JP2013049741A - 顔料分散用樹脂溶液、顔料分散体及び調色塗料又は原色塗料 - Google Patents

顔料分散用樹脂溶液、顔料分散体及び調色塗料又は原色塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】弱溶剤に溶解させた場合において顔料分散性、色調安定性や色調経時安定性にも優れた調色塗料又は原色塗料を調製できる顔料分散用樹脂及びこれを用いた顔料分散体、並びに、この顔料分散体を用いて得られる調色塗料及び原色塗料を提供すること。
【解決手段】(変性)アクリル樹脂及び弱溶剤を含む顔料分散用樹脂溶液であって、(変性)アクリル樹脂は、数平均分子量2,000〜14,000、酸価及びアミン価の少なくとも一方が0.1〜15mgKOH/gであり、かつ水酸基価0〜15mgKOH/gを有し、(変性)アクリル樹脂分に対して特定の重合性不飽和モノマー10〜35質量%及びホモポリマーのSP値が9.2以下となる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー15質量%以上90質量%未満を含有する顔料分散用樹脂溶液、この顔料分散用樹脂溶液及び顔料を含有する顔料分散体並びに前記顔料分散体を含有する調色塗料又は原色塗料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、顔料分散用樹脂溶液、顔料分散体並びに調色塗料又は原色塗料に関し、さらに詳しくは、ミネラルスピリット等の弱溶剤に溶解させた場合において、優れた顔料分散性を有し、かつ色調安定性や色調経時安定性にも優れた調色塗料又は原色塗料を調製することができる顔料分散用樹脂及びこれを用いた顔料分散体、並びに、この顔料分散体を用いて得られる、顔料分散性並びに色調安定性及び色調経時安定性に優れた調色塗料又は原色塗料に関する。
一般に、着色顔料を含んだ塗料(塗料組成物とも称する。)は、顔料分散用樹脂に無機顔料や有機顔料を比較的高濃度で分散させた顔料分散体(ミルベースとも称する。)と、塗膜主要素であるバインダ樹脂(例えば、アルキド樹脂系や、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、アミノ樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系等)と、必要に応じて溶剤、添加剤等を任意の割合で混合して得られる。そのため顔料分散用樹脂には優れた顔料分散性と塗料に使用されている各種バインダ樹脂との良好な相溶性が要求される。通常、顔料分散用樹脂は、相溶性や色調安定性等を考慮し、塗料中のバインダ樹脂と同様の樹脂系が使用されていたため、調色する塗料毎に専用の顔料分散体が用意されていた。即ち、塗料品種、色数に応じて調色用の顔料分散体を用意しておく必要があり、そのため、用意しておく顔料分散体の数も必然的に多くなり、生産効率や、製造コスト、保管場所、在庫回転率等に多大な負荷を与える一因となっていた。
また、昨今の塗料業界では顧客のニーズに合わせた少量多品種の塗料供給は、回避しようのない永遠のテーマとなっており、品種統合が出来難い現状下では、各塗料に共通して使用できる顔料分散体の利用価値は非常に高いものになってきている。また、塗料は、顧客のニーズに応じて、様々な塗装環境に供され、刷毛塗りや、ローラー塗装、エアースプレー塗装、エアレススプレー塗装、ディップ塗装、静電塗装等、様々なシェアの異なる方法で塗装されている。そのため、同じ塗料でも、塗装方法の相違によるシェアの違いにより、形成される塗膜に、色違いや、色わかれ等の重大な問題がしばしば生じていた。過去、上市されている顔料分散用樹脂としては、例えば、700未満の数平均分子量を有する低分子量タイプと700以上の数平均分子量を有する高分子量タイプがあり、低分子量タイプとしては、各種塗料バインダ樹脂系と相溶性の良好な樹脂(例えば、尿素系や、トリアジン系、ポリグリコール系、アクリル系等の樹脂)が知られていたが、これら低分子量の樹脂は、得られる塗膜の耐溶剤性や耐水性、基材との密着性を損なう場合が多かった。
このような背景を基に、数種の塗料に共通して使用できる調色用の高分子量の顔料分散用樹脂が提案されている。例えば、ポリエステル樹脂(引用文献1)、ウレタン変性ポリエステル樹脂(引用文献2)、アクリル樹脂(引用文献3、4及び5)等が提案されている。しかし、ポリエステル樹脂は塩基性を有する顔料分散用樹脂が多く、全ての顔料に対し、適切な官能基を適用していないため、顔料種によっては様々なシェアに対する色調安定性に問題が生じると考えられる。ウレタン変性ポリエステル樹脂では様々な種類の塗料に使用した場合の色調安定性(特にシーディングや色わかれ性)等が懸念される。また、引用文献3及び4に記載されているアクリル系顔料分散用樹脂は、酸−塩基又は塩基を官能基とし、組成バランスを規定したものであるが、いずれの樹脂も全ての顔料に対して適切な官能基を適用していない。一方、引用文献5に記載されているアクリル系顔料分散用樹脂は様々なバインダ樹脂と良好な相溶性を示すが、これらを用いた顔料分散体は、様々な塗料に適用しようとすると、各顔料の顔料分散性の違いから色調安定性に不具合が生じ、得られる塗膜性能に悪影響を及ぼしてしまうことも確認されている。
上記の問題を解決するような顔料分散用樹脂として、引用文献6に記載の顔料分散用樹脂が報告されており、この顔料分散用樹脂を用いて作製した顔料分散体及び塗料は非常に優れた色調安定性、色調経時安定性を示す。
特許第3038854号公報 特許第3141422号公報 特許第3272824号公報 特許第4264161号公報 特許第3049407号公報 特許第3584238号公報
ところで、昨今の塗料業界では、強溶剤系塗料に比べ低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さいという長所を有するため、強溶剤系塗料から弱溶剤系塗料への転換が要望されている。
ところが、特許文献1〜5に記載の各種樹脂はもちろんのこと、強溶剤系塗料においては前記したように非常に優れた色調安定性及び色調経時安定性を示す特許文献6に記載の顔料分散用樹脂であっても、ミネラルスピリット等の弱溶剤に溶解させた場合には、キシレン、トルエン等の強溶剤の場合ほど非常に優れた顔料の分散安定性を示さないこともある。そして顔料の分散安定性が低下すると一般的に調製した塗料の色調経時安定性が低下する。このように、前記長所を有する弱溶剤を用いた弱溶剤系塗料に転換するという要望に応えるため、弱溶剤系塗料においても優れた顔料の分散安定性を発揮する顔料分散用樹脂等が求められている。
従って、本発明は、ミネラルスピリット等の弱溶剤に溶解させた場合において、優れた顔料分散性を有し、かつ色調安定性や色調経時安定性にも優れた調色塗料又は原色塗料を調製することができる顔料分散用樹脂及びこれを用いた顔料分散体、並びに、この顔料分散体を用いて得られる、顔料分散性並びに色調安定性及び色調経時安定性に優れた調色塗料又は原色塗料を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため鋭意検討した結果、本発明者らは、特定の特性を有するアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂を顔料分散用樹脂として使用することにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は、アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂及び弱溶剤を含む顔料分散用樹脂溶液であって、前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は、数平均分子量2,000〜14,000、酸価及びアミン価の少なくとも一方が0.1〜15mgKOH/gであり、かつ水酸基価0〜15mgKOH/gを有し、さらに、以下の一般式(I)で示される重合性不飽和モノマーを前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂分に対して10〜35質量%、及びホモポリマーのSP値が9.2以下となる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂分に対して15質量%以上90質量%未満含有することを特徴とする顔料分散用樹脂溶液である。
Figure 2013049741
ただし、一般式(I)中、Rは水素又はメチル基であり、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、nは1〜4の整数である。
また、本発明は、前記本発明に係る顔料分散用樹脂溶液及び顔料を含有することを特徴とする顔料分散体であり、この顔料分散体を含有することを特徴とする調色塗料又は原色塗料である。
本発明に係る顔料分散用樹脂溶液は、前記特性及び前記構成モノマーを有するアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂と弱溶剤とを含む顔料分散用樹脂溶液であるから、強溶剤系塗料に比べ低毒性で作業上の安全性が高く、さらには大気汚染に対する影響も小さな弱溶剤中であっても顔料を高い分散安定性で分散させることができ、その結果、色調安定性や色調経時安定性に優れた調色塗料又は原色塗料を調製することができる。また、本発明に係る顔料分散体は本発明に係る顔料分散用樹脂溶液を含有し、本発明に係る調色塗料又は原色塗料は本発明に係る顔料分散体を含有している。したがって、本発明によれば、ミネラルスピリット等の弱溶剤に溶解させた場合において、優れた顔料分散性を有し、かつ色調安定性や色調経時安定性にも優れた調色塗料又は原色塗料を調製することができる顔料分散用樹脂及びこれを用いた顔料分散体、並びに、この顔料分散体を用いて得られる顔料分散性並びに色調安定性及び色調経時安定性に優れた調色塗料又は原色塗料を提供することができる。
以下、本発明について詳細を説明する。まず、本発明の顔料分散用樹脂について説明する。本発明の顔料分散用樹脂であるアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は前記特性及び前記構成モノマーを有するアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂である。具体的には本発明のアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は数平均分子量が2,000〜14,000であり、好ましくは3,000〜12,000である。数平均分子量が2,000未満であると、調色した塗料の形成する塗膜の耐水性等が低下することがあるので顔料分散用樹脂溶液に含有される顔料分散用樹脂として好ましくない。この、調色した塗料が形成する塗膜の耐水性等が低下することが顔料分散用樹脂溶液として好ましくないとする考え方は当業者であれば容易に理解することができる。一方、数平均分子量が14,000を越えると、顔料分散性が低下して、塗料の貯蔵中に顔料の凝集による分離又は沈殿が起こりやすくなり、色調経時安定性等が低下することがあるので好ましくない。アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂の数平均分子量は定法によって測定でき、具体的な測定方法は後述する。なお、アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂の数平均分子量は公知の適宜の方法で調整できる。
本発明のアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は酸価及びアミン価の少なくとも一方が0.1〜15mgKOH/gである。すなわち、本発明のアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂が酸基を有している場合(すなわち酸価が0mgKOH/gである場合を除く)の酸価は0.1〜15mgKOH/gであり、アミノ基を有している場合(すなわちアミン価が0mgKOH/gである場合を除く)のアミン価は0.1〜15mgKOH/gである。酸価及びアミン価のいずれもが0.1mgKOH/g未満であると、顔料分散性が低下し、長時間の練合が必要となり、さらに色調経時安定性等が低下することがあるので好ましくない。一方、酸価及びアミン価の少なくとも一方が15mgKOH/gを越えると、色調安定性が低下しやすくなり、調色する塗料種によってはシーディングが発生しやすくなるので好ましくない。すなわち、酸価及びアミン価の少なくとも一方が前記範囲内にあるアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂を使用することにより、調色する多くの塗料系での色わかれが発生せず、顔料分散体の適用範囲が広がる。顔料分散体の適用範囲がさらに広がる点で酸価及びアミン価はそれぞれ0.5〜10mgKOH/gであるのが好ましい。なお、アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂の酸価及びアミン価は公知の方法に従って測定することが可能であるが、構成モノマーの酸価及びアミン価が既知であれば、使用量や配合比率からアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂の酸価及びアミン価を計算して求めることも可能である。
本発明のアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は水酸基価が0〜15mgKOH/gである。水酸基価が15mgKOH/gを越えると、調色した塗料の形成する塗膜の耐水性等が低下することがあるので顔料分散用樹脂溶液に含有される顔料分散用樹脂として好ましくない。なお、本発明において、本発明の顔料分散用樹脂溶液が混合される塗料中のバインダ樹脂が水酸基を有していな場合には、本発明のアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は水酸基価を有していなくともよく、塗料中のバインダ樹脂によって水酸基の有無が選択され、水酸基価が設定される。なお、アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂の水酸基価は公知の方法に従って測定することが可能であるが、構成モノマーの水酸基価が既知であれば、使用量や配合比率からアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂の水酸基価を計算して求めることも可能である。
本発明において、前記範囲の酸価を有するアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は特に表面が塩基性の顔料に適用するのが望ましく、また、前記範囲のアミン価を有するアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は特に表面が酸性の顔料や表面が非極性の顔料に適用するのが望ましい。表面が両極性の顔料の場合はどちらのアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂も適用できる。この選定方法は、一旦、本発明が理解されれば、顔料分散の酸−塩基理論を基にしており、当業者であれば実験的に容易に理解することができる。
本発明のアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は、構成モノマーとして以下の一般式(I)で示される重合性不飽和モノマーを有しており、その含有量は前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂分、すなわちこれら樹脂を構成する構成モノマー全質量に対して10〜35質量%である。この含有量が10質量%未満であると顔料分散性が低下し、35質量%を超えると弱溶剤への溶解性が損なわれる場合がある。
Figure 2013049741
ただし、一般式(I)中、Rは水素又はメチル基であり、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、nは1〜4の整数である。
一般式(I)のRとしてのアルキル基は直鎖状又は分岐鎖状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等を好適に挙げることができる。Rとして好ましいアルキル基は炭素数1又は2のアルキル基であり、Rとしてこの好ましいアルキル基に加えてフェニル基も好ましい。
前記一般式(I)で示される重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、(n又はイソ−)プロポキシエチル(メタ)アクリレート、(n又はイソ−)プロポキシプロピル(メタ)アクリレート、(n、s又はt−)ブトキシエチル(メタ)アクリレート、(n、s又はt−)ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が代表的なモノマーとして挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
本発明のアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は、構成モノマーとしてホモポリマーのSP値が9.2以下となる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを有しており、その含有量は前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂分、すなわちこれら樹脂を構成する構成モノマー全質量に対して15質量%以上90質量%未満である。この含有量が15質量%未満であると弱溶剤への溶解性が低下し、90質量%以上では顔料分散性が低下する場合がある。
ここで、本発明におけるSP値の計算方法について以下に示す。SP値とは樹脂組成に固有の数値であって相溶性を判断する際の目安となるもので、種々の計算方法や実測方法があるが、本発明においては、Hoyの提唱した蒸気圧法によるSP値を用いて求めた分子引力定数を使用し、文献(K.L.Hoy, J.Paint Technology, 42, [541],76(1970))に記載された方法に準拠して計算した値を意味するものとする。具体的には、SP値は、δ=(dΣG)/Mで表される。ここに、dはポリマーの密度、Mはポリマーの基本構造単位の分子量、ΣGは該基本構造単位中に存在する原子(団)に対応する分子引力定数Gの総和である。
ホモポリマーのSP値が9.2以下となる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、例えば、イソプロピルメタクリレート(SP値9.047)、イソブチルメタクリレート(SP値9.047)、t−ブチルアクリレート(SP値9.080)、t−ブチルメタクリレート(SP値8.753)、n−ヘキシルメタクリレート(SP値9.183)、n−ヘプチルメタクリレート(SP値9.150)、n−オクチルメタクリレート(SP値9.122)、2−エチルヘキシルメタクリレート(SP値8.969)、ノニルメタクリレート(SP値9.099)、デシルメタクリレート(SP値9.078)、ラウリルメタクリレート(SP値9.045)、セチル(メタ)アクリレート(SP値8.997)、ステアリルメタアクリレート(SP値9.105)、ステアリルメタクリレート(SP値8.980)等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが代表的なモノマーとして挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂の酸価、アミン価を前記範囲に調整するために、酸基を有するモノマーやアミノ基を有するモノマーを構成モノマーとして適宜用いることができる。本発明において「酸基」にはカルボキシ基、スルホン酸基及び燐酸基等を含み、「アミノ基」には1級〜4級のアミノ基を含み、アミノ基の水素原子を置換する置換基はアルキル基、アラルキル基、アリル基を含む。
前記酸基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸や、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニル安息香酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、スルホン酸基含有(メタ)アクリレート、燐酸基含有(メタ)アクリレート等が代表的なモノマーとして挙げられ、これらは単独、あるいは二種以上を併用して使用することができる。
前記アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートや、N,N−メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−メチルプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド等が代表的なモノマーとして挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂の水酸基価を前記範囲に調整するために、水酸基を有するモノマーを適宜用いることができる。本発明において「水酸基」にはカルボキシ基、スルホン酸基及び燐酸基等の酸基を構成する水酸基を含まない点で、水酸基を有するモノマーは前記酸基を有するモノマーと明確に区別される。前記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アタクリレートへのラクトン付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートへのエチレンオキシドの開環付加物やプロピレンオキシドの開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの2量体や3量体等が代表的なモノマーとして挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は、構成モノマーすなわち共重合成分として、前記一般式(I)に示される重合性不飽和モノマーと、ホモポリマーのSP値が9.2以下となる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとを有し、酸価、アミン価及び水酸基価を調整するために酸基を有するモノマー及びアミノ基を有するモノマーの少なくとも一方のモノマー及び水酸基を有するモノマーを有していてもよく、さらに、これらのモノマーと共重合可能なその他のモノマーを有していてもよい。
前記その他のモノマーとしては、重合性不飽和モノマー、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、酸基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマー及び水酸基を有するモノマー以外のモノマーであればよく、例えば、メチル(メタ)アクリレートや、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチルアクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トルイル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のホモポリマーのSP値が9.2を超える(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;スチレンや、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、安息香酸ビニル等の芳香族系重合性不飽和モノマー;酢酸ビニルや、プロピオン酸ビニル等のビニル系モノマー;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドや、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシ置換アミドモノマー;パーフルオロエチレンや、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシランや、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;マレイン酸やフマル酸のジアルキルエステル;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル等モノマー;等が代表的なものとして挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
本発明における顔料分散用樹脂は前記した構成モノマーの共重合体である前記アクリル樹脂であってもよく、また、前記構成モノマーの他に、例えば、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂を共重合性成分として使用した変性アクリル樹脂とすることもできる。また、アルキド樹脂とポリエステル樹脂を共重合性成分として併用した変性アクリル樹脂とすることもできる。アルキド樹脂、ポリエステル樹脂としては、マレイン酸、フマル酸又は不飽和脂肪酸等を含有したアルキド樹脂、マレイン酸、フマル酸又は不飽和脂肪酸等を含有したポリエステル樹脂が代表的なものとして挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
本発明の顔料分散用樹脂は前記した構成モノマーを溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等の既知の重合法により製造することができる。特に、本発明の顔料分散用樹脂は溶液重合法により製造するのが簡便で好ましい。溶液重合法により本発明の顔料分散用樹脂を製造する場合には、溶媒及び重合開始剤の存在下で構成モノマーの混合物を共重合させる。共重合は構成モノマーが重合しうる温度で行えばよく、通常、80〜140℃が適当である。このとき、定法によって予め前記特性となるように計算された構成モノマーの重合比に従って構成モノマーを共重合すると前記特性を有する樹脂を得ることができる。
共重合に用いられる溶媒としては本発明の顔料分散用樹脂を溶解できる溶剤であれば特に制限なく使用できる。このような溶剤としては、後述する弱溶剤、弱溶剤以外の有機溶剤等が挙げられる。弱溶剤以外の有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、メトキシプロピルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤、等を挙げることができる。これらの溶剤は1種又は2種以上混合して使用することができる。
本発明の顔料分散用樹脂は前記した構成モノマーを重合開始剤等の存在下に共重合して得られる。共重合時に用いる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルや、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、2,2−ビス(4,4−ジtert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等の有機過酸化物系重合開始剤等を挙げることができる。また、必要に応じて2−メルカプトエタノール、n−オクチルメルカプタン等の連鎖移動剤を使用することもできる。
本発明の顔料分散用樹脂溶液に含有される弱溶剤は、本発明の顔料分散用樹脂の合成時に用いられる弱溶剤又は本発明の顔料分散用樹脂に別途添加される弱溶剤であって、一般的には溶解力の弱い溶剤を意味し、具体的には、JIS K 2266で規定されるアニリン点が12〜55℃であるものをいう。この弱溶剤は労働安全衛生法の第3種有機溶剤に相当する、高沸点芳香族炭化水素系溶剤を含んでいてもよい脂肪族炭化水素系溶剤であり、ターペンやミネラルスピリット等に代表されるような高引火点、高沸点、低有害性であるものをいう。
このような弱溶剤の代表例として、例えば、ミネラルスピリットA(アニリン点=43℃)、ホワイトスピリット、ミネラルターペン、イソパラフィン、ソルベント灯油、芳香族ナフサ、VM&Pナフサ、ソルベントナフサ等がある。これらの市販品としては、エッソ石油株式会社製のソルベッソ100(アニリン点=14℃)、ソルベッソ150(アニリン点=15℃)、ソルベッソ200(アニリン点=13℃)、ナフサNo.6(アニリン点=43℃);丸善石油化学株式会社製のスワゾール1000(アニリン点=12.5℃)、スワゾール1500(アニリン点=17℃)、スワゾール1800(アニリン点=14.5℃);出光興産株式会社製のイプゾール100(アニリン点=12.4℃)、イプゾール100(アニリン点=14.8℃);シェルケミカルズジャパン株式会社製のHAWS(アニリン点=15℃)、LAWS(アニリン点=12.4℃);JX日鉱日石エネルギー株式会社製のAソルベント(アニリン点=44.5℃)等が挙げられる。その他の単成分溶剤としては、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソノナン、n−デカン、n−ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタン等の脂肪族炭化水素類等があげられる。これらは単独、あるいは2種以上を併用して使用することができる。
本発明において、弱溶剤は溶剤全体としてのアニリン点が12〜55℃の範囲内にあればよく、例えば、前記したアニリン点が12〜55℃の弱溶剤を成分とする単独弱溶剤又は混合弱溶剤あってもよく、これらの弱溶剤と強溶剤例えば弱溶剤以外の有機溶剤とを含有する多種混合溶剤であってもよい。多種混合溶剤は全体として12〜55℃のアニリン点を有していればよく、例えば弱溶剤の含有量が有機溶剤の含有量よりも多いのが好ましい。
本発明の顔料分散用樹脂を弱溶剤に溶解させた本発明の顔料分散用樹脂溶液における顔料分散用樹脂の濃度は20〜90%であり、好ましくは30〜80%である。顔料分散用樹脂の濃度が20%より濃度が低いと高濃度の顔料分散体が得られず、90%よりも高いと顔料分散用樹脂溶液の粘度が高くなりすぎて、ハンドリング性が低下するため、好ましくない。
次に本発明の顔料分散体について説明する。この顔料分散体は本発明の顔料分散用樹脂溶液すなわち本発明のアクリル樹脂又は変性アクリル樹脂及び弱溶剤と顔料とを含有している。
本発明の顔料分散体に含有される弱溶剤は、本発明の顔料分散用樹脂溶液に含有される弱溶剤であってもよく、また本発明の顔料分散用樹脂溶液及び顔料に新たに加えられる弱溶剤であってもよい。新たに加えられる弱溶剤は本発明の顔料分散用樹脂溶液に含有される弱溶剤と同じ弱溶剤であっても異なる弱溶剤であってもよい。また、本発明の顔料分散体について、顔料分散用樹脂溶液及び顔料の他に弱溶剤以外の溶剤を配合することもできるが、この場合には色調安定性及び色調経時安定性を良好に維持するため、顔料分散体に含まれる溶剤(揮発成分)に対して弱溶剤が50%以上含まれることが好ましい。なお、弱溶剤以外の溶剤は特に限定されず、例えば前記有機溶剤等が挙げられ、1種又は2種以上混合して使用できる。
本発明の顔料分散体における本発明の顔料分散用樹脂溶液の配合量は、顔料分散体の質量に基づいて本発明の顔料分散用樹脂量に換算して好ましくは2〜80質量%、特に好ましくは5〜70質量%である。なお、本発明の顔料分散用樹脂溶液に溶解している顔料分散用樹脂の配合量は、各顔料種によって大きく異なり、上記範囲内において、カーボンブラック等の吸油量の大きい顔料の場合には比較的多量に配合し、ベンガラ等の吸油量の小さい顔料の場合には比較的少量で配合することが好ましい。この配合量に関する考え方は、当業者であれば実験的に容易に理解することができる。
本発明の顔料分散体における弱溶剤(弱溶剤以外の溶剤を含む。)の配合量は、本発明の顔料分散用樹脂溶液の前記配合量に依存するが、例えば、好ましくは5〜90質量%、特に好ましくは10〜70質量%である。
前記顔料としては、例えば、酸化チタンや、亜鉛華、黒鉛、黒色酸化鉄、ベンガラ、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタンイエロー、クロムバーミリオン及び各種焼成顔料等の重金属化合物系顔料等の無機着色顔料;沈降性硫酸バリウムや、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク等の体質顔料;カーボンブラック等の黒色顔料;アゾ系や、キナクリドン系、ピラゾロン系、ベンツイミダゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、イソインドリン系、キノフタロン系、フタロシアニン系、ジオキサジン系等の着色有機顔料;アルミニウム粉や、銅粉、ニッケル粉、ステンレス粉、クロム粉、雲母状酸化鉄、酸化チタン被覆マイカ粉、酸化鉄被覆マイカ粉、光輝性グラファイト等の光輝性顔料が代表的なものとして挙げられる。これら顔料は、その製法や、表面処理の種類により、酸性や、塩基性、両極性、非極性等、独自の表面状態を有している。顔料の配合量は、顔料分散体の質量に基づいて、例えば、好ましくは2〜90質量%、特に好ましくは5〜80質量%である。なお、顔料分散体中の顔料濃度は、前記範囲内であって通常の塗料と比較して約3〜8倍程度が適当である。
本発明の顔料分散体には、必要に応じて、市販品されている顔料分散剤を併用することができる。このような市販されている顔料分散剤としては、例えば、楠本化成(株)社製ディスパロンKS−260、KS−273N、KS−281、2200、KS−860、KS−873N;共栄社化学(株)社製フローレンAF−205、AF−405、AF−1000、AF−1005、G−700、DOPA−33、DOPA−17;エフカケミカルズ社製EFKA−4010、EFKA−4046、EFKA−4047、EFKA−4050、EFKA−4055、EFKA−4060、EFKA−4401、EFKA−4520、EFKA−4530、EFKA−5063、EFKA−5064、EFKA−5065、EFKA−5066、EFKA−5070、EFKA−6220;ビックケミー・ジャパン(株)社製Anti−Terra−203、Anti−Terra−204、Anti−Terra−U、Bykumen、Disperbyk−101、Disperbyk−108、Disperbyk−111、Disperbyk−130、Disperbyk−140、Disperbyk−160、Disperbyk−162、Disperbyk−163、Disperbyk−164、Disperbyk−166、Disperbyk−171、Disperbyk−174、Disperbyk−182、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001;アビシア(株)社製Solsperse5000、Solsperse24000、Solsperse32500、Solsperse38500等が代表的なものとして挙げられる。
任意に配合することのできる市販の顔料分散剤の配合量は、本発明の顔料分散体の質量に基づいて、例えば、好ましくは0〜20質量%、特に好ましくは0.5〜15質量%である。ただし、この配合量が20質量%を超えると塗膜性能が低下する場合があるため、好ましくない。
本発明の顔料分散体には、必要に応じて、沈降防止剤等の添加剤が配合されてもよい。必要に応じて配合することのできる沈降防止剤としては、例えば、有機ベントナイトや、シリカ等を始め、前記添加剤メーカー等から上市されている各種有機系沈降防止剤が挙げられる。
本発明の共通調色用ミルベースである顔料分散体の調製は、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ナノミル、ホモミキサー等の分散装置中で、本発明の顔料分散用樹脂溶液すなわち本発明の顔料分散用樹脂及び弱溶剤と、顔料と、必要により弱溶剤と、更に必要に応じて添加する市販の顔料分散剤と、沈降防止剤等の添加剤とを混合し、分散することにより行われる。これら分散装置によって調製される顔料分散体は、顔料粒子が最大粒径1〜20μm、好ましくは、2〜10μmとなる範囲が適当である。
このようにして調製された本発明の顔料分散体は、各種塗料の調色用として適用できる。すなわち本発明の調色塗料又は原色塗料は本発明の顔料分散体とバインダ樹脂を含有するベース塗料すなわち原色塗料と必要により後述する各種添加剤とを含有している。ここで適用可能な塗料品種は、アクリル樹脂系塗料、フタル酸樹脂系塗料、合成樹脂系塗料、ビニル樹脂系塗料、短油〜中油アルキド樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、シリコーン樹脂系塗料、セルロース樹脂系塗料等が代表的なものとして挙げられる。本発明においては、前記各色の顔料分散体を多品種の塗料に用いることによって、生産効率が格段に向上した塗料の調色システムを確立することができ、更に、生産効率以外にも、洗浄作業の削減等による環境への配慮、顧客への納期短縮、在庫塗料量・種の削減等が可能になり、多くのメリットをもたらすことができる。特に、本発明の顔料分散体を、弱溶剤を含む塗料に用いても、塗料が本来持っている塗料・塗膜物性に悪影響を与えず、色わかれ性、特に色調安定性及び色調経時安定性を大幅に改善できる。また、弱溶剤を含む塗料に本発明の顔料分散体を用いることによって生産効率が大幅に改善され、タンク内での調色だけでなく、缶内での調色も可能となり、洗浄溶剤の削減、顧客への納期短縮を実現した調色システムを確立することができる。さらには、本発明の顔料分散体は強溶剤を含む塗料だけでなく弱溶剤を含む塗料に用いることもでき、低毒性で作業上の安全性も高く、大気汚染に対する影響も小さい調色システムを確立することができる。
次に本発明の顔料分散体を用いた塗料の調色方法を説明する。調色方法としては、例えば、チンチング方式や、ロード方式等が代表的な方法として採用される。
以下、チンチング方式による調色塗料の調製方法について述べる。チンチング方式(Tinting System)とは、CCM(Computer Color Matching)とオートディスペンサーとを用い、目標となる色調データを入力した後、調色される白色等の原色塗料(ベース塗料とも称する。)に、本発明の顔料分散体を、計量、混入、撹拌し、調色塗料を製造する方法である。近年のCCM精度の向上と、本発明の顔料分散体の優れた顔料分散性とによって、目標とした色調への調色精度は非常に高いものが得られることが確認されている。本発明の顔料分散体を用いたチンチング方式では、共通調色用顔料分散体各色を用意し、オートディスペンサーより、例えば、各種白原色塗料へ混入した後、塗料の組成バランスを最適に保つための組成調整液(バインダ樹脂、有機溶剤、添加剤、体質顔料等からなる組成物)を混入し、缶内で、撹拌、検査を行うことで本発明の調色塗料(調色塗料組成物とも称する。)を得ることができる。この方法は、特に、淡彩色、中彩色の調色に適している。なお、本発明の顔料分散体を用いたチンチング方式では、前記組成調整液を配合せずに調色塗料を得ることも可能である。また、一般に顔料分散体の混入量が多くなると、通常、塗料中の組成バランスが崩れるが、本発明の顔料分散体を用いた場合、最大で20質量%程度の混入量でも、塗料性状や、塗膜性能に悪影響を及ぼすことなく、維持できることが確認されている。この方法は、特に、淡彩色の調色に適している。このチンチング方式は、小口注文への対応に非常に適しており、顧客への納期短縮、缶内での調色による洗浄作業の削減等のメリットを有している。
以下、ロード方式による調色塗料の調製方法について述べる。ロード方式とは、調色用顔料分散体に、塗料用のバインダ樹脂、及び必要に応じて、弱溶剤や、体質顔料、ポリマー微粒子、更には、硬化触媒や、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、塗面調整剤、酸化防止剤、流動性調整剤、シランカップリング剤等の各種添加剤等を混合することによって、調色塗料を得る方法である。ロード方式では、前述の個々の原料を順番に混入することも可能であるが、個々の原料を事前溶解、又は練合しておき、先のチンチング方式で述べたボディベースとすることで、効率よく原色を調製することもできる。ロード方式は、従来の練合工程を必要とせず、溶解のみで各原色塗料を調製することができるため、この各原色塗料を使用した濃彩色の調色に適している。前記バインダ樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、フタル酸樹脂、合成樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物等を代表的なものとして挙げることができる。これらのバインダ樹脂は、1種で、又は2種以上組合せて使用することができる。また、ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基がブロック化されたブロック化ポリイソシアネート化合物及び非ブロック化ポリイソシアネート化合物の両者を包含する。
前記バインダ樹脂の配合量は、調色塗料中、例えば、好ましくは10〜95質量%、特に好ましくは20〜90質量%である。必要に応じて使用される弱溶剤としては、前記顔料分散体で例示したものと同様の弱溶剤を50%以上含む各種有機溶剤を用いることができる。弱溶剤は、着色塗料中、例えば、好ましくは0〜80質量%、特に好ましくは2〜70質量%である。前記体質顔料としては、沈降性硫酸バリウムや、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク等が挙げられ、着色塗料中、例えば、好ましくは0〜50質量%、特に好ましくは5〜40質量%である。前記ポリマー微粒子は、着色塗料中で溶解せず、微粒子として分散するポリマーであり、通常、平均粒子径が0.01〜1μmの範囲のものが好適である。該ポリマー微粒子は、粒子内部が架橋されていてもされていなくてもよいが、内部架橋したものが望ましい。該微粒子はそれ自体既知のものであり、このものから適宜選択して使用できる。ポリマー微粒子の配合量は、調色塗料中、例えば、好ましくは0〜20質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。
前記硬化触媒としては、硬化剤が、ポリイソシアネート化合物の場合には、ジブチル錫ジアセテートや、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸銅、トリエチレンジアミン等が挙げられ、また、硬化剤が、メラミン樹脂等のアミノ樹脂である場合には、パラトルエンスルホン酸や、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸等のスルホン酸化合物やこれらのスルホン酸化合物のアミン中和物等を挙げることができる。硬化触媒の配合量は、着色塗料中、例えば、好ましくは0〜2質量%、特に好ましくは0.02〜1質量%である。前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系や、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、サリシレート系、シュウ酸アニリド系等の紫外線吸収剤を挙げることができる。紫外線吸収剤の配合量は、着色塗料中、例えば、好ましくは0〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。前記紫外線安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物等を挙げることができる。紫外線安定剤は、着色塗料中、例えば、好ましくは0〜20質量%、特に好ましくは0.2〜10質量%が、適当である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
まず、本発明の顔料分散用樹脂と比較例の顔料分散用樹脂の特性値を算出するための方法について以下に示す。数平均分子量(Mn)の測定は、TSKgelカラム(東ソー(株)社製)を用い、RIを装備したGPC(東ソー(株)社製;HLC−8220GPC)により求めた。GPCの条件として、展開溶媒にテトラヒドロフランを用い、流速0.35ml/分、温度40℃にて測定を行った。
後述の第1表に記載している酸価及びアミン価、水酸基価の定義を以下に示す。
酸価:樹脂固形分1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数
アミン価:樹脂固形分1gを中和するのに要する塩酸と当量の水酸化カリウムのmg数
水酸基価:樹脂固形分1g中の遊離水酸基を無水酢酸で完全にアセチル化し、それを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数
(実施例I及び比較例I)
本発明の顔料分散用樹脂の合成例及び比較例の顔料分散用樹脂の合成例、並びに、本願発明の顔料分散用樹脂溶液の調製例及び比較例の顔料分散用樹脂溶液の調製例を以下に示す。
<合成例1>
攪拌機、温度計、還流冷却器等の備わったアクリル樹脂反応槽に、ミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)25部を仕込み、加熱撹拌し、100℃に達してから、下記のモノマー等の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃を保持したまま、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.5部とソルベッソ100(エッソ石油株式会社製)2部との混合物である追加触媒溶液を1時間要して滴下した。更に100℃で1時間撹拌を続けた後、冷却した。このものにミネラルスピリットA17部を加えて希釈し、固形分濃度55.5%の本発明の顔料分散用樹脂溶液(第1表において樹脂溶液1と表記する。)を得た。得られたアクリル樹脂は、数平均分子量(Mn)8,500、酸価4.2mgKOH/gであった。
<モノマー等の混合物>その他のモノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート3部及びメチルメタクリレート8.3部、前記一般式(I)で示される重合性不飽和モノマーとしてフェノキシエチルメタクリレート10部、ホモポリマーのSP値が9.2以下となる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしてイソブチルメタクリレート9部、t−ブチルメタクリレート14.9部及びラウリルメタクリレート9部、酸基を有するモノマーとしてアクリル酸0.3部、重合開始剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル1部
<合成例2〜16>
合成例1と同様の方法を用い、第1表に示した配合にて各モノマーを反応させた。合成例14及び15は樹脂溶液として合成できなかった。合成例2〜13及び16により目的とする、本願発明の樹脂溶液2〜6及び比較例の樹脂溶液7〜13及び16を得た。
Figure 2013049741
(実施例II及び比較例II)
本発明の顔料分散体の製造例を以下に示す。
<製造例1>
合成例1で得られた本発明の顔料分散用樹脂溶液(樹脂溶液1)25.5部、顔料分散剤としてDisperbyk−140(ビックケミー・ジャパン株式会社製)6.7部、黒色顔料としてRaven420(コロンビヤカーボン日本株式会社製)35部、ミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)32.8部を、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)社製)にて、2時間分散し(容量225ccの広口ガラス瓶、直径1.3mmφチタニアビーズを使用)、黒色顔料分散体(第1表において黒分散体1と表記する。)を得た。
<製造例2〜14>
製造例1と同様の方法を用い、第2表に示した配合にて分散させ、目的とする黒色顔料分散体(黒分散体2〜14)を得た。なお、分散条件は製造例1と同様とした。
Figure 2013049741
<製造例15>
合成例1で得られた本発明の顔料分散用樹脂溶液(樹脂溶液1)15.5部、顔料分散剤としてCLAYTONE34(Southern Clay Products, Inc.製)0.1部、黄色顔料としてTAROX 合成酸化鉄 LL XLO(チタン工業株式会社製)56部、体質顔料として軽質炭酸カルシウムMC−K(丸尾カルシウム株式会社製)3.5部、ミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)24.9部を、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)社製)にて、2時間分散し(容量225ccの広口ガラス瓶、直径1.3mmφチタニアビーズを使用)、黄色顔料分散体(第1表において黄分散体1と表記する。)を得た。
<製造例16〜28>
製造例15と同様の方法を用い、第3表に示した配合にて分散させ、目的とする黄色顔料分散体(黄分散体2〜14)を得た。なお、分散条件は製造例15と同様とした。
Figure 2013049741
<製造例29>
合成例1で得られた本発明の顔料分散用樹脂溶液(樹脂溶液1)28.8部、顔料分散剤としてDisperbyk−160(ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.5部、青色顔料としてCYANINE BLUE 2050(山陽色素株式会社製)23部、ミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)47.7部を、ペイントシェーカー(浅田鉄工(株)社製)にて、2時間分散し(容量225ccの広口ガラス瓶、直径1.3mmφチタニアビーズを使用)、青色顔料分散体(第1表において青分散体1と表記する。)を得た。
<製造例30〜42>
製造例29と同様の方法を用い、第4表に示した配合にて分散させ、目的とする青色顔料分散体(青分散体2〜14)を得た。なお、分散条件は製造例29と同様とした。
Figure 2013049741
(実施例III及び比較例III)
次に、製造した各顔料分散体を用いたチンチング方式による調色塗料組成物の調製方法と塗板作製方法とについて以下に示す。
<調色塗料調製方法>
200ccのポリカップに下記白ベース塗料100gそれぞれを取り分け、取り分けた3種の白ベース塗料それぞれに、樹脂溶液1を用いて実施例II及び比較例IIで製造した黒分散体1、黄分散体1及び青分散体1を3gずつ合計9g混入し、10分間静置した。その後、ディスパーにより2000rpmで10分攪拌を行った。これを50gずつ2つに取り分け、1つを初期塗板作製用塗料とし、もう一つを経時塗板作製用塗料として50℃で貯蔵した。樹脂溶液2〜13及び16を用いて実施例II及び比較例IIで製造した黒分散体2〜14、黄分散体2〜14及び青分散体2〜14についても同様に、同じ樹脂溶液を用いて製造された3種の分散体を各白ベース塗料それぞれに混入して、初期塗板作製用塗料及び経時塗板作製用塗料を準備した。
調色に供した前記白ベース塗料は以下の通りである。フタル酸樹脂エナメル(ハイメル無鉛白;大日本塗料株式会社製)、合成樹脂調合ペイント(タイコーペイント白;大日本塗料株式会社製)及びアクリル樹脂系非水分散系塗料(ビルデック白;大日本塗料株式会社製)
<塗板作製方法1>
初期塗板作製用塗料に、粘度調整用シンナーをイワタカップ#2で塗装粘度16〜20秒となるように入れ、攪拌後、ブリキ板(SPTE:0.3×50×150mm)に、乾燥膜厚が30μmとなるようスプレー塗装を行った。スプレー塗装1分後に、塗板上部を指で強く20回ラビングした。これを室温で1週間乾燥し、目的とする塗板を得た。また、経時塗板作製用塗料は、50℃で30日後に、前記と同様の方法で塗板作製を行った。上記方法にて作製した塗板を色わかれ性評価試験に供した。
<塗板作製方法2>
初期塗板作製用塗料に、粘度調整用シンナーをイワタカップ#2で塗装粘度16〜20秒となるように入れ、攪拌後、磨き軟鋼板(SPCC−SB:0.8×70×150mm)に、乾燥膜厚が30μmとなるようスプレー塗装を行った。これを室温で1週間乾燥し、目的とする塗板を得た。得られた試験板の裏面を塩化ビニル系塗料でシールし、耐水性評価試験に供した。
前述の方法に従って作製した塗板の耐水性、色調安定性及び色調経時安定性に関する評価結果を第5表に示す。なお、色調安定性については調色直後の色わかれ性を評価し、色調経時安定性については調色した塗料を50℃で30日貯蔵した後の色わかれ性を評価した。
<耐水性評価>
塗板作製方法2で作製した各塗板を23℃にて水道水7日間浸積後、外観を目視判定し、以下の基準により評価を行った。
○:異常なし、×:膨れ等の異常を認めた。
<色わかれ性評価>
塗板作製方法1で作製した各塗板において、分光色彩計(Macbeth COLOR EYE MS−2020PL;マクベス社製)を用い、スプレー部、ラビング部の色調をそれぞれ測定した後、スプレー部/ラビング部の色差を求め、以下の基準により評価を行った。
○:色差1未満、△:色差1以上2未満、×:色差2以上
Figure 2013049741
第2表〜第4表に示す本発明の顔料分散体(黒分散体1〜6、黄分散体1〜6及び青分散体1〜6)を共通調色用ミルベースとして使用して調色した塗料(初期塗板作製用塗料及び経時塗板作製用塗料)は、第5表からも明らかな通り、いずれも、優れた色調安定性や色調経時安定性を有し、また、塗料の塗膜性能を低下させないことが判明した。特筆すべきは、本発明の顔料分散体は顔料が高濃度で、具体的には黒色顔料35質量%、黄分顔料56質量%及び青分顔料23質量%の高濃度で分散しているにもかかわらず、優れた顔料分散性を有し、かつ色調安定性や色調経時安定性にも優れた弱溶剤系の調色塗料又は原色塗料を調製できることにある。もちろんこの効果は顔料が低濃度で分散している本願発明の顔料分散体であって充分に奏される。なお、実施例IIIでは、黒分散体1、黄分散体1及び青分散体1の3種混合分散体を各白ベース塗料に混入して色調安定性及び色調経時安定性を評価したが、各分散体それぞれを各白ベース塗料に混入して調製した調色塗料においても同様の結果が得られることは明らかである。
本発明の顔料分散用樹脂を用いることによって、顔料分散性、着色力が経時で安定した共通調色用の顔料分散体を得ることができる。また、本発明の顔料分散体は、多品種の弱溶剤を含む塗料において、塗料が本来持っている塗料・塗膜物性に悪影響を与えず、色わかれ性、特に色調安定性及び色調経時安定性が非常に良好であるため、工業的に有用なものである。また、これを多品種の弱溶剤を含む塗料へ用いることによって生産効率が大幅に改善され、タンク内での調色だけでなく、缶内での調色も可能となり、洗浄溶剤の削減、顧客への納期短縮を実現した調色システムを確立することができる。

Claims (3)

  1. アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂及び弱溶剤を含む顔料分散用樹脂溶液であって、
    前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂は、数平均分子量2,000〜14,000、酸価及びアミン価の少なくとも一方が0.1〜15mgKOH/gであり、かつ水酸基価0〜15mgKOH/gを有し、さらに、以下の一般式(I)で示される重合性不飽和モノマーを前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂分に対して10〜35質量%、及びホモポリマーのSP値が9.2以下となる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを前記アクリル樹脂又は変性アクリル樹脂分に対して15質量%以上90質量%未満含有することを特徴とする顔料分散用樹脂溶液。
    Figure 2013049741
    ただし、一般式(I)中、Rは水素又はメチル基であり、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基であり、nは1〜4の整数である。
  2. 請求項1に記載の顔料分散用樹脂溶液及び顔料を含有することを特徴とする顔料分散体。
  3. 請求項2に記載の顔料分散体を含有することを特徴とする調色塗料又は原色塗料。
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