JP2013038094A - 銅箔付き熱伝導性絶縁基板 - Google Patents

銅箔付き熱伝導性絶縁基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 低コストにて熱伝導絶縁基板と銅箔を接着する方法を提供する。
【解決手段】 窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板、アルミナ基板等の熱伝導性絶縁基板、該熱伝導性絶縁基板上に形成されたポリエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、PPS樹脂等の樹脂接着剤層、該樹脂接着剤層上に形成された銅箔層を備えてなる銅箔付き熱伝導性絶縁基板であり、低コストであって熱伝導率が高く、耐熱性、接着性の十分な銅箔付き熱伝導性基板となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、パワーエレクトロニクス、LED等に用いられる銅箔付き熱伝導性絶縁基板に関する。
従来、電子機器の電源の変圧、変調にはパワー半導体と呼ばれる半導体素子が用いられて来た。また電子機器の小型化、高効率化の要求に伴い、パワー半導体を用いたパワーデバイスの出力密度は開発年次に従い指数関数的に上昇して来た。一方、素子の安定な動作及び寿命のためには素子を一定温度以下に保持する必要があり、これらの素子の発生する熱を如何に放出するかということが重要な課題となる。このようなパワーデバイスでも特に出力の高いもの、例えば1kW以上の出力を有するデバイスの放熱には窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナ等熱伝導率の高い絶縁性セラミックスの基板上に銅などの金属配線を形成した回路基板を用いる事が一般的であった。
これらセラミックス基板に金属を接合するためには銀ろうに代表されるろう材と呼ばれる合金が用いられて来た。セラミックス基板にろう材とバインダーより成るペーストにより回路を印刷し、ろう材の融点以上に加熱する事でセラミックスと金属との強固な結合を実現するという手法である(例えば特許文献1)。また、印刷により回路に十分な精度が得られない場合には、ろう材を全面に塗布後、銅等より成る金属層をメッキ又は貼付けにより表面に形成し、その後にエッチングするという手法が一般的であった(例えば特許文献2)。但し、ろう材には銀を用いるため原料コストが高く、またろう材の融点は通常600℃以上で製造のためのエネルギーコストも高く、更に銅等の金属層が厚い場合にはセラミックスと金属の熱膨張係数の相違から、使用テスト環境における過酷な熱サイクル試験により、セラミックスと金属の間で剥離が起こる等の問題点があった。
他方、近年LED素子は、その輝度の向上と供に、用途が急速に拡大しつつあり、特に高輝度のLED素子を必要とする場合には回路基板にも高い放熱性が求められる。先に述べたパワー半導体の出力は通常数百ワットまたはそれ以上、特に出力の高いものは1kW以上であるのに対し、LED素子の出力は最大数百ワット程度であり、回路基板に求められる特性は当然の事ながら異なる。即ち、パワーデバイスの場合にはその仕様環境から素子の動作温度が百数十℃となることは一般的であり、パワー半導体用の回路基板にはそのような高温と室温、場合によっては氷点下までの熱サイクルに耐える接合強度が求められるのに対し、LEDの場合は素子の寿命が動作温度に大きく影響されるため、LED素子用の回路基板にはなるべく低い動作温度となるような優れた放熱性が求められる。通常LEDの動作温度は100℃以下であり、セラミックス−金属間の接合については1kW以上の高出力なパワー半導体ほどの厳格さが要求されない。この様な場合、例えば窒化アルミニウムの様な絶縁基板上にチタン等の金属を蒸着またはスパッタリングして接着層とし、その上にニッケル、金等の導電層をメッキ、スパッタリングまたは蒸着によって形成するという方法が採用されている(例えば特許文献3)。しかし、LEDの本格的な普及のためには製造コストの低減が喫緊の課題であり、部品、工程の全てに渡って低コスト化が求められている。
特開平09−181423 特開平10−284813 国際公開2006/098454号パンフレット
以上の様に、熱伝導性絶縁基板に金属配線を形成した回路基板には、低コストで必要十分なセラミックス−金属間の接合強度を実現するような新たな接合手法が求められている。
本発明者らは、低コストでセラミックスと金属を接合する事が可能で、且つ必要十分な強度を有する接合方法について検討した。その結果、熱伝導性絶縁基板上に樹脂接着剤を介して銅箔を接着することにより目的の結果が得られることを発見し、本発明に至った。
即ち本発明は、熱伝導性絶縁基板、該熱伝導性絶縁基板上に形成された樹脂接着剤層、該樹脂接着剤層上に形成された銅箔層を備えてなる銅箔付き熱伝導性絶縁基板である。
本発明により、LED素子や低出力のパワー半導体の放熱用の回路基板として用いることのできる、低コストにて高い熱伝導率を有する銅箔付き熱伝導性絶縁基板を実現できる。
本発明に使用される熱伝導性絶縁基板は、半導体素子からの発生する熱を放出するために十分な熱伝導率を有する必要があり、好ましくは30W/mK以上、より好ましくは100W/mKの熱伝導率を有する絶縁基板である。この絶縁基板はセラミックスを主成分とすることが望ましいが、これは良好な絶縁性と高い熱伝導率を両立する材料として、現状ではセラミックスが最も高い信頼性を得ているためである。この様な絶縁基板の例として、最も好ましいのはセラミックス単体より成るもので、例として窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板、アルミナ基板等が挙げられる。中でも、熱伝導性絶縁基板が特に高い放熱性を要求される場合には、窒化アルミニウム基板を用いる事が好ましい。
また、セラミックス粒子と樹脂から構成される複合樹脂基板を用いることも可能であり、その様な基板の材質としては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの熱伝導性フィラーが、ポリエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、シリコーン、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSともいう)等の樹脂に分散した複合樹脂を挙げることが出来る。この様な複合樹脂の中でも、特にセラミックス粒子が基板の上下を貫通した構造を有するものが望ましい。
上記熱伝導性絶縁基板の厚さは特に限定されることはないが、基板の熱抵抗を抑えるためには不必要に厚くすることは好ましくない。このため0.3−5mmの厚さの範囲が好適である。
本発明における樹脂接着剤層は樹脂接着剤の硬化体からなり、該樹脂接着剤層を形成するために使用される樹脂接着剤は特に限定されない。ただし、銅箔及び熱伝導性絶縁基板と一定の接着強度を有するものが好ましく、その接着強度は0.1MPa以上である事が好ましい。また、この樹脂接着剤は耐熱性の高いことが望ましく、LEDを基板に搭載するための、はんだリフローと呼ばれるLED素子と基板の接合工程の温度に耐え得るものである事が好ましい。一般にリフロー工程は250℃またはそれ以上の温度であるため、そのような温度域で数分間耐える程度の耐熱性である。
そのような樹脂接着剤の成分の例としては、ポリエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、PPS樹脂等を挙げる事が出来る。
上記ポリエポキシ樹脂の具体例としては、原料エポキシ樹脂及び硬化剤からなるものが一般的である。原料エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂を挙げられ、それらにフェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂を加えたものも好ましい。また硬化剤としては、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であるフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などが好ましい。これら原料エポキシ樹脂、硬化剤に硬化促進剤を加えることも好ましく、例としては各種イミダゾール類等が挙げられる。
上記ポリイミド樹脂の具体例としては、芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンの脱水環化により得られる様な芳香族ポリイミドが好ましく、更に両末端にアミノ基を有するシリコーンを用いて得られるポリ(イ
ミド−シロキサン)樹脂を用いる事も好ましい。また、テトラカルボン酸無水物とジアミンの重合体であるポリアミック酸を熱伝導性絶縁基板または銅箔に塗布し、薄い被膜を形成した後に加熱し、脱水環化してポリイミド樹脂被膜とすることも出来る。
上記シリコーン樹脂は架橋体であることが好ましく、その具体例としては、付加反応架橋性シリコーン樹脂、縮合反応架橋性シリコーン樹脂、紫外線架橋性シリコーン樹脂が挙げられる。
熱伝導性絶縁基板はセラミックスを主成分とするため、一般的に熱膨張係数が小さいのに対し、銅箔の熱膨張係数ははるかに大きいため、基板製造における加熱冷却工程により樹脂接着剤層に応力が残留し、接着性に負の影響を与える。またこの熱膨張係数の差により、使用時の熱サイクルにより発生する内部応力が大きくなり、接着性の低下を招く原因ともなる。このため、樹脂接着剤層の弾性率は接着性に悪影響を及ぼさない範囲で小さい方が望ましく、300kgf/mm以下であることが好ましい。
上記樹脂接着剤には、熱伝導性絶縁基板および銅箔との接着性を向上するためにシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、有機リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物などを加えることができる。これら接着促進成分については、予め熱伝導性絶縁基板および/または銅箔に塗布した後に樹脂接着剤と接触することも好ましく、そのような場合には、接着促進成分を溶媒で希釈し、プライマー溶液としてからスプレー、スピン、ディッピング等より選択される方法により熱伝導性絶縁基板および/または銅箔に塗布した後、乾燥して溶媒を除去すればよい。
また、樹脂接着剤層は本来樹脂であるため熱伝導性絶縁基板あるいは銅箔と比べて熱伝導率が低く、大きな熱抵抗を生じる原因となる。このため樹脂接着剤に高熱伝導性のフィラーを添加して樹脂接着剤層を形成することが好ましい。高熱伝導性のフィラーとしては、好ましくは30W/mK以上、より好ましくは100W/mKの熱伝導率を有する材料を使用することが好ましい。そのような高熱伝導性のフィラーの例としては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などを挙げることが出来る。樹脂成分との親和性向上、耐水性向上等の目的のために表面処理したフィラーを用いることも好ましい態様である。このような表面処理には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、分散剤等を用いることが出来る。フィラーが窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナの場合には、表面処理剤としてカルボン酸基またはリン酸基と有機側鎖を同一分子内に有するものが好ましい。
これらフィラーと樹脂接着剤の他の成分との混合方法は何ら制限されず一般的な混合機を用いて行うことが出来るが、そのような混合機を例示すれば、プラネタリーミキサー、トリミックスなどのニーダー、三本ロールなどのロール混練機、擂潰機等がある。
樹脂接着剤層の熱伝導率は特に限定されないが、銅箔付き熱伝導性絶縁基板の熱抵抗を小さくするためにはなるべく高い方が望ましく、1W/mK以上であることが好ましく、2W/mK以上であることがより好ましい。
本発明の銅箔付き熱伝導性絶縁基板における樹脂接着剤層の厚さは特に限定されることはなく、接着力、耐久性等も鑑みた全体的性能のバランスから決定されるべきであるが、基板の熱抵抗という点からはなるべく薄い方が望ましく、1−10μmの範囲が好ましく、1−5μmの範囲がより好ましい。
本発明における銅箔層の銅箔としては特に限定されず、公知の銅箔を使用することが出来る。一般的に使用される銅箔は圧延銅箔および電解銅箔である。銅箔の厚さは特に限定されないが、一般的には5−150μmの範囲ものもが使用され、特にLED素子を搭載する基板用途には5−50μmの範囲のものが好適に使用される。
本発明における銅箔付き熱伝導性絶縁基板の熱伝導率は、銅箔の厚さにより基板全体の熱伝導率が大きく変化するので、銅箔のない状態で評価する事が望ましいが、この様な絶縁基板と樹脂接着剤層より成る複合層の熱伝導率及は、各層の熱伝導率緒及び厚さの下記関係式
/λ=(d/λ)+(d/λ
:複合層の厚さ d:樹脂接着層の厚さ d:熱伝導性絶縁基板の厚さ
λ:複合層の熱伝導率 λ:樹脂接着層の熱伝導率 λ:熱伝導性絶縁基板の熱伝導率
から下記のとおり理論的に求める事が出来る。
複合層の熱伝導率 λ=d/((d/λ)+(d/λ))

この複合層の熱伝導率は、25W/mK以上であることが好ましく、80W/mKであることがより好ましい。
本発明の銅箔付き熱伝導性絶縁基板を製造する工程は特に限定されず、例えばプリント基板の製造工程として一般に公知の方法を採用することが出来る。製造工程の流れを例示すれば、熱伝導性絶縁基板に溶媒に溶解した樹脂接着剤を塗布し、溶媒を乾燥後、銅箔を圧着し、その後樹脂接着剤層を硬化するために加熱するという工程がある。但し、樹脂接着剤層を予め銅箔表面に形成することも可能であり、その場合には、熱伝導性絶縁基板に接着剤層付き銅箔を圧着した後、加熱するという工程が代表的である。熱伝導性絶縁基板または銅箔と樹脂接着剤との接着強さを向上するために、プライマー処理を行う事も好ましい。このため熱伝導性絶縁基板にシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、有機リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物等の接着促進成分を溶媒で希釈したプライマー溶液を予め塗布し、乾燥して溶媒を除去後、樹脂接着剤を塗布するという工程が好ましい。特に、熱伝導性絶縁基板がアルミナまたは窒化アルミニウムの場合には、有機リン酸化合物またはホスホン酸化合物により処理することが好ましい。
本発明の銅箔付き熱伝導性絶縁基板の用途は特に制限されることはなく、放熱性並びに絶縁性を要求される電子回路基板として一般的な用途に使用することが出来る。それらの用途を例示すれば、コンバーター、インバーター等のパワーエレクトロニクス用途、照明用LED、工業用LED、車載用LED等のLED用途、並びにIC、LSI用基板等が挙げられる。
以下、実施例および用途例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
本発明にて用いた試験方法を以下に示す。
樹脂接着剤層の厚さ:
硬化後の銅箔付き熱伝導性絶縁基板を切断し、走査型電子顕微鏡(JSM−5300:JEOL社製)を用い、倍率2千倍、5千倍または1万倍にて断面の観察を行い、同一視野にて樹脂接着剤の厚さを10点測定し、その平均を樹脂接着剤の厚さとした。
樹脂接着剤の熱伝導率:
樹脂接着剤スラリーをバーコーター(PI−1210:テスター産業社製)を用いて離型PETフィルム上に製膜し、エポキシ樹脂では120℃での硬化後、シリコーン樹脂およびポリイミド樹脂では150℃での硬化後にPETフィルムを剥がした。ポリイミド樹脂ではその後200℃での最終硬化を行った。乾燥硬化後の膜の厚さは約200−300μmであった。これら試料の熱伝導率を迅速熱伝導率計(QTM−500:京都電子工業社製)にて測定した。レファレンスには、厚さ2cm、長さ15cm、幅6cmの、石英ガラス、シリコーンゴムおよびジルコニアを用いた。
接合強度:
銅箔表面にニッケルメッキ、続けて金メッキを行った後、表面にニッケルメッキを施したφ1.1mmの42アロイネイルヘッドピンを金メッキの表面にPb−Snハンダにてハンダ付けし、該ネイルヘッドピンを10mm/分の速度で垂直方向に引っ張り、該ネイルヘッドピンが剥がれた時の最大引っ張り強さを接合強度(MPa)とした。
ハンダ耐熱性:
各実施例記載の方法により作製した銅箔付き熱伝導性絶縁基板から、幅10mm、長さ100mmの試験片を切り出した。試験片を25℃、相対湿度50%で24時間放置した後、270℃の半田浴中に60秒間浸漬し、その接着状態を観察、発泡、ふくれ、剥離等の不具合の有無を確認した。
実施例1
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1004:JER社製)5g、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(YDCN703:東都化成社製)5g、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト(2PZCN−PW:四国化成社製)0.2g、メチルエチルケトン(和光純薬社製)10g、トルエン(和光純薬社製)10gを混合溶解して均一溶液とした。この溶液に窒化アルミニウム粉末(Hグレード:トクヤマ社製)20gを加え、攪拌下に超音波を照射して分散し、樹脂接着剤スラリーを得た。次に有機リン酸エステル化合物であるホスマーM(ユニケミカル社製)10gをトルエン100gに溶解して均一なプライマー溶液とした。窒化アルミニウム基板(厚さ0.635mm、熱伝導率170W/mK:トクヤマDOWAパワーマテリアル社製)にこのプライマー溶液をスピンコートした後、120℃にて1時間乾燥した。このコート面に上記樹脂接着剤スラリーをスピンコートし、室温にて30分間放置後、80℃にて30分間真空乾燥した。このコート面に厚さ18μmの銅箔(圧延銅箔HPF−ST18−X:日立電線社製)を圧着した後、120℃にて3時間硬化して、銅箔付き熱伝導性絶縁基板を得た。
用いた接着剤の熱伝導率、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板の樹脂接着剤の厚さ、接合強度、ハンダ耐熱性を表1に示した。また、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板における熱伝導性絶縁基板と樹脂接着剤層より成る複合層の熱伝導率の理論計算値を表1に示した。
実施例2
ポリアミック酸のN−ブチル−2−ピロリドン溶液(U−ワニス−A:宇部興産社製)20gに窒化アルミニウム粉末(Hグレード:トクヤマ社製)7gとアルミナ粉末(AKP−20:住友電工社製)3gを加え、攪拌下に超音波を照射して分散し、樹脂接着剤スラリーを得た。次にシランカップリング剤(KBM−502:信越化学社製)10gをIPA100gに溶解して均一なプライマー溶液とした。窒化珪素基板(厚さ1mm、熱伝導率90W/mK:東芝マテリアル社製)にこのプライマー溶液をスピンコートした後、120℃にて1時間乾燥した。上記樹脂接着剤スラリーを窒化珪素基板上にスピンコートし、室温にて30分間放置後、100℃にて1時間、150℃にて1時間、更に200℃にて1時間乾燥した後、厚さ18μmの銅箔(圧延銅箔HPF−ST18−X:日立電線社製)を圧着し、350℃にて30分硬化してポリイミド接着剤層として、銅箔付き熱伝導性絶縁基板を得た。
用いた接着剤の熱伝導率、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板の樹脂接着剤の厚さ、接合強度、ハンダ耐熱性を表1に示した。また、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板における熱伝導性絶縁基板と樹脂接着剤層より成る複合層の熱伝導率の理論計算値を表1に示した。
実施例3
ポリアミック酸のN−ブチル−2−ピロリドン溶液(U−ワニス−A:宇部興産社製)20gに窒化アルミニウム粉末(Hグレード:トクヤマ社製)10gを加え、攪拌下に超音波を照射して分散し、樹脂接着剤スラリーを得た。次にホスホン酸化合物であるフェニルホスホン酸(和光純薬製)1gをIPA(トクヤマ社製)100gに溶解して均一なプライマー溶液とした。窒化アルミニウム基板(厚さ2mm、熱伝導率170W/mK)にプライマー溶液をスピンコートした後、120℃にて1時間乾燥した。このコート面に樹脂接着剤スラリーをスピンコートし、室温にて30分間放置後、100℃にて1時間、150℃にて1時間、更に200℃にて1時間乾燥した後、厚さ9μmの銅箔(電解銅箔JTC:JX日鉱日石金属社製)を圧着し、350℃にて30分硬化してポリイミド接着剤層として、銅箔付き熱伝導性絶縁基板を得た。
用いた接着剤の熱伝導率、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板の樹脂接着剤の厚さ、接合強度、ハンダ耐熱性を表1に示した。また、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板における熱伝導性絶縁基板と樹脂接着剤層より成る複合層の熱伝導率の理論計算値を表1に示した。
実施例4
シリコーン樹脂(KR−169:信越化学社製)10g、硬化剤(D−168:信越化学社製)0.2gをトルエン10gに溶解し均一溶液を得た。この溶液に窒化ホウ素粉末(MBN−010−T:三井化学社製)8gを加え、攪拌下に超音波を照射して分散し、樹脂接着剤スラリーを得た。次に有機リン酸エステル化合物であるラウリルリン酸(ML−200、東邦化学工業社製)10gをIPA(トクヤマ社製)100gに溶解して均一なプライマー溶液とした。窒化アルミニウム基板(厚さ0.635mm、熱伝導率170W/mK:トクヤマDOWAパワーマテリアル社製)にこのプライマー溶液をスピンコートした後、120℃にて1時間乾燥した。このコート面に樹脂接着剤スラリーをスピンコートし、室温にて30分間放置後、80℃にて30分間真空乾燥した後、厚さ35μmの銅箔(電解銅箔JTC:JX日鉱日石金属社製)を圧着し、150℃にて1時間硬化して、銅箔付き熱伝導性絶縁基板を得た。
用いた接着剤の熱伝導率、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板の樹脂接着剤の厚さ、接合強度、ハンダ耐熱性を表1に示した。また、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板における熱伝導性絶縁基板と樹脂接着剤層より成る複合層の熱伝導率の理論計算値を表1に示した。
実施例5
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1004:JER社製)5g、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(YDCN703:東都化成社製)5g、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト(2PZCNS−PW:四国化成社製)0.2g、メチルエチルケトン(和光純薬社製)10g、トルエン(和光純薬社製)10gを混合溶解して均一溶液とした。この溶液に窒化アルミニウム粉末(Hグレード:トクヤマ社製)10gおよび窒化ホウ素粉末(MBN−010−T:三井化学社製)10gを加え加え、攪拌下に超音波を照射して分散し、樹脂接着剤スラリーを得た。次にホスマーM(ユニケミカル社製)10gをトルエン100gに溶解して均一なプライマー溶液とした。アルミナ基板(厚さ0.38mm、熱伝導率29W/mK:MARUWA社製)にこの溶液をスピンコートした後、100℃にて1時間乾燥した。このコート面に上記樹脂接着剤スラリーをスピンコートし、室温にて30分間放置後、80℃にて30分間真空乾燥した後、厚さ9μmの銅箔(電解銅箔JTC:JX日鉱日石金属社製)を圧着し、120℃にて3時間硬化して、銅箔付き熱伝導性絶縁基板を得た。
用いた接着剤の熱伝導率、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板の樹脂接着剤の厚さ、接合強度、ハンダ耐熱性を表1に示した。また、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板における熱伝導性絶縁基板と樹脂接着剤層より成る複合層の熱伝導率の理論計算値を表1に示した。
実施例6
ポリアミック酸のN−ブチル−2−ピロリドン溶液(U−ワニス−A:宇部興産社製)20gに酸化マグネシウム粉末(2000A:宇部マテリアルズ社製)7gと窒化アルミニウム(グレードH:トクヤマ社製)3gを加え、攪拌下に超音波を照射して分散し、樹脂接着剤スラリーを得た。このスラリーを窒化アルミニウム(厚さ0.635mm、熱伝導率170W/mK:トクヤマDOWAパワーマテリアル社製)上にスピンコートし、室温にて30分間放置後、100℃にて1時間、150℃にて1時間、更に200℃にて1時間乾燥した後、厚さ18μmの銅箔(圧延銅箔HPF−ST18−X:日立電線社製)を圧着し、350℃にて30分硬化してポリイミド接着剤層として、銅箔付き熱伝導性絶縁基板を得た。
用いた接着剤の熱伝導率、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板の樹脂接着剤の厚さ、接合強度、ハンダ耐熱性を表1に示した。また、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板における熱伝導性絶縁基板と樹脂接着剤層より成る複合層の熱伝導率の理論計算値を表1に示した。
実施例7
ポリアミック酸のN−ブチル−2−ピロリドン溶液(U−ワニス−A:宇部興産社製)20gに酸化亜鉛粉末(1種:堺化学社製)5gと窒化アルミニウム(グレードH:トクヤマ社製)5gを加え、攪拌下に超音波を照射して分散し、樹脂接着剤スラリーを得た。このスラリーを窒化アルミニウム基板(厚さ3mm、熱伝導率170W/mK)上にスピンコートし、室温にて30分間放置後、100℃にて1時間、150℃にて1時間、更に200℃にて1時間乾燥した後、厚さ18μmの銅箔(圧延銅箔HPF−ST18−X:日立電線社製)を圧着し、350℃にて30分硬化してポリイミド被膜接着剤層として、銅箔付き熱伝導性絶縁基板を得た。
用いた接着剤の熱伝導率、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板の樹脂接着剤の厚さ、接合強度、ハンダ耐熱性を表1に示した。また、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板における熱伝導性絶縁基板と樹脂接着剤層より成る複合層の熱伝導率の理論計算値を表1に示した。
実施例8
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(1004:JER社製)5g、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(YDCN703:東都化成社製)5g、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト(2PZCNS−PW:四国化成社製)0.2g、メチルエチルケトン(和光純薬社製)10g、トルエン(和光純薬社製)10gを混合溶解して均一溶液とした。この溶液に窒化アルミニウム粉末(Hグレード:トクヤマ社製)30gを加え、攪拌下に超音波を照射して分散し、樹脂接着剤スラリーを得た。次にホスマーM(ユニケミカル社製)10gをトルエン100gに溶解して均一なプライマー溶液とした。窒化珪素基板(厚さ1mm、熱伝導率90W/mK:東芝マテリアル社製)にこの溶液をスピンコートした後、120℃にて1時間乾燥した。このコート面に上記樹脂接着剤スラリーをスピンコートし、室温にて30分間放置後、80℃にて30分間真空乾燥した。このコート面に厚さ18μmの銅箔(圧延銅箔HPF−ST18−X:日立電線社製)を圧着した後、120℃にて3時間硬化して、銅箔付き熱伝導性絶縁基板を得た。
用いた接着剤の熱伝導率、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板の樹脂接着剤の厚さ、接合強度、ハンダ耐熱性を表1に示した。また、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板における熱伝導性絶縁基板と樹脂接着剤層より成る複合層の熱伝導率の理論計算値を表1に示した。
実施例9
ポリアミック酸のN−ブチル−2−ピロリドン溶液(U−ワニス−A:宇部興産社製)20gに窒化アルミニウム粉末(Hグレード:トクヤマ社製)10gを加え、攪拌下に超音波を照射して分散し、樹脂接着剤スラリーを得た。このスラリーを窒化アルミニウム基板(厚さ0.635mm、熱伝導率170W/mK:トクヤマDOWAパワーマテリアル社製)上にスピンコートし、室温にて30分間放置後、100℃にて1時間、150℃にて1時間、更に200℃にて1時間乾燥した後、厚さ18μmの銅箔(圧延銅箔HPF−ST18−X:日立電線社製)を圧着し、350℃にて30分硬化してポリイミド接着剤層として、銅箔付き熱伝導性絶縁基板を得た。
用いた接着剤の熱伝導率、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板の樹脂接着剤の厚さ、接合強度、ハンダ耐熱性を表1に示した。また、得られた銅箔付き熱伝導性絶縁基板における熱伝導性絶縁基板と樹脂接着剤層より成る複合層の熱伝導率の理論計算値を表1に示した。
Figure 2013038094

Claims (1)

  1. 熱伝導性絶縁基板、該熱伝導性絶縁基板上に形成された樹脂接着剤層、該樹脂接着剤層上に形成された銅箔層を備えてなる銅箔付き熱伝導性絶縁基板。
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