JP2013049896A - 高一様伸び特性を備えかつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定成分の母材と特定成分の溶接金属を備え、前記母材部は、第1相がベイナイトで、第2相が第1相中に面積率で5〜20%分散した平均アスペクト比が2.0以下である島状マルテンサイトで、前記島状マルテンサイトの90%以上が旧オーステナイト粒界に存在したミクロ組織を有し、前記溶接金属部は、アシキュラフェライトとベイナイトを合わせた面積率が80%以上かつ、島状マルテンサイトの面積率が5%以下であるミクロ組織を有する溶接鋼管。
【選択図】なし
Description
1 座屈の発生は、応力−歪曲線の1%歪前後における硬化勾配に依存し、硬化勾配が大きくなるほど抑制される。
2 このような高い耐力比には、分率が低くても高強度化に有効な島状マルテンサイト(Martensite−Austenite constituentsともいう、以降MAと略す)の形態および第1相中の分散状態が一様伸びに大きく影響する。
1.母材部の成分組成が、質量%で、
C:0.05〜0.08%、
Si:0.1%以下、
Mn:1.8〜4.0%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.03%、
Ti:0.005〜0.025%、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜1.0%、
Ni:0.1〜2.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cr:0.1〜1.0%、
B:0.0010〜0.0030%、
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
溶接金属部の成分組成が、質量%で、
C:0.06〜0.10%、
Si:0.2〜0.5%、
Mn:1.6〜2.0%、
Al:0.03%以下、
Nb:0.005〜0.025%、
Ti:0.015〜0.040%、
O:0.015〜0.04%、
N:0.01%以下、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜0.3%、
Ni:0.1〜3.5%、
Mo:0.05〜1.5%、
Cr:0.1〜1.5%、
V:0.025〜0.1%、
B:0.0005〜0.003%、
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
前記母材部は、第1相がベイナイトで、第2相が第1相中に面積率で5〜20%分散した平均アスペクト比が2.0以下である島状マルテンサイトで、前記島状マルテンサイトの90%以上が旧オーステナイト粒界に存在したミクロ組織を有し、
前記溶接金属部は、アシキュラフェライトとベイナイトを合わせた面積率が80%以上かつ、島状マルテンサイトの面積率が5%以下であるミクロ組織を有することを特徴とする、
高一様伸びを備え、かつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管。
2.母材部の成分組成が、更に、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする、1記載の高一様伸びを備え、かつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管。
3.質量%で、
C:0.05〜0.08%、
Si:0.1%以下、
Mn:1.8〜4.0%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.03%、
Ti:0.005〜0.025%、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜1.0%、
Ni:0.1〜2.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cr:0.1〜1.0%、
B:0.0010〜0.0030%、
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を、Ac3以上に再加熱後、圧延終了温度Ar3以上で熱間圧延し、冷却速度10〜80℃/sで400℃未満の温度域まで加速冷却を行い、その後、空冷して得られた鋼板を冷間成形により筒状に成形した後、Ac1以上Ac3以下に急速加熱し、引続き空冷あるいは水冷で室温まで冷却後、端部を溶接し、最後に拡管をすることを特徴とする、高一様伸びを備え、かつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
4.鋼片の成分組成が更に、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする3記載の高一様伸びを備え、かつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
[母材部成分組成]以下の説明において%は質量%とする。
C:0.05%以上、0.08%以下
CはX80級以上の高強度を得るために必要なMA面積率を確保するために0.05%以上の含有が必要である。一方、0.08%を超えて添加すると、第2相のMAに加えてセメンタイトの生成を招き延性の低下につながるため、上限を0.08%とする。
Siは溶接熱影響部においてはMAの生成を助長し、溶接部靱性の低下をもたらすため、溶接部におけるMAの生成を抑制するため上限を0.1%とする。
Mnは焼入性向上元素として作用し、鋼の加速冷却時にフェライト変態を抑制させ第1相をベイナイトとするために必要な元素である。さらに、多量に添加することで、フェライト相に固溶できるC量を低減する効果があり、未変態オーステナイト領域へのC濃化を大きくするので、MAの生成量を増加させる。母材部の第1相をベイナイトとし、かつ第2相のMAの面積率を後述するように5%以上とするためには、1.8%以上含有することが必要である。一方、4.0%を超える添加を行うと、ミクロ組織がマルテンサイト主体となり延性が大きく低下するため、上限を4.0%とする。
Alは脱酸元素として作用する。Siと同時添加で十分な脱酸効果を得るためには0.003%以上の含有が必要である。一方、0.08%を超えて添加すると鋼の清浄度が低下し、一様伸び低下の原因となるため、上限を0.08%とする。
Nbは熱間圧延中のオーステナイト未再結晶域を拡大し、鋼の焼入れ性向上元素としても作用する。また、Mnと同様に未変態オーステナイト領域へのC濃化を大きくするので、MAの生成量を増加させる。後述するようにミクロ組織において、MAの面積率を5%以上とするためには、0.01%以上の添加が必要である。一方、0.03%を超えて添加すると溶接部靱性を低下させることから、上限を0.03%とする。
Tiは窒化物を形成し、靭性に悪影響を与える、鋼中の固溶N量の低減に有効であるほか、析出したTiNがピンニング効果でオーステナイト粒の粗大化を抑制して、ミクロ組織の粗大化を抑制する。そのような効果を得るため、0.005%以上含有させる。一方、0.025%を超えて添加するとTiCを形成するようになり、その析出硬化で延性が低下することから、上限を0.025%とする。
本発明では、母材部の強度としてAPI規格のX80級を超える高強度を達成し、溶接熱影響部の強度を向上させるため、Cu、Ni、Mo、Cr、Bの1種または2種以上を含有する。
Cuは0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、1.0%を超えて含有すると、Cuが析出し、その析出硬化で0.5%耐力に対する1.5%耐力の比が小さくなることから、含有する場合には上限を1.0%とする。
Niは、焼入性向上元素として作用し、添加しても靱性劣化を起こさないため、本発明において有用な元素である。この効果は、0.1%以上含有することにより発揮されるが、2.0%を超えて含有しても焼入性向上効果が飽和するため、含有する場合には上限を2.0%とする。
Moは母材あるいは溶接熱影響部の強度を向上させるため含有させることができる。0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、高価な元素であり、かつ1.0%を超えて含有しても強度上昇は飽和するため、含有する場合は、上限を1.0%とする。
Crは母材あるいは溶接熱影響部の強度を向上させるため含有させることができる。0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、多量のMn添加の代替とすることができる。しかし、1.0%を超えて含有するとHAZ靱性が著しく劣化するため、含有する場合は、上限を1.0%とする。
Bは母材あるいは溶接熱影響部の強度を向上させるため含有させることができる。Bはオーステナイト粒界に偏析してフェライト変態を抑制して、母相(第1相と言うこともある)組織をベイナイト主体として、引張強度800MPa以上の高強度化を可能とする。フェライト変態抑制効果は、0.0010%以上含有することにより発揮されるが、0.0030%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有する場合には上限を0.0030%とする。
Caは鋼中の硫化物の形態制御に有効な元素であり、0.0005%以上含有すると延性に有害なMnSの生成を抑制する。一方、0.01%を超えて含有すると、CaO−CaSのクラスターを形成し、かえって延性を劣化させるので、含有する場合は、上限を0.01%とすることが好ましい。
REMは鋼中の硫化物の形態制御に有効な元素であり、0.0005%以上含有すると延性に有害なMnSの生成を抑制する。一方、高価な元素であり、かつ0.02%を超えて含有しても効果が飽和するため、含有する場合は、上限を0.02%とすることが好ましい。
Zrは鋼中で炭窒化物を形成し、オーステナイト粒の粗大化を抑制するピンニング効果をもたらす。十分なピンニング効果を得るためには、0.0005%以上含有することが好ましいが、0.01%を超えて含有すると、鋼中の清浄度が著しく低下し、かえって延性の低下につながるため、含有する場合は、上限を0.01%とすることが好ましい。
Mgは製鋼過程で酸化物を微細化する効果があり、延性低下の原因となる粗大酸化物の抑制に有効である。十分な、酸化物の微細化効果を得るためには0.0005%以上含有することが好ましいが、0.01%を超えて含有しても効果が飽和することから、含有する場合には、上限を0.01%とすることが好ましい。
C:0.06%〜0.10%
溶接金属においてCは溶接金属高温割れを防止するために0.06%以上必要である。一方、0.10%を超えると、溶接金属のミクロ組織がマルテンサイト主体となり靱性が著しく低下するため、上限を0.10%とする。
Siは溶接金属中では脱酸元素として働き、溶接金属中の酸素量を制御するために必要な元素である。溶接金属中のSiが0.2%未満の場合、脱酸が不十分となり溶接金属中の酸素量が増加し靱性の低下をもたらすため0.2%以上必要である。一方、0.5%を超えると溶接金属靱性にとっては有害なMAの生成が著しくなるため、上限を0.5%とする。
Mnは溶接金属においても焼入性向上元素として作用する。溶接金属の引張強度を母材部と同等かそれ以上(700MPa以上)とするためにはアシキュラフェライトとベイナイトとの混合組織とする必要があり、1.6%以上のMnが必要である。一方、2.0%を超えて含有すると溶接金属のミクロ組織がマルテンサイト主体となり、靱性が著しく低下するため、上限を2.0%とする。
Alは母材部からの希釈で不可避的不純物として溶接金属中に存在するが、0.03%を超えると後述するTiOの生成を阻害し、溶接金属のアシキュラフェライトの微細化が抑制され優れた低温靱性を得ることができないため、上限を0.03%とする。
Nbは、溶接金属中の固溶Nに対して、Bより先に窒化物を形成することにより、オーステナイト粒界においてBを固溶Bとして存在させるため、0.005%以上含有することが必要である。一方、0.025%を超えると炭化物を形成し、溶接金属を析出硬化させ靱性の低下をもたらすため、上限を0.025%とする。
Tiは溶接金属中の酸素と反応してTiOを形成し、溶接金属オーステナイト粒内からのアシキュラフェライト変態核として機能する。微細なアシキュラフェライト組織とするためには多数のTiOの生成が必要であり、Tiは0.015%以上必要である。一方、0.040%を超えると溶接金属中のTiOが凝集・粗大化してシャルピー衝撃値の低下をもたらすため、上限を0.040%とする。
Oは、上述のTiと反応してTiOを形成し、溶接金属オーステナイト粒内からのアシキュラフェライト変態核として機能する。微細なアシキュラフェライト組織とするためには多数のTiOの生成が必要であり、Oは少なくとも0.015%必要である。一方、0.04%を超えると溶接金属中のTiOが凝集・粗大化してシャルピー衝撃値の低下をもたらすため、上限を0.04%とする。
溶接金属中のNは不可避的不純物として存在するが、0.01%を超えて含む場合、固溶して溶接金属靱性を著しく劣化させるため、上限を0.01%とする。
本発明では、溶接金属の強度を上昇させるため、Cu、Ni、Mo、Cr、V、Bの1種または2種以上を添加する。
Cuは0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、Mn添加の代替とすることができる。しかし、0.3%を超えるとCu液化割れが著しく溶接欠陥の原因となるため、含有する場合には上限を0.3%とする。
Niは、焼入性向上元素として作用し、添加しても靱性劣化を起こさないため、溶接金属においても有用な元素である。この効果は、0.1%以上含有することにより発揮されるが、3.5%を超えると溶接金属の高温割れ感受性が高まり溶接欠陥の原因となるため、含有する場合には上限を3.5%とする。
Moは0.05%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、Mn添加の代替とすることができる。しかし、1.5%を超えて添加すると溶接金属のミクロ組織がマルテンサイト主体となり、著しく靱性が低下するため、含有する場合には上限を1.5%とする。
Crもまた0.1%以上含有することによって焼入性向上元素として作用し、Mn添加の代替とすることができる。しかし、高価な元素であり、かつ1.5%を超えて含有しても強度上昇の効果が飽和するため、含有する場合には上限を1.5%とする。
Vは0.025%以上含有することで溶接金属中でも炭化物を形成しその析出強化によって、溶接金属強度の高強度化に寄与するため、Mn添加の代替とすることができる。しかし、0.1%を超えて含有すると、析出強化が著しく溶接金属靱性を大きく損なうことから、含有する場合には上限を0.1%とする。
Bは溶接金属のオーステナイト粒界からのポリゴナルフェライト生成を抑制し、溶接金属のミクロ組織をアシキュラフェライト主体組織とする効果がある。粒界からのポリゴナルフェライト生成を抑制する効果は0.0005%以上含有することにより発揮されるが好ましいが、0.003%を超えても効果が飽和するため、含有する場合には上限を0.003%とする。
[母材部ミクロ組織]
本発明では、鋼管母材部のミクロ組織を、ベイナイト主体の母相と、前記母相中に分散して存在する第2相とを有する組織とする。該第2相は平均アスペクト比が2.0以下の島状マルテンサイト(MAと言う場合がある)で、面積率が5〜20%であり、さらに、90%以上が、旧オーステナイト粒界に存在している組織に規定する。
本発明では、鋼管溶接金属のミクロ組織がアシキュラフェライトとベイナイトの混合組織とし、それぞれの面積率の和が80%以上でかつ、島状マルテンサイトの面積率が5%以下の組織に規定する。
以下、上記成分組成と上記ミクロ組織を備えた鋼の、好適な製造方法について述べる。
熱間圧延により形状およびミクロ組織を造り込むため、鋼片をオーステナイト化する目的で、Ac3以上の温度に加熱する。Ac3未満の場合、未変態フェライト等が残存し、その後のミクロ組織制御に悪影響を及ぼす。完全にオーステナイト化するためには1000℃以上とすることが好ましい。
Ac3=961.6−311.9C+49.5Si−36.4Mn+12.7Al−51Cu−29Ni−8.7Cr+13.5Mo+308.1Nb−140V+318.9Ti+611.2B (1)
式中、M(%)は元素Mの含有量(質量%)を示し、元素Mが無添加の場合は、0%として計算する。
熱間圧延終了温度(圧延最終パスの温度)がAr3以下まで低下した場合、圧延中に変態生成したフェライトが加工を受けた、いわゆる加工フェライトが形成される。加工フェライト量の増加に伴い、降伏強度が上昇し、鋼管の曲げ座屈歪向上に必要な耐力比を達成することが難しくなることから、圧延最終パスの温度をAr3以上とする。好ましくは、800℃以上とする。なお、Ar3温度は鋼の合金元素添加量を下記式(2)に代入することで簡易に求めることができる。
Ar3=910−273C−74Mn−56Ni−16Cr−9Mo−5Cu (2)
式中、M(%)は元素Mの含有量(質量%)を示し、元素Mが無添加の場合は、0%として計算する。
加速冷却の冷却速度は、加速冷却の途中でフェライトが生成することを避けるため、10℃/s以上とする。一方、冷却速度が80℃/sを超えると、一部マルテンサイト変態が生じ延性が著しく低下するため、上限を80℃/sとする。
加速冷却の冷却停止温度はベイナイト変態を完了させるため400℃未満とする。冷却停止温度が400℃以上でベイナイト変態が完了していない場合、ベイナイト中に残る未変態オーステナイトがその後の再加熱処理を経てMAとなるが、アスペクト比が大きい細長いMAとなりやすく、かつ旧オーステナイト粒内に存在するため、一様伸びが低下する。
ミクロ組織第1相であるベイナイトを加熱してその一部をオーステナイトに逆変態させる。逆変態オーステナイトは粒界3重点より変態し、かつ、拡散的に変態することから、後の冷却過程でさらに変態生成するMAがベイナイトラス間に生成することが抑制され、さらに、アスペクト比が小さい、一様伸び劣化が少ない形状のMAを生成させることができる。
Ac1=751−26.6C+17.6Si−11.6Mn−169Al−23Cu−23Ni+24.1Cr+22.5Mo+233Nb−39.7V−5.7Ti−895B (3)
式中、M(%)は元素Mの含有量(質量%)を示し、元素Mが無添加の場合は、0%として計算する。
シーム溶接はサブマージドアーク溶接による内外面1層溶接が一般的であるが、レーザーあるいはレーザーアークハイブリッド溶接等による1層溶接でもかまわない。シーム溶接後、管の真円度向上を目的とした拡管成形を行う。拡管条件は形状確保の観点から拡管率を0.6%以上、2.0%以下とすることが好ましい。
Claims (4)
- 母材部の成分組成が、質量%で、
C:0.05〜0.08%、
Si:0.1%以下、
Mn:1.8〜4.0%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.03%、
Ti:0.005〜0.025%、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜1.0%、
Ni:0.1〜2.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cr:0.1〜1.0%、
B:0.0010〜0.0030%、
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
溶接金属部の成分組成が、質量%で、
C:0.06〜0.10%、
Si:0.2〜0.5%、
Mn:1.6〜2.0%、
Al:0.03%以下、
Nb:0.005〜0.025%、
Ti:0.015〜0.040%、
O:0.015〜0.04%、
N:0.01%以下、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜0.3%、
Ni:0.1〜3.5%、
Mo:0.05〜1.5%、
Cr:0.1〜1.5%、
V:0.025〜0.1%、
B:0.0005〜0.003%、
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなり、
前記母材部は、第1相がベイナイトで、第2相が第1相中に面積率で5〜20%分散した平均アスペクト比が2.0以下である島状マルテンサイトで、前記島状マルテンサイトの90%以上が旧オーステナイト粒界に存在したミクロ組織を有し、
前記溶接金属部は、アシキュラフェライトとベイナイトを合わせた面積率が80%以上、かつ島状マルテンサイトの面積率が5%以下であるミクロ組織を有することを特徴とする、
高一様伸びを備え、かつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管。 - 母材部の成分組成が、更に、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1記載の高一様伸びを備え、かつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管。 - 質量%で、
C:0.05〜0.08%、
Si:0.1%以下、
Mn:1.8〜4.0%、
Al:0.003〜0.08%、
Nb:0.01〜0.03%、
Ti:0.005〜0.025%、
を含有し、さらに
Cu:0.1〜1.0%、
Ni:0.1〜2.0%、
Mo:0.1〜1.0%、
Cr:0.1〜1.0%、
B:0.0010〜0.0030%、
の1種または2種以上を含有し
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を、Ac3以上に再加熱後、圧延終了温度Ar3以上で熱間圧延し、冷却速度10〜80℃/sで400℃未満の温度域まで加速冷却を行い、その後、空冷して得られた鋼板を冷間成形により筒状に成形した後、Ac1以上Ac3以下に急速加熱し、引続き空冷あるいは水冷で室温まで冷却後、端部を溶接し、最後に拡管をすることを特徴とする、高一様伸びを備え、かつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。 - 鋼片の成分組成が更に、質量%で、
Ca:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3記載の高一様伸びを備え、かつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
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