JP2013046667A - トレーニングに適した靴の靴底 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】踏まず領域11aは非着用状態において接地せず、かつ、着用者の荷重がミッドソール2の上面に加わることにより、内側および外側踏まず部21,31、22,32が接地しない状態を維持しながら、帯状部4,2bが下方に下がって突部40が接地することを特徴とする靴底。
【選択図】図6
Description
効果(i):
本発明の靴底を有する靴を着用者が着用して歩行すると、踏まず領域において中央の突部が接地し、かつ、内側および外側踏まず部が接地しない。そのため、着用者は帯状部の存在を接地時の反力により足裏に感じることができ、当該帯状部の上に圧力中心が位置するように歩こうとすることで、安定した歩行姿勢の維持や、更に筋活動量の増加が期待できる。
特に、本発明の靴底においては、踏まず領域の突部は非着用時に接地せず、かつ、歩行の荷重により接地する。つまり、踏まず領域のミッドソールの上面はラスト(靴の製作時に靴内に挿入される足型)により設計されたレベルよりも下方に下がることになるので、坂道を上がる際と近似した状態に足や足首が変形する。その結果、靴底の前足部を然程厚くしなくても坂道を上がる際と同様な負荷が脚等の筋肉に加わって、靴の見栄えが損なわれることなくシェイプアップの効果が期待できる。
なお、踏まず領域の突部は歩行時の荷重により接地する。したがって、着用中に突部による歩行の安定性が阻害されにくいかもしれない。
また、「前後方向に延びており」とは、帯状部が足の長軸に沿って前方に延びる場合の他、帯状部が踏まず部の外縁または内縁に沿って斜め前方などに延びる場合を含むことを意味する。
「帯状」とは、帯状部の足幅方向の幅よりも帯状部の前後方向の長さが大きいことを意味する。
なお、円弧状の曲線には、円の一部である円弧の他に放物線、楕円、双曲線などの一部が含まれ、更に、突部およびミッドソールを梁に見立てた単純梁や両端固定の不定静梁の撓み曲線や、これらの曲線に近似した曲線が含まれる。
踵領域および踏付領域の双方が接地するフットフラットにおいては、まず、第1および第2接地部が接地する。フットフラットにおいて、足裏の荷重がミッドソールの上面に加わると、ミッドソールと共に踏まず領域の帯状部が変形して突部が下方に下って接地し、踏まず領域に帯状部を感じる。
前記フットフラットから足が蹴り出し始める直前のミッドスタンスに至るまでに、前記帯状部が下方に下がることで前記第2接地部のミッドソールの上面が踏まず領域のミッドソール上面に対し高いレベルとなり、着用者の脚の筋肉には坂道を上がるような負荷が加わる。その結果、靴底の前足部を然程底高にしなくても、シェイプアップ効果が高まる。
この場合、接地状態が更に安定し、坂道効果が増大するかもしれない。
この場合、前記突部を足裏に感じる事ができるだけでなく、前記坂道効果が大きくなるだろう。
図1に示すように、靴底1は、アウトソール3およびミッドソール2を備えている。なお、図1においてはアウトソール3の接地面に形成された微細な溝(いわゆる意匠)は、省略されている。
ミッドソール2は、図2Aに示すように、アウトソール3の上に配置され、着地の衝撃を緩和するものである。そのため、ミッドソール2はアウトソール3よりも厚く形成されている。
図3において、前足部は踏付領域12aを含む。踏付領域12aは、中足趾節間関節MPを含み、詳しくは第1趾〜第4趾の第1中足骨B41 〜第4中足骨B44 の骨頭と、第1趾〜第4趾の第1基節骨B31 〜第4基節骨B34 とを含む。
内側踏付部23,33は踏付領域12aにおいて足の内側(IN)を支える部分である。外側踏付部24,34は踏付領域12aにおいて足の外側(OUT)を支える部分である。
内側踏まず部21,31は踏まず領域11aにおいて足の内側(IN)を覆う部分である。外側踏まず部22,32は踏まず領域11aにおいて足の外側(OUT)を覆う部分である。
したがって、帯状部4の一部を構成する帯状踏まず部401,2b1の幅方向Wの両サイドには、内側踏まず部31,21および外側踏まず部32,22が形成されている。
たとえば、ミッドソール2の前記部分2aの発泡体の硬度は、C硬度で53度程度に設定されており、一方、帯状部2bの硬度は、C硬度で75度に設定されている。ここで、C硬度とは、JIS K 7312に規定される硬度をいう。
なお、ミッドソール2の踵領域13aには他の部位に比べ硬度の小さい図2AのEVAのパーツ200やゲル201を配置してもよい。
なお、硬度の相違に応じてアウトソール3の各パーツについては、互いに異なる網点の大きさおよび密度で示されている。
図2Aに示すように、アウトソール3の帯状部4は、ミッドソール2の帯状部2bに概ね対応する位置に設けられ、かつ、ミッドソール2の帯状部2bを覆うように重なって設けられている。アウトソール3の帯状部4は、ミッドソール2の帯状部2bよりも後方の第1接地部41まで延設されている。
図4に示すように、アウトソール3の帯状部4は、足の前後方向Xに長い帯状に連続的に設けられている。帯状部4の幅は図2Bの帯状部2bと概ね同じ幅に設定されている。
図1に示すように、アウトソールの帯状部4のパーツはたとえば1個の突部40で形成されている。突部40は前後方向Xに長い帯状で、かつ、突部40は帯状部4の延びる方向に沿って連続的に配置されている。
図5A〜図5Eに示すように、突部40の接地面は、その両側の接地面を構成する内側踏まず部31、外側踏まず部32、内側踏付部33および外側踏付部34の接地面よりも、下方Z1に突出している。
また、突部40には微細な溝(意匠)が設けられており、この溝の部分は両側の部位の接地面に対して突出していなくてもよい。
図1、図4および図5A〜図5Eに示すように、帯状部2b,4と、その両側の靴底の部分との間には、縦溝2d,3dが設けられている。前記ミッドソール2の縦溝2dはミッドソール2の下面から上方に向って窪んだ溝で形成され、一方、前記アウトソール3の縦溝3dはアウトソール3の帯状部4とその両側の部分31,32とを分離している。
すなわち、図4に示すように、前記縦溝2d,3dは、帯状部4とその両サイドの内側踏まず部21,31、外側踏まず部22,32、内側踏付部23,33、外側踏付部24,34および前端部35との連続性が低下するように形成されている。
図6Aに示すように、前記踏まず領域11aは非着用状態において接地せず、前記非着用状態において前記突部40の接地面と仮想の平らな路面Rとの間には足の内側から外側に向かって貫通する空隙Sが形成されるように、前記非着用状態における前記突部40の底面の縦断面の包絡線L40が上方に向かって凸の円弧状の曲線を形成する。
なお、本発明において、前記非着用状態において前記突部40の接地面と仮想の平らな路面Rとの間に空隙Sが形成されていればよく、前記非着用状態における前記突部40の底面の縦断面の包絡線が上方に向かって凸の円弧状の曲線を形成する構成(図6Aに示す構成)には限定されない。すなわち、空隙Sの形状は特に限定されず、適宜設計できる。たとえば、突部40に凸状部が設けられていても、突部40が複数の円弧状からなっていても、着用者の荷重が前記ミッドソール2の上面に加わることにより前記内側および外側踏まず部21,31、22,32が接地しない状態を維持しながら前記帯状部4,2bが下方に下がって前記突部40が接地するような構成であればよい。
なお、前記踏付領域12aは内側から外側まで概ね同じ高さであってもよい。
2:ミッドソール
2b1:帯状踏まず部
2d,3d:縦溝
3:アウトソール
4,2b:帯状部
11a:踏まず領域
12a:踏付領域
13a:踵領域
21,31:内側踏まず部
22,32:外側踏まず部
23,33:内側踏付部
24,34:外側踏付部
35:内側踵部
36:外側踵部
40:突部
41:第1接地部
42:第2接地部
IN:内側
MP:中足趾節間(MP)関節
R:路面
S:空隙
X:前後方向
Claims (10)
- 着地時に接地する接地面を有するアウトソール3と、前記アウトソール3の上に配置され着地の衝撃を緩和するミッドソール2とを備えた靴底1において、
足のアーチを含む踏まず領域11aにおいて足の内側を支える内側踏まず部21,31と、
前記踏まず領域11aにおいて足の外側を支える外側踏まず部22,32と、
前記内側踏まず部21,31と外側踏まず部22,32との間において前後方向に長い帯状の帯状部4,2bとを備え、
前記帯状部4,2bにおける前記アウトソール3の部位は下方に向かって突出し前記アウトソール3の一部を形成する突部40を有し、
前記突部40は前後方向に連続的ないし断続的に延びており、
前記突部40の接地面は前記内側踏まず部21,31および外側踏まず部22,32の底面よりも下方に突出しており、
ここにおいて、前記踏まず領域11aは非着用状態において接地せず、かつ、着用者の荷重が前記ミッドソール2の上面に加わることにより、前記内側および外側踏まず部21,31、22,32が接地しない状態を維持しながら、前記帯状部4,2bが下方に下がって前記突部40が接地することを特徴とする靴底。 - 請求項1の靴底において、
前記非着用状態において前記突部40の接地面と仮想の平らな路面Rとの間には足の内側から外側に向かって貫通する空隙Sが形成されるように、前記非着用状態における前記突部40の底面の縦断面の包絡線が上方に向かって凸の円弧状の曲線を形成している靴底。 - 請求項1または2の靴底において、
前記靴底1は前記踏まず領域11aよりも前方の踏付領域12aと前記踏まず領域11aよりも後方の踵領域13aとを包含し、
前記突部40は、少なくとも、前記踵領域13aの前端から前記踏付領域12aの後端まで、前記足の内側および外側の間の中央部において足の前後方向Xに延び、
前記非着用状態において前記突部40は、前記踵領域13aの前記前端よりも後方の第1接地部41において前記路面に接地し、かつ、前記踏付領域12aの前記後端よりも前方の第2接地部42において前記路面に接地し、前記第1接地部41と第2接地部42との間において前記突部40の包絡線が前記円弧状の曲線を形成している靴底。 - 請求項3の靴底において、
前記第1接地部41が前記踵領域13aの中心から前記踵領域13aの前記前端までの位置に配置され、
前記第2接地部42が前記踏付領域12aにおける第2趾のMP関節から前記踏付領域12aの前記後端までの位置に配置されている靴底。 - 請求項3または4の靴底において、
前記非着用状態において、前記踵領域13aのアウトソール3の底面は前記第1接地部41が前記踵領域13aの内側踵部35および外側踵部36に比べ下方に突出しており、かつ、前記踵領域13aのミッドソール2の上面に前記着用者の荷重が加わった際に前記第1接地部41が接地すると、前記踵領域13aの帯状部4,2bが圧縮されて、前記内側踵部35および外側踵部36の双方が接地する靴底。 - 請求項3〜5のいずれか1項の靴底において、
前記非着用状態、ならびに、前記踏付領域12aおよび踵領域13aのミッドソール2の上面に前記着用者の荷重が加わるフットフラットの状態の双方において、前記踏付領域12aのアウトソール3の底面は前記第2接地部42が内側踏付部33および外側踏付部34に比べ下方に突出している靴底。 - 請求項3〜6のいずれか1項の靴底において、
前記踏付領域12aにおける第2趾のMP関節に相当する部位の前記アウトソール3の厚さが、当該部位の前方および後方のアウトソール3の厚さに比べ大きい靴底。 - 請求項7の靴底において、
前記踏付領域12aにおいて、前記第2趾のMP関節を覆うアウトソール3の厚さが大きいMP部が前記中央部から足の内側および外側に延びている靴底。 - 請求項3〜8のいずれか1項の靴底において、
前記踏付領域12aにおいて、前記MP部の真上のミッドソール2の部位にはミッドソール2の上面にミッドソール2よりもヤング率の大きい硬質プレートが付着されている靴底。 - 請求項3〜9のいずれか1項の靴底において、
前記踏付領域12aにおける内側および外側の前端部38に設けられた前記アウトソール3の硬度よりも前記突部40を形成するアウトソール3の硬度の方が大きい靴底。
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