JP2013017445A - 抗疲労組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳酸産生抑制並びに血中乳酸蓄積抑制効果を有し、持久力の向上に優れる抗疲労組成物を提供する。
【解決手段】本発明の抗疲労組成物は、糠類及び大豆類を含む培地に納豆菌を接種し、発酵培養して得られた発酵組成物を有効成分として含有することを特徴とし、乳酸産生抑制剤及び/又は血中乳酸蓄積抑制剤として用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗疲労組成物に関する。更に詳しくは、米糠類及び大豆類を含む培地に納豆菌を接種し、発酵培養して得られた発酵組成物を有効成分として含有する抗疲労組成物に関する。
従来より、スポーツや労働等の有酸素運動において、筋肉の疲労から生ずる運動パフォーマンスの低下を抑制する、疲労回復効果を有する組成物等が開発されている。例えば、下記特許文献1には、カカオマス及び/又はその加工物を有効成分として含有することを特徴とする筋損傷抑制組成物が開示されている。また、下記特許文献2には、ペプチド(大豆ペプチド)、マカエキス、及びショウガもしくはショウガエキスを含有することを特徴とする健康飲食品が開示されている。
また、筋肉疲労の要因の一つとしては、疲労物質の蓄積が挙げられるが、この疲労物質は、筋肉が活動したときの代謝物質であり、代表的なものとして乳酸が知られている。筋肉はグリコーゲン(糖質)を分解することによって収縮し、その分解過程で乳酸も産出される。その産出された乳酸は血液によって運び出され、肝臓の機能によってエネルギーとして再利用されるが、一部の乳酸は筋肉内に留まり、留まった乳酸が筋肉を酸化させ、筋活動を阻害して身体に筋肉疲労を起こすと考えられている。従って、乳酸の産生や乳酸の蓄積を抑制することにより、疲労抑制効果若しくは疲労回復効果を奏する組成物が開発されている。例えば、下記特許文献3には、糖質原料を酸性条件で加熱・加圧して出来る3000〜9500の分子量を有するグリコーゲンを含有せしめた運動における持久力増強作用、かつ乳酸生成の抑制作用を有する抗疲労飲食品が開示されている。
特開2006−282573号公報 特開2007−222116号公報 特開2005−213185号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の筋損傷抑制組成物、健康飲食品及び抗疲労飲食品は、抗疲労効果がいまだ十分とはいえない。
本発明の目的は、持久力の向上及び抗疲労効果を有し、運動パフォーマンス(運動能力)の低下の抑制に優れる抗疲労組成物を提供することにある。
本発明は、以下に示す通りである。
1.米糠類及び大豆類を含む培地に納豆菌を接種し、発酵培養して得られた発酵組成物を有効成分として含有することを特徴とする抗疲労組成物。
2.乳酸産生抑制剤及び/又は血中乳酸蓄積抑制剤である、前記1.に記載の抗疲労組成物。
本発明の抗疲労組成物は、米糠類及び大豆類を含む培地に納豆菌を接種し、発酵培養して得られた発酵組成物を有効成分として含有することにより、乳酸産生抑制効果若しくは血中乳酸蓄積抑制効果に優れることから、持久力の向上及び抗疲労効果に優れ、運動パフォーマンスの低下抑制効果を有する抗疲労組成物とすることができる。
また、乳酸産生抑制剤及び/又は血中乳酸蓄積抑制剤である場合には、乳酸産生抑制作用及び/又は血中乳酸蓄積抑制作用を有し、優れた運動パフォーマンス低下抑制効果及び抗疲労効果を備える抗疲労組成物とすることができる。
本発明の抗疲労組成物である試験品A及び対照品Bについて、摂取時における自転車エルゴメーター運動試験での運動量値(エルゴメーターに示されるパワー値(W))の経過時間変化を示す図である。 本発明の抗疲労組成物である試験品A及び対照品Bについて、摂取時における自転車エルゴメーター運動試験前後の血中の乳酸値の変化を示す図である。
[1]抗疲労組成物
本発明の抗疲労組成物は、米糠類及び大豆類を含む培地に納豆菌を接種し、発酵培養して得られた発酵組成物を有効成分として含有することを特徴とする。
上記発酵組成物とは、米糠類及び大豆類を含む培地に納豆菌を接種し、発酵培養して得られる組成物である。上記発酵組成物としては、培養して得られた培養物(発酵液)をろ過したままの液でもよいし、これを脱色等の後処理をした液でもよい。更に、これらを濃縮した濃縮液でもよい。その他にも、凍結乾燥や噴霧乾燥等の公知の方法により溶媒を除去した固形物や粉末化した粉末物でもよい。
本発明における培地としては、米糠類及び大豆類、並びに、必要により添加される、その他の炭素源、フィチン酸及びアミノ酸類等を含むものであり、後述する納豆菌(微生物)が増殖できるものであれば特に限定されない。通常は、液体培地であるが、固形培地であっても構わない。
上記米糠類は、玄米を精白(精米)した際に出る果皮、種皮及び胚芽等の少なくとも一部を含むものを意味する。上記米糠類としては、米糠、米胚芽、脱脂米胚芽、脱脂米糠、米糠エキス等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
上記大豆類は、マメ科の一年草である大豆(Glycine max)から得られる種子等を意味し、加工処理等の有無は特に制限されない。上記大豆類としては、例えば、生大豆、乾燥大豆、脱脂大豆、キナ粉、ずんだ、大豆粉、大豆カス、大豆エキス、大豆タンパク質、大豆ペプチド、これらの加水分解物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
培地における、米糠類及び大豆類の配合割合としては、米糠類を100質量部とする場合、好ましくは大豆類が10〜1000質量部であり、より好ましくは20〜500質量部であり、更に好ましくは50〜200質量部である。また、米糠類及び大豆類の培地への配合量としては、培地全量を100質量%としたときに、米糠類及び大豆類は共に、それぞれ、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。これらの範囲にある場合には、菌が良好に発育することができる。
また、上記培地としては、米糠類及び大豆類以外のその他の炭素源(以下、単に「炭素源」という)を必要に応じて、更に含有させることができる。この炭素源としては、通常、発酵等に用いられるものを使用でき、例えば、グルコース、デキストリン、乳糖及びデンプン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
炭素源を培地に含有させる場合の配合量としては、米糠類を100質量部とする場合、好ましくは10〜1000質量部であり、より好ましくは20〜500質量部であり、更に好ましくは50〜200質量部である。また、炭素源の培地への配合量としては、培地全量を100質量%としたときに、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。これらの範囲にある場合には、菌が良好に発育することができる。
更に、上記培地としては、フィチン酸及びその塩の少なくとも一方(以下、単に「フィチン酸」ともいう。)を含有することができる。
上記フィチン酸としては、合成フィチン酸でも、抽出単離したフィチン酸でもよい。また、その塩としては、非毒性塩が用いられ、金属、有機塩基、塩基性アミノ酸、有機エステル残基等との塩が用いられ、例えば、カリウム、ナトリウム、アルギニン、オルニチン、リジン、ヒスチジン、グルカミン、モノエタノールアミン等の塩とすることができる。
フィチン酸を培地に含有させる場合の配合量としては、米糠類を100質量部とする場合、好ましくは10〜1000質量部であり、より好ましくは20〜500質量部であり、更に好ましくは50〜200質量部である。また、フィチン酸の培地への配合量としては、培地全量を100質量%としたときに、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。これらの範囲にある場合には、菌の発育が良好であり、更に、得られる発酵組成物が運動パフォーマンス低下抑制効果に優れるものとすることができる。
また、本発明における培地は、米糠類及び大豆類、並びに、必要に応じて添加される炭素源やフィチン酸を含有し、更に、通常、細菌の培養に用いられるその他の添加剤を含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、アミノ酸類、ビタミン類、pH調製剤及び消泡剤等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を必要に応じて適宜配合してもよい。
上記アミノ酸類としては、アルギニン、グリシン、グルタミン及びグルタミン酸等が挙げられる。これらのアミノ酸類は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのうち、本発明における培地では、アルギニンを含有することが好ましい。
アミノ酸類を含有させる場合の含有量としては、米糠類を100質量部とする場合、好ましくは10〜1000質量部であり、より好ましくは20〜500質量部であり、更に好ましくは50〜200質量部である。また、アミノ酸類の培地への配合量としては、培地全量を100質量%としたときに、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。
上記ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、イノシトール、ミオイノシトール及びビタミンK等が挙げられる。これらのビタミン類は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記ビタミン酸類を含有させる場合の含有量としては、米糠類を100質量部とする場合、好ましくは0.1〜50質量部であり、より好ましくは1〜10質量部である。
上記pH調製剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基(アルカリ化剤)、並びに、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、二酸化炭素等の酸(酸化剤)が挙げられる。これらのpH調製剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記pH調製剤の添加量は、培地の調製工程及び発酵培養工程において、所望のpHとなるような添加量が、適宜選択される。
また、上記消泡剤としては、通常、培養における培地に使用される消泡剤を用いることができる。例えば、シリコーン系消泡剤及びポリエーテル系消泡剤等が挙げられる。これらの消泡剤は1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。消泡剤の培地への配合量は、培地全量を100質量%としたときに、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは、0.05〜0.5質量%である。
上記発酵組成物を得るための微生物としては、納豆菌(Bacillus subtilis var. natto)が用いられる。上記納豆菌としては、自然的、又はニトロソグアニジン等の化学物質、X線、紫外線等により人為的変異手段により得られ、菌学的性質が変異した変異株であっても、本願発明における発酵組成物を産出する性質を失わない限り利用することができる。また、これらの納豆菌は、1種及び2種以上を併用してもよく、更に上記納豆菌に加え、その他の細菌及び酵母を1種及び2種以上を併用しても良い。
上記発酵組成物を得るための発酵培養工程における発酵培養条件については、発酵が行われる限り特に制限はない。通常、発酵培養は、通気及び攪拌を行うことにより行われ、培養温度は、好ましくは30〜45℃程度であり、より好ましくは35〜40℃である。
pHは、好ましくは6.5〜10であり、より好ましくは7.0〜9.0であり、更に好ましくは7.5〜8.5である。培地のpHを調節する場合は、上記のアルカリ化剤(好ましくは水酸化カリウム等)を用いることができる。
また、培養時間は、各種条件により適宜選択されるが、好ましくは6〜48時間であり、より好ましくは12〜24時間であり、更に好ましくは15〜20時間である。
上記発酵培養において、好ましくは、培地を90〜130℃、10〜30分にて殺菌し、その後冷却する。次いで、納豆菌を接種し、上記培養温度範囲内で、上記培養時間において、通気及び撹拌を行い、発酵培養を行なう。そして、上記培養時間に達した後、発酵を終了させる場合、上述の酸化剤(好ましくはクエン酸等)等を添加して、pHを下げる(例えば、pHの値としては6以下であり、より好ましくは5以下であり、更に好ましくは4以下であり、通常1以上である。)ことにより、発酵を終了させて、培養物(発酵液)を得ることができる。そして、得られた培養物は、必要に応じて、遠心分離等により固液分離された後、分離された液体を濾紙等により濾過することにより、その濾液を発酵組成物として得ることができる。
本発明における発酵組成物は、液体培地を培養して得られた発酵液でもよいし、ろ過したままの液でもよい。更に、これを脱色等の後処理をした液でもよいし、又はそれらを濃縮した濃縮液でもよい。また、本発明における発酵組成物が、上記に示される発酵液、ろ液又は濃縮液等の液状物である場合、その固形分濃度は、特に限定されないが、例えば、0.1〜50質量%とすることができ、1〜20質量%とすることもできる。
本発明の抗疲労組成物は、上記の発酵組成物を有効成分として含有する。発酵組成物の含有量は特に限定されず、抗疲労組成物の一部として含有されてもよく、抗疲労組成物の全量を構成してもよい。例えば、抗疲労組成物における発酵組成物の含有量としては、抗疲労組成物の全量を100質量%とした場合に、発酵組成物の固形分量(固形分換算量)で、0.0001〜50質量%とすることができ、若しくは、0.001〜20質量%とすることができる。
本発明の抗疲労組成物における抗疲労とは、運動等における身体の持久力の向上、及び、運動等による身体の疲労が抑制される作用を有することを意味する。即ち、持久力を必要とする運動、筋肉労作を繰り返し行う必要のある運動並びに労働等を始めとする広義の運動に対して身体の持久力を向上させる作用、及び、身体の疲労を抑制する作用を有することをいう。そして、本発明の抗疲労組成物は、身体の持久力の向上、身体の疲労の抑制等により、運動パフォーマンスの低下を抑制する効果に優れる抗疲労組成物とすることができる。
また、本発明の抗疲労組成物は、乳酸産生抑制剤及び/又は血中乳酸蓄積抑制剤として、用いることができる。本発明において、乳酸産生抑制剤とは、骨格筋等において乳酸の産生を抑制する作用を有するものである。また、血中乳酸蓄積軽減とは、血中の乳酸蓄積を抑制する作用を指すものであるが、かかる血中乳酸蓄積軽減には血中の乳酸を減少させる作用も含まれる。乳酸蓄積が抑制されれば筋肉の活動低下を抑制し、より強い強度の運動を行うことができ、運動パフォーマンスの低下を抑制することができる。
本発明の抗疲労組成物は、持久力向上用組成物、有酸素運動時の抗疲労組成物、乳酸産生抑制剤、血中乳酸蓄積抑制剤として用いることができ、飲食品、飲食品添加物、医薬品及び医薬部外品等として提供することができる。
また、本発明の抗疲労組成物の1日あたりの使用量(摂取量)は、特に限定されないが、上記発酵組成物の固形分量(固形分換算量)で、0.1〜100gが好ましく、より好ましくは1〜50gであり、更に好ましくは5〜30gである。使用量が上記範囲内にある場合には、優れた抗疲労性効果を奏する。
本発明の抗疲労組成物の形態については特に限定はない。通常は、培養物(発酵液)、或いは、発酵液のろ過液及び濃縮液等の発酵組成物について、種々の形態で用いることができる。例えば、液状、固形状、粉末状、顆粒状、造粒した造粒状等とすることができる。
以下に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。また、「部」及び「%」は、特記しない限り質量基準である。
[1]発酵組成物の調整
水約80部に、米糠エキス1.5部、大豆タンパク質1.5部、フィチン酸1.5部、グルコース1.5部、アルギニン1.5部及び消泡剤0.1部を加え、水酸化カリウムでpHを8.0に調整後、全量100部となるように水を加えて、培地を調製した。次いで、上記培地を、オートクレーブにより121℃で20分間滅菌した後、培養温度(37℃)まで冷却させた。そして、上記培地に納豆菌を植菌し、特に強制通気はせず、培養温度37℃で、18時間培養を行なった。その後、培地100部に対して、クエン酸3部を培養後の培地(発酵物)に添加して、pHを3.4にまで下げた。次に、オートクレーブにより121℃で20分間滅菌した後、室温(約20℃)まで冷却し、遠心分離(遠心分離機;株式会社トミー精工製「GRX−250」、回転速度:5000rpm、時間:15分)に供して、固形分が除かれた発酵液を得た。次いで、その発酵液をろ過(#1のろ紙を使用)することにより、発酵組成物として褐色の液体を得た。この液体の固形分濃度は10%であった。
上記により得られた発酵組成物20gを、コーラ味の飲料350gに添加して、抗疲労組成物の試験品A370gを調製した。また、上記の発酵組成物(抗疲労組成物)を含まないものとして、水20gをコーラ味の飲料350gに添加して、対照品B370gを調製した。
[2]性能評価
上記方法により得られた試験品A及び対照品Bをサンプルとして用いて、以下の方法により、(1)持久力試験と、(2)血中の乳酸値測定とを行った。
(1)持久力試験
20才代の10名の男性モニターによる自転車エルゴメーター(コンビウェルネス株式会社製、(登録商標)「POWERMAX−VIII」)を用いた持久力試験を行った。
持久力試験としては、上記試験品Aを370g摂取して、摂取から1時間経過した後、1分間につき10秒間自転車エルゴメーターを漕いで、次いで、50秒間休憩するという作業を、30分間にわたって30回繰り返す持久力試験を行なった。そして、各1分毎の10秒間における自転車エルゴメーターにおけるパワー値(W)を計測した。そして、各1分毎に得られた10名の男性モニターによる、パワー値(W)の平均値をプロットしたグラフを図1に示す。
上記試験品Aによる持久力試験の一週間後に、上記試験品Aの摂取に代えて、対照品Bを摂取した後、上記と同様に、自転車エルゴメーターを用いた持久力試験を行った。そして、各1分毎に得られたパワー値(W)をプロットしたグラフを図1に併記する。
(2)血中の乳酸値測定
上記試験品A及び上記対照品Bについて、上記の持久力試験の前後における血中の乳酸値(mmol/l)を測定した。具体的には、持久力試験を行なうにあたって、試験品A又は対照品Bの摂取の直前、及び、30分間の持久力試験の直後に指先より血を採取して、持久力試験の前後における血中の乳酸の値を測定した。その測定結果を、グラフにして図2に示す。尚、図2において、試験品A又は対照品Bの摂取の直前の血中濃度をpre、及び、30分間の持久力試験の直後の血中濃度をpostと表記する。
図1に示される結果より、本発明の抗疲労組成物を含有する試験品Aは、抗疲労組成物を含有しない対照品Bに比べて、持久力を向上させて、運動パフォーマンスの低下を抑制する効果に優れることが分かる。
また、図2に示される結果より、試験品Aは、本発明の抗疲労組成物を含有することから、対照品Bに比べて、運動時における乳酸の産生抑制、若しくは、乳酸の蓄積抑制に優れることが分かる。
尚、本発明では、上記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記組成物の形態は、通常、
発酵液、そのろ過液若しくは濃縮液等の原液或いは水容液等の液状であるが、これに限らず、この原液を凍結乾燥や噴霧乾燥等の公知の方法により溶媒を除去した固形物や粉末化した粉末物でもよい。また、原液等を吸液性粉末に含浸させた粉末品、造粒した造粒品、増量剤等他の粉末成分を配合した錠剤、又はマイクロカプセル等とすることができる。また、これらの原液、粉末品等を所定容器に充填してなる商品形態、またこれ単独で使用するか他剤(水溶液のもの、油性液のもの若しくは粉末を問わない。)に配合して使用するかについても特に限定されず、例えば、ポーション型でもよいし、他形状容器に充填してもよいし、粉末品をスティック状容器(袋)に充填したものでもよい。更に、従来の清涼飲料水、ドリンク剤、乳製品、油剤化製品等に配合、分散して使用してもよい。尚、この分散は油中水型、水中油型を問わない。また、他の栄養成分、薬効成分、調味成分、匂い成分等を配合してもよい。これらのうち、特に水溶性成分が好ましい。均一に溶解した商品とすることができるからである。
本発明は、優れた抗疲労性、並びに、乳酸産生抑制、若しくは、血中乳酸蓄積抑制作用を有することから、抗疲労組成物を含有する飲食品に適用することができる。例えば、本発明は、飲料(特にスポーツドリンク)、食品(特に機能性食品、健康食品)、医薬品等の分野に好適に利用できる。

Claims (2)

  1. 米糠類及び大豆類を含む培地に納豆菌を接種し、発酵培養して得られた発酵組成物を有効成分として含有することを特徴とする抗疲労組成物。
  2. 乳酸産生抑制剤及び/又は血中乳酸蓄積抑制剤である、請求項1に記載の抗疲労組成物。
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