JP2013029757A - トナー、トナーの製造方法、フルカラー画像形成方法、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

トナー、トナーの製造方法、フルカラー画像形成方法、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】高速のフルカラー画像形成において、転写効率に優れ、かつ低温定着性に優れたトナーなどの提供。
【解決手段】結着樹脂を含有する芯粒子と、該芯粒子の表面にアクリル樹脂微粒子により形成されるシェル層と、該シェル層の外側にスチレン−アクリル樹脂微粒子を有し、前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のζ電位(X)が、下記式(1)を満たし、前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のζ電位(Y)が、下記式(2)を満たすトナーである。−90mV≦ζ電位(X)≦−60mV(1)、−60mV≦ζ電位(Y)≦−30mV(2)
【選択図】図1

Description

本発明は、トナー、トナーの製造方法、フルカラー画像形成方法、及びプロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式の画像形成技術分野では、高速の画像形成が可能で、しかも画像品位の高いカラー画像形成装置の開発競争が激化している。このため、フルカラー画像を高速で得るために、画像形成方法において複数の電子写真感光体を直列に並べ、それぞれの電子写真感光体において各色成分ごとの画像を形成し、中間転写体上で重ね合わせ記録媒体上へ一括転写するいわゆるタンデム方式が多く採用されてきている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。中間転写体を用いた場合には、現像時に電子写真感光体上に地肌汚れが発生したときには、直接紙などの記録媒体に地肌汚れが転移することを防止する効果はあるが、中間転写体を用いる方式は、電子写真感光体から中間転写体への転写工程(一次転写)と、中間転写体から最終画像を得る記録媒体上への転写工程(二次転写)という2回にわたる転写工程を経るため転写効率が低下するという問題がある。
一方、上記のような問題に加え、より高画質のフルカラー画像形成が要求されており、高画質化への現像剤設計がなされてきている。高画質化、特にフルカラー画質への要求に対応するために、トナーとしてはますます小粒径化が進み、潜像を忠実に再現することが検討されている。この小粒径化に対しては、トナーを所望のトナー形状及び表面構造に制御することを可能とする手段として、重合法によるトナー製造方法が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。重合法トナーでは、トナー粒子の粒径制御に加えて形状制御も可能である。また、これと併せて粒径を小さくすることにより、ドットや細線の再現性が良くなり、パイルハイト(画像層厚)も低くすることが可能となり、より高画質化が期待できる。
しかしながら、小粒径トナーを用いた場合には、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力が増加するため、転写効率がさらに低下し易いという問題がある。このため、高速のフルカラー画像形成装置において小粒径トナーを使用した場合には、特に二次転写での転写効率の低下が顕著となる。その理由は、トナーの小粒径化によりトナー1粒子あたりの中間転写体との非静電的付着力が増加している上に、二次転写では複数色のトナーが重ねあった状態で存在していることと、高速化に伴い二次転写のニップ部においてトナー粒子が転写電界を受ける時間が短くなるため、より転写されにくい条件となるためである。
上記問題点に対処するためには、二次転写の転写電界をさらに強くすることが考えられるが、転写電界を強くしすぎるとかえって転写効率が低下してしまうため、この方法には、限界がある。また、二次転写のニップ部の幅を広くすることでトナー粒子が転写電界を受ける時間を長くすることが考えられるが、バイアスローラ等による接触式の電圧印加方式の場合は、ニップ幅を広くするにはバイアスローラの当接圧力を高くするか、又はバイアスローラのローラ径を大きくするかの何れかの方法しかない。当接圧力を高くするのは画像品質との関係から、ローラ径を大きくするのは装置の小型化との関係から、それぞれ限界がある。また、チャージャ等による非接触式の電圧印加方式の場合は、チャージャの数を増やすなどして二次転写のニップ幅を稼がなければならないため、やはり限界がある。そのため、特に高速機では、これ以上の転写効率を得るまでニップ幅を拡げることは、実質的には不可能であると言える。
これに対し、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力を低減する手段として、トナーの添加剤の種類及び添加量を調整する(特に粒径の大きい添加剤をトナーに添加する)方法が提案されている(例えば、特許文献5、特許文献6参照)。
しかし、この提案の技術では、画像形成装置の現像装置内でトナーが長期間攪拌等の機械的ストレスを受けていると、添加剤がトナー母体中に埋没してしまい、添加剤による付着力低減効果が発揮されなくなり、画像形成装置の転写効率が低下してしまうという問題がある。特に高速機の場合、現像装置内での攪拌が激しいため、この機械的ストレスが大きく、添加剤のトナー母体中への埋没が加速され易い。そのため、比較的早い段階で転写効率の低下が起こる。
一方で、有機微粒子をトナー表面に配置させ、シェル層を形成することでトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力を低減する方法も提案されている(例えば、特許文献7参照)。
しかし、この提案の技術において、シェル層を形成する際には、有機微粒子の凝集を抑制し、且つ、表面に均一に配置できるよう制御しなければならない。有機微粒子が凝集体を形成した場合、所望のシェル層が形成されず、トナー粒子の非静電的付着力低減効果も薄れて、転写効率が低下するという問題がある。また、シェル層の被覆量が多くなると、低温定着性が低下するという問題がある。
したがって、高速のフルカラー画像形成において、転写効率に優れ、かつ低温定着性に優れたトナー、並びに該トナーの製造方法、前記トナーを用いたフルカラー画像形成方法、及びプロセスカートリッジの提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高速のフルカラー画像形成において、転写効率に優れ、かつ低温定着性に優れたトナー、並びに該トナーの製造方法、前記トナーを用いたフルカラー画像形成方法、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 結着樹脂を含有する芯粒子と、
該芯粒子の表面にアクリル樹脂微粒子により形成されるシェル層と、
該シェル層の外側にスチレン−アクリル樹脂微粒子を有し、
前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のζ電位(X)が、下記式(1)を満たし、
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のζ電位(Y)が、下記式(2)を満たすことを特徴とするトナーである。
−90mV ≦ ζ電位(X) ≦ −60mV (1)
−60mV ≦ ζ電位(Y) ≦ −30mV (2)
<2> 有機溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解乃至分散させた油相を調製する工程と、スチレン−アクリル樹脂微粒子を含有する水相を調製する工程と、前記水相中に前記油相を分散させて乳化乃至分散液を調製する工程と、前記乳化乃至分散液に含まれる有機溶媒を除去する工程とを含むトナーの製造方法であって、
前記乳化乃至分散液を調製する工程において、前記水相中に前記油相を分散させる際に、前記水相及び前記油相の少なくともいずれかが、アクリル樹脂微粒子を含有し、
形成されるトナーが、前記結着樹脂を含有する芯粒子と、該芯粒子の表面に前記アクリル樹脂微粒子により形成されるシェル層と、該シェル層の外側に前記スチレン−アクリル樹脂微粒子を有し、
前記結着樹脂が、酸価10mgKOH/g〜30mgKOH/gの未変性ポリエステル樹脂を含有し、
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径が、10nm〜50nmであり、酸価が、150mgKOH/g〜250mgKOH/gであり、
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のpHが、2.0〜4.5であり、電気伝導度が、0.5mS/cm〜1.5mS/cmであり、
前記アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径が、30nm〜200nmであり、酸価が、0mgKOH/g〜20mgKOH/gであり、
前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のpHが、1.5〜4.0であり、電気伝導度が、1.0mS/cm〜2.5mS/cmであることを特徴とするトナーの製造方法である。
<3> 電子写真感光体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して前記電子写真感光体に静電潜像を形成する露光工程と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、該トナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写する二次転写工程と、前記電子写真感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程とを含み、
前記トナーが、前記<1>に記載のトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法である。
<4> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記トナーが、前記<1>に記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、高速のフルカラー画像形成において、転写効率に優れ、かつ低温定着性に優れたトナー、並びに該トナーの製造方法、前記トナーを用いたフルカラー画像形成方法、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
図1は、本発明のトナーの模式図である。 図2は、接触式のローラ式帯電装置の一例の概略構成図である。 図3は、接触式のブラシ式帯電装置の一例の概略構成図である。 図4は、現像器の一例の概略構成図である。 図5は、定着装置の一例の概略構成図である。 図6は、定着ベルトの層構成を示す図である。 図7は、画像形成装置の一例の概略構成図である。 図8は、画像形成装置の他の例の概略構成図である。 図9は、本発明のプロセスカートリッジの一例の概略構成図である。 図10Aは、実施例1のトナー母体粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 図10Bは、図10Aの拡大写真である。 図11Aは、比較例7のトナー母体粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 図11Bは、図11Aの拡大写真である。
(トナー)
本発明のトナーは、結着樹脂を含有する芯粒子と、該芯粒子の表面にアクリル樹脂微粒子により形成されるシェル層と、該シェル層の外側にスチレン−アクリル樹脂微粒子を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の成分を有する。
<芯粒子>
前記芯粒子は、結着樹脂を少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、定着時にシャープメルトし、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可とう性を有しているポリエステル樹脂が好ましく、未変性ポリエステル樹脂がより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mgKOH/g〜30mgKOH/gが好ましい。
前記結着樹脂は、アクリル樹脂微粒子と非相溶であることが好ましい。例えば、前記結着樹脂がポリエステル樹脂であり、アクリル樹脂微粒子がアクリル酸エステル重合体、又はメタクリル酸エステル重合体を含む架橋樹脂の微粒子である場合には、結着樹脂とアクリル樹脂微粒子は非相溶であることが好ましい。
ここで、相溶か非相溶かは、以下の方法により判断する。
結着樹脂とアクリル樹脂微粒子とを所定の比率でブレンドし、その後に溶融させ均一にし、サンプルを作製する。このサンプルと、それぞれの樹脂のガラス転移温度(Tg)をDSC(示差走査熱量分析)にてそれぞれ分析する。そして、ブレンド比率を横軸にし、Tgを縦軸にしたグラフにおいて、それぞれの樹脂単独のTgを結ぶ直線上に、測定したサンプルのTgがあれば、相溶していると判断し、前記直線上に測定したサンプルのTgがなければ、非相溶と判断する。例えば、結着樹脂とアクリル樹脂微粒子とを50:50(質量比)でブレンドした場合、ブレンドしたサンプルのTgが、それぞれの樹脂単独のTgを足して2で割った値である場合には、その結着樹脂とアクリル樹脂微粒子は、相溶していると判断する。なお、非相溶の場合には、Tgが2つ測定されることが多い。
−−ポリエステル樹脂−−
前記ポリエステル樹脂とは、ポリオールと、ポリカルボン酸又はその誘導体とをポリエステル化したものである。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物、水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸の誘導体としては、例えば、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸無水物などが挙げられる。
−−変性ポリエステル樹脂−−
前記トナーは、前記芯粒子に変性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。前記トナーが、前記芯粒子に前記変性ポリエステル樹脂を含有することにより、前記トナーの機械的強度が高まり、アクリル樹脂微粒子、及び外添剤が前記芯粒子に埋没することを抑制することができる。
前記変性ポリエステル樹脂は、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂と、活性水素基含有化合物とを架橋及び/又は伸長反応させて得られる。
−−−活性水素基含有化合物−−−
前記活性水素基含有化合物は、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂が、伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤などとして作用する。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂がイソシアネート基を含有するポリエステル樹脂である場合には、該ポリエステル樹脂と伸長反応、架橋反応等により高分子量化できる点で、アミン類が好ましい。
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、三価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の三価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミンなどが挙げられる。前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。前記脂環式ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。前記脂肪族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
前記三価以上のアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記アミノ基をブロックしたものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物などが挙げられる。
前記活性水素基含有化合物がカチオン性の極性を有する場合には、アクリル樹脂微粒子を静電的に引き寄せることができる。また、トナーの加熱定着時の流動性を調節でき定着温度幅を広げることもできる。
−−−活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂−−−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂(以下、「イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー」と称することがある。)などが挙げられる。前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸を重縮合することにより得られる活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物などが挙げられる。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、三価以上のアルコール、ジオールと三価以上のアルコールの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジオール、ジオールと少量の三価以上のアルコールとの混合物が好ましい。
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;などが挙げられる。なお、前記アルキレングリコールの炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜12が好ましい。
これらの中でも、炭素数が2〜12であるアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数が2〜12のアルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
前記三価以上のアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三価以上の脂肪族アルコール、三価以上のポリフェノール類、三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記三価以上の脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、三価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したものなどが挙げられる。
前記ジオールと前記三価以上のアルコールを混合して用いる場合、ジオールに対する三価以上のアルコールの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、ジカルボン酸と三価以上のカルボン酸の混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジカルボン酸、ジカルボン酸と少量の三価以上のポリカルボン酸との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二価のアルカン酸、二価のアルケン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
前記二価のアルカン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられる。
前記二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数4〜20の二価のアルケン酸が好ましい。前記炭素数4〜20の二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
前記三価以上のカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三価以上の芳香族カルボン酸などが挙げられる。
前記三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸として、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、及びジカルボン酸と三価以上のカルボン酸との混合物のいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステルを用いることもできる。
前記低級アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。
前記ジカルボン酸と前記三価以上のカルボン酸とを混合して用いる場合、ジカルボン酸に対する三価以上のカルボン酸の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを重縮合させる際の、前記ポリカルボン酸のカルボキシル基に対するポリオールの水酸基の当量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜2が好ましく、1〜1.5がより好ましく、1.02〜1.3が特に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリオール由来の構成単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐高温オフセット性が低下し、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3−メチルジフェニルメタン、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートと、水酸基を有するポリエステル樹脂を反応させる場合、前記ポリエステル樹脂の水酸基に対する前記ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜5が好ましく、1.2〜4がより好ましく、1.5〜3が特に好ましい。前記当量比が、1未満であると、耐オフセット性が低下することがあり、5を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリイソシアネート由来の構成単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐高温オフセット性が低下することがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーが一分子当たりに有するイソシアネート基の平均数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4が特に好ましい。前記平均数が、1未満であると、ウレア変性ポリエステル系樹脂の分子量が低くなり、耐高温オフセット性が低下することがある。
−その他の成分−
前記芯粒子が含有する前記その他の成分としては、例えば、着色剤などが挙げられる。
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、例えば、前記非晶質ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練してマスターバッチを得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
<シェル層>
前記シェル層は、前記芯粒子の表面に形成されたシェル層であって、アクリル樹脂微粒子により形成されるシェル層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−アクリル樹脂微粒子−
前記アクリル樹脂微粒子としては、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの少なくともいずれかを構成成分に含み、スチレンを構成成分に含まない樹脂微粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記アクリル樹脂微粒子は、架橋樹脂であってもよいし、未架橋樹脂であってもよいが、架橋樹脂であることが、転写効率の点で好ましい。
前記アクリル樹脂微粒子は、アミノ基、アンモニウム基などのカチオン性基を有することが好ましい。
前記アクリル樹脂微粒子は、前記未変性ポリエステル樹脂と非相溶であることが好ましい。
前記アクリル樹脂微粒子は、結着樹脂と非相溶性を示し、その水分散体は、白色エマルションであり、架橋密度の違いにより有機溶媒に対する膨潤性の程度が異なることが好ましい。膨潤性の制御方法としては、架橋密度、構成モノマーを適宜選択する方法があるが、構成モノマーは、アクリル樹脂微粒子の膨潤性以外の物性をコントロールするために変更する場合があるため、架橋密度で制御するのが好ましい。
前記トナーを製造する際に、乳化液滴(油滴)に付着したときに溶解せず、芯粒子の表面に固定化されるためには、アクリル樹脂微粒子は、架橋樹脂であることが好ましく、少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体と共重合させたものが好ましい。少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジビニルベンゼン等のジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート等のジアクリレート化合物及びジメタクリレート化合物などが挙げられる。
前記アクリル樹脂微粒子の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水性分散体として得ることが好ましい。例えば、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、アクリル樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法などが挙げられる。
前記アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30nm〜200nmが好ましく、50nm〜100nmがより好ましい。前記体積平均粒径が、30nm未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなり、得られるトナーの低温定着性が低下することがある。また、スペーサ効果が十分に得られないためトナー粒子の非静電的付着力を低減することができず、さらに、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい装置を用いてトナーを製造した場合には、トナーの表面にアクリル樹脂微粒子及び外添剤が埋没しやすくなり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができない恐れがある。前記体積平均粒径が、200nmを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなること、及び得られるトナーの流動性が悪くなり、均一転写性が阻害される場合がある。
本明細書において体積平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、光散乱法、レーザー散乱測定法などによって測定できる。前記レーザー散乱測定法においては、堀場製作所製のLA−920、日機装社製のマイクロトラックUPA−150などを用いて、測定レンジに入るように適切な濃度に測定試料(アクリル樹脂微粒子、スチレン−アクリル樹脂微粒子)を希釈して測定することができる。
前記アクリル樹脂微粒子の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0mgKOH/g〜20mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜15mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が、20mgKOH/gを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなり、得られるトナーの転写効率が低下することがある。前記酸価が、前記より好ましい範囲内であると、転写効率及び定着下限温度に優れたトナーが得られる点で有利である。
前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のζ電位(X)は、下記式(1)を満たす。
−90mV ≦ ζ電位(X) ≦ −60mV (1)
前記ζ電位(X)が、−90mV未満であると、アクリル樹脂微粒子が芯粒子の内部に入り込み、シェル層が形成されないことがあり、−60mVを超えると、アクリル樹脂微粒子がスチレン−アクリル微粒子よりも内側(芯粒子側)に入り込むことができず、造粒できないことがある。前記ζ電位(X)が、前記式(1)を満たすことにより、転写効率及び定着下限温度に優れるトナーを得ることができる。
なお、前記式(1)におけるζ電位(X)が−90mV未満のアクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体を作製することは、アクリル樹脂微粒子そのもののシュテルン電位がモノマー種により特定されてしまうこと、用いる界面活性剤の分子骨格及び添加量などの点から困難である。
前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体は、例えば、アクリル樹脂微粒子を水性分散体として製造後、得られた水性分散体を希釈又は濃縮することにより調製することができる。
なお、ζ電位を測定する際の水分散体の濃度を10質量%とするのは、10質量%よりも高い濃度であると、粒子間相互作用が生まれ、測定精度が悪化し、10質量%よりも低い濃度だと、検出感度が弱まるためである。
前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5〜4.0が好ましく、2.0〜3.5がより好ましい。前記pHが、1.5未満であると、本発明のトナーが得られにくくなり、得られるトナーの転写効率が低下することがあり、4.0を超えると、本発明のトナーが得られにくくなり、得られるトナーの転写効率が低下することがある。前記pHが、前記より好ましい範囲内であると、本発明のトナーが得られやすくなる点で有利である。
なお、pHを測定する際の水分散体の濃度を10質量%とするのは、10質量%よりも高い濃度であると、粒子間相互作用が生まれ、測定精度が悪化し、10質量%よりも低い濃度であると、検出感度が弱まるためである。
前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体の電気伝導度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mS/cm〜2.5mS/cmが好ましく、1.2mS/cm〜2.0mS/cmがより好ましい。前記電気伝導度が、1.0mS/cm未満であると、本発明のトナーが得られにくくなり、得られるトナーの転写効率が低下することがあり、2.5mS/cmを超えると、本発明のトナーが得られにくくなり、得られるトナーの転写効率が低下することがある。前記電気伝導度が、前記より好ましい範囲内であると、本発明のトナーが得られやすくなる点で有利である。
なお、電気伝導度を測定する際の水分散体の濃度を10質量%とするのは、10質量%よりも高い濃度であると、粒子間相互作用が生まれ、測定精度が悪化し、10質量%よりも低い濃度であると、検出感度が弱まるためである。
本明細書において、電気伝導度は、例えば、電気伝導率計により測定することができる。
前記トナーにおける前記アクリル樹脂微粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜5質量%が好ましく、1質量%〜4質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、スペーサ効果が十分に得られないためトナーの非静電的付着力を低減することができにくくなることがあり、5質量%を超えると、トナーの流動性が悪くなり、均一転写性を阻害したり、アクリル樹脂微粒子がトナーに充分固定化できずに離脱しやすくなり、キャリア、及び電子写真感光体などに付着し、電子写真感光体などを汚染してしまう恐れがある。なお、トナーにおけるアクリル樹脂微粒子の含有量は、シェル層の含有量ということもできる。
前記シェル層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜200nmが好ましく、30μm〜100μmがより好ましい。前記平均厚みが、10nm未満であると、耐熱性、及び機械的強度が弱まることにより、転写効率が悪化することがあり、200nmを超えると、定着特性に悪影響を及ぼすことがある。前記平均厚みが、前記より好ましい範囲内であると、低温定着性と保存性が両立できる点で有利である。
前記平均厚みは、トナーの断面を観察することにより確認することができる。
<スチレン−アクリル樹脂微粒子>
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子としては、スチレンと、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの少なくともいずれかとを構成成分に含む樹脂微粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチルなどが挙げられる。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子は、架橋樹脂であってもよいし、未架橋樹脂であってもよい。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子は、カルボン酸基、スルホン酸基などのアニオン性基を有することが好ましい。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水性分散体として得ることが好ましい。例えば、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、スチレン−アクリル樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法などが挙げられる。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜50nmが好ましく、20nm〜40nmがより好ましい。前記体積平均粒径が、10nm未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなり、得られるトナーの低温定着性が低下することがある。前記体積平均粒径が、50nmを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなることがある。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、150mgKOH/g〜250mgKOH/gが好ましく、180mgKOH/g〜220mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が、150mgKOH/g未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなることがあり、250mgKOH/gを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなることがある。前記酸価が、より好ましい範囲内であると、転写効率及び定着下限温度に優れたトナーが得られる点で有利である。
また、前記結着樹脂における未変性ポリエステル樹脂の酸価(A)と、前記アクリル樹脂微粒子の酸価(B)と、前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の酸価(C)は、C>A>Bを満たすことが好ましい。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のζ電位(Y)は、下記式(2)を満たす。
−60mV ≦ ζ電位(Y) ≦ −30mV (2)
前記ζ電位が、−60mV未満であると、シェル層が形成されないことがあり、−30mVを超えると、トナーが造粒できないことがある。前記ζ電位が、前記式(2)を満たすことにより、転写効率及び定着下限温度に優れるトナーを得ることができる。
なお、前記式(2)におけるζ電位(Y)が−60mV未満のスチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体を作製することは、スチレン−アクリル樹脂微粒子そのもののシュテルン電位がモノマー種により特定されてしまうこと、用いている界面活性剤の分子骨格及び添加量などの点から困難である。また、たとえ、前記式(2)におけるζ電位(Y)が−60mV未満のスチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体を作製できたとしても、前記トナーを製造する際に、スチレン−アクリル樹脂微粒子を添加する前の水相の電気伝導度及びpHと、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体の電気伝導度及びpHとの間に大きな差があるため、スチレン−アクリル樹脂微粒子を水相に添加した際に希釈ショックが起こり、スチレン−アクリル樹脂微粒子同士の凝集が顕著になる。そうすると、後述する水相調製工程において、スチレン−アクリル樹脂微粒子が凝集していることになるため、油相と水相を混ぜて乳化しても、スチレン−アクリル樹脂微粒子が凝集体として残ってしい、良好なトナーが製造できず、転写効率が低下する。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体は、例えば、スチレン−アクリル樹脂微粒子を水性分散体として製造後、得られた水性分散体を希釈又は濃縮することにより調製することができる。
なお、ζ電位を測定する際の水分散体の濃度を10質量%とするのは、10質量%よりも高い濃度であると、粒子間相互作用が生まれ、測定精度が悪化し、10質量%よりも低い濃度であると、検出感度が弱まるためである。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2.0〜4.5が好まく、2.5〜4.0がより好ましい。前記pHが、2.0未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなることがあり、4.5を超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなることがある。前記pHが、前記より好ましい範囲内であると、本発明のトナーが得られやすくなる点で有利である。
なお、pHを測定する際の水分散体の濃度を10質量%とするのは、10質量%よりも高い濃度であると、粒子間相互作用が生まれ、測定精度が悪化し、10質量%よりも低い濃度であると、検出感度が弱まるためである。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体の電気伝導度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5mS/cm〜1.5mS/cmが好ましく、0.8mS/cm〜1.2mS/cmがより好ましい。前記電気伝導度が、0.5mS/cm未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなることがあり、1.5mS/cmを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなることがある。前記電気伝導度が、前記より好ましい範囲内であると、本発明のトナーが得られやすくなる点で有利である。
なお、電気伝導度を測定する際の水分散体の濃度を10質量%とするのは、10質量%よりも高い濃度であると、粒子間相互作用が生まれ、測定精度が悪化し、10質量%よりも低い濃度であると、検出感度が弱まるためである。
前記トナーにおける前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0質量%〜4.0質量%が好ましく、1.5質量%〜3.0質量%がより好ましい。前記含有量が、1.0質量%未満であると、トナーが造粒できないことがあり、4.0質量%を超えると、トナーが造粒できないことがある。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50℃〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記結着樹脂とともに分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
前記離型剤としては、例えば、ロウ類、ワックス類などが挙げられる。
前記ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体又は共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子などを用いてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜120℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。前記融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、120℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0質量%〜40質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記離型剤は、樹脂に対する親和性の差を利用することで、前記芯粒子中の樹脂、前記シェル層中の樹脂(アクリル樹脂微粒子における樹脂)、前記スチレン−アクリル樹脂微粒子のいずれにも任意に含有させることができる。前記離型剤をトナー外層に存在するシェル層及びスチレン−アクリル樹脂微粒子に選択的に含有させることで、離型剤の染み出しが定着時の短い加熱時間でも充分生じるため、充分な離型性を得ることができる。また、離型剤をトナー内層に存在する芯粒子に選択的に含有させることで、電子写真感光体、キャリア等の他の部材への離型剤のスペントを抑制させることができる。本発明では、離型剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることができる。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、トナー粒子中の結着樹脂と、アクリル樹脂微粒子の樹脂と、スチレン−アクリル樹脂微粒子の樹脂とに対する親和性の差を利用することで、前記芯粒子中の樹脂、前記シェル層中の樹脂(アクリル樹脂微粒子における樹脂)、前記スチレン−アクリル樹脂微粒子のいずれにも任意に含有させることができる。前記帯電制御剤をトナー外層に存在するシェル層及びスチレン−アクリル樹脂微粒子に選択的に含有させることで、より少量の帯電制御剤によって帯電に対する効果を得やすくなる。また、帯電制御剤をトナー内層に存在する芯粒子に選択的に含有させることで、電子写真感光体、キャリア等の他の部材への帯電制御剤のスペントを抑制させることができる。本発明の前記トナーでは、帯電制御剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることができる。
前記帯電制御剤の前記トナーに対する含有量としては、樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法などにより異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記帯電制御剤の含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下及び画像濃度の低下を招くことがある。
−無機微粒子−
前記無機微粒子は、トナーに流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用する。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナーの流動性、現像性、帯電性を補助するための無機微粒子としては、80nm〜500nmの一次平均粒径を有する大粒径の無機微粒子の他にも、小粒径の無機微粒子を好ましく用いることができる。特に、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンが好ましい。
小粒径の無機微粒子の一次平均粒径は、5nm〜50nmが好ましく、10nm〜30nmがより好ましい。
また、前記無機微粒子のBET法による比表面積は、20m/g〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子の使用割合は、大粒径のもの及び小粒径のものそれぞれが前記トナーの0.01質量%〜5質量%であることが好ましく、特に0.01質量%〜2.0質量%であることが好ましい。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤とは、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性及び帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。シリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤は、電子写真感光体及び一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される剤のことであり、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。前記ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好ましい。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜6μmが好ましく、2μm〜5μmがより好ましい。前記体積平均粒径が、1μm未満であると、一次転写及び二次転写においてトナーチリが発生しやすくなることがあり、6μmを超えると、ドット再現性が不十分になり、ハーフトーン部分の粒状性も悪化して高精細な画像が得られなることがある。
前記トナーは、有機溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解乃至分散させた油相を調製する工程と、スチレン−アクリル樹脂微粒子を含有する水相を調製する工程と、前記水相中に前記油相を分散させて乳化乃至分散液を調製する工程と、前記乳化乃至分散液に含まれる溶媒を除去する工程とを含み、前記乳化乃至分散液を調製する工程において、前記水相中に前記油相を分散させる際に、前記水相及び前記油相の少なくともいずれかが、アクリル樹脂微粒子を含有しているトナーの製造方法によって得られるトナーであることが好ましい。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する本発明のトナーの製造方法が好ましい。
本発明のトナーの模式図を図1に示す。図1に示すように、本発明のトナー1は、結着樹脂を含有する芯粒子の表面に、アクリル樹脂微粒子により形成されたシェル層2が存在し、該シェル層の外側にスチレン−アクリル樹脂微粒子3が付着している。
なお、スチレン−アクリル樹脂微粒子は、前記シェル層の外側にのみ存在している必要はなく、前記芯粒子中に存在してもよいし、前記芯粒子と前記シェル層の間に存在していてもよい。
(トナーの製造方法)
本発明のトナーの製造方法は、有機溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解乃至分散させた油相を調製する工程(油相調製工程)と、スチレン−アクリル樹脂微粒子を含有する水相を調製する工程(水相調製工程)と、前記水相中に前記油相を分散させて乳化乃至分散液を調製する工程(乳化乃至分散液調製工程)と、前記乳化乃至分散液に含まれる有機溶媒を除去する工程(溶媒除去工程)とを少なくとも含み、好ましくは加熱工程、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記トナーの製造方法は、前記乳化乃至分散液調製工程において、前記水相中に前記油相を分散させる際に、前記水相及び前記油相の少なくともいずれかが、アクリル樹脂微粒子を含有する。
前記トナーの製造方法により形成されるトナーは、前記結着樹脂を含有する芯粒子と、該芯粒子の表面に前記アクリル樹脂微粒子により形成されるシェル層と、該シェル層の外側に前記スチレン−アクリル樹脂微粒子を有する。
前記トナーの製造方法では、乳化乃至分散前、又は乳化乃至分散後にアクリル樹脂微粒子が添加される。このタイミングでは、油相からなる液滴に有機溶媒が存在しているためアクリル樹脂微粒子は液滴表面に付着した後に液滴表面からある程度進入し、有機溶媒が除去された後にトナー表面に付着固定化されるといった望ましい形態を実現することができる。その場合、アクリル樹脂微粒子と芯粒子とのζ電位差は、スチレン−アクリル樹脂微粒子と芯粒子とのζ電位差よりも大きいことが好ましい。
<油相調製工程>
前記油相調製工程としては、有機溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解乃至分散させた油相を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記結着樹脂は、酸価10mgKOH/g〜30mgKOH/gの未変性ポリエステル樹脂を含有する。前記酸価が、10mgKOH/g未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。前記酸価が、30mgKOH/gを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。
前記油相を調製する方法としては、例えば、前記有機溶媒を攪拌しながら、前記有機溶媒中に少なくとも結着樹脂、必要に応じて活性水素基含有化合物、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤などを徐々に添加していき、溶解乃至分散させる方法などが挙げられる。
前記着色剤として顔料を用いる場合や、前記帯電制御剤などの有機溶媒に溶解しにくいようなものを前記有機溶媒に添加する場合には、前記有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。
前記着色剤のマスターバッチ化も好適な手段の一つであり、同様の方法を前記離型剤、及び前記帯電制御剤に適用することもできる。
また別の方法として、前記有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤などを湿式で分散しウエットマスターを得ることも可能である。
更に別の方法として、前記有機溶媒の沸点未満で溶融するようなものを分散するのであれば、前記有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに攪拌しながら加熱を行い一旦溶解させた後、攪拌又はせん断を付与しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法を行ってもよい。
以上の方法を用いて分散された前記着色剤、前記離型剤、及び必要により前記帯電制御剤を、前記有機溶媒中に前記結着樹脂とともに溶解又は分散した後、更に分散を行ってもよい。前記分散に際しては公知のビーズミル、ディスクミルなどの分散機を用いることができる。
また、得られるトナーの力学的強度を高めたり、定着時における高温オフセットを防止したりする目的で、油相中に、前記活性水素基含有化合物の活性水素基と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂を溶解して、即ち油相が前記活性水素基含有化合物の活性水素基と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂を含有した状態で、トナーを製造することが好ましい。
前記油相調製工程において用いられる有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、沸点が100℃未満であることが、後の有機溶媒除去が容易になる点から好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶媒中に溶解又は分散させる結着樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いることが、溶解性に優れる点から好ましい。これらの中でも、溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
<水相調製工程>
前記水相調製工程は、スチレン−アクリル樹脂微粒子を含有する水相を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤の存在下でスチレン−アクリル樹脂微粒子を水系媒体に分散させることにより行う工程などが挙げられる。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径は、10nm〜50nmであり、20nm〜40nmが好ましい。前記体積平均粒径が、10nm未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。また、得られるトナーの低温定着性が低下する。前記体積平均粒径が、50nmを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の酸価は、150mgKOH/g〜250mgKOH/gであり、180mgKOH/g〜220mgKOH/gが好ましい。前記酸価が、150mgKOH/g未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。前記酸価が、250mgKOH/gを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られにくくなることがある。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のpHは、2.0〜4.5であり、2.5〜4.0が好ましい。前記pHが、2.0未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。前記pHが、4.5を超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。
なお、pHを測定する際の水分散体の濃度を10質量%とするのは、10質量%よりも高い濃度であると、粒子間相互作用が生まれ、測定精度が悪化し、10質量%よりも低い濃度であると、検出感度が弱まるためである。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体の電気伝導度は、0.5mS/cm〜1.5mS/cmであり、0.8mS/cm〜1.2mS/cmが好ましい。前記電気伝導度が、0.5mS/cm未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。前記電気伝導度が、1.5mS/cmを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。
なお、電気伝導度を測定する際の水分散体の濃度を10質量%とするのは、10質量%よりも高い濃度であると、粒子間相互作用が生まれ、測定精度が悪化し、10質量%よりも低い濃度であると、検出感度が弱まるためである。
前記スチレン−アクリル樹脂微粒子は、トナー表面に付着して融着、融合し、比較的硬い表面を形成する。したがって、付着固定化されたアクリル樹脂微粒子により形成されるシェル層の機械的ストレスによる埋没、移動を防止する効果がある。また、スチレン−アクリル樹脂微粒子として、アニオン性のスチレン−アクリル樹脂微粒子を用いると、トナー材料を含む液滴(油滴)に吸着し、液滴同士の合一を抑える効果があり、トナーの粒度分布を制御するのに好適である。更にトナーに負帯電性を与えることもできる。そして、これらの効果を発揮するために、アニオン性のスチレン−アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径は、アクリル樹脂微粒子より小さくすることが好ましく、体積平均粒径を10nm〜50nmとするとよい。
前記水系媒体に含有されるスチレン−アクリル樹脂微粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水系媒体中での濃度が、0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記水相調製工程において、水系媒体にアクリル樹脂微粒子を分散させてもよい。前記アクリル樹脂微粒子が、界面活性剤(例えば、アニオン性界面活性剤)と凝集性を有する場合は、水系媒体を乳化前に高速せん断分散機にて分散させておくことが好ましい。
前記アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径は、30nm〜200nmであり、50nm〜100nmが好ましい。前記体積平均粒径が、30nm未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。前記体積平均粒径が、200nmを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。
前記アクリル樹脂微粒子の酸価は、0mgKOH/g〜20mgKOH/gであり、5mgKOH/g〜15mgKOH/gが好ましい。前記酸価が、20mgKOH/gを超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。
前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のpHは、1.5〜4.0であり、2.0〜3.5が好ましい。前記pHが、1.5未満であると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。前記pHが、4.0を超えると、トナーの造粒性が低下し、本発明のトナーが得られない。
なお、pHを測定する際の水分散体の濃度を10質量%とするのは、10質量%よりも高い濃度であると、粒子間相互作用が生まれ、測定精度が悪化し、10質量%よりも低い濃度であると、検出感度が弱まるためである。
前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体の電気伝導度は、1.0mS/cm〜2.5mS/cmであり、1.2mS/cm〜2.0mS/cmが好ましい。前記電気伝導度が、1.0mS/cm未満であると、本発明のトナーが得られない。前記電気伝導度が、2.5mS/cmを超えると、本発明のトナーが得られない。
なお、電気伝導度を測定する際の水分散体の濃度を10質量%とするのは、10質量%よりも高い濃度であると、粒子間相互作用が生まれ、測定精度が悪化し、10質量%よりも低い濃度であると、検出感度が弱まるためである。
前記アクリル樹脂微粒子は、前記結着樹脂と非相溶であることが好ましい。乳化乃至分散液調製工程において、乳化乃至分散前又は乳化乃至分散後にアクリル樹脂微粒子が添加された時にトナー材料の液滴に有機溶媒が存在しているためアクリル樹脂微粒子は液滴表面に付着した後に溶解してしまう場合がある。トナーを構成する樹脂成分がポリエステル樹脂であり、アクリル樹脂微粒子がアクリル酸エステル重合体、又はメタクリル酸エステル重合体を含む架橋樹脂の微粒子である場合、樹脂同士の相溶性が悪いためアクリル樹脂微粒子は油相からなる液滴と相溶せずに付着した状態で存在することができる。したがって、液滴表面からある程度進入し、有機溶媒が除去された後にトナー表面に付着固定化されるといった望ましい形態を実現することができる。
前記アクリル樹脂微粒子は、アニオン性界面活性剤を含む水系媒体中で凝集体を生成する性質を有することが好ましい。本発明のトナーの製造方法において、乳化乃至分散液調製工程で乳化乃至分散前又は乳化乃至分散後にアクリル樹脂微粒子が添加された時に、アクリル樹脂微粒子が油相からなる液滴に付着せずに独立して安定に存在することは好ましくない。アニオン性界面活性剤を含む水系媒体中でアクリル樹脂微粒子が凝集体を作る性質を有することによって、乳化乃至分散時、又は乳化乃至分散後に水相側に存在していたアクリル樹脂微粒子が、油相からなる液滴表面に移動し、容易に液滴表面に付着することができる。すなわち、アニオン性界面活性剤を含む水系媒体中では、アクリル樹脂微粒子が不安定で、通常であれば凝集してしまうところ、油相からなる液滴があるとトナー材料の液滴との引力が強い場合異種粒子の複合体が形成される。
前記水相調製工程において用いられる水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水が挙げられる。前記水系媒体は、水単独でもよいし、水と混和可能な有機溶媒を併用してもよい。水と混和可能な有機溶媒としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水系媒体は、界面活性剤を更に含有することが好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、ジスルホン酸塩などの陰イオン界面活性剤(アニオン性界面活性剤);アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型などの陽イオン界面活性剤(カチオン性界面活性剤);脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、溶媒を含む油滴を効率よく分散するためには、HLBが高めのジスルホン酸塩が好ましい。
前記水系媒体に含有される界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水系媒体中での濃度が、0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記水相調製工程において用いるスチレン−アクリル樹脂微粒子は、アニオン性であることが、アニオン性界面活性剤を用いた際に、凝集することを防ぐことができる点で好ましい。
<乳化乃至分散液調製工程>
前記乳化乃至分散液調製工程としては、前記水相中に前記油相を分散させて乳化乃至分散液を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。分散機としては、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。
乳化乃至分散の際、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂とを伸長反応乃至架橋反応させると、変性ポリエステル樹脂が生成する。乳化乃至分散により、変性ポリエステル樹脂を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂と活性水素基含有化合物との組み合わせに応じて適宜選択することができる。反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
アクリル樹脂微粒子は、乳化中又は乳化後に水系媒体に加えてもよいし、予め水相に含有させていてもよい。
高速せん断分散機にて分散させながら行う、又は乳化後低速攪拌に切り替えて添加するなどして、適宜トナーへのアクリル樹脂微粒子の付着性、固定化状況を見ながら行うことが好ましい。
乳化乃至分散において、水系媒体の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対し、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が、50質量部未満であると、トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
水系媒体には、先に説明した界面活性剤、スチレン−アクリル樹脂微粒子の他に、無機化合物分散剤、高分子系保護コロイドを併用することができる。
<溶媒除去工程>
前記溶媒除去工程としては、前記乳化乃至分散液に含まれる有機溶媒を除去する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、乳化乃至分散液に含まれる有機溶媒を完全に除去する工程が好ましく、例えば、前記乳化乃至分散液を攪拌しながら徐々に昇温して液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、前記乳化乃至分散液を攪拌しながら乾燥雰囲気中に噴霧して液滴中の有機溶媒を完全に除去する方法、前記乳化乃至分散液を攪拌しながら減圧して有機溶媒を蒸発除去する方法などが挙げられる。後の2つの手段は、最初の手段と併用することも可能である。
前記乳化乃至分散液が噴霧される乾燥雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガスなどを加熱した気体が挙げられる。
前記乾燥雰囲気の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、最高沸点溶媒の沸点以上の温度が好ましい。
前記噴霧は、例えば、スプレードライヤー、ベルトドライヤー、ロータリーキルンなどを用いて行われる。これらを用いると短時間の処理で十分に目的とする品質が得られる。
<加熱工程>
前記加熱工程としては、前記乳化乃至分散液を加熱する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)静止状態で加熱処理する方法、(2)攪拌下で加熱処理する方法などが挙げられる。
前記加熱工程における加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アクリル樹脂微粒子を付着固定化する点から、40℃〜60℃が好ましい。
前記加熱工程が行われると表面が平滑なトナー粒子が形成される。また、前記加熱工程は、トナー粒子がイオン交換水で分散されている場合は、洗浄前に実施してもよいし、洗浄後に実施してもよい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、例えば、洗浄工程、乾燥工程などが挙げられる。
−洗浄工程−
前記洗浄工程としては、前記溶媒除去工程に続いて、前記乳化乃至分散液に含有されるトナー(トナー母体粒子)を洗浄する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記乳化乃至分散液は、トナー母体粒子の他、界面活性剤等の分散剤といった副材料が含まれているため、前記乳化乃至分散液からトナー母体粒子のみを取り出すために洗浄を行う。
前記トナー母体粒子の洗浄方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遠心分離法、減圧濾過法、フィルタープレス法などが挙げられる。いずれの方法によってもトナー母体粒子のケーキ体が得られるが、一度の操作で十分に洗浄できない場合は、得られたケーキを再度水系媒体に分散させてスラリーにして上記のいずれかの方法でトナー母体粒子を取り出す工程を繰り返してもよいし、減圧濾過法又はフィルタープレス法によって洗浄を行うのであれば、水系媒体をケーキに貫通させてトナー母体粒子が抱き込んだ副材料を洗い流す方法を採ってもよい。この洗浄に用いる水系媒体は水、又は水にメタノール、エタノールなどのアルコールを混合した混合溶媒を用いるが、コストや排水処理などによる環境負荷を考えると、水を用いることが好ましい。
−乾燥工程−
前記乾燥工程としては、前記洗浄工程後に、前記トナー母体粒子を乾燥する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記洗浄工程により洗浄されたトナー母体粒子は水分を多く含んでいるため、乾燥を行い前記粒子から水分を除去することでトナー母体粒子のみを得ることができる。
前記トナー母体粒子から水分を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動槽乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などの乾燥機を使用する方法が挙げられる。
前記水分の除去は、トナー母体粒子の水分量が1質量%未満になるまで行うのが好ましい。また、水分除去後のトナー母体粒子が軟凝集をしており使用に際して不都合が生じる場合には、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサーなどの装置を利用して解砕を行い、軟凝集をほぐしてもよい。
(フルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置)
本発明のフルカラー画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、一次転写工程と、二次転写工程と、クリーニング工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明に関するフルカラー画像形成装置は、電子写真感光体(以下「感光体」と称することがある。)と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、一次転写手段と、二次転写手段と、クリーニング手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明のフルカラー画像形成方法は、本発明に関するフルカラー画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記一次転写工程は前記一次写手段により行うことができ、前記二次転写工程は前記二次転写手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
前記フルカラー画像形成方法は、二次転写工程において、トナー像の記録媒体への転写の線速度が100mm/sec〜1,000mm/secであり、かつ二次転写手段のニップ部での転写時間が0.5msec〜60msecであることが好ましい。
前記フルカラー画像形成方法は、タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用することが好ましい。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程としては、前記電子写真感光体表面を帯電させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記帯電手段により行うことができる。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体表面を帯電させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触式帯電装置などが挙げられる。
前記電子写真感光体の帯電方式は、接触帯電方式であってもよいし、近接帯電方式であってもよい。
図2に接触式帯電装置の一種であるローラ式帯電装置500の一例の概略構成を示す。被帯電体である像担持体としての電子写真感光体505は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この電子写真感光体505に接触させた帯電部材である帯電ローラ501は芯金502とこの芯金502の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層503を基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させるとともに、不図示の加圧手段によって感光ドラムに所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラ501は電子写真感光体505の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラ501は、直径9mmの芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗の導電ゴム層503を被膜して直径16mmに形成されている。帯電ローラ501の芯金502と図示の電源504とは電気的に接続されており、電源504により帯電ローラ501に対して所定のバイアスが印加される。これにより電子写真感光体505の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
図3に接触式帯電装置の一種であるブラシ式帯電装置510の一例の概略構成を示した。被帯電体としての像担持体としての電子写真感光体515は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この電子写真感光体515に対して、ファーブラシによって構成されるファーブラシローラ511が、ブラシ部513の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
本例における接触式帯電装置としてのファーブラシローラ511は、電極を兼ねる直径6mmの金属製の芯金512に、ブラシ部513としてユニチカ(株)製の導電性レーヨン繊維REC−Bをパイル地にしたテープをスパイラル状に巻き付けて、外径14mm、長手方向長さ250mmのロールブラシとしたものである。ブラシ部513のブラシは300デニール/50フィラメント、1平方ミリメートル当たり155本の密度である。このロールブラシを内径が12mmのパイプ内に一方向に回転させながらさし込み、ブラシと、パイプが同心となるように設定し、高温多湿雰囲気中に放置してクセ付けで斜毛させた。
このファーブラシローラ511は電子写真感光体515の回転方向と逆方向(カウンター)に所定の周速度(表面の速度)をもって回転駆動され、電子写真感光体面に対して速度差を持って接触する。そしてこのブラシローラ511に電源514から所定の帯電電圧が印加されることで、回転感光体面が所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
<露光工程及び露光手段>
前記露光工程としては、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して前記電子写真感光体に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記露光手段により行うことができる。
前記露光手段としては、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して前記電子写真感光体に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光器などが挙げられる。
なお、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程としては、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像手段としては、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものなどが挙げられる。
前記トナーは、本発明のトナーである。
図4に示した現像器600において、現像時、現像スリーブ601には、電源602により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部603に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナー605が現像スリーブ601およびキャリアへの静電的拘束力を振り切って電子写真感光体604に飛翔し、電子写真感光体の潜像に対応して付着する。なお、トナー605は、本発明のトナーである。
<一次転写工程及び二次転写工程並びに一次転写手段及び二次転写手段>
前記一次転写工程としては、前記トナー像を中間転写体上に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記一次転写手段により行うことができる。
前記二次転写工程としては、前記中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記二次転写手段により行うことができる。
前記一次転写手段としては、前記トナー像を中間転写体上に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記二次転写手段としては、前記中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが挙げられる。
前記転写手段(前記一次転写手段、前記二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記トナー像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
<クリーニング工程及びクリーニング手段>
前記クリーニング工程としては、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段を用いて行うことができる。
前記クリーニング手段としては、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、定着工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、定着手段などが挙げられる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された転写像を定着させる工程である。該定着工程は、前記定着手段により実施することができる。
転写された転写像の定着は、記録媒体に転写された転写像を、加熱加圧部材などを含む定着手段により記録媒体上に定着させることによりなされ、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行なってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行なってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好適である。
定着手段である定着装置の一例を図5に示す。図5に示す定着装置700は、誘導加熱手段760の電磁誘導により加熱される加熱ローラ710と、加熱ローラ710と平行に配置された定着ローラ720(対向回転体)と、加熱ローラ710と定着ローラ720とに張り渡され、加熱ローラ710により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)730と、定着ベルト730を介して定着ローラ720に圧接されるとともに定着ベルト730に対して順方向に回転する加圧ローラ740(加圧回転体)とから構成されている。
加熱ローラ710は、例えば、鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径を例えば、20mm〜40mm、肉厚を例えば、0.3mm〜1.0mmとして、低熱容量で昇温の早い構成となっている。
定着ローラ720(対向回転体)は、例えば、ステンレススチール等の金属製の芯金721と、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金721を被覆した弾性部材722とからなる。そして、加圧ローラ740からの押圧力でこの加圧ローラ740と定着ローラ720との間に所定幅の接触部を形成するために外形を20mm〜40mm程度として加熱ローラ710より大きくしている。弾性部材722は、その肉厚を4mm〜6mm程度としている。この構成により、加熱ローラ710の熱容量は定着ローラ720の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ710が急激に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ710と定着ローラ720とに張り渡された定着ベルト730は、誘導加熱手段760により加熱される加熱ローラ710との接触部位W1で加熱される。そして、加熱ローラ710と定着ローラ720の回転によって定着ベルト730の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
図6に定着ベルト730の層構成を示す。ベルト730の構成は、内層から表層に向かって下記4層であり、以下のようにすることができる。
・基体731:ポリイミド樹脂などの樹脂層
・発熱層732:Ni、Ag、SUSなどの導電材料層
・中間層733:均一定着のための弾性層
・離型層734:離型効果とオイルレス化のためのフッ素樹脂材料等の樹脂層
離型層734の厚みとしては、10μm〜300μm程度が好ましく、特に200μm程度が好ましい。このようにすれば、図5に示すような定着装置700において、記録媒体770上に形成されたトナー像Tを定着ベルト730の表層部が十分に包み込むため、トナー像Tを均一に加熱溶融することが可能になる。離型層734の厚み、即ち、表面離型層は経時耐磨耗性を確保するためには、最低10μmは必要である。また、離型層734の厚みが300μmよりも大きい場合には、定着ベルト730の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。さらに、トナー像定着工程において定着ベルト730の表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、定着ベルト730の離型性が低下してトナー像Tのトナーが定着ベルト730に付着し、いわゆるホットオフセットが発生する。なお、定着ベルト730の基体として、上記金属からなる発熱層732としてもよいが、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱性を有する樹脂層を用いてもよい。
加圧ローラ740は、例えば、銅、アルミニウム等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金741と、この芯金741の表面に設けられた耐熱性及びトナー離型性の高い弾性部材742とから構成されている。芯金741には上記金属以外にSUSを使用してもよい。加圧ローラ740は、定着ベルト730を介して定着ローラ720を押圧して定着ニップ部Nを形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ740の硬度を定着ローラ720に比べて硬くすることによって、加圧ローラ740が定着ローラ720(及び定着ベルト730)へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録媒体770は加圧ローラ740表面の円周形状に沿うため、記録媒体770が定着ベルト730表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ740の外径は定着ローラ720と同じ20mm〜40mm程度であるが、肉圧は0.5mm〜2.0mm程度で定着ローラ720より薄く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ710を加熱する誘導加熱手段760は、図5に示すように、磁界発生手段である励磁コイル761と、この励磁コイル761が巻き回されたコイルガイド板762とを有している。コイルガイド板762は、加熱ローラ710の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、励磁コイル761は、長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板762に沿って加熱ローラ710の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル761は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。励磁コイル761の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア763が、励磁コイルコア支持部材764に固定されて励磁コイル761に近接配置されている。
本発明のフルカラー画像形成方法において使用されるフルカラー画像形成装置としては、例えば図7、図8に示したタンデム方式の画像形成装置100を用いることができる。図7において、画像形成装置100は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための画像書込部120Bk,120C,120M,120Y、画像形成部130Bk,130C,130M,130Y、給紙部140から主に構成されている。画像信号を元に、画像処理部(図示せず)で画像処理を行ない、画像形成用の黒(Bk),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像書込部120Bk,120C,120M,120Yに送信する。画像書込部120Bk,120C,120M,120Yは、例えば、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群(いずれも図示せず)からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部130Bk,130C,130M,130Yに各色信号に応じた画像書込を行なう。
画像形成部130Bk,130C,130M,130Yは、黒,シアン,マゼンタ,イエロー用の各感光体210Bk,210C,210M,210Yを備え、これらの各色用の感光体210Bk,210C,210M,210Yには通常OPC感光体が用いられる。各感光体210Bk,210C,210M,210Yの周囲には、帯電装置215Bk,215C,215M,215Y、上記画像書込部120Bk,120C,120M,120Yからのレーザ光の露光部、各色用の現像装置200Bk,200C,200M,200Y、1次転写装置230Bk,230C,230M,230Y、クリーニング装置300Bk,300C,300M,300Y、除電装置(図示せず)等が配設されている。なお、上記現像装置200Bk,200C,200M,200Yには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。また、中間転写ベルト220が各感光体210Bk,210C,210M,210Yと1次転写装置230Bk,230C,230M,230Yとの間に介在し、この中間転写ベルト220に各感光体から各色のトナー像が順次重ね合わせて転写され、各感光体上のトナー像を担持する。
場合によっては、この中間転写ベルト220の外側で、最終色の1次転写位置通過後で2次転写位置通過前の位置に転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャが配設されるのが好ましい。このプレ転写チャージャは、上記1次転写部で感光体210に転写された中間転写ベルト220上のトナー像を記録媒体としての転写紙に転写する前に、トナー像をトナー像と同極性に均一に帯電するものである。
各感光体210Bk,210C,210M,210Yから転写された中間転写ベルト220上のトナー像は、ハーフトーン部及びベタ部を含んでいたりトナーの重ね合せ量が異なる部分を含んでいたりするため、帯電量がばらついている場合がある。また、中間転写ベルト移動方向における1次転写部の隣接下流側の空隙に発生する剥離放電により、1次転写後の中間転写ベルト220上のトナー像内に帯電量のばらつきが発生する場合もある。このような同一トナー像内の帯電量のばらつきは中間転写ベルト220上のトナー像を転写紙に転写する2次転写部における転写余裕度を低下させてしまう。そこで、プレ転写チャージャで転写紙へ転写する前のトナー像をトナー像と同極性に均一に帯電することにより、同一トナー像内の帯電量のばらつきを解消し、2次転写部における転写余裕度を向上させている。
以上、この画像形成方法によれば、各感光体210Bk,210C,210M,210Yから転写した中間転写ベルト220上のトナー像をプレ転写チャージャで均一に帯電することにより、中間転写ベルト220上のトナー像内に帯電量のばらつきがあっても、2次転写部における転写特性を、中間転写ベルト220上のトナー像の各部に渡ってほぼ一定にすることができる。従って、転写紙へ転写する時の転写余裕度の低下を抑え、トナー像を安定して転写できる。
なお、この画像形成方法において、プレ転写チャージャで帯電される帯電量は、帯電対象物である中間転写ベルト220の移動速度に依存して変化する。例えば、中間転写ベルト220の移動速度が遅ければ、中間転写ベルト220上のトナー像の同一部分がプレ転写チャージャによる帯電領域を通過する時間が長くなるので、帯電量が大きくなる。逆に、中間転写ベルト220の移動速度が速いと、中間転写ベルト220上のトナー像の帯電量が小さくなる。従って、中間転写ベルト220上のトナー像がプレ転写チャージャによる帯電位置を通過している途中に中間転写ベルト220の移動速度が変化するような場合には、その中間転写ベルト220の移動速度に応じて、トナー像に対する帯電量が途中で変化しないようにプレ転写チャージャを制御することが望ましい。
1次転写装置230Bk,230C,230M,230Yの間に導電性ローラ241,242,243が設けられている。そして、転写紙は給紙部140から給紙された後、レジストローラ対160を介して転写ベルト180に担持され、中間転写ベルト220と転写ベルト180が接触するところで2次転写ローラ170により中間転写ベルト220上のトナー像が転写紙に転写され、カラー画像形成が行なわれる。
そして、画像形成後の転写紙は転写ベルト180で定着装置150に搬送され、画像が定着されてカラー画像が得られる。
転写紙への転写前の中間転写ベルト220上のトナー極性は、現像時と同じマイナス極性であるため、2次転写ローラ170にはプラスの転写バイアス電圧が印加され、トナーは転写紙上に転写される。この部分でのニップ圧が転写性に影響し、定着性に大きく影響する。また、転写されずに残った中間転写ベルト220上のトナーは、転写紙と中間転写ベルト220とが離れる瞬間にプラス極性側に放電帯電され、0〜プラス側に帯電される。なお、転写紙のジャム時や非画像域に形成されたトナー像は、2次転写の影響を受けないため、もちろんマイナス極性のままである。
感光体層の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50μm×60μm、光量を0.47mWとしている。感光体(黒)210Bkの帯電(露光側)電位V0を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行なわれるものである。感光体(黒)210Bk上に形成されたトナー(黒)の顕像はその後、転写(中間転写ベルト及び転写紙)、定着工程を経て画像として完成される。転写は最初、1次転写装置230Bk,230C,230M,230Yから中間転写ベルト220へ全色転写された後、更に別の2次転写ローラ170へのバイアス印加により転写紙へ転写される。
次に、感光体クリーニング装置について詳細に説明する。図7において、各現像装置200Bk,200C,200M,200Yと各クリーニング装置300Bk,300C,300M,300Yとは、各々トナー移送管250Bk,250C,250M,250Yで接続されている(図7中の破線)。そして、各トナー移送管250Bk,250C,250M,250Yの内部には、スクリュー(図示せず)が入っており、各クリーニング装置300Bk,300C,300M,300Yで回収されたトナーが、各現像装置200Bk,200C,200M,200Yへ移送されるようになっている。
従来の4つの電子写真感光体とベルト搬送との組合せによる直接転写方式では、感光体と転写紙が当接することにより紙粉が付着しトナーを回収すると紙粉が含有しているので、画像形成時にトナー抜け等の画像劣化をきたし使用することができなかった。更に、従来の一つの電子写真感光体と中間転写とを組合せたシステムでは、中間転写体の採用で転写紙転写時の感光体への紙粉付着はなくなったが、感光体への残トナーのリサイクルを行おうした場合、混色したトナーを分離することは実用上不可能である。また、混色トナーを黒トナーとして使用する提案があるが、全色混合しても黒にならず、プリントモードにより色が変化するため1つの感光体の構成ではトナーリサイクルは不可能であった。
これに対して、このフルカラー画像形成装置では、中間転写ベルト220を使用するので紙粉の混入が少なく、かつ、紙転写時の中間転写ベルト220への紙粉の付着も防止される。各感光体210Bk,210C,210M,210Yが独立した色のトナーを使用するので各感光体クリーニング装置300Bk,300C,300M,300Yを接離する必要もなく、確実にトナーのみを回収することができる。
上記中間転写ベルト220上に残ったプラス帯電されたトナーは、マイナス電圧が印加された導電性ファーブラシ262でクリーニングされる。導電性ファーブラシ262への電圧印加方法は、導電性ファーブラシ261と極性が異なるだけで全く同一である。転写されずに残ったトナーも2つの導電性ファーブラシ261,262でほとんどクリーニングされる。ここで、導電性ファーブラシ262でクリーニングされずに残ったトナー、紙粉、タルク等は、導電性ファーブラシ262のマイナス電圧により、マイナス帯電される。次の黒色の1次転写は、プラス電圧による転写であり、マイナス帯電したトナー等は中間転写ベルト220側に引き寄せられるため、感光体(黒)210Bk側への移行は防止できる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも電子写真感光体と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
前記プロセスカートリッジは、画像形成装置本体に着脱自在としたものである。
そして、現像手段には、上述の本発明のトナーを備えている。
本発明のプロセスカートリッジは、前記帯電手段、前記転写手段、及び前記クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段を更に含むことが好ましい。
現像手段及び帯電手段としては、上述の現像装置及び帯電装置が好適に使用できる。
本発明のプロセスカートリッジの例を図9に示す。図9に示したプロセスカートリッジ800は、感光体801、帯電手段802、現像手段803、クリーニング手段806を備えている。このプロセスカートリッジ800の動作を説明すると、感光体801が所定の周速度で回転駆動される。感光体801は、回転過程において、帯電手段802によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の不図示の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体801の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段803によりトナー像化され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体801と不図示の転写手段との間に感光体801の回転と同期されて給送された記録材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた記録材は感光体面から分離されて不図示の像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体801の表面は、クリーニング手段806によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。符号804は現像剤であり、符号805は現像ローラである。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部は、特に記載がなければ質量部を表す。
まず、測定方法について述べる。
(pH)
pHは、水分散体濃度を10質量%に希釈したのち、pH測定装置GST−5721C(東亜ディーケーケー社製)を用いて測定した。室温雰囲気下で10質量%水分散体に専用セルを挿入することで、自動で水分散体のpHを測定することができる。
(スチレン−アクリル樹脂微粒子、及びアクリル樹脂微粒子の体積平均粒径)
スチレン−アクリル樹脂微粒子、及びアクリル樹脂微粒子の体積平均粒径は、日機装社製のマイクロトラックUPA−150で測定した。
(電気伝導度)
電気伝導度は、水分散体濃度を10質量%に希釈したのち、電気伝導率測定装置CT−57101B(東亜ディーケーケー社製)を用いて測定した。室温雰囲気下で10質量%水分散体に専用セルを挿入することで、自動で水分散体の電気伝導度を測定することができる。
(ζ電位)
ζ電位は、水分散体濃度を10質量%に希釈したのち、ζ電位測定装置DT1200(Dispersion Technology社製)を用いて測定した。室温雰囲気下で10質量%水分散体に専用セルを挿入することで、自動で水分散体のζ電位を測定することができる。
(製造例1)
<トナー材料の溶解液乃至分散体の調製>
−未変性ポリエステル樹脂1(低分子量ポリエステル)の合成−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84部、テレフタル酸274部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、次いで、無水トリメリット酸を15部投入し、常圧下、220℃にて1時間反応させ、未変性ポリエステル樹脂1を合成し、転相乳化にて水分散体とした。
得られた未変性ポリエステル樹脂1は、酸価が17mgKOH/g、体積平均粒径が100nm、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が50℃であった。
−マスターバッチ(MB)の調製−
水1,000部、及びカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42mL/100g、pH=9.5)540部、及び前記未変性ポリエステル樹脂1 1,200部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
−プレポリマーの合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が49mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有するポリエステル樹脂)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
−トナー材料相の調製−
ビーカー内に前記未変性ポリエステル樹脂1 100部、及び酢酸エチル130部を投入し、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10部、及び前記マスターバッチ10部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、そこへ前記プレポリマー(固形分濃度50質量%)を40部添加し、攪拌し[トナー材料の溶解乃至分散体](油相)を調製した。
(製造例2)
<未変性ポリエステル樹脂2(低分子量ポリエステル)の合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84部、テレフタル酸274部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、次いで、無水トリメリット酸を10部投入し、常圧下、220℃にて1時間反応させ、未変性ポリエステル樹脂2を合成し、転相乳化にて水分散体とした。
得られた未変性ポリエステル樹脂2は、酸価が10mgKOH/g、体積平均粒径が100nm、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,300、ガラス転移温度(Tg)が49℃であった。
(製造例3)
<未変性ポリエステル樹脂3(低分子量ポリエステル)の合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84部、テレフタル酸274部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて3時間反応させ、次いで、無水トリメリット酸を20部投入し、常圧下、220℃にて1時間反応させ、未変性ポリエステル樹脂3を合成し、転相乳化にて水分散体とした。
得られた未変性ポリエステル樹脂3は、酸価が30mgKOH/g、体積平均粒径が100nm、数平均分子量(Mn)が2,000、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が51℃であった。
(製造例4)
<未変性ポリエステル樹脂4(低分子量ポリエステル)の合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84部、テレフタル酸274部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、次いで、無水トリメリット酸を7部投入し、常圧下、220℃にて1時間反応させ、未変性ポリエステル樹脂4を合成し、転相乳化にて水分散体とした。
得られた未変性ポリエステル樹脂4は、酸価が5mgKOH/g、体積平均粒径が100nm、数平均分子量(Mn)が2,000、重量平均分子量(Mw)が5,300、ガラス転移温度(Tg)が48℃であった。
(製造例5)
<未変性ポリエステル樹脂5(低分子量ポリエステル)の合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84部、テレフタル酸274部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、次いで、無水トリメリット酸を25部投入し、常圧下、220℃にて1時間反応させ、未変性ポリエステル樹脂5を合成し、転相乳化にて水分散体とした。
得られた未変性ポリエステル樹脂5は、酸価が50mgKOH/g、体積平均粒径が100nm、数平均分子量(Mn)が2,200、重量平均分子量(Mw)が5,800、ガラス転移温度(Tg)が52℃であった。
(製造例6)
<スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体の調製>
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸n−ブチル110部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散体[スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1](固形分20質量%)を得た。[スチレン−アクリル樹脂微粒子A1]の体積平均粒径は14nm、pHは3.3、電気伝導度は0.9mS/cm、酸価は180mgKOH/gであった。
(製造例7〜20)
<スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体の調製>
製造例6において、配合を表1に記載の配合に変更した以外は、製造例6と同様にして、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A2〜A15を製造した。
得られたスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A2〜A15の特性を表1に示す。
表1中の配合量は、質量部である。「RS−30」は、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)である。
(製造例21)
<アクリル樹脂微粒子水分散体の調製>
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、水683部、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオンDS、花王社製)10部、メタクリル酸メチル144部、アクリル酸n−ブチル50部、アクリル酸2部、過硫酸アンモニウム1部、及びエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)2部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度65℃まで昇温し10時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂の水性分散体[アクリル樹脂微粒子水分散体B1](固形分20質量%)を得た。[アクリル樹脂微粒子B1]の体積平均粒径は35nm、pHは2.8、電気伝導度は1.3mS/cm、酸価は10mgKOH/gであった。
(製造例22〜39)
<アクリル樹脂微粒子水分散体の調製>
製造例21において、配合を表2に記載の配合に変更した以外は、製造例21と同様にして、アクリル樹脂微粒子水分散体B2〜B19を製造した。
得られたアクリル樹脂微粒子水分散体B2〜B19の特性を表2に示す。
表2中の配合量は、質量部である。「カチオンDS」は、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオンDS、花王社製)である。「EGDMA」は、エチレングリコールジメタクリレートである。
(樹脂微粒子の膨潤性評価)
膨潤性に差がある種々の樹脂微粒子を、30mLのアズワン社製スクリューバイヤルにメスピペットでそれぞれ底から20mmになるように添加し、更に、酢酸エチルをメスピペットで10mL入れた後、24時間静置したところ、白色を有する樹脂微粒子のエマルションが下側に、酢酸エチルが上側に相分離した。そして、スクリューバイヤルの底からの、白色を有する樹脂微粒子エマルションの高さを観察することで膨潤性の違いを評価した。高い膨潤性を有するものは前記高さが高くなる。膨潤性の程度は下記のように判断した。
本発明における「膨潤する」とは◎、○、△と評価されるものをいう。
◎・・・25mm以上 十分に膨潤する
○・・・21mm以上、25mm未満 膨潤する
△・・・20mm以上、21mm未満 不十分に膨潤する
×・・・20mm未満 膨潤しない
(相溶性)
樹脂微粒子と結着樹脂(未変性ポリエステル樹脂)との相溶性は、以下の方法により判断した。
結着樹脂と樹脂微粒子とを所定の比率(質量比50:50)でブレンドし、その後に溶融させ均一にし、サンプルを作製した。このサンプルと、それぞれの樹脂のガラス転移温度(Tg)をDSC(示差走査熱量分析)にて分析した。そして、ブレンド比率を横軸にし、Tgを縦軸にしたグラフにおいて、それぞれの樹脂単独のTgを結ぶ直線上に、測定したサンプルのTgがあれば、相溶していると判断し、前記直線上に測定したサンプルのTgがなければ、非相溶と判断した。
樹脂微粒子の膨潤性評価結果、及び結着樹脂(未変性ポリエステル樹脂)との相溶性の評価結果を表3−1及び表3−2に示す。
(実施例1)
<トナーaの製造>
−水系媒体相(水相)の調製−
水660部、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1 25部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業社製)25部、及び酢酸エチル60部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。更に、アクリル樹脂微粒子分散体B1を50部加え水系媒体相(水相)を得た。光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。前記水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。
したがって、この後行われるトナー材料の乳化工程においてもアクリル樹脂微粒子B1は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このようにアクリル樹脂微粒子B1は凝集を生じるがせん断によってほぐれることがトナー表面に均一に付着させる上で重要である。
−乳化乃至分散液の調製−
前記水系媒体相150部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記[トナー材料の溶解乃至分散液]100部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
−有機溶媒の除去−
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、前記乳化スラリー100部を仕込み、攪拌周速20m/分間で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶媒し脱溶剤スラリーとした。
−洗浄−
前記脱溶剤スラリー全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行い、再分散したスラリーの伝導度が0.1μS/cm以上且つ10μS/cm以下になったところで洗浄スラリーとした。
−加熱処理−
攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、得られた洗浄スラリーを攪拌周速20m/分間で攪拌しながら50℃で60分間攪拌下、加熱処理しトナー表面に付着したアクリル微粒子B1を固定化処理した後濾過した。
−乾燥−
得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、体積平均粒径5.2μmのトナー母体粒子aを得た。
得られたトナー母体粒子aの走査型電子顕微鏡写真を図10A及び図10Bに示す。図10A及び図10Bに示すトナー母体粒子5は、芯粒子4の周りにアクリル樹脂微粒子により形成されるシェル層2(白色部分)が形成され、更にシェル層の外側には、スチレン−アクリル樹脂微粒子3(黒色部分)が付着している。
−外添処理−
トナー母体粒子a 100部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナーaを得た。
なお、トナーaにおけるアクリル樹脂微粒子の含有量(シェル層の含有量)は、4.0質量%であった。
また、トナーaにおけるスチレン−アクリル樹脂微粒子の含有量は、2.0質量%であった。
<評価>
得られたトナーを用いて現像剤を作製し以下の評価に供した。結果を表7に示す。
<<キャリアの作製>>
トナーの実機評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
−キャリア−
アクリル樹脂溶液(固形分50質量%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70質量%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコーン樹脂溶液 65.0部
[固形分23質量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100質量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
上記キャリア原料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe48.0:平均粒径;25μm]に上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥し被覆フェライト粉を得た。得られた被覆フェライト粉を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。こうして、重量平均粒径35μmのキャリアAを得た。
<<2成分系現像剤の作製>>
トナーaとキャリアAを用い、キャリア100部に対しトナー7部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて2成分系現像剤aを作製した。
<<転写効率(%)>>
富士ゼロックス社製のDocuColor 8,000 Digital Pressを改造して、線速162mm/sec及び転写時間を40msecにチューニングした評価機を用い、現像剤について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cmのベタパターンをテスト画像として出力するランニング試験を行った。テスト画像の初期、及び100K(10万枚)出力後、一次転写における転写効率を下記式(3)により、二次転写における転写効率を下記式(4)により、それぞれ求めた。なお、評価基準は下記のとおりである。
一次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量/電子写真感光体上に現像されたトナー量)×100 ・・・ (3)
二次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量−中間転写体上の転写残トナー量/中間転写体上に転写されたトナー量)×100 ・・・ (4)
評価基準は、一次転写効率と二次転写効率の平均値を算出し以下の基準で評価した。
◎:90%以上
○:85%以上90%未満
△:80%以上85%未満
×:80%未満
<<定着下限温度>>
株式会社リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6000<70W>及び複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cmのトナー付着量で定着評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
評価基準は、以下のとおりである。
◎:100℃未満
○:100℃以上110℃未満
△:110℃以上120℃未満
×:120℃以上
(実施例2)
<トナーbの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーbを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
トナーbに用いたアクリル樹脂微粒子B2は、結着樹脂と相溶せず、且つ、架橋構造が少ないため高い膨潤性を示すものである。また、アクリル樹脂微粒子B2を水系媒体相に加え、光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。前記水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。
したがって、トナー材料の乳化工程においてもアクリル樹脂微粒子B2は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このアクリル樹脂微粒子B2を用いたトナーbは、転写効率においてはトナーaよりも若干劣るが、定着下限温度において課題を十分に達成できるものであった。
(実施例3)
<トナーcの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B3に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーcを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
トナーcに用いたアクリル樹脂微粒子B3は、結着樹脂と相溶しないが、架橋構造が多いため膨潤性はアクリル樹脂微粒子B1よりも劣るものである。また、アクリル樹脂微粒子B3を水系媒体相に加え、光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。前記水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。
したがって、トナー材料の乳化工程においてもアクリル樹脂微粒子B3は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このアクリル樹脂微粒子B3を用いたトナーcは、転写効率及び定着下限温度において課題を十分に達成できるものであった。
(実施例4)
<トナーdの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B4に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーdを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
トナーdに用いたアクリル樹脂微粒子B4は、結着樹脂と相溶せず、且つ、架橋構造が少ないため高い膨潤性を示すものである。また、アクリル樹脂微粒子B4を水系媒体相に加え、光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。前記水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。
したがって、トナー材料の乳化工程においてもアクリル樹脂微粒子B4は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このアクリル樹脂微粒子B4を用いたトナーdは、転写効率はトナーa、b、cよりも若干劣るが、定着下限温度において課題を十分に達成できるものであった。
(実施例5)
<トナーeの製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーeを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子の酸価と芯粒子の樹脂の酸価の差がトナーaに比べて小さいことから、アクリル樹脂微粒子の付着が若干弱く、転写効率においてはトナーaに比べて劣っていたが、定着下限温度において課題を十分に達成できるものであった。
(実施例6)
<トナーfの製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A3に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーfを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子の酸価と芯粒子の樹脂の酸価の差がトナーaに比べて大きいことから、アクリル樹脂微粒子の付着が強く、転写効率及び定着下限温度において課題を十分に達成できるものであった。
(実施例7)
<トナーgの製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A4に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーgを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径を小さくすることで、スチレン−アクリル樹脂微粒子の被覆率が上がったため、定着下限温度に対してはトナーaよりも若干劣るが、転写効率は課題を十分に達成できるものであった。
(実施例8)
<トナーhの製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A5に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーhを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径を大きくすることで、スチレン−アクリル樹脂微粒子の被覆率が下がったため、転写効率においてはトナーaよりも若干劣るが、定着上下限温度双方とも課題を十分に達成できるものであった。
(実施例9)
<トナーiの製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A6に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーiを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体のpHを下げることで、水系媒体相へ添加した際に凝集が起こったが、水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。これより、トナーiの転写効率及び定着下限温度においては、トナーaと同等レベルであり、課題を十分に達成できるものであった。
(実施例10)
<トナーjの製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A7に代えた以外は、実施例1と同様にしてトナーjを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体のpHを上げることで、水系媒体相へ添加した際の凝集が抑制され、所望のシェル層が形成されやすくなった。これより、トナーjの転写効率及び定着下限温度においては、トナーaと同等レベルであり、課題を十分に達成できるものであった。
(実施例11)
<トナーkの製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A8に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーkを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体の電気伝導度を下げることで、水系媒体相へ添加した際に凝集が起こったが、水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。これより、トナーkの転写効率及び定着下限温度においては、トナーaと同等レベルであり、課題を十分に達成できるものであった。
(実施例12)
<トナーlの製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A9に代えた以外は、実施例1と同様にしてトナーlを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体の電気伝導度を上げることで、水系媒体相へ添加した際の凝集が抑制され、所望のシェル層が形成されやすくなった。これより、トナーlの転写効率及び定着下限温度においては、トナーaと同等レベルであり、課題を十分に達成できるものであった。
(実施例13)
<トナーmの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B5に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーmを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子の酸価を下げることで、芯粒子の未変性ポリエステル樹脂との酸価の差、及び、スチレン−アクリル樹脂微粒子の酸価との差が大きくなり、アクリル樹脂微粒子の未変性ポリエステル樹脂に対する付着が強くなった。転写効率及び定着下限温度において課題を十分に達成できるものであった。
(実施例14)
<トナーnの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B6に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーnを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子の酸価を上げることで、芯粒子の未変性ポリエステル樹脂との酸価の差、及び、スチレン−アクリル樹脂微粒子の酸価との差が小さくなり、アクリル樹脂微粒子の未変性ポリエステル樹脂に対する付着が弱くなったため、転写効率においてはトナーaに比べて劣っていたが、定着下限温度において課題を十分に達成できるものであった。
(実施例15)
<トナーoの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B7に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーoを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径を小さくすることで、アクリル樹脂微粒子の被覆率が上がったため、定着下限温度に対してはトナーaよりも若干劣るが、転写効率は課題を十分に達成できるものであった。
(実施例16)
<トナーpの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B8に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーpを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
体積平均粒径を大きくすることで、アクリル樹脂微粒子の被覆率が下がったため、転写効率に対してはトナーaよりも若干劣るが、定着下限温度は課題を十分に達成できるものであった。
(実施例17)
<トナーqの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B9に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーqを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子水分散体のpHを下げることで、水系媒体相へ添加した際に凝集が起こったが、水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。これより、トナーqの転写効率及び定着下限温度においては、トナーaと同等レベルであり、課題を十分に達成できるものであった。
(実施例18)
<トナーrの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B10に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーrを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子水分散体のpHを上げることで、水系媒体相へ添加した際の凝集が抑制され、所望のシェル層が形成されやすくなった。これより、トナーrの転写効率及び定着下限温度においては、トナーaと同等レベルであり、課題を十分に達成できるものであった。
(実施例19)
<トナーsの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B11に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーsを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子水分散体の電気伝導度を下げることで、水系媒体相へ添加した際に凝集が起こったが、水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。これより、トナーsの転写効率及び定着下限温度においては、トナーaと同等レベルであり、課題を十分に達成できるものであった。
(実施例20)
<トナーtの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B12に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーtを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子水分散体の電気伝導度を上げることで、水系媒体相へ添加した際の凝集が抑制され、所望のシェル層が形成されやすくなった。これより、トナーtの転写効率および定着下限温度においては、トナーaと同等レベルであり、課題を十分に達成できるものであった。
(実施例21)
<トナーuの製造>
実施例1において、未変性ポリエステル樹脂1を未変性ポリエステル樹脂2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーuを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
未変性ポリエステル樹脂の酸価を下げることで、一層外側に存在するアクリル樹脂微粒子との酸価の差が小さくなり、アクリル樹脂微粒子のポリエステル樹脂に対する付着が弱くなったため、転写効率においてはトナーaに比べて劣っていたが、定着上下限温度双方において課題を十分に達成できるものであった。
(実施例22)
<トナーvの製造>
実施例1において、未変性ポリエステル樹脂1を未変性ポリエステル樹脂3に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーvを得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
未変性ポリエステル樹脂の酸価を上げることで、一層外側に存在するアクリル樹脂との酸価の差が大きくなり、樹脂微粒子のポリエステル樹脂に対する付着が強くなった。転写効率及び定着上下限温度双方において課題を十分に達成できるものであった。
(実施例23)
<トナーwの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子分散体B1の量を50質量部から75質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナーwを得た。
なお、トナーwにおけるアクリル樹脂微粒子の含有量(シェル層の含有量)は、6.0質量%であった。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子の含有量を増やすことにより、シェル層の厚みが厚くなり、低温定着性は若干劣ったが、課題を十分に達成できるレベルであった。また、保存性は実施例1よりも優れていた。
(実施例24)
<トナーxの製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子分散体B1の量を50質量部から25質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナーxを得た。
なお、トナーxにおけるアクリル樹脂微粒子の含有量(シェル層の含有量)は、2.0質量%であった。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子の含有量を減らすことにより、シェル層の厚みが薄くなり、保存性は若干劣ったが、課題を十分に達成できるレベルであった。また、低温定着性は実施例1よりも優れていた。
(実施例25)
<トナーyの製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子分散体A1の量を25質量部から50質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナーyを得た。
なお、トナーyにおけるスチレン−アクリル樹脂微粒子の含有量は、4.0質量%であった。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子の含有量を増やすことにより、造粒性及び低温定着性は若干劣ったが、課題を十分に達成できるレベルであった。また、保存性は実施例1よりも優れていた。
(実施例26)
<トナーzの製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子分散体A1の量を25質量部から15質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナーzを得た。
なお、トナーzにおけるスチレン−アクリル樹脂微粒子の含有量は、1.2質量%であった。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子の含有量を減らすことにより、造粒性及び保存性は若干劣ったが、課題を十分に達成できるレベルであった。また、低温定着性は実施例1よりも優れていた。
(比較例1)
<トナーa’の製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A10に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーa’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子の酸価と芯粒子の樹脂の酸価との差がトナーaに比べて著しく小さいため、十分に芯粒子にアクリル樹脂微粒子が付着せず、造粒性を著しく悪化させ、トナー化することができなかった。
(比較例2)
<トナーb’の製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A11に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーb’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径を著しく大きくすることで、スチレン−アクリル樹脂微粒子がトナー表面に十分に付着せず、また、造粒性も著しく悪化したため、トナー化することができなかった。
(比較例3)
<トナーc’の製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A12に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーc’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体のpHを著しく下げることで、水系媒体相へ添加する際に凝集が著しくなり、トナー化することができなかった。
(比較例4)
<トナーd’の製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A13に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーd’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体のpHを著しく上げることで、水分散体として安定せず、水系媒体相に添加する前段階で凝集体を形成しており、トナー化することができなかった。
(比較例5)
<トナーe’の製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A14に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーe’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体の電気伝導度を著しく下げることで、水分散体として安定せず、水系媒体相に添加する前段階で凝集体を形成しており、トナー化することができなかった。
(比較例6)
<トナーf’の製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A1をスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体A15に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーf’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体の電気伝導度を著しく上げることで、水分散体として安定せず、水系媒体相に添加する前段階で凝集体を形成しており、トナー化することができなかった。
(比較例7)
<トナーg’の製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B13に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーg’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子の酸価を著しく上げることで、一層内側に存在するポリエステル樹脂との酸価の差が小さくなるため、十分にトナー表面にアクリル樹脂微粒子が付着せず、転写効率の改善効果が得られなかった。定着上下限温度は課題を十分に達成できるものであった。
また、得られたトナー母体粒子の走査型電子顕微鏡写真を図11A及び図11Bに示す。図11A及び図11Bに示すトナー母体粒子5は、芯粒子4の周りにアクリル樹脂微粒子(白色部分)が凝集して付着しておりシェル層が形成されていない。なお、符号3は、スチレン−アクリル樹脂微粒子である。
(比較例8)
<トナーh’の製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B14に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーh’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径を著しく大きくすることで、アクリル樹脂微粒子がトナー表面に十分に付着せず、また、造粒性も著しく悪化したため、トナー化することができなかった。
(比較例9)
<トナーi’の製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B15に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーi’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子水分散体のpHを著しく下げることで、水系媒体相へ添加する際に凝集が著しくなり、トナー表面に均一なシェル層を形成することができず、転写効率の改善効果が得られなかった。定着上下限温度は課題を十分に達成できるものであった。
(比較例10)
<トナーj’の製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B16に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーj’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子水分散体のpHを著しく上げることで、水分散体として安定せず、水系媒体相に添加する前段階で凝集体を形成していたため、均一なシェル層を形成することができず、転写効率の改善効果が得られなかった。定着上下限温度は課題を十分に達成できるものであった。
(比較例11)
<トナーk’の製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B17に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーk’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子水分散体の電気伝導度を著しく下げることで、水系媒体相へ添加する際に凝集が著しくなり、トナー表面に均一なシェル層を形成することができず、転写効率の改善効果が得られなかった。定着上下限温度は課題を十分に達成できるものであった。
(比較例12)
<トナーl’の製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B18に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーl’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子水分散体の電気伝導度を著しく上げることで、水分散体として安定せず、水系媒体相に添加する前段階で凝集体を形成していたため、均一なシェル層を形成することができず、転写効率の改善効果が得られなかった。定着上下限温度は課題を十分に達成できるものであった。
(比較例13)
<トナーm’の製造>
実施例1において、未変性ポリエステル樹脂1を未変性ポリエステル樹脂4(酸価が5mgKOH/g)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーm’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
未変性ポリエステル樹脂の酸価を著しく下げることで、一層外側に存在するアクリル樹脂との酸価の差が小さくなり、アクリル樹脂微粒子がポリエステル樹脂に対して十分に付着せず、また、造粒性が著しく悪化しトナー化できなかった。
(比較例14)
<トナーn’の製造>
実施例1において、未変性ポリエステル樹脂1を未変性ポリエステル樹脂5(酸価が50mgKOH/g)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーn’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
未変性ポリエステル樹脂の酸価を著しく上げることで造粒性が悪化し、トナー化することができなかった。
(比較例15)
<トナーo’の製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーo’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
定着下限温度は課題を十分に達成できるものであったが、転写効率の改善効果が得られなかった。
(比較例16)
<トナーp’の製造>
実施例1において、スチレン−アクリル樹脂微粒子を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーP’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
スチレン−アクリル樹脂微粒子を用いないことで造粒性が著しく悪化し、トナー化することができなかった。
(比較例17)
<トナーq’の製造>
実施例1において、アクリル樹脂微粒子水分散体B1をアクリル樹脂微粒子水分散体B19に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーq’を得た。
得られたトナーについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表7に示す。
アクリル樹脂微粒子水分散体のpHを著しく上げることで、水分散体として安定せず、水系媒体相に添加する前段階で凝集体を形成していたため、均一なシェル層を形成することができず、転写効率の改善効果が得られなかった。定着上下限温度は課題を十分に達成できるものであった。
実施例1〜26、比較例1〜17で用いたスチレン−アクリル樹脂微粒子水分散体Aの物性を表4に示す。
実施例1〜26、比較例1〜17で用いたアクリル樹脂微粒子水分散体Bの物性を表5に示す。
実施例1〜26、比較例1〜17のトナー中での樹脂微粒子の均一性及び造粒性の結果を表6に示す。
なお、均一性、造粒性の評価方法を以下に示す。
<スチレン−アクリル樹脂微粒子の均一性>
トナーの断面観察を行い、以下の評価基準で評価した。
◎ :スチレン−アクリル樹脂微粒子による層が均一に形成されている
○ :若干凝集体が存在するが、ほぼ均一にスチレン−アクリル樹脂微粒子による層が形成されている
△ :凝集体が多く存在する又はムラがあり、スチレン−アクリル樹脂微粒子による層の均一性が劣る
× :スチレン−アクリル樹脂微粒子による層が全く形成されていない
<アクリル樹脂微粒子の均一性>
トナーの断面観察を行い、以下の評価基準で評価した。
◎ :シェル層が均一に形成されている
○ :若干凝集体が存在するが、ほぼ均一にシェル層が形成されている
△ :凝集体が多く存在する又はムラがあり、シェル層の均一性が劣る
× :シェル層が全く形成されていない
<造粒性>
体積平均粒径が5.2μmのトナーaを製造する条件と、同一の造粒条件でトナーを製造し、以下の評価基準で評価した。
◎ :トナーの体積平均粒径が、5.2±0.1μm以内(5.1μm〜5.3μm)であり、造粒性が非常に良好
○ :トナーの体積平均粒径が、5.2±0.1μmを超え0.3μm以内(4.9μm以上5.1μm未満又は5.3μmを超え5.5μm以下)であり、造粒性が良好。
△ :トナーの体積平均粒径が、5.2±0.3μmを超え0.5μm以内(4.7μm以上4.9μm未満又は5.5μmを超え5.7μm以下)であり、造粒性がやや劣る。
× :トナーの体積平均粒径が、5.2±0.5μmを超え(4.7μm未満又は5.7μmを超える)造粒性が劣る又は造粒できていない。
なお、表中「*」は、造粒できなかったために、評価ができなかったことを示す。
なお、表中「−」は、造粒できなかったために、評価ができなかったことを示す。
1 トナー
2 シェル層
3 スチレン−アクリル樹脂微粒子
4 芯粒子
5 トナー母体粒子
50 中間転写体
51 ローラ
52 手差しトレイ
53 手差し給紙路
55 切り換え爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
59 帯電器
60 クリーニング装置(クリーニングブレード)
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録紙
100、100A、100B、100C 画像形成装置
110 ベルト式定着装置
120 タンデム型現像器
120Bk、120C、120M、120Y 画像書込部
130 原稿台
130Bk、130C、130M、130Y 画像形成部
140 給紙部
142a、142b 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145a、145b 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
200Bk、200C、200M、200Y 現像装置
215Bk、215C、215M、215Y 帯電装置
220 中間転写ベルト
230Bk、230C、230M、230Y 1次転写装置
241、242、243 導電性ローラ
300 スキャナ
300Bk、300C、300M、300Y クリーニング装置
400 原稿自動搬送装置
500 ローラ式帯電装置
501 帯電ローラ
502 芯金
503 導電ゴム層
505 感光体
510 ブラシ式帯電装置
511 ファーブラシローラ
513 ブラシ部
514 電源
515 感光体
600 現像器
601 現像スリーブ
602 電源
603 現像部
604 感光体
605 トナー
700 定着装置
710 加熱ローラ
720 定着ローラ
730 無端帯状の定着ベルト
731 基体
732 発熱層
733 中間層
734 離型層
740 加圧ローラ
741 芯金
742 弾性部材
760 誘導加熱手段
761 励磁コイル
762 コイルガイド板
763 励磁コイルコア
764 励磁コイルコア支持部材
770 記録媒体
800 プロセスカートリッジ
801 感光体
802 帯電手段
803 現像手段
804 現像剤
805 現像ローラ
806 クリーニング手段
特開平07−209952号公報 特開2000−075551号公報 特許第3640918号公報 特開平06−250439号公報 特開2001−066820号公報 特許第3692829号公報 特開2006−293273号公報

Claims (10)

  1. 結着樹脂を含有する芯粒子と、
    該芯粒子の表面にアクリル樹脂微粒子により形成されるシェル層と、
    該シェル層の外側にスチレン−アクリル樹脂微粒子を有し、
    前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のζ電位(X)が、下記式(1)を満たし、
    前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のζ電位(Y)が、下記式(2)を満たすことを特徴とするトナー。
    −90mV ≦ ζ電位(X) ≦ −60mV (1)
    −60mV ≦ ζ電位(Y) ≦ −30mV (2)
  2. 有機溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解乃至分散させた油相を調製する工程と、スチレン−アクリル樹脂微粒子を含有する水相を調製する工程と、前記水相中に前記油相を分散させて乳化乃至分散液を調製する工程と、前記乳化乃至分散液に含まれる溶媒を除去する工程とを少なくとも用いて得られるトナーであって、前記乳化乃至分散液を調製する工程において、前記水相中に前記油相を分散させる際に、前記水相及び前記油相の少なくともいずれかが、アクリル樹脂微粒子を含有している請求項1に記載のトナー。
  3. スチレン−アクリル樹脂微粒子の酸価が、150mgKOH/g〜250mgKOH/gである請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. スチレン−アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径が、10nm〜50nmである請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. アクリル樹脂微粒子の酸価が、0mgKOH/g〜20mgKOH/gである請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径が、30nm〜200nmである請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. アクリル樹脂微粒子が、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの少なくともいずれかを構成成分に含み、スチレンを構成成分に含まない架橋樹脂の樹脂微粒子である請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
  8. 有機溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解乃至分散させた油相を調製する工程と、スチレン−アクリル樹脂微粒子を含有する水相を調製する工程と、前記水相中に前記油相を分散させて乳化乃至分散液を調製する工程と、前記乳化乃至分散液に含まれる有機溶媒を除去する工程とを含むトナーの製造方法であって、
    前記乳化乃至分散液を調製する工程において、前記水相中に前記油相を分散させる際に、前記水相及び前記油相の少なくともいずれかが、アクリル樹脂微粒子を含有し、
    形成されるトナーが、前記結着樹脂を含有する芯粒子と、該芯粒子の表面に前記アクリル樹脂微粒子により形成されるシェル層と、該シェル層の外側に前記スチレン−アクリル樹脂微粒子を有し、
    前記結着樹脂が、酸価10mgKOH/g〜30mgKOH/gの未変性ポリエステル樹脂を含有し、
    前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径が、10nm〜50nmであり、酸価が、150mgKOH/g〜250mgKOH/gであり、
    前記スチレン−アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のpHが、2.0〜4.5であり、電気伝導度が、0.5mS/cm〜1.5mS/cmであり、
    前記アクリル樹脂微粒子の体積平均粒径が、30nm〜200nmであり、酸価が、0mgKOH/g〜20mgKOH/gであり、
    前記アクリル樹脂微粒子の10質量%水分散体のpHが、1.5〜4.0であり、電気伝導度が、1.0mS/cm〜2.5mS/cmであることを特徴とするトナーの製造方法。
  9. 電子写真感光体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して前記電子写真感光体に静電潜像を形成する露光工程と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像工程と、該トナー像を中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体に転写されたトナー像を記録媒体に転写する二次転写工程と、前記電子写真感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程とを含み、
    前記トナーが、請求項1から7のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
  10. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
    前記トナーが、請求項1から7のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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