JP2013021260A - 電磁波吸収材及びその製造方法、フレキシブルプリント配線板、並びに、電子機器 - Google Patents

電磁波吸収材及びその製造方法、フレキシブルプリント配線板、並びに、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】高い電磁波吸収特性を有する電磁波吸収材を提供する。
【解決手段】電磁波吸収材は、母材、及び、ケイ素(Si)の含有率が5重量%以上である植物由来の材料を原料とし、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素(Si)の含有率が1重量%以下、BJH法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上であり、且つ、MP法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上である多孔質炭素材料から成る。
【選択図】 図1

Description

本開示は、電磁波吸収材及びその製造方法、フレキシブルプリント配線板、並びに、電子機器に関する。
近年の電子機器の小型化や動作速度の高速化に伴い、電子機器から放出される各種電磁波から成る電磁ノイズが増大するという問題が生じている。また、電磁ノイズは、電子機器の誤動作の原因となるばかりか、白血病や癌等の発生の要因になるという報告もなされている。このような電磁ノイズの問題を解決するための手段として、電子機器への電磁波吸収材の適用を挙げることができる。電磁波吸収材が電磁波を吸収するメカニズムには、導電性によるもの、誘電性によるもの、磁性によるものがあり、様々な電磁波吸収材が開発されている。
中でも、炭素材料から成る電磁波吸収材は、他の材料と比較して軽量であり、可撓性に富むことから注目されている。例えば、特開2010−161337には、大豆皮、菜種粕、米糠、籾殻等の穀物残渣を含む植物を、900゜Cで3時間程度焼成して植物焼成物を得た後、植物焼成物を、エチレン・プロピレンジエンゴム等の母材に対して100質量部以上配合する工程を経て、導電性組成物とする技術が開示されている。
特開2010−161337
しかしながら、これまでに開発されている炭素材料から成る電磁波吸収材、例えば、上記の特許公開公報に開示された電磁波吸収材は、充分な電磁波吸収特性を示さないという問題がある。
従って、本開示の目的は、高い電磁波吸収特性を有する電磁波吸収材及びその製造方法、係る電磁波吸収材を備えたフレキシブルプリント配線板、並びに、係る電磁波吸収材を備えた電子機器を提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る電磁波吸収材は、
母材、及び、
ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料とし、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素(Si)の含有率が1質量%以下、BJH法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上であり、且つ、MP法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上である多孔質炭素材料、
から成る。
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る電磁波吸収材は、
母材、及び、
ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料とし、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素(Si)の含有率が1質量%以下、非局在化密度汎関数法(NLDFT法,Non Localized Density Functional Theory 法)によって求められた直径1×10-9m乃至5×10-7mの細孔の容積の合計が1.0cm3/グラム以上である多孔質炭素材料、
から成る。
上記の目的を達成するための本開示のフレキシブルプリント配線板は、電磁波吸収材層を備えており、
電磁波吸収材層は、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る電磁波吸収材から成る。
上記の目的を達成するための本開示の電子機器は、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る電磁波吸収材を備えている。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る電磁波吸収材の製造方法は、
ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理することによって、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素(Si)の含有率が1質量%以下、BJH法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上であり、且つ、MP法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上である多孔質炭素材料を得た後、母材と多孔質炭素材料とを混合する工程を含む。尚、『混合』には、混練、分散といった概念も包含される。以下においても同様である。
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る電磁波吸収材の製造方法は、
ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理することによって、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素(Si)の含有率が1質量%以下、非局在化密度汎関数法によって求められた直径1×10-9m乃至5×10-7mの細孔の容積の合計が1.0cm3/グラム以上である多孔質炭素材料を得た後、母材と多孔質炭素材料とを混合する工程を含む。
本開示の第1の態様及び第2の態様に係る電磁波吸収材、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る電磁波吸収材の製造方法によって得られた電磁波吸収材、本開示のフレキシブルプリント配線板における電磁波吸収材、本開示の電子機器における電磁波吸収材(以下、これらの電磁波吸収材を総称して、『本開示の電磁波吸収材等』と呼ぶ場合がある)は、中程度の電気伝導率を有しており、更には、使用する多孔質炭素材料の比表面積の値、各種細孔の容積の値が規定されており、しかも、ケイ素(Si)の含有率が1質量%以下であるが故に、特異な中空構造を有することから、母材に分散させたときの充填率が極めて高く、その結果、高い電磁波吸収特性を示す電磁波吸収材を得ることができると考えられる。
図1は、実施例1の電磁波吸収材、並びに、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの電磁波吸収材における伝送特性の測定結果を示すグラフである。 図2は、実施例1、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの多孔質炭素材料、活性炭におけるMP法により求めた累計細孔容積の測定結果を示すグラフである。 図3は、実施例1、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの多孔質炭素材料、活性炭におけるBJH法により求めた累計細孔容積の測定結果を示すグラフである。 図4は、実施例1、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの多孔質炭素材料、活性炭における非局在化密度汎関数法によって求められた細孔径分布の測定結果を示すグラフである。 図5は、多孔質炭素材料の添加質量部数と電磁波吸収特性との関係を示すグラフである。 図6は、実施例2のフレキシブルプリント配線板の模式的な断面図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材、本開示のフレキシブルプリント配線板、本開示の電子機器、及び、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材の製造方法、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材、及び、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材の製造方法)
3.実施例2(本開示のフレキシブルプリント配線板、本開示の電子機器)、その他
[本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材、本開示のフレキシブルプリント配線板、本開示の電子機器、及び、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材の製造方法、全般に関する説明]
本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材、本開示のフレキシブルプリント配線板における電磁波吸収材、本開示の電子機器における電磁波吸収材は、母材100質量部と、多孔質炭素材料5質量部乃至50質量部とから成ることが好ましく、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材の製造方法においては、母材100質量部と多孔質炭素材料5質量部乃至50質量部とを混合することが好ましい。
また、上記の好ましい形態を含む本開示の電磁波吸収材等にあっては、表面抵抗値が1×10Ω/□乃至1×103Ω/□であることが望ましい。表面抵抗値は、四探針法等に基づき測定することができるが、このような方法に限定するものではない。
以上に説明した好ましい形態を含む本開示の電磁波吸収材等にあっては、母材は樹脂から成る形態とすることができ、この場合、母材を構成する樹脂として、シリコーン系、アクリル系、エポキシ系等の高分子材料又は低分子材料(例えば、樹脂、ゴム等)を挙げることができる。
そして、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材の製造方法にあっては、少なくとも、母材と多孔質炭素材料とを混合するが、混合工程以外の工程(混合工程以降の工程)を電磁波吸収材の製造方法に組み込んでもよく、このような工程として、混合後、加熱処理を施す工程を挙げることができる。
より具体的には、例えば、母材が熱硬化性樹脂から構成されている場合、未硬化の熱硬化性樹脂と本開示の第1の態様〜第2の態様における多孔質炭素材料とを混合、混練して電磁波吸収材前駆体を得た後、例えば金型を用いて電磁波吸収材前駆体を所望の形状に賦形し、次いで、加熱処理を行うことで、所望の形状を有する電磁波吸収材を得ることができる。また、例えば、母材が熱可塑性樹脂から構成されている場合、熱可塑性樹脂のペレットやフレークを製造する工程で本開示の第1の態様〜第2の態様における多孔質炭素材料を混合、混練してもよいし、熱可塑性樹脂のペレットやフレークと本開示の第1の態様〜第2の態様における多孔質炭素材料とを混合、混練してもよい。そして、こうして得られた電磁波吸収材前駆体に基づき、例えば、押出成形法や射出成形法によって所望の形状を有する電磁波吸収材を得ることができる。あるいは又、例えば、母材が熱可塑性樹脂から構成されている場合、熱可塑性樹脂のペレットやフレークを製造する工程で本開示の第1の態様〜第2の態様における多孔質炭素材料を混合、混練することで、あるいは又、熱可塑性樹脂のペレットやフレークと本開示の第1の態様〜第2の態様における多孔質炭素材料とを混合、混練することで、電磁波吸収材を得ることができる。
本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材の形態、形状として、シート状、フィルム状、板状、箱状、筐体やハウジング、その他、任意の形状とすることができる。
本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材が支持部材によって支持された形態とすることもできる。ここで、支持部材として、織布や不織布を挙げることができるし、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル,PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)に例示される有機ポリマーから構成された可撓性を有するプラスチック・フィルムやプラスチック・シート、プラスチック基板、化粧石膏ボードを含む石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、スラグ石膏板、木毛セメント板、パルプセメント板、木片セメント板、抄造石膏板、モルタル板、ロックウール板、木質系壁材、合板、木質繊維板、化粧パルプセメント板、ガラス繊維やカーボン繊維入りボード、セラミックス板等の各種建築部材を挙げることができる。
また、柔軟性を有する絶縁基板(ベース)を用いたプリント配線板であるフレキシブルプリント配線板として、ポリエステルフィルムをベースとしたもの、ポリイミドフィルムをベースとしたもの、各種不織布をベースとしたものを挙げることができ、片面フレキシブルプリント配線板及び両面フレキシブルプリント配線板が含まれる。尚、配線は、所謂カバーレイフィルムで被覆されていてもよいし、各種レジスト膜で被覆されていてもよい。例えば、フレキシブルプリント配線板の外面には電磁波吸収材層が形成されているが、具体的には、上記のベースの外面に電磁波吸収材層が形成されていてもよいし、カバーレイフィルムやレジスト膜の上に電磁波吸収材層が形成されていてもよい。母材を構成する材料にも依るが、例えば電磁波吸収材を印刷することで電磁波吸収材層を形成することができるし、例えば電磁波吸収材前駆体の印刷、加熱処理等に基づき、電磁波吸収材層を形成することもできる。また、上述の方法でプリント配線板の一部に電磁波吸収材層を設けることで、抵抗として機能させることも可能である。
電子機器として、フレキシブルプリント配線板、テレビジョン受像機、ゲーム機器、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の電子機器を挙げることができるが、これらに限定するものではない。また、電子機器への電磁波吸収材の適用形態として、シート状、フィルム状、板状、箱状等を挙げることができるが、これらの適用形態に限定するものではない。
多孔質炭素材料は植物由来の材料を原料としている。ここで、植物由来の材料として、米(稲)、大麦、小麦、ライ麦、稗(ヒエ)、粟(アワ)等の籾殻や藁、珈琲豆、茶葉(例えば、緑茶や紅茶等の葉)、サトウキビ類(より具体的には、サトウキビ類の絞り滓)、トウモロコシ類(より具体的には、トウモロコシ類の芯)、果実の皮(例えば、ミカンやバナナの皮等)、あるいは又、葦、茎ワカメを挙げることができるが、これらに限定するものではなく、その他、例えば、陸上に植生する維管束植物、シダ植物、コケ植物、藻類、海草を挙げることができる。尚、これらの材料を、原料として、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また、植物由来の材料の形状や形態も特に限定はなく、例えば、籾殻や藁そのものでもよいし、あるいは乾燥処理品でもよい。更には、ビールや洋酒等の飲食品加工において、発酵処理、焙煎処理、抽出処理等の種々の処理を施されたものを使用することもできる。特に、産業廃棄物の資源化を図るという観点から、脱穀等の加工後の藁や籾殻を使用することが好ましい。これらの加工後の藁や籾殻は、例えば、農業協同組合や酒類製造会社、食品会社、食品加工会社から、大量、且つ、容易に入手することができる。
本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材の製造方法にあっては、植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理することによって多孔質炭素材料を得るが、得られた多孔質炭素材料を、以下、便宜上、『本開示の多孔質炭素材料』と呼ぶ場合があるし、係る工程を、以下、便宜上、『多孔質炭素材料の製造方法』と呼ぶ場合があるし、植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化することにより得られた材料であって、酸又はアルカリでの処理を行う前の材料を、『多孔質炭素材料前駆体』あるいは『炭素質物質』と呼ぶ場合がある。
多孔質炭素材料の製造方法において、酸又はアルカリでの処理の後、賦活処理を施す工程を含めることができるし、賦活処理を施した後、酸又はアルカリでの処理を行ってもよい。また、このような好ましい形態を含む多孔質炭素材料の製造方法にあっては、使用する植物由来の材料にも依るが、植物由来の材料を炭素化する前に、炭素化のための温度よりも低い温度(例えば、400゜C〜700゜C)にて、酸素を遮断した状態で植物由来の材料に加熱処理(予備炭素化処理)を施してもよい。これによって、炭素化の過程において生成するであろうタール成分を抽出することが出来る結果、炭素化の過程において生成するであろうタール成分を減少あるいは除去することができる。尚、酸素を遮断した状態は、例えば、窒素ガスやアルゴンガスといった不活性ガス雰囲気とすることで、あるいは又、真空雰囲気とすることで、あるいは又、植物由来の材料を一種の蒸し焼き状態とすることで達成することができる。また、多孔質炭素材料の製造方法にあっては、使用する植物由来の材料にも依るが、植物由来の材料中に含まれるミネラル成分や水分を減少させるために、また、炭素化の過程での異臭の発生を防止するために、植物由来の材料をアルコール(例えば、メチルアルコールやエチルアルコール、イソプロピルアルコール)に浸漬してもよい。尚、多孔質炭素材料の製造方法にあっては、その後、予備炭素化処理を実行してもよい。不活性ガス中で加熱処理を施すことが好ましい材料として、例えば、木酢液(タールや軽質油分)を多く発生する植物を挙げることができる。また、アルコールによる前処理を施すことが好ましい材料として、例えば、ヨウ素や各種ミネラルを多く含む海藻類を挙げることができる。
多孔質炭素材料の製造方法にあっては、植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化するが、ここで、炭素化とは、一般に、有機物質(本開示の多孔質炭素材料にあっては、植物由来の材料)を熱処理して炭素質物質に変換することを意味する(例えば、JIS M0104−1984参照)。尚、炭素化のための雰囲気として、酸素を遮断した雰囲気を挙げることができ、具体的には、真空雰囲気、窒素ガスやアルゴンガスといった不活性ガス雰囲気、植物由来の材料を一種の蒸し焼き状態とする雰囲気を挙げることができる。炭素化温度に至るまでの昇温速度として、限定するものではないが、係る雰囲気下、1゜C/分以上、好ましくは3゜C/分以上、より好ましくは5゜C/分以上を挙げることができる。また、炭素化時間の上限として、10時間、好ましくは7時間、より好ましくは5時間を挙げることができるが、これに限定するものではない。炭素化時間の下限は、植物由来の材料が確実に炭素化される時間とすればよい。また、植物由来の材料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。植物由来の材料を予め洗浄してもよい。あるいは又、得られた多孔質炭素材料前駆体や多孔質炭素材料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。あるいは又、賦活処理後の多孔質炭素材料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。更には、最終的に得られた多孔質炭素材料に殺菌処理を施してもよい。炭素化のために使用する炉の形式、構成、構造に制限はなく、連続炉とすることもできるし、回分炉(バッチ炉)とすることもできる。
多孔質炭素材料の製造方法において、上述したとおり、賦活処理を施せば、孔径が2nmよりも小さいマイクロ細孔(後述する)を増加させることができる。賦活処理の方法として、ガス賦活法、薬品賦活法を挙げることができる。ここで、ガス賦活法とは、賦活剤として酸素や水蒸気、炭酸ガス、空気等を用い、係るガス雰囲気下、700゜C乃至1400゜Cにて、好ましくは700゜C乃至1000゜Cにて、より好ましくは800゜C乃至1000゜Cにて、数十分から数時間、多孔質炭素材料を加熱することにより、多孔質炭素材料中の揮発成分や炭素分子により微細構造を発達させる方法である。尚、より具体的には、加熱温度は、植物由来の材料の種類、ガスの種類や濃度等に基づき、適宜、選択すればよい。薬品賦活法とは、ガス賦活法で用いられる酸素や水蒸気の替わりに、塩化亜鉛、塩化鉄、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、硫酸等を用いて賦活させ、塩酸で洗浄、アルカリ性水溶液でpHを調整し、乾燥させる方法である。
本開示の多孔質炭素材料の表面に対して、化学処理又は分子修飾を行ってもよい。化学処理として、例えば、硝酸処理により表面にカルボキシ基を生成させる処理を挙げることができる。また、水蒸気、酸素、アルカリ等による賦活処理と同様の処理を行うことにより、多孔質炭素材料の表面に水酸基、カルボキシ基、ケトン基、エステル基等、種々の官能基を生成させることもできる。更には、多孔質炭素材料と反応可能な水酸基、カルボキシ基、アミノ基等を有する化学種又は蛋白質とを化学反応させることでも、分子修飾が可能である。
多孔質炭素材料の製造方法にあっては、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素(Si)成分を、酸又はアルカリでの処理によって除去する。ここで、ケイ素成分として、二酸化ケイ素や酸化ケイ素、酸化ケイ素塩といったケイ素酸化物を挙げることができる。このように、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素成分を除去することで、高い比表面積を有する多孔質炭素材料を得ることができる。場合によっては、ドライエッチング法に基づき、炭素化後の植物由来の材料中のケイ素成分を除去してもよい。
本開示の多孔質炭素材料には、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)や、リン(P)、硫黄(S)等の非金属元素や、遷移元素等の金属元素が含まれていてもよい。マグネシウム(Mg)の含有率として0.01質量%以上3質量%以下、カリウム(K)の含有率として0.01質量%以上3質量%以下、カルシウム(Ca)の含有率として0.05質量%以上3質量%以下、リン(P)の含有率として0.01質量%以上3質量%以下、硫黄(S)の含有率として0.01質量%以上3質量%以下を挙げることができる。尚、これらの元素の含有率は、比表面積の値の増加といった観点からは、少ない方が好ましい。多孔質炭素材料には、上記した元素以外の元素を含んでいてもよく、上記した各種元素の含有率の範囲も、変更し得ることは云うまでもない。
本開示の多孔質炭素材料にあっては、各種元素の分析を、例えば、エネルギー分散型X線分析装置(例えば、日本電子株式会社製のJED−2200F)を用い、エネルギー分散法(EDS)により行うことができる。ここで、測定条件を、例えば、走査電圧15kV、照射電流10μAとすればよい。
本開示の多孔質炭素材料は、細孔(ポア)を多く有している。細孔として、孔径が2nm乃至50nmの『メソ細孔』、孔径が50nmを超える『マクロ細孔』、及び、孔径が2nmよりも小さい『マイクロ細孔』が含まれる。具体的には、メソ細孔として、例えば、20nm以下の孔径の細孔を多く含み、特に、10nm以下の孔径の細孔を多く含んでいる。本開示の多孔質炭素材料にあっては、BJH法による細孔の容積は0.2cm3/グラム以上であるが、好ましくは0.3cm3/グラム以上、より好ましくは0.4cm3/グラム以上であることが望ましい。また、MP法による細孔の容積は0.2cm3/グラム以上であるが、好ましくは0.3cm3/グラム以上、より好ましくは0.4cm3/グラム以上であることが望ましい。
窒素BET法とは、吸着剤(ここでは、多孔質炭素材料)に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより吸着等温線を測定し、測定したデータを式(1)で表されるBET式に基づき解析する方法であり、この方法に基づき比表面積や細孔容積等を算出することができる。具体的には、窒素BET法により比表面積の値を算出する場合、先ず、多孔質炭素材料に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより、吸着等温線を求める。そして、得られた吸着等温線から、式(1)あるいは式(1)を変形した式(1’)に基づき[p/{Va(p0−p)}]を算出し、平衡相対圧(p/p0)に対してプロットする。そして、このプロットを直線と見なし、最小二乗法に基づき、傾きs(=[(C−1)/(C・Vm)])及び切片i(=[1/(C・Vm)])を算出する。そして、求められた傾きs及び切片iから式(2−1)、式(2−2)に基づき、Vm及びCを算出する。更には、Vmから、式(3)に基づき比表面積asBETを算出する(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第62頁〜第66頁参照)。尚、この窒素BET法は、JIS R 1626−1996「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に準じた測定方法である。
a=(Vm・C・p)/[(p0−p){1+(C−1)(p/p0)}] (1)
[p/{Va(p0−p)}]
=[(C−1)/(C・Vm)](p/p0)+[1/(C・Vm)] (1’)
m=1/(s+i) (2−1)
C =(s/i)+1 (2−2)
sBET=(Vm・L・σ)/22414 (3)
但し、
a:吸着量
m:単分子層の吸着量
p :窒素の平衡時の圧力
0:窒素の飽和蒸気圧
L :アボガドロ数
σ :窒素の吸着断面積
である。
窒素BET法により細孔容積Vpを算出する場合、例えば、求められた吸着等温線の吸着データを直線補間し、細孔容積算出相対圧で設定した相対圧での吸着量Vを求める。この吸着量Vから式(4)に基づき細孔容積Vpを算出することができる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第62頁〜第65頁参照)。尚、窒素BET法に基づく細孔容積を、以下、単に『細孔容積』と呼ぶ場合がある。
p=(V/22414)×(Mg/ρg) (4)
但し、
V :相対圧での吸着量
g:窒素の分子量
ρg:窒素の密度
である。
メソ細孔の孔径は、例えば、BJH法に基づき、その孔径に対する細孔容積変化率から細孔の分布として算出することができる。BJH法は、細孔分布解析法として広く用いられている方法である。BJH法に基づき細孔分布解析をする場合、先ず、多孔質炭素材料に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより、脱着等温線を求める。そして、求められた脱着等温線に基づき、細孔が吸着分子(例えば窒素)によって満たされた状態から吸着分子が段階的に着脱する際の吸着層の厚さ、及び、その際に生じた孔の内径(コア半径の2倍)を求め、式(5)に基づき細孔半径rpを算出し、式(6)に基づき細孔容積を算出する。そして、細孔半径及び細孔容積から細孔径(2rp)に対する細孔容積変化率(dVp/drp)をプロットすることにより細孔分布曲線が得られる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第85頁〜第88頁参照)。
p=t+rk (5)
pn=Rn・dVn−Rn・dtn・c・ΣApj (6)
但し、
n=rpn 2/(rkn−1+dtn2 (7)
ここで、
p:細孔半径
k:細孔半径rpの細孔の内壁にその圧力において厚さtの吸着層が吸着した場合のコア半径(内径/2)
pn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの細孔容積
dVn:そのときの変化量
dtn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの吸着層の厚さtnの変化量
kn:その時のコア半径
c:固定値
pn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの細孔半径
である。また、ΣApjは、j=1からj=n−1までの細孔の壁面の面積の積算値を表す。
マイクロ細孔の孔径は、例えば、MP法に基づき、その孔径に対する細孔容積変化率から細孔の分布として算出することができる。MP法により細孔分布解析を行う場合、先ず、多孔質炭素材料に窒素を吸着させることにより、吸着等温線を求める。そして、この吸着等温線を吸着層の厚さtに対する細孔容積に変換する(tプロットする)。そして、このプロットの曲率(吸着層の厚さtの変化量に対する細孔容積の変化量)に基づき細孔分布曲線を得ることができる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第72頁〜第73頁、第82頁参照)。
JIS Z8831−2:2010 「粉体(固体)の細孔径分布及び細孔特性−第2部:ガス吸着によるメソ細孔及びマクロ細孔の測定方法」、及び、JIS Z8831−3:2010 「粉体(固体)の細孔径分布及び細孔特性−第3部:ガス吸着によるミクロ細孔の測定方法」に規定された非局在化密度汎関数法(NLDFT法)にあっては、解析ソフトウェアとして、日本ベル株式会社製自動比表面積/細孔分布測定装置「BELSORP−MAX」に付属するソフトウェアを用いる。前提条件としてモデルをシリンダ形状としてカーボンブラック(CB)を仮定し、細孔分布パラメータの分布関数を「no−assumption」とし、得られた分布データにはスムージングを10回施す。
多孔質炭素材料前駆体を酸又はアルカリで処理するが、具体的な処理方法として、例えば、酸あるいはアルカリの水溶液に多孔質炭素材料前駆体を浸漬する方法や、多孔質炭素材料前駆体と酸又はアルカリとを気相で反応させる方法を挙げることができる。より具体的には、酸によって処理する場合、酸として、例えば、フッ化水素、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム等の酸性を示すフッ素化合物を挙げることができる。フッ素化合物を用いる場合、多孔質炭素材料前駆体に含まれるケイ素成分におけるケイ素元素に対してフッ素元素が4倍量となればよく、フッ素化合物水溶液の濃度は10質量%以上であることが好ましい。フッ化水素酸によって、多孔質炭素材料前駆体に含まれるケイ素成分(例えば、二酸化ケイ素)を除去する場合、二酸化ケイ素は、化学式(A)又は化学式(B)に示すようにフッ化水素酸と反応し、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)あるいは四フッ化ケイ素(SiF4)として除去され、多孔質炭素材料を得ることができる。そして、その後、洗浄、乾燥を行えばよい。
SiO2+6HF → H2SiF6+2H2O (A)
SiO2+4HF → SiF4+2H2O (B)
また、アルカリ(塩基)によって処理する場合、アルカリとして、例えば、水酸化ナトリウムを挙げることができる。アルカリの水溶液を用いる場合、水溶液のpHは11以上であればよい。水酸化ナトリウム水溶液によって、多孔質炭素材料前駆体に含まれるケイ素成分(例えば、二酸化ケイ素)を除去する場合、水酸化ナトリウム水溶液を熱することにより、二酸化ケイ素は、化学式(C)に示すように反応し、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)として除去され、多孔質炭素材料を得ることができる。また、水酸化ナトリウムを気相で反応させて処理する場合、水酸化ナトリウムの固体を熱することにより、化学式(C)に示すように反応し、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)として除去され、多孔質炭素材料を得ることができる。そして、その後、洗浄、乾燥を行えばよい。
SiO2+2NaOH → Na2SiO3+H2O (C)
あるいは又、本開示の多孔質炭素材料として、例えば、特開2010−106007に開示された空孔が3次元的規則性を有する多孔質炭素材料(所謂、逆オパール構造を有する多孔質炭素材料)、具体的には、1×10-9m乃至1×10-5mの平均直径を有する3次元的に配列された球状の空孔を備え、表面積が3×1022/グラム以上の多孔質炭素材料、好ましくは、巨視的に、結晶構造に相当する配置状態にて空孔が配列されており、あるいは又、巨視的に、面心立方構造における(111)面配向に相当する配置状態にて、その表面に空孔が配列されている多孔質炭素材料を用いることもできる。
実施例1は、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材、及び、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る電磁波吸収材の製造方法に関する。
実施例1の電磁波吸収材は、本開示の第1の態様に係る電磁波吸収材に則って表現すると、
母材、及び、
ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料とし、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素(Si)の含有率が1質量%以下、BJH法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上であり、且つ、MP法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上である多孔質炭素材料、
から成る。
また、実施例1の電磁波吸収材は、本開示の第2の態様に係る電磁波吸収材に則って表現すると、
母材、及び、
ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料とし、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素(Si)の含有率が1質量%以下、非局在化密度汎関数法によって求められた直径1×10-9m乃至5×10-7mの細孔の容積の合計が1.0cm3/グラム以上である多孔質炭素材料、
から成る。尚、3nm乃至20nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の占める割合が上記の細孔の容積の合計の0.2以上であることが望ましい。
実施例1にあっては、多孔質炭素材料の原料である植物由来の材料を米(稲)の籾殻とした。また、実施例1において、母材は樹脂から成るが、具体的には、母材として、アクリル酸エステル共重合体の硬化物(より具体的には、ナガセケムテックス株式会社製:SG−P3)を用いた。尚、硬化剤として、旭化成ケミカルズ株式会社製:HX3748を使用した。そして、実施例1における多孔質炭素材料は、原料としての籾殻を炭素化して炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)に変換し、次いで、酸処理を施すことで得られる。以下、実施例1の電磁波吸収材の製造方法を説明する。
実施例1の電磁波吸収材の製造においては、植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理することによって、多孔質炭素材料を得た。即ち、先ず、籾殻に対して、不活性ガス中で加熱処理(予備炭素化処理)を施す。具体的には、籾殻を、窒素気流中において500゜C、3時間、加熱することにより炭化させ、炭化物を得た。尚、このような処理を行うことで、次の炭素化の際に生成されるであろうタール成分を減少あるいは除去することができる。その後、この炭化物の10グラムをアルミナ製の坩堝に入れ、窒素気流中(5リットル/分)において5゜C/分の昇温速度で800゜Cまで昇温させた。そして、800゜Cで1時間、炭素化して、炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)に変換した後、室温まで冷却した。尚、炭素化及び冷却中、窒素ガスを流し続けた。次に、この多孔質炭素材料前駆体を46容積%のフッ化水素酸水溶液に一晩浸漬することで酸処理を行った後、水及びエチルアルコールを用いてpH7になるまで洗浄した。次いで、120°Cにて乾燥させた後、窒素気流中で900゜Cまで昇温させた。そして、900゜Cで水蒸気気流中にて3時間加熱させることで賦活処理を行うことで、実施例1の多孔質炭素材料を得ることができた。
また、上述した炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)を『比較例1−A』とし、酸処理を行わず、賦活処理のみを行った試料を『比較例1−B』とした。更には、ヤシガラ由来の活性炭(和光純薬工業株式会社製)を『比較例1−C』とした。
比表面積及び細孔容積を求めるための測定機器として、BELSORP−mini(日本ベル株式会社製)を用い、窒素吸脱着試験を行った。測定条件として、測定平衡相対圧(p/p0)を0.01〜0.99とした。そして、BELSORP解析ソフトウェアに基づき、比表面積及び細孔容積を算出した。また、メソ細孔及びマイクロ細孔の細孔径分布は、上述した測定機器を用いた窒素吸脱着試験を行い、BELSORP解析ソフトウェアによりBJH法及びMP法に基づき算出した。更には、非局在化密度汎関数法(NLDFT法)に基づく解析にあっては、日本ベル株式会社製自動比表面積/細孔分布測定装置「BELSORP−MAX」付属のソフトウェアを使用した。尚、測定に際しては、試料の前処理として、200゜Cで3時間の乾燥を行った。
実施例1、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの多孔質炭素材料、活性炭について、比表面積及び細孔容積を測定したところ、表2に示す結果が得られた。尚、表2中、「比表面積」及び「全細孔容積」は、窒素BET法による比表面積及び全細孔容積の値を指し、単位はm2/グラム及びcm3/グラムである。また、「BJH法」、「MP法」は、BJH法による細孔(メソ細孔〜マクロ細孔)の容積測定結果、MP法による細孔(マイクロ細孔)の容積測定結果を示し、単位はcm3/グラムである。更には、実施例1、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの多孔質炭素材料、活性炭における、MP法により求めた累計細孔容積の測定結果を示すグラフ、BJH法により求めた累計細孔容積の測定結果を示すグラフ、非局在化密度汎関数法によって求められた細孔径分布の測定結果を示すグラフを、それぞれ、図2、図3及び図4に示す。また、非局在化密度汎関数法によって求められた直径1×10-9m乃至5×10-7mの細孔の容積の合計(単位:cm3/グラム)を、以下の表1に示す。
[表1]
実施例 :1.34
比較例1−A:0.188
比較例1−B:0.335
比較例1−C:0.894
[表2]
比表面積 細孔全容積 BJH法 MP法
実施例1 1200 0.777 0.384 0.483
比較例1−A 172 0.129 0.069 0.065
比較例1−B 258 0.260 0.183 0.067
比較例1−C 1270 0.579 0.088 0.556
実施例1の多孔質炭素材料のBJH法による細孔容積値及びMP法による細孔容積値は0.2cm3/グラム以上である。一方、比較例1−Aの多孔質炭素材料のMP法による細孔容積値及びBJH法による細孔容積値が0.2cm3/グラム未満である。また、比較例1−Bの多孔質炭素材料のMP法による細孔容積値が0.2cm3/グラム未満である。更には、比較例1−Cの活性炭のBJH法による細孔容積値が0.2cm3/グラム未満である。また、非局在化密度汎関数法によって求められた直径1×10-9m乃至5×10-7mの細孔の容積の合計(単位:cm3/グラム)は、実施例1にあっては1.0cm3/グラム以上であるが、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cは1.0cm3/グラム未満である。
そして、実施例1、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの多孔質炭素材料、活性炭のそれぞれ(50質量部)と、硬化剤として旭化成ケミカルズ株式会社製のHX3748が添加されたアクリル酸エステル共重合体の未硬化物であるナガセケムテックス株式会社製のSG−P3(100質量部)と、希釈剤としてのトルエンとを混合(混練)し、前処理としての加熱処理を行うことでトルエンを蒸発させ、シート状として、120゜C、30分の加熱処理を施すことで、実施例1の電磁波吸収材、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの電磁波吸収材を得た。そして、得られたシート状の電磁波吸収材を熱プレスして平面化及び緻密化を図った後、裁断することで、シート状の電磁波吸収材(電磁波吸収シート)を得た。
実施例1、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cにおいて作製した電磁波吸収材の表面抵抗値(単位:Ω/□)及び厚さ(単位:μm)は、以下の表3のとおりであった。
[表3]
表面抵抗値 厚さ
実施例1 6.0×102 60
比較例1−A 3.4×104 80
比較例1−B 2.5×104 80
比較例1−C 4.1×103 70
そして、実施例1の電磁波吸収材、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの電磁波吸収材の伝送特性を、マイクロストリップライン(MSL)法により評価した。具体的には、20×20mmの電磁波吸収材の試料をマイクロストリップライン基板(50Ω)の中央部に直付けし、試料の有無におけるS11[単位:dB](反射特性)、S21[単位:dB](透過特性)から、マイクロストリップラインにおける電磁波吸収量比(ΔLoss)を評価した。また、マイクロストリップと試料との密着度を統一するため、電磁波吸収量比(ΔLoss)の測定に影響を与えないアクリル樹脂(質量30グラム)を試料上に配置した。ここで、損失特性(Loss)及び電磁波吸収量比(ΔLoss)は以下の式で与えられる。尚、「Loss(A)」及び「Loss(B)」は、それぞれ、電磁波吸収材の試料をマイクロストリップライン基板(50Ω)の中央部に直付けして得られた測定結果、及び、電磁波吸収材の試料を除いたマイクロストリップライン基板(50Ω)だけの測定結果を表す。
Loss =1−10(S11/10)−10(S21/10)
ΔLoss=Loss(A)−Loss(B)
図1に、実施例1の電磁波吸収材、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの電磁波吸収材の伝送特性の測定結果を示す。尚、図1において、横軸は測定周波数(単位:ギガヘルツ)であり、縦軸(電磁波吸収量比)は、前述の式から導出されるΔLossの値である。また、図1において、「a」は実施例1の電磁波吸収材の測定結果を示し、「A」は比較例1−Aの電磁波吸収材の測定結果を示し、「B」は比較例1−Bの電磁波吸収材の測定結果を示し、「C」は比較例1−Cの電磁波吸収材の測定結果を示す。
図1からも、実施例1の電磁波吸収材は、比較例1−A、比較例1−B及び比較例1−Cの電磁波吸収材と比較して、電磁波吸収量比が全ての周波数領域において高いという結果が得られた。また、表3に示した表面抵抗値と電磁波吸収量比との間に相関が認められた。即ち、表面抵抗値が低いほど、高い電磁波吸収特性が得られることが判った。更には、図5に示すように、多孔質炭素材料の添加質量部数が多いと、電磁波吸収特性は良くなる。尚、図5において、曲線「A」は、母材100質量部に対して、多孔質炭素材料の添加質量部数が50質量部のときのデータであり、曲線「B」は、多孔質炭素材料の添加質量部数が25質量部のときのデータである。ここで、表面抵抗値が小さすぎると、電磁波吸収材は金属の物性値に近づくため、電磁波吸収量比(ΔLoss)は減少していく。そのため、表面抵抗値を、1×10Ω/□乃至1×103Ω/□に調整することが望ましい。そして、特異な微細構造、特異な中空構造、あるいは又、嵩高い特異な構造を有する実施例1の多孔質炭素材料を用いることにより、高い電磁波吸収特性が得られたと推察される。尚、母材100質量部に対して、実施例1の多孔質炭素材料の添加質量部数を減少させていったところ、電磁波吸収特性が次第に低下し、5質量部未満では充分なる電磁波吸収特性を得ることができなかった。
実施例2は、本開示のフレキシブルプリント配線板、本開示の電子機器に関する。
実施例2のフレキシブルプリント配線板(電子機器でもある)の模式的な断面図を図6に示すが、実施例2のフレキシブルプリント配線板10は電磁波吸収材層20を備えている。具体的には、実施例2のフレキシブルプリント配線板10にあっては、外面に電磁波吸収材層20が形成されており、電磁波吸収材層20は実施例1の電磁波吸収材から成る。具体的には、フレキシブルプリント配線板(具体的には、片面フレキシブルプリント配線板)10を構成する柔軟性を有する絶縁基板(ベース)11はポリイミドフィルムから成り、銅箔から成る配線12は、所謂、カバーレイフィルム13で被覆されている。カバーレイフィルム13はポリイミドフィルムから成る。尚、参照番号14は、カバーレイフィルム13に形成された接着剤層である。電磁波吸収材層20は、絶縁基板11の外面に、実施例1において説明した原材料から、印刷法及び加熱処理に基づき形成されている。
以上、好ましい実施例に基づき本開示を説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本開示の電磁波吸収材を、例えば、織布や不織布と共に用いることもできる。具体的には、例えば、本開示の電磁波吸収材を繊維に予め練り込み、紡糸し、織布あるいは不織布とすればよいし、あるいは又、バインダー等を用いて織布あるいは不織布に付着させればよい。そして、このような織布あるいは不織布から衣服やカーテン、壁紙等を作製すればよい。実施例にあっては、多孔質炭素材料の原料として、籾殻を用いる場合について説明したが、他の植物を原料として用いてもよい。ここで、他の植物として、例えば、藁、葦あるいは茎ワカメ、陸上に植生する維管束植物、シダ植物、コケ植物、藻類及び海草等を挙げることができ、これらを、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。具体的には、例えば、多孔質炭素材料の原料である植物由来の材料を稲の藁(例えば、鹿児島産;イセヒカリ)とし、多孔質炭素材料を、原料としての藁を炭素化して炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)に変換し、次いで、酸処理を施すことで得ることができる。あるいは又、多孔質炭素材料の原料である植物由来の材料を稲科の葦とし、多孔質炭素材料を、原料としての稲科の葦を炭素化して炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)に変換し、次いで、酸処理を施すことで得ることができる。また、フッ化水素酸水溶液の代わりに、水酸化ナトリウム水溶液といったアルカリ(塩基)にて処理して得られた多孔質炭素材料においても、同様の結果が得られた。
あるいは又、多孔質炭素材料の原料である植物由来の材料を茎ワカメ(岩手県三陸産)とし、多孔質炭素材料を、原料としての茎ワカメを炭素化して炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)に変換し、次いで、酸処理を施すことで得ることができる。具体的には、先ず、例えば、茎ワカメを500゜C程度の温度で加熱し、炭化する。尚、加熱前に、例えば、原料となる茎ワカメをアルコールで処理してもよい。具体的な処理方法として、エチルアルコール等に浸漬する方法が挙げられ、これによって、原料に含まれる水分を減少させると共に、最終的に得られる多孔質炭素材料に含まれる炭素以外の他の元素や、ミネラル成分を溶出させることができる。また、このアルコールでの処理により、炭素化時のガスの発生を抑制することができる。より具体的には、茎ワカメをエチルアルコールに48時間浸漬する。尚、エチルアルコール中では超音波処理を施すことが好ましい。次いで、この茎ワカメを、窒素気流中において500゜C、5時間、加熱することにより炭化させ、炭化物を得る。尚、このような処理(予備炭素化処理)を行うことで、次の炭素化の際に生成されるであろうタール成分を減少あるいは除去することができる。その後、この炭化物の10グラムをアルミナ製の坩堝に入れ、窒素気流中(10リットル/分)において5゜C/分の昇温速度で1000゜Cまで昇温する。そして、1000゜Cで5時間、炭素化して、炭素質物質(多孔質炭素材料前駆体)に変換した後、室温まで冷却する。尚、炭素化及び冷却中、窒素ガスを流し続ける。次に、この多孔質炭素材料前駆体を46容積%のフッ化水素酸水溶液に一晩浸漬することで酸処理を行った後、水及びエチルアルコールを用いてpH7になるまで洗浄する。そして、最後に乾燥させることにより、多孔質炭素材料を得ることができる。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[1]《電磁波吸収材:第1の態様》
母材、及び、
ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料とし、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素の含有率が1質量%以下、BJH法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上であり、且つ、MP法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上である多孔質炭素材料、
から成る電磁波吸収材。
[2]《電磁波吸収材:第2の態様》
母材、及び、
ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料とし、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素の含有率が1質量%以下、非局在化密度汎関数法によって求められた直径1×10-9m乃至5×10-7mの細孔の容積の合計が1.0cm3/グラム以上である多孔質炭素材料、
から成る電磁波吸収材。
[3]母材100質量部と、多孔質炭素材料5質量部乃至50質量部とから成る[1]又は[2]に記載の電磁波吸収材。
[4]表面抵抗値が1×10Ω/□乃至1×103Ω/□である[1]乃至[3]のいずれか1項に記載の電磁波吸収材。
[5]《フレキシブルプリント配線板》
電磁波吸収材層を備えており、
電磁波吸収材層は、[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の電磁波吸収材から成るフレキシブルプリント配線板。
[6]《電子機器》
[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の電磁波吸収材を備えた電子機器。
[7]《電磁波吸収材の製造方法:第1の態様》
ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理することによって、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素の含有率が1質量%以下、BJH法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上であり、且つ、MP法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上である多孔質炭素材料を得た後、母材と多孔質炭素材料とを混合する工程を含む電磁波吸収材の製造方法。
[8]《電磁波吸収材の製造方法:第2の態様》
ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理することによって、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素の含有率が1質量%以下、非局在化密度汎関数法によって求められた直径1×10-9m乃至5×10-7mの細孔の容積の合計が1.0cm3/グラム以上である多孔質炭素材料を得た後、母材と多孔質炭素材料とを混合する工程を含む電磁波吸収材の製造方法。
[9]母材100質量部と多孔質炭素材料5質量部乃至50質量部とを混合する[7]又は[8]に記載の電磁波吸収材の製造方法。
10・・・フレキシブルプリント配線板、11・・絶縁基板(ベース)、12・・・配線、13・・・カバーレイフィルム、14・・・接着剤層、20・・・電磁波吸収材層

Claims (9)

  1. 母材、及び、
    ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料とし、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素の含有率が1質量%以下、BJH法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上であり、且つ、MP法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上である多孔質炭素材料、
    から成る電磁波吸収材。
  2. 母材、及び、
    ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料とし、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素の含有率が1質量%以下、非局在化密度汎関数法によって求められた直径1×10-9m乃至5×10-7mの細孔の容積の合計が1.0cm3/グラム以上である多孔質炭素材料、
    から成る電磁波吸収材。
  3. 母材100質量部と、多孔質炭素材料5質量部乃至50質量部とから成る請求項1又は請求項2に記載の電磁波吸収材。
  4. 表面抵抗値が1×10Ω/□乃至1×103Ω/□である請求項1又は請求項2に記載の電磁波吸収材。
  5. 電磁波吸収材層を備えたフレキシブルプリント配線板であって、
    電磁波吸収材層は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電磁波吸収材から成るフレキシブルプリント配線板。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電磁波吸収材を備えた電子機器。
  7. ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理することによって、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素の含有率が1質量%以下、BJH法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上であり、且つ、MP法による細孔の容積が0.2cm3/グラム以上である多孔質炭素材料を得た後、母材と多孔質炭素材料とを混合する工程を含む電磁波吸収材の製造方法。
  8. ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理することによって、窒素BET法による比表面積の値が400m2/グラム以上、ケイ素の含有率が1質量%以下、非局在化密度汎関数法によって求められた直径1×10-9m乃至5×10-7mの細孔の容積の合計が1.0cm3/グラム以上である多孔質炭素材料を得た後、母材と多孔質炭素材料とを混合する工程を含む電磁波吸収材の製造方法。
  9. 母材100質量部と多孔質炭素材料5質量部乃至50質量部とを混合する請求項7又は請求項8に記載の電磁波吸収材の製造方法。
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