JP2013052918A - 蓋熱融着容器および蓋熱融着装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天部に設けられたフランジに蓋を熱融着した容器であって、前記フランジの外縁部のシール強度は該フランジの内縁部のシール強度より弱いことを特徴とする蓋熱融着容器を提供する。また、リテーナーで容器フランジを支持して、シール金型にて蓋をシールする蓋熱融着装置において、前記シール金型の大きさが、前記容器フランジの外周線より小さいことを特徴とする蓋熱融着装置を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明では、蓋がシールされた後の、容器の取り扱いにより発生し得る、蓋の剥がれや内容物漏出に耐え得るシール強度と易開封性を併せ持つ蓋熱融着容器、および、蓋がシールされた後の、容器の取り扱いにより発生し得る、蓋の剥がれや内容物漏出に耐え得るシール強度を付与してなお、易開封性をも付与する蓋熱融着装置を提供する。
また、本発明の装置により蓋をシールすれば、フランジ外側縁部への蓋の融着を防げ、フランジ外縁部のシール強度を弱くし、内縁部側に向かってシール強度を強くすることができる。このため、フランジ変形に影響の大きい開封開始点では、弱い力で剥離開始が出来、フランジ変形に影響の小さいフランジ内縁側では剥離強度が強くなる。
本発明の蓋熱融着容器は、フランジの剛度が十分に強く、開封時の上方に引き上げる力でフランジ変形が発生せず、フランジ外側縁部の接着部が剥がれ、続いてフランジ外縁部も剥離されれば開封できるものである。蓋を引っ張る力により生じるフランジの内縁部に作用する変形力は、蓋を引っ張る力が掛かる点が、フランジ内方に行くに従い小さくなるので、フランジ外側部が剥離できれば、蓋の手開封は可能となる。
以下に説明する、本発明の蓋熱融着装置によるシール金型、リテーナーを用いてシールを行えば、このような状態をより好ましく発現させることが可能となる。
一般にシール強度を決定する要素として、シール温度、シール時間、シール圧力があるが、本発明では、シール圧力をフランジの外縁部では低く、内縁部では高くすることで、フランジ外縁部でシール強度を弱くし、内縁部では強くすることができた。
まず、最も単純な方法は、フランジの内縁部を支える部分はフラットにし、外側に向けて傾斜をつける方法である。これにより、フランジ内縁部は耐性に必要なシール強度を維持でき、外縁部は開封開始に際し、フランジ変形を起こさない強度まで弱くすることができる。この方法による傾斜角度の設定は、容器フランジの材質、特に金型のシール圧力で大きく収縮するものでは傾斜量を大きく、収縮量が小さいものでは傾斜量を小さくすることで調節する。
ゴムの断面形状は、丸、角等が一般的だが、形状を限定する必要はない。ゴムの材質は、シリコンゴム、テフロン(登録商標)ゴム等の耐熱性であるものが好ましい。また、他の方法との組み合わせも可能である。
図2に示すように、シール金型のサイズを、容器フランジの外周線よりも内側になるようにしたシール装置で、容器フランジ外側縁部に蓋材の熱溶融樹脂の食み出しが固着しないようにしたものである。具体的には、フランジ幅4mmの、紙を主体とした両面(表裏)ポリプロピレン製の紙カップに、ポリエチレンとポリプロピレンをブレンドしたヒートシール層を持つ蓋材を、フランジ外周より1mm小さくしたシール金型でシールした。シール温度は、150℃、160℃、170℃、180℃で行い、それぞれについてシール性と易開封性を評価した。
その結果、後で示す従来型の装置を用いた比較例では、180℃でシールしたときには、フランジが上方に変形して手開封が出来ず、また開封強度も30N以上となり測定不能だったが、実施例1では180℃シールでも手開封ができ、開封強度は30Nを超えていたが、開封することができ、測定値を得ることができた。
図3に示すように、容器フランジ内縁部側を支える部分をフラットに、外縁部側を支える部分に傾斜を持たせたリテーナーを有するシール装置を用意した。本発明の装置では、リテーナーフラット部分では、耐性に必要なシール強度を得ることができ、傾斜部分ではフランジ外側に向かって、開封開始可能な強度にまでシール強度を弱めることができる。傾斜量については、容器材質、フランジ部のシール圧による変形量等により最適値を決めるが、実施例1と同じ紙カップを使用した場合には、フランジ外周でフラット部より0.13mm(フランジ厚みの10分の1)低くした傾斜をフランジ幅中央2mmの所から設けることで、実施例1と同等の結果が得られた。
容器フランジ外縁部側を支える部位に、ゴムをリテーナーフラット面より上に出る状態で設置したシール装置を用意した。容器フランジ内縁部に当たる、リテーナーフラット部では、耐性に必要十分なシールをし、ゴム部分では、ゴム材質、厚み、収縮量に応じたシール圧力が得られることで、開封開始に最適なシール強度でシールすることができる。図4、図5は実施例の断面概念図で、ゴムの断面形状は円や角でも、その他の形状であっても構わない。実施例1と同じ紙カップを使用した場合には、リテーナー内側の縁より2mmの所から幅4mm、深さ3mmの溝を設け、この溝に断面が円で4mm直径のリング状テフロン(登録商標)ゴムを埋め込み、ゴム上面がリテーナー上面よりも1mm上に出た状態にして、蓋をシールしたところ、実施例1と同様に180℃のシール温度でも手開封可能であった。
図6に示すように、容器フランジ外縁部側を支えるリテーナーを別部品とし、バネでリテーナー別部品を支える構造としたシール装置を用意した。フランジ内縁部にはシール金型の圧力が直接掛かり、フランジ外縁部にはバネの弾性率と変位量に応じたシール圧力が掛かるので、バネを選定することでフランジ外縁部のシール強度をコントロールすることができる。実施例1と同じ紙カップを使用した場合には、フランジ内側の縁から2mmより外側を支えるリテーナーを幅20mmのリテーナー別部品とし、リテーナーフラット面より1.96mm上に出た状態になるようにコイルバネで保持する。使用したコイルバネは、線径2mm、中心径13mm、自由長20mm、有効巻き数7、総巻き数9で、バネ定数10.21N/mmのものであり、8本使用した。1.96mm圧縮されると1本当り20N、8本で160Nの力がフランジ外縁部にシール圧として働く。この装置を用いた場合にも、実施例1と同様に180℃のシール温度でも手開封可能であった。
図1に示すような従来一般的に使用されている、リテーナーとシール金型サイズとが容器フランジ外周より大きい装置を用いて、実施例1と同じ紙カップと蓋材をシールすると、シール温度170℃で手開封がし辛くなり、180℃では手開封不能となった。実施例と比較例の結果を表1に示す。
2・・・リテーナー(受け台)
3・・・蓋材
4・・・容器
5・・・容器フランジ部
5a・・・フランジ外縁部
5b・・・フランジ内縁部
6・・・フランジ外側縁部
7・・・フランジ外側縁部に食み出た樹脂
8・・・実施例1のシール金型
9・・・実施例2のシール金型
10・・・リテーナー水平部分
11・・・リテーナー傾斜部分
12・・・実施例3の一部にゴムを使用したリテーナー
13・・・断面角形状のゴム部分
14・・・金属部分
15・・・断面円形状のゴム部分
16・・・リテーナー本体部
17・・・リテーナー別部品
18・・・バネ
19・・・実施例4のリテーナー本体部分
Claims (7)
- 天部に設けられたフランジに蓋を熱融着した容器であって、前記蓋材の熱融着樹脂が前記フランジの外側縁部にまで回り込んでいないことを特徴とする蓋熱融着容器。
- 天部に設けられたフランジに蓋を熱融着した容器であって、前記フランジの外縁部のシール強度は該フランジの内縁部のシール強度より弱いことを特徴とする蓋熱融着容器。
- リテーナーで容器フランジを支持して、シール金型にて蓋をシールする蓋熱融着装置において、前記シール金型の大きさが、前記容器フランジの外周線より小さいことを特徴とする蓋熱融着装置。
- リテーナーで容器フランジを支持して、シール金型にて蓋をシールする蓋熱融着装置において、前記容器フランジの外縁部を支持するリテーナー部分に傾斜を設け、前記フランジの外縁部に掛かるシール圧力を制御することを特徴とする蓋熱融着装置。
- リテーナーで容器フランジを支持して、シール金型にて蓋をシールする蓋熱融着装置において、前記容器フランジの外縁部を支持するリテーナー部にゴムを設置し、前記フランジの外縁部に掛かるシール圧力を制御することを特徴とする蓋熱融着装置。
- リテーナーで容器フランジを支持して、シール金型にて蓋をシールする蓋熱融着装置において、前記容器フランジの外縁部を支持するリテーナー部に、前記リテーナーから独立した構造であり、かつ、バネで支持された構造を有するリテーナー別部品を設置し、前記フランジの外縁部に掛かるシール圧力を制御することを特徴とする蓋熱融着装置。
- 前記請求項3から請求項6のいずれか2つ以上を組み合わせることを特徴とする蓋熱融着装置。
Priority Applications (1)
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JP2011193615A JP2013052918A (ja) | 2011-09-06 | 2011-09-06 | 蓋熱融着容器および蓋熱融着装置 |
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