JP2015193887A - 低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法 - Google Patents

低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015193887A
JP2015193887A JP2014072557A JP2014072557A JP2015193887A JP 2015193887 A JP2015193887 A JP 2015193887A JP 2014072557 A JP2014072557 A JP 2014072557A JP 2014072557 A JP2014072557 A JP 2014072557A JP 2015193887 A JP2015193887 A JP 2015193887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
steel pipe
hot
spiral
pipe pile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014072557A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6128042B2 (ja
Inventor
珠子 有賀
Tamako Ariga
珠子 有賀
力 上
Tsutomu Kami
力 上
博士 中田
Hiroshi Nakada
博士 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2014072557A priority Critical patent/JP6128042B2/ja
Publication of JP2015193887A publication Critical patent/JP2015193887A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6128042B2 publication Critical patent/JP6128042B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

【課題】耐震性に優れた低降伏比高強度スパイラル鋼管杭及びその製造方法の提供。【解決手段】素材となる熱延鋼板は質量%でC:0.030〜0.100%、Si:0.05〜0.50%、Mn:1.20〜2.40%、P≰0.050%、S≰0.050%、Al≰0.100%、N≰0.010%、Cr:0.10〜0.60%、Mo:0.10〜0.40%を含有し、Mneq.(%)=Mn+0.1Si+0.8Cr+0.5Moが1.50〜3.50%を満足し、更にNb≰0.100%、V≰0.100%、Ti≰0.100%の1種以上を合計0.080%以上含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、主相ベイニティック・フェライトと少なくともマルテンサイト(M)を含む第二相からなり、M及び第二相の面積率が各々2〜10%で、これを板厚16〜26mmの熱延鋼板とし、外径500〜2600mmとする低降伏比高度スパイラル鋼管杭。【選択図】なし

Description

本発明は、建築・土木用として好適なスパイラル鋼管製鋼管杭に係り、特に耐震性の向上に関する。
従来、土木、建築等の分野で特に多用される鋼管杭には、上部構造物による軸方向圧縮力、あるいは土圧等によって加えられる水平方向の曲げ力に対して十分な耐力を有することが要求され、高耐力を有する鋼管杭が求められてきた。
例えば、特許文献1には、弾性設計を考慮して高強度化を念頭において、C:0.15〜0.25%、Si:0.15%以上、Mn:0.5%以上を含む鋼管に、高周波誘導加熱により、900〜1300℃に加熱して焼入れする高強度鋼管杭の製造方法が記載されている。特許文献1に記載された技術によれば、降伏強度60kg/mm2以上(590MPa以上)、引張強度80〜100kg/mm2以上(780〜980MPa)の高強度鋼管杭が得られるとしている。しかし、特許文献1に記載された技術で製造された鋼管杭は、C量が高く、溶接性に問題を残しており、この技術は、溶接が必須であるスパイラル鋼管杭には適用できないという問題がある。
また、特許文献2には、C:0.02〜0.15%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.5〜2.5%、Al:0.01〜0.1%、N:0.01%以下、P:0.02%以下、S:0.005%以下を含有し、更にNb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下の1種または2種以上を含有し、平均結晶粒径が10μm以下、面積率が70〜90%のフェライトと残部が残留オーステナイト、ベイナイト、マルテンサイトからなるミクロ組織を有し、残留オーステナイトが体積率で5〜15%である耐座屈特性に優れた高強度鋼管が記載されている。特許文献2に記載された技術では、未再結晶温度域での制御圧延と、更に、熱間圧延後の冷却で二段冷却パターンを採用して、残留オーステナイトを含むベイナイトおよびマルテンサイトとフェライトとの複合組織を有する鋼板としている。そして、得られた厚鋼板を冷間成形し、内外面溶接と、拡管とを施してUOE鋼管としている。しかし、特許文献2に記載された技術では、素材とする厚鋼板の製造で、精度の高い制御圧延と、二段階の制御冷却を必要とし、生産性が低下するという問題がある。
また、特許文献3には、C:0.02〜0.2%、Si:0.001〜0.5%、Mn:0.5〜3.0%、Al:0.002〜0.1%、N:0.01%以下、P:0.02%以下、S:0.005%以下を含有し、フェライトの平均結晶粒径が10μm以下であり、残部が、残留オーステナイト、ベイナイト、マルテンサイトからなるミクロ組織を有し、管軸方向のr値が0.8以上で、耐座屈特性に優れた高強度鋼管が記載されている。特許文献3に記載された技術では、上記の組成および組織を有する厚鋼板を、冷間成形し、内外面溶接と、拡管とを施してUOE鋼管としている。
特開昭54−19415号公報 特開2004−143499号公報 特開2004−143500号公報
しかしながら、特許文献3に記載された技術でも、鋼管の素材である厚鋼板を製造するにあたり、厳密な圧延スケジュールの制御圧延や、厳密に冷却条件をコントロールすることが必要とされ、生産性が低下するという問題があった。更に、特許文献1〜3に記載された技術で製造された鋼管は、スパイラル鋼管ではなく、また、製造工程が複雑で製造コストが高い鋼管であり、土木、建築等の分野で特に多用される鋼管杭としては、必ずしも好適であるとはいえない。
また、土木、建築等の分野で特に多用されるスパイラル鋼管製鋼管杭には、耐震性に優れることが要求され、低降伏比を有することは求められるが、土中に埋設されることから、特許文献1〜3に記載された技術で製造された鋼管杭ほどの高強度、高靭性を保持するまでの必要はない。
本発明は、上記従来技術の問題点を有利に解決し、土木、建築等の分野で特に多用される鋼管杭として、製造プロセスが平易で、製造コストの点で有利なスパイラル鋼管製鋼管杭に着目し、耐震性に優れた低降伏比高強度スパイラル鋼管杭を提供することを目的とする。なお、ここでいう「高強度」とは、管軸方向の強度で、降伏強さYS:450MPa以上、引張強さTS:570Pa以上を有する場合をいうものとする。また、ここでいう「低降伏比」とは、管軸方向降伏強さYSの管軸方向引張強さTSに対する比率(YS/TS×100)が90%以下である場合をいうものとする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、高強度鋼管杭として要求される管軸方向の降伏強さYS:450MPa以上、引張強さTS:570MPa以上の高強度を保持した状態で、鋼管杭として十分な耐震性を確保するために必要な管軸方向の降伏比、伸び特性および靭性について鋭意検討した。その結果、使用環境が土中に埋設される鋼管杭では、地震時に地盤とともに地震エネルギーを受けて変形するため、地上に設置される鋼管柱よりも低い塑性変形能であっても、十分に杭として機能できることに想到した。そして、地上に設置される柱用では、降伏比80%以下の鋼材の使用が要求されているが、地中に埋設される鋼管杭用としては、管軸方向の降伏比90%以下のスパイラル鋼管であっても十分な塑性変形能を有し、耐震性に優れた鋼管であるという知見を得た。また、管軸方向の全厚における伸びを25%以上とする必要があることが確認された。
更に、JIS Z 2242の規定に準拠したシャルピー衝撃試験で、試験温度:−20℃における吸収エネルギーvE-20が47J以上となる靭性を有する鋼管であれば、土中に埋設される鋼管杭として必要な靭性を十分に満足することを知見した。
このようなことから、本発明者らは、管軸方向で降伏比YR:90%以下、全厚における伸びEl:25%以上で、かつJIS Z 2242の規定に準拠したシャルピー衝撃試験で、試験温度:−20℃における吸収エネルギーvE-20が47J以上となる靭性を有する鋼管であれば、スパイラル鋼管であっても鋼管杭として十分な耐震性を備えているという結論に達した。
次に、本発明者らは、スパイラル鋼管に関し、所望の強度(管軸方向の降伏強さYS:450MPa以上、引張強さTS:570MPa以上)を保持しつつ、管軸方向の降伏比YRを90%以下に抑え、管軸方向の全厚における伸びElを25%以上とし、更にシャルピー衝撃試験で試験温度:−20℃における吸収エネルギーvE-20が47J以上となる靭性を確保する手段について鋭意検討した。その結果、スパイラル鋼管の素材となる熱延鋼板の組織を、強度−靭性バランスに優れたベイニティック・フェライトを主相とし、第二相として所定量のマルテンサイトを含む組織とすることにより、スパイラル造管後も所望の強度、降伏比および靭性が得られるという知見を得た。
更に、本発明者らは、スパイラル鋼管の素材となる熱延鋼板、すなわち所望の組織(ベイニティック・フェライトを主相とし、第二相として所定量のマルテンサイトを含む組織)を有する熱延鋼板を、複雑な制御冷却等を実施することなく製造する方法について鋭意検討した。
近年、高強度鋼管杭は厚肉化傾向にある。それゆえ、その素材となる熱延鋼板を製造する際、特段の冷却能力を持たない一般的な熱間圧延ラインでは、熱間圧延終了後の冷却過程で板厚中央位置の冷却速度を確保することができず、所定量のマルテンサイトを得ることが極めて困難となる。
そこで、本発明者らは、特段の冷却能力を持たない一般的な熱間圧延ラインで実施可能な冷却速度においても、例えば16mmを超える板厚の熱延鋼板において、板厚の全域に亘り所定量のマルテンサイトを確保する手段について検討した。その結果、鋼成分のうち、特にMn、Si、CrおよびMoの含有量を、Mneq.(%)=Mn+0.1Si+0.8Cr+0.5Mo(Mn、Si、Cr、Moは、各元素の含有量(質量%))で表されるMneq.が所定の数値範囲となるように調整することで、鋼板の焼入れ性が適度に向上し、板厚中央位置においても所望の組織が得られるという知見を得た。
本発明は上記の知見に基づき更に検討を加えて完成されたものであり、その要旨は次のとおりである。
[1] 熱延鋼板を素材としたスパイラル鋼管からなる鋼管杭であって、前記熱延鋼板が、質量%で、C:0.030%以上0.100%以下、Si:0.05%以上0.50%以下、Mn:1.20%以上2.40%以下、P:0.050%以下、S:0.050%以下、Al:0.100%以下、N:0.010%以下、Cr:0.10%以上0.60%以下、Mo:0.10%以上0.40%以下を、以下の(1)式で表されるMneq.が1.50%以上3.50%以下を満足するように含有し、更に、Nb:0.100%以下、V:0.100%以下、Ti:0.100%以下のうちから選ばれた1種以上を合計で0.080%以上含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、主相であるベイニティック・フェライトと少なくともマルテンサイトを含む第二相からなり、前記マルテンサイトの組織全体に対する面積率が2%以上、前記第二相の組織全体に対する面積率が10%以下である組織を有し、板厚が16mm超26mm以下の熱延鋼板であり、外径が500mm以上2600mm以下であり、管軸方向の降伏強さYSが450MPa以上、引張強さTSが570MPa以上、降伏比YRが90%以下、全厚における伸びがEl25%以上であり、シャルピー衝撃試験の−20℃における吸収エネルギーvE-20が47J以上であることを特徴とする低降伏比高強度スパイラル鋼管杭。
Mneq.(%)=Mn+0.1Si+0.8Cr+0.5Mo … (1)
(Mn、Si、Cr、Moは、各元素の含有量(質量%))
[2] 前記[1]において、前記組成に加えて更に、質量%で、Ca:0.0050%以下を含有することを特徴とする低降伏比高強度スパイラル鋼管杭。
[3] 前記[1]または[2]において、前記組成に加えて更に、質量%で、Cu、Ni、Sn、Mg、Co、As、W、Pb、Taのうちから選ばれた1種以上を合計で0.10%以下含有することを特徴とする低降伏比高強度スパイラル鋼管杭。
[4] 熱延鋼板を素材としたスパイラル鋼管からなるスパイラル鋼管杭の製造方法であって、前記スパイラル鋼管が、前記熱延鋼板をスパイラル状に加工しながら前記熱延鋼板の端部同士を接合して外径が500mm以上2600mm以下のスパイラル鋼管としたものであり、前記熱延鋼板を、前記[1]ないし[3]のいずれかに記載の組成からなる鋼素材を1100℃以上に加熱して粗圧延を施したのち、仕上げ圧延終了温度を750℃以上850℃以下とする仕上げ圧延を施し、該仕上げ圧延終了後、5℃/s以上15℃/s以下の平均冷却速度で450℃以上550℃以下の冷却停止温度まで冷却する加速冷却を施して巻き取ることにより製造された板厚16mm超26mm以下の熱延鋼板とすることを特徴とする低降伏比高強度スパイラル鋼管杭の製造方法。
本発明によれば、板厚16mm超26mm以下で、管軸方向の降伏強さYSが450MPa以上、引張強さTSが570MPa以上、降伏比YRが90%以下、全厚における伸びが25%以上であり、シャルピー衝撃試験の−20℃における吸収エネルギーvE-20が47J以上である低降伏比高強度スパイラル鋼管杭を、特別な設備を用いることなく容易に製造することができる。したがって、本発明は、耐震性に優れた高強度スパイラル鋼管杭を、平易かつ安価に製造することを可能とし、産業上格段の効果を奏する。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明は、熱延鋼板を素材とした外径500mm以上2600mm以下のスパイラル鋼管からなる、耐震性に優れた低降伏比高強度スパイラル鋼管杭である。本発明では、スパイラル鋼管杭の素材として用いる熱延鋼板の板厚、組成および組織を以下のように規定する。
熱延鋼板の板厚:16mm超26mm以下
鋼管杭は、土中に埋設して使用され上部構造の柱からの反力を受けるため、その素材として用いる熱延鋼板の板厚が16mm以下になると、鋼管杭として十分に上部構造を支えるために相当本数の鋼管杭が必要となり、近年の厚肉化傾向に対応できない。一方、素材として用いる熱延鋼板の板厚が26mmを超えると、スパイラル状に曲げ加工するための製造設備が過大となりすぎて、経済的に不利となる。したがって、素材として用いる熱延鋼板の板厚は、16mm超26mm以下とする。
本発明のスパイラル鋼管杭の素材として用いる熱延鋼板は、質量%で、C:0.030%以上0.100%以下、Si:0.05%以上0.50%以下、Mn:1.20%以上2.40%以下、P:0.050%以下、S:0.050%以下、Al:0.100%以下、N:0.010%以下、Cr:0.10%以上0.60%以下、Mo:0.10%以上0.40%以下を、次の(1)式で表されるMneq.が1.50%以上3.50%以下を満足するように含有し、更に、Nb:0.100%以下、V:0.100%以下、Ti:0.100%以下のうちから選ばれた1種以上を合計で0.080%以上含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有する。
Mneq.(%)=Mn+0.1Si+0.8Cr+0.5Mo … (1)
(Mn、Si、Cr、Moは、各元素の含有量(質量%))
このような組成とすることにより、所望の高強度を確保できる。上記した範囲を低く外れる組成では、低強度の鋼管しか得られず、そのような組成の鋼管では必要な強度を確保するために過度に厚肉鋼管とならざるを得ず、重量増となり、輸送コスト、鋼管杭とするための施工コスト等が高騰する。このため、鋼管の素材として用いる熱延鋼板の組成は上記した範囲に限定することとした。
次に、本発明のスパイラル鋼管杭の素材として用いる熱延鋼板の組成限定理由について更に詳しく説明する。なお、以下の成分組成を表す%は、特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C :0.030%以上0.100%以下
Cは、炭化物として析出し、析出強化を介して強度増加に寄与する元素である。このような効果を得て所望の高強度を確保するためには、0.030%以上の含有を必要とする。一方、0.100%を超える含有は、必要以上に炭化物が析出し、降伏比が高くなる。このため、Cは0.030%以上0.100%以下の範囲に限定した。なお、好ましくは0.050%以上0.080%以下である。
Si:0.05%以上0.50%以下
Siは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためにその含有量を0.05%以上とする。一方、0.50%を超える含有は、溶接時に溶接部で素材起因のSi酸化物が増加し、溶接部特性を劣化させる。このため、Siは0.50%以下に限定した。より好ましくは0.35%以下とする。
Mn:1.20%以上2.40%以下
Mnは、焼入れ性向上を介して強度増加、靭性向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、1.20%以上の含有を必要とする。一方、2.40%を超えて含有すると、焼入れ性が著しく高まり、杭として所望の靭性が確保し難くなる。このためMnは1.20%以上2.40%以下に限定した。より好ましくは1.50%以上2.00%以下である。
P :0.050%以下
Pは、不純物元素であり、溶接性に悪影響を及ぼす元素で、本発明ではできるだけ低減することが望ましい。しかし、過度の低減は、精錬コストの高騰を招く。鋼管杭として必要な溶接性の観点からは、0.050%までは許容できる。このため、Pは0.050%以下に限定した。なお、好ましくは0.030%以下である。
S :0.050%以下
Sは、鋼中では粗大なMnS(硫化物)として存在し易い。粗大なMnSは、脆性破壊の起点として作用し、靭性を低下させる要因となる。このことから、Sは、本発明ではできるだけ低減することが望ましいが、鋼管杭として必要な靭性という観点からは、0.050%までは許容できる。このため、Sは0.050%以下に限定した。なお、好ましくは0.010%以下である。
Al:0.100%以下
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには、0.010%以上含有することが望ましいが、0.100%を超える含有は、鋼の清浄度が低下し、靭性を劣化させる。このため、Alは0.100%以下に限定した。なお、好ましくは0.010%以上0.050%以下である。
N :0.010%以下
Nは、Alと結合しAlNを形成し、結晶粒の微細化を介して靭性向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.001%以上含有することが望ましいが、0.010%を超える含有は、靭性を低下させる。このため、Nは0.010%以下に限定した。
Cr:0.10%以上0.60%以下
Crは、オーステナイト→フェライト変態を遅延させ、焼入れ性の向上に寄与し、マルテンサイト形成を促進する元素である。このような効果を得るためには、0.10%以上の含有を必要とする。一方、0.60%を超える含有は、溶接欠陥を発生させる傾向が強まる。このため、Crは0.60%以下に限定する。より好ましくは0.20%以上0.40%以下である。
Mo:0.10%以上0.40%以下
Moは、焼入れ性向上に寄与する元素で、ベイニティック・フェライト中のCを未変態オーステナイト中に濃縮させ、未変態オーステナイトの焼入れ性を向上させることによってマルテンサイト形成を促進させる元素である。また、鋼中に固溶し鋼板の固溶強化にも寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.10%以上の含有を必要とする。一方、0.40%を超える含有は、必要以上にマルテンサイトを形成させ、靭性を低下させる。このため、Moは0.40%以下に限定する。より好ましくは0.10%以上0.30%以下である。
Nb:0.100%以下、V:0.100%以下、Ti:0.100%以下のうちから選ばれた1種以上を合計で0.080%以上
Nb、V、Tiはいずれも、炭化物を形成し析出強化により強度増加に寄与するとともに、窒化物を形成し結晶粒微細化を介して組織の微細化により靭性向上に寄与する元素であり、選択して合計で0.080%以上含有する。
Nb:0.100%以下
Nbは、炭化物、窒化物、あるいは炭窒化物を形成し、析出強化、および結晶粒微細化を介した組織の微細化により、強度増加と靭性向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.005%以上含有することが望ましいが、0.100%を超える含有は、硬化した第二相量が増加し易くなり、靭性が低下し易い。このため、含有する場合には、Nbは0.100%以下に規定することが好ましい。なお、より好ましくは0.005%以上0.050%以下である。
V :0.100%以下
Vは、炭化物、窒化物、あるいは炭窒化物を形成し、析出強化、および結晶粒微細化を介した組織の微細化により、強度増加と靭性向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.005%以上含有することが望ましいが、0.100%を超える含有は、硬化した第二相量が増加し易くなり、靭性が低下し易い。このため、含有する場合には、Vは0.100%以下に規定することが好ましい。なお、より好ましくは0.005%以上0.050%以下である。
Ti:0.100%以下
Tiは、炭化物、窒化物、あるいは炭窒化物を形成し、析出強化、および結晶粒微細化を介した組織の微細化により、強度増加と靭性向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.005%以上含有することが望ましいが、0.100%を超える含有は、硬化した第二相量が増加し易くなり、靭性が低下し易い。このため、含有する場合には、Tiは0.100%以下に規定することが好ましい。なお、より好ましくは0.005%以上0.050%以下である。
本発明では上記した成分を、上記した範囲内で、かつ、以下の(1)式で定義されるMneq.が、1.50%以上3.50%以下の範囲を満足することとする。
Mneq.(%)=Mn+0.1Si+0.8Cr+0.5Mo … (1)
(ここで、Mn、Si、Cr、Moは各元素の含有量(質量%))
Mneq.は、熱延鋼板を製造する際、熱間圧延終了後の冷却工程を経た後に鋼中に残存する未変態オーステナイトの焼入れ性を表す指標である。Mneq.が1.50%未満では未変態オーステナイトの焼入れ性が不足し、3.50%を超えると必要以上にマルテンサイトが生成し、靭性が低下する。このためMneq.は1.50%以上3.50%以下の範囲に限定した。より好ましくは1.60%以上2.20%以下である。
上記した成分が基本の成分であるが、更に選択元素として必要に応じて、Ca:0.0050%以下を含有すること、および/またはCu、Ni、Sn、Mg、Co、As、W、Pb、Taのうちから選ばれた1種以上を合計で0.10%以下を含有することができる。
Ca:0.0050%以下
Caは、MnS等の硫化物の形態を、伸長した形態から球状の形態に制御する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。このような効果を得るためには、0.0005%以上含有することが望ましい。一方、0.0050%を超える含有は、Ca酸化物、Ca硫化物が過剰になり、靭性劣化に繋がる。このため、含有する場合には、Caは0.0050%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.0005%以上0.0020%以下である。
Cu、Ni、Sn、Mg、Co、As、W、Pb、Taのうちから選ばれた1種以上:合計で0.10%以下
Cu、Ni、Sn、Mg、Co、As、W、Pb、Taは、いずれも強度増加と靭性改善に寄与する元素であり、必要に応じて選択して合計で0.10%以下の範囲で含有できる。なお、より好ましくは0.03%以下である。
上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。
本発明のスパイラル鋼管杭の素材として用いる熱延鋼板は、上記した組成を有し、且つ、主相であるベイニティック・フェライトと少なくともマルテンサイトを含む第二相からなり、前記マルテンサイトの組織全体に対する面積率が2%以上、前記第二相の組織全体に対する面積率が10%以下である組織を有する。
ベイニティック・フェライト
本発明においては、スパイラル鋼管杭の強度、全厚における伸び、靭性を確保するうえで、その素材となる熱延鋼板の組織をベイニティック・フェライト主相の組織とすることが必須となる。高強度、伸び特性および高靭性の観点からはベイニティック・フェライトの組織分率が高いほど好ましいが、組織全体に対する面積率で98%を超えると、後述する所望のマルテンサイト量を確保することができず、スパイラル鋼管杭の耐震性に悪影響を及ぼす。したがって、ベイニティック・フェライトの組織分率は、組織全体にする面積率で90%超98%以下とすることが好ましい。
なお、ここでいうベイニティック・フェライトとは、ベイニティック・フェライト、アシキュラー・フェライト、ウッドマンステッテン状フェライト、針状フェライトを指すものとし、ポリゴナル・フェライトは含まない。
第二相
第二相は、スパイラル鋼管杭の耐震性を確保する観点から、少なくともマルテンサイトを含むものとする。なお、スパイラル鋼管杭の素材として用いる熱延鋼板の組織のうち、第二相として含有し得る組織としては、マルテンサイトの他にポリゴナル・フェライト、ベイナイトおよびパーライトが挙げられる。但し、ポリゴナル・フェライト、パーライトおよびベイナイトは含有しなくてもよく、第二相がマルテンサイトのみであってもよい。
マルテンサイトの組織全体に対する面積率:2%以上
スパイラル鋼管杭の低降伏比化には、その素材となる熱延鋼板を、所定量のマルテンサイトを含有する組織とする必要がある。マルテンサイトの組織全体に対する面積率が2%未満では、スパイラル鋼管杭の管軸方向の降伏比を90%以下に抑えることができず、スパイラル鋼管杭の耐震性を確保することができない。したがって、マルテンサイトの組織全体に対する面積率は2%以上とする。好ましくは2.5%以上である。但し、マルテンサイト量が過剰に多くなると、靭性の低下を招来するため、マルテンサイトの組織全体に対する面積率は10%以下にすることが好ましい。より好ましくは3.0%以上4.0以下である。
第二相の組織全体に対する面積率:10%以下
第二相の組織全体に対する面積率が10%を超えると、降伏比が増加する。したがって、第二相の組織全体に対する面積率は10%以下とする。好ましくは6%以下である。
本発明のスパイラル鋼管杭は、上記板厚、組成および組織を有する熱延鋼板を素材としたスパイラル鋼管からなる。スパイラル鋼管は、上記した板厚、組成および組織の熱延鋼板を用いて、該熱延鋼板をスパイラル状に加工しながら、鋼板の端部同士を接合(例えば電縫溶接)して鋼管とする。なお、本発明では、熱延鋼板からスパイラル鋼管を製造する方法は特に限定する必要はなく、通常、公知のスパイラル鋼管の製造方法がいずれも適用できる。
以上のように、素材となる熱延鋼板の板厚、組成および組織を規定することにより、外径が500mm以上2600mm以下であり、管軸方向の降伏強さYSが450MPa以上、引張強さTSが570MPa以上、降伏比YRが90%以下、全厚における伸びElが25%以上であり、シャルピー衝撃試験の−20℃における吸収エネルギーvE-20が47J以上である靭性および耐震性に優れた低降伏比高強度スパイラル鋼管杭が得られる。なお、先述のとおり、JIS Z 2242の規定に準拠したシャルピー衝撃試験で、試験温度:−20℃における吸収エネルギーvE-20が47J以上となる靭性を有する鋼管であれば土中に埋設される鋼管杭として必要な靭性を十分に満足するが、寒冷地使用を想定する場合には、上記吸収エネルギーvE-20を150J以上とすることが好ましい。
次に、本発明の低降伏比高強度スパイラル鋼管杭の製造方法について説明する。
本発明のスパイラル鋼管杭を形成するスパイラル鋼管に適用される板厚16mm超26mm以下の熱延鋼板は、上記した成分の鋼素材を、加熱し、粗圧延と仕上げ圧延からなる熱間圧延を施し、仕上げ圧延終了後、加速冷却を施し、巻き取ることにより製造される。
本発明において、鋼素材の溶製方法は特に限定されず、転炉、電気炉等、公知の溶製方法を採用することができる。また、溶製後、偏析等の問題から連続鋳造法によりスラブ(鋼素材)とするのが好ましいが、造塊−分塊圧延法、薄スラブ連鋳法等、公知の鋳造方法でスラブとしても良い。
上記の如く得られた鋼素材に、粗圧延および仕上げ圧延を施す。粗圧延、および仕上げ圧延は、上記した鋼素材を、加熱温度:1100℃以上に加熱し、粗圧延を施してシートバーとし、該シートバーに仕上げ圧延終了温度:750℃以上850℃以下の仕上げ圧延を施すことにより行う。仕上げ圧延後は5℃/s以上15℃/s以下で冷却停止温度:450℃以上550℃以下まで加速冷却し、巻き取る。
鋼素材の加熱温度:1100℃以上
本発明では、上記したとおり、Nb、V、Tiのうちから選択される1種以上を炭化物形成元素として含有する。これら合金元素の炭化物で十分な析出強化を得るためには、スラブ(鋼素材)中に生成したこれらの粗大な炭化物を一旦溶解させて、後工程において析出させることが重要である。そのため、加熱温度は、これら粗大な炭化物が溶解するに足る温度、1100℃以上とする。1100℃未満では炭化物が未固溶のままとなり、所望の鋼板強度が得られない。なお、鋼素材の加熱温度が過剰に高くなると、結晶粒の粗大化等の問題が懸念されるため、上記加熱温度は1300℃以下とすることが好ましい。
仕上げ圧延終了温度:750℃以上850℃以下
仕上げ圧延終了温度は、鋼板強度、圧延負荷の観点から850℃以下とすることが望ましい。仕上げ圧延の温度が850℃を超えて高温になると、圧延負荷の増大を招く。また、仕上げ圧延の温度が850℃を超えて高温になると、所望の強度が得られない場合がある。一方、仕上げ圧延の温度が750℃未満となると、圧延中にフェライトが生成し、組織の粗大化を招き強度が低下する。そのため仕上げ圧延終了温度は750℃以上850℃以下とする。
仕上げ圧延終了後、以下の条件で加速冷却を施す。なお、加速冷却は、仕上げ圧延終了後、直ちに、好ましくは15s以内に開始することが好ましい。
平均冷却速度:5℃/s以上15℃/s以下
平均冷却速度が5℃/s未満では、ポリゴナル・フェライト主体の組織となり、所望のベイニティック・フェライトを主相とする組織を確保することが難しくなる。一方、15℃/sを超えて冷却速度を上げても、本発明鋼においてはその効果は飽和する。したがって、平均冷却速度は5℃/s以上15℃/s以下とする。なお、上記平均冷却速度は、仕上げ圧延終了温度から冷却停止温度までの温度域における平均冷却速度である。また、上記平均冷却速度および温度域は、鋼板の板厚中央位置における値である。
冷却停止温度:450℃以上550℃以下
冷却停止温度が550℃を超える高温では、所望のベイニティック・フェライトを主相とする組織を確保することが難しくなる。一方、冷却停止温度が450℃未満では、ベイナイト分率またはマルテンサイト分率が高くなり、本発明で意図するベイニティック・フェライト量が得られなくなる。したがって、冷却停止温度は450℃以上550℃以下とする。好ましくは470℃以上520℃以下である。
本発明においては、上記の如く製造された板厚16mm超26mm以下の熱延鋼板を、スパイラル状に加工しながら熱延鋼板の端部同士を接合(例えば電縫溶接)して、スパイラル鋼管とする。先述のとおり、熱延鋼板からスパイラル鋼管を製造する方法は特に限定する必要はなく、通常、公知のスパイラル鋼管の製造方法がいずれも適用できるが、スパイラル鋼管の外径は500mm以上2600mm以下とする必要がある。
スパイラル鋼管の外径:500mm以上2600mm以下
スパイラル鋼管の外径Dに対するスパイラル鋼管の肉厚(熱延鋼板の板厚)tの比t/Dが小さくなり過ぎると、スパイラル鋼管の管軸方向と熱延鋼板の圧延方向との為す角が大きくなり、スパイラル鋼管に所望の強度(管軸方向の降伏強さYS、引張強さTS、降伏比YR、全厚における伸びEl)を付与することが困難となる。ゆえに、本発明においては、上記t/Dが極端に小さくなることを避ける目的で、スパイラル鋼管の外径を2600mm以下とする。一方、上記t/Dが過剰に大きくなると、スパイラル加工が困難になる。
以上の理由により、スパイラル鋼管の外径は500mm以上2600mm以下とする。好ましくは700mm以上2000mm以下である。
なお、スパイラル鋼管の外径Dに対するスパイラル鋼管の肉厚(熱延鋼板の板厚)tの比t/Dは、0.01以上0.03以下とすることが好ましい。
表1に示す組成を有し、表2に示す板厚の熱延鋼板をスパイラル鋼管素材とする。素材となる熱延鋼板は、表1に示す組成の溶鋼を転炉で溶製し、連続鋳造法で、スラブ(鋼素材、肉厚:220mm)としたのち、表2に示す条件の加熱、熱間圧延、熱延後の冷却(加速冷却)を施して表2に示す板厚の鋼板とした。
次いで、これら熱延鋼板をスパイラル状に加工しながら、鋼板の端部同士を溶接して、スパイラル鋼管(外径:1200mmφ)とし、鋼管杭とした。
得られた鋼管杭から、試験片を採取し、組織観察、引張試験、衝撃試験を実施した。試験方法は次のとおりとした。
(1)組織観察
得られた鋼管杭から、組織観察用試験片を採取し、管軸方向断面が観察面となるように、研磨し、腐食(ナイタール液腐食)し、光学顕微鏡(倍率:400倍)および走査型電子顕微鏡(倍率:2000倍)により、組織を観察し、組織の種類およびその分率(面積率)を測定した。
(2)引張試験
得られた鋼管杭から、引張方向が管軸方向となるように、弧状引張試験片(JIS 12号C規格試験片)を採取し、JIS規格(JIS Z 2241)に準拠して引張試験を実施し、引張特性(降伏強さYS、引張強さTS、降伏比YR(=YS/TS×100%)、全厚における伸びEl)を求めた。
(3)衝撃試験
得られた鋼管杭から、試験片長手方向が管軸方向と直交する方向となるようにVノッチ試験片を採取し、JIS規格に準拠して衝撃試験を試験温度:−20℃で行い、吸収エネルギーを求めた。なお、試験は各3本ずつ行い、それらの平均値をその鋼管杭の吸収エネルギーvE-20とした。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2015193887
Figure 2015193887
Figure 2015193887
本発明例はいずれも、所望の高強度、低降伏比、伸び特性および高靭性を有し、耐震性に優れたスパイラル鋼管杭となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、所望の高強度が確保できていないか、或いは降伏比が高く、所望の耐震性を確保できていない。

Claims (4)

  1. 熱延鋼板を素材としたスパイラル鋼管からなる鋼管杭であって、前記熱延鋼板が、質量%で、
    C :0.030%以上0.100%以下、 Si:0.05%以上0.50%以下、
    Mn:1.20%以上2.40%以下、 P :0.050%以下、
    S :0.050%以下、 Al:0.100%以下、
    N :0.010%以下、 Cr:0.10%以上0.60%以下、
    Mo:0.10%以上0.40%以下
    を、下記の(1)式で表されるMneq.が1.50%以上3.50%以下を満足するように含有し、更に、
    Nb:0.100%以下、 V :0.100%以下、
    Ti:0.100%以下
    のうちから選ばれた1種以上を合計で0.080%以上含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有し、主相であるベイニティック・フェライトと少なくともマルテンサイトを含む第二相からなり、前記マルテンサイトの組織全体に対する面積率が2%以上、前記第二相の組織全体に対する面積率が10%以下である組織を有し、板厚が16mm超26mm以下の熱延鋼板であり、
    外径が500mm以上2600mm以下であり、管軸方向の降伏強さYSが450MPa以上、引張強さTSが570MPa以上、降伏比YRが90%以下、全厚における伸びElが25%以上であり、シャルピー衝撃試験の−20℃における吸収エネルギーvE-20が47J以上であることを特徴とする低降伏比高強度スパイラル鋼管杭。

    Mneq.(%)=Mn+0.1Si+0.8Cr+0.5Mo … (1)
    (Mn、Si、Cr、Moは、各元素の含有量(質量%))
  2. 前記組成に加えて更に、質量%で、Ca:0.0050%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載の低降伏比高強度スパイラル鋼管杭。
  3. 前記組成に加えて更に、質量%で、Cu、Ni、Sn、Mg、Co、As、W、Pb、Taのうちから選ばれた1種以上を合計で0.10%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載の低降伏比高強度スパイラル鋼管杭。
  4. 熱延鋼板を素材としたスパイラル鋼管からなるスパイラル鋼管杭の製造方法であって、
    前記スパイラル鋼管が、前記熱延鋼板をスパイラル状に加工しながら前記熱延鋼板の端部同士を接合して外径が500mm以上2600mm以下のスパイラル鋼管としたものであり、
    前記熱延鋼板を、請求項1ないし3のいずれかに記載の組成からなる鋼素材を1100℃以上に加熱して粗圧延を施したのち、仕上げ圧延終了温度を750℃以上850℃以下とする仕上げ圧延を施し、該仕上げ圧延終了後、5℃/s以上15℃/s以下の平均冷却速度で450℃以上550℃以下の冷却停止温度まで冷却する加速冷却を施して巻き取ることにより製造された板厚16mm超26mm以下の熱延鋼板とすることを特徴とする低降伏比高強度スパイラル鋼管杭の製造方法。
JP2014072557A 2014-03-31 2014-03-31 低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法 Active JP6128042B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014072557A JP6128042B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014072557A JP6128042B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015193887A true JP2015193887A (ja) 2015-11-05
JP6128042B2 JP6128042B2 (ja) 2017-05-17

Family

ID=54433177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014072557A Active JP6128042B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6128042B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020056191A (ja) * 2018-10-01 2020-04-09 Jfeスチール株式会社 地すべり抑止用杭およびその設計方法
JP2020056192A (ja) * 2018-10-01 2020-04-09 Jfeスチール株式会社 地すべり抑止用杭およびその設計方法
CN112853205A (zh) * 2020-12-31 2021-05-28 马鞍山钢铁股份有限公司 一种850MPa级低屈强比热轧高强复相钢及其制造方法
CN113604736A (zh) * 2021-07-26 2021-11-05 莱芜钢铁集团银山型钢有限公司 一种屈服强度800MPa级高强度中厚板及其制备方法
WO2022011935A1 (zh) * 2020-07-17 2022-01-20 南京钢铁股份有限公司 一种具有优良心部韧性的高强度容器用厚板及制造方法
JP7346770B1 (ja) * 2022-08-05 2023-09-19 Jfeシビル株式会社 人工地盤構造物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299415A (ja) * 2005-03-24 2006-11-02 Jfe Steel Kk 低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管用熱延鋼板の製造方法
JP2011017061A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Jfe Steel Corp 高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP2012188731A (ja) * 2011-02-24 2012-10-04 Jfe Steel Corp 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006299415A (ja) * 2005-03-24 2006-11-02 Jfe Steel Kk 低温靭性に優れた低降伏比電縫鋼管用熱延鋼板の製造方法
JP2011017061A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Jfe Steel Corp 高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP2012188731A (ja) * 2011-02-24 2012-10-04 Jfe Steel Corp 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020056191A (ja) * 2018-10-01 2020-04-09 Jfeスチール株式会社 地すべり抑止用杭およびその設計方法
JP2020056192A (ja) * 2018-10-01 2020-04-09 Jfeスチール株式会社 地すべり抑止用杭およびその設計方法
WO2022011935A1 (zh) * 2020-07-17 2022-01-20 南京钢铁股份有限公司 一种具有优良心部韧性的高强度容器用厚板及制造方法
CN112853205A (zh) * 2020-12-31 2021-05-28 马鞍山钢铁股份有限公司 一种850MPa级低屈强比热轧高强复相钢及其制造方法
CN112853205B (zh) * 2020-12-31 2022-06-17 马鞍山钢铁股份有限公司 一种850MPa级低屈强比热轧高强复相钢及其制造方法
CN113604736A (zh) * 2021-07-26 2021-11-05 莱芜钢铁集团银山型钢有限公司 一种屈服强度800MPa级高强度中厚板及其制备方法
CN113604736B (zh) * 2021-07-26 2022-10-04 莱芜钢铁集团银山型钢有限公司 一种屈服强度800MPa级高强度中厚板及其制备方法
JP7346770B1 (ja) * 2022-08-05 2023-09-19 Jfeシビル株式会社 人工地盤構造物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6128042B2 (ja) 2017-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5776377B2 (ja) 耐サワー性に優れたラインパイプ用溶接鋼管向け高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5561119B2 (ja) 高圧縮強度耐サワーラインパイプ用溶接鋼管及びその製造方法
JP5679114B2 (ja) 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP5812115B2 (ja) 高張力熱延鋼板及びその製造方法
US11214847B2 (en) High-strength hot-rolled steel sheet for electric resistance welded steel pipe and manufacturing method therefor
US20160017466A1 (en) Hot-rolled steel sheet and method for producing the same (as amended)
JP5644982B1 (ja) 電縫溶接鋼管
JP6354910B2 (ja) 厚肉高強度ラインパイプ用熱延鋼板、ならびに、厚肉高強度ラインパイプ用溶接鋼管およびその製造方法
JP6128042B2 (ja) 低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法
JP5834534B2 (ja) 高一様伸び特性を備えた高強度低降伏比鋼、その製造方法、および高強度低降伏比溶接鋼管
JP5768603B2 (ja) 高一様伸び特性を備え、かつ溶接部低温靱性に優れた高強度溶接鋼管、およびその製造方法
JP6123713B2 (ja) 厚肉熱延鋼帯およびその製造方法
JP6015602B2 (ja) 高靭性高延性高強度熱延鋼板及びその製造方法
JP6149776B2 (ja) 高靭性高延性高強度熱延鋼板及びその製造方法
JP2010196165A (ja) 低温靭性に優れた極厚高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP5401863B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板の製造方法
JP5786720B2 (ja) 引張強さ780MPa以上の高張力厚鋼板およびその製造方法
JP6197767B2 (ja) 低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法
KR102004072B1 (ko) 고강도 강 및 그 제조 방법, 그리고 강관 및 그 강관의 제조 방법
JP5998670B2 (ja) 低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法
KR102002717B1 (ko) 고강도 강 및 그 제조 방법, 그리고 강관 및 그 제조 방법
JP5842473B2 (ja) 高一様伸び特性を備えかつ溶接部靱性に優れた高強度溶接鋼管、およびその製造方法
JP6123734B2 (ja) 鋼管杭向け低降伏比高強度電縫鋼管およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6128042

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250