JP2013057701A - 電気光学装置,電子機器および電気光学装置の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動トランジスターのゲートの電位の変動を抑制する。
【解決手段】各画素回路は、電極e1および電極e2を含む容量素子Cと、電極e2に接続されたゲートの電位VGに応じた駆動電流IDRを生成する駆動トランジスターTDRと、駆動電流の供給で発光する発光素子Eと、選択トランジスターQSLとを含む。駆動回路は、選択トランジスターQSLをオン状態とする期間の一部又は全部において、指定階調に応じた階調電位を信号線14から第1電極e1に供給し、第1電極e1に第1基準電位VST1を供給した状態で、選択トランジスターQSLをオン状態からオフ状態に遷移させる。
【選択図】図8
【解決手段】各画素回路は、電極e1および電極e2を含む容量素子Cと、電極e2に接続されたゲートの電位VGに応じた駆動電流IDRを生成する駆動トランジスターTDRと、駆動電流の供給で発光する発光素子Eと、選択トランジスターQSLとを含む。駆動回路は、選択トランジスターQSLをオン状態とする期間の一部又は全部において、指定階調に応じた階調電位を信号線14から第1電極e1に供給し、第1電極e1に第1基準電位VST1を供給した状態で、選択トランジスターQSLをオン状態からオフ状態に遷移させる。
【選択図】図8
Description
本発明は、有機EL(Electroluminescence)素子などの発光素子を駆動する技術に関する。
発光素子に供給される駆動電流をトランジスター(以下「駆動トランジスター」という)で制御する電気光学装置においては、駆動トランジスターの電気的な特性の誤差(設計値からの相違や素子間のばらつき)が問題となる。特許文献1には、駆動トランジスターの閾値電圧の誤差を補償するための技術が開示されている。
図15に特許文献1の画素回路を示す。この画素回路Pでは、駆動トランジスターTdrがトランジスターTR3を介してダイオード接続されることで駆動トランジスターTdrのゲートの電位が閾値電圧VTHに応じた電位(Vel−VTH)に設定される。そして、駆動トランジスターTdrのダイオード接続が解除され、走査信号GWRTがアクティブになると、駆動トランジスターTdrのゲートに表示すべき階調に応じた電位が書き込まれる。ここで、駆動トランジスターTdrのゲートの電位は、走査信号GWRTがアクティブから非アクティブに変化し、選択トランジスターTR1がオンからオフに変化するタイミングで確定する。
ところで、選択トランジスターTR1のゲートとノードZ1との間には、寄生容量が存在する。このため、選択トランジスターTR1がオンからオフに変化する際に、走査線の電位変動が寄生容量を介してノードZ1に伝わり、駆動トランジスターTdrのゲート電位が変動するフィールドスルーと呼ばれる現象が生ずる。各画素回路における寄生容量の大きさは、選択トランジスターTR1の製造プロセスによってばらつく。したがって、フィールドスルーによる駆動トランジスターTdrのゲート電位の変化も各画素回路でばらつくことになる。この結果、従来の技術には、画面全体に輝度むらが発生するといった問題があった。
この問題を解決するために、キャパシターC1〜C3の容量値を大きくすることも考えられるが、高精細な画面を表示するため、画素回路のピッチを狭くすると、コンデンサC1〜C3の面積を確保することが困難になる。また、コンデンサC1〜C3を画素回路内に配置できたとしても、コンデンサC1〜C3においてショートが発生し易くなり、歩留りが低下する懸念がある。
本発明は上述した事情に鑑みたものであり、画素回路の内部のコンデンサの容量値を大きくせずに、フィードスルーに起因する輝度ムラを抑制することなどを解決課題とする。
本発明は上述した事情に鑑みたものであり、画素回路の内部のコンデンサの容量値を大きくせずに、フィードスルーに起因する輝度ムラを抑制することなどを解決課題とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置の駆動方法は、第1電極および第2電極を含む容量素子と、前記第2電極に接続されたゲートの電位に応じた駆動電流を生成する駆動トランジスターと、信号線と前記第1電極との間に介在し走査線にゲートが接続される選択トランジスターと、前記駆動電流の供給で発光する発光素子とを含む画素回路を具備する電気光学装置を駆動する方法であって、前記選択トランジスターをオン状態とする期間の一部又は全部において、指定階調に応じた階調電位を前記信号線から前記第1電極に供給し、前記第1電極に第1電位を供給した状態で、前記選択トランジスターをオン状態からオフ状態に遷移させるように前記走査線に走査信号を供給することを特徴とする。
この発明によれば、選択トランジスターがオン状態からオフ状態に遷移するタイミングで第1電極には第1電位が供給されている。選択トランジスターのゲートと第1電極とは寄生容量を介してカップリングしているが、選択トランジスターのゲート電位が変化しても第1電極には第1電位が供給されているので、選択トランジスターのフィードスルーに起因する第1電極の電位の変動が抑制される。
上述した電気光学装置の駆動方法において、前記階調電位を前記信号線から前記第1電極に供給する書込期間において、前記駆動トランジスターをダイオード接続することが好ましい。この発明によれば、駆動トランジスターをダイオード接続することによって、駆動トランジスターの閾値電圧を補正することができる。よって、製造プロセスで駆動トランジスターの閾値電圧がばらついても正確な階調表示が可能となる。
上述した電気光学装置の駆動方法において、前記駆動トランジスターをダイオード接続する補償期間中に前記書込期間があり、前記補償期間より前の初期化期間において、前記選択トランジスターをオフ状態とし、前記第1電極に前記第1電位を供給するとともに前記第2電極に第2電位を供給することが好ましい。この発明によれば、階調電位を書き込む前に、容量素子に印加される電圧を一定にできるので、直前に書き込まれた階調電位の影響を受けることなく、正確な階調電位を書き込むことが可能となる。
上述した電気光学装置の駆動方法において、前記階調電位を信号線から前記第1電極に供給する書込期間において、第2電位を前記駆動トランジスターのゲートに供給することが好ましい。この発明によれば、書込期間では駆動トランジスターのゲートに第2電位が供給されるので、第1電極に階調電位が供給されても容量素子を介してカップリングしている駆動トランジスターのゲートの電位が変動するのを抑制できる。
上述した電気光学装置の駆動方法において、前記電気光学装置は、複数の前記画素回路を具備し、前記書込期間において、前記各画素回路に対応する複数の信号線の各々に時分割で階調電位を供給するとともに、前記第2電位が供給される第2給電線を前記複数の画素回路の各々における駆動トランジスターのゲートに電気的に接続し、前記書込期間が終了した後の補償期間において、前記第2給電線と前記複数の画素回路の各々における駆動トランジスターのゲートとを電気的に開放するとともに、前記複数の画素回路の各々における駆動トランジスターをダイオード接続する、ことが好ましい。この発明によれば、書込期間においては、時分割で複数の画素回路に階調電位を書き込み、その後の補償期間において、駆動トランジスターをダイオード接続するので、駆動トランジスターの閾値電圧を補正することができる。さらに、階調電位を書き込みによって駆動トランジスターのゲート電位が変動することもないので、正確に閾値電圧を補正することが可能となる。
次に、本発明に係る電気光学装置は、画素回路と駆動回路とを備え、前記画素回路は、
第1電極および第2電極を含む容量素子と、前記第2電極に接続されたゲートの電位に応じた駆動電流を生成する駆動トランジスターと、前記駆動電流の供給で発光する発光素子と、信号線と前記第1電極との間に介在し走査線にゲートが接続される選択トランジスターと、第1電位が供給される第1給電線と前記第1電極との間に介在し、オン状態とオフ状態との一方に制御される第1スイッチとを含み、前記駆動回路は、前記選択トランジスターをオン状態とする期間の一部又は全部において、指定階調に応じた階調電位を前記信号線から前記第1電極に供給し、前記第1スイッチをオフ状態とし、前記第1スイッチをオン状態とし前記第1電極に第1電位を供給した状態で、前記選択トランジスターをオン状態からオフ状態に遷移させるように前記走査線に走査信号を供給する、ことを特徴とする。
第1電極および第2電極を含む容量素子と、前記第2電極に接続されたゲートの電位に応じた駆動電流を生成する駆動トランジスターと、前記駆動電流の供給で発光する発光素子と、信号線と前記第1電極との間に介在し走査線にゲートが接続される選択トランジスターと、第1電位が供給される第1給電線と前記第1電極との間に介在し、オン状態とオフ状態との一方に制御される第1スイッチとを含み、前記駆動回路は、前記選択トランジスターをオン状態とする期間の一部又は全部において、指定階調に応じた階調電位を前記信号線から前記第1電極に供給し、前記第1スイッチをオフ状態とし、前記第1スイッチをオン状態とし前記第1電極に第1電位を供給した状態で、前記選択トランジスターをオン状態からオフ状態に遷移させるように前記走査線に走査信号を供給する、ことを特徴とする。
この発明によれば、選択トランジスターのゲートと第1電極とは寄生容量を介してカップリングしているが、選択トランジスターのゲート電位が変化しても第1電極には第1電位が供給されているので、第1電極の電位の変動を抑制される。これにより、容量素子を介して選択トランジスターのゲート電位が変動することを抑制し、正確な階調を表示することが可能となる。
次に、本発明に係る電子機器は、上述した電子機器を備えることを特徴とする。本発明の電子機器の典型例は、電気光学装置を表示装置として利用した機器(例えば、パーソナルコンピュータや携帯電話機)である。もっとも、本発明に係る電気光学装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光線の照射によって感光体ドラムなどの像担持体に潜像を形成する構成の画像形成装置(印刷装置)においては、像担持体を露光する手段(いわゆる露光ヘッド)として本発明の電気光学装置を採用することができる。
<1.第1実施形態>
<1−1:電気光学装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置100のブロック図である。電気光学装置100は、画像を表示する表示体として各種の電子機器に搭載される発光装置である。図1に示すように、電気光学装置100は、画素アレイ部10と駆動回路20と電源回路30とを具備する。画素アレイ部10は、平面状に配列された複数の画素回路Pを含んで構成される。駆動回路20は、各画素回路Pを駆動することで画素アレイ部10に画像を表示する。電源回路30は、駆動電位VEL、駆動電位VCT、第1基準電位VST1、および第2基準電位VST2を生成して各画素回路Pに供給する。駆動電位VCTは駆動電位VELを下回る電位である(VCT<VEL)。また、図3に示す駆動トランジスターTDRの閾値電圧をVTHとしたとき、VST1<VEL−VTHであり、VST2<VEL−VTHである。
<1−1:電気光学装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置100のブロック図である。電気光学装置100は、画像を表示する表示体として各種の電子機器に搭載される発光装置である。図1に示すように、電気光学装置100は、画素アレイ部10と駆動回路20と電源回路30とを具備する。画素アレイ部10は、平面状に配列された複数の画素回路Pを含んで構成される。駆動回路20は、各画素回路Pを駆動することで画素アレイ部10に画像を表示する。電源回路30は、駆動電位VEL、駆動電位VCT、第1基準電位VST1、および第2基準電位VST2を生成して各画素回路Pに供給する。駆動電位VCTは駆動電位VELを下回る電位である(VCT<VEL)。また、図3に示す駆動トランジスターTDRの閾値電圧をVTHとしたとき、VST1<VEL−VTHであり、VST2<VEL−VTHである。
図1に示すように、画素アレイ部10には、X方向に延在するM組の配線群12と、X方向に交差するY方向に延在するN本の信号線(信号線)14とが形成される(M,Nは自然数)。複数の画素回路Pは、各配線群12と各信号線14との交差に対応して縦M行×横N列の行列状に配列される。
駆動回路20は、走査線駆動回路22と信号線駆動回路24とを含んで構成される。信号線駆動回路24は、各画素回路Pに指定された階調値(指定階調)に応じた階調電位(データ信号)VX[1]〜VX[N]を生成して各信号線14に出力する。水平走査期間H[m]にて第n列の信号線14に供給される階調電位VX[n]は、第m行の第n列に位置する画素回路Pの指定階調に応じた電位に設定される。各画素回路Pの指定階調は、外部装置(図示略)から供給される画像信号で指示される。
図2は、信号線駆動回路24のブロック図である。図2に示すように、信号線駆動回路24は、分配回路52と信号出力回路54と制御回路56とを含んで構成される。信号線駆動回路24の実装の態様は任意であるが、例えば、信号出力回路54と制御回路56とを集積回路(ICチップ)の形態で実装し、各画素回路Pとともに形成された薄膜トランジスターで分配回路52を構成した態様が好適である。
分配回路52は、各信号線14に対応する3個のスイッチDを含んで構成される。N個のスイッチDは、3個のスイッチD[1]〜D[3]を単位としてJ個のブロックB[1]〜B[J]に区分される(J=N/3)。ブロックB[1]〜B[J]の区分の方法は任意であるが、例えば、表示色(例えば赤色,緑色,青色)が共通するM個の画素回路PをY方向に配列(ストライプ配列)した構成において、相異なる複数の表示色に対応する3列(例えば、赤色と緑色と青色との各表示色に対応する3列)に対応するように3個のスイッチDがブロックB[1]〜B[J]に区分される。
信号出力回路54は、J系統の階調信号S[1]〜S[J]を並列に出力する。階調信号S[j](j=1〜J)は、ブロックB[j]内の3個のスイッチD[1]〜D[3]に対して共通に供給される。ブロックB[j]内の3個のスイッチD[1]〜D[3]の各々は、対応する信号線14と階調信号S[j]の出力端との間に介在して両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御する。
制御回路56は、各ブロックB[k]内のスイッチD[1]〜D[3]に相当する3系統の選択信号SEL[1]〜SEL[3]を生成して出力する。選択信号SEL[1]〜SEL[3]は、ブロックB[1]〜B[J]の各々におけるスイッチD[1]〜D[3]のゲートに供給される。図4に示すように、制御回路56は、水平走査期間H[m]内の書込期間Twにて選択信号SEL[1]〜SEL[3]を順番にアクティブレベル(スイッチDをオン状態に制御するレベル)に設定する。したがって、ブロックB[j]内の3個のスイッチD[1]〜D[3]は、各水平走査期間H[m]内にて順番にオン状態に遷移する。
信号出力回路54が出力する階調信号S[j]は、選択信号SEL[1]〜SEL[3]に同期して、ブロックB[j]に対応する3個の画素回路Pの階調電位VX[n](以下では、ブロックB[j]内のK個のスイッチD[1]〜D[3]の表記に合わせて階調電位VX_1〜VX_3と表記する)に時分割で設定される。具体的には、水平走査期間H[m]の書込期間Twのうち選択信号SEL[k]がアクティブレベルに設定される期間内に、階調信号S[j]は、ブロックB[j]のスイッチD[1]〜D[3]に対応する信号線14と第m行の走査線121との交差に対応する画素回路Pの指定階調に応じた階調電位VX_1〜VX_3に設定される。したがって、ブロックB[j]に対応する3本の信号線14には、書込期間Tw内に階調電位VX_1〜VX_3が時分割で順次に供給される。すなわち、分配回路52は、1系統の階調信号S[j]を3系統の階調電位VX_1〜VX_3に分配するデマルチプレクサとして機能する。
図3は、各画素回路Pの回路図である。図3においては、第m行(m=1〜M)の第n列(n=1〜N)に位置する1個の画素回路Pが代表的に図示されている。図3に示すように、画素回路Pは、発光素子Eと、駆動トランジスターTDRと、容量素子C1およびC2と、選択トランジスターQSLと、複数のスイッチ(QEL,R1〜R3)とを含んで構成される。駆動トランジスターTDR、選択トランジスターQSLや各スイッチ(QEL,R1〜R3)の導電型は適宜に変更される。図1で1本の直線として図示された配線群12は、図3に示すように、走査線121と発光制御線123と制御線125と制御線127と制御線129とを含んで構成される。
発光素子Eは、電位線32と電位線34との間の電気的な経路上に接続され、駆動電流IDRの電流値に応じた輝度で発光する。例えば、有機EL材料の発光層を陽極と陰極との間に介在させた有機EL素子が発光素子Eとして好適に採用される。電位線32には電源回路30から駆動電位VELが供給され、電位線34には電源回路30から駆動電位VCTが供給される。発光素子Eの陰極は電位線34に接続される。
駆動トランジスターTDRは、発光素子Eの陽極と電位線32との間に電気的に接続され、自身のゲートの電位VGに応じた電流値の駆動電流IDRを供給する。駆動トランジスターTDRと発光素子Eとの間には発光制御スイッチQELが介在する。発光制御スイッチQELは、発光素子Eに対する駆動電流IDRの供給の可否を制御するトランジスターである。第m行の各画素回路Pにおける発光制御スイッチQELのゲートは第m行の発光制御線123に接続される。
容量素子C1は、電極e1と電極e2とを含んで構成される。電極e2は駆動トランジスターTDRのゲートに接続される。容量素子C2は、駆動トランジスターTDRのゲートと電位線32との間に介在する。選択トランジスターQSLは、電極e1と第n列の信号線14との間に介在して両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御する。スイッチR1は、電極e1と給電線36との間に介在して両者の電気的な接続を制御する。給電線36には電源回路30から第1基準電位VST1が供給される。第m行の各画素回路Pにおける選択トランジスターQSLのゲートは、第m行の走査線121に接続される。また、第m行の各画素回路PにおけるスイッチR1のゲートは、第m行の制御線129に接続される。
スイッチR2は、駆動トランジスターTDRのゲートとドレインとの間に介在して両者の電気的な接続を制御する。スイッチR2がオン状態に遷移すると駆動トランジスターTDRはダイオード接続され、スイッチR2がオフ状態に遷移するとダイオード接続は解除される。第m行の各画素回路PにおけるスイッチR2のゲートは、第m行の制御線125に接続される。
スイッチR3は、駆動トランジスターTDRのドレインとの間に介在して両者の電気的な接続を制御する。スイッチR3がオン状態に遷移すると、駆動トランジスターTDRのドレインに第2基準電位VST2が供給される。
次に、図1の走査線駆動回路22は、複数の画素回路Pを行単位で選択(走査)するための走査信号GW[1]〜GW[M]を生成して各走査線121に出力する。図4に示すように、第m行の走査線121に出力される走査信号GW[m]は、各垂直走査期間Fにおける第m番目の水平走査期間H[m]の一部にて電位VHH(走査線121の選択を意味する電位)に設定され、水平走査期間H[m]以外の期間にて電位VLL(走査線121の非選択を意味する電位)に設定される。また、走査線駆動回路22は、発光制御信号GEL[1]〜GEL[M]と制御信号GINI1[1]〜GINI1[M]と制御信号GINI2[1]〜GINI2[M]と制御信号GP[1]〜GP[M]を生成して出力する。図3に示すように、発光制御信号GEL[m]は第m行の発光制御線123に供給され、制御信号GINI2 [m]は第m行の制御線125に供給され、制御信号GP[m]は第m行の制御線127に供給され、制御信号GINI1 [m]は第m行の制御線129に供給される。各信号の具体的な波形については後述する。
<1−2:電気光学装置の動作>
以下に電気光学装置100の動作を説明する。図4に示すように、初期化動作と補償動作と階調設定動作と発光動作とが、走査線駆動回路22による選択に同期して行単位で順次に実行される。初期化動作は、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGを初期化する動作である。補償動作は、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGを当該駆動トランジスターTDRの閾値電圧VTHに応じた電位に漸近させる動作である。書込動作は、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGを階調電位VX[n]に応じた電位に設定する動作である。発光動作は、発光素子Eを実際に発光させる動作である。図4に示すように、初期化動作は初期化期間TRSにて実行され、補償動作は補償期間Thにて実行され、発光動作は発光期間TLにて実行され、書込動作は書込期間Twにて実行される。第m行の第n列に位置する画素回路Pに着目して各動作の具体的な内容を以下に説明する。
以下に電気光学装置100の動作を説明する。図4に示すように、初期化動作と補償動作と階調設定動作と発光動作とが、走査線駆動回路22による選択に同期して行単位で順次に実行される。初期化動作は、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGを初期化する動作である。補償動作は、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGを当該駆動トランジスターTDRの閾値電圧VTHに応じた電位に漸近させる動作である。書込動作は、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGを階調電位VX[n]に応じた電位に設定する動作である。発光動作は、発光素子Eを実際に発光させる動作である。図4に示すように、初期化動作は初期化期間TRSにて実行され、補償動作は補償期間Thにて実行され、発光動作は発光期間TLにて実行され、書込動作は書込期間Twにて実行される。第m行の第n列に位置する画素回路Pに着目して各動作の具体的な内容を以下に説明する。
(1)初期化動作
初期化期間TRSにおいては、図4に示すように、制御信号GINI1[m]と制御信号GINI2[m]と制御信号GP[m]がアクティブレベルに設定され、発光制御信号GEL[m]が非アクティブレベルに設定される。また、走査信号GW[m]は電位VLL(非アクティブレベル)に設定される。したがって、図5に示すように、スイッチR1とスイッチR2とスイッチR3とがオン状態に制御され、発光制御スイッチQELと選択トランジスターQSLとがオフ状態に制御される。
初期化期間TRSにおいては、図4に示すように、制御信号GINI1[m]と制御信号GINI2[m]と制御信号GP[m]がアクティブレベルに設定され、発光制御信号GEL[m]が非アクティブレベルに設定される。また、走査信号GW[m]は電位VLL(非アクティブレベル)に設定される。したがって、図5に示すように、スイッチR1とスイッチR2とスイッチR3とがオン状態に制御され、発光制御スイッチQELと選択トランジスターQSLとがオフ状態に制御される。
図5に示すように、容量素子C1の電極e1はスイッチR1を介して給電線36に接続され、容量素子C1の電極e2はスイッチR2とスイッチR3とを介して給電線35に接続される。したがって、容量素子C1の電極e1の電位は第1基準電位VST1に初期化され、容量素子C1の電極e2の電位は第2基準電位VST2に初期化される。
駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGは第2基準電位VST2に初期化される。第2基準電位VST2は、駆動電位VELよりも閾値電圧VTHだけ低い電位を下回るように設定される。したがって、駆動トランジスターTDRは初期化動作でオン状態に遷移する。また、駆動トランジスターTDRのドレインの電位もスイッチR3を介して第2基準電位VST2に初期化される。すなわち、初期化期間TRSの直前に駆動トランジスターTDRのゲートやドレインに蓄積されていた電荷は初期化動作で除去(放電)される。
駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGは第2基準電位VST2に初期化される。第2基準電位VST2は、駆動電位VELよりも閾値電圧VTHだけ低い電位を下回るように設定される。したがって、駆動トランジスターTDRは初期化動作でオン状態に遷移する。また、駆動トランジスターTDRのドレインの電位もスイッチR3を介して第2基準電位VST2に初期化される。すなわち、初期化期間TRSの直前に駆動トランジスターTDRのゲートやドレインに蓄積されていた電荷は初期化動作で除去(放電)される。
(2)補償動作
図4に示すように補償期間Thは、制御信号GP[m]が非アクティブとなり、且つ制御信号GINI2[m]がアクティブとなる期間である。同図に示す期間T1は、補償動作の典型例である。当該期間T1では、制御信号GP[m]と制御信号GINI1[m]と発光制御信号GEL[m]と走査信号GW[m]が非アクティブとなり、また、制御信号GINI2[m]がアクティブとなる。したがって、図6に示すように、選択トランジスターQSLとスイッチR1とスイッチR3と発光制御スイッチQELとがオフ状態となり、スイッチR2がオン状態となる。この結果、駆動トランジスターTDRのゲートとドレインとが短絡される。初期化期間TRSにおいて、駆動トランジスターTDRのゲートには第2基準電位VST2が供給される。第2基準電位VST2は、VST2<VEL−VTHとなるように設定されている。したがって、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGは、第2基準電位VST2から駆動電位VELと閾値電圧VTHとの差分に相当する補償電位(VEL−VTH)に経時的に漸近する。
図4に示すように補償期間Thは、制御信号GP[m]が非アクティブとなり、且つ制御信号GINI2[m]がアクティブとなる期間である。同図に示す期間T1は、補償動作の典型例である。当該期間T1では、制御信号GP[m]と制御信号GINI1[m]と発光制御信号GEL[m]と走査信号GW[m]が非アクティブとなり、また、制御信号GINI2[m]がアクティブとなる。したがって、図6に示すように、選択トランジスターQSLとスイッチR1とスイッチR3と発光制御スイッチQELとがオフ状態となり、スイッチR2がオン状態となる。この結果、駆動トランジスターTDRのゲートとドレインとが短絡される。初期化期間TRSにおいて、駆動トランジスターTDRのゲートには第2基準電位VST2が供給される。第2基準電位VST2は、VST2<VEL−VTHとなるように設定されている。したがって、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGは、第2基準電位VST2から駆動電位VELと閾値電圧VTHとの差分に相当する補償電位(VEL−VTH)に経時的に漸近する。
(3)書込動作
図4に示すように書込期間Twは、走査信号GW[m]がアクティブとなり、且つ制御信号GINI1[m]が非アクティブとなる期間である。書込期間Twでは選択信号SEL[1]〜SEL[3]が順次排他的にアクティブとなる。この結果、信号線14には、赤色、緑色、および青色の階調を各々示す階調電位VX[n]が時分割で供給される。同図に示す期間T2は、書込動作の典型例である。当該期間T2では、制御信号GP[m]と制御信号GINI1[m]と発光制御信号GEL[m]とが非アクティブとなり、また、走査信号GW[m]と制御信号GINI2[m]がアクティブとなる。したがって、図7に示すように、スイッチR1とスイッチR3と発光制御スイッチQELとがオフ状態となり、選択トランジスターQSLとスイッチR2とがオン状態となる。この結果、階調電位VX[n]が選択トランジスターQSLを介して容量素子C1の電極e1に供給される。なお、期間T2においても上述した補償動作は継続しており、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGは、駆動電位VELと閾値電圧VTHとの差分に相当する補償電位(VEL−VTH)に漸近する。
図4に示すように書込期間Twは、走査信号GW[m]がアクティブとなり、且つ制御信号GINI1[m]が非アクティブとなる期間である。書込期間Twでは選択信号SEL[1]〜SEL[3]が順次排他的にアクティブとなる。この結果、信号線14には、赤色、緑色、および青色の階調を各々示す階調電位VX[n]が時分割で供給される。同図に示す期間T2は、書込動作の典型例である。当該期間T2では、制御信号GP[m]と制御信号GINI1[m]と発光制御信号GEL[m]とが非アクティブとなり、また、走査信号GW[m]と制御信号GINI2[m]がアクティブとなる。したがって、図7に示すように、スイッチR1とスイッチR3と発光制御スイッチQELとがオフ状態となり、選択トランジスターQSLとスイッチR2とがオン状態となる。この結果、階調電位VX[n]が選択トランジスターQSLを介して容量素子C1の電極e1に供給される。なお、期間T2においても上述した補償動作は継続しており、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGは、駆動電位VELと閾値電圧VTHとの差分に相当する補償電位(VEL−VTH)に漸近する。
(4)時刻Txにおける動作
次に、図4に示す時刻Txにおける動作について説明する。時刻Txでは、制御信号GP[m]と制御信号GINI2[m]と発光制御信号GEL[m]とが非アクティブとなっており、また、制御信号GINI1[m]がアクティブとなっている。そして、走査信号GW[m]がアクティブから非アクティブに遷移する。したがって、図8の(A)に示す状態から(B)に示す状態に遷移する。すなわち、時刻Txにおいて選択トランジスターQSLがオン状態からオフ状態に遷移する前後で、第1容量素子C1の電極e1には第1基準電位VST1が供給され続ける。このため、選択トランジスターQSLを構成するトランジスターのゲートとドレイン又はソースの間の寄生容量に起因してフィールドスルーがあったとしても、第1容量素子C1の電極e1にはローインピーダンスで第1基準電位VST1が供給されているので、第1容量素子C1の電極e1の電位は変化しない。よって、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGも変化しない。これにより、各画素回路Pにおいて、選択トランジスターQSLの寄生容量の大きさがばらついたとしても、フィールドスルーに起因する画面全体の輝度むらを抑制することができる。
次に、図4に示す時刻Txにおける動作について説明する。時刻Txでは、制御信号GP[m]と制御信号GINI2[m]と発光制御信号GEL[m]とが非アクティブとなっており、また、制御信号GINI1[m]がアクティブとなっている。そして、走査信号GW[m]がアクティブから非アクティブに遷移する。したがって、図8の(A)に示す状態から(B)に示す状態に遷移する。すなわち、時刻Txにおいて選択トランジスターQSLがオン状態からオフ状態に遷移する前後で、第1容量素子C1の電極e1には第1基準電位VST1が供給され続ける。このため、選択トランジスターQSLを構成するトランジスターのゲートとドレイン又はソースの間の寄生容量に起因してフィールドスルーがあったとしても、第1容量素子C1の電極e1にはローインピーダンスで第1基準電位VST1が供給されているので、第1容量素子C1の電極e1の電位は変化しない。よって、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGも変化しない。これにより、各画素回路Pにおいて、選択トランジスターQSLの寄生容量の大きさがばらついたとしても、フィールドスルーに起因する画面全体の輝度むらを抑制することができる。
(5)発光動作
図4に示すように発光期間TLは、走査信号GW[m]と制御信号GINI2[m]と制御信号GINI2[m]とが非アクティブとなり、制御信号GINI1[m]と発光制御信号GEL[m]とがアクティブになる。また、発光期間TLの開始に放電期間TDが設けられている。放電期間TDでは、制御信号GP[m]がアクティブとなり、放電期間TDが終了すると制御信号GP[m]は非アクティブとなる。
図4に示すように発光期間TLは、走査信号GW[m]と制御信号GINI2[m]と制御信号GINI2[m]とが非アクティブとなり、制御信号GINI1[m]と発光制御信号GEL[m]とがアクティブになる。また、発光期間TLの開始に放電期間TDが設けられている。放電期間TDでは、制御信号GP[m]がアクティブとなり、放電期間TDが終了すると制御信号GP[m]は非アクティブとなる。
図9の(A)に放電期間TDにおける画素回路Pの動作を示す。放電期間TDにおいては、スイッチR3と発光制御スイッチQELとがオン状態となる。これにより、発光素子Eの寄生容量に充電されていた電荷が、発光制御スイッチQELとスイッチR3とを介して放電される。これにより、1フレーム前の発光状態に応じて充電された電荷を放電させることができるので、現在のフレームで正確な階調を表示することが可能となる。
図9の(B)に放電期間TDが経過した後の発光期間TLにおける画素回路Pの動作を示す。当該期間においては、スイッチR1と発光制御スイッチQELとがオン状態となり、スイッチR2とスイッチR3とがオフ状態となる。このため、駆動トランジスターTDRのゲート電位VGに応じた駆動電流IDRが発光素子Eを流れ、発光素子Eが発光する。
このとき、図9(B)に示すようにスイッチR1はオン状態となっているので、容量素子C1の電極e1には給電線36から第1基準電位VST1がローインピーダンスで供給されている。したがって、電極e1の電位は安定しており、ノイズが大きな環境であっても、ノイズによって駆動トランジスターTDRのゲート電位VGが変動するのを防止することができる。
このとき、図9(B)に示すようにスイッチR1はオン状態となっているので、容量素子C1の電極e1には給電線36から第1基準電位VST1がローインピーダンスで供給されている。したがって、電極e1の電位は安定しており、ノイズが大きな環境であっても、ノイズによって駆動トランジスターTDRのゲート電位VGが変動するのを防止することができる。
<2.第2実施形態>
第2実施形態に係る電気光学装置100は、その動作を除いて第1実施形態の電気光学装置100と同様である。上述した第1実施形態では、補償期間Th中に書込期間Twが設けられていた。このため、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGが駆動電位VELと閾値電圧VTHとの差分に相当する補償電位(VEL−VTH)に近づくと、電位線32から駆動トランジスターTDRのゲートに流れ込む電流が減少する。これは、ダイオード接続された駆動トランジスターTDRのオン抵抗が大きくなることを意味する。したがって、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGが補償電位(VEL−VTH)に近づくと、駆動トランジスターTDRのゲートはフローティングに近い状態となる。この状態で、階調電位VX[n]が選択トランジスターQSLを介して第1容量素子C1の電極e1に供給されると、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGが変動する可能性がある。第2実施形態は、初期化期間TRSにおいて階調電位VX[n]を書き込むものである。
第2実施形態に係る電気光学装置100は、その動作を除いて第1実施形態の電気光学装置100と同様である。上述した第1実施形態では、補償期間Th中に書込期間Twが設けられていた。このため、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGが駆動電位VELと閾値電圧VTHとの差分に相当する補償電位(VEL−VTH)に近づくと、電位線32から駆動トランジスターTDRのゲートに流れ込む電流が減少する。これは、ダイオード接続された駆動トランジスターTDRのオン抵抗が大きくなることを意味する。したがって、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGが補償電位(VEL−VTH)に近づくと、駆動トランジスターTDRのゲートはフローティングに近い状態となる。この状態で、階調電位VX[n]が選択トランジスターQSLを介して第1容量素子C1の電極e1に供給されると、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGが変動する可能性がある。第2実施形態は、初期化期間TRSにおいて階調電位VX[n]を書き込むものである。
(1)初期化期間および書込み期間
図10に第2実施形態に係る電気光学装置100の動作を説明するためのタイミングチャートを示す。この図に示すように初期化期間TRSと書込期間Twとが一致する。初期化期間TRSでは、走査信号GW[m]と制御信号GP[m]と制御信号GINI2[m]とがアクティブとなり、制御信号GINI1[m]と発光制御信号GEL[m]とが非アクティブになる。
図11に初期化期間TRSにおける画素回路Pの動作を示す。この図に示すように初期化期間TRSでは、選択トランジスターQSLとスイッチR2とスイッチR3とがオン状態となり、スイッチR1と発光制御スイッチQELとがオフ状態となる。したがって、駆動トランジスターのゲートにはスイッチR2とスイッチR3とを介して第2基準電位VST2が供給される。一方、階調電位VX[n]が選択トランジスターQSLを介して第1容量素子C1の電極e1に供給される。上述したように駆動トランジスターTDRのゲートにはローインピーダンスで第2基準電位VST2が供給されているので、階調電位VX[n]を書き込んでも駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGの変動を抑制できる。
この結果、各画素回路Pに時分割で書き込まれる赤色(R)の階調電位VX[n]、緑色(G)の階調電位VX[n]、青色(B)の階調電位VX[n]や、選択信号SEL[1]〜SEL[3]がアクティブなるオンタイミング差に依らず駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGの変動を抑制することができる。よって、正確な階調を表示することが可能となる。
図10に第2実施形態に係る電気光学装置100の動作を説明するためのタイミングチャートを示す。この図に示すように初期化期間TRSと書込期間Twとが一致する。初期化期間TRSでは、走査信号GW[m]と制御信号GP[m]と制御信号GINI2[m]とがアクティブとなり、制御信号GINI1[m]と発光制御信号GEL[m]とが非アクティブになる。
図11に初期化期間TRSにおける画素回路Pの動作を示す。この図に示すように初期化期間TRSでは、選択トランジスターQSLとスイッチR2とスイッチR3とがオン状態となり、スイッチR1と発光制御スイッチQELとがオフ状態となる。したがって、駆動トランジスターのゲートにはスイッチR2とスイッチR3とを介して第2基準電位VST2が供給される。一方、階調電位VX[n]が選択トランジスターQSLを介して第1容量素子C1の電極e1に供給される。上述したように駆動トランジスターTDRのゲートにはローインピーダンスで第2基準電位VST2が供給されているので、階調電位VX[n]を書き込んでも駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGの変動を抑制できる。
この結果、各画素回路Pに時分割で書き込まれる赤色(R)の階調電位VX[n]、緑色(G)の階調電位VX[n]、青色(B)の階調電位VX[n]や、選択信号SEL[1]〜SEL[3]がアクティブなるオンタイミング差に依らず駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGの変動を抑制することができる。よって、正確な階調を表示することが可能となる。
(2)時刻Txにおける動作
図10に示す時刻Txにおける動作について説明する。時刻Txでは、制御信号GP[m]と制御信号GINI2[m]と発光制御信号GEL[m]とが非アクティブとなっており、また、制御信号GINI1[m]がアクティブとなっている。そして、走査信号GW[m]がアクティブから非アクティブに遷移する。したがって、図8を参照して第1実施形態で説明した動作と同様に
時刻Txにおいて選択トランジスターQSLがオン状態からオフ状態に遷移する前後で、第1容量素子C1の電極e1には第1基準電位VST1が供給され続ける。このため、選択トランジスターQSLのフィールドスルーがあったとしても、第1容量素子C1の電極e1の電位は変化せず、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGも変化しない。これにより、各画素回路Pにおいて、選択トランジスターQSLの寄生容量の大きさがばらついたとしても、フィールドスルーに起因する画面全体の輝度むらを抑制することができる。
図10に示す時刻Txにおける動作について説明する。時刻Txでは、制御信号GP[m]と制御信号GINI2[m]と発光制御信号GEL[m]とが非アクティブとなっており、また、制御信号GINI1[m]がアクティブとなっている。そして、走査信号GW[m]がアクティブから非アクティブに遷移する。したがって、図8を参照して第1実施形態で説明した動作と同様に
時刻Txにおいて選択トランジスターQSLがオン状態からオフ状態に遷移する前後で、第1容量素子C1の電極e1には第1基準電位VST1が供給され続ける。このため、選択トランジスターQSLのフィールドスルーがあったとしても、第1容量素子C1の電極e1の電位は変化せず、駆動トランジスターTDRのゲートの電位VGも変化しない。これにより、各画素回路Pにおいて、選択トランジスターQSLの寄生容量の大きさがばらついたとしても、フィールドスルーに起因する画面全体の輝度むらを抑制することができる。
また、書込期間Twが終了した後の補償期間Thにおいて、スイッチR3をオフ状態として給電線35と駆動トランジスターTDRのゲートとを電気的に開放するとともに、スイッチR2をオン状態として駆動トランジスターTDRをダイオード接続する。これにより、駆動トランジスターTDRの閾値電圧VTHが補償される。なお、発光動作は、第1実施形態と同様である。
以上、説明したように第2実施形態の電気光学装置100によれば、フィールドスルーに起因する画面全体の輝度むらを抑制し、且つ各画素回路Pに時分割で書き込まれる階調電位VX[n]やそれらのタイミング差に依らず、正確な階調を表示することが可能となる。
<3.変形例>
以上の各形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は併合され得る。
以上の各形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は併合され得る。
(1)変形例1
以上の各形態においては、放電期間TDを設けて、発光制御スイッチQELとスイッチR3とをオン状態としたが、必ずしも放電期間TDを設ける必要はない。
以上の各形態においては、放電期間TDを設けて、発光制御スイッチQELとスイッチR3とをオン状態としたが、必ずしも放電期間TDを設ける必要はない。
(2)変形例2
上述した各形態では、選択トランジスターQSLがオン状態となる一部の期間を書込期間Twに割り当てたが、本発明はこれに限定されるのもではなく、選択トランジスターQSLがオン状態となる全部の期間を書込期間Twに割り当てもよい。
上述した各形態では、選択トランジスターQSLがオン状態となる一部の期間を書込期間Twに割り当てたが、本発明はこれに限定されるのもではなく、選択トランジスターQSLがオン状態となる全部の期間を書込期間Twに割り当てもよい。
(3)変形例3
有機EL素子は発光素子Eの例示に過ぎない。例えば、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子などの発光素子を利用した電気光学装置にも以上の各形態と同様に本発明が適用される。すなわち、本発明における発光素子は、電気エネルギの供給で発光する電気光学素子(典型的には電流駆動型の自発光素子)として包括される。
有機EL素子は発光素子Eの例示に過ぎない。例えば、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子などの発光素子を利用した電気光学装置にも以上の各形態と同様に本発明が適用される。すなわち、本発明における発光素子は、電気エネルギの供給で発光する電気光学素子(典型的には電流駆動型の自発光素子)として包括される。
(4)変形例4
上述した各形態では、第1基準電位VST1と第2基準電位VST2とを異なる電位として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1基準電位VST1と第2基準電位VST2とが等しいものであってもよい。この場合には給電線の本数を削減できるとともに電源回路30を簡素化できる。
上述した各形態では、第1基準電位VST1と第2基準電位VST2とを異なる電位として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1基準電位VST1と第2基準電位VST2とが等しいものであってもよい。この場合には給電線の本数を削減できるとともに電源回路30を簡素化できる。
<4.応用例>
次に、以上の態様に係る電気光学装置100を利用した電子機器について説明する。図12ないし図14には、電気光学装置100を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
次に、以上の態様に係る電気光学装置100を利用した電子機器について説明する。図12ないし図14には、電気光学装置100を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
図12は、電気光学装置100を採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する電気光学装置100と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。
図13は、電気光学装置100を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する電気光学装置100とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置100に表示される画面がスクロールされる。
図14は、電気光学装置100を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す斜視図である。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002と、各種の画像を表示する電気光学装置100とを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった様々な情報が電気光学装置100に表示される。
なお、本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、図12から図14に例示した機器のほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。また、本発明に係る電気光学装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、電子写真方式の画像形成装置において露光により感光体ドラムに潜像を形成する露光装置としても本発明の電気光学装置は利用される。
100……電気光学装置、10……画素アレイ部、12……配線群、14……信号線、20……駆動回路、22……走査線駆動回路、24……信号線駆動回路、30……電源回路、32,34……電位線、35,36……給電線、52……分配回路、56……制御回路、100……電気光学装置、121……走査線、123……発光制御線、125……制御線、127……制御線、129……制御線、D(D[1]〜D[3])……スイッチ、B[1]〜B[J]……ブロック、54……信号出力回路、P……画素回路、VST1……第1基準電位、VST2……第2基準電位。
Claims (7)
- 第1電極および第2電極を含む容量素子と、前記第2電極に接続されたゲートの電位に応じた駆動電流を生成する駆動トランジスターと、信号線と前記第1電極との間に介在し走査線にゲートが接続される選択トランジスターと、前記駆動電流の供給で発光する発光素子とを含む画素回路を具備する電気光学装置の駆動方法であって、
前記選択トランジスターをオン状態とする期間の一部又は全部において、指定階調に応じた階調電位を前記信号線から前記第1電極に供給し、
前記第1電極に第1電位を供給した状態で、前記選択トランジスターをオン状態からオフ状態に遷移させるように前記走査線に走査信号を供給する、
電気光学装置の駆動方法。 - 前記階調電位を前記信号線から前記第1電極に供給する書込期間において、前記駆動トランジスターをダイオード接続することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
- 前記駆動トランジスターをダイオード接続する補償期間中に前記書込期間があり、
前記補償期間より前の初期化期間において、前記選択トランジスターをオフ状態とし、前記第1電極に前記第1電位を供給するとともに前記第2電極に第2電位を供給する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置の駆動方法。 - 前記階調電位を信号線から前記第1電極に供給する書込期間において、第2電位を前記駆動トランジスターのゲートに供給することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
- 前記電気光学装置は、複数の前記画素回路を具備し、
前記書込期間において、前記各画素回路に対応する複数の信号線の各々に時分割で階調電位を供給するとともに、前記第2電位が供給される第2給電線を前記複数の画素回路の各々における駆動トランジスターのゲートに電気的に接続し、
前記書込期間が終了した後の補償期間において、前記第2給電線と前記複数の画素回路の各々における駆動トランジスターのゲートとを電気的に開放するとともに、前記複数の画素回路の各々における駆動トランジスターをダイオード接続する、
請求項4に記載の電気光学装置の駆動方法。 - 画素回路と駆動回路とを具備する電気光学装置であって、
前記画素回路は、
第1電極および第2電極を含む容量素子と、
前記第2電極に接続されたゲートの電位に応じた駆動電流を生成する駆動トランジスターと、
前記駆動電流の供給で発光する発光素子と、
信号線と前記第1電極との間に介在し走査線にゲートが接続される選択トランジスターと、
第1電位が供給される第1給電線と前記第1電極との間に介在し、オン状態とオフ状態との一方に制御される第1スイッチとを含み、
前記駆動回路は、
前記選択トランジスターをオン状態とする期間の一部又は全部において、指定階調に応じた階調電位を前記信号線から前記第1電極に供給し、前記第1スイッチをオフ状態とし、
前記第1スイッチをオン状態とし前記第1電極に第1電位を供給した状態で、前記選択トランジスターをオン状態からオフ状態に遷移させるように前記走査線に走査信号を供給する、
ことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項6に記載の電気光学装置を具備する電子機器。
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- 2011-09-07 JP JP2011194507A patent/JP2013057701A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20141202 |