JP2013024226A - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダブロックのオイル通路から落下したオイルがクランクケース内に溜まることによるオイルの気泡発生を防止できる可変圧縮比内燃機関を提供する。
【解決手段】内燃機関1は、シリンダブロック3がクランクケース5に対して上下に相対移動可能な状態で設けられている。シリンダブロック3のオイル通路10はシリンダブロック3の下方でクランクケース5側に開口する開口部11を有し、クランクケース5はオイル通路10の開口部11に対向する対向壁13を有し、対向壁13は水平方向に対して傾いたオイル誘導面13aを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリンダブロックがクランクケースに対して上下に相対移動可能に設けられた可変圧縮比内燃機関に関する。
シリンダブロックをクランクケースに対して上下に相対移動させる移動機構を設けることにより圧縮比を変更可能にした可変圧縮比内燃機関が知られている(特許文献1)。このような内燃機関はクランク軸の回転軸線とシリンダブロックの上部との距離が変化する結果、ピストンとシリンダブロックとの相対位置が変化して上死点時の燃焼室の容積が変わるため圧縮比を機械的に変更することができる。その他本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
特開2010−185393号公報 特開2010−174750号公報
特許文献1の内燃機関はシリンダブロックとクランクケースとが別部品であり、シリンダブロックとクランクケースとが上下方向に組み合わされている。そのため、例えば潤滑のためにシリンダヘッドに供給されたオイルがその潤滑を終えてシリンダブロックのオイル通路を介して落下する際にクランクケース内で回転・往復運動する部品(クランク軸やコンロッド)にオイルがかかることで、オイルに気泡が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、シリンダブロックのオイル通路から落下したオイルがクランクケース内に溜まることによるオイルの気泡発生を防止できる可変圧縮比内燃機関を提供することを目的とする。
本発明の可変圧縮比内燃機関は、上下方向に延びるオイル通路が形成されたシリンダブロックと、クランク軸を支持するクランクケースとを備え、前記シリンダブロックが前記クランクケースに対して上下に相対移動可能な状態で設けられた可変圧縮比内燃機関において、前記オイル通路は、前記シリンダブロックの下方で前記クランクケース側に開口する開口部を有し、前記クランクケースは、前記オイル通路の前記開口部に対向する対向壁を有し、前記対向壁は、水平方向に対して傾いたオイル誘導面を有しているものである(請求項1)。
この内燃機関によれば、シリンダブロックに形成されたオイル通路の開口部に対向する対向壁が水平方向に対して傾いたオイル誘導面を有しているので、オイル通路から落下したオイルがオイル誘導面に沿って流れる。このため、オイル通路から落下したオイルがクランクケース内に溜まることを抑制できる。これにより、クランクケース内にオイルが溜まることによるオイルの気泡発生を防止できる。
本発明の可変圧縮比内燃機関の一態様として、前記クランクケースには、前記対向壁に開口する開口部を有し、かつ上下方向に延びるクランクケース側オイル通路が形成されており、前記オイル誘導面は、前記クランクケース側オイル通路の前記開口部に近づくに従って上下方向の高さが低くなるように水平方向に対して傾いていてもよい(請求項2)。この態様によれば、オイル誘導面を流れるオイルがクランクケース側オイル通路に導かれるため、オイルがより溜まり難くなる。これにより、オイルの気泡発生の防止効果が向上する。
以上説明したように、本発明の可変圧縮比内燃機関によれば、オイル通路から落下したオイルがオイル誘導面に沿って流れるため、オイル通路から落下したオイルがクランクケース内に溜まることを抑制できる。これにより、クランクケース内にオイルが溜まることによるオイルの気泡発生を防止できる。
本発明の一形態に係る内燃機関の主要部の斜視図。 気筒の並び方向に沿って切断した図1の内燃機関の縦断面図。 対向壁の他の形態を示した図。
図1及び図2に示された内燃機関1は、圧縮比を機械的に変更可能な可変圧縮比内燃機関として構成されている。内燃機関1は4つの気筒2が形成されたシリンダブロック3と、クランク軸4を回転自在に支持するクランクケース5とを備えている。シリンダブロック3とクランクケース5とは別部品として設けられている。シリンダブロック3はクランクケース5に対して上下方向に移動可能な状態で嵌め込まれる。シリンダブロック3の側周面とクランクケース5の開口部との間が不図示のシール部材にてシールされることで気密性が保たれる。
内燃機関1の圧縮比を変更するため、シリンダブロック3をクランクケース5に対して上下方向に相対移動させる駆動機構6がシリンダブロック3とクランクケース5との間に介在するが当該機構6の詳細な内部構造の図示を省略する。なお、この駆動機構6はクランクケース5の側面に回転可能に取り付けられた偏心軸でカムを駆動してシリンダブロック3を上下動させる公知ないし周知の機構である。ちなみに、その偏心軸にトルクを伝達する伝達機構はクランクケース5の側部中央に形成されたハウジング6aに収容される。伝達機構は偏心軸と一体回転するウォームホイールとこれに噛み合うウォームギアとを備えている。
シリンダブロック3には各気筒2の周囲に冷却水を供給するウォータージャケット7が形成されている。シリンダブロック3の上部には、不図示のボルトがボルト孔8に挿入された状態でねじ込まれることにより、不図示のシリンダヘッドが取り付けられる。そのシリンダヘッドによって各気筒2の上部の開口部が塞がれる。シリンダブロック3には、シリンダヘッドに供給されたオイルをクランクケース5の底部に取り付けられるオイルパン17(図2参照)に戻すため、上下方向に延びるオイル通路10が形成されている。各オイル通路10はシリンダブロック3の下方でクランクケース5側に開口する開口部11(図2参照)を有している。
図2に示すように、各開口部11は、シリンダブロック3をクランクケース5に組み付けた場合、クランクケース5の対向壁13に対向する。クランクケース5には上下方向に延びるクランクケース側オイル通路15が形成されており、その開口部16は対向壁13に開口している。なお、図2の中央に位置するクランクケース側オイル通路15は上述したハウジング6a(図1)に連通しており、クランクケース側オイル通路15によってハウジング6aにオイルを供給することができる。クランクケース側オイル通路15に沿って落下したオイルはクランクケース5の底部に位置するオイルパン17に回収される。なお、オイルパン17に回収されたオイルは、不図示のオイルポンプにてシリンダヘッド等の内燃機関1の各部に圧送される。
図2に示すように、対向壁13は水平方向(図の左右方向)に対して所定方向に傾いたオイル誘導面13aを有している。オイル誘導面13aはクランクケース側オイル通路15の開口部16に近づくに従って上下方向の高さが低くなっていて、最終的にオイル誘導面13aは開口部16の縁と同水準で繋がっている。本形態のオイル誘導面13aは平面状の斜面として形成されている。
以上に説明した内燃機関1によれば、シリンダブロック3に形成されたオイル通路10の開口部11に対向する対向壁13が水平方向に対して傾いたオイル誘導面13aを有しているので、オイル通路10から落下したオイルが図2の矢印で示すようにオイル誘導面13aに沿って流れる。このため、オイル通路10から落下したオイルがクランクケース5内に溜まることを抑制できる。これにより、クランクケース5内にオイルが溜まることによるオイルの気泡発生を防止できる。また、オイル誘導面13aがクランクケース側オイル通路15の開口部16に近づくに従って上下方向の高さが低くなっているため、オイル誘導面13aを流れるオイルがクランクケース側オイル通路15に導かれる。これによりオイルがより溜まり難くなるから、オイルの気泡発生の防止効果が向上する。
本発明は上記形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。上記形態では対向壁13に形成されたオイル誘導面13aが平面状の斜面であるが、図3に示したような対向壁に変更することもできる。図3のAに示した対向壁23は、凹面状で全体として水平方向に対して傾いたオイル誘導面23aを備えている。一方、図3のBに示した対向壁33は、凸面状で全体として水平方向に対して傾いたオイル誘導面33aを備えている。図3の各オイル誘導面23a、33aは、いずれもクランクケース側オイル通路15の開口部16に近づくに従って上下方向の高さが低くなっており、最終的には開口部16の縁に同水準で繋がっている。また、図3の各例のような二次元的な曲面の他、球面等の三次元的な曲面でオイル誘導面を実施することもできる。
また、上記形態のように、クランクケース5の対向壁13にクランクケース側オイル通路15の開口部16が開口することは必須ではない。例えば、クランクケースに対向壁が存在しているが、オイル通路とは言い難いオイルパンに通じる空間が設けられている形態で本発明を実施することもできる。この形態であっても、オイルが対向壁の上に留まることなく、オイル誘導面を流れて当該空間に導かれるから、オイルが溜まることによるオイルの気泡発生を防止できる。
1 内燃機関
3 シリンダブロック
4 クランク軸
5 クランクケース
10 オイル通路
11 開口部
13 対向壁
13a オイル誘導面
15 クランクケース側オイル通路
16 開口部

Claims (2)

  1. 上下方向に延びるオイル通路が形成されたシリンダブロックと、クランク軸を支持するクランクケースとを備え、前記シリンダブロックが前記クランクケースに対して上下に相対移動可能な状態で設けられた可変圧縮比内燃機関において、
    前記オイル通路は、前記シリンダブロックの下方で前記クランクケース側に開口する開口部を有し、
    前記クランクケースは、前記オイル通路の前記開口部に対向する対向壁を有し、
    前記対向壁は、水平方向に対して傾いたオイル誘導面を有している、
    ことを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記クランクケースには、前記対向壁に開口する開口部を有し、かつ上下方向に延びるクランクケース側オイル通路が形成されており、
    前記オイル誘導面は、前記クランクケース側オイル通路の前記開口部に近づくに従って上下方向の高さが低くなるように水平方向に対して傾いている、請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009024656A (ja) * 2007-07-23 2009-02-05 Toyota Motor Corp 可変圧縮比内燃機関
JP2011247218A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Toyota Industries Corp シリンダブロック

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