JP2013013985A - 工作機械及びそれを用いた加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成でありながらコンタリング加工を行うことが可能な工作機械を提供する。
【解決手段】コイルスプリング28を介してヘッド支持盤24に支持された多軸ヘッド14には、複数個の工具12と、ガイドバー46a、46bとが設けられる。一方、多軸ヘッド14に対して相対的に接近又は離間するワーク保持盤18にはガイドブッシュ52a、52bが設けられる。ガイドブッシュ52a、52bに外嵌された偏心スピンドル50a、50bがコンタリング用モータ62a、62bの作用下に偏心した状態で回転動作したとき、ガイドブッシュ52a、52bに係合したガイドバー46a、46bが、その軌跡が円形状となるように変位する。従って、多軸ヘッド14も円形状の軌跡を描くように変位し、これによりコンタリング動作を営む。
【選択図】図1

Description

本発明は、多軸ヘッドに設けられた複数個の工具によってワークに加工を施す工作機械及びそれを用いた加工方法に関する。
車両に搭載されるエンジンのシリンダブロックやミッションケース等をはじめとする各種の構造部材は、例えば、複数個の工具を配設した多軸ヘッド(ギャングヘッドとも称呼される)を備える工作機械を用い、ワークに対する機械加工を施すことで作製される。この種の工作機械は、特許文献1の図6にも示されるように、多軸ヘッドと、ワークを保持するワーク保持盤とを有し、通常、多軸ヘッドにガイドバーが設けられるとともに、ワーク保持盤にガイドブッシュが設けられる。
ワークに機械加工を施す際には、例えば、多軸ヘッドをワーク保持盤に接近させる。この接近の際に前記ガイドバーが前記ガイドブッシュに進入して係合するので、多軸ヘッドは、ガイドバー及びガイドブッシュに案内されながらワーク保持盤にさらに接近する。そして、多軸ヘッドとワーク保持盤との間が所定の距離となると、予め回転動作された工具によってワークに機械加工が施される。
ここで、ワークに対してネジ穴を形成したいときには、図8A、図8Bに示すように、下穴形成加工とタップ加工が行われる。すなわち、先ず、図8Aに示すドリル1を回転動作させながらワーク2に埋入させ、下穴形成加工を行う。その結果、図8Bに示すように下穴3が形成される。
次に、該下穴3に対してネジ切りタップ4を進入させる。これによりタップ加工が行われ、図8Cに示すように、下穴3の側壁にネジ部5が形成される。すなわち、下穴3がネジ穴6となる。
最後に、図8Cに示す面取り具7によって、ネジ穴6の開口に対して面取り加工を行い、面取り部8を形成する。この工程をもって、ネジ穴形成加工が終了する。
以上の説明から諒解されるように、1個のネジ穴6を形成するためには、少なくとも3種類の工具が必要となる。すなわち、多数の工具を用意しなければならない。従って、特に、工作機械によって複数個のネジ穴6を同時に形成しようとする場合には、設備投資が顕著に高騰する。
しかも、この場合、ドリル1を取り付けた多軸ヘッドを使用した後、ネジ切りタップ4を取り付けた多軸ヘッドに交換し、さらに、面取り具7を取り付けた多軸ヘッドに交換しなければならない。すなわち、少なくとも3個の多軸ヘッドが必要である。このことも、設備投資を高騰させる一因となる。
さらに、多軸ヘッドを交換するために所定の時間が必要であるので、ネジ穴形成加工を開始してから終了するまでのサイクルタイムを短くすること、換言すれば、ネジ穴を効率よく形成することが容易ではない。
このような不具合を回避するべく、本出願人は、特許文献2において、穿孔加工、タップ加工及び面取り加工の全てを実施することが可能なネジ切り工具を提案している。このネジ切り工具によれば、特許文献2の図10及び図11に示されるように、該ネジ切り工具をワークに埋入させる前進動作時に下穴形成加工を行うとともに、該ネジ切り工具をワークから離脱させる後退動作時にタップ加工及び面取り加工を行うことが可能である。
ここで、特許文献2の図10(c)に示されるように、下穴の側壁にネジ部を形成するためには、ネジ切り工具の回転中心を下穴の中心軸線からオフセットさせた状態で回転させる必要がある。これを実現するべく工具をコンタリング動作させることが想起されるが、このためには、多軸ヘッドをコンタリング動作させる必要がある。
しかしながら、一般的な工作機械は、ワーク保持盤に対して多軸ヘッドが前進又は後退する(又は、多軸ヘッドに対してワーク保持盤が前進又は後退する)ことのみが可能なように構成されているため、工具もワークに対して前進又は後退することのみが可能である。すなわち、通常、工作機械は、プランジング加工を行うことのみが可能なように構成されており、コンタリング加工を行うようには構成されていない。
また、精密なネジ穴を形成するためには、相当な重量物であり且つ形状が大なる多軸ヘッドを高精度に制御しながらコンタリング動作させる必要があるが、このような高精度の制御を行うこと自体、容易ではない。
特許文献3には、工具が偏心した状態で回転することが可能な多軸ヘッドを有する工作機械が開示されている。これは、第1の回転駆動手段によって工具を自転させるとともに第2の回転駆動手段によって工具を公転させ、これにより工具を偏心させた状態で回転させる(すなわち、コンタリング動作させる)ものである。
この工作機械によれば、工具のみがコンタリング動作を行うので、工具を交換することなく穿孔加工に引き続いてタップ加工を行うことが可能となるとも推察される。
特開平7−164222号公報 特許第3831167号公報 特開平5−57513号公報
特許文献3記載の技術では、コンタリング動作させるための機構を全ての工具に設けるようにしている。このため、工作機械の構成が複雑化する。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、簡素な構成でコンタリング加工を行うことが可能な工作機械及びそれを用いた加工方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、工具が設けられた多軸ヘッドと、前記工具によって加工が施されるワークを保持するワーク保持盤とを備える工作機械であって、
弾性部材を介して前記多軸ヘッドを支持する支持体と、
前記多軸ヘッドに設けられた第1案内用係合部材と、
前記ワーク保持盤に設けられ、前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するときに前記第1案内用係合部材と互いに係合する第2案内用係合部材と、
前記第2案内用係合部材に外嵌された偏心スピンドルと、
前記偏心スピンドルを回転させることで、前記第2案内用係合部材を偏心した状態で回転させることが可能な回転駆動手段と、
を有することを特徴とする。
この構成において、第1案内用係合部材と第2案内用係合部材とが互いに係合したとき、回転駆動手段の作用下に偏心スピンドルを回転させると、該偏心スピンドルが外嵌された第2案内用係合部材が偏心した状態で回転する。このため、第2案内用係合部材に対して係合した第1案内用係合部材が、その軌跡が円形状となるように変位する。すなわち、公転運動する。
これに伴って、第1案内用係合部材が設けられた多軸ヘッド、ひいては多軸ヘッドに設けられた工具も公転運動する。このようにして工具が自転運動に加えて公転運動を行うことにより、該工具がコンタリング動作を営む。このため、工具を交換することなくコンタリング加工を実施することが可能となる。
勿論、回転駆動手段を付勢しない場合には、偏心スピンドルが回転することはない。従って、このときには、コンタリング加工ではなくプランジング加工が実施される。
要するに、本発明に係る工作機械によれば、1種類の工具でプランジング加工とコンタリング加工を選択的に実施することが可能である。しかも、コンタリング加工を行うには、偏心スピンドルと、該偏心スピンドルを回転動作させるための回転駆動手段とを設ければよいので、構成が複雑になることが回避される。
そして、1種類の工具でプランジング加工とコンタリング加工を実施し得るので、プランジング加工を行う工具から、コンタリング加工を行う工具に交換する必要がない。従って、多種類且つ多数の工具を用意する必要もない。その上、プランジング加工を行う工具が設けられた多軸ヘッドを、コンタリング加工を行う工具が設けられた多軸ヘッドに交換する必要もない。このため、多軸ヘッドの個数を低減することもできる。以上のような理由から、設備投資が低廉化する。
また、上記したように多軸ヘッドを交換する必要が特にないので、多軸ヘッドの交換作業に要していた分だけ、加工を開始してから終了するまでの時間を短縮することができる。すなわち、加工を効率よく遂行することができる。
コンタリング加工は、例えば、多軸ヘッドがワーク保持盤に対して相対的に離間するときに実施することができる。すなわち、第2案内用係合部材に対して第1案内用係合部材が係合している間、回転駆動手段を付勢する。これにより、上記したようにして第2案内用係合部材が偏心した状態で回転し、多軸ヘッドがコンタリング動作を行う。
一方、多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するときには、上記と同様にコンタリング加工を施すようにしてもよいが、プランジング加工を施すようにしてもよい。なお、この場合においても第1案内用係合部材と第2案内用係合部材とが互いに係合するので、上記したように回転駆動手段を付勢することなく停止した状態とすればよい。これにより偏心スピンドルが停止したままであるので、第1案内用係合部材、ひいては多軸ヘッドが公転運動を行うことはなく、従って、工具がコンタリング動作を営むこともない。
多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するときにプランジング加工を行い、且つ相対的に離間するときにコンタリング加工を行う好適な一例としては、ネジ穴形成加工が挙げられる。すなわち、プランジング加工によってワークに対して下穴を形成した後、前記多軸ヘッドを公転運動させて前記工具をコンタリング動作させながら下穴から離脱する方向に変位させる。これにより、前記下穴の側壁に対してネジ部が螺刻される。
また、本発明は、弾性部材を介して支持体に支持された多軸ヘッドに設けられた工具によって、ワーク保持盤に保持されたワークに対して加工を施す、工作機械を用いた加工方法であって、
前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するとき、前記多軸ヘッドに設けられた第1案内用係合部材と、前記ワーク保持盤に設けられて偏心スピンドルが外嵌された第2案内用係合部材とを互いに係合させ、且つ前記工具によって前記ワークに対して第1の加工を施す工程と、
前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に離間するとき、前記第2案内用係合部材に対して前記第1案内用係合部材が係合している間、回転駆動手段を付勢して前記偏心スピンドルを回転させることで、前記第2案内用係合部材を偏心した状態で回転させて前記多軸ヘッドにコンタリング動作を行わせながら、前記工具によって前記ワークに対して第2の加工であるコンタリング加工を施す工程と、
を有することを特徴とする。
このように、本発明によれば、下加工(第1の加工)と、コンタリング加工による本加工(第2の加工)とを、工具が一往復する間に実施することができる。しかも、第1の加工及び第2の加工の双方を同一の工具で実施することができるので、多種類・多数の工具を用意する必要も、相違する工具が取り付けられた多軸ヘッドを用意する必要もない。従って、設備投資を低廉化しながら、加工を効率よく遂行することができる。
第1の加工は、第2の加工と同様にコンタリング加工であってもよいが、プランジング加工を行うようにしてもよい。この場合、多軸ヘッドがワーク保持盤に対して相対的に接近する際に第1案内用係合部材と第2案内用係合部材とが互いに係合しても、偏心スピンドルを回転動作させなければよい。
このように、多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するときにプランジング加工を行い、且つ相対的に離間するときにコンタリング加工を行う好適な一例としては、上記したネジ穴形成加工が挙げられる。
本発明によれば、偏心スピンドルと、該偏心スピンドルを回転動作させるための回転駆動手段とによって、第1案内用係合部材がワーク保持盤の第2案内用係合部材に係合した多軸ヘッドを公転運動させるようにしているので、多軸ヘッドに設けられた工具によってコンタリング加工を実施することが可能となる。すなわち、簡素な構成でありながら、1種類の工具でプランジング加工とコンタリング加工とを選択的に実施することができる。
このため、多種類・多数の工具を用意する必要や、相違する工具を取り付けた多軸ヘッドを用意する必要がない。従って、設備投資が低廉化する。
また、多軸ヘッドを交換する必要がないので、その分、加工を開始してから終了するまでのサイクルタイムを短縮することができ、結局、加工を効率よく遂行することができる。
本発明の実施の形態に係る工作機械の要部概略斜視図である。 本実施の形態において工具として用いられるネジ切り工具の側面図である。 図2のネジ切り工具の正面図である。 図1の工作機械を構成するワーク保持盤の要部縦断面図である。 図5A及び図5Bは、図2に示す工具を用いたプランジング加工によって下穴を形成するまでの過程を示した一部縦断面正面図であり、図5Cは、工具がコンタリング動作を営み始めた(ネジ部形成を開始した)状態を示した一部縦断面正面図である。 偏心スピンドルが偏心した状態で回転動作する過程を模式的に示した模式正面図である。 図7A及び図7Bは、図2に示す工具を用いたコンタリング加工によってネジ部を形成するまでの過程を示した一部縦断面正面図であり、図7Cは、工具によって面取り加工を行った状態を示した一部縦断面正面図である。 図8A〜図8Cは、従来技術に係るネジ穴形成加工につき、下穴の形成から面取り部の形成までの過程を示した一部縦断面正面図である。
以下、本発明に係る加工方法につき、それを実施するための工作機械との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る工作機械10の要部概略斜視図である。この工作機械10は、複数個の工具12が設けられた多軸ヘッド14と、工具12によって加工が施されるワーク16を保持するワーク保持盤18とを有する。なお、多軸ヘッド14とワーク保持盤18は、実際には同一軸線上で互いに対向しているが、図1においては、工作機械10の構成を明確にするために、多軸ヘッド14及びワーク保持盤18を意図的に若干傾斜させて示している。
前記多軸ヘッド14は、位置決め固定されたワーク保持盤18に対して接近又は離間するように前進・後退動作することが可能である。すなわち、本実施の形態において、多軸ヘッド14は可動盤であり、一方、ワーク保持盤18は固定盤である。
工作機械10は、さらに、案内テーブル20を有する。この案内テーブル20の上端面には2本のレール22a、22bが敷設されるとともに、該レール22a、22bに、ヘッド支持盤24(支持体)が摺動自在に係合する。
ヘッド支持盤24の一端面における四方の隅部近傍には、図示しない変位用シリンダを構成するロッド26a〜26dが連結される。一方、ヘッド支持盤24の残余の一端面には、複数個のコイルスプリング28(弾性部材)を介して前記多軸ヘッド14が支持される。従って、多軸ヘッド14は、前記変位用シリンダが付勢されてロッド26a〜26dが前進・後退動作することに伴ってヘッド支持盤24がワーク保持盤18に対して接近又は離間するように変位したとき、ヘッド支持盤24と一体的に変位する。勿論、この際、ヘッド支持盤24は、前記レール22a、22bに沿って変位(前進又は後退)する。
また、多軸ヘッド14は、前記コイルスプリング28の弾性の範囲内で、ヘッド支持盤24に対して振動可能である。
多軸ヘッド14には、図示しない加工用モータが設けられる。この加工用モータの回転軸は、多軸ヘッド14の内部で、工具12を収容したスピンドル30に対し、ギアトレイン(図示せず)を介して連結されている。すなわち、工具12は、前記加工用モータが付勢されることに追従して前記回転軸及びスピンドル30が回転することに伴って回転する。
本実施の形態において、工具12は、面取り部形成部31が形成されていることを除き、前記特許文献2に示されるネジ切り工具に準拠して構成されている。すなわち、図2及び図3に示すように、このネジ切り工具は、正面すくい面32及び側面すくい面34、ドリル刃36及びネジ切り刃38、正面逃げ面40及び側面逃げ面42を有し、さらに、油孔44が形成されたものであるが、この構成は特許文献2によって公知であるので、それ以上の詳細な説明は省略する。
ネジ切り刃38には、該ネジ切り刃38に比して小径で且つ長尺な胴体45が連なる。前記面取り部形成部31は、この胴体45に連なっている。なお、面取り部形成部31は、テーパー状に拡径するようにして形成されている。
多軸ヘッド14において、工具12が設けられた面(加工面)には、第1案内用係合部材としての2本のガイドバー46a、46bが設けられる。すなわち、ガイドバー46a、46bは、工具12と同様に、ワーク保持盤18に指向して延在する。
一方、ワーク保持盤18には、ガイドバー46a、46bの位置に対応する位置に挿入穴48a、48bが形成されている。これら挿入穴48a、48bには、図4に示すように、偏心スピンドル50a、50bが外嵌されたガイドブッシュ52a、52bが挿入される。なお、挿入穴48a、48bの側壁と偏心スピンドル50a、50bとの間にはベアリング54が介在され、偏心スピンドル50a、50bとガイドブッシュ52a、52bとの間にはスペーサ56が介在される。
略円筒体をなすガイドブッシュ52a、52bには、後述するように、ガイドバー46a、46bが進入して係合する。すなわち、ガイドブッシュ52a、52bは、第2案内用係合部材としての役割を果たす。
偏心スピンドル50a、50bは、周知の通り、偏心した状態で回転動作を行うスピンドルである。すなわち、図1に示すように、偏心スピンドル50a、50bに形成された挿通孔58の中心は、該偏心スピンドル50a、50bを挿入した挿入穴48a、48bの中心からオフセットされた位置にある。一方、ガイドブッシュ52a、52bの貫通孔60の中心は、偏心スピンドル50a、50bの挿通孔58の中心と一致する。
偏心スピンドル50a、50bの近傍には、コンタリング用モータ62a、62bが配設される。すなわち、ワーク保持盤18には、その厚み方向に沿って2個のモータ支持孔64a、64bが貫通形成され、これらモータ支持孔64a、64bに、コンタリング用モータ62a、62bが嵌合されている(図1及び図4参照)。
コンタリング用モータ62a、62bの各回転軸66a、66bには、第1プーリ68a、68bが嵌合される。また、偏心スピンドル50a、50bには第2プーリ70a、70bがそれぞれ外嵌されるとともに、これら第2プーリ70a、70bと前記第1プーリ68a、68bにタイミングベルト72a、72bが巻回される。
ワーク保持盤18には、さらに、ワーク16を保持するためのクランプ爪74a、74bが設けられる。クランプ爪74a、74bは開閉可能であり、クランプ爪74a、74bが閉状態となることによってワーク16が保持され、一方、開状態となることによってワーク16が解放される。
なお、ワーク16としては、車両に搭載される内燃機関を構成するシリンダブロックやシリンダヘッド、又はミッションケース等が例示される。
本実施の形態に係る工作機械10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、該工作機械10を用いて実施される加工方法との関係で説明する。
ワーク16に対して加工を施すに際しては、はじめに、作業者ないしロボットによってワーク保持盤18の所定箇所にワーク16を配置し、クランプ爪74a、74bを閉状態とする。これにより、ワーク16がワーク保持盤18に保持される。
次に、前記加工用モータを付勢し、これにより該加工用モータの回転軸を回転付勢する。回転軸の回転駆動力は前記ギアトレイン及びスピンドル30を介して各工具12に伝達され、その結果、全ての工具12が同期して回転動作を開始する。
次に、前記変位用シリンダを付勢することでロッド26a〜26dを前進動作させ、これにより、ヘッド支持盤24をワーク保持盤18側に指向して前進させる。この際には、ヘッド支持盤24が案内テーブル20上のレール22a、22bに案内されるとともに、多軸ヘッド14がヘッド支持盤24と一体的に変位してワーク保持盤18に接近する。
この変位の途中、多軸ヘッド14に設けられたガイドバー46a、46bの先端が、ワーク保持盤18に設けられたガイドブッシュ52a、52bに進入して係合する。これにより、多軸ヘッド14がワーク保持盤18に対して、ひいては工具12がワーク16に対して位置ズレを起こすことが回避される。そして、図5Aに示すように、工具12(ネジ切り工具)がワーク16に近接する。
多軸ヘッド14がさらに前進すると、図5Bに示すように、工具12のドリル刃36によって穿孔加工が進行し、その結果、下穴80が形成される。この際には、多軸ヘッド14が水平方向に沿って前進するのみであるので、いわゆるプランジング加工が施される。ロッド26a〜26d(図1参照)は、多軸ヘッド14が所定の位置に到達すると、前記変位用シリンダが滅勢されることに伴って停止する。これに伴って、所定の深さの下穴80が得られる。
同時に、工具12の面取り部形成部31によって、下穴80の開口近傍がテーパー状に拡径するように研削される。これにより、面取り部82が形成される。
この状態で、コンタリング用モータ62a、62bが付勢される。これによりコンタリング用モータ62a、62bの回転軸66a、66bと第1プーリ68a、68bが回転動作を開始し、さらに、タイミングベルト72a、72bが周回動作を開始する。その結果、該タイミングベルト72a、72bが巻回された第2プーリ70a、70bが回転動作し始める。
これに追従して、偏心スピンドル50a、50bが回転動作する。図6に模式的に示すように、偏心スピンドル50a、50bの挿通孔58の中心が、該偏心スピンドル50a、50bを挿入した挿入穴48a、48bの中心からオフセットされているため、偏心スピンドル50a、50b、ひいては該偏心スピンドル50a、50bを外嵌したガイドブッシュ52a、52bは、挿入穴48a、48bの中心に対し、偏心した状態で回転動作する。
ガイドブッシュ52a、52bがこのようにして回転動作することに伴い、該ガイドブッシュ52a、52bに係合したガイドバー46a、46bが追従して円形状の軌跡を描くように変位する。これに伴い、ガイドバー46a、46bが設けられた多軸ヘッド14も円形状の軌跡を描くように変位する。すなわち、多軸ヘッド14が公転運動を行う。
なお、この際には、多軸ヘッド14とヘッド支持盤24とを連結するコイルスプリング28が弾性変形を起こし、その一部が、該コイルスプリング28の中心を回転中心として公転運動する。このため、多軸ヘッド14は、ヘッド支持盤24に拘束されることなく公転運動を行うことが可能である。
このようにして多軸ヘッド14が公転運動を行うことにより、工具12は、自転運動に加えて公転運動を行うことになる。その結果、該工具12は、図5Cに示すようにコンタリング動作を営む。その結果、ネジ切り刃38によって、下穴80の側壁に対するネジ切りが開始される。また、面取り部形成部31によって面取り部82が拡径される。
次に、前記変位用シリンダが再付勢されてロッド26a〜26dが後退動作する。これにより、ヘッド支持盤24及び多軸ヘッド14がワーク保持盤18から離間するように後退する。勿論、この際にも、ヘッド支持盤24が案内テーブル20上のレール22a、22bに案内されるとともに、ガイドバー46a、46bがガイドブッシュ52a、52bに案内される。
このようにしてヘッド支持盤24が後退することに伴って、図7A及び図7Bに示すように、工具12がコンタリング動作を続行しながら、下穴80から離脱する方向に後退する。このときに、下穴80の側壁に対してネジ部84が連続的に刻設される。すなわち、タップ加工が施される。最終的に、工具12が下穴80の開口に到達することにより、下穴80に対して大径であり、且つ面取り部82が形成されたネジ穴86が得られる。
その後、ロッド26a〜26dが一層後退すると、工具12がネジ穴86から離脱して全ての加工が終了する。また、ガイドバー46a、46bがガイドブッシュ52a、52bから離脱する。その後、クランプ爪74a、74bを開状態とすれば、ワーク16が解放される。
以上のように、本実施の形態によれば、コンタリング用モータ62a、62b及び偏心スピンドル50a、50bを設けるという簡素な構成によって、多軸ヘッド14にコンタリング動作を営ませることが可能となる。換言すれば、簡素な構成で多軸ヘッド14に設けられた工具12をコンタリング動作させること、すなわち、コンタリング加工を実施することができる。
このため、1種類の工具12によって下穴形成加工、タップ加工及び面取り加工を全て実施することができるので、多種類且つ多数の工具を用意する必要がない。また、多軸ヘッド14は、工具12を設けたものを1個用意すればよく、ドリル1(図8参照)を取り付けたもの、ネジ切りタップ4を取り付けたもの、面取り具7を取り付けたものを個別に用意する必要がない。以上の理由から、設備投資が低廉化する。
しかも、本実施の形態によれば、多軸ヘッド14を交換する必要がないので、その分、ネジ穴形成加工を開始してから終了するまでのサイクルタイムを従来技術に比して短縮することが可能である。このため、ネジ穴86を効率よく形成することができる。
さらに、偏心スピンドル50a、50bを偏心量が相違するものに交換してガイドブッシュ52a、52bに外嵌することにより、直径が相違するネジ穴を形成することも可能である。
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、多軸ヘッド14にガイドブッシュ52a、52bを設ける一方で、ワーク保持盤18にガイドバー46a、46bを設けるようにしてもよい。また、多軸ヘッド14をワーク保持盤18に対して接近・離間するように変位させることに代替し、ワーク保持盤18を多軸ヘッド14に対して接近・離間するように変位させるようにしてもよい。
また、本発明に係る加工方法は、ネジ穴86を形成する場合に特に限定されるものではなく、コンタリング加工を行うことが必要である場合に適用することが可能である。必要に応じ、プランジング加工を行うことなく、最初からコンタリング加工のみを実施するようにしてもよい。この場合、ワーク保持盤18に対して多軸ヘッド14を相対的に接近させるとき、及び離間させるときの双方で、上記したようにして多軸ヘッド14にコンタリング動作を営ませればよい。
さらに、本発明に係る工作機械10は、多軸ヘッド14がコンタリング動作を営むことが可能な構成であるが、コンタリング加工を行う必要がない場合には、コンタリング用モータ62a、62bを停止した状態を維持し、多軸ヘッド14にコンタリング動作を営ませないようにすればよい。すなわち、工作機械10によってプランジング加工のみを実施するようにしてもよい。例えば、上記したネジ切り工具に代替してドリルやリーマを選定し、プランジング加工を実施することによって穿孔加工を行うことも可能である。
さらに、ワーク16がシリンダブロックやシリンダヘッド、ミッションケースに限定されるものではないことはいうまでもない。
1…ドリル 2、16…ワーク
3、80…下穴 4…ネジ切りタップ
5、84…ネジ部 6、86…ネジ穴
7…面取り具 8、82…面取り部
10…工作機械 12…工具
14…多軸ヘッド 18…ワーク保持盤
24…ヘッド支持盤 26a〜26d…ロッド
28…コイルスプリング 46a、46b…ガイドバー
50a、50b…偏心スピンドル 52a、52b…ガイドブッシュ
62a、62b…コンタリング用モータ 68a、68b…第1プーリ
70a、70b…第2プーリ 72a、72b…タイミングベルト
74a、74b…クランプ爪

Claims (7)

  1. 工具が設けられた多軸ヘッドと、前記工具によって加工が施されるワークを保持するワーク保持盤とを備える工作機械であって、
    弾性部材を介して前記多軸ヘッドを支持する支持体と、
    前記多軸ヘッドに設けられた第1案内用係合部材と、
    前記ワーク保持盤に設けられ、前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するときに前記第1案内用係合部材と互いに係合する第2案内用係合部材と、
    前記第2案内用係合部材に外嵌された偏心スピンドルと、
    前記偏心スピンドルを回転させることで、前記第2案内用係合部材を偏心した状態で回転させることが可能な回転駆動手段と、
    を有することを特徴とする工作機械。
  2. 請求項1記載の工作機械において、前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に離間するとき、前記第2案内用係合部材に対して前記第1案内用係合部材が係合している間、前記回転駆動手段が付勢されて前記第2案内用係合部材が偏心した状態で回転することに追従して前記多軸ヘッドがコンタリング動作を行うことで、前記ワークに対してコンタリング加工を施すことを特徴とする工作機械。
  3. 請求項2記載の工作機械において、前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するとき、前記第1案内用係合部材と第2案内用係合部材とが互いに係合し、且つ前記ワークに対してプランジング加工を施すことを特徴とする工作機械。
  4. 請求項3記載の工作機械において、前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するとき、前記ワークに対して下穴を形成する一方、前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に離間するとき、前記ワークに形成された前記下穴に対してネジ部を螺刻することを特徴とする工作機械。
  5. 弾性部材を介して支持体に支持された多軸ヘッドに設けられた工具によって、ワーク保持盤に保持されたワークに対して加工を施す、工作機械を用いた加工方法であって、
    前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するとき、前記多軸ヘッドに設けられた第1案内用係合部材と、前記ワーク保持盤に設けられて偏心スピンドルが外嵌された第2案内用係合部材とを互いに係合させ、且つ前記工具によって前記ワークに対して第1の加工を施す工程と、
    前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に離間するとき、前記第2案内用係合部材に対して前記第1案内用係合部材が係合している間、回転駆動手段を付勢して前記偏心スピンドルを回転させることで、前記第2案内用係合部材を偏心した状態で回転させて前記多軸ヘッドにコンタリング動作を行わせながら、前記工具によって前記ワークに対して第2の加工であるコンタリング加工を施す工程と、
    を有することを特徴とする工作機械を用いた加工方法。
  6. 請求項5記載の加工方法において、前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するとき、前記第1案内用係合部材と前記第2案内用係合部材とが互いに係合するとともに、前記第1の加工としてプランジング加工を行うことを特徴とする工作機械を用いた加工方法。
  7. 請求項6記載の加工方法において、前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に接近するとき、前記プランジング加工によって前記ワークに対して下穴を形成する一方、前記多軸ヘッドが前記ワーク保持盤に対して相対的に離間するとき、前記コンタリング加工によって前記下穴に対してネジ部を螺刻することを特徴とする工作機械を用いた加工方法。
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