JP2013054487A - 振込管理システム及び振込管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】振込先口座の信用度を振込人に対して提示することのできる銀行システムを提供する。
【解決手段】銀行システムのお墨付口座登録受付部は、口座名義人の依頼により、口座名義人の口座を、銀行が信用度を評価し評価点を第三者に開示できるお墨付口座として登録を受付ける。このとき、お墨付口座登録判定部が、口座名義人情報、口座取引情報、及び口座の使用状況から所定のルールで口座を評価した口座評価情報に基づいて口座の評価点を判定し、判定した評価点が所定の閾値以上の場合に、その口座をお墨付口座として登録する。振込要求受付部は、振込人からの振込要求を受付けた際に、振込先の口座情報を振込先の銀行システムから取得し、振込実行部は、振込先の口座情報をみて振込先がお墨付口座である場合には、その口座の評価点を、振込の実行前に振込人に対して提示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、銀行口座における振込処理を管理する銀行システムに関する。特に、振込先の口座情報を取得する振込管理システム及び振込管理方法に関する。
ネット販売やネットオークションが普及し、見知らぬ相手に商品やサービスの代金を支払う機会が急速に増えるにつれて、代金を振り込んだが商品が送られてこないといったトラブルが増加している。一方、一時減少傾向にあった高齢者等から金銭を騙し取る振り込め詐欺も平成22年度から再び増加する傾向も見られる。このため、不正な振込や引出、各種の振り込め詐欺を防止するための方法が多数提案されている。
例えば、特許文献1には、利用者がATM(現金自動預け払い機)から振込又は現金の引出を行う際に、ATMに接続された管理装置が振込先口座の信用情報(トラブル状況等)を取引管理センタに問い合わせ、その信用情報に基づいて監視センタに振込操作の監視を要請し、監視内容に従って監視した映像記録等に基づいて分析した不審情報を監視センタから取得し、その不審情報に基づいて振込の受付の可否を決定する振込管理システム等が記載されている。
また、近年ネットオークションサイトにおいては、過去にオークションにおいてトラブルが報告されている振込先口座を「トラブル口座」として公表し、トラブル口座に登録された口座にはオークション決済システムからは振込を行わない等の対策を実施している例もある(非特許文献1参照)。
特開2010−238183号公報
Yahoo!オークション トラブル口座リスト、2011年7月1日検索、<URL:http://info.auctions.yahoo.co.jp/f/trouble/>
しかしながら、上記のような対策は、過去にトラブルを起こした口座に対しては有効であるが、トラブル実績がないからといって必ずしも安全な振込先口座であるとは限らない。口座情報は重要な個人情報であり、通常、銀行から開示されることはない。特に、初めての口座に振り込む場合、本当に安全な口座なのか振込人には確認する手段がなく、振込人は不安を覚えることがある。
したがって、本発明では、上記のような課題に鑑み、過去のトラブル実績だけに頼らず、銀行が判断した振込先口座の総合的な信用度に関する情報を、振込人に対して提示することのできる銀行システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の銀行システムは、以下のような解決手段を提供する。
口座名義人の依頼により、前記口座名義人の口座を、銀行が信用度を評価し評価点を第三者に開示できるお墨付口座として登録を受付けるお墨付口座登録受付部と、前記口座の口座名義人情報、口座取引情報、及び口座の使用状況から所定のルールで口座を評価した口座評価情報に基づいて、前記口座の評価点を判定し、前記評価点が所定の閾値以上の場合に前記口座をお墨付口座として登録するお墨付口座登録判定部と、振込人からの振込要求を受付けた際に、振込先口座情報を振込先の銀行システムから取得する振込要求受付部と、振込先口座が前記お墨付口座である場合には、該お墨付口座の開示情報を振込の実行前に前記振込人に対して提示する振込実行部と、を備えることを特徴とする。
すなわち、銀行システムのお墨付口座登録受付部が、口座名義人の依頼により、口座名義人の口座を、銀行が信用度を評価し評価点を第三者に開示できるお墨付口座として登録を受付ける。このとき、お墨付口座登録判定部が、口座名義人情報、口座取引情報、及び口座の使用状況から所定のルールで口座を評価した口座評価情報に基づいて、口座の評価点を判定し、判定した評価点が所定の閾値以上の場合に、その口座をお墨付口座として登録する。振込要求受付部が、振込人からの振込要求を受付けた際には、振込先の口座情報を振込先の銀行システムから取得する。振込実行部は、振込先口座情報をみて、振込先がお墨付口座である場合には、振込先の口座名義人が許可したお墨付口座の開示情報を振込実行前に振込人に対して提示する。
このようにすることで、振込人が従来は不可能だった振込先の信用度を振込む前に知ることができるので、振込先が安全かどうかの判断に役立つ。お墨付口座に登録されるような信用度の高い振込先には安心感を持つことができるし、逆に、お墨付口座に登録されてない口座に対しての振込は、慎重を期すようにもできる。
また、本発明の銀行システムは、さらに下記のような特徴を備えるように構成してもよい。すなわち、前記お墨付口座登録判定部は、登録すべき口座の口座名義人が法人か個人かによって、前記評価点を判定するための評価項目の重みを変更することを特徴とする。このようにすることで、振込先が法人か個人によって、より適切な評価をすることができる。
また、本発明の銀行システムは、さらに下記のような特徴を備えるように構成してもよい。すなわち、前記お墨付口座登録判定部は、通信可能に接続された外部システムから、前記口座に関する情報を取得し、前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする。このようにすることで、銀行内で得られる情報に加えて、提携した外部システムからの情報(例えばネットオークションサイトや通販サイトでのトラブル口座情報や、信用調査機関が収集した銀行口座に関する情報)を評価項目に用いるので、評価の精度を上げることができる。
また、本発明の銀行システムは、さらに下記のような特徴を備えるように構成してもよい。すなわち、前記お墨付口座登録判定部は、前記お墨付口座登録の際に当該口座名義人又は銀行側で入力した追加情報を、前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする。このようにすることで、口座開設時の情報や取引記録からでは得られない最新の追加情報を評価項目に加えるので、評価の精度を上げることができる。
また、本発明の銀行システムは、さらに下記のような特徴を備えるように構成してもよい。すなわち、前記振込実行部は、振込先が前記お墨付口座でない場合、前記振込人の指定に基づき、前記振込先の口座名義人に対して、お墨付口座登録依頼を送信するとともに、前記お墨付口座登録依頼の件数を前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする。
このようにすることで、お墨付口座に登録されていない口座に対しては、振込人からお墨付口座に登録するように依頼することができ、この依頼に振込先の口座名義人が応えれば、お墨付口座に登録される口座が増え、結果として、口座の信用度を知る機会がより増えることになる。また、この依頼件数をお墨付口座登録時の評価項目に加えることで、依頼件数が多い口座は早く登録すべきなので評価を上げて登録しやすくなるようにしたり、逆に依頼件数が多いのに登録しない口座の評価を下げたりすることができる。
また、本発明の銀行システムは、さらに下記のような特徴を備えるように構成してもよい。すなわち、口座名義人の依頼により、前記口座名義人の口座から出金する場合には、予め定めた連絡人に事前承諾または通知を必要とする見守口座として登録を受付ける見守登録受付部をさらに備え、前記振込実行部は、振込元の口座が前記見守口座であり、かつ振込先が前記お墨付口座である場合に、前記事前承諾を不要とすることを特徴とする。
このようにすることで、見守口座(その口座から出金する場合には、予め定めた連絡人に事前承諾または通知を必要とするように設定登録された口座)から振込む場合に、本来は事前承諾が必要であってもその事前承諾を不要とすることができる。すなわち、信頼度の高いお墨付口座に対しては、事前承諾を得るための手間を省くことでシステムの負荷を軽減することができる。
また、本発明の銀行システムは、さらに下記のような特徴を備えるように構成してもよい。すなわち、前記見守口座からの振込の際に、振込先が前記お墨付口座でない場合に、前記連絡人が事前承諾した承諾件数を、前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする。このようにすることで、見守口座において事前承諾された件数を評価項目に加えるので、お墨付口座に登録されていないにもかかわらず、第三者から承諾を得ることができる振込先は信用度が高いと考えられるので評価点を上げ、お墨付口座への登録を促すことができる。
また、本発明の銀行システムは、さらに下記のような特徴を備えるように構成してもよい。すなわち、前記見守口座からの振込の際に、振込先が前記お墨付口座でない場合に、前記連絡人が事前承諾を否認した否認件数を、前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする。このようにすることで、見守口座からの振込に対して事前承認を否認されるような振込先は、情報の開示が不足しており、信用度も低いと考えられるので評価点を下げることができる。見守口座からの振込先はより高い信用が求められるからである。
また、本発明の銀行システムは、さらに下記のような特徴を備えるように構成してもよい。すなわち、前記見守口座からの振込の際に、前記振込先の口座名義人に対して、お墨付口座登録依頼が送信された場合、通常のお墨付口座登録依頼よりも重み付けして、前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする。このようにすることで、見守口座からの振込におけるお墨付口座登録依頼に対しては、通常のお墨付口座登録依頼よりも重要度を高めることができる。見守口座からの振込先は、より早くお墨付口座に登録されるべきと考えられるからである。
また、本発明の銀行システムは、銀行のコンピュータが行う下記のような方法の発明と捉えることもでき、上記の銀行システムと同様な作用効果を奏する。
銀行システムを構成するコンピュータが、口座名義人の依頼により、前記口座名義人の口座を、銀行が信用度を評価し評価点を第三者に開示できるお墨付口座として登録を受付けるステップと、前記口座の口座名義人情報、口座取引情報、及び口座の使用状況から所定のルールで口座を評価した口座評価情報に基づいて、前記口座の評価点を判定するステップと、前記評価点が所定の閾値以上の場合に前記口座をお墨付口座として登録するステップと、振込人からの振込要求を受付けた際に、振込先口座情報を振込先の銀行システムから取得するステップと、振込先口座が前記お墨付口座である場合には、該お墨付口座の開示情報を振込の実行前に前記振込人に対して提示するステップと、を実行することを特徴とする。
本発明によれば、振込先の口座に対して銀行が判断した総合的な信用度(お墨付)及びそれに関連する情報を、振込人に対して提示することができる。
本発明の実施形態に係る銀行システムの機能構成を示す図である。 口座情報DB30に格納される口座名義人情報31及び口座取引情報32の例を示す図である。 口座情報DB30に格納される口座種別情報33及び口座評価情報34の例を示す図である。 本システムが実行するお墨付口座登録処理フローを示す図である。 一般口座からお墨付口座に振込を行う際の本システムが実行する振込処理フローを示す図である。 見守口座からの振込を行う際の本システムが実行する振込処理フローの一例を示す図である。 見守口座からの振込を行う際の本システムが実行する振込処理フローの別の例を示す図である。 本システムが利用者に提供するお墨付登録画面200の例を示す図である。 本システムが利用者に提供する見守口座登録画面300の例を示す図である。 本システムが利用者に提供する振込画面400,410の例を示す図である。 本システムが利用者に提供する見守口座からの振込時における承諾依頼画面420及び振込承諾画面500,510の例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
図1は、本発明の実施形態に係る銀行システムの機能構成を示す図である。便宜上、この図では本発明の実施形態の銀行システムを、振込人の口座のある振込側銀行システム100aと、振込を受ける受取人の口座のある受取側銀行システム100bに分けて示している。もちろん、振込人と受取人が同じ銀行に口座を持つ場合は、振込側銀行システム100aと受取側銀行システム100bは、同じ銀行内のシステムである。また当然、一つの銀行システムが振込側になったり受取側になったりする。
本実施形態においては、振込側銀行システム100aと受取側銀行システム100bは、銀行間ネットワーク80を介して通信可能に接続されている。また、両システムは、それぞれATM40a,40bや銀行店舗端末50a,50bと銀行内ネットワーク70a,70bを介して接続され、インターネット90を介して顧客端末60a,60bと接続されている。また、本銀行システムは、提携した外部システム110とも接続され、外部システム110における特定の口座に関する情報も取得することができる。外部システム110の口座に関する情報としては、オークションサイトや通販サイトにおけるトラブル口座情報、あるいは、信用調査機関におけるトラブル口座情報や口座名義人の信用情報等がある。なお、振込側と受取側を特に区別する必要がなく、本銀行システムをまとめて示すときは、単に銀行システム100又は本システムと呼ぶことにする。ATM40,銀行店舗端末50,顧客端末60,銀行内ネットワーク70や口座情報DB30についても同様である。
振込側銀行システム100aは、機能実行部として、振込要求受付部11,振込実行部12,お墨付口座登録依頼送信部13,振込承諾依頼送信部14,振込通知送信部15,及び見守口座登録受付部16を含んで構成される。また、各機能を実行するための必要な情報を格納したデータベース(DB)として、銀行システム100aは、口座情報DB30aを備えている。詳しくは後述するが、口座情報DB30aには、口座に関するすべての情報、具体的には、口座名義人情報31a,口座取引情報32a,口座種別情報33a,及び口座評価情報34aが含まれる。
なお、本明細書では、「お墨付口座」とは、口座名義人の申請によって登録され、銀行が評価したその口座の信用度(安全度)を第三者に開示することのできるように設定登録された口座をいう。また、「見守口座」とは、高齢者や被後見人など、自己の判断だけで振込を行うのは不安である場合や、口座利用状況を第三者に知らせる必要があるような場合(例えば、遠方で生活する学生等が親に口座利用状況を報告するような場合)に、その保護者や後見人等に事前承諾又は出金の際の通知を要するように設定登録された口座をいう。
以下、振込側銀行システム100aの各機能部について説明する。振込要求受付部11は、ATM40a,銀行店舗端末50a、又は顧客端末60aなどから、顧客の振込要求を受付ける。振込要求受付部11は、例えばATM40aから振込要求を受付けると、キャッシュカードの暗証番号や指紋認証等によって振込人の本人確認(認証)を行なう。顧客端末60aからネットバンキングによる振込の場合には、キャッシュカードの暗証番号とは別の暗証番号やパスワード、または他の方法を組み合わせて本人確認を行う。振込要求受付部11は、本人確認が正常に終わると、口座情報DB30aの口座取引情報32aから預金残高を読み出し、振込金額と手数料の合計以上の預金残高があることを確認する。またこのとき、振込要求受付部11は、取得した振込先口座番号から特定した受取側銀行システム100bと通信し、振込先の口座情報を取得する。ただし、ここで取得する振込先口座情報は、以後の処理に必要最小限な情報に限られる。受取側銀行システム100bと直接通信せずに、口座の存在情報を保持した管理センタ(図示せず)等を経由するようにしてもよい。
振込実行部12は、振込要求受付部11が受付けた振込要求が正当なものである場合に、実際の振込を実行する役目を果す。すなわち、振込元口座の預金残高から振込額と手数料を減額し、振込先口座に対して振込額を送信する。このとき、振込人の口座が見守口座として登録されており、かつ事前承諾が必要と登録されている場合でまだ承諾がない場合には、振込承諾依頼送信部14を呼び出し、登録された承諾人に対してメール等で承諾依頼を送信する。また、振込人の口座が見守口座として登録されており、かつ事前承諾は不要と登録されている場合には、振込が行われたことを登録された要通知人にメール等で通知する。また、取得した振込先口座情報をみて振込先の口座がお墨付口座として登録されていると判断した場合は、その口座の評価点(「口座評価ランキング」)をATM40a等に表示させる。「口座評価ランキング」とは、その口座のある銀行が口座名義人情報、取引実績、外部の情報などから総合的に評価した口座の信用度(安全度)である。振込先の口座がお墨付口座として登録されていない場合は、その旨をATM40a等に表示させ、注意喚起を行う。さらに、この場合には、振込人、承諾人、要通知人いずれかから指定があれば、お墨付口座登録依頼送信部13を呼び出して以下の処理を行う。
お墨付口座登録依頼送信部13は、振込先口座がお墨付口座でない場合に、振込先の口座名義人に対して、振込実行前または振込実行後に、振込先口座をお墨口座へ登録するよう依頼をする役目を果す。一方、受取側銀行システム100bでは、この依頼があったことを知り、登録依頼件数を口座評価情報34bの一部として格納する。受取人側では、自分の口座に対してお墨付を求めている振込人がいることが気づかされるので、お墨付口座登録を行う動機づけとなる。ただし、実際にお墨付口座に登録するかどうかは受取人の判断に委ねることとする。
振込承諾依頼送信部14は、振込元の口座が見守口座であり、かつ事前承諾が必要とされる場合に、予め登録された承諾人に対して振込の事前承諾依頼をメール等で送信する。事前承諾依頼を受け取った承諾人は、その振込に対して承諾するか否認するかを選択する。なお、承諾人は複数であってもよい。振込承諾依頼送信部14が事前承諾依頼を送信すると、振込実行部12は、その振込処理はいったん終了させ振込予約として登録し、承諾人から所定の期間内に承諾の通知を受け取った際にその振込処理を実行する。承諾人から否認の通知を受け取った場合は、その振込処理は当然拒否される。
振込通知送信部15は、振込元の口座が見守口座である場合に、事前承諾は必要ないが振込が実行された際の情報を登録された要通知人に通知する場合に起動される。もちろん、承諾人がいる場合であっても、この振込通知は要通知人にも送信される。
見守口座登録受付部16は、高齢者や保護を必要とする振込人の口座を、その保護者等(親族、後見人、代理人)が予め見守口座として設定したい場合に、その登録を受付ける役目を果す。見守口座の登録は,保護者等の顧客端末60aの他、ATM40aからも可能であるが、口座名義人と共に保護者等が銀行に出向き、店員に依頼し銀行店舗端末50から行うほうが望ましい。
次に、受取側銀行システム100bの機能部の説明に移る。受取側銀行システム100bは、機能実行部として、預入受付部21,お墨付口座登録受付部22,お墨付口座登録判定部23,口座評価情報収集部24,を含んで構成される。また、各機能を実行するための必要な情報を格納したデータベース(DB)として、口座情報DB30bを備えている。口座情報DB30aと口座情報DB30bは、振込側と受取側の役目が異なるだけで内部構造としては同じである。
預入受付部21は、振込側銀行システム100aの振込要求受付部11から振込先口座情報を要求されると、口座種別情報33bを読み出し、必要な情報を返信する。また、振込実行部12から送金情報を受取り、口座取引情報32bに記録する役目も果す。
お墨付口座登録受付部22は、口座名義人(代理人含む)が自己の口座をお墨付口座として登録する場合に、その登録要求を受付ける。お墨付口座として登録されれば一定の範囲で口座情報が振込側にも開示される。開示する範囲はお墨付口座の口座名義人側の指定によるが、その口座の信用度を表す口座評価ランキングは少なくとも開示される。なお、図1では、お墨付口座を受取側で登録する場合を示しているが、受取側に限定するものでなく、安全な取引先であることを示すために、振込側でも自己の口座をお墨付口座として登録可能である。お墨付口座の登録は,顧客端末60の他、ATM40からも可能であるが、十分な本人確認が必要なので、口座名義人が銀行に出向き店員に依頼し銀行店舗端末50から行うほうが望ましい。
お墨付口座登録判定部23は、口座名義人からお墨付口座登録依頼を受けた際に、口座名義人の個人情報、登録時に追加で入力された情報(口座使用状況など)、過去の口座取引情報、及び外部システム110からのその口座のトラブル情報などを入手し、その口座をお墨付口座として登録するかどうかを総合的に判定し、口座評価ランキングを含む判定結果を口座名義人に通知する。評価のための評価項目について詳しくは後述する。
口座評価情報収集部24は、お墨付口座として登録された口座に対して、登録時の追加情報を記録し、また登録時の口座名義人情報、口座取引情報、外部システム110の情報等から評価情報を収集し、評価情報を常に最新のものに保つ役割を果す。収集し生成した評価情報は口座評価情報34bに格納される。
上記の図1のシステムの構成は、あくまで一例であり、銀行システム100は、複数のコンピュータで構成される。典型的なハードウェアとしては、勘定系ホストコンピュ−タ、認証サーバ、ATM管理サーバ、店舗端末管理サーバ、ネットバンキング管理サーバ、外部システムとの仲介サーバ等で構成される。また、各システムの一つの機能部を更に分割したり、複数の機能部をまとめて一つの機能部として構成してもよい。各機能部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only
Memory)またはハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わない。
図2は、口座情報DB30に格納される口座名義人情報31及び口座取引情報32の例を示す図である。図2上段は、口座名義人情報31を示し、通常は口座開設時の口座名義人に関する情報が記録される。図2上段左では口座名義人が法人の場合を示し、図2上段右では、口座名義人が個人の場合を示している。図示するように、法人と個人の場合で、登録される内容が異なる。ここで登録される情報は口座名義人の信用度を評価する際にも用いられる。なお、特に図示していないが、キャッシュカードの暗証番号、指紋認証等の生体認証情報、ネットバンキングに使用するログインIDやパスワード等も口座名義人情報31に含めてよい。口座名義人情報31については、口座開設後であっても、口座名義人からの申請によって更新が可能であることはいうまでもない。特に、後述するお墨付口座登録時には追加情報が求められる。
図2下段は、口座取引情報32を示し、この口座における日々の取引が銀行の勘定系ホストコンピュータにより記録される。記録された取引情報は、取引日から所定の期間が経過した際に順次データベースからは消去される。
図3は、口座情報DB30に格納される口座種別情報33及び口座評価情報34の例を示す図である。図3上段は口座種別情報33を示す。ここでいう口座種別とは、お墨付口座と見守口座であり、どちらかに登録されている場合には、それぞれ必要な情報が記録される。お墨付口座、見守口座いずれにも登録されていない場合は、その口座種別を「一般口座」と呼ぶことにする。なお、お墨付口座、見守口座両方に登録することも可能である。
お墨付口座と見守口座については、登録日と最終更新日が記録されるが、お墨付口座の場合には、その口座の信用度(安全度)を表す口座評価ランキングが記録される。例えば、口座評価ランキングを1から5までの5段階とし、最高ランク5の場合は、お墨付口座としても最も信用度が高いことを示す。口座評価ランキングは、口座名義人情報31、口座取引情報32、登録時の追加情報、及び別途収集した評価情報(外部システム110から得られるその口座に関する情報)から、本システムによって自動又は半自動によって決定される。又、お墨付口座には、振込人等(振込人、承諾人、要通知人)に開示する口座情報の項目を口座名義人によって指定することができる。例えば、図の例では口座名義人の氏名、口座名義人信用度、その口座の過去の取引回数が振込人等に開示されるように設定されている。
口座種別が見守口座の場合は、口座種別情報33には、口座名義人又は連絡者が指定した1又は複数の連絡者の氏名、連絡先(通常はメールアドレス)、口座名義人との関係、等を示した連絡人情報33x,33y,・・・、が格納される。連絡者には2種類があり、口座名義人が見守口座から振込を行う場合に、振込情報を通知し事前承諾を得る必要がある承諾人と、事前承諾は不要だが振込んだ事実をメール等で通知する必要がある要通知人がある。もちろん、承諾人と要通知人が同じ人間であってもよい。また、図示していないが、承諾を得る必要がある条件を別途細かく指定することもできる。例えば、お墨付口座として登録されており、かつ口座評価ランキングが4以上の場合には、承諾人が登録されていても承諾を不要とすることもできる。こうすることで、お墨付口座のうちでも特に信用度が高い場合には承諾の手間を省くことができる
図3下段には口座評価情報34の一例を示してる。本システムでは、顧客から自己の口座をお墨付口座に登録したい旨の要求を受け付けると、口座評価情報34に基づいて口座評価ランキングが判定される。ここでは、評価項目は法人の場合と個人の場合で同じにしているが、各評価項目は、評価値(例えば−10から+10の範囲)が予め定めた所定のルールで決定され、またその「重み」が定義される。この重みを変えることで、同じ評価値であっても法人の場合と個人の場合では口座評価ランキングの結果が異なるようになっている。例えば、口座名義人信用度は、法人の場合でも個人の場合でも、重みは最も高い10であるが、株式評価(発行済株数、株価)などは、個人の場合には重みゼロとする。また、個人が口座を給与振込やクレジットカードの引落などに使用している場合は、評価の対象とするが、法人の場合には評価の対象としない(重みゼロ)。さらに、法人の場合は、業種や企業規模によって重みを変えることもできる。例えば、製造業の大企業の口座がネットオークションに参加することは通常ありえないが、通販の小売業の口座では十分ありうるので、オークションに関する評価値の重みを変更する。なお、銀行が顧客である口座名義人の口座の評価値を自ら決定することに躊躇することも考えられるので、この評価ルールは、第三者機関で作成することが望ましい。
本システムの特徴として、お墨付口座登録依頼件数を評価項目に加えている点があげられる。お墨付口座登録依頼件数とは、振込人が振込もうとしたが振込先口座がお墨付口座に登録されていない(すなわち、口座情報が開示されていない)場合に、振込人からお墨付口座に登録してほしい(口座情報を開示してほしい)という依頼を受けた件数である。この依頼件数が多いということは多くの振込人に利用される口座であるため、お墨付口座への登録を優先すべきとして評価値を上げるようにしている。ただし、図示は省略するが、登録依頼が多いにもかかわらず、しかるべき期間が経過しても登録を行わない口座は評価値を下げる(マイナスの評価点を加える)ようにもする。この場合、放置期間によって評価値を下げる度合いを変えてもよい。このような場合の評価値も、口座評価情報34に加えられ、お墨付口座登録時の評価項目に加えられる。
また、本システムのもうひとつの特徴として、見守口座における承諾件数および否認件数を評価項目に加えている点があげられる。見守口座からの振込は、多くの場合、口座名義人以外の第三者である承諾人が存在するため、お墨付口座に登録されていないにもかかわらず承諾件数の多い口座は信用度が高いと考えられ、逆に否認の多い口座は情報の開示が少なく信用度が低いと考えられるからである。また、見守口座からの振込の際に、承諾人や要通知人からお墨付口座登録依頼をすることも可能であるため、見守口座からのお墨付口座登録依頼件数は、通常のお墨付口座登録依頼件数に対して例えば2倍〜3倍程度の重みをつけてカウントするようにしてもよい。このようにすることで、見守口座からのお墨付口座登録依頼件数と見守口座における承諾件数、否認件数とが合いまって、評価値の総合評価点により大きく影響させることができる。
また、本システムのさらに別の特徴として、銀行内部の評価に加えて外部システム110からの情報も評価に加えることができる点もあげられる。もちろん外部システム110自体の信用度も考慮されるのはいうまでもない。外部システム110からの情報としては、特にネットオークションやネット通販でトラブル口座として報告された口座番号は特別に低い評価値を受け、さらにその重みも最高値とする。例えば、図3下段右の個人の口座評価情報中、オークショントラブル報告が−20になっているが、これは外部のインターネット・オークションサイトでトラブル口座(ブラックリスト)として登録されていることを示し、このような口座については他の評価が高くとも口座評価ランキングは極めて低くなる。また、口座をオークション決済に利用している場合には、お墨付口座登録時にそのオークションのユーザIDを入力してもらい、オークションサイトに登録しているユーザID、口座名義人、口座番号が一致したときに、オークション評価(オークションの取引相手をお互いに評価した結果で、「良い評価」―「悪い評価」の数によって定める)をオークションサイトから取得し、口座評価情報34に加えてもよい。
このような口座評価情報34の各評価項目の評価値×重みの合計から総合評価点を求め、この総合評価点から口座評価ランキングを決定する。口座評価ランキングが所定の閾値以下の場合は、お墨付口座への登録は拒否される。例えば、総合評価点500以上は口座評価ランキング5、400点〜499点は口座評価ランキング4、300〜399点は口座評価ランキング3、200〜299点は口座評価ランキング2、100〜199点は口座評価ランキング1、100以下は口座評価ランキング0などとし、評価ランキング2以下は、お墨付口座登録不可とする。図3下段の法人の例では、総合評価点は322点で口座評価ランキング3(お墨付口座登録可)となり、個人の例では86点で口座評価ランキング0(お墨付口座登録不可)となる。
なお、口座評価情報34はすべての口座に備える必要はなく、口座名義人又は振込人等からお墨付口座登録依頼があった口座、又は銀行が特に指定した口座に対してのみ作成するようにしてよい。お墨付口座に登録された後でも口座評価情報34は当然更新されるため、お墨付口座の登録を取り消されることもある。
図4は、本システムが実行するお墨付口座登録処理フローを示す図である。この処理は、主として、受取側銀行システム100bのお墨付口座登録受付部22、お墨付口座登録判定部23、及び口座評価情報収集部24が協業して行う処理である。
まず、ステップS10において、お墨付口座登録受付部22がATM40、銀行店舗端末50、顧客端末60からお墨付口座登録要求を受信すると、この要求と共に送信された登録すべき口座情報をお墨付口座登録判定部23に渡す。
次にステップS11において、お墨付口座登録判定部23は、その口座情報を、口座名義人が法人か個人かにより、あらかじめ定められたルールに従って、口座評価情報34に記載された各評価項目ごとに評価値を判定する。例えば、個人の場合、口座名義人の信用度は、口座名義人の勤務先、職種、勤続年数、年収などから所定のルールで判定される。評価項目のうち、口座名義人信用度や口座使用目的等は、口座開設時に評価値が登録されていればその評価値を採用するが、登録時に顧客が新たに入力した情報が登録時の情報と異なっている場合には、新たに入力された情報を元に評価値を再判定する。また、口座開設時には定まらない口座取引回数やお墨付口座登録依頼件数、見守口座における承諾件数、外部システムからの情報などは、口座評価情報収集部24が、所定の頻度で収集したデータを利用する。このようにして各評価項目の評価値が判定されると、所定の重みを掛けて口座評価ランキングが計算される。
評価情報判定処理が終わると、ステップS12において、お墨付口座登録受付部22は、判定結果(評価ランキング)をATM40等に送信する。このとき、例えば、評価ランキングが2以下の場合は、お墨付口座の登録は不可と判定される。このとき各評価項目毎の評価値を顧客に提示するようにしてもよい。評価項目には自動的に求まるものと、人間の判断を必要とするものがあるので、システムは審査担当者等(第三者機関が望ましい)に評価項目ごとに評価値を提示し、最終的な判断はその審査担当者等が行うようにしてもよい。
評価判定結果を提示された顧客は、判定結果に不満がある場合は、登録画面からその旨のボタンを押すなどして、システムに通知する。お墨付口座登録受付部22は、顧客の不満を受信した場合は(ステップS13;No)、ステップS19に移り、再判定のための追加情報の入力を依頼する。追加情報には、給与振込、公共料金支払、ローン決済、など事実認定可能な事項に対してこの口座を利用しているかどうかの有無、オークション決済に利用している場合は、該当するオークション名やオークションユーザID等の情報を入力する。もちろん、偽った情報を入力して登録された場合、後日その事実が判明した時点でお墨付口座の登録は抹消される。追加情報が入力された場合は(ステップS20;Yes)、ステップS11に戻り、再度評価情報判定処理が行われる。ステップS20において追加情報が入力されなかった場合には、ステップS21において、お墨付口座への登録は拒否される。
ステップS13において、顧客が判定結果に満足した場合は、ステップS14に移り、登録不可判定の場合には(ステップS14;No)、ステップS21においてお墨付口座への登録は拒否される。登録可判定の場合には(ステップS14;Yes)、ステップS15において、口座名義人が個人か法人かのチェックがなされ、法人の場合には登録料支払いの同意依頼を送信し(ステップS16)、顧客が同意した場合には(ステップS17;Yes)、ステップS18に移り、お墨付口座の登録処理が完了する。登録料は登録した口座から支払われることとする。もちろん、登録料の同意がない場合は(ステップS17;No)、やはり、ステップS21に移り登録が拒否される。
図5は、一般口座からお墨付口座に振込を行う際の本システムが実行する振込処理フローを示す図である。この処理は、振込側銀行システム100aの振込要求受付部11と振込実行部12が協業して行う処理である。
まず、図示を省略しているが、振込要求受付部11が、顧客から振込要求を受信すると、受取側銀行システム100bに対して振込先口座情報の取得要求を送信する。そしてステップS30において、振込先口座情報を受信すると、振込先口座がお墨付口座であるかがチェックされる。お墨付口座である場合は(ステップS31;Yes)、ステップS32に移り、口座評価ランキングをATM40a等に表示させる。このとき振込先の口座名義人の指定により、口座名義人の氏名、口座名義人信用度等が開示を許可された範囲で表示される。その後、ステップS33に移り通常の振込処理が実行される。
お墨付口座でない場合は(ステップS31;No)、ステップS34に移り、注意喚起(お墨付口座に登録されてない旨)が表示される。この注意喚起の後、振込人によって振込実行要求がなされれば(ステップS35;Yes)、ステップS33に移り、通常の振込処理が実行される。ステップS35において、振込実行要求が振込人によってなされなければ、ステップS36に移り、振込人から振込先の口座に対してお墨付口座への登録依頼が指定されたかどうかをチェックし、登録依頼が指定されていれば(ステップS36;Yes)、ステップS37において、お墨付口座登録依頼を振込先の口座名義人に対してメール等で送信する。このとき登録依頼が送信された宛先、送信日時がシステムに記録される。この場合、振込処理自体は実行されることなく終了することになる。
このようにすることで、振込人は振込先の口座情報を得られた場合のみ振込を行うといった判断をすることができる。また、お墨付口座登録依頼を受け取っても、しかるべき期間にお墨付口座に登録されない場合には、その口座の信用度は低いと判断できるので、今後はその相手とは取引を控えるようにすることもできる。
図6は、見守口座から振込を行う際の本システムが実行する振込処理フローの一例を示す図である。見守口座からの振込は一般口座からの振込の場合とは違った処理が必要となるので、ここで説明する。なお、見守口座から振込処理フローは一つではないので、図6では一例を、図7では別の例を示している。
まず、図示を省略しているが、振込要求受付部11が、顧客から振込要求を受信すると、受取側銀行システム100bに対して振込先口座情報の取得要求を送信する。そして振込先口座情報を受信すると(ステップS40)、ステップS41において、振込先口座がお墨付口座であるかどうかがチェックされる。お墨付口座である場合には(ステップS41;Yes)、口座評価ランキングを表示させ(ステップS42)、通常の振込処理を行う(ステップS43)。ここまでは一般口座からの振込の場合と同様である。
振込先がお墨付口座でない場合は(ステップS41;No)、ステップS44に移り、振込元が見守口座であるかどうかがチェックされる。見守口座でない場合は、図5のステップS34に移り、以後は既に説明した処理を行う。
振込元が見守口座である場合には(ステップS44;Yes)、ステップS45において、事前承諾が必要かどうか(承諾人が登録されているかどうか)が、チェックされる。事前承諾が必要であれば(ステップS45;Yes)、ステップS50において、その事前承諾の受信状況がチェックされる。事前承諾を受信していない場合は(ステップS50;なし)、ステップS51において、承諾依頼を承諾人に送り処理は終了する。事前承諾の通知は受信しているがその内容が「否認」の場合も(ステップS50;否認)、そのまま処理を終了する。その場合、振込人に事前承諾が否認になっていることを提示するのはいうまでもない。事前承諾の内容が「承諾」の場合は(ステップS50:承諾)、ステップS52の承諾振込処理を行う。通常の振込処理と異なるのは承諾人からの承諾があった旨を口座取引情報32aに記録する点のみである。承諾振込処理が終わると、ステップS53に移り、評価項目である「見守口座における承諾件数」を1加算する。
ステップS45において、見守口座であっても事前承諾が不要な場合(承諾人は登録されておらず、要通知人のみが登録されている場合)には、ステップS46において、お墨付口座に登録されていない旨の注意喚起を振込人側に表示させるとともに、要通知人に振込情報(振込場所、日時、振込先口座番号、振込金額)をメール送信する。要通知人への通知は、ステップS47において振込実行を指示されてからでもよい。ステップS46の注意喚起の後、ステップS47において振込人が振込実行を指示した場合は、ステップS43に移り通常の振込処理を行う。ステップS47において、振込人が振込実行を指示しなかった場合は、ステップS48に移り、振込人からのお墨付口座への登録依頼の指定があるかどうかをチェックする。登録依頼指定がある場合には、ステップS49において、振込先の口座名義人に対してお墨付口座への登録依頼をメール等で送信する。このとき登録依頼メールを送信した宛先と日時を記録し、かつ評価項目の「お墨付口座登録依頼件数」を加算する。このとき所定の倍率をかけてもよいのは既に説明したとおりである。
図7は、見守口座からの振込を行う際の本システムが実行する振込処理フローの別の例を示す図である。図7の見守口座からの振込処理は、図6の場合と基本的に同じであるが、以降では異なる部分のみを説明する(図では異なる部分を網掛で示している)。
まず図6と異なるのは、ステップS44のあとすぐに、ステップS49aにおいて、設定によりお墨付口座登録依頼をシステムが自動送信できる点である(図6の場合はステップS48の後に、振込人からの指定がある場合にのみステップS49を処理していた)。もちろん、自動送信しないような設定も選択可能である。このようにするのは、見守口座からの振込先には口座情報の開示が特に要求されるので、システムのほうで自動的にお墨付口座への登録を推奨するためである。
次に図6と異なるのは、ステップS54の処理が追加されている点である。ステップS54においては、事前承諾が必要な場合で承諾人が否認した場合には、評価項目にある見守口座における否認件数を1加算する。第三者である承諾人が否認したということは、その口座の信用度が低いとも考えられるからである。もちろん、その他の理由で否認したとも考えられるので、マイナス評価点はあまり大きくしないことが必要である。なお、図6の場合と同様に、承諾人が承諾した場合には、見守口座における承諾件数が1加算される(ステップS53)。
図8は、本システムが利用者に提供するお墨付登録画面200の例を示す図である。この図は、ATM40からキャッシュカードを読み込ませることでキャッシュカードの口座番号をお墨付口座に登録する場合を示しているが、他の手段からの登録の場合も基本的には同様である。
顧客が、登録画面を開き、キャッシュカードを読み込ませると、符号201の情報が自動的に表示される。これらの情報は、口座情報DB30から取得して表示される。また符合202で示す情報は、口座情報DB30からは、直接取得できないものであり(その口座に関する銀行への各種届出情報を集めることで自動表示できる可能性のある項目もあるが)、顧客から追加情報として入力が必要な項目である。ここでは個人の場合の例として、給与振込、公共料金、ローン返済、オークション決済に、この口座を使っているかどうかをチェックマークで選択させるようになっている。もちろん、顧客が開示したくない項目は無回答でよい。法人であれば追加情報は、最新の売上高、従業員数、株価、総株式時価等の企業価値を高めるような情報が考えられる。
また、これらの追加情報は、利用者が項目を独自に追加できるようにすることが好ましい。そのために、「その他(入力してください)」のような一又は複数の入力欄が用意され、顧客は任意の文字列を入力できる。入力する文字列は、利用者が口座の評価に影響すると考えるものであればなんでもよい。例えば、外部のオークションの評価が良いような場合には、そのオークションの「オークション名とユーザID」を入力する。オークションの評価は個人に対する評価であり必ずしも口座の評価ではないが密接に関連しているものと考えられる。なお、追加情報は銀行側でも登録できるようにする。都合の悪い情報は口座名義人から提供されることはないからである。このような追加情報を入力完了後、画面下の登録ボタンを押すとシステムに送信され、口座情報が評価されて、その判定結果が表示される(図示せず)。判定に不満な場合には、さらに追加情報を入力して再評価を受けることもできる。
図9は、本システムが利用者に提供する見守口座登録画面300の例を示す図である。この図は、ネットバンキングを利用して顧客端末から認証を受けた後、顧客が指定した口座番号を見守口座に登録する場合を示しているが、他の手段からの登録の場合も基本的には同様である。もちろん、この登録は、口座名義人でなくとも、口座名義人が認定し、かつ本人確認ができる人間であれば可能であるとする。
図示するように、見守口座登録画面300には、符号301で示す領域に見守口座として登録する口座番号、口座名義人、生年月日、住所・電話番号等を入力する。次に、符号302で示す領域には、見守連絡先として登録する人間の氏名、住所、電話番号、生年月日、口座名義人との関係、連絡先(通常はメールアドレス)を入力する。また連絡人に事前承諾の権限を持たせる場合には、事前承諾の欄にチェックを入れる。見守連絡先が複数の場合には、符号303で示すようにその情報も追加入力する。このようにして入力を終わり画面下の登録ボタンを押すとシステムに送信され、エラーがない限り見守口座の登録が完了する。
図10は、本システムが利用者に提供する振込画面400,410の例を示す図である。画面400は、一般口座から一般口座に振込もうとした場合の振込画面であり、画面410は、一般口座からお墨付口座に振込もうとした場合の画面である。
図示するように、いずれの場合でも振込先がお墨付口座に登録されているか否かが表示されるが、お墨付口座の場合には、お墨付口座の名義人が開示許可した口座情報が領域411に表示される。一般口座に振込む場合は、左図のように注意喚起が表示される他、単に振込を実行するか否かだけでなく、次回以降のために、お墨付口座への登録依頼を同時に送信するようなボタンを用意してもよい。お墨付口座へ振込む場合には、当然このようなボタンは必要ない。
図11は、本システムが利用者に提供する見守口座からの振込時における承諾依頼画面420及び振込承諾画面500,510の例を示す図である。画面420は振込時の画面であり、画面500と画面510は承諾人が受け取る画面(受取メールにリンクされる画面)である。
振込元が見守口座であり、かつ事前承諾をまだ受信してない場合には、画面420が表示される。ここで「はい」のボタンを押すと、振込先がお墨付口座でない場合は画面500が表示され、お墨付口座の場合は画面510が表示される。画面500では、承諾するか否認するかのボタンの他に、同時にお墨付口座への登録依頼を行うボタンが用意されているのは図10の場合と同様である。また、お墨付口座の場合の画面510では、振込先の口座の開示情報が表示され、承諾・否認のボタンが表示される。なお、要通知人への通知画面には振込先の口座番号、振込場所、振込日時、振込金額が表示され、お墨付口座への振込の場合にはさらに振込先の口座の開示情報が表示される。なお、要通知人の通知画面には、承諾・否認ボタンは表示されないが、お墨付口座への登録依頼ボタンは表示されるのはいうまでもない。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことはいうまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
11 振込要求受付部
12 振込実行部
13 お墨付口座登録依頼送信部
14 振込承諾依頼送信部
15 振込通知送信部
16 見守口座登録受付部
21 預入受付部
22 お墨付口座登録受付部
23 お墨付口座登録判定部
24 口座評価情報収集部
30,30a,30b 口座情報DB
31,31a,31b 口座名義人情報
32,32a,32b 口座取引情報
33,33a,33b 口座種別情報
34,34a,34b 口座評価情報
40,40a,40b ATM
50,50a,50b 銀行店舗端末
60,60a,60b 顧客端末
70,70a,70b 銀行内ネットワーク
80 銀行間ネットワーク
90 インターネット
100 銀行システム
100a 振込側銀行システム
100b 受取側銀行システム
110 外部システム
200 お墨付口座登録画面
300 見守口座登録画面
400,410 振込画面
420 承諾依頼画面
500,510 振込承諾画面

Claims (10)

  1. 口座名義人の依頼により、前記口座名義人の口座を、銀行が信用度を評価し評価点を第三者に開示できるお墨付口座として登録を受付けるお墨付口座登録受付部と、
    前記口座の口座名義人情報、口座取引情報、及び口座の使用状況から所定のルールで口座を評価した口座評価情報に基づいて、前記口座の評価点を判定し、前記評価点が所定の閾値以上の場合に前記口座をお墨付口座として登録するお墨付口座登録判定部と、
    振込人からの振込要求を受付けた際に、振込先口座情報を振込先の銀行システムから取得する振込要求受付部と、
    振込先口座が前記お墨付口座である場合には、該お墨付口座の開示情報を振込の実行前に前記振込人に対して提示する振込実行部と、
    を備えることを特徴とする銀行システム。
  2. 前記お墨付口座登録判定部は、登録すべき口座の口座名義人が法人か個人かによって、前記口座の評価点を判定するための評価項目の重みを変更することを特徴とする請求項1に記載の銀行システム。
  3. 前記お墨付口座登録判定部は、通信可能に接続された外部システムから、前記口座に関する情報を取得し、前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする請求項1に記載の銀行システム。
  4. 前記お墨付口座登録判定部は、前記お墨付口座登録の際に当該口座名義人又は銀行側で入力した追加情報を、前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする請求項1に記載の銀行システム。
  5. 前記振込実行部は、振込先が前記お墨付口座でない場合、前記振込人の指定に基づき、前記振込先の口座名義人に対して、お墨付口座登録依頼を送信するとともに、前記お墨付口座登録依頼の件数を前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする請求項1に記載の銀行システム。
  6. 口座名義人の依頼により、前記口座名義人の口座から出金する場合には、予め定めた連絡人に事前承諾または通知を必要とする見守口座として登録を受付ける見守登録受付部をさらに備え、
    前記振込実行部は、振込元の口座が前記見守口座であり、かつ振込先が前記お墨付口座である場合に、前記事前承諾を不要とすることを特徴とする請求項1に記載の銀行システム。
  7. 前記見守口座からの振込の際に、振込先が前記お墨付口座でない場合に、前記連絡人が事前承諾した承諾件数を、前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする請求項6に記載の銀行システム。
  8. 前記見守口座からの振込の際に、振込先が前記お墨付口座でない場合に、前記連絡人が事前承諾を否認した否認件数を、前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする請求項6に記載の銀行システム。
  9. 前記見守口座からの振込の際に、前記振込先の口座名義人に対して、お墨付口座登録依頼が送信された場合、通常のお墨付口座登録依頼よりも重み付けして、前記評価点を判定するための評価項目に加えることを特徴とする請求項6に記載の銀行システム。
  10. 銀行システムを構成するコンピュータが、
    口座名義人の依頼により、前記口座名義人の口座を、銀行が信用度を評価し評価点を第三者に開示できるお墨付口座として登録を受付けるステップと、
    前記口座の口座名義人情報、口座取引情報、及び口座の使用状況から所定のルールで口座を評価した口座評価情報に基づいて、前記口座の評価点を判定するステップと、
    前記評価点が所定の閾値以上の場合に前記口座をお墨付口座として登録するステップと、
    振込人からの振込要求を受付けた際に、振込先口座情報を振込先の銀行システムから取得するステップと、
    振込先口座が前記お墨付口座である場合には、該お墨付口座の開示情報を振込の実行前に前記振込人に対して提示するステップと、
    を実行することを特徴とする振込管理方法。
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