JP2013134327A - レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イメージサークルのサイズに対して有効画素範囲が大きな撮像素子を用いながら、レンズ鏡筒及び撮像装置本体を小型化することを可能としたレンズ鏡筒及び撮像装置を提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒は、光学系、撮像素子8を備える。光軸と撮像素子8の有効画素範囲301の中心位置とが異なるように構成すると共に、撮像素子8における光軸を中心とした画素領域を切り出して撮影と撮影画像の記録を行う。光軸に対する撮像素子8の有効画素範囲301の中心位置の偏芯方向(ずれ方向)と反対側に、撮像素子8に隣接して操作部材204(他の構成部材)を配置し、撮像素子8と他の構成部材との間の隙間量を偏芯量(ずれ量)より小さく設定する。
【選択図】図15

Description

本発明は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等における撮像素子の保持に適用可能なレンズ鏡筒及び撮像装置に関する。
一般に、撮像装置において光学系のイメージサークル(被写体光が結像する円形の範囲)を小さくすると、レンズや絞り等の光学素子を小型に構成できるため、光学系の小型化に寄与する。一方で、撮像素子には様々なサイズがあるが、光学系により決まるイメージサークルのサイズに対して撮像素子の有効画素範囲に無駄のない最適なサイズが無いことがある。このような場合、イメージサークルのサイズに対して有効画素範囲に余裕のある大きなサイズの撮像素子を使用する。
上記イメージサークルと撮像素子の有効画素範囲に関する先行技術として以下の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、イメージサークルの小さい交換レンズを有効画素範囲の大きい撮像素子を備えるカメラボディに装着したときに、適切なカメラ制御が可能なカメラシステムが示されている。
特開2006−133476号公報
しかしながら、上述した光学系のイメージサークルのサイズに対して有効画素範囲が大きな撮像素子を用いると、撮像素子及び撮像素子保持部材が大きくなるため、撮像装置本体の小型化に不向きであるという問題があった。
本発明の目的は、イメージサークルのサイズに対して有効画素範囲が大きな撮像素子を用いながら、レンズ鏡筒及び撮像装置本体を小型化することを可能としたレンズ鏡筒及び撮像装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、光軸に沿って配置された光学系と、前記光学系により結像された被写体光を電気信号に光電変換する撮像素子とを備えるレンズ鏡筒であって、前記光軸と前記撮像素子の有効画素範囲の中心位置とが異なるように構成すると共に、前記撮像素子における前記光軸を中心とした画素領域を切り出して撮影と撮影画像の記録を行い、前記光軸に対する前記撮像素子の前記有効画素範囲の中心位置のずれ方向と反対側に、前記撮像素子に隣接して他の構成部材を配置し、前記撮像素子と前記他の構成部材との間の隙間量を前記撮像素子のずれ量より小さく設定したことを特徴とする。
本発明によれば、撮像素子の有効画素範囲の中心位置のずれ方向と反対側に、撮像素子に隣接して他の構成部材を配置し、撮像素子と他の構成部材との間の隙間量をずれ量より小さく設定する。これにより、被写体光が結像する円形の範囲であるイメージサークルのサイズに対して有効画素範囲が大きな撮像素子を用いながら、レンズ鏡筒及び撮像装置本体を小型化することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラのレンズ鏡筒を示す図であり、(a)は、レンズ鏡筒がWIDE位置(広角位置)にある状態を被写体側から見た主要部分を示す正面図である。(b)は、(a)の矢視ア−ア線を通る断面図である。 レンズ鏡筒がWIDE位置にある状態のガイド軸を含む平面で切った主要部分の断面図である。 第4レンズ群の駆動機構を説明するための斜視図である。 (a)は、レンズ鏡筒がTELE位置(望遠位置)にある状態を被写体側から見た主要部分を示す正面図、(b)は、(a)の矢視イ−イ線を通る断面図である。 レンズ鏡筒がTELE位置にある状態のガイド軸を含む平面で切った主要部分の断面図である。 (a)は、レンズ鏡筒がSINK位置(収納位置)にある状態を被写体側から見た主要部分を示す正面図、(b)は、(a)の矢視ウ−ウ線を通る断面図である。 レンズ鏡筒がSINK位置にある状態のガイド軸を含む平面で切断した主要部分の断面図である。 固定筒の内周側展開図である。 プリズム保持部材を駆動する機構の一部を分解した斜視図である。 プリズム保持部材とプリズム駆動部の一部を示す平面図である。 プリズムギアとプリズムディレイギアとの位相関係及びトーションバネのチャージ量を説明するための図であり、(a)は、プリズムギアのストッパとプリズムディレイギアのストッパ37cが衝突した状態を示す図である。(b)は、プリズムギアの掛止部37b及び掛止部35bが同位相に配置された状態を示す図、(c)は、プリズムギアのストッパとプリズムディレイギアのストッパ37dが衝突した状態を示す図である。 フォトインタラプタと遮光板の関係を示す断面図であり、(a)は、遮光板で受光センサを遮光した場合、(b)は、遮光板で受光センサの一部を遮光した場合、(c)は、遮光板で受光センサを遮光しない場合である。 カム筒とズームモータ及びズームギア列の一部を示す平面図である。 カメラ本体の第1レンズ群の光軸方向撮影者側から見た斜視図である。 レンズ鏡筒がSINK位置(収納位置)にある状態を示すカメラ本体の光軸Xと光軸Yを含む平面で切断した断面図である。 レンズ鏡筒がSINK位置(収納位置)にある状態を示すカメラ本体の光軸Xに垂直な平面で切断した断面図である。 カメラ本体の撮像素子部を被写体側の反対側から見た斜視図である。 カメラ本体の撮像素子部を被写体側から見た斜視図である。 撮像素子の有効画素範囲及び撮影時に使用する記録画素範囲とイメージサークルの位置関係を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る撮像素子の有効画素範囲及び撮影時に使用する記録画素範囲とイメージサークルの位置関係を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る撮像素子の有効画素範囲及び撮影時に使用する記録画素範囲とイメージサークルの位置関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラのレンズ鏡筒を示す図であり、図1(a)は、レンズ鏡筒がWIDE位置(広角位置)にある状態を被写体側から見た主要部分を示す正面図である。図1(b)は、図1(a)の矢視ア−ア線を通る断面図である。図2は、レンズ鏡筒がWIDE位置にある状態のガイド軸を含む平面で切った主要部分の断面図である。
図1、図2において、本実施の形態のレンズ鏡筒は、屈曲光学系のレンズ鏡筒として構成されると共に、収納位置と撮影位置との間を光軸方向に移動して撮影倍率を変更するズーム式レンズ鏡筒として構成されている。本実施の形態のデジタルカメラは、ズーム式レンズ鏡筒として、第1レンズ群10、第2レンズ群20、プリズム9を含む第3レンズ群30、第4レンズ群40、第5レンズ群50、第6レンズ群60を備えている。更に、ズーム式レンズ鏡筒として、光学フィルタ7、撮像素子8、固定筒79、カム筒77、直進ガイド筒78、鏡筒地板71、ガイド軸86、ガイド軸87を備えている。
第1レンズ群10は、1群鏡筒11に1群レンズ1が保持されることにより、これらの部品で構成されている。第2レンズ群20は、2群鏡筒21に2群レンズ2が保持されることにより、これらの部品で構成されている。1群鏡筒11、2群鏡筒21は、共にカム筒77、直進ガイド筒78によって光軸Xに沿って移動可能に保持されている。
1群レンズ1及び2群レンズ2から入射した光束は、プリズム9により1群レンズ1及び2群レンズ2の光軸Xに対して略90°の角度で交差する光軸Y方向に屈曲されて、撮像素子8の結像面に導かれる。ここで、光軸Xは本発明の第1の光軸の一例に相当し、光軸Yは本発明の第2の光軸の一例に相当する。プリズム9と撮像素子8との間には、プリズム9から撮像素子8に向けて順番に、3群レンズ3、撮影光量を制御する絞り兼シャッタ90、4群レンズ4、5群レンズ5、6群レンズ6及び光学フィルタ7が光軸Yに沿って配置されている。
プリズム9は、プリズム保持部材31に保持されている。プリズム保持部材31は、ガイド軸86側にスリーブ形状の2箇所の摺動部31a、31bを備えている。2つの摺動部31a、31bの間の長さは、図2に示すようにAである。ガイド軸87側には、1箇所の摺動部31fがある。これらの摺動部31a、31b、31fの作用により、プリズム保持部材31は、ガイド軸86、ガイド軸87によって光軸Yに沿って移動可能に軸支されている。
3群レンズ3は、プリズム9と共にプリズム保持部材31と一体化して光軸Yに沿って移動可能に保持されている。これらの部品全部(3群レンズ3、プリズム9、プリズム保持部材31)により第3レンズ群30を構成している。プリズム保持部材31は、レンズ鏡筒がWIDE位置にある状態では、もっとも光軸Y方向で被写体側に繰り出した位置で鏡筒地板71のストッパ部71cに突き当たっている。
絞り兼シャッタ90は、4群地板41に固定されている。4群レンズ4は、4群レンズホルダ42に保持されている。4群レンズホルダ42は、4群レンズ4を保持する部材であり、4群地板41内に光軸Yと垂直な平面内を任意の方向に微小距離移動可能なように支持されている。これらの部品(4群レンズ4、4群地板41、4群レンズホルダ42、絞り兼シャッタ90)全体を1つのユニットとして第4レンズ群40を構成している。
第4レンズ群40がステッピングモータ43の駆動により光軸Yに沿って進退することで、レンズ鏡筒の変倍動作が行われる。また、4群レンズホルダ42がアクチュエータと位置検出手段(不図示)により光軸Yに垂直な平面内を移動制御されることにより、光学防振動作が行われる。ここで、絞りとシャッタが兼用であることと第4レンズ群40内で光学防振を行うことは、本発明の光学系の一例に相当し、必ずしもこの形態に限定されるものではない。
4群地板41は、ガイド軸86側にプリズム保持部材31と同様にスリーブ形状の2箇所の摺動部41a、41bを備えている。2つの摺動部41a、41bの間の長さは、図2に示すようにBであり、ほぼAに等しい。4群地板41は、ガイド軸87側にはプリズム保持部材31と同様に1箇所の摺動部41cがある。上記の摺動部41aは、常にプリズム保持部材31の摺動部31aと摺動部31bの間に挟まれた位置にあり、入れ違いになっている。レンズ鏡筒が図2のWIDE位置にある状態では、摺動部31aの外側から摺動部41aまでの距離はEであり、Aよりも小さい。
図1及び図2に示すように、5群レンズ5は、5群レンズホルダ51に保持されている。これらの部品(5群レンズ5、5群レンズホルダ51)により第5レンズ群50を構成している。5群レンズホルダ51は、ガイド軸87側にスリーブ形状の2箇所の摺動部51d、51eを備えている。5群レンズホルダ51は、ガイド軸86側には1箇所の摺動部51cがある。摺動部51cがある部分の厚さは、図2に示すようにCである。
これらの摺動部51d、51e、51cの作用により、5群レンズホルダ51は、上記ガイド軸86、87により第2の光軸である光軸Y方向に沿って移動可能に支持されている。5群レンズホルダ51には、フォトインタラプタ49を遮光するための遮光板51aが一体的に形成されている。
6群レンズ6は、6群レンズホルダ61に保持されている。これらの部品(6群レンズ6、6群レンズホルダ61)により第6レンズ群60を構成している。6群レンズホルダ61は、ガイド軸86側にスリーブ形状の2箇所の摺動部61a、61bを備えている。2つの摺動部61a、61bの間の長さは、図2に示すようにDである。6群レンズホルダ61は、ガイド軸87側には1箇所の摺動部61dがある。
これらの摺動部61a、61b、61dの作用により、6群レンズホルダ61は、上記ガイド軸86、87により第2の光軸である光軸Y方向に沿って移動可能に支持されている。ステッピングモータとして構成されたフォーカスモータ62の駆動により、スクリュー62aを回転させて第6レンズ群60を光軸Yに沿って進退移動させることで、変倍動作及び合焦動作が行われる。
光学フィルタ7は、空間周波数の高い光をカットするためのローパスフィルタ機能と赤外光をカットする機能を有する。図2に示すように、鏡筒地板71は、2本のガイド軸86、87と光学フィルタ7を保持固定している。ガイド軸86、87の軸方向の片側は、カム筒77内の2群鏡筒21と重なる位置まで延びており、ガイド軸86、87の軸方向の反対側は、光学フィルタ7を保持している位置まで延びている。
また、図1に示すように、鏡筒地板71は、第1の光軸である光軸X方向(被写体側)に固定筒79を保持し、後述する駆動備品であるギア列群を保持している。センサホルダである撮像素子保持部材200には、被写体光像を電気信号に光電変換する撮像素子8が接着固定されている。撮像素子保持部材200は、鏡筒地板71に固定されている。撮像素子8と撮像素子保持部材200に関する構造については図15及び図16で後述する。ここで、上記の第1レンズ群10〜第6レンズ群60等が、デジタルカメラによる撮影に伴う被写体光を撮像素子8に結像させる光学系を構成している。
図3は、第4レンズ群40の駆動機構を説明するための斜視図である。
図3において、ステッピングモータ43の出力軸には、ギア43aが取り付けられている。ギア43aは、スクリュー44bと一体に取り付けられているギア44aと噛合している。これにより、スクリュー44bを増速回転(ステッピングモータ43の回転よりもスクリュー44bの回転が速くなるように行う回転のこと)させる。板バネ47は、スクリュー44bを片寄せしている付勢部材である。スクリュー44bには、4群地板41に取り付けられたラック46が噛合している。
4群地板41は、光軸Yに平行な2本のガイド軸86、87によって光軸Yに沿って移動可能に支持されている。従って、スクリュー44bが回転することにより、ラック46が光軸Y方向の力を受けて移動する。これに伴い、ラック46と共に、4群地板41をはじめとして4群レンズホルダ42及び4群レンズ4を含む第4レンズ群40全体が光軸Y方向に移動する。
図12は、フォトインタラプタと遮光板の関係を示す断面図であり、図12(a)は、遮光板で受光センサを遮光した場合、図12(b)は、遮光板で受光センサの一部を遮光した場合、図12(c)は、遮光板で受光センサを遮光しない場合である。
フォトインタラプタ49は、5群レンズ5に対する4群レンズ4の位置を検出する。4群レンズ4と5群レンズ5の間の距離が一定距離まで縮まると、図12(a)に示すように遮光板51aによって、フォトインタラプタ49内のLEDの光が受光センサ49aに入らないように遮光される。これにより、フォトインタラプタ49内の受光センサ49aの電気的な出力が切り換わるのを検知する仕組みになっている。
図2に示すように、5群レンズホルダ51においてガイド軸87に支持され摺動している摺動部51d、51eを含むスリーブ部から腕部51bが延びており、鏡筒地板71に形成されているストッパ部71bに腕部51bが突き当たる。引張りバネ53が鏡筒地板71と5群レンズホルダ51の間に張設されており、鏡筒地板71と5群レンズホルダ51の間を引っ張りあっている。
5群レンズホルダ51は、引張りバネ53によって第2の光軸である光軸Y方向で第1の光軸である光軸X側に向って片寄せされている。デジタルカメラにおける撮影時には、5群レンズホルダ51は腕部51bがストッパ部71bに突き当たり、図1、図2に示す位置に片寄せされて固定されている。
図1に示すように、フォーカスモータ62及び該フォーカスモータ62と一体に構成されたスクリュー62aが回転すると、第6群レンズ群60は、第4群レンズ群40と同様に、次のように移動する。6群レンズホルダ61に取り付けられた6群ラック63がスクリュー62aと噛み合っているため、第6群レンズ群60が光軸Y方向に沿って移動することによって、第6群レンズ群60全体は光軸Y方向に沿って移動する。
また、図2に示すように、6群レンズホルダ61と一体に遮光板61cが取り付けられている。フォトインタラプタ88は、フォトインタラプタ88と遮光板61cとの位置関係により、受光センサ(不図示)の電気的な出力が切り換わり、6群レンズホルダ61の位置を検知できるようになっている。6群レンズ6を保持する6群レンズホルダ61の摺動部61aと摺動部61bを結んだスリーブ部の長さは、図2にDで示している。6群レンズホルダ61のスリーブ部の長さDを稼ぐために、6群レンズホルダ61は、ガイド軸86とは逆側の、5群地板51の摺動部51d、51eがあるガイド軸87に支持されている。
このため、6群レンズホルダ61のスリーブ部の長さDをできるだけ長くするためには、配置的に隣り合う5群レンズホルダ51とは逆側のガイド軸86に、6群レンズホルダ61のスリーブ形状部の摺動部61a、61bを配置するのがよい。結果的に、4群地板41のスリーブ部と同じ側のガイド軸86を、6群レンズホルダ61のスリーブ部の摺動部61a、61bを配置する軸として使用することになる。
次に、プリズム9及び3群レンズ3を含んだ第3レンズ群30を動かすプリズム保持部材31の駆動について、図9乃至図11を参照して説明する。
図9は、プリズム保持部材31を駆動する機構の一部を分解した斜視図である。図10は、プリズム保持部材31とプリズム駆動部の一部を示す平面図である。
図9、図10において、プリズムモータ32のモータ軸には、ウォームギア32aが圧入されている。ウォームギア32aはギア33の斜歯ギア33a(図10においてギア33よりも紙面奥側)と噛合し、ギア33の平ギア33bはギア34の平歯ギア34aに噛合し、ギア34の平歯ギア34bはプリズムディレイギア37と噛合っている。
図11は、プリズムギア35とプリズムディレイギア37との位相関係及びトーションバネ36のチャージ量を説明するための図である。図11(a)は、プリズムギア35のストッパ35cとプリズムディレイギア37のストッパ37cが衝突した状態を示す図、図11(b)は、プリズムギアの掛止部37b及び掛止部35bが同位相に配置された状態を示す図である。図11(c)は、プリズムギア35のストッパ35cとプリズムディレイギア37のストッパ37dが衝突した状態を示す図である。
図11において、図9及び図10に示したプリズムギア35、トーションバネ36、プリズムディレイギア37が被写体側から順に同軸に配置されている。プリズムディレイギア37は、プリズムギア35の軸35dに回転自在に軸支される。プリズムディレイギア37のギア部37aには、プリズム駆動ギア38が噛合する。プリズム駆動ギア38は、平歯のピ二オンギアである。プリズムギア35及びプリズムディレイギア37には、それぞれ掛止部35b及び掛止部37bが互いに対向する方向に延びて設けられている。掛止部37bは、掛止部35bより径方向内側に配置されている。
トーションバネ36は、中心にあるコイル部と、コイル部の軸方向両端から径方向外側に延びる2本の腕部36a、36bとを備えている。2本の腕部36a、36bは、プリズムディレイギア37の掛止部37b、プリズムギア35の掛止部35bに掛止される。トーションバネ36は、組み込み時には、掛止部37b及び掛止部35bが同位相に配置された状態(図11(b)参照)で、2本の腕部36a、36bが掛止部37bに掛止されてプリチャージされている。
この状態で、プリズムディレイギア37の回転を自由にして、プリズムギア35を回転させると、プリズムギア35、プリズムディレイギア37及びトーションバネ36は一体的に回転する。一方、プリズムディレイギア37の回転を規制した状態で、プリズムギア35を回転させると、トーションバネ36をオーバーチャージしながらプリズムギア35のみが回転する。
図10に示すように、プリズム保持部材31には、互いに平行に配置されて光軸Y方向に延びる2本のガイド軸86、87により移動可能に軸支される摺動部31a及び摺動部31bが形成されている。摺動部31aと摺動部31bの間はスリーブ形状部分でつながり、そのスリーブ形状部分にラックギア31cが形成されている。
ラックギア31cは、プリズム駆動ギア38と噛合している。また、ラックギア31cは、摺動部31aと摺動部31bを結ぶ長さより更にストッパ部31gの近くまで一体にスリーブ形状部分の延長上に長く延びた状態に形成されている。このため、プリズム駆動ギア38が回転すると、プリズム保持部材31がプリズム9と一体となって光軸Yに沿って進退する。ここで、プリズム保持部材31が光軸Y方向に移動可能であれば、トーションバネ36とプリズムディレイギア37がプリズムギア35と一体に回転し、プリズム保持部材31を光軸Y方向に進退させる。
一方、図2に示すように、レンズ鏡筒がWIDE位置にある状態では、プリズム保持部材31の光軸Y方向の移動が鏡筒地板71のストッパ部71cに突き当たることにより規制されていれば、プリズムディレイギア37も回転できない。そのため、トーションバネ36がオーバーチャージしながらプリズムギア35の回転を吸収する。
そして、図11(a)、図11(c)に示すように、プリズムギア35のストッパ35cと、プリズムディレイギア37のストッパ37c(図11a)またはストッパ37d(図11c)が衝突することにより、オーバーチャージ分の回転量も規制される。
レンズ鏡筒が撮影位置にある状態(WIDE位置からTELE位置の間にある状態)では、図11(a)に示す状態になる。レンズ鏡筒が後述のSINK位置(収納位置)にある状態では、プリズム保持部材31のストッパ部31gが光軸Y方向で撮像面側にある鏡筒地板71のストッパ部71dに突き当たることにより、逆回転側の図11(c)に示す状態になる。以上の説明から、プリズムモータ32によりプリズム9を駆動することができる。
次に、レンズ鏡筒を構成する固定筒79、カム筒77及び直進ガイド筒78について、図1、図8、図13を用いて説明する。
図8は、固定筒79の内周側展開図である。図13は、カム筒77とズームモータ72及びズームギア列の一部を示す平面図である。
図8に示すように、固定筒79の内周部には、カム筒77の外周部に設けられているカムピンがカム係合するカム溝79aが周方向に略等間隔で複数箇所形成されている。また、固定筒79の後端部には、プリズム9を保持するプリズム保持部材31が光軸Y方向に進退する際に通り抜ける切り欠き79bが形成されている。
図1に示すように、直進ガイド筒78は、カム筒77の内周側に配置され、カム筒77と一体となって光軸X方向に移動可能で、且つ、固定筒79との関係で回転不可能に構成されている。カム筒77と直進ガイド筒78との間には、第1レンズ群10が配置されている。第1レンズ群10の1群鏡筒11の外周部に設けられているカムピン11aが、カム筒77の1群カム溝とカム係合している。
図13に示すように、直進ガイド筒78の外周部には、光軸X方向に沿って延びる直進溝78cが形成されている。この直進溝78cに1群鏡筒11の内周部に設けられている凸部11bが係合することにより、1群鏡筒11の回転方向の動きが規制されている。
また、図13に示すように、直進ガイド筒78の内周側には、第2レンズ群20が配置されている。第2レンズ群20は、第1レンズ群10と同様に、2群鏡筒21に設けられているカムピン21aがカム筒77の2群カム溝にカム係合する。また、直進ガイド筒78には、光軸X方向に貫通溝78dが設けられている。この貫通溝78dに2群鏡筒21のカムピンの根元に配置された係合部21bが係合することにより、2群鏡筒21の回転方向の動きが規制されている。
そして、カム筒77が回転すると、カム筒77の1群カム溝と1群鏡筒11のカムピンとのカム作用により、1群鏡筒11の凸部11bが直進ガイド筒78の直進溝78cを光軸X方向に摺動しながら、1群鏡筒11がカム筒77に対して光軸に沿って進退する。従って、カム筒77が固定筒79に対して光軸Xに沿って進退すると、カム筒77に対して1群鏡筒11が光軸Xに沿って進退して1群レンズ1が収納位置と撮影位置との間を移動する。2群レンズ2についても、1群レンズ1と同様の動作によって収納位置と撮影位置との間を移動する。
カム筒77の外周部には、図13に示す駆動ギア76に噛合するギア部77aが形成されている。駆動ギア76からギア部77aを介してカム筒77に駆動力が伝達されることで、カム筒77が回転駆動される。このとき、固定筒79のカム溝79a(図8参照)とカム筒77のカムピンとのカム作用により、カム筒77は光軸Xに沿って進退することとなる。また、カム筒77の内周部には、1群カム溝及び2群カム溝(不図示)が形成されている。
次に、カム筒77の駆動機構について説明する。
ズームモータ72は、第1レンズ群10及び第2レンズ群20を移動させるための駆動源である。ズームモータ72は、モータ軸の軸線を光軸Y方向に向けて配置されている。ズームモータ72のモータ軸には、ウォームギア72aが圧入されている。ギア73は、斜歯ギア73a(図13においてギア73の紙面手前側)を介してウォームギア72aと噛合している。
また、平歯のギア73bが、ギア74のギア74aに噛合している。ギア74は、ギア74bがアイドラギア75を介して駆動ギア76に噛合し、駆動ギア76は、カム筒77のギア部77aに噛合する。尚、図13では上記のギア73b、ギア74a、ギア74bは図示できないため、本説明文で符号のみ記載する。
上記説明してきたギア列を介してズームモータ72を駆動して回転させ、ズームモータ72の駆動力をカム筒77まで伝達することにより、カム筒77を回転駆動させることができる。ズームモータ72をカム筒77の繰り出し方向に回転させると、カム筒77のカムピンは、図8に示す固定筒79のカム溝79aを図8の右方向に移動する。これにより、カム筒77が光軸X方向に繰り出して、プリズム保持部材31が撮影位置側に移動できる空間が形成される。
図4(a)は、レンズ鏡筒がTELE位置(望遠位置)にある状態を被写体側から見た主要部分を示す正面図、図4(b)は、図4(a)の矢視イ−イ線を通る断面図である。図5は、レンズ鏡筒がTELE位置にある状態のガイド軸86、87を含む平面で切った主要部分の断面図である。
図4、図5において、レンズ鏡筒がTELE位置にある状態では、第1レンズ群10が光軸X方向に沿って被写体側方向に前進すると共に、第2レンズ群20が光軸X方向に沿って後退してプリズム9に接近した位置で停止する。第4レンズ群40は、ステッピングモータ43の駆動により、光軸Y方向に沿ってプリズム9のある被写体側方向に向かって移動して第3レンズ群30に接近した位置で停止する。
ここで、第5レンズ群50は、WIDE位置(広角位置)にあるときから鏡筒地板71のストッパ71bに突き当たっているため、移動せずに固定されている。第6レンズ群60は、フォーカスモータ62の駆動により、光軸Y方向に沿って撮像素子8のある撮像面側に向かって移動して光学フィルタ7に接近した位置で停止する。
図6(a)は、レンズ鏡筒がSINK位置(収納位置)にある状態を被写体側から見た主要部分を示す正面図、図6(b)は、図6(a)の矢視ウ−ウ線を通る断面図である。図7は、レンズ鏡筒がSINK位置にある状態のガイド軸を含む平面で切断した主要部分の断面図である。
図6、図7において、レンズ鏡筒がSINK位置にある状態では、プリズム9を含む第3レンズ群30、第4レンズ群40、第5レンズ群50及び第6レンズ群60は、光軸Yに沿って互いに干渉しないように撮像素子8側に移動する。これにより、第2レンズ群20及び第1レンズ群10の第1の光軸である光軸X方向で撮像面側に収納空間が形成され、第1レンズ群10及び第2レンズ群20は収納空間に収納される。レンズ鏡筒がSINK位置のとき、カム筒77のカムピンは、図8に示す固定筒79のカム溝79a内で位置79cに配置されている。
レンズ鏡筒がSINK位置にある状態では、第5レンズ群50は、第4レンズ群40に光軸Y方向の撮像面側に押されてSINK位置まで繰り込まれている。レンズ鏡筒がWIDE位置(広角位置)からSINK位置(収納位置)までの区間では、フォトインタラプタ49は遮光板51aによってずっと遮光されたままになっている。第6レンズ群60はSINK位置まで繰り込まれ、フォトインタラプタ88は6群レンズホルダ61の遮光板61cにより遮光されている。そのため、フォトインタラプタ88の出力から、切り換わり信号(受光センサの電気的な出力が切り換わる信号)を検出でき、レンズ鏡筒がSINK位置にあることを判定できる。
このとき、図11(c)に示すように、プリズムギア35とプリズムディレイギア37の位相関係は、トーションバネ36をオーバーチャージした位相関係にある。この状態において、プリズム保持部材31は、トーションバネ36のチャージ力によって光軸Yの退避方向(撮像素子8側)に付勢されているが、図7に示すように、プリズム保持部材31のストッパ部31gが鏡筒地板71のストッパ部71dに突き当たる。これにより、プリズム保持部材31は退避方向への移動が規制されている。
図7に示すように、フォトインタラプタ85はプリズム保持部材31の遮光板31eにより遮光されているため、フォトインタラプタ85の出力から、切り換わり信号を検出できる。これにより、レンズ鏡筒がSINK位置にあることを判定できる。このとき、4群地板41の摺動部41aから鏡筒地板71のストッパ部71cまでの距離はGであり、GはAより大きい。
次に、レンズ鏡筒をSINK位置からWIDE位置に移動させて撮影状態に変化させる動作シーケンスについて説明する。
レンズ鏡筒を撮影状態にするには、まず、図6に示すようにズームモータ72をカム筒77の繰り出し方向に回転させる。このとき、カム筒77のカムピンは、図8に示すように固定筒79のカム溝79aを位置79cから位置79dに移動し、リフトを有する区間で第1レンズ群10及び第2レンズ群20が光軸Xに沿って繰り出し方向に移動する。尚、上記リフトを有する区間は、位置79cから位置79dまでの区間である。そして、カム筒77がWIDE位置に達すると、ズームモータ72を停止する。
以上の動作によって、第1レンズ群10及び第2レンズ群20はWIDE位置に配置されて撮影状態となる。カム筒77がWIDE位置に達すると、図8に示すようにカム筒77のカムピンは固定筒79のカム溝79a内の位置79dに移動する。
上述した第1レンズ群10及び第2レンズ群20の繰り出し動作の後、プリズムモータ32(図9)を駆動してプリズムギア35がプリズム保持部材31を撮影位置に繰り出す方向に回転させる。この場合、図11(c)に示すようにSINK位置ではトーションバネ36がオーバーチャージの状態であるため、プリズムディレイギア37は停止したままとなる。従って、プリズム保持部材31は退避位置から動かない。
そして、図11(b)に示すようにプリズムギア35の掛止部35bとプリズムディレイギア37の掛止部37bとの位相が一致すると、プリズムディレイギア37がプリズムギア35と一緒に回転し始め、プリズム保持部材31が撮影位置の方向に動き出す。ここで、プリズム保持部材31の駆動と同時に第4レンズ群40を駆動する。ステッピングモータ43(図6)を駆動することにより、第4レンズ群40が移動する。
プリズム保持部材31は、撮影位置に達すると、撮影側のストッパ部71c(図7)に当接して停止し、プリズム保持部材31の停止と同時に、プリズムディレイギア37も停止する。このとき、プリズムモータ32を駆動し続けることで、プリズムギア35がプリズム保持部材31を撮影位置に繰り出す方向に回転し続けて、図11(a)に示すトーションバネ36をオーバーチャージした状態になる。
トーションバネ36をオーバーチャージすることで、トーションバネ36の作用によってプリズム保持部材31が撮影側のストッパ部71c側に付勢されるため、撮影時にプリズム保持部材31の位置や姿勢が安定する効果がある。トーションバネ36が所定のオーバーチャージ状態に達した時点で、プリズムモータ32を停止する。
図7に示すように、第5レンズ群50は、第4レンズ群40に対して引張りバネ53により片寄せされているため、第5レンズ群50は、第4群レンズ群40と同時に一体として移動を開始する。第5レンズ群50は、腕部51bがストッパ部71bに突き当たるまで第4群レンズ群40と一体として同じ動きをして光軸Y方向の所定の位置に移動させる。第5群レンズ群50は、腕部51bがストッパ部71bに突き当たった後は、突き当て位置に固定され、移動を続ける第4レンズ群40とは分離される。
第4レンズ群40は、第5レンズ群50と分離した後、光軸Y方向の所定の位置で停止する。第5群レンズ群50の固定された位置とSINK位置との間の区間が、第6群レンズ群60の可動区間となる。第6群レンズ60は、遮光板61cがフォトインタラプタ88を遮光した退避位置から光軸Y方向の被写体側に駆動され、ピントの合う位置で停止する。
レンズ鏡筒をWIDE位置からSINK位置に移動させる場合は、上述したSINK位置からWIDE位置に移動させる場合と逆の動作を行う。まず、フォーカスモータ62(図1)の駆動により第6レンズ群60を光軸Y方向に沿って撮像素子8側に繰り込み、フォトインタラプタ88が遮光板61cで切り換わるところまで移動させる。
次に、プリズムモータ32を繰り込み方向に駆動すると、プリズムギア35がプリズム保持部材31を退避位置に繰り込む方向に回転する。そして、図11(b)に示すように、トーションバネ36のオーバーチャージ分だけプリズムギア35が回転して、プリズムギア35の掛止部35bとプリズムディレイギア37の掛止部の位相が一致する。このとき、プリズムディレイギア37はプリズムギア35及びトーションバネ36と一体的にプリズム保持部材31を退避位置に繰り込む方向に回転して、プリズム保持部材31が退避方向に移動する。
プリズム保持部材31の移動と同時に、第4レンズ群40の繰り込みを開始する。ステッピングモータ43の駆動により第4レンズ群40を撮像素子8のある光軸Y方向の撮像面側に移動させると、第4レンズ群40が第5レンズ群50に近づいていく。ステッピングモータ43の駆動により第4レンズ群40を移動すると、第5群レンズ群50に第4レンズ群40が突き当たる。そして、ステッピングモータ43の駆動により、第4群レンズ40を第5レンズ群50と一体化して光軸Y方向に沿って撮像素子8側に退避させる。
プリズム保持部材31については、衝突を避けるため、第4群レンズ40が退避位置まで移動した後に退避位置まで移動するように制御する。プリズム保持部材31は、退避側のストッパ部71dに当接して停止し、同時にプリズムディレイギア37も停止する。プリズムモータ32はトーションバネ36をオーバーチャージしながら、プリズム保持部材31を退避位置に繰り込む方向に回転し続ける。トーションバネ36が所定のオーバーチャージ状態に達した時点で、プリズムモータ32を停止する。
プリズム保持部材31が退避位置に移動して、カム筒77の後方に収納可能な空間が形成されると、ズームモータ72がカム筒77を繰り込む方向に駆動し、カム筒77が繰り込みを開始する。
ズームモータ72は、カム筒77を収納位置まで繰り込むために駆動し続ける。図8に示すカム溝79aに沿って位置79dから位置79cまでカム筒77がSINK位置に収納されて、第1レンズ群10及び第2レンズ群20が収納されると、ズームモータ72を停止させる。
レンズ鏡筒をWIDE位置とTELE位置の間で変倍動作する場合においては、ズームモータ72を駆動することにより、第1レンズ群10及び第2レンズ群20を光軸X方向に移動させる。
まず、レンズ鏡筒をWIDE位置からTELE位置に変倍動作する場合には、カム筒77のカムピンは、図8に示す固定筒79のカム溝79aを位置79eまで移動される。第1レンズ群10及び第2レンズ群20を光軸X方向に移動させると同時に、光軸Y方向には、プリズム保持部材31は、WIDE位置の状態になった後は既にストッパ部71cに突き当たっており、撮影位置にいるため移動させることはない。
WIDE位置からTELE位置に至る際には、プリズム保持部材31との衝突などの心配もないため、ステッピングモータ43を駆動して第4レンズ群40を移動させる。また、第4レンズ群40を移動させると同時に、フォーカスモータ62を駆動して第6レンズ群60をピントの合う位置に移動させる。
他方、レンズ鏡筒をTELE位置からWIDE位置に変倍動作する場合には、上述したWIDE位置からTELE位置に変倍動作する場合と逆の手順で、ズームモータ72によりカム筒77を動かして固定筒79の位置79dに移動する。また、プリズム保持部材31は動かさずに、ステッピングモータ43の作用により第4レンズ群40を移動させる。また、同様にしてフォーカスモータ62の作用により第6レンズ群60をピントの合う位置に移動させる。
次に、撮像素子8の保持部の構成について図14乃至図18を用いて説明する。
図14は、カメラ本体の第1レンズ群の光軸方向撮影者側から見た斜視図である。
図14において、デジタルカメラのカメラ本体100には、撮影者がデジタルカメラの機能を選択するための操作部材204、撮影画像を確認するための液晶パネル205が設けられている。
図15は、レンズ鏡筒がSINK位置(収納位置)にある状態を示すカメラ本体の光軸Xと光軸Yを含む平面で切断した断面図である。図16は、レンズ鏡筒がSINK位置(収納位置)にある状態を示すカメラ本体の光軸Xに垂直な平面で切断した断面図である。図17は、カメラ本体の撮像素子部を被写体側の反対側から見た斜視図である。図18は、カメラ本体の撮像素子部を被写体側から見た斜視図である。
図15乃至図18において、撮像素子保持部材200は、撮像素子8を保持する部材である。撮像基板201には、撮像素子8から出力される画像信号(出力信号)を処理する画像処理回路を構成する各種の部品201aが実装されている。メイン基板206には、カメラ本体の制御を行うCPU等が実装されている。
メイン基板206は、カメラ本体のフロント側にレンズ鏡筒に重ねて配置される。フレキシブルプリント基板207は、撮像基板201とメイン基板206を接続する基板である。図中202は接着剤、203は複数ある固定ビスであり、撮像素子保持部材200をズームボディ64に固定する。尚、図15及び図16の301は撮像素子8の有効画素範囲、302は撮影時に使用する記録画素範囲を示す。詳細は後述する。
図15乃至図18に示すように、撮像素子保持部材200は、光軸Yを挟んで対向する2箇所の平面部200a、200b(図16)と、光軸Yを挟んで対向する2箇所の立ち曲げ部200c、200d(図15)を備えている。図16に示すように、撮像素子保持部材200の平面部200a、200bは、撮像素子8と光軸Y方向で略同一面(または同一面)となるように配置されている。換言すれば、撮像素子保持部材200の平面部200a、200bは、撮像素子8と略平行(または平行)に配置されている。
撮像素子保持部材200の立ち曲げ部200c、200dは、光軸Y方向において結像面より被写体側とは反対側に延びる状態に構成されている。撮像素子保持部材200の立ち曲げ部200cは、カメラ本体のフロント側に位置し、撮像素子保持部材200の立ち曲げ部200dは、カメラ本体のリア側に位置する。即ち、撮像素子保持部材200の立ち曲げ部の一方(立ち曲げ部200c)が被写体側に位置し、立ち曲げ部の他方(立ち曲げ部200d)が撮影者側に位置する。
撮像素子保持部材200の平面部200a、200bと撮像素子8との隙間には、接着剤202が塗布されている。これにより、撮像素子8を撮像素子保持部材200に接着固定する。また、撮像素子保持部材200の立ち曲げ部200c、200dと撮像基板201との隙間にも、接着剤202が塗布されている。これにより、撮像素子保持部材200を撮像基板201に接着固定する。
撮像素子保持部材200の立ち曲げ部200c、200dと撮像素子8は、光軸Y方向に撮像基板201を挟むように、対向する2箇所の平面部200a、200bを連結している。
光軸Y方向から見て、撮像素子保持部材200の立ち曲げ部200c、200dと撮像素子8と撮像基板201とは、オーバーラップするように構成されている。また、カメラ本体の厚み方向に関して、撮像素子保持部材200の立ち曲げ部200c、200dを含む方向の幅は、撮像素子8が収納されたパッケージのサイズの内側に収まるように構成されている。これにより、撮像素子8を保持する構成を小型にすることが可能となる。
また、撮像素子保持部材200の平面部200aと撮像基板201は、部分的にオーバーラップ(図16のL部)するように構成されている。即ち、撮像素子保持部材の平面部200aの少なくとも一部を、光軸Y方向から見て撮像基板201とオーバーラップする状態に配置している。これにより、撮像素子保持部材200の平面部200aと撮像素子8における光軸Y方向に直交する方向の隙間を狭くすることができるため、接着剤202の接着力が強固になる。
また、図15に示す通り、撮像素子保持部材200の立ち曲げ部200dと操作部材204が隣接して配置される。また、撮像素子保持部材200の立ち曲げ部200cと撮像素子8の間から、撮像基板201とメイン基板206を接続するフレキシブルプリント基板207が引き出され配置される。
次に、本実施の形態のデジタルカメラの光学系により形成されるイメージサークルと、撮像素子8の有効画素範囲及び撮影時に使用する記録画素範囲の関係について説明する。
図19は、撮像素子の有効画素範囲及び記録画素範囲とイメージサークルの位置関係を示す図である。
図19において、上記図15及び図16に示した通り、301は撮像素子8の有効画素範囲、302は撮影時に使用する記録画素範囲である。また、303は光学系により形成されるイメージサークルである。イメージサークル303の中心は光軸Yと一致する。
図19に示す通り、イメージサークル303の径に対して、有効画素範囲301の対角線の長さである対角長が十分に大きい。撮影時に使用する記録画素範囲302は、画像のケラレ(画像中心に対する周辺光量の低下)を防ぐためにイメージサークル303の内側の範囲に設定する。
特に図19に示す通り、記録画素範囲302をイメージサークル303に内接する四角形として設定すると、画像を最も広角に記録することができる。また、記録画素範囲302をイメージサークル303に対して余裕を設けて設定すると、部品の寸法誤差や組み立て誤差によって撮像素子8が意図しない位置にずれても、記録画素の隅部にケラレを生じる心配がない。
ここで、撮像素子8の有効画素範囲301の中心とイメージサークル303の中心である光軸Yが偏芯している。即ち、撮像素子8の有効画素範囲301の中心位置と光軸Yとが異なる。その偏芯量(ずれ量)は、記録画素範囲302が有効画素範囲301からはみ出さない量である。図19では記録画素範囲302が有効画素範囲301の隅部に位置するように偏芯させる例を示す。
また、図15に示すように、撮像素子8はカメラ厚み方向のフロント側(紙面上方向)に偏芯している。即ち、撮像素子8を被写体側にずらして配置している。撮像素子8の有効画素範囲301の中心は、光軸Yに対してフロント側(紙面上方向)に偏芯している。記録画素範囲302の中心は、光軸Yと一致している。撮影時には、撮像素子8における光軸Yを中心とした画素領域を切り出して撮影と画像の取得を行う。
そして、撮像素子8の偏芯方向(ずれ方向)と反対側には、操作部材204(他の構成部材)が配置されており、撮像素子8と操作部材204の間の隙間量は偏芯量より小さい。従って、撮像素子8の有効画素範囲301の中心とイメージサークル303の中心(光軸Y)が偏芯しない場合に比べて、偏芯量分だけ操作部材204を光軸Yに寄せて配置することが可能となる。
また、図16に示すように、撮像素子8はカメラ高さ方向の上側(紙面上方向)に偏芯している。撮像素子8の有効画素範囲301の中心は光軸Yに対してカメラ高さ方向の上側(紙面上方向)に偏芯している。記録画素範囲302の中心は光軸Yと一致する。
そして、撮像素子8の偏芯方向と反対側には、撮像素子保持部材200をレンズ鏡筒に固定する固定部材であるビス203が配置されており、ビス203に隣接してフォーカスモータ62(他の構成部材)が配置されている。撮像素子保持部材200とフォーカスモータ62の隙間量は偏芯量より小さい。従って、撮像素子8の有効画素範囲301の中心とイメージサークル303の中心(光軸Y)が偏芯しない場合に比べて、偏芯量分だけフォーカスモータ62を光軸Yに寄せて配置することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば以下の構成及び効果を奏する。レンズ鏡筒の光学系によって決まるイメージサークル303の径よりも大きな対角長を持つ有効画素範囲301を有する撮像素子8を備える。撮像素子8の有効画素範囲301の中心と光軸Yを偏芯させ、撮影時にはイメージサークル303からはみ出さず且つ有効画素範囲301からはみ出さない範囲に記録画素範囲302を設定し、画像を取得する。
また、撮像素子8が偏芯する方向と反対側に、撮像素子8に隣接して操作部材204を配置し、撮像素子保持部材200に隣接してフォーカスモータ62を配置する。撮像素子8を偏芯させない場合に比べて、他の構成部材(操作部材204、フォーカスモータ62)を光軸Yに寄せて配置することが可能である。
これにより、イメージサークル303に対して大きなサイズの有効画素範囲301を有する撮像素子8を備えたレンズ鏡筒及びカメラ本体の小型化が可能となる。即ち、イメージサークルのサイズに対して有効画素範囲が大きな撮像素子を用いながら、レンズ鏡筒及びカメラ本体を小型化することが可能となる。
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、図20で説明する点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態の対応するものと同一なので説明を省略する。
本実施の形態では、イメージサークル303と、撮像素子8の有効画素範囲301及び撮影時に使用する記録画素範囲302の関係について、別の例を示す。本実施の形態では、撮像素子8及び撮像素子保持部材200を光軸Yに垂直な平面内でアクチュエータ(不図示)によって駆動することで手振れ補正が可能な手振れ補正機能(手振れ補正手段)を備えるレンズ鏡筒を考える。手振れ補正機能は、撮像素子8と撮像素子保持部材200を光軸Yに直交する平面内で駆動する機能である。
図20は、本実施の形態に係る撮像素子の有効画素範囲301及び撮影時に使用する記録画素範囲302とイメージサークル303の位置関係を示す図である。
図20において、上記第1の実施の形態と同様に、イメージサークル303の中心と有効画素範囲301の中心は偏芯している。また、イメージサークル303からはみ出さず且つ有効画素範囲301からはみ出さない範囲に、撮影時に使用する記録画素範囲302を設定している。この場合、記録画素範囲302は、手振れ補正による撮像素子8の駆動量を考慮し、最も駆動量が大きい場合でもイメージサークル303からはみ出さない範囲に設定する必要がある。
また、撮像素子8と他の構成部材(操作部材204)の隙間量、及び撮像素子保持部材200と他の構成部材(フォーカスモータ62)の隙間量は、手振れ補正による駆動量が最も大きい場合でも干渉しないように設定する必要がある。即ち、撮像素子8及び撮像素子保持部材200の駆動範囲に対する他の構成部材の隙間量が、撮像素子8の有効画素範囲301の中心とイメージサークル303の中心の偏芯量(ずれ量)よりも小さくなるように、他の構成部材を配置すればよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、光軸Yと撮像素子8の有効画素範囲301の中心が偏芯しない場合に比べ、有効画素範囲301の中心とイメージサークル303の中心の偏芯量分だけ他の構成部材を光軸Yに寄せて配置することが可能となる。これにより、イメージサークルのサイズに対して有効画素範囲が大きな撮像素子を用いながら、カメラ本体を小型化することが可能となる。
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、図21で説明する点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態(図1)の対応するものと同一なので説明を省略する。
本実施の形態では、イメージサークル303と、撮像素子8の有効画素範囲301及び撮影時に使用する記録画素範囲302の関係について、更に別の例を示す。本実施の形態では、撮像素子8の有効画素範囲301内で、カメラ本体の手振れ量に従って記録画素範囲を刻々とシフトする電子手振れ補正機能(電子手振れ補正手段)を備えるレンズ鏡筒を考える。
図21は、本実施の形態に係る撮像素子8の有効画素範囲301及び撮影時に使用する記録画素範囲302とイメージサークル303の位置関係を示す図である。
図21において、上記第1の実施の形態と同様に、イメージサークル303の中心と撮像素子8の有効画素範囲301の中心は偏芯している。また、撮像素子8の記録画素範囲302が手振れに応じてシフトするため、最大シフト量を考慮して、使用する可能性がある使用画素範囲304を設定する。
従って、イメージサークル303からはみ出さず且つ撮像素子8の有効画素範囲301からはみ出さない範囲に、電子手振れ補正を考慮した使用画素範囲304を設定する。そして、使用画素範囲304の内側に手振れ量に応じて刻々とシフトする記録画素範囲302がある。即ち、撮像素子8の有効画素範囲301に対して、電子手振れ補正機能による撮像素子8の記録画素範囲のシフト量の余裕分を残して、光軸と撮像素子8の有効画素範囲301の中心位置を異ならせる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、光軸Yと撮像素子8の有効画素範囲301の中心が偏芯しない場合に比べ、偏芯量分だけ撮像素子8及び撮像素子保持部材200が偏芯するため、偏芯量分だけ他の構成部材を光軸Yに寄せて配置することが可能となる。これにより、イメージサークルのサイズに対して有効画素範囲が大きな撮像素子を用いながら、レンズ鏡筒及びカメラ本体を小型化することが可能となる。
〔他の実施の形態〕
上記実施の形態では、本発明を撮像装置としてのデジタルカメラに搭載するレンズ鏡筒に適用した場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。本発明を撮像装置としてのデジタルビデオカメラに搭載するレンズ鏡筒にも適用可能である。
上記実施の形態では、レンズ鏡筒の構成を例示したが、本発明の構成は上記実施の形態に例示したものに限定されるものではない。上記実施の形態に例示した材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
8 撮像素子
200 撮像素子保持部材
201 撮像基板
301 有効画素範囲
302 記録画素範囲
303 イメージサークル

Claims (7)

  1. 光軸に沿って配置された光学系と、前記光学系により結像された被写体光を電気信号に光電変換する撮像素子とを備えるレンズ鏡筒であって、
    前記光軸と前記撮像素子の有効画素範囲の中心位置とが異なるように構成すると共に、前記撮像素子における前記光軸を中心とした画素領域を切り出して撮影と画像の取得を行い、
    前記光軸に対する前記撮像素子の前記有効画素範囲の中心位置のずれ方向と反対側に、前記撮像素子に隣接して他の構成部材を配置し、前記撮像素子と前記他の構成部材との間の隙間量を前記撮像素子のずれ量より小さく設定したことを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記撮像素子を前記光軸に直交する平面内で駆動する手振れ補正手段を備え、
    前記撮像素子を前記手振れ補正手段による駆動範囲の中心に配置したときの前記光軸に対する前記撮像素子の前記有効画素範囲の中心位置のずれ方向と反対側に、前記撮像素子に隣接して他の構成部材を配置し、前記手振れ補正手段による前記撮像素子の駆動範囲に対する前記他の構成部材の隙間量を前記撮像素子のずれ量より小さく設定したことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 光軸に沿って配置された光学系と、前記光学系により結像された被写体光を電気信号に光電変換する撮像素子とを備えるレンズ鏡筒であって、
    前記光軸と前記撮像素子の有効画素範囲の中心位置とが異なるように構成すると共に、前記撮像素子における前記光軸を中心とした画素領域を切り出して撮影と画像の取得を行い、
    前記撮像素子を保持する撮像素子保持部材を備え、
    前記光軸に対する前記撮像素子の前記有効画素範囲の中心位置のずれ方向と反対側に、前記撮像素子保持部材に隣接して他の構成部材を配置し、前記撮像素子保持部材と前記他の構成部材との間の隙間量を前記撮像素子のずれ量より小さく設定したことを特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 前記撮像素子と前記撮像素子保持部材を前記光軸に直交する平面内で駆動する手振れ補正手段とを備え、
    前記撮像素子を前記手振れ補正手段による駆動範囲の中心に配置したときの前記光軸に対する前記撮像素子の前記有効画素範囲の中心位置のずれ方向と反対側に、前記撮像素子保持部材に隣接して他の構成部材を配置し、前記手振れ補正手段による前記撮像素子保持部材の駆動範囲に対する前記他の構成部材の隙間量を前記撮像素子のずれ量より小さく設定したことを特徴とする請求項3に記載のレンズ鏡筒。
  5. 前記撮像素子の前記有効画素範囲において手振れ量に従って前記撮像素子の記録画素範囲を刻々とシフトする電子手振れ補正手段を備え、
    前記撮像素子の前記有効画素範囲に対して、前記電子手振れ補正手段による前記撮像素子の記録画素範囲のシフト量の余裕分を残して、前記光軸と前記撮像素子の前記有効画素範囲の中心位置とを異ならせることを特徴とする請求項1または3に記載のレンズ鏡筒。
  6. 前記レンズ鏡筒は、屈曲光学系のレンズ鏡筒であり、
    前記撮像素子を被写体側にずらして配置したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載のレンズ鏡筒を備えることを特徴とする撮像装置。
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