JP2013030830A - 演算増幅器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】差動対をなすように第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタ1,2が差動接続されてなる差動増幅回路101を有すると共に、第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタ1,2へテール電流を供給する第3の定電流源13に対して負の温度特性を有する電流を生成、出力する負温度特性電流生成回路103と、第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタ1,2の各々へ入力オフセット電圧補正電流を供給する入力オフセット電圧補正電流生成回路102とを具備し、入力オフセット電圧補正電流生成回路102は、負温度特性電流生成回路103の出力電流を基に、入力オフセット電圧補正電流を出力調整可能に構成されたものとなっている。
【選択図】図1
Description
図2には、そのような入力オフセット電圧ゼロ調整のための従来回路の一つが示されている。
かかる従来回路は、バイポーラトランジスタ45,46のコレクタとグランドの間に、それぞれ抵抗器48a〜48c、抵抗器49a〜49cが直列接続されて設けられると共に、抵抗器48a〜48cには、オン・オフスイッチ50a〜50cが、抵抗器49a〜49cには、オン・オフスイッチ51a〜51cが、それぞれ並列接続されて構成されたものとなっている。
かかる構成においては、オン・オフスイッチ50a〜50c,51a〜51cのオン・オフを適宜設定することにより入力オフセット電圧のゼロ調整を可能としており、入力オフセット電圧Vosは、下記する式1により表すことができる。
この式1から、ΔR/Rの項を調整することで、入力オフセット電圧調整が可能であることが理解できる。
一方、図3に示されたように、MOSトランジスタ53,54においても、バイポーラトランジスタの場合と同様な回路構成が従来から入力オフセット電圧ゼロ調整に適用されている。なお、図3においては、図2の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すこととする。
MOSトランジスタは強反転領域と弱反転領域があり、トランジスタの動作領域によって電流式が異なるが、実際のオペアンプにおいては、トランジスタを弱反転領域近傍で使用することが多いため、式3は弱反転領域のトランジスタにおける入力オフセット電圧Vosを表すものとなっている。
この式3から、ΔR/Rの項を調整することで入力オフセット電圧調整が可能なことが理解できる。
上述したような演算増幅器の入力オフセット電圧のゼロ調整については、例えば、非特許文献1などに開示されている。
実際には、MOSトランジスタを弱反転領域近傍で使用する場合、入力オフセット電圧Vosは、閾値電圧のミスマッチ量であるΔVthが支配的となるため、入力オフセット電圧調整は、ΔR/Rの項でΔVthを打ち消すように調整することになる。
差動対をなすように第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタが差動接続されてなる差動増幅回路を有する演算増幅器であって、
前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタへテール電流源から供給されるテール電流に対して負の温度特性を有する電流を生成、出力する負温度特性電流生成回路と、
前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタの各々へ入力オフセット電圧補正電流を供給する入力オフセット電圧補正電流生成回路とを具備し、
前記入力オフセット電圧補正電流生成回路は、前記負温度特性電流生成回路の出力電流を基に、前記入力オフセット電圧補正電流を出力調整可能に構成されてなるものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における演算増幅器の回路構成について説明する。
本発明の実施の形態における演算増幅器は、第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタ(以下「PMOSトランジスタ」と称する)1,2を中心に差動増幅回路101が構成されると共に、入力オフセット電圧補正電流生成回路102と、負温度特性電流生成回路103とが設けられたものとなっている。
一方、第1のPMOSトランジスタ1のドレインと図示されない負電源との間には、第1の定電流源11が直列接続されて設けられると共に、ドレインと第1の定電流源11との接続点には、第1の出力端子33が接続されている。
なお、本発明の実施の形態においては、グランドが負電源となっている。
そして、第1のPMOSトランジスタ1のゲートには第1の入力端子31を介して第1の入力信号が、また、第2のPMOSトランジスタ2のゲートには第2の入力端子32を介して第2の入力信号が、それぞれ外部から印加可能とされており、第1及び第2のPMOSトランジスタ1,2による差動増幅回路101が構成されたものとなっている。
第8乃至第10のPMOSトランジスタ8〜10は、カレントミラー回路を構成するものとなっている。
すなわち、第8乃至第10のPMOSトランジスタ8〜10は、各々のゲートが相互に接続されると共に、第8のPMOSトランジスタ8のドレインと接続されたものとなっている。
また、第9のPMOSトランジスタ9のドレインは、第1のPMOSトランジスタ1のドレインに、第10のPMOSトランジスタ10のドレインは、第2のPMOSトランジスタ2のドレインに、それぞれ接続されている。
かかる負温度特性電流生成回路103は、詳細は後述するようにテール電流源としての第3の定電流源13に対して負の温度特性を有する電流を第7のNMOSトランジスタ7のドレイン電流として生成、出力するよう構成されたものである。
すなわち、第3及び第4のNMOSトランジスタ3,4は、ゲートが相互に接続されると共に、第3のNMOSトランジスタ3のドレイン及び第7のNMOSトランジスタ7のゲートに接続されている。かかる第7のNMOSトランジスタ7のソースは、負電源、すなわち、グランドに接続されている。
本発明の実施の形態においては、第1及び第2の抵抗器21,22は、同一の温度特性であり、共に負の温度特性を有するものとなっている。
第5及び第6のPMOSトランジスタ5,6は、テール電流供給用カレントミラー回路を構成するものとなっている。
一方、第5及び第6のPMOSトランジスタ5,6のソースには、図示されない正電源からの正電源電圧が印加されるようになっている。
そして、第6のPMOSトランジスタ6のドレインは、先に述べたように第1及び第2のPMOSトランジスタ1,2のソースに接続されており、第5及び第6のPMOSトランジスタ5,6により、第1及び第2のPMOSトランジスタ1,2に電流を供給するようになっている。
まず、第1の入力端子31と第2の入力端子32にそれぞれ印加された入力信号に対して第1及び第2のPMOSトランジスタ1,2による差動増幅が行われる点は、従来と基本的に同様である。
次に、負温度特性電流生成回路103の動作について説明すれば、まず、第3のNMOSトランジスタ3、第7のNMOSトランジスタ7、及び、第1の抵抗器21により構成されたカレントミラー回路によって、第3の定電流源13の電流が第7のNMOSトランジスタ7のドレイン電流にミラーされるようになっている。
このとき、第7のNMOSトランジスタ7のドレイン電流は、下記する式5により表される。
負温度特性電流生成回路103により生成された負の温度特性を有する電流は、次述する入力オフセット電圧補正電流生成回路102に供給されるものとなっている。
ここで、第9及び第10のPMOSトランジスタ9,10に流れる電流は、これら第9及び第10のPMOSトランジスタ9,10とカレントミラー回路を構成する第8のPMOSトランジスタ8を介して上述の第7のNMOSトランジスタ7に流れる負の温度特性を有する電流となっている。
この入力オフセット電圧補正電流生成回路102においては、第3の抵抗器23、第1及び第2の可変抵抗器25,26は、同一の温度特性を有するものが用いられており、温度に依らず、それぞれの電流比が一定となるようになっている。
最初に、図3に示された従来の入力オフセット電圧ゼロ調整のための回路において、第1のPMOSトランジスタ53に流れる電流をI1、第2のPMOSトランジスタ54に流れる電流をI2とし、その差分をΔID=I1−I2とする。また、ID=(I1−I2)/2と定義する。
さらに、入力オフセット電圧補正電流源52より出力される電流であって、第1のPMOSトランジスタ53のドレインに供給される電流をItrm1、第2のpMOSトランジスタ54のドレインに供給される電流をItrm2とし、その差分ΔItrmをΔItrm=Itrm1−Itrm2とする。
かかる前提の下、図3に示された従来回路における入力オフセット電圧は、下記する式6により表される。
IDとΔItrmとが異なる温度特性を有する場合、入力オフセット電圧温度変動は、下記する式8の如くとなる。
この場合、ΔItrmとIDの温度特性が正か負かは問題ではなく、IDに対してΔItrmが相対的に負の温度特性を有することで入力オフセット電圧温度変動を抑えることができる。
本発明の実施の形態における演算増幅器は、先に説明したような回路構成によって、上述のような入力オフセット電圧温度変動の抑圧が可能となっているものである。
25…第1の可変抵抗器
26…第2の可変抵抗器
101…差動増幅回路
102…入力オフセット電圧補正電流生成回路
103…負温度特性電流生成回路
Claims (2)
- 差動対をなすように第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタが差動接続されてなる差動増幅回路を有する演算増幅器であって、
前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタへテール電流源から供給されるテール電流に対して負の温度特性を有する電流を生成、出力する負温度特性電流生成回路と、
前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタの各々へ入力オフセット電圧補正電流を供給する入力オフセット電圧補正電流生成回路とを具備し、
前記入力オフセット電圧補正電流生成回路は、前記負温度特性電流生成回路の出力電流を基に、前記入力オフセット電圧補正電流を出力調整可能に構成されてなることを特徴とする演算増幅器。 - 前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタは、ソースが相互に接続されて、その接続点に前記テール電流源からテール電流が供給されるよう設けられる一方、
前記負温度特性電流生成回路は、負温度特性電流生成用第1乃至第3のNチャネルMOSトランジスタからなるカレントミラー回路を有してなり、前記負温度特性電流生成用第1乃至第3のNチャネルMOSトランジスタはゲートが相互に接続されると共に、前記負温度特性電流生成用第1のNチャネルMOSトランジスタのドレインと接続され、前記負温度特性電流生成用第1のNチャネルMOSトランジスタのドレインに前記テール電流源が接続され、前記負温度特性電流生成用第1のNチャネルMOSトランジスタのソースは、第1の抵抗器を介して、前記負温度特性電流生成用第2のNチャネルMOSトランジスタのソースは、第2の抵抗器を介して、共に負電源に接続され、前記第1の抵抗器は負の温度特性を有してなる一方、前記負温度特性電流生成用第3のNチャネルMOSトランジスタのソースは前記負電源に接続され、
前記負温度特性電流生成用第3のNチャネルMOSトランジスタのドレインから前記テール電流に対して負の温度特性の電流が出力可能とされてなり、
前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタのソースと前記負温度特性電流生成用第2のNチャネルMOSトランジスタのドレインの間には、テール電流供給用カレントミラー回路が設けられて前記第1及び第2のPチャネルMOSトランジスタへのテール電流の供給を可能とし、
前記入力オフセット電圧補正電流生成回路は、補正電流生成用第1乃至第3のPチャネルMOSトランジスタからなるカレントミラー回路を有してなり、前記補正電流生成用第1乃至第3のPチャネルMOSトランジスタはゲートが相互に接続されると共に、前記補正電流生成用第1のPチャネルMOSトランジスタのドレインと接続され、前記補正電流生成用第1のPチャネルMOSトランジスタのソースは第3の抵抗器を介して、前記補正電流生成用第2のPチャネルMOSトランジスタのソースは第1の可変抵抗器を介して、前記補正電流生成用第3のPチャネルMOSトランジスタのソースは第2の可変抵抗器を介して、共に前記正電源に接続され、
前記補正電流生成用第1のPチャネルMOSトランジスタのドレインは、前記負温度特性電流生成用第3のNチャネルMOSトランジスタのドレインに、前記補正電流生成用第2のPチャネルMOSトランジスタのドレインは、前記第1のPチャネルMOSトランジスタのドレインに、前記補正電流生成用第3のPチャネルMOSトランジスタのドレインは、前記第2のPチャネルMOSトランジスタのドレインに、それぞれ接続され、前記第1及び第2の可変抵抗器の抵抗値の調整により、入力オフセット電圧のゼロ調整を可能としてなることを特徴とする請求項1記載の演算増幅器。
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