JP2013049208A - 熱可塑性複合材料形成用等方性ランダムマットの製造方法 - Google Patents

熱可塑性複合材料形成用等方性ランダムマットの製造方法 Download PDF

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【課題】強化繊維と熱可塑性樹脂からなる複合材料用の等方性ランダムマットを効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】複数の強化繊維からなるストランドYを長手方向に沿って連続的にスリットして複数の細幅ストランドにした状態で、切断・解繊装置14にて平均繊維長3〜100mmに連続的にカットし、カットした強化繊維束に気体を吹付けて開繊させ、これを熱可塑性樹脂供給部15からの粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂とともに、通気性支持体16上に散布し堆積・定着させることにより、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットMを形成する。このランダムマットMを加熱加圧することにより、薄肉で物性の良好な熱可塑性複合材料となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂をマトリックスとする繊維強化複合材料を製造するための等方性ランダムマットを製造する方法に関するものである。
樹脂を強化するために、炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維等を強化繊維として用いた繊維強化複合材料は、その高い比強度・比弾性率を生かして、航空機や自動車等の構造材料、釣り竿、テニスラケット、ゴルフシャフト等のスポーツ用品あるいは一般産業用途の成形用素材として広く利用されている。これらの複合材料に用いられる強化繊維の形態としては、連続繊維からなる織物や、1方向に繊維が引き揃えられたUDシート、カットした繊維を用いて作られるランダムシート、不織布等がある。
一般に、連続繊維を用いた織物やUDシート等は、連続繊維の持つ異方性から、各層の繊維配列方向が一定の交叉角度(例えば0/+45/-45/90)となるように複数層積層し、さらに成形品の反りを防ぐため面対象に積層する必要があり、しかも、単なる積層だけでは層同士の接着強度の不足による層間剥離、デラミネーション等の問題が生じやすいことから、積層工程が煩雑となり、また積層時の特別な操作も必要となっているため、繊維強化複合材料の製造コストを引き上げる原因の一つとなっている。
一方、予め等方性であるランダムマットを用いることで、比較的安価な繊維強化複合材料を得る試みがなされている。このランダムマットは、カットした強化繊維単体を熱硬化性樹脂とともに、成形型に同時に吹付けるスプレーアップ方式(乾式)や、バインダー樹脂を含有させたスラリーに予めカットした強化繊維を添加し、抄紙する方法(湿式)等により製造される。
なかでも、乾式法は、装置が小型であることから、比較的安価にランダムマットを得ることができる。この乾式法としては、連続繊維を用い、該繊維のカットと同時に吹付ける手法が多く用いられ、その多くはロータリーカッターを使用するものである。しかしながら、この方法では、カット繊維の繊維長を長くするためにカッター刃の間隔を広くした場合、カット頻度が下がることより、カッターからの繊維の吐出が不連続となってしまう。このため、局所的なマットの繊維目付け斑が生じ、特に目付けの低いマットを作成する場合には、厚み斑が顕著になることから、表面意匠が不良になるという問題が避けられない。
繊維強化複合材料のもう一つの問題として、成形のために長時間を要するという点が挙げられる。通常、繊維強化複合材料の成形品は、予め、強化繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグと呼ばれる材料をオートクレーブに入れて2時間以上加熱・加圧することにより得られる。近年、樹脂を含浸させていない強化繊維基材を金型内にセットした後、熱硬化性樹脂を流し込むRTM成形方法が提案され、この方法により成形時間は大幅に短縮された。しかしながら、RTM成形方法を用いた場合でも、1つの成形品を成形するまでに10分以上が必要となる。
そのため、従来の熱硬化性樹脂に代わり、熱可塑性樹脂をマトリックスに用いた複合材料が注目されている。しかしながら、熱可塑性樹脂は、一般に熱硬化性樹脂と比較して粘度が高く、そのため、強化繊維基材に樹脂を含浸させる時間が長くなり、結果として成形までのタクトタイムが長くなるという問題があった。
これらの問題を解決する手法として、熱可塑スタンピング成形(TP−SMC)と呼ばれる手法が提案されている。これは、予め熱可塑性樹脂を含浸させたチョップドファイバーを樹脂の融点又は流動可能な温度以上に加熱し、これを金型内の一部に投入した後、直ちに型を閉め、型内にて繊維と樹脂を流動させて製品形状とした後、冷却するという成形方法である。この手法では、予め樹脂を含浸させた繊維を用いることにより、約1分程度という短い時間で成形が可能となる。
なお、チョップドファイバーの繊維束及び成形材料の製造方法については、下記の特許文献1及び特許文献2等に開示されているが、これはSMCやスタンパブルシートと呼ばれる成形材料であって、この成形材料は、熱可塑スタンピング成形により成形用の型内で繊維と樹脂とを流動させるために、薄肉の成形品の製造が困難であるばかりでなく、成形時に繊維配向が乱れ、制御が困難である等の問題があった。
また、下記の特許文献3には、繊維流動させず、薄肉のものを作る手段として、強化繊維より抄紙法にて薄いシートを作成した後、樹脂を含浸させてプリプレグを作成する手法が提案されている。しかし、抄紙法では分散液中に均質に強化繊維を分散させるため、プリプレグ中の強化繊維は全て単糸状となる。
特開2009−114611号公報 特開2009−114612号公報 特開2010−235779号公報
本発明は、上記の如き従来の繊維強化複合材料の諸問題を一挙に解決しようとするものであり、その主たる目的は、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる等方性繊維強化複合材料製造用のランダムマットを高い生産性でかつ低コストで製造する方法を提供することにある。
上記の目的は、本発明に係る下記〔1〕〜〔13〕の製造方法によって達成される。
〔1〕複数の強化繊維からなるストランドを長手方向に沿って連続的にスリットして複数の細幅ストランドにした状態で、平均繊維長3〜100mmに連続的にカットし、カットした強化繊維束に気体を吹付けて開繊させ、これを粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂熱可塑性樹脂とともに、通気性の支持体上に堆積・定着させることにより、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする熱可塑性複合材料形成用等方性ランダムマットの製造方法。
〔2〕上記強化繊維ストランドをその長手方向に沿って連続的にスリットして幅0.05〜5mmの複数の細幅ストランドとなし、各細幅ストランドを平均繊維長3〜100mmに連続的にカットした後、カットされた強化繊維束に気体を吹付け、該強化繊維束を気体により開繊させ、これを粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂とともに、移動する通気性支持体上に堆積・定着させることにより、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする上記〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕上記強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕上記強化繊維を上記熱可塑性樹脂とともに通気性支持体上に堆積・定着させる際、下記式(1)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)と臨界単糸数未満の強化繊維束(B1)及び/又は強化繊維単糸(B2)とが同時に存在する等方性ランダムマットとすることを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
臨界単糸数=600/D (1)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
〔5〕上記等方性ランダムマットにおける強化繊維束(A)の繊維全量に対する割合を、20〜99Vol%とすることを特徴とする上記〔4〕に記載の製造方法。
〔6〕上記等方性ランダムマットにおける該強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が、下記式(2)を満たす上記〔4〕又は〔5〕に記載の製造方法。
0.7×10/D<N<6×10/D (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である。)
〔7〕連続的にスリットして得た細幅の強化繊維ストランドを平均繊維長3〜100mmにカットした強化繊維糸条片を、吸引搬送する輸送経路内を移動させ、該輸送経路の途中又は終端部に配置した気体吹付けノズルから該強化繊維糸条片に気体を吹付けて開繊させるとともに、該輸送経路の途中又は終端部で粉体状又は繊維体状の熱可塑性樹脂を供給し、強化繊維と熱可塑性樹脂とを同時に一定方向に連続的に移動する通気性支持体上に吹付け、該支持体上に上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の製造方法。
〔8〕カットされた強化繊維糸条片を吸引搬送する輸送経路を、可撓性を通する管で構成し、さらに、その下流側にテーパー管を連設して該館内で強化繊維と熱可塑性樹脂を拡散させることを特徴とする上記〔7〕に記載の製造方法。
〔9〕強化繊維と熱可塑性樹脂との吹付け部の先端を、連続的に移動する通気性支持体の移動方向と直交する方向に往復運動させて、該支持体上に上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する所望幅の等方性ランダムマットを形成することを特徴とする上記〔7〕又は〔8〕に記載の製造方法。
〔10〕切断した強化繊維糸条片に対する気流の吹付け圧力を変化させることにより、繊維強化束(A)のランダムマットの繊維全量に対する割合と強化繊維束中(A)の平均繊維数を自在に変更して、物性の異なる等方性ランダムマットを作製することを特徴とする上記〔7〕〜〔9〕のいずれかに記載の製造方法。
〔11〕吹付け部への該熱可塑性樹脂の供給量を経時的に変化させることにより、強化繊維の体積含有率が部分的に変化したランダムマットを作製することを特徴とする上記〔7〕〜〔10〕のいずれかに記載の製造方法。
〔12〕支持体の移動速度と該吹付け部先端部の往復運動速度とをそれぞれ経過的に変化させることにより、連続的に材料目付けが変化するか又は材料の厚みが傾斜化した等方性ランダムマットを作製することを特徴とする上記〔7〕〜〔11〕のいずれかに記載の製造方法。
〔13〕強化繊維及び熱可塑性樹脂の吹付け部を、通気性支持体の走行方向に対して水平且つ垂直方向に往復運動させ、且つその往復運動距離を連続的に変更することにより、長さ方向に沿って幅方向寸法が変化した等方性ランダムマットを作製することを特徴とする上記〔7〕〜〔12〕のいずれかに記載の製造方法。
本発明の方法によれば、低コストで表面品位及び物性に優れた繊維強化複合材料を与える実質的に等方性のランダムマットを低コストで効率よく製造することができ、該ランダマットを加熱加圧することで良好な熱可塑性複合材料を製造することができる。そして、この熱可塑性複合材料は、極めて短時間で成形することができ、目的とする繊維強化複合成形品を得ることができる。また、本発明の方法によれば、得られる繊維強化複合材料の薄肉化や等方化が可能であり、これを用いて成形することにより、外観、物性の両面で優れた成形品を得ることができる。したがって、本発明の方法により製造される複合材料は、例えば、自動車、鉄道車両、航空機等の内板、外板、構成部材等、さらには、各種電気製品、機械・装置類のフレームや筐体等の成形材料として有用である。
本発明の方法を連続的に実施する装置の一例を示す概略図
<強化繊維>
本発明の方法において使用する強化繊維は、炭素繊維、P−アラミド繊維及びガラス繊維からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これらは、単独で使用してもよく2種以上併用することもできる。なかでも、炭素繊維は、軽量でかつ強度に優れた複合材料を提供することが可能となるので、特に好適である。炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系のいずれでもよいが、その平均繊維径は3〜12μmが好ましく、5〜7μmがより好ましい。これらの強化繊維は、殆どの場合、サイジング剤を付着させたものが用いられる。サイジング剤の付着量は、強化繊維100重量部に対し0.01〜10重量部であることが好ましい。
炭素繊維の場合は、通常、連続繊維からなる単糸(単繊維)が3000〜60000本集束した実質的に無撚の糸条(ストランド)を、ボビンに巻き取った巻糸体(パッケージ)として供給される。
<熱可塑性樹脂>
一方、本発明の方法において、マトリックス樹脂として使用する熱可塑性樹脂は、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド6樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド46樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド610樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ボリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリ乳酸樹脂等、又はこれらの共重合体からなる樹脂が挙げられる。これらは単独で使用してもよく2種以上併用することもできる。
これらの熱可塑性樹脂のうちでも融点が180〜350℃のものが好ましい。なお、これらの熱可塑性樹脂には、必要に応じて、難燃剤、安定剤、耐UV剤、帯電防止剤、顔料、離型剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を含有しても差し支えない、
本発明の方法では、熱可塑性樹脂は固体で使用され、その形態は、粉粒体状、短繊維状のいずれでもよく、両者を併用してもよい。いずれの場合も、後述する気体吹付けにより生じる気流中に拡散する形態及びサイズのものが使用される。
熱可塑性樹脂が粉粒体状の場合、球状又は細片状の粒子が好ましい。球状の例としては、真円又は楕円の回転体あるいは卵状のような形状が好ましく挙げられる。球とした場合の好ましい平均粒子径は0.01〜1000μmであり、より好ましくは0.1〜900μmである。特に好ましい平均粒子径は1〜800μmである。粒子径分布については特に制限はないが、分布がシャープなものが、より薄い成形品を得る上で好ましく、分級等の操作により所望の粒度分布に調整して用いることができる。細片状の例としては、ペレットのような円柱状や、角柱状、フレーク状、リン片状等が好ましい形状として挙げられる。細片状物としては、熱可塑性樹脂フィルムを短冊状等に小さく裁断したものを用いることもできる。この場合、上記粉粒体はある程度のアスペクト比を有してもよいが、最長部の長さは後述の短繊維状の場合と同程度、すなわち最長部の寸法が50mm以下、好ましくは10mm以下が適当である。
また、熱可塑性樹脂が短繊維状の場合、繊度100〜5000dtexのもの、繊度1000〜2000dtexものがより好ましく、平均繊維長は0.5〜50mmが好ましく、より好ましくは1〜10mmである。
本発明の方法では、上記熱可組成樹脂として、粉粒体状のものと短繊維状のものとを併用しても差し支えない。
本発明の複合材料の製造に際し、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の主たる原材料のほかに、必要に応じ、各種繊維状又は非繊維状フィラー、難燃剤、安定剤、耐UV剤、帯電防止剤、顔料、離型剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を使用することができる。
<複合材料用等方性ランダムマットの製造>
次に、本発明による等方性ランダムマット及びそれを用いた複合材料の好ましい製造方法について詳述する。本発明の方法は、以下の(I)〜(VI)の各工程を含むことが好ましく、これらの工程を順次実施することにより、特に良好な等方性ランダムムマット及び複合材料が製造される。
本発明の方法によって製造されるランダムマットは、その面内において、強化繊維は特定の方向に配向しておらず、無作為な方向に分散して配置されている。すなわち、本発明方法によるランダムマットは面内等方性の材料である。ランダムマットより成形体を得た場合に、ランダムマット中の強化繊維の等方性は、成形体においても維持される。ランダムマットより成形体を得て、互いに直交する二方向の引張弾性率の比を求めることで、ランダムマット及びそれからの成形体の等方性を定量的に評価できる。ランダムマットから得られた成形体における2方向の弾性率の値のうち大きいものを小さいもので割った比が2を超えないときに面内等方性であるとする。特に、この比が1.3を超えないときは等方性に優れているとする。
(I)強化繊維ストランドの供給工程
本発明の方法では、強化繊維は、クリール部に配置された複数の強化繊維巻糸体から、それぞれ糸条を引出し、単独の糸条からなるか又はこれを複数本引き揃えてなるストランドとして使用する。ストランド幅は10〜50mm(特に20〜30mm)が好ましい。このため、供給される強化繊維のストランド幅が小さい場合は、必要に応じ、ストランド供給工程で、上記の所定幅まで拡幅して薄い広幅のストランドとしてもよい。この拡幅操作は、例えば、ストランドを拡幅用のローラーやバー等と接触させることにより行うことができる。
(II)ストランドをスリットする工程
上記の強化繊維ストランドは、引き続き、ストランド長手方向と平行(すなわち繊維長方向に沿って)に連続的にスリットすることにより、ストランド幅が0.05〜5mm、好ましくは0.1〜1.0mmである複数本の細幅ストランドにする。
具体的には、前工程から連続的に移送されてくる広幅のストランドを繊維長方向と平行な刃を有する縦スリット装置(スリッター)で縦方向に連続的にカットするか、広幅ストランドの走行路に1個又は複数個の分割ガイドを設け、それによりストランドを複数本に分割すること等により実施することができる。本発明の方法において、供給される広幅のストランドを上記のようにスリットするのは、得られるランダムマットの繊維構成を好適な状態にするためであり、この範囲外のストランド幅では、後述するような特別な繊維構成をもつランダムマットを形成することが困難となり、その結果、本発明の目的とする良好な複合材料を製造することが難しくなる。
(III)強化繊維をカットする工程
次に、上記のごとくスリットした細幅の強化繊維ストランドを、平均繊維長3〜100mm、好ましくは4〜50mmにカット(切断)する。この際の平均繊維長が上記範囲外では繊維の直線性が保たれず、成形後の複合材料として十分な強度を発現できないので好ましくない。
なお、ここでいう「平均繊維長」は、無作為に抽出した100本の繊維の繊維長をノギス等を用いて1mm単位まで測定し、その平均を求める方法により求められる。通常の場合、平均繊維長はカッターによるストランドの切断間隔と一致する。
本発明の方法において強化繊維を平均繊維長3〜100mmにカットする際に使用する装置としては、ロータリーカッターが好ましい。
ロータリーカッターとしては、特定の角度を有する螺旋状ナイフを備えたものを用いることが好ましい。表面品位に優れる熱可塑樹脂強化用ランダムマットを得るためには、繊維の疎密斑が大きく影響する。通常のロータリーカッターでは、繊維のカットが不連続であり、そのままマット化に導入した場合には、繊維目付けに斑が生じやすい。そのため、特定の角度で配置したナイフを用いて、繊維を途切れること無く連続的にカットすることにより、疎密斑の小さいマットとすることが可能となる。強化繊維を連続的にカットするためのナイフ角度は、使用する強化繊維の幅と、カットした後の繊維長により幾何学的に計算され、それらの関係は、下記の式(a)の条件を満たすことが好ましい。
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフの配置方向のなす角である。)
この場合、繊維方向に交叉するナイフと繊維長方向と平行なナイフとを有するカッターを用いれば、繊維束を縦方向にスリットすると同時に特定の繊維長にカットすることができ、このようなカッターを使用すれば、スリット工程(II)とカット(III)を同時に実施できる。
(IV)カットした強化繊維を開繊する工程
次の工程では、所定の繊維長にカットされた強化繊維のストランド(以下「ストランド片」ということがある)に気体を吹付け、該ストランド片を所望サイズ(集束本数)の繊維束に分割するように開繊する。
本発明の方法における開繊工程(IV)は、ストランド片を、例えばフレキシブルチューブやホースのような可撓性管からなる経路内に導入し、該経路を通過する強化繊維束片に空気等の気体を吹付けることにより、該ストランド片を所望の集束サイズに分離させるとともに気体中に分散させる工程である。これらの度合いについては、吹付ける気体の圧力等により適宜コントロールすることができる。好ましい本発明の実施形態においては、経路の途中又は先端部に空気吹付けノズルを設け、その圧縮空気吹付け孔より、風速5〜500m/secにて空気を直接ストランド片に吹付けることで、適度に強化繊維を開繊させることができる。具体的には、強化繊維片の通る経路に直径1mm程度の孔を数箇所あけ、外側より0.2〜0.8MPa程度の圧力をかけて圧縮空気を孔からストランド片に直接吹付けるようにした気体吹付けノズルを使用することにより、所望程度に開繊することができる。
この開繊工程では、ストランド片を構成する全繊維をバラバラに分離させて完全に単糸状になるまで分離するように開繊するのではなく、一部は単糸状又はそれに近い状態まで開繊されるが、かなりの部分は単糸が一定の本数以上で集束した繊維束になるように調整する。すなわち、気体による開繊の程度を、後述するランダムマットにおけるにおいて、下記式(1)で定義される臨界単糸数以上からなる強化繊維束(A)の割合が、全体の20〜99Vol%、好ましくは30〜90Vol%、特に好ましくは30〜80Vol%となるように調整し、さらに、臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が下記式(2)を満たすようにすることが好ましい。
臨界単糸数=600/D (1)
0.7×10/D<N<6×10/D (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
具体的には、ランダムマットを構成する炭素繊維の平均繊維径が5〜7μmの場合、上記臨界単糸数は86〜120本となる。炭素繊維の平均繊維径が5μmの場合、繊維束中の平均繊維数(N)は280〜2000本の範囲となるが、なかでも600〜1600本であることが好ましい。炭素繊維の平均繊維径が7μmの場合、繊維束中の平均繊維数(N)は142〜1020本の範囲となるが、なかでも300〜800本であることが好ましい。
したがって、開繊工程においては、すでに述べたスリット、カット等の条件も勘案しつつ開繊の程度をコントロールすることで、ランダムマットにした段階で、特定本数以上の強化繊維が集束した強化繊維束(A)を上記の比率で含み、残りが臨界単糸数未満の繊維束(B1)と単糸まで完全に分離した繊維(B2)であるマットとなるようにする。
(V)強化繊維と熱可塑性樹脂からランダムマットを形成する工程
この工程は、カットし開繊させた強化繊維を、空気中に拡散させると同時に、粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂(以下、これらを「熱可塑性樹脂粒子等」と総称する)を供給し、強化繊維を熱可塑性樹脂粒子等とともに、開繊装置下方に設けた通気性支持体上に散布し、該支持体上に強化繊維と熱可塑性樹脂粒子等が混在した状態で、所定の厚さに堆積・定着させてランダムマットを形成させる工程である。
この工程では、気体で開繊した強化繊維と別経路から供給される熱可塑性樹脂粒子等とを同時に通気性支持体上に向けて散布し、両者がほぼ均一に混ざり合った状態で通気性支持体上へマット状に堆積させ、その状態で定着させる。この際、通気性支持体をネットからなるコンベアで構成し、一方向に連続的に移動させつつその上に堆積させるようにすれば連続的にランダムマットを形成させることができる。また、支持体を前後左右に移動させることにより均一な堆積が実現するようにしてもよい。
ここで、強化繊維及び熱可塑性樹脂粒子等は、2次元配向するように散布することが好ましい。開繊した強化繊維を2次元配向させながら塗布するためには、下流側に拡大した円錐形等のテーパー管を用いることが好ましい。このテーパー管内では、強化繊維に吹付けた気体が拡散し、管内の流速が減速するので、このとき強化繊維には回転力が与えられる。このベンチュリ効果を利用することで、開繊した強化繊維を熱可塑性樹脂粒子等とともに均等に斑無く散布することができる。また、後述する定着工程のためにも、下方に吸引機構を持つ可動式の通気支持体(ネットコンベア等)上に散布し、ランダムマット状に堆積させることが好ましい。
この工程において、熱可塑性樹脂粒子等の供給量は、強化繊維100重量部に対し、50〜1000重量部であることが好ましい。より好ましくは、強化繊維100重量部に対し、熱可塑性樹脂粒子等が55〜500重量部であり、さらに好ましくは、熱可塑性樹脂粒子等が60〜300重量部である。
このランダムマット形成工程には、強化繊維及び熱可塑性樹脂粒子等を定着させる工程を含む。すなわち、この定着工程は、堆積した強化繊維及び熱可塑性樹脂粒子等を定着させる工程である。好ましくは通気性支持体の下部よりエアを吸引して強化繊維を定着させる。強化繊維と同時に散布された熱可塑性樹脂も混合されつつ、繊維状であればエア吸引により、粒子状であっても強化繊維に伴って定着される。
このように堆積面の下部より吸引することにより、2次元配向の高いマットを得ることができる。また、ここで発生する負圧を用いて熱可塑性樹脂粒子等を吸引し、さらに、管内で発生する拡散流により、強化繊維と容易に混合することができる。かくして得られるランダムマットは、これを構成する強化繊維の間隙や近傍に熱可塑性樹脂粒子等が均一に存在することで、後述する加熱含浸加圧工程において、樹脂の移動距離が短く、比較的短時間でランダムマットへの樹脂の含浸が可能となる。
なお、通気性支持体を構成するシート、ネット等の目開きが大きく、熱可塑性樹脂粒子等の一部が支持体を通過してマット内に残らない場合には、これを防ぐため、支持体の表面に不織布等をセットし、その不織布上に強化繊維及び熱可塑性樹脂粒子等を吹付けて定着させることも可能である。この場合は、不織布を熱可塑性樹脂粒子等と同じ樹脂で構成すれば、堆積したマットから不織布を剥がす必要はなく、そのまま次工程で加熱加圧することにより、不織布構成繊維も複合材料のマトリックスとなる熱可塑性樹脂の一部として利用することができる。
本発明の方法において、強化繊維ストランドを一定の長さにカットした後、そのストランド片及びカット時に単糸状態に分離した強化繊維を吸引搬送する輸送経路に供給し、該輸送経路の途中又は終端部に設置した気体吹付けノズルから、強化繊維に気体を吹付け、切断したストランド片を所望サイズ(太さ)の強化繊維束に分離・開繊させると同時に、該強化繊維を熱可塑性樹脂粒子等とともに、一定方向へ連続的又は間欠的に移動する通気性支持体(以下「定着ネット」ということがある)の表面に向け吹付けて堆積して定着させることにより、ランダムマットを形成することができる。上記輸送経路はフレキシブルチューブ、ホース等の可撓性管とその先端に連設したテーパー管にて構成するのが好ましい。この場合可撓性管とテーパー管との接続部に気体吹付けノズルを設置してもよく、この場合テーパー管の内壁に熱可塑性樹脂粒子等の供給経路を開口させるのが好ましい。
本発明の方法においては、所望のランダムマットを得るために、以下のような方法を採用することができ、これらの方法は2以上併用することもできる。
ア)強化繊維の輸送経路の先端部(例えば上記テーパー管の先端部)を、且つ、連続的に一定方向に走行する定着ネットの走行方向と直交する方向に、水平に往復運動させ、定着ネット上にランダムマットを作製する方法。
イ)気体の吹付け圧力を経時的又は位置的に変化させることにより、繊維強化束のランダムマットの繊維全量に対する割合と強化繊維束中の平均繊維数とを自在に変更して、物性の異なるランダムマットを作製する方法。
ウ)強化繊維を走行する定着ネット上に定着させる際に、熱可塑性樹脂粒子等を同時に供給して、繊維と樹脂とを混在させ、且つ、その際、該熱可塑性樹脂の供給量を連続的に変化させることにより、強化繊維の体積含有率が連続的に変化したランダムマットを作製する方法。
エ)強化繊維の輸送経路の先端部を、定着ネットの走行方向に対して直交方向に水平で往復運動させて定着ネット上にランダムマットを作製する際、走行する該定着ネットの走行速度と該吹付けノズルの往復運動速度を各々変化させることにより、連続的に任意の材料目付けを変化させ、材料の厚みが傾斜化したランダムマットを作製する方法。
オ)強化繊維の輸送経路の先端部を定着ネットの走行方向に対して直交方向に水平に往復運動させて定着ネット上にランダムマットを作製する際、該吹付けノズルの往復運動距離を連続的に変更することにより幅方向寸法の異なるランダムマットを作製する方法。
本発明の方法では、ランダムマットの形成時に、必要に応じ、強化繊維、熱可塑性樹脂と同時に繊維状又は非繊維状フィラーや各種の添加剤を散布して堆積させることもでき、また、堆積後に、さらに熱可塑性フィルムを積層してもよい。
<本発明の方法で得られるランダムマット>
本発明の方法では、以上のようにして通気性支持体(定着ネット)上に等方性ランダムマットが形成されるが、このランダムマットは、以下のような繊維構成を有することが好ましい。
すなわち、本発明におけるランダムマットは、繊維長10〜100mmの強化繊維と熱可塑性樹脂とから構成され、強化繊維が25〜3000g/mの目付けにて実質的に2次元ランダムに配向している。
このランダムマットは、すでに述べたように、下記式(1)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)が、マットの繊維全量に対して20〜99Vol%、特に30〜90Vol%以下の割合で存在し、且つ、上記強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が下記式(2)を満たすことが好ましい。
臨界単糸数=600/D (1)
0.7×10/D<N<6×10/D (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
ランダムマット中における繊維全量に対する強化繊維束(A)の割合が20Vol%未満では、ランダムマットを成形した際に、表面品位に優れる複合材料が得られるという利点はあるものの、機械物性に優れた繊維強化複合材料が得にくくなる。強化繊維束(A)の割合が99Vol%超になると、繊維の交絡部が局部的に厚くなり、薄肉のものが得られず、本発明の目的にそぐわない。強化繊維束(A)の割合は、より好ましくは30〜90Vol%であり、特に好ましくは30〜80Vol%である。具体的には、ランダムマットを構成する炭素繊維の平均繊維径が5〜7μmの場合、臨界単糸数は86〜120本となり、この臨界単糸数より多い本数が集束一体化している炭素繊維ストランド片がここでいう強化繊維束(A)に該当する。したがって、好適なランダムマットでは、それを構成する強化繊維の20〜99Volが臨界単糸数以上に集束した強化繊維束(A)であり、残りは臨界単糸数未満の強化繊維束(B1)及び/又は単糸(B2)に分離した繊維群で構成される。
さらに、臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)中の平均繊維本数(N)が下記式(2)
0.7×10/D<N<6×10/D (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
を満たすことが好ましい。
例えば、炭素繊維の平均繊維径が5μmの場合、繊維束中の平均繊維本数(N)は280〜2000本の範囲となるが、なかでも600〜1600本であることが好ましい。炭素繊維の平均繊維径が7μmの場合、繊維束中の平均繊維本数(N)は142〜1020本の範囲となるが、なかでも300〜800本であることが好ましい。また、上記ランダムマットにおける強化繊維の平均繊維長5〜100mm以下であり、好ましくは10〜100mmであり、より好ましくは15〜80mmであり、なかでも20〜60mmがさらに好ましい。上述した強化繊維のカット工程において、強化繊維を固定長にカットした場合、ランダムマットにおける平均繊維長はカットした繊維長とほぼ等しくなる。
強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が0.7×10/D以下の場合、高い繊維体積含有率(Vf)を得ることが困難となる。また、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が6×10/D以上の場合、局部的に厚い部分が生じ、ボイドの原因となりやすい。厚さ1mm以下の薄肉な複合材料を得ようとする場合、単純に分繊しただけの繊維を用いたのでは、疎密が大きく、良好な物性が得られない。全ての繊維を単糸レベルまで開繊した場合には、より薄いものを得ることは容易になるが、マット中の繊維の交絡が多くなり、繊維体積含有率の高いものが得られない。上記式(1)で定義される臨界単糸以上の強化繊維束(A)と臨界単糸数未満の強化繊維束(B1)及び/又は完全に単糸に分離したもの(B2)からなる強化繊維群が上記の割合で同時に存在するランダムマットとすることにより、薄肉であり、かつ得られる物性の高い複合材料を与えるランダムマットを得ることが可能である。このランダムマットは、各種の厚みとすることが可能であるが、これをプリフォームとして、厚みが0.2〜1mm程度の薄肉の成形品も好適に得ることも可能となる。なお、強化繊維束(A)中の平均繊維数及び割合は、スリット工程、カット工程並びに開繊工程の条件を選定することで制御可能である。
このように、集束状態が相違する強化繊維が特定の割合で混在するランダムマットとすることにより、複合材料の表面性、物性、成形性等が大幅に向上する。
ランダムマットの厚さは特に制限はなく、所望により1〜100mm厚みのものを得ることができる。なお、薄肉の複合材料成形品が得られるという本発明の効果を発揮するためには、ランダムマットは2〜50mm厚みとすることが好ましい。
ランダムマットにおける強化繊維束(A)の存在量を20〜99Vol%とするには、例えば開繊工程における吹付ける空気の圧力等によりコントロールすることができる。また、カット工程に供する繊維束の大きさ、例えば束の幅や幅当たりの繊維数を調整することでコントロールすることもできる。具体的には、ストランドを拡幅するなどして薄く広幅のストランドにした状態でカット工程に供すること、カット工程の前にスリット工程を設ける方法が挙げられる。またを短い刃を多数並べたいわゆる分繊ナイフを用いて繊維束をカットする方法や、カットすると同時に、スリットする方法が挙げられる。
臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)は、6×10/D未満であることが好ましいが、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)を上記範囲とするには、後述する好ましい製法においては、カット工程に供する繊維束の大きさ、例えば束の幅や幅当たりの繊維数を調整することでコントロールすることもできる。具体的には、開繊するなどして繊維束の幅を広げてカット工程に供する方法、カット工程の前にスリット工程を設ける方法が挙げられる。繊維束をカットと同時に、スリットしてもよい。また、開繊工程で繊維束片に吹付ける気体の圧力等のコントロールにより、カットされた繊維束のバラケ具合を調整し、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)を所望範囲にすることもできる。
本発明の方法では、各種目的とする複合材料成形品の厚さに合わせたランダムマットを作成することができ、特に、薄肉のものは、サンドイッチ材の表皮等、薄物の成形品のプリフォームとして有用である。
(VI)熱可塑性樹脂をランダムマットに含透させる工程
本発明におけるランダムマットは固体の熱可塑性樹脂を含み、繊維強化複合材料を得るためのプリフォームとなる。このランダムマットにおいては、強化繊維と固体の熱可塑性樹脂粒子等とが斑なく混在している。具体的には、ランダムマットを構成する強化繊維の間隙や近傍に固体の熱可塑性樹脂が分散して存在するので、あらためて型内で繊維と樹脂を流動させる必要がなく、例えば、得られたランダムマットを、表面温度を熱可塑性樹脂の軟化点、好ましくは又は融点以上、の温度にした一対又は複数対の加熱ローラー間を通して加熱加圧するだけで、熱可塑性樹脂が軟化又は溶融し、ランダムマット中に樹脂がほぼ均一に含浸される。したがって、この加熱加圧後に速やかに冷却することにより目的とするシート状の複合材料となる。
なお、上記の加熱加圧を実施する前に、ランダムマットを連続的に加熱室に導入して予熱することもできる。この場合の予熱温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移点〜融点付近の温度が好ましい。この予熱工程を行うことにより、ランダムマット中の熱可塑性樹脂粒子等が強化繊維に部分的に接着してマット内に固定される。
本発明者らの研究によれば、得られる複合材料における強化繊維の集束状態は、ランダムマットでの状態と変わらないことが確認された。すなわち、ランダムカットにおいて上記式(1)、(2)の条件を満たすものは、樹脂を含浸させた複合材料においても同様に上記式(1)、(2)の条件を満たすものとなる。
次に、以上の各工程を連続的に実施して、複合材料を効率的に製造する一例を図1に示す。図1において、11は強化繊維糸条のクリール、12は必要に応じて配置される強化繊維ストランドの拡幅装置、13は糸導ガイド、14は下部にテーバー管を備えた切断・開繊装置、15は熱可塑性樹脂の供給部、16は開繊装置下方に設置した移動可能な通気性支持体(定着ネットコンベア)、17は通気性支持体の下方に設置した吸引装置、18はランダムマット予熱装置、19は縦スリット装置(スリッター)を示す。また、Yは強化繊維ストランド、Mはランダムマットを示す。
この例では、炭素繊維等の強化繊維は、それぞれクリール11に配置された巻糸体から、所定の速度で引き出され、帯状のストランドYとして拡幅装置12に供給される。該拡幅装置12でストランドは所定幅まで拡大され幅広で薄い帯状ストランドとなる。なお、当初のストランドがスリットに十分な幅と薄さを有する場合は、拡幅する必要はない。帯状ストランドは、引き続き、糸導ガイド13を経て、次工程に供給され、縦スリット装置19によりストランドの長さ方向に沿ってスリットされ複数の細幅のストランドとなる。その後、切断・開繊装置14に導入し、該装置14内に設置したカッターにより所定の繊維長にカットするとともに、該装置内の下部の搬送経路のテーバー管入口付近に設けた空気ノズル(図示せず)から気体を管内のストランド片に向けて噴射し、ストランドを構成する強化繊維を所望サイズの集束状態として気体中に散乱させる。この際、熱可塑性樹脂供給部15より、粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂を同時にテーパー管内へ供給し、強化繊維とともに通気性支持体、具体的には通気性ネットを備えたコンベア16、の上に堆積させる。そして、支持体下方に配置した吸引装置17により強化繊維と熱可塑性樹脂とを混合状態で支持体上に定着させ、ランダムマットを形成する。
このランダムマットMから、連続的に複合材料を製造する場合は、ランダムマットMを一対の加熱ローラーを備えた加熱加圧装置(図示せず)に供給し、熱可塑性樹脂の軟化点以上、好ましくは融点以上の温度、で加熱加圧することにより、ランダムマット中に分散している熱可塑性樹脂を軟化又は溶融させて該ランダムマットへ均一に含浸させる。この際、上記加熱加圧に先立ち、必要に応じ、ランダムマットを加熱室を備えた予熱装置に導入し、熱可塑性樹脂の2次転移点(Tg)以上の温度に予熱してもよい。加熱加圧後には冷却ローラー(図示せず)等と接触させて常温付近まで急冷するのが好ましい。このように連続的に製造された複合材料シートは裁断装置(図示せず)により所望の寸法に裁断して目的とする繊維強化複合材料Cを得ることができる。なお、この複合材料の製造工程に続いて成形を実施する場合は、裁断を行うことなく、連続長の複合材料をそのまま成形工程に供給するようにしてもよい。
<ランダムマットから得られる繊維強化複合材料>
このような本発明の方法によるランダムマットから、簡単な操作で、強化繊維と熱可塑性樹脂とからなる繊維強化複合材料を製造することができる。上述のとおり、本発明におけるランダムマットには強化繊維と粉粒体状及び/又は繊維状の熱可塑性樹脂が斑なく混合して存在するので、型内で繊維と樹脂を流動させる必要がなく、熱可塑性樹脂を容易に含浸できるという利点がある。したがって、本発明により得られる複合材料においても、ランダムマット中の強化繊維等方性を保つことが可能となる。
このような好適な繊維強化複合材料は、実質的に上記繊維長の強化繊維と熱可塑性樹脂とから構成され、強化繊維が実質的に2次元ランダムに配向した複合材料であって、下記式(1)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)について、繊維全量に対する強化繊維束(A)の割合が20〜99Vol%であり、かつ強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が下記式(2)を満たすものである。
臨界単糸数=600/D (1)
0.7×10/D<N<6×10/D (2)
(ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
<繊維強化複合材料の利用>
本発明の方法により得られるランダムマットあるいはそれから得られる複合材料は、例えば、プレス成形、熱成形等により、所望の成形品とすることができる。この複合材料はいずれの成形方法による場合でも、非常な短時間(例えば数分以内)で成形をすることができ、しかも、得られる成形品は軽量で良好な物性を有するため、工業的にきわめて有利である。具体的には、自動車、鉄道車両、航空機等の内板、外板、構成部材等、さらには、各種電気製品、機械のフレームや筐体等の成形材料として有用であり、例えば、本発明の方法による炭素繊維複合材料を骨格に使用して電気自動車の骨格を、プレス成形により約1分以下の短時間で製造することも可能となる。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明の範囲がこれらにより限定されるものではない。なお、実施例における各測定値は以下の方法で測定された値である。
1)ランダムマットにおける強化繊維束の分析
ランダムマットを100mm×100mm程度に切り出す。切り出したマットより、繊維束をピンセットで全て取り出し、強化繊維束(A)の束の数(I)及び繊維束の長さ(Li)と重量(Wi)を測定し、記録する。ピンセットにて取り出すことができない程度に繊維束が小さいものについては、まとめて最後に重量を測定する(Wk)。重量の測定には、1/100mgまで測定可能な天秤を用いる。ランダムマットに使用している強化繊維の繊維径(D)より、臨界単糸数を計算し、臨界単糸数以上の強化繊維束(A)と、それ以外に分ける。なお、2種類以上の強化繊維が使用されている場合には、繊維の種類毎に分け、各々について測定及び評価を行う。
強化繊維束(A)の平均繊維数(N)の求め方は以下の通りである。
各強化繊維束中の繊維本数(Ni)は使用している強化繊維の繊度(F)より、次式により求められる。
Ni=Wi/(Li×F)
強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)は、強化繊維束(A)の束の数(I)より、次式により求められる。
N=ΣNi/I
強化繊維束(A)のマットの繊維全量に対する割合(VR)は、強化繊維の密度(ρ)を用いて次式により求められる。
VR=Σ(Wi/ρ)×100/((Wk+ΣWi)/ρ)
2)ランダムマット又は複合材料に含まれる強化繊維の平均繊維長の分析
ランダムマット又は複合材料より無作為に抽出した強化繊維100本の長さをノギス及びルーペで1mm単位まで測定して記録し、測定した全ての強化繊維の長さ(Li)から、次式により平均繊維長(La)を求める。複合材料の場合は500℃×1時間程度、炉内にて樹脂を除去した後、強化繊維を抽出する。
La=ΣLi/100
3)複合材料における強化繊維束分析
複合材料については、500℃×1時間程度、炉内にて樹脂を除去した後、上記のランダムマットにおける方法と同様にして測定する。
4)複合材料における繊維配向の分析
複合材料を成形した後、繊維の等方性を測定する方法としては、成形板の任意の方向、及びこれと直行する方向を基準とする引張り試験を行い、引張弾性率を測定し、測定した引張弾性率の値のうち大きいものを小さいもので割った比(Eδ)を測定することで確認できる。弾性率の比が1に近いほど、等方性に優れる材料である。本発明では弾性率の比が1.3以下の場合、等方性であると評価する。
[実施例1]
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、下記式(a)
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフのなす角である。)
におけるθは68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
カッターを通過したストランドを、上記ロータリーカッターの直下に配置したフレキシブルな輸送配管に導入し、引き続き、輸送配管の下端に連設した開繊装置(気体吹付けノズル)に導入した。この開繊装置としては、径の異なるSUS304製のニップルを溶接し、二重管を製作して使用した。二重管の内側の管に小孔を設け、内側の管と外側の管との間にコンプレッサーにて圧縮空気を送気した。この時、小孔からの風速は450m/secであった。この二重管の下端部には下方に向けて径が拡大するテーパー管を溶接し、該テーパー管内をカットした強化繊維が空気流とともに下方へ移動するようにした。
上記テーパー管の側面の設けた孔より、マトリックス樹脂を管内に供給した。マトリックス樹脂としてはユニチカ社製のナイロン樹脂(ポリアミド6樹脂)“A1030”の粒子を使用した。
そして、テーパー管出口の下方に、一定方向に移動する通気性の支持体(以後「定着ネット」と呼ぶ)を設置し、その下からブロワにて吸引を行い、該フレキシブルな輸送配管とテーパー管とを、定速で移動する定着ネットの幅方向に往復運動させながら、テーパー管先端から空気流とともに吐出されるカットした強化繊維とナイロン樹脂粒子の混合体を、その定着ネット上に帯状に堆積させた。
この際、強化繊維の供給量を212g/min、マトリックス樹脂の供給量を320g/minにセットし、装置を稼動したところ、定着ネット上に強化繊維と熱可塑性樹脂とが斑なく混合されたランダムマットが形成された。このランダムマットの強化繊維の目付け量は265g/mであった。
得られたランダムマットについて、強化繊維束(A)の割合とその平均繊維数(N)を調べたところ、上記式(1)で定義される臨界単糸数は86であり、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合は35Vol%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)は240であった。また、ナイロン樹脂粒子は、強化繊維中に殆ど斑の無い状態で均一に分散されていた。
このランダムマットを4枚積層し、金型に入れ、温度300℃、圧力1.0MPa、加熱時間3分間で加熱しプレス成形したところ、厚さ2.0mmの成形板を得た。得られた複合材料成形板について超音波探傷試験を行ったところ、未含浸部やボイドは全く確認されなかった。
また、得られた成形板の0度及び90度方向の引張り弾性率を測定したところ、弾性率の比(Eδ)は1.03であり、繊維配向は殆ど無く、等方性が維持された成形板を得ることができた。さらに、この成形板を500℃×1時間程度炉内にて加熱し、樹脂を除去した後、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記ランダムマットの測定結果と差異は見られなかった。
[実施例2]
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、下記式(a)
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフのなす角である。)
におけるθは68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
カッターを通過したストランドを、上記ロータリーカッターの直下に配置したフレキシブルな輸送配管に導入し、引き続き、これを開繊装置(気体吹付けノズル)に導入した。開繊装置としては、実施例1と同様の、径の異なるSUS304製のニップルを溶接した二重管の内側の管に小孔を設けたものを用い、内側の管と外側の管との間に圧縮空気を送気した。この時、小孔からの風速は、100m/secから450m/secまで、1分間当り100m/secの割合で経時的に変化させた。この二重管の下端部には下方に向けて径が拡大するテーパー管を溶接した。
上記テーパー管の側面より、マトリックス樹脂を供給した。マトリックス樹脂としてユニチカ社製のナイロン樹脂“A1030”粒子を使用した。そして、テ―パー管出口の下方に、一定方向に移動する定着ネットを設置し、その下からブロワにて吸引を行い、その定着ネット上に、該フレキシブルな輸送配管とテーパー管を定着ネットの幅方向に往復運動させながら、カットした強化繊維とナイロン樹脂粒子の混合体を帯状のマットを堆積させ定着させた。
この際、強化繊維の供給量を212g/min、マトリックス樹脂の供給量を320g/minにセットし、装置を稼動したところ、定着ネット上に強化繊維と熱可塑性樹脂とが混合された厚み6mm程度のランダムマットが形成された。このランダムマットの強化繊維の目付け量は265g/mであった。
得られたランダムマットについて、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記式(1)で定義される臨界単糸数は86であり、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合が35Vol%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が240のマット形態から、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合が80Vol%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が1000の強化繊維束がマット長手方向に傾斜的に変化するマットを得た。また、ナイロン樹脂粒子は、強化繊維中に殆ど斑の無い状態で均一に分散されていた。
このランダムマットを4枚積層し、たち面を有する3次元複雑形状を有する金型を用い、金型投影面積の70%に材料をチヤージし、温度300℃、圧力1.0MPa、加熱時間3分間で加熱しプレス成形したところ、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合が80Vol%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が1000の強化繊維束を有する領域の材料が主に立ち面を流動し、金型形状を完全に追従した厚さ2.0mmの成形品を得た。得られた複合材料成形品について超音波探傷試験を行ったところ、未含浸部やボイドは確認されなかった。
得られた成形板の0度及び90度方向の引張り弾性率を測定したところ、弾性率の比(Eδ)は1.03であり、繊維配向は殆ど無く、等方性が維持された成形板を得ることができた。さらに、この成形板を500℃×1時間程度炉内にて加熱し、樹脂を除去した後、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記ランダムマットの測定結果と差異は見られなかった。
[実施例3]
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、下記式(a)
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフのなす角である。)
におけるθは68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
カッターを通過したストランドをロータリーカッターの直下に配置したフレキシブルな輸送配管に導入し、引き続き、これを開繊装置(気体吹付けノズル)に導入した。開繊装置としては、実施例1と同様の、径の異なるSUS304製のニップルを溶接した二重管の内側の管に小孔を設けたものを用い、内側の管と外側の管との間に圧縮空気を送気した。この時、小孔からの風速は450m/secであった。この二重管の下端部には下方に向けて径が拡大するテーパー管を溶接した。
上記テーパー管の側面より、マトリックス樹脂を供給した。マトリックス樹脂としてユニチカ社製のナイロン樹脂“A1030”粒子を使用した。そして、テ―パー管出口の下方に、一定方向に移動する定着ネットを設置し、その下からブロワにて吸引を行い、その定着ネット上に、該フレキシブルな輸送配管とテーパー管を定着ネットの幅方向に往復運動させながら、カットした強化繊維とナイロン樹脂粒子の混合体を帯状のマットを堆積させ定着させた。
この際、強化繊維の供給量を212g/minにセットし、マトリックス樹脂の供給量を547g/minにて1分間、その後マトリックス樹脂の供給量を320g/minに変化させ1分間、さらに205g/minまで変化させた後1分間装置を稼動したところ、支持体上に強化繊維と熱可塑性樹脂とが混合されたランダムマットが形成された。このランダムマットの強化繊維の目付け量は265g/mであった。
得られたランダムマットについて、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記式(1)で定義される臨界単糸数は86であり、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合が35Vol%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が240の強化繊維束であり、ランダムマット全体に対する強化繊維の体積含有率の割合が20Vol%から40Vol%まで、マット長手方向に傾斜的に変化するマットを得た。また、ナイロン樹脂粒子は、強化繊維中に殆ど斑の無い状態で均一に分散されていた。
このランダムマットを4枚積層し、たち面を有する3次元複雑形状を有する金型を用い、金型投影面積の70%に材料をチヤージし、温度300℃、圧力1.0MPa、加熱時間3分間で加熱しプレス成形したところ、強度が必要な領域において、ランダムマット全体に対する強化繊維の割合が40Vol%の部分が充当され、強度が必要ではない領域には、ランダムマット全体に対する強化繊維の割合が20Vol%の部分が充当され、且つ、金型形状を完全に追従した厚さ2.0mmの成形品を得た。この成形品は、一般的に材料コストが高価な強化繊維の使用量を低減しながら、要求された構造物性、特に強度と剛性を満足する成形体が得られた。この複合材料成形体について超音波探傷試験を行ったところ、未含浸部やボイドは確認されなかった。
得られた成形品の0度及び90度方向の引張り弾性率を、各領域の強化繊維の体積含有率が20Vol%から40Vol%まで区分して、各々の領域において測定したところ、弾性率の比(Eδ)は1.03〜1.05であり、繊維配向は殆ど無く、等方性が維持された成形品を得ることができた。さらに、この成形板を500℃×1時間程度炉内にて加熱し、樹脂を除去した後、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記ランダムマットの測定結果と差異は見られなかった。
300℃に加熱したプレス装置にて、1.0MPaにて3分間加熱し、厚さ0.6mmの成形板を得た。得られた複合材料について超音波探傷試験を行ったところ、未含浸部や
ボイドは確認されなかった。
[実施例4]
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、下記式(a)
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフのなす角である。)
におけるθは68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
カッターを通過したストランドをロータリーカッターの直下に配置したフレキシブルな輸送配管に導入し、引き続き、これを開繊装置(気体吹付けノズル)に導入した。開繊装置としては、実施例1と同様の、径の異なるSUS304製のニップルを溶接した二重管の内側の管に小孔を設けたものを用い、内側の管と外側の管との間に、圧縮空気を送気した。この時、小孔からの風速は、450m/secであった。この管の下端部には下方に向けて径が拡大するテーパー管を溶接した。
上記テーパー管の側面より、マトリックス樹脂を供給した。マトリックス樹脂としてユニチカ社製のナイロン樹脂“A1030”粒子を使用した。そして、テ―パー管出口の下方に、一定方向に移動する定着ネットを設置し、その下からブロワにて吸引を行い、その定着ネット上に、該フレキシブルな輸送配管とテーパー管を定着ネットの幅方向に往復運動させながら、カットした強化繊維とナイロン樹脂粒子の混合体を帯状のマットを堆積させ定着させた。
この際、一定方向に移動する定着ネットの移動速度を0.8m/min、強化繊維の供給量を634g/minに、マトリックス樹脂の供給量を958g/minにセットして1分間運転を行い、その後連続的に定着ネットの移動速度を1.0m/minへ変更し、強化繊維の供給量を528g/minに、マトリックス樹脂の供給量を798g/minにセットして1分間稼動した。さらに、定着ネットの移動速度を1.5m/minに変更し、強化繊維の供給量を396g/minに、マトリックス樹脂の供給量を599g/minにして連続稼動したところ、定着ネット上に強化繊維と熱可塑性樹脂とが混合されたランダムマットが形成された。このランダムマットの強化繊維の目付け量は、定着ネットの移動速度が0.8m/min時は792g/mであり、移動速度が1.0m/min時は528g/min、移動速度が1.5m/min時は264g/minであった。
得られたランダムマットについて、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記式(1)で定義される臨界単糸数は86であり、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合が35Vol%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が240の強化繊維束であった。また、ナイロン樹脂粒子は、強化繊維中に殆ど斑の無い状態で均一に分散されていた。
このランダムマットの方向を上流側、下流側を一致させるように4枚積層し、傾斜面を有する3次元の複雑形状の金型を用い、温度300℃、圧力1.0MPa、加熱時間3分間で加熱しプレス成形したところ、金型形状を完全に追従し、且つ厚みが2mm〜6mmまで連続的に傾斜している成形体を得た。この複合材料成形体について超音波探傷試験を行ったところ、未含浸部やボイドは確認されなかった。
得られた成形板の0度及び90度方向の引張り弾性率を、各領域の強化繊維の体積含有率が20Vol%から、40Vol%まで区分して、各々の領域において測定したところ、弾性率の比(Eδ)は1.02であり、繊維配向は殆ど無く、等方性が維持された成形板を得ることができた。さらに、この成形板を500℃×1時間程度炉内にて加熱し、樹脂を除去した後、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記ランダムマットの測定結果と差異は見られなかった。
このランダムマットを、300℃に加熱したプレス装置にて、1.0MPaにて3分間加熱し、厚さ0.6mmの成形板を得た。得られた複合材料について超音波探傷試験を行ったところ、未含浸部やボイドは確認されなかった。
[実施例5]
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm、ストランド幅10mm)を使用した。縦スリット装置を使用して、幅0.8mmにスリットした後、繊維長20mmにカットを行った。カット装置としては、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このとき、下記式(a)
強化繊維の繊維長(刃のピッチ)=強化繊維ストランド幅×tan(90−θ)(a)
(ここで、θは周方向とナイフのなす角である。)
におけるθは68度であり、刃のピッチを20mm強化繊維を繊維長20mmカットするようにした。
カッターを通過したストランドをロータリーカッターの直下に配置したフレキシブルな輸送配管に導入し、続いて、これを開繊装置(気体吹付けノズル)に導入した。開繊装置としては、実施例1と同様に、径の異なるSUS304製のニップルを溶接した二重管の内側の管に小孔を設けたものを用い、内側の管と外側の管との間に、コンプレッサーを用いて圧縮空気を送気した。この時、小孔からの風速は、450m/secであった。、この二重管の下端部には下方に向けて径が拡大するテーパー管を溶接した。
上記テーパー管の側面より、マトリックス樹脂を供給した。マトリックス樹脂としてユニチカ社製のナイロン樹脂“A1030”粒子を使用した。そして、強化繊維の供給量を137g/min、マトリックス樹脂の供給量を207g/minにセットし、テ―パー管出口の下部に、一定方向に移動する定着ネットを設置し、その下方よりブロワにて吸引を行い、その定着ネット上に、該フレキシブルな輸送配管とテーパー管を定着ネットの幅方向に往復運動させながら、カットした強化繊維とナイロン樹脂の混合体を帯状のマットを堆積させ定着させた。その際、該テーパー管を定着ネットの幅方向に1.0mから0.3mまで連続的に移動距離を変化させてマットを形成したところ、定着ネット上に強化繊維と熱可塑性樹脂とが斑なく混合されたテーパー形状のランダムマットが形成された。このランダムマットにおける強化繊維の目付け量は265g/mであった。
得られたランダムマットについて、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記式(1)で定義される臨界単糸数は86であり、強化繊維束(A)について、マットの繊維全量に対する割合が35Vol%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が240の強化繊維束であった。また、ナイロン粒子は、強化繊維中に殆ど斑の無い状態で均一に分散されていた。
このランダムマットを4枚積層し、テーパー形状を有する3次元の複雑形状の金型を用い、温度300℃、圧力1.0MPa、加熱時間3分間で加熱しプレス成形したところ、金型形状を完全に追従した厚みが2mmの成形体を得た。この成形体を得る際、ランダムマット自体が最終形状に近い形態で金型に投入されるため、材料の端材が不要となり生産効率を高めることが出来た。また、得られた複合材料成形体について超音波探傷試験を行ったところ、未含浸部やボイドは確認されなかった。
この成形体の0度及び90度方向の引張り弾性率を、各領域の強化繊維の体積含有率が20Vol%から、40Vol%まで区分して、各々の領域において測定したところ、弾性率の比(Eδ)は1.04であり、繊維配向は殆ど無く、等方性が維持された成形板を得ることができた。さらに、この成形板を500℃×1時間程度炉内にて加熱し、樹脂を除去した後、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記ランダムマットの測定結果と差異は見られなかった。
[実施例6]
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)IMS60−12K(平均繊維径5μm、繊維幅6mm)を使用し、これを約0.8mm幅にスリットした後、繊維長20mmにカットした。カット装置には、超硬合金を用いて螺旋状ナイフを表面に配置したロータリーカッターを用いた。このロータリーカッターには、繊維方向に平行な刃を0.5mm間隔で設けた。このとき、上記式(a)中のθは17度、刃のピッチを20mmとした。カットした強化繊維は、直ちに、ロータリーカッター直下に配置した開繊装置に導入して、気体吹き付けにより開繊した。開繊装置としては、実施例1と同様の内側に小孔を有する二重管を用い、これに圧縮空気を送気した。小孔からの風速は150m/secとした。この二重管の下端部にはテーパー管を溶接した。
そして、テーパー管の側面より、このマトリックス樹脂として、2mmにドライカットしたポリアミド66繊維(旭化成せんい製“T5ナイロン”繊度1400dtex)を供給した。テーパー管出口の下部には、XY方向に移動可能な通気性テーブルを設置し、テーブル下部よりブロワにて吸引を行った。そして、強化繊維の供給量を1000g/min、マトリックス樹脂の供給量を3000g/minにセットし、装置を稼動したところ、強化繊維とポリアミド短繊維が混合された厚み10mm程度のランダムマットを得た。このマットの強化繊維の目付け量は1000g/mであった。
得られたランダムマットについて強化繊維束(A)の割合、平均繊維数(N)を調べたところ、式(1)で定義される臨界単糸数は120であり、強化繊維束(A)のマットの強化繊維全量に対する割合は86%、強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)は900であった。また、ポリアミド繊維は、強化繊維中に殆ど斑のない状態で分散していた。
得られたランダムマットを280℃の加熱ニップローラーで加熱加圧して、マット中のポリアミド繊維を溶融してマット中に含浸した後、冷却して複合材料シートを得た。
これを加熱したプレス成形装置にて、1.0MPaにて3分間加熱し、厚さ3.2mmの成形板を得た。得られた複合材料成形板について超音波探傷試験を行ったところ、未含浸部やボイドは確認されなかった。
得られた成形板の0度及び90度方向の引張り弾性率を測定したところ、弾性率の比(Eδ)は1.07であり、繊維配向は殆ど無く、等方性が維持された材料を得ることができた。さらに、この成形板を500℃×1時間程度炉内にて加熱し、樹脂を除去した後、強化繊維束(A)の割合と、平均繊維数(N)を調べたところ、上記ランダムマットの測定結果と差異は見られなかった。
11:クリール
12:ストランド拡幅装置
13:糸導ガイド
14:切断・開繊装置
15:熱可塑性樹脂供給部
16:通気性支持体(通気性ネットを有するコンベア)
17:吸引装置
18:ランダムマット予熱装置
19:縦スリット装置
Y:強化繊維ストランド
M:ランダムマット

Claims (13)

  1. 複数の強化繊維からなるストランドを長手方向に沿って連続的にスリットして複数の細幅ストランドにした状態で、平均繊維長3〜100mmに連続的にカットし、カットした強化繊維束に気体を吹付けて開繊させ、これを粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂熱可塑性樹脂とともに、通気性支持体上に堆積・定着させることにより、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする熱可塑性複合材料形成用ランダムマットの製造方法。
  2. 強化繊維ストランドをその長手方向に沿って連続的にスリットして幅0.05〜5mmの複数の細幅ストランドとなし、各細幅ストランドを平均繊維長3〜100mmに連続的にカットした後、カットされた強化繊維束に気体を吹付け、該強化繊維束を気体により開繊させ、これを粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂とともに、移動する通気性支持体上に堆積・定着させることにより、上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 上記強化繊維を上記熱可塑性樹脂とともに通気性支持体上に堆積・定着させる際、下記式(1)で定義される臨界単糸数以上で構成される強化繊維束(A)と臨界単糸数未満の強化繊維束(B1)及び/又は強化繊維単糸(B2)とが同時に存在する等方性ランダムマットとすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の製造方法。
    臨界単糸数=600/D (1)
    (ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である)
  5. 上記等方性ランダムマットにおける強化繊維束(A)の繊維全量に対する割合が、20Vol%以上99Vol%以下であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  6. 上記等方性ランダムマットにおける該強化繊維束(A)中の平均繊維数(N)が、下記式(2)を満たす請求項4又は請求項5に記載の製造方法。
    0.7×10/D<N<6×10/D (2)
    (ここでDは強化繊維の平均繊維径(μm)である。)
  7. 連続的にスリットして得た細幅の強化繊維ストランドを平均繊維長3〜100mにカットした強化繊維糸条片を、吸引搬送する輸送経路内を移動させ、該輸送経路の途中又は終端部に配置した気体吹付けノズルから該強化繊維糸条片に気体を吹付けて開繊させるとともに、該輸送経路の途中又は終端部で粉粒体状又は短繊維状の熱可塑性樹脂を供給し、強化繊維と熱可塑性樹脂とを同時に一定方向に連続的に移動する通気性支持体上に吹付け、該支持体上に上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する等方性ランダムマットを形成することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の製造方法。
  8. カットされた強化繊維糸条片を吸引搬送する輸送経路を可撓性を有する管で構成し、かつ、その先端にテーパー管を連設して、該テーパー管内で強化繊維と熱可塑性樹脂とを拡散させることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 強化繊維と熱可塑性樹脂との吹付け部の先端を、通気性支持体の移動方向と直交する方向に往復運動させて、該支持体上に上記強化繊維と上記熱可塑性樹脂とが混在する所望幅の等方性ランダムマットを形成することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の製造方法。
  10. 切断した強化繊維糸条片に対する気流の吹付け圧力を変化させることにより、繊維強化束(A)のランダムマットの繊維全量に対する割合と強化繊維束中(A)の平均繊維数を自在に変更して、物性の異なる等方性ランダムマットを作製することを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 吹付け部への該熱可塑性樹脂の供給量を経時的に変化させることにより、強化繊維の体積含有率が部分的に変化したランダムマットを作製することを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 支持体の移動速度と該吹付け部先端の往復運動速度とをそれぞれ経過的に変化させることにより、連続的に材料目付けが変化するか又は材料の厚みが傾斜化した等方性ランダムマットを作製することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 強化繊維及び熱可塑性樹脂の吹付け部先端を、通気性支持体の走行方向に対して水平且つ垂直方向に往復運動させ、且つその往復運動距離を連続的に変更することにより、長さ方向に沿って幅方向寸法が変化した等方性ランダムマットを作製することを特徴とする請求項7〜請求項12のいずれかに記載の製造方法。
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