JP2013049229A - ランナ取り出し装置及びランナ取り出し方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】型開き動作との同期制御が不要であり、成形サイクルの短縮を図ることのできるランナ取り出し技術を提供する。
【解決手段】ランナ取り出し装置500は、固定金型10、中間金型20及び可動金型30を有する3プレート式の金型装置300と、金型装置300の型開閉を行うプレスと、を備えた射出成形機600から離型されたランナRを金型装置300外に取り出す装置である。金型装置300から離型されたランナRをランナチャック部50で掴んで当該金型装置300外に取り出すランナ取り出し機構51が、取り付け板58を介して、可動金型30側のプラテン31に設けられている。型開きした可動金型30と中間金型20との間にランナチャック部50を進入・後退させるためのX軸スライダ52の駆動手段53が、取り付け板59を介して、固定金型10側のプラテン11または射出成形機600のベースプレート601に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、合成樹脂製品の射出成形工程において製品とともに発生するランナを射出成形機から取り出す技術に関する。
従来のランナ取り出し装置は、固定金型側のプラテンまたは射出成形機のベースプレートに取り付けられ、可動金型の型開きが完了した後、二軸ロボットまたは三軸ロボットを用いてランナを取り出す構成となっているものが多い。しかしながら、可動金型の型開きが完了した後にランナを取り出すようにした場合、射出成形工程中の各動作の時間短縮分しか成形サイクルの短縮が図れないという問題がある。
二軸ロボットや三軸ロボットを使用する場合、ランナ取り出し位置及びランナ廃棄位置がロボットの設置部分から大きくオーバーハングしているため、ランナを把持しているチャック部や駆動部などの重量バランスが悪く、長期間使用するうちに、荷重が集中的に加わるレール部などに摩耗や変形が生じる可能性が高く、耐久性を阻害する要因となっている。また、ランナ取り出し用のロボットは、射出成形機の型盤に取り付けて使用するものであるため、射出成形機の特定部分に偏った大きな荷重が加わることによって、金型や射出成形機自体に悪影響を及ぼすことがある。このような問題を解決する技術が、例えば、特許文献1,2などに記載されている。
特許文献1記載の「移送装置」は、成形用金型の固定側型盤及び可動側型盤にそれぞれ取付用部材を取り付け、これらの上部に設置したレールに沿って移動可能なスライドブロックを設け、そして、基端部を一方のスライドブロックに固定したスライドシャフトを他方のスライドブロックに挿通させ、モータで正転、逆転する環状チェーンベルトの並行部分の上側、下側にスライドブロックをそれぞれ係止したものである。
特許文献2記載の「成形機用成形品取出装置」は、チャック支持板に、一対の、作動リンクとこれに平行な支持リンクの両先端を枢着し、両リンクの基端を可動型板に固定された取付ブラケットに枢着して平行リンク機構を構成し、作動リンクの基端には、揺動アームを一体に連設し、搖動アームの先端に作動棹を枢着するとともに、作動棹の基端を機枠に枢支したものである。
特許第3040076号公報 特許第2528330号公報
特許文献1記載の「移送装置」においては、固定プラテン及び可動プラテンに両持ちの状態でランナ取り出し装置を固定し、アンバランスを解消しているが、型開き完了後にランナ取り出しが行われるため、成形サイクルの短縮を図ることは困難である。また、特許文献2記載の「成形機用成形品取出装置」は、下型可動方式のプラテンを利用した装置であるため、上型可動プラテン方式の射出成形機には不適である。
さらに、3プレート式の金型装置の取り出し装置は、固定プラテン側に取り付けられ、可動金型と中間金型との間に形成されるランナを取り出す機構と、中間金型と固定金型との間に形成される成形品を取り出す機構とによって構成され、これら複数の取り出し機構はいずれも金型が完全に開いてしまうまで、ランナを取りに行くことができないため、成形サイクルの短縮を図ることが困難である。
本発明が解決しようとする課題は、型開き動作との同期制御が不要であり、成形サイクルの短縮を図ることのできるランナ取り出し技術を提供することにある。
本発明のランナ取り出し装置は、固定金型、中間金型及び可動金型を有する3プレート式の金型装置と、前記金型装置の型開閉を行うプレスと、を備えた射出成形機から離型されたランナを前記金型装置外に取り出すランナ取り出し装置であって、
前記金型装置から離型されたランナをランナチャック部で掴んで当該金型装置外に取り出すランナ取り出し機構を前記可動金型側のプラテンに設けたことを特徴とする。
このような構成とすれば、成形工程中、ランナ取り出し機構が可動金型とともに昇降するので、型開き動作との同期制御が不要となる。また、型開き終了時のポジションでランナ取り出し機構が待機する必要がないので、成形サイクルの短縮を図ることができる。
ここで、前記ランナチャック部が、型開きした前記可動金型と前記中間金型との間に進入・後退可能であることが望ましい。このような構成とすれば、型開きが完了する前にランナチャック部がランナを掴むことが可能となるので、成形サイクルのさらなる短縮を図ることができる。
また、型開きした前記可動金型と前記中間金型との間に前記ランナチャック部を進入・後退させるためのX軸スライダの駆動手段を前記固定金型側のプラテンまたは前記射出成形機のベースプレートに設けることが望ましい。このような構成とすれば、駆動手段が固定金型側のプラテンに配置されることにより、可動金型側のプラテンに加わる重量負担が軽減されるので、射出成形機の耐久性及び成形品の品質への悪影響を抑制することができる。
さらに、前記駆動手段から前記X軸スライダへの駆動伝達手段として、前記ランナチャック部の進入・後退方向に移動する伝達部材を前記駆動手段に設け、前記伝達部材に沿って前記可動金型の移動方向にスライドするガイド部材を設けることが望ましい。このような構成とすれば、可動金型側のプラテンの型開き動作に同期する昇降駆動機構を別途設ける必要がなくなるので、構造の簡素化を図ることができる。
一方、本発明のランナ取り出し方法は、固定金型、中間金型及び可動金型を有する3プレート式の金型装置と、前記金型装置の型開閉を行うプレスと、を備えた射出成形機から離型されたランナをランナ取り出し機構のランナチャック部で掴んで当該金型装置外に取り出すランナ取り出し方法であって、
前記ランナ取り出し機構を前記可動金型側のプラテンと一体的に昇降させ、型開きした前記可動金型と前記中間金型との間に前記ランナチャック部を進入・後退させてランナ取り出しを行うことを特徴とする。
このような構成とすれば、成形工程中、ランナ取り出し機構が可動金型とともに昇降するので、型開き動作との同期制御が不要となる。また、型開き終了時のポジションでランナ取り出し機構が待機する必要がないので、成形サイクルの短縮を図ることができる。
本発明により、型開き動作との同期制御が不要であり、成形サイクルの短縮を図ることのできるランナ取り出し技術を提供することができる。
本発明の実施形態であるランナ取り出し装置を示す一部切欠斜視図である。 図1に示すランナ取り出し装置の正面図である。 射出成形中の金型装置及びランナ取り出し装置を示す一部省略正面図である。 射出成形が終了して型開き開始したときの金型装置及びランナ取り出し装置を示す一部省略正面図である。 上金型と中間金型とが型開き動作中にあるときの金型装置及びランナ取り出し装置を示す一部省略正面図である。 中間金型と下金型とが型開き開始したときの金型装置及びランナ取り出し装置を示す一部省略正面図である。 型開きが完了したときの金型装置及びランナ取り出し装置を示す一部省略正面図である。 型開き状態が維持されているときの金型装置及びランナ取り出し装置を示す一部省略正面図である。 型締め開始したときの金型装置及びランナ取り出し装置を示す一部省略正面図である。 型締めが完了し、射出成形開始したときの金型装置及びランナ取り出し装置を示す一部省略正面図である。
図1,図2に示すように、本実施形態のランナ取り出し装置500は、固定金型10、中間金型20及び可動金型30を有する3プレート式の金型装置300と、金型装置300の型開閉を行うプレス(図示せず)と、を備えた射出成形機600から離型されたランナRを金型装置300外に取り出す装置である。金型装置300から離型されたランナRをランナチャック部50で掴んで当該金型装置300外に取り出すランナ取り出し機構51が、取り付け板58を介して、可動金型30側のプラテン31に設けられている。固定金型10側のプラテン11と可動金型30側のプラテン31との間には複数のタイバー301が配置されている。
ランナチャック部50は、型開きした可動金型30と中間金型20との間に進入・後退可能である。型開きした可動金型30と中間金型20との間にランナチャック部50を進入・後退させるためのX軸スライダ52の駆動手段53が、取り付け板59を介して、固定金型10側のプラテン11が取り付けられた射出成形機600のベースプレート601に取り付けられている。
駆動手段53からX軸スライダ52への駆動伝達手段56として、ランナチャック部50の進入・後退方向に移動する伝達部材54が駆動手段53に設けられ、伝達部材54に沿って可動金型30の移動方向にスライドするガイド部材55がX軸スライダ52の可動側に設けられている。
ランナ取り出し装置500は、ランナチャック部50、X軸スライダ52及び駆動伝達ガイド55などのほか、ランナ引き抜きスライダ57、ランナ引き抜きシリンダ(図示せず)を有している。ランナチャック部50にはエアチャックが使用され、チャック先端には、ランナRを把持する金具50aが取り付けられている。
X軸スライダ52は、固定側がランナ引き抜きスライダ57の可動側に取り付けられ、リニアベアリング(LMガイドやスライドブッシュなど)を介してX軸スライダ52の可動側が取り付けられている。リニアベアリングを採用することにより、X軸スライダ52の可動側の金型装置300内への進入・後退の円滑化を図っている。同様に、ランナ引き抜きスライダ57は、固定側が取り付け板58に取り付けられ、ランナ引き抜きスライダ57の可動側は、リニアベアリングを介して、X軸スライダ52の固定側が取り付けられている。リニアベアリングを採用することにより、円滑に上下スライド可能である。図示していないが、引き抜き時のランナ引き抜きスライダ57の昇降駆動はエアシリンダによって行う。
X軸スライダ52の可動側を進入・後退させる駆動手段53は、モータ(図示せず)、タイミングベルト60、リニアベアリング61、伝達部材54などから構成されている。伝達部材54はリニアベアリング61に取り付けられ、タイミングベルト60を介してモータ(図示せず)に連結され、モータの正転・逆転により、金型装置300内へのX軸スライダ52の進入・後退動作を行う。
X軸スライダ52の可動側に取り付けられているガイド部材55は、一対のベアリング内蔵型のローラ55aが伝達部材54の幅に対して適度な隙間ができるように配置され、一対のローラ55aの間に伝達部材54を挟み込むようにセットされている。これにより、伝達部材54の動きがX軸スライダ52側に伝達される。
また、後述する型開き動作及び、ランナ引き抜きスライダ57の昇降動作により、X軸スライダ52がZ軸方向(鉛直方向)に上昇していくが、伝達部材54は、可動プラテン31の型開きストローク以上の長さを有しているため、金型装置300の開閉位置に関係なく、常に、ガイド部材55のローラ55aの間に伝達部材54を挟み込み、駆動手段53の駆動力がランナ取り出し機構51に伝えられるようになっている。
次に、図3〜図10に基づいて、図1に示すランナ取り出し装置500によるランナRの取り出し工程について説明する。なお、図3〜図10は、工程動作を示すため一部省略して表示している。
図3は、成形作業中の金型装置300を示している。このとき、金型装置300の可動金型30、中間金型20及び固定金型10は全て型締状態にあり、ランナ取り出し機構51のランナチャック部50及びX軸スライダ52は、金型装置300の外側で待機している。
図4は、成形作業が終了し、金型装置300の可動金型30が開き始めた状態を示している。このとき、ランナ取り出し機構51は可動金型30側のプラテン31と共に上昇するが、中間金型20と固定金型10とは閉状態にある。
図5は、金型装置300の可動金型30と中間金型20とが開いた状態を示している。このとき、金型装置300の型開き動作(可動金型30の上昇動作)は継続され、ランナ取り出し機構51のX軸スライダ52及びランナチャック部50が、金型装置300の可動金型30と中間金型20との間に進入開始する。
図6は、金型装置300の可動金型30がさらに上昇し、これに伴って中間金型20が上昇し、中間金型20と固定金型10との間が開き始めた状態を示している。この過程において、X軸スライダ52及びランナチャック部50は、金型装置300の可動金型30と中間金型20との間に進入し続け、ランナチャック部50が、可動金型30下面に垂下しているランナRを把持可能な位置まで進入した時点で進入が完了する。
図7は、可動金型30と中間金型20との間の開動作が終わり、中間金型20と固定金型10との間の開動作が終わり、金型装置300の型開きが完了した状態を示している。この過程において、ランナ取り出し機構51のX軸スライダ52の先端にあるランナチャック部50の金具50aによって可動金型30下面に垂下しているランナRを把持する。このとき、成形品Pは、図示していない成形品取り出し装置によって、金型装置300の外側に取り出される。
図8は、金型装置300が型開き状態を維持するとともに、ランナチャック部50によって把持されたランナRが可動金型30から引き抜かれた状態を示している。具体的には、図示しないシリンダで駆動されたランナ引き抜きスライダ57(図1参照)が下降することによってX軸スライダ52全体が下降し、これに伴ってランナチャック部50がランナRを把持したまま下降し、ランナRが可動金型30から引き抜かれる。
図9は、ランナ取り出し機構51のX軸スライダ52及びランナRを把持したランナチャック部50が金型装置300外まで後退し、そのことを確認した後、可動金型30側のプラテン31が下降し始め、金型装置300の型締め動作が開始した状態を示している。
図10は、金型装置300の型締めが完了し、次の成形作業が開始した状態を示している。この後、ランナ取り出し機構51のランナチャック部50が開いてランナRが所定場所に廃棄され、図示しないシリンダで駆動されたランナ引き抜きスライダ57(図1参照)が上昇することによってX軸スライダ52全体が上昇し、図3に示す待機状態となる。以下、図3〜図10に示す工程を反復することによって、成形品Pの製造及びランナRの取り出しが行われる。
図1,図2に示すランナ取り出し装置500においては、成形工程中、ランナ取り出し機構51が可動金型30とともに昇降するので、金型装置300の型開き動作との同期制御が不要である。また、型開き終了時のポジションでランナ取り出し機構51が待機する必要がないので、成形サイクルの短縮を図ることができる。
また、ランナ取り出し機構51のランナチャック部50が、型開きした可動金型30と中間金型20との間に進入・後退可能であり、金型装置300全体の型開きが完了する前にランナチャック部50がランナRを把持することができるので、成形サイクルの短縮化に有効である。
さらに、図1,図2に示すように、型開きした可動金型30と中間金型20との間にランナチャック部50を進入・後退させるためのX軸スライダ52の駆動手段53を、固定金型10側のプラテン11または射出成形機600のベースプレート601に設けたことにより、可動金型30側のプラテン31に加わる重量負担が軽減されるので、射出成形機600の耐久性及び成形品P(図2参照)の品質への悪影響を抑制することができる。
一方、駆動手段53からX軸スライダ52への駆動力伝達手段56として、ランナチャック部50の進入・後退方向に移動する伝達部材54を駆動手段53に設け、伝達部材54に沿って可動金型30の移動方向にスライドするガイド部材55を設けたことにより、可動金型30側のプラテン31の型開き動作に同期する昇降駆動機構が不要であるため、構造の簡素化を図ることができる。
なお、図1〜図10を参照して説明したランナ取り出し装置500は本発明の一例を示すものであり、本発明のランナ取り出し装置及びランナ取り出し方法を限定するものではない。
本発明に係るランナ取り出し技術は、射出成形機を使用して合成樹脂製品を製造する各種産業分野において広く利用することができる。
10 固定金型
11,31 プラテン
20 中間金型
30 可動金型
50 ランナチャック部
50a 金具
51 ランナ取り出し機構
52 X軸スライダ
53 駆動手段
54 伝達部材
55 ガイド部材
55a ローラ
56 駆動伝達手段
57 ランナ引き抜きスライダ
58,59 取り付け板
60 タイミングベルト
300 金型装置
301 タイバー
500 ランナ取り出し装置
600 射出成形機
601 ベースプレート
P 成形品
R ランナ

Claims (5)

  1. 固定金型、中間金型及び可動金型を有する3プレート式の金型装置と、前記金型装置の型開閉を行うプレスと、を備えた射出成形機から離型されたランナを前記金型装置外に取り出すランナ取り出し装置であって、
    前記金型装置から離型されたランナをランナチャック部で掴んで当該金型装置外に取り出すランナ取り出し機構を前記可動金型側のプラテンに設けたことを特徴とするランナ取り出し装置。
  2. 前記ランナチャック部が、型開きした前記可動金型と前記中間金型との間に進入・後退可能である請求項1記載のランナ取り出し装置。
  3. 型開きした前記可動金型と前記中間金型との間に前記ランナチャック部を進入・後退させるためのX軸スライダの駆動手段を前記固定金型側のプラテンまたは前記射出成形機のベースプレートに設けた請求項2記載のランナ取り出し装置。
  4. 前記駆動手段から前記X軸スライダへの駆動伝達手段として、前記ランナチャック部の進入・後退方向に移動する伝達部材を前記駆動手段に設け、前記伝達部材に沿って前記可動金型の移動方向にスライドするガイド部材を設けた請求項3記載のランナ取り出し装置。
  5. 固定金型、中間金型及び可動金型を有する3プレート式の金型装置と、前記金型装置の型開閉を行うプレスと、を備えた射出成形機から離型されたランナをランナ取り出し機構のランナチャック部で掴んで当該金型装置外に取り出すランナ取り出し方法であって、
    前記ランナ取り出し機構を前記可動金型側のプラテンと一体的に昇降させ、型開きした前記可動金型と前記中間金型との間に前記ランナチャック部を進入・後退させてランナ取り出しを行うことを特徴とするランナ取り出し方法。
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