JP2013046436A - モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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    • H02P6/08Arrangements for controlling the speed or torque of a single motor

Abstract

【課題】高い静粛性を確保しつつ、より安定的にレゾルバレス制御を実行することのできるモータ制御装置を提供すること。
【解決手段】F/B制御部47は、F/Bゲイン可変制御部80が演算するフィードバックゲインを用いて、トルク偏差Δτに基づくトルクフィードバック制御を実行することにより第1変化成分dθτを演算する。また、F/Bゲイン可変制御部80は、第1変化成分dθτを加算角θaとする「第1の演算モード」、及び第1変化成分dθτを推定モータ回転角速度ωm_eにより補正した値を加算角θaとする「第2の演算モード」の各演算モードに応じて、二種類の異なるフィードバックゲインK1,K2を演算する。そして、第1の演算モードに用いるフィードバックゲインK1は、第2の演算モードに用いるフィードバックゲインK2との比較において、より応答性が高くなるように設定される。
【選択図】図4

Description

本発明は、モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、電動パワーステアリング装置(EPS)等の車両用操舵装置には、そのモータ回転角を検出することなくブラシレスモータを制御可能なモータ制御装置を備えたものがある。そして、このような回転角センサ(モータレゾルバ)を用いないセンサレス(レゾルバレス)駆動制御の態様として、演算周期毎のモータ回転角変化量に相当する加算角を演算し、その加算角を積算することにより得られる制御上のモータ回転角(制御角)に従う回転座標系において電流フィードバック制御を実行する方法が提案されている。
例えば、特許文献1に記載のモータ制御装置は、モータが発生すべき目標トルクに対する実トルクの過不足を示すトルク偏差(目標操舵トルクと実操舵トルクとの間の偏差)に基づいてトルクフィードバック制御を実行し、これにより得られる値を加算角として演算する。更に、このモータ制御装置は、誘起電圧に基づいてモータ回転角変化量に相当するモータ回転角速度を推定する。そして、所定条件下にある場合には、その推定されたモータ回転角速度に基づいて上記トルクフィードバック制御の実行により得られる値を補正し、その補正した値を前記加算角として演算することで、より高精度なモータ制御の実行が可能となっている。
特開2010−239854号公報
ところで、上記のような推定モータ回転角に基づく補正によって、加算角の値は、その発生させるべきモータ回転角変化量に近い値になる。そして、これにより、トルク偏差が小さくなることを考慮すれば、この場合におけるトルクフィードバック制御のゲインは、過剰応答による自励振動の発生を抑制すべく、低い値にすることが望ましい。
一方、推定モータ回転角に基づく補正を実行しない場合には、その加算角が発生させるべきモータ回転角変化量から乖離した値になりやすく、これにより、大きなトルク偏差が発生する可能性がある。特に、制御上の仮想的なモータ回転角としての制御角に従うレゾルバレス制御では、一時的に、モータのロータを制御角に応じた回転位置に保持することが可能な範囲、即ち所謂「ロータを連れ回すことが可能な範囲」を超えて、その制御角と実回転角との乖離が拡大する場合がある。従って、このような状態からの速やかな回復を考慮するならば、その応答性(追従性)を重視して、トルクフィードバック制御のゲインを高い値にすることが望まれる。
しかしながら、上記従来例では、最終的に演算される加算角(絶対値)に基づきトルクフィードバック制御のゲインを可変するものの、推定モータ回転角に基づく加算角の補正の有無については手当されていない。このため、その補正の有無によって、応答性に過不足が生じやすい傾向があり、これより、そのモータ制御の安定性が低下するおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、高い静粛性を確保しつつ、より安定的にレゾルバレス制御を実行することのできるモータ制御装置及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、モータ制御信号を出力するモータ制御信号出力手段と、前記モータ制御信号に基づいて三相の駆動電力をモータに供給する駆動回路とを備え、前記モータ制御信号出力手段は、演算周期毎のモータ回転角変化量に相当する加算角を演算し、該加算角を積算することにより得られる制御上のモータ回転角に従う回転座標系において電流制御を実行することにより、前記モータ制御信号を出力するとともに、前記モータが発生すべき目標トルクと実トルクとの間のトルク偏差に基づいてトルクフィードバック制御を実行することにより得られる値を前記加算角とする第1の演算モードと、前記トルクフィードバック制御の実行により得られる値を推定モータ回転角速度に基づき補正した値を前記加算角とする第2の演算モードと、を備えたモータ制御装置において、前記モータ制御信号出力手段は、前記加算角の演算モードに応じて前記トルクフィードバック制御のゲインを変更すること、を要旨とする。
請求項2に記載の発明は、前記モータ制御信号出力手段は、前記第1の演算モードにおいては、第2の演算モードよりも応答性が高くなるように、前記ゲインを変更すること、を要旨とする。
上記各構成によれば、トルク偏差が小さくなる第2モードにおいては、過剰応答による自励振動の発生を抑制するとともに、大きなトルク偏差が発生しやすい第1モードにおいては、その応答性を高めて追従性の向上を図ることができる。そして、モータのロータを制御角に応じた回転位置に保持することが可能な範囲、即ち所謂「ロータを連れ回すことが可能な範囲」を超えて、その制御角と実回転角との乖離が拡大するような状態(制御角逸脱状態)になった場合についても、迅速な回復を図ることができる。その結果、高い静粛性を確保しつつ、より安定的にレゾルバレス制御を実行することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置であること、を要旨とする。
上記構成によれば、静粛性に優れ、且つ安定的にモータ制御可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
本発明によれば、高い静粛性を確保しつつ、より安定的にレゾルバレス制御を実行することが可能なモータ制御装置及び電動パワーステアリング装置を提供することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 EPSの電気的構成を示すブロック図。 第1制御部の概略構成図。 第2制御部の概略構成図。 外乱オブザーバの概略構成を示すブロック線図。 回転角速度推定の処理手順を示すフローチャート。 加算角調整演算の処理手順を示すフローチャート。 第2制御部側の電流指令値演算部の概略構成図。 トルクフィードバックゲイン可変制御の処理手順を示すフローチャート。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。そして、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト3a、インターミディエイトシャフト3b、及びピニオンシャフト3cを連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド6を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪7の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
また、EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ10と、該EPSアクチュエータ10の作動を制御する制御手段としてのECU11とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ10は、駆動源であるモータ12が減速機構13を介してコラムシャフト3aと駆動連結された所謂コラム型のEPSアクチュエータとして構成されている。尚、本実施形態では、モータ12には、三相(U,V,W)の駆動電力に基づき回転するブラシレスモータが採用されている。そして、EPSアクチュエータ10は、このモータ12の回転を減速してコラムシャフト3aに伝達することにより、そのモータトルクに基づくアシスト力を操舵系に付与する構成となっている。
一方、ECU11には、トルクセンサ14が接続されており、同ECU11は、そのトルクセンサ14の出力信号に基づいて、ステアリングシャフト3に伝達される操舵トルクτを検出する。また、本実施形態のECU11には、車速センサ15により検出される車速V及びステアリングセンサ(操舵角センサ)16により検出される操舵角θsが入力される。そして、ECU11は、これらの各状態量に基づいて、操舵系に付与すべき目標アシスト力を演算し、これに相当するモータトルクを発生させるべく駆動電力を供給することにより、そのモータ12を駆動源とするEPSアクチュエータ10の作動、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。
次に、本実施形態のEPSの電気的構成について説明する。
図2は、本実施形態のEPSの制御ブロック図である。同図に示すように、ECU11は、モータ制御信号を出力するモータ制御信号出力手段としてのマイコン17と、同マイコン17の出力するモータ制御信号に基づいてモータ12に三相の駆動電力を供給する駆動回路18とを備えている。
尚、以下に示す各制御ブロックは、マイコン17が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。そして、同マイコン17は、所定のサンプリング周期で上記各状態量を検出し、所定周期毎に以下の各制御ブロックに示される各演算処理を実行することにより、モータ制御信号を生成する。
詳述すると、本実施形態の駆動回路18には、直列に接続された一対のスイッチング素子を基本単位(スイッチングアーム)として、各相モータコイル12u,12v,12wに対応する3つのスイッチングアームを並列に接続してなる周知のPWMインバータが採用されている。即ち、マイコン17の出力するモータ制御信号は、この駆動回路を構成する各相スイッチング素子のオン/オフ状態(各相スイッチングアームのDuty)を規定するものとなっている。そして、駆動回路18は、このモータ制御信号の入力により作動して、その印加される電源電圧V_pigに基づく三相の駆動電力をモータに供給する構成となっている。
さらに詳述すると、ECU11には、モータ12の各相電流値Iu,Iv,Iwを検出するための電流センサ21が設けられている。尚、本実施形態の電流センサ21は、上記駆動回路18を構成する各スイッチングアームの低電位側(接地側)に、それぞれ、シャント抵抗を接続してなる周知の構成を有している。そして、本実施形態のマイコン17は、この電流センサ21の出力信号(シャント抵抗の端子間電圧)に基づいて、各相モータコイル12u,12v,12wに流れる相電流値Iu,Iv,Iwを検出する。
また、本実施形態のマイコン17は、モータレゾルバ23の出力信号に基づいて、モータ12の回転角(電気角)θmを検出する。尚、本実施形態では、モータレゾルバ23には、そのセンサ信号として、モータ12の実回転角(電気角)に応じて振幅が変化する二相の正弦波状信号(正弦信号S_sin及び余弦信号S_cos)を出力する巻線型のレゾルバが採用されている。そして、本実施形態のマイコン17は、これらモータ12の各相電流値Iu,Iv,Iw及び回転角θmに基づいて、電流フィードバック制御を実行することにより、その駆動回路18に出力するモータ制御信号を生成する。
さらに詳述すると、本実施形態では、マイコン17のモータ制御部24には、回転座標系における電流制御の実行によりモータ12の各相に印加すべき相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*(Vu**,Vv**,Vw**)を演算する第1制御部25及び第2制御部26、並びに、その相電圧指令値をモータ制御信号に変換するPWM変換部27が設けられている。そして、本実施形態のマイコン17は、このモータ制御部24において生成されたモータ制御信号を駆動回路18に出力する構成となっている。
図3に示すように、第1制御部25は、上記のように検出される操舵トルクτ及び車速Vに基づいて目標アシスト力に対応した電流指令値を演算する電流指令値演算部31を備えている。また、第1制御部25は、d/q変換部32を備えており、同d/q変換部32は、モータレゾルバ23により検出される上記回転角θmに基づいて、各相電流値Iu,Iv,Iwをd/q座標上に写像することにより、d軸電流値Id及びq軸電流値Iqを演算する。そして、第1制御部25は、このモータ12の実回転角(θm)に従う回転座標系(d/q座標系)において電流フィードバック制御を実行することにより、モータ12の各相に印加すべき電圧を示す相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する構成となっている。
即ち、上記電流指令値演算部31は、電流指令値としてq軸電流指令値Iq*を演算する。具体的には、同電流指令値演算部31は、入力される操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きなアシスト力を発生させるようなq軸電流指令値Iq*を演算する。尚、d軸電流指令値Id*は「0」に固定される(Id*=0)。そして、これらd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*は、d/q変換部32の出力するd軸電流値Id及びq軸電流値Iqとともに、その対応する減算器33d,33qに入力される。
次に、これら各減算器33d,33qが演算する各軸の電流偏差ΔId,ΔIqは、それぞれ、対応するF/B制御部(フィードバック制御部)34d,34qに入力される。そして、各F/B制御部34d,34qは、その入力される電流偏差ΔId,ΔIq及び所定のフィードバックゲイン(比例:P、積分:I)に基づくフィードバック制御演算を実行することにより、d/q座標系の電圧指令値であるd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を演算する。
具体的には、各F/B制御部34d,34qは、それぞれ、その入力される電流偏差ΔId,ΔIqに比例ゲインを乗ずることにより得られる比例成分、及び当該電流偏差ΔId,ΔIqの積分値に積分ゲインを乗ずることにより得られる積分成分を演算する。そして、これらの比例成分及び積分成分を加算することにより、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を生成する。
次に、これらのd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*は、d/q逆変換部35において、三相(U,V,W)の交流座標上に写像される。そして、第1制御部25は、このd/q逆変換部35が実行する逆変換により得られる相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を、上記PWM変換部27に出力する構成となっている。
一方、図4に示すように、第2制御部26は、演算周期毎のモータ回転角変化量に相当する加算角θaを演算する加算角演算部41と、その加算角θaを演算周期毎に積算することにより制御上の仮想的なモータ回転角としての制御角θcを演算する制御角演算部42とを備えている。そして、第2制御部26は、その制御角θcに従う回転座標系(γ/δ座標系)において電流フィードバック制御を実行することにより、相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を演算する構成となっている。
詳述すると、本実施形態の加算角演算部41には、上記のように検出される操舵トルクτ、車速V、及び操舵角θsが入力される。また、加算角演算部41は、ステアリング2に生じた操舵角θs及び車速Vに基づいて、操舵トルクτの目標値に対応した目標操舵トルクτ*を演算する目標操舵トルク演算部45を備えており、同目標操舵トルク演算部45において演算された目標操舵トルクτ*は、操舵トルクτとともに減算器46に入力される。そして、本実施形態の加算角演算部41は、トルクセンサ14により検出される実際の操舵トルクτから目標操舵トルクτ*を減算することにより得られるトルク偏差Δτに基づいて上記加算角θaを演算する。
即ち、モータトルクに基づくアシスト力を操舵系に付与するEPSにおいて、目標操舵トルクτ*は、モータ12が発生すべきモータトルク(目標トルク)に対応するパラメータであり、操舵トルクτは、モータ12の実トルクに対応するパラメータである。つまり、これら目標操舵トルクτ*と実際の操舵トルクτとの間の差分(トルク偏差Δτ)は、目標トルクに対する実トルクの過不足を示す状態量となっている。そして、本実施形態の加算角演算部41は、その目標操舵トルクτ*に実際の操舵トルクτを追従させるべく、トルクフィードバック制御を実行することにより加算角θaを演算する。
具体的には、減算器46において演算されたトルク偏差Δτは、F/B制御部47に入力される。そして、F/B制御部47は、そのトルク偏差Δτに比例ゲイン(Kp_t)を乗ずることにより得られる比例成分、及び当該トルク偏差Δτの積分値に積分ゲイン(Ki_t)を乗ずることにより得られる積分成分の加算値を、各演算周期におけるモータ回転角の第1変化成分dθτとして演算する。
また、本実施形態では、第2制御部26には、モータ回転角速度を推定するモータ回転角速度推定手段としての回転角速度推定演算部50が設けられており、上記加算角演算部41には、この回転角速度推定演算部50の推定するモータ回転角速度(ωm_e)が、各演算周期におけるモータ回転角の第2変化成分dθωとして入力される。そして、本実施形態の加算角演算部41は、上記トルク偏差Δτに基づく第1変化成分dθτとともに、この推定モータ回転角速度ωm_eに基づく第2変化成分dθωを用いて、上記加算角θaを演算する。
詳述すると、第2制御部26には、上記PWM変換部27がモータ制御信号を生成する際に用いる相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*(Vu**,Vv**,Vw**)に対応した内部指令値、即ちDutyが入力される。また、本実施形態のECU11は、電圧センサ51によって、その駆動回路18に印加される電源電圧V_pigを検出する(図2参照)。そして、第2制御部26には、その検出される電源電圧V_pig及び上記Dutyに基づいて、モータ12の各相電圧値Vu,Vv,Vwを演算する相電圧演算部52が設けられている。
また、これらの各相電圧値Vu,Vv,Vw、及び上記電流センサ21により検出されたモータ12の各相電流値Iu,Iv,Iwは、α/β変換部53において、それぞれ、二相固定座標系(α/β座標系)のα軸電圧値Vα及びβ軸電圧値Vβ並びにα軸電流値Iα及びβ軸電流値Iβに変換される。そして、本実施形態の回転角速度推定演算部50は、これらα軸電圧値Vα及びβ軸電圧値Vβ並びにα軸電流値Iα及びβ軸電流値Iβに示されるモータ電圧及びモータ電流に基づいて、モータ回転角速度(ωm_e)を推定する。
さらに詳述すると、本実施形態の回転角速度推定演算部50は、モータモデルに基づいて、そのモータ12に生ずる誘起電圧を外乱として推定する外乱オブザーバ54を備えている。
即ち、図5に示すブロック線図において、モータ12は、モータ電圧(Vα,Vβ)及び誘起電圧(Eα,Eβ)に基づいてモータ電流(Iα,Iβ)を生じせしめるモータモデルM1に表される。従って、そのモータ電流(Iα,Iβ)を入力とする逆モータモデルM2、及び当該逆モータモデルM2の出力及びモータ電圧(Vα,Vβ)を入力とする差分器55によって、上記のような誘起電圧推定値(Eα_e,Eβ_e)を出力する外乱オブザーバ54を形成することができる。尚、例えば、モータモデルM1を「1/(R+pL)」とすると、逆モータモデルM2は「R+pL」となる(但し、R:電機子巻線抵抗、L:インダクタンス、p:微分演算子)。そして、本実施形態の回転角速度推定演算部50は、この外乱オブザーバ54が出力する誘起電圧推定値(Eα_e,Eβ_e)に基づいて、モータ回転角速度(ωm_e)を推定する。
即ち、α/β座標系の誘起電圧(Eα,Eβ)は、それぞれ、次の(1)(2)式に表される。尚、各式中、「Ke」は誘起電圧定数、「ωm」はモータ回転角速度である。
Eα=−Ke×ωm×sinθ ・・・(1)
Eβ=Ke×ωm×cosθ ・・・(2)
更に、これら(1)(2)式を角度「θ」について解くことにより、次の(3)式を得る。尚、同式中、「arctan」は「アークタンジェント」である。
θ=arctan(−Eα/Eβ) ・・・(3)
従って、外乱オブザーバ54が出力する誘起電圧推定値(Eα_e,Eβ_e)からモータ回転角(θm_e)を推定することができる。そして、本実施形態の回転角速度推定演算部50は、そのモータ回転角の推定値(θm_e)を微分することにより、推定モータ回転角速度ωm_eを演算する。
具体的には、図6のフローチャートに示すように、回転角速度推定演算部50は、上記外乱オブザーバ54によりモータ12の誘起電圧を推定すると(Eα_e,Eβ_e、ステップ101)、先ず、その誘起電圧推定値(Eα_e,Eβ_e)にフィルタ処理を施す(LPF:ローパスフィルタ、ステップ102)。次に、回転角速度推定演算部50は、上記(3)式を用いることにより、その誘起電圧推定値(Eα_e,Eβ_e)から、モータ回転角(θm_e)を推定する(回転角推定、ステップ103)。そして、そのモータ回転角(θm_e)を微分することにより推定モータ回転角速度ωm_eを演算する(回転角速度推定、ステップ104)。
そして、本実施形態の回転角速度推定演算部50は、その推定モータ回転角速度ωm_eを、各演算周期におけるモータ回転角の第2変化成分dθωとして、上記加算角演算部41に出力する構成になっている(ステップ105)。
図4に示すように、本実施形態の加算角演算部41において、上記F/B制御部47の演算するトルク偏差Δτに基づくモータ回転角の第1変化成分dθτ、及び上記回転角速度推定演算部50の演算する推定モータ回転角速度ωm_eに基づくモータ回転角の第2変化成分dθωは、ともに加算角調整演算部58に入力される。また、本実施形態では、上記回転角速度推定演算部50は、その外乱オブザーバ54が出力する誘起電圧推定値(Eα_e,Eβ_e)の二乗和を演算し(Esq_αβ=(Eα_e)^2+(Eβ_e)^2、但し「^2」は二乗を示す)、その誘起電圧二乗和Esq_αβを加算角調整演算部58に出力する。そして、本実施形態の加算角演算部41は、この誘起電圧二乗和Esq_αβの値に基づいて、その加算角θaの演算形態を変更する。
詳述すると、本実施形態の加算角調整演算部58は、その入力される誘起電圧二乗和Esq_αβを所定の閾値(E0)と比較する。そして、当該誘起電圧二乗和Esq_αβが閾値(E0)以下である場合には、そのトルク偏差Δτに基づく第1変化成分dθτを加算角θaとする(第1の演算モード:θa=dθτ)。
一方、誘起電圧二乗和Esq_αβが閾値(E0)を超える場合には、上記トルク偏差Δτに基づく第1変化成分dθτを、推定モータ回転角速度ωm_eにより補正する。具体的には、上記トルク偏差Δτに基づく第1変化成分dθτと推定モータ回転角速度ωm_eに基づく第2変化成分dθωとを加算する。そして、その加算値を加算角θaとする構成になっている(第2の演算モード:θa=dθω+dθτ)。
即ち、一演算周期を基本単位とするモータ回転角速度は、その一演算周期あたりのモータ回転角変化量と等価的な意味を有する。そして、上記のような外乱オブザーバ54を用いたモータ電流及びモータ電圧に基づく誘起電圧の推定は、当該誘起電圧が増大する高速回転領域において、より高い精度が確保される。
この点を踏まえ、本実施形態の加算角調整演算部58は、上記誘起電圧二乗和Esq_αβと閾値(E0)との比較により、モータ12の回転状態(回転速度)が、その推定モータ回転角速度ωm_eをモータ回転角の第2変化成分dθωとして利用可能な推定精度が担保される高速回転領域にあるか否かを判定する。そして、その要求される推定精度が担保される高速回転領域にある場合にのみ、上記推定モータ回転角速度ωm_eに基づく第2変化成分dθωを用いる構成となっている。
具体的には、図7のフローチャートに示すように、加算角調整演算部58は、先ず、上記トルク偏差Δτに基づく第1変化成分dθτ、及び上記推定モータ回転角速度ωm_eに基づく第2変化成分dθω、並びに上記誘起電圧二乗和Esq_αβを取得する(ステップ201〜ステップ203)。
次に、加算角調整演算部58は、誘起電圧二乗和Esq_αβが閾値E0を超えるか否かを判定し(ステップ204)、閾値E0を超える場合(ステップ204:YES)には、続いて、既に当該誘起電圧二乗和Esq_αβが閾値E0を超える状態にあったことを示す超過フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ205)。そして、当該超過フラグがセットされていない場合(ステップ205:NO)には、当該超過フラグをセットし(ステップ206)、上記ステップ201において取得した第1変化成分dθτの値をクリアする(dθτ=0、ステップ207)。
尚、上記ステップ205において、既に超過フラグがセットされている場合(ステップ205:YES)には、上記ステップ206及びステップ207の処理は実行されない。
加算角調整演算部58は、上記ステップ204において誘起電圧二乗和Esq_αβが閾値E0を超えると判定された場合(ステップ204:YES)には、その超過フラグの如何にかかわらず、そのトルク偏差Δτに基づく第1変化成分dθτ及び推定モータ回転角速度ωm_eに基づく第2変化成分dθωを加算する。そして、その加算値を加算角θaとして演算する(第2の演算モード:θa=dθω+dθτ、ステップ208)。
一方、上記ステップ204において、誘起電圧二乗和Esq_αβが閾値E0以下であると判定した場合(ステップ204:NO)もまた、加算角調整演算部58は、超過フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ209)。そして、当該超過フラグがセットされている場合(ステップ209:YES)には、当該超過フラグをリセットする(ステップ210)。尚、超過フラグがセットされていない場合(ステップ209:NO)には、このステップ210の処理は実行されない。そして、その上記ステップ201において取得した第1変化成分dθτを加算角θaとして演算する(第1の演算モード:θa=dθτ、ステップ211)。
そして、本実施形態の加算角調整演算部58は、このように上記ステップ208又はステップ211において演算した加算角θaを外部に出力する構成となっている(ステップ212)。
尚、推定モータ回転角速度ωm_eに基づく第2変化成分dθωを用いて加算角θaを演算する最初の演算周期(ステップ204:YES、及びステップ205:NO)において、第1変化成分dθτをクリアするのは(ステップ207)、当該第1変化成分dθτが、第2変化成分dθωを用いなかった前回演算周期の状態を反映するものだからである。そして、本実施形態では、これにより、そのモータ回転状態に依らず、高精度な加算角演算が可能となっている。
図4に示すように、加算角演算部41は、このようにして演算した加算角θaを制御角演算部42に出力する。また、制御角演算部42は、前回の演算周期において演算した制御角θcの前回値を記憶領域(図示略)に保持するとともに、当該前回値に上記加算角θaを加算することにより新たな制御角θcを演算する。そして、同制御角演算部42は、その当該新たな制御角θcにて、上記記憶領域に保持する前回値を更新することにより、その演算周期毎に、加算角θaの積算による制御角θcの演算を実行する構成となっている。
第2制御部26において、このようにして演算された制御上の仮想的なモータ回転角としての制御角θcは、上記α/β変換部53が出力する二相固定座標系(α/β座標系)のα軸電流値Iα及びβ軸電流値Iβとともに、γ/δ変換部60に入力される。そして、γ/δ変換部60は、当該α軸電流値Iα及びβ軸電流値Iβを、その制御角θcに従う回転座標系、即ちγ/δ座標系の直交座標上に写像することにより、γ/δ座標系の実電流値としてのγ軸電流値Iγ及びδ軸電流値Iδを演算する。
尚、この制御上の仮想的な回転座標としての上記γ/δ座標系は、制御角θcと実際のモータ回転角(θm)との乖離(負荷角)が「0」である場合に、その「γ軸」が「d軸」に一致する。
また、第2制御部26は、そのγ/δ座標系の電流指令値として、γ軸電流指令値Iγ*及びδ軸電流指令値Iδ*を演算する電流指令値演算部61を備えている。そして、電流指令値演算部61は、上記加算角演算部41において演算されたトルク偏差Δτ、及び目標操舵トルクτ*に基づいて、γ軸電流指令値Iγ*及びδ軸電流指令値Iδ*を演算する。
詳述すると、図8に示すように、本実施形態の電流指令値演算部61は、目標操舵トルクτ*と実際の操舵トルクτとの間のトルク偏差Δτに基づいて各演算周期におけるγ軸電流指令値Iγ*の増減値(γ軸電流増減値η)を演算するγ軸電流増減値演算部71と、入力されるγ軸電流増減値ηを演算周期毎に積算する積算制御部72とを備えている。
本実施形態のγ軸電流増減値演算部71は、トルク偏差Δτとγ軸電流増減値ηが関連付けられた二つのマップ(71a,71b)を備えている。具体的には、第1マップ71aは、目標操舵トルクτ*の符号(方向)が「正である場合(τ*>0)」に対応して形成される一方、第2マップ71bは、目標操舵トルクτ*の符号が「負である場合(τ*<0)」に対応して形成されている。尚、目標操舵トルクτ*が「0」である場合には、その直前の符号が用いられる。そして、γ軸電流増減値演算部71は、入力される目標操舵トルクτ*の符号に応じて参照するマップを切り替えつつ、そのトルク偏差Δτに基づいて、各演算周期におけるγ軸電流増減値ηを演算する。
即ち、目標操舵トルクτ*が「正の値」である場合にトルク偏差Δτが「正の値」、又は目標操舵トルクτ*の符号が「負の値」である場合にトルク偏差Δτが「負の値」にある状態は、モータ12が発生すべき目標トルクに対して実トルクが「不足」していることを示している。一方、目標操舵トルクτ*が「正の値」である場合にトルク偏差Δτが「負の値」、又は目標操舵トルクτ*の符号が「負の値」である場合にトルク偏差Δτが「正の値」にある状態は、モータ12が発生すべき目標トルクに対して実トルクが「過剰」であることを示している。そして、本実施形態のγ軸電流増減値演算部71は、そのトルク偏差Δτに示されるモータ12が発生すべき目標トルクに対する実トルクの過不足に基づいて、各演算周期におけるγ軸電流増減値ηを演算する。
一方、本実施形態の積算制御部72は、前回の演算周期における制御出力、即ちγ軸電流指令値Iγ*の前回値を記憶領域(図示略)に保持する。そして、積算制御部72は、入力されるγ軸電流増減値ηを当該前回値に加算することにより新たなγ軸電流指令値Iγ*を演算するとともに、当該新たなγ軸電流指令値Iγ*によって、その記憶領域に保持する前回値を更新する。
そして、本実施形態の電流指令値演算部61は、この積算制御部72の制御出力、即ちγ軸電流増減値ηの積算値をγ軸電流指令値Iγ*とする構成になっている。
図4に示すように、このようにして電流指令値演算部61により演算されたγ軸電流指令値Iγ*は、上記γ軸電流値Iγとともに、その対応する減算器74aに入力される。同様に、δ軸電流指令値Iδ*もまた、δ軸電流値Iδとともに、その対応する減算器74bに入力される。尚、本実施形態では、δ軸電流指令値Iδ*は「0」に固定される(Iδ*=0)。そして、これら各減算器74a,74bにおいて演算される電流偏差ΔIγ,ΔIδは、それぞれ、その対応する各F/B制御部75a,75bに入力される。
次に、各F/B制御部75a,75bは、その電流偏差ΔIγ,ΔIδ及び所定のフィードバックゲイン(比例:P、積分:I)に基づくフィードバック制御演算を実行することにより、γ/δ座標系の電圧指令値であるγ軸電圧指令値Vγ*及びδ軸電圧指令値Vδ*を演算する。尚、これら各F/B制御部75a,75bの実行するフィードバック制御演算の態様については、上記第1制御部25側の各F/B制御部34d,34qと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
更に、これらのγ軸電圧指令値Vγ*及びδ軸電圧指令値Vδ*は、2相/3相変換部76において、三相(U,V,W)の交流座標上に写像される。そして、第2制御部26は、この2相/3相変換部76において生成された相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を、上記PWM変換部27に出力する構成となっている。尚、このように、第2制御部26が実行するレゾルバレス制御の原理についての詳細は、例えば、上記特許文献1等の記載を参照されたい。
また、図2に示すように、本実施形態のマイコン17は、上記モータレゾルバ23により検出される上記回転角θmの異常を検出する回転角異常検出部78を備えている。具体的には、本実施形態の回転角異常検出部78は、そのモータレゾルバ23が出力する正弦信号S_sin及び余弦信号S_cosの二乗和が適正範囲内にあるか否かを判定する。そして、その判定結果に基づいて、モータ12の実回転角として回転角θmの異常を検出する。尚、このような回転角異常検出の詳細については、例えば、特開2006−177750号公報等の記載を参照されたい。
更に、本実施形態では、この回転角異常検出部78による異常検出の結果は、回転角異常検出信号S_rsfとして上記モータ制御部24に入力される。そして、本実施形態のモータ制御部24は、回転角θmに異常のない場合には、上記第1制御部25が演算する相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいてモータ制御信号を出力し、回転角θmに異常が生じた場合には、上記第2制御部26が演算する相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**に基づいて、そのモータ制御信号の出力を実行する。
即ち、第2制御部26は、モータ12の実回転角であるモータレゾルバ23により検出される回転角θmを用いることなく、制御上の仮想的なモータ回転角である制御角θcを用いて、その相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を演算する。そして、本実施形態のECU11は、その第2制御部26が演算する相電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**に基づいてモータ制御信号を生成することにより、回転角θmに異常が検出された後においても、安定的に、そのモータ制御を継続することが可能となっている。
(トルクフィードバックゲイン可変制御)
図4に示すように、本実施形態の加算角演算部41には、F/Bゲイン可変制御部80が設けられている。そして、上記F/B制御部47は、このF/Bゲイン可変制御部80が演算するゲイン(フィードバックゲイン)に基づいて、そのトルクフィードバック制御を実行する。
詳述すると、F/Bゲイン可変制御部80は、その比例成分の演算に用いる比例ゲイン(Kp_t)及び積分成分の演算に用いる積分ゲイン(Ki_t)の組合せを、フィードバックゲイン(セット)としてF/B制御部47に出力する。そして、本実施形態のF/Bゲイン可変制御部80は、上記加算角調整演算部58における加算角θaの演算モードに応じた二種類の異なるフィードバックゲインK1,K2を演算する。
本実施形態では、F/Bゲイン可変制御部80には、回転角速度推定演算部50において演算された誘起電圧二乗和Esq_αβが入力されるようになっている。そして、F/Bゲイン可変制御部80は、加算角調整演算部58と同様に、その誘起電圧二乗和Esq_αβを上記閾値E0と比較することにより、加算角θaの演算モードを判定する。
即ち、図9のフローチャートに示すように、F/Bゲイン可変制御部80は、誘起電圧二乗和Esq_αβが閾値E0を超えるか否かを判定する(ステップ301)。そして、閾値E0を超える場合(Esq_αβ>E0、ステップ301:YES)には、加算角θaの演算モードが、トルク偏差Δτに基づく第1変化成分dθτを推定モータ回転角速度ωm_eにより補正した値を加算角θaとする「第2の演算モード」であると判定し、フィードバックゲインK2を演算する(ステップ302)。
一方、誘起電圧二乗和Esq_αβが閾値E0以下である場合(Esq_αβ≦E0、ステップ301:NO)には、加算角θaの演算モードが、トルク偏差Δτに基づく第1変化成分dθτを加算角θaとする「第1の演算モード」であると判定する。そして、F/Bゲイン可変制御部80は、この第1の演算モードにおいては、上記第2の演算モードに用いるフィードバックゲインK2との比較において、より応答性が高くなるようなフィードバックゲインK1を演算する(K1>K2、ステップ303)。
具体的には、上記二つのフィードバックゲインK1,K2を比較すると、第1の演算モードに用いるフィードバックゲインK1では、その積分ゲイン(Ki_t)が、第2の演算モードに用いるフィードバックゲインK2のものよりも高く設定されている。尚、本実施形態では、二つのフィードバックゲインK1,K2ともに、その比例ゲイン(Kp_t)の値は等しく設定されている。そして、本実施形態では、これによりトルクフィードバック制御の応答性を最適化することによって、静粛性を確保しつつ、安定的にレゾルバレス制御を実行することが可能となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)F/B制御部47は、F/Bゲイン可変制御部80が演算するフィードバックゲインを用いて、トルク偏差Δτに基づくトルクフィードバック制御を実行することにより第1変化成分dθτを演算する。また、F/Bゲイン可変制御部80は、第1変化成分dθτを加算角θaとする「第1の演算モード」、及び第1変化成分dθτを推定モータ回転角速度ωm_eにより補正した値を加算角θaとする「第2の演算モード」の各演算モードに応じて、二種類の異なるフィードバックゲインK1,K2を演算する。そして、第1の演算モードに用いるフィードバックゲインK1は、第2の演算モードに用いるフィードバックゲインK2との比較において、より応答性が高くなるように設定される。
上記構成によれば、トルク偏差が小さくなる第2モードにおいては、過剰応答による自励振動の発生を抑制するとともに、大きなトルク偏差が発生しやすい第1モードにおいては、その応答性を高めて追従性の向上を図ることができる。そして、モータ12のロータを制御角に応じた回転位置に保持することが可能な範囲、即ち所謂「ロータを連れ回すことが可能な範囲」を超えて、その制御角と実回転角との乖離が拡大するような状態(制御角逸脱状態)になった場合についても、迅速な回復を図ることができる。その結果、推定モータ回転角速度ωm_eを用いた補正の有無に関わらず、静粛性を確保しつつ、より安定的にレゾルバレス制御を実行することができる。
(2)加算角調整演算部58は、第2の演算モードにおいては、トルク偏差Δτに基づく第1変化成分dθτと推定モータ回転角速度ωm_eに基づく第2変化成分dθωとの加算値を加算角θaとする(θa=dθω+dθτ)。
即ち、一演算周期を基本単位とするモータ回転角速度は、その一演算周期あたりのモータ回転角変化量と等価的な意味を有する。このため、上記構成における第1変化成分dθτの位置付けは、モータ回転角速度変化に対応するものとなり、故に、その値に大きな変動は生じ難くなる。従って、このような構成について、上記(1)の発明を適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、本発明を所謂コラム型の電動パワーステアリング装置(EPS)1に具体化した。しかし、これに限らず、所謂ピニオン型やラックアシスト型等のEPSに適用してもよい。
・また、本発明は、EPS以外の用途に用いられるモータ制御装置に適用してもよい。例えば、伝達比可変装置のような電動アクチュエータを備えた車両用操舵装置に具体化するとよい。尚、上記実施形態では、目標操舵トルクτ*と実際の操舵トルクτとの間のトルク偏差Δτを、「モータが発生すべき目標トルクと実トルクとの間のトルク偏差」として用いることとしたが、EPS以外の用途に適用する場合には、実際の「目標トルクと実トルクとの間のトルク偏差」を用いるとよい。
・上記実施形態では、第1の演算モードに用いるフィードバックゲインK1では、その積分ゲイン(Ki_t)が、第2の演算モードに用いるフィードバックゲインK2のものよりも高く設定されることとした。しかし、これに限らず、比例ゲイン(Kp_t)についても同様に、第1の演算モードに用いるフィードバックゲインK1の方を、第2の演算モードに用いるフィードバックゲインK2のものよりも高く設定してもよい。また、比例ゲイン(Kp_t)のみについて、二つのフィードバックゲインK1,K2間で異なる設定をしてもよい。
・上記実施形態では、F/B制御部47は、そのトルクフィードバック制御として、PI制御(比例:P、積分:I)を行うこととした。しかし、これに限らず、例えばPID制御のように微分制御(D)を行うものについて、その微分ゲイン(Kd_t)を可変する構成としてもよい。そして、この場合もまた、その他、比例ゲイン(Kp_t)や積分ゲイン(Ki_t)の可変を任意に組み合わせてもよい。
・上記実施形態では、F/Bゲイン可変制御部80は、加算角調整演算部58と同様に、その誘起電圧二乗和Esq_αβを上記閾値E0と比較することにより、加算角θaの演算モードを判定することとした。しかし、これに限らず、例えば、加算角調整演算部58が演算モードを示す信号を出力する等、その他の構成としてもよい。
・上記実施形態では、第2の演算モードにおいては、トルク偏差Δτに基づく第1変化成分dθτと推定モータ回転角速度ωm_eに基づく第2変化成分dθωとの加算値を加算角θaとすることとした(θa=dθω+dθτ)。しかし、これに限らず、推定モータ回転角速度ωm_eを用いた補正の方法については、必ずしもこれに限るものではない。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記モータ制御信号出力手段は、前記第2モードにおいては、前記トルクフィードバック制御の実行により得られる第1変化成分と推定モータ回転角速度に基づく第2変化成分との加算値を前記加算角として演算すること、を要旨とする。
即ち、一演算周期を基本単位とするモータ回転角速度は、その一演算周期あたりのモータ回転角変化量と等価的な意味を有する。このため、上記構成における第1変化成分の位置付けは、モータ回転角速度変化に対応するものとなり、故に、その値に大きな変動は生じ難くなる。従って、このような構成について、請求項1の発明を適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
(ロ) 請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置を備えた車両用操舵装置。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、10…EPSアクチュエータ、11…ECU、12…モータ、12u,12v,12w…モータコイル、14…トルクセンサ、15…車速センサ、16…ステアリングセンサ、17…マイコン、18…駆動回路、21…電流センサ、23…モータレゾルバ、24…モータ制御部、25…第1制御部、26…第2制御部、27…PWM変換部、41…加算角演算部、42…制御角演算部、45…目標操舵トルク演算部、46…減算器、47…F/B制御部、50…回転角速度推定演算部、52…相電圧演算部、53…α/β変換部、54…外乱オブザーバ、58…加算角調整演算部、60…γ/δ変換部、61…電流指令値演算部、71…γ軸電流増減値演算部、75a,75b…F/B制御部、76…2相/3相変換部、78…回転角異常検出部、Iu,Iv,Iw…相電流値、θm…回転角、Id…d軸電流値、Iq…q軸電流値、Id*…d軸電流指令値、Iq*…q軸電流指令値、ΔId,ΔIq…電流偏差、Vu*,Vv*,Vw*…相電圧指令値、τ…操舵トルク、τ*…目標操舵トルク、Δτ…トルク偏差、η…γ軸電流増減値、dθτ…第1変化成分、Iα…α軸電流値、Iβ…β軸電流値、Vα…α軸電圧値、Vβ…β軸電圧値、Eα,Eβ…誘起電圧、Eα_e,Eβ_e…誘起電圧推定値、Esq_αβ…誘起電圧二乗和、E0…閾値、ωm_e…推定モータ回転角速度、dθω…第2変化成分、θa…加算角、θc…制御角、Iγ…γ軸電流値、Iδ…δ軸電流値、Iγ*…γ軸電流指令値、Iδ*…δ軸電流指令値、ΔIγ,ΔIδ…電流偏差、Vu**,Vv**,Vw**…相電圧指令値、θs…操舵角、V…車速、K1,K2…フィードバックゲイン、S_rsf…回転角異常検出信号。

Claims (3)

  1. モータ制御信号を出力するモータ制御信号出力手段と、前記モータ制御信号に基づいて三相の駆動電力をモータに供給する駆動回路とを備え、前記モータ制御信号出力手段は、演算周期毎のモータ回転角変化量に相当する加算角を演算し、該加算角を積算することにより得られる制御上のモータ回転角に従う回転座標系において電流制御を実行することにより、前記モータ制御信号を出力するとともに、前記モータが発生すべき目標トルクと実トルクとの間のトルク偏差に基づいてトルクフィードバック制御を実行することにより得られる値を前記加算角とする第1の演算モードと、前記トルクフィードバック制御の実行により得られる値を推定モータ回転角速度に基づき補正した値を前記加算角とする第2の演算モードと、を備えたモータ制御装置において、
    前記モータ制御信号出力手段は、前記加算角の演算モードに応じて前記トルクフィードバック制御のゲインを変更すること、を特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記モータ制御信号出力手段は、前記第1の演算モードにおいては、第2の演算モードよりも応答性が高くなるように、前記ゲインを変更すること、
    を特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置。
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