JP6765215B2 - 回路基板用樹脂組成物とそれを用いた金属ベース回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子をはじめとする種々の電子・電気部品を搭載する回路基板に用いられる樹脂組成物とそれを用いた金属ベース回路基板に関する。
半導体素子をはじめとする電子・電気部品を搭載し混成集積回路を形成するために、種々の回路基板が実用化されている。これらは、回路基板の基板材質に基づいて、樹脂回路基板、セラミックス回路基板、金属ベース回路基板等に分類されている。
樹脂回路基板は、安価ではあるが基材の熱伝導性が悪いので比較的小さな電力用途に制限される。セラミックス回路基板は、セラミックスの電気絶縁特性や耐熱特性に優れる点を生かして比較的大きな電力用途に適するが、高価である欠点を有している。一方、金属ベース回路基板は、両者の中間的な性格を有し、比較的大きな電力で汎用的な用途、例えば、冷蔵庫用電源、家庭向け空調用電源、自動車用電源、高速鉄道用電源等の用途に好適である。
金属ベース回路基板は、アルミニウム、鉄、銅等の金属板上に、アルミナなどの無機充填材を充填したエポキシ等の樹脂の絶縁層を設け、更にその上に回路を設けた構造を有している。
しかしながら、絶縁層として使用されている樹脂組成物の硬化体の熱伝導率が低く、回路基板としての放熱特性が不足して半導体素子の誤動作が起きる場合や、絶縁層が劣化し混成集積回路の長期的な電気信頼性が低下する場合あった。
そのため、回路基板用の樹脂組成物の硬化体の熱伝導率の向上が極めて重要な検討項目となっている。
一般に、樹脂組成物の硬化体の熱伝導率を改善するためには、高熱伝導率の無機充填材の含有量を増やすことが行われている。
しかしながら、無機充填材の含有量を多くすると、硬化前の樹脂組成物の粘度が高くなり、金属板上への塗布作業が難しくなる。また、熱伝導率の高い無機充填材が必ずしも充填性が良くない場合が多い。
そこで、エポキシ樹脂と、無機充填材と、前記エポキシ樹脂を硬化するための硬化剤と、無機充填材の分散性を向上するための分散剤とを必須成分とする、回路基板用樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法では、硬化物の内部に欠陥が残り、スクリーニング不良率が高いなどの課題があった。
特許第3751271号公報
本発明者は、上記事情に鑑みて、種々実験的に検討した結果、絶縁層となる塗工液中に、塗工液より表面張力の低い添加剤を加え表面状態を均一化することにより、塗工液中のボイドを低減し、無機充填材を高充填しながら欠陥を減らせる結果、樹脂組成物の硬化体の耐電圧特性が均一で、従来得られなかった、低い不良率を有する金属ベース回路基板が得られることを見いだし、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、(1)熱硬化性樹脂と、無機充填材と、平滑化剤とを含有する回路基板用樹脂組成物であって、前記平滑化剤がポリエーテル変性シリコーンである回路基板用樹脂組成物、(2)前記平滑化剤を0.05〜2.0質量%、最大粒子径が30〜120μmである前記無機充填材を45〜95質量%含有してなる(1)の回路基板用樹脂組成物、
(3)前記ポリエーテル変性シリコーンが、1分子中にリン酸基、ジメチルポリシロキサン骨格、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの重合体骨格を全て含んだ分子構造であり、数平均分子量が27000以上33000未満であり、質量平均分子量が21000以上27000未満の高分子化合物である、(1)又は(2)の回路基板用樹脂組成物、(4)さらに、ポリイソプレン及びポリブタジエンの中から選ばれる1種又は2種を含有してなる(1)、(2)、又は(3)の回路基板用樹脂組成物、(5)(1)、(2)、(3)又は(4)の回路基板用樹脂組成物を基板に塗布してなる金属ベース回路基板、(6)回路基板用樹脂組成物を厚さ30〜150μmで基板に塗布した際に、直径10μm以上の欠陥がない(5)の金属ベース回路基板、である。
本発明により、回路基板用樹脂組成物の硬化体の耐電圧特性が均一で、従来得られなかった、低い不良率を有する金属ベース回路基板が得られる、という効果を奏する。
図1は、回路基板用樹脂組成物を厚さ30〜150μmで基板に塗布した際に生じる樹脂組成物の硬化体中の直径10μm以上の欠陥の例
本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアジン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、シアノアクリレート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、シロキサン変性エポキシ樹脂及びシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、耐熱性及び接着性を向上する観点から、(B)成分として、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
エポキシ樹脂としては、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されず、一般に知られているエポキシ樹脂を使用することができる。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ等の二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂を使用することができる。また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂又は脂環式エポキシ樹脂など、である。
エポキシ樹脂は硬化剤、または触媒型硬化剤と反応させることで、硬化することができる。触媒型硬化剤としては3級アミン、イミダゾール類の単体又は混合体等が挙げられる。硬化剤としてはフェノール系樹脂、酸無水物系樹脂、芳香族アミン系樹脂、ジシアンジアミノからなる群から選ばれる1種類以上を用いることができる。これらの中では、基板を作製した際のピール強度および耐電圧の点で、芳香族アミンが好ましい。
エポキシ樹脂に対する硬化剤の添加量は、エポキシ樹脂のエポキシ当量1に対して、硬化剤の活性水素当量(又は酸無水物当量)が0.01〜1.25になるように配合することが好ましい。
エポキシ樹脂は硬化促進剤と反応させることで、エポキシ基の自己重合反応、エポキシ基と活性水素化合物の付加反応、エポキシ基と酸無水物との共重縮合反応を促進することができる。硬化促進剤としては、3級アミン、イミダゾール類、オニウム化合物のボロン塩、有機リン酸化合物、第四級アンモニウムの単体又は混合体等が挙げられる。
本発明に用いる熱硬化性樹脂は、無機充填材とともに、必要に応じて、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤等の無機表面改質剤、さらに必要に応じて、平滑化剤、消泡剤、湿潤剤、安定剤及び硬化促進剤等を添加して用いられる。
本発明の平滑化剤として用いるポリエーテル変性シリコーンは、1分子中にリン酸基、ジメチルポリシロキサン骨格、ポリエチレングリコールとポリプレングリコールの重合体骨格を全て含んだ分子構造であり、数平均分子量が27000以上33000未満であり、質量平均分子量が21000以上27000未満の高分子化合物である。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、下記化学式1で示される構造のものが知られている。但し、式中mは100〜350の整数であり、nは1000〜3000の整数であり、oは50〜250の整数である。
本発明において、ポリエーテル変性シリコーンと無機充填材の配合割合は、熱硬化性樹脂と添加される無機充填材の量によって若干変動するが、ポリエーテル変性シリコーンの量は、両者の全量100質量部に対して0.05〜2.0質量部が好ましい。0.05質量部未満では平滑化剤としての効果が少なく、また、2.0質量部を超えて添加すると、金属ベース回路基板を作製した際に、ピール強度が低下する傾向にある。
ポリエーテル変性シリコーンの使用により、無機充填材と熱硬化性樹脂とからなる塗工液の表面張力を低下させることで、塗工液乾燥工程において、塗工液の粘度が上昇時においても表面状態を均一化し、塗膜欠陥が低減する。なお、塗工液の粘度を低下させる目的で溶剤等で希釈しても構わない。
本発明に用いる無機充填材は、その構成粒子の最大粒子径が20〜120μmの範囲であることが好ましい。120μmより大きな粒子が存在すると、塗膜厚に近くなり、耐電圧不良に起因することが知られている。
無機充填材として、シリカ、アルミナ等の酸化物や、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の非酸化物が挙げられる。非酸化物を用いる場合、酸化処理、リン酸系処理及びシリカ等による表面コートといった表面処理を施したものを用いても構わない。
本発明の回路基板用樹脂組成物中における無機充填材は、熱硬化性樹脂100質量部に対して45〜150質量部を含有することが好ましく、高い熱放散性を有する金属ベース回路基板が絶縁耐電圧とピール強度が低下することなく得られる。45質量部未満では十分な熱放散性を得られなく、150質量部を超えると樹脂に充填する際の充填性が悪く、金属ベース回路基板の電気信頼性が乏しくなる。
本発明の金属ベース回路基板は、絶縁層が高熱伝導率であり、しかも金属板と回路との密着性に優れ、耐電圧特性にも優れる特徴を有している。
具体的には、本発明になる金属ベース回路基板は、熱伝導率が7.0W/mK 以上であり、さらに、本発明の好ましい実施態様においては、8.0W/mK 以上に達するので、例えば、自動車搭載用の回路基板を初め、種々の大電流用途の回路基板として好ましく用いられる。
本発明の金属ベース回路基板に用いられる金属板としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鉄、及びステンレス等が使用可能である。
金属板の厚みとしては、特に制限はないが、0.5〜3.0mmが一般に用いられる。
本発明の回路の材質は、導電性のものであれば良く、通常、銅、アルミニウム、ニッケル、或いはこれらの複合層からなるものなどが用いられる。
本発明の金属ベース回路基板を作製する方法は、金属板上に樹脂組成物を塗布し、硬化あるいは半硬化させて絶縁層とする。このとき、絶縁層は単一層もしくは複数層にする。その後、銅、アルミニウムあるいは銅−アルミニウム複合箔等の回路となる金属箔をロールラミネート法もしくは積層プレス法を用いて接合する方法、あるいは、予め回路形成された金属箔に前記樹脂組成物を塗布、硬化或いは半硬化し、金属板上に貼り付ける方法等が挙げられるが、生産性を考慮すると、前者の方法が好ましく採用される。なお、本方法において、金属箔のエッチングに関しては従来公知の方法を適用すれば良い。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(DIC社製、「EPICLON 850CRP」)11質量%に、芳香族アミン(日本合成化工社製、「H−48B」)4質量%、窒化アルミニウム「1」(デンカ社製、平均粒子径16μm、最大粒子径70μm)85質量%、シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング社製、「z−6040」)1.0質量部(前記エポキシ樹脂とアミンと窒化アルミニウムの混合物100質量部に対して)を加えた。さらに、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK社製、「BYK−302」)0.3質量部、分散剤(BYK社製、「DISPERBYK−110」)0.2質量部を加え、遊星式撹拌機(シンキー社「あわとり練太郎AR−250」、回転数2000rpm)にて混練し、回路基板用樹脂組成物を作製した。(表1−1)
厚み2.0mm のアルミニウム板(天野アルミニウム社製、「A1050 2.0mm厚さ」)上に、回路基板用樹脂組成物を硬化後の絶縁層の厚さが100μmとなるように塗布し、100℃で15分間乾燥してBステージ状態とした。
その後、厚さ35μm の銅箔(三井金属社製、「電解銅箔35μm厚さ」)を、絶縁層上に置き、熱プレス法にて積層状態のまま回路基板用樹脂組成物を180℃で2時間熱処理して硬化させて金属ベース基板を得た。
金属ベース基板について、所望の位置をエッチングレジストでマスクして硫酸−過酸化水素混合溶液をエッチング液として、銅箔をエッチングした後、エッチングレジストを除去し洗浄乾燥することで、回路を形成し、金属ベース回路基板とした。
実施例1で用いた無機充填材、得られた回路基板用樹脂組成物、及び金属ベース基板を、以下の方法で評価した。
[無機充填材の平均粒子径、最大粒子径]
島津製作所社製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−200」を用いて測定を行った。試料は、ガラスビーカーに50ccの純水と無機充填材を5g添加して、スパチュラを用いて撹拌し、その後超音波洗浄機で10分間、分散処理を行った。分散処理を行った無機充填材の分散積をスポイドで装置のサンプラ部に一滴ずつ添加して、吸光度が測定可能になるまで安定するのを待った。吸光度が安定になった時点で測定を行った。レーザー回折式粒度分布測定装置では、センサで検出した粒子による回折/散乱光の光強度分布のデータから粒度分布を計算した。平均粒子径はd50、最大粒子径はd90とした。
[回路基板用樹脂組成物の硬化体の熱伝導率]
回路基板用樹脂組成物の硬化体を作成し、熱拡散率、比重、比熱から算出した。熱拡散率は、試料を幅10mm×10mm×厚み1mmに加工し、レーザーフラッシュ法により求めた。測定装置はキセノンフラッシュアナライザ(NETZSCH社製LFA447NanoFlash)を用いた。比重はアルキメデス法を用いて求めた。比熱は、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製、「Q2000」)を用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で室温〜400℃まで昇温させて求めた。(表3−1)
[回路基板用樹脂組成物の硬化後の塗膜の欠陥]
厚み2.0mm のアルミニウム板上に、回路基板用樹脂組成物を硬化後の絶縁層の厚さが100μmとなるように塗布し、100℃で15分間乾燥してBステージ状態とし、1mm×1mmの範囲を実態顕微鏡(Nikon MM−800)にて観察し、図1に示すような10μm以上の欠陥の個数を測定した。なお、測定は異なる場所を20回繰り返し、その算術平均値を欠陥数とした。(表3−1)
[金属ベース回路基板の耐電圧不良率]
回路基板用樹脂組成物を用い、厚さ35μmの銅箔と厚さ2.0mmのAl板を接着し金属ベース基板を得た。さらに銅箔をエッチングして直径50mmの円電極を作製したものを測定サンプルとした。測定サンプル500個において、銅板と銅箔との間にDC3.6kVの電圧を1秒間かけ、絶縁破壊したものの個数から不良率を算出した。(表3−1)
[金属ベース基板のピール強度]
回路基板用樹脂組成物を用い、厚さ35μmの銅箔と厚さ2.0mmのAl板を接着し金属ベース基板を得た。接着した銅箔を10mm×100mmに切り出し、JIS C 6481に規定された方法に従い、23±2℃、相対湿度50%の条件で銅箔と回路基板用樹脂組成物とのピール強度を測定した。なお、測定は5回繰り返し、その算術平均値をピール強度とした。(表3−1)
[金属ベース基板のプレッシャークッカーテスト後の耐電圧不良率]
回路基板用樹脂組成物を用い、厚さ35μmの銅箔と厚さ2.0mmのAl板を接着し金属ベース基板を得た。さらに銅箔をエッチングして直径50mmの円電極を作製したものを、プレッシャークッカーテスト(2気圧、湿度100%、121℃の条件で96時間連続処理)の後、乾燥させて測定サンプルとした。測定サンプル500個において、銅板と銅箔との間にDC3.6kVの電圧を1秒間かけ、絶縁破壊したものの個数から不良率を算出した。(表3−1)
<実施例2>
実施例1でポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加量を0.04質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。(表1−1、表3−1)
<実施例3>
実施例1でポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加量を0.06質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。(表1−1、表3−1)
<実施例4>
実施例1でポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加量を1.9質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。(表1−1、表3−1)
<実施例5>
実施例1でポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの添加量を2.1質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様に行った。(表1−1、表3−1)
<実施例6〜11>
実施例1でビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、芳香族アミン及び無機充填材の種類と配合量を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に行った。
無機充填材は、窒化アルミニウム「2」(デンカ社製、平均粒子径65μm、最大粒子径113μm)、窒化アルミニウム「3」(デンカ社製、平均粒子径70μm、最大粒子径125μm)、窒化アルミニウム「4」(デンカ社製、平均粒子径11μm、最大粒子径27μm)、窒化アルミニウム「5」(デンカ社製、平均粒子径4.5μm、最大粒子径12μm)、窒化ホウ素(デンカ社製、平均粒子径20μm、最大粒子径65μm)、窒化ケイ素(デンカ社製、平均粒子径18μm、最大粒子径85μm)、アルミナ(デンカ社製、平均粒子径2μm、最大粒子径5μm)を用いた。(表1−1、表1−2、表3−1、表3−2)
<実施例12>
実施例1でポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンに加え、さらにポリイソプレン(Kraton社製、ZieglerIR)を0.3質量部添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。(表1−2、表3−2)
<実施例13>
実施例1でポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンに加え、さらにポリブタジエン(宇部興産社製、UBEPOLBR−150)を0.3質量部添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。(表1−2、表3−2)
<実施例14>
実施例1でポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンに加え、さらにポリイソプレン(Kraton社製、ZieglerIR)を0.2質量部とポリブタジエン(宇部興産社製、UBEPOLBR−150)を0.2質量部添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。(表1−2、表3−2)
<実施例15>
実施例1でビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と芳香族アミンの代わりにビスマレイミド樹脂とシアネート樹脂の混合物(三菱ガス化学社製、「BT2160」)を使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。(表1−2、表3−2)
<実施例16>
実施例14でビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と芳香族アミンの代わりビスマレイミド樹脂とシアネート樹脂の混合物(三菱ガス化学社製、「BT2160」)を使用したこと以外は、実施例14と同様に行った。(表1−2、表3−2)
<比較例1>
実施例1でポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを添加しないこと以外は、実施例1と同様に行った。(表2、表4)
<比較例2>
実施例1でポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの代わりにアクリルポリマー(共栄社化学社製、「ポリフローNo99C」)を使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。(表2、表4)
<比較例3>
実施例1でポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの代わりにフッ素系レベリング剤(DIC社製、「メガファック F−554」)を使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。(表2、表4)
表3−1、3−2と表4の結果から、実施例の回路基板用樹脂組成物を用いた硬化体は熱伝導性に優れることが分かった。さらに、実施例の回路基板用樹脂組成物により作製した金属ベース回路基板は、耐電圧特性、及びピール強度に優れることが分かった。
以上の結果は、実施例で用いた金属ベース回路基板の他、混成集積回路に関しても同様
であった。
本発明は、回路基板用樹脂組成物の硬化体の耐電圧特性が均一で、従来得られなかった、低い不良率を有する金属ベース回路基板が得られ、半導体素子をはじめとする種々の電子・電気部品を搭載する回路基板に用いられる。
1 直径10μm以上の欠陥

Claims (4)

  1. 熱硬化性樹脂と、無機充填材と、平滑化剤とを含有する回路基板用樹脂組成物であって、前記平滑化剤がポリエーテル変性シリコーンであり、前記平滑化剤を0.05〜2.0質量%、最大粒子径が30〜120μmである前記無機充填材を45〜95質量%含有してなる回路基板用樹脂組成物。
  2. さらに、ポリイソプレン及びポリブタジエンの中から選ばれる1種又は2種を含有してなる請求項1記載の回路基板用樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2記載の回路基板用樹脂組成物を基板に塗布してなる金属ベース回路基板。
  4. 回路基板用樹脂組成物を厚さ30〜150μmで基板に塗布した際に、直径10μm以上の欠陥がない請求項記載の金属ベース回路基板。
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