[実施の形態1]
第1の実施の形態に係るシステムの概要を図1に示す。図1の例では、例えばインターネットであるネットワーク5に、HEMS1と、BEMS3と、EMSサービスプロバイダ7とが接続されている。EMSサービスプロバイダ7は、ネットワーク5を介してHEMS1及びBEMS3からセンサデータを収集し、収集したセンサデータに対して分析処理等を行う。
HEMS1は、家庭におけるエネルギーの管理を行うためのシステムである。HEMS1は、センサ12と、例えば家電である機器11と、ホームゲートウェイ13とを含む。機器12は、例えばECHONETやUPnP(Universal Plug and Play)により家庭内ネットワークを介してホームゲートウェイ13に接続され、遠隔操作等により動作を制御される。センサ11は、例えばZigBeeによりホームゲートウェイ13に接続されており、取得したセンサデータをホームゲートウェイ13に送信する。ホームゲートウェイ13は、センサから受信したセンサデータをEMSサービスプロバイダ7に送信する。
BEMS3は、企業におけるエネルギーの管理を行うためのシステムである。BEMS3は、センサ32と、例えば空調や照明である機器31と、ゲートウェイ33とを含む。機器31は、例えばBACnet(Building Automation and Control Networking protocol)により企業内ネットワークを介してゲートウェイ33に接続され、遠隔操作等により動作を制御される。センサ31は、例えばZigBeeによりゲートウェイ33に接続されており、取得したセンサデータをゲートウェイ33に送信する。ゲートウェイ33は、センサから受信したセンサデータをEMSサービスプロバイダ7に送信する。
図2に、図1に示したホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33の機能ブロック図を示す。図2の例では、ホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33は、ネットワークインタフェース100と、判断部106及び追加部107を含む検出部101と、第1影響特定部108及び第2影響特定部109を含む制御部102と、判定部103と、品質データ格納部104と、判定データ格納部105とを含む。
ネットワークインタフェース100は、センサ12及びセンサ32やEMSサービスプロバイダ7との通信を行う。判断部106は、ネットワークインタフェース100から受け取ったセンサデータの送信元のセンサの通信が許可されているかを判断する処理等を行う。追加部107は、品質データ格納部104及び判定データ格納部105に格納されているデータを用いて、後述するセンサ追加処理を行う。第1影響特定部108は、品質データ格納部104及び判定データ格納部105に格納されているデータを用いて、後述する追加センサ対応処理を行う。第2影響特定部109は、品質データ格納部104及び判定データ格納部105に格納されているデータを用いて、後述する既存センサ対応処理を行う。判定部103は、品質データ格納部104及び判定データ格納部105に格納されているデータを用いて、後述する判定処理等を行う。
図3に、品質データ格納部104に格納されている品質テーブルの一例を示す。図3の例では、センサIDと、センサデータの受信時刻及び転送時間と、通信の許可に関する情報とが格納されるようになっている。受信時刻は、所定の基準時(例えばシステムの起動時)からの経過時間で表される。なお、以下でも述べるが、本実施の形態においてはセンサデータに含まれるタイムスタンプにより特定される送信時刻と、受信時刻との差を転送時間としているため、センサ間での正確な時刻合わせは不要である。
図4に、判定データ格納部105に格納されている判定テーブルの一例を示す。図4の例では、追加センサのセンサIDと、既存センサのセンサIDと、センサ追加前の転送時間及びセンサ追加後の転送時間と、指標tとが格納されるようになっている。本実施の形態において、指標tは、センサ追加前の転送時間を第1の標本集団、センサ追加後の転送時間を第2の標本集団とした場合における、標本集団の有意差を検定する指標となる値である。一般に、指標tは、2つの標本の大きさをm及びn、平均をXバー(Xの上にハイフン)及びYバー(Yの上にハイフン)、分散をSx 2及びSy 2とすると、以下の式で求めることができる。
なお、図3及び図4の例では、最新10件分の受信時刻及び転送時間が登録されるようになっているが、数に限定は無い。
次に、図5乃至図10を用いて、図1に示したホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33の動作について説明する。まず、ネットワークインタフェース100は、センサID及び送信時刻を含むセンサデータをセンサ(ここではセンサAとする)から受信し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(図5:ステップS1)。送信時刻は、例えばタイムスタンプにより特定される。
そして、検出部101における判断部106は、センサAのデータが品質テーブル(図3)に登録済みであるか判断する(ステップS3)。ここでは、センサAのセンサIDが品質テーブルにおけるセンサIDの列に登録されているかを判断する。
センサAのデータが品質テーブルに登録済みではないと判断された場合(ステップS3:Noルート)、検出部101における追加部107は、センサ追加処理を実施する(ステップS5)。センサ追加処理については、図6を用いて説明する。
まず、追加部107は、センサAのセンサIDを品質テーブルにおけるセンサIDの列に登録すると共に、通信許可の列に「判定中」を登録する(図6:ステップS21)。
そして、追加部107は、センサAのセンサIDを判定テーブル(図4)の追加センサIDの列に登録する(ステップS23)。
そして、追加部107は、既存センサのセンサID及び転送時間を品質テーブルから抽出する(ステップS25)。既存センサとは、既に通信が許可されているセンサである。図3の例では、センサIDが「1」であるセンサ及びセンサIDが「2」であるセンサである。なお、抽出される転送時間は、品質テーブルに登録されている転送時間の一部であってもよい。
そして、追加部107は、ステップS25において抽出した既存センサのセンサIDを、ステップS21において登録したセンサAのセンサIDに対応付けて、判定テーブルの既存センサIDの列に登録する(ステップS27)。ステップS25において抽出されたセンサIDが複数あれば、複数の既存センサIDを登録する。
そして、追加部107は、ステップS25において抽出された転送時間を、判定テーブルにおける、センサ追加前の転送時間の領域に登録する(ステップS29)。そして元の処理に戻る。
このような処理を実施することにより、新たにセンサが追加された場合に、当該センサの通信を許可できるかを判定できるようになる。
図5の説明に戻り、センサAのデータが品質テーブルに登録済みであると判断された場合(ステップS3:Yesルート)、判断部106は、センサAの通信が許可されているかを品質テーブルを用いて判断する(ステップS7)。センサAの通信が許可されていないと判断された場合(ステップS7:Noルート)、制御部102における第1影響特定部108は、追加センサ対応処理を実施する(ステップS9)。追加センサ対応処理については、図7を用いて説明する。
まず、第1影響特定部108は、センサデータの受信時刻を計時部(図示せず)等から取得する(図7:ステップS31)。ここでは、受信時刻がt1aであるとする。
そして、第1影響特定部108は、t1aより所定時間(ここではTとする)前の時刻(ここではt2とする)と、t1aより2T前の時刻(ここではt3とする)とを計算する(ステップS33)。
そして、第1影響特定部108は、品質テーブルを用いて、t3からt1aまでの間に他の追加センサ(すなわち、センサA以外の追加センサ)からセンサデータを受信したかを判断する(ステップS35)。ステップS35においては、通信許可の列が「判定中」であるセンサから、t3からt1aまでの間にセンサデータを受信したかを判断する。
t3からt1aまでの間に他の追加センサからセンサデータを受信している場合には、既存センサのセンサデータの転送時間は、当該他の追加センサからのセンサデータによる影響を受けている可能性がある。そのため、たとえ既存センサの通信品質が劣化していることが検出されたとしても、センサAのセンサデータの影響によるものなのか、センサAとは異なる他のセンサのセンサデータの影響によるものなのかを特定することはできない。そのため、ステップS35の処理を行っている。
ステップS35において、t3からt1aまでの間に他の追加センサからセンサデータを受信した場合(ステップS35:Yesルート)、元の処理に戻る。
一方、t3からt1aまでの他の追加センサからセンサデータを受信していない場合(ステップS35:Noルート)、第1影響特定部108は、品質テーブルを用いて、t2からt1aまでの間に既存センサからセンサデータを受信したかを判断する(ステップS37)。ステップS37においては、通信許可の列が「許可」であるセンサから、t2からt1aまでの間にセンサデータを受信したかを判断する。なお、ステップS37において特定される既存センサは複数である場合もある。
t2からt1aまでの間に既存センサからセンサデータを受信していないと判断された場合(ステップS37:Noルート)、センサAからのセンサデータによって影響を受けた既存センサのセンサデータは無いため、元の処理に戻る。
一方、t2からt1aまでの間に既存センサからセンサデータを受信したと判断された場合(ステップS37:Yesルート)、第1影響特定部108は、ステップS37において特定されたセンサデータの転送時間を、判定テーブルにおけるセンサ追加後の転送時間の領域に登録する(ステップS39)。ここでは、追加センサIDの列にセンサAのセンサIDが登録されており、且つ既存センサIDの列にステップS37で特定されたセンサのセンサIDが登録されている行において、センサ追加後の転送時間の領域に転送時間を追加する。そして元の処理に戻る。
このような処理を実施することにより、追加センサのセンサデータの受信時刻から当該受信時刻のT前までの間に受信した既存センサのセンサデータの転送時間を特定できる。
図5の説明に戻り、センサAの通信が許可されていると判断された場合(ステップS7)、制御部102における第2影響特定部109は、既存センサ対応処理を実施する(ステップS11)。既存センサ対応処理については、図8を用いて説明する。
まず、第2影響特定部109は、センサデータの受信時刻を計時部(図示せず)等から取得する(図8:ステップS41)。ここでは、受信時刻がt1bであるとする。
そして、第2影響特定部109は、t1bより所定時間(ここではTとする)前の時刻(ここではt4とする)を計算する(ステップS43)。
そして、t4からt1bまでの間に追加センサからセンサデータを受信したか判断する(ステップS45)。ステップS45においては、通信許可の列が「判定中」であるセンサから、t4からt1bまでの間にセンサデータを受信したかを判断する。
t4からt1bまでの間に追加センサからセンサデータを受信していないと判断された場合(ステップS45:Noルート)、センサAのセンサデータは追加センサのセンサデータによる影響を受けていないため、元の処理に戻る。
一方、t4からt1bまでの間に追加センサからセンサデータを受信したと判断された場合(ステップS45:Yesルート)、第2影響特定部109は、t4からt1bまでの間に複数の追加センサからセンサデータを受信したか判断する(ステップS47)。
複数の追加センサからセンサデータを受信したと判断された場合(ステップS47:Yesルート)、いずれの追加センサからの影響を受けているか特定することができないので、元の処理に戻る。
一方、複数の追加センサからセンサデータを受信していないと判断された場合(ステップS47:Noルート)、第2影響特定部109は、センサAのセンサデータの転送時間を計算し、判定テーブルにおけるセンサ追加後の転送時間の領域に登録する(ステップS49)。ここでは、追加センサIDの列にステップS45で特定されたセンサのセンサIDが登録されており、且つ既存センサIDの列にセンサAのセンサIDが登録されている行において、センサ追加後の転送時間の領域に転送時間を追加する。そして元の処理に戻る。
追加センサからセンサデータを受信した時点においては、当該センサデータの受信時刻よりT後までの間に受信する既存センサからのセンサデータを特定することはできない。そこで、上で述べたように、既存センサからセンサデータを受信した際に、当該センサデータの受信時刻よりT前までの間に受信した追加センサからのセンサデータを特定する。これにより、実質的に、追加センサからのセンサデータを受信した時刻よりT後までの間に受信した既存センサのセンサデータを特定できるようになる。
ここで、上で述べた追加センサ対応処理(S9)及び既存センサ対応処理(S11)について、図9を用いてより具体的に説明する。
まず、追加センサ対応処理について説明する。ここでは、時刻t1aに追加センサ1からセンサデータd3を受信した場合を考える。センサデータd3の影響範囲には、既存センサ2から受信したセンサデータd2が含まれているため、センサデータd2はセンサデータd3の影響を受ける。ここで、追加センサ2からもセンサデータd1を受信しているため、センサデータd2がセンサデータd1の影響を受けるかが問題となる。しかし、センサデータd1は時刻t3より前の時刻に受信したセンサデータであるため、センサデータd2の転送時間に影響を与えることはない。従って、センサデータd2はセンサデータd3のみから影響を受けるため、判定処理の対象となる。
次に、既存センサ対応処理について説明する。ここでは、時刻t1bに既存センサ1からセンサデータd5を受信した場合を考える。t1bよりT前であるt4からt1bまでの間には、追加センサ2からセンサデータd4を受信している。ここで、t4からt1bまでの間には、d4以外に追加センサから受信したセンサデータは無い。従って、センサデータd5はセンサデータd4のみから影響を受けるため、判定処理の対象となる。一方、既存センサ2から受信したセンサデータd6は、センサデータd4の影響範囲には含まれていないため、センサデータd4の影響を受けず、判定処理の対象外となる。
また、既存センサ2から受信したセンサデータd8は、追加センサ1から受信したセンサデータd7の影響範囲に含まれており、センサデータd7の影響を受けるため、判定処理の対象となるようにも思える。しかし、センサデータd8は、追加センサ2から受信したセンサデータd9の影響範囲にも含まれている。この場合、センサデータd8は、センサデータd7及びセンサデータd9のいずれの影響を受けているかが明らかではないので、判定処理の対象とはならない。また、既存センサ2から受信したセンサデータd10については、センサデータd7及びセンサデータd9のいずれの影響範囲にも含まれないので、判定処理の対象とはならない。
図5の説明に戻り、判定部103は、ステップS9又はS11において判定テーブルのセンサ追加後の転送時間の領域にデータが登録されたかを判断する(ステップS13)。データが登録されていないと判断された場合(ステップS13:Noルート)、判定処理を行わなくてもよいので、ステップS17に移行する。一方、データが登録されたと判断された場合(ステップS13:Yesルート)、判定部103は、判定処理を実施する(ステップS15)。判定処理については、図10を用いて説明する。
まず、判定部103は、ステップS9又はS11においてセンサ追加後の転送時間が登録された行について、センサ追加後の転送時間の登録件数を取得する(図10:ステップS51)。
そして、判定部103は、ステップS51において取得された登録件数が所定数以上であるか判断する(ステップS53)。登録件数が所定数以上ではないと判断された場合(ステップS53:Noルート)、十分な精度でt検定を行うことはできないため、元の処理に戻る。
一方、登録件数が所定数以上であると判断された場合(ステップS53:Yesルート)、判定部103は、センサ追加前の転送時間を第1の標本集団、センサ追加後の転送時間を第2の標本集団としてt検定のための指標tを算出し、判定テーブルに登録する(ステップS55)。
そして、判定部103は、指標tが所定値より大きいか判断する(ステップS57)。本実施の形態では登録件数が10であるから、例えば自由度18、有意水準5%のt境界値2.1より大きいか判断する。但し、2.1に限られるわけではない。
指標tが所定値より大きいと判断された場合(ステップS57:Yesルート)、判定部103は、追加センサに対する送信停止要求をネットワークインタフェース100に送信させる(ステップS59)。ステップS59においては、指標tに係る追加センサに対し、送信停止要求を送信する。なお、センサの停止には例えばSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いればよい。例えば、センサに定義されている特定のオブジェクトを所定の値にすることでセンサの通信を停止させる。また、通信制御用のオブジェクトを独自に定義したセンサを用いて、そのオブジェクトを制御することでセンサ通信を停止させるようにしてもよい。
そして、判定部103は、送信停止要求の送信先の追加センサについてのデータを判定テーブルから削除する(ステップS61)。また、判定部103は、品質テーブルにおいて、当該追加センサの通信許可の列に「拒否」を登録する(ステップS63)。そして元の処理に戻る。
一方、指標tが所定値以下であると判断された場合(ステップS57:Noルート)、判定部103は、同じ追加センサについての、他のいずれの既存センサについても指標tを算出済みであるか判断する(ステップS65)。指標tを算出済みでない既存センサがある場合(ステップS65:Noルート)、元の処理に戻る。当該既存センサについて指標tを算出し、通信品質が劣化していないことを確認するためである。
一方、他のいずれの既存センサについても指標tが算出済みである場合(ステップS65:Yesルート)、判定部103は、指標tに係る追加センサのデータを判定テーブルから削除する(ステップS67)。また、判定部103は、品質テーブルにおいて、当該追加センサの通信許可の列に「許可」を登録する(ステップS69)。当該追加センサによっては既存センサの通信品質が劣化しないことが確認されたからである。そして元の処理に戻る。
このような処理を実施することにより、通信品質の劣化を検出することができるようになる。
図5の説明に戻り、制御部102は、センサAから受信したセンサデータの転送時間を計算し、センサAについて受信時刻及び転送時間を品質テーブルに登録する(ステップS17)。転送時間は、センサデータに含まれるタイムスタンプにより特定される送信時刻と、センサデータの受信時刻との差により求める。そして処理を終了する。
以上のような処理を実施することにより、既存センサの通信品質を劣化させることなく、センサを追加することができるようになる。
また、上で述べたような構成であれば、多数のセンサを一括で追加したとしても、その追加によって既存センサの通信品質が劣化しないかを適切に判断することができる。そのため、1つずつセンサを追加しながら問題が無いかを確認していくよりも、短時間で多数のセンサを追加することができるようになる。
さらに、本実施の形態の処理は、センサ側に特殊な機能を持たせなくても、ホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33への機能の追加だけで実現することができるようになっている。
[実施の形態2]
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、ステップS25において抽出した転送時間、すなわち実際にセンサを追加する前の転送時間を、追加センサのセンサデータの影響を受けていないセンサデータの転送時間として利用していた。第2の実施の形態では、センサの追加後であっても、追加センサのセンサデータの影響を受けていないと推定されるセンサデータの転送時間であれば処理に利用する。
第2の実施の形態に係るシステム概要は第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。また、ホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33の機能ブロック図も第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
図11に、第2の実施の形態における判定テーブルの一例を示す。図11の例では、追加センサのセンサIDと、既存センサのセンサIDと、センサ追加前の転送時間及びセンサ追加後の転送時間と、最終チェック時刻と、指標tとが格納されるようになっている。第2の実施の形態における判定テーブルは、最終チェック時刻の列が設けられている点で第1の実施の形態における判定テーブルとは異なっている。
次に、第2の実施の形態におけるホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33の動作について図12乃至図15を用いて説明する。但し、メインの処理、センサ追加処理及び判定処理については第1の実施の形態の処理と同じであるので、説明を省略する。
はじめに、第2の実施の形態における追加センサ対応処理について図12及び図13を用いて説明する。まず、制御部102における第1影響特定部108は、センサデータの受信時刻を計時部(図示せず)等から取得する(図12:ステップS71)。ここでは、受信時刻がt1aであるとする。
そして、第1影響特定部108は、t1aより所定時間(ここではTとする)前の時刻(ここではt2とする)と、t1aより2T前の時刻(ここではt3とする)とを計算する(ステップS73)。
そして、第1影響特定部108は、品質テーブルを用いて、t3からt1aまでの間に他の追加センサ(すなわち、センサA以外の追加センサ)からセンサデータを受信したかを判断する(ステップS75)。ステップS75においては、通信許可の列が「判定中」であるセンサから、t3からt1aまでの間にセンサデータを受信したかを判断する。
t3からt1aまでの間に他の追加センサからセンサデータを受信している場合には、既存センサのセンサデータの転送時間は、当該他の追加センサからのセンサデータによる影響を受けている可能性がある。そのため、たとえ既存センサの通信品質が劣化していることが検出されたとしても、センサAのセンサデータの影響によるものなのか、センサAとは異なる他のセンサのセンサデータの影響によるものなのかを特定することはできない。そのため、ステップS75の処理を行っている。
ステップS75において、t3からt1aまでの間に他の追加センサからセンサデータを受信した場合(ステップS75:Yesルート)、処理は端子Bを介して図13のステップS87に移行する。
一方、t3からt1aまでの間に他の追加センサからセンサデータを受信していない場合(ステップS75:Noルート)、第1影響特定部108は、品質テーブルを用いて、t2からt1aまでの間に既存センサからセンサデータを受信したかを判断する(ステップS77)。ステップS77においては、通信許可の列が「許可」であるセンサから、t2からt1aまでの間にセンサデータを受信したかを判断する。なお、ステップS77において特定される既存センサは複数である場合もある。
t2からt1aまでの間に既存センサからセンサデータを受信していないと判断された場合(ステップS77:Noルート)、センサAからのセンサデータによって影響を受けた既存センサのセンサデータは無いため、処理は端子Bを介して図13のステップS87に移行する。
一方、t2からt1aまでの間に既存センサからセンサデータを受信したと判断された場合(ステップS77:Yesルート)、第1影響特定部108は、ステップS77において特定されたセンサデータの転送時間を、判定テーブルにおけるセンサ追加後の転送時間の領域に登録する(ステップS79)。ここでは、追加センサIDの列にセンサAのセンサIDが登録されており、且つ既存センサIDの列にステップS75で特定されたセンサ(ここではセンサBとする)のセンサIDが登録されている行において、センサ追加後の転送時間の領域に転送時間を追加する。処理は端子Aを介して図13のステップS81に移行する。
図13の説明に移行し、第1影響特定部108は、追加センサがセンサAであり且つ既存センサがセンサBである行の最終チェック時刻(ここではt5とする)を判定テーブルから抽出する(ステップS81)。
そして、第1影響特定部108は、品質テーブルを用いて、t5からt2までの間に既存センサ(センサBを含む)からセンサデータを受信したか判断する(ステップS83)。すなわち、最終チェック時刻から、センサAから受信したセンサデータの影響が及ぶ時刻までの間に、既存センサからセンサデータを受信したか判断する。なお、t5からt2までの間に既存センサから複数回センサデータを受信している場合もある。
t5からt2までの間に既存センサからセンサデータを受信していないと判断された場合(ステップS83:Noルート)、判定処理に利用可能な転送時間は無いので、ステップS87に移行する。
一方、t5からt2までの間に既存センサ(ここではセンサDとする)からセンサデータを受信したと判断された場合(ステップS83:Yesルート)、第1影響特定部108は、ステップS83において特定されたセンサDからのセンサデータの転送時間を、判定テーブルにおける、既存センサがセンサDである行のセンサ追加前の転送時間の領域に追加する(ステップS85)。ここでは、判定テーブルに登録されている全追加センサについての行に転送時間を追加する。
そして、第1影響特定部108は、ステップS85において転送時間を追加した行の最終チェック時刻の列に、t1a+Tを設定する(ステップS87)。そして元の処理に戻る。
このような処理を実施することにより、追加センサからのセンサデータによる影響を受けない既存センサのセンサデータを特定し、当該センサデータの転送時間を判定処理に利用できるようになる。
次に、第2の実施の形態における既存センサ対応処理について図14及び図15を用いて説明する。まず、第2影響特定部109は、センサデータの受信時刻を計時部(図示せず)等から取得する(図14:ステップS91)。ここでは、受信時刻がt1bであるとする。
そして、第2影響特定部109は、t1bより所定時間(ここではTとする)前の時刻(ここではt4とする)を計算する(ステップS93)。
そして、t4からt1bまでの間に追加センサからセンサデータを受信したか判断する(ステップS95)。ステップS95においては、通信許可の列が「判定中」であるセンサから、t4からt1bまでの間にセンサデータを受信したかを判断する。
t4からt1bまでの間に追加センサからセンサデータを受信していないと判断された場合(ステップS95:Noルート)、センサAのセンサデータは追加センサのセンサデータによる影響を受けていないため、処理は端子Dを介して図15のステップS107に移行する。
一方、t4からt1bまでの間に追加センサからセンサデータを受信したと判断された場合(ステップS95:Yesルート)、第2影響特定部109は、t4からt1bまでの間に複数の追加センサからセンサデータを受信したか判断する(ステップS97)。
複数の追加センサからセンサデータを受信したと判断された場合(ステップS97:Yesルート)、いずれの追加センサからの影響を受けているか特定することができないので、処理は端子Dを介して図15のステップS107に移行する。
一方、複数の追加センサからセンサデータを受信していないと判断された場合(ステップS97:Noルート)、第2影響特定部109は、センサAのセンサデータの転送時間を計算し、判定テーブルにおけるセンサ追加後の転送時間の領域に登録する(ステップS99)。ここでは、追加センサIDの列にステップS95で特定されたセンサ(ここではセンサCとする)のセンサIDが登録されており、且つ既存センサIDの列にセンサAのセンサIDが登録されている行において、センサ追加後の転送時間の領域に転送時間を追加する。そして、処理は端子Cを介して図15のステップS101に移行する。
図15の説明に移行し、第2影響特定部109は、追加センサがセンサCであり且つ既存センサがセンサAである行の最終チェック時刻(ここではt5とする)を判定テーブルから抽出する(ステップS101)。
そして、第2影響特定部109は、t5からt4までの間に既存センサ(センサAを含む)からセンサデータを受信したかを判断する(ステップS103)。t5からt4までの間に既存センサからセンサデータを受信していないと判断された場合(ステップS103:Noルート)、判定処理に利用可能な転送時間は無いので、ステップS107に移行する。
一方、t5からt4までの間に既存センサ(ここではセンサDとする)からセンサデータを受信したと判断された場合(ステップS103:Yesルート)、第2影響特定部109は、ステップS103において特定されたセンサDのセンサデータの転送時間を、判定テーブルにおける、既存センサがセンサDである行のセンサ追加前の転送時間の領域に追加する(ステップS105)。ここでは、判定テーブルに登録されている全追加センサについての行に転送時間を追加する。
そして、第2影響特定部109は、ステップS105において転送時間を追加した行の最終チェック時刻の列に、t4を設定する(ステップS107)。そして元の処理に戻る。
このような処理を実施することにより、追加センサからのセンサデータによる影響を受けない既存センサのセンサデータを特定し、当該センサデータの転送時間を判定処理に利用できるようになる。
ここで、上で述べた第2の実施の形態の追加センサ対応処理及び既存センサ対応処理について、図16を用いてより具体的に説明する。なお、追加センサからのセンサデータによる影響を受ける既存センサのセンサデータを特定する処理については第1の実施の形態と同じである。従って、追加センサからのセンサデータによる影響を受けていない既存センサのセンサデータを特定する処理について説明をする。
まず、追加センサ対応処理について説明する。ここでは、時刻t1aに追加センサからセンサデータd3を受信した場合を考える。センサデータd3の影響範囲には、既存センサから受信したセンサデータd2が含まれているため、センサデータd2はセンサデータd3の影響を受ける。従って、センサデータd2の転送時間は、センサ追加後の転送時間として利用される。一方で、センサデータd1は、更新前の最終チェック時刻t5からt2までの間に既存センサから受信したセンサデータであり、センサデータd3の影響を受けない。従って、センサデータd1の転送時間は、センサ追加前の転送時間として利用されることになる。ここで、最終チェック時刻t5は、t1a+Tに設定される。
次に、既存センサ対応処理について説明する。ここでは、時刻t1bに既存センサからセンサデータd5を受信した場合を考える。t1bよりT前をt4とすると、更新後の最終チェック時刻であるt5からt4までの間には、既存センサからセンサデータd4を受信しており、センサデータd4は追加センサからのセンサデータの影響を受けない。従って、センサデータd4の転送時間は、センサ追加前の転送時間として利用されることになる。ここで、最終チェック時刻t5は、t4に設定される。
[実施の形態3]
次に、第3の実施の形態について説明する。第1及び第2の実施の形態では、影響範囲を定めるための時間Tは一定としていた。第3の実施の形態では、センサデータのデータサイズに応じて、時間Tを変更する。
第3の実施の形態に係るシステム概要は第1及び第2の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。また、ホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33の機能ブロック図も第1及び第2の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
図17に、第3の実施の形態における品質テーブルの一例を示す。図17の例では、センサIDと、センサデータの受信時刻及び転送時間と、センサデータのデータサイズと、通信の許可に関する情報とが格納されるようになっている。第3の実施の形態における品質テーブルは、センサデータサイズが格納されるようになっている点で第1及び第2の実施の形態における品質テーブルとは異なっている。
次に、第3の実施の形態におけるホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33の動作について図18乃至図20を用いて説明する。まず、ネットワークインタフェース100は、センサID、送信時刻及びデータサイズを含むセンサデータをセンサ(ここではセンサAとする)から受信し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(図18:ステップS111)。送信時刻は、例えばタイムスタンプにより特定される。
そして、検出部101における判断部106は、センサAのデータが品質テーブル(図17)に登録済みであるか判断する(ステップS113)。ここでは、センサAのセンサIDが品質テーブルにおけるセンサIDの列に登録されているかを判断する。
センサAのデータが品質テーブルに登録済みではないと判断された場合(ステップS113:Noルート)、検出部101における追加部107は、センサ追加処理を実施する(ステップS115)。センサ追加処理については、第1の実施の形態において説明したものと同じであるので、説明を省略する。
一方、センサAのデータが品質テーブルに登録済みであると判断された場合(ステップS113:Yesルート)、判断部106は、センサAの通信が許可されているかを品質テーブルを用いて判断する(ステップS117)。センサAの通信が許可されていないと判断された場合(ステップS117:Noルート)、制御部102における第1影響特定部108は、追加センサ対応処理を実施する(ステップS119)。追加センサ対応処理については、図19を用いて説明する。
まず、第1影響特定部108は、センサデータの受信時刻を計時部(図示せず)等から取得する(図19:ステップS131)。ここでは、受信時刻がt1aであるとする。
そして、第1影響特定部108は、受信したセンサデータのデータサイズに基づき、影響範囲Tを計算する(ステップS133)。影響範囲Tは、例えば、データサイズに所定の定数を乗ずることにより求める。
そして、第1影響特定部108は、t1aよりT前の時刻(ここではt2とする)と、t1aより2T前の時刻(ここではt3とする)とを計算する(ステップS135)。
そして、第1影響特定部108は、品質テーブルを用いて、t3からt1aまでの間に他の追加センサ(すなわち、センサA以外の追加センサ)からセンサデータを受信したかを判断する(ステップS137)。ステップS137においては、通信許可の列が「判定中」であるセンサから、t3からt1aまでの間にセンサデータを受信したかを判断する。ステップS137の処理を行う理由は、第1の実施の形態において説明したとおりである。
ステップS137において、t3からt1aまでの間に他の追加センサからセンサデータを受信した場合(ステップS137:Yesルート)、元の処理に戻る。
一方、t3からt1aまでの他の追加センサからセンサデータを受信していない場合(ステップS137:Noルート)、第1影響特定部108は、品質テーブルを用いて、t2からt1aまでの間に既存センサからセンサデータを受信したかを判断する(ステップS139)。ステップS139においては、通信許可の列が「許可」であるセンサから、t2からt1aまでの間にセンサデータを受信したかを判断する。なお、ステップS139において特定される既存センサは複数である場合もある。
t2からt1aまでの間に既存センサからセンサデータを受信していないと判断された場合(ステップS139:Noルート)、センサAからのセンサデータによって影響を受けた既存センサのセンサデータは無いため、元の処理に戻る。
一方、t2からt1aまでの間に既存センサからセンサデータを受信したと判断された場合(ステップS139:Yesルート)、第1影響特定部108は、ステップS139において特定されたセンサデータの転送時間を、判定テーブルにおけるセンサ追加後の転送時間の領域に登録する(ステップS141)。ここでは、追加センサIDの列にセンサAのセンサIDが登録されており、且つ既存センサIDの列にステップS139で特定されたセンサのセンサIDが登録されている行において、センサ追加後の転送時間の領域に転送時間を追加する。そして元の処理に戻る。
このような処理を実施することにより、追加センサのセンサデータの影響範囲を適切に定めたうえで、当該センサデータの影響を受ける既存センサのセンサデータを特定することができる。
図18の説明に戻り、センサAの通信が許可されていると判断された場合(ステップS117:Yesルート)、制御部102における第2影響特定部109は、既存センサ対応処理を実施する(ステップS121)。既存センサ対応処理については、図20を用いて説明する。
まず、第2影響特定部109は、センサデータの受信時刻を計時部(図示せず)等から取得する(図20:ステップS151)。ここでは、受信時刻がt1bであるとする。
そして、第2影響特定部109は、センサAに対応付けられている追加センサの各々について、センサID、受信時刻(ここではt6とする)及びデータサイズを品質テーブルから抽出する(ステップS153)。ここでは、各追加センサについて抽出する受信時刻及びデータサイズは、最新のものだけであってもよいし、複数件であってもよい。
そして、第2影響特定部109は、ステップS153において抽出された、追加センサのデータサイズに基づき影響範囲Tを計算する(ステップS155)。影響範囲Tの計算方法については、ステップS133の説明で述べたとおりである。
そして、第2影響特定部109は、t1b−t6<Tを満たすセンサデータを送信した追加センサが有るか判断する(ステップS157)。すなわち、センサAのセンサデータの受信時刻を影響範囲内に含むセンサデータを送信した追加センサが有るか判断する。
t1b−t6を満たすセンサデータを送信した追加センサが無いと判断された場合(ステップS157:Noルート)、センサAのセンサデータに影響を及ぼす追加センサのセンサデータは無いため、元の処理に戻る。
一方、t1b−t6を満たすセンサデータを送信した追加センサが有ると判断された場合(ステップS157:Yesルート)、第2影響特定部109は、ステップS157におい特定された追加センサが複数であるか判断する(ステップS159)。
特定された追加センサが複数であると判断された場合(ステップS159:Yesルート)、いずれの追加センサにより影響を受けているかを特定することができないので、元の処理に戻る。
一方、特定された追加センサが1つであると判断された場合(ステップS159:Noルート)、第2影響特定部109は、センサAのセンサデータの転送時間を計算し、判定テーブルにおけるセンサ追加後の転送時間の領域に登録する(ステップS161)。ここでは、追加センサIDの列にステップS157で特定されたセンサのセンサIDが登録されており、且つ既存センサIDの列にセンサAのセンサIDが登録されている行において、センサ追加後の転送時間の領域に転送時間を追加する。そして元の処理に戻る。
このように、追加センサのセンサデータの影響範囲をデータサイズに応じて設定することにより、既存センサからセンサデータを受信した場合において、当該センサデータに影響を及ぼす追加センサのセンサデータを適切に特定できるようになる。
図18の説明に戻り、判定部103は、ステップS119又はS121において判定テーブルのセンサ追加後の転送時間の領域にデータが登録されたかを判断する(ステップS123)。データが登録されていないと判断された場合(ステップS123:Noルート)、判定処理を行わなくてもよいので、ステップS127に移行する。一方、データが登録されたと判断された場合(ステップS123:Yesルート)、判定部103は、判定処理を実施する(ステップS125)。判定処理については、第1の実施の形態において述べたものと同じであるので、説明を省略する。
そして、制御部102は、センサAから受信したセンサデータの転送時間を計算し、センサAについて受信時刻、データサイズ及び転送時間を品質テーブルに登録する(ステップS127)。転送時間は、センサデータに含まれるタイムスタンプにより特定される送信時刻と、センサデータの受信時刻との差により求める。そして処理を終了する。
以上のような処理を実施することにより、センサデータのデータサイズにばらつきが存在するような環境においても、既存センサの通信品質を劣化させることなくセンサを追加することができるようになる。
[実施の形態4]
次に、第4の実施の形態について説明する。第1乃至第3の実施の形態では、センサの通信は、許可する場合及び許可しない場合のいずれかであった。第4の実施の形態では、通信の許可を多段階で行えるようにする。
第4の実施の形態に係るシステム概要は第1乃至第3の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。また、ホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33の機能ブロック図も第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
図21に、第4の実施の形態における品質テーブルの一例を示す。図21の例では、センサIDと、センサデータの受信時刻及び転送時間と、通信の許可に関する情報とが格納されるようになっている。第4の実施の形態における品質テーブルは、通信許可の列に登録される「判定中」の情報が、判定中1、判定中2及び判定中3の3種類存在する。判定中1の場合は32kbps以下の通信が許可され、判定中2の場合は256kbps以下の通信が許可され、判定中3の場合は512kbps以下の通信が許可される。なお、3種類ではなくもっと多くの種類を用意してもよい。
次に、第4の実施の形態におけるホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33の動作について図22乃至図24を用いて説明する。但し、メインの処理、追加センサ対応処理及び既存センサ対応処理については第1の実施の形態の処理と同じであるので、説明を省略する。
はじめに、第4の実施の形態におけるセンサ追加処理について図22を用いて説明する。まず、追加部107は、センサAのセンサIDを品質テーブルにおけるセンサIDの列に登録すると共に、通信許可の列に「判定中1」を登録する(図22:ステップS171)。
そして、追加部107は、センサAに対する帯域制限要求をネットワークインタフェース100に送信させる(ステップS173)。「判定中1」の場合には、32kbps以下で通信することを要求する帯域制限要求を送信させる。
そして、追加部107は、センサAのセンサIDを判定テーブル(図4)の追加センサIDの列に登録する(ステップS175)。
そして、追加部107は、既存センサのセンサID及び転送時間を品質テーブルから抽出する(ステップS177)。また、追加部107は、ステップS177において抽出した既存センサのセンサIDを、ステップS171において登録したセンサAのセンサIDに対応付けて、判定テーブルの既存センサIDの列に登録する(ステップS179)。ステップS177において抽出されたセンサIDが複数あれば、複数の既存センサIDを登録する。
そして、追加部107は、ステップS177において抽出された転送時間を、判定テーブルにおける、センサ追加前の転送時間の領域に登録する(ステップS181)。そして元の処理に戻る。
このように、新たにセンサが追加された場合に、まず狭帯域での通信を許可することで、急激に通信量が増加することによる問題の発生を防止することができるようになる。
次に、第4の実施の形態における判定処理について図23及び図24を用いて説明する。まず、判定部103は、追加センサ対応処理又は既存センサ対応処理においてセンサ追加後の転送時間が登録された行について、センサ追加後の転送時間の登録件数を取得する(図23:ステップS191)。
そして、判定部103は、ステップS191において取得された登録件数が所定数以上であるか判断する(ステップS193)。登録件数が所定数以上ではないと判断された場合(ステップS193:Noルート)、十分な精度でt検定を行うことはできないため、元の処理に戻る。
一方、登録件数が所定数以上であると判断された場合(ステップS193:Yesルート)、判定部103は、センサ追加前の転送時間を第1の標本集団、センサ追加後の転送時間を第2の標本集団としてt検定のための指標tを算出し、判定テーブルに登録する(ステップS195)。
そして、判定部103は、指標tが所定値より大きいか判断する(ステップS197)。本実施の形態では登録件数が10であるから、例えば自由度18、有意水準5%のt境界値2.1より大きいか判断する。但し、2.1に限られるわけではない。
指標tが所定値より大きいと判断された場合(ステップS197:Yesルート)、判定部103は、追加センサに対する送信停止要求をネットワークインタフェース100に送信させる(ステップS199)。ステップS199においては、指標tに係る追加センサに対し、送信停止要求を送信する。
そして、判定部103は、送信停止要求の送信先の追加センサについてのデータを判定テーブルから削除する(ステップ201)。また、判定部103は、品質テーブルにおいて、当該追加センサの通信許可の列に「拒否」を登録する(ステップS203)。そして元の処理に戻る。
一方、指標tが所定値以下であると判断された場合(ステップS197:Noルート)、判定部103は、同じ追加センサについての、他のいずれの既存センサについても指標tを算出済みであるか判断する(ステップS205)。指標tを算出済みでない既存センサがある場合(ステップS205:Noルート)、元の処理に戻る。当該既存センサについて指標tを算出し、通信品質が劣化していないことを確認するためである。
一方、他のいずれの既存センサについても指標tが算出済みである場合(ステップS205:Yesルート)、判定部103は、帯域変更処理を実施する(ステップS207)。帯域変更処理については、図24を用いて説明する。
まず、判定部103は、指標tに係る追加センサの帯域制限を1段階緩和する(図24:ステップS211)。例えば追加センサについての通信許可の列に「判定中1」が登録されている場合には、「判定中2」に変更する。
そして、判定部103は、指標tに係る追加センサに対する帯域設定要求をネットワークインタフェース100に送信させる(ステップS213)。例えばステップS211において通信許可の列を「判定中2」に変更した場合には、256kbps以下で通信することを要求する帯域設定要求を送信させる。
そして、判定部103は、指標tに係る追加センサの通信許可の列が「許可」になったか判断する(ステップS215)。ステップS211において「判定中3」から「許可」に変更されている場合には、ステップS215においてYesであると判断される。
通信許可の列が「許可」になったと判断された場合(ステップS215:Yesルート)、判定部103は、指標tに係る追加センサのデータを判定テーブルから削除する(ステップS217)。当該追加センサによっては既存センサの通信品質が劣化しないことが確認されたからである。
一方、通信許可の列が「許可」になっていないと判断された場合(ステップS215:Noルート)、判定部103は、指標tに係る追加センサのデータのうち、センサ追加後の転送時間及び指標tを判定テーブルから削除する(ステップS219)。そして元の処理に戻る。
以上のような処理を実施することにより、追加センサに対する帯域制限を徐々に緩和することができるようになる。
以上本技術の一実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明したホームゲートウェイ13及びゲートウェイ33の機能ブロック図は必ずしも実際のプログラムモジュール構成に対応するものではない。
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、必ずしも上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
なお、第3の実施の形態では、追加センサのセンサデータのデータサイズのみ用いて影響範囲Tを決定しているが、既存センサのセンサデータのデータサイズをも用いて影響範囲Tを定めるようにしてもよい。その場合、例えばT=(X+Y)*Taにより影響範囲Tを求めることができる。ここで、Xは追加センサのセンサデータのデータサイズであり、Yは既存センサのセンサデータのデータサイズであり、Taは予め定められた定数である。
以上述べた本技術の実施の形態をまとめると以下のようになる。
本実施の形態に係る通信制御装置は、(A)通信が許可されたセンサから受信したセンサデータの転送時間の実績をセンサ毎に格納する品質データ格納部と、(B)センサデータを受信した場合、当該センサデータの送信元である第1のセンサの通信が許可されているか判断する判断部と、(C)第1のセンサの通信が許可されていないと判断された場合、既に通信が許可された第2のセンサから受信したセンサデータの転送時間である第1の転送時間を品質データ格納部から抽出する抽出部と、(D)第1のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内に受信したセンサデータのうち、第2のセンサから受信したセンサデータの転送時間である第2の転送時間を計算する影響特定部と、(E)第1の転送時間と第2の転送時間とを用いて、第2のセンサの通信品質が劣化したか判定し、通信品質が劣化していないと判定した場合に、第1のセンサの通信を許可する判定部とを有する。
このようにすれば、通信が許可された既存のセンサの通信品質を劣化させることなく、センサを追加することができるようになる。
また、上で述べた判定部は、(e1)通信品質が劣化していると判定した場合に、センサデータの送信停止を要求する送信停止要求を第1のセンサに送信するようにしてもよい。このようにすれば、追加するべきではないセンサの通信を停止することができるようになる。
また、上で述べた影響特定部が、(d1)第1のセンサからセンサデータを受信した場合に、当該センサデータの受信時刻から当該受信時刻の所定時間前までの間に受信したセンサデータのうち、第2のセンサから受信したセンサデータの転送時間を品質テーブルから抽出する第1処理部と、(d2)第2のセンサから受信したセンサデータの受信時刻から当該受信時刻の所定時間前までの間に第1のセンサからセンサデータを受信している場合に、当該第2のセンサから受信したセンサデータについて転送時間を計算する第2処理部とを有するようにしてもよい。第1のセンサからセンサデータを受信した時点においては、所定時間前までの間に第2のセンサから受信したセンサデータを特定することはできるが、所定時間後までの間に第2のセンサから受信するセンサデータを特定することはできない。そこで上記のような処理を行うことにより、第1のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内に第2のセンサから受信したセンサデータを特定し、転送時間を計算できるようになる。
また、上で述べた影響特定部は、(d3)第1のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内に受信し且つ通信が許可されていない他のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内以外に受信したセンサデータのうち、第2のセンサから受信したセンサデータの転送時間を計算するようにしてもよい。このようにすれば、第1のセンサからのセンサデータによって影響を受けたことが明らかなもののみについて処理することができるようになる。
また、上で述べた影響特定部は、(d4)第1のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内に受信していないセンサデータのうち、第2のセンサから受信したセンサデータの転送時間である第3の転送時間をさらに計算するようにしてもよい。そして、上で述べた判定部は、(e2)第1及び第3の転送時間と、第2の転送時間とを用いて、第2のセンサの通信品質が劣化したか判定するようにしてもよい。このようにすれば、第1のセンサとの通信の開始後であっても、第1のセンサからのセンサデータの影響を受けていないと推定されるセンサデータの転送時間であれば、判定に利用することができるようになる。これにより、より精度が高い判定を行えるようになる。
また、センサから受信するセンサデータには、当該センサデータのデータサイズの情報が含まれるようにしてもよい。そして、上で述べた影響特定部は、(d5)第1のセンサから受信したセンサデータのデータサイズに応じて、所定時間を変更するようにしてもよい。センサデータのデータサイズが大きいほど、他のセンサデータの転送時間に与える影響は大きいと考えられる。そこでこのような処理を行うことにより、第1のセンサを追加することによる影響を適切に特定することができるようになる。
また、上で述べた判定部が、(e3)通信品質が劣化していないと判定した場合に、第1のセンサが利用可能な帯域幅のデータを含む帯域設定要求を第1のセンサに送信するようにしてもよい。そして、抽出部、影響特定部及び判定部が繰り返し処理を行うことにより、第1のセンサが利用可能な帯域幅を徐々に拡大するようにしてもよい。利用可能な帯域幅を徐々に拡大すれば、急激に通信データ量が増加することによる問題の発生を防止することができるようになる。
本実施の形態に係る通信制御方法は、(F)センサデータを受信した場合、当該センサデータの送信元である第1のセンサの通信が許可されているか判断し、(G)第1のセンサの通信が許可されていないと判断された場合、既に通信が許可された第2のセンサから受信したセンサデータの転送時間である第1の転送時間を、通信が許可されたセンサから受信したセンサデータの転送時間の実績をセンサ毎に格納する品質データ格納部から抽出し、(H)第1のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内に受信したセンサデータのうち、第2のセンサから受信したセンサデータの転送時間である第2の転送時間を計算し、(I)第1の転送時間と第2の転送時間とを用いて、第2のセンサの通信品質が劣化したか判定し、通信品質が劣化していないと判定した場合に、第1のセンサの通信を許可する処理をコンピュータが実行する。
なお、上記方法による処理をコンピュータに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
通信が許可された第1のセンサから受信したセンサデータの転送時間の実績をセンサ毎に格納する品質データ格納部と、
センサデータを受信した場合、当該センサデータを送信した第2のセンサの通信が許可されているか判断する判断部と、
前記第2のセンサの通信が許可されていないと判断された場合、前記第1のセンサの第1の転送時間を前記品質データ格納部から抽出する抽出部と、
前記第2のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内に受信した、前記第1のセンサのセンサデータの第2の転送時間を計算する計算部と、
前記第1の転送時間と前記第2の転送時間とを用いて、前記第1のセンサの通信品質が劣化したか判定し、前記通信品質が劣化していないと判定した場合に、前記第2のセンサの通信を許可する判定部と、
を有する通信制御装置。
(付記2)
前記判定部は、
前記通信品質が劣化していると判定した場合に、センサデータの送信停止を要求する送信停止要求を前記第2のセンサに送信する
付記1記載の通信制御装置。
(付記3)
前記計算部が、
前記第2のセンサからセンサデータを受信した場合に、当該センサデータの受信時刻から当該受信時刻の所定時間前までの間に受信したセンサデータのうち、前記第1のセンサから受信したセンサデータの転送時間を前記品質テーブルから抽出する第1処理部と、
前記第1のセンサから受信したセンサデータの受信時刻から当該受信時刻の所定時間前までの間に前記第2のセンサからセンサデータを受信している場合に、当該第1のセンサから受信したセンサデータについて転送時間を計算する第2処理部と、
を有する付記1又は2記載の通信制御装置。
(付記4)
前記計算部は、
前記第2のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内に受信し且つ通信が許可されていない他のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内以外に受信したセンサデータのうち、前記第1のセンサから受信したセンサデータの転送時間を計算する
付記1乃至3のいずれか1つ記載の通信制御装置。
(付記5)
前記計算部は、
前記第2のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内以外に受信したセンサデータのうち、前記第1のセンサから受信したセンサデータの第3の転送時間をさらに計算し、
前記判定部は、
前記第1及び第3の転送時間と、前記第2の転送時間とを用いて、前記第1のセンサの通信品質が劣化したか判定する
付記1乃至4のいずれか1つ記載の通信制御装置。
(付記6)
センサから受信するセンサデータには、当該センサデータのデータサイズの情報が含まれ、
前記計算部は、
前記第2のセンサから受信したセンサデータのデータサイズに応じて、前記所定時間を変更する
付記1乃至4のいずれか1つ記載の通信制御装置。
(付記7)
前記判定部が、前記通信品質が劣化していないと判定した場合に、前記第2のセンサが利用可能な帯域幅のデータを含む帯域設定要求を前記第2のセンサに送信し、
前記抽出部、前記計算部及び前記判定部が繰り返し処理を行うことにより、前記第2のセンサが利用可能な帯域幅を徐々に拡大する
付記1乃至4のいずれか1つ記載の通信制御装置。
(付記8)
前記転送時間は、センサデータに含まれるタイムスタンプにより特定される送信時刻と、センサデータの受信時刻との差である
付記1乃至7のいずれか1つ記載の通信制御装置。
(付記9)
センサデータを受信した場合、当該センサデータを送信した第1のセンサの通信が許可されているか判断し、
前記第1のセンサの通信が許可されていないと判断された場合、通信が許可された第2のセンサから受信したセンサデータの転送時間の実績をセンサ毎に格納する品質データ格納部から、前記第2のセンサの第1の転送時間を抽出し、
前記第1のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内に受信した、前記第2のセンサのセンサデータの第2の転送時間を計算する計算し、
前記第1の転送時間と前記第2の転送時間とを用いて、前記第2のセンサの通信品質が劣化したか判定し、前記通信品質が劣化していないと判定した場合に、前記第1のセンサの通信を許可する
処理を、コンピュータに実行させるための通信制御プログラム。
(付記10)
センサデータを受信した場合、当該センサデータを送信した第1のセンサの通信が許可されているか判断し、
前記第1のセンサの通信が許可されていないと判断された場合、通信が許可された第2のセンサから受信したセンサデータの転送時間の実績をセンサ毎に格納する品質データ格納部から、前記第2のセンサの第1の転送時間を抽出し、
前記第1のセンサから受信したセンサデータの受信時刻の前後所定時間内に受信した、前記第2のセンサのセンサデータの第2の転送時間を計算する計算し、
前記第1の転送時間と前記第2の転送時間とを用いて、前記第2のセンサの通信品質が劣化したか判定し、前記通信品質が劣化していないと判定した場合に、前記第1のセンサの通信を許可する
処理を、コンピュータが実行する通信制御方法。