JP2013033790A - 光電変換素子のバッファ層の製造方法および光電変換素子の製造方法 - Google Patents

光電変換素子のバッファ層の製造方法および光電変換素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数回同一の化学浴析出溶液を用いたバッファ層析出を行う場合に、バッファ層表面への粒子状固形物の付着を効果的に抑制すると共に、複数回目に成膜されるバッファ層の品質低下を抑制する。
【解決手段】同一の化学浴析出溶液を用いて繰り返しn回(nは2以上の整数。)、各回毎に光電変換半導体層を最表面に備えた新たな基板の光電変換半導体層上に、バッファ層の成膜を行う場合に、m回目(mは2≦m≦nを満たす整数。)の成膜中に、あるいはm−1回目の成膜とm回目の成膜との間の成膜を行っていない段階に、ろ過フィルタを用いて化学浴析出溶液をろ過するものとし、各回の成膜時間は、1分以上30分以内で、かつ、m回目成膜時間を、m−1回目の成膜時間よりも長くするものとし、各回の成膜はいずれも化学浴析出溶液のpHが9.3〜13の条件下で行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子のバッファ層の製造方法および光電変換素子の製造方法に関するものである。
光電変換層とこれに導通する電極とを備えた光電変換素子が、太陽電池等の用途に使用されている。従来、太陽電池においては、バルクの単結晶Siまたは多結晶Si、あるいは薄膜のアモルファスSiを用いたSi系太陽電池が主流であったが、Siに依存しない化合物半導体系太陽電池の研究開発がなされている。化合物半導体系太陽電池としては、GaAs系等のバルク系と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなるCISあるいはCIGS系等の薄膜系とが知られている。CI(G)Sは、一般式Cu1−zIn1−xGaSe2−y(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)で表される化合物半導体であり、x=0のときがCIS系、x>0のときがCIGS系である。本明細書では、CISとCIGSとを合わせて「CI(G)S」と表記してある。
CI(G)S系等の従来の薄膜系光電変換素子においては一般に、光電変換層とその上に形成される透光性導電層(透明電極)との間にバッファ層(CdSなどのCd系化合物、Zn(O,OH,S)などのZn系化合物)が設けられている。かかる系では通常、バッファ層は化学浴析出(CBD:Chemical Bath Deposition)法により成膜されている。
バッファ層の役割としては、(1)光生成キャリアの再結合の防止、(2)バンド不連続の整合、(3)格子整合、及び(4)光電変換層の表面凹凸のカバレッジ等が考えられる。CI(G)S系等では光電変換層の表面凹凸が比較的大きく、特に(4)の条件を良好に充たすために、液相法であるCBD法が好ましいと考えられる。
CBD法による成膜では、光電変換層へのバッファ層析出に伴い反応液の組成が変化することから、特許文献1には、反応液槽を隣接して複数設置しておき、そのうちの1つの液槽で成膜処理を行うのと並行して、成膜処理が終了した液槽については反応液の交換を行うことを、反応液槽を変更しながら順次反復して行うことにより、反応液の組成が大きく変化しない条件下で成膜処理が行うことができるようにしたCBD装置が提案されている。
また、特許文献1では、バッファ層の面内均一性を高めるために、反応液を撹拌させながら成膜することが好ましい旨が記載されている。
また、光電変換層へのバッファ層析出と同時に、反応溶液中で粒子(コロイド)が発生することが問題となっている。溶液中に生成した粒子が析出膜表面に付着すると、粒子が付着したバッファ層が形成されることとなり、この粒子が付着したバッファ層を用いて光電変換素子を形成した場合には、粒子がついた領域だけが特に電流が流れにくくなり、光電変換素子の性能が低下する。あるいは、粒子が付着したバッファ層上に透光性導電層を形成する工程において、粒子が剥離されて、同時にバッファ層の剥離故障などが起こると、光電変換半導体層が透光性導電層と直結してしまい、リークパスとなることもある。この場合も、光電変換素子の性能が低下する。特に、一次粒子サイズが数十〜数百nmオーダーの粒子が凝集して形成される粒子状固形物(二次凝集体や二次粒子とも呼ぶ)はμm単位と大きいことから、上述したように光電変換素子の性能が低下する可能性が高い。
特許文献2には、成膜表面に付着した粒子(コロイド)を、成膜表面をリンス液により洗浄することにより除去する工程を有する製造方法が開示されている。なお、特許文献2では同一の反応を繰り返して使用することが記載されている。
また、特許文献3では、粒子(コロイド)の増加により反応液が縣濁してくることから、反応液の透明度をモニタして透明度がある程度低下した時点で、その反応液の使用を停止するようにして、一定量以上の粒子(コロイド)が存在していない条件下で成膜する製造方法を提案している。
さて、一方、特許文献4には、光電変換素子の透明導電膜としての酸化亜鉛膜を電析法により製造する方法が開示されている。ここでは、電析液中に混在している不純物をろ過フィルタで除去して、循環させて電析浴中に戻す循環系を備えた装置が提案されている。
特開2002−118068号公報 WO2008/120306号パンフレット 特開2002−343987号公報 特開平11−195796号公報
特許文献1のように複数の反応液槽を備え、順次反応液槽を変更して成膜するのは、反応液槽を順次交換すること、各反応液槽についての温度制御、溶液の廃棄および交換など装置全体の制御は複雑である。
特許文献2のように成膜表面を洗浄することにより粒子状固形物や粒子をある程度除去することができると考えられるが、そもそも成膜表面に付着する付着物を抑制することが望まれる。
特許文献3のように、反応液の透明度をモニタして反応液の使用の是非を確認しつつ成膜する方法を用いた場合であっても、必ずしも十分に粒子状固形物の付着を防止することはできない。
特許文献1から3のように、従来のCBDによる成膜では、反応液は一度で破棄する、あるいは反応液中に粒子(コロイド)が生じても、複数回の成膜にそのまま利用する方法が採用されていた。反応液を一度で破棄するのは、コスト高を引き起こすものであり、粒子が存在する状態で引き続き成膜すると、付着物の増加と共に、反応液の濃度変動に伴うバッファ層品質の低下が懸念される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、CBD法において、同一の反応液を用いて複数回の成膜を行う場合に、バッファ層表面への粒子状固形物の付着を効果的に抑制すると共に、複数回目に成膜されるバッファ層の品質低下を抑制することができるバッファ層の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明のバッファ層の製造方法は、基板上に、下部電極、光電変換半導体層、バッファ層、および透光性導電層がこの順に積層してなる積層構造を有する光電変換素子における前記バッファ層の製造方法であって、
同一の化学浴析出溶液を用いて繰り返しn回(nは2以上の整数。)、各回毎に光電変換半導体層を最表面に備えた新たな基板の光電変換半導体層上に、バッファ層の成膜を行うものとし、
m回目(mは2≦m≦nを満たす整数。)の成膜中に、あるいはm−1回目の成膜とm回目の成膜との間の成膜を行っていない段階に、ろ過フィルタを用いて前記化学浴析出溶液をろ過するものとし、
前記各回の成膜時間は、1分以上30分以内で、かつ、m回目成膜時間を、m−1回目の成膜時間よりも長くするものとし、
前記各回の成膜はいずれも前記化学浴析出溶液のpHが9.3〜13の条件下で行うことを特徴とする。
1回のバッファ層の成膜は、1枚の基板に対する処理に限らず、複数枚の基板に対する処理であってもよい。ただし、1〜n回の各回について同一の基板処理面積(通常は一定基板の面積×枚数)に対して処理を行うこととする。
前記化学浴析出溶液のろ過は、m回目(mは2≦m≦nを満たす整数。)の成膜中のみならず毎回の成膜中に、あるいはm−1回目の成膜とm回目の成膜との間の成膜を行っていない段階のみならず、各回間毎の成膜を行っていない段階に行うことが好ましい。
特に、前記ろ過は、成膜を行っていない段階でのみ行うものとし、前記各回のバッファ層の成膜中には前記化学浴析出溶液の撹拌を行わないことが望ましい。
前記ろ過の際の前記化学浴析出溶液の温度を、60℃以下とすることが好ましい。
前記反応液としては、Cd、ZnおよびInの少なくとも1種からなる金属源と、硫黄源とを含むものとすることができる。
本発明の光電変換素子の製造方法は、基板上に、下部電極、光電変換半導体層、バッファ層および透光性導電層がこの順に積層してなる積層構造を有する光電変換素子の製造方法において、
前記バッファ層を、本発明のバッファ層の製造方法により製造することを特徴とする。
本発明のバッファ層の製造方法によれば、同一の化学浴析出溶液を用いて繰り返しn回(nは2以上の整数。)、各回毎に光電変換半導体層を最表面に備えた基板の光電変換半導体層上に、バッファ層の成膜を行う場合に、m回目(mは2≦m≦nを満たす整数。)の成膜中に、あるいはm−1回目の成膜とm回目の成膜との間の成膜を行っていない段階に、ろ過フィルタを用いて前記化学浴析出溶液をろ過するので、複数回目に成膜されたバッファ層の表面についても粒子状固形物の付着を抑制することができる。
同一の化学浴析出溶液を用いる場合、用いられている時間が長くなるほど粒子状固形物の発生量も増加することから、ろ過をしないでそのまま溶液を用いると、1回目の成膜表面と比較して後になるほど成膜表面への粒子状固形物の付着が多くなる。一方、本発明の製造方法によれば、適宜ろ過しつつ溶液を用いるので、溶液内の粒子状固形物の量が抑制され、複数回目の成膜表面においても粒子状固形物の付着を抑制することができる。
なお、既述の通り特許文献4には、電析法において不純物をろ過しつつ電析液を循環させて再利用する方法が提案されているが、CBD法においては、粒子(コロイド)の析出が電析法の場合と比較して顕著であり、一定以上の粒子(コロイド)が析出した反応液の再利用を検討する余地はないと考えられていた。本発明者は、本発明によりCBD法において、良好な成膜性能を維持しつつ反応液の再利用が可能であることを明らかにしたものであり、反応液の再利用による製造コストの低減効果も得ることができる。
また、本発明の光電変換素子の製造方法は、各回の成膜時間は、1分以上30分以内、かつ、m回目成膜時間を、m−1回目の成膜時間よりも長くするものとし、各回の成膜はいずれも化学浴析出溶液のpHが9.3〜13の条件下で行うものとすることにより、各回に成膜されるバッファ層の品質を均一なものとすることができる。
本発明のバッファ層の製造方法を実施する製造装置の一例を示す図 本発明のバッファ層の製造方法を用いて製造される光電変換素子の概略構成を示す断面図
以下、本発明の実施形態を説明する。
「バッファ層の製造方法」
本発明のバッファ層の製造方法は、基板上に、下部電極、光電変換半導体層、バッファ層、および透光性導電層がこの順に積層してなる積層構造を有する光電変換素子におけるバッファ層の製造方法であって、同一の化学浴析出溶液を用いて繰り返しn回(nは2以上の整数)、バッファ層の成膜を行う場合に、m回目(2≦m≦nを満たす整数)の成膜中の段階、あるいはm−1回目の成膜とm回目の成膜との間の成膜を行っていない段階で、ろ過フィルタによって前記化学浴析出溶液をろ過するものとし、各回の成膜時間は、1分以上30分以内で、かつ、m回目成膜時間を、m−1回目の成膜時間よりも長くするものとし、各回の成膜はいずれも化学浴析出溶液のpHが9.3〜13の条件下で行うことを特徴とする。
本発明においてバッファ層の成膜は、化学浴析出(CBD)法によるものである。
「CBD法」とは、一般式 [M(L)] m+ ⇔ Mn++iL(式中、M:金属元素、L:配位子、m,n,i:正数を各々示す。)で表されるような平衡によって過飽和条件となる濃度とpHを有する金属イオン溶液を反応液(化学浴析出溶液)として用い、金属イオンMの錯体を形成させることで、安定した環境で適度な速度で基板上に金属化合物薄膜を析出させる方法である。
バッファ層としては特に制限されないが、CdS、ZnS,Zn(S,O)及び/又はZn(S,O,OH)、InS,In(S,O)及び/又はIn(S,O,OH)等の、Cd,ZnまたはInを含む金属硫化物を含むことが好ましい。バッファ層の膜厚は、10nm〜2μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。
バッファ層を析出させるための化学浴析出溶液(以下において、CBD溶液という。)は金属(M)と硫黄源を含むものである。これによって、上記のバッファ層を形成することができる。硫黄源としては硫黄を含有する化合物、例えばチオ尿素(CS(NH22、チオアセトアミド(C25NS)の他、チオリア、チオセミカルバジド、チオウレタン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン等を用いることができる。
CBD溶液は、所望のバッファ層を析出させることができれば、反応液中の各成分の濃度は特に限定されないが、複数回の成膜を通して、少なくとも反応開始時のpHが9.3〜13の範囲となるように、予め調製しておく。なお、必要に応じて複数回の成膜の途中でpH調整を行ってもよい。
CdSバッファ層の場合には、上記硫黄源と、Cd化合物(例えば硫酸カドミウム、酢酸カドミウム、硝酸カドミウム、塩化カドミウムおよびこれらの水和物等)と、アンモニア水あるいはアンモニウム塩(例えばCH3COONH4、NH4Cl、NH4Iおよび(NH42SO4等)との混合溶液をCBD溶液として用いることができる。
ZnS、Zn(S,O)、Zn(S,O,OH)などのZn化合物層からなるバッファ層の場合には、上記硫黄源と、Zn化合物(例えば硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛およびこれらの水和物等)と、アンモニア水あるいはアンモニウム塩(上記と同様)との混合溶液を反応液として用いることができる。
なお、Zn化合物層からなるバッファ層を形成する場合には、反応液にはクエン酸化合物(クエン酸三ナトリウムおよび/またはその水和物)を含有させることが好ましい。クエン酸化合物を含有させることによって錯体が形成されやすく、CBD反応による結晶成長が良好に制御され、膜を安定的に成膜することができる。
上記Cd系あるいはZn系のバッファ層の析出温度は、70℃以上であることが好ましい。反応温度が70℃未満では反応速度が遅くなり、薄膜が成長しない、あるいは薄膜成長しても実用的な反応速度で所望の厚み(例えば50nm以上)を得るのが難しくなる。反応液が水系の液体であるため、反応温度が95℃超では、反応液中で気泡等の発生が多くなり、それが膜表面に付着したりして平坦で均一な膜が成長しにくくなる。さらに、反応が開放系で実施される場合には、溶媒の蒸発等による濃度変化などが生じ、安定した薄膜析出条件を維持することが難しくなる。反応温度は好ましくは80〜90℃である。なお、温度は少なくとも析出面近傍において上記温度であればよく、反応槽内の反応液の温度が均一に温度上昇している必要はない。
CBD溶液のpHが9.3〜13であれば、ZnS、Zn(S,O)、Zn(S,O,OH)などのZn化合物層からなる化合物やCdS、InS,In(S,O)及び/又はIn(S,O,OH)などの膜析出は進行する。このことは物質の溶解度曲線をみれば分かる。なお、膜の析出に適するpHは、CBD溶液中においてコロイドが生成されやすいpHでもある。
1回の成膜における成膜時間(反応時間)は1分〜30分間とする。これはCBD溶液中にチオ尿素を含んでいる場合には、所定の温度で加熱をすることでチオ尿素の分解を進行させないと、硫化反応が進まないためである。1分未満ではこのチオ尿素の分解反応が十分進まない。また、チオ尿素を含んでいない場合でも、無機化合物の結晶等を成長させる反応において、物質移動や物質拡散を促進させて実用的な時間で一定時間加熱をすることは有効である。一定時間が1分未満では加熱の効果を出すには不十分である。
一方で、30分を超える時間で成膜を行うと、実用的な速度で成膜が進行する条件に設計された反応溶液においては、目的の厚みより厚くなった膜しか得られなくなってしまったり、膜の析出と同時に溶液中に発生する粒子(コロイド)が埋め込まれた膜の形成等を誘発してしまう。
同一の化学浴析出溶液を複数回の成膜処理に用いる場合、亜鉛イオン濃度が徐々に低下してくるため、同一の時間で同程度のバッファ層の析出厚みを得ることができないという問題が生じる。そこで、本発明においては、n回繰り返す成膜処理における各回の所定時間が徐々に長くなるようにして、複数回目の成膜時にも1回目に成膜したバッファ層膜厚と同程度(±10%以内)となるように制御している。
n回の成膜を行う際の各回の成膜時間については、予め実際に行う場合と同一のCBD条件で複数回の成膜処理を行い、複数回目の成膜時間と膜厚との関係を測定しておく。
同一のCBD条件とは、用いる装置、反応液の量、反応液の濃度、反応温度、1回あたりの基板処理面積(=バッファ層を析出させる1枚当たりの面積×枚数)などを含む。
予め測定されたデータから、同一の溶液を使う成膜回数n、各回の成膜時間を定めておき、実際の工程においては、予め定めた各回毎の成膜時間で成膜を行うものとする。
なお、実際には、用いる可能性のある反応溶液、反応温度、1回あたりの基板処理面積の複数の組合せについて、複数回成膜時の各成膜回における成膜時間とバッファ成膜膜厚との関係のデータを取得して、テーブルとして備えておき、そのテーブルに基づいて、実施態様に沿って成膜時間を見積もるようにすればよい。
なお、成膜中は、反応液の撹拌を行うことなく実施することが好ましい。ここで、撹拌には、スターラー等による撹拌の他、液循環、反応液への超音波の印加によるものを含むこととする。反応液の撹拌は反応液中での粒子(コロイド)の発生を促進させ、反応液中に浮遊する粒子(コロイド)の量が増加してしまうので、析出膜表面への粒子状固形物の付着の可能性が高くなってしまう。
ここで、粒子状固形物とは、一次粒子径が数十〜数百nmオーダーの粒子が凝集した固形物である。概ね円相当径が1μm以上の粒子状固形物(二次凝集体)がバッファ層表面に付着したまま光電変換素子を作製すると、この部分だけ抵抗が増し、電流が流れにくい領域が発生することになり、光電変換素子の性能が低下する可能性がある。また、バッファ層上に透光性導電層を形成する工程においてバッファ層表面に付着した粒子状固形物(二次凝集体)が剥離して、それと同時にバッファ層の剥離などが生じて、光電変換素子の性能が低下する可能性がある。
反応液を撹拌することなくバッファ層の成膜を行うことにより、撹拌した場合と比較して粒子状固形物の発生を抑制することができる。
本発明のバッファ層の製造方法においては、同一のCBD溶液を複数回(n回)のバッファ層の成膜に用いる。CBD溶液中の粒子状固形物は成膜時間が増加するにつれて、増加することから、この粒子状固形物を除去するために、m回目の成膜中の段階もしくはm−1回目とm回目の成膜の間の段階で、反応液のろ過を行う。
なお、既述の通り、成膜中に溶液の循環をさせることは望ましくないため、m回目の成膜中に液循環によるろ過を行うよりは、m−1回目とm回目との成膜の間の段階でろ過を行うことが好ましい。
また、成膜中にろ過をする場合には、特定の複数回目のみにろ過を行うこととしてもよいが、毎回の成膜中にろ過を行うようにしてもよい。
また、成膜と成膜との間の段階でろ過を行う場合も、特定の成膜回間でのみろ過を行うこととしてもよいが、毎回の成膜間毎にろ過をすることが成膜表面への粒子状固形物の付着をより抑制することができ、より好ましい。
ろ過方式は、特に限定されず、CBD槽とろ過フィルタを備えた循環流路とからなるCBD装置を用いて、ろ過フィルタを介して液循環させることによりろ過してもよいし、別容器を用いて溶液のろ過を行う方式でもよい。別容器を用いる場合には、ろ過後の溶液をCBD槽に戻して再利用する。
ろ過フィルタの孔の大きさは1μm〜1000μm程度であることが好ましい。1μm未満であるとろ過に時間がかかりすぎ、1000μm超えであると比較的大きな粒子状固形物がろ過後の溶液中に残留してしまうこととなる。孔の大きさは、1μm〜20μm程度がより好ましい。
また、ろ過の際の溶液の温度は成膜時の温度より低いことが好ましく、具体的には60℃以下とすることが好ましい。温度を低くして、粒子状固形物の発生を促進させた状態でろ過することにより、ろ過後の溶液におけるさらなる粒子状固形物の発生を抑制することが可能となる。
本発明のバッファ膜の製造方法を実現するためのCBD装置の概略構成を図1に示す。
CBD装置100は、バッファ層を形成する反応液102を蓄える反応槽103と、反応槽103から反応液102を排出し、反応槽103に再度供給するための循環流路105とを備え、循環流路105中にろ過フィルタ106、反応液102を昇温するための加熱手段(クイックヒータ)107および液循環をさせるための循環ポンプPを備えている。
循環流路105は、反応槽103からろ過フィルタ106に至る第1の循環路105aとろ過フィルタ106から反応槽103に至る第2の循環路105bを備え、循環ポンプPおよび加熱手段107は第2の循環路105b中に備えられている。
また、反応槽103には、反応液102を所定温度に加熱維持するための加熱手段および温度計等を含む図示しない温度制御手段が備えられている。
また、反応槽103の上部には、基板10を反応液102に接触させることなく、光電変換半導体層表面に反応液102を接触させるように基板10を保持する基板保持部材(基板ホルダ)120が備えられている。基板ホルダ120は、基板10上に下部電極20と光電変換半導体層30がこの順に形成されたものが、光電変換半導体層30が形成された面のみを反応液102に接触可能なように、基板10を基板ホルダ本体123に向けて液漏れ防止治具121によって把持するよう構成されている。さらに、締め付け固定が可能な固定枠122によって、液漏れ防止治具121と把持された光電変換半導体層30が形成された基板10の隙間から反応液102が侵入しないように液漏れ防止治具121と光電変換半導体層30が形成された基板10を締め付け固定するよう構成されている。なお、液漏れ防止治具121および固定枠122は基板10のサイズに適宜対応可能なように位置をずらすことができるようになっている。
上記構成のCBD装置を用いた製造方法について説明する。
反応液102を備えた反応槽103において、反応液102の温度を70℃〜95℃の所定温度に温調する。所定温度に温調された反応液102中に、基板ホルダ120により支持された、光電変換半導体層30付きの基板10を、光電変換半導体層30表面が反応液102に接触するように配置する。このとき、循環ポンプPを作動させないことが好ましい。この状態で、反応液102を所定温度に維持したまま所定時間維持することにより、光電変換半導体層30上にバッファ層を析出させる。
その後、基板を反応液102から取出す。反応液102中に基板が浸漬されていない状態で、循環ポンプPを作動させることにより、反応槽103中の反応液は、第1の循環路105aへと排出される。第1の循環路105aは加熱していないため、反応液102の温度は低下し、ろ過フィルタ106を通過する時点では概ね60℃以下となっている。ろ過フィルタ106を透過した反応液はさらに第2の循環路105bを通り、クイックヒータ107で加熱された上で反応槽103へ戻される。クイックヒータ107により反応液は反応温度とほぼ同等の温度に昇温された後に反応槽103に供給されるため、反応槽内の反応液の温度が低下することなく、引き続きの成膜処理を時間をおくことなく行うことができる。
所定時間循環させた後、ポンプPの動作を止める。その後、新たに、基板ホルダ120により支持された光電変換半導体層30付きの基板10を、反応液中に浸漬させてバッファ層の成膜を行う。上記を繰り返し所定回数(n回)の成膜処理を行う。
「光電変換素子の製造方法」
図2に本発明の光電変換素子の製造方法により製造される一実施形態の光電変換素子の概略断面図を示す。視認しやすくするため、図中、各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
図2に示す光電変換素子1は、基板10上に、下部電極(裏面電極)20と光電変換半導体層30とバッファ層40と窓層50と透光性導電層(透明電極)60と上部電極(グリッド電極)70とが順次積層された素子である。
本発明の光電変換素子の製造方法は、基板10上に少なくとも下部電極20と光電変換半導体層30とバッファ層40と透光性導電層60との積層構造を有する光電変換素子の製造方法において、バッファ層を、本発明のバッファ層の製造方法により製造することを特徴とするものである。
バッファ層以外の各層の成膜方法等は特に制限はない。以下に基板および各層の成膜方法の例について簡単に説明する。
(基板)
基板は、特に制限されず、具体的には、
ガラス基板、
表面に絶縁膜が成膜されたステンレス等の金属基板、
Alを主成分とするAl基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl材が複合された複合基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
Feを主成分とするFe材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とするAl膜が成膜された基材の少なくとも一方の面側にAlを主成分とする陽極酸化膜が形成された陽極酸化基板、
及びポリイミド等の樹脂基板等が挙げられる。
さらに、基板上にソーダライムガラス(SLG)層が設けられたものであってもよい。ソーダライムガラス層を備えることにより、光電変換層にNaを拡散させることができる。光電変換層がNaを含むことにより、光電変換効率をさらに向上させることができる。
(下部電極)
下部電極20の主成分としては特に制限されず、Mo,Cr,W,及びこれらの組合せが好ましく、Mo等が特に好ましい。下部電極20の膜厚は制限されず、200〜1000nm程度が好ましい。例えば、基板上にスパッタ法により成膜することができる。
(光電変換半導体層)
光電変換半導体層30の主成分としては特に制限されず、高光電変換効率が得られることから、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体であることが好ましく、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることがより好ましい。
光電変換半導体層30の主成分としては、
CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種のIb族元素と、
Al,GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種のIIIb族元素と、
S,Se,およびTeからなる群から選択された少なくとも1種のVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることが好ましい。
上記化合物半導体としては、
CuAlS2,CuGaS2,CuInS2
CuAlSe2,CuGaSe2
AgAlS2,AgGaS2,AgInS2
AgAlSe2,AgGaSe2,AgInSe2
AgAlTe2,AgGaTe2,AgInTe2
Cu(In,Al)Se2,Cu(In,Ga)(S,Se)2
Cu1-zIn1-xGaxSe2-yy(式中、0≦x≦1,0≦y≦2,0≦z≦1)(CI(G)S),
Ag(In,Ga)Se2,およびAg(In,Ga)(S,Se)2等が挙げられる。
また、CuZnSnS,CuZnSnSe,CuZnSn(S,Se)等であってもよい。
光電変換半導体層30の膜厚は特に制限されず、1.0〜4.0μmが好ましく、1.5〜3.5μmが特に好ましい。
光電変換半導体層30の成膜方法も特に制限はなく、真空蒸着法、スパッタ法、MOCVD法等により成膜することができる。
(バッファ層)
バッファ層40は、上記の本発明のバッファ層の製造方法により製造される。バッファ層40の導電型は特に制限されず、n型等が好ましい。バッファ層40の膜厚は特に制限されず、10nm〜2μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。
(窓層)
窓層50は、光を取り込む中間層である。窓層50の組成としては特に制限されず、i−ZnO等が好ましい。窓層50の膜厚は特に制限されず、10nm〜2μmが好ましく、15〜200nmがより好ましい。窓層50の成膜方法は、特に制限されないが、スパッタ法やMOCVD法が適している。一方で、バッファ層40を液相法により製造するため、製造プロセスを簡易にするためには液相法を用いることも好ましい。窓層50は必須ではなく、窓層50のない光電変換素子としてもよい。
(透光性導電層)
透光性導電層60は、光を取り込むと共に、下部電極20と対になって、光電変換半導体層30で生成された電流が流れる電極として機能する層である。透光性導電層60の組成は特に制限されず、ZnO:Al、ZnO:Ga、ZnO:B等のn−ZnO等が好ましい。透光性導電層60の膜厚は特に制限されず、50nm〜2μmが好ましい。透光性導電層60の成膜方法としては特に制限されないが、窓層と同様、スパッタ法やMOCVD法が適している。一方で、製造プロセスを簡易にするためには液相法を用いることも好ましい。
(上部電極)
上部電極70の主成分としては特に制限されず、Al等が挙げられる。上部電極70膜厚は特に制限されず、0.1〜3μmが好ましい。
なお、多数の光電変換素子(セル)が集積化されてなる集積化太陽電池においては、上部電極は直列接続されたセルのうち、電力取出し端となるセルに設けられている。
本実施形態の製造方法により製造される光電変換素子1は、以上のように構成されている。
光電変換素子1は、太陽電池等に好ましく使用することができる。光電変換素子1に対して必要に応じて、カバーガラス、保護フィルム等を取り付けて、太陽電池とすることができる。
なお、本発明の製造方法で作製される光電変換素子は、太陽電池のみならずCCD等の他の用途にも適用可能である。
本発明に係る実施例および比較例について説明する。
<基板−光電変換層>
基板として、Mo電極層付きソーダライムガラス(SLG)基板上にCIGS層を成膜した基板を用意した。具体的には、30mm×30mm角のソーダライムガラス(SLG)基板上に、スパッタ法によりMo下部電極を0.8μm厚で成膜し、さらにMo下部電極上に多元蒸発法の一種である3段階法を用いて膜厚1.8μmのCu(In0.7Ga0.3)Se2層を成膜した。
<表面処理>
KCN10%水溶液の入った反応槽を用意し、基板上に成膜されたCIGS層の表面を室温で3分間分浸漬させてCIGS層表面の不純物除去を行った。取り出した後に十分に水洗を行った。
<化学浴析出溶液(CBD溶液)の調製>
(CBD溶液1)
成分(Z)の水溶液(I)として硫酸亜鉛水溶液(0.18[M])、成分(S)の水溶液(II)としてチオ尿素水溶液(チオ尿素0.30[M])、成分(C)の水溶液(III)としてクエン酸三ナトリウム水溶液(0.18[M])、及び成分(N)の水溶液(IV)としてアンモニア水(0.30[M])をそれぞれ調製した。次に、これらの水溶液のうち、I,II,IIIを同体積ずつ混合して、硫酸亜鉛0.06[M],チオ尿素0.10[M],クエン酸三ナトリウム0.06[M]となる混合溶液を完成させ、この混合溶液と、0.30[M]のアンモニア水を同体積ずつを混合してCBD溶液(反応液)1を得た。水溶液(I)〜(IV)を混合する際には、水溶液(IV)を最後に添加するようにした。透明な反応液とするには、水溶液(IV)を最後に添加することが重要である。混合して得られたCBD溶液は、孔サイズ0.22μmのろ過フィルタを用いてろ過した。最終的に得られたCBD溶液1のpHは10.1近傍であった。各実施例における値は表1に示す。
CBD溶液1はZn化合物からなるバッファ層を成膜するものである。実施例1〜8および比較例1、2ではこのCBD溶液1を用いた。
(CBD溶液2)
CdSO4水溶液、チオ尿素水溶液、アンモニア水溶液を所定量混合して、CdSO4:0.0015M、チオ尿素:0.05M、アンモニア:1.5MであるCBD溶液(反応液)2を調製した。最終的に得られたCBD溶液2のpHは12.0であった。
CBD溶液2はCd化合物からなるバッファ層を成膜するものである。実施例9および比較例3ではこのCBD溶液2を用いた。
<CBD工程>
上記のようにして調製したCBD溶液1あるいは2を用い、CBD法により、バッファ層を上記表面処理がなされた後のCIGS層上に成膜した。具体的には、CBD溶液1を用いる場合には、90℃に調温したCBD溶液200ml中にCIGS層を形成した基板を表1に示すCBD時間(成膜時間)浸漬させることでバッファ層を成膜した。CBD溶液2を用いる場合には、溶液の温度を80℃となるように調温した。溶液中に基板を浸漬する工程においては、CBD溶液の容器の底面に対して基板面が垂直になるように、基板を設置した。なお、このCBD工程は、CBD溶液(反応液)を撹拌せずに、あるいは攪拌させつつ実施した。なお、本例において攪拌は、成膜中の循環ろ過に伴うものである。
実施例、比較例について、それぞれ表1に示すn回のバッファ層の成膜を行う。同一の反応液を用い、1回毎に表面に光電変換半導体層を備えた新たな基板を用いて、光電変換半導体層上へのバッファ層成膜を行った。
各実施例および比較例についてのろ過の有無、ろ過方式、タイミング、ろ過フィルタサイズ、成膜時間などの詳細については表1に示すとおりとした。なお、表1記載のpHは各回の成膜開始時における値である。
ろ過方式としては、循環方式と別処理方式とのいずれかを用いた。循環方式では、図1に示したような反応槽とろ過フィルタを備えた循環路を備えたCBD装置を用いた。各実施例において、ろ過フィルタの穴の大きさはそれぞれ表1に示す通りとした。また、別処理方式では、別容器およびろ過フィルタを用意し、吸引ろ過を行い、ろ液を別容器に回収し、反応槽に戻して再利用するものとした。
<膜厚評価>
CIGS層を被覆したバッファ層の膜厚を評価するために、バッファ層表面に保護膜を形成した後に収束イオンビーム(FIB)加工を行ってバッファ層の断面出しを行い、その断面についてSEM観察を実施した。この断面SEM像から合計35箇所について膜厚計測を行い、その平均値を表1に示した。
<膜表面評価>
100μm×100μmの視野において、一次粒子サイズが数十〜数百nmオーダーの粒子が凝集した付着物(膜表面を真上から観察した時に発見される凝集体)の存在状態を以下の基準で評価した。
円相当径が3μm以上のものが1個以下の場合を良好(○)、円相当径が3μm以上のものが2個以上、10個以下の場合を可(△)、円相当径が3μm以上のものが11個以上の場合を不良(×)とした。
表1に示すように、同一反応液を複数回の成膜に使用する場合、ろ過を行うことにより、複数回目のバッファ層析出表面における粒子状固形物の付着を大きく低減することができた。一方、実施例4のように、成膜時にろ過(撹拌)を行っていると、成膜間にろ過する場合(実施例1)と比較して、膜の成長速度は早いが、析出表面に粒子状固形物の付着量が多いという結果となり、ろ過は成膜と成膜との間のインターバル期間に行うことが好ましいことが実証された。また、実施例1〜8の場合、成膜時間をm+1回目の成膜時間をm回目よりも5分延ばしたが、これにより、複数回の成膜時においてその成膜膜厚をほぼ同等(1−2nm程度の差のみ)とすることができ、品質の一定なバッファ層を得ることができた。
1 光電変換素子
10 基板
20 下部電極(裏面電極)
30 光電変換層
40 バッファ層
50 窓層
60 透光性導電層(透明電極)
70 上部電極(グリッド電極)
100 CBD装置
102 反応液
103 反応槽
105 循環流路
106 ろ過フィルタ
107 加熱手段
120 基板ホルダ
121 液漏れ防止治具
122 固定枠
123 ホルダ本体

Claims (5)

  1. 基板上に、下部電極、光電変換半導体層、バッファ層、および透光性導電層がこの順に積層してなる積層構造を有する光電変換素子における前記バッファ層の製造方法であって、
    同一の化学浴析出溶液を用いて繰り返しn回(nは2以上の整数。)、各回毎に光電変換半導体層を最表面に備えた新たな基板の光電変換半導体層上に、バッファ層の成膜を行うものとし、
    m回目(mは2≦m≦nを満たす整数。)の成膜中に、あるいはm−1回目の成膜とm回目の成膜との間の成膜を行っていない段階に、ろ過フィルタを用いて前記化学浴析出溶液をろ過するものとし、
    前記各回の成膜時間は、1分以上30分以内で、かつ、m回目成膜時間を、m−1回目の成膜時間よりも長くするものとし、
    前記各回の成膜はいずれも前記化学浴析出溶液のpHが9.3〜13の条件下で行うことを特徴とするバッファ層の製造方法。
  2. 前記ろ過は、成膜を行っていない段階でのみ行うものとし、
    前記各回のバッファ層の成膜中には前記化学浴析出溶液の撹拌を行わないことを特徴とする請求項1記載のバッファ層の製造方法。
  3. 前記ろ過の際の前記化学浴析出溶液の温度を、60℃以下とすることを特徴とする請求項1または2記載のバッファ層の製造方法。
  4. 前記反応液が、Cd、ZnおよびInからなる金属源と、硫黄源とを含むことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のバッファ層の製造方法。
  5. 基板上に、下部電極、光電変換半導体層、バッファ層および透光性導電層がこの順に積層してなる積層構造を有する光電変換素子の製造方法において、
    前記バッファ層を、請求項1〜4いずれか1項記載のバッファ層の製造方法により製造することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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