JP5186783B2 - 射出成形装置及び成形方法 - Google Patents

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本発明は、金型を用いて光学部品等を成形するための射出成形装置及びかかる射出成形装置を用いた成形方法に関する。
射出成形装置として、固定プラテンと可動プラテンとの間に固定金型と可動金型とを挟持して型締めを行うものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−272558号公報
上記のような射出成形装置では、型開き後に一方の型に残っている成形品を取り出すため、通常、成形品を把持するためのハンドを有する取出し装置を設けている。このような取出し装置は、作業性や安定性の観点から、一般に固定プラテン上部に固定される。
しかしながら、上記のような取出し装置の動作が成形品の形状精度に影響を及ぼしていることを、本発明者は、実験、試作等に対する検討に基づいて見いだした。すなわち、上記取出し装置は、成形品を把持して3次元的に移動させることができるので、可動部分がかなりの重量となる。このため、成形品を外部のストッカに搬送する際に可動部分の移動によって特に水平方向の重心位置が大きく移動し、固定プラテンひいては固定金型を水平軸のまわりに僅かに回転させることになる。この結果、固定金型と可動金型との間に微小なズレが発生し、成形品の形状精度が低下する。
そこで、本発明は、固定金型と可動金型とを精密に位置合わせした型締めによって高精度の成形品を製造することができる射出成形装置及びかかる射出成形装置を用いた成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る射出成形装置は、(a)固定金型を取り付ける固定プラテンと、可動金型を取り付ける可動プラテンとを有し、成形時に固定プラテンと可動プラテンとの間に固定金型と可動金型とを挟持して型締めを行う成形装置本体と、(b)成形装置本体に取り付けられ、成形装置本体により成形された成形品を運ぶ動作を行う可動部を有する付帯装置と、(c)成形装置本体及び付帯装置の動作を制御することにより、前記可動プラテンを動作させて型開きを行わせる際と、可動プラテンを動作させて型閉じを行わせる際とにおいて、付帯装置の動作を停止させ付帯装置に付帯装置の水平方向における重心位置を保持させ、可動プラテンに圧力を付与させて固定金型と可動金型とを型締めしている状態において、付帯装置の可動部を、付帯装置の水平方向における重心位置が移動するように動作させる駆動制御装置とを備える。ここで、型閉じとは、固定金型と可動金型とを接合するように可動プラテンを動作させて、型を閉じ始める時から固定金型と可動金型とを接合して必要な圧力で型合わせを完了するまでを意味し、型閉じを完了して型締め状態を継続している状態を含まない。
上記射出成形装置では、駆動制御装置が、可動プラテンを動作させて型開きと型閉じとを行わせる際に、付帯装置の動作を停止させ付帯装置にその水平方向における重心位置を維持させるので、付帯装置の左右の重量バランスが略保持され、付帯装置の影響で固定プラテンと可動プラテンとが相対的に位置ズレすることすなわち型ズレすることを防止できる。つまり、型閉じに際して付帯装置の動作に伴って固定金型と可動金型とが微小に位置ズレすることを防止でき、型閉じに際しての型合わせを高精度化できるので、結果的に成形品の形状精度も向上させることができる。また、分離直前に両金型が相対的に変位して痛むことや、次の型閉じに際して位置ズレが生じることを防止できる。
さらに、型締め状態において、付帯装置の可動部を付帯装置の水平方向における重心位置が移動するように動作させるので、固定金型及び可動金型の型締めによって、両型が付帯装置の動作の影響を受けにくくなるので、付帯装置における重心位置が移動しても、型合わせの精度がほとんど劣化しない。
本発明の具体的な態様又は側面によれば、上記射出成形装置において、駆動制御装置が、可動プラテンを動作させて型開きを行う際と、可動プラテンを動作させて型閉じを行う際とにおいて、付帯装置の水平方向における重心位置を一致させる。ここで、型開きとは、型締め状態を終了して型を開き始める時から固定金型と可動金型とを最も離間させる動作を完了するまでを意味し、型開きを完了して開状態を継続している状態を含まない。この場合、型開きに際して付帯装置の動作に伴って固定金型と可動金型とが位置ズレすることを防止でき、離間直前に両金型が相対的に変位して痛むことや、次の型閉じに際して位置ズレが生じることを防止できる。
本発明のさらに別の態様では、駆動制御装置が、型開き完了後から型閉じ開始前までの期間中において、付帯装置の可動部を昇降させるように移動させる。この場合、型締め中を除いた期間中に付帯装置の昇降運動が許容されるので、この期間中も、付帯装置を有効に活用することができる。
本発明のさらに別の態様では、付帯装置が、成形品を把持するハンドを有し、固定プラテン上に固定され、型開き後に固定金型側又は可動金型側に残る成形品を外部に取出す取出し装置である。この場合、固定プラテンが取出し装置の動作に伴って例えば水平軸のまわりに回転することを防止でき、取出し装置の動作に伴う成形品の精度低下も防止することができる。
本発明に係る成形方法は、成形時に固定プラテンと可動プラテンとの間に固定金型と可動金型とを挟持して型締めを行う成形装置本体と、成形装置本体に取り付けられ、成形装置本体により成形された成形品を運ぶ動作を行う可動部を有する付帯装置とを備える射出成形装置を用いた成形方法であって、前記可動プラテンを移動させて型開きを行う際と、可動プラテンを移動させて型閉じを行う際とにおいて、付帯装置の動作を停止させ付帯装置の水平方向における重心位置を保持させ、型締め中に、付帯装置の水平方向における重心位置を移動させることを特徴とする。
上記成形方法では、可動プラテンを移動させて型開きと型閉じとを行う際に付帯装置の動作を停止させ付帯装置の水平方向における重心位置を保持するので、付帯装置の左右の重量バランスが略保持され、付帯装置の影響で固定プラテンと可動プラテンとが相対的に位置ズレすることすなわち型ズレすることを防止できる。これにより、型閉じに際しての型合わせを高精度化でき、成形品の形状精度も向上させることができる。また、分離直前に両金型が相対的に変位して痛むことや、次の型閉じに際して位置ズレが生じることを防止できる。
さらに、型締め中に付帯装置の水平方向における重心位置を移動させるので、付帯装置が動作しても型合わせの精度がほとんど劣化しない。
本発明の一実施形態である射出成形装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、図1は、本実施形態の射出成形装置を説明する正面図であり、図2は、図1の射出成形装置のAA矢視図である。
射出成形装置10は、支持フレーム20と、固定プラテン31と、可動プラテン33と、後部プラテン35と、開閉駆動装置40と、取出し装置50と、射出装置70とを備える。このうち、支持フレーム20と、固定プラテン31と、可動プラテン33と、後部プラテン35と、開閉駆動装置40とは、固定プラテン31と可動プラテン33との間に固定金型61と可動金型63とを挟持して両金型61,63を型締めすることにより成形を可能にする成形装置本体となっている。また、取出し装置50は、成形装置本体に付随して成形に関連する動作を行う付帯装置となっている。
射出成形装置10において、支持フレーム20は、射出成形装置10の各部を支持するための台座となっており、その上部には、固定プラテン31や後部プラテン35が、不図示の固定装置によって精密に位置決めされ、かつ、振動を抑えた状態で支持・固定されている。
固定プラテン31は、支持フレーム20の中央側上面に成形時の型締め(すなわちロックアップ)に耐え得る強度で固定されており、取出し装置50をその上部に支持する。固定プラテン31の内側31aは、固定金型61を着脱可能に支持しており、可動プラテン33の内側33aに対向している。
可動プラテン33は、後述するスライドガイド41等によって±X方向に往復移動可能に支持されている。可動プラテン33の内側33aは、可動金型63を着脱可能に支持しており、固定プラテン31の内側31aに対向している。
後部プラテン35は、支持フレーム20の端部側上面に成形時の型締め(すなわちロックアップ)に耐え得る強度で固定されているが、±X方向に関して位置調整が可能になっており、固定プラテン31と可動プラテン33との間隔調整を可能にしている。後部プラテン35は、型締めに際して、開閉駆動装置40のトグル機構45を介して可動プラテン33をその背後から支持する。
開閉駆動装置40は、スライドガイド41と、タイバー43a,43bと、トグル機構45と、アクチュエータ47とを備える。
上記開閉駆動装置40において、スライドガイド41は、支持フレーム20上であって可動プラテン33の直下に設けられており、可動プラテン33を支持するとともに可動プラテン33の±X方向に関する滑らかな往復移動を可能にしている。
上側タイバー43aと下側タイバー43bとは、それぞれ固定プラテン31と後部プラテン35との間に架設されている。上側タイバー43aと下側タイバー43bとは、実際には2本ずつあり,固定プラテン31及び後部プラテン35の四隅に支持されて、互いに平行にX方向に延びている。可動プラテン33の四隅には、タイバー43a,43bを貫通させるための貫通孔が形成されており、これらの貫通孔には、ガイドブッシュ33dが設けられている。可動プラテン33は、タイバー43a,43bに対して摺動可能であり、スライドガイド41やタイバー43a,43bに案内されて±X方向に往復移動する。
トグル機構45は、それぞれトグルリンク45d等の部材からなる第1及び第2トグル部45a,45bで構成され、可動プラテン33と後部プラテン35との間に掛け渡されている。第1及び第2トグル部45a,45bは、アクチュエータ47からの駆動力を受けて伸縮する。つまり、後部プラテン35に対して可動プラテン33が近接したり離間したり自在に変位し、結果的に、可動プラテン33を固定プラテン31の方向に所望の圧力で押圧することができる。これにより、可動プラテン33と固定プラテン31とを互いに近接するように締め付けることができ、これらに挟まれた固定金型61と可動金型63とを型閉じすることができ、或いは、可動プラテン33と固定プラテン31とを互いに離間させてこれらに挟まれた固定金型61と可動金型63とを型開きすることができる。さらに、型閉じに際しては、アクチュエータ47の駆動によって可動プラテン33を固定プラテン31側に極めて大きな圧力で押し付けることができ、固定金型61と可動金型63とを十分な力で型締めすることができる。なお、アクチュエータ47は、モータやボールネジ等からなる機械機構型の駆動装置、若しくは油圧シリンダ等で構成され、不図示の制御部からの制御信号に応じて所望のタイミングで動作する。また、トグル機構45については、これを省略してアクチュエータ47で直接可動プラテン33を動作させることもできる。
取出し装置50は、基部51と、Y移動部53と、X移動部54と、ハンド55とを備える。このうち、Y移動部53、X移動部54、ハンド55等は、取出し装置50の可動部を構成する。
上記取出し装置50において、基部51は、固定部51aとガイドレール51bとを有しており、取出し装置50を固定プラテン31に固定し支持するための部分となっている。具体的には、固定部51aが固定プラテン31の上面31cに固定され、ガイドレール51bが固定部51a上でY方向すなわち水平方向に延在する状態で支持される。
Y移動部53は、基部51のガイドレール51bに支持され、ガイドレール51bに沿って±Y方向に滑らかにスライド移動可能になっており、X方向に延びるガイドレール53bを支持する。
X移動部54は、Y移動部53から延びるガイドレール53bに支持されて±X方向に進退可能になっており、結果的にXY面内で2次元的に任意の位置に移動可能になっている。また、X移動部54は、ハンド55から延びる支持棒55aを昇降移動させることができる。
ハンド55は、X移動部54の支持棒55aの下端に支持されて、3次元的に任意の位置に移動可能になっている。また、ハンド55は、必要なタイミングで開閉する一対のアーム部材55b,55b間に成形品MPを把持することができる。なお、成形品MPが光学素子である場合、光学面を傷つけないように、成形に付随して形成される不要部分であるスプル部分やランナー部分等がハンド55によって把持される。
射出装置70は、シリンダ、ホッパ、スクリュ、スクリュ駆動部、ヒータ等を備え、射出端71から所望の溶融樹脂を吐出させることができる。射出装置70は、射出端71を固定プラテン31に対して分離可能に接続することができ、固定プラテン31を介して、固定金型61と可動金型63とを型締めした状態で形成されるキャビティ中に溶融樹脂を所望のタイミングで供給することができる。
図3は、図1及び図2に示す射出成形装置10の制御系を説明するブロック図である。この制御系は、トグル駆動部81と、取出し装置駆動部83と、射出装置駆動部85と、制御部87とを備える。
トグル駆動部81は、アクチュエータ47を介してトグル機構45を動作させる。この際、トグル駆動部81は、開閉駆動装置40に付随する位置センサ、圧力センサ等の検出出力を監視しつつトグル機構45を動作させる。取出し装置駆動部83は、取出し装置50を動作させてハンド55を3次元的に移動させるとともにハンド55に成形品MPを把持させる。この際、取出し装置駆動部83は、取出し装置50に付随する位置センサ等の検出出力を監視しつつ取出し装置50を動作させる。射出装置駆動部85は、射出装置70の動作を制御して、固定プラテン31への樹脂の供給タイミングや供給圧力を調整する。
制御部87は、射出成形装置10による射出動作や成形動作を制御するための駆動制御装置であり、トグル駆動部81、取出し装置駆動部83、及び射出装置駆動部85の動作を統括的に制御している。すなわち、制御部87は、トグル駆動部81を介して開閉駆動装置40を動作させることにより、可動プラテン33と固定プラテン31とを利用して型閉じ及び型締めを行わせるとともに、射出装置駆動部85を介して射出装置70を動作させることにより、必要なタイミングで両金型61,63間に溶融樹脂を供給させる。そして、成形完了後、制御部87は、トグル駆動部81を介して開閉駆動装置40を動作させることにより、両金型61,63の型開きを行わせるとともに、取出し装置駆動部83を介して取出し装置50を動作させることにより、成形品MPを両プラテン33,31間から取り出して外部のストッカSTまで搬送させる。
図4は、図1及び図2に示す射出成形装置10の動作を概念的に説明するフローチャートである。このうち図4(A)は、支持フレーム20、固定プラテン31、可動プラテン33、開閉駆動装置40等を含む成形装置本体の動作を主に説明し、図4(B)は、取出し装置50の動作を主に説明する。
まず、制御部87は、取出し装置駆動部83を介して取出し装置50の状態を確認する(ステップS11)。具体的には、取出し装置50が基本位置に復帰しているか否かを判断し、取出し装置50が基本位置に復帰していない場合、取出し装置50を基本位置に復帰させる。ここで、取出し装置50が基本位置にあるとは、図2において一点鎖線で示す位置にあることを意味する。つまり、ハンド55が固定プラテン31の中央上方に配置された状態を意味する。
次に、制御部87は、トグル駆動部81を介して開閉駆動装置40を動作させ、可動プラテン33を+X側に移動させる型閉じを開始させる(ステップS12)。制御部87は、そのまま開閉駆動装置40を動作させて、固定金型61と可動金型63とが接触する型当たり位置まで可動プラテン33を固定プラテン31側に移動させた後、トグル駆動部81を更に動作させて固定金型61と可動金型63とを必要な圧力で締め付ける型締めを行う。このような型締め状態の開始により、可動プラテン33と固定プラテン31とによる型閉じが完了する(ステップS13)。
以上のような型閉じと並行して、制御部87は、取出し装置駆動部83を介して取出し装置50の動作を制限する。つまり、制御部87は、ステップS12の型閉じ開始からステップS13の型閉じ完了までの間、取出し装置50の動作を停止させて待機状態とし(ステップS21)、Y移動部53やハンド55を静止状態に保つ。
このように、型閉じ中に取出し装置50の動作を停止させる理由について説明する。すなわち、型閉じ中に取出し装置50を動作させた場合、Y移動部53やX移動部54から発生する振動によって、固定プラテン31や可動プラテン33が振動し、固定金型61と可動金型63との型合わせ精度が低下する傾向がある。特に、成形品MPが高精度の光学素子等である場合、型合わせ精度の低下によって成形品MPの光学性能が劣化して歩留まり低下等につながっていた。また、本発明者は、Y移動部53がX移動部54を支持し、かなりな重量を有することから、Y移動部53を図2において点線で示すストック位置まで移動させた状態で上記のような型閉じを行うと、成形品MPの加工精度が低下することを見いだした。すなわち、点線で示すストック位置にあるY移動部53は、ガイドレール51bに大きな回転モーメントを与え、さらに固定部51aを介して固定プラテン31に対してX軸のまわりの回転力を与えることになる。そして、このようにY移動部53を点線のストック位置に保持して型閉じを行った場合、固定金型61と可動金型63との型合わせ精度が大きく低下し、成形品MPの加工精度が低下する傾向が確認された。このような傾向は、Y移動部53が固定プラテン31の中央の直上からある程度位置ズレすれば、Y移動部53が点線で示すストック位置まで移動しなくても生じる。このため、型閉じ中は、Y移動部53を固定プラテン31の中央上方の基本位置に保持する。つまり、型閉じの動作中、取出し装置50の水平方向すなわち±Y方向における重心位置を保持する。
次に、制御部87は、取出し装置駆動部83を介して取出し装置50を動作させ、ハンド55が前回の工程で成形した成形品MPを保持する場合、ハンド55に成形品MPを保持させたままで、+Y側へ横移動を開始させる(ステップS22)。これにより、ハンド55に保持された成形品MPをストッカSTまで移動させてここに並べることができる。この際、取出し装置50は、Y移動部53等の可動部の移動によって水平方向における重心位置が変化する。なお、型閉じが完了して型締め状態となった後は、固定金型61と可動金型63とが十分な圧力で互いに締付けられており、型ズレが生じにくいので、Y移動部53を点線のストック位置に移動させても、固定プラテン31の振動や型ズレがほとんど発生せず、成形品MPの加工精度の低下のおそれが生じない。
次に、制御部87は、射出装置駆動部85を介して射出装置70を動作させ、型締めされた固定金型61と可動金型63との間のキャビティ中に、必要な圧力で樹脂を注入する射出を行わせる(ステップS14)。そして、制御部87は、キャビティ中で樹脂を徐々に冷却させて成形完了を待つ(ステップS15)。
これと並行して、制御部87は、取出し装置駆動部83を介して取出し装置50の動作を継続させ、成形品MPをストッカSTに載置して空になったハンド55をガイドレール51bの高さまで上昇させるとともに、−Y側への横移動を開始させる(ステップS23)。つまり、Y移動部53が固定プラテン31の中央上方の基本位置への復帰を開始する。
一方、制御部87は、開閉駆動装置40の動作に関して、ハンド55が固定プラテン31の中央上方に配置されて取出し装置50が基本位置に戻る搬送完了を待つ(ステップS16)。一方、制御部87は、取出し装置50が搬送を完了しても、固定金型61と可動金型63とによる成形が完了していない場合、成形完了まで取出し装置50を待機状態とする(ステップS24)。これにより、型開きに際して取出し装置50のY移動部53が横移動に移動することを回避でき、型開きの動作中、取出し装置50の水平方向すなわち±Y方向における重心位置を保持することができる。この結果、型開きに際して固定金型61と可動金型63とが位置ズレすることを防止でき、分離直前に両金型61,63が相対的に変位して痛むことや、次の型閉じに際して位置ズレが生じることを防止できる。
次に、制御部87は、搬送完了や成形完了を確認して、トグル駆動部81を介して開閉駆動装置40を動作させ、可動プラテン33を−X側に移動させる型開きを開始させる(ステップS17)。制御部87は、そのまま開閉駆動装置40を動作させて、固定金型61と可動金型63とが最も離れるまで可動プラテン33を後退させることにより、型開きが完了する(ステップS18)。
次に、制御部87は、型開き完了を確認して、取出し装置駆動部83を介して取出し装置50を動作させ、ハンド55によって成形品MPの取出しを開始させる(ステップS25)。これにより、ハンド55は、−Z方向に移動して固定金型61と可動金型63とのいずれかに残っている成形品MPの適所を把持し、両金型61,63から成形品MPを引き抜いて干渉を避ける位置まで後退した後、+Z方向に移動して基本位置への復帰完了する(ステップS26)。つまり、Y移動部53が固定プラテン31の中央上方の基本位置にある状態で、ハンド55も同様の基本位置に復帰する。この際、取出し装置50の水平方向における重心位置は変化しない。
その後は、ステップS11等に戻って、上記と同様の処理が行われる。すなわち、取出し装置50を基本位置に保持して型閉じが行われ、型閉じの完了によって型ズレしなくなった状態で取出し装置50による成形品MPの水平方向の搬送が行われる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、取出し装置50以外の付帯装置の可動部が水平方向に移動する際に型閉じや型開きを行わないものとすることができる。
実施形態の射出成形装置を説明する正面図である。 図1の射出成形装置のAA矢視図である。 図1及び図2に示す射出成形装置の制御系を説明するブロック図である。 (A)、(B)は、射出成形装置の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
10…射出成形装置、 20…支持フレーム、 31…固定プラテン、 33…可動プラテン、 35…後部プラテン、 40…開閉駆動装置、 41…スライドガイド、 43a,43b…タイバー、 45…トグル機構、 47…アクチュエータ、 50…取出し装置、 51…基部、 51a…固定部、 51b…ガイドレール、 53…Y移動部、 54…X移動部、 55…ハンド、 55a…支持棒、 61…固定金型、 63…可動金型、 70…射出装置、 81…トグル駆動部、 83…取出し装置駆動部、 85…射出装置駆動部、 87…制御部、 MP…成形品、 ST…ストッカ

Claims (5)

  1. 固定金型を取り付ける固定プラテンと、可動金型を取り付ける可動プラテンとを有し、成形時に前記固定プラテンと前記可動プラテンとの間に前記固定金型と前記可動金型とを挟持して型締めを行う成形装置本体と、
    前記成形装置本体に取り付けられ、前記成形装置本体により成形された成形品を運ぶ動作を行う可動部を有する付帯装置と、
    前記成形装置本体及び前記付帯装置の動作を制御することにより、前記可動プラテンを動作させて型開きを行わせる際と、前記可動プラテンを動作させて型閉じを行わせる際とにおいて、前記付帯装置の動作を停止させ前記付帯装置に前記付帯装置の水平方向における重心位置を保持させ、前記可動プラテンに圧力を付与させて前記固定金型と前記可動金型とを型締めしている状態において、前記付帯装置の前記可動部を、前記付帯装置の水平方向における重心位置が移動するように動作させる駆動制御装置と、
    を備えたことを特徴とする射出成形装置。
  2. 前記駆動制御装置は、前記可動プラテンを動作させて型開きを行う際と、前記可動プラテンを動作させて型閉じを行う際とにおいて、前記付帯装置の水平方向における重心位置を一致させることを特徴とする請求項1記載の射出成形装置。
  3. 前記駆動制御装置は、前記型開き完了後から前記型閉じ開始前までの期間中において、前記付帯装置の前記可動部を昇降させるように移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の射出成形装置。
  4. 前記付帯装置は、成形品を把持するハンドを有し、前記固定プラテン上に固定され、型開き後に前記固定金型側又は前記可動金型側に残る成形品を外部に取出す取出し装置であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項記載の射出成形装置。
  5. 成形時に固定プラテンと可動プラテンとの間に固定金型と可動金型とを挟持して型締めを行う成形装置本体と、前記成形装置本体に取り付けられ、前記成形装置本体により成形された成形品を運ぶ動作を行う可動部を有する付帯装置とを備える射出成形装置を用いた成形方法であって、
    前記可動プラテンを移動させて型開きを行う際と、前記可動プラテンを移動させて型閉じを行う際とにおいて、前記付帯装置の動作を停止させ前記付帯装置の水平方向における重心位置を保持させ、前記固定金型と前記可動金型との型締め中に、前記付帯装置の水平方向における重心位置を移動させることを特徴とする成形方法。
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