JP2013038080A - シール可能な電気コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼のおけるシール機能を有するエアバッグシステム用電気コネクタを提供する。
【解決手段】シール可能な電気コネクタ1は、横断面及びそれを取り囲む側壁を含むハウジングを有する。シール部材3は、底面10に装着され、側壁21によって画定される周縁の内部に位置する。このコネクタが相手方のコネクタ30と嵌合すると、底面と側壁の一部とが相手方コネクタの窪み30内に受容される。最終嵌合位置に到達するまでは、シール部材は窪みと接触しないので、嵌合は容易に行われ、且つシール部材の摩耗/落下が防止される。最終嵌合位置に達すると、窪みの底面と、横断面とによって圧縮されることによって、シール部材は周縁を越えて拡大し、窪みの側壁内面と密に接して防水シールを形成する。
【選択図】図4A
【解決手段】シール可能な電気コネクタ1は、横断面及びそれを取り囲む側壁を含むハウジングを有する。シール部材3は、底面10に装着され、側壁21によって画定される周縁の内部に位置する。このコネクタが相手方のコネクタ30と嵌合すると、底面と側壁の一部とが相手方コネクタの窪み30内に受容される。最終嵌合位置に到達するまでは、シール部材は窪みと接触しないので、嵌合は容易に行われ、且つシール部材の摩耗/落下が防止される。最終嵌合位置に達すると、窪みの底面と、横断面とによって圧縮されることによって、シール部材は周縁を越えて拡大し、窪みの側壁内面と密に接して防水シールを形成する。
【選択図】図4A
Description
本発明は、液密機能を有する電気コネクタに関し、特に、エアバッグシステム等に用いられるスクイブと電気的に接続できる電気コネクタに関するものである。
多くの産業分野において、湿気及び/又は粉塵からの保護機能を有する電気コネクタを提供する必要があり、特に、例えば自動車のエアバッグシステム等の、安全要件レベルの高い電気接続にそのようなコネクタが必要とされている。
従来のエアバッグ用コネクタでは、プラグコネクタのハウジングの側壁にシール要素が設けられている。相手方のレセプタクルコネクタと嵌合すると、プラグコネクタはレセプタクルコネクタのハウジング内に摺動して入る。シール部材の側方は圧縮されて、プラグとレセプタクルのハウジングとの間の隙間を埋めることにより、シール機能を提供する。
このような種類のコネクタは複数の欠点を有する。シール要素がプラグコネクタの側壁を囲むように配置されているので、嵌合プロセスの間に、シール要素がレセプタクルハウジングの内壁に接しながら、同内壁に対して移動する。従って、嵌合プロセスの間に、シール要素とレセプタクルハウジングの間に摩擦力が生じる。この摩擦力は、二つのコネクタを互いに嵌合するために必要な力を増大させるだけでなく、シール要素を摩耗させる。シール要素が少しでも摩耗すると、シール効果に悪影響が生じる。さらに、シール要素がプラグコネクタからずれたり、場合によっては分離したりする可能性があり、これにより嵌合プロセスが完全に行われないか、又は液密機能が不十分なものとなりうる。
従って、効果的で信頼のおけるシール機能を有するエアバッグシステム用電気コネクタを提供する必要がある。
本発明の実施形態は、シール機能を有する電気コネクタを提供する。嵌合プロセスの間、シール要素は、最終的嵌合位置に達して動作状態となり、コネクタ同士の間の隙間をシールするときを除いて、相手方コネクタのハウジングに接触しない。
一実施形態において、電気コネクタは、端面と、同端面を取り囲む側壁とを有するハウジングを含む。シールリングは端面に取り付けられて、側壁によって画定される周縁の内側に配置される。嵌合プロセスにおいて、端面及び側壁の一部は相手方コネクタのハウジングの窪みの中に挿入される。シールリングは側壁の周縁の内側にあるので、嵌合プロセスの間に窪みの内壁とは接触しない。従って、嵌合は容易に行うことができる。加えて、シールリングの摩耗又はシールリングへの引っかき傷が生じない。
互いに嵌合する二つのコネクタが最終的な嵌合位置に達すると、シールリングが窪みの底面と接触する。窪みの底面と、コネクタのハウジングの端面とによって嵌合方向に加圧されて、シールリングは嵌合方向に圧縮され、横方向に拡大する。横方向への拡大により、シールリングの大きさは周縁を越えて増大し、窪みの内壁と密に接触する。互いに嵌合する二つのコネクタが嵌合位置でロックされると、シールリングは横方向に拡大した状態に維持されて二つのコネクタの隣接する表面に接し、よって液密/防水機能を提供する。
好ましくは、シールリング内部の端面にストッパが設けられる。シールリングが加圧されるとき、ストッパはシールリングが横方向に向かって内側に拡大することを防ぐ。シールリングが主に窪みに向かって拡大することにより、シール効果がさらに増大する。
一実施形態では、ストッパは、端面と一体に形成される環状の突起の周囲にシールリングを取り付けることにより形成することができる。別の実施形態では、ストッパは、ハウジングに対し、間にシールリングの一部を挟んで取り外し可能に取り付けられる個別の部品である。
本発明の他の態様及び利点は、添付図面を参照する後述の詳細な説明から明らかとなる。
図1に示すように、電気コネクタ1は、コネクタハウジング2、シール部材3及びシールストッパ4を含んでいる。ハウジング2は、二つのケーブル7を収容したケーブル収容部6と、ケーブル収容部6から略垂直に延び、ケーブル7に接続された電気コンタクトを内部に具備した円柱状の基部5とを含め、一体的に形成されている。
円柱状の基部5は、スクイブ等の相手方コネクタに係止可能な係止突起9を具備する。また、円柱状の基部5は、同基部5内側の端面10から延びて、電気コンタクトに通じる2つの第1の孔部8を有する。2つの第2の孔部11は、円柱状の基部5の内部方向に延びている。
ハウジング2は、底面10から垂直に延びる側壁21を有する。側壁21は、周縁23を画定している。底面10から略垂直に延びる4つの突起12は、シール部材3の位置決めを行うために形成されている。第1の孔部8、第2の孔部及び突起12は、底面10の中心を基準として対称に配置されている。
シール部材3は、ゴム等の環状の弾性部材であり、上面と下面に開口する貫通孔14を有する。シール部材3の内周面には、第1の段差部16が設けられ、第1の段差部16には、突起12を受容するために4つの位置決め孔部13が形成されている。さらに、シール部材3の外周に沿って、第2の段差部17が設けられている。
シールストッパ4は、シール部材3を円柱状の基部5に装着するために、ハウジング2の底面10に取り付けられる薄厚の蓋部材である。シールストッパ4には、円柱状の基部5の第2の孔11に挿入され、その第2の孔内で係止される係止片18が形成されている。シールストッパ4には、相手方コネクタの電気コンタクトピンを挿通可能な2つの貫通孔19が形成されている。係止片18は、電気コネクタ1の組立時に円柱状の基部5の第2の孔11と対応するように配置されている。貫通孔19は、円柱状の基部5の第1の孔部8と対応するように配置されている。また、シールストッパ4の外周縁部には、放射方向に外側に延びる肩部20が形成されている。
シール部材3及びシールストッパ4をハウジング2に装着するには、まず、シール部材3を端面10に装着し、第1孔部8及び第2孔部11を開口14内に配置する。図2Aに示すように、シール部材3の孔13に突起12が挿入されることにより、シール部材3は所定位置に位置決めされている。
シール部材3を端面10に装着した後、図2B、2C、5A及び5Bに示すように、シールストッパ4をハウジング2に装着する。シールストッパ4の貫通孔19は、第1の孔部8と一致し、コネクタ1の電気コンタクト25を貫通させる。
シールストッパ4の係止片18(1つのみ図示)は第2の孔部11に挿入される。この間に、肩部20は、シール部材3の段差部16と係止して密着する。ここで、各係止片18は、対応する第2の孔部11内に受容され、突出部22により係止される。その係止は、シールストッパ4の装着工程において、突出部22に形成された傾斜面27に沿って係止片18が摺動することに行われる。係止片18は弾性変形し、次いで弾性的に元の位置に戻って突出部22と係合することにより、シールストッパをハウジング2に固定する。
図3A、3B及び3Cに示すように、シール部材3は、端面10に装着されてシールストッパ4によりロックされているとき、周縁23の内側に位置する。
図4A、4B及び4Cに示すように、電気コネクタ1が相手方のレセプタクルコネクタ30に嵌合するとき、端面10及び側壁21の一部はレセプタクルコネクタ30の窪み32によって受容される。コネクタ1と30とが最終嵌合位置に到達する前は、シール部材3は周縁23の内側に位置している。窪み32の径32aは側壁21の外径21a(縁23)より大きいので、嵌合プロセスが完了するまでは、シール部材3はレセプタクルコネクタ30の側壁の内面36に接触しない。従って嵌合プロセスは容易に行われる。加えて、シール部材3は、嵌合プロセスの間、摩耗/引っかき傷/落下から保護される。
嵌合プロセスの最後に、シール部材3は、相手方コネクタ30の底面34と接触するに到る。端面10と底面34とによって加圧されて、シール部材3は嵌合方向40(窪み32へのコネクタ1の挿入方向)に圧縮される。シール部材3は弾性によって変形し、その結果、その大きさが嵌合方向40に略垂直な横方向42に向かって拡大する。
シール部材3は横方向42に沿って外側と内側に拡大する傾向を有するが、内側への拡大はシールストッパ4の肩部20によってブロックされる。従って、シール部材3の横方向への拡大は主に外側に向かって生じ、その結果シール部材は周縁23を越えて拡大する。ここで、横方向に拡大したシール部材3は、窪み32の側壁の内面36に接する。コネクタ1と30とが図4B及び4Cに示す最終嵌合位置においてロックされると、シール部材3は横方向に拡大した状態に維持され、窪み32の底面34及び側壁の内面36、並びにハウジング2の端面10に密に接触する。従って、コネクタ1と30とは、液密/防水状態で嵌合する。
図6A、6B及び6Cに示す別の実施形態によれば、コネクタ50は、コネクタのハウジング51の端面52と一体に形成された肩部又は環状突起54を有する。環状突起54と端面52は、横方向に沿って外側と、軸方向に沿って下側とに開口する環状の溝59を形成する。シール部材60は、環状溝59内部の端面52に装着されて、側壁56の周縁58の内側に位置する。
コネクタ50が相手方のレセプタクルコネクタ70と嵌合すると、シール部材60はその間に押し込まれる。環状突起54のブロック効果により、前実施形態の説明と同様に、シール部材60は横方向に外側に拡大し、2つのコネクタ50と70の間に液密なシールを形成する。
例示を目的として本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態によって制限されるものではなく、請求の範囲に規定される本発明の精神から逸脱することなく、様々な変更又は修正、並びに置換が可能である。
Claims (13)
- 端面及び周囲側壁を有するハウジングと、
端面に取り付けられて側壁により画定される周縁の内側に位置するシール部材と
を備えた電気コネクタであって、相手方コネクタに嵌合しているとき、端面及び側壁の一部が相手方コネクタの窪み内に位置し、シール部材が、窪みの底面と端面とによって圧縮されて周縁から突出することにより、相手方電気コネクタとの間にシールが形成される、電気コネクタ。 - 端面はさらに、シール部材が内側に拡大することを防ぐためにシール部材の内側に環状の突起を備える、請求項1に記載の電気コネクタ。
- 環状突起がハウジングに取り外し可能に連結される、請求項2に記載の電気コネクタ。
- シール部材が、端面と環状突起の間に固定された段差部を有する、請求項3に記載の電気コネクタ。
- 環状突起がハウジングと一体に形成される、請求項2に記載の電気コネクタ。
- 環状突起と端面とが、外側に向かう横方向と下方とに開く環状溝を形成し、シール部材が環状溝内に配置される、請求項5に記載の電気コネクタ。
- 底面から内部方向に延びる1又は複数の第1の孔部を有し、それぞれの前記第1の孔部の内部に電気コンタクトを具備する柱状の基部と、
一方の面に開口するとともに、他方の面に開口する貫通孔を有してなるシール部材であって、前記基部の底面の所定位置に装着されると、前記一方の面の開口部内に前記1又は複数の第1の孔部が配置されるシール部材と、
前記シール部材の他方の面の開口部を密封するように前記基部に取り付けられるシールストッパと
を備える電気コネクタ。 - 前記基部の底面の縁部近傍には、その底面から略垂直方向に延びる、前記シール部材の位置決め用の突起が複数形成され、
前記シール部材には、前記基部の底面の所定位置に装着された際に位置決め用の突起を収容する孔部が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の電気コネクタ。 - 前記シール部材の一面には、前記シール部材が前記基部の底面の所定位置に装着される際に、前記基部の底面から前記基部の内部方向に延びる第2の孔部が1又は複数形成され、第2の孔部内には前記基部の底面と略平行に延びる突出部が画定され、
前記シールストッパには、前記第2の孔部に挿入されると先端部近傍で前記突出部と係止する係止片が形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の電気コネクタ。 - 前記シール部材は、内周面の全周にわたる段差部が設けられており、且つ
前記シールストッパには、前記シールストッパの係止片が前記基部の底面の第2の孔部に挿入されると、前記シール部材の内周の段差部に係合する縁部が形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の電気コネクタ。 - 前記シールストッパとシール部材との係合は、前記基部の底面と略平行な前記段差部の面に対する凹凸によってなされていることを特徴とする、請求項10に記載の電気コネクタ。
- 前記基部には、その底面の縁部にその底面から略垂直方向に延びる壁部が形成され、前記シール部材が、外周面の全周にわたって段差部を有し、
前記シール部材が前記基部の底面の所定位置に装着されると、前記基部の底面の壁部が前記シール部材の外周の段差部と係合することを特徴とする、請求項7に記載の電気コネクタ。 - 請求項12記載の電気コネクタが相手方コネクタの受容部に嵌合すると、前記シール部材が相手方受容部の内面によって圧縮されて前記基部の底面及び壁部の面と密着されることを特徴とする、電気コネクタ。
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