JP2013060743A - 床構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】木材を用いた床下地材を張った後に、支持脚の高さレベルの調整ができ、製造コスト及び施工工程の増加を抑制し、美観もよく、かつ安全性を確保した床構造を提供する。
【解決手段】基礎面2上に配設される複数の床支持ユニット10と、複数の床支持ユニット10により基礎面2に対して所定の高さレベルに支持される床下地材20と、床下地材20上に敷設される床仕上材30とを備える床構造である。床支持ユニット10は、回転工具40による回転によって基礎面2に対する床下地材10の高さレベルを変化させる支持ボルト13を有する。床支持ユニット20を跨ぐように隣接して設置された床下地材30,30間の継ぎ目寸法Dは、支持ボルト13の径dよりも小さく、かつ支持ボルト13を回転する回転工具40の径dよりも大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、床構造に関し、特に、二重床構造に関する。
基礎面上に立設された支持脚群によって床下地材を所定の高さレベルに支持して二重床の床下地を形成し、その上に捨張材を介して床仕上材を敷設した床構造は、乾式二重床構造と呼ばれ、集合住宅や体育施設等に多く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−85453号公報
しかしながら、特許文献1に開示された住宅用途の床構造をオフィス用途として転用する場合、捨張材の使用が施工工程の増加及びコスト増を招くことがあり、オフィス用途の床構造として適さない場合がある。これは、オフィス用途の床構造は、基礎面と床下地材との間の空間を各種電子機器の配線等の設置に用いることがあるため、前記配線の構成変更作業等の際に、その都度捨張り材を外す必要が生じ、前記作業が煩雑になるためである。
そこで、金属製又はコンクリート製の床下地材を用いることで捨張材が不要な床構造を提供することができる。この金属製又はコンクリート製の床下地材を用いた床構造は、捨張材を用いなくても、床下地材間の継ぎ目(以下、目地ということがある。)をほぼなくすことができるという利点があるからである。また、金属製又はコンクリート製の床下地材は、軽量化及び施工時の加工容易性においても利点がある。
しかし、近年では、自然環境への配慮から、製造過程におけるCO発生量が少ないという理由で、住宅用途の床構造と同様に、オフィス用途の床構造にも床下地材に木材を用いることが推奨されてきている。特に、オフィスをはじめとした多くの人が集まる公共の空間では、環境や人の健康への十分な配慮と、高い機能性、安全性、及び快適性が求められることからも、床下地材に木材を用いることが推奨されてきている。これに則して目地に隙間ができないように床下地材を配設すると、木材は温度や湿度などの環境変化による寸法変化が金属やコンクリートに比べて著しいため、膨張した床下地材同士が押し合い、目地部分で隆起したり、目地の幅が大きくなることがある。その結果、歩行者が目地部分で躓きやすくなったり、ハイヒールのかかと部分が目地に嵌って歩行者の歩行に危険を及ぼす可能性がある。また、目地にある程度以上の隙間ができると、その隙間に応じて、床下地材上に敷設された床仕上材にも隙間や、目地に埋没した凹みが生じるため、美観もよくなかった。さらに、目地に隙間ができないように床下地材を配設すると、床下地材を張った後に支持脚の高さレベルの調整ができないため、支持脚の高さレベルの調整をするための切欠部を床下地材に設ける必要があり、これも製造コストの増加を招いていた。
そこで、基礎面上に立設された支持脚群上に設置する床下地材に木材を用い、複数の床下地材を張った後に支持脚の高さレベルの調整ができ、切欠部の形成や床下地材に金属・コンクリートを用いることによるコスト上昇を避けながらも、安全性を確保した床構造が求められてきた。
本発明は上記した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、木材を用いた床下地材を張った後に、支持脚の高さレベルの調整ができ、製造コスト及び施工工程の増加を抑制し、美観もよく、かつ安全性を確保した床構造を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の請求項1に記載の床構造は、基礎面上に配設される複数の床支持ユニットと、該複数の床支持ユニットにより前記基礎面に対して所定の高さレベルに支持される床下地材と、該床下地材上に敷設される床仕上材とを備えてなる床構造であって、
前記床支持ユニットは、回転工具による回転によって前記基礎面に対する前記床下地材の高さレベルを変化させる支持ボルトを有し、
前記床支持ユニットを跨ぐように隣接して設置された前記床下地材間の継ぎ目寸法が、前記支持ボルトの径よりも小さく、かつ前記支持ボルトを回転する前記回転工具の径よりも大きいことを特徴としている。
また、請求項2に記載の床構造は、請求項1に記載の床構造において、床下地材が木材又は木質材料よりなることを特徴としている。
また、請求項3に記載の床構造は、請求項1に記載の床構造において、前記床支持ユニットは、前記基礎面上に配設される接床基台と、該接床基台に立設される支持脚と、該支持脚に支持されると共に前記床下地材を支持する支持板とを備え、
前記支持脚が、前記支持板に固定されたレベル調整用ナットと、該レベル調整用ナットに対して摺動可能に設けられ、前記接床基台に回動可能に保持された前記支持ボルトとを有することを特徴としている。
また、請求項4に記載の床構造は、請求項1に記載の床構造において、前記床支持ユニットを跨ぐように隣接して設置された前記複数の床下地材間の継ぎ目寸法が前記床下地材の長さ方向及び幅方向の少なくともいずれかにおいて一定であることを特徴としている。
本発明によれば、床下地材間の継ぎ目寸法を、前記支持ボルトの径よりも小さく、かつ前記支持ボルトを回転する前記回転工具の径よりも大きくしたので、木材を用いた床下地材を張った後に、支持脚の高さレベルの調整ができ、製造コスト及び施工工程の増加を抑制し、美観もよく、かつ安全性を確保した床構造を提供することができる。
本発明に係る床構造の一実施形態における構成を示す斜視図である。 図1に示す床構造に備えられる床支持ユニットの側面断面図である。 図2に示す床支持ユニットを用いて敷設された床下地材の配置形態の一例を示す概略部分の平面図である。
以下、本発明に係る床構造の一実施形態について図面を参照して説明する。
(床構造の構成)
図1は、本発明に係る床構造の一実施形態における構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す床構造に備えられる床支持ユニットの側面断面図である。図3は、図2に示す床支持ユニットを用いて敷設された床下地材の配置形態の一例を示す概略部分の平面図である。
図1に示すように、床構造1は、オフィスや商業施設等の各種建物において設置され、コンクリートスラブ等の基礎面2の床面上に配設される複数の床支持ユニット10と、床支持ユニット10に支持される床下地材20と、床下地材20上に直接敷設される床仕上材30とを備えてなる。
<床支持ユニット>
各床支持ユニット10は、図1及び図2に示すように、基礎面2上に配設される接床基台11と、接床基台11に立設される支持脚12と、支持脚12に支持される支持板15とを備えてなる。
[接床基台]
接床基台11は、図2に示すように、略円筒状に形成されている。接床基台11の材質は、後述するように、支持ボルト13の回動を妨げることなく支持ボルト13を保持しうるものであれば、目的に応じて適宜選択されるが、ゴム等の弾性材料が好ましい。
接床基台11の上部には、内側に折曲した複数(例えば4個)の押え部11aが突設される。この押え部11aは、該押え部11aの内側に支持ボルト13の鍔部13a(後述)を受ける凹部11bを有する。
なお、接床基台11は、基礎面2上において、所定間隔で接着等により基礎面2に接床基台11の下面が固定されて設置される。
[支持脚]
支持脚12は、図2に示すように、接床基台11に回動自在に立設された支持ボルト13と、支持ボルト13の上端部が螺合されるレベル調整用ナット14とを備えてなる。
支持ボルト13は、図2に示すように、比較的短い中空パイプから形成されている。支持ボルト13の下端部には、側方に突出する環状の突出部(鍔部)13aが座屈成形されている。支持ボルト13の外周面の上端部には、上端から所定長さだけ雄ネジ部13bが形成されている。支持ボルト13の上端面13cには、ドライバー、電動ドライバー等の回転工具40の先端を係合させる溝状の係合部13dが形成されている。
そして、支持ボルト13の下端部が座屈成形されて先端に形成された鍔部13aを接床基台11の凹部11bに挿入、配座させることにより、支持ボルト13が接床基台11に回動自在に立設されると共に、押え部11aにより支持ボルト13の接床基台11からの抜けが防止される。
レベル調整用ナット14は、図2に示すように、支持ボルト13と螺合する比較的短い中空パイプから形成されている。レベル調整用ナット14の内周面の下端部には、支持ボルト13の雄ネジ部13bに螺合する雌ネジ部14aが前記下端部から所定長さだけ形成されている。また、レベル調整用ナット14の外周面の上下方向略中央部には、環状の支持部14bが突設されている。
そして、支持脚12は、レベル調整用ナット14の雌ネジ部14aに支持ボルト13の雄ネジ部13bの上端部を螺合することによって、支持脚12の全長(支持ボルト13の下端部からレベル調整用ナット14の上端部までの長さ)が可変となるように構成される。
[支持板]
支持板15は、木材又は木質材料を略方形の平板状に形成したものである。ここで、前記木質材料とは、微細化又は薄板状にした木材を、接着剤等を用いて再構成した複合材料である。すなわち、主原料として木材を使用しているが、これを天然のまま用いるのではなく、種々の処理を施して新しく製造した木質系材料又は木質資源材料を意味するものである。木質材料としては、例えば、パーティクルボード、積層合板、木質繊維板等が挙げられる。ここで、前記合板とは、木材の単板を接着剤等で貼り合わせたものである。また、前記木質繊維板とは、チップ状の木片を高温で煮詰めて解繊し、その繊維をからみ合わせ抄造させ、乾燥させて板状にしたものである。
そして、図2に示すように、支持板15の上下方向から見た略中央部には、レベル調整用ナット14の上部が嵌合される挿入孔15aが設けられている。
また、図2に示すように、支持脚12と支持板15とは、支持板15の挿入孔15aに支持脚12のレベル調整用ナット14の上端部を嵌合し、支持板15の下面をレベル調整用ナット14の支持部14bにより支持することにより組み合わされる。
そして、上記のようにして構成された床支持ユニット10は、支持ボルト13の上端面に形成された係合部13dにドライバー等の回転工具40の先端部を嵌め込み、支持ボルト13が回転工具40によって回転されることにより、レベル調整用ナット14に支持されている支持板15が上下方向に移動される。これにより、支持板15により支持された床下地材20の基礎面2に対する高さレベルを調整することが可能となっている。
<床下地材>
床下地材20としては、木材又は木質材料が用いられる。木質材料としては、例えば、パーティクルボード、ハードボード、高密度繊維板、合板等が挙げられる。そして、床下地材20は、図2に示すように、床支持ユニット10の支持板15の上面に接着剤、釘等により固定され、基礎面2に対して所定の高さレベルで支持される。
<床仕上材>
床仕上材30としては、合成樹脂製クッションシート、絨毯、カーペット、タイルカーペット等を用いることが可能である。図1に示した床仕上材30は、タイルカーペットの例である。
(設置形態例)
次に、床構造1の設置形態例を説明する。
<床支持ユニットの設置>
床構造1の設置においては、まず、複数の床支持ユニット10を、基礎面2上に、床下地材20の形状に対応した所定のピッチで設置する。例えば、図3に示すように、床下地材20の寸法を、長さ1820mm×幅450mmとした場合、幅方向に隣接する床下地材20,20を支え、床下地材20の長さ方向に5つの床支持ユニット10が配設される。これら5つの床支持ユニット10のうち、最も外側の2つは、長さ方向に隣接する床下地材20も兼ねて支持するように配設される。これら床下地材20の長さ方向に配設される床支持ユニット10の間隔は、例えば、457mmである。
<床下地材の設置>
そして、床下地材20を、各床支持ユニット10の支持板15上に、各支持板15により床下地材20の縁部を支持させた状態で設置する。この場合において、床下地材20は、各支持ボルト13の係合部13dが床下地材20の縁部から露出するように所定の間隙(継ぎ目寸法D)を開けて設置される。このとき、隣接する床下地材20,20の継ぎ目寸法Dは、床下地材20,20の長さ方向及び幅方向の少なくともいずれかにおいて一定であることが好ましい。この「一定」とは、床下地材20,20の長さ方向及び幅方向の少なくともいずれかにおける最小間隔がdよりも大きく、床下地材20,20の長さ方向及び幅方向の少なくともいずれかにおける最大間隔がdよりも小さいと定義される。各床支持ユニット10の支持板15と床下地材20との固定は、粘着シート50等を用いて行われる。なお、床下地材4の配置形態は、図3に示すように平行に配列してもよいし、千鳥状に配列してもよい。
<床下地材の高さレベル調整>
そして、各床支持ユニット10の支持板15の上方から回転工具40を挿入し、係合部13dを介して支持ボルト12aを回転させて、支持板15により支持された複数の床下地材20,20の高さレベルを調整する。
このような作業を床下地材20ごと繰り返し、床下地材20を基礎面2上において一様に敷設するとともに、床下地材20の基礎面2に対する高さレベルを所定の高さとなるように調整する。
[床下地材間の寸法]
床支持ユニット10を跨ぐように隣接して設置された床下地材20,20間の継ぎ目寸法Dは、支持ボルト13の径dよりも小さく、かつ支持ボルト13を回転させる回転工具40の径dよりも大きい。すなわち、床下地材20,20間の継ぎ目寸法Dは、少なくとも床下地材20,20間に回転工具40が入って支持ボルト13を回転可能な余地があり、かつ床下地材20,20間に支持ボルト13が入らない寸法に設定される。床下地材20,20間の継ぎ目寸法Dの具体的な寸法としては、例えば、7mm〜9mmである。なお、床下地材を張った後に支持ボルトの高さレベル調整ができる従来の床構造における床下地材間の継ぎ目寸法は、一般的に、12mm〜15mmである。
ここで、床下地材20,20間の継ぎ目寸法Dを支持ボルト13の径dよりも小さくしたことで、支持ボルト13を回転工具40で回転させて支持脚12の全長を短くしたい場合に、支持ボルト13の上端部が床下地材20,20に当たり、ある程度以上に床下地材20のレベル高さを低くすることができなくなることがある。そのような場合は、全長が短い支持ボルト13に交換してその支持ボルト13を回転工具40で回転させて床下地材20のレベル高さを調整する。
このような継ぎ目寸法Dで隣接する床下地材20,20を設置することにより、「床仕上材が目地に埋没しない」、「床仕上材の下にベニヤなどの捨張材を敷く必要がなく、工程が短縮される」、「ハイヒールのかかと部分が目地に嵌らない」、「床下地材を張った後に支持ボルトの高さレベル調整ができる」、「切欠部の形成等による製造コストの増加を抑制できる」といった効果を奏する。そして、その結果として、木材を用いた床下地材を張った後に、支持脚の高さレベルの調整ができ、製造コスト及び施工工程の増加を抑制し、美観もよく、かつ安全性を確保した床構造を提供することができる。
<床仕上材の設置>
そして、床下地材20の上に床仕上材30を一様に敷設して、床構造1の設置を完了する。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。例えば、本実施形態では、支持脚12を構成する支持ボルト13とレベル調整用ナット14とは中空構造をなしているが、本発明の目的に応じて、中空ではない構造の支持ボルト13又はレベル調整用ナット14を用いてもよい。
1 床構造
2 基礎面
10 床支持ユニット
12 支持脚
13 支持ボルト
14 レベル調整用ナット
15 支持板
20 床下地材
30 床仕上材

Claims (4)

  1. 基礎面上に配設される複数の床支持ユニットと、該複数の床支持ユニットにより前記基礎面に対して所定の高さレベルに支持される複数の床下地材と、該複数の床下地材上に敷設される複数の床仕上材とを備えてなる床構造であって、
    前記床支持ユニットは、回転工具による回転によって前記基礎面に対する前記床下地材の高さレベルを変化させる支持ボルトを有し、
    前記床支持ユニットを跨ぐように隣接して設置された前記複数の床下地材間の継ぎ目寸法が、前記支持ボルトの径よりも小さく、かつ前記回転ボルトを回転させる前記工具の径よりも大きいことを特徴とする床構造。
  2. 前記床下地材が木材又は木質材料よりなることを特徴とする請求項1に記載の床構造。
  3. 前記床支持ユニットは、前記基礎面上に配設される接床基台と、該接床基台に立設される支持脚と、該支持脚に支持されると共に前記床下地材を支持する支持板とを備え、
    前記支持脚が、前記支持板に固定されたレベル調整用ナットと、該レベル調整用ナットに対して摺動可能に設けられ、前記接床基台に回動可能に保持された前記支持ボルトとを有することを特徴とする請求項1に記載の床構造。
  4. 前記床支持ユニットを跨ぐように隣接して設置された前記複数の床下地材間の継ぎ目寸法が前記床下地材の長さ方向及び幅方向の少なくともいずれかにおいて一定であることを特徴とする請求項1に記載の床構造。
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