JP2013021238A - 光電変換素子およびそれを備えた積層型光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】変換効率を向上可能な光電変換素子を提供する。
【解決手段】光電変換素子10は、透明導電膜1と、光電変換部3と、第2のn型半導体膜2とを備える。光電変換部3は、少なくともp型半導体膜31とi型半導体膜32と第1のn型半導体膜33とを積層したpin構造からなる。第2のn型半導体膜2は、p型半導体膜31と透明導電膜1とに接して設けられる。そして、p型半導体膜31および第2のn型半導体膜2の一方は、非晶質相からなり、p型半導体膜31および第2のn型半導体膜2の他方は、非晶質相または微結晶相からなる。
【選択図】図1
【解決手段】光電変換素子10は、透明導電膜1と、光電変換部3と、第2のn型半導体膜2とを備える。光電変換部3は、少なくともp型半導体膜31とi型半導体膜32と第1のn型半導体膜33とを積層したpin構造からなる。第2のn型半導体膜2は、p型半導体膜31と透明導電膜1とに接して設けられる。そして、p型半導体膜31および第2のn型半導体膜2の一方は、非晶質相からなり、p型半導体膜31および第2のn型半導体膜2の他方は、非晶質相または微結晶相からなる。
【選択図】図1
Description
この発明は、光電変換素子およびそれを備えた積層型光電変換素子に関するものである。
従来、光を電気に変換する太陽電池として特許文献1に記載の非晶質太陽電池が知られている。
この非晶質太陽電池は、透光性基板、透明電極、p型半導体薄膜、i型半導体薄膜、n型半導体薄膜、および裏面電極の順に積層して形成され、透明電極とp型半導体薄膜との間にn型微結晶薄膜を介在せしめた構造からなる。
そして、n型微結晶薄膜は、n型微結晶シリコン薄膜、n型炭素含有微結晶シリコン薄膜、およびn型微結晶シリコンカーバイド薄膜等からなる。また、p型半導体薄膜は、p型微結晶シリコン薄膜、p型炭素含有微結晶シリコン薄膜、およびp型微結晶シリコンカーバイド薄膜等からなる。
透明電極上にn型微結晶薄膜を形成し、n型微結晶薄膜上にp型半導体薄膜を形成することにより、p型微結晶シリコン薄膜、p型炭素含有微結晶シリコン薄膜、およびp型微結晶シリコンカーバイド薄膜等を透明電極上に容易に形成できる。その結果、非晶質太陽電池の開放端電圧が向上し、変換効率を向上できる。
透明電極に接してp型半導体薄膜を形成した場合、透明電極とp型半導体薄膜との間に正孔に対してエネルギー障壁が形成される。その結果、光励起された正孔は、p型半導体薄膜から透明電極へ効率良く伝導することが困難になり、太陽電池の曲線因子(FF:Fill Factor)が低下する。また、上記のエネルギー障壁は、太陽電池内の拡散電位を低下させ、太陽電池の開放電圧を低下させる。
しかし、特許文献1においては、上記のエネルギー障壁による太陽電池の特性低下を解決しようとする課題がない。
そこで、この発明は、上記のエネルギー障壁による太陽電池の特性低下を解決すると言う新規な課題に着目してなされたものであり、変換効率を向上可能な光電変換素子を提供するものである。
また、この発明は、変換効率を向上可能な光電変換素子を備えた積層型光電変換素子を提供するものである。
この発明の実施の形態によれば、光電変換素子は、透明導電膜と、光電変換部と、第2のn型半導体膜とを備える。光電変換部は、少なくともp型半導体膜とi型半導体膜と第1のn型半導体膜とを積層したpin構造からなる。第2のn型半導体膜は、透明導電膜とp型半導体膜との間に配置される。そして、p型半導体膜および第2のn型半導体膜の一方は、非晶質相からなり、p型半導体膜および第2のn型半導体膜の他方は、非晶質相または微結晶相からなる。
また、この発明の実施の形態によれば、光電変換素子は、透明導電膜と、n/p接合部と、第1のn型半導体膜と、i型半導体膜とを備える。n/p接合部は、透明導電膜に対向して配置される。第1のn型半導体膜は、透明導電膜側と反対側においてn/p接合部に対向して配置される。i型半導体膜は、n/p接合部と第1のn型半導体膜との間に配置される。そして、n/p接合部は、透明導電膜に対向して配置された第2のn型半導体膜と、第2のn型半導体膜に対向して配置されたp型半導体膜とを含む。また、p型半導体膜および第2のn型半導体膜の一方は、非晶質相からなり、p型半導体膜および第2のn型半導体膜の他方は、非晶質相または微結晶相からなる。
更に、この発明の実施の形態による積層型光電変換素子は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光電変換素子を少なくとも備える。
この発明の実施の形態による光電変換素子においては、i型半導体膜において光励起された電子は、i型半導体膜から第1のn型半導体膜、外部のリード線および透明導電膜を介して第2のn型半導体膜へ到達する。また、i型半導体膜において光励起された正孔は、i型半導体膜からp型半導体膜へ到達する。そして、第2のn型半導体膜とp型半導体膜との界面に再結合準位が存在するため、第2のn型半導体膜とp型半導体膜との界面における電子および正孔の再結合が促進される。また、第2のn型半導体膜とp型半導体膜とからなるn/p接合は、第2のn型半導体膜とp型半導体膜との界面に存在する再結合準位に起因して整流特性を殆ど示さず、p型半導体膜と第1のn型半導体膜とによって発生される内部電位の低下を抑制する。その結果、光電変換素子の開放電圧および曲線因子が向上する。
従って、光電変換素子の変換効率を向上できる。
また、この発明の実施の形態による積層型光電変換素子は、上述した光電変換素子を備えるので、同様の機構によって、積層型光電変換素子の変換効率を向上できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
この明細書において、「非晶質相」とは、シリコン(Si)原子等がランダムに配列された状態を言う。また、「微結晶相」とは、Si原子等のランダムなネットワークの中にSi等の微結晶粒が存在する状態を言う。更に、アモルファスシリコンを「a−Si」と表記するが、この表記は、実際には、水素(H)原子が含まれていてもよい。アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC)、アモルファスシリコンオキサイド(a−SiO)、アモルファスシリコンナイトライド(a−SiN)、アモルファスシリコンスズ(a−SiSn)、アモルファスシリコンゲルマニウム(a−SiGe)、アモルファスゲルマニウム(a−Ge)、微結晶シリコンカーバイド(μc−SiC)、微結晶シリコン(μc−Si)、微結晶シリコンゲルマニウム(μc−SiGe)、および微結晶ゲルマニウム(μc−Ge)についても、同様に、水素(H)原子が含まれていてもよい。
図1は、この発明の実施の形態による光電変換素子の構成を示す断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による光電変換素子10は、透明導電膜1と、n型半導体膜2と、光電変換部3とを備える。
光電変換部3は、p型半導体膜31と、i型半導体膜32と、n型半導体膜33とを含む。このように、光電変換部3は、p型半導体膜31、i型半導体膜32、およびn型半導体膜33を積層したpin構造からなる。
透明導電膜1は、n型半導体膜2に接して形成される。n型半導体膜2は、光電変換部3に含まれるp型半導体膜31に接して形成される。このように、n型半導体膜2は、透明導電膜1とp型半導体膜31とに接して形成される。
透明導電膜1は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2およびZnO等からなる。そして、透明導電膜1のn型半導体膜2側の表面は、平坦であってもよく、凹凸構造(テクスチャ構造)であってもよい。
n型半導体膜2は、p型半導体膜31が非晶質相からなる場合、非晶質相または微結晶相からなる。また、n型半導体膜2は、p型半導体膜31が微結晶相からなる場合、非晶質相からなる。
p型半導体膜31は、n型半導体膜2が非晶質相からなる場合、微結晶相または非晶質相からなる。また、p型半導体膜31は、n型半導体膜2が微結晶相からなる場合、非晶質相からなる。
i型半導体膜32は、微結晶相または非晶質相からなる。n型半導体膜33は、微結晶相または非晶質相からなる。
光電変換素子10においては、太陽光は、透明導電膜1側から光電変換素子10に入射されてもよく、n型半導体膜33側から光電変換素子10に入射されてもよい。
光電変換素子10は、透明導電膜1、n型半導体膜2、p型半導体膜31、i型半導体膜32、およびn型半導体膜33を基板上に順次積層して製造される。また、光電変換素子10は、n型半導体膜33、i型半導体膜32、p型半導体膜31、n型半導体膜2および透明導電膜1を基板上に順次積層して製造される。
上述したように、n型半導体膜2およびp型半導体膜31の一方が非晶質相からなり、かつ、n型半導体膜2およびp型半導体膜31の他方が非晶質相または微結晶相からなるので、n型半導体膜2とp型半導体膜31との界面には、再結合準位が存在する。また、n型半導体膜2とp型半導体膜31とからなる接合は、n型半導体膜2/p型半導体膜31界面に存在する再結合準位に起因して整流特性を殆ど示さないので、光電変換部3内の拡散電位の低下が抑制される。
その結果、光電変換部3のi型半導体膜32で光励起された正孔は、光電変換部3内の拡散電位によってp型半導体膜31へ移動し、n型半導体膜2とp型半導体膜31との界面に到達する。また、光電変換部3のi型半導体膜32で光励起された電子は、光電変換部3内の拡散電位によってn型半導体膜33へ移動し、外部のリード線(図示せず)および透明導電膜1を介してn型半導体膜2に到達する。そして、電子と正孔は、n型半導体膜2とp型半導体膜31との界面において、再結合準位を介して再結合する。これによって、光電流Iphが光電変換素子10に流れる。
このように、n型半導体膜2を透明導電膜1とp型半導体膜31との間に設けることによって、i型半導体膜32で光励起された正孔は、n型半導体膜2とp型半導体膜31との界面で電子と効率良く再結合する。
従って、透明導電膜に接してp型半導体膜を形成したときに形成されるエネルギー障壁による拡散電位の低下および曲線因子の低下が抑制され、光電変換素子10の変換効率を向上できる。
n型半導体膜2が非晶質相からなり、p型半導体膜31が微結晶相からなる場合、光電変換部3の拡散電位は、p型半導体膜31が非晶質相からなる場合よりも大きくなるので、開放電圧Vocを大きくできる。また、p型半導体膜31が微結晶相からなる場合、p型半導体膜31の抵抗は、p型半導体膜31が非晶質相からなる場合よりも低くなるので、曲線因子FFを改善できる。その結果、光電変換素子10の変換効率を更に向上できる。
また、光電変換素子10は、透明導電膜1と、透明導電膜1に接して配置されたn型半導体膜2/p型半導体膜31からなるn/p接合部と、透明導電膜1側と反対側においてn/p接合部に対向して配置されたn型半導体膜33と、n/p接合部のp型半導体膜31とn型半導体膜33との間に配置されたi型半導体膜32とを備えるものとして捉えることができる。
この場合、n/p接合部は、透明導電膜1に接して配置されたn型半導体膜2と、n型半導体膜2に接して配置されたp型半導体膜31とを含み、p型半導体膜31およびn型半導体膜2の一方は、非晶質相からなり、p型半導体膜31およびn型半導体膜2の他方は、非晶質相または微結晶相からなる。
n型半導体膜2/p型半導体膜31からなるn/p接合部においては、上述したように、n型半導体膜2およびp型半導体膜31の少なくとも一方は、非晶質相からなるので、n型半導体膜2/p型半導体膜31界面において電子と正孔との再結合が促進される。
その結果、n型半導体膜2/p型半導体膜31からなるn/p接合部は、i型半導体膜32において光励起された正孔に対してオーミック特性を有する接合として作用し、電子と正孔との再結合を促進する。
また、n型半導体膜2/p型半導体膜31からなるn/p接合部は、n型半導体膜2/p型半導体膜31界面における再結合準位のために光電変換部3内の拡散電位の低下を抑制する。
従って、光電変換素子10の構成を上述したように捉えても、開放電圧Vocおよび曲線因子FFの向上によって光電変換素子10の変換効率を向上できる。
以下、光電変換素子10の実施例について説明する。光電変換素子10を具体的に実現する場合、n型半導体膜2、p型半導体膜31、i型半導体膜32およびn型半導体膜33は、n型半導体膜2およびp型半導体膜31の一方が非晶質相からなり、かつ、n型半導体膜2およびp型半導体膜31の他方が非晶質相または微結晶相からなる条件下において、表1に示す各材料からなる。
なお、半導体材料としては、シリコン系半導体材料またはゲルマニウム系半導体材料を用いることができる。そして、シリコン系半導体材料としては、炭素、窒素、酸素、スズおよびゲルマニウムのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
(実施例1)
図2は、実施例1における光電変換素子の構成を示す断面図である。図2を参照して、光電変換素子10Aは、透光性基板20と、透明導電膜21と、n型非晶質膜22と、光電変換部23と、反射膜24と、裏面電極25とを備える。
図2は、実施例1における光電変換素子の構成を示す断面図である。図2を参照して、光電変換素子10Aは、透光性基板20と、透明導電膜21と、n型非晶質膜22と、光電変換部23と、反射膜24と、裏面電極25とを備える。
光電変換部23は、p型非晶質膜231と、i型非晶質膜232と、n型非晶質膜233とを含む。
透明導電膜21、n型非晶質膜22、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232、n型非晶質膜233、反射膜24および裏面電極25は、透光性基板20上に順次積層される。
透光性基板20は、例えば、ガラスおよび石英ガラス等からなる。透明導電膜21は、例えば、SnO2からなる。そして、透明導電膜21のn型非晶質膜22側の表面は、平坦な構造であってもよく、凹凸構造(テクスチャ構造)であってもよい。
n型非晶質膜22は、例えば、n型a−Siからなり、膜厚は、例えば、5nmである。また、n型非晶質膜22中のリン(P)濃度は、5×1020cm−3〜7×1020cm−3である。
p型非晶質膜231は、例えば、p型a−SiCからなり、膜厚は、例えば、10nmである。
i型非晶質膜232は、例えば、i型a−Siからなり、膜厚は、例えば、400nmである。
n型非晶質膜233は、例えば、n型a−Siからなり、膜厚は、例えば、20nmである。
反射膜24は、例えば、ZnOからなり、膜厚は、例えば、60nmである。
裏面電極25は、例えば、銀(Ag)からなり、膜厚は、例えば、200nmである。
このように、光電変換素子10Aは、光電変換素子10のn型半導体膜2、p型半導体膜31、i型半導体膜32およびn型半導体膜33の全てに非晶質膜を用いて光電変換素子10を具体化したものである。
n型非晶質膜22、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233の光学バンドギャップおよび活性化エネルギーを表2に示す。
p型非晶質膜231の光学バンドギャップは、1.98eVであり、i型非晶質膜232の光学バンドギャップ232は、1.74eVである。従って、p型非晶質膜231およびi型非晶質膜232は、ヘテロ接合を形成する。
また、n型非晶質膜22の光学バンドギャップは、1.80eVであり、p型非晶質膜231の光学バンドギャップは、1.98eVであるので、n型非晶質膜22およびp型非晶質膜231も、ヘテロ接合を形成する。
更に、i型非晶質膜232の光学バンドギャップは、1.74eVであり、n型非晶質膜233の光学バンドギャップは、1.80eVであるので、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233も、ヘテロ接合を形成する。
光電変換素子10Aの製造方法について説明する。光電変換素子10Aは、プラズマ装置を用いてプラズマCVD(Chemical Vapour Deposition)法によって製造される。
プラズマ装置は、仕込室と、反応室CB1〜CB4と、取出室と、整合器と、RF電源とを備える。仕込室、反応室CB1〜CB4および取出室は、直線的に配置されている。そして、仕込室と反応室CB1との間、反応室CB1と反応室CB2との間、反応室CB2と反応室CB3との間、反応室CB3と反応室CB4との間、および反応室CB4と取出室との間は、仕切バルブで仕切られている。また、仕込室から反応室CB1、反応室CB2、反応室CB3、反応室CB4および取出室へ基板を順次搬送する搬送機構がプラズマ装置に備えられている。
仕込室は、加熱機構と排気機構とを備える。加熱機構は、基板を所定の温度に昇温する。排気機構は、仕込室内のガスを排気し、仕込室の到達圧力を、例えば、1×10−5Pa以下に設定する。
反応室CB1〜CB4の各々は、平行平板電極と、加熱機構と、排気機構とを備える。加熱機構は、基板を所定の温度に昇温する。排気機構は、反応室CB1〜CB4内のガスを排気し、反応室CB1〜CB4の到達圧力を、例えば、1×10−5Pa以下に設定する。平行平板電極は、整合器を介してRF電源に接続される。
取出室は、排気機構を備える。排気機構は、取出室内のガスを排気し、取出室の到達圧力を、例えば、1×10−5Pa以下に設定する。
仕込室、反応室CB1〜CB4、および取出室の各排気機構は、ターボ分子ポンプ、メカニカルブースタポンプおよびロータリーポンプからなる。ターボ分子ポンプ、メカニカルブースタポンプおよびロータリーポンプは、ターボ分子ポンプが仕込室、反応室CB1〜CB4、および取出室に最も近くなるように仕込室、反応室CB1〜CB4、および取出室に直列的に連結されている。そして、各排気機構は、ターボ分子ポンプ、メカニカルブースタポンプおよびロータリーポンプによって仕込室、反応室CB1〜CB4、および取出室内のガスを排気し、またはメカニカルブースタポンプおよびロータリーポンプによって仕込室、反応室CB1〜CB4、および取出室内のガスを排気する。
RF電源は、例えば、13.56MHzのRF電力を整合器を介して反応室CB1〜CB4の平行平板電極に印加する。
光電変換素子10Aの製造が開始されると、SnO2が形成されたガラス基板(SnO2/ガラス基板)を洗浄し、SnO2/ガラス基板をプラズマ装置の仕込室の基板ホルダー上に配置する。
そして、仕込室の排気機構は、1×10−5Pa以下に仕込室内のガスを排気し、仕込室の加熱機構は、SnO2/ガラス基板の温度を200℃に設定するように基板ホルダーを加熱する。また、反応室CB1〜CB4の加熱機構も、基板温度を200℃に設定するように基板ホルダーを加熱する。
SnO2/ガラス基板の温度が200℃に達すると、仕込室と反応室CB1との間の仕切バルブが開けられ、SnO2/ガラス基板は、仕込室から反応室CB1へ搬送される。
n型非晶質膜22、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232、およびn型非晶質膜233を形成するときの材料ガスの流量を表3に示す。
SnO2/ガラス基板が反応室CB1へ搬送されると、20sccmのシラン(SiH4)ガスと、150sccmの水素(H2)ガスと、水素希釈された50sccmのホスフィン(PH3)ガスとを反応室CB1に流し、反応室CB1の圧力を13.3Pa〜665Paの範囲に設定する。そして、RF電源は、16〜80mW/cm2の範囲のRFパワーを整合器を介して平行平板電極に印加する。なお、水素希釈されたPH3ガスの濃度は、0.2%である。
これによって、反応室CB1内でプラズマが発生し、n型非晶質膜22としてのn型a−SiがSnO2上に堆積される。
n型非晶質膜22の膜厚が5nmになると、反応室CB1の平行平板電極へのRFパワーの印加を停止するとともに、SiH4ガス、H2ガスおよびPH3ガスの反応室CB1への供給を停止し、排気機構によって1×10−5Pa以下に反応室CB1を真空引きする。そして、仕切バルブを開け、n型非晶質膜22/SnO2/ガラス基板を反応室CB1から反応室CB2へ搬送する。
n型非晶質膜22/SnO2/ガラス基板が反応室CB2へ搬送されると、2sccmのSiH4ガスと、42sccmのH2ガスと、水素希釈された12sccmのジボラン(B2H6)ガスと、1.6sccmのメタン(CH4)ガスとを反応室CB2に流し、反応室CB2の圧力を13.3Pa〜665Paの範囲に設定する。そして、RF電源は、16〜80mW/cm2の範囲のRFパワーを整合器を介して平行平板電極に印加する。なお、水素希釈されたB2H6ガスの濃度は、0.1%である。
これによって、反応室CB2内でプラズマが発生し、p型非晶質膜231としてのp型a−SiCがn型非晶質膜22上に堆積される。
p型非晶質膜231の膜厚が10nmになると、反応室CB2の平行平板電極へのRFパワーの印加を停止するとともに、SiH4ガス、H2ガス、B2H6ガスおよびCH4ガスの反応室CB2への供給を停止し、排気機構によって1×10−5Pa以下に反応室CB2を真空引きする。そして、仕切バルブを開け、p型非晶質膜231/n型非晶質膜22/SnO2/ガラス基板を反応室CB2から反応室CB3へ搬送する。
p型非晶質膜231/n型非晶質膜22/SnO2/ガラス基板が反応室CB3へ搬送されると、10sccmのSiH4ガスと、100sccmのH2ガスとを反応室CB3に流し、反応室CB3の圧力を13.3Pa〜665Paの範囲に設定する。そして、RF電源は、16〜80mW/cm2の範囲のRFパワーを整合器を介して平行平板電極に印加する。
これによって、反応室CB3内でプラズマが発生し、i型非晶質膜232としてのi型a−Siがp型非晶質膜231上に堆積される。
i型非晶質膜232の膜厚が400nmになると、反応室CB3の平行平板電極へのRFパワーの印加を停止するとともに、SiH4ガスおよびH2ガスの反応室CB3への供給を停止し、排気機構によって1×10−5Pa以下に反応室CB3を真空引きする。そして、仕切バルブを開け、i型非晶質膜232/p型非晶質膜231/n型非晶質膜22/SnO2/ガラス基板を反応室CB3から反応室CB4へ搬送する。
i型非晶質膜232/p型非晶質膜231/n型非晶質膜22/SnO2/ガラス基板が反応室CB4へ搬送されると、n型非晶質膜22としてのn型a−Siの形成条件と同じ形成条件でn型非晶質膜233がi型非晶質膜232上に堆積される。
n型非晶質膜233の膜厚が20nmになると、反応室CB4の平行平板電極へのRFパワーの印加を停止するとともに、SiH4ガス、H2ガスおよびPH3ガスの反応室CB4への供給を停止し、排気機構によって1×10−5Pa以下に反応室CB4を真空引きする。そして、仕切バルブを開け、n型非晶質膜233/i型非晶質膜232/p型非晶質膜231/n型非晶質膜22/SnO2/ガラス基板を反応室CB4から取出室へ搬送する。
そして、取出室でn型非晶質膜233/i型非晶質膜232/p型非晶質膜231/n型非晶質膜22/SnO2/ガラス基板を室温まで冷却した後、n型非晶質膜233/i型非晶質膜232/p型非晶質膜231/n型非晶質膜22/SnO2/ガラス基板を取出室から取出し、n型非晶質膜233/i型非晶質膜232/p型非晶質膜231/n型非晶質膜22/SnO2/ガラス基板をスパッタリング装置にセットする。
そして、スパッタリング装置を用いて反射膜24としてのZnOをn型非晶質膜233上に形成し、その後、スパッタリング装置を用いて裏面電極25としてのAgを反射膜24上に形成する。これによって、光電変換素子10Aが完成する。
このように、光電変換素子10Aは、n型非晶質膜22、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233をプラズマCVD法によって透明導電膜21上に順次積層し、その後、スパッタリング法によって反射膜24(ZnO)および裏面電極(Ag)をn型非晶質膜233上に順次積層することによって製造される。
図3は、図2に示す光電変換素子10Aのエネルギーバンド図である。なお、図3においては、透光性基板20、反射膜24および裏面電極25が省略されている。
図3を参照して、上述したように、p型非晶質膜231およびi型非晶質膜232は、ヘテロ接合を形成し、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233は、ヘテロ接合を形成する。
また、n型非晶質膜22は、n型a−Siからなり、p型非晶質膜231は、p型a−SiCからなるので、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231との界面には、再結合準位が存在する。そして、この再結合準位が存在するために、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231との接合(n/p接合)は、殆ど整流特性を示さない。その結果、p型非晶質膜231/i型非晶質膜232/n型非晶質膜233からなるpin構造の拡散電位(=内部電位Vbi)は、殆ど低下しない。
そうすると、i型非晶質膜232において光励起された電子および正孔は、内部電位Vbiによってそれぞれn型非晶質膜233およびp型非晶質膜231へ移動する。
そして、電子は、反射膜24、裏面電極25、外部のリード線(図示せず)および透明導電膜21を介してn型非晶質膜22へ到達する。この場合、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231との界面には、電子に対するエネルギー障壁φnが存在するので、n型非晶質膜22中の電子は、p型非晶質膜231へ移動することができない。
また、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231との界面には、正孔に対するエネルギー障壁φpが存在するので、p型非晶質膜231中の正孔は、透明導電膜21へ移動することができない。
その結果、電子および正孔は、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231との界面における再結合準位を介して効率的に再結合する。上述したように、n型非晶質膜22中のP濃度は、5×1020cm−3〜7×1020cm−3であるので、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231との界面における再結合準位が多くなり、電子および正孔は、これらの再結合準位を介して効率的に再結合する。これによって、光電流Iphが光電変換素子10Aに流れ、曲線因子FFは、n型非晶質膜22が設けられない場合よりも改善される。
また、上述したように、n型非晶質膜22およびp型非晶質膜231からなるn/p接合は、内部電位Vbiを殆ど低下させないので、光電流Iphが零になるときの電圧(開放電圧Voc)は、n型非晶質膜22が設けられない場合よりも大きくなる。
従って、n型非晶質膜22を透明導電膜21とp型非晶質膜231との間に設けることによって光電変換素子10Aの変換効率を向上できる。
また、n型非晶質膜22およびp型非晶質膜231がそれぞれn型a−Si,p型a−SiCからなる場合、酸素等の不純物がi型非晶質膜232中へ混入するのを抑制できる。
より具体的には、特許文献1に記載のように、n型μc−Siおよびp型μc−Siを透明電極上に順次積層した場合、n型μc−Siの形成時に酸素等の不純物が透明電極(ITO)からn型μc−Si中へ取り込まれる。μc−Siは、Siのランダムなネットワークに粒径が10〜100nm程度であるSiの結晶粒が存在する構造からなるので、結晶粒とアモルファスとの境界が多く存在し、この境界には、隙間が存在する。そして、n型μc−Si中へ取り込まれた酸素等の不純物は、この隙間に存在する。その結果、p型μc−Siの形成時に、n型μc−Si中の酸素等が隙間を移動し、p型μc−Siへ取り込まれ、p型μc−Si中の隙間に存在する。そうすると、電子および正孔が光励起されるi型a−Siの形成時にp型μc−Si中の酸素等がi型a−Si中へ混入する。
しかし、光電変換素子10Aにおいては、n型非晶質膜22およびp型非晶質膜231がそれぞれn型a−Si,p型a−SiCからなり、n型a−Si,p型a−SiCには、上述した隙間が存在しないので、n型非晶質膜22(n型a−Si)の形成時に透明導電膜21(SnO2)から酸素等の不純物がn型非晶質膜22(n型a−Si)へ取り込まれても、酸素等は、移動できず、i型非晶質膜232中へ混入することはない。
従って、n型非晶質膜22およびp型非晶質膜231を採用することによって、透明導電膜21(SnO2)からの酸素等がi型非晶質膜232中へ混入するのを抑制できる。
なお、光電変換素子10Aにおいては、反射膜24がn型非晶質膜233に接して形成されているため、光電変換部23に入射した太陽光は、反射膜24で反射され、光電変換部23をp型非晶質膜231の方向へ伝搬する。そして、太陽光は、透明導電膜21で再び反射され、光電変換部23をn型非晶質膜233の方向へ伝搬する。その後、太陽光は、反射膜24と透明導電膜21とで繰り返し反射される。
このように、反射膜24を設けることによって、太陽光は、n型非晶質膜22および光電変換部23内に閉じ込められる。その結果、太陽光は、光電変換部23のi型非晶質膜232でより多く吸収され、i型非晶質膜232で光励起される電子および正孔は、より多くなる。
そして、透明導電膜21のn型非晶質膜22側の表面が凹凸構造(テクスチャ構造)からなる場合、上述した機構による光閉じ込めの効果が更に大きくなるので、透明導電膜21の表面のテクスチャ化と、裏面側に設けられた反射膜24とによって、光電流Iphを大きくできる。
光電変換素子10Aにおいては、上述したように、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231との界面における再結合準位を介した電子と正孔との再結合が促進されるので、この再結合の促進と、反射膜24を設けたことによる光励起キャリア(電子および正孔)の増加との相乗効果によって、光電流Iphが増加しても曲線因子FFが低下せず、光電変換素子10Aの変換効率を向上できる。
図4は、従来の光電変換素子の構成を示す断面図である。図4を参照して、従来の光電変換素子400は、光電変換素子10Aのn型非晶質膜22を削除したものであり、その他は、光電変換素子10Aと同じである。
光電変換素子400は、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233をプラズマCVD法によって透明導電膜21上に順次積層し、その後、反射膜24および裏面電極25をスパッタリング法によってn型非晶質膜233上に順次積層して製造される。
n型非晶質膜22による変換効率の向上を確認するために、光電変換素子10A,400を作製し、太陽電池特性を測定した。その結果を表4に示す。
なお、表4における太陽電池特性は、AM1.5の100mW/cm2の強度を有する擬似太陽光を光電変換素子10A,400に照射したときの特性である。
実施例1による光電変換素子10Aは、従来の光電変換素子400に比べ、短絡電流密度Jscが若干低下するものの、開放電圧Vocおよび曲線因子FFが改善される。その結果、光電変換素子10Aの変換効率ηは、従来の光電変換素子400の変換効率よりも高くなる。
なお、短絡電流密度Jscが低下するのは、新たに設けられたn型非晶質膜22における光吸収が原因である。
このように、n型非晶質膜22を透明導電膜21とp型非晶質膜231との間に設けることによって、開放電圧Vocおよび曲線因子FFが改善され、変換効率が向上することが実験的に実証された。
図5は、図2に示す光電変換素子10Aの太陽電池特性とn型非晶質膜22の膜厚との関係を示す図である。
図5の(a)は、短絡電流密度Jscとn型非晶質膜22の膜厚との関係を示す図であり、図5の(b)は、開放電圧Vocとn型非晶質膜22の膜厚との関係を示す図であり、図5の(c)は、曲線因子FFとn型非晶質膜22の膜厚との関係を示す図であり、図5の(d)は、変換効率とn型非晶質膜22の膜厚との関係を示す図である。
図5の(a)おいて、縦軸は、短絡電流密度Jscを表し、横軸は、n型非晶質膜22の膜厚を表す。図5の(b)において、縦軸は、開放電圧Vocを表し、横軸は、n型非晶質膜22の膜厚を表す。図5の(c)において、縦軸は、曲線因子FFを表し、横軸は、n型非晶質膜22の膜厚を表す。図5の(d)において、縦軸は、変換効率を表し、横軸は、n型非晶質膜22の膜厚を表す。
短絡電流密度Jscは、n型非晶質膜22の膜厚が厚くなるに従って減少する(図5の(a)参照)。これは、n型非晶質膜22における光吸収量がn型非晶質膜22の膜厚が厚くなるに従って増加するからである。
一方、開放電圧Vocおよび曲線因子FFは、n型非晶質膜22の膜厚が5nmおよび8nmであるとき、n型非晶質膜22を設けない場合よりも向上し、n型非晶質膜22の膜厚が5nmであるときに最大となる。そして、開放電圧Vocおよび曲線因子FFは、n型非晶質膜22の膜厚が8nmよりも厚くなると、n型非晶質膜22を設けない場合よりも低下する(図5の(b),(c)参照)。
その結果、変換効率は、n型非晶質膜22の膜厚が5nmであるときに最大になる(図5の(d)参照)。
図5の(d)において、n型非晶質膜22の膜厚が5nm以上である領域で、変換効率とn型非晶質膜22の膜厚との関係を直線で表した場合、変換効率がn型非晶質膜22を設けない場合と等しくなるときのn型非晶質膜の膜厚は、7nmである。
また、n型非晶質膜22としてのn型a−SiをプラズマCVD法によって形成した場合、n型a−Siは、2nmよりも薄くなると、透明導電膜21の面内方向においてSiのランダムなネットワークが繋がらない島構造になることが知られており、膜構造にならない。その結果、膜構造からなるn型非晶質膜22を形成するためには、n型非晶質膜22の膜厚は、2nm以上である必要がある。
従って、光電変換素子10Aの変換効率を向上させるためには、n型非晶質膜22の膜厚dは、2nm≦d<7nmの範囲が好ましい。
そして、n型非晶質膜22の膜厚dが2nm≦d<7nmの範囲のように薄い場合には、n型非晶質膜22がn型半導体としての作用を十分に発揮することが困難になり、光電変換部23の内部電位Vbiの低下を更に抑制できる。
なお、n型非晶質膜22,233の各々は、n型a−Si以外にn型a−SiC,n型a−SiO,n型a−SiN,n型a−SiSn,n型a−SiGe,n型a−Geのいずれかからなっていてもよい。この場合、n型a−SiCは、SiH4ガス、CH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。n型a−SiOは、SiH4ガス、酸素(O2)ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。n型a−SiNは、SiH4ガス、アンモニア(NH3)ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。n型a−SiSnは、SiH4ガス、四塩化スズ(SnCl4)ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。n型a−SiGeは、SiH4ガス、ゲルマン(GeH4)ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。n型a−Geは、GeH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。
また、p型非晶質膜231は、p型a−SiC以外にp型a−SiO,p型a−SiN,p型a−SiSn,p型a−Si,p型a−SiGe,p型a−Geのいずれかからなっていてもよい。この場合、p型a−SiOは、SiH4ガス、O2ガス、B2H6ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。p型a−SiNは、SiH4ガス、NH3ガス、B2H6ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。p型a−SiSnは、SiH4ガス、SnCl4ガス、B2H6ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。p型a−Siは、SiH4ガス、B2H6ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。p型a−SiGeは、SiH4ガス、GeH4ガス、B2H6ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。p型a−Geは、GeH4ガス、B2H6ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。
更に、i型非晶質膜232は、i型a−Si以外にi型a−SiC,i型a−SiGe,i型a−Geのいずれかからなっていてもよい。この場合、i型a−SiCは、SiH4ガス、CH4ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。i型a−SiGeは、SiH4ガス、GeH4ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。i型a−Geは、GeH4ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。
このように、実施例1においては、n型非晶質膜22、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233は、表1に示すa−SiC,a−Si,a−SiGe,a−Ge等の非晶質材料からなる。
そして、p型非晶質膜231がp型a−SiGeからなり、i型非晶質膜232がi型a−Siからなる場合等のように、p型非晶質膜231の光学バンドギャップがi型非晶質膜232の光学バンドギャップよりも小さい場合、光電変換素子10Aのエネルギーバンド図において、p型a−SiGeの価電子帯の端がi型a−Siの価電子帯の端よりもエネルギー的に低くなる。即ち、p型a−SiGeの価電子帯の端は、図3の紙面において、i型a−Siの価電子帯の端よりも上側に位置する。その結果、i型非晶質膜232において光励起された正孔は、p型非晶質膜231へ到達した後、p型非晶質膜231に閉じ込められ、n型非晶質膜22/p型非晶質膜231界面において、電子と正孔との再結合が促進される。
従って、p型非晶質膜231の光学バンドギャップがi型非晶質膜232の光学バンドギャップよりも小さくなる非晶質材料を用いて光電変換素子10Aを作製することによって、光電変換素子10Aの変換効率を向上可能である。
また、n型非晶質膜22、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233をa−Si等によって構成することによって、n型非晶質膜22、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233をプラズマCVD法によって200℃程度の低温で連続して透明導電膜21上に積層できる。その結果、薄膜太陽電池として実績のあるa−Si太陽電池の変換効率を向上できる。
(実施例2)
図6は、実施例2における光電変換素子の構成を示す断面図である。図6を参照して、実施例2における光電変換素子10Bは、光電変換素子10Aの透光性基板20を絶縁性基板30に代え、裏面電極25を電極34に代え、反射膜24を反射膜35に代え、透明導電膜21を透明導電膜36に代え、集電電極37を追加したものであり、その他は、光電変換素子10Aと同じである。
図6は、実施例2における光電変換素子の構成を示す断面図である。図6を参照して、実施例2における光電変換素子10Bは、光電変換素子10Aの透光性基板20を絶縁性基板30に代え、裏面電極25を電極34に代え、反射膜24を反射膜35に代え、透明導電膜21を透明導電膜36に代え、集電電極37を追加したものであり、その他は、光電変換素子10Aと同じである。
このように、光電変換素子10Bは、光電変換素子10のn型半導体膜2、p型半導体膜31、i型半導体膜32およびn型半導体膜33の全てに非晶質膜を用いて光電変換素子10を具体化したものである。
絶縁性基板30は、ガラス等の透光性基板であってもよく、光を透過しない絶縁基板であってもよい。
電極34は、例えば、Agからなり、膜厚は、例えば、200nmである。そして、電極34は、絶縁性基板30上に配置される。
反射膜35は、例えば、ZnOからなり、膜厚は、例えば、60nmである。そして、反射膜35は、電極34上に配置される。
光電変換部23は、反射膜35に接して配置される。
透明導電膜36は、例えば、SnO2からなり、n型非晶質膜22に接して配置される。
集電電極37は、例えば、Agからなり、透明導電膜36に接して櫛型に配置される。
光電変換素子10Bの製造方法について説明する。スパッタリング法によって、電極34および反射膜35を絶縁性基板30上に順次形成する。
そして、反射膜35/電極34/絶縁性基板30をプラズマ装置内にセットし、プラズマCVD法によって上述した条件を用いてn型非晶質膜233、i型非晶質膜232、p型非晶質膜231およびn型非晶質膜22を反射膜35上に順次積層する。
その後、n型非晶質膜22/p型非晶質膜231/i型非晶質膜232/n型非晶質膜233/反射膜35/電極34/絶縁性基板30をプラズマ装置から取り出してスパッタリング装置にセットし、透明導電膜36および集電電極37をスパッタリング法によってn型非晶質膜22上に順次堆積する。これによって、光電変換素子10Bが完成する。
このように、光電変換素子10Bは、光電変換素子10Aの場合と逆に、n型非晶質膜233、i型非晶質膜232、p型非晶質膜231およびn型非晶質膜22を絶縁性基板30上に順次積層することによって製造される。
光電変換素子10Bにおいては、太陽光は、集電電極37側から光電変換素子10Bに入射される。
光電変換素子10Bのエネルギーバンド図は、図3に示す光電変換素子10Aのエネルギーバンド図と同じである。
太陽光が集電電極37側から光電変換素子10Bに入射すると、光電変換部23のi型非晶質膜232において、電子および正孔が光励起される。
そして、光励起された電子は、光電変換部23内の内部電位Vbiによってn型非晶質膜233へ移動する。その後、電子は、反射膜35、電極34、外部のリード線(図示せず)、集電電極37および透明導電膜36を介してn型非晶質膜22へ到達する。
一方、光励起された正孔は、光電変換部23内の内部電位Vbiによってp型非晶質膜231へ到達する。
そうすると、電子および正孔は、光電変換素子10Aにおいて説明したように、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231との界面における再結合準位を介して効率良く再結合する。
また、光電変換素子10Bにおいても、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231とからなるn/p接合は、上述した理由によって、光電変換部23内の内部電位Vbiを殆ど低下しない。
従って、透明導電膜36とp型非晶質膜231との間にn型非晶質膜22を設けることによって、開放電圧Vocおよび曲線因子FFが向上し、光電変換素子10Bの変換効率を向上できる。
光電変換素子10Bについてのその他の説明は、光電変換素子10Aについての説明と同じである。
(実施例3)
図7は、実施例3における光電変換素子の構成を示す断面図である。図7を参照して、光電変換素子10Cは、図2に示す光電変換素子10Aの光電変換部23を光電変換部23Aに代えたものであり、その他は、光電変換素子10Aと同じである。
図7は、実施例3における光電変換素子の構成を示す断面図である。図7を参照して、光電変換素子10Cは、図2に示す光電変換素子10Aの光電変換部23を光電変換部23Aに代えたものであり、その他は、光電変換素子10Aと同じである。
光電変換部23Aは、図2に示す光電変換部23のp型非晶質膜231をp型微結晶膜231Aに代えたものであり、その他は、光電変換部23と同じである。
p型微結晶膜231Aは、例えば、p型μc−Siからなり、膜厚は、例えば、10nmである。そして、p型微結晶膜231Aは、n型非晶質膜22に接する。
このように、光電変換素子10Cは、光電変換素子10のn型半導体膜2、i型半導体膜32およびn型半導体膜33に非晶質膜を用い、p型半導体膜31に微結晶膜を用いて光電変換素子10を具体化したものである。
光電変換素子10Cの製造方法について説明する。光電変換素子10Cは、n型非晶質膜22、p型微結晶膜231A、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233をプラズマCVD法によって透明導電膜21上に順次積層し、その後、反射膜24および裏面電極25をスパッタリング法によってn型非晶質膜233上に順次積層することによって製造される。
そして、n型非晶質膜22、p型微結晶膜231A、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233をプラズマCVD法によって積層する場合の材料ガスの流量を表5に示す。
また、n型非晶質膜22、p型微結晶膜231A、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233の各々を形成するときの基板温度は、200℃であり、反応室の圧力は、13.3〜665Paの範囲であり、RFパワー密度は、16〜80mW/cm2の範囲である。
n型非晶質膜22、p型微結晶膜231A、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233は、上述した各材料ガスの流量、基板温度、圧力およびRFパワー密度を用いてプラズマCVD法によって透明導電膜21上に順次積層される。
この場合、上述した反応室CB1〜CB4を用いてn型非晶質膜22、p型微結晶膜231A、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233を透明導電膜21上に順次積層する。
n型非晶質膜22、p型微結晶膜231A、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233を透明導電膜21上に積層すると、n型非晶質膜233/i型非晶質膜232/p型微結晶膜231A/n型非晶質膜22/透明導電膜21/透光性基板20をスパッタリング装置にセットし、スパッタリング法によって反射膜24および裏面電極25をn型非晶質膜233上に順次形成する。これによって、光電変換素子10Cが完成する。
光電変換素子10Cは、n型非晶質膜22およびp型微結晶膜231Aからなるn/p接合を備える。このn/p接合は、n型非晶質膜22とp型微結晶膜231Aとが直接接合した構造からなるので、n型非晶質膜22とp型微結晶膜231Aとの界面に再結合準位が存在する。
また、p型微結晶膜231Aは、p型μc−Siからなり、約1.97eVの光学バンドギャップを有する。その結果、光電変換素子10Cのエネルギーバンド図は、図3に示すエネルギーバンド図とほぼ同じである。
従って、i型非晶質膜232において光励起された電子および正孔は、光電変換素子10Aと同じように、それぞれ、n型非晶質膜233およびp型微結晶膜231Aへ到達する。そして、電子および正孔は、n型非晶質膜22とp型微結晶膜231Aとの界面に存在する再結合準位を介して効率良く再結合する。これによって、光電流Iphが光電変換素子10Cに流れる。
また、n型非晶質膜22およびp型微結晶膜231Aからなるn/p接合は、n型非晶質膜22とp型微結晶膜231Aとの界面に存在する再結合準位に起因して整流特性を殆ど示さないため、光電変換部23A内の内部電位の低下を抑制する。
更に、光電変換部23Aは、p型微結晶膜231Aを含むので、光電変換部23よりも大きい内部電位を有する。
更に、p型微結晶膜231Aの導電率は、p型非晶質膜231の導電率よりも高くなるので、正孔に対する直列抵抗が小さくなる。
このように、光電変換素子10Cにおいては、n型非晶質膜22/p型微結晶膜231A界面における電子と正孔との再結合の促進、n型非晶質膜22およびp型微結晶膜231Aからなるn/p接合による光電変換部23A内の内部電位の低下の抑制、p型微結晶膜231Aによる光電変換部23A内の内部電位の向上、および正孔に対する直列抵抗の低下によって、開放電圧Vocおよび曲線因子FFが向上し、光電変換素子10Cの変換効率を光電変換素子10Aの変換効率よりも向上できる。特に、曲線因子FFの向上は、p型微結晶膜231Aの導電率の向上による正孔に対する直列抵抗の低下と、n型非晶質膜22/p型微結晶膜231A界面における電子と正孔との再結合の促進との相乗効果によるものである。
また、光電変換素子10Cにおいては、n型非晶質膜22およびp型微結晶膜231Aは、それぞれ、n型a−Si,p型μc−Siからなり、n型a−Siが透明導電膜21に接するので、n型a−Siの形成時に酸素等の不純物がn型a−Si中へ取り込まれても、酸素等は、n型a−Si中を移動できず、i型非晶質膜232へ取り込まれない。
従って、n型非晶質膜22およびp型微結晶膜231Aを採用することによって、透明導電膜21(SnO2)からの酸素等がi型非晶質膜232中へ混入するのを抑制できる。
p型微結晶膜231Aは、p型μc−Si以外に、p型μc−SiC,p型μc−SiGe,p型μc−Geのいずれかからなっていてもよい。
そして、p型μc−SiCは、SiH4ガス、CH4ガス、B2H6ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。p型μc−SiGeは、SiH4ガス、GeH4ガス、B2H6ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。p型μc−Geは、GeH4ガス、B2H6ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。この場合、SiH4ガスとCH4ガスとB2H6ガスとの合計流量とH2ガスの流量との比[SiH4+CH4+B2H6]/[H2]は、約1/10以下に設定される。また、p型μc−SiGe,p型μc−GeをプラズマCVD法によって形成する場合も、ガス流量比は、同様に設定される。
上述したように、p型微結晶膜231Aとしてのp型μc−SiC,p型μc−Si,p型μc−SiGe,p型μc−Geは、SiH4ガス等をH2ガスによって希釈した条件でa−Siを形成するときのRFパワーよりも大きいRFパワーを用いてプラズマCVD法によって形成されるので、プラズマ中の水素イオン等による下地層(=n型非晶質膜22)へのダメージによって、n型非晶質膜22の欠陥密度を増加させることができる。その結果、n型非晶質膜22/p型微結晶膜231A界面における電子および正孔の再結合を促進できる。
なお、実施例3においては、上述した光電変換素子10Aから光電変換素子10Bへの変更と同じ変更を光電変換素子10Cに適用してもよい。
光電変換素子10Cについてのその他の説明は、光電変換素子10Aについての説明と同じである。
(実施例4)
図8は、実施例4における光電変換素子の構成を示す断面図である。図8を参照して、光電変換素子10Dは、図2に示す光電変換素子10Aのn型非晶質膜22をn型微結晶膜22Aに代えたものであり、その他は、光電変換素子10Aと同じである。
図8は、実施例4における光電変換素子の構成を示す断面図である。図8を参照して、光電変換素子10Dは、図2に示す光電変換素子10Aのn型非晶質膜22をn型微結晶膜22Aに代えたものであり、その他は、光電変換素子10Aと同じである。
n型微結晶膜22Aは、例えば、n型μc−Siからなり、膜厚は、例えば、5nmである。そして、n型微結晶膜22Aは、透明導電膜21とp型非晶質膜231との間に透明導電膜21およびp型非晶質膜231に接して配置される。
このように、光電変換素子10Cは、光電変換素子10のp型半導体膜31、i型半導体膜32およびn型半導体膜33に非晶質膜を用い、n型半導体膜2に微結晶膜を用いて光電変換素子10を具体化したものである。
光電変換素子10Dの製造方法について説明する。光電変換素子10Dは、n型微結晶膜22A、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233をプラズマCVD法によって透明導電膜21上に順次積層し、その後、反射膜24および裏面電極25をスパッタリング法によってn型非晶質膜233上に順次積層することによって製造される。
そして、n型微結晶膜22A、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233をプラズマCVD法によって積層する場合の材料ガスの流量を表6に示す。
また、n型微結晶膜22A、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233の各々を形成するときの基板温度は、200℃であり、反応室の圧力は、13.3〜665Paの範囲であり、RFパワー密度は、16〜80mW/cm2の範囲である。
n型微結晶膜22A、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233は、上述した各材料ガスの流量、基板温度、圧力およびRFパワー密度を用いてプラズマCVD法によって透明導電膜21上に順次積層される。
この場合、上述した反応室CB1〜CB4を用いてn型微結晶膜22A、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233を透明導電膜21上に順次積層する。
n型微結晶膜22A、p型非晶質膜231、i型非晶質膜232およびn型非晶質膜233を透明導電膜21上に積層すると、n型非晶質膜233/i型非晶質膜232/p型非晶質膜231/n型微結晶膜22A/透明導電膜21/透光性基板20をスパッタリング装置にセットし、スパッタリング法によって反射膜24および裏面電極25をn型非晶質膜233上に順次形成する。これによって、光電変換素子10Dが完成する。
光電変換素子10Dは、n型微結晶膜22Aおよびp型非晶質膜231からなるn/p接合を備える。このn/p接合は、n型微結晶膜22Aがp型非晶質膜231に直接接合した構造からなるので、n型微結晶膜22Aとp型非晶質膜231との界面に再結合準位が存在する。
また、n型微結晶膜22Aは、n型μc−Siからなり、約1.97eVの光学バンドギャップを有する。その結果、光電変換素子10Dのエネルギーバンド図は、図3に示すエネルギーバンド図において、正孔に対するエネルギー障壁φpが更に大きくなったエネルギーバンド図からなる。
従って、i型非晶質膜232において光励起された電子および正孔は、光電変換素子10Aと同じように、それぞれ、n型微結晶膜22Aおよびp型非晶質膜231へ到達する。そして、電子および正孔は、n型微結晶膜22Aとp型非晶質膜231との界面に存在する再結合準位を介して効率良く再結合する。これによって、光電流Iphが光電変換素子10Dに流れる。
また、n型微結晶膜22Aおよびp型非晶質膜231からなるn/p接合は、n型微結晶膜22Aとp型非晶質膜231との界面に存在する再結合準位に起因して整流特性を殆ど示さないため、光電変換部23内の内部電位の低下を抑制する。
このように、光電変換素子10Dにおいては、n型微結晶膜22A/p型非晶質膜231界面における電子と正孔との再結合の促進と、n型微結晶膜22Aおよびp型非晶質膜231からなるn/p接合による光電変換部23内の内部電位の低下の抑制とによって、開放電圧Vocおよび曲線因子FFが向上し、光電変換素子10Dの変換効率を従来の光電変換素子400の変換効率よりも向上できる。
また、光電変換素子10Dにおいては、n型微結晶膜22Aおよびp型非晶質膜231は、それぞれ、n型μc−Si,p型a−SiCからなるので、n型微結晶膜22A(n型μc−Si)の形成時に酸素等の不純物が透明導電膜21(SnO2)からn型微結晶膜22A(n型μc−Si)中へ取り込まれても、n型微結晶膜22A(n型μc−Si)中の酸素等は、p型非晶質膜231(p型a−SiC)中を移動できず、i型非晶質膜232へ混入しない。
従って、n型微結晶膜22Aおよびp型非晶質膜231を採用することによって、透明導電膜21(SnO2)からの酸素等がi型非晶質膜232中へ混入するのを抑制できる。
n型微結晶膜22Aは、n型μc−Si以外に、n型μc−SiC,n型μc−SiGe,n型μc−Geのいずれかからなっていてもよい。
そして、p型μc−SiCは、SiH4ガス、CH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。n型μc−SiGeは、SiH4ガス、GeH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。n型μc−Geは、GeH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。この場合、SiH4ガスとCH4ガスとPH3ガスとの合計流量とH2ガスの流量との比[SiH4+CH4+PH3]/[H2]は、約1/10以下に設定される。また、n型μc−SiGe,n型μc−GeをプラズマCVD法によって形成する場合も、ガス流量比は、同様に設定される。
なお、実施例4においては、上述した光電変換素子10Aから光電変換素子10Bへの変更と同じ変更を光電変換素子10Dに適用してもよい。
光電変換素子10Dについてのその他の説明は、光電変換素子10Aについての説明と同じである。
上記においては、n型非晶質膜22のP濃度は、5×1020cm−3〜7×1020cm−3であると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、n型非晶質膜22のP濃度は、5×1020cm−3〜7×1020cm−3よりも低くてもよい。
n型非晶質膜22のP濃度が5×1020cm−3〜7×1020cm−3よりも低くても、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231との界面およびn型非晶質膜22とp型微結晶膜231Aとの界面に再結合準位が存在し、電子および正孔の再結合が促進されるとともに、光電変換部23,23A内の内部電位Vbiの低下が抑制されるからである。n型微結晶膜22Aが採用された場合も、同様である。
[界面特性の改良]
p型半導体膜31/i型半導体膜32界面の改良について、光電変換素子10A,10Bのp型非晶質膜231/i型非晶質膜232界面を例として説明する。
[界面特性の改良]
p型半導体膜31/i型半導体膜32界面の改良について、光電変換素子10A,10Bのp型非晶質膜231/i型非晶質膜232界面を例として説明する。
光電変換素子10A,10Bにおいては、p型非晶質膜231およびi型非晶質膜232は、p型a−SiC/i型a−Siからなるヘテロ接合を形成するので、p型a−SiCとi型a−Siとの間にカーボン(C)量がp型a−SiCからi型a−Siへ向かうに従って徐々に減少するi型a−SiCからなるバッファ層をp型非晶質膜231/i型非晶質膜232界面に挿入してもよい。
このバッファ層の挿入によって、p型非晶質膜231とi型非晶質膜232との界面におけるエネルギーバンドのプロファイルが連続的になる。i型a−Siをp型a−SiCに直接接合させた場合、図3に示すように、p型非晶質膜231とi型非晶質膜232との界面においてエネルギーバンドのプロファイルが不連続になるが、バッファ層をp型非晶質膜231/i型非晶質膜232界面に挿入することによってp型非晶質膜231/i型非晶質膜232界面におけるエネルギーバンドのプロファイルが連続的になる。
その結果、i型非晶質膜232において光励起された正孔がp型非晶質膜231/i型非晶質膜232界面でトラップされ難くなり、p型非晶質膜231へ到達し易くなる。そして、上述したように、n型非晶質膜22とp型非晶質膜231との界面における電子および正孔の再結合が更に促進され、光電流Iphが増加する。従って、バッファ層の効果と、電子および正孔の再結合の促進との相乗効果によって短絡電流密度Jscおよび曲線因子FFが向上し、光電変換素子10A,10Bの変換効率を更に向上できる。
また、p型非晶質膜231/i型非晶質膜232界面に挿入されるバッファ層は、Si−H2結合がSi−H結合よりも多いi型a−Si(Si−H2)からなっていてもよい。
このi型a−Si(Si−H2)は、i型μc−Siを形成するときのSiH4ガスとH2ガスとの流量比、およびi型μc−Siを形成するときのRFパワー密度よりも低いRFパワー密度を用いて、100℃程度の基板温度でプラズマCVD法によって形成される。そして、i型a−Si(Si−H2)は、約1.9eV程度の光学バンドギャップおよび1×1015cm−3〜1×1015cm−3の欠陥密度を有する。従って、i型a−Si(Si−H2)は、p型a−SiCの光学バンドギャップとi型a−Siの光学バンドギャップとの間の光学バンドギャップを有するので(表2参照)、p型a−SiC/i型a−Siとの界面に挿入するバッファ層として適している。
更に、i型a−Si(Si−H2)において、Si−H2結合の含有量がp型a−SiCからi型a−Siへ向かって連続的に減少するようにしてもよい。i型a−Si(Si−H2)の光学バンドギャップは、Si−H2結合の含有量に比例するので、Si−H2結合の含有量をp型a−SiCからi型a−Siへ向かって連続的に減少させることによって、p型非晶質膜231とi型非晶質膜232との界面においてエネルギーバンドのプロファイルが連続的になる。
従って、i型a−Si(Si−H2)をバッファ層として用いた場合も、上述したi型a−SiCをバッファ層として用いた場合と同様の効果が得られる。
p型半導体膜31およびi型半導体膜32がそれぞれp型a−SiC,i型a−Si以外の材料からなり、p型半導体膜31の光学バンドギャップがi型半導体膜32の光学バンドギャップよりも大きいヘテロ接合を形成する場合も、同様にして、p型半導体膜31/i型半導体膜32界面にバッファ層が挿入される。
また、光電変換素子10C,10Dにおいても、上述したバッファ層をp型微結晶膜231A/i型非晶質膜232界面およびp型非晶質膜231/i型非晶質膜232界面に挿入してもよい。この場合も、上述したi型a−SiCをバッファ層として用いた場合と同様の効果が得られる。
このように、光電変換部3は、p型半導体膜31とi型半導体膜32との間にバッファ層を更に備えていてもよいので、光電変換部3は、少なくともp型半導体膜31、i型半導体膜32およびn型半導体膜33を積層したpin構造からなっていればよい。
なお、i型半導体膜32およびn型半導体膜33がヘテロ接合を形成する場合も、上述したバッファ層をi型半導体膜32/n型半導体膜33界面に挿入するようにしてもよい。これによって、電子がi型半導体膜32/n型半導体膜33界面でトラップされ難くなり、n型半導体膜33へ到達し易くなる。その結果、光電変換素子10の変換効率を向上できる。
[p型半導体膜31の改良]
p型半導体膜31は、非晶質相からなる層Aと、微結晶相からなる層Bとからなっていてもよい。
p型半導体膜31は、非晶質相からなる層Aと、微結晶相からなる層Bとからなっていてもよい。
層Aは、例えば、p型a−SiCからなり、層Bは、例えば、p型μc−SiCからなる。そして、層Aは、n型半導体膜2側に配置され、層Bは、i型半導体膜32側に配置される。
このように、p型半導体膜31を2つの層A,Bによって構成することによって、n型半導体膜2/p型半導体膜31からなる接合が整流特性を殆ど示さなくなり、かつ、層B(=p型μc−SiC)/i型半導体膜32/n型半導体膜33からなるpin接合が形成される。その結果、n型半導体膜2と層A(=p型a−SiC)との界面における電子および正孔の再結合が促進されるとともに、光電変換部3内の内部電位が大きくなる。
従って、開放電圧Vocおよび曲線因子FFの向上によって光電変換素子10の変換効率を向上できる。
なお、層A,Bの組み合わせは、p型a−SiC/p型μc−SiCに拘わらず、(p型a−SiC,p型a−Si,p型a−SiGe,p型a−Geのいずれか)/(p型μc−SiC,p型μc−Si,p型μc−SiGe,p型μc−Geのいずれか)であればよい。
また、層Aの膜厚と層Bの膜厚との合計は、p型半導体膜31が単層からなる場合の膜厚と同じであっても、異なっていてもよい。また、層Aの膜厚は、層Bの膜厚と同じであってもよく、層Bの膜厚と異なっていてもよい。
層Aの膜厚と層Bの膜厚との合計がp型半導体膜31の膜厚よりも厚くても、層Bに用いられる微結晶膜の光吸収係数は、層Aに用いられる非晶質膜の光吸収係数よりも小さいので、i型半導体膜32へ入射する太陽光の強度をp型半導体膜31が非晶質膜からなる場合の強度と同じに保持できる。その結果、層Bの膜厚を層Aの膜厚よりも厚く設定すれば、光電変換部3内の内部電位を更に強くしてn型半導体膜2と層A(=p型a−SiC)との界面における電子および正孔の再結合を促進できる。
また、層Aの膜厚と層Bの膜厚との合計がp型半導体膜31の膜厚と同じである場合、層A,Bの透過光量は、p型半導体膜31が非晶質膜からなる場合よりも多くなるので、短絡電流密度Jscを大きくできる。このように、層Aの膜厚と層Bの膜厚との合計がp型半導体膜31の膜厚と同じである場合、電子と正孔との再結合の促進および光電変換部3内の内部電位の低下を抑制したまま、短絡電流密度Jscを大きくできる。
[n型半導体膜33の微結晶化]
n型半導体膜33が微結晶相からなる場合、光電変換部3内の内部電位は、n型半導体膜33が非晶質相からなる場合よりも大きくなり、n型半導体膜33の導電率は、n型半導体膜33が非晶質相からなる場合よりも高くなる。その結果、開放電圧Vocおよび曲線因子FFの向上によって光電変換素子10の変換効率を更に向上できる。
n型半導体膜33が微結晶相からなる場合、光電変換部3内の内部電位は、n型半導体膜33が非晶質相からなる場合よりも大きくなり、n型半導体膜33の導電率は、n型半導体膜33が非晶質相からなる場合よりも高くなる。その結果、開放電圧Vocおよび曲線因子FFの向上によって光電変換素子10の変換効率を更に向上できる。
n型半導体膜33が微結晶相からなる場合、n型半導体膜33は、表1に示すようにn型μc−SiC,n型μc−Si,n型μc−SiGe,n型μc−Geのいずれかからなる。そして、n型μc−SiCは、SiH4ガス、CH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。n型μc−Siは、SiH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。n型μc−SiGeは、SiH4ガス、GeH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。n型μc−Geは、GeH4ガス、PH3ガスおよびH2ガスを材料ガスとして、上述したプラズマCVD法によって形成される。この場合、SiH4ガスとCH4ガスとPH3ガスとの合計流量とH2ガスの流量との比[SiH4+CH4+PH3]/[H2]は、約1/10以下に設定される。また、n型μc−Si,n型μc−SiGe,n型μc−GeをプラズマCVD法によって形成する場合も、ガス流量比は、同様に設定される。
[i型半導体膜32の変形例]
i型半導体膜32がi型a−SiCからなる場合、i型a−SiC中のC量をp型半導体膜31側からn型半導体膜33側へ連続的に減少させてもよい。このように、C量を連続的に変化させたi型a−SiCを「グレーディッドi型a−SiC」と言う。
i型半導体膜32がi型a−SiCからなる場合、i型a−SiC中のC量をp型半導体膜31側からn型半導体膜33側へ連続的に減少させてもよい。このように、C量を連続的に変化させたi型a−SiCを「グレーディッドi型a−SiC」と言う。
グレーディッドi型a−SiCは、SiH4ガスとCH4ガスとH2ガスとを材料ガスとして用い、CH4ガスの流量を連続的に減少させながらプラズマCVD法によって形成される。
グレーディッドi型a−SiCを用いることによって、i型半導体膜32の光学バンドギャップは、p型半導体膜31からn型半導体膜33へ向かって連続的に小さくなる。その結果、i型半導体膜32の膜厚方向に発生する電位差と、p型半導体膜31およびn型半導体膜33によってi型半導体膜32中に発生する電位差とによって、光電変換部3内の内部電位が大きくなる。その結果、グレーディッドi型a−SiCにおいて光励起された電子および正孔は、それぞれ、n型半導体膜33およびp型半導体膜31へ効率良く到達し、n型半導体膜2とp型半導体膜31との界面における再結合が促進される。
また、グレーディッドi型a−SiCにおいて光励起された電子および正孔は、それぞれ、伝導帯および価電子帯内で熱エネルギーに変換される割合が減少する。
従って、開放電圧Vocおよび曲線因子FFの向上と、電子および正孔の効率的な光励起とによって光電変換素子10の変換効率を向上できる。
i型半導体膜32がi型a−SiGeからなる場合も、同様にして、i型a−SiGe中のゲルマニウム(Ge)量をp型半導体膜31からn型半導体膜33へ向かって連続的に減少させてもよい。この場合も、グレーディッドi型a−SiCの場合と同様の効果を得ることができる。
上述した実施例1〜4においては、n型半導体膜2がp型半導体膜31に接する具体例について説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、n型半導体膜2とp型半導体膜31との間に再結合層を挿入してもよい。
この再結合層を光電変換素子10A,10Bに適用する場合、再結合層は、表1に示すn型半導体膜2またはp型半導体膜31用の各種材料からなり、n型半導体膜2またはp型半導体膜31よりも欠陥密度が高い。そして、再結合層の膜厚は、例えば、2nm以上10nm以下である。より具体的には、再結合層は、n型非晶質膜22がn型a−Siからなり、p型非晶質膜231がp型a−Siからなる場合、例えば、n型非晶質膜22用のn型a−SiよりもP濃度が高いn型a−Siまたはp型非晶質膜231用のp型a−SiよりもB濃度が高いp型a−Siからなっていてもよく、n型非晶質膜22用のn型a−Siよりも水素(H)量が少ないn型a−Siまたはp型非晶質膜231用のp型a−Siよりも水素(H)量が少ないp型a−Siからなっていてもよく、n型a−SiC,n型a−SiO,n型a−SiNまたはp型a−SiC,p型a−SiO,p型a−SiNからなっていてもよい。このように、P濃度またはB濃度を高くすることによって欠陥密度が増加し、水素(H)量を少なくすることによって欠陥密度が増加し、n型a−Siまたはp型a−Siに炭素(C)、酸素(O)および窒素(N)等を添加することによって欠陥密度が増加する。その結果、再結合層における電子および正孔の再結合が促進される。従って、光電変換素子10A,10Bの曲線因子FFを向上できる。
また、再結合層は、好ましくは、n型非晶質膜22またはp型非晶質膜231よりも光学バンドギャップが小さい材料からなる。例えば、n型非晶質膜22がn型a−Siからなり、p型非晶質膜231がp型a−Siからなる場合、再結合層は、n型a−SiGe,n型a−Geまたはp型a−SiGe,p型a−Geからなる。その結果、n型非晶質膜22に到達した電子およびp型非晶質膜231に到達した正孔は、再結合層に閉じ込められ、電子および正孔の再結合が促進される。従って、光電変換素子10A,10Bの曲線因子FFを向上できる。
また、この発明の実施の形態においては、光電変換素子10C(図7参照)におけるn型非晶質膜22とp型微結晶膜231Aとの間、および光電変換素子10D(図8参照)におけるn型微結晶膜22Aとp型非晶質膜231との間に、上述した再結合層を挿入してもよい。これによって、光電変換素子10C,10Dの曲線因子FFを向上できる。
そして、再結合層をn型半導体膜2とp型半導体膜31との間に挿入する場合も、光電変換素子10A,10B,10C,10Dは、上述したプラズマCVD法によって製造される。この場合、再結合層の形成条件は、再結合層中のP濃度またはB濃度を増加させるとき、PH3ガスまたはB2H6ガスの流量を増やせばよく、再結合層中のH量を減少させるとき、基板温度を300℃程度に高くすればよい。
このように、この発明の実施の形態においては、n型半導体膜2とp型半導体膜31との間に再結合層を挿入してもよいので、この発明の実施の形態による光電変換素子は、透明導電膜と、少なくともp型半導体膜とi型半導体膜と第1のn型半導体膜とを積層したpin構造からなる光電変換部と、透明導電膜とp型半導体膜との間に配置された第2のn型半導体膜とを備え、p型半導体膜および第2のn型半導体膜の一方は、非晶質相からなり、p型半導体膜および第2のn型半導体膜の他方は、非晶質相または微結晶相からなっていればよい。また、この発明の実施の形態による光電変換素子は、透明導電膜と、透明導電膜に対向して配置されたn/p接合部と、透明導電膜側と反対側においてn/p接合部に対向して配置された第1のn型半導体膜と、n/p接合部と第1のn型半導体膜との間に配置されたi型半導体膜とを備え、n/p接合部は、透明導電膜に対向して配置された第2のn型半導体膜と、第2のn型半導体膜に対向して配置されたp型半導体膜とを含み、p型半導体膜および第2のn型半導体膜の一方は、非晶質相からなり、p型半導体膜および第2のn型半導体膜の他方は、非晶質相または微結晶相からなっていればよい。
次に、光電変換素子10の積層型光電変換素子への応用について説明する。図9は、この発明の実施の形態による積層型光電変換素子の構成を示す断面図である。
図9を参照して、積層型光電変換素子100は、透光性基板20と、透明導電膜21と、n型非晶質膜22と、光電変換部26と、p型非晶質膜27と、i型微結晶膜28と、n型非晶質膜29と、裏面電極40とを備える。
なお、積層型光電変換素子100は、所謂、「タンデムセル」と呼ばれるものである。
透光性基板20、透明導電膜21およびn型非晶質膜22については、上述したとおりである。
光電変換部26は、n型非晶質膜22に接して設けられる。そして、光電変換部26は、p型非晶質膜261と、i型非晶質膜262と、n型非晶質膜263とを含む。
p型非晶質膜261は、例えば、p型a−SiCからなり、膜厚は、例えば、7nmである。そして、p型非晶質膜261は、n型非晶質膜22(=n型a−Si)に接する。
i型非晶質膜262は、例えば、i型a−Siからなり、膜厚は、例えば、300nmである。そして、i型非晶質膜262は、p型非晶質膜261に接する。
n型非晶質膜263は、例えば、n型a−Siからなり、膜厚は、例えば、15nmである。そして、n型非晶質膜263は、i型非晶質膜262に接する。
p型非晶質膜27は、例えば、p型a−SiCからなり、膜厚は、例えば、7nmである。そして、p型非晶質膜27は、光電変換部26のn型非晶質膜263に接する。
i型微結晶膜28は、例えば、i型μc−Siからなり、膜厚は、例えば、1800nmである。そして、i型微結晶膜28は、p型非晶質膜27に接する。
n型非晶質膜29は、例えば、n型a−Siからなり、膜厚は、例えば、15nmである。そして、n型非晶質膜29は、i型微結晶膜28に接する。
裏面電極40は、例えば、Agからなり、膜厚は、例えば、200nmである。そして、裏面電極40は、n型非晶質膜29に接する。
このように、積層型光電変換素子100は、透明導電膜21、n型非晶質膜22、p型非晶質膜261、i型非晶質膜262、n型非晶質膜263、p型非晶質膜27、i型微結晶膜28、n型非晶質膜29および裏面電極40を透光性基板20上に順次積層した構造からなる。
積層型光電変換素子100においては、光電変換部26で発生する光電流Iph1がp型非晶質膜27/i型微結晶膜28/n型非晶質膜29で発生する光電流Iph2に等しくなるように、i型非晶質膜262およびi型微結晶膜28の膜厚が上記のように設定されている。
積層型光電変換素子100の製造方法について説明する。積層型光電変換素子100は、n型非晶質膜22、p型非晶質膜261、i型非晶質膜262、n型非晶質膜263、p型非晶質膜27、i型微結晶膜28およびn型非晶質膜29をプラズマCVD法によって透明導電膜21上に順次積層し、その後、スパッタリング法によって裏面電極40をn型非晶質膜29上に形成することによって製造される。
そして、n型非晶質膜22、p型非晶質膜261、i型非晶質膜262、n型非晶質膜263、p型非晶質膜27、i型微結晶膜28およびn型非晶質膜29をプラズマCVD法によって積層する場合の材料ガスの流量を表7に示す。
また、n型非晶質膜22、p型非晶質膜261、i型非晶質膜262、n型非晶質膜263、p型非晶質膜27、i型微結晶膜28およびn型非晶質膜29の各々を形成するときの基板温度は、200℃であり、反応室の圧力は、13.3〜665Paの範囲であり、RFパワー密度は、16〜80mW/cm2の範囲である。
n型非晶質膜22、p型非晶質膜261、i型非晶質膜262、n型非晶質膜263、p型非晶質膜27、i型微結晶膜28およびn型非晶質膜29は、上述した各材料ガスの流量、基板温度、圧力およびRFパワー密度を用いてプラズマCVD法によって透明導電膜21上に順次積層される。
この場合、上述した反応室CB1〜CB4を用いてn型非晶質膜22、p型非晶質膜261、i型非晶質膜262およびn型非晶質膜263を透明導電膜21上に順次積層し、その後、n型非晶質膜263/i型非晶質膜262/p型非晶質膜261/n型非晶質膜22/透明導電膜21/透光性基板20を反応室CB2へ搬送し、反応室CB2〜CB4を用いてp型非晶質膜27、i型微結晶膜28およびn型非晶質膜29をn型非晶質膜263上に順次積層する。
また、反応室CB1〜CB7を設け、反応室CB1〜CB7を用いて、n型非晶質膜22、p型非晶質膜261、i型非晶質膜262、n型非晶質膜263、p型非晶質膜27、i型微結晶膜28およびn型非晶質膜29を透明導電膜21上に連続的に積層してもよい。
n型非晶質膜22、p型非晶質膜261、i型非晶質膜262、n型非晶質膜263、p型非晶質膜27、i型微結晶膜28およびn型非晶質膜29を透明導電膜21上に積層すると、n型非晶質膜29/i型微結晶膜28/p型非晶質膜27/n型非晶質膜263/i型非晶質膜262/p型非晶質膜261/n型非晶質膜22/透明導電膜21/透光性基板20をスパッタリング装置にセットし、スパッタリング法によって裏面電極40をn型非晶質膜29上に形成する。これによって、積層型光電変換素子100が完成する。
積層型光電変換素子100においては、太陽光は、透光性基板20側から入射される。そして、i型非晶質膜262において光励起された電子および正孔は、それぞれ、n型非晶質膜263およびp型非晶質膜261へ移動する。また、i型微結晶膜28において光励起された電子および正孔は、それぞれ、n型非晶質膜29およびp型非晶質膜27へ移動する。
i型非晶質膜262からn型非晶質膜263へ移動した電子は、n型非晶質膜263/p型非晶質膜27界面において、i型微結晶膜28からp型非晶質膜27へ移動した正孔と再結合する。
また、i型微結晶膜28からn型非晶質膜29へ移動した電子は、裏面電極40、外部のリード線(図示せず)および透明導電膜21を介してn型非晶質膜22へ到達する。
そうすると、電子および正孔は、n型非晶質膜22/p型非晶質膜261界面において再結合する。これによって、光電流Iphが積層型光電変換素子100に流れる。
そして、積層型光電変換素子100は、上述した光電変換素子10と同じ構成からなる透明導電膜21/n型非晶質膜22/p型非晶質膜261/i型非晶質膜262/n型非晶質膜263を備える。従って、上述した機構によって積層型光電変換素子100の開放電圧Vocおよび曲線因子FFが向上し、積層型光電変換素子100の変換効率を向上できる。
なお、この発明の実施の形態による積層型光電変換素子は、積層型光電変換素子100の透光性基板20に代えて、裏面電極40に接して配置された絶縁性基板を備えるものであってもよい。この積層型光電変換素子においても、上述したように、開放電圧Vocおよび曲線因子FFの向上によって、変換効率を向上できる。
また、積層型光電変換素子100を構成するn型非晶質膜22、p型非晶質膜261、i型非晶質膜262、n型非晶質膜263、p型非晶質膜27、i型微結晶膜28およびn型非晶質膜29は、上述した材料に限らず、表1に示す各材料からなっていてもよい。
更に、光電変換部26について、光電変換素子10の実施例において説明した各種の改良および変更を適用してもよい。
更に、積層型光電変換素子100においては、n型非晶質膜29と裏面電極40との間に反射膜を挿入してもよい。これによって、光電流Iphが増加し、積層型光電変換素子100の変換効率を向上できる。
図10は、この発明の実施の形態による他の積層型光電変換素子の構成を示す断面図である。
図10を参照して、積層型光電変換素子200は、透光性基板20と、透明導電膜21と、n型非晶質膜22と、光電変換部41と、p型非晶質膜42と、i型非晶質膜43と、n型非晶質膜44と、p型非晶質膜45と、i型微結晶膜46と、n型非晶質膜47と、裏面電極50とを備える。
なお、積層型光電変換素子200は、所謂、「トリプルセル」と呼ばれるものである。
透光性基板20、透明導電膜21およびn型非晶質膜22については、上述したとおりである。
光電変換部41は、n型非晶質膜22に接して設けられる。そして、光電変換部41は、p型非晶質膜411と、i型非晶質膜412と、n型非晶質膜413とを含む。
p型非晶質膜411は、例えば、p型a−SiCからなり、膜厚は、例えば、7nmである。そして、p型非晶質膜411は、n型非晶質膜22(=n型a−Si)に接する。
i型非晶質膜412は、例えば、i型a−Siからなり、膜厚は、例えば、200nmである。そして、i型非晶質膜412は、p型非晶質膜411に接する。
n型非晶質膜413は、例えば、n型a−Siからなり、膜厚は、例えば、15nmである。そして、n型非晶質膜413は、i型非晶質膜412に接する。
p型非晶質膜42は、例えば、p型a−SiCからなり、膜厚は、例えば、7nmである。そして、p型非晶質膜42は、n型非晶質膜413に接する。
i型非晶質膜43は、例えば、i型a−Siからなり、膜厚は、例えば、200nmである。そして、i型非晶質膜43は、p型非晶質膜42に接する。
n型非晶質膜44は、例えば、n型a−Siからなり、膜厚は、例えば、15nmである。そして、n型非晶質膜44は、i型非晶質膜43に接する。
p型非晶質膜45は、例えば、p型a−SiCからなり、膜厚は、例えば、7nmである。そして、p型非晶質膜45は、n型非晶質膜44に接する。
i型微結晶膜46は、例えば、i型μc−Siからなり、膜厚は、例えば、1500nmである。そして、i型微結晶膜46は、p型非晶質膜45に接する。
n型非晶質膜47は、例えば、n型a−Siからなり、膜厚は、例えば、15nmである。そして、n型非晶質膜47は、i型微結晶膜46に接する。
裏面電極50は、例えば、Agからなり、膜厚は、例えば、200nmである。そして、裏面電極50は、n型非晶質膜47に接する。
このように、積層型光電変換素子200は、透明導電膜21、n型非晶質膜22、p型非晶質膜411、i型非晶質膜412、n型非晶質膜413、p型非晶質膜42、i型非晶質膜43、n型非晶質膜44、p型非晶質膜45、i型微結晶膜46、n型非晶質膜47および裏面電極50を透光性基板20上に順次積層した構造からなる。
積層型光電変換素子200においては、光電変換部41で発生する光電流Iph1、p型非晶質膜42/i型非晶質膜43/n型非晶質膜44で発生する光電流Iph2、およびp型非晶質膜45/i型微結晶膜46/n型非晶質膜47で発生する光電流Iph3が相互に等しくなるように、i型非晶質膜412、i型非晶質膜43およびi型微結晶膜46の膜厚が上記のように設定されている。
積層型光電変換素子200の製造方法について説明する。積層型光電変換素子200は、n型非晶質膜22、p型非晶質膜411、i型非晶質膜412、n型非晶質膜413、p型非晶質膜42、i型非晶質膜43、n型非晶質膜44、p型非晶質膜45、i型微結晶膜46およびn型非晶質膜47をプラズマCVD法によって透明導電膜21上に順次積層し、その後、スパッタリング法によって裏面電極50をn型非晶質膜47上に形成することによって製造される。
そして、n型非晶質膜22、p型非晶質膜411、i型非晶質膜412、n型非晶質膜413、p型非晶質膜42、i型非晶質膜43、n型非晶質膜44、p型非晶質膜45、i型微結晶膜46およびn型非晶質膜47をプラズマCVD法によって積層する場合の材料ガスの流量を表8に示す。
また、n型非晶質膜22、p型非晶質膜411、i型非晶質膜412、n型非晶質膜413、p型非晶質膜42、i型非晶質膜43、n型非晶質膜44、p型非晶質膜45、i型微結晶膜46およびn型非晶質膜47の各々を形成するときの基板温度は、200℃であり、反応室の圧力は、13.3〜665Paの範囲であり、RFパワー密度は、16〜80mW/cm2の範囲である。
n型非晶質膜22、p型非晶質膜411、i型非晶質膜412、n型非晶質膜413、p型非晶質膜42、i型非晶質膜43、n型非晶質膜44、p型非晶質膜45、i型微結晶膜46およびn型非晶質膜47は、上述した各材料ガスの流量、基板温度、圧力およびRFパワー密度を用いてプラズマCVD法によって透明導電膜21上に順次積層される。
この場合、上述した反応室CB1〜CB4を用いてn型非晶質膜22、p型非晶質膜411、i型非晶質膜412、n型非晶質膜413を透明導電膜21上に順次積層し、その後、n型非晶質膜413/i型非晶質膜412/p型非晶質膜411/n型非晶質膜22/透明導電膜21/透光性基板20を反応室CB2へ搬送し、反応室CB2〜CB4を用いてp型非晶質膜42、i型非晶質膜43およびn型非晶質膜44をn型非晶質膜413上に順次積層し、更に、n型非晶質膜44/i型非晶質膜43/p型非晶質膜42/n型非晶質膜413/i型非晶質膜412/p型非晶質膜411/n型非晶質膜22/透明導電膜21/透光性基板20を反応室CB2へ搬送し、反応室CB2〜CB4を用いてp型非晶質膜45、i型微結晶膜46およびn型非晶質膜47をn型非晶質膜44上に順次積層する。
また、反応室CB1〜CB10を設け、反応室CB1〜CB10を用いて、n型非晶質膜22、p型非晶質膜411、i型非晶質膜412、n型非晶質膜413、p型非晶質膜42、i型非晶質膜43、n型非晶質膜44、p型非晶質膜45、i型微結晶膜46およびn型非晶質膜47を透明導電膜21上に連続的に積層してもよい。
n型非晶質膜22、p型非晶質膜411、i型非晶質膜412、n型非晶質膜413、p型非晶質膜42、i型非晶質膜43、n型非晶質膜44、p型非晶質膜45、i型微結晶膜46、およびn型非晶質膜47を積層すると、n型非晶質膜47/i型微結晶膜46/p型非晶質膜45/n型非晶質膜44/i型非晶質膜43/p型非晶質膜42/n型非晶質膜413/i型非晶質膜412/p型非晶質膜411/n型非晶質膜22/透明導電膜21/透光性基板20をスパッタリング装置にセットし、スパッタリング法によって裏面電極50をn型非晶質膜47上に形成する。これによって、積層型光電変換素子200が完成する。
積層型光電変換素子200においては、太陽光は、透光性基板20側から入射される。そして、i型非晶質膜412において光励起された電子および正孔は、それぞれ、n型非晶質膜413およびp型非晶質膜411へ移動する。また、i型非晶質膜43において光励起された電子および正孔は、それぞれ、n型非晶質膜44およびp型非晶質膜42へ移動する。更に、i型微結晶膜46において光励起された電子および正孔は、それぞれ、n型非晶質膜47およびp型非晶質膜45へ移動する。
i型非晶質膜412からn型非晶質膜413へ移動した電子は、n型非晶質膜413/p型非晶質膜42界面において、i型非晶質膜43からp型非晶質膜42へ移動した正孔と再結合する。
また、i型非晶質膜43からn型非晶質膜44へ移動した電子は、n型非晶質膜44/p型非晶質膜45界面において、i型微結晶膜46からp型非晶質膜45へ移動した正孔と再結合する。
更に、i型微結晶膜46からn型非晶質膜47へ移動した電子は、裏面電極50、外部のリード線(図示せず)および透明導電膜21を介してn型非晶質膜22へ到達する。
そうすると、電子および正孔は、n型非晶質膜22/p型非晶質膜411界面において再結合する。これによって、光電流Iphが積層型光電変換素子200に流れる。
そして、積層型光電変換素子200は、上述した光電変換素子10と同じ構成からなる透明導電膜21/n型非晶質膜22/p型非晶質膜411/i型非晶質膜412/n型非晶質膜413を備える。従って、上述した機構によって積層型光電変換素子200の開放電圧Vocおよび曲線因子FFが向上し、積層型光電変換素子200の変換効率を向上できる。
なお、この発明の実施の形態による積層型光電変換素子は、積層型光電変換素子200の透光性基板20に代えて、裏面電極50に接して配置された絶縁性基板を備えるものであってもよい。この積層型光電変換素子においても、上述したように、開放電圧Vocおよび曲線因子FFの向上によって、変換効率を向上できる。
また、積層型光電変換素子200を構成するn型非晶質膜22、p型非晶質膜411、i型非晶質膜412、n型非晶質膜413、p型非晶質膜42、i型非晶質膜43、n型非晶質膜44、p型非晶質膜45、i型微結晶膜46およびn型非晶質膜47は、上述した材料に限らず、表1に示す各材料からなっていてもよい。
更に、光電変換部41と、p型非晶質膜42/i型非晶質膜43/n型非晶質膜44からなるpin構造とについて、光電変換素子10の実施例において説明した各種の改良および変更を適用してもよい。
更に、積層型光電変換素子200においては、n型非晶質膜47と裏面電極50との間に反射膜を挿入してもよい。これによって、光電流Iphが増加し、積層型光電変換素子200の変換効率を向上できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、光電変換素子およびそれを備えた積層型光電変換素子に適用される。
1,21,36 透明導電膜、2 n型半導体膜、3,23,23A,26,41 光電変換部、10,10A,10B,10C,10D,100,200 光電変換素子、27,42,45,231,261,411 p型非晶質膜、22,29,44,47,233,263,413 n型非晶質膜、22A n型微結晶膜、31 p型半導体膜、32 i型半導体膜、33 n型半導体膜、20 透光性基板、24,35 反射膜、25,40,50 裏面電極、28,46 i型微結晶膜、30 絶縁性基板、34 電極、37 集電電極、43,232,262,412 i型非晶質膜、231A p型微結晶膜。
Claims (9)
- 透明導電膜と、
少なくともp型半導体膜とi型半導体膜と第1のn型半導体膜とを積層したpin構造からなる光電変換部と、
前記透明導電膜と前記p型半導体膜との間に配置された第2のn型半導体膜とを備え、
前記p型半導体膜および前記第2のn型半導体膜の一方は、非晶質相からなり、
前記p型半導体膜および前記第2のn型半導体膜の他方は、非晶質相または微結晶相からなる、光電変換素子。 - 透明導電膜と、
前記透明導電膜に対向して配置されたn/p接合部と、
前記透明導電膜側と反対側において前記n/p接合部に対向して配置された第1のn型半導体膜と、
前記n/p接合部と前記第1のn型半導体膜との間に配置されたi型半導体膜とを備え、
前記n/p接合部は、
前記透明導電膜に対向して配置された第2のn型半導体膜と、
前記第2のn型半導体膜に対向して配置されたp型半導体膜とを含み、
前記p型半導体膜および前記第2のn型半導体膜の一方は、非晶質相からなり、
前記p型半導体膜および前記第2のn型半導体膜の他方は、非晶質相または微結晶相からなる、光電変換素子。 - 前記第2のn型半導体膜は、非晶質相からなり、
前記p型半導体膜は、非晶質相または微結晶相からなる、請求項1または請求項2に記載の光電変換素子。 - 前記第2のn型半導体膜は、n型アモルファスシリコンカーバイド、n型アモルファスシリコンオキサイド、n型アモルファスシリコンナイトライド、n型アモルファスシリコン、n型アモルファスシリコンスズ、n型アモルファスシリコンゲルマニウムおよびn型アモルファスゲルマニウムのいずれかからなり、
前記p型半導体膜は、p型アモルファスシリコンカーバイド、p型アモルファスシリコンオキサイド、p型アモルファスシリコンナイトライド、p型アモルファスシリコン、p型アモルファスシリコンスズ、p型アモルファスシリコンゲルマニウム、p型アモルファスゲルマニウム、p型微結晶シリコンカーバイド、p型微結晶シリコン、p型微結晶シリコンゲルマニウムおよびp型微結晶ゲルマニウムのいずれかからなる、請求項3に記載の光電変換素子。 - 前記第2のn型半導体膜は、非晶質相または微結晶相からなり、
前記p型半導体膜は、非晶質相からなる、請求項1または請求項2に記載の光電変換素子。 - 前記第2のn型半導体膜は、n型アモルファスシリコンカーバイド、n型アモルファスシリコンオキサイド、n型アモルファスシリコンナイトライド、n型アモルファスシリコン、n型アモルファスシリコンスズ、n型アモルファスシリコンゲルマニウム、n型アモルファスゲルマニウム、n型微結晶シリコンカーバイド、n型微結晶シリコン、n型微結晶シリコンゲルマニウムおよびn型微結晶ゲルマニウムのいずれかからなり、
前記p型半導体膜は、p型アモルファスシリコンカーバイド、p型アモルファスシリコンオキサイド、p型アモルファスシリコンナイトライド、p型アモルファスシリコン、p型アモルファスシリコンスズ、p型アモルファスシリコンゲルマニウムおよびp型アモルファスゲルマニウムのいずれかからなる、請求項5に記載の光電変換素子。 - 前記透明導電膜の前記第2のn型半導体膜側の表面は、凹凸構造からなる、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記光電変換部を中心として前記n型半導体膜と反対側に前記光電変換部に接して設けられた反射膜を更に備える、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光電変換素子を少なくとも備える積層型光電変換素子。
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