JP2013014160A - 車両の車体後部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】バックドア開口の開閉時に、バックドアから車体後部に衝撃力が与えられるとしても、車体後部の損傷を防止して、車体後部の寿命の向上を達成できるようにする。
【解決手段】車体2の幅方向に並設されるサイドアウタパネル21の上部とルーフパネル4との互いの対向縁部27,28が溶接S2され、両パネル21,4の後端縁部によりバックドア開口8の開口縁部9が形成される。上、下方回動A,Bしてバックドア開口8を開閉可能とするバックドアの枢支用枢支具13がルーフパネルの後端部に取り付けられる。両対向縁部27,28の下側に配置され、一部分38aが両対向縁部27,28に第1溶接W1される補強パネル38が設けられる。補強パネル38の一部分38aに車体2の幅方向で隣り合う補強パネル38の他部分38bがルーフパネル4に第2溶接W2される。補強パネル38の一部分38aと他部分38bとの各面方向が互いに相違させられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体の幅方向に並設されるサイドアウタパネルの上部、およびルーフパネルと、これらパネルを補強する補強パネルとを互いに溶接した車両の車体後部構造に関するものである。
上記車両の車体後部構造には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車体幅方向でサイドアウタパネルの上部とルーフパネルとが並設され、これら両パネルの車体の幅方向での互いの対向縁部が上下に重ねられて溶接されている。そして、上記両パネルの後端縁部によりバックドア開口の開口縁部が形成され、このバックドア開口を開閉可能とするバックドアの枢支用枢支具が上記ルーフパネルの後端部に取り付けられている。一方、上記両対向縁部の下側に配置され、その一部分が上記両対向縁部に溶接される補強パネルが設けられている。この補強パネルは上記両対向縁部や上記バックドア開口の開口縁部を補強する。
そして、上記枢支具を中心として上記バックドアを上方回動させれば、上記バックドア開口が開けられる。一方、上記バックドアを下方回動させれば、上記バックドア開口が閉じられるようになっている。
特開2002−211442号公報
ところで、上記バックドアが勢いよく上方回動、もしくは下方回動して上記バックドア開口が開けられ、もしくは閉じられる場合には、上記バックドアの回動時に生じていた慣性力により、上記枢支具が取り付けられたルーフパネルの後端部や、上記バックドア開口の閉時にバックドアが衝突するバックドア開口の開口縁部に衝撃力が与えられる。また、この衝撃力は、上記ルーフパネルの後端部や上記開口縁部を介するなどして上記サイドアウタパネルの上部とルーフパネルとの上記両対向縁部にも与えられる。
ここで、前記従来の技術では、両パネルの両対向縁部に補強パネルが重ねられて三枚重ね部とされ、この三枚重ね部の各パネル部分が互いに溶接されている。そして、仮に、前記した衝撃力が上記三枚重ね部に対し、その厚さ方向に向かって引張力として与えられたとすると、これらの溶接部には引張応力のみが生じがちとなる。すると、この場合には、上記補強パネルの存在にかかわらず、上記三枚重ね部の各パネル部は互いに剥離しようとして車体後部が損傷しがちとなる。そして、これは、車体後部の寿命を低下させるものであって好ましくない。
そこで、上記両対向縁部をより補強しようとして、これら両対向縁部に対する上記補強パネルの溶接部を多くしたり、他の補強パネルを設けたりすることが考えられる。しかし、このようにすると、上記車体後部の構成が複雑になるおそれが生じて好ましくない。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車体後部に枢支されたバックドアの上、下方回動によるバックドア開口の開閉時に、上記バックドアから車体後部に衝撃力が与えられるとしても、これによる車体後部の損傷を防止して、その寿命の向上を達成できるようにし、かつ、これが簡単な構成で達成できるようにすることである。
請求項1の発明は、車体2の幅方向に並設されるサイドアウタパネル21の上部とルーフパネル4との互いの対向縁部27,28を溶接S2し、上記両パネル21,4の後端縁部によりバックドア開口8の開口縁部9を形成し、上、下方回動A,Bしてこのバックドア開口8を開閉可能とするバックドア12の枢支用枢支具13を上記ルーフパネルの後端部に取り付け、上記両対向縁部27,28の下側に配置され、その一部分38aが上記両対向縁部27,28に第1溶接W1される補強パネル38を設けた車両の車体後部構造において、
上記補強パネル38の一部分38aに車体2の幅方向で隣り合う上記補強パネル38の他部分38bを上記ルーフパネル4に第2溶接W2し、上記補強パネル38の一部分38aと他部分38bとの各面方向を互いに相違させたことを特徴とする車両の車体後部構造である。
請求項2の発明は、上記サイドアウタパネル21の内面に対面するサイドインナパネル22を設け、これらサイドアウタパネル21とサイドインナパネル22との各後端部でリヤピラー25を形成し、上記ルーフパネル4の後端部の下面に沿って車体2の幅方向に延び、その長手方向の各端部が上記各リヤピラー25の上端部に溶接されると共に、各後端縁部が上記ルーフパネル4の後端縁部に溶接されるリヤヘッダパネル33を設け、上記サイドインナパネル22の後端部とリヤヘッダパネル33とのそれぞれ車体2の前後方向における各中途部を屈曲させてこれらの各屈曲線41,42を互いに連続するよう形成し、この屈曲線41,42の近傍で、上記リヤヘッダパネル33に上記補強パネル38の更に他部分38cを第3溶接W3したことを特徴とする請求項1に記載の車両の車体後部構造である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、車体の幅方向に並設されるサイドアウタパネルの上部とルーフパネルとの互いの対向縁部を溶接し、上記両パネルの後端縁部によりバックドア開口の開口縁部を形成し、上、下方回動してこのバックドア開口を開閉可能とするバックドアの枢支用枢支具を上記ルーフパネルの後端部に取り付け、上記両対向縁部の下側に配置され、その一部分が上記両対向縁部に第1溶接される補強パネルを設けた車両の車体後部構造において、
上記補強パネルの一部分に車体の幅方向で隣り合う上記補強パネルの他部分を上記ルーフパネルに第2溶接し、上記補強パネルの一部分と他部分との各面方向を互いに相違させており、次の効果が生じる。
即ち、上記バックドアが勢いよく上方回動、もしくは下方回動して上記バックドア開口が開けられ、もしくは閉じられる場合には、上記バックドアの回動時に生じていた慣性力により、上記枢支具が取り付けられたルーフパネルの後端部や、上記バックドア開口の閉時にバックドアが衝突するバックドア開口の開口縁部に衝撃力が与えられる。また、この衝撃力は、上記ルーフパネルの後端部や上記開口縁部を介するなどして上記サイドアウタパネルの上部とルーフパネルとの上記両対向縁部にも与えられる。
ここで、仮に、上記したように互いに第1溶接されている上記両対向縁部と補強パネルの一部分とに対し、その厚さ方向に向かって上記衝撃力が引張力として与えられたとすると、上記第1溶接部には引張応力のみが生じがちとなって、上記両対向縁部と補強パネルの一部分とは互いに剥離しようとして車体後部が損傷しがちとなる。
しかし、上記発明によれば、補強パネルの一部分と上記ルーフパネルに第2溶接されている補強パネルの他部分とは各面方向が互いに相違している。このため、上記両対向縁部と補強パネルの一部分とに対しその厚さ方向に向かうよう与えられる衝撃力は、上記したように互いに第2溶接されている上記ルーフパネルと補強パネルの他部分とに対してはその厚さ方向を避けて、より面方向に向かうよう与えられる。
よって、上記衝撃力は上記第2溶接部に対し剪断力として与えられることから、この第2溶接による上記ルーフパネルと補強パネルの他部分との結合は強固に維持されて、これらルーフパネルと補強パネルの他部分との互いの剥離が防止される。そして、上記第2溶接による上記した強固な結合により、上記第1溶接による両対向縁部と補強パネルの一部分との結合も維持されて、これら両対向縁部と補強パネルの一部分との互いの剥離も防止される。
また、上記とは逆に、仮に、上記したように互いに第2溶接されている上記ルーフパネルと補強パネルの他部分とに対し、その厚さ方向に向かって上記衝撃力が引張力として与えられたとすると、この衝撃力は、上記したように互いに第1溶接されている上記両対向縁部と補強パネルの一部分とに対してはその厚さ方向を避けて、より面方向に向かうよう与えられる。つまり、上記衝撃力は上記第1溶接部に対し剪断力として与えられる。よって、上記と同様に、上記第1、第2溶接による結合が維持されて、上記剥離が防止される。
上記の結果、車体後部に枢支されたバックドアの上、下方回動によるバックドア開口の開閉時に、上記バックドアから車体後部に衝撃力が与えられるとしても、これによる車体後部の損傷が防止されて、この車体後部の寿命の向上が達成可能とされる。
また、上記した車体後部の寿命の向上は、上記サイドアウタパネルとルーフパネルとに対し第1、第2溶接される補強パネルの一部分と他部分との各面方向を互いに相違させたことによるものであって、上記サイドアウタパネルやルーフパネルへの補強パネルの溶接部を多くしたり、他の補強パネルを設けたりしないで足りることから、上記した車体後部の寿命向上という効果は、簡単な構成で達成可能とされる。また、このように上記効果が簡単な構成で達成される分、車体を軽量にでき、かつ、車体の製造コストを安価にできると共に生産性の向上も達成される。
請求項2の発明は、上記サイドアウタパネルの内面に対面するサイドインナパネルを設け、これらサイドアウタパネルとサイドインナパネルとの各後端部でリヤピラーを形成し、上記ルーフパネルの後端部の下面に沿って車体の幅方向に延び、その長手方向の各端部が上記各リヤピラーの上端部に溶接されると共に、各後端縁部が上記ルーフパネルの後端縁部に溶接されるリヤヘッダパネルを設け、上記サイドインナパネルの後端部とリヤヘッダパネルとのそれぞれ車体の前後方向における各中途部を屈曲させてこれらの各屈曲線を互いに連続するよう形成し、この屈曲線の近傍で、上記リヤヘッダパネルに上記補強パネルの更に他部分を第3溶接している。
このため、それ自体に剛性を有すると共に、互いに連続するよう形成されて互いに補強し合う上記各屈曲線周りの上記サイドインナパネルとリヤヘッダパネルとの各部分によって、上記補強パネルの更に他部分が補強される。よって、このように補強された補強パネルにより、上記両対向縁部がより補強されて、これら両対向縁部の互いの剥離が更に防止されることから、車体後部の寿命の向上が、より確実に達成可能とされる。
図3の部分拡大詳細図である。 図1で示したものの斜視図である。 車体後部の右側部平面図である。 図1のIV−IV線矢視拡大断面図である。 図1のV−V線矢視拡大断面図である。 図1のVI−VI線矢視拡大断面図である。
本発明の車両の車体後部構造に関し、車体後部に枢支されたバックドアの上、下方回動によるバックドア開口の開閉時に、上記バックドアから車体後部に衝撃力が与えられるとしても、これによる車体後部の損傷を防止して、その寿命の向上を達成できるようにし、かつ、これが簡単な構成で達成できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、車体の幅方向に並設されるサイドアウタパネルの上部とルーフパネルとの互いの対向縁部が溶接され、上記両パネルの後端縁部によりバックドア開口の開口縁部が形成される。上、下方回動してこのバックドア開口を開閉可能とするバックドアの枢支用枢支具が上記ルーフパネルの後端部に取り付けられる。上記両対向縁部の下側に配置され、その一部分が上記両対向縁部に第1溶接される補強パネルが設けられる。上記補強パネルの一部分に車体の幅方向で隣り合う上記補強パネルの他部分が上記ルーフパネルに第2溶接される。上記補強パネルの一部分と他部分との各面方向が互いに相違させられる。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図において、符号1は、自動車で例示される車両である。また、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。また、下記する左右とは、上記前方に向かっての車両1の車体2の幅方向をいうものとする。
上記車体2は板金製で、左右各側部を構成する側壁3と、これら左右側壁3の各上端縁部に架設されて車体2の上面部を構成するルーフパネル4とを備えている。これら各側壁3とルーフパネル4とで囲まれた車体2の内部が車室5とされる。上記車体2後部の後面には上記車室5を車体2の外部に連通させるバックドア開口8が形成され、このバックドア開口8の開口縁部9には弾性のシール10が取り付けられている。
上記バックドア開口8をその後方から開閉可能とするバックドア12が設けられる。このバックドア12は、その下部側が上、下方回動A,B可能となるようその上端部が左右一対の枢支具13によって上記ルーフパネル4の後端部に枢支されている。上記枢支具13は、上記ルーフパネル4の後端部に締結具14により固着される枢支ブラケット15と、軸心が車体2の幅方向に延び、この枢支ブラケット15に上記バックドア12を枢支させる枢支軸16とを備えている。
上記の場合、車体2の幅方向の車体中心19を基準として、この車体2およびバックドア12はそれぞれ左右対称形とされ、かつ、上記左右枢支具13は左右対称位置に配置されている。
前記側壁3は、車体2の幅方向で少し離れて互いに対面するサイドアウタパネル21とサイドインナパネル22とを有している。これら両パネル21,22の各後端縁部は互いにスポット溶接S1されて、前記バックドア開口8の側部の開口縁部9を形成している。上記サイドアウタパネル21の後端部はピラーアウタパネル23を構成し、上記サイドインナパネル22の後端部はピラーインナパネル24を構成している。そして、これら両ピラーアウタ、ピラーインナパネル23,24によって中空断面形状で剛性が大きいリヤピラー25が形成され、このリヤピラー25は車体2の骨格部材とされている。
上記側壁3のサイドアウタパネル21の上部と前記ルーフパネル4とは車体2の幅方向で並設されており、これらサイドアウタパネル21とルーフパネル4との車体2の幅方向での互いの対向縁部27,28は上下に重ねられてスポット溶接S2されている。なお、上記両対向縁部27,28の間にはシーラーが介設されている。また、上記両対向縁部27,28と上記側壁3のサイドインナパネル22の上端縁部の一部分とは三枚重ねとされてスポット溶接S3(スポット溶接S2と兼用)されている。
上記側壁3のサイドアウタパネル21の上部とルーフパネル4とにおいて、それぞれその各後端部を除くそれぞれの前部側では、上記サイドアウタパネル21の対向縁部27とルーフパネル4の対向縁部28とはそれぞれその一般部から見て下り段差部とされている。そして、前記したように上記両対向縁部27,28は互いにスポット溶接S2されている。これにより、上記サイドアウタパネル21の上部の上記前部側からルーフパネル4の上記前部側への車体2の幅方向での遷移部には、前後方向に延びる屈曲部30が形成されている。この屈曲部30は、その長手方向の各部断面が倒立ハット形状とされて大きい剛性を有している。
上記ルーフパネル4の後端部の下面に沿って車体2の幅方向に延び、その長手方向の各端縁部が上記各リヤピラー25の上端部にスポット溶接S4,S5されるリヤヘッダパネル33が設けられる。具体的には、このリヤヘッダパネル33の上記端縁部の後部は上記両対向縁部27,28と三枚重ねでスポット溶接S4(スポット溶接S2と兼用)され、上記リヤヘッダパネル33の上記端縁部の前部側は上記サイドインナパネル22のピラーインナパネル24の上端縁部にスポット溶接S5されている。
また、上記リヤヘッダパネル33の長手方向の各端部の後端縁部は上記ルーフパネル4の後端縁部にスポット溶接S6されている。これらリヤヘッダパネル33とルーフパネル4との各後端縁部は、前記バックドア開口8の上部の開口縁部9を形成している。
上記リヤヘッダパネル33は、その長手方向の各端部側を構成する側部ヘッダパネル34と、上記リヤヘッダパネル33の長手方向の中途部を構成する中途部ヘッダパネル35とを互いに別体として備えている。上記側部ヘッダパネル34は上記中途部ヘッダパネル35よりも大きい板厚とされて、より大きい強度と剛性とを有している。そして、上記側部ヘッダパネル34は、前記したようにリヤピラー25の上端部にスポット溶接S4,S5され、かつ、ルーフパネル4の後端縁部にスポット溶接S6されている。また、上記側部ヘッダパネル34と中途部ヘッダパネル35との車体2の幅方向における互いの対向端部は互いに上下に重ねられてスポット溶接S7,S8されている。この場合、上記側部ヘッダパネル34と中途部ヘッダパネル35との上記両対向端部の後部は、上記ルーフパネル4と三枚重ねとされてスポット溶接S8されている。
前記側壁3のサイドアウタパネル21の上部とルーフパネル4との上記両対向縁部27,28の下側で、その下面近傍に補強パネル38が配置されている。この補強パネル38は全体として車体2の前後方向に長く延び、その長手方向で見て各部断面がハット形状となるよう一枚の板をプレス加工により屈曲形成されている。また、この補強パネル38は、上記側壁3のサイドアウタパネル21やルーフパネル4よりも大きい板厚とされている。これにより、上記補強パネル38は、それ自体に十分に大きい強度と剛性とを有している。
上記補強パネル38の前後方向の中途部を構成する一部分38aは、上記両対向縁部27,28と三枚重ねとされて第1溶接W1され、上記両対向縁部27,28とバックドア開口8の開口縁部9とを補強している。また、上記補強パネル38の前後方向の中途部を構成し、上記一部分38aに車体2の幅方向で隣り合う上記補強パネル38の他部分38bが上記ルーフパネル4の部分に第2溶接W2されている。このルーフパネル4の部分は、上記屈曲部30の後端部と車体2の幅方向で隣接している。この場合、上記補強パネル38の一部分38aと他部分38bとの各面方向は互いに相違させられている。具体的には、車体2の側面視(図4)で、上記補強パネル38の一部分38aと他部分38bとの各面方向の交角は30〜40°とされているが、30〜90°であってもよい。
また、上記第1,第2溶接W1,W2部は前後で互いに偏位し、かつ、上下方向でも互いに偏位している。
上記補強パネル38の後端部である更に他部分38cは、上記リヤヘッダパネル33の側部ヘッダパネル34に第3溶接W3されている。また、上記補強パネル38の前端部である更に他部分38dは、上記リヤヘッダパネル33の側部ヘッダパネル34に第4溶接W4されている。つまり、上記補強パネル38は、上記リヤヘッダパネル33の側部ヘッダパネル34に前後両端支持により強固に支持されている。
上記第1〜第4溶接W1〜W4はスポット溶接であるが、栓溶接などのアーク溶接であってもよい。
上記側壁3のサイドインナパネル22の後端部(ピラーインナパネル24)とリヤヘッダパネル33とのそれぞれ車体2の前後方向での中途部が屈曲させられて、前、後屈曲線41,42が形成されている。車体2を外方から見て、上記前屈曲線41は谷折れ線で、上記後屈曲線42は山折れ線とされる。上記側壁3のサイドインナパネル22の後端部の前、後屈曲線41,42と、リヤヘッダパネル33の前、後屈曲線41,42とは、互いに円滑に連続するよう形成され、これら各屈曲線41,42は、これら自身の剛性により、その各近傍部分をそれぞれ補強し、かつ、上記バックドア開口8の上側部の開口縁部9を補強している。
ここで、従来、一般に、上記リヤピラー25、屈曲部30、およびルーフパネル4の後端部の三部材の集合部を補強するため、深絞りによる三叉形状の補強パネルが設けられている。この場合、このような深絞りの補強パネルに対し上記したような屈曲線41,42を円滑に連続するよう形成することは容易でない。そこで、上記構成の車体2の後部では、上記した深絞りによる三叉形状の補強パネルに代えて、上記リヤヘッダパネル33を設けている。このため、前記したように、側壁3のサイドインナパネル22の後端部の前、後屈曲線41,42と、リヤヘッダパネル33の前、後屈曲線41,42とを互いに円滑に断点なく連続するよう形成することが容易にできることとされている。
上記前、後屈曲線41,42の間で、かつ、これら各屈曲線41,42の近傍で、上記リヤヘッダパネル33の側部ヘッダパネル34に上記補強パネル38の更に他部分38cが上記したように第3溶接W3されている。
そして、図7中一点鎖線で示すように、上記枢支具13を中心として上記バックドア12を上方回動Aさせれば、上記バックドア開口8が開けられる。また、図4〜7中二点鎖線で示すように、上記バックドア12を下方回動Bさせれば、このバックドア12が上記シール10を介し開口縁部9に当接することにより、上記バックドア開口8が閉じられるようになっている。
上記構成によれば、補強パネル38の一部分38aに車体2の幅方向で隣り合う上記補強パネル38の他部分38bを上記ルーフパネル4に第2溶接W2し、上記補強パネル38の一部分38aと他部分38bとの各面方向を互いに相違させており、次の効果が生じる。
即ち、上記バックドア12が勢いよく上方回動A、もしくは下方回動Bして上記バックドア開口8が開けられ、もしくは閉じられる場合には、上記バックドア12の回動A,B時に生じていた慣性力により、上記枢支具13が取り付けられたルーフパネル4の後端部や、上記バックドア開口8の閉時にバックドア12が衝突するバックドア開口8の開口縁部9に衝撃力が与えられる。また、この衝撃力は、上記ルーフパネル4の後端部や上記開口縁部9を介するなどして上記サイドアウタパネル21の上部とルーフパネル4との上記両対向縁部27,28にも与えられる。
ここで、仮に、上記したように互いに第1溶接W1されている上記両対向縁部27,28と補強パネル38の一部分38aとに対し、その厚さ方向に向かって上記衝撃力が引張力として与えられたとすると、上記第1溶接W1部には引張応力のみが生じがちとなって、上記両対向縁部27,28と補強パネル38の一部分38aとは互いに剥離しようとして車体2後部が損傷しがちとなる。
しかし、上記構成によれば、補強パネル38の一部分38aと、上記ルーフパネル4に第2溶接W2されている補強パネル38の他部分38bとは各面方向が互いに相違している。このため、上記両対向縁部27,28と補強パネル38の一部分38aとに対しその厚さ方向に向かうよう与えられる衝撃力は、上記したように互いに第2溶接W2されている上記ルーフパネル4と補強パネル38の他部分38bとに対してはその厚さ方向を避けて、より面方向に向かうよう与えられる。
よって、上記衝撃力は上記第2溶接W2部に対し剪断力として与えられることから、この第2溶接W2による上記ルーフパネル4と補強パネル38の他部分38bとの結合は強固に維持されて、これらルーフパネル4と補強パネル38の他部分38bとの互いの剥離が防止される。そして、上記第2溶接W2による上記した強固な結合により、上記第1溶接W1による両対向縁部27,28と補強パネル38の一部分38aとの結合も維持されて、これら両対向縁部27,28と補強パネル38の一部分38aとの互いの剥離も防止される。
また、上記とは逆に、仮に、上記したように互いに第2溶接W2されている上記ルーフパネル4と補強パネル38の他部分38bとに対し、その厚さ方向に向かって上記衝撃力が引張力として与えられたとすると、この衝撃力は、上記したように互いに第1溶接W1されている上記両対向縁部27,28と補強パネル38の一部分38aとに対してはその厚さ方向を避けて、より面方向に向かうよう与えられる。つまり、上記衝撃力は上記第1溶接W1部に対し剪断力として与えられる。よって、上記と同様に、上記第1、第2溶接W1,W2による結合が維持されて、上記剥離が防止される。
上記の結果、車体2後部に枢支されたバックドア12の上、下方回動A,Bによるバックドア開口8の開閉時に、上記バックドア12から車体2後部に衝撃力が与えられるとしても、これによる車体2後部の損傷が防止されて、この車体2後部の寿命の向上が達成可能とされる。
また、上記したように、バックドア12から車体2後部に衝撃力が与えられるとき、サイドアウタパネル21の上部とルーフパネル4との上記両対向縁部27,28の互いの結合は強固に維持されるため、これら両対向縁部27,28が部分的に互いに離反しようとして変形することも防止される。よって、上記両対向縁部27,28の間に介設されているシーラーの一部が上記両対向縁部27,28から剥がれたり、上記シーラーの一部に割れが発生したりすることは防止される。この結果、これら両対向縁部27,28の間のシール性が良好に保持されると共に、シーラーの剥がれ部や割れ部内への水の浸入による錆の発生も防止される。
また、上記した車体2後部の寿命の向上は、上記サイドアウタパネル21とルーフパネル4とに対し第1、第2溶接W1,W2される補強パネル38の一部分38aと他部分38bとの各面方向を互いに相違させたことによるものであって、上記サイドアウタパネル21やルーフパネル4への補強パネル38の溶接部を多くしたり、他の補強パネルを設けたりしないで足りることから、上記した車体2後部の寿命向上という効果は、簡単な構成で達成可能とされる。また、このように上記効果が簡単な構成で達成される分、車体2を軽量にでき、かつ、車体2の製造コストを安価にできると共に生産性の向上も達成される。
また、前記したように、サイドアウタパネル21の内面に対面するサイドインナパネル22を設け、これらサイドアウタパネル21とサイドインナパネル22との各後端部でリヤピラー25を形成し、上記ルーフパネル4の後端部の下面に沿って車体2の幅方向に延び、その長手方向の各端部が上記各リヤピラー25の上端部に溶接されると共に、各後端縁部が上記ルーフパネル4の後端縁部に溶接されるリヤヘッダパネル33を設け、上記サイドインナパネル22の後端部とリヤヘッダパネル33とのそれぞれ車体2の前後方向における各中途部を屈曲させてこれらの各屈曲線41,42を互いに連続するよう形成し、この屈曲線41,42の近傍で、上記リヤヘッダパネル33に上記補強パネル38の更に他部分38cを第3溶接W3している。
このため、それ自体に剛性を有すると共に、互いに連続するよう形成されて互いに補強し合う上記各屈曲線41,42周りの上記サイドインナパネル22とリヤヘッダパネル33との各部分によって、上記補強パネル38の更に他部分38cが補強される。よって、このように補強された補強パネル38により、上記両対向縁部27,28がより補強されて、これら両対向縁部27,28の互いの剥離が更に防止されることから、車体2後部の寿命の向上が、より確実に達成可能とされる。
また、前記したように、屈曲部30と補強パネル38とは、それぞれ車体2の前後方向に長く延び、その長手方向の各部断面が倒立ハット形状、もしくはハット形状とされてそれぞれ大きい剛性を有している。また、上記リヤヘッダパネル33の側部ヘッダパネル34と中途部ヘッダパネル35とのうち、より剛性が大きい側部ヘッダパネル34に対し上記補強パネル38は前後両端支持により強固に支持されている。そして、上記屈曲部30の後端部と補強パネル38の前端部とは車体2の幅方向で互いに隣接するよう配置され、かつ、上記屈曲部30の後方近傍に上記補強パネル38の後部側が前後に連続するよう配置されている。
このため、上記屈曲部30と補強パネル38とは、互いに効果的に補強し合いつつ、車体2の前後方向で断点なく連続的に配置されることから、上記屈曲部30と補強パネル38とは上記ルーフパネル4の後端部、バックドア開口8の開口縁部9、および両対向縁部27,28など車体2後部を極めて効果的に補強する。よって、前記したバックドア12からの衝撃力により車体2後部が損傷することは、より確実に防止されて、この車体2後部の寿命の向上が、より確実に達成される。
なお、以上は図示の例によるが、上記屈曲線41,42は、いずれか一本のみを形成してもよい。
1 車両
2 車体
3 側壁
4 ルーフパネル
5 車室
8 バックドア開口
9 開口縁部
12 バックドア
13 枢支具
21 サイドアウタパネル
22 サイドインナパネル
25 リヤピラー
27 対向縁部
28 対向縁部
30 屈曲部
33 リヤヘッダパネル
34 側部ヘッダパネル
35 中途部ヘッダパネル
38 補強パネル
38a 一部分
38b 他部分
38c 更に他部分
38d 更に他部分
41 屈曲線
42 屈曲線
A 上方回動
B 下方回動
S1〜S7 スポット溶接
W1 第1溶接
W2 第2溶接
W3 第3溶接
W4 第4溶接

Claims (2)

  1. 車体の幅方向に並設されるサイドアウタパネルの上部とルーフパネルとの互いの対向縁部を溶接し、上記両パネルの後端縁部によりバックドア開口の開口縁部を形成し、上、下方回動してこのバックドア開口を開閉可能とするバックドアの枢支用枢支具を上記ルーフパネルの後端部に取り付け、上記両対向縁部の下側に配置され、その一部分が上記両対向縁部に第1溶接される補強パネルを設けた車両の車体後部構造において、
    上記補強パネルの一部分に車体の幅方向で隣り合う上記補強パネルの他部分を上記ルーフパネルに第2溶接し、上記補強パネルの一部分と他部分との各面方向を互いに相違させたことを特徴とする車両の車体後部構造。
  2. 上記サイドアウタパネルの内面に対面するサイドインナパネルを設け、これらサイドアウタパネルとサイドインナパネルとの各後端部でリヤピラーを形成し、上記ルーフパネルの後端部の下面に沿って車体の幅方向に延び、その長手方向の各端部が上記各リヤピラーの上端部に溶接されると共に、各後端縁部が上記ルーフパネルの後端縁部に溶接されるリヤヘッダパネルを設け、上記サイドインナパネルの後端部とリヤヘッダパネルとのそれぞれ車体の前後方向における各中途部を屈曲させてこれらの各屈曲線を互いに連続するよう形成し、この屈曲線の近傍で、上記リヤヘッダパネルに上記補強パネルの更に他部分を第3溶接したことを特徴とする請求項1に記載の車両の車体後部構造。
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WO2021060305A1 (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 東レ株式会社 触媒の充填方法

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