JP2013049208A - 熱可塑性複合材料形成用等方性ランダムマットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の強化繊維からなるストランドYを長手方向に沿って連続的にスリットして複数の細幅ストランドにした状態で、切断・解繊装置14にて平均繊維長3〜100mmに連続的にカットし、カットした強化繊維束に気体を吹付けて開繊させ、これを熱可塑性樹脂供給部15からの粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂とともに、通気性支持体16上に散布し堆積・定着させることにより、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットMを形成する。このランダムマットMを加熱加圧することにより、薄肉で物性の良好な熱可塑性複合材料となる。
【選択図】図1
Description
〔1〕複数の強化繊維からなるストランドを長手方向に沿って連続的にスリットして複数の細幅ストランドにした状態で、平均繊維長3〜100mmに連続的にカットし、カットした強化繊維束に気体を吹付けて開繊させ、これを粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂熱可塑性樹脂とともに、通気性の支持体上に堆積・定着させることにより、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする熱可塑性複合材料形成用等方性ランダムマットの製造方法。
〔2〕上記強化繊維ストランドをその長手方向に沿って連続的にスリットして幅0.05〜5mmの複数の細幅ストランドとなし、各細幅ストランドを平均繊維長3〜100mmに連続的にカットした後、カットされた強化繊維束に気体を吹付け、該強化繊維束を気体により開繊させ、これを粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂とともに、移動する通気性支持体上に堆積・定着させることにより、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする上記〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕上記強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕上記強化繊維を上記熱可塑性樹脂とともに通気性支持体上に堆積・定着させる際、下記式(1)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)と臨界単糸数未満の強化繊維束(B1)及び/又は強化繊維単糸(B2)とが同時に存在する等方性ランダムマットとすることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
臨界単糸数=600/D (1)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
〔5〕上記等方性ランダムマットにおける強化繊維束(A)の繊維全量に対する割合を、20〜99Vol%とすることを特徴とする上記〔4〕に記載の製造方法。
〔6〕上記等方性ランダムマットにおける該強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が、下記式(2)を満たす上記〔4〕又は〔5〕に記載の製造方法。
0.7×104/D2<N<6×104/D2 (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である。)
〔7〕連続的にスリットして得た細幅の強化繊維ストランドを平均繊維長3〜100mmにカットした強化繊維糸条片を、吸引搬送する輸送経路内を移動させ、該輸送経路の途中又は終端部に配置した気体吹付けノズルから該強化繊維糸条片に気体を吹付けて開繊させるとともに、該輸送経路の途中又は終端部で粉体状又は繊維体状の熱可塑性樹脂を供給し、強化繊維と熱可塑性樹脂とを同時に一定方向に連続的に移動する通気性支持体上に吹付け、該支持体上に上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の製造方法。
〔8〕カットされた強化繊維糸条片を吸引搬送する輸送経路を、可撓性を通する管で構成し、さらに、その下流側にテーパー管を連設して該館内で強化繊維と熱可塑性樹脂を拡散させることを特徴とする上記〔7〕に記載の製造方法。
〔9〕強化繊維と熱可塑性樹脂との吹付け部の先端を、連続的に移動する通気性支持体の移動方向と直交する方向に往復運動させて、該支持体上に上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する所望幅の等方性ランダムマットを形成することを特徴とする上記〔7〕又は〔8〕に記載の製造方法。
〔10〕切断した強化繊維糸条片に対する気流の吹付け圧力を変化させることにより、繊維強化束(A)のランダムマットの繊維全量に対する割合と強化繊維束中(A)の平均繊維数を自在に変更して、物性の異なる等方性ランダムマットを作製することを特徴とする上記〔7〕〜〔9〕のいずれかに記載の製造方法。
〔11〕吹付け部への該熱可塑性樹脂の供給量を経時的に変化させることにより、強化繊維の体積含有率が部分的に変化したランダムマットを作製することを特徴とする上記〔7〕〜〔10〕のいずれかに記載の製造方法。
〔12〕支持体の移動速度と該吹付け部先端部の往復運動速度とをそれぞれ経過的に変化させることにより、連続的に材料目付けが変化するか又は材料の厚みが傾斜化した等方性ランダムマットを作製することを特徴とする上記〔7〕〜〔11〕のいずれかに記載の製造方法。
〔13〕強化繊維及び熱可塑性樹脂の吹付け部を、通気性支持体の走行方向に対して水平且つ垂直方向に往復運動させ、且つその往復運動距離を連続的に変更することにより、長さ方向に沿って幅方向寸法が変化した等方性ランダムマットを作製することを特徴とする上記〔7〕〜〔12〕のいずれかに記載の製造方法。
本発明の方法において使用する強化繊維は、炭素繊維、P−アラミド繊維及びガラス繊維からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これらは、単独で使用してもよく2種以上併用することもできる。なかでも、炭素繊維は、軽量でかつ強度に優れた複合材料を提供することが可能となるので、特に好適である。炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系のいずれでもよいが、その平均繊維径は3〜12μmが好ましく、5〜7μmがより好ましい。これらの強化繊維は、殆どの場合、サイジング剤を付着させたものが用いられる。サイジング剤の付着量は、強化繊維100重量部に対し0.01〜10重量部であることが好ましい。
一方、本発明の方法において、マトリックス樹脂として使用する熱可塑性樹脂は、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド6樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド46樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド610樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ボリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリ乳酸樹脂等、又はこれらの共重合体からなる樹脂が挙げられる。これらは単独で使用してもよく2種以上併用することもできる。
次に、本発明による等方性ランダムマット及びそれを用いた複合材料の好ましい製造方法について詳述する。本発明の方法は、以下の(I)〜(VI)の各工程を含むことが好ましく、これらの工程を順次実施することにより、特に良好な等方性ランダムムマット及び複合材料が製造される。
本発明の方法では、強化繊維は、クリール部に配置された複数の強化繊維巻糸体から、それぞれ糸条を引出し、単独の糸条からなるか又はこれを複数本引き揃えてなるストランドとして使用する。ストランド幅は10〜50mm(特に20〜30mm)が好ましい。このため、供給される強化繊維のストランド幅が小さい場合は、必要に応じ、ストランド供給工程で、上記の所定幅まで拡幅して薄い広幅のストランドとしてもよい。この拡幅操作は、例えば、ストランドを拡幅用のローラーやバー等と接触させることにより行うことができる。
上記の強化繊維ストランドは、引き続き、ストランド長手方向と平行(すなわち繊維長方向に沿って)に連続的にスリットすることにより、ストランド幅が0.05〜5mm、好ましくは0.1〜1.0mmである複数本の細幅ストランドにする。
具体的には、前工程から連続的に移送されてくる広幅のストランドを繊維長方向と平行な刃を有する縦スリット装置(スリッター)で縦方向に連続的にカットするか、広幅ストランドの走行路に1個又は複数個の分割ガイドを設け、それによりストランドを複数本に分割すること等により実施することができる。本発明の方法において、供給される広幅のストランドを上記のようにスリットするのは、得られるランダムマットの繊維構成を好適な状態にするためであり、この範囲外のストランド幅では、後述するような特別な繊維構成をもつランダムマットを形成することが困難となり、その結果、本発明の目的とする良好な複合材料を製造することが難しくなる。
次に、上記のごとくスリットした細幅の強化繊維ストランドを、平均繊維長3〜100mm、好ましくは4〜50mmにカット(切断)する。この際の平均繊維長が上記範囲外では繊維の直線性が保たれず、成形後の複合材料として十分な強度を発現できないので好ましくない。
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフの配置方向のなす角である。)
次の工程では、所定の繊維長にカットされた強化繊維のストランド(以下「ストランド片」ということがある)に気体を吹付け、該ストランド片を所望サイズ(集束本数)の繊維束に分割するように開繊する。
本発明の方法における開繊工程(IV)は、ストランド片を、例えばフレキシブルチューブやホースのような可撓性管からなる経路内に導入し、該経路を通過する強化繊維束片に空気等の気体を吹付けることにより、該ストランド片を所望の集束サイズに分離させるとともに気体中に分散させる工程である。これらの度合いについては、吹付ける気体の圧力等により適宜コントロールすることができる。好ましい本発明の実施形態においては、経路の途中又は先端部に空気吹付けノズルを設け、その圧縮空気吹付け孔より、風速5〜500m/secにて空気を直接ストランド片に吹付けることで、適度に強化繊維を開繊させることができる。具体的には、強化繊維片の通る経路に直径1mm程度の孔を数箇所あけ、外側より0.2〜0.8MPa程度の圧力をかけて圧縮空気を孔からストランド片に直接吹付けるようにした気体吹付けノズルを使用することにより、所望程度に開繊することができる。
臨界単糸数=600/D (1)
0.7×104/D2<N<6×104/D2 (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
この工程は、カットし開繊させた強化繊維を、空気中に拡散させると同時に、粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂(以下、これらを「熱可塑性樹脂粒子等」と総称する)を供給し、強化繊維を熱可塑性樹脂粒子等とともに、開繊装置下方に設けた通気性支持体上に散布し、該支持体上に強化繊維と熱可塑性樹脂粒子等が混在した状態で、所定の厚さに堆積・定着させてランダムマットを形成させる工程である。
本発明の方法においては、所望のランダムマットを得るために、以下のような方法を採用することができ、これらの方法は2以上併用することもできる。
イ)気体の吹付け圧力を経時的又は位置的に変化させることにより、繊維強化束のランダムマットの繊維全量に対する割合と強化繊維束中の平均繊維数とを自在に変更して、物性の異なるランダムマットを作製する方法。
ウ)強化繊維を走行する定着ネット上に定着させる際に、熱可塑性樹脂粒子等を同時に供給して、繊維と樹脂とを混在させ、且つ、その際、該熱可塑性樹脂の供給量を連続的に変化させることにより、強化繊維の体積含有率が連続的に変化したランダムマットを作製する方法。
エ)強化繊維の輸送経路の先端部を、定着ネットの走行方向に対して直交方向に水平で往復運動させて定着ネット上にランダムマットを作製する際、走行する該定着ネットの走行速度と該吹付けノズルの往復運動速度を各々変化させることにより、連続的に任意の材料目付けを変化させ、材料の厚みが傾斜化したランダムマットを作製する方法。
オ)強化繊維の輸送経路の先端部を定着ネットの走行方向に対して直交方向に水平に往復運動させて定着ネット上にランダムマットを作製する際、該吹付けノズルの往復運動距離を連続的に変更することにより幅方向寸法の異なるランダムマットを作製する方法。
本発明の方法では、以上のようにして通気性支持体(定着ネット)上に等方性ランダムマットが形成されるが、このランダムマットは、以下のような繊維構成を有することが好ましい。
臨界単糸数=600/D (1)
0.7×104/D2<N<6×104/D2 (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
0.7×104/D2<N<6×104/D2 (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
を満たすことが好ましい。
本発明におけるランダムマットは固体の熱可塑性樹脂を含み、繊維強化複合材料を得るためのプリフォームとなる。このランダムマットにおいては、強化繊維と固体の熱可塑性樹脂粒子等とが斑なく混在している。具体的には、ランダムマットを構成する強化繊維の間隙や近傍に固体の熱可塑性樹脂が分散して存在するので、あらためて型内で繊維と樹脂を流動させる必要がなく、例えば、得られたランダムマットを、表面温度を熱可塑性樹脂の軟化点、好ましくは又は融点以上、の温度にした一対又は複数対の加熱ローラー間を通して加熱加圧するだけで、熱可塑性樹脂が軟化又は溶融し、ランダムマット中に樹脂がほぼ均一に含浸される。したがって、この加熱加圧後に速やかに冷却することにより目的とするシート状の複合材料となる。
なお、上記の加熱加圧を実施する前に、ランダムマットを連続的に加熱室に導入して予熱することもできる。この場合の予熱温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移点〜融点付近の温度が好ましい。この予熱工程を行うことにより、ランダムマット中の熱可塑性樹脂粒子等が強化繊維に部分的に接着してマット内に固定される。
このような本発明の方法によるランダムマットから、簡単な操作で、強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる繊維強化複合材料を製造することができる。上述のとおり、本発明におけるランダムマットには強化繊維と粉粒体状及び/又は繊維状の熱可塑性樹脂が斑なく混合して存在するので、型内で繊維と樹脂を流動させる必要がなく、熱可塑性樹脂を容易に含浸できるという利点がある。したがって、本発明により得られる複合材料においても、ランダムマット中の強化繊維等方性を保つことが可能となる。
臨界単糸数=600/D (1)
0.7×104/D2<N<6×104/D2 (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
本発明の方法により得られるランダムマットあるいはそれから得られる複合材料は、例えば、プレス成形、熱成形等により、所望の成形品とすることができる。この複合材料はいずれの成形方法による場合でも、非常な短時間(例えば数分以内)で成形をすることができ、しかも、得られる成形品は軽量で良好な物性を有するため、工業的にきわめて有利である。具体的には、自動車、鉄道車両、航空機等の内板、外板、構成部材等、さらには、各種電気製品、機械のフレームや筐体等の成形材料として有用であり、例えば、本発明の方法による炭素繊維複合材料を骨格に使用して電気自動車の骨格を、プレス成形により約1分以下の短時間で製造することも可能となる。
ランダムマットを100mm×100mm程度に切り出す。切り出したマットより、繊維束をピンセットで全て取り出し、強化繊維束(A)の束の数(I)及び繊維束の長さ(Li)と重量(Wi)を測定し、記録する。ピンセットにて取り出すことができない程度に繊維束が小さいものについては、まとめて最後に重量を測定する(Wk)。重量の測定には、1/100mgまで測定可能な天秤を用いる。ランダムマットに使用している強化繊維の繊維径(D)より、臨界単糸数を計算し、臨界単糸数以上の強化繊維束(A)と、それ以外に分ける。なお、2種類以上の強化繊維が使用されている場合には、繊維の種類毎に分け、各々について測定及び評価を行う。
強化繊維束(A)の平均繊維数(N)の求め方は以下の通りである。
各強化繊維束中の繊維本数(Ni)は使用している強化繊維の繊度(F)より、次式により求められる。
Ni=Wi/(Li×F)
強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)は、強化繊維束(A)の束の数(I)より、次式により求められる。
N=ΣNi/I
強化繊維束(A)のマットの繊維全量に対する割合(VR)は、強化繊維の密度(ρ)を用いて次式により求められる。
VR=Σ(Wi/ρ)×100/((Wk+ΣWi)/ρ)
ランダムマット又は複合材料より無作為に抽出した強化繊維100本の長さをノギス及びルーペで1mm単位まで測定して記録し、測定した全ての強化繊維の長さ(Li)から、次式により平均繊維長(La)を求める。複合材料の場合は500℃×1時間程度、炉内にて樹脂を除去した後、強化繊維を抽出する。
La=ΣLi/100
複合材料については、500℃×1時間程度、炉内にて樹脂を除去した後、上記のランダムマットにおける方法と同様にして測定する。
複合材料を成形した後、繊維の等方性を測定する方法としては、成形板の任意の方向、及びこれと直行する方向を基準とする引張り試験を行い、引張弾性率を測定し、測定した引張弾性率の値のうち大きいものを小さいもので割った比(Eδ)を測定することで確認できる。弾性率の比が1に近いほど、等方性に優れる材料である。本発明では弾性率の比が1.3以下の場合、等方性であると評価する。
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、下記式(a)
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフのなす角である。)
におけるθは68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、下記式(a)
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフのなす角である。)
におけるθは68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、下記式(a)
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフのなす角である。)
におけるθは68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
ボイドは確認されなかった。
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、下記式(a)
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフのなす角である。)
におけるθは68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、下記式(a)
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフのなす角である。)
におけるθは68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)IMS60−12K(平均繊維径5μm、繊維幅6mm)を使用し、これを約0.8mm幅にスリットした後、繊維長20mmにカットした。カット装置には、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このロータリーカッターには、繊維方向に平行な刃を0.5mm間隔で設けた。このとき、上記式(a)中のθは17度、刃のピッチを20mmとした。カットした強化繊維は、直ちに、ロータリーカッター直下に配置した開繊装置に導入して、気体吹き付けにより開繊した。開繊装置としては、実施例1と同様の内側に小孔を有する二重管を用い、これに圧縮空気を送気した。小孔からの風速は150m/secとした。この二重管の下端部にはテーパー管を溶接した。
12:ストランド拡幅装置
13:糸導ガイド
14:切断・開繊装置
15:熱可塑性樹脂供給部
16:通気性支持体(通気性ネットを有するコンベア)
17:吸引装置
18:ランダムマット予熱装置
19:縦スリット装置
Y:強化繊維ストランド
M:ランダムマット
Claims (13)
- 複数の強化繊維からなるストランドを長手方向に沿って連続的にスリットして複数の細幅ストランドにした状態で、平均繊維長3〜100mmに連続的にカットし、カットした強化繊維束に気体を吹付けて開繊させ、これを粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂熱可塑性樹脂とともに、通気性支持体上に堆積・定着させることにより、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする熱可塑性複合材料形成用ランダムマットの製造方法。
- 強化繊維ストランドをその長手方向に沿って連続的にスリットして幅0.05〜5mmの複数の細幅ストランドとなし、各細幅ストランドを平均繊維長3〜100mmに連続的にカットした後、カットされた強化繊維束に気体を吹付け、該強化繊維束を気体により開繊させ、これを粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂とともに、移動する通気性支持体上に堆積・定着させることにより、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
- 上記強化繊維を上記熱可塑性樹脂とともに通気性支持体上に堆積・定着させる際、下記式(1)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)と臨界単糸数未満の強化繊維束(B1)及び/又は強化繊維単糸(B2)とが同時に存在する等方性ランダムマットとすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の製造方法。
臨界単糸数=600/D (1)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である) - 上記等方性ランダムマットにおける強化繊維束(A)の繊維全量に対する割合が、20Vol%以上99Vol%以下であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
- 上記等方性ランダムマットにおける該強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が、下記式(2)を満たす請求項4又は請求項5に記載の製造方法。
0.7×104/D2<N<6×104/D2 (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である。) - 連続的にスリットして得た細幅の強化繊維ストランドを平均繊維長3〜100mにカットした強化繊維糸条片を、吸引搬送する輸送経路内を移動させ、該輸送経路の途中又は終端部に配置した気体吹付けノズルから該強化繊維糸条片に気体を吹付けて開繊させるとともに、該輸送経路の途中又は終端部で粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂を供給し、強化繊維と熱可塑性樹脂とを同時に一定方向に連続的に移動する通気性支持体上に吹付け、該支持体上に上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の製造方法。
- カットされた強化繊維糸条片を吸引搬送する輸送経路を可撓性を有する管で構成し、かつ、その先端にテーパー管を連設して、該テーパー管内で強化繊維と熱可塑性樹脂とを拡散させることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
- 強化繊維と熱可塑性樹脂との吹付け部の先端を、通気性支持体の移動方向と直交する方向に往復運動させて、該支持体上に上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する所望幅の等方性ランダムマットを形成することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の製造方法。
- 切断した強化繊維糸条片に対する気流の吹付け圧力を変化させることにより、繊維強化束(A)のランダムマットの繊維全量に対する割合と強化繊維束中(A)の平均繊維数を自在に変更して、物性の異なる等方性ランダムマットを作製することを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の製造方法。
- 吹付け部への該熱可塑性樹脂の供給量を経時的に変化させることにより、強化繊維の体積含有率が部分的に変化したランダムマットを作製することを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載の製造方法。
- 支持体の移動速度と該吹付け部先端の往復運動速度とをそれぞれ経過的に変化させることにより、連続的に材料目付けが変化するか又は材料の厚みが傾斜化した等方性ランダムマットを作製することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の製造方法。
- 強化繊維及び熱可塑性樹脂の吹付け部先端を、通気性支持体の走行方向に対して水平且つ垂直方向に往復運動させ、且つその往復運動距離を連続的に変更することにより、長さ方向に沿って幅方向寸法が変化した等方性ランダムマットを作製することを特徴とする請求項7〜請求項12のいずれかに記載の製造方法。
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