一例として示す振動発光型集魚灯10の斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る合成樹脂成形物の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、集魚灯10の使用例を説明する図であり、図3は、一例として示す発光デバイス12Aの回路図である。図1では、本発明にかかる合成樹脂成形物が振動発光型集魚灯10として利用されている。
集魚灯10は、集魚灯本体11(集魚用のケーシング)と、集魚灯本体11に設置された発光デバイス12Aとから形成されている。なお、集魚灯10には、後記する発光デバイス12Bや発光デバイス12Cのいずれかが使用される場合もある。集魚灯本体11は、略半球状の前端部13および後端部15と、それら端部13,15の間に位置する略円柱状の中間部14とを有する。
集魚灯本体11の前端部13には、釣り糸16を結び付ける導電性の連結金具17(サルカン)が取り付けられ、後端部15には、釣り糸16を結び付ける導電性の連結金具18(サルカン)が取り付けられている。それら連結金具17,18は、集魚灯本体11の前後端部13,15に強固に固定されている。連結金具17,18は、前後端部13,15に埋設されたアンカー部19と、前後端部13,15から露出するフック部20とから形成されている。
なお、集魚灯本体11は図示の形状に限定されず、本発明の振動発光型集魚灯10において他のあらゆる形状を採用することができる。集魚灯本体11は、透明または半透明のホットメルト樹脂(合成樹脂)から作られている。ホットメルト樹脂としては、ポリアミド系やポリオレフィン系、ウレタン系のそれを使用することができる。集魚灯本体11は、ホットメルト樹脂の他に、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレート、ポリプルピレン等の熱可塑性合成樹脂から作ることもできる。
発光デバイス12Aは、集魚灯本体11内の中間部14の略中央に埋め込まれ、その全体がホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)に包被され、ホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)と一体化している。発光デバイス12Aは、ホットメルト樹脂に水密に封止されている。発光デバイス12Aは、図3に示すように、直列に接続された3つの1.5Vボタン電池60(直流電源)と、発光ダイオード61と、第1スイッチング素子62(MOS−FET)と、コンデンサー63と、第2スイッチング素子64(MOS−FET)と、ピエゾ発電素子65(圧電素子)とから形成されている。発光デバイス12Aは、発光ダイオード61をボタン電池60によって発光させる直流点灯回路である。
発光ダイオード61と第1スイッチング素子62とは、ボタン電池60に対して並列に接続されている。発光ダイオード61においてボタン電池60の直流電流が順方向へ流れるようにそれら発光ダイオード61が配置されている。なお、ボタン電池60の個数に特に限定はなく、予定された発光ダイオード61の発光強度に対応する個数に設定される。また、発光デバイス12Aでは、ボタン電池60に替えて、直流電源としてアルカリ電池等の他のあらゆる一次電池を利用することもできる。
発光ダイオード61の発光波長や発光輝度、変換効率等について特に限定はなく、紫外光や青色、緑色に発光するGaInN、緑色や黄緑色に発光するInGaAIP/GaAs、黄色に発光するInGaAIP/GaP、赤色に発光するInGaAIPやGaAIAs、赤外光に発光するGaAIAsやGaAs等のあらゆるものを使用することができる。
第1スイッチング素子62には、MOS−FETが使用されている。第1スイッチング素子62は、発光ダイオード61に印加される電圧をON/OFFする。第1スイッチング素子62であるMOS−FETは、そのドレイン電極62aが発光ダイオード61のNチャネルに電気的に接続され、そのソース電極62bがボタン電池60のプラス端子に電気的に接続されている。発光ダイオード61のNチャネルと第1スイッチング素子62のドレイン電極62aとの間には、抵抗66が電気的に接続されている。発光ダイオード61のPチャネルは、ボタン電池60のマイナス端子に電気的に接続されている。
コンデンサー63と第2スイッチング素子64とは、ボタン電池60に対して並列に接続されている。コンデンサー63は、第1スイッチング素子62をONさせるための電荷を蓄える。コンデンサー63は、第1端子63aが第1スイッチング素子62であるMOS−FETのゲート電極62cに電気的に接続され、第2端子63bがボタン電池60のプラス端子に電気的に接続されている。なお、コンデンサー63の静電容量について特に限定はない。第1スイッチング素子62のゲート電極62cとコンデンサー63の第1端子63aとの間には、抵抗67が電気的に接続されている。第1スイッチング素子62のゲート電極62cには、バイアス抵抗68が接続されている。
第2スイッチング素子64には、MOS−FETが使用されている。第2スイッチング素子64は、コンデンサー63に印加される電圧をON/OFFする。第2スイッチング素子64であるMOS−FETは、そのドレイン電極64aがボタン電池60のマイナス端子に電気的に接続され、そのソース電極64bがコンデンサー63の第1端子63aに電気的に接続されている。なお、第1および第2スイッチング素子62,64には、MOS−FETの他に、他の種類のトランジスタを使用することもできる。
ピエゾ発電素子65は、第2スイッチング素子64をONさせる。ピエゾ発電素子65は、その第1端子65aが第2スイッチング素子64であるMOS−FETのゲート電極64cに電気的に接続され、その第2端子65bがボタン電池60のマイナス端子に電気的に接続されている。なお、ピエゾ発電素子65の発電容量に特に限定はない。ピエゾ発電素子65の第1電極65aと第2スイッチング素子64のゲート電極64cとの間には、抵抗69が電気的に接続されている。第2スイッチング素子64のゲート電極64cには、バイアス抵抗70が接続されている。
合成樹脂成形物である集魚灯10の製造方法の一例を説明すると、以下のとおりである。集魚灯10は、発光デバイス12A〜12Cのいずれかを金型内に収容しつつ、ホットメルト樹脂(ホットメルト樹脂以外の熱可塑性合成樹脂を使用する場合はその樹脂)を金型内に注入するホットメルトモールディング(モールディング)によって作られている。
具体的には、集魚灯10の半分(半身)を成型する金型内に溶融したホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)を注入し、その金型によって集魚灯10の半分を成型する。なお、集魚灯10の半分には、発光デバイス12A〜12Cや連結金具17,18(サルカン)を収容する収容部が形成されている。次に、集魚灯10の全体を成型する金型に、先に成型した集魚灯10の半分を設置するとともに、収容部にいずれかの発光デバイス12A〜12Cおよび連結金具17,18をセットした後、その金型内にホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)を注入し、その金型によって集魚灯10の全体を成型する。ホットメルトモールディングでは、ホットメルト樹脂が発行デバイス12A〜12Cと一体化しつつ図1の形状に成型される。
図2に基づいてこの振動発光型集魚灯10の動作を説明すると、以下のとおりである。なお、集魚灯10は釣り竿(図示せず)の釣り糸16に取り付けられ、集魚灯10を使用して釣りができる状態になっているものとする。釣り糸16は、それら連結金具17,18のフック部20に結び付けられている。ボタン電池60による電圧は、発光ダイオード61のPチャネルと第1スイッチング素子62のソース電極62bとの間に加えられ、第2スイッチング素子64のドレイン電極64aとコンデンサー63の第2端子63bとの間に加えられている。ピエゾ発電素子65に所定の電圧が生じていない状態では、第2スイッチング素子64のゲート電極64cに電圧がかかっておらず、第2スイッチング素子64がOFF状態となっている。また、第1スイッチング素子62のゲート電極62cに電圧がかかっておらず、第1スイッチング素子62がOFF状態となっている。
集魚灯10を水中に投入し、釣り糸16の手繰り出しや手繰り込みによって集魚灯10を水中において上下動させ、集魚灯10に衝撃(振動)を加えると、その振動がピエゾ発電素子65に伝達される。振動がピエゾ発電素子65に伝達されると、その振動によってピエゾ発電素子65の両端に所定の電圧が生じる。ピエゾ発電素子65に所定の電圧が生じると、ピエゾ発電素子65に生じた電圧が第2スイッチング素子64のゲート電極64cにかかる。
ゲート電極64cに電圧がかかると、第2スイッチング素子64のドレイン−ソース間にボタン電池60の電流が流れ、第2スイッチング素子64がON状態になる。第2スイッチング素子64がON状態になると、ボタン電池60からコンデンサー63に所定の電圧が印加され、コンデンサー63に所定量の電荷が蓄えられる。ピエゾ発電素子65に生じた電圧が消滅すると、第2スイッチング素子64のゲート電極64cにかかっていた電圧が0になり、第2スイッチング素子64のドレイン−ソース間に流れていたボタン電池60の電流が切れ、第2スイッチング素子64がOFF状態になり、ボタン電池60からのコンデンサー63に対する電圧の印加が停止する。
その後、コンデンサー63は、蓄えた電荷を放出(放電)する。コンデンサー63が電荷を放出すると、その電荷(電圧)が第1スイッチング素子62のゲート電極62cにかかる。ゲート電極62cに電圧がかかると、第1スイッチング素子62のドレイン−ソース間にボタン電池60の電流が流れ、第1スイッチング素子62がON状態になる。第1スイッチング素子62がON状態になると、ボタン電池60から発光ダイオード61に所定の電圧が印加され、発光ダイオード61にボタン電池60の直流電流が流れる。
発光ダイオード61にボタン電池60の直流電流が流れると、電流(IF)の大きさに比例した発光強度で発光ダイオード61が発光する。なお、第1および第2スイッチング素子62,64はそのゲート電極62c,64cに電圧がかかると、直ちにON状態となるから、ピエゾ発電素子65に所定の衝撃が加えられることで、発光ダイオード61が瞬時に発光する。集魚灯10では、それの振動によって発光ダイオード61が発光し、その光で魚類を引き寄せる。
コンデンサー63からの電荷の放出が終了すると、第1スイッチング素子62のゲート電極62cにかかっていた電圧が0になり、第1スイッチング素子62のドレイン−ソース間に流れていたボタン電池60の電流が切れ、第1スイッチング素子62がOFF状態になる。第1スイッチング素子62がOFF状態になると、発光ダイオード61の発光が停止する。
なお、コンデンサー63から放出される電荷は時間の経過とともに次第に少なくなり、それに対応するように、第1スイッチング素子62のドレイン−ソース間に流れる電流が次第に少なくなるとともに、発光ダイオード61の発光が次第に弱くなる。したがって、発光ダイオード61が瞬時に消灯することはなく、発光ダイオード61の発光が徐々に弱くなる。コンデンサー63に蓄えられたすべての電荷が放出された後、発光ダイオード61の発光が停止する。
ボタン電池60からのコンデンサー63への電圧の印加時間は、ピエゾ発電素子65の発電量に比例し、ピエゾ発電素子65の発電量が多ければ、その分、ボタン電池60からコンデンサー63への電圧の印加時間が長くなる。ボタン電池60からコンデンサー63への電圧の印加時間が長くなると、コンデンサー63の静電容量にもよるが、コンデンサー63に蓄えられる(蓄電)電荷の量が増加する。したがって、釣り糸16を大きく上下動させて集魚灯10に大きな衝撃(振動)を加え、その振動をピエゾ発電素子65に伝達することで、コンデンサー63に蓄えられる電荷の量を増加させることができ、発光ダイオード61の発光時間を長くすることができる。
逆に、ピエゾ発電素子65の発電量が少なければ、その分、ボタン電池60からコンデンサー63への電圧の印加時間が短くなる。ボタン電池60からコンデンサー63への電圧の印加時間が短くなると、コンデンサー63に少ない量の電荷が蓄えられる。したがって、釣り糸16を小さく上下動させて集魚灯10に小さな衝撃(振動)を加え、その振動をピエゾ発電素子65に伝達することで、コンデンサー63に蓄えられる電荷の量を少なくすることができ、発光ダイオード61の発光時間を短くすることができる。
発光デバイス12Aでは、ボタン電池60からの発光ダイオード61への電圧の印加時間がコンデンサー63の静電容量(蓄電量)に比例し、静電容量の大きなコンデンサー63を使用することで、コンデンサー63に蓄電される電荷の量を多くすることができ、コンデンサー63から第1スイッチング素子62への電荷の放電時間が長くなり、ボタン電池60から発光ダイオード61への電圧の印加時間が長くなって、その分、発光ダイオード61の発光時間を長くすることができる。
逆に、静電容量の小さなコンデンサー63を使用することで、コンデンサー63に蓄電される電荷の量を少なくすることができ、コンデンサー63から第1スイッチング素子62への電荷の放電時間が短くなり、ボタン電池60から発光ダイオード61への電圧の印加時間が短くなって、その分、発光ダイオード61の発光時間を短くすることができる。
発光デバイス12Aでは、発電容量の大きなピエゾ発電素子65を使用することで、第2スイッチング素子64のON時間を長くすることができ、ボタン電池60からコンデンサー63への電圧の印加時間が長くなり、コンデンサー63に蓄えられる(蓄電)電荷の量が増加し、コンデンサー63から第1スイッチング素子62への電荷の放電時間が長くなって、その分、発光ダイオード61の発光時間を長くすることができる。
逆に、発電容量の小さなピエゾ発電素子65を使用することで、第2スイッチング素子64のON時間を短くすることができ、ボタン電池60からコンデンサー63への電圧の印加時間が短くなり、コンデンサー63に蓄えられる(蓄電)電荷の量が減少し、コンデンサー63から第1スイッチング素子62への電荷の放電時間が短くなって、その分、発光ダイオード61の発光時間を短くすることができる。
集魚灯10は、釣り糸16の上下動の強弱を調節することにより、発光ダイオード61の発光時間を調節することができ、水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に変えることができる。集魚灯10は、静電容量の異なるコンデンサー63を使用(コンデンサー63の静電容量を変更)することにより、発光ダイオード61の発光時間を変更することができ、コンデンサー63の静電容量を調節することで水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に設定することができる。さらに、発電容量の異なるピエゾ発電素子65を使用(ピエゾ発電素子65の発電容量を変更)することにより、発光ダイオード61の発光時間を変更することができ、ピエゾ発電素子65の発電容量を調節することで水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に設定することができる。
集魚灯10は、釣り糸16を介して振動がピエゾ発電素子65に伝達され、振動をトリガーとして発光ダイオード61を点灯させることができ、振動を受けたときにのみ発光ダイオード61を点灯させることができる。集魚灯10は、コンデンサー63からの電荷の放出が停止すると、第1スイッチング素子62がOFF状態となり、ボタン電池60から発光ダイオード61への電圧の印加が停止して発光ダイオード61が消灯するから、振動が停止した後に発光ダイオード61の発光が継続することはなく、ボタン電池60における消費電力を少なくすることができる。また、コンデンサー63からの電荷の放出が徐々に少なくなるから、発光ダイオード61がゆっくりと消灯し、発光デバイス12A(または発光デバイス12B,12C)の瞬時の消灯を防ぐことができる。
集魚灯10は、それにデジタル回路が使用されておらず、デジタル回路を安定的に動作させるために所定の電圧をデジタル回路に加えておく必要はなく、発光デバイス12A(または発光デバイス12B,12C)における省電力化を図ることができる。集魚灯10は、発光デバイス12A(または発光デバイス12B,12C)全体がホットメルト樹脂に包被されているから、発光デバイス12A(または発光デバイス12B,12C)に対する優れた耐水性や耐油性、耐薬品性を有するとともに、発光デバイス12A(または発光デバイス12B,12C)への防塵や防汚、結露防止を図ることができる。
図4は、他の一例として示す発光デバイス12Bの回路図である。この発光デバイス12Bは、直列に接続された3つの1.5Vボタン電池60(直流電源)と、発光ダイオード61と、第1スイッチング素子62(MOS−FET)と、コンデンサー63と、第2スイッチング素子64(MOS−FET)と、ピエゾ発電素子65と、水分検知部材71a,71bとから形成されている。発光デバイス12Bは、図1のそれと同様に、発光ダイオード61をボタン電池60によって発光させる直流点灯装置である。
この発光デバイス12Bが図3のそれと異なるところはピエゾ発電素子65に水分検知部材71a,71bが接続されている点にあり、この発光デバイス12Bにおけるその他の回路構成は図3のそれらと同一であるから、図3と同一の符号を付すとともに、図3の発光デバイス12Aの説明を援用することで、この発光デバイス12Bにおけるその他の回路構成の説明は省略する。
水分検知部材71a,71bは、導電性端子であり、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加を可能または不能にする。水分検知部材71a,71bは、それが水分を検知したときに、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加を可能にするようにピエゾ発電素子65に接続されている。
水分検知部材71a,71bは、一方の端子71aが集魚灯10の一方の連結金具17(サルカン)に電気的につながり、他方の端子71bが集魚灯10の他方の連結金具18(サルカン)に電気的につながっている。したがって、水分検知部材71a,71bは、集魚灯10の前端部13における連結金具17のフック部20と後端部15における連結金具18のフック部20との2点において集魚灯本体11から露出している(図1参照)。
図2を援用しつつ図4に示す発光デバイス12Bを使用した振動発光型集魚灯10の動作を説明すると、以下のとおりである。ピエゾ発電素子65に所定の電圧が生じていない状態では、図3の発光デバイス12Aと同様に、第2スイッチング素子64のゲート電極64cに電圧がかかっておらず、第2スイッチング素子64がOFF状態となっている。また、第1スイッチング素子62のゲート電極62cに電圧がかかっておらず、第1スイッチング素子62がOFF状態となっている。なお、集魚灯10が水に漬かっていない場合、水分検知部材71a,71bが導通せず、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加が不能になっている。
集魚灯10を水中に投入し、集魚灯10が水に漬かると、水分検知部材71a,71b(連結金具17,18)が水分を検知して導通可能(連結金具17,18どうしが水分によって導通可能)になり、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加が可能になる。釣り糸16の手繰り出しや手繰り込みによって集魚灯10を水中において上下動させ、集魚灯10に衝撃(振動)を加えてその振動がピエゾ発電素子65に伝達されると、その振動によってピエゾ発電素子65の両端に所定の電圧が生じる。ピエゾ発電素子65に所定の電圧が生じると、ピエゾ発電素子65に生じた電圧が第2スイッチング素子64のゲート電極64cにかかる。
ゲート電極64cに電圧がかかると、第2スイッチング素子64のドレイン−ソース間にボタン電池60の電流が流れ、第2スイッチング素子64がON状態になる。第2スイッチング素子64がON状態になると、ボタン電池60からコンデンサー63に所定の電圧が印加され、コンデンサー63に所定量の電荷が蓄えられる。ピエゾ発電素子65に生じた電圧が消滅すると、第2スイッチング素子64のゲート電極64cにかかっていた電圧が0になり、第2スイッチング素子64のドレイン−ソース間に流れていたボタン電池60の電流が切れ、第2スイッチング素子64がOFF状態になり、ボタン電池60からのコンデンサー63に対する電圧の印加が停止する。
コンデンサー63は、蓄えた電荷を放出する。コンデンサー63が電荷を放出すると、その電荷が第1スイッチング素子62のゲート電極62cにかかる。ゲート電極62cに電圧がかかると、第1スイッチング素子62のドレイン−ソース間にボタン電池60の電流が流れ、第1スイッチング素子62がON状態になる。第1スイッチング素子62がON状態になると、ボタン電池60から発光ダイオード61に所定の電圧が印加され、発光ダイオード61にボタン電池60の直流電流が流れる。発光ダイオード61にボタン電池60の直流電流が流れると、発光ダイオード61が発光する。集魚灯10では、それの振動によって発光ダイオード61が発光し、その光で魚類を引き寄せる。
コンデンサー63からの電荷の放出が終了すると、第1スイッチング素子62のゲート電極62cにかかっていた電圧が0になり、第1スイッチング素子62のドレイン−ソース間に流れていたボタン電池60の電流が切れ、第1スイッチング素子62がOFF状態になる。第1スイッチング素子62がOFF状態になると、発光ダイオード61の発光が停止する。なお、集魚灯10を水中から水上に上げると、水分検知部材71a,71b(連結金具17,18)が導通不能(連結金具17,18どうしの導通が不能)になり、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加が不能になる。したがって、水中以外において集魚灯10に振動を加えたとしても、発光ダイオード61が発光することはない。
発光デバイス12Bを利用した集魚灯10においても、釣り糸16の上下動の強弱を調節することにより、発光ダイオード61の発光時間を調節することができ、水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に変えることができる。また、静電容量の異なるコンデンサー63を使用することにより、発光ダイオード61の発光時間を変更することができ、コンデンサー63の静電容量を調節することで水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に設定することができる。さらに、発電容量の異なるピエゾ発電素子65を使用することにより、発光ダイオード61の発光時間を変更することができ、ピエゾ発電素子65の発電容量を調節することで水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に設定することができる。
発光デバイス12Bを利用した集魚灯10は、図1のそれが有する効果に加え、以下の効果を有する。集魚灯10は、水分検知部材71a,71bを利用することで、それが水中にあるときのみ発光ダイオード61が発光し、水分の有無によって発光ダイオード61を明滅させることができるから、発光ダイオード61の発光の必要がない水上(空気中)等において発光ダイオード61の無駄な発光を防ぐことができ、発光デバイス12B(集魚灯10)における省電力化を図ることができる。
図5は、他の一例として示す発光デバイス12Cの回路図である。この発光デバイス12Cは、直列に接続された3つの1.5Vボタン電池60(直流電源)と、発光ダイオード61と、第1スイッチング素子62(MOS−FET)と、コンデンサー63と、第2スイッチング素子64(MOS−FET)と、ピエゾ発電素子65(圧電素子)と、水分検知部材71a,17bと、フォトダイオード72(光検出器)とから形成されている。発光デバイス12Cは、図1のそれと同様に、発光ダイオード61をボタン電池60によって発光させる直流点灯装置である。
この発光デバイス12Cが図3のそれと異なるところはピエゾ発電素子65に水分検知部材71a,71bが接続されている点、第2スイッチング素子64のゲート電極64cにフォトダイオード72が接続されている点にあり、この発光デバイス12Cにおけるその他の回路構成は図3のそれらと同一であるから、図3と同一の符号を付すとともに、図3の発光デバイス12Aの説明を援用することで、この発光デバイス12Cにおけるその他の回路構成の説明は省略する。
水分検知部材71a,71bは、導電性端子であり、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加を可能または不能にする。水分検知部材71a,71bは、それが水分を検知したときに、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加を可能にするようにピエゾ発電素子65に接続されている。水分検知部材71a,71bは、一方の端子71aが集魚灯10の一方の連結金具17(サルカン)に電気的につながり、他方の端子71bが集魚灯10の他方の連結金具18(サルカン)に電気的につながっている。
フォトダイオード72は、そのPチャネルが第2スイッチング素子64のゲート電極64cに電気的に接続され、そのNチャネルがボタン電池60のプラス端子に電気的に接続されている。フォトダイオード72には、抵抗70が並列に接続されている。フォトダイオード72は、異なる感度のそれを使用することで、受光した光の強度の大小に応じて作動するから、感度を選択することで、薄暗い場所で発光ダイオード61を発光させることができ、または、薄暗い場所で発光ダイオード61を発光させないこともできる。なお、光検出器には、フォトダイオード72の他に、フォトトランジスタを使用することもできる。
図2を援用しつつ図5に示す発光デバイス12Cを使用した振動発光型集魚灯10の動作を説明すると、以下のとおりである。ピエゾ発電素子65に所定の電圧が生じていない状態では、図3の発光デバイス12Aと同様に、第2スイッチング素子64のゲート電極64cに電圧がかかっておらず、第2スイッチング素子64がOFF状態となっている。また、第1スイッチング素子62のゲート電極62cに電圧がかかっておらず、第1スイッチング素子62がOFF状態となっている。なお、集魚灯10が水に漬かっていない場合、水分検知部材71a,71b(連結金具17,18)が導通せず、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加が不能になっている。さらに、フォトダイオード72に所定強度の光が入光している場合、フォトダイオード72が導通状態となる。逆に、フォトダイオード72に光が入光していない場合、フォトダイオード72が非導通状態となる。
集魚灯10を水中に投入し、集魚灯10が水に漬かると、水分検知部材71a,71b(連結金具17,18)が水分を検知して導通可能(連結金具17,18どうしが水分によって導通可能)になり、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加が可能になる。さらに、水中においてフォトダイオード72に光が入光していない場合、フォトダイオード72が非導通状態となり、フォトダイオード72に電流が流れることはない。
釣り糸16の手繰り出しや手繰り込みによって集魚灯10を水中において上下動させ、集魚灯10に衝撃(振動)を加えてその振動がピエゾ発電素子65に伝達されると、その振動によってピエゾ発電素子65の両端に所定の電圧が生じる。ピエゾ発電素子65に所定の電圧が生じると、ピエゾ発電素子65に生じた電圧が第2スイッチング素子64のゲート電極64cにかかる。ゲート電極64cに電圧がかかると、第2スイッチング素子64のドレイン−ソース間にボタン電池60の電流が流れ、第2スイッチング素子64がON状態になる。なお、フォトダイオード72に光が入光している場合、フォトダイオード72が導通状態となり、フォトダイオード72に電流が流れ、ピエゾ発電素子65に生じた電圧が第2スイッチング素子64のゲート電極64cにかからず、第2スイッチング素子64がOFFの状態とままなる。
フォトダイオード72に電流が流れず、第2スイッチング素子64がON状態になると、ボタン電池60からコンデンサー63に所定の電圧が印加され、コンデンサー63に所定量の電荷が蓄えられる。ピエゾ発電素子65に生じた電圧が消滅すると、第2スイッチング素子64のゲート電極64cにかかっていた電圧が0になり、第2スイッチング素子64のドレイン−ソース間に流れていたボタン電池60の電流が切れ、第2スイッチング素子64がOFF状態になり、ボタン電池60からのコンデンサー63に対する電圧の印加が停止する。
コンデンサー63は、蓄えた電荷を放出する。コンデンサー63が電荷を放出すると、その電荷が第1スイッチング素子62のゲート電極62cにかかる。ゲート電極62cに電圧がかかると、第1スイッチング素子62のドレイン−ソース間にボタン電池60の電流が流れ、第1スイッチング素子62がON状態になる。第1スイッチング素子62がON状態になると、ボタン電池60から発光ダイオード61に所定の電圧が印加され、発光ダイオード61にボタン電池60の直流電流が流れる。発光ダイオード61にボタン電池60の直流電流が流れると、発光ダイオード61が発光する。集魚灯10では、それの振動によって発光ダイオード61が発光し、その光で魚類を引き寄せる。
コンデンサー63からの電荷の放出が終了すると、第1スイッチング素子62のゲート電極62cにかかっていた電圧が0になり、第1スイッチング素子62のドレイン−ソース間に流れていたボタン電池60の電流が切れ、第1スイッチング素子62がOFF状態になる。第1スイッチング素子62がOFF状態になると、発光ダイオード61の発光が停止する。なお、集魚灯10を水中から水上に上げると、水分検知部材71a,71b(連結金具17,18)が導通不能(連結金具17,18どうしの導通が不能)になり、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加が不能になる。したがって、水中以外において集魚灯10に振動を加えたとしても、発光ダイオード61が発光することはない。さらに、フォトダイオード72に光が入光し、フォトダイオード72に電流が流れ、ピエゾ発電素子65に生じた電圧が第2スイッチング素子64のゲート電極64cにかからず、第2スイッチング素子64がOFFの状態になる。
発光デバイス12Cを利用した集魚灯10においても、釣り糸16の上下動の強弱を調節することにより、発光ダイオード61の発光時間を調節することができ、水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に変えることができる。また、静電容量の異なるコンデンサー63を使用することにより、発光ダイオード61の発光時間を変更することができ、コンデンサー63の静電容量を調節することで水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に設定することができる。さらに、発電容量の異なるピエゾ発電素子65を使用することにより、発光ダイオード61の発光時間を変更することができ、ピエゾ発電素子65の発電容量を調節することで水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に設定することができる。
発光デバイス12Cを利用した集魚灯10は、図1のそれが有する効果に加え、以下の効果を有する。集魚灯10は、水分検知部材71a,71bを利用することで、それが水中にあるときのみ発光ダイオード61が発光し、水分の有無によって発光ダイオード61を明滅させることができるから、発光ダイオード61の発光の必要がない水上(空気中)等において発光ダイオード61の無駄な発光を防ぐことができ、発光デバイス12B(集魚灯10)における省電力化を図ることができる。集魚灯10は、フォトダイオード72(光検出器)を利用することで、周囲の明暗によって発光ダイオード61を明滅させることができるから、発光ダイオード61の発光の必要がない明るい雰囲気の水上において発光ダイオード61の無駄な発光を防ぐことができ、発光デバイス12Bにおける省電力化を図ることができる。
図6は、一例として示す振動発光型疑似餌21の斜視図であり、図7は、疑似餌21の使用例を説明する図である。図6では、本発明にかかる合成樹脂成形物が振動発光型疑似餌21として利用されている。疑似餌21は、疑似餌本体22(疑似餌用のケーシング)と、疑似餌本体22に設置された発光デバイス12Bとから形成されている。疑似餌本体22は、小魚の姿を模倣して透明または半透明のホットメルト樹脂(合成樹脂)から作られている。疑似餌本体22は、その前端部23に釣り糸16を結び付ける連結金具26(サルカン)が取り付けられ、その中間部23と後端部24とに釣り針27が取り付けられている。疑似餌本体22は、集魚灯本体11と同様に、ホットメルト樹脂の他に、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレート、ポリプルピレン等の熱可塑性合成樹脂から作ることもできる。
連結金具26は、疑似餌本体22の前端部23に強固に固定されている。連結金具26は、前端部23に埋設されたアンカー部(図示せず)と、前端部23から露出するフック部28とから形成されている。釣り針27は、導電性の連結金具29,30を介して疑似餌本体22の中間部24と後端部25とに取り付けられている。連結金具29,30は、中間部24および後端部25に強固に固定されている。連結金具29,30は、中間部24および後端部25に埋設されたアンカー部(図示せず)と、中間部24および後端部25から露出するフック部31とから形成されている。
連結金具29には、発光デバイス12Bの水分検知部材71aが電気的に接続され、連結金具30には、水分検知部材71bが電気的に接続されている。なお、疑似餌本体22は図示の小魚の形状に限定されず、本発明の疑似餌21において他のあらゆる形状を採用することができる。また、釣り針27の形態やその取り付け位置は図示のそれらに限定されず、他の形態の釣り針を使用することもでき、釣り針27の取り付け位置を疑似餌本体22の他の箇所にすることもできる。発光デバイス12Bは、疑似餌本体22の内部の略中央に埋め込まれ、その全体がホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)に包被され、ホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)と一体化している。発光デバイス12Bは、ホットメルト樹脂に水密に封止されている。
合成樹脂成形物である疑似餌21の製造方法の一例を説明すると、以下のとおりである。疑似餌21は、発光デバイス12Bを金型内に収容しつつ、ホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)を金型内に注入するホットメルトモールディング(モールディング)によって作られている。なお、この疑似餌21では、図4の発光デバイス12Bが使用されているが、図3や図5の発光デバイス12A,12Cのうちのいずれかを使用することもできる。
具体的には、疑似餌21の半分(半身)を成型する金型内に溶融したホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)を注入し、その金型によって疑似餌21の半分を成型する。なお、疑似餌21の半分には、発光デバイス12Bや連結金具26,29,30(サルカン)を収容する収容部が形成されている。次に、疑似餌21の全体を成型する金型に、先に成型した疑似餌21の半分を設置するとともに、収容部に発光デバイス12Bおよび連結金具26,29,30をセットした後、その金型内にホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)を注入し、その金型によって疑似餌21の全体を成型する。ホットメルトモールディングでは、ホットメルト樹脂が発行デバイス12Bと一体化しつつ図6の形状に成型される。
図7に基づいてこの振動発光型疑似餌21の動作を説明すると、以下のとおりである。なお、疑似餌21は釣り竿の釣り糸16に取り付けられ、疑似餌21を使用して釣りができる状態になっているものとする。釣り糸16は、連結金具26のフック部28に結び付けられている。疑似餌21を水中に投入し、疑似餌21が水に漬かると、水分検知部材71a,71b(連結金具29,30)が水分を検知して導通可能(連結金具29,30どうしが水分によって導通可能)になり、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加が可能になる。
釣り糸16の手繰り出しや手繰り込みによって疑似餌21を水中において上下動させ、疑似餌21に衝撃(振動)を加えてその振動がピエゾ発電素子65に伝達されると、その振動によってピエゾ発電素子65の両端に所定の電圧が生じる。ピエゾ発電素子65に所定の電圧が生じると、ピエゾ発電素子65に生じた電圧が第2スイッチング素子64のゲート電極64cにかかる。なお、この疑似餌21における発光ダイオード12Bの発光や発光の停止は、図4において説明したそれらと同一であるから、図4の説明を援用することで、それらの説明は省略する。疑似餌21では、それの振動によって発光ダイオード61が発光し、その光で魚類を引き寄せる。
疑似餌21を水中から水上に上げると、水分検知部材71a,71b(連結金具29,30)が導通不能(連結金具29,30どうしの導通が不能)になり、ピエゾ発電素子65に生じた電圧の第2スイッチング素子64への印加が不能になる。したがって、水中以外において疑似餌21に振動を加えたとしても、発光ダイオード61が発光することはない。
発光デバイス12Bを利用した疑似餌21においても、釣り糸16の上下動の強弱を調節することにより、発光ダイオード61の発光時間を調節することができ、水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に変えることができる。また、静電容量の異なるコンデンサー63を使用することにより、発光ダイオード61の発光時間を変更することができ、コンデンサー63の静電容量を調節することで水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に設定することができる。さらに、発電容量の異なるピエゾ発電素子65を使用することにより、発光ダイオード61の発光時間を変更することができ、ピエゾ発電素子65の発電容量を調節することで水中の状況や引き寄せる魚類等に応じて発光ダイオード61の発光時間を自由に設定することができる。
発光デバイス12Bを利用した疑似餌21は、図1の集魚灯10が有する効果に加え、以下の効果を有する。疑似餌21は、水分検知部材71a,71bを利用することで、それが水中にあるときのみ発光ダイオード61が発光し、水分の有無によって発光ダイオード61を明滅させることができるから、発光ダイオード61の発光の必要がない水上(空気中)等において発光ダイオード61の無駄な発光を防ぐことができ、発光デバイス12B(または発光デバイス12A,12C)における省電力化を図ることができる。
図8は、一例として示す振動発光型電飾ライト32の斜視図であり、図9は、他の一例として示す発光デバイス12Dの回路図である。図8では、本発明にかかる合成樹脂成形物が振動発光型電飾ライト32として利用されている。電飾ライト32は、ライト本体33と、ライト本体33に設置された発光デバイス12Dとから形成されている。ライト本体33は、透明または半透明のホットメルト樹脂(合成樹脂)から作られ、球状に成形されている。
ライト本体33は、その一端部にストラップ34を繋ぐ連結金具35が取り付けられている。なお、図示のライト本体33はその形状が球状であるが、本体33の形状を球状に限定するものではなく、発光デバイス12Dを収容可能であれば、本体33を他のあらゆる形状にすることができる。ライト本体33は、ホットメルト樹脂の他に、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレート、ポリプルピレン等の熱可塑性合成樹脂から作ることもできる。
連結金具35は、ライト本体33の一端部に強固に固定されている。連結金具35は、一端部に埋設されたアンカー部(図示せず)と、一端部から露出するフック部36とから形成されている。発光デバイス12Dは、ライト本体33の内部の略中央に埋め込まれ、その全体がホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)に包被され、ホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)と一体化している。発光デバイス12Dは、ホットメルト樹脂に水密に封止されている。
発光デバイス12Dは、直列に接続された3つの1.5Vボタン電池60(直流電源)と、発光ダイオード61と、第1スイッチング素子62(MOS−FET)と、コンデンサー63と、第2スイッチング素子64(MOS−FET)と、ピエゾ発電素子65(圧電素子)と、フォトダイオード72(光検出器)とから形成されている。発光デバイス12Dは、図1のそれと同様に、発光ダイオード61をボタン電池60によって発光させる直流点灯装置である。
この発光デバイス12Dが図3のそれと異なるところは第2スイッチング素子64のゲート電極64cにフォトダイオード72が接続されている点にあり、この発光デバイス12Dにおけるその他の回路構成は図3のそれらと同一であるから、図3と同一の符号を付すとともに、図3の発光デバイス12Aの説明を援用することで、この発光デバイス12Dにおけるその他の回路構成の説明は省略する。フォトダイオード72は、そのPチャネルが第2スイッチング素子64のゲート電極64cに電気的に接続され、そのNチャネルがボタン電池60のプラス端子に電気的に接続されている。フォトダイオード72には、抵抗70が並列に接続されている。
合成樹脂成形物である電飾ライト32の製造方法の一例を説明すると、以下のとおりである。電飾ライト32は、発光デバイス12Dを金型内に収容しつつ、ホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)を金型内に注入するホットメルトモールディング(モールディング)によって作られている。なお、電飾ライト32では、図9の発光デバイス12Dが使用されているが、図3の発光デバイス12Aを使用することもできる。
具体的には、電飾ライト本体33の半分(半身)を成型する金型内に溶融したホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)を注入し、その金型によって電飾ライト本体33の半分を成型する。なお、電飾ライト本体33の半分には、発光デバイス12Dや連結金具35を収容する収容部が形成されている。次に、電飾ライト32の全体を成型する金型に、先に成型した電飾ライト本体33の半分を設置するとともに、収容部に発光デバイス12Dおよび連結金具35をセットした後、その金型内にホットメルト樹脂(または他の熱可塑性合成樹脂)を注入し、その金型によって電飾ライト32の全体を成型する。ホットメルトモールディングでは、ホットメルト樹脂が発行デバイス12Dと一体化しつつ図8の形状に成型される。
発光デバイス12Dを使用した振動発光型電飾ライト32の動作を説明すると、以下のとおりである。ピエゾ発電素子65に所定の電圧が生じていない状態では、図3の発光デバイス12Aと同様に、第2スイッチング素子64のゲート電極64cに電圧がかかっておらず、第2スイッチング素子64がOFF状態となっている。また、第1スイッチング素子62のゲート電極62cに電圧がかかっておらず、第1スイッチング素子62がOFF状態となっている。なお、フォトダイオード72に所定強度の光が入光している場合、フォトダイオード72が導通状態となる。逆に、フォトダイオード72に光が入光していない場合、フォトダイオード72が非導通状態となる。
ライト本体33またはストラップ34を指で持ち、電飾ライト32を上下左右等の四方へ揺り動かす。電飾ライト32を揺り動かすと、その振動がピエゾ発電素子65に伝わり、ピエゾ発電素子65の両端に所定の電圧が生じ、第2スイッチング素子64がON状態になって、ボタン電池60からコンデンサー63に電荷が蓄えられる。さらに、コンデンサー63が電荷を放出すると、第1スイッチング素子62がON状態になって、発光ダイオード61にボタン電池60の直流電流が流れ、発光ダイオード61が発光する。発光ダイオード61が発光すると、その光がライト本体33を透過して外部に照射される。なお、フォトダイオード72に光が入光している場合(ライト32が明るい雰囲気にある場合)、フォトダイオード72が導通状態となり、フォトダイオード72に電流が流れ、ピエゾ発電素子65に生じた電圧が第2スイッチング素子64のゲート電極64cにかからず、第2スイッチング素子64がOFFの状態とままなり、発光ダイオード61が発光しない。
指の動きを止め、電飾ライト32を静止させると、ピエゾ発電素子65の発電が停止し、第2スイッチング素子64がOFF状態になって、ボタン電池60からのコンデンサー63に対する電圧の印加が停止する。さらに、コンデンサー63からの電荷の放出が終了すると、第1スイッチング素子62がOFF状態になって、発光ダイオード61の発光が次第に弱くなり、指の動きを止めてから所定の時間が経過した後、発光ダイオード61が消灯する。この電飾ライト32の発光時間を長くするには、ライト32を継続して揺り動かすか、または、ライト32を激しく振動させる。ライト32を激しく振動させると、ピエゾ発電素子65の発電量が多くなるとともに、コンデンサー63に蓄えられる(蓄電)電荷の量が増加し、ライト32が長く発光する。
発光デバイス12Dを利用した電飾ライト32においても、ライト32の振動の強弱を調節することにより、発光ダイオード61の発光時間を調節することができ、発光ダイオード61の発光時間を自由に変えることができる。また、静電容量の異なるコンデンサー63を使用することにより、発光ダイオード61の発光時間を変更することができ、コンデンサー63の静電容量を調節することで発光ダイオード61の発光時間を自由に設定することができる。さらに、発電容量の異なるピエゾ発電素子65を使用することにより、発光ダイオード61の発光時間を変更することができ、ピエゾ発電素子65の発電容量を調節することで発光ダイオード61の発光時間を自由に設定することができる。
振動発光型電飾ライト32は、それの振動をトリガーとして発光ダイオード61を発光させることができ、ライト本体33(電飾用のケーシング)を種々の形状にすることで、様々な形態の電飾ライト32にすることができる。電飾ライト32は、コンデンサー63からの電荷の放出が停止すると、第1スイッチング素子62がOFF状態となり、直流電源から発光ダイオード61への電圧の印加が停止して発光ダイオード61が消灯するから、電飾ライト32の動きを停止させることで、発光ダイオード61が消灯し、ライト32を再び動かすことで、発光ダイオード61が発光する。したがって、ライト32の動静により、発光ダイオード61の点灯と消灯とを調節することができ、ライト32の明滅を自由に操作することができる。
電飾ライト32は、それの動きを停止させると発光ダイオード61が消灯するから、必要なとき以外は発光ダイオード61を消灯させておくことができ、その分電気を消費することはなく、発光デバイス12D(または発光デバイス12A)における省電力化を図ることができる。電飾ライト32は、発光デバイス12D(または発光デバイス12A)全体がホットメルト樹脂に包被されているから、発光デバイス12D(または発光デバイス12A)に対する優れた耐水性や耐油性、耐薬品性を有するとともに、発光デバイス12D(または発光デバイス12A)への防塵や防汚、結露防止を図ることができる。