JP2013056781A - シリコン鋳造用鋳型 - Google Patents
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Abstract
【課題】均質なシリコンインゴットを歩留よく鋳造するために、離型性に優れ、かつ、鋳型内面の剥離や脱落を防止することができ、シリコンインゴットのクラック発生も防止することができ、しかも、形成が容易である離型層を備えたシリコン鋳造用鋳型を提供する。
【解決手段】シリコン鋳造用鋳型1の内表面に形成される離型層3を、鋳型1内に充填されるシリコン融液面4aとの接触部及びそれよりも上部3Aが、イミド熱分解法により製造された窒化珪素粉末の熱酸化による焼結体からなり、シリコン融液面4aとの接触部よりも下部3Bが、直接窒化法により製造された窒化珪素粉末の熱酸化による焼結体からなるような構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】シリコン鋳造用鋳型1の内表面に形成される離型層3を、鋳型1内に充填されるシリコン融液面4aとの接触部及びそれよりも上部3Aが、イミド熱分解法により製造された窒化珪素粉末の熱酸化による焼結体からなり、シリコン融液面4aとの接触部よりも下部3Bが、直接窒化法により製造された窒化珪素粉末の熱酸化による焼結体からなるような構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池等に使用される多結晶シリコンインゴットを鋳造する際に用いられる鋳型に関する。
クリーンなエネルギー源として注目されている太陽電池は、その使用材料に応じて種々のタイプに分類されるが、中でも、コストと性能のバランスの面から、多結晶シリコンを用いたタイプが主流である。
太陽電池に用いられる多結晶シリコンは、高温で加熱溶融させたシリコン融液を鋳型内に注湯して凝固させたり、また、シリコン原料を鋳型内に入れて一旦溶融した後に再び凝固させたりすることによって製造される。
太陽電池に用いられる多結晶シリコンは、高温で加熱溶融させたシリコン融液を鋳型内に注湯して凝固させたり、また、シリコン原料を鋳型内に入れて一旦溶融した後に再び凝固させたりすることによって製造される。
このような多結晶シリコンを製造するために用いられる鋳型には、通常、黒鉛、石英、シリカ等が基材として用いられ、従来から、鋳型内で形成されたインゴットの離型性を向上させる目的で、その内面に、窒化珪素やシリカからなる離型層を形成することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかしながら、シリカからなる離型層は、シリコン融液に溶けやすく、該シリカ中の酸素が融液中に拡散し、シリコンインゴットの酸素濃度の増大を招き、また、離型層が損耗しやすいという課題を有していた。
一方、窒化珪素からなる離型層は、シリコン融液に溶けにくいものの、シリコン溶融時におけるアルゴン雰囲気や真空雰囲気、さらに、1500℃前後の高温環境下において、特に、シリコン融液面近傍やそれよりも上部で分解が進行しやすい。この分解により、離型層に空隙が生じ、離型層が剥離や脱落を生じたり、また、この空隙にシリコン融液が入り込み、鋳型基材にまで達すると、冷却後、シリコンインゴットを取り出す際、鋳型とシリコンと固着したりすることにより、シリコンインゴットにクラックが生じる場合があった。
したがって、シリコン鋳造用鋳型においては、シリコンインゴットの離型性に優れ、かつ、クラックの発生を効果的に防止することができ、しかも、簡便に形成することができる離型層が求められている。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、均質なシリコンインゴットを歩留よく鋳造するために、離型性に優れ、かつ、鋳型内面の剥離や脱落を防止することができ、シリコンインゴットのクラック発生も防止することができ、しかも、形成が容易である離型層を備えたシリコン鋳造用鋳型を提供することを目的とするものである。
本発明に係るシリコン鋳造用鋳型は、内表面に離型層が形成されたシリコン鋳造用鋳型であって、前記離型層は、前記鋳型内に充填されるシリコン融液面との接触部及びそれよりも上部が、イミド熱分解法により製造された窒化珪素粉末の熱酸化による焼結体からなり、前記シリコン融液面との接触部よりも下部が、直接窒化法により製造された窒化珪素粉末の熱酸化による焼結体からなることを特徴とする。
このような離型層を形成することにより、鋳型からのシリコンインゴットの離型性が優れたものとなり、シリコンインゴットのクラックの発生を抑制することができる。
このような離型層を形成することにより、鋳型からのシリコンインゴットの離型性が優れたものとなり、シリコンインゴットのクラックの発生を抑制することができる。
本発明に係るシリコン鋳造用鋳型によれば、容易に形成可能である離型層によって、シリコンインゴットの離型性に優れ、かつ、鋳型内面の剥離や脱落を防止することができ、シリコンインゴットのクラック発生も抑制することができる。
したがって、前記シリコン鋳造用鋳型を用いれば、高純度かつクラック発生のない均質な多結晶シリコンインゴットを歩留まりよく鋳造することができる。
したがって、前記シリコン鋳造用鋳型を用いれば、高純度かつクラック発生のない均質な多結晶シリコンインゴットを歩留まりよく鋳造することができる。
以下、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明に係るシリコン鋳造用鋳型を示す。図1に示すように、本発明に係るシリコン鋳造用鋳型1は、基材2の内表面に離型層3が形成されている。そして、離型層3は、鋳型1内に充填されたシリコン融液4の液面4aとの接触部及びそれよりも上部(離型層上部3A)が、イミド熱分解法により製造された窒化珪素粉末の熱酸化による焼結体からなり、前記シリコン融液面4aとの接触部よりも下部(離型層下部3B)が、直接窒化法により製造された熱酸化による窒化珪素粉末の焼結体からなる。
すなわち、本発明においては、シリコン鋳造用鋳型1の内表面に、窒化珪素系の離型層3を形成するものであり、この離型層3において、上部3Aと下部3Bで異なる窒化珪素粉末材料を用いることを特徴としている。
図1に、本発明に係るシリコン鋳造用鋳型を示す。図1に示すように、本発明に係るシリコン鋳造用鋳型1は、基材2の内表面に離型層3が形成されている。そして、離型層3は、鋳型1内に充填されたシリコン融液4の液面4aとの接触部及びそれよりも上部(離型層上部3A)が、イミド熱分解法により製造された窒化珪素粉末の熱酸化による焼結体からなり、前記シリコン融液面4aとの接触部よりも下部(離型層下部3B)が、直接窒化法により製造された熱酸化による窒化珪素粉末の焼結体からなる。
すなわち、本発明においては、シリコン鋳造用鋳型1の内表面に、窒化珪素系の離型層3を形成するものであり、この離型層3において、上部3Aと下部3Bで異なる窒化珪素粉末材料を用いることを特徴としている。
前記2種の窒化珪素粉末の製法のうち、イミド熱分解法とは、ハロゲン化珪素とアンモニアを原料として、これらの反応生成物であるシリコンジイミド(Si(NH)2)、シリコンテトラアミド(Si(NH2)4)、シリコンニトロゲンイミド(Si2N2NH)等の含窒素シラン化合物を熱分解して窒化珪素粉末を製造する方法である。
一方、直接窒化法とは、シリコンを窒素やアンモニア等の反応ガスを用いて窒化する方法である。
直接窒化法による窒化珪素粉末は、結晶性が高く、熱酸化されにくいのに対して、イミド熱分解法による窒化珪素粉末は、結晶性が低く、熱酸化されやすいという特徴を有している。
一方、直接窒化法とは、シリコンを窒素やアンモニア等の反応ガスを用いて窒化する方法である。
直接窒化法による窒化珪素粉末は、結晶性が高く、熱酸化されにくいのに対して、イミド熱分解法による窒化珪素粉末は、結晶性が低く、熱酸化されやすいという特徴を有している。
窒化珪素粉末は、自然酸化膜で被覆されている場合もあるが、大気中で、通常850〜1050℃で熱処理することにより、熱酸化される。
窒化珪素粉末を熱酸化させた焼結体は、表面に二酸化珪素層が形成され、その下面には、酸窒化珪素層が形成される。すなわち、焼結体粒子は、核が窒化珪素であり、その表面に酸窒化珪素層、外表面に二酸化珪素層を有する構成となる。
外表面の二酸化珪素層は、粒子同士を焼結させたり、鋳型の基材内面からの脱落を防止したりする上で、接着材としての役割を果たすものであるが、シリコン融液に溶けやすい性質を有している。
窒化珪素粉末を熱酸化させた焼結体は、表面に二酸化珪素層が形成され、その下面には、酸窒化珪素層が形成される。すなわち、焼結体粒子は、核が窒化珪素であり、その表面に酸窒化珪素層、外表面に二酸化珪素層を有する構成となる。
外表面の二酸化珪素層は、粒子同士を焼結させたり、鋳型の基材内面からの脱落を防止したりする上で、接着材としての役割を果たすものであるが、シリコン融液に溶けやすい性質を有している。
ところで、シリコン鋳造用鋳型内に充填されたシリコン融液は、底部から凝固し始め、図1において矢印で示すように、体積膨張によって液面(凝固したシリコン上面5)が上昇する。
このため、シリコン融液の液面上昇によってシリコン融液と接触する鋳型内表面の離型層のうち、特に、液面4aの上方近傍の離型層においては、焼結体粒子は、外表面の二酸化珪素層がシリコン融液に溶けて、酸窒化珪素層が露出する。この酸窒化珪素層は、通常、シリコン融液に溶けにくく、安定である。
しかしながら、シリコン鋳造時、シリコンインゴットに酸素が取り込まれることを抑制するために、通常、鋳型内のシリコン融液に向かってアルゴンガスが導入されるが、この導入ガスによって、シリコン融液の接触していない、すなわち、シリコン融液の液面より上方に露出した離型層の前記二酸化珪素層及び前記酸窒化珪素層は還元されてしまう。還元されて酸窒化珪素層が消失した窒化珪素は、シリコン融液に溶けやすいため離型層がさらに損耗し、また、焼結性が低下するため、鋳型内表面から剥離や脱落をしやすくなる。
したがって、シリコン融液の凝固による液面上昇のためにシリコン融液と接触する可能性のある離型層は、酸窒化珪素層が消失しない程度に十分に熱酸化膜が形成された窒化珪素焼結体により形成されていることが好ましい。
このため、シリコン融液の液面上昇によってシリコン融液と接触する鋳型内表面の離型層のうち、特に、液面4aの上方近傍の離型層においては、焼結体粒子は、外表面の二酸化珪素層がシリコン融液に溶けて、酸窒化珪素層が露出する。この酸窒化珪素層は、通常、シリコン融液に溶けにくく、安定である。
しかしながら、シリコン鋳造時、シリコンインゴットに酸素が取り込まれることを抑制するために、通常、鋳型内のシリコン融液に向かってアルゴンガスが導入されるが、この導入ガスによって、シリコン融液の接触していない、すなわち、シリコン融液の液面より上方に露出した離型層の前記二酸化珪素層及び前記酸窒化珪素層は還元されてしまう。還元されて酸窒化珪素層が消失した窒化珪素は、シリコン融液に溶けやすいため離型層がさらに損耗し、また、焼結性が低下するため、鋳型内表面から剥離や脱落をしやすくなる。
したがって、シリコン融液の凝固による液面上昇のためにシリコン融液と接触する可能性のある離型層は、酸窒化珪素層が消失しない程度に十分に熱酸化膜が形成された窒化珪素焼結体により形成されていることが好ましい。
一方、シリコン融液の液面近傍よりも下部の離型層3Bは、シリコン凝固の進行中はずっとシリコン融液(凝固シリコン)と接触した状態となるため、熱酸化された窒化珪素焼結体表面の二酸化珪素層が溶けて、該二酸化珪素層からの酸素がシリコン融液中に拡散する。このため、シリコンインゴットの酸素濃度の増大を抑制するため、表面が熱酸化されにくい窒化珪素焼結体により形成されていることが好ましい。
上記のような観点から、本発明においては、シリコン融液の液面近傍とその上部の離型層3Aの材料として、熱酸化されやすいイミド熱分解法による窒化珪素粉末を用い、継続的にシリコン融液と接触する部分の離型層3Bの材料として、直接窒化法による窒化珪素粉末を用いる。
前記シリコン融液面とは、鋳型内部に収容したシリコン融液の全量が溶融状態のときのシリコン融液と鋳型内容表面と炉内雰囲気との三重点である。また、前記シリコン融液の液面近傍とは、上述したようなシリコンの凝固に伴う体積膨張によって上昇するシリコン融液面(凝固シリコン上面)と接触する部分も含めた範囲を意味する。また、シリコン溶融時の液面震動により変動する液面高さをも考慮するものとする。この範囲は、鋳型のサイズや充填するシリコン融液の量に応じて適宜設定される。
上記のようなシリコン鋳造用鋳型の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、鋳型内表面に、シリコン融液面との接触部及びそれよりも上部と、この範囲外であるシリコン融液面との接触部よりも下部とで区別した所定の窒化珪素粉末をそれぞれ塗布した後、熱処理を施すことにより、前記離型層を形成することができる。
各窒化珪素粉末は、例えば、水又はアルコール等の分散媒中に分散させてスラリーを調製し、これをスプレーや刷毛塗り等により鋳型内表面に塗布して、被膜として形成する。前記スラリーには、ポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロース等の有機系バインダ等も適宜添加して、撹拌・混合し、均質に調製することが好ましい。
各窒化珪素粉末は、例えば、水又はアルコール等の分散媒中に分散させてスラリーを調製し、これをスプレーや刷毛塗り等により鋳型内表面に塗布して、被膜として形成する。前記スラリーには、ポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロース等の有機系バインダ等も適宜添加して、撹拌・混合し、均質に調製することが好ましい。
その後、焼成して、バインダ成分等の脱脂処理等も行い、鋳型内表面に所望の離型層が形成される。この焼成は、大気中、850〜1050℃で行うことが好ましい。
離型層全体を上記範囲内の温度で、大気中で焼成することにより、上部と下部とで酸化速度が異なる窒化珪素粉末材料をそれぞれ、所望の程度まで熱酸化することができる。
離型層全体を上記範囲内の温度で、大気中で焼成することにより、上部と下部とで酸化速度が異なる窒化珪素粉末材料をそれぞれ、所望の程度まで熱酸化することができる。
前記離型層の厚さは、鋳型のサイズや充填されるシリコン融液の量に応じて適宜設定されるが、例えば、鋳型内寸が878mm×878mm×高さ420mm、基材の厚さが20mmの場合は、200〜2000μm程度であることが好ましい。
このように離型層を形成すれば、シリコンインゴットが鋳型に固着せず、クラックが発生することもなく、また、シリコンインゴットの酸素濃度が著しく増大することもない。
このように離型層を形成すれば、シリコンインゴットが鋳型に固着せず、クラックが発生することもなく、また、シリコンインゴットの酸素濃度が著しく増大することもない。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
イミド熱分解法による窒化珪素粉末(平均粒径0.8μm)とバインダとしてポリビニルアルコールとを水に分散させて、スラリーを調製した。
直接窒化法による窒化珪素粉末(平均粒径0.6μm)についても、同様にスラリーを調製した。
各スラリーを、シリカ製鋳型(600mm×600mm×高さ400mm)の内表面にスプレー塗布した。鋳型内に充填されるシリコン融液面との接触部及びそれよりも上部には、イミド熱分解法による窒化珪素粉末のスラリーを、また、前記シリコン融液面よりも下部には、直接窒化法による窒化珪素粉末のスラリーを塗布した。
塗布層を乾燥後、大気中、950℃で焼成し、膜厚700μmの離型層を形成した。
[実施例1]
イミド熱分解法による窒化珪素粉末(平均粒径0.8μm)とバインダとしてポリビニルアルコールとを水に分散させて、スラリーを調製した。
直接窒化法による窒化珪素粉末(平均粒径0.6μm)についても、同様にスラリーを調製した。
各スラリーを、シリカ製鋳型(600mm×600mm×高さ400mm)の内表面にスプレー塗布した。鋳型内に充填されるシリコン融液面との接触部及びそれよりも上部には、イミド熱分解法による窒化珪素粉末のスラリーを、また、前記シリコン融液面よりも下部には、直接窒化法による窒化珪素粉末のスラリーを塗布した。
塗布層を乾燥後、大気中、950℃で焼成し、膜厚700μmの離型層を形成した。
得られた鋳型内に、シリコン原料100kgを投入し、アルゴン雰囲気中、1500℃で溶融させてシリコン融液を充填させた後、50時間かけて室温まで冷却し、結晶化させた。
冷却後、凝固したシリコンインゴットを鋳型から取り出す際、シリコンインゴットの鋳型内表面からの離型性が良好であり、クラックの発生も見られず、均質なシリコンインゴットを製造することができた。
冷却後、凝固したシリコンインゴットを鋳型から取り出す際、シリコンインゴットの鋳型内表面からの離型性が良好であり、クラックの発生も見られず、均質なシリコンインゴットを製造することができた。
[比較例1]
実施例1において、イミド熱分解法による窒化珪素粉末のスラリーのみを、シリカ製鋳型の内表面全体に塗布し、それ以外については、実施例1と同様にして離型層を形成した。
実施例1において、イミド熱分解法による窒化珪素粉末のスラリーのみを、シリカ製鋳型の内表面全体に塗布し、それ以外については、実施例1と同様にして離型層を形成した。
得られた鋳型を用いて、実施例1と同様にしてシリコンインゴットを製造した。
冷却後、凝固したシリコンインゴットを鋳型から取り出す際、シリコンインゴットに離型層が付着し、シリコンインゴットにクラックが生じた。
これは、イミド熱分解法による窒化珪素粉末は熱酸化されやすいことから、シリコン融液面よりも下部の離型層において、窒化珪素焼結体の表面の熱酸化膜が厚くなりすぎたためと考えられる。
冷却後、凝固したシリコンインゴットを鋳型から取り出す際、シリコンインゴットに離型層が付着し、シリコンインゴットにクラックが生じた。
これは、イミド熱分解法による窒化珪素粉末は熱酸化されやすいことから、シリコン融液面よりも下部の離型層において、窒化珪素焼結体の表面の熱酸化膜が厚くなりすぎたためと考えられる。
[比較例2]
比較例1において、離型層形成のための焼成温度を1050℃として、それ以外については、比較例1と同様にして離型層を形成した。
比較例1において、離型層形成のための焼成温度を1050℃として、それ以外については、比較例1と同様にして離型層を形成した。
得られた鋳型を用いて、実施例1と同様にしてシリコンインゴットを製造した。
冷却後、凝固したシリコンインゴットを鋳型から取り出す際、鋳型内表面からの離型性は良好であったが、シリコンインゴットの底部の酸素濃度が高くなり、均質なシリコンインゴットが得られなかった。
これは、イミド熱分解法による窒化珪素粉末は熱酸化されやすいことから、シリコン融液面よりも下部の離型層において、比較例1の場合よりもさらに、窒化珪素焼結体の表面の熱酸化膜が厚くなりすぎたためと考えられる。
冷却後、凝固したシリコンインゴットを鋳型から取り出す際、鋳型内表面からの離型性は良好であったが、シリコンインゴットの底部の酸素濃度が高くなり、均質なシリコンインゴットが得られなかった。
これは、イミド熱分解法による窒化珪素粉末は熱酸化されやすいことから、シリコン融液面よりも下部の離型層において、比較例1の場合よりもさらに、窒化珪素焼結体の表面の熱酸化膜が厚くなりすぎたためと考えられる。
[比較例3]
実施例1において、直接窒化法による窒化珪素粉末のスラリーのみを、シリカ製鋳型の内表面全体に塗布し、それ以外については、実施例1と同様にして離型層を形成した。
実施例1において、直接窒化法による窒化珪素粉末のスラリーのみを、シリカ製鋳型の内表面全体に塗布し、それ以外については、実施例1と同様にして離型層を形成した。
得られた鋳型を用いて、実施例1と同様にしてシリコンインゴットを製造した。
冷却後、凝固したシリコンインゴットを鋳型から取り出す際、シリコンインゴットは、鋳型内表面に固着し、離型性が不十分であった。
これは、直接窒化法による窒化珪素粉末は熱酸化されにくいことから、シリコン融液面との接触部及びそれよりも上部の離型層において、窒化珪素焼結体の表面の熱酸化膜の厚さが不十分であったためと考えられる。
冷却後、凝固したシリコンインゴットを鋳型から取り出す際、シリコンインゴットは、鋳型内表面に固着し、離型性が不十分であった。
これは、直接窒化法による窒化珪素粉末は熱酸化されにくいことから、シリコン融液面との接触部及びそれよりも上部の離型層において、窒化珪素焼結体の表面の熱酸化膜の厚さが不十分であったためと考えられる。
[比較例4]
比較例3において、離型層形成時の焼成温度を1050℃として、それ以外については、比較例3と同様にして、離型層を形成した。
比較例3において、離型層形成時の焼成温度を1050℃として、それ以外については、比較例3と同様にして、離型層を形成した。
得られた鋳型を用いて、実施例1と同様にしてシリコンインゴットを製造した。
冷却後、凝固したシリコンインゴットを鋳型から取り出す際、シリコンインゴットに離型層が付着し、シリコンインゴットにクラックが生じた。
これは、直接窒化法による窒化珪素粉末は熱酸化されにくいことから、焼成温度を高くしても、シリコン融液面との接触部及びそれよりも上部の離型層において、窒化珪素焼結体の表面の熱酸化膜の厚さが不十分であったためと考えられる。
冷却後、凝固したシリコンインゴットを鋳型から取り出す際、シリコンインゴットに離型層が付着し、シリコンインゴットにクラックが生じた。
これは、直接窒化法による窒化珪素粉末は熱酸化されにくいことから、焼成温度を高くしても、シリコン融液面との接触部及びそれよりも上部の離型層において、窒化珪素焼結体の表面の熱酸化膜の厚さが不十分であったためと考えられる。
1 鋳型
2 基材
3 離型層
4 シリコン融液
5 凝固シリコン上面
2 基材
3 離型層
4 シリコン融液
5 凝固シリコン上面
Claims (1)
- 内表面に離型層が形成されたシリコン鋳造用鋳型であって、前記離型層は、前記鋳型内に充填されるシリコン融液面との接触部及びそれよりも上部が、イミド熱分解法により製造された窒化珪素粉末の熱酸化による焼結体からなり、前記シリコン融液面との接触部よりも下部が、直接窒化法により製造された窒化珪素粉末の熱酸化による焼結体からなることを特徴とするシリコン鋳造用鋳型。
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