JP2013024557A - 電子線照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 窓部材及び窓枠体が高温になるのを抑制することができる電子線照射装置を提供する。
【解決手段】 電子線照射装置1は、電子線EBを発生する電子銃40と、電子銃40が発生した電子線EBを入射させる入射側開口部33a、及び電子線EBを出射させる出射側開口部33bが設けられた走査管33と、出射側開口部33bに配置された電子線透過ユニット50と、を備えている。電子線透過ユニット50は、出射側開口部33bに取り付けられた窓枠体50Aと、窓枠体50Aの内側に配置され、走査管33の内側を通過した電子線EBを透過させる窓部材55と、を有している。窓枠体50Aの熱伝導率は、走査管33の熱伝導率以上となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子線照射装置に関する。
従来の電子線照射装置として、真空引きされるチャンバと、チャンバ内に配置された電子銃と、チャンバに取り付けられた電子線透過ユニットと、を備えるものが知られている(例えば特許文献1参照)。このような電子線照射装置では、電子銃が発生した電子線がチャンバ内から電子線透過ユニットの窓部材を透過して外部に出射する。
特開2008−128977号公報
上述したような電子線照射装置においては、連続動作時に、窓部材、及び窓部材を支持する窓枠体が高温になるのをより一層抑制することが望まれている。これは、窓部材及び窓枠体が高温になると、窓部材の劣化が早まるばかりか、各部を気密にシールするシール部材等の劣化も早まるからである。
本発明は、窓部材及び窓枠体が高温になるのを抑制することができる電子線照射装置を提供することを目的とする。
本発明の電子線照射装置は、電子線を発生する電子銃と、電子銃が発生した電子線を入射させる入射側開口部、及び電子線を出射させる出射側開口部が設けられた走査管と、出射側開口部に配置された電子線透過ユニットと、を備え、電子線透過ユニットは、出射側開口部に取り付けられた窓枠体と、窓枠体の内側に配置され、走査管の内側を通過した電子線を透過させる窓部材と、を有し、窓枠体の熱伝導率は、走査管の熱伝導率以上となっている。
この電子線照射装置では、窓枠体の熱伝導率が走査管の熱伝導率以上となっているため、窓枠体から走査管に効率良く熱が伝播することになる。よって、この電子線照射装置によれば、窓部材及び窓枠体が高温になるのを抑制することができる。
また、窓枠体の外表面には、窓枠体の内部よりも熱放射率の高い第1の放熱膜が設けられていてもよい。この構成によれば、窓枠体の外表面からの放熱性が高まるため、窓部材及び窓枠体が高温になるのをより一層抑制することができる。
また、走査管の外表面には、走査管の内部よりも熱放射率の高い第2の放熱膜が設けられていてもよい。この構成によれば、走査管の外表面からの放熱性が高まるため、窓枠体から走査管により効率良く熱が伝播することになり、窓部材及び窓枠体が高温になるのをより一層抑制することができる。
また、走査管は、アルミニウムを含む材料からなり、窓枠体は、銅を含む材料からなってもよい。或いは、走査管及び窓枠体は、アルミニウムを含む材料からなってもよい。これらの構成によれば、窓枠体及び走査管の熱伝導率の向上、走査管の放熱性の向上、並びに走査管の軽量化を図ることができる。
また、電子線照射装置は、電子銃が発生した電子線が内側を通過するように、走査管の入射側開口部に接続された偏向管と、偏向管の外側に取り付けられ、偏向管の内側を通過する電子線を偏向する偏向磁界発生部と、を更に備え、偏向管は、Fe/Ni/Crを含む合金からなってもよい。この構成によれば、偏向管の交流磁界透過特性が良好となるため、偏向磁界発生部による電子線の偏向制御を確実化することができる。
また、電子線照射装置は、走査管の外表面に取り付けられた放熱体を更に備えてもよい。この構成によれば、放熱体から外部に熱が逃がされるので、窓枠体から走査管により効率良く熱が伝播することになり、窓部材及び窓枠体が高温になるのをより一層抑制することができる。
また、放熱体は、複数のフィンを有してもよい。この構成によれば、放熱体の表面積が大きくなるので、放熱体から外部への放熱性をより高めることができる。
また、窓部材の熱伝導率は、窓枠体の熱伝導率よりも高くなっていてもよい。この構成によれば、窓部材から窓枠体に効率良く熱が伝播することになるため、窓部材が高温になるのをより確実に抑制することができる。
また、窓部材は、炭素を含む材料からなってもよい。この構成によれば、窓部材の熱伝導率の向上を図ることができる。
本発明によれば、窓部材及び窓枠体が高温になるのを抑制することができる。
本発明の一実施形態の電子線照射装置の縦断面図である。 図1の電子線照射装置の電子線透過ユニットの分解断面図である。 図1の電子線照射装置の電子線透過ユニットの分解斜視図である。 電子線照射装置の動作時間と窓枠体の温度との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施形態の電子線照射装置の使用状態における正面図である。 図5の電子線照射装置の側面図である。 電子線照射装置の動作時間と窓枠体の温度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、電子線照射装置1は、電子線通過孔20を形成するチャンバ30と、電子線通過孔20の後端20aを塞ぐようにチャンバ30に気密に取り付けられた電子銃40と、電子線通過孔20の前端20bを塞ぐようにチャンバ30に気密に取り付けられた電子線透過ユニット50と、を備えている。電子銃40が発生した電子線EBは、電子線通過孔20をZ軸方向前側に進行し、電子線透過ユニット50を透過して外部に出射する。このような電子線照射装置1は、ライン上を搬送される照射対象物への電子線EBの照射によって、当該照射対象物の乾燥、殺菌、表面改質等を行うために使用される。なお、電子線照射装置1によって電子線EBが照射される側を前側、その反対側を後側とする。
チャンバ30は、電子線を発生する電子銃40が取り付けられた筐体31を有している。筐体31は、金属により円柱状に形成されている。電子線通過孔20のうち筐体31によって形成される部分である電子線通過孔21の断面は、円形状となっており、電子線通過孔21は、前側の小径部と後側の大径部とが接続された形状となっている。
電子銃40は、金属により直方体状に形成されたケース41を有している。ケース41は、筐体31の後端部に気密に固定されている。ケース41の前壁には、ケース41内と筐体31内とを連通させる開口41aが設けられている。ケース41の側壁には、コネクタ43を取り付けるための開口41bが設けられている。
ケース41内には、絶縁性材料(例えば、エポキシ樹脂等)からなる絶縁ブロック42が配置されている。絶縁ブロック42は、ケース41内に収容された基部42aと、基部42aからZ軸方向前側に突出する突出部42bと、を有している。突出部42bは、基部42aから開口41aを介して電子線通過孔21の大径部内に突出しており、突出部42bの前端部は、Z軸方向において電子線通過孔21の小径部の後端に対向している。基部42aは、ケース41の開口41a側及び開口41b側の内面と接触している。基部42aにおいてケース41の内面と接触しない部分には、導電性材料からなるフィルム45が貼り付けられており、フィルム45は、ケース41と電気的に接続されている。これにより、絶縁ブロック42の表面電位を接地電位として、電子銃40の動作の安定性を向上させることができる。
コネクタ43は、外部の電源装置から、カソードであるフィラメント44に高電圧を供給するためのものである。コネクタ43の基端部は、ケース41の側壁の開口41bを介して外部に突出しており、コネクタ43の先端部は、絶縁ブロック42に埋設されている。コネクタ43の先端部には、一対の内部配線46,46が接続されている。一対の内部配線46,46は、突出部42bの前端部まで延在しており、一対の給電用ピン47,47にそれぞれ接続されている。一対の給電用ピン47,47の先端部には、フィラメント44が掛け渡されている。突出部42bには、給電用ピン47及びフィラメント44を包囲するように、グリッド電極48が固定されている。
筐体31には、電子線通過孔21の小径部を挟んで対になるようにアライメントコイル2及び集束コイル3が設けられている。電子銃40から出射して電子線通過孔21を通過する電子線EBは、アライメントコイル2によって、電子線EBの中心線が電子線通過孔20の中心線CLに一致するように調整された後、集束コイル3によって、電子線透過ユニット50に集束される。なお、筐体31には、電子線通過孔21と真空ポンプとを接続する排気管4が設けられており、これにより、チャンバ30内(すなわち、電子線通過孔20)が真空引きされる。
また、チャンバ30は、筐体31の前端面に固定された偏向管32を有している。偏向管32は、オーステナイト系ステンレス(Fe/Ni/Crを含む合金)からなり、四角柱状の外形を有している。偏向管32には、電子銃40が発生した電子線EBを入射させる入射側開口部32a、及び電子線EBを出射させる出射側開口部32bが設けられている。電子線通過孔20のうち偏向管32によって形成される部分である電子線通過孔22の断面は、Y軸方向を長手方向とする長方形状となっている。偏向管32の外側には、偏向管32の内側を通過する電子線EBを偏向する偏向コイル(偏向磁界発生部)5が取り付けられている。集束コイル3によって集束されて電子線通過孔22を通過する電子線EBは、偏向コイル5によってY軸方向に偏向される。
更に、チャンバ30は、偏向管32の前端面に固定された走査管33を有している。走査管33は、アルミニウム合金(アルミニウムを含む材料)、例えばAl−Mg系アルミニウム合金からなり、前側に向かって末広がりの四角柱状の外形を有している。走査管33には、電子銃40が発生した電子線EBを入射させる入射側開口部33a、及び電子線EBを出射させる出射側開口部33bが設けられている。電子線通過孔20のうち走査管33によって形成される部分である電子線通過孔23の断面は、Y軸方向を長手方向とする長方形状となっている。走査管33の外表面(外部に露出する表面)には、走査管33の内部よりも熱放射率の高い放熱膜(第2の放熱膜)34が設けられている。放熱膜34は、走査管33の外表面にアルマイト処理を施すことにより形成されたアルマイト層である。
なお、偏向管32の後端部には、フランジ35が設けられており、偏向管32の前端部には、フランジ36が設けられている。また、走査管33の後端部には、フランジ37が設けられており、走査管33の前端部には、フランジ38が設けられている。偏向管32と走査管33とは、フランジ36とフランジ37とがOリング6を介して接触した状態で、複数のボルト7により気密に固定されている。これにより、偏向管32は、電子銃40が発生した電子線EBが内側を通過するように、走査管33の入射側開口部33aに接続されることになる。電子線照射装置1は、偏向管32の後端部に設けられたフランジ35を介して、適用先の設備の所定箇所に取り付けられる。
電子線透過ユニット50は、走査管33の出射側開口部33bに配置されている。走査管33と電子線透過ユニット50とは、フランジ38と窓枠体50AとがOリング6を介して接触した状態で、複数のボルト7により気密に固定されている。図2及び図3に示されるように、電子線透過ユニット50は、走査管33の出射側開口部33bに取り付けられた窓枠体50Aを有している。窓枠体50Aの内側には(つまり、窓枠体50Aを前側から見た場合に窓枠体50A内に収まるように)、支持部材52及び窓部材55が配置されている。
窓枠体50Aは、走査管33の出射側開口部33bに固定された固定部材51と、固定部材51に対して窓部材55を押圧した状態で、複数のボルトにより固定部材51に固定された押圧部材57と、を有している。固定部材51及び押圧部材57は、無酸素銅(銅を含む材料)からなり、Y軸方向を長手方向とする長方形枠状の外形を有している。固定部材51は、入射側開口51aを有しており、押圧部材57は、Z軸方向において入射側開口51aと対向する出射側開口57aを有している。固定部材51及び押圧部材57の外表面(外側に露出する表面)には、固定部材51及び押圧部材57の内部よりも熱放射率の高い放熱膜(第1の放熱膜)58が設けられている。放熱膜58は、固定部材51及び押圧部材57にニッケルめっきを施すことにより形成されたニッケル層である。
支持部材52は、平板状の枠部52aと、枠部52aの内側に張られたメッシュ部52bと、を有している。支持部材52は、オーステナイト系ステンレス(鉄を含む材料)からなり、その表面には、ニッケルめっきが施されてニッケル層が形成されている。枠部52aは、メッシュ部52bが固定部材51の入射側開口51aに臨んだ状態で、ロウ付け等により固定部材51の前面に固定されている。なお、固定部材51の前面において枠部52aが固定される領域の外側には、入射側開口51aを包囲するように延在する溝51bが設けられており、溝51b内には、Oリング53が配置されている。
窓部材55は、グラファイト(炭素を含む材料)からなる薄膜状の部材である。窓部材55は、支持部材52及びOリング53を覆うように、固定部材51の前面に配置されている。これにより、窓部材55は、メッシュ部52b上に支持され、走査管33の内側を通過した電子線EBを透過させることになる。なお、窓部材55と支持部材52の枠部52aとの間には、Z軸方向から見て入射側開口51aを包囲するように枠状に形成された保護シート54が配置されおり、窓部材55と押圧部材57との間には、保護シート54と略同等の形状に形成された保護シート56が配置されている。保護シート54,56は、窓部材55と同一の材料からなる薄膜状の部材であり、枠部52aや押圧部材57が窓部材55に直接接触して窓部材55が損傷するのを防止するものである。
電子線透過ユニット50においては、押圧部材57が、支持部材52の枠部52a及びOリング53を介して、固定部材51に窓部材55を押圧している。そして、この状態で、固定部材51と押圧部材57とが、複数のボルト(押圧部材57に設けられた複数の貫通孔57bに挿通されて、固定部材51に設けられた複数のねじ孔51dに螺合されるボルト)により気密に固定されている。これにより、固定部材51及び押圧部材57は、支持部材52の枠部52aにおいて窓部材55を挟持することになる。なお、固定部材51には、電子線透過ユニット50を走査管33のフランジ38に固定するためのボルト7が挿通される複数の貫通孔51cが設けられている。
以上のように構成された電子線照射装置1の動作について説明する。排気管4を介して真空ポンプによってチャンバ30内(すなわち、電子線通過孔20)が真空引きされ、フィラメント44に高電圧が印加されると、フィラメント44から電子が放出される。フィラメント44から放出された電子は、グリッド電極48によって形成された電界により加速及び集束され、これにより、電子線EBがZ軸方向前側に出射する。
電子銃40から出射して電子線通過孔21を通過する電子線EBは、アライメントコイル2によって、電子線EBの中心線が電子線通過孔20の中心線CLに一致するように調整された後、集束コイル3によって、電子線透過ユニット50に集束される。集束コイル3によって集束されて電子線通過孔22を通過する電子線EBは、偏向コイル5によってY軸方向に偏向される。つまり、電子線通過孔23を通過する電子線EBの中心線がY軸方向に沿って線状に繰り返し振られる。
偏向コイル5によってY軸方向に偏向された電子線EBは、電子線透過ユニット50の窓部材55を透過して外部に出射する。外部に出射した電子線EBは、照射対象物の乾燥、殺菌、表面改質等のために、ライン上を搬送される当該照射対象物に照射される。
以上説明したように、電子線照射装置1では、走査管33がアルミニウム合金からなっており、固定部材51及び押圧部材57(すなわち、窓枠体50A)が無酸素銅からなっている。このように、電子線照射装置1では、窓枠体50Aの熱伝導率が走査管33の熱伝導率よりも高くなっているため(下記の表1参照)、窓枠体50Aから走査管33に効率良く熱が伝播することになる。よって、電子線照射装置1によれば、窓部材55及び窓枠体50Aが高温になるのを抑制することができる。そして、その結果、窓部材55だけでなく、各部を気密にシールするOリング6,53の劣化を抑制し、それらの長寿命化を図ることが可能となると共に、電子線照射装置1の内部の真空度が向上する結果、電子銃40のフィラメント44の寿命を延ばすことも可能となる。
しかも、電子線照射装置1では、窓枠体50Aが無酸素銅からなっており、窓部材55がグラファイトからなっている。このように、電子線照射装置1では、窓部材55の熱伝導率が窓枠体50Aの熱伝導率よりも高くなっているため(下記の表1参照)、窓部材55から窓枠体50Aに効率良く熱が伝播することになる。よって、窓部材55が高温になるのをより確実に抑制することができる。
図4は、電子線照射装置の動作時間と窓枠体の温度との関係を示すグラフである。図4のグラフにおいて、破線は、走査管がオーステナイト系ステンレスからなる場合であり、実線は、走査管がアルミニウム合金からなる場合である。当該グラフから、走査管がオーステナイト系ステンレスからなる場合よりも、走査管がアルミニウム合金からなる場合のほうが、窓枠体の温度上昇が緩やかであり、しかも、窓枠体の最高到達温度が低いことが分かる。これは、走査管がオーステナイト系ステンレスからなる場合よりも、走査管がアルミニウム合金からなる場合のほうが、窓枠体から走査管に効率良く熱が伝播することを示している。
また、固定部材51及び押圧部材57(すなわち、窓枠体50A)の外表面には、それらの内部よりも熱放射率の高い放熱膜58が設けられている。これにより、窓枠体50Aの外表面から外部への放熱性が高まるため、放熱膜58が設けられていない場合に比べ、窓部材55及び窓枠体50Aが高温になるのをより一層抑制することができる。例えば、放熱膜58がニッケル(熱放射率0.2〜0.4)からなる場合、銅(熱放射率0.07)からなる窓枠体50Aにおいて、3〜6倍程度の熱放射率を得ることができる。また、放熱膜58が金(熱放射率0.3)からなる場合、銅(熱放射率0.07)からなる窓枠体50Aにおいて、4倍程度の熱放射率を得ることができる。
また、走査管33の外表面には、走査管33の内部よりも熱放射率の高い放熱膜34が設けられている。これにより、走査管33の外表面から外部への放熱性が高まるため、放熱膜34が設けられていない場合に比べ、窓枠体50Aから走査管33により効率良く熱が伝播することになり、窓部材55及び窓枠体50Aが高温になるのをより一層抑制することができる。例えば、放熱膜34がアルマイト処理膜(熱放射率0.8)である場合、アルミニウム合金(熱放射率0.05)からなる走査管33において、16倍程度の熱放射率を得ることができる。特に、放熱膜34が黒アルマイト処理膜(熱放射率0.95)である場合、アルミニウム合金(熱放射率0.05)からなる走査管33において、19倍程度の熱放射率を得ることができる。
なお、走査管33においてアルマイト処理が施されるのは外表面だけであり、走査管33の内表面や、偏向管32のフランジ36との接触面、電子線透過ユニット50の固定部材51との接触面には、アルマイト処理が施されていない。これにより、走査管33が偏向管32や電子線透過ユニット50から絶縁されて帯電するのを防止することができる。また、走査管33の内表面にアルマイト処理が施されていないため、走査管33の内表面からの放出ガスが少なくなり、電子線通過孔20の内部を高い真空度で保持することができる。
また、走査管33がアルミニウム合金からなっており、窓枠体50Aが無酸素銅からなっているため、窓枠体50A及び走査管33の熱伝導率の向上、走査管33の放熱性の向上、並びに走査管33の軽量化を図ることができる。更に、窓部材55がグラファイトからなっているため、窓部材55の熱伝導率の向上を図ることができる。
また、偏向管32がオーステナイト系ステンレスからなっている。これにより、偏向管32の交流磁界透過特性が良好となるため、偏向コイル5による電子線EBの偏向制御を確実化することができる。
表1に、各種材料の特性を示す。窓枠体50Aの材料、走査管33の材料及び偏向管32の材料には、共通して、非磁性であること、材料からの放出ガスが少ないこと、最低限一気圧に耐え得る強度を有すること、腐食に強いこと(錆等の発生が少ないこと)が要求される。加えて、窓枠体50Aの材料には、導電性に優れること、加工強度に優れること(ねじ加工等、細かな加工が多数必要であるため)が要求されることから、銅系、特に純銅と呼ばれる、極めて高い純度の銅にごくわずかな添加物を加えた合金や、アルミニウム系の材料が好適である。また、走査管33の材料には、熱伝導性に優れること、軽量であること(密度が小さいこと)が要求されることから、アルミニウム系の材料が好適である。また、偏向管32の材料には、交流磁界透過特性に優れること(交流磁界による渦電流の発生が少ないこと)が要求されることから、オーステナイト系ステンレスやインコネルが好適である。なお、真鍮は溶接加工が困難であり、チタンは高価であることから、上述した材料に比べると使用し難い。
Figure 2013024557
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図5及び図6に示されるように、電子線照射装置1は、走査管33の外表面に取り付けられた放熱体10を備え、更に、放熱体10は、複数のフィン11を有していてもよい。この電子線照射装置1は、下壁101及び上壁102によって形成された照射対象物Sの搬送路に適用されており、照射対象物Sの乾燥、殺菌、表面改質等を行う。電子線照射装置1は、上壁102に設けられた開口102aに電子線透過ユニット50が位置するように、支持壁104に固定されている。放熱体10が取り付けられた走査管33の外表面に対向する側壁103には、窒素等の不活性ガスを噴射する貫通孔103aが設けられている。貫通孔103aから噴射された不活性ガスは、走査管33の外表面に沿って流れ、上壁102の開口102aから搬送路に噴射される。
これにより、電子線EBが不活性ガス雰囲気中に照射されることになるため、酸素からオゾンが生成されたり、発熱した窓枠体50A等が酸化したりするのを防止することができる。同時に、放熱体10から外部に熱が逃がされるので、窓枠体50Aから走査管33により効率良く熱が伝播することになり、窓部材55及び窓枠体50Aが高温になるのをより一層抑制することができる。更に、放熱体10が複数のフィン11を有しているため、放熱体10の表面積が大きくなり、放熱体10から外部への放熱性がより高められている。しかも、不活性ガスが流れる方向に各フィン11が延在しているので、不活性ガスの流れが阻害されるのを抑制することができる。
図7は、電子線照射装置の動作時間と窓枠体の温度との関係を示すグラフである。図7のグラフにおいて、条件1(60kV/520W動作)及び条件2(60kV/240W動作)の破線は、放熱体が設けられていない場合であり、条件1及び条件2の実線は、放熱体が設けられている場合である。なお、いずれの場合にも、走査管はアルミニウム合金からなっている。当該グラフから、放熱体が設けられていない場合よりも、放熱体が設けられている場合のほうが、窓枠体の温度上昇が緩やかであり、しかも、窓枠体の最高到達温度が低いことが分かる。これは、放熱体が設けられていない場合よりも、放熱体が設けられている場合のほうが、窓枠体から走査管に効率良く熱が伝播することを示している。
また、上記実施形態では、走査管がアルミニウム合金からなっており、窓枠体が無酸素銅からなっていたが、走査管及び窓枠体の両方がアルミニウムを含む材料からなっていてもよい。この場合にも、窓枠体及び走査管の熱伝導率の向上、走査管の放熱性の向上、並びに走査管の軽量化を図ることができる。そして、窓枠体の熱伝導率が走査管の熱伝導率以上となるため、窓枠体から走査管に効率良く熱が伝播することになり、窓部材及び窓枠体が高温になるのを抑制することができる。なお、強度及び加工性の向上という観点から、窓枠体はアルミニウム合金からなることが好ましく、放熱性の向上という観点から、走査管は純アルミニウムからなることが好ましい。
また、電子線照射装置の各構成部材の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を適用することができる。一例として、固定部材の材料及び押圧部材の材料(すなわち、窓枠体の材料)は、無酸素銅に限定されず、銅を含む材料であればよく、走査管の材料は、アルミニウム合金に限定されず、アルミニウムを含む材料であればよい。更には、窓枠体の熱伝導率が走査管の熱伝導率以上となれば、窓枠体の材料及び走査管の材料は、それらにも限定されない。また、窓部材の材料は、グラファイトに限定されず、炭素を含む材料であればよい。更には、窓部材の熱伝導率が窓枠体の熱伝導率よりも高くなれば、窓部材の材料は、それにも限定されない。また、偏向管の材料は、Fe/Ni/Crを含む合金であれば、オーステナイト系ステンレスに限定されない。
1…電子線照射装置、5…偏向コイル(偏向磁界発生部)、10…放熱体、11…フィン、32…偏向管、33…走査管、33a…入射側開口部、33b…出射側開口部、34…放熱膜(第2の放熱膜)、40…電子銃、50…電子線透過ユニット、50A…窓枠体、55…窓部材、58…放熱膜(第1の放熱膜)、EB…電子線。

Claims (10)

  1. 電子線を発生する電子銃と、
    前記電子銃が発生した前記電子線を入射させる入射側開口部、及び前記電子線を出射させる出射側開口部が設けられた走査管と、
    前記出射側開口部に配置された電子線透過ユニットと、を備え、
    前記電子線透過ユニットは、
    前記出射側開口部に取り付けられた窓枠体と、
    前記窓枠体の内側に配置され、前記走査管の内側を通過した前記電子線を透過させる窓部材と、を有し、
    前記窓枠体の熱伝導率は、前記走査管の熱伝導率以上となっている、電子線照射装置。
  2. 前記窓枠体の外表面には、前記窓枠体の内部よりも熱放射率の高い第1の放熱膜が設けられている、請求項1記載の電子線照射装置。
  3. 前記走査管の外表面には、前記走査管の内部よりも熱放射率の高い第2の放熱膜が設けられている、請求項1又は2記載の電子線照射装置。
  4. 前記走査管は、アルミニウムを含む材料からなり、前記窓枠体は、銅を含む材料からなる、請求項1〜3のいずれか一項記載の電子線照射装置。
  5. 前記走査管及び前記窓枠体は、アルミニウムを含む材料からなる、請求項1〜3のいずれか一項記載の電子線照射装置。
  6. 前記電子銃が発生した前記電子線が内側を通過するように、前記走査管の前記入射側開口部に接続された偏向管と、
    前記偏向管の外側に取り付けられ、前記偏向管の内側を通過する前記電子線を偏向する偏向磁界発生部と、を更に備え、
    前記偏向管は、Fe/Ni/Crを含む合金からなる、請求項1〜5のいずれか一項記載の電子線照射装置。
  7. 前記走査管の外表面に取り付けられた放熱体を更に備える、請求項1〜6のいずれか一項記載の電子線照射装置。
  8. 前記放熱体は、複数のフィンを有する、請求項7記載の電子線照射装置。
  9. 前記窓部材の熱伝導率は、前記窓枠体の熱伝導率よりも高くなっている、請求項1〜8のいずれか一項記載の電子線照射装置。
  10. 前記窓部材は、炭素を含む材料からなる、請求項9記載の電子線照射装置。
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