JP2013024986A - プロキシミティ露光装置及びそのマスク保持機構 - Google Patents

プロキシミティ露光装置及びそのマスク保持機構 Download PDF

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Abstract

【課題】 マスクが大型化しても、基板との間で高い精度の平行度を維持してマスクを保持して高い精度での露光を可能とするプロキシミティ露光装置とマスク保持機構を提供する。
【解決手段】 プロキシミティ露光装置のマスク保持機構を構成するホルダフレーム21は、その各辺から開口部内に突出して取り付けられた複数の突出部212と、突出部に取り付けられた複数の空気ばね23と、空気ばねを介して突出部に搭載されたマスクホルダに対し、3又は4箇所で、マスクを基板の表面に対して所定の微小ギャップで平行に配置する調整力を付与するチルト駆動モータ22を備えており、そして、複数の空気ばねの少なくとも一部は、当該空気ばねの内部圧力を調整するためのコンプレッサやアキュムレータや制御バルブ233からなる調整機構を備えている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造においてプロキシミティ方式を用いて基板の露光を行うプロキシミティ露光装置に関し、更には、特に、かかる装置において基板に対して高い精度で平行度を維持しながらマスクを保持するためのマスク保持機構に関する。
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基板やカラーフィルタ基板、更には、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基板等の製造は、一般に、露光装置を用いたフォトリソグラフィー技術によって基板上に所定のマスクパターンを形成することにより行われる。なお、従来、かかる露光装置としては、レンズ又は鏡を用いてフォトマスク(以下、「マスク」と称す)のパターンを基板上に投影するプロジェクション方式と、そして、マスクと基板との間に微小な隙間(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ方式が、既に、知られている。特に、プロキシミティ方式(即ち、プロキシミティ露光装置)は、一般に、プロジェクション方式に比べてそのパターン解像性能は劣るが、他方、照射光学系の構造が簡単であり、かつ、処理能力が高いことから、特に、量産向けの用途に適している。
ところで、プロキシミティ露光装置では、マスクを基板に対して高い平行度で保持する必要があるため、マスクの重力による撓みを小さくすることが重要である。特に、近年においては、表示用パネルの大画面化が著しく、それに伴い、基板やマスクも大型化しており、そのため、マスクの重力による撓みが大きくなってきているが、一方において、露光時に要求されるパターンの焼付け精度は従来と同等である。そこで、マスクが大型化しても、当該マスクの重力による撓みを抑制する技術が強く求められている。
そこで、従来、例えば、以下の特許文献1によれば、マスクの上面に負圧室を設け、そして、マスクに単位面積当たりの質量を相殺する負圧をかけることによって、マスクの撓みを抑制する技術が提案されている。
特開2003−131388号公報
しかしながら、上述したプロキシミティ露光装置では、マスクと基板間に微小な隙間を形成して露光を行っており、そのため、上述したマスクの撓みを抑制する技術に加え、更に、露光精度の向上のためには、撓みを抑制したマスクを、基板との間の距離を均一に維持しながら保持する、即ち、高い精度の平行度で保持することが重要となっている。
これは、例えば、マスクの重力による撓みを抑制することが出来たとしても、基板との間の隙間を均一にして高い精度の平行度を保たないと、パターンの焼付け精度は向上しないことによる。そのため、従来、例えば、チルト駆動モータによりマスクホルダのZ軸制御を行い、もって、マスクを基板に対して平行に、即ち、高い精度の平行度で保持することが行われていた。
しかしながら、上述したマスクの大型化によれば、チルト駆動モータにかかる負荷が大きくなる。そのため、かかる課題を解消するため、例えば、空気ばねを用いてマスクホルダを保持し、そして、チルト駆動モータによりマスクホルダを押し付けることによって、マスクと基板との間の平行度を維持することが行われていた。
しかしながら、上述した従来技術になるマスクの保持機構によれば、マスクと基板との間の隙間(ギャップ)を調整するのはチルト駆動モータであることから、その調整精度は、当該チルト駆動モータの精度に依存することとなり、マスクと基板との間の平行度を、必ずしも十分な精度で維持することが出来なかった。
そこで、本発明では、上述した従来技術における問題点に鑑み、即ち、マスクの大型化によっても、基板との間で高い精度の平行度を維持してマスクを保持することが可能であり、もって、高い精度での露光を可能とするプロキシミティ露光装置、更には、そのためのマスク保持機構を提供することをその目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明によれば、まず、受け渡し位置において、プロキシミティ露光を行う基板を保持面上に固定して保持するためのチャックと、露光位置において、露光光を照射するための照射光学系と、前記チャックを、その保持面上に固定・保持した前記基板と共に、前記受け渡し位置から前記露光位置に移動するステージと、所定のマスクパターンが形成されたマスクを取り付けたマスクホルダを保持し、前記チャックの保持面上に保持した前記基板の表面に前記マスクを近接して配置するためのホルダフレームとを備え、前記チャック上に保持した前記基板を前記受け渡し位置から前記露光位置へ移動し、もって、プロキシミティ露光を行うプロキシミティ露光装置において、前記ホルダフレームは、前記マスクホルダを搭載するための空気ばねを複数備えており、当該空気ばねに搭載した前記マスクホルダの複数の箇所には、前記基板に対する前記マスクのチルトと共に、当該基板と当該マスクとの間のギャップをも調整するための複数のチルト駆動モータを備え、かつ、前記複数の空気ばねの一部には、当該空気ばねの内部圧力を調整するための調整機構を備えているプロキシミティ露光装置が提供される。
なお、本発明では、前記に記載したプロキシミティ露光装置において、前記ホルダフレームは、更に、前記マスク表面の複数の位置において、前記基板との間のギャップを測定するための手段を備えていることが好ましい。
また、本発明によれば、やはり上述した目的を達成するため、所定のマスクパターンが形成されたマスクを、プロキシミティ露光を行う基板の表面に対し、所定の微小ギャップを介して平行対向して配置するプロキシミティ露光装置のためのマスク保持機構であって、前記マスクを周辺部において保持するための枠状のマスクホルダと、前記マスクを保持した前記マスクホルダを開口空間内に搭載すると共に、当該マスクホルダの位置、及び、その傾斜を調整することが可能な枠構造のホルダフレームとを備えたものにおいて、前記ホルダフレームは、その各辺から前記開口部内に突出して取り付けられた複数の突出部と、当該突出部に取り付けられた複数の空気ばねと、前記突出部に前記空気ばねを介して搭載された前記マスクホルダに対し、複数の箇所で、前記マスクを基板の表面に対して所定の微小ギャップで平行に配置するためのチルト駆動モータを備えており、前記複数の空気ばねの少なくとも一部は、当該空気ばねの内部圧力を調整するための調整機構を備えているマスク保持機構が提供される。
なお、本発明では、前記に記載したマスク保持機構において、前記チルト駆動モータは3個設けられており、かつ、1個のチルト駆動モータは、前記ホルダフレームを構成する枠構造の一辺の略中央部に配置されていると共に、他の2個のチルト駆動モータは、前記一辺の枠構造に対向する他辺の枠構造の略両端部に配置されていることが好ましく、又は、前記チルト駆動モータは4個設けられており、かつ、2個のチルト駆動モータは、前記ホルダフレームを構成する枠構造の一辺の略両端部に配置されていると共に、他の2個のチルト駆動モータは、前記一辺の枠構造に対向する他辺の枠構造の略両端部に配置されていることが好ましい。或いは、前記空気ばねの内部圧力を調整するための前記調整機構は、前記空気ばねを構成するベローズの内部に高圧の空気を供給する手段と共に、当該ベローズ内部の高圧空気を外部に排出するための圧制御バルブとを含んでいてもよい。
即ち、本発明では、マスクホルダを保持している空気ばねは、圧力を一定に保ち、マスクの振動を抑制している。マスクと基板の平行度を均一にするため、チルト駆動モータでZ軸を制御し、補正を行っているが、マスクと基板の平行度の補正をチルト駆動モータのみでなく、空気ばねの圧力を制御することにより、チルト駆動モータの負荷軽減や平行度の補正向上が得られるため、空気ばねの圧力制御を行う必要がある。
そこで、本発明になるプロキシミティ露光装置では、受け渡し位置で基板をチャックに搭載し、基板を搭載したチャックを受け渡し位置からマスクの下の露光位置へ移動し、露光位置において、マスクと基板とのギャップ量合わせを行って、マスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ露光装置において、チャックを受け渡し位置から露光位置へ移動するステージと、ステージを駆動する駆動手段、マスクホルダに設置されている検出系で、マスクと基板との位置を検出する検出手段、その検出によりチャックの位置制御手段、マスクと基板のギャップ量を検出する検出手段、その検出されたギャップ量からマスクホルダのZ軸を補正するチルト駆動モータの駆動手段及び空気ばねの駆動手段は、基板を搭載したチャックを受け渡し位置から露光位置へ移動したとき、検出系の結果に基づいて、マスクと基板の平行度補正を行うものである。
上述した本発明になるプロキシミティ露光装置及びそのマスク保持機構によれば、基板を搭載したチャックを受け渡し位置から露光位置へ移動した時、マスクと基板との間のギャップ量を検出し、そして、この検出したギャップ量の検出により、マスクと基板との平行度の補正をチルト駆動モータで行うが、この時、チルト駆動モータだけでなく、更に、マスクホルダを保持している空気ばねの圧力を制御することにより、より安定的かつ精密(微細)に平行度を補正することを可能にする。これにより、基板を搭載したチャックを受け渡し位置から露光位置へ移動した時、マスクと基板との間の平行度を安定的に一定にすることにより、露光精度を向上することが可能となる。
本発明の一実施の形態になるプロキシミティ露光装置の概略構成を示す側面図である。 上記プロキシミティ露光装置の概略構成を示す上面図である。 上記プロキシミティ露光装置におけるマスクとマスクホルダの詳細構造を示す斜視図である。 上記プロキシミティ露光装置におけるホルダフレームの詳細構造を示す上面図である。 上記プロキシミティ露光装置におけるホルダフレームの詳細構造を示す斜視図である。 上記ホルダフレームの詳細構造を示すための、一部拡大断面図(図5のA−A断面)である。 上記プロキシミティ露光装置におけるギャップ検出系の検出原理を示すための構造図と出力波形図である。 上記プロキシミティ露光装置におけるマスクの変形例の構造を示す斜視図である。 上記プロキシミティ露光装置を液晶ディスプレイ装置用のTFT基板の製造工程に適用した場合のフローチャートである。 上記プロキシミティ露光装置を液晶ディスプレイ装置用のカラーフィルタ基板の製造工程に適用した場合のフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態になるプロキシミティ露光装置とそのマスク保持機構について、添付の図面を参照しながら、詳細に説明を加える。
まず、図1は、本発明の一実施の形態になるプロキシミティ露光装置の概略構成を示すための側面図であり、図2は、当該プロキシミティ露光装置の上面図である。即ち、プロキシミティ露光装置は、その上面に、例えば、ガラス板からなる基板1を固定して保持するためのチャック10、当該チャック10を所望の位置に移動するためのステージベース11(このステージベースは、更に、ベース11a、11b、Xガイド13、Xステージ14、Yガイド15、Yステージ16、θステージ17を含む)、チャック支持台19、プロキシミティ露光を行うための、上記基板1との間に微小な隙間を形成してマスク2を保持するマスクホルダ20を含んで構成されている。なお、マスク2には、プロキシミティ露光により基板1の表面に所定のパターンを形成するための所定形状の開口部が、多数、形成されている。なお、プロキシミティ露光装置は、これらの他に、ここでは図示しないが、露光光を照射するための照射光学系、上記基板1を搬入するための搬入ユニット、上記基板1を搬出するための搬出ユニット、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えている。
なお、これらの図において、装置内において、基板1の露光を行う露光位置の上方には、マスク2を保持するマスクホルダ20が設置されている。このマスクホルダ20は、例えば、添付の図3にも示すように、マスク2の周辺部を取り囲む枠状の形状を有すると共に、その内部に真空を導くための溝201が形成され、その下面側に開口が形成されており、そのため、マスクホルダ20は、その枠体の下面に、上記マスク2の上面の周辺を真空吸着することにより固定・保持する構造となっている。
更に、上記の図1において、マスクホルダ20に保持されたマスク2の上方には、図示しない照射光学系が配置されている。即ち、露光時においては、上記照射光学系からの露光光がマスク2を透過して基板1の表面上へ照射されることにより、マスク2に形成された所定のパターンが上記基板1の表面に転写され、もって、基板1上にパターンが形成されることは従来と同様である。
加えて、上記の図1において、マスクホルダ20の下方には、ステージベース11が配置されている。このステージベース11は、複数の位置に分離されて配置されており、本例では、2つのベース11a、11bにより構成されている。また、このステージベース11上には、X方向へ伸びるXガイド13が設けられている。これにより、チャック10は、後述するXステージ14上で、Xガイド13に沿って、ベース11a上に形成された「受け渡し位置」と、そして、ベース11b上に形成された「露光位置」との間を、交互に、移動する。なお、これらの図1及び図2では、チャック10が「受け渡し位置」にある状態を示している。また、基板1は、ベース11a上の受け渡し位置において、図示しない搬入ユニットによりチャック10上へ搭載された状態で示されているが、露光が完了した後には、図示しない搬出ユニットにより、上記チャック10上から回収されることは、当業者であれば明らかあろう。なお、このチャック10は、基板1をその表面上に、真空吸着により固定・保持する。
また、上記のチャック10は、チャック支持台19を介してθステージ17上に搭載されており、かつ、このθステージ17の下にはYステージ16及びXステージ14が設けられている。なお、このXステージ14は、ステージベース11上に設けられたXガイド13の上に搭載されており、それ故、当該Xガイド13に沿ってX方向へ移動可能である。このXステージ14上には、更に、Y方向(図1の図面奥行き方向)へ伸びるYガイド15が設けられており、Yステージ16は、上記Xステージ14に設けられたYガイド15上に搭載されており、もって、Yガイド15に沿ってY方向へ移動可能となっている。そして、θステージ17は、Yステージ16に搭載され、θ方向へ回転する。チャック支持台19は、θステージ17に搭載され、チャック10を支持する。
即ち、上述の構成において、Xステージ14のX方向への移動により、チャック10は、ベース11a上の「受け渡し位置」とベース11b上の「露光位置」との間を移動される。また、ベース11b上の「露光位置」において、Xステージ14のX方向への移動及びYステージ16のY方向への移動により、チャック10に保持された基板1のXY方向へのステップ移動が行われる。
また、ベース11b上の「露光位置」において、マスク2と基板1のギャップ(隙間)をギャップ検出器24を含むギャップ検出系で計測し、チルト駆動モータ22や空気ばね23の圧力により、マスク2と基板1との平行度の補正を行う。そして、アライメント検出器25を含むアライメント検出系により、マスク2と基板1の位置を計測し、Xステージ14のX方向への移動、Yステージ16のY方向への移動、及び、θステージ17のθ方向への回転を行うことにより、露光時における基板1をマスクに対して位置決めする。
<ホルダフレーム>
続いて、添付の図4及び図5には、上述したマスクホルダ20をZ方向に調整可能に保持することにより、当該マスクホルダ20に保持されたマスク2を、上記チャック10の表面上に固定・保持した基板1に対してその間のギャップ(隙間)を均一に維持しながら、即ち、高い精度で平行度を維持しながら、保持するための機構である、所謂、ホルダフレーム21の詳細を示す。なお、この図4は、当該ホルダフレーム21の上面図であり、そして、図5は、その斜視図である。
これらの図からも明らかなように、ホルダフレーム21は、4つの辺部から構成され、その中央部には、上記マスクホルダ20の外形よりも僅かに大きな寸法の開口空間を有する、所謂、枠状の外形を有している(尚、図4には、マスクホルダ20の外形を破線で示す)。そして、各枠を構成する各辺部の内側面には、それぞれ、複数(本例では2個)の突出部212、212が、内側(開口空間側)に突出して設けられており、これら突出部212、212の上には、各々、空気ばね(エアクッション)23、23が取り付けられている。即ち、当該ホルダフレーム21では、合計8個の空気ばね(エアクッション)23が内側(開口空間側)に突出して取り付けられており、上記のマスクホルダ20(上記の図3を参照)は、これらの空気ばね(エアクッション)23の上に搭載されている。
また、ホルダフレーム21は、更に、その上面に沿って、合計3個のチルト駆動モータ22を備えている。なお、これら3個のチルト駆動モータ22のうち、1個のチルト駆動モータ22は、例えば、上記枠形状の一辺を形成する辺の略中央部に取り付けられており、そして、残りの2個のチルト駆動モータ22、22は、上記一辺に対向する他辺に沿って、その略両端部の近傍に取り付けられている。即ち、かかる構成によれば、ホルダフレーム21の開口空間において、8個の空気ばね(エアクッション)23の上に保持されたマスクホルダ20は、これらの空気ばね(エアクッション)23の上方でその位置を上下に調整可能な状態で保持されることとなる。そして、上記3個のチルト駆動モータ22により、上述した3点において、上記空気ばねに対向する方向(本例の場合には、下方。図5の矢印を参照)に押し付け力を加えることによれば、マスク2を、上記チャック10上に固定した基板1に対し、その間のギャップ(隙間)を均一に維持すると共に、その傾斜(チルト)をも同時に調整することが可能となる。即ち、マスク2を、基板1に対して高い精度で平行度を維持しながら、所望のギャップ(隙間)で保持することが可能となる。
なお、添付の図6には、上記ホルダフレーム21に対してマスクホルダ20を搭載した状態における、特に、その一部であるチルト駆動モータ22、空気ばね(エアクッション)23、更には、マスクホルダ20とその下面に保持されたマスク2の状態が、その他の詳細構造をも含め、即ち、上記図5における一点鎖線A−Aの方向で見た場合の一部断面を含む側面図により示している。
上述した図5及び図6からも明らかなように、マスクホルダ20の一方の辺では、その両端部が2個の空気ばね(エアクッション)23の上に保持されると共に、その略中央部では、1個のチルト駆動モータ22からの押圧力をその上面で受けた状態で保持されている。また、マスクホルダ20の他方の辺では、ここでは図示しないが、同様に、その両端部を2個の空気ばね23の上に保持され、そして、その両端部では、2個のチルト駆動モータ22、22からの押圧力をその上面で受けた状態で保持されている。
また、図6において、符号221は、チルト駆動モータ22をホルダフレーム21に取り付けるための部材であり、符号222は、当該チルト駆動モータ22の回転軸であり、その周囲にはボールねじが形成されている。そして、このボールねじと螺合したナットを含んだ昇降ブロック223が、更に設けられており、当該昇降ブロック223は、ホルダフレーム21に形成したガイド部211に沿って、上下に駆動可能となっている。また、図中の符号224は、上記昇降ブロック223の下端面に回動自在に取り付けられているボールであり、もって、上記チルト駆動モータ22からの押圧力をマスクホルダ20の上面に伝える。そして、上記チルト駆動モータ22は、モータ制御部225により、その回転が制御されており、その回転出力が上記ボールねじとナットにより押圧力に変換され、昇降ブロック223を介して、マスクホルダ20の上面に付与されている。
他方、空気ばね(エアクッション)23を構成するベローズの内部空間には、内部の高圧空気の圧力を調整するための調整機構として、例えば、コンプレッサ231やアキュムレータ232や制御バルブ233等が設けられており、これらコンプレッサ231やアキュムレータ232からの高圧の空気が、制御バルブ233を介して供給される。その結果、空気ばね(エアクッション)23を構成する当該ベローズ内部の空気の圧力は、上記制御バルブ233により、適宜、制御可能となっている。
即ち、上記にその詳細な構成を説明したホルダフレーム21によれば、その空気ばね(エアクッション)23の上にマスクホルダ20を搭載して保持した後、当該マスクホルダ20上の3点に設けられたチルト駆動モータ22により、昇降ブロック223を、それぞれ、降下させ、もって、マスクホルダ20に保持されたマスク2を、上記チャック10の表面上に固定・保持した基板1に対して、その間のギャップ(隙間)を均一に維持しながら、即ち、平行度を維持しながら保持することが可能となる。
なお、その際、上記チルト駆動モータ22により昇降ブロック223の昇降を制御するだけではなく、更に、その近傍に設けられた空気ばね(エアクッション)23に供給される空気の圧力を、例えば、上記コンプレッサ231や制御バルブ233を介して制御することによれば、マスク2を基板1に対して、より高い精度で平行度を維持しながら保持することが可能となる。
より詳細には、上記チルト駆動モータ22として、例えば、パルスモータ等を使用することによれば、その回転を制御して昇降ブロック223の昇降を制御してマスクの基板に対する位置を調整することは可能であるが、しかしながら、その精度は、当該モータの分解能に依存することとなり、そのため、必ずしも十分に高い精度で調整することは難しい。そこで、本発明では、上記のチルト駆動モータ22に加え、更に、その近傍に設けられた空気ばね(エアクッション)23の圧力を制御することによって、更に微細な位置調整を達成しようとするものである。即ち、空気ばね23による押上力を、そのベローズ内部の空気圧力を制御することにより、チルト駆動モータだけでは達成不可能な、より高い精度での調整を可能とし、これにより、基板1に対し、より高い精度で平行度を調整・維持することが可能となる。
<ギャップ検出系>
続いて、既に上記図4でその概要を示したが、マスク2と基板1との間のギャップ(隙間)を計測するためのギャップ検出系24の構成及びその原理について、以下に説明する。即ち、添付の図7(A)に示すように、このギャップ検出系24は、マスク2の上方において互い対向するように配置されたLED241と、例えば、CCDリニアイメージセンサからなる検出器242を備えている。LED241は、そのスリット光をマスク2の上方から所定の角度で入射し、他方、検出器242は、当該マスクの下面で反射した光(マスク下面反射光)、マスクを透過して基板1の上面で反射した光(基板上面反射光)、そして、基板の下面で反射した光(基板下面反射光)を検出する。
図7(B)は、上述したギャップ検出系24における検出器242、即ち、CCDリニアイメージセンサの出力波形(CCD波形)が示されており、その横軸には当該リニアセンサを構成する各CCDの位置が、そして、その縦軸には、各CCDの出力である光の強さ(明暗)が、下に向かってが示されている。そこで、図にも示すように、上記CCDリニアイメージセンサの出力から、その出力の大きな(明るい)位置から、上述した「マスク下面反射光」、「基板上面反射光」、及び、「基板下面反射光」を求め、そして、「マスク下面反射光」と「基板上面反射光」との間の距離(プロキシミティギャップ)から、マスク2と基板1との間のギャップ(隙間)を計測する。なお、検出器242は、「マスク下面反射光」と「基板上面反射光」を検出するように配置しても良い。
<変形例>
以上に述べた実施例では、マスクホルダ20に保持されたマスク2を基板1に対してその間のギャップ(隙間)を均一に維持しながら保持するための機構である、ホルダフレーム21には、空気ばね(エアクッション)23上に保持されたマスクホルダ20を下方に向かって押圧するため、合計3個のチルト駆動モータ22が設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されることなく、例えば、当該ホルダフレーム21に、合計4個のチルト駆動モータ22を設けてもよい。その場合には、添付の図8にも示すように、当該4個のチルト駆動モータ22により、ホルダフレーム21を、例えば、その上辺と下辺の両端部付近において、下方に向かう押圧力を発生する。
加えて、上記チルト駆動モータ22の近傍に設けられた空気ばね(エアクッション)23の押上力、即ち、そのベローズ内部の空気圧力の制御は、全てのチルト駆動モータ22の近傍に設けられた空気ばね(エアクッション)23に対して行ってもよく、又は、その一部だけに行ってもよい。例えば、一部の空気ばね(エアクッション)23にだけ圧力制御を行う場合には、特に、上記の図5に示す例では、一の辺の中央部に1個だけ設けられたチルト駆動モータ22の近傍の設けられた一対の空気ばね(エアクッション)23、23の空気圧だけを制御し、又は、他の辺の両端部に設けられた2個のチルト駆動モータ22に近接した2個の空気ばね(エアクッション)23、23の空気圧だけを制御してもよい。又は、他の辺の両端部に設けられた2個のチルト駆動モータ22の一方に近接した1個の空気ばね(エアクッション)23の空気圧だけを制御するようにしてもよい。このように、チルト駆動モータ22に対応してその空気圧を制御する空気ばね(エアクッション)23の数を低減することによれば、空気圧を制御するために必要となる上述した構成が不要となることから、経済的に有利となる利点を有する。
以上に詳細を説明した実施の形態によれば、ギャップ検出系24やアライメント検出系25により、マスク2と基板1の位置や平行度をギャップ検出系24で計測しながら、マスク2を保持しているマスクホルダ20のZ軸調整をチルト駆動モータ22のみでなく、更には、マスクホルダ20を保持している空気ばね23の圧力を制御することにより、特に、マスク2と基板1との平行度の補正を行う際、チルト駆動モータ22の負荷を低減することができると共に、空気ばね23の圧力制御によって、より精密(微細)なマスクホルダ20の傾斜を含めた基板1表面に対するギャップ(隙間)制御が可能となる。
さらに、以上に説明した実施の形態によれば、マスク2と基板1との平行度の補正を、チルト駆動モータ22及び空気ばね23の圧力で制御することによれば、チルト駆動モータ22のみでの平行度補正方法に比較して、マスク2と基板1との平行度の補正精度が向上され、それに伴い、基板1への露光精度を向上することが可能となる。
即ち、本発明のプロキシミティ露光装置を用いて基板1の露光を行い、又は、本発明のマスク保持機構を用いて、基板を搭載したチャック10を受け渡し位置11aから露光位置11bへ移動し、マスク2と基板1の平行度補正を行い、基板1の露光を行うことによれば、露光精度を大幅に向上することができる。
また、本発明のプロキシミティ露光装置、又は、本発明のマスク保持機構を、例えば、液晶ディスプレイ装置用のTFT基板の製造工程に適用した場合のフローチャートを、添付の図9に示す。
この場合、図9において、薄膜形成工程(ステップ101)では、スパッタ法やプラズマ化学気相成長(CVD)法等により、基板上に液晶駆動用の透明電極となる導電体膜や絶縁体膜等の薄膜を形成する。レジスト塗布工程(ステップ102)では、ロール塗布法等により感光樹脂材料(フォトレジスト)を塗布して、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜上にフォトレジスト膜を形成する。露光工程(ステップ103)では、プロキシミティ露光装置や投影露光装置等を用いて、マスクパターンをフォトレジスト膜に転写する。現像工程(ステップ104)では、シャワー現像法等により現像液をフォトレジスト膜上に供給して、フォトレジスト膜の不要部分を除去する。エッチング工程(ステップ105)では、ウェットエッチングにより、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜のうち、フォトレジスト膜でマスクされていない部分を除去する。剥離工程(ステップ106)では、エッチング工程(ステップ105)でのマスクの役目を終えたフォトレジスト膜を、剥離液によって剥離する。これらの各工程の前又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。これらの工程を数回繰り返して、基板上にTFTアレイが形成される。
また、図10は、本発明のプロキシミティ露光装置、又は、マスク保持機構を、液晶ディスプレイ装置用のカラーフィルタ基板の製造工程に適用した場合のフローチャートである。ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)では、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離等の処理により、基板上にブラックマトリクスを形成する。着色パターン形成工程(ステップ202)では、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法等により、基板上に着色パターンを形成する。この工程を、R、G、BやR、G、B、Yの着色パターンについて繰り返す。保護膜形成工程(ステップ203)では、着色パターンの上に保護膜を形成し、透明電極膜形成工程(ステップ204)では、保護膜の上に透明電極膜を形成する。これらの各工程の前、途中又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。
即ち、図9に示したTFT基板の製造工程では、露光工程(ステップ103)において、図10に示したカラーフィルタ基板の製造工程では、着色パターン形成工程(ステップ202)の露光処理において、本発明になるプロキシミティ露光装置、又は、マスク保持機構を適用することができる。
上述した本発明のプロキシミティ露光装置及びそのマスク保持機構によれば、マスクと基板との間の平行度の補正を、チルト駆動モータと共に、更に、空気ばねの圧力で制御することにより行うことから、平行度の補正をより精密かつ均一に実行することができ、もって、露光精度を向上することが可能となる。加えて、空気ばねの圧力を制御することにより、マスクホルダのZ軸を制御しているチルト駆動モータへの負荷を低減することが可能となる。
1…基板、2…マスク、10…チャック、11…ステージベース、13…Xガイド、14…Xステージ、15…Yガイド、16…Yステージ、17…θガイド、19…チャック支持台、20…マスクホルダ、21…ホルダフレーム、22…チルト駆動モータ、23…空気ばね、233…制御バルブ、24…ギャップ検出器。

Claims (6)

  1. 受け渡し位置において、プロキシミティ露光を行う基板を保持面上に固定して保持するためのチャックと、
    露光位置において、露光光を照射するための照射光学系と、
    前記チャックを、その保持面上に固定・保持した前記基板と共に、前記受け渡し位置から前記露光位置に移動するステージと、
    所定のマスクパターンが形成されたマスクを取り付けたマスクホルダを保持し、前記チャックの保持面上に保持した前記基板の表面に前記マスクを近接して配置するためのホルダフレームとを備え、前記チャック上に保持した前記基板を前記受け渡し位置から前記露光位置へ移動し、もって、プロキシミティ露光を行うプロキシミティ露光装置において、
    前記ホルダフレームは、前記マスクホルダを搭載するための空気ばねを複数備えており、当該空気ばねに搭載した前記マスクホルダの複数の箇所には、前記基板に対する前記マスクのチルトと共に、当該基板と当該マスクとの間のギャップをも調整するための複数のチルト駆動モータを備え、かつ、当該複数の空気ばねの一部には、前記空気ばねの内部圧力を調整するための調整機構を備えていることを特徴とするプロキシミティ露光装置。
  2. 前記請求項1に記載したプロキシミティ露光装置において、前記ホルダフレームは、更に、前記マスク表面の複数の位置において、前記基板との間のギャップを測定するための手段を備えてことを特徴とするプロキシミティ露光装置。
  3. 所定のマスクパターンが形成されたマスクを、プロキシミティ露光を行う基板の表面に対し、所定の微小ギャップを介して平行対向して配置するプロキシミティ露光装置のためのマスク保持機構であって、
    前記マスクを周辺部において保持するための枠状のマスクホルダと、
    前記マスクを保持した前記マスクホルダを開口空間内に搭載すると共に、当該マスクホルダの位置、及び、その傾斜を調整することが可能な枠構造のホルダフレームとを備えたものにおいて、
    前記ホルダフレームは、
    その各辺から前記開口部内に突出して取り付けられた複数の突出部と、
    当該突出部に取り付けられた複数の空気ばねと、
    前記空気ばねを介して前記突出部に搭載された前記マスクホルダに対し、複数の箇所で、前記マスクを基板の表面に対して所定の微小ギャップで平行に配置するためのチルト駆動モータを備えており、
    前記複数の空気ばねの少なくとも一部は、当該空気ばねの内部圧力を調整するための調整機構を備えていることを特徴とするマスク保持機構。
  4. 前記請求項3に記載したマスク保持機構において、前記チルト駆動モータは3個設けられており、かつ、1個のチルト駆動モータは、前記ホルダフレームを構成する枠構造の一辺の略中央部に配置されていると共に、他の2個のチルト駆動モータは、前記一辺の枠構造に対向する他辺の枠構造の略両端部に配置されていることを特徴とするマスク保持機構。
  5. 前記請求項3に記載したマスク保持機構において、前記チルト駆動モータは4個設けられており、かつ、2個のチルト駆動モータは、前記ホルダフレームを構成する枠構造の一辺の略両端部に配置されていると共に、他の2個のチルト駆動モータは、前記一辺の枠構造に対向する他辺の枠構造の略両端部に配置されていることを特徴とするマスク保持機構。
  6. 前記請求項3に記載したマスク保持機構において、前記空気ばねの内部圧力を調整するための前記調整機構は、前記空気ばねを構成するベローズの内部に高圧の空気を供給する手段と共に、当該ベローズ内部の高圧空気を外部に排出するための圧制御バルブとを含んでいることを特徴とするマスク保持機構。
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