本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る有機無機複合粒子粉末について述べる。
本発明に係る有機無機複合粒子粉末は、芯粒子粉末である白色無機粒子粉末の粒子表面に、糊剤が被覆されており、該糊剤被覆に有機顔料が付着している平均粒子径0.01〜10.0μmの有機無機複合粒子からなる。
なお、本発明に係る有機無機複合粒子粉末は、芯粒子である白色無機粒子の粒子表面に有機顔料からなる有色付着層を複数設けても良い。例えば、白色無機粒子の粒子表面が糊剤で被覆され、該被覆に有機顔料が付着している有色付着層(以下、「第一有色付着層」という)が形成され(以下、第一有色付着層が形成されている白色無機粒子を「中間顔料」という)、更に、第一有色付着層の表面に糊剤が被覆され、当該被覆に有機顔料が付着している有色付着層(以下、「第二有色付着層」という)が形成されている形態をいう。必要に応じて、同様にして、更に、有色付着層を形成してもよい。(以下、二層以上の有色付着層を形成した有機無機複合粒子粉末を「複数の有色付着層を有する有機無機複合粒子粉末」という。)
本発明における白色無機粒子としては、二酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、雲母チタン、白雲母等のパール顔料、シリカ粉、ホワイトカーボン、微粉ケイ酸、珪藻土等のシリカ微粒子並びにクレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、タルク及び透明性酸化チタン等の体質顔料が挙げられる。白色無機粒子は要求される特性や用途に応じて選択すればよく、隠蔽力が必要とされる用途には白色顔料が好ましく、真珠様の光沢が必要とされる用途にはパール顔料が好ましく、透明性が必要とされる用途にはパール顔料又は体質顔料が好ましく、より好ましくは体質顔料である。
白色無機粒子の粒子形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であっても良い。
白色無機粒子粉末の粒子サイズは、平均粒子径が0.009〜9.95μm、好ましくは0.014〜9.45μm、より好ましくは0.019〜8.95μmである。
平均粒子径が9.95μmを超える場合には、得られる有機無機複合粒子が粗大粒子となり、着色力が低下するため好ましくない。(削除します:0.009μm未満の場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすくなるため、粒子表面への糊剤による均一な被覆処理及び有機顔料による均一な付着処理が困難となる。)
白色無機粒子粉末のBET比表面積値は0.5m2/g以上である。BET比表面積値が0.5m2/g未満の場合には、白色無機粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、得られる有機無機複合粒子粉末は粗大粒子となり着色力が低下する。有機無機複合粒子粉末の着色力を考慮すると、BET比表面積値は、好ましくは1.0m2/g以上、より好ましくは1.5m2/g以上である。白色無機粒子粉末の粒子表面への糊剤による均一な被覆処理及び有機顔料による均一な付着処理を考慮すると、その上限値は500m2/gであり、好ましくは400m2/g、より好ましくは300m2/gである。
白色無機粒子粉末の色相は、L*値が70.00以上であり、より好ましくは75.00以上であり、C*値が18.00以下、好ましくは15.00以下、より好ましくは12.00以下、更により好ましくは9.00以下である。L*値、C*値が上記範囲外の場合には、色相が白色を呈しているとは言い難く、本発明の目的とする有機無機複合粒子粉末を得ることが困難となる。
本発明における白色無機粒子粉末の隠蔽力は、白色顔料の場合には、後述する評価法により600cm2/g以上が好ましい。パール顔料及び体質顔料の場合には、隠蔽力が600cm2/g未満が好ましい。得られる有機無機複合粒子粉末の透明性を考慮すれば、隠蔽力は500cm2/g以下がより好ましく、更に好ましくは400cm2/g以下である。
白色無機粒子粉末の耐光性は、後述する評価方法により、ΔE*値の下限値は通常5.0を超え、上限値は12.0、好ましくは11.0、より好ましくは10.0である。
本発明における糊剤としては、白色無機粒子の粒子表面へ有機顔料を付着できるものであれば何を用いてもよく、好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤、オリゴマー又は高分子化合物の一種又は二種以上である。白色無機粒子の粒子表面への有機顔料の付着強度を考慮すれば、より好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤である。
殊に、芯粒子粉末としてシリカ微粒子を用いた場合には、糊剤としては、有機ケイ素化合物もしくはシラン系カップリング剤を用いることが好ましい。
本発明における有機ケイ素化合物としては、化1で表わされるアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、化2で表わされるポリシロキサン、化3で表わされる変成ポリシロキサン、化4で表わされる末端変成ポリシロキサン並びに化5で表されるフルオロアルキルシラン又はこれらの混合物を用いることができる。
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
白色無機粒子の粒子表面への有機顔料の付着強度を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物がより好ましく、最も好ましくはメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物である。
白色無機粒子の粒子表面への有機顔料の付着強度を考慮すると、メチルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリシロキサン及び末端がカルボン酸で変成された末端カルボン酸変成ポリシロキサンが好ましい。
フルオロアルキルシランとしては、具体的には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
白色無機粒子の粒子表面への有機顔料の付着強度を考慮すると、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が好ましく、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が最も好ましい。
カップリング剤のうち、シラン系カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
オリゴマーとしては、分子量300以上、10,000未満のものが好ましく、高分子化合物としては、分子量10,000以上、100,000程度のものが好ましい。白色無機粒子への均一な被覆処理を考慮すれば、液状、もしくは、水又は各種溶剤に可溶なオリゴマー又は高分子化合物が好ましい。
糊剤の被覆量は、シランカップリング剤を除くカップリング剤、オリゴマー又は高分子化合物の場合、糊剤被覆白色無機粒子に対してC換算で0.01〜15.0重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜12.5重量%、最も好ましくは0.03〜10.0重量%である。
0.01重量%未満の場合には、白色無機粒子粉末100重量部に対して1重量部以上の有機顔料を付着させることが困難である。15.0重量%を超える場合には、白色無機粒子粉末100重量部に対して有機顔料を1〜500重量部付着させることができるため、必要以上に被覆する意味がない。
白色無機粒子がSiを含有せず、且つ、糊剤が有機ケイ素化合物及びシランカップリング剤の場合、糊剤の被覆量は、糊剤被覆白色無機粒子に対してSi換算で0.02〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0.03〜4.0重量%、最も好ましくは0.05〜3.0重量%である。
0.02重量%未満の場合には、白色無機粒子粉末100重量部に対して1重量部以上の有機顔料を付着させることが困難である。5.0重量%を超える場合には、白色無機粒子粉末100重量部に対して有機顔料を1〜500重量部付着させることができるため、必要以上に被覆する意味がない。
本発明における有機顔料としては、一般に塗料及び樹脂組成物の着色剤として用いられている赤色系有機顔料、青色系有機顔料、黄色系有機顔料、緑色系有機顔料、橙色系有機顔料、褐色系有機顔料及び紫色系有機顔料等の各種有機顔料を使用することができる。
各種有機顔料の中で、赤色系有機顔料としては、キナクリドンレッド等のキナクリドン顔料、パーマネントレッド等のアゾ系顔料、縮合アゾレッド等の縮合アゾ顔料及びペリレンレッド等のペリレン顔料を用いることができる。青色系有機顔料としては、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー等のフタロシアニン系顔料を用いることができる。黄色系有機顔料としては、ハンザエロー等のモノアゾ系顔料、ベンジジンエロー、パーマネントエロー等のジスアゾ系顔料及び縮合アゾイエロー等の縮合アゾ顔料を用いることができる。緑色系顔料としては、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料を用いることができる。
なお、要求される色相に応じて前記各有機顔料を混合して用いてもよい。また、求められる色相及び特性等に応じて同系色の色であっても二種以上を用いてもよい。
なお、複数の有色付着層を有する有機無機複合粒子粉末において、第一有色付着層に付着させる有機顔料と第二有色被覆層以降に付着させる有機顔料は同一であっても、同色で異種類の有機顔料、異色の有機顔料でもいずれでもよい。また、組み合わせる有機顔料として、耐光性等の機能を有するものを選択することにより、複数の機能を有する有機無機複合粒子粉末を得ることが可能となる。
有機顔料の付着量は、白色無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部である。
1重量部未満の場合及び500重量部を超える場合には、本発明の目的とする有機無機複合粒子粉末を得ることが困難となる。好ましくは3〜400重量部であり、より好ましくは5〜300重量部である。
複数の有色付着層を有する有機無機複合粒子粉末においては、各有色付着層における有機顔料の付着量は、所望の色相及び特性に応じて前記有機顔料全体での付着量の上限値を超えない範囲で適量を付着させればよい。
本発明に係る有機無機複合粒子の粒子形状や粒子サイズは、芯粒子である白色無機粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子に相似する粒子形態を有している。
即ち、本発明に係る有機無機複合粒子粉末は、平均粒子径が0.01〜10.0μm、好ましくは、0.015〜9.5μm、より好ましくは0.02〜9.0μmである。
有機無機複合粒子粉末の平均粒子径が10.0μmを超える場合には、粒子サイズが大きすぎるため、着色力が低下する。平均粒子径が0.01μm未満の場合には、塗料ビヒクル中や樹脂組成物中への分散が困難となる場合がある。
有機無機複合粒子粉末のBET比表面積値は、1.0〜500m2/gであり、好ましくは1.5〜400m2/g、より好ましくは2.0〜300m2/gである。BET比表面積値が1.0m2/g未満の場合には、粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、着色力が低下する。
有機無機複合粒子粉末の有機顔料の脱離率は10%以下が好ましく、より好ましくは9%以下である。また、有機顔料と有機無機複合粒子の比重が近い場合には、有機無機複合粒子からの有機顔料の脱離の程度は後出評価方法における目視観察において、5又は4が好ましく、より好ましくは5である。有機顔料の脱離率が10%を超える場合、もしくは、有機顔料の脱離の程度が3以下の場合には、脱離した有機顔料により塗料ビヒクル中や樹脂組成物中での均一な分散が阻害される場合があるとともに、脱離した部分の白色無機粒子粉末の色相が粒子表面に現れるため、均一な色相を得ることが困難となる。
本発明に係る有機無機複合粒子粉末の着色力は、後述する評価方法により110%以上が好ましく、115%以上がより好ましく、最も好ましくは120%以上である。
本発明に係る有機無機複合粒子粉末の隠蔽力は、白色無機粒子粉末として白色顔料を用いた場合、後述する評価方法により700cm2/g以上が好ましく、より好ましくは750cm2/g以上である。白色無機粒子粉末として体質顔料又はパール顔料を用いた場合、700cm2/g未満が好ましく、より好ましくは650cm2/g以下であり、さらに好ましくは600cm2/g以下、最も好ましくは580cm2/g以下である。
有機無機複合粒子粉末の耐光性は、後述する評価方法において、ΔE*値で5.0以下、好ましくは4.0以下である。殊に、紫外線防御効果のある酸化チタン及び酸化亜鉛等を芯粒子として用いた場合には、ΔE*値が3.0以下が好ましく、より好ましくは2.0以下である。
本発明に係る有機無機複合粒子粉末は、必要により、白色無機粒子粉末の粒子表面をあらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも1種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよく、中間被覆物で被覆しない場合に比べ、白色無機粒子粉末の粒子表面からの有機顔料の脱離をより低減することができるとともに、耐光性が向上する。
中間被覆物による被覆量は、中間被覆物が被覆された白色無機粒子粉末に対してAl換算、SiO2換算又はAl換算量とSiO2換算量との総和で0.01〜20重量%が好ましい。
0.01重量%未満である場合には、有機顔料の脱離率の低減効果及び耐光性向上効果が得られない。0.01〜20重量%の被覆量により、有機顔料の脱離率低減効果及び耐光性向上が十分に得られるので、20重量%を超えて必要以上に被覆する意味がない。
中間被覆物で被覆されている本発明に係る有機無機複合粒子粉末は、中間被覆物で被覆されていない本発明に係る有機無機複合粒子粉末の場合とほぼ同程度の粒子サイズ、BET比表面積値、色相(L*値、a*値、b*値)、着色力及び隠蔽力を有している。また、有機顔料の脱離率又は有機顔料の脱離の程度は中間被覆物を被覆することによって向上し、脱離率は8%以下が好ましく、より好ましくは5%以下であり、脱離の程度は5が好ましく、耐光性は、ΔE*値で4.0以下が好ましく、より好ましくは3.0以下である。
本発明に係る有機無機複合顔料は、前記有機無機複合粒子粉末からなる。
次に、本発明に係る有機無機複合顔料を配合した塗料について述べる。
本発明に係る有機無機複合顔料を配合した塗料は、貯蔵安定性がΔE*値で1.5以下が好ましく、より好ましくは1.2以下である。塗膜にした場合には、光沢度は75〜110%、好ましくは80〜110%であり、塗膜の耐光性ΔE*値は5.0以下、好ましくは4.0以下であることが好ましい。なお、白色無機粒子粉末として体質顔料又はパール顔料を用いた場合、塗膜の透明性は線吸収係数0.10μm−1以下が好ましく、より好ましくは0.09μm−1以下である。
本発明に係る粒子表面が中間被覆物によって被覆された有機無機複合顔料を配合した塗料は、貯蔵安定性がΔE*値で1.5以下が好ましく、より好ましくは1.2以下である。塗膜にした場合、光沢度は80〜115%、好ましくは85〜115%であり、塗膜の耐光性ΔE*値は4.0以下、好ましくは3.0以下であることが好ましい。なお、白色無機粒子粉末として体質顔料又はパール顔料を用いた場合、塗膜の透明性は線吸収係数0.10μm−1以下が好ましく、より好ましくは0.09μm−1以下である。
本発明に係る有機無機複合顔料を配合した水系塗料は、貯蔵安定性がΔE*値で1.5以下が好ましく、より好ましくは1.2以下である。塗膜にした場合には、光沢度は70〜110%、好ましくは75〜110%であり、塗膜の耐光性ΔE*値は5.0以下、好ましくは4.0以下であることが好ましい。なお、白色無機粒子粉末として体質顔料又はパール顔料を用いた場合、塗膜の透明性は線吸収係数0.11μm−1以下が好ましく、より好ましくは0.10μm−1以下である。
本発明に係る粒子表面が中間被覆物によって被覆された有機無機複合顔料を配合した水系塗料は、貯蔵安定性がΔEで1.5以下が好ましく、より好ましくは1.2以下である。塗膜にした場合、光沢度は75〜115%、好ましくは80〜115%であり、塗膜の耐光性ΔE*値は4.0以下、好ましくは3.0以下であることが好ましい。なお、白色無機粒子粉末として体質顔料又はパール顔料を用いた場合、塗膜の透明性は線吸収係数0.11μm−1以下が好ましく、より好ましくは0.10μm−1以下である。
本発明に係る塗料中における有機無機複合顔料の配合割合は、塗料構成基材100重量部に対して0.5〜100重量部の範囲で使用することができ、塗料のハンドリングを考慮すれば、好ましくは1.0〜100重量部である。
塗料構成基材としては、樹脂、溶剤、必要により油脂、消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等が配合される。
樹脂としては、溶剤系塗料用や油性印刷インクに通常使用されているアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ガムロジン、ライムロジン等のロジン系樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン変性樹脂、石油樹脂等を用いることができる。水系塗料用としては、水系塗料用や水性インクに通常使用されている水溶性アクリル樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ウレタンエマルジョン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等を用いることができる。
溶剤としては、溶剤系塗料用に通常使用されている大豆油、トルエン、キシレン、シンナー、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット等の石油系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、脂肪族炭化水素等を用いることができる。
水系塗料用溶剤としては、水と水系塗料用に通常使用されているエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等の水溶性有機溶剤とを混合して使用することができる。
油脂としては、あまに油、きり油、オイチシカ油、サフラワー油等の乾性油を加工したボイル油を用いることができる。
消泡剤としては、ノプコ8034(商品名)、SNデフォーマー477(商品名)、SNデフォーマー5013(商品名)、SNデフォーマー247(商品名)、SNデフォーマー382(商品名)(以上、いずれもサンノプコ株式会社製)、アンチホーム08(商品名)、エマルゲン903(商品名)(以上、いずれも花王株式会社製)等の市販品を使用することができる。
次に、本発明に係る有機無機複合顔料を用いて着色した樹脂組成物について述べる。
本発明に係る有機無機複合顔料を用いて着色した樹脂組成物は、目視観察による分散状態は、後出評価法による4又は5、好ましくは5であり、樹脂組成物の耐光性ΔE*値は5.0以下、好ましくは4.0以下であることが好ましい。なお、白色無機粒子粉末として体質顔料又はパール顔料を用いた場合、樹脂組成物の透明性は線吸収係数0.10μm−1以下が好ましく、より好ましくは0.09μm−1以下である。
本発明に係る粒子表面が中間被覆物によって被覆された有機無機複合顔料を用いて着色した樹脂組成物は、目視観察による分散状態は、後述する評価法により4又は5、好ましくは5であり、樹脂組成物の耐光性ΔE*値は4.0以下、好ましくは3.0以下であることが好ましい。なお、白色無機粒子粉末として体質顔料又はパール顔料を用いた場合、樹脂組成物の透明性は線吸収係数0.10μm−1以下が好ましく、より好ましくは0.09μm−1以下である。
本発明に係る樹脂組成物中における有機無機複合顔料の配合割合は、樹脂100重量部に対して0.01〜200重量部の範囲で使用することができ、樹脂組成物のハンドリングを考慮すれば、好ましくは0.05〜150重量部、更に好ましくは0.1〜100重量部である。
本発明に係る樹脂組成物における構成基材としては、有機無機複合顔料と周知の熱可塑性樹脂とともに、必要により、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合される。
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ロジン・エステル、ロジン、天然ゴム、合成ゴム等を用いることができる。
添加剤の量は、有機無機複合顔料と樹脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添加剤の含有量が50重量%を超える場合には、成形性が低下する。
本発明に係る樹脂組成物は、樹脂原料と有機無機複合顔料をあらかじめよく混合し、次に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強いせん断作用を加えて、有機無機複合顔料の凝集体を破壊し、樹脂組成物中に有機無機複合顔料を均一に分散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用する。
次に、塗料の製造において用いられる本発明に係る有機無機複合顔料を配合した顔料分散体について述べる。
本発明に係る顔料分散体は、塗料の中間分散体である顔料ペースト及びミルベースを含むものであり、本発明に係る有機無機複合顔料を顔料分散体構成基材100重量部に対して5〜1000重量部、好ましくは10〜800重量部含有している。
顔料分散体構成基材としては、樹脂、溶剤及び/又は油脂、必要により、用途に応じて消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等が配合される。
本発明に係る顔料分散体に使用する樹脂、溶剤及び油脂としては、前記塗料用と同一の樹脂、溶剤及び油脂を使用することができる。
なお、顔料分散体中の樹脂の組成は、塗料作製時の希釈用樹脂と同一の樹脂を用いても、また、異なる樹脂を用いてもよいが、異なる樹脂を使用する場合には、樹脂同士の相溶性により決まる諸特性を考慮して決めればよい。
本発明に係る顔料分散体は、顔料及び樹脂、溶剤及び/又は油脂とをバタフライミキサー、プラネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タンクミキサー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ニーダー、ロールミル、サンドミル、アトライター、ボールミル等の分散機を用いて混練・分散させることにより得ることができる。
本発明に係る顔料分散体を用いて得られた塗料は、より優れた分散性を示す。
次に、塗料及び樹脂組成物の製造において用いられるマスターバッチペレットについて述べる。
本発明に係るマスターバッチペレットは、塗料及び樹脂組成物の構成基材としての結合材樹脂と前記有機無機複合顔料とを必要により、リボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の混合機で混合した後、周知の単軸混練押出機や二軸混練押出機等で混練、成形した後切断するか、又は、上記混合物をバンバリーミキサー、加圧ニーダー等で混練して得られた混練物を粉砕又は成形、切断することにより製造される。
結合材樹脂と有機無機複合顔料の混練機への供給は、それぞれを所定比率で定量供給してもよいし、両者の混合物を供給してもよい。
本発明に係るマスターバッチペレットは、平均長径1〜6mm、好ましくは2〜5mmの範囲である。平均短径は2〜5mm、好ましくは2.5〜4mmである。平均長径が1mm未満の場合には、ペレット製造時の作業性が悪く好ましくない。6mmを超える場合には、希釈用結合材樹脂の大きさとの違いが大きく、十分に分散させるのが困難となる。また、その形状は種々のものができ、不定形及び球形等の粒状、円柱形、フレーク状等にできる。
本発明に係るマスターバッチペレットに使用する結合材樹脂としては、前記塗料用樹脂又は樹脂組成物用樹脂と同一の樹脂が使用できる。
なお、マスターバッチペレット中の結合材樹脂の組成は、希釈用結合材樹脂と同一の樹脂を用いても、また、異なる樹脂を用いてもよいが、異なる樹脂を使用する場合には、樹脂同士の相溶性により決まる諸特性を考慮して決めればよい。
マスターバッチペレット中に配合される有機無機複合顔料の量は、結合材樹脂100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは1〜150重量部、より好ましくは1〜100重量部である。1重量部未満の場合には、混練時の溶融粘度が不足し、有機無機複合顔料の良好な分散混合が困難である。200重量部を超える場合には、有機無機複合顔料に対する結合材樹脂が少ないため、有機無機複合顔料の良好な分散混合が難しく、また、マスターバッチペレットの添加量のわずかな変化によって樹脂組成物中に配合される有機無機複合顔料の含有量が大きく変化するため所望の含有量に調製するのが困難となり好ましくない。また、機械摩耗が激しく適当でない。
次に、本発明に係る有機無機複合粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係る有機無機複合粒子粉末は、白色無機粒子粉末と糊剤とを混合し、白色無機粒子粉末の粒子表面を糊剤によって被覆し、次いで、糊剤によって被覆された白色無機粒子粉末と有機顔料を混合することによって得ることができる。
白色無機粒子粉末の粒子表面への糊剤による被覆は、白色無機粒子粉末と糊剤又は糊剤の溶液とを機械的に混合攪拌したり、白色無機粒子粉末に糊剤の溶液又は糊剤を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加した糊剤は、ほぼ全量が白色無機粒子粉末の粒子表面に被覆される。
なお、糊剤としてアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランを用いた場合、被覆されたアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランは、その一部が被覆工程を経ることによって生成する、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物として被覆されていてもよい。この場合においてもその後の有機顔料の付着に影響することはない。
糊剤を均一に白色無機粒子粉末の粒子表面に被覆するためには、白色無機粒子粉末の凝集をあらかじめ粉砕機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。
白色無機粒子粉末と糊剤との混合攪拌、有機顔料と粒子表面に糊剤が被覆されている白色無機粒子粉末との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができ、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
前記ホイール型混練機としては、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。前記ボール型混練機としては、振動ミル等がある。前記ブレード型混練機としては、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウターミキサー等がある。前記ロール型混練機としては、エクストルーダー等がある。
白色無機粒子粉末と糊剤との混合攪拌時における条件は、白色無機粒子粉末の粒子表面に糊剤ができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
糊剤の添加量は、白色無機粒子粉末100重量部に対して0.15〜45重量部が好ましい。0.15〜45重量部の添加量により、白色無機粒子粉末100重量部に対して有機顔料を1〜500重量部付着させることができる。
白色無機粒子粉末の粒子表面に糊剤を被覆した後、有機顔料を添加し、混合攪拌して糊剤被覆に有機顔料を付着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
有機顔料は、少量ずつを時間をかけながら、殊に5分〜24時間、好ましくは5分〜20時間程度をかけて添加するか、若しくは、白色無機粒子100重量部に対して5〜25重量部の有機顔料を、所望の添加量となるまで分割して添加することが好ましい。
混合攪拌時における条件は、有機顔料が均一に付着するように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5分〜24時間、好ましくは10分〜20時間の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
有機顔料の添加量は、白色無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部であり、好ましくは3〜400重量部、より好ましくは5〜300重量部である。有機顔料の添加量が上記範囲外の場合には、目的とする有機無機複合粒子粉末が得られない。
乾燥乃至加熱処理を行う場合の加熱温度は、通常40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃であり、加熱時間は、10分〜12時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
なお、糊剤としてアルコキシシラン及びフルオロアルキルシランを用いた場合には、これらの工程を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物となって被覆されている。
複数の有色付着層を有する有機無機複合粒子粉末は、白色無機粒子粉末と糊剤とを混合し、白色無機粒子粉末の粒子表面を糊剤によって被覆し、次いで、糊剤によって被覆された白色無機粒子粉末と有機顔料とを混合して糊剤被覆に有機顔料を付着させて第一有色付着層を形成する(中間顔料)。次いで、前記第一有色付着層を形成した中間顔料と糊剤とを混合し、更に、糊剤被覆中間顔料と有機顔料とを混合して第一有色付着層上に糊剤を介して有機顔料を付着させることによって得ることができる。前記各工程における糊剤との混合処理及び有機顔料との混合処理は上記各処理と同様にして行えばよい。なお、必要に応じて糊剤による被覆及び有機顔料の付着を繰り返すことによって3層以上の有色付着層を形成した有機無機複合粒子粉末を得ることができる。
白色無機粒子粉末は、必要により、糊剤との混合撹拌に先立って、あらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよい。
中間被覆物による被覆は、白色無機粒子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後にpH値を調整することにより、前記白色無機粒子粉末の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処理等を施してもよい。
アルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が使用できる。
<作用>
本発明において最も重要な点は、白色無機粒子粉末の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該被覆に有機顔料が付着している有機無機複合粒子粉末は、白色無機粒子粉末の粒子表面からの有機顔料の脱離が抑制されており、且つ、有害な元素を含有しない有機無機複合粒子粉末であるという事実である。
本発明において、白色無機粒子粉末の粒子表面からの有機顔料の脱離が抑制される理由について、本発明者は下記のように推定している。
まず、アルコキシシラン及びフルオロアルキルシランを用いた場合には、白色無機粒子粉末の粒子内部や粒子表面に含有されている金属元素と有機顔料が付着しているアルコキシシラン及びフルオロアルキルシランが有しているアルコキシ基との間で、メタロキサン結合(Si−O−M(Mは白色無機粒子に含まれている金属粒子である))が形成されることにより、有機顔料が付着しているアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が白色無機粒子粉末の粒子表面に強固に結合するためと考えている。
また、カップリング剤を用いた場合には、有機顔料が付着しているカップリング剤が有している反応性基が、白色無機粒子の粒子表面へ強固に結合するためと考えている。
また、ポリシロキサン、オリゴマー及び高分子化合物を用いた場合には、有機顔料が付着しているポリシロキサン、オリゴマー又は高分子化合物が有している各種官能基が、白色無機粒子粉末の粒子表面へ強固に結合するためと考えている。
そして、前記有機無機複合粒子粉末からなる有機無機複合顔料を配合した塗料は塗料安定性及び分散性が優れており、また、上記有機無機複合顔料を配合して得られた樹脂組成物は分散性が優れているという事実である。
本発明に係る塗料の塗料安定性及び分散性、樹脂組成物の分散性が優れている理由について、本発明者は、有機無機複合粒子粉末の粒子表面から脱離する有機顔料が抑制された有機無機複合顔料を着色剤として用いていることによるものと考えている。
また、本発明に係る顔料分散体を経て得られた塗料は塗料安定性及び分散安定性がより優れており、本発明に係るマスターバッチを経て得られた樹脂組成物は分散性がより優れているという事実である。
また、本発明に係る有機無機複合顔料は、有害な元素及び化合物を含有していないので、衛生面や安全性に優れ、また、環境汚染防止に配慮した顔料である。
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
粒子の平均粒子径は、いずれも電子顕微鏡写真に示される粒子350個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
中間被覆物によって被覆された白色無機粒子末の粒子表面に存在するAl量及びSi量は、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
白色無機粒子粉末の粒子表面に被覆されている糊剤の被覆量のうち、芯粒子にケイ素を含有せず、且つ、糊剤としてケイ素を含有するものを用いた場合には、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
また、白色無機粒子粉末の粒子表面に被覆されている糊剤の被覆量のうち、芯粒子にケイ素を含有している粒子、又は、糊剤としてケイ素を含有していないものを用いた場合には、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定することにより求めた。
有機無機複合粒子粉末に付着している有機顔料の被覆量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定することにより求めた。
有機無機複合粒子粉末に付着している有機顔料の脱離率(%)は、下記の方法により求めた値で示した。有機顔料の脱離率が0%に近いほど、有機無機複合粒子粉末の粒子表面からの有機顔料の脱離量が少ないことを示す。
被測定粒子粉末2gとジブロモメタン20mlを50mlの三角フラスコに入れ、20分間超音波分散を行った後、3日間静置し、被測定粒子粉末と有機顔料の比重差によって被測定粒子粉末と上澄み液を分離した。次いで得られた上澄み液の光透過率を「自記光電分光光度計UV−2100」(株式会社島津製作所)を用いて測定し、予め算出したジブロモメタン中の有機顔料の濃度と光透過率との検量線より、ジブロモメタン中に存在する脱離した有機顔料の濃度を計算し、下記数1に従って求めた値を有機顔料の脱離率(%)とした。
<数1>
有機顔料の脱離率(%)={(Wa−We)/Wa}×100
Wa:有機無機複合粒子粉末の有機顔料付着量
We:脱離テスト後の有機無機複合粒子粉末の有機顔料付着量
また、有機顔料と有機無機複合粒子粉末の比重が近い場合には、下記方法により、有機無機複合粒子粉末からの有機顔料の脱離の程度を目視により5段階で評価した。5が複合粒子の粒子表面からの有機顔料の脱離量が少ないことを示す。
被測定粒子粉末2gとエタノール20mlを50mlの三角フラスコに入れ、60分間超音波分散を行った後、回転数10,000rpmで15分間遠心分離を行い、被測定粒子粉末と溶剤部分とを分離した。得られた被測定粒子粉末を80℃で1時間乾燥させ、電子顕微鏡写真(×50,000)に示される視野の中に存在する、脱離して再凝集した有機顔料の個数を目視で観察し、白色無機粒子と有機顔料を、糊剤を介さず単に混合しただけの混合粒子粉末の電子顕微鏡写真(×50,000)と比較して5段階で評価した。
1:白色無機粒子粉末と有機顔料を、糊剤を介さず単に混合した場合と同程度。
2:有機無機複合粒子粉末100個当たりに30個以上50個未満。
3:有機無機複合粒子粉末100個当たりに10個以上30個未満。
4:有機無機複合粒子粉末100個当たりに5個以上10個程度。
5:有機無機複合粒子粉末100個当たりに5個未満。
白色無機粒子粉末、有機顔料及び有機無機複合顔料の色相は、試料0.5gとヒマシ油0.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、該塗布片について、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」(スガ試験機株式会社製)「Multi−Spectro−colour−Meter」及び「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」(ビックケミー・ジャパン株式会社製)を用いて測定を行い、JIS Z 8929に定めるところに従って表色指数で示した。なお、C*値は彩度を表し、下記数2に従って求めることができる。
<数2>
C*値=((a*値)2+(b*値)2)1/2
有機無機複合顔料の着色力は、まず下記に示す方法に従って作製した原色エナメルと展色エナメルのそれぞれを、キャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作製し、該塗布片について、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」(スガ試験機株式会社製)「Multi−Spectro−colour−Meter」及び「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」(ビックケミー・ジャパン株式会社製)を用いてL*値を測色し、その差をΔL*値とした。
次いで、有機無機複合顔料の標準試料として、有機無機複合顔料と同様の割合で有機顔料と白色無機粒子粉末とを単に混合した混合顔料を用いて、上記と同様にして原色エナメルと展色エナメルの塗布片を作製し、各塗布片のL*値を測色し、その差をΔLs*値とした。
得られた有機無機複合顔料のΔL*値と標準試料のΔLs*値を用いて下記数3に従って算出した値を着色力(%)として示した。
<数3>
着色力(%)=100+{(ΔLs*値−ΔL*値)×10}
原色エナメルの作製:
上記試料粉体10gとアミノアルキッド樹脂16g及びシンナー6gとを配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで45分間混合分散した後、アミノアルキッド樹脂50gを追加し、更に5分間ペイントシェーカーで分散させて、原色エナメルを作製した。
展色エナメルの作製:
上記原色エナメル12gとアミラックホワイト(二酸化チタン分散アミノアルキッド樹脂)40gとを配合し、ペイントシェーカーで15分間混合分散して、展色エナメルを作製した。
白色無機粒子粉末、有機顔料及び有機無機複合顔料の隠蔽力は、上記で得られた原色エナメルを用いて、JIS K 5101 8.2のクリプトメーター法に従って得られた値で示した。
白色無機粒子粉末、有機顔料及び有機無機複合顔料の耐光性は、前述の着色力を測定するために作製した原色エナメルを、冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成し、得られた測定用塗布片の半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター」(SUV−W13(岩崎電気株式会社製))を用いて、紫外線を照射強度100mW/cm2で6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L*値、a*値、b*値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、下記数4に従って算出したΔE*値によって示した。
<数4>
ΔE*値=((ΔL*値)2+(Δa*値)2+(Δb*値)2)1/2
ΔL*値: 比較する試料の紫外線照射有無のL*値の差
Δa*値: 比較する試料の紫外線照射有無のa*値の差
Δb*値: 比較する試料の紫外線照射有無のb*値の差
マスターバッチペレットの平均長径、平均短径(平均直径)のそれぞれは、ペレット10個をノギスにより測定し、その平均値で示した。
有機無機複合顔料を用いた溶剤系塗料及び水系塗料の各色相は、後述する処方によって調製した各塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成して得られた測定用塗布片について、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」(スガ試験機株式会社製)「Multi−Spectro−colour−Meter」及び「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」(ビックケミー・ジャパン株式会社製)を用いて測定を行い、JIS Z 8929に定めるところに従って表色指数で示した。また、有機無機複合顔料を用いて着色した樹脂組成物の色相は、後述する処法によって作製した着色樹脂プレートを、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」(スガ試験機株式会社製)「Multi−Spectro−colour−Meter」及び「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」(ビックケミー・ジャパン株式会社製)を用いて前記と同様にして測定した。
塗膜の光沢度は、前記測定用塗布片を「グロスメーター UGV−5D」(スガ試験機株式会社製)を用いて入射角60°の時の光沢度で示した。光沢度が高いほど、有機無機複合顔料を配合した塗料の分散性が優れていることを示す。
各塗料を用いた塗膜の耐光性は、前述の塗料の色相を測定するために作製した測定用塗布片の半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター」(SUV−W13(岩崎電気株式会社製))を用いて、紫外線を照射強度100mW/cm2で6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L*値、a*値、b*値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、前記数4に従って算出したΔE*値によって示した。
また、各樹脂組成物の耐光性は、前述の樹脂組成物の色相を測定するために作製した樹脂プレートの半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター」(SUV−W13(岩崎電気株式会社製))を用いて、紫外線を照射強度100mW/cm2で6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L*値、a*値、b*値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、前記数4に従って算出したΔE*値によって示した。
有機無機複合顔料を用いた塗膜の透明性は、後述する処法によって調製した塗料を厚さ100μmのクリアベースフィルムに塗布して得られた塗膜について、「自記光電分光光度計UV−2100」(株式会社島津製作所製)を用いて測定した光透過率から、下記数5によって定義される線吸収係数で示した。樹脂組成物の透明性は後述する組成から成る樹脂プレートについて、「自記光電分光光度計UV−2100」(株式会社島津製作所製)を用いて前記と同様にして測定した。線吸収係数は値が小さいほど光を透しやすく透明性が高いことを示す。
<数5>
線吸収係数(μm−1)=ln(1/t)/FT
t:λ=900nmにおける光透過率(−)
FT:測定に用いたフィルムの塗膜又は樹脂プレートの厚み(μm)
透明性評価用塗料の作製:
250mlのガラスビンに試料粉体5gを用い、塗料組成を下記割合で配合して3mmφガラスビーズ160gとともにペイントシェーカーで120分間混合分散し、透明性評価塗料を作製した。
試料粉体 9.9 重量部、
メラミン樹脂(スーパーペッカミン J−820−60
:商品名:大日本インキ化学工業株式会社製) 9.8 重量部、
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60EL
:商品名:大日本インキ化学工業株式会社製) 39.6 重量部、
キシレン 29.7 重量部、
ブタノール 1.0 重量部。
透明性評価用水系塗料の作製:
250mlのガラスビンに試料粉体5gを用い、塗料組成を下記割合で配合して3mmφガラスビーズ160gとともにペイントシェーカーで120分間混合分散し、透明性評価塗料を作製した。
試料粉体 10.1 重量部、
水溶性メラミン樹脂 9.3 重量部、
(商品名:S−695:大日本インキ化学工業株式会社製)
水溶性アルキッド樹脂 40.7 重量部、
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業株式会社製)
消泡剤 0.2 重量部、
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ株式会社製)
水 28.2 重量部、
ブチルセロソルブ 11.5 重量部。
透明性評価用樹脂組成物の作製:
試料粉体0.5gとポリ塩化ビニル樹脂粉末(103EP8D:商品記号:日本ゼオン株式会社製)49.5gとを秤量し、これらを100mlポリビーカーに入れ、スパチュラでよく混合して混合粉末を得た。
得られた混合粉末にステアリン酸カルシウムを1.0g加えて混合し、160℃に加熱した熱間ロールのクリアランスを0.2mmに設定した後、上記混合粉末を少しずつロールにて練り込んで樹脂組成物が一体となるまで混練を続けた後、樹脂組成物をロールから剥離して着色樹脂プレート原料として用いた。次に、表面研磨されたステンレス板の間に上記樹脂組成物を挟んで180℃に加熱したホットプレス内に入れ、98,000kPa(1トン/cm2)の圧力で加圧成形して厚さ1mmの透明性評価用着色樹脂プレートを得た。
塗料の貯蔵安定性は、後述する処方によって調製した各塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS−G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して製造した塗膜のL*値、a*値及びb*値と、該塗料を25℃において1週間静置して得られた塗料を冷間圧延鋼板に塗布、乾燥して製造した塗膜のL*値、a*値及びb*値を測定し、下記数6に従って得られたΔE*値で示した。
<数6>
ΔE*値=((ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2)1/2
ΔL*値: 比較する塗膜の静置前後のL*値の差
Δa*値: 比較する塗膜の静置前後のa*値の差
Δb*値: 比較する塗膜の静置前後のb*値の差
塗料粘度については、後述する処方によって調製した塗料の25℃における塗料粘度をE型粘度計(コーンプレート型粘度計)EMD−R(株式会社東京計器製)を用いて、ずり速度D=1.92 sec−1における値を求めた。
有機無機複合顔料の樹脂組成物への分散性は、得られた着色樹脂プレート表面における未分散の凝集粒子の個数を目視により判定し、5段階で評価した。5が最も分散状態が良いことを示す。
5: 未分散物認められず、
4: 1cm2当たり1個以上5個未満、
3: 1cm2当たり5個以上10個未満、
2: 1cm2当たり10個以上50個未満、
1: 1cm2当たり50個以上。
<発明の実施の形態>
<有機無機複合粒子粉末の製造>
酸化チタン粒子粉末(粒子形状:粒状、平均粒子径0.24μm、BET比表面積値11.6m2/g、「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値94.15、a*値1.06、b*値2.22、C*値2.46、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」による測定値:L*値96.31、a*値1.06、b*値−1.66、C*値1.97、隠蔽力1,490cm2/g、耐光性ΔE*値6.86)20kgを凝集を解きほぐすために、純水150lに攪拌機を用いて邂逅し、更に「TKパイプラインホモミクサー」(特殊機化工業株式会社製)を3回通して酸化チタン粒子粉末を含むスラリーを得た。
次いで、この酸化チタン粒子粉末を含むスラリーを横型サンドグラインダー「マイティーミルMHG−1.5L」(井上製作所株式会社製)を用いて軸回転数2000rpmにおいて5回パスさせて、酸化チタン粒子粉末を含む分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーの325mesh(目開き44μm)における篩残分は0%であった。この分散スラリーを濾別、水洗して、酸化チタン粒子粉末のケーキを得た。この酸化チタン粒子粉末のケーキを120℃で乾燥した後、乾燥粉末11.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、294N/cm(30Kg/cm)で30分間混合撹拌を行い、粒子の凝集を軽く解きほぐした。
次に、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:GE東芝シリコーン株式会社製)110gを200mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記酸化チタン粒子粉末に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
次に、有機顔料B−1(種類:フタロシアニン系顔料、粒子形状:粒状、平均粒子径0.06μm、BET比表面積値71.6m2/g、隠蔽力240cm2/g、「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値5.20、a*値9.14、b*値−21.84、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」による測定値:L*値17.70、a*値9.72、b*値−23.44、耐光性ΔE*値10.84)1,100gを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に392N/cm(40Kg/cm)の線荷重で20分間、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上に有機顔料B−1を付着させた後、乾燥機を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、有機無機複合粒子粉末を得た。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
得られた有機無機複合粒子粉末からなる有機無機複合顔料は、平均粒子径が0.24μmの粒状粒子粉末であった。BET比表面積値は13.8m2/g、「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値は64.33、a*値は−5.68、b*値は−29.36、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」による測定値:L*値64.67、a*値1.06、b*値−31.42、着色力は138%、隠蔽力は1,520cm2/g、耐光性ΔE*値は2.48であり、有機顔料の脱離率は2.5%であった。メチルトリエトキシシランから生成したオルガノシラン化合物の被覆量はSi換算で0.15重量%であり、付着している有機顔料の量は、C換算で6.04重量%(酸化チタン粒子粉末100重量部に対して10重量部に相当する)であった。
電子顕微鏡写真観察の結果、有機顔料B−1がほとんど認められないことから、有機顔料B−1のほぼ全量がメチルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物被覆に付着していることが認められた。
<有機無機複合顔料を含む溶剤系塗料の製造>
前記有機無機複合顔料10gとアミノアルキッド樹脂及びシンナーとを下記割合で配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
有機無機複合顔料 12.2重量部、
アミノアルキッド樹脂 19.5重量部、
(アミラックNo.1026:関西ペイント株式会社製)
シンナー 7.3重量部。
前記ミルベースを用いて、下記割合となるようにアミノアルキッド樹脂を配合し、ペイントシェーカーで更に15分間混合分散して、有機無機複合顔料を含む溶剤系塗料を得た。
ミルベース 39.0重量部、
アミノアルキッド樹脂 61.0重量部。
(アミラックNo.1026:関西ペイント株式会社製)
得られた溶剤系塗料の塗料粘度は1,024cP、塗料の貯蔵安定性は、ΔE*値で0.83であった。
次いで、前記溶剤系塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して得られた塗膜の光沢度は91%、色相は「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値が67.13、a*値が−5.32、b*値が−28.64、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」による測定値:L*値67.41、a*値−5.32、b*値−30.74、耐光性ΔE*値が2.81であった。
<有機無機複合顔料を含む水系塗料の製造>
前記有機無機複合顔料7.62gと水溶性アルキッド樹脂等とを下記割合で3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いでペイントシェーカーで90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
有機無機複合顔料 12.4重量部、
水溶性アルキッド樹脂 9.0重量部、
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業株式会社製)
消泡剤 0.1重量部、
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ株式会社製)
水 4.8重量部、
ブチルセロソルブ 4.1重量部。
前記ミルベースを用いて、塗料組成を下記割合で配合してペイントシェーカーで更に15分間混合分散して、有機無機複合顔料を含有する水系塗料を得た。
ミルベース 30.4重量部、
水溶性アルキッド樹脂 46.2重量部、
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業株式会社製)
水溶性メラミン樹脂 12.6重量部、
(商品名:S−695:大日本インキ化学工業株式会社製)
消泡剤 0.1重量部、
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ株式会社製)
水 9.1重量部、
ブチルセロソルブ 1.6重量部。
得られた水系塗料の塗料粘度は2,560cP、貯蔵安定性はΔE*値で0.86であった。
次いで、前記水系塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して得られた塗膜の光沢度は88%、色相は「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値が65.13、a*値が−5.63、b*値が−29.26、多光源分光測色計MSC−IS−2D」による測定値:L*値65.44、a*値−5.63、b*値−31.33、耐光性ΔE*値が2.72であった。
<樹脂組成物の製造>
前記有機無機複合顔料2.5gとポリ塩化ビニル樹脂粉末103EP8D(日本ゼオン株式会社製)47.5gとを秤量し、これらを100mlポリビーカーに入れ、スパチュラでよく混合して混合粉末を得た。
得られた混合粉末にステアリン酸カルシウムを0.5g加えて混合し、160℃に加熱した熱間ロールのクリアランスを0.2mmに設定した後、前記混合粉末を少しずつロールにて練り込んで樹脂組成物が一体となるまで混練を続けた後、樹脂組成物をロールから剥離して着色樹脂プレート原料として用いた。
次に、表面研磨されたステンレス板の間に上記樹脂組成物を挟んで180℃に加熱したホットプレス内に入れ、98,000kPa(1トン/cm2)の圧力で加圧成形して厚さ1mmの着色樹脂プレートを得た。得られた着色樹脂プレートの分散状態は5であり、色相は「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値が66.31、a*値が−5.84、b*値が−28.65、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」による測定値:L*値66.60、a*値−5.84、b*値−30.75、耐光性はΔE*値で2.95であった。
<溶剤系顔料分散体の製造>
前記有機無機複合顔料を下記顔料分散体構成基材とともに下記割合で配合し、サンドグラインダーミルを用いて分散処理を行い、溶剤系顔料分散体を作製した。
有機無機複合顔料 12.2重量部、
アミノアルキッド樹脂 6.1重量部、
(アミラックNo.1026:関西ペイント株式会社製)
シンナー 12.2重量部。
<溶剤系塗料の製造>
前記溶剤系顔料分散体を用いて、下記割合となるようにアミノアルキッド樹脂を配合し、ペイントシェーカーで15分間混合分散して、有機無機複合顔料を含む溶剤系塗料を得た。
溶剤系顔料分散体 30.5重量部、
アミノアルキッド樹脂 69.5重量部。
(アミラックNo.1026:関西ペイント株式会社製)
得られた溶剤系塗料の塗料粘度は608cP、塗料の貯蔵安定性は、ΔE*値で0.84であった。
次いで、前記溶剤系塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して得られた塗膜の光沢度は105%、色相は「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値が67.72、a*値が−5.36、b*値が−28.09、「多光源分光測色計 MSC−IS−2D」による測定値)L*値が67.99、a*値が−5.36、b*値が−30.22、耐光性ΔE*値が2.65であった。
<水系顔料分散体の製造>
前記有機無機複合顔料を下記顔料分散体構成基材とともに下記割合で配合し、サンドグラインダーミルを用いて分散処理を行い、水系顔料分散体を作製した。
有機無機複合顔料 17.5重量部、
水溶性アルキッド樹脂 3.5重量部、
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業株式会社製)
消泡剤 0.1重量部、
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ株式会社製)
水 7.5重量部、
ブチルセロソルブ 6.4重量部。
前記ミルベースを用いて、塗料組成を下記割合で配合してペイントシェーカーで更に15分間混合分散し水系性塗料を得た。
<水系塗料の製造>
水系顔料分散体 35.0重量部、
水溶性アルキッド樹脂 30.0重量部、
(商品名:S−118:大日本インキ化学工業株式会社製)
水溶性メラミン樹脂 10.8重量部、
(商品名:S−695:大日本インキ化学工業株式会社製)
消泡剤 0.1重量部、
(商品名:ノプコ8034:サンノプコ株式会社製)
水 24.1重量部、
得られた水系塗料の塗料粘度は1,291cP、貯蔵安定性はΔE*値で0.85であった。
次いで、前記水系塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して得られた塗膜の光沢度は95%、色相は「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値が65.45、a*値が−5.59、b*値が−29.38、「多光源分光測色計 MSC−IS−2D」による測定値:L*値が65.76、a*値が−5.59、b*値が−31.44、耐光性ΔE*値が2.61であった。
<マスターバッチペレットの製造>
ポリ塩化ビニル樹脂粉末103EP8D(日本ゼオン株式会社製)80.0重量部に対して上記有機無機複合顔料20.0重量部を二軸混練機により160℃で混練、押出後、切断をして円柱状(平均短径3mm、平均直径3mm)のマスターバッチペレットを得た。
<樹脂組成物の製造>
前記マスターバッチペレット25.0重量部とポリ塩化ビニル樹脂粉末103EP8D(日本ゼオン株式会社製)74.5重量部及びステアリン酸カルシウム0.5重量部とをリボンブレンダーで混合したものを着色樹脂プレート原料として用いた。
次に、表面研磨されたステンレス板の間に上記樹脂組成物を挟んで180℃に加熱したホットプレス内に入れ、98,000kPa(1トン/cm2)の圧力で加圧成形して厚さ1mmの着色樹脂プレートを得た。得られた着色樹脂プレートの分散状態は5であり、色相は「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値が66.51、a*値が−5.72、b*値が−28.92、「多光源分光測色計 MSC−IS−2D」による測定値:L*値が66.80、a*値が−5.72、b*値が−31.01、耐光性ΔE*値は2.84であった。
次に、実施例及び比較例を示す。
芯粒子1〜5:
芯粒子粉末として表1に示す特性を有する白色無機粒子粉末を用意した。
芯粒子6:
芯粒子1の酸化チタン粒子粉末20kgと水150lとを用いて、酸化チタン粒子粉末を含むスラリーを得た。得られた酸化チタン粒子粉末を含む再分散スラリーのpH値を、水酸化ナトリウム水溶液を用いて10.5に調整した後、該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/lに調整した。このスラリー150lを加熱して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lのアルミン酸ナトリウム溶液5444ml(酸化チタン粒子粉末に対してAl換算で1.0重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されている酸化チタン粒子粉末を得た。
このときの製造条件を表2に、得られた表面処理済み酸化チタン粒子粉末の諸特性を表3に示す。
芯粒子7〜10:
芯粒子2〜5の各白色無機粒子粉末を用い、表面被覆物の種類及び量を種々変化させた以外は、前記芯粒子6と同様にして粒子表面が被覆物で被覆されている白色無機粒子粉末を得た。
このときの製造条件を表2に、得られた表面処理済み白色無機粒子粉末の諸特性を表3に示す。
尚、表面処理工程における被覆物の種類のAはアルミニウムの水酸化物であり、Sはケイ素の酸化物を表わす。
有機顔料:
有機顔料として表4に示す諸特性を有する有機顔料を用意した。
実施例1〜14、比較例1〜5:
糊剤による被覆工程における添加物の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間、有機顔料の付着工程における有機顔料の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして有機無機複合顔料を得た。
このときの製造条件を表5に、得られた有機無機複合顔料の諸特性を表6に示す。
なお、実施例4では、有機顔料Y−1 100gを 20gづつ5回に分けて添加した後、更に、Y−2 50gを25gづつ2回に分けて添加した。実施例13では、有機顔料B−1 50gと有機顔料Y−2 50gをあらかじめヘンシェルミキサー等で混合した後、該混合顔料100gを200分かけて添加した。実施例14では、有機顔料G−1 150gを15gづつ10回に分けて添加した。
<複数の有色付着層を有する有機無機複合粒子粉末>
実施例15:
酸化チタン粒子粉末(粒子形状:粒状、平均粒子径0.24μm、BET比表面積値11.6m2/g、色相は「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値94.15、a*値1.06、b*値2.22、C*値2.46、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」による測定値:L*値96.31、a*値1.06、b*値−1.66、C*値1.97、隠蔽力1,490cm2/g、耐光性ΔE*値6.86)20kgを凝集を解きほぐすために、純水150lに攪拌機を用いて邂逅し、更に「TKパイプラインホモミクサー」(特殊機化工業株式会社製)を3回通して酸化チタン粒子粉末を含むスラリーを得た。
次いで、この酸化チタン粒子粉末を含むスラリーを横型サンドグラインダー「マイティーミルMHG−1.5L」(井上製作所株式会社製)を用いて軸回転数2000rpmにおいて5回パスさせて、酸化チタン粒子粉末を含む分散スラリーを得た。
得られた分散スラリーの325mesh(目開き44μm)における篩残分は0%であった。この分散スラリーを濾別、水洗して、酸化チタン粒子粉末のケーキを得た。この酸化チタン粒子粉末のケーキを120℃で乾燥した後、乾燥粉末11.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、294N/cm(30Kg/cm)で30分間混合撹拌を行い、粒子の凝集を軽く解きほぐした。
次に、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:GE東芝シリコーン株式会社製)110gを200mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記酸化チタン粒子粉末に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で20分間混合攪拌を行った。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
次に、有機顔料B−1(種類:フタロシアニン系顔料、粒子形状:粒状、平均粒子径0.06μm、BET比表面積値71.6m2/g、隠蔽力240cm2/g、「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値5.20、a*値9.14、b*値−21.84、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」による測定値:L*値17.70、a*値9.72、b*値−23.44、耐光性ΔE*値10.84)2,200gを、エッジランナーを稼動させながら20分間かけて添加し、更に392N/cm(40Kg/cm)の線荷重で60分間、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上にフタロシアニンブルーが付着している中間顔料を得た。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
メチルトリエトキシシランの被覆量と有機顔料B−1の付着量とを確認するために、得られた中間顔料の一部を分取し、乾燥機を用いて105℃で60分間加熱処理を行った。メチトリエトキシシランの被覆量は、Si換算で0.15重量%であり、有機顔料B−1の付着量はC換算で10.96重量%(酸化チタン粒子粉末100重量部に対して20重量部に相当する)であった。電子顕微鏡写真観察の結果、有機顔料B−1がほとんど認められないことから、有機顔料B−1のほぼ全量がメチルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物被覆層に付着していることが認められた。
次に、ジメチルポリシロキサン(商品名:TSF451:GE東芝シリコーン株式会社製)220gを、エッジランナーを稼動させながら上記中間顔料に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行って、表面にジメチルポリシロキサンが被覆されている中間顔料を得た。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
次に、有機顔料B−2(種類:フタロシアニン系顔料、粒子形状:粒状、平均粒子径0.08μm、BET比表面積値56.3m2/g、隠蔽力272cm2/g、「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値6.00、a*値−11.60、b*値−23.56、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」による測定値:L*値17.32、a*値−11.60、b*値−26.53、耐光性ΔE*値10.21)2200gを、エッジランナーを稼動させながら20分間かけて添加し、更に392N/cm(40Kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行い、有機顔料B−1付着層にジメチルポリシロキサンを介して有機顔料B−2を付着させた後、乾燥機を用いて105℃で60分間熱処理を行って、有機無機複合粒子粉末を得た。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
得られた有機無機複合顔料は、平均粒子径が0.25μmの粒状粒子粉末であった。BET比表面積値は11.8m2/g、「ポータブル分光色彩計 カラーガイド45/0」による測定値:L*値62.14、a*値7.24、b*値−19.92、「多光源分光測色計MSC−IS−2D」による測定値:L*値は62.67、a*値は7.24、b*値は−23.07、着色力は217%、隠蔽力は1,810cm2/g、耐光性ΔE*値は2.36であり、有機顔料の脱離率は6.2%であった。ジメチルポリシロキサンの被覆量がSi換算で0.70重量%、有機顔料の総付着量がC換算で18.84重量%(酸化チタン粒子粉末100重量部に対して40重量部に相当する)であった。
電子顕微鏡写真観察の結果、有機顔料B−2がほとんど認められないことから、有機顔料のほぼ全量が、ジメチルポリシロキサン被覆層に付着していることが認められた。
このときの製造条件を表7及び表8に、得られた有機無機複合粒子からなる有機無機複合顔料の諸特性を表11に示す
実施例16〜39、比較例6〜16:
芯粒子の種類、第一有色付着層の付着工程における糊剤の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間、有機顔料の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間並びに第二有色付着層の付着工程における糊剤の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間、有機顔料の種類、添加量、エッジランナー処理の線荷重及び時間を種々変化させた以外は、前記実施例15と同様にして有機無機複合顔料を得た。
このときの製造条件を表7乃至表10に、得られた有機無機複合粒子粉末の諸特性を表11乃至表13に示す
なお、中間顔料5は、有機顔料Y−1 150gを150分かけて添加した。中間顔料7は、有機顔料R−1 100gを150分かけて添加した。中間顔料8は、有機顔料Y−1 150gを15gづつ10回に分けて添加した。
実施例20は、有機顔料B−2 75gを25gづつ3回に分けて添加した。実施例23は、有機顔料B−2 100gを100分かけて添加した。実施例24は、有機顔料R−2 100gを100分かけて添加した。実施例29は、有機顔料Y−2 150gを150分かけて添加した。実施例30は、有機顔料Y−1 80gを20gづつ4回に分けて添加した。実施例32は、有機顔料Y−2 200gを200分かけて添加した。
<溶剤系塗料>
実施例40〜78、比較例17〜40:
有機無機複合顔料の種類を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして溶剤系塗料を得た。
得られた塗料の諸特性及び塗膜の諸特性を表14乃至表18に示す。
<溶剤系顔料分散体>
実施例79〜100:
有機無機複合顔料の種類、顔料分散体構成基材における樹脂及び溶剤の種類及び添加量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして溶剤系顔料分散体を得た。
このときの製造条件を表19に示す。
<溶剤系塗料>
実施例101〜116:
溶剤系顔料分散体及び樹脂の種類及び添加量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして溶剤系塗料を得た。
このときの製造条件を表20に、得られた溶剤系塗料及び塗膜の諸特性を表21に示す。
<水系塗料>
実施例117〜155、比較例41〜64:
有機無機複合顔料の種類を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして水系塗料を得た。
得られた水系塗料の諸特性及び塗膜の諸特性を表22乃至表26に示す。
<水性顔料分散体>
実施例156〜177:
有機無機複合顔料の種類、水性顔料分散体構成基材における樹脂、添加剤及び溶剤の種類及び添加量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして水性顔料分散体を得た。
このときの製造条件を表27及び表28に示す。
<水系塗料>
実施例178〜193:
水性顔料分散体、樹脂、添加剤及び溶剤の種類及び添加量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして水系塗料を得た。
このときの製造条件を表29に、得られた水系塗料及び塗膜の諸特性を表30に示す。
<樹脂組成物>
実施例194〜232、比較例65〜88:
有機無機複合顔料の種類を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして樹脂組成物を得た。
このときの製造条件及び得られた樹脂組成物の諸特性を表31乃至表35に示す。
<マスターバッチペレット>
実施例233〜254:
有機無機複合顔料の種類及び樹脂の種類及び添加量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にしてマスターバッチペレットを得た。
このときの製造条件を表36に示す。
<樹脂組成物>
実施例255〜270:
マスターバッチペレット、樹脂及び添加剤の種類及び添加量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして樹脂組成物を得た。
このときの製造条件を表37に、得られた樹脂組成物の諸特性を表38に示す。