JP2013035924A - 界面活性剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】殺菌性を有する、安価で量産可能な界面活性剤組成物を実現する。
【解決手段】界面活性剤組成物は、炭素数が10〜20の高級脂肪酸塩を除く陰イオン界面活性剤と、イオン性界面活性剤とは異なるアルカリ金属塩とを含むものであり、通常、水溶液状で用いられる。ここで用いられる陰イオン界面活性剤は、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩およびリン酸エステル塩からなる群から選択された少なくとも一つである。また、ここで用いられるアルカリ金属塩は、例えば、塩化物塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、ギ酸塩および酢酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つである。
【選択図】なし

Description

本発明は、界面活性剤組成物、特に、陰イオン界面活性剤を含む組成物に関する。
医療機関、食品工場および製薬工場等では、従事する作業者の手指等の身体および各種器具や機器の衛生を保つため、洗浄時において、汚れを除去するとともに殺菌が求められる。このため、殺菌性を有する洗浄剤の開発が進められている。
殺菌性を有する洗浄剤として、特許文献1には、石鹸よりも低刺激性の界面活性剤、緩衝剤および抗菌剤を含む抗菌性液体洗浄組成物が記載されている。しかし、ここで用いられる抗菌剤は、2−ヒドロキシ−4,2’,4’−トリクロロジフェニルエーテルや2,6−ジメチル−4−ヒドロキシクロロベンゼン等といった高価なものであることから、組成物の価格を高めることになる。また、このような抗菌剤は、多量に入手するのが困難であることから、上記組成物は量産が困難である。
特表平10−500962号公報(特許請求の範囲、3頁4〜13行および12頁11行〜13頁18行等)
本発明の目的は、殺菌性を有する、安価で量産可能な界面活性剤組成物を実現することにある。
本発明の界面活性剤組成物は、炭素数が10〜20の高級脂肪酸塩を除く陰イオン界面活性剤と、イオン性界面活性剤とは異なるアルカリ金属塩とを含むものである。
ここで用いられる陰イオン界面活性剤は、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩およびリン酸エステル塩からなる群から選択された少なくとも一つである。また、アルカリ金属塩は、例えば、塩化物塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、ギ酸塩および酢酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つである。
本発明の界面活性剤組成物は、通常、陰イオン界面活性剤とアルカリ金属塩とを含む溶液である。この場合、本発明の界面活性剤組成物は、pH緩衝剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の界面活性剤組成物は、炭素数が10〜20の高級脂肪酸塩を除く陰イオン界面活性剤に対してイオン性界面活性剤とは異なるアルカリ金属塩を組み合わせたものであるため、実用的な殺菌性を有し、しかも安価で量産可能である。
実験例A1〜A7についての菌数の対数減少値を示す図。 実験例B1〜B5についての菌数の対数減少値を示す図。 実験例C1〜C7についての菌数の対数減少値を示す図。 実験例D1〜D5についての菌数の対数減少値を示す図。 実験例E1〜E9についての菌数の対数減少値を示す図。
本発明の界面活性剤組成物は、陰イオン界面活性剤とアルカリ金属塩とを含む。ここで用いられる陰イオン界面活性剤は、炭素数が10〜20の高級脂肪酸塩以外のものであれば特に限定されるものではないが、通常、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩またはリン酸エステル塩の形態のものである。このような陰イオン界面活性剤は、それぞれが単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。
カルボン酸型の陰イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩およびN―アシルサルコシン塩を挙げることができる。
スルホン酸塩型の陰イオン界面活性剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、分岐アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩およびN−メチル−N−アシルタウリン塩を挙げることができる。
硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩および油脂硫酸エステル塩を挙げることができる。
リン酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩およびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
上述のようなカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩およびリン酸エステル塩は、通常、カリウム塩やナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
一方、本発明で用いられるアルカリ金属塩は、水中等で解離することにより陰イオン界面活性剤に対して対イオンとなる陽イオン、すなわち、カリウムイオンやナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンを生成可能なものであり、イオン性界面活性剤、すなわち、陽イオン界面活性剤および陰イオン界面活性剤ではないものである。好ましいアルカリ金属塩としては、本発明の界面活性剤組成物において実用的な殺菌性を実現しやすいことから、例えば、塩化カリウムや塩化ナトリウム等の塩化物塩、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム等の炭酸塩、炭酸水素カリウムや炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の水酸化物塩、硝酸カリウムや硝酸ナトリウム等の硝酸塩、硫酸カリウムや硫酸ナトリウム等の硫酸塩、リン酸水素カリウムやリン酸水素ナトリウム等のリン酸水素塩、リン酸二水素カリウムやリン酸二水素ナトリウム等のリン酸二水素塩、ギ酸カリウムやギ酸ナトリウム等のギ酸塩、および、酢酸カリウムや酢酸ナトリウム等の酢酸塩を挙げることができる。
アルカリ金属塩は、それぞれが単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。
本発明の界面活性剤組成物において、陰イオン界面活性剤に対するアルカリ金属塩の含有割合は、通常、0.05〜100重量倍になるよう設定するのが好ましく、0.1〜60重量倍になるよう設定するのがより好ましい。アルカリ金属塩の含有割合が0.05重量倍未満の場合は、界面活性剤組成物の殺菌効果が高まりにくい可能性がある。逆に、100重量倍を超える場合は、後述する界面活性剤組成物の用途に応じた陰イオン界面活性剤の作用を阻害してしまう可能性がある。
本発明の界面活性剤組成物は、陰イオン界面活性剤に対して汎用的で入手が容易なアルカリ金属塩を組合せたものであることから、安価に提供することができ、量産も容易である。なお、本発明の界面活性剤組成物は、後述する用途に応じて、上述の陰イオン界面活性剤およびアルカリ金属塩以外の成分、例えば、香料、色材、保湿剤、坑酸化剤、酸化防止剤および金属イオン封鎖剤等の添加剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の界面活性剤組成物は、陰イオン界面活性剤を含むものであることから、人間の手指等の身体、犬や馬等の動物の身体や体毛、衣類、寝具、食器類や調理器具等の台所用品および各種の医療器具を洗浄するための洗浄剤として、或いは、居室、浴室、トイレおよび洗面室等の生活空間や手術室等の壁面や床面を洗浄するための洗浄剤として用いることができ、また、各種の合成樹脂の乳濁液を調製するための乳化剤や樹脂成形品等の帯電し易い製品の帯電防止剤として用いることもできる。
これらの用途において、本発明の界面活性剤組成物は、陰イオン界面活性剤自体が有する殺菌力がアルカリ金属塩の作用により高まることから、細菌に対する実用的な殺菌力を発揮し得、また、真菌および酵母等の菌類の増殖も効果的に抑制することができる。このため、本発明の界面活性剤組成物は、洗浄剤として用いられる場合、被洗浄物を洗浄すると同時に殺菌処理することができる。また、乳化剤として用いられる場合、調製された乳濁液に対し、雑菌や菌類が繁殖、増殖するのを抑制する抗菌作用を付与することができる。さらに、帯電防止剤として用いられる場合、樹脂成形品等の被処理物に対し、雑菌や菌類が繁殖、増殖するのを抑制する抗菌作用を同時に付与することができる。
上述の用途において、本発明の界面活性剤組成物は、陰イオン界面活性剤、アルカリ金属塩およびその他の成分の混合物状のものを溶媒に溶解した溶液状のものとして用いることができる。ここで用いられる溶媒としては、例えば、水道水並びに純水、蒸留水およびイオン交換水等の精製水のような水の他に、エタノール、エチレングリコールおよびグリセリン等のアルコール類、アセトン、ヘキサン並びにキシレン等の有機溶媒を挙げることができる。溶媒は、2種以上のものが併用されてもよい。溶媒は、界面活性剤組成物の用途に応じて選択することができる。例えば、界面活性剤組成物を洗浄剤、特に身体や体毛の洗浄剤として用いる場合、水や水と生体に対して安全な有機溶媒(例えば、安全なアルコール類等)との混合物を溶媒とするのが特に好ましい。一方、乳化剤や帯電防止剤として用いる場合、その使用方法に応じて水や有機溶媒を選択することができる。
溶液状の界面活性剤組成物は、界面活性剤組成物を使用するときに調製されてもよいし、予め調製されていてもよい。いずれの場合においても、溶液状の界面活性剤組成物は、界面活性剤の溶液を先ず調製し、界面活性剤組成物の用途に応じてこの溶液をpH調製した後にアルカリ金属塩およびその他の成分を添加、溶解することで調製するのが好ましい。
ここで、界面活性剤組成物の用途が洗浄剤の場合、界面活性剤溶液のpHは、陰イオン界面活性剤の洗浄力が高まる範囲に設定するのが好ましく、具体的には、4〜11に設定するのが好ましい。特に、身体の洗浄剤としての使用を予定する場合、界面活性剤溶液のpHは、皮膚への刺激を与えにくい5.5〜10.5の範囲に設定するのが好ましい。一方、用途が乳化剤や帯電防止剤の場合、界面活性剤溶液のpHは、界面活性剤組成物の使用目的に応じて任意に設定することができる。
このように界面活性剤組成物の用途に応じてpH調整された界面活性剤溶液は、アルカリ金属塩を添加したときにpHが大きく変動し、pH調整の意義が損なわれることがある。特に、界面活性剤組成物を身体や体毛の洗浄剤として用いる場合、その調製時に界面活性剤溶液のpHが大きく変動すると、調製した界面活性剤組成物溶液を洗浄剤として用いるのが困難になることがある。このため、洗浄剤として利用可能な溶液状の界面活性剤組成物を調製する場合、界面活性剤溶液に添加するアルカリ金属塩の種類によっては(例えば、炭酸塩、炭酸水素塩または水酸化物塩を添加する場合)、界面活性剤溶液に対してアルカリ金属塩を添加するときに、pH緩衝剤を併せて添加することでpHの変動を抑制するのが好ましい。
この目的で用いられるpH緩衝剤としては、例えば、グリシン、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、コハク酸、リン酸二水素カリウム、マレイン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、カコジル酸ナトリウム、3,3−ジメチルグルタル酸、CHES(N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸)、CAPSO(N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸)およびCAPS(N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸)等を挙げることができる。
溶液状の界面活性剤組成物における陰イオン界面活性剤の濃度は、界面活性剤組成物の用途に応じて適宜調整することができ、特に限定されるものではないが、通常は0.01W/V%以上40W/V%以下に設定するのが好ましい。
洗浄剤として本発明の界面活性剤組成物を用いる場合、例えば、溶液状の界面活性剤組成物の適量を被洗浄物または布帛やスポンジ等の洗浄具に対して適用し、水を適宜適用して泡だてながら被洗浄物を洗浄する。この場合、洗浄後の被洗浄物に付着している界面活性剤組成物は、清浄な水で流し落とすのが好ましい。乳化剤として本発明の界面活性剤組成物を用いる場合、その使用方法は特に限定されるものではなく、通常の乳化剤と同様にして本発明の界面活性剤組成物を用いることができる。この場合、本発明の界面活性剤組成物は、水溶液状のものとして用いられてもよいし、有機溶媒に溶解した溶液として用いられてもよい。帯電防止剤として本発明の界面活性剤組成物を用いる場合、帯電しやすい樹脂製品等の処理対象物の表面に対して溶液状の界面活性剤組成物を適宜塗布した後に乾燥する。このため、溶液状の界面活性剤組成物は、揮発性が高くかつ処理対象物を溶解する等の不具合を生じない有機溶媒を用いて調製したものを用いるのが好ましい。
[実験例]
実験例A
(実験例A1)
蒸留水にN−ラウロイルサルコシンナトリウムを溶解し、N−ラウロイルサルコシンナトリウム濃度を0.1w/v%に調整した界面活性剤水溶液を調製した。そして、調製した界面活性剤水溶液の1mLを試料水として分取し、これを37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)を菌数が1.4E+08CFU/mLになるよう添加して10秒間接触させた後、試料水の一部を100μL分取した。そして、分取した試料水を日本製薬株式会社製のSCDLP培地へ添加して界面活性剤を不活化した後に適宜希釈し、この希釈された試料水について、日本製薬株式会社製のSCDLP寒天培地を用いた塗抹法により36℃で24時間経過後の菌数を測定した。菌数の対数減少値を表1および図1に示す。
(実験例A2〜A4)
実験例A1で調製した界面活性剤水溶液の一部を試料水として採取し、この試料水へ表1に示すアルカリ金属塩を同表に示す濃度になるよう添加することで試料水の量を1mLに調整した。そして、この試料水を37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水について、実験例A1のプレインキュベート後と同様の処理をし、菌数を測定した。菌数の対数減少値を表1および図1に示す。
(実験例A5〜A7)
実験例A1で用いたものと同じ蒸留水を試料水とし、この試料水へ表1に示すアルカリ金属塩のみを同表に示す濃度になるよう添加することで試料水の量を1mLに調整した。そして、この試料水を37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水について実験例A1のプレインキュベート後と同様の処理をし、菌数を測定した。菌数の対数減少値を表1および図1に示す。
Figure 2013035924
実験例B
(実験例B1,B2)
蒸留水に表2に示す界面活性剤を溶解し、界面活性剤濃度を0.2w/v%に調整した界面活性剤水溶液を調製した。そして、調製した界面活性剤水溶液の1mLを試料水として分取し、これを37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)を菌数が1.9E+08CFU/mLになるよう添加して10秒間接触させた後、試料水の一部を100μL分取した。そして、分取した試料水を日本製薬株式会社製のSCDLP培地へ添加して界面活性剤を不活化した後に適宜希釈し、この希釈された試料水について、日本製薬株式会社製のSCDLP寒天培地を用いた塗抹法により36℃で24時間経過後の菌数を測定した。菌数の対数減少値を表2および図2に示す。
(実験例B3,B4)
実験例B1,B2で調製した界面活性剤水溶液の一部を試料水として採取し、この試料水へ表2に示すアルカリ金属塩を同表に示す濃度になるよう添加することで試料水の量を1mLに調整した。そして、この試料水を37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水について、実験例B1,B2のプレインキュベート後と同様の処理をし、菌数を測定した。菌数の対数減少値を表2および図2に示す。
(実験例B5)
実験例B1で用いたものと同じ蒸留水を試料水とし、この試料水へ表2に示すアルカリ金属塩のみを同表に示す濃度になるよう添加することで試料水の量を1mLに調整した。そして、この試料水を37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水について実験例B1,B2のプレインキュベート後と同様の処理をし、菌数を測定した。菌数の対数減少値を表2および図2に示す。
Figure 2013035924
実験例C
(実験例C1)
蒸留水にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを溶解し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム濃度を0.1w/v%に調整した界面活性剤水溶液を調製した。そして、調製した界面活性剤水溶液の1mLを試料水として分取し、これを37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)を菌数が2.9E+08CFU/mLになるよう添加して10秒間接触させた後、試料水の一部を100μL分取した。そして、分取した試料水を日本製薬株式会社製のSCDLP培地へ添加して界面活性剤を不活化した後に適宜希釈し、この希釈された試料水について、日本製薬株式会社製のSCDLP寒天培地を用いた塗抹法により36℃で24時間経過後の菌数を測定した。菌数の対数減少値を表3および図3に示す。
(実験例C2〜C4)
実験例C1で調製した界面活性剤水溶液の一部を試料水として採取し、この試料水へ表3に示すアルカリ金属塩を同表に示す濃度になるよう添加することで試料水の量を1mLに調整した。そして、この試料水を37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。なお、実験例C4については、アルカリ金属塩の添加時にグリシン水溶液を同時に添加することで試料水の量を1mLに調整するとともにグリシン濃度を30mMに調整し、アルカリ金属塩による界面活性剤水溶液のpH変動を抑えた。
次に、プレインキュベートした試料水について、実験例C1のプレインキュベート後と同様の処理をし、菌数を測定した。菌数の対数減少値を表3および図3に示す。
(実験例C5〜C7)
実験例C1で用いたものと同じ蒸留水を試料水とし、この試料水へ表3に示すアルカリ金属塩のみを同表に示す濃度になるよう添加することで試料水の量を1mLに調整した。そして、この試料水を37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。なお、実験例C7については、アルカリ金属塩の添加時にグリシン水溶液を同時に添加することで試料水の量を1mLに調整するとともにグリシン濃度を30mMに調整し、アルカリ金属塩による試料水のpH変動を抑えた。
次に、プレインキュベートした試料水について実験例C1のプレインキュベート後と同様の処理をし、菌数を測定した。菌数の対数減少値を表3および図3に示す。
Figure 2013035924
実験例D
(実験例D1)
蒸留水にドデシル硫酸ナトリウムを溶解し、ドデシル硫酸ナトリウム濃度を0.2w/v%に調整した界面活性剤水溶液を調製した。そして、調製した界面活性剤水溶液の1mLを試料水として分取し、これを37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)を菌数が2.9E+08CFU/mLになるよう添加して10秒間接触させた後、試料水の一部を100μL分取した。そして、分取した試料水を日本製薬株式会社製のSCDLP培地へ添加して界面活性剤を不活化した後に適宜希釈し、この希釈された試料水について、日本製薬株式会社製のSCDLP寒天培地を用いた塗抹法により36℃で24時間経過後の菌数を測定した。菌数の対数減少値を表4および図4に示す。
(実験例D2,D3)
実験例D1で調製した界面活性剤水溶液の一部を試料水として採取し、この試料水へ表4に示すアルカリ金属塩を同表に示す濃度になるよう添加することで試料水の量を1mLに調整した。そして、この試料水を37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水について、実験例D1のプレインキュベート後と同様の処理をし、菌数を測定した。菌数の対数減少値を表4および図4に示す。
(実験例D4,D5)
実験例D1で用いたものと同じ蒸留水を試料水とし、この試料水へ表4に示すアルカリ金属塩のみを同表に示す濃度になるよう添加することで試料水の量を1mLに調整した。そして、この試料水を37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水について実験例D1のプレインキュベート後と同様の処理をし、菌数を測定した。菌数の対数減少値を表4および図4に示す。
Figure 2013035924
実験例E
(実験例E1)
蒸留水にリン酸モノドデシルナトリウムを溶解し、リン酸モノドデシルナトリウム濃度を0.3w/v%に調整した界面活性剤水溶液を調製した。そして、調製した界面活性剤水溶液の1mLを試料水として分取し、これを37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus NBRC13276)を菌数が1.4E+08CFU/mLになるよう添加して10秒間接触させた後、試料水の一部を100μL分取した。そして、分取した試料水を日本製薬株式会社製のSCDLP培地へ添加して界面活性剤を不活化した後に適宜希釈し、この希釈された試料水について、日本製薬株式会社製のSCDLP寒天培地を用いた塗抹法により36℃で24時間経過後の菌数を測定した。菌数の対数減少値を表5および図5に示す。
(実験例E2〜E5)
実験例E1で調製した界面活性剤水溶液の一部を試料水として採取し、この試料水へ表5に示すアルカリ金属塩を同表に示す濃度になるよう添加することで試料水の量を1mLに調整した。そして、この試料水を37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水について、実験例E1のプレインキュベート後と同様の処理をし、菌数を測定した。菌数の対数減少値を表5および図5に示す。
(実験例E6〜E9)
実験例E1で用いたものと同じ蒸留水を試料水とし、この試料水へ表5に示すアルカリ金属塩のみを同表に示す濃度になるよう添加することで試料水の量を1mLに調整した。そして、この試料水を37℃のウォーターバス中でプレインキュベートした。
次に、プレインキュベートした試料水について実験例E1のプレインキュベート後と同様の処理をし、菌数を測定した。菌数の対数減少値を表5および図5に示す。
Figure 2013035924

Claims (5)

  1. 炭素数が10〜20の高級脂肪酸塩を除く陰イオン界面活性剤と、
    イオン性界面活性剤とは異なるアルカリ金属塩と、
    を含む界面活性剤組成物。
  2. 前記陰イオン界面活性剤がカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩およびリン酸エステル塩からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項1に記載の界面活性剤組成物。
  3. 前記アルカリ金属塩が塩化物塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、ギ酸塩および酢酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一つである、請求項1または2に記載の界面活性剤組成物。
  4. 前記陰イオン界面活性剤と前記アルカリ金属塩とを含む溶液である、請求項1から3のいずれかに記載の界面活性剤組成物。
  5. pH緩衝剤をさらに含む、請求項4に記載の界面活性剤組成物。
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