測定電流線が磁性体コアを貫通しているフラックスゲート電流センサと、
    励磁巻線を通電して励磁磁界を発生させる交流励磁部と、
    検出巻線の出力電圧波形から励磁磁界の第2高調波成分のみを抽出するフィルタ部と、
    フィルタ部の出力に基づいて、被測定電流線を流れる電流値を演算する演算処理部と、
    検出巻線の出力電圧波形から、励磁磁界と同一の周波数成分を抽出する基本波成分抽出処理部とを備え、
    演算処理部は、基本波成分抽出処理の結果及び該磁性体コアの磁気特性の温度依存性から、磁性体コアの使用環境温度を推定するようにした直流電流検出装置。
  3. 閉磁路を形成する磁性体コア、該磁性体コアに巻回された励磁巻線、及び該磁性体コアに巻回された検出巻線を有し、被測定電流線が磁性体コアを貫通しているフラックスゲート電流センサと、
    励磁巻線を通電して励磁磁界を発生させる交流励磁部と、
    検出巻線の出力電圧波形から励磁磁界の第2高調波成分のみを抽出するフィルタ部と、
    フィルタ部の出力に基づいて、被測定電流線を流れる電流値を演算する演算処理部と、
    検出巻線の出力電圧波形から、出力電圧のピーク値、実効値及び平均値から成る群から選択される特徴値を抽出する特徴値抽出処理部とを備え、
    演算処理部は、特徴値抽出処理の結果及び該磁性体コアの磁気特性の温度依存性から、磁性体コアの使用環境温度を推定するようにした直流電流検出装置。
  4. 演算処理部は、推定した磁性体コアの使用環境温度に基づいて、演算した電流値を補正するようにした、請求項1〜3のいずれか1項に記載の直流電流検出装置。
  5. 推定した使用環境温度に基づいて、励磁磁界の大きさ又は周波数を制御する励磁磁界制御部をさらに備えた、請求項1〜4のいずれかに記載の直流電流検出装置。
  6. 演算処理部は、推定した使用環境温度に基づいて、フィルタ部の通過帯域の中心周波数を制御し、フィルタ部の利得を変更するようにした、請求項1〜4のいずれかに記載の直流電流検出装置。
  7. 閉磁路を形成する環状の磁性体コア、及び該磁性体コアに巻回された励磁検出巻線を有し、被測定電流線が磁性体コアを貫通しているフラックスゲート電流センサと、
    励磁検出巻線を通電して励磁磁界を発生させる交流励磁部と、
    励磁検出巻線の出力電圧波形から、励磁磁界の第2高調波成分のみを抽出するフィルタ部と、
    フィルタ部の出力に基づいて、被測定電流線を流れる電流値を演算する演算処理部と、
    検出巻線の出力電圧波形を積分処理する積分処理部とを備え、
    演算処理部は、積分処理の結果及び該磁性体コアの磁気特性の温度依存性から、磁性体コアの使用環境温度を推定するようにした直流電流検出装置。
  8. 閉磁路を形成する環状の磁性体コア、及び該磁性体コアに巻回された励磁検出巻線を有し、被測定電流線が磁性体コアを貫通しているフラックスゲート電流センサと、
    励磁検出巻線を通電して励磁磁界を発生させる交流励磁部と、
    励磁検出巻線の出力電圧波形から、励磁磁界の第2高調波成分のみを抽出するフィルタ部と、
    フィルタ部の出力に基づいて、被測定電流線を流れる電流値を演算する演算処理部と、
    検出巻線の出力電圧波形から、励磁磁界と同一の周波数成分を抽出する基本波成分抽出処理部とを備え、
    演算処理部は、基本波成分抽出処理の結果及び該磁性体コアの磁気特性の温度依存性から、磁性体コアの使用環境温度を推定するようにした直流電流検出装置。
  9. 基本波成分抽出処理部は、検出巻線の出力電圧波形から、励磁磁界と同一の周波数成分の振幅のみを抽出する、請求項2又は8に記載の直流電流検出装置。
  10. 閉磁路を形成する環状の磁性体コア、及び該磁性体コアに巻回された励磁検出巻線を有し、被測定電流線が磁性体コアを貫通しているフラックスゲート電流センサと、
    励磁検出巻線を通電して励磁磁界を発生させる交流励磁部と、
    励磁検出巻線の出力電圧波形から、励磁磁界の第2高調波成分のみを抽出するフィルタ部と、
    フィルタ部の出力に基づいて、被測定電流線を流れる電流値を演算する演算処理部と、
    検出巻線の出力電圧波形から、出力電圧のピーク値、実効値及び平均値から成る群から選択される特徴値を抽出する特徴値抽出処理部とを備え、
    演算処理部は、特徴値抽出処理の結果及び該磁性体コアの磁気特性の温度依存性から、磁性体コアの使用環境温度を推定するようにした直流電流検出装置。
  11. 励磁巻線及び検出巻線は、励磁検出巻線として共通化され、
    励磁検出巻線は、励磁巻線及び検出巻線として機能する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の直流電流検出装置。
JP2012176093A 2011-08-25 2012-08-08 直流電流検出装置 Active JP5943768B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012176093A JP5943768B2 (ja) 2011-08-25 2012-08-08 直流電流検出装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011183217 2011-08-25
JP2011183217 2011-08-25
JP2012176093A JP5943768B2 (ja) 2011-08-25 2012-08-08 直流電流検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013061322A true JP2013061322A (ja) 2013-04-04
JP5943768B2 JP5943768B2 (ja) 2016-07-05

Family

ID=48186095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012176093A Active JP5943768B2 (ja) 2011-08-25 2012-08-08 直流電流検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5943768B2 (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103280954A (zh) * 2013-06-04 2013-09-04 国家电网公司 用于方波变频电源的输出端强化装置
JP2014222637A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 三菱電機株式会社 電子ビーム加工機
JP2014235086A (ja) * 2013-06-03 2014-12-15 三菱電機株式会社 電流検出装置
JP2015174423A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 日本電子株式会社 三次元積層造形装置及び三次元積層造形方法
WO2016002216A1 (ja) * 2014-07-04 2016-01-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 電流検出装置および電流検出方法
JP2016125864A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 富士電機機器制御株式会社 電流検知装置
CN106018920A (zh) * 2016-05-25 2016-10-12 河北工业大学 一种单磁芯复杂波形电流传感器
CN106405189A (zh) * 2016-08-14 2017-02-15 河北工业大学 一种具有温度稳定性的电流传感器及其测量方法
JPWO2015194112A1 (ja) * 2014-06-18 2017-04-20 パナソニックIpマネジメント株式会社 電流検出装置
JP2017521675A (ja) * 2014-07-30 2017-08-03 レム・インテレクチュアル・プロパティ・エスエイLem Intellectual Property Sa フラックスゲート検出器を備えた電流変換器
JP2019138868A (ja) * 2018-02-15 2019-08-22 東北電力株式会社 太陽光発電設備用直流電流検知方法及びその直流電流検知装置並びに太陽光発電設備用直流遮断器
KR102039272B1 (ko) * 2018-08-23 2019-10-31 주식회사 에프램 직류 전원 전류 감지 회로
CN111579859A (zh) * 2020-05-18 2020-08-25 浙江巨磁智能技术有限公司 基于数字补偿技术的磁平衡传感器
JP2020197384A (ja) * 2019-05-30 2020-12-10 国立大学法人九州工業大学 電流計測装置、電流計測方法及びプログラム
CN112213546A (zh) * 2020-09-02 2021-01-12 国网内蒙古东部电力有限公司检修分公司 基于磁通门式电流-电压传感器的接地极微电流测量装置
KR20210109068A (ko) * 2020-02-26 2021-09-06 제이앤디전자(주) 직류 전류측정 방법 및 그 장치
JP7005824B1 (ja) * 2021-07-08 2022-01-24 三菱電機株式会社 漏電センサおよび電路保護システム

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5992532U (ja) * 1982-12-10 1984-06-23 東北金属工業株式会社 漏電検出器
JPH0449806U (ja) * 1990-09-03 1992-04-27
JPH07128373A (ja) * 1993-11-02 1995-05-19 Sumitomo Special Metals Co Ltd 直流電流センサー
JP2000162244A (ja) * 1998-11-27 2000-06-16 Sumitomo Special Metals Co Ltd 直流電流センサ
JP2003090851A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Mitsubishi Electric Corp 電流検出システム
JP2003262655A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Fuji Electric Co Ltd 直流漏電検出装置
JP2004108776A (ja) * 2002-09-13 2004-04-08 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 巻線型磁気センサ
US20040095125A1 (en) * 2000-12-07 2004-05-20 Jones Lawrence Anthony Current sensors
US6984979B1 (en) * 2003-02-01 2006-01-10 Edel Thomas G Measurement and control of magnetomotive force in current transformers and other magnetic bodies
JP2009092381A (ja) * 2007-10-03 2009-04-30 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 地磁気センサ装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5992532U (ja) * 1982-12-10 1984-06-23 東北金属工業株式会社 漏電検出器
JPH0449806U (ja) * 1990-09-03 1992-04-27
JPH07128373A (ja) * 1993-11-02 1995-05-19 Sumitomo Special Metals Co Ltd 直流電流センサー
JP2000162244A (ja) * 1998-11-27 2000-06-16 Sumitomo Special Metals Co Ltd 直流電流センサ
US20040095125A1 (en) * 2000-12-07 2004-05-20 Jones Lawrence Anthony Current sensors
JP2003090851A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Mitsubishi Electric Corp 電流検出システム
JP2003262655A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Fuji Electric Co Ltd 直流漏電検出装置
JP2004108776A (ja) * 2002-09-13 2004-04-08 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd 巻線型磁気センサ
US6984979B1 (en) * 2003-02-01 2006-01-10 Edel Thomas G Measurement and control of magnetomotive force in current transformers and other magnetic bodies
JP2009092381A (ja) * 2007-10-03 2009-04-30 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 地磁気センサ装置

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014222637A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 三菱電機株式会社 電子ビーム加工機
JP2014235086A (ja) * 2013-06-03 2014-12-15 三菱電機株式会社 電流検出装置
CN103280954A (zh) * 2013-06-04 2013-09-04 国家电网公司 用于方波变频电源的输出端强化装置
JP2015174423A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 日本電子株式会社 三次元積層造形装置及び三次元積層造形方法
JPWO2015194112A1 (ja) * 2014-06-18 2017-04-20 パナソニックIpマネジメント株式会社 電流検出装置
WO2016002216A1 (ja) * 2014-07-04 2016-01-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 電流検出装置および電流検出方法
JP2017521675A (ja) * 2014-07-30 2017-08-03 レム・インテレクチュアル・プロパティ・エスエイLem Intellectual Property Sa フラックスゲート検出器を備えた電流変換器
JP2016125864A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 富士電機機器制御株式会社 電流検知装置
CN106018920A (zh) * 2016-05-25 2016-10-12 河北工业大学 一种单磁芯复杂波形电流传感器
CN106405189A (zh) * 2016-08-14 2017-02-15 河北工业大学 一种具有温度稳定性的电流传感器及其测量方法
JP2019138868A (ja) * 2018-02-15 2019-08-22 東北電力株式会社 太陽光発電設備用直流電流検知方法及びその直流電流検知装置並びに太陽光発電設備用直流遮断器
KR102039272B1 (ko) * 2018-08-23 2019-10-31 주식회사 에프램 직류 전원 전류 감지 회로
JP2020197384A (ja) * 2019-05-30 2020-12-10 国立大学法人九州工業大学 電流計測装置、電流計測方法及びプログラム
JP7299606B2 (ja) 2019-05-30 2023-06-28 国立大学法人九州工業大学 電流計測装置、電流計測方法及びプログラム
KR20210109068A (ko) * 2020-02-26 2021-09-06 제이앤디전자(주) 직류 전류측정 방법 및 그 장치
KR102298349B1 (ko) * 2020-02-26 2021-09-07 제이앤디전자(주) 직류 전류측정 방법 및 그 장치
CN111579859A (zh) * 2020-05-18 2020-08-25 浙江巨磁智能技术有限公司 基于数字补偿技术的磁平衡传感器
CN112213546A (zh) * 2020-09-02 2021-01-12 国网内蒙古东部电力有限公司检修分公司 基于磁通门式电流-电压传感器的接地极微电流测量装置
JP7005824B1 (ja) * 2021-07-08 2022-01-24 三菱電機株式会社 漏電センサおよび電路保護システム
WO2023281696A1 (ja) * 2021-07-08 2023-01-12 三菱電機株式会社 漏電センサおよび電路保護システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP5943768B2 (ja) 2016-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5943768B2 (ja) 直流電流検出装置
JP6188430B2 (ja) 電流検出装置
EP2787363B1 (en) Geomagnetic sensor
US8952686B2 (en) High current range magnetoresistive-based current sensor
EP2749891A1 (en) Current sensor
EP2871485B1 (en) Current detection device
JP4515905B2 (ja) 磁気ブリッジ型電流センサー及び磁気ブリッジ型電流検出方法、並びに、前記センサーと検出方法に用いる磁気ブリッジ
Ducharne et al. Characterization and modeling of magnetic domain wall dynamics using reconstituted hysteresis loops from Barkhausen noise
EP2924450A1 (en) Current detecting device
TW201243370A (en) Apparatus and method for measuring magnetic fields
CN109556647A (zh) 一种隧道磁阻效应传感器的低频噪声抑制装置及方法
Zhao et al. Feedback-type giant magneto-impedance sensor based on longitudinal excitation
JP2008532012A (ja) 環状コイル(magnetictoroid)を備える電流センサ
Patel et al. A new adaptive automated feedback system for Barkhausen signal measurement
JP2007033222A (ja) 電流センサ
JP2000055998A (ja) 磁気センサ装置および電流センサ装置
JP3962784B2 (ja) 電流プローブ
JP2008107119A (ja) 電流センサ
JP2013096848A (ja) 電流センサ
EP3671876A1 (en) Method and inductive device
JP2000266786A (ja) 電流センサ
Pross et al. A low cost analogue current transducer
EP4350377A1 (en) Magnetism measuring device
JP2008101914A (ja) 電流センサおよび電子式電力量計
Park et al. Openable-core AC and DC leakage-current detector

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150814

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5943768

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250