JP2013033681A - 放射線発生装置及びそれを用いた放射線撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の小型化、外囲器と放射線発生管との間の耐電圧の向上、放射線の減衰量の低減を実現した放射線発生装置及びそれを用いた放射線撮影装置を提供する。
【解決手段】放射線を透過する第一の窓27を有する外囲器12と、外囲器12内に収納され、第一の窓27と対向する位置に放射線を透過する第二の窓19を有する放射線発生管14と、外囲器12の内壁と放射線発生管14との間に充填された絶縁性流体13と、を備える放射線発生装置であって、第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との間に、複数枚の絶縁性板材が隙間を空けて並んで配置され、絶縁性板材間の隙間は、第一の窓27と第二の窓19との間の耐電圧が、複数枚の絶縁性板材に換えて各絶縁性板材の厚さの合計と同じ厚さを持った絶縁性板材を配置した場合に比べて大きくなる隙間であることを特徴とする放射線発生装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線発生装置及び放射線撮影装置に関し、特に絶縁性流体を充填した外囲器内に放射線発生管を備える放射線発生装置及びそれを用いた放射線撮影装置に関する。
電子源から放出された電子をターゲットに照射することにより放射線を発生させる放射線発生装置として、密閉された内部に電子源とターゲットを配置した放射線発生管を、外囲器内に収納した放射線発生装置が知られている。放射線発生管内に配置される電子源としては、従来からフィラメント等の熱電子源が用いられている。熱電子源には、ブラウン管用の電子源として用いられる含浸型熱陰極電子放出素子等のように小型のものもある。熱電子源を用いた放射線発生管では、高温に加熱した熱電子源から放出された熱電子の電子束の一部を、ウエネルト電極、引出し電極、加速電極及びレンズ電極を通して高エネルギーに加速する。それと同時に電子束を所望の形状に成形した後、成形された電子束をタングステン等の金属で構成されたターゲットに照射して放射線を発生させる。
ところで、放射線撮影に好適な放射線を発生させるためには、放射線発生管内の陰極である電子源とターゲットとの間に40kV〜150kVという高電圧を印加し、電子束を高エネルギーに加速してターゲットに照射する必要がある。また、一般に外囲器は金属材料で形成され、電位が0Vに規定される。このため、電子源とターゲットとの間、及び放射線発生管と外囲器との間には数十kV以上の高電位差が生じることとなる。よって、長時間安定して放射線を発生させるためには、放射線発生装置がこのような高電圧において耐電圧性(耐圧性)を有することが求められる。
特許文献1には、特に回転陽極X線管と外囲器との間で放電が発生するのを防ぐ目的で、回転陽極X線管と外囲器の内壁との間に冷却絶縁油を充填し耐電圧性を確保する技術が開示されている。具体的には外囲器を回転陽極X線管の軸方向に3分割し、外囲器中央部で回転陽極X線管を支持し、陽極側と陰極側をそれぞれカップ状支持部材で支持する構成をとっている。回転陽極X線管とカップ状支持部材との間によどみなく冷却絶縁油を流動させることで回転陽極X線管の表面に付着するスラッジを防止し、回転陽極X線管と外囲器との間の放電を低減している。
特開昭61−066399号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、回転陽極X線管と外囲器との間の距離によっては冷却絶縁油を流動させるための流出入口や回転陽極X線管のX線放出口を通して回転陽極X線管と外囲器との間で放電が発生しX線管が破損するおそれがあった。そして、放電によりX線管が破損すると、長時間安定してX線を発生させることができないという問題があった。
この問題の対策として、回転陽極X線管と外囲器の内壁との間の冷却絶縁油層を十分厚くする方法が考えられる。しかし、冷却絶縁油等の絶縁性液体の耐電圧性能は、他の絶縁部材のそれに比べて電極形状、電極表面性状、温度、不純物、対流等の影響を受けやすい。このため、駆動中200℃以上の高温になる回転陽極X線管と、外囲器の内壁との間の冷却絶縁油層の厚さの設定は放電を防ぐために十分に安全率を加える必要がある。その結果、外囲器が大きくなり、X線発生装置が大型化・高重量化していた。また、冷却絶縁油層を厚くすると冷却絶縁油層を通過する際のX線の減衰量が大きくなる。よって、X線撮影に必要なX線量を放出するためには、その減衰量を補うためにより高電圧、高電流、長時間駆動する必要があり、電力効率の低いX線発生装置となっていた。特に可般型X線発生装置等で電力効率の低さが問題となっていた。
上述の問題は特許文献1に記載のような反射型の放射線発生装置に限った問題ではなく、透過型の放射線発生装置においても同様の問題があった。よって、反射型・透過型のいずれにおいても、放射線発生管と外囲器との間の距離をできるだけ短くして装置を小型化し、放射線発生管と外囲器との間で放電しにくいように耐電圧も確保し、かつ放射線の減衰量も低減することが求められる。本発明者らは絶縁性流体を充填した外囲器内に放射線発生管を備える構成において、放射線発生管に設けた放射線透過窓と、外囲器に設けた放射線取出窓との間に絶縁部材を配置することが、放射線発生管と外囲器との間の耐電圧の向上に有効であることを見出した。
そこで、本発明は、絶縁性流体を充填した外囲器内に放射線発生管を備える構成において、装置の小型化、外囲器と放射線発生管との間の耐電圧の向上、放射線の減衰量の低減を実現した放射線発生装置及びそれを用いた放射線撮影装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、放射線を透過する第一の窓を有する外囲器と、
前記外囲器内に収納され、前記第一の窓と対向する位置に放射線を透過する第二の窓を有する放射線発生管と、
前記外囲器の内壁と前記放射線発生管との間に充填された絶縁性流体と、
を備える放射線発生装置であって、
前記第一の窓及びその周縁部と前記第二の窓及びその周縁部との間に、複数枚の絶縁性板材が隙間を空けて並んで配置され、
前記絶縁性板材間の隙間は、前記第一の窓と前記第二の窓との間の耐電圧が、前記複数枚の絶縁性板材に換えて前記各絶縁性板材の厚さの合計と同じ厚さを持った絶縁性板材を配置した場合に比べて大きくなる隙間であることを特徴とする放射線発生装置を提供するものである。
本発明によれば、内部に絶縁性流体を充填した外囲器が有する第一の窓と、外囲器内に配置された放射線発生管が有する第二の窓と、を対向配置し、第一の窓及びその周縁部と第二の窓及びその周縁部との間に複数枚の絶縁性板材を、隙間を空けて並べて配置する。更に、絶縁性板材間の隙間は、第一の窓と第二の窓との間の耐電圧が、複数枚の絶縁性板材に換えて各絶縁性板材の厚さの合計と同じ厚さを持った絶縁性板材を配置した場合に比べて大きくなる隙間とする。このため、各絶縁性板材の厚さの合計と同じ厚さを持った絶縁性板材を配置した場合よりも第一の窓と第二の窓との間の耐電圧が向上する。これにより、複数枚の絶縁性板材の厚さを薄くしても耐電圧を確保できるため放射線減衰量を低減でき、絶縁性板材間における絶縁性流体の層の厚さも安全率分薄くできるため装置を小型化できる。
第1の実施形態の放射線発生装置の断面模式図である。 第1の実施形態の放射線発生装置に用いられる絶縁性板材の厚さとその耐電圧の関係を示す図である。 第2の実施形態の放射線発生装置の断面模式図である。 第2の実施形態の放射線発生装置に用いられる絶縁性板材の厚さとその耐電圧の関係を示す図である。 第3の実施形態の放射線発生装置の断面模式図である。 第4の実施形態の放射線発生装置の断面模式図である。 本発明の放射線発生装置を用いた放射線撮影装置の構成図である。
以下、本発明の放射線発生装置及び放射線撮影装置を具体的な実施形態で説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は本実施形態の放射線発生装置11の断面模式図である。
本実施形態の放射線発生装置(透過型放射線源)11は、外囲器12、絶縁性流体13、放射線発生管14、電子源15、第1制御電極16、第2制御電極17、透過型ターゲット18、ターゲット基板19、遮蔽部材20を有している。更に本実施形態の放射線発生装置11は、カソード支持部材22、保持部材25、電源回路26、第一の窓27、絶縁性板材28、29、30を有している。
外囲器12は、放射線発生管14等の部材を収納するための容器である。外囲器12内には絶縁性流体13が充填されている。絶縁性流体13が充填された外囲器内には、外囲器12の内壁に固定された保持部材25によって胴部を保持された筒形の放射線発生管14が収納されており、絶縁性流体13は放射線発生管14の周囲を循環可能になっている。外囲器12の材料としては鉄、ステンレス、鉛、真鍮、銅等の金属が使用可能である。外囲器12内への絶縁性流体13の注入は、外囲器12の一部に絶縁性流体13の注入口(不図示)を設けることにより、その注入口から行うことができる。また、駆動中の放射線発生装置11で絶縁性流体13の温度が上昇し膨張したときに外囲器12内の圧力が上昇するのを避けるため、必要に応じて外囲器12の一部に弾性部材を用いた圧力調整口(不図示)を設置する。
絶縁性流体13は、電気絶縁性が高く、冷却能力の高いものが良い。絶縁性の液体でも良いし、絶縁性の気体でも良い。また、ターゲット18が発熱により高温になりその熱が絶縁性流体13に伝わるため、熱による変質の少ないものが好ましい。例えば電気絶縁油、フッ素系の絶縁性気体等が使用可能である。気体を用いた方が液体を用いるよりも装置を軽くすることができる。
放射線発生管14は、筒形の形状をしており、筒形の両端がそれぞれ塞がれ内部が密閉された真空容器である。筒形の胴部内には電子源15が配置され、電子源15に対向する筒形の一端には、ターゲット18が備えられている。電子源15から放出された電子はターゲット18に照射され、ターゲット18で放射線が発生し、発生した放射線はターゲット基板19、第一の窓27を通って外囲器12の外部に放出される。本実施形態の放射線発生管14は円筒形の一端を、ターゲット18、ターゲット基板19及び遮蔽部材20からなるアノード21で塞ぎ、円筒形の他端を、電子源15等を支持するカソード支持部材22で塞いだ構成としているが、この構成に限定されない。放射線発生管14の形状は角筒形等でも良い。また、内部の真空度を、一般的に電子源15が駆動できる1×10-4Pa以下に保つため、放射線発生管14内には、駆動中の放射線発生管14で放出されるガスを吸収するバリウムゲッタ、NEG、小型イオンポンプ(不図示)等を配置しても良い。放射線発生管14の材料としては電気絶縁性が高く、高真空維持が可能であり、かつ耐熱性の高いものが好ましい。例えばアルミナ、ガラス等が使用可能である。電子源15としてはフィラメント、含浸型カソード、電界放出型素子等が使用可能である。
ターゲット18は、電子源15に対向してターゲット基板19の電子源側の面に配置されている。ターゲット18の材料としてはタングステン、モリブデン、銅等の金属が使用可能である。
ターゲット基板19は、ターゲット18を支持する部材であり、かつターゲット18で発生した放射線を透過させ放射線発生管14の外部に放出する窓である。また、ターゲット基板19は、ターゲット18から発生し不要な方向に放射される放射線を吸収する機能と、ターゲット基板19の熱拡散板の機能を持つ、筒形の遮蔽部材20に銀ろう付け等で接合されている。遮蔽部材20の形状は円筒形でも良いし、角筒形等でも良い。電子源15から放出された電子は遮蔽部材20の電子源15に近い開口部を通ってターゲット18に照射され、ターゲット18で放射線が発生し全方向に放射線が放射される。ターゲット基板19を透過した放射線は遮蔽部材20の電子源15から遠い開口部を通った後、第一の窓27から外囲器12の外部に放出される。図1では遮蔽部材20の電子源15から遠い開口部が、ターゲット基板19よりも外方に位置している。この構成にするとターゲット18から外方に向かって放射された放射線のうち、不要な放射線を遮蔽部材20の内壁で遮蔽できる点でより好ましい。本実施形態ではターゲット基板19が、筒形の遮蔽部材20に接合された構成をとるため、放射線発生時にターゲット18で発生した熱はターゲット基板19、遮蔽部材20に伝わり、その後絶縁性流体13、放射線発生管14に伝わる。尚、ターゲット基板19は必ずしも設けなくても良い。ターゲット基板19を設けない場合には、ターゲット18を筒形の遮蔽部材20に銀ろう付け等で接合し、ターゲット18が、放射線を放射線発生管14の外部に放出する窓となる。この場合、ターゲット18で発生した熱は絶縁性流体13、遮蔽部材20に伝わり、その後放射線発生管14に伝わる。ターゲット基板19の材料としては熱伝導率が高く、放射線吸収能力の低いものが良い。例えばSiC、ダイヤモンド、カーボン、薄膜無酸素銅、ベリリウム等が使用可能である。以下、ターゲット基板19を「第二の窓19」ということとする。遮蔽部材20の材料としては放射線吸収能力の高いものが良い。例えばタングステン、モリブデン、無酸素銅、鉛、タンタル等の金属が使用可能である。
第二の窓19から放出された放射線24は絶縁性流体13の中を通過し、外囲器12の放射線放出部分に設けられた、第一の窓27から、外囲器12の外部に放出される。第一の窓27は第二の窓19と対向しており、3枚の絶縁性板材28、29、30が第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との間に隙間を空けて並んで配置されている。隙間にも外囲器12の内壁と放射線発生管14との間に充填された絶縁性流体13が充填されている。このため、放射線24は絶縁性板材28、29、30を通過し、第一の窓27から外囲器12の外部に放出される。絶縁性板材28、29、30にそれぞれ絶縁性流体13を循環させるための孔を設け、隙間の絶縁性流体13を循環させても良い。第一の窓27の材料としてはアクリルやポリカーボネイト、アルミ等の比較的放射線減衰量の少ない材料が良い。これは、外囲器12から、より強い放射線24を放出できるようにするためである。
ここで、本実施形態の放射線発生装置に用いられる絶縁性板材の厚さとその耐電圧についての試験結果である図2を用いて、絶縁性板材の厚さとその耐電圧の関係について説明する。
図2からわかるように、絶縁性板材の厚さが増加すれば、その耐電圧もまた増加するが、絶縁性板材の厚さとその耐電圧の間には必ずしも正比例関係があるわけではない。図2を本実施形態の放射線発生装置における絶縁性板材28、29、30にあてはめて更に詳しく説明する。絶縁性板材28、29、30の厚さをT1とすると、そのときの耐電圧はV1となる。ここで、厚さT1の3倍の厚さをT0とすると、そのときの耐電圧はV0となり、耐電圧V1を3倍した値は、耐電圧V0よりも大きいことがわかる。即ち、絶縁性板材28、29、30の各耐電圧の合計は、絶縁性板材28、29、30の各厚さを合計した厚さの絶縁性板材の耐電圧よりも大きい。よって、本実施形態のように絶縁性板材28、29、30が隙間を空けて並んで配置された場合の方が、絶縁性板材28、29、30の合計の厚さを有する絶縁性板材が配置された場合よりも、第一の窓27と第二の窓19との間の耐電圧が大きくなる。尚、配置される絶縁性板材の合計の厚さが同じで隙間の有無が異なる上記各々の場合において、外囲器12の内壁と放射線発生管14との間に充填する絶縁性流体は同じとし、第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との間の距離も同じとする。また、上述のように第一の窓27と第二の窓19との間の耐電圧を向上させるためには、絶縁性板材28、29、30が隙間を空けて並んで配置された場合に、各絶縁性板材が耐電圧性能を保持する必要がある。
以下、複数枚の絶縁性板材間の隙間がどれだけあれば個々の絶縁性板材としての耐電圧性能を保持できるかについて説明する。例えば、絶縁性板材28、29を隙間なく密接して配置した場合、絶縁性板材の耐電圧は、絶縁性板材28、29の合計の厚さを有する絶縁性板材の耐電圧となる。ここで、隙間がどれだけあれば個々の絶縁性板材としての耐電圧性能を保持するかは、一般的に絶縁性板材と絶縁性板材の隙間にある部材の電子侵入長d0よりも長い隙間があれば良いことがわかっている。これは、隙間にある部材の電子侵入長d0よりも長い隙間があれば、隙間にある部材を電子が突き抜けることができないため、高電位側にある絶縁性板材は耐電圧性能を保持することができるからである。電子侵入長d0は、隙間にかかる電位差ΔV[kV]、隙間にある部材の密度ρ[g/cm3]を用いて下記式で表わされる。
電子侵入長d0[μm]=5.2×10-6×2.3×ΔV1.8/ρ
ここで、隙間に絶縁性流体である電気絶縁油(ρ=0.88[g/cm3])を充填した場合において、隙間にかかる電位差ΔVと電子侵入長d0との関係を上記式より算出し、その算出結果を表1に示す。
Figure 2013033681
隙間を1μmにした場合、その隙間にかかる電位差が3kv以下であれば、電子侵入長d0が1μmを超えることはない。隙間を10μmにした場合、その隙間にかかる電位差が10kv以下であれば、電子侵入長d0が10μmを超えることはない。隙間を100μmにした場合、その隙間にかかる電位差が35kv以下であれば、電子侵入長d0が100μmを超えることはない。このことから、本実施形態において、絶縁性板材が耐電圧性能を保持するには、隙間にかかる電位差ΔVを考慮して隙間の距離を決めれば良いことがわかる。例えば、後述する中点接地型の電源方式を採用した放射線発生装置11における第一の窓27と第二の窓19との間の電位差が約60kvの場合を考える。この場合、絶縁性板材を板厚1mmで耐電圧22kvのポリイミド板3枚構成で配置すれば、絶縁性板材3枚で耐電圧66kvを保持することができる。この構成にすると、仮に絶縁性板材1枚が絶縁破壊され短絡状態であったとしても絶縁性板材と絶縁性板材の隙間にかかる電位差は50kv以上かかることはない。そのため、表1より隙間の距離を156μm以上とれば良いことがわかる。尚、このときの、隙間に充填された電気絶縁油の耐電圧については安全率を高めるための要素として考えるに留めた。また、絶縁性板材と絶縁性板材の隙間にある部材は、上述した電気絶縁油に限定されるわけではない。
絶縁性板材28、29、30の材料としては電気絶縁性が高く、放射線減衰量の少ない材料が良い。例えばポリイミド、セラミックス、エポキシ樹脂又はガラス等が良い。第一の窓27と第二の窓19との間の耐電圧性の確保の観点からすると、絶縁性板材28、29、30は厚さ0.01mm〜6mmであるのが好ましい。本実施形態では絶縁性板材28、29、30をポリイミド板とし、各厚さ1mmとすることができる。この場合、各厚さを合計した厚さの絶縁性板材の耐電圧に比べて耐電圧が約10kv向上できる。但し、絶縁性板材の材料はこれに限定されるわけではなく、第一の窓27と第二の窓19との間の距離、外囲器12の内壁と放射線発生管14との間に充填されている絶縁性流体13の耐電圧等によって、適宜選定する。また、絶縁性板材の材料として絶縁性流体13よりも電気絶縁性が高い材料を用いても良いし、絶縁性流体13と同じ又はそれよりも高い放射線透過率を有する材料を用いても良い。
保持部材25は、放射線発生管14の胴部を保持するためのものである。図1では放射線発生管14が胴部の二箇所で保持部材25によって保持されているが、放射線発生管14は少なくとも胴部の一箇所以上で保持部材25によって保持されていれば良い。保持部材25の材料としては、例えば鉄、ステンレス、真鍮、銅等の導電性部材や、エンジニアリングプラスチック、セラミック等の絶縁性を有する部材が使用可能である。
第1制御電極16は、電子源15で発生した電子を引き出すためのものであり、第2制御電極17は、ターゲット18における電子の焦点径を制御するためのものである。本実施形態のように第1制御電極16と第2制御電極17を設けた場合、第1制御電極16によって形成される電界により電子源15から放出された電子束23は、第2制御電極17の電位制御により集束される。ターゲット18の電位は電子源15に対して正電位となっているため、第2制御電極17を通過した電子束23は、ターゲット18に引き寄せられてターゲット18に衝突し、放射線24を発生する。電子束23のON/OFF制御は、第1制御電極16の電圧で制御する。第1制御電極16の材料としてはステンレス、モリブデン、鉄等が使用可能である。
電源回路26は、放射線発生管14に接続され(配線不図示)、電子源15、第1制御電極16、第2制御電極17及びターゲット18に電気を供給するためのものであり、本実施形態では外囲器12内に配置しているが、外囲器12の外に配置しても良い。
人体等の放射線撮影を行う場合、ターゲット18は電子源15の電位に対して電位が+30kV〜150kV程度高くなっている。この電位差はターゲット18から発生する放射線が人体を透過し、有効に撮影に寄与するために必要な加速電位差である。人体の放射線撮影を行う際には通常X線が使用されるが、本発明はX線以外の放射線にも適用可能である。
本実施形態の放射線発生装置11は、ターゲット18と電子源15との電位差Vを20kV〜160kVとし、ターゲット18に+V/2、電子源15に−V/2の電位を与え、保持部材25で接地した、中点接地型の電源方式を採用している。これは、絶縁性流体13の絶縁破壊距離から考えて、一般的に外囲器12が小型化できるからである。また、本実施形態は中点接地型でなくても良いが、中点接地型にするとグランドに対するターゲット18の電圧及び電子源15の電圧の絶対値を小さくすることができるため、陽極接地型等と比べて電源回路26を小規模にできる点でより好ましい。中点で接地しなくても、例えば放射線発生管14の両端から離れた位置に保持部材25を配置し、その位置で接地した場合でも陽極接地型等と比べると電源回路26を小規模にできる。
上記構成の放射線発生装置11を電位差Vで駆動すると、ターゲット18、第二の窓19及び遮蔽部材20の電位は+V/2となる。これに対向する第一の窓27、外囲器12は接地電位であるため、この間に+V/2の電位差が生じる。これは10kV〜80kVという大変高い電位差である。装置の小型化の観点からすると、第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との距離をできるだけ短くするのが良いが、この距離を短くすると放電し易くなる。また、+V/2の電位差で生じる電界は、ターゲット18、第二の窓19及び遮蔽部材20の形状により、電界集中する可能性があるため、ターゲット18の近傍は放電し易い部位となる。更に、放射線発生管14ではターゲット18を備える一端での発熱が大きい。即ちターゲット18で発生した熱が第二の窓19、遮蔽部材20へと伝わるためアノード21での発熱が大きい。例えば放射線発生装置11を150W程度の出力で駆動した場合、遮蔽部材20表面の最高温度は200℃以上になると推定される。よって、絶縁性液体のような、温度の影響で耐電圧性が低下する絶縁物では、ターゲット18の近傍は一層放電し易い部位となる。
従って、本実施形態では、図1のように、第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との間に、3枚の絶縁性板材28、29、30を、隙間を空けて並べて配置した。絶縁性板材を用いるため、温度等の影響を受けにくくなり、第一の窓27と第二の窓19との間の耐電圧が、絶縁性板材を用いない場合よりも向上する。一般に、電気絶縁油のような絶縁性液体は高い電気絶縁性と耐電圧性を有するが、絶縁性液体中に含まれている、あるいは経時劣化により生じる不純物、水分、気泡などにより、耐電圧性が低下する場合がある。そのため絶縁性板材を設けることにより、より確実に高耐電圧性を維持することができる。更に、絶縁性板材間の隙間は、第一の窓27と第二の窓19との間の耐電圧が、3枚の絶縁性板材に換えて各絶縁性板材の厚さの合計と同じ厚さを持った絶縁性板材を配置した場合に比べて大きくなる隙間とした。このため、絶縁性板材28、29、30の厚さの合計と同じ厚さを持った絶縁性板材を配置した場合よりも第一の窓27と第二の窓19との間の耐電圧が向上する。よって、第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との距離を短くして装置を小型化しても耐電圧を確保できる。
また、絶縁性板材3枚の合計の耐電圧と等しい1枚の絶縁性板材の板厚は、絶縁性板材3枚の合計の板厚に比べて厚い。そのため、前記1枚の絶縁性板材の放射線減衰量は、絶縁性板材3枚による放射線減衰量に比べて大きい。よって、絶縁性板材3枚構成で配置することと、第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との距離を少なくとも前記1枚の絶縁性板材の板厚から絶縁性板材3枚の合計の板厚の差分だけ短くすることで、放射線減衰量を低減できる。更に、絶縁性板材間における絶縁性流体13の層の厚さを、安全率分薄くすることができるため、外囲器12を小型軽量化できる。
以上より、本実施形態によれば、上記構成をとるため、装置の小型化、外囲器12と放射線発生管14との間の耐電圧の向上、放射線の減衰量の低減を実現できる。これにより、長時間安定して放射線を発生可能な信頼性の高い放射線発生装置を実現できる。
尚、図1では、絶縁性板材28、29、30により外囲器12内を第一の窓27側と第二の窓19側に完全に仕切っているが、このような配置に限定されない。アノード21における第一の窓27に最も近い端面と、第一の窓27及びその周縁部との間で特に放電が発生し易いため、絶縁性板材28、29、30はアノード21における第一の窓27に最も近い端面に対向する領域に配置されていれば良い。
また、図1では、絶縁性板材28が第二の窓19及びその周縁部とは間隔を置いて配置され、絶縁性板材30が第一の窓27及びその周縁部とは間隔を置いて配置されているが、このような配置に限定されない。絶縁性板材28が第二の窓19及びその周縁部に接していても良いし、絶縁性板材30が第一の窓27及びその周縁部に接していても良い。
更に、アノード21の形状は図1の形状に限定されるわけではない。図1のように遮蔽部材20の端面の一部が第二の窓19よりも第一の窓27側に突出していなくても良い。例えば遮蔽部材20の端面と第二の窓19の第一の窓27側の面が面一になっている場合でも本発明を適用することができる。
〔第2の実施形態〕
図3は本実施形態の放射線発生装置11の断面模式図である。
本実施形態の放射線発生装置(透過型放射線源)11は、図3のように、絶縁性流体13で充填された外囲器12において第一の窓27と第二の窓19との間に厚さの異なる2枚の絶縁性板材28、31を配置している点が第1の実施形態と異なる。この点を除いては、第1の実施形態と同じであるため、絶縁性板材28、31以外の各部材の説明、及び放射線発生装置11の構成についての説明は省略する。
本実施形態においては、2枚の絶縁性板材28、31が第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との間に隙間を空けて並んで配置されている。隙間にも外囲器12の内壁と放射線発生管14との間に充填された絶縁性流体13が充填されている。このため、放射線24は絶縁性板材28、31を通過し、第一の窓27から外囲器12の外部に放出される。絶縁性板材28、31にそれぞれ絶縁性流体13を循環させるための孔を設け、隙間の絶縁性流体13を循環させても良い。
ここで、本実施形態の放射線発生装置に用いられる絶縁性板材の厚さとその耐電圧についての試験結果である図4を用いて、絶縁性板材の厚さとその耐電圧の関係について説明する。
図4からわかるように、絶縁性板材の厚さが増加すれば、その耐電圧もまた増加するが、絶縁性板材の厚さとその耐電圧の間には必ずしも正比例関係があるわけではない。図4を本実施形態の放射線発生装置における絶縁性板材28、31にあてはめて更に詳しく説明する。絶縁性板材28の厚さをT1とすると、そのときの耐電圧はV1となり、絶縁性板材31の厚さをT2とすると、そのときの耐電圧はV2となる。ここで、厚さT1と厚さT2の合計の厚さをT0とすると、そのときの耐電圧はV0となり、耐電圧V1と耐電圧V2を合計した値は、耐電圧V0よりも大きいことがわかる。即ち、絶縁性板材28の耐電圧と絶縁性板材31の耐電圧の合計は、絶縁性板材28の厚さと絶縁性板材31の厚さを合計した厚さの絶縁性板材の耐電圧よりも大きい。よって、本実施形態のように絶縁性板材28、31が隙間を空けて並んで配置された場合の方が、絶縁性板材28、31の合計の厚さを有する絶縁性板材が配置された場合よりも、第一の窓27と第二の窓19との間の耐電圧が大きくなる。絶縁性板材28と絶縁性板材31の隙間の距離については、第1の実施形態と同様にして決定する。
絶縁性板材28、31の材料は、電気絶縁性が高く、放射線減衰量の少ない材料が良く、第1の実施形態で用いられる絶縁性板材と同じ材料を用いることができる。例えばポリイミド、セラミックス、エポキシ樹脂又はガラス等が良い。本実施形態では絶縁性板材28を厚さ1mm程度のポリイミド板、絶縁性板材31を厚さ2mm程度のポリイミド板とすることができる。
本実施形態では、図3のように、第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との間に、2枚の絶縁性板材28、31を、隙間を空けて並べて配置した。更に、絶縁性板材間の隙間は、第一の窓27と第二の窓19との間の耐電圧が、2枚の絶縁性板材に換えて各絶縁性板材の厚さの合計と同じ厚さを持った絶縁性板材を配置した場合に比べて大きくなる隙間とした。このため、第1の実施形態と同様に、温度等の影響を受けにくくなり、第一の窓27と第二の窓19との間の耐電圧が向上する。
また、絶縁性板材2枚構成で配置することと、第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との距離を少なくとも前記1枚の絶縁性板材の板厚から絶縁性板材2枚の合計の板厚の差分だけ短くすることで、放射線減衰量を低減できる。更に、絶縁性板材間における絶縁性流体13の層の厚さを、安全率分薄くすることができるため、外囲器12を小型軽量化できる。
以上より、本実施形態によれば、上記構成をとるため、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
尚、絶縁性板材28、31は放射線発生管14における第一の窓27に最も近い端面に対向する領域に配置されていれば良い。また、絶縁性板材28は第二の窓19及びその周縁部に接していても良いし、絶縁性板材31は第一の窓27及びその周縁部に接していても良い。
〔第3の実施形態〕
図5は本実施形態の放射線発生装置11の断面模式図である。
本実施形態の放射線発生装置(透過型放射線源)11は、図5のように、絶縁性流体13として気体を用いた点が第1の実施形態と異なる。この点を除いては、第1の実施形態と同じであるため、絶縁性流体13以外の各部材の説明、及び放射線発生装置11の構成についての説明は省略する。
気体の絶縁性流体13としては、鉱油系絶縁油に匹敵した絶縁性能を持つ、六フッ化イオウ等を用いることができる。
以上より、本実施形態によれば、上記構成をとるため、第1の実施形態と同様の効果が得られる。更に、絶縁性流体13として気体を用いることで液体よりも装置の重量を軽くすることができるので、第1の実施形態よりも放射線発生装置11を小型軽量化できる。
〔第4の実施形態〕
図6は本実施形態の放射線発生装置11の断面模式図である。
本実施形態の放射線発生装置(反射型放射線源)51は、図6のように、反射型の放射線発生管14を用いている点が第1〜第3の実施形態と異なる。この点を除いては、第1の実施形態と同じであるため、反射型ターゲット52、第二の窓53、放射線発生管14以外の各部材の説明は省略する。
本実施形態の放射線発生装置51は、外囲器12、絶縁性流体13、放射線発生管14、電子源15、電源回路26、第一の窓27、絶縁性板材28、29、30、反射型ターゲット52、第二の窓53を有している。
反射型ターゲット52は、第二の窓53と間隔を置いて、第二の窓53と対向して配置されている。放射線発生管14は、電子源15から放出された電子束23を反射型ターゲット52に衝突させ、放射線24を発生させる真空容器である。放射線24は、放射線発生管14の一部である、第二の窓53を通った後、第一の窓27から外囲器12の外部に放出される。
本実施形態においても、3枚の絶縁性板材28、29、30が第一の窓27及びその周縁部と第二の窓19及びその周縁部との間に隙間を空けて並んで配置されている。隙間にも外囲器12の内壁と放射線発生管14との間に充填された絶縁性流体13が充填されている。絶縁性板材と絶縁性板材の隙間の距離については、第1の実施形態と同様にして決定する。このため、放射線24は絶縁性板材28、29、30を通過し、第一の窓27から外囲器12の外部に放出される。絶縁性板材28、29、30にそれぞれ絶縁性流体13を循環させるための孔を設け、隙間の絶縁性流体13を循環させても良い。
以上より、本実施形態によれば、上記構成をとるため、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
尚、絶縁性板材28、29、30は放射線発生管14における第一の窓27に最も近い端面に対向する領域に配置されていれば良い。また、絶縁性板材28は第二の窓53及びその周縁部に接していても良いし、絶縁性板材30は第一の窓27及びその周縁部に接していても良い。
〔第5の実施形態〕
図7を用いて本発明の放射線発生装置を用いた放射線撮影装置について説明する。図7は本実施形態の放射線撮影装置の構成図である。この放射線撮影装置は放射線発生装置11、放射線検出器61、放射線検出信号処理部62、放射線撮影装置制御部63、電子源駆動部64、電子源ヒーター制御部65、制御電極電圧制御部66及びターゲット電圧制御部67を備えている。放射線発生装置11としては例えば第1〜第4の実施形態の放射線発生装置が好適に用いられる。
放射線検出器61は、放射線検出信号処理部62を介して放射線撮影装置制御部63に接続されている。放射線撮影装置制御部63の出力信号は、電子源駆動部64、電子源ヒーター制御部65、制御電極電圧制御部66、ターゲット電圧制御部67を介して放射線発生装置11の各端子に接続されている。
放射線発生装置11で放射線を発生させると、大気中に放出された放射線は、被検体(不図示)を透過して放射線検出器61に検出され、被検体の放射線透過画像が得られる。得られた放射線透過画像は表示部(不図示)に表示させることができる。
以上より、本実施形態によれば、第1〜第4の実施形態の効果を奏する放射線発生装置を用いるため、装置の小型化、外囲器と放射線発生管との間の耐電圧の向上、放射線の減衰量の低減を実現した放射線撮影装置を実現できる。
11:放射線発生装置(透過型放射線源)、12:外囲器、13:絶縁性流体、14:放射線発生管、15:電子源、16:第1制御電極、17:第2制御電極、18:透過型ターゲット、19:ターゲット基板(第二の窓)、20:遮蔽部材、21:アノード、22:カソード支持部材、23:電子束、24:放射線、25:保持部材、26:電源回路、27:第一の窓、28〜31:絶縁性板材、51:放射線発生装置(反射型放射線源)、52:反射型ターゲット、53:第二の窓、61:放射線検出器

Claims (6)

  1. 放射線を透過する第一の窓を有する外囲器と、
    前記外囲器内に収納され、前記第一の窓と対向する位置に放射線を透過する第二の窓を有する放射線発生管と、
    前記外囲器の内壁と前記放射線発生管との間に充填された絶縁性流体と、
    を備える放射線発生装置であって、
    前記第一の窓及びその周縁部と前記第二の窓及びその周縁部との間に、複数枚の絶縁性板材が隙間を空けて並んで配置され、
    前記絶縁性板材間の隙間は、前記第一の窓と前記第二の窓との間の耐電圧が、前記複数枚の絶縁性板材に換えて前記各絶縁性板材の厚さの合計と同じ厚さを持った絶縁性板材を配置した場合に比べて大きくなる隙間であることを特徴とする放射線発生装置。
  2. 前記外囲器の内壁と前記放射線発生管との間に充填された絶縁性流体が電気絶縁油であることを特徴とする請求項1に記載の放射線発生装置。
  3. 前記絶縁性板材は0.01mm〜6mmの厚さであることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線発生装置。
  4. 前記絶縁性板材の材料が、ポリイミド、セラミックス、エポキシ樹脂又はガラスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線発生装置。
  5. 前記絶縁性板材間の隙間に電気絶縁油が充填され、
    前記絶縁性板材の材料が、ポリイミド、セラミックス、エポキシ樹脂又はガラスであることを特徴とする請求項1に記載の放射線発生装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線発生装置と、前記放射線発生装置から放出され被検体を透過した放射線を検出する放射線検出器と、を有することを特徴とする放射線撮影装置。
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