JP2013019020A - パワーモジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】はんだのボイドの発生を抑制し、パワー素子と基材との密着性を高めることができるパワーモジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】固相状態の金属粉末を圧縮された搬送ガスと共に吹き付けることにより、パワー素子15をはんだ付けするための金属皮膜を、基材11の表面に成膜する成膜工程は、搬送ガスが内包されるような吹き付け圧で基材11の表面に金属粉末を吹き付けることにより、基材11の表面に、金属粉末からなる第1の金属皮膜12を成膜する第1成膜工程と、第1成膜工程における前記金属粉末の吹き付け圧よりも低い吹き付け圧で、金属粉末を前記第1の金属皮膜12の表面に吹き付けることにより、第1の金属皮膜の表面に、前記金属粉末からなる第2の金属皮膜13を成膜する第2成膜工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属皮膜が、基材の表面に成膜されたパワーモジュールの製造方法に係り、特に、前記金属皮膜として、パワー素子等の接合部材をはんだを介してはんだ付けするために好適な金属皮膜が形成されたパワーモジュールの製造方法に関する。
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体素子(パワー素子)を搭載したパワーモジュールにおいては、該パワー素子からの発熱を効率よく放熱し、発熱時においても基準温度以下となるような調整が図られている。
ここで、従来のパワーモジュールは、窒化アルミニウム(AlN)板や純アルミニウム板の積層体等からなる絶縁基板(DBA(Direct Brazed Aluminum)ともいう)の一側面にパワー素子がはんだ付けにより固定されて回路ユニットを成している。一方、絶縁基板の他側面にパワー素子からの熱を絶縁基板(基材)を介して放熱するための放熱板(ヒートシンク)、および冷却器がはんだ付け、ろう付け、もしくは接着剤にて接合されてパワーモジュールが形成されている。
そして、基材とこれに接触する部材との熱膨張差に起因する応力を緩和させるために、基材の熱膨張差が低い、もしくは、基材の熱膨張に近い材料からなる固相状態の金属粉末を、固相状態で搬送ガスと共に吹き付けることにより(いわゆるコールドスプレー法により)、金属皮膜を成膜し、これらを接合することがなされている。このようなコールドスプレー法により、基材表面に熱によるダメージを与えることなく、金属皮膜を成膜することができる(例えば特許文献1または2参照)。
特開2008−300455号公報 特開2009−127086号公報
ここで、上述した基材の表面には、パワー素子等の接合部材との密着性を高めるために、絶縁基板の表面に金属皮膜が被覆され、金属皮膜と接合部材とは、はんだ(接合材)を介してはんだ付けされる。この金属皮膜の成膜として、例えば、特許文献1または2に示したコールドスプレー法により、成膜することが考えられる。しかしながら、そもそも、コールドスプレー法は、固相状態の金属粉末を吹き付けることによりなされるため、金属皮膜の密着性を高めるためには、搬送ガスの吹き付け圧を高める必要がある。
しかしながら、このような場合、搬送ガスの吹き付け圧を高めるに従って、金属皮膜の密着性は向上し、金属皮膜は高密度化する(緻密なる)が、金属皮膜の内部に搬送ガスが内包されることになる。これにより、金属皮膜を介して接合部材を基材の表面にはんだ付けを行った際には、金属皮膜の内部に内包された搬送ガスが起因して、はんだ層(はんだ)の内部に多数のボイド(気孔)が発生し、このボイドにより、パワーモジュールの伝熱性が阻害されるおそれがある。
このように、接合部材のはんだ付けを考慮すると、ボイドの発生を抑えるべく、上述した搬送ガスの吹き付け圧を下げることにより、金属皮膜に内包する搬送ガスを低減することが望ましい。しかしながら、この場合、吹き付け圧が低下する分、基材と金属皮膜との密着性も低下する。
そこで、成膜前に予め基材表面にブラスト処理を施して、基材の表面に凹凸形状を作り、凹凸形状によるアンカー効果により、金属皮膜に密着強度を確保することができる。しかしながら、このような場合、ブラスト処理という工程が増えることにより、作業工程は煩雑になり、さらには、ブラスト処理による残材が基材表面とその周辺に残り、これが、金属皮膜の成膜や、その後のはんだ付けを阻害するおそれもある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、接合部材をはんだ付けするための金属皮膜を前処理工程なく成膜することができると共に、はんだ付け時において、金属皮膜に内包された搬送ガスが起因となった、はんだのボイドの発生を抑制し、さらには接合部材と基材との密着強度を高めることができるパワーモジュールの製造方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、パワー素子等の接合部材をはんだ(接合材)によりはんだ付けするための金属皮膜を成膜する際に、
(1)第1段階として、基材表面に前記搬送ガスが内包されるような吹き付け圧で金属粉末を吹き付けることにより、前処理工程なく基材とアンダーコート層となる金属皮膜との密着性を高めることができ、
(2)さらに第2段階として、吹き付け圧を下げて、この金属皮膜(アンダーコート層)の表面に、金属皮膜(トップコート層)を成膜することにより、このときに成膜された金属皮膜(トップコート層)中に含まれる搬送ガスの圧力を、金属皮膜(アンダーコート層)に比べて下げて、これによりはんだ付け時のはんだ内のボイドの発生を抑えることができるとの新たな知見を得た。
本発明は、この新たな知見に基づくものであり、本発明に係るパワーモジュールの製造方法は、固相状態の金属粉末を圧縮された搬送ガスと共に吹き付けることにより、接合部材をはんだ付けするための金属皮膜を、基材の表面に成膜する成膜工程を少なくとも含むパワーモジュールの製造方法であって、前記成膜工程は、前記搬送ガスが内包されるような吹き付け圧で前記基材の表面に前記金属粉末を吹き付けることにより、前記基材の表面に、前記金属粉末からなる第1の金属皮膜を成膜する第1成膜工程と、該第1成膜工程における前記金属粉末の吹き付け圧よりも低い吹き付け圧で、前記金属粉末を前記第1の金属皮膜の表面に吹き付けることにより、前記第1の金属皮膜の表面に、前記金属粉末からなる第2の金属皮膜を成膜する第2成膜工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明によれば、基材の表面に成膜される第1の金属皮膜(アンダーコート層)は、第2の金属皮膜(トップコート層)に比べて吹き付け圧が高い圧力で(前記搬送ガスが内包されるような吹き付け圧で)成膜されるので、第1の金属皮膜は、第2の金属皮膜に比べて、密着性の高い緻密な皮膜となり、基材と第1の金属皮膜との密着性を確保することができる。
さらに、第2の金属皮膜は、第1成膜工程における前記金属粉末の吹き付け圧よりも低い吹き付け圧で、第1の金属皮膜の表面にトップコート層として成膜されるので、第2の金属皮膜に含まれる(内包される)搬送ガスの圧力を、第1の金属皮膜よりも低減することができる。これにより、接合部材をはんだ付けする際に、ボイドの発生を抑制することができる。
すなわち、第2の金属皮膜は、第1の金属皮膜に比べて空孔率の高い多孔質皮膜となり、第2の金属皮膜の内部のガス圧力は、はんだ付けの環境下における圧力(大気圧)と略同じにまですることができるので、上述したボイドの発生を効果的に抑えることができ、これにより、はんだの濡れ性を向上させることができる。
また、上述した金属皮膜の成膜は、金属皮膜の密着性およびボイドの発生を低減することができるのであれば、その後処理工程は特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい態様としては、前記第1および第2の金属皮膜を、還元性ガスを含む雰囲気下で熱処理する熱処理工程をさらに含む。
この態様によれば、熱処理工程を行うことにより、第1の金属皮膜と、第2の金属皮膜との接合強度を高めることができる。また、この熱処理を、還元性ガスを含む雰囲気下で行うことにより、熱処理時における第2の金属皮膜の表面の酸化皮膜(酸化物)が還元され、表面の酸化物を低減することができる。これにより、後工程であるはんだ付け時に、接合部材に対する第2の金属皮膜の濡れ性を高めることができる。
ここで、本発明にいう「還元性ガス」とは、少なくとも第2の金属皮膜に含まれる金属酸化物を還元して、金属酸化物の割合を低減するためのガスのことをいう。ここで還元性ガスを含む雰囲気として、大気に対して、この還元性ガスを混合したガス雰囲気下であってもよい。しかしながら、より好ましくは、不活性ガスに還元性ガスが混合されたガス雰囲気下であることが望ましい。これにより、熱処理時における第2の金属皮膜の酸化が抑制される。例えば、還元性ガスとしては、水素ガスなどを挙げることができ、不活性ガスとしては、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素などを挙げることができ、この他にも、これらを混合したガスであってもよい。
また、本発明に係る第1および第2の成膜工程に好適な搬送ガス(圧縮ガス)として、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの不活性ガス、若しくは、エア(大気)などが挙げることができ、固相状態で金属粉末を付着させこれらを堆積させて金属皮膜を成膜することができるのであれば、特にその搬送ガスの種類は限定されるものではない。しかしながら、はんだ付けの工程におけるはんだの濡れ性を高めるためには、金属皮膜の表面に酸化物が少ないほうが望ましいので、上述した搬送ガスには、上述した不活性ガスを用いることが好ましい。
また、金属粉末の形態としては、第1および第2の金属皮膜を形成することができるのであれば、特に限定されるものではなく、また、前記金属粉末として、ガスアトマイズ粉末または水アトマイズ粉末などのアトマイズ粉末、電気分解を利用して電極に金属を析出させることにより製造された電解粉末、またはこれらの粉末を造粒した造粒粉末などを挙げることができる。
しかしながら、より好ましい態様としては、前記第1成膜工程における前記金属粉末として水アトマイズ粉末を用い、前記第2成膜工程における前記金属粉末として電解粉末を用いる。
本発明によれば、前記第1成膜工程において、水アトマイズ粉末を用いることにより、水アトマイズ粉末は球状に近い形状であるので、密着性の高い緻密な第1の金属皮膜を成膜することができる。
一方、電解粉末は、葡萄の房状の粉末(葡萄状粉末)、樹木の枝状の粉末(樹枝状の粉末(デントライド状の粉末))の形態をしており、他の粉末に比べて凹凸を多く含む表面形状となっている。そのため、前記第2成膜工程において、電解粉末を用いることにより、他の粉末を用いた場合に比べて低い圧力で、第2の金属皮膜をより容易に成膜することができる。また、第2の金属皮膜を容易に多孔質皮膜にすることもでき、第2の金属皮膜に含まれる搬送ガスを逃がし易い。
また、金属粉末としては、成膜された金属皮膜が、接合部材と基材との密着性および熱伝導性を確保することができるような材料であれば、特にその材料は限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、鉄及びこれらの合金のうち選択される少なくとも1つの材料を含む粉末を挙げることができる。
しかしながら、より好ましい金属粉末は、銅または銅合金からなる粉末である。本発明によれば、金属粉末に、銅又は銅合金からなる粉末を用いることにより、基材に対する付着性を高め、皮膜の熱伝導性及び電気伝導性を向上させることができる。また、基材としては、アルミニウム、銅、銀、またはこれらの合金、窒化アルミニウムなどのアルミ二ウムを主材としたセラミックスを挙げることができ、好ましい態様としては、基材として、アルミニウム、アルミニウム合金、またはアルミ二ウムを主材としたセラミックスを用いることができる。
そして、このような好ましい態様の材料を選定した場合には、前記熱処理工程において、前記基材と前記第1の金属皮膜との間に、Al−Cu合金相が生成されるが、このAl−Cu合金相の厚さが20μm以下になるように、300℃〜550℃の加熱条件で、前記第1および第2の金属皮膜を加熱することがより好ましい。この態様によれば、Al−Cu合金相が20μm以下の厚さになるように、熱処理工程を行うので、基材に対する金属皮膜の密着強度を確保することができる。
すなわち、Al−Cu合金相が20μmを超えた場合には、熱処理後に基材に対する金属皮膜の密着強度が低下する。また、この熱処理において300℃未満の加熱条件の場合、第2の金属皮膜の還元処理を充分にするためには、熱処理時間を多大に要し、550℃を超えた場合には、密着強度の低下の起因となるAl−Cu合金相が形成されやすくなる。
本発明によれば、パワー素子等の接合部材をはんだ付けするための金属皮膜を前処理工程なく成膜することができると共に、はんだ付け時において、金属皮膜に内包された搬送ガスが起因となる、はんだ(層)のボイドの発生を抑制し、さらには接合部材と基材との密着強度を高めることができる。
本発明の実施形態に係るパワーモジュールの製造方法を説明するための模式図であり、(a)は、マスキング工程を説明するための図、(b)は、第1成膜工程を説明するための図、(c)第2成膜工程を説明するための図、(d)は、熱処理工程を説明するための図、(e)は、はんだ付け工程を説明するための図。 図1(b)および(c)に用いる成膜装置の模式的概念図。 実施例1に係る試験体の密着強度の測定方法を説明するための模式的概念図。 実施例1,2および比較例1,2に係る試験体の密着強度と、破断位置の結果を示した図。 実施例1および比較例2にかかるパワーモジュールのはんだ付け後のはんだのX線透過画像の写真図であり、(a)は、実施例1のはんだ付け後のはんだのX線透過画像であり、(b)は、比較例2のはんだ付け後のはんだのX線透過画像。 実施例3および比較例3に係る基材(Al基材)と第一の金属皮膜(Cu層)との界面近傍を顕微鏡により観察した写真図であり、(a)は、実施例3に係る界面近傍を顕微鏡により観察した写真図であり、(b)は、比較例3に係る界面近傍を顕微鏡により観察した写真図。 実施例3および比較例3に係る基材(Al基材)と第一の金属皮膜(Cu層)との界面近傍を顕微鏡により観察した結果を示した表図。 実施例1および比較例3に係る試験体の密着強度と、破断位置の結果を示した図。
以下に本発明のパワーモジュールの製造方法を実施形態により説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るパワーモジュールの製造方法を説明するための模式図であり、(a)は、マスキング工程を説明するための図、(b)は、第1成膜工程を説明するための図、(c)第2成膜工程を説明するための図、(d)は、熱処理工程を説明するための図、(e)は、はんだ付け工程を説明するための図である。図2は、図1(b)および(c)に用いる成膜装置の模式的概念図である。
〔1.マスキング工程〕
図1(a)に示すように、本実施形態に係るパワーモジュールを構成するパワー素子(接合部材)をはんだ付けする基板として、純アルミニウム、または窒化アルミニウムなどの基材11を準備する。
次に、基材11の表面11aのうち、金属皮膜を被覆する表面11b以外の表面を、マスキング材31は、マスキングする。マスキング材は、後述するコールドスプレー法により、マスキング材31が剥離しないものであればよく、例えば金属材料、または樹脂材料などを挙げることができる。
〔2.成膜工程〕
次に、金属皮膜の成膜工程を行う。金属皮膜の成膜工程は、第1および第2の成膜工程からなる。具体的には、図2に示す成膜装置20を用いて成膜する。成膜装置20は、圧縮ガス供給手段21と、金属粉末供給手段22と、スプレーガン23と、スプレーガン移動手段24と、を少なくとも備えている。
圧縮ガス供給手段21は、圧縮ガスを後述するスプレーガン23に供給するため手段であって、圧縮ガスの圧力を調整する圧力調整弁21aを介してスプレーガン23に接続されている。また、圧縮ガス供給手段21は、エア、不活性ガス等が充填されたボンベ、大気を圧縮するコンプレッサなどを挙げることができ、0.3〜5MPaの圧力条件の圧縮ガス(搬送ガス)としてスプレーガン23に供給できるものが好ましい。これは、搬送ガスの圧力が、0.3MPa未満であれば、皮膜が形成され難く、搬送ガスの圧力が、5MPaよりも大きい場合、耐圧性を有した成膜設備を要するばかりでなく、後述する成膜される第1の金属皮膜12の密着性をこれ以上確保することが期待できない。
また、圧縮ガス供給手段21の下流には、搬送ガスを加熱するための加熱手段21bがさらに配設されている。加熱手段21bにより搬送ガスを加熱し、所望の温度条件で後述する金属粉末pを基材11に吹き付けることができる。なお、加熱手段21bは、金属粉末pを圧縮ガスにより間接的に加熱するためのものであり、圧縮ガス供給手段21の内部に配置されていてもよく、後述するヒータ23aにより金属粉末を所望の温度に加熱することができるのであれば、特に必要なものではない。
金属粉末供給手段22は、基材11に吹き付ける金属粉末がホッパー22aに収容されており、該金属粉末pを所定の供給量でスプレーガン23に供給可能なように、スプレーガン23に接続されている。金属粉末供給手段22に収容する金属粉末pとして、第1の成膜工程では、平均粒径が、好ましくは25μm以下の平均粒径の水アトマイズ粉末を用い、第2の成膜工程では、平均粒径が、好ましくは25μm以下の平均粒径の電解粉末を用いる。
ここで、電解粉末とは、電気分解を利用して電極に金属を析出させることにより製造された粉末であり、その形状は、水アトマイズ粉末が球状であるのに対して、これよりも(さらにはガスアトマイズ粉末よりも)凹凸を多く含む例えばデンドライト形状に近い表面形状となっている。
さらに、スプレーガン23は、スプレーガン移動手段24に接続されおり、スプレーガン移動手段24を駆動させることにより、スプレーガン23を、所定のルートに移動させることができる。さらに、スプレーガン23の内部には、供給された金属粉末pを加熱するためのヒータ23aが設けられている。このような成膜装置20を用いて、以下に示す第1および第2の成膜工程を行う。
〔2−1.第1成膜工程〕
具体的には、図1(b)に示すように、まず、第1成膜工程を行う。第1成膜工程では、搬送ガスが内包されるような吹き付け圧で、基材11の表面11bに金属粉末(たとえば銅または銅合金粉末)を搬送ガスと共に吹き付けことにより、基材11の表面11bに、金属粉末からなる第1の金属皮膜(アンダーコート層)12を成膜する。
第1成膜工程における搬送ガスは、窒素ガスであることが好ましい。これにより、搬送ガスに大気を用いた場合に比べて、第1の金属皮膜(銅皮膜)の酸化を抑制することができる。
また、吹き付け圧は、圧縮ガス供給手段21から供給される例えば搬送ガスを、圧力調整弁21aで搬送ガスの圧力を調整することにより行い、搬送ガスの温度は、加熱手段21bおよびヒータ23aを調整することにより行う。ここでは、搬送ガスのガス温度は、200℃〜500℃が好ましく、基材11への吹き付け圧(圧力調整弁21aにおける圧力)は、2〜5MPaが好ましい。
ここで、搬送ガスの温度が200℃未満である、または吹き付け圧が2MPa未満である場合、基材11に対する第1の金属皮膜12の密着性(金属粉末の付着性)が低下するおそれがあり、搬送ガスの温度が500℃を超えると、金属粉末が酸化されるおそれがある。また、吹き付け圧が5MPaを超えたとしても、それ以上、第1の金属皮膜12の密着性を高めることが期待できない。
また、上述したように、第1の成膜工程では、金属粉末に水アトマイズ粉末を用いる。これにより、水アトマイズ粉末は、ガスアトマイズ粉末、電解粉末とは異なり、球状に近い形状であるので、密着性の高い緻密な第1の金属皮膜12を成膜することができる。
ここで、本実施形態では、第1の金属皮膜の膜厚は、5〜500μmの範囲にあることが好ましい。第1の金属皮膜の膜厚が5μm未満の場合、第1の金属皮膜がはんだ付けの下地層として充分に機能しないおそれがあり、第1の金属皮膜の膜厚が500μmを超えたとして、それ以上の効果を期待することができない。
本実施形態の場合には、金属粉末に銅粉末を用いたので、第1の金属皮膜12の密度は、8.0kg/m以上にあり、好ましくは、8.56〜8.73kg/mの範囲にある。なお、銅そのもの(銅バルク材の)密度は、8.92kg/mである。なお、本明細書において示す密度は、JIS Z8807 「固体比重測定方法」の「4.液中でひょう量する測定方法」に準拠した値である。
このように、第1の金属皮膜12は、高エネルギーで金属粉末(銅粉末)を基材11に吹き付けるので、銅バルク材の密度に近くなり、第1の金属皮膜12には、搬送ガスが内包されることになる。したがって、第1の金属皮膜12の表面に接合材(はんだ)を介してパワー素子等の接合部材をはんだ付けする際には、内包された搬送ガスが放出され、はんだにボイド(気孔)が生成されてしまう。そこで、本実施形態では、以下に示す第2成膜工程を行うことにより、このボイドの生成を抑制する。
〔2−2.第2成膜工程〕
第2成膜工程は、図1(c)に示すように、第2の金属皮膜13を成膜する工程である。具体的には、第2成膜工程では、第1成膜工程における前記金属粉末の吹き付け圧よりも低い吹き付け圧で、金属粉末を前記第1の金属皮膜12の表面に吹き付けることにより、第1の金属皮膜12の表面に、金属粉末からなる第2の金属皮膜(トップコート層)13を成膜する。
第2成膜工程における搬送ガスは、窒素ガスであることが好ましい。これにより、搬送ガスに大気を用いた場合に比べて、第2の金属皮膜(銅皮膜)13の酸化を抑制され、はんだの濡れ性を向上させることができる。
吹き付け圧は、圧縮ガス供給手段21から供給される例えば搬送ガスを、圧力調整弁21aで圧縮ガスの圧力を調整することにより行い、搬送ガスの温度は、加熱手段21bおよびヒータ23aを調整することにより行う。ここでは、搬送ガスのガス温度は、400℃〜600℃程度が好ましく、基材11への吹き付け圧(圧力調整弁21aにおける圧力)は、0.3〜1MPaが好ましい。
ここで、搬送ガスの温度が400℃未満である、または吹き付け圧が0.3MPa未満である場合、第1の金属皮膜12に対する第2の金属皮膜13の密着性(金属粉末の付着性)が低下するおそれがあり、搬送ガスの温度が600℃を超えた場合、金属粉末が酸化促進されるおそれがある。また搬送ガスの、吹き付け圧が1MPaを超えた場合には、金属粉末の内部に、はんだに生成されるボイドの起因となる搬送ガスが内包されてしまう。
また、上述したように、第2の成膜工程では、金属粉末に電解粉末を用いる。これにより、アトマイズ粉末とは異なり、球状から遠い形状(デンドライトに近い形状)であるので、空孔率の高い緻密な第2の金属皮膜13を成膜することができる。
ここで、本実施形態では、第2の金属皮膜の膜厚は、10〜500μmの範囲にあることが好ましい。第2の金属皮膜の膜厚が10μm未満の場合、第1の金属皮膜がはんだ付けの下地層として充分に機能しないおそれがあり、第2の金属皮膜の膜厚が500μmを超えたとして、それ以上の効果を期待することができない。
本実施形態の場合には、金属粉末に銅粉末を用いたので、第2の金属皮膜13の密度は、6.0kg/m〜8.0kg/m未満の範囲あり、好ましくは、7.0〜7.8kg/mの範囲にある。
このように、第2の金属皮膜13は、第1成膜工程における前記金属粉末の吹き付け圧よりも低い吹き付け圧で、第1の金属皮膜12の表面にトップコート層として成膜されるので、第2の金属皮膜13に含まれる(内包される)搬送ガスの圧力を、第1の金属皮膜12よりも低減することができる。これにより、パワー素子をはんだ付けする際に、ボイドの発生を抑制することができる。とくに、第2の金属皮膜は、上述した密度の範囲では空孔率の高い多孔質となるため、後述するはんだ付け工程において、はんだの濡れ性を向上させることができる。
〔3.熱処理工程〕
次に、マスキング材31を基材11から除去し、図1(d)に示すように、第1および第2の金属皮膜12,13が成膜された基材11を加熱炉32内に投入する。そして、加熱炉32内を、具体的には大気に対して、水素ガス濃度を3〜50体積%となる非酸化性ガスを含む雰囲気にして、この酸化性ガス雰囲気下で、熱源33を用いて、第1および第2の金属皮膜12,13を熱処理する。
本実施形態では、熱処理工程において、基材11と前記第1の金属皮膜12との間に、Al−Cu合金相の厚さが20μm以下になるように、300℃〜550℃の加熱条件で、第1および第2の金属皮膜12,13を加熱する。
このように、熱処理工程を行うことにより、第1の金属皮膜12と、第2の金属皮膜13に含まれる原子が相互に拡散し、これらの接合強度を高めることができる。また、この熱処理を、還元性ガスを含む雰囲気下で行うことにより、熱処理時における第2の金属皮膜13の表面の酸化皮膜(金属酸化物)が還元され、表面の金属酸化物を低減することができる。これにより、後工程であるはんだ付け時に、パワー素子に対する第2の金属皮膜13の濡れ性を高めることができる。
ここで、水素ガスの濃度が、3体積%未満である場合には、第2の金属皮膜13の表面の還元処理が進まず(酸化物が低減されず)、はんだの濡れ性が低下するおそれがある。また、Al−Cu合金相が20μm以下の厚さになるように、熱処理工程を行うので、基材からの金属皮膜の剥離を抑えることができる。
すなわち、Al−Cu合金相が20μmを超えた場合には、Al−Cu合金化の熱収縮によって、Al−Cu合金相と、銅層との間に隙間が生じ、密着強度が低下するおそれがある。また、この熱処理において300℃未満の加熱条件の場合には、第2の金属皮膜13の還元処理を充分にするためには、熱処理時間を多大に要し、550℃を超えた場合には、密着強度の低下の起因となるAl−Cu合金相が生成されやすくなる。
なお、上述した熱処理工程における熱処理時間は、1〜60分間行うことが好ましい。処理時間が1分未満であると、第2の金属皮膜の還元処理が充分にされない場合もあり、60分を超えたときには、密着強度の低下の起因となるAl−Cu合金相が生成されやすくなる。
〔4.はんだ付け工程〕
熱処理後の基材11の第2の金属皮膜13に、例えばSn−Cuなどのはんだ(接合材)14を介して、パワー素子15を配置し、はんだ材を融点以上(たとえば300℃以上)に加熱することにより、基材11にパワー素子15をはんだ付けする。
このようにして、パワー素子をはんだ付けするための金属皮膜を前処理工程なく成膜することができると共に、さらには、はんだ付け時において、金属皮膜に内包された搬送ガスが起因となった、はんだ(層)のボイドの発生を抑制し、これにより熱伝導性が阻害されることを抑制することができる。さらに、第1成膜工程および熱処理工程により、基材11と第1の金属皮膜12との接合性を高めることができ、第1の金属皮膜12と第2の金属皮膜13との接合性も高めることができるので、結果としてパワー素子15と基材11との密着性を高めることができる。
そして、この基材11に対して、例えば、銅−モリブデン(Cu−Mo)またはアルミニウム−炭化珪素(Al−SiC)などの緩衝部材などを介して、ヒートシンク部材を取り付けることにより、パワーモジュールが製造される。
本実施形態を以下の実施例により説明する。
(実施例1)
コールドスプレー法により基材に銅皮膜が形成されたパワーモジュールを製作した。具体的には、大きさ34mm×29mm×厚さ2mmのDBA基材を準備した。次に、この表面の一部をマスキング材によりマスキングし、第1の成膜工程として、銅からなる平均粒径20μmの水アトマイズ粉末を窒素ガス(搬送ガス)とともに、吹き付け圧力を4MPa(窒素ガスの圧縮された圧力4MPa)、窒素ガスの温度を400℃にして、膜厚が100μmになるまで、基材の表面に第1の金属皮膜(銅皮膜)を成膜した。
次に、この表面の一部をマスキング材によりマスキングし、第2の成膜工程として、銅からなる平均粒径20μmの電解粉末を窒素ガス(搬送ガス)とともに、吹き付け圧力を1MPa、搬送ガスの温度を400℃にして、膜厚が100μmになるまで、第1の金属皮膜の表面に第2の金属皮膜(銅皮膜)を成膜した。
そして、基材からマスキング部材を取り外し、加熱炉内において、大気に対して還元性ガスとして水素ガスを5体積%混合したガス雰囲気下で、第1および第2の金属皮膜を、400℃、10分で加熱することにより、熱処理工程を行った。なお、この熱処理工程の条件は、基材と第1の金属皮膜との間に、熱処理によって生成されるAl−Cu合金相の厚さが20μm以下になるような条件である。
さらに、熱処理後の基材11の第2の金属皮膜に、Sn−Cuからなる接合材(はんだ)を介して、パワー素子を配置し、接合材を300℃、10分間に加熱することにより、基材にパワー素子をはんだ付けし、これをパワーモジュールとした。また、以下の密着強度を測定するために、図3に示すような試験片を作製した。具体的には、同じ条件で、基材11の表面に第1及び第2の金属皮膜12,13を順次成膜し、パワー素子に相当する部材の代わりに、Niメッキを施したアルミ二ウム合金の長尺のピン16を接合材14によりはんだ付けして、試験体とした。
(実施例2)
実施例1と同じようにして、試験体を作製した。実施例1と相違する点は、熱処理工程を行っていない点である。
(比較例1)
実施例1と同じようにして、パワーモジュールと試験体を作製した。実施例1と相違する点は、第1成膜工程を行わず、第2の成膜工程を行った点であり、すなわち、第1の金属皮膜を成膜せず、金属皮膜は、第2の金属皮膜(トップコート層)のみである。具体的には、試験体の場合を例に挙げると、図4に示すように、基材11の表面に第2の金属皮膜13を成膜し、第2の金属皮膜13の表面に、長尺のピン16を接合材14によりはんだ付けした。
(比較例2)
実施例1と同じようにして、パワーモジュールと試験体を作製した。実施例1と相違する点は、第1成膜工程を行い、第2の成膜工程を行わない点であり、すなわち、第2の金属皮膜を成膜せず、金属皮膜は、第1の金属皮膜(アンダーコート層)のみである。具体的には、試験体の場合を例に挙げると、図4に示すように、試験体は、基材11の表面に第1の金属皮膜12を成膜し、第1の金属皮膜12の表面に、長尺のピン16を接合材14によりはんだ付けした。
〔密着強度試験〕
実施例1、2及び比較例1〜3の試験体に対して、図3に示す方向に荷重を作用させて、試験体が破断したときの荷重を測定し、この荷重とその破断位置の断面積から密着強度を測定した。密着強度と破断位置の結果を図4に示す。ここで、例えば、図4に示す、比較例1の「11−13」の記載は、基材11と第2の金属皮膜13との界面に破断位置があったことを意味し、比較例2の「14」の記載は、接合材14に破断位置があったことを意味する。
〔はんだ付け性の確認試験〕
実施例1及び比較例1および2のパワーモジュール(はんだ付け後)のはんだ(接合材)の状態を、X線により観察した。この結果を、図5に示す。図5(a)は、実施例1のはんだ付け後のはんだのX線透過画像であり、図5(b)は、比較例2のはんだ付け後のはんだのX線透過画像である。
〔結果1〕
図4に示すように、実施例1、2、および比較例2の試験体の密着強度は、20MPaを超えていた。しかしながら、比較例1の試験体は、密着強度が低く、測定できなかった。また、実施例1の試験体の破断位置は、接合材14にあった。実施例2の試験体の破断位置は、第1の金属皮膜12と第2の金属皮膜13との界面にあった。比較例1の試験体の破断位置は、基材11と第1の金属皮膜12との界面にあった。比較例2の試験体の破断位置は、接合材14にあった。
また、図5(b)に示すように、比較例2の場合には、はんだにボイドが生成されていた。図5(a)に示すように、実施例1の場合には、はんだにボイドは生成されておらず、比較例1の場合も同様であった。
〔考察1〕
実施例1、2及び比較例2の試験体の密着強度が比較例1のものに比べて高かったのは、第1の金属皮膜の密着性が高かったからであると考えられる。また、実施例1の如く、熱処理を行った場合、実施例2に比べてさらに密着強度が向上するのは、熱処理により第1及び第2の金属皮膜の密着強度(接合強度)が向上したからであるといえる。
また、比較例2のパワーモジュールは、実施例1のものに比べて密着強度は高いが、比較例2の接合材であるはんだにボイドが形成されているのは、第1の金属皮膜に内包された搬送ガスがはんだ付け時に放出されたことが起因すると考えられる。したがって、比較例2の試験体は、はんだの濡れ性が良いものであるとはいえない。このような結果、実施例1および2のパワーモジュールは、ボイドが生成された比較例2のパワーモジュールに比べて、熱伝導性が良いといえる。
(実施例3)
実施例1と同じようにして、試験体を作製した。実施例1と相違する試験体は、図7の表の○印に示す加熱温度(熱処理温度)および熱処理時間の加熱条件で、第1および第2の金属皮膜を加熱することにより、熱処理工程を行った点である。そして、基材(Al基材)と第一の金属皮膜(Cu層)との界面近傍を顕微鏡により観察した。この結果を図6(a)、図7の○に示す。なお、図6(a)は、熱処理温度360℃、熱処理時間60分の熱処理条件の結果である。
(比較例3)
実施例1と同じようにして、試験体を作製した。実施例1と相違する試験体は、図7の表の×印に示す加熱温度(熱処理温度)および熱処理時間の加熱条件で、第1および第2の金属皮膜を加熱することにより、熱処理工程を行った点である。そして、基材(Al基材)と第一の金属皮膜(Cu層)との界面を顕微鏡により観察した。この結果を図6(b)、図7の×に示す。なお、図6(b)は、加熱温度550℃、熱処理時間60分の熱処理条件の結果である。さらに、この図6(b)に示した熱処理条件で、上述した図3に示す試験体を作製し、実施例1と同様の密着強度試験を行った。この結果を図8に示す。なお、図8には、上述した実施例1の試験結果も合わせて示した。
〔結果2および考察〕
図6(a)、図6(b)及び図7に示すように、実施例3の場合には、基材と第1の金属皮膜との間に生成されたAl−Cu合金相の厚さは20μm以下となっていたが、比較例3の場合には、基材と第1の金属皮膜との間に生成されたAl−Cu合金相の厚さは20μmを超えていた。Al−Cu合金相と、銅層との間に隙間が生じていた。20μmの厚さを超えてAl−Cu合金相が成長すると、Al−Cu合金化による熱収縮により、Al−Cu合金相と銅層との間に隙間が生じたものと考えられる。なお、上述した実施例1の熱処理条件の場合には、基材と第1の金属皮膜との間に生成されたAl−Cu合金相の厚さは20μm以下となっていると考えられる。なお、加熱条件が、300℃であっても、1時間を越えて熱処理を行なえば、上述したのと同様に好適な熱処理を行なうことができると考えられる。
さらに、図8に示すように、実施例1に比べて、比較例3の試験体の密着強度は、低くなっており、破断位置は、基材11と第1の金属皮膜12との界面(より正確には、Al−Cu合金相と銅層との間)にあった。以上の結果から、比較例3の如く、Al−Cu合金相が20μmを超えた場合には、Al−Cu合金化が起因して、熱処理後に基材に対する金属皮膜の密着強度が低下すると考えられる。
以上、本発明の実施形態及び実施例について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
11:基材、12:第1の金属皮膜、13:第2の金属皮膜、14:接合材(はんだ)、15:パワーモジュール、16:ピン、20:成膜装置、21:圧縮ガス供給手段、21a:圧力調整弁、21b:加熱手段、22:金属粉末供給手段、22a:ホッパー、23:スプレーガン、23a:ヒータ、24:移動手段、31:マスキング材、32:加熱炉、33:熱源

Claims (5)

  1. 固相状態の金属粉末を圧縮された搬送ガスと共に吹き付けることにより、接合部材をはんだ付けするための金属皮膜を、基材の表面に成膜する成膜工程を少なくとも含むパワーモジュールの製造方法であって、
    前記成膜工程は、前記搬送ガスが内包されるような吹き付け圧で前記基材の表面に前記金属粉末を吹き付けることにより、前記基材の表面に、前記金属粉末からなる第1の金属皮膜を成膜する第1成膜工程と、
    該第1成膜工程における前記金属粉末の吹き付け圧よりも低い吹き付け圧で、前記金属粉末を前記第1の金属皮膜の表面に吹き付けることにより、前記第1の金属皮膜の表面に、前記金属粉末からなる第2の金属皮膜を成膜する第2成膜工程と、を少なくとも含むことを特徴とするパワーモジュールの製造方法。
  2. 前記第1および第2の金属皮膜を、還元性ガスを含む雰囲気下で熱処理する熱処理工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュールの製造方法。
  3. 前記第1成膜工程における前記金属粉末として水アトマイズ粉末を用い、前記第2成膜工程における前記金属粉末として電解粉末を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のパワーモジュールの製造方法。
  4. 前記金属粉末に、銅または銅合金を用い、前記基材に、アルミニウム、アルミニウム合金、またはアルミニウムを主材としたセラミックス用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパワーモジュールの製造方法。
  5. 前記熱処理工程において、前記基材と前記第1の金属皮膜との間に、Al−Cu合金相の厚さが20μm以下になるように、300℃〜550℃の加熱条件で、前記第1および第2の金属皮膜を、加熱することを特徴とする請求項4に記載のパワーモジュールの製造方法。
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