JP2013023669A - ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
現状、低密度化の要望に応えるため、発泡剤としての水の使用量が増加の傾向にある。水の使用量を増加させる(非特許文献1等)ことは、フォーム製造時の発生炭酸ガス量を増加させることができ、ポリウレタンフォームの密度を低下させるには有効であるが、フォームの密度が低下するとフォーム硬度が低下する。ポリウレタンフォームの硬度を向上させる具体的技術としては、使用する架橋剤の使用量を上げる方法(非特許文献1)やポリマーを樹脂中に分散させる方法(特許文献1)等があるが、このような方法では、ポリウレタンフォームの伸びや引っ張り強度のような機械物性が不十分である等の課題が残されており、硬度が向上し機械物性が維持されるポリウレタンフォームが望まれている。
ポリオール(P):強度向上剤(A)とのSP値差が0〜3である(A)以外のポリオール。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
(1)1分子が有するカルボキシル基が2個以上である。
(2)カルボキシル基が芳香環に直接結合していない。
(1)1分子が有する芳香環の数が1個以上である。
(2)1分子が有するカルボキシル基の数が2個以上である。
(3)カルボキシル基が芳香環に直接結合している。
一般式(I)中のZの構成成分であるm価以上の活性水素含有化合物は、分子量が106未満である。
一般式(I)において、mは1〜10の整数を表す。
強度向上剤のハンドリング及びポリウレタンフォームの機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)、難燃性向上の観点から、Zには、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、これらのAO付加物及びこれらとポリカルボン酸との縮合物を用いることが好ましく、mは1〜8が好ましい。
なお本発明において強度向上剤(A)又はポリオール(P)が2種類以上の混合物である場合、強度向上剤(A)又はポリオール(P)のSP値は、各成分のSP値の重量平均値とする。
本発明におけるSP値は、Fedors法によって計算される。
なお、このSP値は、次式で表せる。
SP値=(ΔH/V)1/2
式中、ΔHはモル蒸発熱(cal)を、Vはモル体積(cm3)を表す。
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」及び「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE JUNE,1974,Vol.14,No.6,ROBERT F.FEDORS.(472頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱の合計(ΔH)とモル体積の合計(V)を用いることができる。
このSP値の数値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(相溶性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
なお、本発明において、水酸基価はJISK−1557に準拠して測定される。
また、(A)の水酸基価が0であることは、一般式(I)中、いずれのR1もYもZも水酸基を有しないことを意味する。
なお、(A)の芳香環濃度は、強度向上剤(A)1g中の芳香環のモル数を意味する。
炭素数2〜20の2価アルコールとしては、脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)及び脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)が挙げられる。
炭素数3〜20の3価アルコールとしては、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)が挙げられる。
炭素数5〜20の4〜8価の多価アルコールとしては、脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等並びに糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
その他の助剤としては、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等)等の公知の補助成分が挙げられる。
攪拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、メタノール1モル、無水トリメリット酸1モル及びアルカリ触媒(N−エチルモルフォリン)0.020モル、溶媒としてTHF2モルを仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、120±10℃で1時間反応させハーフエステル化を行った。ハーフエステル化後、EO2モルを80±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、1時間かけて滴下した後、80±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、アルカリ触媒、溶媒を10KPaにて1時間減圧除去して、強度向上剤A−1を得た。A−1の物性値を表1に記載した。
製造例1において、メタノールの代わりにエチレングリコール1モルを使用する以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−2を得た。A−2の物性値を表1に記載した。
製造例1において、メタノールの代わりにエチレングリコール1モルを使用し、無水トリメリット酸の使用量を2モル、N−エチルモルフォリンの使用量を0.040モル、THFの使用量を4モル、EOの使用量を4モルとする以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−3を得た。A−3の物性値を表1に記載した。
製造例1と同様なオートクレーブにエチレングリコールを1モル、無水トリメリット酸2モル、触媒としてトリエチルアミン4.2モル、溶媒としてTHFを3モル仕込み、窒素雰囲気下80±10℃で2時間ハーフエステル化を行った。この後、R1構成原料としてベンジルクロリド4モルを加え、80±10℃で6時間反応した。反応後、析出した塩を濾別し、有機層を水で洗浄し目的物をトルエンで抽出分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、80±10℃、10kPaで溶媒留去を行い強度向上剤A−4を得た。A−4の物性値を表1に記載した。
製造例4において、無水トリメリット酸の代わりに無水ピロメリット酸を2モル、トリエチルアミンの使用量を6.2モル、ベンジルクロリドの使用量を6モルとする以外は製造例4と同様にして、強度向上剤A−5を得た。
製造例1において、メタノールの代わりに1,3プロパンジオール1モルを使用し、無水トリメリット酸の使用量を2モル、N−エチルモルフォリンの使用量を0.040モル、THFの使用量を4モル、EOの使用量を4モルとする以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−6を得た。A−6の物性値を表1に記載した。
製造例1において、メタノールの代わりに1,3プロパンジオール1モル、無水トリメリット酸の代わりに無水ピロメリット酸2モル使用し、N−エチルモルフォリンの使用量を0.060モル、THFの使用量を4モル、EOの使用量を6モルとする以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−7を得た。A−7の物性値を表1に記載した。
製造例1において、メタノールの代わりにグリセリン1モルを使用する以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−8を得た。A−8の物性値を表1に記載した。
製造例1において、メタノールの代わりにグリセリン1モルを使用し、無水トリメリット酸の使用量を3モル使用、N−エチルモルフォリンの使用量を0.060モル、THFの使用量を4モル、EOの使用量を6モルとする以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−9を得た。A−9の物性値を表1に記載した。
製造例4においてエチレングリコールの代わりにグリセリンを1モル、無水トリメリット酸の代わりに無水ピロメリット酸を3モル使用し、トリエチルアミンの使用量を9.2モル、ベンジルクロリドの使用量を9モルとする以外は製造例4と同様にして、強度向上剤A−10を得た。A−10の物性値を表1に記載した。
製造例1において、メタノールの代わりに1−ヘキサノール1モルを使用する以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−11を得た。A−11の物性値を表1に記載した。
製造例1と同様のオートクレーブに、プロピレングリコールPO付加物(三洋化成工業株式会社製 サンニックスPP−1000;数平均分子量1000、水酸基価112.2)1モル、無水トリメリット酸2モル及びアルカリ触媒(N−エチルモルフォリン)0.02モルを仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、120±10℃で1時間反応させハーフエステル化を行った。その後EO4モルを120±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、120±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、アルカリ触媒を0.1MPaにて1時間減圧除去して、ポリオール(H−1)を得た。(H−1)の物性値は次の通り。
水酸基価(mgKOH/g)=143.8、Y含量(重量%)=9.61、芳香環濃度(mmol/g)=1.28。
比較製造例1においてプロピレングリコールPO付加物の代わりにジエチレングリコール1モル、無水トリメリット酸の代わりに無水ピロメリット酸2モル使用し、N−エチルモルフォリンの使用量を0.060モル、EOの使用量を6モル使用する以外は比較製造例1と同様にして、ポリオール(H−2)を得た。(H−2)の物性値は次の通り。
水酸基価(mgKOH・g)=399.4、Y含量(重量%)=17.56、芳香環濃度(mmol/g)=2.37。
表2〜表3に示した配合処方に従って、下記の発泡条件により発泡して硬質ポリウレタンフォームを作製し、一昼夜(温度25℃、湿度60%にて24時間)放置後のフォームのコア密度(kg/m3)、圧縮硬さ(N/m3)、燃焼試験を測定した。
BOX SIZE:240mm×240mm×240mm
材質 :アルミ
ミキシング方法 :ハンドミキシング(必要試薬を所定の容器に必要量仕込んだ後、攪拌羽を容器中に挿入し回転数8000回転/分で6秒間攪拌させる発泡方法)
ミキシング時間 :7秒
撹拌羽回転数 :8000回転/分
1.触媒
触媒−1:東ソー(株)社製「TOYOCAT−DT」
触媒−2:サンアプロ(株)社製「U−CAT 1000」
触媒−3:サンアプロ(株)社製「DABCO K−15」
触媒−4:エアプロダクツジャパン(株)社製「DABCO−33LV」
2.整泡剤
整泡剤−1:東レ・ダウコーニング(株)製「SH―193」
日本ポリウレタン工業(株)社製「ミリオネート MR−200」(ポリメリックMDI)
4.ポリオール
(1)ポリオール(P−1):エチレンジアミンにPOを付加させて得られた平均官能基数4.0、水酸基価755のポリオキシプロピレンポリオール
(2)ポリオール(P−2):グリセリンにPOを付加させて得られた平均官能基数3.0、水酸基価670のポリオキシプロピレンポリオール
(3)ポリオール(P−3):ペンタエリスリトールにPOを付加させて得られた平均官能基数4.0、水酸基価400のポリオキシプロピレンポリオール
(4)ポリオール(P−4):蔗糖にPOを付加させて得られた平均官能基数8.0、水酸基価420のポリオキシプロピレンポリオール
(5)ポリオール(P−5):グリセリン
(6)ポリオール(P−6):川崎化成工業(株)社製マキシモールRFK−504
5.難燃剤
難燃剤−1:大八化学工業(株)社製「TMCPP」(トリス(β−クロロプロピルホスフェート
6.発泡剤
発泡剤−1:水
発泡剤−2:シクロペンタン
発泡剤−3:セントラル硝子(株)社製「HFC−245fa」(1,1,1,3,3,−ペンタフルオロプロパン)
密度 :JIS A9511に準拠、単位はkg/m3
圧縮強度:JIS A9511に準拠、単位はN/mm2
燃焼試験:JIS A9511に準拠。
表4に示した配合処方に従って、下記の発泡条件により発泡して軟質ポリウレタンフォームを作製し、一昼夜(温度25℃、湿度50%にて24時間)放置後のフォームのコア密度(kg/m3)、硬さ(25%ILD、kgf/314cm2)、引裂強度(kgf/cm)、引張強度(kgf/cm2)、伸び(%)、燃焼試験を測定した。
BOX SIZE:250mm×250mm×250mm
材質 :木材
ミキシング方法 :ハンドミキシング(必要試薬を所定の容器に必要量仕込んだ後、攪拌羽を容器中に挿入し回転数5000回転/分で6〜20秒間攪拌させる発泡方法)
ミキシング時間 :6〜20秒
撹拌羽回転数 :5000回転/分
(1)有機ポリイソシアネート成分(D−2)
TDI:NCO%=48.3(商品名:コロネートT−80、日本ポリウレタン工業(株)製)
(2)発泡剤
発泡剤−1:水
(3)触媒
触媒−5:エアプロダクツジャパン(株)製「DABCO−33LV」(トリエチレンジアミンの33重量%ジプロピレングリコール溶液)
触媒−6:オクチル酸スズ(商品名:日東化成(株)製「ネオスタンU−28」(オクチル酸第1スズ)
(4)整泡剤
整泡剤−2:東レ・ダウコーニング製「L−540」
(5)ポリオール(P−7):グリセリンにPOを付加させて得られた平均官能基数3.0、水酸基価56のポリオキシプロピレンポリオール
各項目の測定方法は下記の通りである。得られた結果を表4に示す。
・フォーム物性の測定方法及び単位を以下に示す。
コア密度:JIS K6400に準拠、単位はkg/m3
硬さ(25%−ILD):JIS K6400に準拠、単位はkgf/314cm2
伸び率:JIS K6400に準拠、単位は%
引張強度:JIS K6400に準拠、単位はkgf/cm2
引裂強度:JIS K6400に準拠、単位はkgf/cm
燃焼試験:MVSS−302に準拠。
Claims (6)
- 下記一般式(I)で表される強度向上剤(A)及び下記ポリオール(P)を含むポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
ポリオール(P):強度向上剤(A)とのSP値差が0〜3である(A)以外のポリオール。 - 強度向上剤(A)の水酸基価が0〜700mgKOH/gである請求項1に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
- 強度向上剤(A)の芳香環濃度(mmol/g)が2.0〜10.0である請求項1又は2に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
- 強度向上剤(A)中のYの含量が、(A)の数平均分子量を基準として5〜40重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
- ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物の重量を基準とする強度向上剤(A)の含有量が、0.1〜90重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物と、有機ポリイソシアネート成分(D)とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させてなるポリウレタンフォームの製造方法。
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