JP2013037175A - レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

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【課題】ラック構成部の撓みを小さくしてピニオンギアとの噛み合いの外れを抑制する。
【解決手段】プリズム保持部材31には、鏡筒地板71に保持され光軸Yの方向に延設されるガイド軸86に摺動自在に係合する摺動部31a、31bが設けられる。プリズム保持部材31のラック構成部311には、ガイド軸86と平行な方向に配列されたラックギア31c(ラック歯)が形成される。プリズムモータ32からの駆動力が、ピニオンギアであるプリズム駆動ギア38とラックギア31cとの噛み合いを介してプリズム保持部材31に伝達されることで、摺動部31a、31bがガイド軸86を摺動し、プリズム保持部材31がガイド軸86に沿って移動する。鏡筒地板71に一体に形成されるリブ71aは、ラックギア31cとは反対側である背面31hに対して隙間を開けて背面31hとガイド軸86の間に位置する。
【選択図】図17

Description

本発明は、光軸方向に延設されたガイド軸に、光学系を保持する保持枠が摺動自在に支持され駆動されるレンズ鏡筒等に関する。
従来、銀塩カメラ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置に備えられるレンズ鏡筒において、プリズム等の光学系を保持する保持枠をガイドバー(ガイド軸)で軸支して移動させるものが知られている。
この種のものでは通常、ガイドバーに保持枠の摺動部を摺動自在に係合させ、保持枠が例えば沈胴位置から撮影位置までの可動領域全て動かせるように保持枠にラックを形成し、ピニオンギアとの噛み合いにより保持枠を駆動する構成としている。
特許文献1にはレンズ保持枠に薄板状の突起部を設けて一体化し、その薄板状突起部にラックを形成し、ラックを弾性的にリードスクリューと噛み合い係合させる技術が開示されている。
特開平9−96753号公報
しかしながら、特許文献1のようにラック部に弾性を持たせると、変形することによってピニオンギアとの噛み合いが外れ易くなるという問題がある。
また、レンズを移動させる距離が長くなればなるほど長いラックが必要となり、そのためラックを形成しているスリーブ部も長くなるため、スリーブが一層撓みやすくなる。従って、弾性を持たせる意図がなくてもラックが長くなることによりラックを形成しているスリーブ部が変形しやすくなり、その結果、ラックとギアとの間隔に狂いが生じて噛み合いが外れやすくなるといった問題がある。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ラック構成部の撓みを小さくしてピニオンギアとの噛み合いの外れを抑制することにある。
上記目的を達成するために本発明は、光軸の方向に延設されるガイド軸と、前記ガイド軸を保持する地板と、光学系を保持し、前記ガイド軸に摺動自在に係合する摺動部が設けられると共に前記ガイド軸と平行な方向に配列されたラック歯を有するラック構成部が設けられる保持枠とを有し、駆動手段の駆動力がピニオンギアと前記ラック構成部の前記ラック歯との噛み合いを介して前記保持枠に伝達されることで、前記摺動部が前記ガイド軸を摺動し、それにより前記保持枠が前記ガイド軸に沿って移動するように構成され、前記ラック構成部の前記ラック歯が設けられる側とは反対側である背面に対して対向する受け部が前記地板に設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、ラック構成部の撓みを小さくしてピニオンギアとの噛み合いの外れを抑制することができる。
本発明の一実施の形態に係るレンズ鏡筒がWIDE位置にある状態を示す正面図とその光軸を通る断面図である。 レンズ鏡筒がWIDE位置にある状態のガイド軸を通る断面図である。 第4レンズ群の駆動機構を説明するための斜視図である。 絞り兼シャッタの斜視図である。 絞り兼シャッタの分解斜視図である。 レンズ鏡筒がTELE位置にある状態を示す正面図とその光軸を通る断面図である。 レンズ鏡筒がTELE位置にある状態のガイド軸を通る断面図である。 レンズ鏡筒がSINK位置にある状態を示す正面図とその光軸を通る断面図である。 レンズ鏡筒がSINK位置にある状態のガイド軸を通る断面図である。 固定筒の内周側展開図である。 カム筒、及びプリズムを駆動する機構の一部を分解した斜視図である。 プリズムを保持する保持部材とプリズム駆動部の一部を示す平面図である。 プリズムキャリアとプリズムディレイギアとの位相関係、及びトーションバネのチャージ量を説明するための図である。 フォトインタラプターと遮光板との関係を示す断面図である。 レンズ鏡筒のプリズム保持部材がSINK位置(収納位置)から撮影位置方向に動いている状態の、ガイド軸を含む平面で切った主要部分の断面図である。 カム筒とズームモータ及びズームギア列の一部を示す平面図である。 レンズ鏡筒がWIDE位置にある状態のガイド軸と垂直な平面で切った断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の一実施の形態に係るレンズ鏡筒がWIDE位置(広角位置)にある状態を示した主要部分の正面図、及びその要部断面図である。このレンズ鏡筒は、撮像装置の一例であるデジタルカメラに備えられる。図1(a)は、第1レンズ群10の光軸X方向における被写体側から見ている。
図2はレンズ鏡筒がWIDE位置(広角位置)にある状態をガイド軸を含む平面で切った主要部分の断面図である。なお、レンズ鏡筒は、レンズ群が光軸方向に移動して撮影倍率を変更するズーム式のレンズ鏡筒として構成されている。ここで、レンズ鏡筒の各レンズ群は、沈胴位置(SINK位置)と撮影可能位置(WIDE位置からTELE位置(望遠位置)にかけての位置)との間を移動する。
図1及び図2に示すように、本デジタルカメラは、ズーム式レンズ鏡筒として、第1レンズ群10、第2レンズ群20、プリズム9を含む第3レンズ群30、第4レンズ群40、第5レンズ群50、第6レンズ群60を備える。さらに、光学フィルタ7、撮像素子8、固定筒79、カム筒77及び直進ガイド筒78、鏡筒地板71、ガイド軸86(図2)、ガイド軸87(図2)を備える。
第1レンズ群10は1群鏡筒11に1群レンズ1が保持されることによりこれらの部品で構成されている。第2レンズ群20は2群鏡筒21に2群レンズ2が保持されることによりこれらの部品で構成されている。1群鏡筒11、2群鏡筒21はともにカム筒77、直進ガイド筒78によって光軸Xに沿って移動可能に保持されている。1群レンズ1及び2群レンズ2から入射した光束は、プリズム9により1群レンズ1及び2群レンズ2の光軸Xに対して略90°の角度で交差する光軸Yの方向に屈曲して、撮像素子8の結像面に導かれる。プリズム9と撮像素子8との間には、プリズム9から撮像素子8に向けて順番に、3群レンズ3、撮影光量を制御する絞り兼シャッタ90、4群レンズ4、5群レンズ5、6群レンズ6及び光学フィルタ7が光軸Yに沿って配置されている。
ガイド軸86、87はいずれも光軸Yの方向に平行に延設される。3群レンズ3及びプリズム9が本発明における光学系に相当する。プリズム9は、ガイド軸86に対して45°傾いた反射装置である。
図2に示すように、プリズム9は、保持枠であるプリズム保持部材31に保持され、プリズム保持部材31にはガイド軸86側にスリーブ形状の2ヶ所の摺動部31a,31bが設けられる。第1の摺動部である摺動部31aと第2の摺動部である摺動部31bはそれぞれ、ガイド軸86に摺動自在に係合している。光軸Y方向における2つの摺動部31a,31b間の長さ(向かい合わない端面同士の距離)はAである。プリズム保持部材31は、ガイド軸87側に1ヶ所の摺動部31fを有する。これらの摺動部31a、31b、31fの作用により、プリズム保持部材31はガイド軸86、ガイド軸87によって光軸Yに沿って移動可能に軸支されている。
3群レンズ3は、プリズム9と共にプリズム保持部材31と一体化して光軸Yに沿って移動可能に保持され、これらの部品全部で第3レンズ群30を構成している。プリズム保持部材31はWIDE状態では光軸Y方向における最も被写体側(光軸Y方向における撮像面から遠ざかる側)に繰り出した位置で鏡筒地板71のストッパー部71cに突き当たっている。
絞り兼シャッタ90は、シャッタ地板92に固定され、4群地板41とシャッタ地板92とを互いにねじ等で結合して一体化する。4群レンズ4は4群を保持する部材である4群レンズホルダー42に保持されている。4群レンズホルダー42は4群地板41内に光軸Yと垂直な平面内を任意の方向に微小距離移動可能なように支持され、これらの全体を1つのユニットとして第4レンズ群40を構成している。4群地板41は、プリズム保持部材31よりも撮像面側に配置される。
第4レンズ群40がステッピングモータ43(図1(a))の駆動により光軸Yに沿って進退することで変倍動作が行われる。また4群レンズホルダー42が不図示のアクチュエータと不図示の位置検出手段により光軸Yと垂直な平面内を移動制御されることにより、光学防振動作が行われる。ここで絞りとシャッタが兼用であり且つ、第4レンズ群40内で光学防振を行う構成としたが、必ずしもこの構成にこだわるものではない。
4群地板41は、ガイド軸86側にプリズム保持部材31と同様にスリーブ形状の2ヶ所の摺動部41a,41bを有する。摺動部41a、摺動部41bはいずれも、ガイド軸86に摺動自在に係合している。光軸Y方向における2つの摺動部41a,41b間の長さ(向かい合わない端面同士の距離)はBである。長さBは長さAと同じかほぼ等しい。4群地板41は、ガイド軸87側にプリズム保持部材31と同様に1ヶ所の摺動部41cを有する。
摺動部41aは光軸Y方向において常にプリズム保持部材31の摺動部31aと摺動部31bの間に挟まれた位置にあり、いわゆる入れ違いになっている。すなわち、光軸Y方向において撮像面に近い側から摺動部41b、摺動部31b、摺動部41a、摺動部31aの順の位置でガイド軸86に係合している。図2のWIDE状態では、摺動部31aと摺動部41aとの、撮像面の反対側の端面同士の距離はEであり、この距離Eは長さAよりも小さい。
図1及び図2に示すように、5群レンズ5は5群レンズホルダー51に保持されてこれらの部品で第5レンズ群50を構成する。図2に示すように、5群レンズホルダー51にはガイド軸87側にスリーブ形状の2ヶ所の摺動部51d,51eが設けられ、ガイド軸86側に1ヶ所の摺動部51cが設けられる。摺動部51cがある部分の光軸Y方向における厚さはCである。これらの摺動部の作用により5群レンズホルダー51はガイド軸86、87により光軸Y方向に沿って移動可能に支持されている。5群レンズホルダー51には遮光板51aが一体的に形成されており、この遮光板51aはフォトインタラプター49を遮光するためのものである。
6群レンズ6は6群レンズホルダー61に保持されてこれらの部品で第6レンズ群60を構成する。6群レンズホルダー61にはガイド軸86側にスリーブ形状の2ヶ所の摺動部61a,61bが設けられ、2つの摺動部61a,61b間の長さ(向かい合わない端面同士の距離)はDである。6群レンズホルダー61には、ガイド軸87側に1ヶ所の摺動部61dが設けられる。これらの摺動部の作用により6群レンズホルダー61はガイド軸86、87により光軸Y方向に沿って移動可能に支持されている。ステッピングモータ62の駆動によりスクリュー62aを回転させて第6レンズ群60を光軸Yに沿って進退移動させることで、変倍動作及び合焦動作が行われる(図1(a))。
光学フィルタ7は、空間周波数の高い光をカットする為のローパスフィルタ機能と赤外光をカットする機能を有する。鏡筒地板71は2本のガイド軸86、87と光学フィルタ7を保持固定している。図2に示すようにガイド軸86、87の片側はカム筒77内の2群鏡筒21(図1(b))と重なる位置まで延びており、反対側は光学フィルタ7を保持している位置まで延びている。また鏡筒地板71は光軸X方向における被写体側に固定筒79を保持し、後述する駆動備品であるギア列群を保持している。センサー板81(図1)には撮像素子8が接着固定され、そのセンサー板81が鏡筒地板71に固定されている。
図3は、第4レンズ群40の駆動機構を説明するための斜視図である。図3に示すように、ステッピングモータ43の出力軸には、ギア43aが取り付けられている。ギア43aはスクリュー44bと一体に取り付けられているギア44aと噛合してスクリュー44bを増速回転させる。47はスクリュー44bを片寄せしている板バネである。スクリュー44bには、4群地板41に取り付けられたラック46が噛合している。4群地板41は、光軸Yに平行な2本のガイド軸86、87によって光軸Yに沿って移動可能に支持されている。
従って、スクリュー44bが回転することにより、ラック46が光軸Y方向の力を受けて移動し、ラック46と共に4群地板41をはじめとして4群レンズホルダー42及び4群レンズ4を含む第4レンズ群40全体が光軸Y方向に移動する。また、4群レンズ4及び4群レンズホルダー42を覆う4群カバー48が設けられる。4群カバー48にはフォトインタラプター49が取り付け固定されている。4群カバー48は4群地板41に4群レンズホルダー42を挟んで取り付け固定されており、4群カバー48とフォトインタラプター49とは共に4群地板41と一体に光軸Y方向に移動する。
図14はフォトインタラプター49と遮光板51aとの関係を示す断面図である。第4レンズ群40と第5レンズ群50との間の距離が一定距離まで縮まると、図14(a)に示すように遮光板51aによってフォトインタラプター49内のLEDの光が受光センサー49aに入らないように遮光される。それにより、フォトインタラプター49は、フォトインタラプター49内の受光センサー49aの電気的な出力が切り換わるのを検知する仕組みになっている。
図2に示すように、5群レンズホルダー51において、ガイド軸87に支持され摺動する部分である摺動部51d、51eを含むスリーブ部から腕部51bが延びており、鏡筒地板71に形成されているストッパー部71bに腕部51bが突き当たる。引張りバネ53が鏡筒地板71と5群レンズホルダー51との間を引っ張りあっており、引張りバネ53によって光軸Y方向において撮像面から遠ざかる側に向って5群レンズホルダー51は片寄せされている。撮影時には、5群レンズホルダー51は腕部51bがストッパー部71bに突き当たり、図1、図2に示された位置に片寄せされて固定されている。
図1(a)に示すステッピングモータ62と、該ステッピングモータ62と一体に構成されたスクリュー62aとは一体に回転する。6群レンズホルダー61に取り付けられた6群ラック63がスクリュー62aと噛み合っている。従って、ステッピングモータ62が回転すると、第6レンズ群60は第4レンズ群40と同様に、6群レンズホルダー61が光軸Y方向に移動することによって、第6レンズ群60全体が光軸Y方向に移動する。遮光板61cが6群レンズホルダー61と一体に取り付けられておりフォトインタラプター88(図2)との位置関係により切り換わり位置を検知できるようになっている。
6群レンズ6を保持する6群レンズホルダー61の摺動部61aと摺動部61bを結んだスリーブ部の長さ(摺動部61a、61bの向かい合わない端面同士の距離)は図2にDで示されている。長さDを稼ぐために、摺動部61a、61bは、5群地板51の摺動部51d,51eが係合するガイド軸87とは逆側のガイド軸86に係合支持される。このように、6群のスリーブ部の長さDを出来るだけ長くするためには、配置的に隣り合う5群レンズホルダー51に御受けるものとは逆のガイド軸86の側にスリーブ形状部を配置するのがよい。結果的に4群地板41のスリーブと同じ側のガイド軸86を、スリーブ形状部の摺動部61a,61bが配置される軸として使用することになる。
次に図11〜図13を参照して、プリズム9及び3群レンズ3を含んだ第3レンズ群30を動かすプリズム保持部材31の駆動について説明する。
図11は、プリズム保持部材31を駆動する機構の一部を示す斜視図である。図12は、プリズム9及び3群レンズ3を保持するプリズム保持部材31とその駆動部を説明するための平面図である。
駆動手段であるプリズムモータ32のモータ軸には、ウォームギア32a(図12)が圧入される。ウォームギア32aがギア33の斜歯ギアと噛合し、ギア33の平ギア33bはギア34の平歯ギア34aに噛合し、ギア34の平歯ギア34bはプリズム35と噛み合っている。
図13は、プリズムギア35とプリズムディレイギア37との位相関係、及びトーションバネ36のチャージ量を説明するための図である。
図11に示すように、被写体側から順にプリズムギア35、トーションバネ36及びプリズムディレイギア37が同軸に配置されており、プリズムディレイギア37は、プリズムギア35の軸35eに回転自在に軸支される。プリズムディレイギア37のギア部には、プリズム駆動ギア38が噛合する。図13に示すように、プリズムギア35及びプリズムディレイギア37には、それぞれ掛止部35b及び掛止部37bが互いに対向する方向に延びて設けられており、掛止部37bは、掛止部35bより径方向内側に配置されている。
図13に示すように、トーションバネ36は中心にあるコイル部と、コイル部の軸方向両端から径方向外側に延びる2本の腕部36a,36bとを備える。2本の腕部36a,36bは、プリズムディレイギア37及びプリズムギア35の掛止部37b,35bに掛止される。トーションバネ36は、組み込み時には、掛止部37b及び掛止部35bが同位相に配置された状態(図13(b)参照)で、2本の腕部36a,36bが掛止部37bに掛止されてプリチャージされている。
この状態で、プリズムディレイギア37の回転を自由にして、プリズムギア35を回転させると、プリズムギア35、プリズムディレイギア37及びトーションバネ36は一体的に回転する。一方、プリズムディレイギア37の回転を規制した状態で、プリズムギア35を回転させると、トーションバネ36をオーバーチャージしながらプリズムギア35のみが回転する。
図12に示すように、プリズム保持部材31の摺動部31aと摺動部31bとの間を超える範囲にラックギア31cが形成される(図2も参照)。このラックギア31cは、プリズム保持部材31の一部であるスリーブ状のラック構成部311に形成され、ガイド軸86と平行な方向に配列された複数のラック歯である(図2も参照)。すなわち、ラックギア31cは、ラック構成部311のうちガイド軸86と対面しない側に形成され、ラックギア31cとは反対側である背面31hが、ガイド軸86の側を向いている。背面31hは、ガイド軸86に平行である。また、ラックギア31cは、上記した摺動部31a,31b間の長さAよりも長い範囲に形成されている。
プリズム駆動ギア38は、ラックギア31cと噛合するピニオンギアに相当する。すなわち、駆動手段であるプリズムモータ32からの駆動力が、プリズム駆動ギア38とラックギア31cとの噛み合いを介してプリズム保持部材31に伝達される。これにより、摺動部31a、31b、31fがガイド軸86、87を摺動し、プリズム保持部材31がガイド軸86、87に沿って移動する。平行な2本のガイド軸86、87を有することで、プリズム保持部材31の回り止め機能が果たされている。
またラックギア31cは、摺動部31aと摺動部31bとを結ぶ長さよりさらにストッパー部31gの近くまで一体にスリーブ形状の延長上に長く伸びて形成されている。このため、プリズム駆動ギア38が回転すると、プリズム保持部材31がプリズム9と一体となって光軸Yに沿って進退する。鏡筒地板71には受け部であるリブ71aが一体に形成される。リブ71aは、ラックギア31cの歯とは反対側の背面31hに対して隙間を開けて、背面31hとガイド軸86との間に位置する(図17でも後述)。
ここで、プリズム保持部材31が光軸Y方向に移動可能であれば、トーションバネ36とプリズムディレイギア37がプリズムギア35と一体に回転し、プリズム保持部材31を光軸Y方向に進退させる。一方、図2に示したWIDE状態のようにプリズム保持部材31の光軸Y方向の移動が鏡筒地板71のストッパー部71cに突き当たることにより規制されていれば、プリズムディレイギア37も回転できない。そのため、トーションバネ36がオーバーチャージしながらプリズムギア35の回転を吸収する。そして図13(a)、(c)に示すように、プリズムギア35のストッパー35cとプリズムディレイギア37のストッパー37cまたはストッパー37dとが衝突することによりオーバーチャージ分の回転量も規制される。
WIDE状態等の撮影状態では図13(a)の状態となる。後述するSINK(沈胴)状態では光軸Y方向で撮像面側にある鏡筒地板71の退避側のストッパー部71d(図2、図9)にストッパー部31gが突き当たることにより逆回転側の図13(c)の状態になる。以上の説明から、プリズムモータ32によりプリズム9を駆動することができる。
図12に示すように、プリズムモータ32に圧入された初段のウォームギア32aと一体にパルス板32bとして複数枚の羽根が設けられている。パルス板32bが回転するとパルス板32bの羽根がフォトインタラプター39を遮光したりしなかったりすることにより、前述したフォトインタラプター49の仕組み(図14)と同様に電気的な信号の切り換わりを検出できる。この信号を検出してカウントすることでどのくらいプリズムモータ32を回転させたかという回転量がわかる。この回転量とギア列の減速比からトーションバネ36がオーバーチャージしてない場合のプリズム9の移動量が推定できる。
またプリズム保持部材31には図2に示すように遮光板31d、31eが取り付けられており、それぞれフォトインタラプター84、85(図12も参照)で遮光された信号の切り換わり位置を検出することができる。図2の状態では、プリズム保持部材31がストッパー部71cに突き当たって同時に遮光板31dでフォトインタラプター84が遮光されているため、プリズム保持部材31が撮影位置にあることが検出できる。フォトインタラプター84が遮光される切り換わり位置を基準のリセット位置としてフォトインタラプター39で検出されるパルスのカウントの基準にする。
図17は、レンズ鏡筒がWIDE位置にある状態のガイド軸86と垂直な平面で切った断面図である。
ガイド軸86の周りには、プリズム保持部材31の摺動部31a、31bが嵌合されている(摺動部31bのみが現れている)。ラック構成部311は、ガイド軸86とプリズム駆動ギア38との間に位置している。リブ71aは、鏡筒地板71から突設されて背面31hとガイド軸86との間に位置し、背面31hに対向している(図12も参照)。リブ71aの背面31hに対向する面は背面31hに平行である。
ラック構成部311がプリズム駆動ギア38から駆動力を受けていない状態において、背面31hとリブ71aとの隙間をHとする。隙間Hは、ラックギア31c及びプリズム駆動ギア38の歯の高さ(全歯たけ)より十分に小さくなるように設定されている。
また、図2に示すように、光軸Y方向において、背面31hは摺動部31aから摺動部31bを通り越してストッパー部31gの付近まで直線的に延長されている。リブ71aはプリズム駆動ギア38のある付近からストッパー部71dの位置まで直線的に延びている。背面31hとリブ71aはともにガイド軸86に平行であるため、プリズム保持部材31の位置にかかわらず隙間はHで一定である。
従って、リブ71aは、ラックギア31cが変形等によりプリズム駆動ギア38から離れる方向に変位した場合、ギア間(ラックギア31cとプリズム駆動ギア38)の噛合が外れる前にリブ71aが背面31hを受け止める。これにより、噛合が外れることが防止される。
次に、固定筒79、カム筒77及び直進ガイド筒78について説明する。
図10は、固定筒79の内周側展開図である。図16はカム筒の駆動機構の主な部分を光軸X方向の像面側からみた裏面図である。
図10に示すように、固定筒79の内周部には、カム筒77の外周部に設けたカムピンがカム係合するカム溝79aが周方向に略等間隔で複数箇所形成されている。また、固定筒79の後端部には、プリズム9を保持するプリズム保持部材31が光軸Y方向に進退する際に通り抜ける切り欠き79bが形成されている。
直進ガイド筒78は、カム筒77の内周側に配置され(図1(b))、カム筒77と一体となって光軸X方向に移動可能且つ、固定筒79との関係で回転不可能とされている。また、カム筒77の内周部には、不図示の1群カム溝及び2群カム溝が形成されている。カム筒77と直進ガイド筒78との間には、第1レンズ群10が配置され、第1レンズ群10の1群鏡筒11の外周部に設けたカムピン11a(図1(b))がカム筒77の1群カム溝とカム係合している。
また、図16に示すように、直進ガイド筒78の外周部には、光軸X方向に沿って延びる直進溝78cが形成されており、この直進溝78cに1群鏡筒11の内周部に設けた凸部11bが係合することにより、1群鏡筒11の回転方向の動きが規制されている。
図16に示すように、直進ガイド筒78の内周側には、第2レンズ群20が配置され、第2レンズ群20は、第1レンズ群10と同様に、2群鏡筒21に複数設けたカムピン21aがカム筒77の2群カム溝にカム係合する。また、直進ガイド筒78には、光軸X方向に貫通溝78dが設けられており、この貫通溝78dに2群鏡筒21のカムピン21aの根元に設けられた係合部21bが係合することにより、2群鏡筒21の回転方向の動きが規制されている。
そして、カム筒77が回転すると、カム筒77の1群カム溝と1群鏡筒11のカムピン11aとのカム作用により、1群鏡筒11の凸部11bが直進ガイド筒78の直進溝78cを光軸X方向に摺動する。この摺動を生じながら、1群鏡筒11がカム筒77に対して光軸Xに沿って進退する。従って、カム筒77が固定筒79に対して光軸Xに沿って進退すると、カム筒77に対して1群鏡筒11が光軸Xに沿って進退して1群レンズ1がSINK位置と撮影位置との間を移動する。2群レンズ2についても、同様の動作によってSINK位置と撮影位置との間を移動する。
カム筒77の外周部には、図16に示す駆動ギア76に噛合するギア部77aが形成され、駆動ギア76から駆動力が伝達されることで、カム筒77が回転駆動される。このとき、固定筒79のカム溝79aとカム筒77のカムピンとのカム作用により、カム筒77は光軸Xに沿って進退することとなる。
次に、カム筒77の駆動機構について説明する。図16に示すように、ズームモータ72は、第1レンズ群10及び第2レンズ群20を移動させるための駆動源である。ズームモータ72は、モータ軸線を光軸Y方向に向けて配置されている。ズームモータ72のモータ軸には、ウォームギア72aが圧入されている。
ギア73は斜歯ギアを介してウォームギア72aと噛合しており、また平歯のギアがギア74に噛合する。ギア74における別のギアがアイドラギア75を介して駆動ギア76に噛合し、駆動ギア76は、カム筒77のギア部77aに噛合する。
このように、説明したギア列がズームモータ72を駆動して回転させるとその駆動力をカム筒77まで伝達することで、カム筒77を回転駆動することができる。
ズームモータ72をカム筒77の繰り出し方向に回転させると、カム筒77のカムピンは、固定筒79のカム溝79aを図10の右方向に移動し、カム筒77が光軸X方向に繰り出されて、プリズム保持部材31が撮影位置側に移動するための空間が形成される。
図16に示すように、ズームギア列のズームモータ72に圧入された初段のウォームギア72aと一体にパルス板72bとして複数枚の羽根が設けられている。パルス板72bが回転するとパルス板72bの羽根がフォトインタラプター83を遮光したりしなかったりすることにより、前述したフォトインタラプター49の仕組みと同様に電気的な信号の切り替わりを検出できる。そしてパルス板72bの羽根の通過した回数をカウントすることで、ズームモータ72の回転量を測定することができ、その結果と前述したギア列の減速比からカム筒77の回転量を検出することができる。
また直進ガイド筒78には遮光板78aが形成されている。フォトインタラプター82は直進ガイド筒78、カム筒77と一緒に光軸X方向被写体側に繰り出した時に遮光板78aによって遮光されるため、撮影位置に繰り出したことを検出できる。プリズム保持部材31のリセットと同様にして、フォトインタラプター82が遮光される切り換わり位置を基準のリセット位置としてフォトインタラプター83で検出されるパルスのカウントの基準にする。
図4は絞り兼シャッタ90の斜視図、図5は絞り兼シャッタ90の分解斜視図である。
図4及び図5に示すように、絞り兼シャッタ90は、シャッタ地板92と4群地板41側に配置されるカバー96との間に、開口96aを開閉する複数の羽根94,95が設けられている。カバー96とシャッタ地板92とは、ビス97により互いに固定されている。
ステッピングモータ91は、絞り兼シャッタ90の複数の羽根94,95を開閉駆動するためのアクチュエータであり、ステッピングモータ91のモータ軸には、モータ軸の軸線に対して直交する方向に延びるレバー93が取り付けられている。レバー93の延設方向の両端部には、それぞれ軸93a,93bが突設されている。
軸93aは、シャッタ地板92に形成された円弧状穴92a、羽根94に形成された長穴94a及びカバー96に形成された円弧状穴96aに挿入され、円弧状穴92a,96aに沿って移動可能とされている。また、軸93bは、シャッタ地板92に形成された円弧状穴92b、羽根95に形成された長穴95a及びカバー96に形成された円弧状穴96bに挿入され、円弧状穴92b,96bに沿って移動可能とされている。
そして、レバー93がステッピングモータ91の駆動により回転すると、羽根94,95が互いに逆方向に回動し、羽根94,95を往復回動させることで、開口96aを開閉する。これにより、開口96aを開閉する羽根94,95同士の隙間を調整することで撮影光量を制御する絞り機能を実現し、開口96aを開いた状態から閉じた状態に羽根94,95を動かすことでシャッタ機能を実現する。
図6(a)、(b)は、レンズ鏡筒がTELE位置(望遠位置)にある状態を示す図で、第1レンズ群の光軸方向から見た主要部分の正面図と要部断面図である。図7はレンズ鏡筒がTELE位置(望遠位置)にある状態を示す図で、ガイド軸86、87を含む平面で切った主要部分の断面図である。
図6、図7に示すように、レンズ鏡筒がTELE位置にある状態では、第1レンズ群10が光軸Xに沿って被写体側の方向に前進すると共に、第2レンズ群20が光軸X方向に沿って後退してプリズム9に接近した位置で停止する。第4レンズ群40は、ステッピングモータ43の駆動により、光軸Y方向に沿ってプリズム9のある被写体方向(撮像面から遠ざかる側)に向かって移動して第3レンズ群30に接近した位置で停止する。
ここで第5レンズ群50はWIDE位置(広角位置)のときからストッパー部71bに突き当たっているため、移動せずに固定されている。そのため第4レンズ群40は第5レンズ群50と離れてステッピングモータ43の駆動により移動する。そのため、フォトインタラプター49も第4レンズ群40と共に移動する。フォトインタラプター49を遮光していた遮光板51aは移動しない。そのためWIDE位置からTELE位置方向に第4レンズ群40が移動し始めると図14(b)に示すように受光センサー49aの遮光が解除される。
この遮光の切り換わりのタイミングをフォトインタラプター49の出力から検出して、そのときのパルスが第4レンズ群40の位置を検出しパルスをカウントするリセット位置となる。リセット位置からTELE位置までの区間は図14(c)の状態となり遮光されない区間となる。第6レンズ群60は、ステッピングモータ62の駆動により、光軸Y方向に沿って撮像素子8のある像面側に向かって移動して光学フィルタ7に接近した位置で停止する。
図8(a)、(b)は、レンズ鏡筒がSINK位置(収納位置)にある状態を示す図で、第1レンズ群10の光軸方向から見た正面図とその要部断面図である。図9はレンズ鏡筒がSINK位置(収納位置)にある状態を示す図で、ガイド軸86、87を含む平面で切った主要部分の断面図である。
図8及び図9に示すように、レンズ鏡筒がSINK位置にある状態では、プリズム9を含む第3レンズ群30、第4レンズ群40、第5レンズ群50及び第6レンズ群60は、光軸Yに沿って互いに干渉しないように撮像素子8側に移動する。これにより、第2レンズ群20及び第1レンズ群10の第1光軸X方向で像面側(被写体側の反対側)に収納空間が形成され、第1レンズ群10及び第2レンズ群20はそこに収納される。レンズ鏡筒がSINK位置のとき、カム筒77のカムピンは、固定筒79のカム溝79a内で図10に示す位置79cに配置されている。
SINK位置では、第5レンズ群50は第4レンズ群40に光軸Y方向の撮像面側に押されてSINK位置まで繰り込まれている。WIDE位置(広角位置)からSINK位置(収納位置)までの区間ではフォトインタラプター49は遮光板51aによってずっと遮光されたままになっている。
第6レンズ群60は、SINK位置まで繰り込まれフォトインタラプター88は6群レンズホルダー61の遮光板61cにより遮光されているため、フォトインタラプター88の出力から切り換わり信号を検出でき、SINK位置にあることが判定できる。
このとき、プリズムギア35とプリズムディレイギア37との位相関係は、図13(c)に示すように、トーションバネ36をオーバーチャージした位相関係にある。この状態においてプリズム保持部材31は、トーションバネ36のチャージ力によって光軸Yの退避方向(撮像素子8側)に付勢されているが、鏡筒地板71の退避側のストッパー部71dによって退避方向への移動が規制されている。フォトインタラプター85はプリズム保持部材31の遮光板31eにより遮光されているため、フォトインタラプター85の出力から切り換わり信号を検出でき、SINK位置にあることが判定できる。
このときの(SINK位置における)摺動部31aと鏡筒地板71のストッパー部71cとの対向する面同士の距離はGであり、距離Gは長さAより大きい。ここで、距離Gは、プリズム保持部材31や4群地板41の移動し得る最大距離(最大可動距離)に相当する。
図示しないが、本デジタルカメラは、CPU、制御プログラムを格納する記憶部、各種データを記憶する記憶部、タイマ、各種インターフェイス等を有する制御部を備える。フォトインタラプター39、49、82〜85、88の検出結果を示す信号が制御部に供給される。制御部は、本レンズ鏡筒を含むカメラ全体の制御を行う。例えば、制御部は、制御プログラムに従い、ユーザの指示やフォトインタラプター類の検出結果等に応じた動作を行うべく、モータ32、43、62、72、91を駆動制御する。これにより、各モータによって駆動される構成要素の動作を制御する。
次に、SINK位置から所定の撮影可能位置であるWIDE位置にレンズ鏡筒を繰り出す動作シーケンスについて説明する。
デジタルカメラの電源のオンによりレンズ鏡筒を撮影状態にする。まず、レンズ鏡筒をWIDE位置へ繰り出すには、ズームモータ72によるカム筒77の繰り出し方向への駆動を開始する。このとき、カム筒77のカムピンは、固定筒79のカム溝79aを図10の矢印Z1方向に移動し、リフトを有する区間で第1レンズ群10及び第2レンズ群20が光軸Xに沿って繰り出し方向に移動する。そして、カム筒77がWIDE位置に達すると、ズームモータ72の駆動を停止する。以上の動作によって、第1レンズ群10、第2レンズ群20はWIDE位置に配置されて、撮影状態となる。カム筒77がWIDE位置に達すると、カムピンは、固定筒79のカム溝79a内の位置79dに移動する。
この繰り出し動作の後、プリズムモータ32を駆動してプリズムギア35がプリズム保持部材31を撮影位置に繰り出す方向に回転させる。しかし、図13(c)に示すようにSINK位置ではトーションバネ36がオーバーチャージの状態であるため、プリズムディレイギア37は停止したままとなる。従って、プリズム保持部材31は、退避位置から動かない。
そして図13(b)に示すように、プリズムギア35の掛止部35bとプリズムディレイギア37の掛止部37bとの位相が一致するとプリズムディレイギア37がプリズムギア35と一緒に回転し始め、プリズム保持部材31が撮影位置方向に動き出す。
図15は、レンズ鏡筒のプリズム保持部材31がSINK位置(収納位置)から撮影位置方向に動いている状態を示す図で、ガイド軸86、87を含む平面で切った主要部分の断面図である。図15では、仮に第4レンズ群40がSINK位置(収納位置)から移動せずにプリズム保持部材31だけがSINK位置から移動した状態を示している。
図2、図7、図9、図15に示した長さA、B、D、厚さC、距離E、Gは、いずれも光軸Y方向の寸法である。第4レンズ群40を移動させずにプリズム保持部材31を移動させていくと、光軸Y方向における摺動部31aとストッパー部71cとの対向する端面同士の間隔が徐々に小さくなる。上述したように、A寸法がG寸法よりも短いため、図15に示すような間隔Fまで上記端面同士が近づくと、摺動部31bと摺動部41aとが衝突してしまう。
これを避けるために、本実施の形態では、プリズム保持部材31の駆動を開始してから、摺動部31bと摺動部41aとが衝突する前に、4群地板41の駆動を開始する。すなわち、プリズム保持部材31を先行して駆動し、4群地板41は、プリズム保持部材31よりも遅れて駆動を開始する。
プリズムモータ32の駆動開始した後に、ステッピングモータ62の駆動を開始する。ステッピングモータ43を駆動することにより、第4レンズ群40が、やがて図14(b)に示したWIDE位置よりも繰り出された位置、すなわちフォトインタラプター49の受光センサー49aを遮光板51aが遮らなくなるリセット位置まで移動する。そして、リセット位置からのパルスをカウントしながらWIDE位置となるまで第4レンズ群40を移動させる。
プリズム保持部材31は、4群地板41(第4レンズ群40)が移動を始めれば、4群地板41と衝突するまでの距離が伸びるため移動を続けることができる。プリズム保持部材31に4群地板41が追いつくことなく、4群地板41の摺動部41aとストッパー部71cまでの距離がAから摺動部41aの厚みを引いた距離以下になれば、プリズム保持部材31は4群地板41と衝突する心配なく移動を続けることができる。
プリズム保持部材31が撮影位置に達すると、撮影側のストッパー部71cに当接して停止し、プリズム保持部材31の停止と同時に、プリズムディレイギア37も停止する。
プリズムモータ32を駆動し続けることで、プリズムギア35はプリズム保持部材31を撮影位置に繰り出す方向に回転し続けて、図13(a)に示すトーションバネ36をオーバーチャージした状態になる。トーションバネ36をオーバーチャージすることで、トーションバネ36の作用によってプリズム保持部材31が撮影側のストッパー部71cの側に付勢されるため、撮影時にプリズム保持部材31の位置や姿勢が安定する効果がある。
トーションバネ36がオーバーチャージ状態に達してさらにプリズムギア35のストッパー35cがプリズムディレイギア37のストッパー37cに衝突する。この状態に達すると、再び大きなトルクの駆動力がプリズムディレイギア37にかかる。この時点で、プリズムモータ32の駆動を停止する。
プリズムモータ32の停止が遅れた場合にはプリズムディレイギア37から駆動力がプリズム駆動ギア38に伝わり、プリズム駆動ギア38がそれに噛み合っているラックギア31cを押す。しかしプリズム保持部材31はストッパー部71cに突き当たっているため移動することができない。またプリズム駆動ギア38とストッパー部71cとは距離が離れているためラック構成部311はスリーブ形状部がガイド軸86の側に撓もうとする。すなわち、撓むことによりギアの噛合が外れる方向に変形しようとする。
しかし、ラック構成部311の背面31hがリブ71aに当接することにより変形量はH寸法分に抑えられる。これにより、プリズム駆動ギア38とラックギア31cとの噛合が外れるのを防ぐことができる。
第5レンズ群50は第4レンズ群40に対して引張りバネ53により片寄せされているため、第5レンズ群50は第4レンズ群40と同時に一体として移動を開始する。そして、第5レンズ群50は腕部51bがストッパー部71bに突き当たるまで第4レンズ群40と一体として同じ動きをして光軸Yの所定の位置に移動する。
腕部51bがストッパー部71bに突き当たった後には第5レンズ群50は突き当て位置に固定され、移動を続ける第4レンズ群40とは分離される。この第5レンズ群50の固定された位置と、SINK状態での位置との間の区間が第6レンズ群60の可動区間となる。第6レンズ群60は、遮光板61cがフォトインタラプター88を遮光した退避位置から光軸Y方向被写体側に駆動され、ピントの合う位置で停止する。
次に、WIDE位置からSINK位置にレンズ鏡筒を沈胴する動作シーケンスについて説明する。この動作は前述と逆の動作となり、デジタルカメラの電源のオフにより開始される。
まず、ステッピングモータ62の駆動により第6レンズ群60を光軸Y方向に沿って撮像素子8側に繰り込み、フォトインタラプター88が遮光板61cで切り換わるところまで移動させる。次に、プリズムモータ32を繰り込み方向に駆動すると、プリズムギア35がプリズム保持部材31を退避位置に繰りこむ方向に回転する。
そして、上述したトーションバネ36のオーバーチャージ分だけプリズムギア35が回転して、プリズムギア35の掛止部35bとプリズムディレイギア37の掛止部37bの位相が一致する。このとき、プリズムディレイギア37は、プリズムギア35、トーションバネ36と一体的にプリズム保持部材31を退避位置に繰り込む方向に回転して、プリズム保持部材31が退避方向に移動する。
プリズム保持部材31がWIDE位置(図2)からスタートしてSINK位置の方向に移動する場合、プリズム保持部材31が距離Eから摺動部31aの厚み分を引いた距離分移動してしまうと、停止している4群地板41に干渉してしまう。すなわち、摺動部31aが摺動部41aに衝突してしまう。それを避けるためには、衝突の前に第4レンズ群40の繰り込みを開始する必要がある。そこで、プリズムモータ32の駆動開始から遅れてステッピングモータ43の駆動を開始する。
ステッピングモータ43の駆動により第4レンズ群40が撮像素子8のある光軸Y方向像面側に移動すると、第4レンズ群40が第5レンズ群50に近づいていき、やがて第5レンズ群50に第4レンズ群40が突き当たる。ステッピングモータ43をさらに駆動することで、第4レンズ群40が第5レンズ群50と一体化して光軸Y方向に沿って撮像素子8側に移動し、退避する。
トーションバネ36がオーバーチャージ状態に達してさらにプリズムギア35のストッパー35cがプリズムディレイギア37のストッパー37dに衝突する。この状態に達すると、再び大きなトルクの駆動力がプリズムディレイギア37にかかる。この時点で、プリズムモータ32の駆動を停止する。
プリズムモータ32の停止が遅れた場合にはプリズムディレイギア37から駆動力がプリズム駆動ギア38に伝わり、プリズム駆動ギア38がそれに噛み合っているラックギア31cを押す。しかしプリズム保持部材31のストッパー部31gは鏡筒地板71のストッパー部71dに突き当たっているため移動することはできない。またプリズム駆動ギア38とストッパー部31gとは距離が離れているためラック構成部311はスリーブ形状部がガイド軸86の側に撓もうとする。すなわち、撓むことによりギアの噛合が外れる方向に変形しようとする。
しかし、ラック構成部311の背面31hがリブ71aに当接することにより変形量はH寸法分に抑えられる。これにより、プリズム駆動ギア38とラックギア31cとの噛合が外れるのを防ぐことができる。
プリズム保持部材31が退避位置に移動して、カム筒77の後方に収納可能な空間が形成されると、制御部100は、ズームモータ72のカム筒77を繰り込む方向への駆動を開始する。すると、カム筒77が繰り込みを開始する。
ズームモータ72は、カム筒77を収納位置まで繰り込むために駆動し続ける。すると、図10のカム溝79aにそって矢印Z4の方向に位置79dから位置79cまでカム筒77がやがてSINK位置に収納されて、第1レンズ群10及び第2レンズ群20が収納される。制御部100は、第1レンズ群10及び第2レンズ群20が収納されてSINK位置となると、ズームモータ72の駆動を停止する。
ところで、レンズ鏡筒をWIDE位置とTELE位置の間で変倍動作する場合は、光軸X方向にはズームモータ72を駆動することにより、第1レンズ群10及び第2レンズ群20を移動させる。レンズ鏡筒をWIDE位置からTELE位置への変倍では、カム筒77のカムピンは、図10に示すように、固定筒79のカム溝79aを矢印Z2方向に位置79eまで移動する。
同時に光軸Y方向においてプリズム保持部材31はWIDE状態になった後は既にストッパー部71cに突き当たっており、撮影位置にいるため移動させることはない。WIDEからTELEに至る際にはプリズム保持部材31との衝突等の心配もないためステッピングモータ43を駆動して第4レンズ群40を移動させる。同時にステッピングモータ62を駆動して第6レンズ群60をピントの合う位置に移動させる。
WIDE位置からTELE位置にズームする際にはフォトインタラプター49と遮光板51aの状態は図14(a)から図14(b)そして図14(c)へと移り変わる。フォトインタラプター49の受光センサー49aは遮光された状態から遮光されない状態に切り換わる。
一方、TELE位置からWIDE位置に変倍動作する場合には逆の手順で、ズームモータ72でカム筒77を矢印Z3方向に動かして位置79dに移動させる(図10)。またプリズム保持部材31は動かさずにステッピングモータ42の作用により第4レンズ群40を移動させる。同時に同様にしてステッピングモータ62の作用により第6レンズ群60をピントの合う位置に移動させる。
WIDE位置とTELE位置との間の変倍動作におけるプリズム保持部材31及び4群地板41の動作については、プリズム保持部材31は停止したままで、4群地板41のみが光軸Y方向に変位する。
本実施の形態によれば、ピニオンギアであるプリズム駆動ギア38にラック構成部311が押圧されて撓もうとしても、背面31hをリブ71aが受け止める。これにより、ラック構成部311の撓みを小さくしてラックギア31cとプリズム駆動ギア38との噛み合いの外れを抑制することができる。
なお、リブ71aが、その長さを最小としつつも、ラック構成部311の変形を抑制する最低限の効果を発揮する観点では、リブ71aは、少なくとも、ガイド軸86の延設方向におけるプリズム駆動ギア38の位置に存在すればよい。すなわち、プリズム駆動ギア38と共にガイド軸86を挟む位置に存在するよう配設されればよい。
なお、受け部としてのリブ71aがラック構成部311の変形を抑制する機能を果たすという観点からは、受け部はリブ71aのようなリブ形状に限られない。また、受け部はプリズム保持部材31に固定的であればよく、一体に形成されることは必須でない。
なお、本発明の構成は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、反射光学素子としてプリズム9を例示したが、これに限定されず、例えばミラー等を用いてもよい。また、撮像装置のデジタルカメラに限定されず、銀塩カメラ、ビデオカメラも含まれる。
31 プリズム保持部材
31a、31b 摺動部
31c ラックギア
31h 背面
32 プリズムモータ
38 プリズム駆動ギア
71 鏡筒地板
71a リブ
86 ガイド軸
311 ラック構成部

Claims (9)

  1. 光軸の方向に延設されるガイド軸と、
    前記ガイド軸を保持する地板と、
    光学系を保持し、前記ガイド軸に摺動自在に係合する摺動部が設けられると共に前記ガイド軸と平行な方向に配列されたラック歯を有するラック構成部が設けられる保持枠とを有し、
    駆動手段の駆動力がピニオンギアと前記ラック構成部の前記ラック歯との噛み合いを介して前記保持枠に伝達されることで、前記摺動部が前記ガイド軸を摺動し、それにより前記保持枠が前記ガイド軸に沿って移動するように構成され、
    前記ラック構成部の前記ラック歯が設けられる側とは反対側である背面に対して対向する受け部が前記地板に設けられたことを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記受け部は、少なくとも、前記ピニオンギアと共に前記ラック構成部を挟む位置に存在するよう設けられることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記ラック構成部の前記背面と前記受け部とは共に、前記ガイド軸に平行であることを特徴とする請求項1または2記載のレンズ鏡筒。
  4. 前記受け部は、前記ガイド軸と前記ラック構成部の前記背面との間に設けられることを特徴とする請求項3記載のレンズ鏡筒。
  5. 前記受け部は、前記背面に平行なリブであることを特徴とする請求項3または4記載のレンズ鏡筒。
  6. 前記受け部は、前記地板に一体に形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
  7. 前記摺動部は、それぞれ前記ガイド軸に摺動自在に係合する第1の摺動部及び第2の摺動部であり、前記ラック構成部の前記ラック歯は、前記ガイド軸と平行な方向において、前記第1の摺動部と前記第2の摺動部との向かい合わない端面同士の距離よりも長い範囲に形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
  8. 前記ラック構成部が前記ピニオンギアから駆動力を受けていない状態において、前記背面と前記受け部との隙間は、前記ラック歯の全歯たけよりも小さいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を有することを特徴とする撮像装置。
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