JP2013023669A - ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い機械物性、難燃性を有するポリウレタンフォームを製造可能となるポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される強度向上剤(A)及び下記ポリオール(P)を含むポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
Figure 2013023669

[R1は活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた残基を表す。Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸からカルボキシル基を除いた残基を表す。Zはm価以上の活性水素含有化合物からm個の活性水素を除いた残基を表す。;mは1〜10の整数を表す。]ポリオール(P):強度向上剤(A)とのSP値差が0〜3である(A)以外のポリオール。
【選択図】なし

Description

本発明はポリウレタンフォーム製造用のポリオール組成物に関するものである。
近年は環境への配慮及びコスト低減要求が強く、ポリウレタンフォームの低密度化が求められている。例えば、車両用途では燃費規制に対応するため軟質ポリウレタンフォームの低密度化が求められている。また、断熱材用途においてもコスト低減、環境への配慮のため軽量化が望まれている。
現状、低密度化の要望に応えるため、発泡剤としての水の使用量が増加の傾向にある。水の使用量を増加させる(非特許文献1等)ことは、フォーム製造時の発生炭酸ガス量を増加させることができ、ポリウレタンフォームの密度を低下させるには有効であるが、フォームの密度が低下するとフォーム硬度が低下する。ポリウレタンフォームの硬度を向上させる具体的技術としては、使用する架橋剤の使用量を上げる方法(非特許文献1)やポリマーを樹脂中に分散させる方法(特許文献1)等があるが、このような方法では、ポリウレタンフォームの伸びや引っ張り強度のような機械物性が不十分である等の課題が残されており、硬度が向上し機械物性が維持されるポリウレタンフォームが望まれている。
特開平9−309937号公報
岩田敬治、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」、日刊工業、1987年5月20日発行、第1版、32頁
本発明の目的は、高い機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)、難燃性を有するポリウレタンフォームを製造可能となるポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物、及びこのポリオール組成物を用いたポリウレタンフォームの製造方法を提供することである。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、特定の構造を有する強度向上剤及び特定のポリオールを使用することで、高い機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)、難燃性を有するポリウレタンフォームが得られることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物(A)は、下記一般式(I)で表される強度向上剤(A)及び下記ポリオール(P)を含むことを要旨とする。
Figure 2013023669
[一般式(I)中、R1は活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた残基を表す。複数のR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。;Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸(C)からカルボキシル基を除いた残基を表す。Yの芳香環は炭素原子から構成される。芳香環の置換基は水素原子でも他の置換基でもよいが、少なくとも一つの置換基が水素原子である。;aは2≦a≦(芳香環置換基数−2)を満たす整数である。;Zは、分子量が106未満のm価以上の活性水素含有化合物からm個の活性水素を除いた残基を表す。;mは1〜10の整数を表す。]
ポリオール(P):強度向上剤(A)とのSP値差が0〜3である(A)以外のポリオール。
また、本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、上記のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物と、有機ポリイソシアネート成分(D)とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させてなることを要旨とする。
本発明のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物を使用した場合、高い機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)、難燃性のポリウレタンフォームを得ることができる。
本発明において、強度向上剤(A)は、下記一般式(I)で表される構造を有する。
Figure 2013023669
一般式(I)中、R1は活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた残基を表す。活性水素含有化合物としては、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物及びリン酸化合物;分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物が含まれる。これら活性水素含有化合物は、1種類でも複数種類でも使用することができる。すなわち、複数のR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
水酸基含有化合物としては、1価のアルコール、2〜8価の多価アルコール、フェノール及び多価フェノール等が含まれる。具体的にはメタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、ナフチルエタノール等の1価のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等の2価アルコール;グリセリン及びトリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等の4〜8価のアルコ―ル;フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロ―ル、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1−ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン及び1−ヒドロキシピレン等のフェノ―ル;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)並びに米国特許3265641号明細書に記載のポリフェノール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
アミノ基含有化合物としては、アミン、ポリアミン及びアミノアルコール等が含まれる。具体的には、アンモニア;炭素数1〜20のアルキルアミン(ブチルアミン等)及びアニリン等のモノアミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン;ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等の芳香族ポリアミン;モノエタノ―ルアミン、ジエタノ―ルアミン及びトリエタノ―ルアミン等のアルカノ―ルアミン;ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリアミン;ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等);ジシアンジアミド等;が挙げられる。
カルボキシル基含有化合物としては、酢酸及びプロピオン酸等の脂肪族モノカルボン酸;安息香酸等の芳香族モノカルボン酸;コハク酸、フマル酸、セバシン酸及びアジピン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフタレン−1,4ジカルボン酸、ナフタレン−2,3,6トリカルボン酸、ピロメリット酸、ジフェン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、2,3,6−アントラセントリカルボン酸、及びピレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;アクリル酸の(共)重合物等のポリカルボン酸重合体(官能基数2〜100)等が挙げられる。
チオール基含有化合物としては、1官能のフェニルチオール、アルキルチオール及びポリチオール化合物が含まれる。ポリチオールとしては、2〜8価の多価チオールが挙げられる。具体的にはエチレンジチオール及び1、6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
リン酸化合物としては燐酸、亜燐酸及びホスホン酸等が挙げられる。
活性水素含有化合物としては、分子内に2種以上の活性水素含有官能基(水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基及びリン酸基等)を有する化合物も使用できる。
また、活性水素含有化合物としては、上記活性水素含有化合物のアルキレンオキサイド付加物を使用することもできる。
活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイド(以下、AOと略す)としては、炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2ブチレンオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2-ブチレンオキサイドが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
さらに、活性水素含有化合物としては、上記活性水素含有化合物とポリカルボン酸(脂肪族ポリカルボン酸や芳香族ポリカルボン酸)との縮合反応で得られる活性水素含有化合物(ポリエステル化合物)を使用することができる。縮合反応においては活性水素含有化合物、ポリカルボン酸共に1種類を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族ポリカルボン酸とは、以下(1)、(2)を満たす化合物を意味する。
(1)1分子が有するカルボキシル基が2個以上である。
(2)カルボキシル基が芳香環に直接結合していない。
脂肪族ポリカルボン酸には、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸及びフマル酸等が挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸とは以下(1)〜(3)を満たす化合物を意味する。
(1)1分子が有する芳香環の数が1個以上である。
(2)1分子が有するカルボキシル基の数が2個以上である。
(3)カルボキシル基が芳香環に直接結合している。
芳香族ポリカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2’-ビベンジルジカルボン酸、トリメリット酸、ヘミリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸及びナフタレン−1,4ジカルボン酸、ナフタレン−2,3,6トリカルボン酸、ジフェン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、2,3,6−アントラセントリカルボン酸及びピレンジカルボン酸等の炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
また、ポリカルボン酸と活性水素含有化合物との縮合反応を実施する際に、ポリカルボン酸の無水物や低級アルキルエステルを使用することもできる。
強度向上剤のハンドリング及びポリウレタンフォームの機械物性(伸び、引っ張り強度、圧縮硬さ)向上の観点から、R1とする活性水素含有化合物としては、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、これらのAO付加物及び活性水素含有化合物とポリカルボン酸との縮合反応で得られるポリエステル化合物が好ましく、さらに好ましくはメタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、ベンジルアルコール、フェノール、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミン、これらのEO及び/又はPO付加物並びにこれら活性水素化合物とフタル酸及び/又はイソフタル酸との縮合物が好ましい。
一般式(I)中、Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸(C)からカルボキシル基を除いた残基を表す。Yの芳香環は炭素原子から構成される。芳香環の置換基は水素原子でも他の置換基でもよいが、少なくとも1つの置換基が水素原子である。すなわち、Yの芳香環は、その芳香環を構成する炭素原子に結合した少なくとも一つの水素原子を有する。
他の置換基とは、アルキル基、ビニル基、アリル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、ホスフィノ基、チオ基、チオール基、アルデヒド基、エーテル基、アリール基、アミド基、シアノ基、ウレア基、ウレタン基、スルホン基、エステル基及びアゾ基等が挙げられる。機械物性向上(伸び、引っ張り強度、圧縮硬さ)及びコストの観点から、他の置換基としては、アルキル基、ビニル基、アリル基、アミノ基、アミド基、ウレタン基及びウレア基が好ましい。
Y上の置換基の配置としては、機械物性向上の観点から、2個のカルボニル基が隣接し、3個目のカルボニル基と1又は2個目のカルボニル基の間に置換基として水素が配置された構造が好ましい。
Yを構成する3価以上の芳香族ポリカルボン酸(C)としては、トリメリット酸、ヘミリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレン−2,3,6トリカルボン酸及び2,3,6−アントラセントリカルボン酸等の炭素数8〜18の芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
強度向上剤のハンドリング及びポリウレタンフォームの機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)向上の観点から、Yに使用する(C)は単環式化合物が好ましく、さらに好ましくはトリメリット酸及びピロメリット酸である。
一般式(I)中のaは2≦a≦芳香環置換基数−2を満たす整数である。芳香環置換基数とは、芳香環を構成する炭素原子に結合する置換基の数である。例えば、炭素6個から構成される単環の芳香環では、芳香環置換基数が6であり、aとして2〜4を取りうる。芳香環が単環の芳香環の場合、機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)向上の観点から、aは2又は3が好ましい。
一般式(I)中のZは分子量が106未満のm価以上の活性水素含有化合物からm個の活性水素を除いた残基を表す。ここで言う活性水素含有化合物としては、上述のR1で示した活性水素含有化合物が含まれる。
一般式(I)中のZの構成成分であるm価以上の活性水素含有化合物は、分子量が106未満である。
一般式(I)において、mは1〜10の整数を表す。
強度向上剤のハンドリング及びポリウレタンフォームの機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)、難燃性向上の観点から、Zには、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、これらのAO付加物及びこれらとポリカルボン酸との縮合物を用いることが好ましく、mは1〜8が好ましい。
本発明において、強度向上剤(A)と(A)以外のポリオール(P)のSP値差は、機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)、難燃性向上の観点から、0〜3であり、さらに好ましくは0〜2、次にさらに好ましくは0〜1である。
なお本発明において強度向上剤(A)又はポリオール(P)が2種類以上の混合物である場合、強度向上剤(A)又はポリオール(P)のSP値は、各成分のSP値の重量平均値とする。
本発明におけるSP値は、Fedors法によって計算される。
なお、このSP値は、次式で表せる。
SP値=(ΔH/V)1/2
式中、ΔHはモル蒸発熱(cal)を、Vはモル体積(cm3)を表す。
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」及び「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE JUNE,1974,Vol.14,No.6,ROBERT F.FEDORS.(472頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱の合計(ΔH)とモル体積の合計(V)を用いることができる。
このSP値の数値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(相溶性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
本発明の強度向上剤(A)の水酸基価(mgKOH/g)は、成形時のハンドリング(粘度)及び機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)向上の観点から、0〜700が好ましく、さらに好ましくは0〜650、次にさらに好ましくは0〜600である。
なお、本発明において、水酸基価はJISK−1557に準拠して測定される。
また、(A)の水酸基価が0であることは、一般式(I)中、いずれのR1もYもZも水酸基を有しないことを意味する。
本発明の強度向上剤(A)の芳香環濃度(mmol/g)は、機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)、難燃性向上の観点から、2.0〜10.0が好ましく、さらに好ましくは2.0〜9.5、次にさらに好ましくは2.0〜9.0である。
なお、(A)の芳香環濃度は、強度向上剤(A)1g中の芳香環のモル数を意味する。
3価以上の(C)由来のYの含量は、強度向上剤(A)の数平均分子量を基準として、機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)、難燃性向上の観点から、5〜40%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜40%、次にさらに好ましくは10〜30%である。
本発明のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物は、上記の強度向上剤(A)及びポリオール(P)を含有してなる。
ポリオール(P)としては、具体的には下記の多価アルコール、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオール等の公知のポリオールであって(A)以外の物が含まれる。そしてポリオール(P)は、上述したように強度向上剤(A)と特定のSP値差を有するものである。
多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール、炭素数3〜20の3価アルコール及び炭素数5〜20の4〜8価アルコール等が挙げられる。
炭素数2〜20の2価アルコールとしては、脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−及び1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール並びにネオペンチルグリコール等)及び脂環式ジオール(シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノール等)が挙げられる。
炭素数3〜20の3価アルコールとしては、脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)が挙げられる。
炭素数5〜20の4〜8価の多価アルコールとしては、脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等並びに糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコールのAO付加物が挙げられる。AOとしては前述のAOが挙げられ、性状や反応性の観点から、PO、EO及び1,2-ブチレンオキサイドが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
ポリエステルポリオールとしては、多価水酸基含有化合物(前記の多価アルコール及び前記ポリエーテルポリオール)と芳香族ポリカルボン酸(前述したもの等)及び脂肪族ポリカルボン酸(前述したもの等)、これらの無水物並びにこれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数が1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(無水フタル酸及びテレフタル酸ジメチル等)との縮合反応生成物;前記多価アルコールの前記カルボン酸無水物及びAOの付加反応物;これらのAO(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール{例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの};並びにポリカーボネートポリオール(例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物)等が挙げられる。
これら以外の各種ポリオールとしては、重合体ポリオール、ポリブタジエンポリオール等のポリジエンポリオール及びそれらの水添物;アクリル系ポリオール、特開昭58−57413号公報及び特開昭58−57414号公報等に記載された水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油系ポリオール;天然油系ポリオールの変性物;等が挙げられる。
ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物の重量を基準とする強度向上剤(A)の含有量は、機械物性(伸び、引っ張り強度)、難燃性向上の観点から、0.1〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜80重量%、特に好ましくは1.0〜60重量%である。なお、本発明においては、使用する重合体ポリオールに強度向上剤(A)が含まれている場合も、ポリオール組成物に(A)が含有されているものとして取り扱う。
ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物の重量を基準とする(A)以外のポリオール(P)の含有量は、機械物性(伸び、引っ張り強度)、難燃性向上の観点から、10〜99.9重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜99.5重量%、特に好ましくは40〜99.0重量%である。
ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物を製造するに当たって、強度向上剤(A)とポリオール(P)とを混合する方法は公知のいかなる方法でも良い。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法において、上記ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物と有機ポリイソシアネート成分(D)とを、発泡剤及び触媒の存在下に反応させてポリウレタンフォームを形成させる。
有機ポリイソシアネート成分(D)としては、通常ポリウレタンフォームに使用される有機ポリイオシアネートはすべて使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)が6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物等が挙げられる。具体例としては、1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート並びにトリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びリジンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、カルボジイミド変性MDI等が挙げられる。
これらの中で、反応性及びポリウレタンフォームの機械物性(引っ張り強度、引裂強度、圧縮硬さ)、難燃性の観点から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、さらに好ましくは、TDI、粗製TDI、MDI、粗製MDI及びこれらのイソシアネートの変性物、特に好ましくは、TDI、MDI及び粗製MDIである。
発泡剤としては、水、液化炭酸ガス及び沸点が−5〜70℃の低沸点化合物が含まれる。
低沸点化合物には、水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素等が含まれる。 水素原子含有ハロゲン化炭化水素及び低沸点炭化水素の具体例としては、塩化メチレン、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)(HCFC−123、HCFC−141b及びHCFC−142b等);HFC(ハイドロフルオロカーボン)(HFC−152a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa及びHFC−365mfc等)、ブタン、ペンタン及びシクロペンタン等が挙げられる。
これらのうち、成形性の観点から、水、液化炭酸ガス、塩化メチレン、シクロペンタン、HCFC−141b、HFC−134a、HFC−356mff、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−245fa、HFC−365mfc及びこれらの2種以上の混合物を発泡剤として使用するのが好ましい。
発泡剤のうち、水の使用量は、フォーム形成時のフォーム密度の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分{ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物}100重量部に対して、1.0〜8.0重量部が好ましく、さらに好ましくは1.5〜7.0重量部である。低沸点化合物の使用量は、成形不良の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5〜25重量部である。液化炭酸ガスは、30部以下が好ましく、さらに好ましくは1〜25部である。
触媒としては、ウレタン化反応を促進するすべての触媒を使用でき、3級アミン{トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、ジエチルエタノールアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ジアミノビシクロオクタン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7、ビス(N,N−ジメチルアミノ−2−エチル)エーテル及びN,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等}、及び/又はカルボン酸金属塩(酢酸カリウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸第一スズ、ジラウリル酸ジブチル第二スズ及びオクチル酸鉛等)が挙げられる。触媒の使用量は、機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)向上の観点から、ウレタンフォーム製造時に使用するポリオール成分100重量部に対して、0.01〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0重量部である。
整泡剤としては、通常のポリウレタンフォームの製造に用いられるものはすべて使用でき、ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)製の「SRX−253」、「PRX−607」等]及びポリエーテル変性ジメチルシロキサン系整泡剤[東レ・ダウコーニング(株)製の「L−540」、「SZ−1142」、「L−3601」、「SRX−294A」、「SH−193」、「SZ−1720」、「SZ−1675t」、「SF−2936F」及びデグサジャパン(株)製「B−4900」等]が挙げられる。整泡剤の使用量は、機械物性(伸び、引っ張り強度)、機械物性の経時変化及びフォームの変色の観点から、ポリオール成分100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましく、さらに好ましくは1.0〜4.0重量部である。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法においては、必要により、さらに以下に述べるその他の助剤を用い、その存在下で反応させてもよい。
その他の助剤としては、着色剤(染料及び顔料)、可塑剤(フタル酸エステル及びアジピン酸エステル等)、有機充填剤(合成短繊維、熱可塑性又は熱硬化性樹脂からなる中空微小球等)、難燃剤(リン酸エステル及びハロゲン化リン酸エステル等)、老化防止剤(トリアゾール及びベンゾフェノン等)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール及びヒンダードアミン等)等の公知の補助成分が挙げられる。
これら助剤の添加量としては、ポリオール成分100重量部に対して、着色剤は、1重量部以下が好ましい。可塑剤は、10重量部以下が好ましく、さらに好ましくは5重量部以下である。有機充填剤は、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは30重量部以下である。難燃剤は、30重量部以下が好ましく、さらに好ましくは2〜20重量部である。老化防止剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。抗酸化剤は、1重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。助剤の合計使用量は、50重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.2〜30重量部である。
本発明の製造方法において、ポリウレタンフォームの製造に際してのイソシアネート指数(インデックス)[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]は、成形性、機械物性(引っ張り強度、引き裂き強度、圧縮硬さ)、難燃性の観点から、70〜250が好ましく、さらに好ましくは80〜200、特に好ましくは90〜180である。
本発明の方法によるポリウレタンフォームの製造方法の具体例の一例を示せば、下記の通りである。まず、ポリウレタンフォーム製造用ポリオール成分、発泡剤、触媒、整泡剤並びに必要によりその他の添加剤を所定量混合する。次いでポリウレタンフォーム発泡機又は攪拌機を使用して、この混合物と有機ポリイソシアネート成分とを急速混合する。得られた混合液(発泡原液)を連続発泡してポリウレタンフォームを得ることができる。また、密閉型又は開放型のモールド(金属製又は樹脂製)に注入し、ウレタン化反応を行わせ、所定時間硬化後、脱型してポリウレタンフォームを得ることもできる。
本発明の方法で得られたポリウレタンフォームは、車両用クッション用、家具・建材用、衣料用、電気機器用、電子機器用又は包装用として好適に使用される。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
製造例1
攪拌装置、温度制御装置付きのステンレス製オートクレーブに、メタノール1モル、無水トリメリット酸1モル及びアルカリ触媒(N−エチルモルフォリン)0.020モル、溶媒としてTHF2モルを仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、120±10℃で1時間反応させハーフエステル化を行った。ハーフエステル化後、EO2モルを80±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、1時間かけて滴下した後、80±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、アルカリ触媒、溶媒を10KPaにて1時間減圧除去して、強度向上剤A−1を得た。A−1の物性値を表1に記載した。
製造例2
製造例1において、メタノールの代わりにエチレングリコール1モルを使用する以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−2を得た。A−2の物性値を表1に記載した。
製造例3
製造例1において、メタノールの代わりにエチレングリコール1モルを使用し、無水トリメリット酸の使用量を2モル、N−エチルモルフォリンの使用量を0.040モル、THFの使用量を4モル、EOの使用量を4モルとする以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−3を得た。A−3の物性値を表1に記載した。
製造例4
製造例1と同様なオートクレーブにエチレングリコールを1モル、無水トリメリット酸2モル、触媒としてトリエチルアミン4.2モル、溶媒としてTHFを3モル仕込み、窒素雰囲気下80±10℃で2時間ハーフエステル化を行った。この後、R1構成原料としてベンジルクロリド4モルを加え、80±10℃で6時間反応した。反応後、析出した塩を濾別し、有機層を水で洗浄し目的物をトルエンで抽出分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、80±10℃、10kPaで溶媒留去を行い強度向上剤A−4を得た。A−4の物性値を表1に記載した。
製造例5
製造例4において、無水トリメリット酸の代わりに無水ピロメリット酸を2モル、トリエチルアミンの使用量を6.2モル、ベンジルクロリドの使用量を6モルとする以外は製造例4と同様にして、強度向上剤A−5を得た。
製造例6
製造例1において、メタノールの代わりに1,3プロパンジオール1モルを使用し、無水トリメリット酸の使用量を2モル、N−エチルモルフォリンの使用量を0.040モル、THFの使用量を4モル、EOの使用量を4モルとする以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−6を得た。A−6の物性値を表1に記載した。
製造例7
製造例1において、メタノールの代わりに1,3プロパンジオール1モル、無水トリメリット酸の代わりに無水ピロメリット酸2モル使用し、N−エチルモルフォリンの使用量を0.060モル、THFの使用量を4モル、EOの使用量を6モルとする以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−7を得た。A−7の物性値を表1に記載した。
製造例8
製造例1において、メタノールの代わりにグリセリン1モルを使用する以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−8を得た。A−8の物性値を表1に記載した。
製造例9
製造例1において、メタノールの代わりにグリセリン1モルを使用し、無水トリメリット酸の使用量を3モル使用、N−エチルモルフォリンの使用量を0.060モル、THFの使用量を4モル、EOの使用量を6モルとする以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−9を得た。A−9の物性値を表1に記載した。
製造例10
製造例4においてエチレングリコールの代わりにグリセリンを1モル、無水トリメリット酸の代わりに無水ピロメリット酸を3モル使用し、トリエチルアミンの使用量を9.2モル、ベンジルクロリドの使用量を9モルとする以外は製造例4と同様にして、強度向上剤A−10を得た。A−10の物性値を表1に記載した。
製造例11
製造例1において、メタノールの代わりに1−ヘキサノール1モルを使用する以外は製造例1と同様にして、強度向上剤A−11を得た。A−11の物性値を表1に記載した。
Figure 2013023669
比較製造例1
製造例1と同様のオートクレーブに、プロピレングリコールPO付加物(三洋化成工業株式会社製 サンニックスPP−1000;数平均分子量1000、水酸基価112.2)1モル、無水トリメリット酸2モル及びアルカリ触媒(N−エチルモルフォリン)0.02モルを仕込み、窒素雰囲気下、0.20MPa、120±10℃で1時間反応させハーフエステル化を行った。その後EO4モルを120±10℃、圧力0.50MPa以下となるよう制御しながら、5時間かけて滴下した後、120±10℃で1時間熟成した。熟成終了後、アルカリ触媒を0.1MPaにて1時間減圧除去して、ポリオール(H−1)を得た。(H−1)の物性値は次の通り。
水酸基価(mgKOH/g)=143.8、Y含量(重量%)=9.61、芳香環濃度(mmol/g)=1.28。
比較製造例2
比較製造例1においてプロピレングリコールPO付加物の代わりにジエチレングリコール1モル、無水トリメリット酸の代わりに無水ピロメリット酸2モル使用し、N−エチルモルフォリンの使用量を0.060モル、EOの使用量を6モル使用する以外は比較製造例1と同様にして、ポリオール(H−2)を得た。(H−2)の物性値は次の通り。
水酸基価(mgKOH・g)=399.4、Y含量(重量%)=17.56、芳香環濃度(mmol/g)=2.37。
<実施例1〜15、比較例1〜5 硬質フォームの製造>
表2〜表3に示した配合処方に従って、下記の発泡条件により発泡して硬質ポリウレタンフォームを作製し、一昼夜(温度25℃、湿度60%にて24時間)放置後のフォームのコア密度(kg/m3)、圧縮硬さ(N/m3)、燃焼試験を測定した。
(発泡条件)
BOX SIZE:240mm×240mm×240mm
材質 :アルミ
ミキシング方法 :ハンドミキシング(必要試薬を所定の容器に必要量仕込んだ後、攪拌羽を容器中に挿入し回転数8000回転/分で6秒間攪拌させる発泡方法)
ミキシング時間 :7秒
撹拌羽回転数 :8000回転/分
実施例1〜15及び比較例1〜5における硬質ポリウレタンフォームの原料は、前述の製造例・比較製造例で作成した物を使用し、それ以外の物は次の通りである。
1.触媒
触媒−1:東ソー(株)社製「TOYOCAT−DT」
触媒−2:サンアプロ(株)社製「U−CAT 1000」
触媒−3:サンアプロ(株)社製「DABCO K−15」
触媒−4:エアプロダクツジャパン(株)社製「DABCO−33LV」
2.整泡剤
整泡剤−1:東レ・ダウコーニング(株)製「SH―193」
3.有機イソシアネート成分(D−1)
日本ポリウレタン工業(株)社製「ミリオネート MR−200」(ポリメリックMDI)
4.ポリオール
(1)ポリオール(P−1):エチレンジアミンにPOを付加させて得られた平均官能基数4.0、水酸基価755のポリオキシプロピレンポリオール
(2)ポリオール(P−2):グリセリンにPOを付加させて得られた平均官能基数3.0、水酸基価670のポリオキシプロピレンポリオール
(3)ポリオール(P−3):ペンタエリスリトールにPOを付加させて得られた平均官能基数4.0、水酸基価400のポリオキシプロピレンポリオール
(4)ポリオール(P−4):蔗糖にPOを付加させて得られた平均官能基数8.0、水酸基価420のポリオキシプロピレンポリオール
(5)ポリオール(P−5):グリセリン
(6)ポリオール(P−6):川崎化成工業(株)社製マキシモールRFK−504
5.難燃剤
難燃剤−1:大八化学工業(株)社製「TMCPP」(トリス(β−クロロプロピルホスフェート
6.発泡剤
発泡剤−1:水
発泡剤−2:シクロペンタン
発泡剤−3:セントラル硝子(株)社製「HFC−245fa」(1,1,1,3,3,−ペンタフルオロプロパン)
各項目の測定方法は下記の通りである。得られた結果を表2〜表3に示す。
密度 :JIS A9511に準拠、単位はkg/m3
圧縮強度:JIS A9511に準拠、単位はN/mm2
燃焼試験:JIS A9511に準拠。
Figure 2013023669
Figure 2013023669
表2〜表3において、本発明実施例1〜15のウレタンフォームは、従来技術により得られる比較例1〜5のウレタンフォームよりも、フォーム物性(圧縮強度)、難燃性が向上している。
<実施例16〜17及び比較例6〜7 軟質スラブフォームの製造>
表4に示した配合処方に従って、下記の発泡条件により発泡して軟質ポリウレタンフォームを作製し、一昼夜(温度25℃、湿度50%にて24時間)放置後のフォームのコア密度(kg/m3)、硬さ(25%ILD、kgf/314cm2)、引裂強度(kgf/cm)、引張強度(kgf/cm2)、伸び(%)、燃焼試験を測定した。
(発泡条件)
BOX SIZE:250mm×250mm×250mm
材質 :木材
ミキシング方法 :ハンドミキシング(必要試薬を所定の容器に必要量仕込んだ後、攪拌羽を容器中に挿入し回転数5000回転/分で6〜20秒間攪拌させる発泡方法)
ミキシング時間 :6〜20秒
撹拌羽回転数 :5000回転/分
実施例16〜17及び比較例6〜7におけるポリウレタンフォーム原料は次の通りである。
(1)有機ポリイソシアネート成分(D−2)
TDI:NCO%=48.3(商品名:コロネートT−80、日本ポリウレタン工業(株)製)
(2)発泡剤
発泡剤−1:水
(3)触媒
触媒−5:エアプロダクツジャパン(株)製「DABCO−33LV」(トリエチレンジアミンの33重量%ジプロピレングリコール溶液)
触媒−6:オクチル酸スズ(商品名:日東化成(株)製「ネオスタンU−28」(オクチル酸第1スズ)
(4)整泡剤
整泡剤−2:東レ・ダウコーニング製「L−540」
(5)ポリオール(P−7):グリセリンにPOを付加させて得られた平均官能基数3.0、水酸基価56のポリオキシプロピレンポリオール
<試験方法>
各項目の測定方法は下記の通りである。得られた結果を表4に示す。
・フォーム物性の測定方法及び単位を以下に示す。
コア密度:JIS K6400に準拠、単位はkg/m3
硬さ(25%−ILD):JIS K6400に準拠、単位はkgf/314cm2
伸び率:JIS K6400に準拠、単位は%
引張強度:JIS K6400に準拠、単位はkgf/cm2
引裂強度:JIS K6400に準拠、単位はkgf/cm
燃焼試験:MVSS−302に準拠。
Figure 2013023669
表4において、本発明実施例16〜17のウレタンフォームは、従来技術により得られる比較例6〜7のウレタンフォームよりも、フォーム物性、特にフォーム硬さや引張強度、引裂強度、及び難燃性が向上している。
本発明のポリウレタンフォームは、車両座席用、家具用、建材用、寝具用、アパレル用、電気機器用、電子機器用、包装用、その他用途(サニタリー用品、化粧用品)等のポリウレタンフォームのあらゆる用途で好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で表される強度向上剤(A)及び下記ポリオール(P)を含むポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
    Figure 2013023669
    [一般式(I)中、R1は活性水素含有化合物から1個の活性水素を除いた残基を表す。複数のR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。;Yは3価以上の芳香族ポリカルボン酸(C)からカルボキシル基を除いた残基を表す。Yの芳香環は炭素原子から構成される。芳香環の置換基は水素原子でも他の置換基でもよいが、少なくとも一つの置換基が水素原子である。;aは2≦a≦(芳香環置換基数−2)を満たす整数である。;Zは、分子量が106未満のm価以上の活性水素含有化合物からm個の活性水素を除いた残基を表す。;mは1〜10の整数を表す。]
    ポリオール(P):強度向上剤(A)とのSP値差が0〜3である(A)以外のポリオール。
  2. 強度向上剤(A)の水酸基価が0〜700mgKOH/gである請求項1に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  3. 強度向上剤(A)の芳香環濃度(mmol/g)が2.0〜10.0である請求項1又は2に記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  4. 強度向上剤(A)中のYの含量が、(A)の数平均分子量を基準として5〜40重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  5. ポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物の重量を基準とする強度向上剤(A)の含有量が、0.1〜90重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレタンフォーム製造用ポリオール組成物と、有機ポリイソシアネート成分(D)とを、発泡剤、触媒及び整泡剤の存在下に反応させてなるポリウレタンフォームの製造方法。
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