JP2013027334A - コレステロール吸収抑制に有効なコレステロール捕捉剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】コレステロール吸収を抑制する、コレステロール捕捉剤を提供する。
【解決手段】卵白タンパク質であるオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームから選ばれる1種類または2種以上を有効成分として含有し、胆汁酸ミセルに溶解した食事由来のコレステロールを捕捉することでコレステロール吸収を抑制する、コレステロール捕捉剤
【選択図】なし

Description

本発明は、卵白タンパク質であるオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームから選ばれる1種類または2種以上を有効成分として含有し、胆汁酸ミセルに溶解しているコレステロールを捕捉することでコレステロール吸収を抑制する、コレステロール捕捉剤に関する。
食事の欧米化に伴い、脂質の多い食事を摂取する機会が増えたことで、日本では高コレステロール血症の患者が増加している。高コレステロール血症は動脈硬化のリスクを高め、さらには脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性がある。
コレステロールには体内で合成される内因性コレステロールと食事由来の外因性コレステロールがあるが、高コレステロール血症の傾向がある場合は、まずは運動療法と併せて食事からの外因性コレステロール摂取をコントロールする食事療法が行われる。さらに食事療法でも改善されないものについては、肝臓のコレステロール合成酵素を阻害するスタチン系薬剤が用いられる。スタチン系製剤は内因性コレステロールを低下させる高い効果があるが、一方で肝臓への副作用も懸念されるため、食事療法での外因性コレステロール低下による改善が望まれる。
特許文献1には、乾熱処理した乾燥卵白をラットに摂取させた際に血中コレステロール低下作用があることが記載されている。また、特許文献2には、卵白のオボアルブミンに由来するペプチドが肝臓のコレステロール分解酵素の遺伝子を活性化することが記載されている。しかしながら、上記特許文献1、2においては卵白によって外因性コレステロールの吸収量を減らす方法やメカニズムについては示されていなかった。
一方、外因性コレステロールの吸収を減らすものとしては、胆汁酸との結合能が高く胆汁酸を捕捉することができる食物繊維や大豆タンパク質が知られており、近年コレステロールが高めの方への特定保健用食品として認可されている。また、卵白タンパク質であるオボムチンも胆汁酸との結合能が高く、オボムチン存在下では胆汁酸ミセルに溶解するコレステロールがカゼイン存在下と比較して少ないことが示されている(非特許文献1)。
特開2000−16943 特開2007−126369 Lipids,37(3)267−272(2002)
食物繊維や大豆タンパク質はコレステロール低下作用のある食品としては高い効果があったが、それ自体も大部分が吸収されずに排泄されるため、食品としての栄養価としては低いものであった。そこで、コレステロール低下効果を持ちつつも栄養価の高い食品成分が求められていた。
一方、非特許文献1に記載されているオボムチンは、栄養価の高い卵白タンパク質の1種であり、その活用が期待されるが、オボムチンは鶏卵の卵白タンパク質中の3.5%と少量しか含まれておらず、十分な量のオボムチンを卵白から日常的に摂取することは困難であった。
そこで、本発明は、卵白の主要なタンパク質であるオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームを有効成分として、コレステロール吸収を抑制する、コレステロール捕捉剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、卵白タンパク質の中でもオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームから選ばれる1種類または2種以上を有効成分として含有することで、胆汁酸ミセルに溶解したコレステロールを捕捉することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
胆汁酸ミセルに溶解したコレステロールを捕捉するコレステロール捕捉剤であって、卵白タンパク質であるオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームから選ばれる1種類または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする、コレステロール捕捉剤、
である。
本発明は、胆汁酸ミセルに溶解したコレステロールを捕捉することで食事由来の外因性コレステロールの吸収を抑制するコレステロール捕捉剤を提供し、本発明のコレステロール捕捉剤を用いることにより、体内のコレステロール濃度を正常化し、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞等の疾病の予防が期待できる食品や医薬品を製造することができる。
以下本発明を説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
1.コレステロール捕捉剤の作用効果
本発明におけるコレステロール捕捉剤は、胆汁酸ミセルに溶解したコレステロールを吸着する。本コレステロール捕捉剤が胆汁酸ミセルに溶解したコレステロールに吸着することで、食事から摂取したコレステロールの小腸上皮細胞への吸収を阻害する効果が期待できる。
2.コレステロール捕捉剤
本発明のコレステロール捕捉剤は、卵白タンパク質であるオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームから選ばれる1種類または2種以上を有効成分として含有することを特徴とし、胆汁酸ミセルに溶解したコレステロールを捕捉する作用を有する。
2.1.卵白タンパク質
本発明における卵白タンパク質としては、特に限定するものではないが、例えば、殻付卵を割卵分離して得られた卵白液、凍結卵白を解凍した卵白液、これらの卵白液を常法に準じて濃縮した濃縮卵白、さらにこのような卵白液であって熱変性を生じさせない程度に通常行われる方法で加熱殺菌処理を施した卵白液、あるいは熱蔵期間中に生じるメイラード反応を防止するために前処理として通常行われている酵素、酵母、細菌等を利用し脱糖処理を施した卵白液、またはそれらを噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥等の乾燥手段により乾燥させたもの等から抽出、精製すれば良く、あるいは上記卵白液や乾燥物をそのまま用いても良い。
2.2.オボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチーム
本発明における卵白タンパク質は、オボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチーム、から選ばれる1種類または2種以上を有効成分として含有することで、胆汁酸ミセルに溶解したコレステロールを捕捉することができる。オボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームは卵白の主要なタンパク質成分であり、常法によって卵白から分離精製されたものを用いれば良い。
また、コレステロール捕捉効果の点から有効成分中におけるオボアルブミン、オボトランスフェリンの割合が合計で60%以上であることが望ましい。
本発明のコレステロール捕捉剤は、有効成分であるオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームを合計で、好ましくは5〜100重量%、さらに好ましくは10〜90%含有する。
2.3.コレステロール捕捉剤の形態
本発明のコレステロール捕捉剤は、種々の形態(例えば、液状、粉末状、マイクロコロイド状、クリーム状、ペースト状、ゼリー状)を有することができる。乾燥処理は、上記卵白タンパク質に必要に応じデキストリン等の賦形材や清水等の水系媒体を添加後、スプレードライ、フリーズドライ、パンドライ等、任意の方法を採用し乾燥させることが出来る。
本発明のコレステロール捕捉剤は、食品、医薬品、飼料等の配合成分の一つとして使用してもよく、あるいはそのまま食品、医薬品、飼料等として使用してもよい。上記食品や医薬品の態様は特に限定されないが、例えば食品の様態としては、主食である米飯加工食品、製パン類等、副食であるレトルト缶詰、冷凍食品、惣菜、乾燥食品等、マヨネーズ等調味料、飲料、菓子、デザート類、液状,ゲル状またはソフトカプセル状等のサプリメント類等の一般食品全般、生理機能を表現することを許可された特定保健用食品全般を挙げることができ、医薬品としては液剤、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、トローチ剤、内服液剤、チュアブル剤等が挙げられる。
次に、本発明を実施例、比較例および試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〜4,比較例1〜2〕
卵白液を凍結乾燥した後、乳鉢にて粉砕し、乾燥卵白を得た。得られた乾燥卵白をそのまま用い、実施例1のコレステロール捕捉剤とした。なお、乾燥卵白中の卵白タンパク質の組成は、オボアルブミン54%、オボトランスフェリン12%、オボムコイド11%、オボムチン3.5%、リゾチーム3.4%であった。また、上記乾燥卵白からオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームを抽出、含有量90%以上に精製し用い、それぞれ実施例2、実施例3、実施例4とした。さらに、カゼイン(オリエンタル酵母工業(株)製、「カゼイン」)をそのまま用い、比較例1とした。また、上記乾燥卵白から抽出、精製したオボムコイドを用い、比較例2とした。
〔試験例〕胆汁酸ミセルからのコレステロール捕捉効果評価試験
1.胆汁酸ミセルの調製
50μMコレステロール(和光純薬工業(株)製、「コレステロール標準品」)、0.6mMホスファチジルコリン(キユーピー(株)製、PC-98N)、1.0mMオレイン酸(和光純薬工業(株)製、「オレイン酸」)、0.5mMモノオレイン(シグマアルドリッチジャパン(株)製、「monoolein」)に132mM塩化ナトリウム−15mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)に溶解した6.6mMタウロコール酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、「タウロコール酸ナトリウム」)を添加し、超音波ホモゲナイザー(US−150T、日本精機(株))により150Wで10分間超音波処理を行うことにより胆汁酸ミセルを調整した。なお、胆汁酸ミセルは調整後37℃にて24時間インキュベートすることにより、胆汁酸ミセルを安定化させた。
2.コレステロール捕捉剤の人工消化液へのインキュベート
本評価試験では、体内での消化酵素による影響を再現するため、コレステロール捕捉剤の人工消化液へのインキュベートを行う。
上記コレステロール捕捉剤各10gに人工胃液400mL(0.1%ペプシンを含む100mM塩化カリウム溶液を塩酸でpH2.0に調整したもの)を添加し、37℃で24時間インキュベートした。その後、1Mの水酸化カリウムでpH7.0に調整後、凍結乾燥および粉砕した。
3.コレステロール捕捉剤と胆汁酸ミセルのインキュベート
6mL容チューブ((株)アシスト製)に、上記調整した胆汁酸ミセル3mLと上記凍結乾燥後のコレステロール捕捉剤を5mg/mLとなるように添加し、37℃で胆汁酸ミセルとコレステロール捕捉剤を1時間インキュベートした。その後、0.2μmのシリンジフィルター(DISMIC-25cs、アドバンテック東洋(株)製)を通し、ろ液を回収した。
4.胆汁酸ミセル中コレステロール量の抽出
0.2μmのフィルターを通過したろ液からfolch法によりコレステロールを抽出し、胆汁酸ミセルに溶解していたコレステロール量を測定した。
5.コレステロール量の測定
抽出したコレステロールの量は5αコレスタンを内部標準物質とし、ガスクロマトグラフ(G−5000形、日立ガスクロマトグラフ)を用いて測定した。なお、測定条件は、ジーエルサイエンス(株)製カラムG-205
40mを用い、インジェクション温度280℃、ディテクト温度300℃、昇温2℃/分で行った。
6.コレステロール量の算出
ガスクロマトグラフにより得られたコレステロール量の測定結果から、胆汁酸ミセル中コレステロール残存率を算出した。
なお、コレステロール捕捉剤を作用させる前の胆汁酸ミセル中のコレステロール含量を100%として、胆汁酸ミセル中に残存していたコレステロールの割合を残存率として算出した。結果を表1に示す。
Figure 2013027334
表1に示すように、乾燥卵白(オボアルブミンとオボトランスフェリンの含有量合計が66%)(実施例1)、オボアルブミン(実施例2)、オボトランスフェリン(実施例3)、リゾチーム(実施例4)の作用により、胆汁酸ミセル中のコレステロール量が減少していた。
一方、カゼイン(比較例1)、オボムコイド(比較例2)の作用は胆汁酸ミセル中のコレステロール量に大きな変化を及ぼさなかった。

Claims (1)

  1. 胆汁酸ミセルに溶解したコレステロールを捕捉するコレステロール捕捉剤であって、卵白タンパク質であるオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチームから選ばれる1種類または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする、コレステロール捕捉剤。
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