JP2001332668A - Al−SiC複合体 - Google Patents

Al−SiC複合体

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JP2001332668A JP2000149141A JP2000149141A JP2001332668A JP 2001332668 A JP2001332668 A JP 2001332668A JP 2000149141 A JP2000149141 A JP 2000149141A JP 2000149141 A JP2000149141 A JP 2000149141A JP 2001332668 A JP2001332668 A JP 2001332668A
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Satoshi Fukui
福井  聡
Kentaro Yoshihara
賢太郎 吉原
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昌彦 大島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低熱膨張、高熱伝導性を有するとともに、は
んだ付けに対する信頼性を向上させたAl−SiC複合
体を提供する。 【解決手段】 炭化ケイ素質多孔体にアルミニウムを主
成分とする金属を含浸したAl−SiC複合体であり、
該複合体は炭化ケイ素を40体積%以上含有し、室温2
5℃から300℃に加熱したとき、該複合体からの水分
の発生量が0.01cc/cm3以下であることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化ケイ素を主と
してなる多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含
浸して形成したAl−SiC複合体に関する。本発明の
Al−SiC複合体は、低熱膨張、高熱伝導性を有し、
放熱基板、ヒートシンク、パッケージなど半導体装置に
用いられる放熱部品に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、産業機器の分野では、半導体スイ
ッチングデバイスを用いて大きな電力を最適な電力に効
率よく交換制御する大電力モジュール装置の開発が進ん
でいる。例えば、電動車輌用インバータとして高電圧、
大電流動作が可能なIGBTモジュールがある。このよ
うな大電力モジュール化に伴い、半導体チップから発生
する熱も増大している。半導体チップは熱に弱く、発熱
が大きくなれば半導体回路の誤動作や破壊を招くことに
なる。そこで、半導体チップなど電子部品を搭載するた
めの回路基板の裏面にヒートシンクなどの放熱部品を設
けて、放熱部品を介して半導体チップから発生した熱を
外部に発散させ、半導体回路の動作を安定にすることが
行われている。電子部品を搭載するための回路基板とし
ては、窒化ケイ素(Si34)、窒化アルミニウム(A
lN)、酸化アルミニウム(Al23)などのセラミッ
クス基板が主に用いられている。
【0003】従来の放熱部品用材料として、銅(C
u)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などが
ある。MoやWからなる放熱部品は高価であり、また金
属の比重が大きいため放熱部品の重量が重くなり、放熱
部品の軽量化が望まれる用途には好ましくない。
【0004】Cuからなる放熱部品は、放熱部品と接合
されるセラミックス基板との熱膨張係数の差が大きいの
で、放熱部品とセラミックス基板との加熱接合時や、使
用中の熱サイクルにより、はんだ層の破壊、熱流路の遮
断、セラミックス基板の割れを生じやすい。つまり、放
熱部品とセラミックス基板とは、はんだによりろう付け
されており、ろう材の融点以上に加熱した後、室温まで
冷却される。その際、ろう材の凝固点で互いに固定さ
れ、その後は固定されたまま放熱部品とセラミックス基
板がそれぞれ固有の熱膨張係数に従って収縮し、互いの
接合部に熱応力および熱歪みが残留するとともに反りな
どの変形を生じる。そして、モジュール装置の使用時に
熱ストレスが繰り返し与えられ、残留熱応力および熱歪
みに重畳されると、はんだ層の疲労破壊による熱流路の
遮断と、機械的に脆い性質を持つセラミックス基板の割
れを生じる。
【0005】Cu等の従来材に替わる放熱部品用材料と
して、アルミニウムまたはアルミニウム合金(以下、A
lと称す場合あり)中に炭化ケイ素を分散させた低熱膨
張・高熱伝導特性を有するAl−SiC複合体が注目さ
れている(特公平7−26174号、特開昭64−83
634号等参照)。Al−SiC複合体は、粉末冶金
法、高圧鋳造法、真空鋳造法、溶融金属含浸法などによ
り製造される。Al−SiC複合体の熱膨張係数をセラ
ミックス基板の熱膨張係数に近づけようとすると、熱膨
張係数の低い炭化ケイ素の含有比率を上げることが必要
である。しかしながら、粉末冶金法、高圧鋳造法、真空
鋳造法では、その製造法の特質上、炭化ケイ素の含有量
を40体積%以上にすることが困難である。また、ネッ
トシェイプ成形することが難しい、大型の加圧装置を必
要とするため製造コストが高くなるという欠点がある。
【0006】溶融金属含浸法は、炭化ケイ素粉末あるい
は炭化ケイ素繊維で形成された多孔体(プリフォーム)
を用い、これを型内の空間に配置し、Alインゴットを
接触させて、窒素雰囲気中で加圧もしくは非加圧で加熱
溶融したAlを型内の空間に流し込むことによって、炭
化ケイ素質多孔体に含浸させ、冷却して作製するもので
ある。この製造方法によれば、炭化ケイ素の含有量を2
0〜90体積%の範囲で選択できる。また、炭化ケイ素
質多孔体形状の自由度が高く、複雑な形状の製品をネッ
トシェイプ成形できる利点を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】溶融金属含浸法は、炭
化ケイ素の含有量を40体積%以上にできるので、Al
−SiC複合体の熱膨張係数をセラミックス基板の熱膨
張係数に近づけることができる。このため、Al−Si
C複合体からなる放熱部品とセラミックス基板との接合
部に熱応力および熱歪みが残留することを緩和できる。
したがって、従来のCu製の放熱部品に比べ、放熱部品
とセラミックス基板との加熱接合や、使用中の熱サイク
ルによるはんだ層の破壊、熱流路の遮断、セラミックス
基板の割れを防止できる。
【0008】しかしながら、特にIGBT、GTOなど
大電力モジュール化の傾向に伴い、新たな特性が要求さ
れている。つまり、大電力モジュール装置においては、
複数の半導体回路が搭載されるので、これまで以上にセ
ラミックス基板の面積が大きくなり、それに伴い、はん
だ付けの面積も広くなっている。このため、Al−Si
C複合体のはんだ付けに対する信頼性が、今まで以上に
製品の品質に影響を与えるようになってきた。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
であって、低熱膨張、高熱伝導性を有するとともに、は
んだ付けに対する信頼性を向上させたAl−SiC複合
体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は、Al−SiC複合体の密閉性を高め
る、すなわち複合体内部から表面まで連通したポアをで
きるだけ少なくすることにより、大気からの吸湿を特定
の範囲に抑えることが重要であるという知見を得て、本
発明を想到するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、炭化ケイ素質多孔体
にアルミニウムを主成分とする金属を含浸したAl−S
iC複合体であり、該複合体は炭化ケイ素を40体積%
以上含有し、室温25℃から300℃に加熱したとき、
該複合体からの水分の発生量が0.01cc/cm3
下であることを特徴とするAl−SiC複合体である。
【0012】前記本発明において、Al−SiC複合体
は、室温の熱膨張係数が4×10-6〜20×10-6
K、熱伝導率が150〜280W/(m・K)であるこ
とを特徴とする。また、Al−SiC複合体の表面全体
に、アルミニウムを主成分とする金属が豊富な被覆層を
設けたことを特徴とする。さらに、Al−SiC複合体
の表面に、ニッケル系めっき層を設けたことを特徴とす
る。
【0013】また、本発明は、前記Al−SiC複合体
を用いてなることを特徴とする放熱部品である。加え
て、放熱部品は電子部品搭載用セラミックス基板に接合
してなることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の炭化ケイ素質多孔体は、
炭化ケイ素の粉末や繊維などに結合剤、保形剤などを所
定量添加し、所望の形状に成形される。成形方法は、A
lが含浸を完了するまで形態を保っておりかつ含浸を阻
害しないのであれば、沈降成形法、射出成形法、CIP
法など公知の方法でよい。本発明においては、炭化ケイ
素質多孔体を焼結せずに成形することが望ましい。炭化
ケイ素質多孔体を焼結して成形すると、炭化ケイ素粉末
同士が接触する比率が高まり変形能が低下するため靭性
が劣化しやすい。また、炭化ケイ素質多孔体を焼結する
には焼結助剤が必要であり、焼結した炭化ケイ素質多孔
体にAlを含浸させる場合、焼結助剤の存在が含浸を阻
害しやすい。炭化ケイ素質多孔体にAlを含浸させる方
法は、加圧により含浸させる、あるいは無加圧で含浸さ
せるなど条件に限定はなく公知の方法でよい。炭化ケイ
素粉末は1種類のみを用いてもよいが、平均粒径の異な
る複数種類の炭化ケイ素粉末を混合して用いれば、炭化
ケイ素粉末を高密度に充填できるので好ましい。使用す
る炭化ケイ素粉末は、平均粒径が500μm以下の粉末
が望ましく、さらに望ましくは100μm以下の粉末で
ある。
【0015】炭化ケイ素質多孔体に含浸させるAlは、
純Al、Al−Si系合金、Al−Si−Mg系合金、
Al−Cu系合金が挙げられる。好ましくは、Siを含
有するAl合金を用い、含浸するAl合金のSi重量%
を共晶組成の12重量%以下にするのがよい。過共晶に
なると、脆い粗大なSi結晶が晶出することにより、A
l−SiC複合体の靭性を低下させる。Al−Si系合
金、Al−Si−Mg系合金では、合金の融点が低下
し、含浸温度を下げることができる。また、高温におい
てAl溶湯の粘性が低下し、含浸時間を短縮できるの
で、含浸にかかる製造コスト的に有利となる。
【0016】本発明のAl−SiC複合体は、セラミッ
クス基板の熱膨張係数に近づけるため炭化ケイ素の含有
量が40体積%以上であり、好ましくは40〜80体積
%である。炭化ケイ素の含有量が40体積%未満では熱
膨張係数が大きくなり、80体積%を超えると強度、破
壊靭性が低下するとともに熱伝導率が低くなる傾向とな
る。
【0017】また、本発明のAl−SiC複合体は、室
温25℃から300℃に加熱したとき、複合体からの水
分の発生量が0.01cc/cm3以下であることを特
徴とする。Al−SiC複合体からの前記水分の発生量
は小さいほど望ましい。Al−SiC複合体からの水分
発生量は、例えば、Al−SiC複合体から幅60mm
×厚さ3mm×長さ100mmの試験体を切り出し、そ
の試験体の加熱前の重量aを測定した後、試験体を電気
炉中に設置して、室温25℃から300℃に加熱し、乾
燥させた後、重量bを測定し、加熱前の重量aから加熱
後の重量bを差し引くことにより水分発生量を求める。
室温25℃から300℃に加熱したときの複合体からの
水分の発生量が0.01cc/cm3を超えると、はん
だ付けの加熱時に発生するガスが多すぎるため、はんだ
付けの欠陥を招きやすくなる。Al−SiC複合体から
の水分の発生量を小さくするためには、炭化ケイ素質多
孔体にAlを含浸させる場合、無加圧含浸では微細なポ
アが残存しやすいので、高い加圧で含浸させてポアの発
生を抑えるほうがよい。また、後述するようにAl−S
iC複合体の表面全体にアルミニウムを主成分とする金
属の豊富な被覆層を設けることが好ましい。
【0018】本発明のAl−SiC複合体からの水分の
発生量とは、Al−SiC複合体の表面にアルミニウム
を主成分とする金属が豊富な被覆層の有無にかかわらず
測定したものである。また、Al−SiC複合体表面に
ニッケル系めっき層が施されていても構わない。
【0019】Al−SiC複合体は、室温の熱膨張係数
が4×10-6〜20×10-6/Kであることが好まし
く、より好ましくは10×10-6/K以下である。室温
の熱膨張係数が20×10-6/Kを超えると、セラミッ
クス基板との熱膨張係数の差が大きくなり過ぎて、加熱
接合時や使用中の熱サイクルにより、セラミックス基板
に割れが生じやすくなる。
【0020】Al−SiC複合体の熱伝導率は、150
〜280W/(m・K)であることが望ましい。熱伝導
率が150W/(m・K)未満では、特に大電力モジュ
ール装置において放熱能力が不足しがちになる。
【0021】Al−SiC複合体の含浸完了後、Al−
SiC複合体の表面にSiC粉末が露出しないように、
Al−SiC複合体の表面全体にわたって、含浸したア
ルミニウムを主成分とする金属の豊富(リッチ)な被覆
層を設けることが好ましい。Alの被覆層を設けること
により、Al−SiC複合体の内部から表面まで連通し
たポアが無くなり、密閉性が十分となる。また、Al被
覆層が存在すれば電解あるいは無電解めっきを施しやす
くなる。また、Alが軟らかいので面加工が容易にな
る。さらに、Al被覆層により表面の切り欠き効果が低
減され強度と靭性が向上する。
【0022】炭化ケイ素質多孔体中にAlを含浸させる
際に、炭化ケイ素質多孔体と炭化ケイ素質多孔体を装入
した型の内壁との隙間に含浸Alの一部が通ることによ
り、Alの被覆層が形成される。被覆層を形成するAl
は、炭化ケイ素質多孔体に含浸されたAlと連通し、実
質的に組成が同じである。炭化ケイ素質多孔体と型の内
壁との隙間の大きさを調整することにより被覆層の厚み
を変えることができる。被覆層の平均厚みは、面加工後
の仕上寸法精度により異なってくるが、10μm未満で
はめっきが不均一になりやすく、300μmもあれば効
果が十分なので、10〜300μmが好ましい。
【0023】Al−SiC複合体は、セラミックス基板
とのはんだ付けを強固にするために、Al−SiC複合
体の表面にNi、Ni−P、Ni−Bなどニッケル系め
っきを施すことが望ましい。ニッケル系めっきは、電解
法あるいは無電解法のいずれでも処理してよいが、無電
解法のほうが厚みを均一にしやすい。また、ニッケル系
めっき層がAl−SiC複合体の表面に二層以上施され
ていてもよい。なお、Al−SiC複合体の表面全体に
わたって、含浸したアルミニウムを主成分とする金属の
豊富な被覆層がある方が、ニッケル系めっき層を施しや
すい。
【0024】本発明のAl−SiC複合体は、放熱基
板、ヒートシンク、パッケージなどの放熱部品に好適で
ある。また、放熱部品は電子部品搭載用セラミックス基
板に接合して用いられ、セラミックス基板としては、熱
伝導率および曲げ強度に優れた窒化ケイ素、熱伝導率に
優れた窒化アルミニウム、耐熱性に優れた酸化アルミニ
ウムのうちのいずれかからなるのが好ましい。特に、窒
化ケイ素や窒化アルミニウムは絶縁性、放熱特性にも優
れているので好ましい。
【0025】
【実施例】平均粒径60μm、純度98%以上の炭化ケ
イ素粉末に結合剤、保形剤の溶媒を加え、これを攪拌機
で混合して炭化ケイ素のスラリーを得た。スラリーを所
望の形状の金型に注入して成形後、冷却して脱型した。
これを乾燥して表1に示すAl−SiC複合体を形成す
るための種々の炭化ケイ素質多孔体を作製した。
【0026】ついで、炭化ケイ素質多孔体と型の内壁と
の間に所定の隙間を確保した状態で、炭化ケイ素質多孔
体を型に装入した。そして、炭化ケイ素質多孔体を装入
した型内に加熱溶融した表1に示す組成のアルミニウム
を圧入し含浸させた。含浸完了、冷却後、型を解体し、
本発明実施例のAl−SiC複合体を得た。
【0027】得られたAl−SiC複合体は、炭化ケイ
素質多孔体中にAlを含浸させる際に、炭化ケイ素質多
孔体と炭化ケイ素質多孔体を装入した型の内壁との隙間
に含浸Alの一部が通ることにより、Al−SiC複合
体の表面全体にわたって、含浸したAlを主成分とする
金属の豊富な被覆層が形成された。被覆層の厚みは平均
で50μmであり、Al−SiC複合体の表面には炭化
ケイ素粉末の露出が見られなかった。
【0028】また、比較例として、炭化ケイ素質多孔体
を作製せず、実施例と同じ炭化ケイ素粉末を用いて、表
1に示す体積%になるように炭化ケイ素粉末を金型に充
填して、表1に示すAl合金を金型に流し込み、プレス
して、冷却後、型を解体し、比較例のAl−SiC複合
体を得た。このAl−SiC複合体はAlの被覆層が乏
しく、表面の一部に炭化ケイ素粉末の露出が見られた。
【0029】これらのAl−SiC複合体から各種試験
片を切り出し、測定を行った。結果を表1に示す。Al
−SiC複合体の熱膨張係数は、複合体から幅3mm×
厚さ6mm×長さ15mmの試験片を切り出した後、常
温から100℃の温度範囲でTMA(サーモメカニカル
アナライザー、セイコー(株)製)を用いて測定した。
【0030】Al−SiC複合体の熱伝導率は、複合体
から直径10mm×高さ3mmの試験片を切り出した
後、熱定数測定装置(LF/TCM−FA8510B、理学電機社
製)を用いて、JIS1606に準拠してレーザーフラ
ッシュ法により測定した。
【0031】Al−SiC複合体からの水分発生量は、
複合体から幅60mm×厚さ3mm×長さ100mmの
試験体を切り出し、その試験体の加熱前の重量aを測定
した後、試験体を電気炉中に設置して、室温25℃から
300℃に加熱し、乾燥させた後、重量bを測定し、加
熱前の重量aから加熱後の重量bを差し引くことにより
水分発生量を求めた。
【0032】 表1 含浸Al SiC 熱膨張率 熱伝導率 曲げ強さ 水分発生量 (体積%) (×10-6/K) (W/(m・K)) (MPa) (cc/cm3) 実施例1 AC4A 40 13.1 205 400 0.001 実施例2 AC4C 65 7.2 202 433 0.001 実施例3 AC4A 75 7.6 182 472 0.002 比較例1 AC4A 40 9.2 190 215 0.02
【0033】また、これらのAl−SiC複合体を研削
加工して、190mm×140mm×3mmのIGBT
用の放熱基板とし、表面に無電解ニッケル系めっきを施
し、厚み7μmの均一なめっき層を形成した。この放熱
基板表面に半田ペーストをスクリーン印刷し、半田ペー
スト上に窒化ケイ素からなるセラミックス基板を載置
し、300℃のリフロー炉で5分間加熱処理してセラミ
ックス基板を接合させた。
【0034】このセラミックス基板を接合した放熱基板
を、−40℃〜+125℃を1サイクルとして1000
サイクルの冷熱サイクル試験を行った。ヒートサイクル
試験後、本発明のAl−SiC複合体からなる放熱基板
では、はんだ接合部の状態は良好であり、はんだ層の破
壊、熱流路の遮断、セラミックス基板の割れは見られな
かった。一方、比較例のAl−SiC複合体からなる放
熱基板では、はんだ接合部の一部が完全に剥離したこと
を確認できた。
【0035】
【発明の効果】本発明のAl−SiC複合体によれば、
低熱膨張、高熱伝導性を有するとともに、はんだ付けに
対する信頼性の高い放熱部品が得られる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素質多孔体にアルミニウムを主
    成分とする金属を含浸したAl−SiC複合体であり、
    該複合体は炭化ケイ素を40体積%以上含有し、室温2
    5℃から300℃に加熱したとき、該複合体からの水分
    の発生量が0.01cc/cm3以下であることを特徴
    とするAl−SiC複合体。
  2. 【請求項2】 前記複合体は、室温の熱膨張係数が4×
    10-6〜20×10 -6/K、熱伝導率が150〜280
    W/(m・K)であることを特徴とする請求項1に記載
    のAl−SiC複合体。
  3. 【請求項3】 前記複合体の表面全体に、アルミニウム
    を主成分とする金属が豊富な被覆層を設けたことを特徴
    とする請求項1または2に記載のAl−SiC複合体。
  4. 【請求項4】 前記被覆層の平均厚みが10〜300μ
    mであることを特徴とする請求項3に記載のAl−Si
    C複合体。
  5. 【請求項5】 前記複合体の表面に、ニッケル系めっき
    層を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のAl−SiC複合体。
  6. 【請求項6】 前記炭化ケイ素質多孔体を形成する炭化
    ケイ素粉末の平均粒径が500μm以下であることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のAl−SiC
    複合体。
  7. 【請求項7】 前記炭化ケイ素質多孔体は、平均粒径の
    異なる複数種類の炭化ケイ素粉末から形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のAl−
    SiC複合体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のAl−
    SiC複合体からなることを特徴とする放熱部品。
  9. 【請求項9】 前記放熱部品が放熱基板、ヒートシン
    ク、パッケージのいずれかであることを特徴とする請求
    項8に記載の放熱部品。
  10. 【請求項10】 電子部品搭載用セラミックス基板に接
    合してなることを特徴とする請求項8または9に記載の
    放熱部品。
  11. 【請求項11】 前記セラミックス基板が窒化ケイ素、
    窒化アルミニウム、酸化アルミニウムのいずれかからな
    ることを特徴とする請求項10に記載の放熱部品。
  12. 【請求項12】 炭化ケイ素を40体積%以上含有する
    炭化ケイ素質多孔体を型内に装入し、アルミニウムを主
    成分とする溶融金属を非酸化性雰囲気中で加圧により前
    記型内の空間に流し込み、炭化ケイ素質多孔体にアルミ
    ニウムを主成分とする溶融金属を含浸させることによ
    り、室温25℃から300℃に加熱したとき、水分の発
    生量が0.01cc/cm3以下となるAl−SiC複
    合体を形成することを特徴とするAl−SiC複合体の
    製造方法。
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