JP2013013396A - 酸性大豆素材及びこれを用いた食品 - Google Patents

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【課題】発酵乳やフィルドタイプの発酵乳化物が持つようなコクのある風味を有し、大豆の好ましくない風味も感じにくく、かつ滑らかな食感も併せ持つ酸性大豆素材を提供する。
【解決手段】乾物あたりの蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう、)が蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値が55%以上である大豆乳化組成物を含む原料を乳酸発酵又は酸添加により酸性化して得られることを特徴とする酸性大豆素材。
【選択図】なし

Description

本発明は酸性大豆素材及びこれを用いた洋菓子等の種々の食品に関する。特にヨーグルト類やフレッシュチーズなどのチーズ類と同様の用途に適した酸性大豆素材に関する。
乳原料を乳酸発酵させた発酵乳は、チーズ類やヨーグルト類としてそのまま食され、また他の洋菓子、和菓子、パン、デザート、冷菓、飲料等の加工食品における主原料あるいはトッピング用(飾り付け)、練り込み用、フィリング用、ナッペ用(表面コーチング)などの副原料として利用されている。
また、乳蛋白質として脱脂粉乳等を用いる一方で、乳脂の代わりに植物性油脂を配合し、乳酸発酵させて製造されたフィルドミルクタイプの発酵乳化物が知られている(特許文献1〜4)。この乳化物も上記加工食品へ発酵乳と同様の用途で使用され、様々な機能性及び付加価値を加工食品に付与し、食品産業の発展に寄与している。
一方、蛋白源として大豆蛋白質を利用した発酵大豆素材は、乳脂を使用しないため、健康に良い植物性の発酵素材として期待されており、一般的な発酵乳製品であるチーズやヨーグルトとの代替を目的として一部検討されている。大豆蛋白質を含有する原料としては、豆乳や分離大豆蛋白、大豆粉などの大豆素材が使用されている。しかしながら、製菓・製パン分野における乳の持つコクと爽やかな風味に対する嗜好性は非常に高いものであったため、乳原料と前記大豆素材との置き換えによって植物性発酵素材が当該分野に入り込む余地は従来殆どなかったと言える。また発酵大豆素材もそれ自体の風味で乳風味の持つコクや爽やかさを有するものではなく、大豆独特の渋味や収斂味といった好ましくない風味を感じやすい。さらに、大豆独特の保水性やゲル化性といった物性がヨーグルトやチーズの物性とは異質なものであり、菓子やパンの品質に影響しやすく、さらに乳素材との代替使用への障壁を高くしていた。
特開平11−9175号公報 特開平9−313101号公報 特開2000−279121号公報 特開2004−357522号公報 WO2006/135089号公報
従来の発酵大豆素材の問題を改良すべく、フレーバー等によるマスキング、他素材との混合、プロテアーゼ処理、トランスグルタミナーゼ処理、乳酸菌の種類の選択、乳酸発酵の条件の最適化等の様々なアプローチが採られて来た(特許文献5など)が、未だ製菓・製パン分野への使用に耐えうる発酵大豆素材は限定的である。
そこで本発明は、発酵乳やフィルドタイプの発酵乳化物が持つようなコクのある風味を有し、大豆の好ましくない風味も感じにくく、かつ滑らかな食感も併せ持つ酸性大豆素材を提供することを課題とする。
本発明者らは、原料である大豆素材として豆乳や分離大豆蛋白を用い、種々検討を行ったが、従来の大豆素材を用いても乳のような濃厚なコクを有し、かつ好ましくない風味が抑えられた風味を出すことは、フレーバーを添加しなければ困難であった。また、滑らかな食感を得ることも澱粉や多糖類等の別の素材の添加なしには困難であった。
そこで本発明者らはアプローチを変えてさらに鋭意検討を行う中、特定のユニークな組成を有する大豆素材を原料として使用することにより、濃厚なコクを有し、好ましくない風味も少なく、かつ滑らかな食感を有する酸性大豆素材を見出した。さらに、得られた酸性大豆素材を発酵乳の代わりに使用し、風味及び食感の良好な菓子・パン類を見出し、発明を完成するに到った。
すなわち本発明は、
(1)乾物あたりの蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう、)が蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値が55%以上である大豆乳化組成物を含む原料を乳酸発酵又は酸添加により酸性化して得られることを特徴とする酸性大豆素材、
(2)酸性大豆素材がチーズタイプ又はヨーグルトタイプである、前記(1)記載の素材、
(3)酸性大豆素材が、酸性化後にホエーを分離しカードを回収して得られる、ホエー分離タイプである、前記(1)記載の素材、
(4)酸性大豆素材が、酸性化後にホエーを分離しない、ホエー非分離タイプである、前記(1)記載の素材、
(5)原料を酸性化した後にリン酸塩を添加する、ホエー分離タイプ又はホエー非分離タイプの前記(1)記載の素材、
(6)前記(1)記載の酸性大豆素材を使用した食品、
(7)酸性大豆素材が主原料、又は、練り込み用、フィリング用、トッピング用もしくはナッペ用の副原料として使用されている、前記(2)記載の食品、
(8)前記(1)記載の酸性大豆素材を主原料として使用した、レアチーズケーキ様食品、
(9)前記(1)記載の酸性大豆素材を主原料として使用した、ベイクドチーズケーキ様食品、
(10)乾物あたりの蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう、)が蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値が55%以上である大豆乳化組成物を含む原料を乳酸発酵又は酸添加により酸性化することを特徴とする酸性大豆素材の製造法、
である。
本発明によれば、従来の豆乳や分離大豆蛋白を乳酸発酵させたときに感ずる劣化臭や酢酸臭・収斂味といった好ましくない風味が非常に少ない酸性大豆素材を提供することができる。
そして該酸性大豆素材は、チーズやヨーグルトが利用されている各種食品へ使用することができ、チーズやヨーグルトの一部又は全部の代替が可能である。
一例として、洋生菓子においてはチーズの代替として該酸性大豆素材をレアチーズケーキの主原料に用いれば、チーズで作製したものと遜色ないものにすることも可能であり、コクがあり、且つ大豆由来の爽やかさのある滑らかな食感のレアチーズケーキ様食品を得ることができる。
また、ベイクドチーズケーキの主原料に用いても、チーズで作製したものと外観上遜色なく、かつコクのある風味を有すると共に、食感についてはホクホクとした芋のような食感を有し、通常のベイクドチーズケーキとは別の特徴を有する新しいベイクドチーズケーキ様食品を得ることができる。
本発明の酸性大豆素材は、下記に説明する新規な「大豆乳化組成物」を含む原料を乳酸発酵又は酸添加により酸性化して得られることが特徴である。詳しくは、日本国出願(特願2011−108598号、未公開)に開示される内容を援用するが、以下、該大豆乳化組成物について説明する。
<大豆乳化組成物>
本発明の酸性大豆素材に用いられる新規な大豆乳化組成物は、大豆を由来とし、蛋白質のうち、グリシニンやβ−コングリシニン以外の脂質親和性蛋白質(あるいは別の指標としてリポキシゲナーゼ蛋白質)の割合が特に高く、中性脂質及び極性脂質を多く含む乳化組成物である。すなわち、乾物あたりの蛋白質含量が25重量%以上、乾物あたりの脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が乾物あたりの蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値が55%以上であることを主要な特徴とするものである。
(脂質)
一般に脂質含量はエーテル抽出法で測定されるが、本発明に用いられる大豆乳化組成物中には中性脂質の他にエーテルで抽出されにくい極性脂質も多く含まれるため、本発明における脂質含量は、クロロホルム:メタノールが2:1(体積比)の混合溶媒を用い、常圧沸点において30分間抽出された抽出物量を総脂質量として、脂質含量を算出した値とする。溶媒抽出装置としてはFOSS社製の「ソックステック」を用いることができる。なお上記の測定法は「クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出法」と称するものとする。
本発明に用いられる大豆乳化組成物は、この大豆粉の脂質含量/蛋白質含量の比よりも高い値の脂質を含み、特に極性脂質に富むことが特徴である。該脂質は原料となる大豆に由来する脂質である。
本発明に用いられる大豆乳化組成物の脂質含量は、乾物あたりの蛋白質含量に対して100重量%以上、好ましくは120〜250重量%、さらに好ましくは120〜200重量%であり、蛋白質よりも脂質が多いことが特徴である。また構成に必須ではないが、脂質含量を絶対量で表す場合、乾物あたり35重量%以上、好ましくは40重量%以上であるのが適当である。大豆乳化組成物を繊維質等が除去されたものとすれば脂質含量を乾物あたり50重量%以上にもすることができる。また脂質含量の上限は限定されないが、好ましくは75重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。
(蛋白質)
本発明に用いられる大豆乳化組成物の蛋白質含量は乾物あたり25重量%以上、好ましくは30重量%以上である。また蛋白質含量の上限は限定されないが、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。
○蛋白質含量の分析
本発明における蛋白質含量はケルダール法により窒素量として測定し、該窒素量に6.25の窒素換算係数を乗じて求めるものとする。
○蛋白質の各成分の組成分析
本発明に用いられる大豆乳化組成物の蛋白質の各成分組成はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により分析することができる。
界面活性剤であるSDSと還元剤であるメルカプトエタノールの作用によって蛋白質分子間の疎水性相互作用、水素結合、分子間のジスルフィド結合が切断され、マイナスに帯電した蛋白質分子は固有の分子量に従った電気泳動距離を示ことにより、蛋白質に特徴的な泳動パターンを呈する。電気泳動後に色素であるクマシーブリリアントブルー(CBB)にてSDSゲルを染色した後に、デンシトメーターを用い、全蛋白質のバンドの濃さに対する各種蛋白質分子に相当するバンドの濃さが占める割合を算出する方法により求めることができる。
(リポキシゲナーゼ蛋白質)
本発明に用いられる大豆乳化組成物は、一般に大豆中のオイルボディにはほとんど含まれないリポキシゲナーゼ蛋白質が特定量以上含まれることが大きな特徴であり、大豆乳化組成物中の全蛋白質あたり少なくとも4%以上含有し、好ましくは5%以上含有するものである。
通常の未変性(NSI 90以上)の大豆を原料とした場合ではリポキシゲナーゼ蛋白質は可溶性の状態で存在するため、水抽出すると水溶性画分側へ抽出される。一方、本発明ではリポキシゲナーゼ蛋白質が原料大豆中において加熱処理によって失活され不溶化しているため、不溶性画分側に残る。
蛋白質中におけるリポキシゲナーゼ蛋白質の割合が高まることによって油脂の乳化状態が安定化されるばかりでなく、グロブリン蛋白質を主体とした通常の大豆蛋白質組成では得られない滑らかな物性の食感を得ることができ、また素材にコクのある風味が付与される。
リポキシゲナーゼ蛋白質の場合は通常L-1、L-2、L-3の3種類が存在し、上記の電気泳動法により、リポキシゲナーゼ蛋白質に相当するこれらのバンドの濃さから含量を算出できる。
(脂質親和性蛋白質)
本発明に用いられる大豆乳化組成物は、蛋白質の種類の中では脂質親和性蛋白質(Lipophilic Proteins)が一般の大豆素材より多く含まれることが特徴である。脂質親和性蛋白質は、大豆の主要な酸沈殿性大豆蛋白質の内、グリシニン(7Sグロブリン)とβ−コングリシニン(11Sグロブリン)以外のマイナーな酸沈殿性大豆蛋白質群をいい、レシチンや糖脂質などの極性脂質を多く随伴するものである。以下、単に「LP」と略記することがある。
LPは雑多な蛋白質が混在したものであるが故、各々の蛋白質を全て特定し、LPの含量を厳密に測定することは困難であるが、下記LCI(Lipophilic Proteins Content Index)値を求めることにより推定することができる。これによれば、大豆乳化組成物中の蛋白質のLCI値は通常55%以上であり、好ましくは58%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは63%以上、最も好ましくは65%以上である。
通常の未変性(NSI 90以上)の大豆を原料とした場合ではLPは可溶性の状態で存在するため、水抽出すると水溶性画分側へ抽出される。一方、本発明に用いられる大豆乳化組成物の場合、LPが原料大豆中において加熱処理によって失活され不溶化しているため、不溶性画分側に残る。
蛋白質中におけるLPの割合が高まることによって油脂の乳化状態が安定化されるばかりでなく、グロブリン蛋白質を主体とした通常の大豆蛋白質組成では得られない滑らかな物性の食感を得ることができ、また素材にコクのある風味が付与される。
〔LP含量の推定・LCI値の測定方法〕
(a) 各蛋白質中の主要な蛋白質として、7Sはαサブユニット及びα'サブユニット(α+α')、11Sは酸性サブユニット(AS)、LPは34kDa蛋白質及びリポキシゲナーゼ蛋白質(P34+Lx)を選択し、SDS−PAGEにより選択された各蛋白質の染色比率を求める。電気泳動は表1の条件で行うことが出来る。
(b) X(%)=(P34+Lx)/{(P34+Lx)+(α+α’)+AS}×100(%)を求める。
(c) 低変性脱脂大豆から調製された分離大豆蛋白のLP含量を加熱殺菌前に上記方法1,2の分画法により測定すると凡そ38%となることから、X=38(%)となるよう(P34+Lx)に補正係数k*=6を掛ける。
(d) すなわち、以下の式によりLP推定含量(Lipophilic Proteins Content Index、以下「LCI」と略する。)を算出する。
(表1)
Figure 2013013396
Figure 2013013396
(乾物含量)
本発明に用いられる大豆乳化組成物は通常生クリーム様の性状であり、通常の乾物(dry matter)は20〜30重量%程度であるが、特に限定されるものではない。すなわち加水により低粘度の液状としたものや、濃縮加工されてより高粘度のクリーム状としたものであってもよく、また粉末加工されて粉末状としたものであってもよい。
(大豆乳化組成物の製造態様)
本発明に用いられる大豆乳化組成物は、例えば水溶性窒素指数(Nitrogen Solubility Index、以下「NSI」と称する。)が20〜77、好ましくは20〜70、乾物あたりの脂質含量が15重量%以上の全脂大豆などの含脂大豆に対して、加水して懸濁液を調製する工程の後、該懸濁液を固液分離し、中性脂質及び極性脂質を不溶性画分に移行させて、蛋白質及び糖質を含む水溶性画分を除去し、不溶性画分を回収することにより得ることができる。以下、該製造態様について示す。
・原料大豆及びその加工
大豆乳化組成物の原料である大豆としては、全脂大豆あるいは部分脱脂大豆等の含脂大豆を用いる。部分脱脂大豆としては、全脂大豆を圧搾抽出等の物理的な抽出処理により部分的に脱脂したものが挙げられる。一般に全脂大豆中には脂質が乾物あたり約20〜30重量%程度含まれ、特殊な大豆品種については脂質が30重量%以上のものもあり、特に限定されないが、用いる含脂大豆としては、少なくとも脂質を15重量以上、好ましくは20重量%以上含むものが適当である。原料の形態は、半割れ大豆、グリッツ、粉末の形状でありうる。
過度に脱脂され脂質含量が少なすぎると本発明に用いられる脂質に富む大豆乳化組成物を得ることが困難となる。特にヘキサン等の有機溶媒で抽出され、中性脂質の含量が1重量%以下となった脱脂大豆は、大豆の良い風味が損なわれ好ましくない。
上記含脂大豆は天然の状態では蛋白質の多くが未変性で可溶性の状態にあり、NSIとしては通常90を超えるが、本発明においては、NSIが20〜77好ましくは20〜70になるよう加工処理を施した加工大豆を用いるのが適当である。より好ましいNSIの下限値は40以上、より好ましくは41以上、さらに好ましくは43以上、最も好ましくは45以上とすることができる。より好ましいNSIの上限値は75未満、より好ましくは70未満とすることができ、またさらに65未満、あるいは60未満、あるいは58未満の低NSIのものを用いることができる。
そのような加工大豆は、加熱処理やアルコール処理等の加工処理を行って得られる。加工処理の手段は特に限定されないが、例えば乾熱処理、水蒸気処理、過熱水蒸気処理、マイクロ波処理等による加熱処理や、含水エタノール処理、高圧処理、およびこれらの組み合わせ等が利用できる。
NSIが低すぎると、大豆乳化組成物中の蛋白質の割合が高くなりやすく、蛋白質に対する脂質含量が低くなる。また過加熱による焙煎臭等の雑味が生じやすくなる。逆にNSIが例えば80以上の高い数値になると大豆乳化組成物中の蛋白質の割合が低下し、大豆からの脂質の回収率も低下しやすくなる。また風味は青臭みが強くなる。
例えば過熱水蒸気による加熱処理を行う場合、その処理条件は製造環境にも影響されるため一概に言えないが、おおよそ120〜250℃の過熱水蒸気を用いて5〜10分の間で加工大豆のNSIが上記範囲となるように処理条件を適宜選択すれば良く、加工処理に特段の困難は要しない。簡便には、NSIが上記範囲に加工された市販の大豆を用いることもできる。
なお、NSIは所定の方法に基づき、全窒素量に占める水溶性窒素(粗蛋白)の比率(重量%)で表すことができ、本発明においては以下の方法に基づいて測定された値とする。
すなわち、試料2.0gに100mlの水を加え、40℃にて60分攪拌抽出し、1400×gにて10分間遠心分離し、上清1を得る。残った沈殿に再度100mlの水を加え、40℃にて60分攪拌抽出し、1400×gにて10分遠心分離し、上清2を得る。上清1および上清2を合わせ、さらに水を加えて250mlとする。No.5Aろ紙にてろ過したのち、ろ液の窒素含量をケルダール法にて測定する。同時に試料中の窒素含量をケルダール法にて測定し、ろ液として回収された窒素(水溶性窒素)の試料中の全窒素に対する割合を重量%として表したものをNSIとする。
前記の加工大豆は水抽出の前に、予め乾式又は湿式による粉砕、破砕、圧偏等の組織破壊処理を施されることが好ましい。組織破壊処理に際して、あらかじめ水浸漬や蒸煮により膨潤させても良く、これによって組織破壊に必要なエネルギーを低減させたり、ホエー蛋白質やオリゴ糖等の不快味を持つ成分を溶出させ除去できると共に、保水性やゲル化性の能力が高いグロブリン蛋白質(特にグリシニン及びβ−コングリシニン)の全蛋白質に対する抽出比率、すなわち水溶性画分への移行比率をより高めることができる。
・原料大豆からの水抽出
水抽出は含脂大豆に対して3〜20重量倍、好ましくは4〜15重量倍程度の加水をし、含脂大豆を懸濁させて行われる。加水倍率は高い方が水溶性成分の抽出率が高まり、分離を良くすることができるが、高すぎると濃縮が必要となりコストがかかる。また、抽出処理を2回以上繰り返すと水溶性成分の抽出率をより高めることができる。
抽出温度には特に制限はないが、高い方が水溶性成分の抽出率が高まる反面、油脂も可溶化されやすくなり、大豆乳化組成物の脂質が低くなるため、70℃以下、好ましくは55℃以下で行うと良い。あるいは5〜80℃、好ましくは50〜75℃の範囲で行うこともできる。
抽出pH(加水後の大豆懸濁液のpH)も温度と同様に高いほうが水溶性成分の抽出率が高まる反面、油脂も可溶化されやすくなり、大豆乳化組成物の脂質が低くなる傾向にある。逆にpHが低すぎると蛋白質の抽出率が低くなる傾向にある。具体的には下限をpH6以上、もしくはpH6.3以上、もしくはpH6.5以上に調整して行うことができる。また上限は脂質の分離効率を上げる観点でpH9以下、もしくはpH8以下、もしくはpH7以下に調整して行うことができる。あるいは蛋白質の抽出率を高める観点でpH9〜12のよりアルカリ性側に調整して行うことも可能である。
・水抽出後の固液分離
水抽出後、含脂大豆の懸濁液を遠心分離、濾過等により固液分離する。この際、中性脂質のみならず極性脂質も含めた大部分の脂質を水抽出物中に溶出させず、不溶化した蛋白質や食物繊維質の方に移行させ沈殿側(不溶性画分)とすることが重要である。具体的には含脂大豆の脂質の70重量%以上を沈殿側に移行させる。また抽出の際に上清側にも少量の脂質が溶出するが、豆乳中の脂質のように微細にエマルション化されたものではなく、15,000×g以下、あるいは5,000×g程度以下の遠心分離によっても容易に浮上させ分離することができ、この点で遠心分離機を使用するのが好ましい。なお遠心分離機は使用する設備によっては10万×g以上の超遠心分離を使用することも可能であるし、本発明に用いられる大豆乳化組成物の場合は超遠心分離機を用いなくとも実施が可能である。
また水抽出の際あるいは水抽出後に解乳化剤を添加して豆乳からの脂質の分離を促進させることも可能であり、解乳化剤は特に限定されないが例えば特許文献2に開示されている解乳化剤を使用すればよい。ただし本発明に用いられる大豆乳化組成物を調製する場合は解乳化剤を用いなくとも実施が可能である。
水抽出工程後の固液分離により、中性脂質のみならず極性脂質を不溶性画分に移行させ、これを回収することにより大豆乳化組成物の画分を得ることができる。
固液分離として遠心分離を用いる場合、二層分離方式、三層分離方式のいずれも使用することができる。二層分離方式の場合は沈殿層である不溶性画分を回収する。また三層分離方式を用いる場合は、(1)浮上層(脂質を含む比重の最も小さいクリーム画分)、(2)中間層(脂質が少なく蛋白質、糖質を多く含む水溶性画分)、(3)沈殿層(脂質と食物繊維を多く含む不溶性画分)、の三層の画分に分けられる。この場合、脂質含量の少ない水溶性画分の中間層(2)を除去又は回収し、不溶性画分として浮上層(1)又は沈殿層(3)を回収するか、あるいは(1)と(3)を合わせて回収するとよい。
得られた不溶性画分(1)、(3)はそのまま、あるいは必要により濃縮工程、加熱殺菌工程、粉末化工程等を経て本発明に用いられるの大豆乳化組成物とすることができる。
・食物繊維の除去
得られた不溶性画分が食物繊維を含む場合、例えば上記(3)又は(1)及び(3)の画分である場合、必要により加水し、高圧ホモゲナイザーあるいはジェットクッカー加熱機等による均質化した後、該均質化液をさらに固液分離して上清を回収する工程を経ることにより、食物繊維(オカラ)を除去することもでき、コクのある風味がより濃縮された大豆乳化組成物を得ることができる。該均質化の前後いずれかにおいて必要により加熱処理工程、アルカリ処理工程等を付加することにより蛋白質をより抽出しやすくすることもできる。この場合、乾物あたりの食物繊維含量は10重量%以下であり、5重量%以下がより好ましい。なお、本発明において食物繊維含量は、「五訂増補日本食品標準成分表」(文部科学省、2005)に準じ、酵素−重量法(プロスキー変法)により測定することができる。
(大豆乳化組成物の特徴)
本発明に用いられる上記の新規大豆乳化組成物は、脂質(中性脂質及び極性脂質)及び蛋白質が特定の範囲で含まれ、蛋白質のうち特にLP含量が高く、必要により繊維質も含まれる乳化組成物であり、大豆が本来有する自然な美味しさが濃縮されており、従来の問題とされていた青臭味や収斂味、渋味等の不快味がないか非常に少なく、非常にコクのある風味を有するものである。
通常の大豆粉や分離大豆蛋白に水、油脂を加えて該大豆乳化組成物と類似の組成の乳化組成物にすることは可能であるが、リポキシゲナーゼ蛋白質含量あるいはLCI値を同等なレベルに調整することは困難である。そして本技術により調製された大豆乳化組成物は、このような組み立て製品に比べて格段に風味が良好であり、食品素材としての利用適性が高いことに特徴を有する。
<酸性大豆素材>
上記大豆乳化組成物を含む原料を乳酸発酵又は酸添加により酸性化して得られる酸性大豆素材及びその製造法について説明する。
(原料)
本発明の酸性大豆素材の原料は、上記に説明した特定の組成を有する新規大豆乳化組成物を含むことが特徴である。かかる大豆乳化組成物を使用することにより、従来の豆乳や分離大豆蛋白を乳酸発酵させたときに感ずる劣化臭や酢酸臭及び収斂味といった好ましくない風味が非常に少ない酸性大豆素材を得ることができる。
原料中の該大豆乳化組成物の含量は、30〜100重量%、好ましくは60〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%であることができる。
原料中の乾物あたりの蛋白質含量は、7重量%以上、好ましくは15重量%以上、より好ましくは20重量%以上が適当であり、50重量%以下が好ましい。
原料中の乾物あたりの脂質含量は、10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上が適当であり、75重量%以下が好ましい。また原料中の蛋白質あたりの脂質含量は、100重量%以上が好ましく、120〜250重量%がより好ましく、120〜200重量%がさらに好ましい。
原料中に含まれる大豆蛋白質のLCI値は副原料の添加によっても変わるが、55%以上が適当であり、好ましくは58%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは63%以上、最も好ましくは65%以上である。
原料の水分含量は得られる酸性大豆素材の硬さに影響し、好みの品質にあわせて適宜設定することができ、参考までに40〜95重量%とすることができる。
本発明の酸性大豆素材の原料には、該大豆乳化組成物以外に糖類、油脂、澱粉、蛋白質、pH調整剤、増粘多糖類、ゲル化剤、乳化剤、香料、酸味料、酸化防止剤、キレート剤等の原料や添加剤を適宜加えることができる。
乳酸発酵による酸性化の場合、乳酸菌の栄養源として、必要に応じて資化性糖類を加えてもよい。例えばグルコース、フラクトース、ショ糖、マルトース、ガラクトース、ラクトース、ラフィノース、トレハロース、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖等を用いることができる。これら糖原料は単独でも良いし、2種類以上を組み合わせてもよい。資化性糖類の配合量は、大豆乳化組成物の固形分に対して0〜50重量%が適当であり、0〜20重量%が好ましい。
本発明の酸性大豆素材の脂質量は大豆乳化組成物に由来する脂質量で十分にコクが付与されたものである。そしてさらに脂質を増やしてよりコクを増強したり、酸性大豆素材のボディの硬さ調整等のため、油脂を別途加えることができる。これによって酸性大豆素材中の脂質含量を3〜40重量%にも調整できる。
添加する油脂としては、動植物性油脂又はこれらの硬化油、分別油、エステル交換油、ジグリセリド、中鎖脂肪酸含有油脂などの加工油脂から選択される一種又は2種以上を使用することが出来る。動植物性油脂の例としては大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、落花生油、サル脂、シア脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油、からし油等が挙げられるが、植物性油脂の使用が好ましい。特に口溶けの良好な食感を付与する観点から、パーム分別油、菜種硬化油などが好ましい。油脂の融点は製品の硬さを考慮し適宜選択できるが、5〜40℃が好ましい。
本発明の酸性大豆素材の原料は油脂を別途添加した場合など、必要によりホモゲナイザー等の適当な均質化手段によって均質化することができる。その際の均質化圧力はクリームチーズ様食品の組織の硬さに影響するので、当業者が好みの品質に応じて適宜設定すればよいが、一般には2.5〜15MPa(25〜150kg/cm2)が適当である。
(酸性化)
次に、上記原料を酸性化する。すなわち原料のpHを酸性に調整する。酸性化手段としては、酸を添加する方法、乳酸菌発酵する方法、あるいはそれらを組合せる方法を利用できる。一般にpH3.5〜6.0、好ましくは4〜5.9、より好ましくは5.0〜5.8が適当である。酸添加の場合も同様のpH範囲に調整すればよい。pHが低すぎると酸味が強くなり、ざらつきが生じやすくなる。また、pHが高すぎると酸性化によるサワー感が弱まり、特に乳酸発酵による場合は発酵風味が乏しくなる。
酸添加によってpHを酸性に調整する場合、使用する酸は特に種類に限定なく使用でき、リン酸、塩酸、硫酸等の無機酸や、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、GDL等の有機酸を例示でき、これらを1種単独又は2種以上を混合して使用することができるが、風味上有機酸を用いるのが好ましい。
乳酸発酵によってpHを酸性に調整する場合、乳酸菌は通常のヨーグルト、乳酸菌飲料やチーズ等の発酵乳製品に使用されるものを使用することができ、特に限定されない。例えば、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・アシドフィラス、ラクトバチルス・ラクチス、ラクトバチルス・サリバリウス・サリバリウス、ラクトバチルス・ガリナラム、ラクトバチルス・アミロボラス、ラクトバチルス・ブレビス・ブレビス、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチルス・デルブルッキィ、ラクトバチルス・ジョンソニー、ラクトバチルス・サンフランシスエンシス、ラクトバチルス・パネックス、ラクトバチルス・コモエンシス、ラクトバチルス・イタリカス、ラクトバチルス・ライキマニ、ラクトバチルス・カルバタス、ラクトバチルス・ヒルガルディ、ラクトバチルス・ルテリ、ラクトバチルス・パストリアヌス、ラクトバチルス・ブクネリ、ラクトバチルス・セロビオサス、ラクトバチルス・フルクティボランス、ラクトバシルス・ラクチス・サブスピーシーズ・クレモリス等のラクトバチルス属、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・ジアセチルラクチス等のストレプトコッカス属、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ラクチス、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・クレモリス、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ジアセチラクチス、ラクトコッカス・ラクチス・サブスピーシーズ・ラクチス・バイオバー・ジアセチラクチス等のラクトコッカス属、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・クレモリス、ロイコノストック・ラクチス、ロイコノストック・シュードメセンテオリデス等のロイコノストック属等を用いることができる。また、ケフィア菌など、乳酸菌以外の酵母等の微生物が混合されたスターターを用いることも可能である。
また本発明ではビフィドバクテリウム属も乳酸菌に含まれるものとし、例えばビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、ビフィドバクテリウム・アンギュラータム、ビフィドバクテリウム・カテニュラータム、ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム、ビフィドバクテリウム・デンティウム、ビフィドバクテリウム・グロボズム、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム、ビフィドバクテリウム・クニキュリ、ビフィドバクテリウム・コエリナム、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・サーモフィラム、ビフィドバクテリウム・ボウム、ビフィドバクテリウム・マグナム、ビフィドバクテリウム・アステロイデス、ビフィドバクテリウム・インディカム、ビフィドバクテリウム・ガリカム、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・イノピナータム、ビフィドバクテリウム・デンティコレンス、ビフィドバクテリウム・プローラム、ビフィドバクテリウム・スイス、ビフィドバクテリウム・ガリナーラム、ビフィドバクテリウム・ルミナンティウム、ビフィドバクテリウム・メリシカム、ビフィドバクテリウム・サーキュラーレ、ビフィドバクテリウム・ミニマム、ビフィドバクテリウム・サブチル、ビフィドバクテリウム・コリネフォルメ等が挙げられる。また、これらの乳酸菌は単独や2種類以上の任意の組み合わせでも使用することができる。
乳酸菌の添加量は、発酵温度、発酵時間に応じて調整することができる。発酵条件は、10〜50℃で3〜48時間、好ましくは15〜45℃で4〜30時間が適当である。 発酵後のpHは嗜好に合わせてアルカリ又は酸を用いて適宜微調整することができる。
適当なpHに調整された酸性化物は、必要であれば遠心分離等によりホエーを分離してカードを回収する工程を採ることができる。ホエーを分離した場合には固形分が高く固形状ないし半固形状の適度な硬さを有するホエー分離タイプのチーズ様の酸性大豆素材を製造でき、またホエーの分離によって酸味の少ない風味に調整できる。
またホエーを分離しない場合は固形分が低く、液状ないしペースト状のホエー非分離タイプのチーズ様の酸性大豆素材を製造できる。ホエーを分離するかしないかは当業者が製造する食品の用途に適した物性を考慮して適宜決定することができる。
(添加剤)
次に、上記原料の酸性化の後、上記のホエーを分離する前の酸性化物又は酸性化物からホエーを除去したカードに、必要により塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物や、ポリリン酸ナトリウム等のリン酸塩などの塩を添加することができる。これらの添加物は酸性化処理の前に添加しておくことも可能である。
特に、ポリリン酸ナトリウム等の重合リン酸塩を添加することにより、酸味を軽減でき、またリン酸塩の添加によってコク味をより向上させ、ざらつきを軽減して滑らかな食感を増すことができるため好ましい。リン酸塩の添加量は限定されないが、酸性大豆素材中のタンパク質あたり0.5〜15重量%が好ましい。リン酸塩が少なすぎるとざらつきの軽減効果が小さくなり、多すぎると収斂味が強くなる傾向となる。
次に、酸性化物又はカードを必要により加熱殺菌する。加熱条件は特に限定されないが、70〜85℃で1秒〜15分程度が適当である。該加熱殺菌の後、必要によりホモゲナイザー等によって均質化を行い、4〜10℃程度まで冷却して酸性大豆素材を得る。
(チーズタイプ及びヨーグルトタイプ)
本発明の酸性大豆素材は、原料の種類、乳酸菌の種類や発酵条件(温度や時間等)を変え、チーズタイプの素材、あるいはヨーグルトタイプの素材にすることができる。
チーズタイプの素材は、既存のチーズと同様の製法により得られるか、又は澱粉や油脂等の副原料を配合して既存のチーズと同様の品質(硬さや風味)を有する素材を言う。既存のチーズの種類としては、大きくナチュラルチーズとプロセスチーズに分けられる。本発明の代表的態様としては非熟成タイプのフレッシュチーズやクリームチーズが挙げられ、フレッシュチーズとして具体的には、カッテージチーズ、フロマージュ・ブラン、モツァレラチーズ、リコッタチーズ、マスカルポーネ、カース・マルツゥ、フェタチーズ、パニール、ルーシャン等がある。またフレッシュチーズ以外にも、ウォッシュチーズや白カビチーズ、青カビチーズ、セミハードチーズ、ハードチーズのような熟成チーズタイプの素材にすることも可能である。熟成チーズの代表例としては、ゴーダチーズ、エダムチーズ、カマンベールチーズ、チェダーチーズ等がある。
ヨーグルトタイプの素材としては、既存のヨーグルトと同様の製法により得られるか、又は副原料を配合して既存のヨーグルトと同様の品質(物性や風味)を有する素材を言う。既存のヨーグルトの種類としては、日本の他ブルガリアヨーグルトやロシアのケフィアヨーグルトなど、世界各国で作られるヨーグルトが挙げられる。
<酸性大豆素材の食品への用途>
本発明の酸性大豆素材は大豆の良好なコク味と酸性化(特に乳酸発酵)によるコク味が相俟って発酵乳製品などと同様のコクのある風味を有し、かつ後味のキレも良好であり、物性も滑らかなため、チーズやヨーグルト等の発酵乳製品と同様の各種食品用途に一部代替又は全部代替して使用することができる。各種食品へは配合のベースとなる主原料として、又は、練り込み用、フィリング用、トッピング用もしくはナッペ用の副原料として使用されうる。なお、主原料は食品の配合のベースとなる原料であり、限定はされないが概ね食品中に20重量%以上配合されるものをいう。また副原料は配合のベースとなる主原料に対し混合、注入、付着又は塗布する原料をいう。
例えば本酸性大豆素材をそのまま喫食用の製品として提供することができる。また、本酸性大豆素材に他の原料を配合して、フラワーペースト、スプレッド、フィリング、サワークリーム等の加工食品素材をさらに製造することができる。また、クリームソースやカレーソース等のソース類の原料として利用したり、菓子やパンの原料として直接配合して広く利用することができる。また、ちくわ等の水産練製品やハンバーグ等の畜肉製品のフィリング用やトッピング用としても利用することができる。
菓子の分野では、洋菓子にも和菓子にも風味の相性が良好であり、特に洋菓子と和菓子の中でも生菓子が好ましい。洋生菓子としては、チーズケーキ、タルト、スポンジケーキ、パウンドケーキ、カステラ、バウムクーヘン、シュークリーム、ワッフル、クッキー、パイ、スフレ、ティラミス、プリン、ババロア等が挙げられ、和生菓子としては、もち類、団子類、ようかん、ういろう、どら焼き、たい焼き等が挙げられる。
以下、菓子のより具体的な態様として、洋生菓子の例を示す。
(レアチーズケーキ様食品)
ホエー非分離タイプの酸性大豆素材をフィルドタイプのチーズ素材(例えば不二製油(株)製「フロマージュブランアソルティエ」など)の代わりに主原料として用い、レアチーズケーキ様の食品を作成することができる。
該食品中に本酸性大豆素材を5〜70重量%好ましくは20〜60重量%配合することが好ましい。その他の原料としては、レアチーズケーキに通常使用されるものを使用することができるが、例えば牛乳やクリーム等の乳原料、液糖やグラニュー糖などの糖類、メレンゲに使用する卵白、ゼラチン等のゲル化剤等を使用することができる。また、純植物性の食品にする場合は、乳原料の代わりに豆乳、大豆粉、分離大豆蛋白や、これらの大豆原料から調製した大豆クリーム等を使用することができる。
このレアチーズケーキ様食品は、チーズやフィルドタイプのチーズで作製したレアチーズケーキと遜色がない品質であり、風味はコクがあり、且つ大豆由来の爽やかさのある滑らかな食感を有するものである。
(ベイクドケーキ様食品)
ホエー分離タイプの酸性大豆素材をフィルドタイプのチーズ素材(例えば不二製油(株)製「クレメフロマージュ」など)の代わりに主原料として用い、ベイクドチーズケーキ様の食品を作成することができる。
該食品中に本酸性大豆素材を5〜70重量%好ましくは20〜60重量%配合することが好ましい。その他の原料としては、ベイクドチーズケーキに通常使用されるものを使用することができるが、例えばクリーム等の乳原料、グラニュー糖等の糖類、ホワイトチョコレート、全卵や卵黄等の卵類、コーンスターチ等の澱粉類等をチーズ生地に配合することができる。
このベイクドチーズケーキ様食品は、チーズやフィルドタイプのチーズで作製したものと外観上遜色なく、コクのある風味を有する。また食感はホクホクとした芋のような新たな食感が付与され、通常のベイクドチーズとは違った新しいケーキを得ることができる。
以下に本発明の実施例を記載する。なお、以下「%」及び「部」は特に断りのない限り「重量%」及び「重量部」を意味する。脂質の分析は特に断りがない限りクロロホルム/メタノール混合溶媒抽出法に準じて行ったものである。
(製造例1) 大豆乳化組成物の調製1
湿熱加熱処理によりNSI 59.4とした大豆粉3.5kgに対して4.5倍量、50℃の水を加えて懸濁液とし、保温しながら30分間攪拌し、水抽出した。このときのpHは6.7であった。3層分離方式の遠心分離を6,000×gにて連続的に行い、(1)浮上層・(2)中間層・(3)沈殿層に分離させた。そして浮上層と沈殿層を合わせた画分6.3kgを回収し、大豆乳化組成物Aを調製した。
(製造例2) 大豆乳化組成物の調製2
製造例1にて調製した大豆乳化組成物Aに対して0.5重量倍の加水を行い、さらに13MPaにて高圧ホモゲナイザーで均質化した後、該均質化液を蒸気直接吹き込み方式で142℃7秒間加熱処理し、連続式遠心分離機にて6,000×gにて不溶性の繊維質を分離除去し、上清画分を得、これを大豆乳化組成物Bとした。
製造例1,2で得られた大豆乳化組成物A,Bを分析用に一部凍結乾燥し、一般成分として乾物、並びに、乾物あたりの蛋白質(ケルダール法による)、脂質(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出法による)及び灰分を測定し、さらにSDS-PAGEによりリポキシゲナーゼ蛋白質含量、LPの含量の推定値としてLCI値の分析を行った。また比較として、原料に用いた大豆粉、及び、米国特許第6,548,102号公報の方法で製造されていると推定される市販の大豆乳化組成物「Soy Supreme Kreme」(サンオプタ社(SunOpta Grains and Foods Group)製、粉末タイプ)についても同様に分析を行った。各分析値を表2に示す。
(表2)
Figure 2013013396
大豆乳化組成物A,Bは大豆粉と比べると蛋白質に対する脂質含量に富み、さらに蛋白質組成が大豆粉や市販の大豆乳化組成物とは大きく異なるものであった。すなわちLCI値が60以上という高値であることから、LPが濃縮されたものであり、リポキシゲナーゼ蛋白質も高い含量であった。このような組成を有する大豆乳化組成物は、従来の豆乳やオカラなどにはない新規な成分組成である。
これらの組成物A,Bの風味も既存の豆乳、大豆が本来有する自然な美味しさが濃縮されており、従来の問題とされていた大豆の青臭味や収斂味、渋味等の不快味がなく、非常にコクのある風味を有するものであった。一方、市販大豆乳化組成物は組成物A,Bに比べるとLCI値が大豆粉よりも低く、またリポキシゲナーゼ蛋白質が低いためか、コク味が少なく、青草味や収斂味の強い風味であった。
(実施例1) 酸性大豆素材(ホエー非分離タイプ)の製造
製造例2で得られた大豆乳化組成物Bを発酵前原料に用い、乳酸発酵してホエー非分離タイプの酸性大豆素材を下記の通り調製した。
22℃に温調した大豆乳化組成物Bにクリスチャンハンセン社製チーズタイプ乳酸菌スターターを0.01重量%添加し、22℃にて8時間静置して発酵させた後、水酸化ナトリウムをpH5.6となるよう添加し、スパテラにて攪拌しつつ煮沸加熱し、70℃に達温するまで加熱殺菌を行った。
得られた酸性大豆素材の風味と物性について専門パネラー5名を選定し、以降の実施例及び比較例も合わせて評価した。評価結果を表3に示した。本例の酸性大豆素材の風味は、雑味・不快味が少なくかつ発酵によるコク味を備えた良好なものであった。また性状はフレッシュチーズの一種であるフロマージュ・ブラン様の、ゆるいペースト状であった。
(実施例2) 酸性大豆素材(ホエー分離タイプ)の製造
製造例2で得られた大豆乳化組成物Bを発酵前原料に用い、乳酸発酵してホエー分離タイプの酸性大豆素材を下記の通り調製した。
実施例1と同様にして、乳酸発酵、pH調整及び加熱殺菌を行った後、遠心分離機を用いてホエーを分離除去し、カードを回収した。得られた酸性大豆素材の風味は、クリームチーズ様の程良い固さを有し、雑味・不快味が少なくかつ発酵によるコク味を備えた良好なものであった。
(実施例3) 酸性大豆素材(ホエー分離タイプ、リン酸塩分離前添加)の製造
実施例2と同様にして乳酸発酵を行い、水酸化ナトリウムを用いたpH調整時にポリリン酸ナトリウムを0.2%添加し、再び実施例2と同様に加熱殺菌及びホエーの分離を行った。得られた酸性大豆素材の風味は、クリームチーズ様の程良い固さを有している上にざらつきが軽減され、雑味・不快味が少なくかつ発酵によるコク味を備えた良好なものであった。
(実施例4) 酸性大豆素材(ホエー分離タイプ、リン酸塩分離後添加)の製造
実施例2と同様にして乳酸発酵、pH調整、加熱殺菌及びホエー分離を行った後、ニーダーにて混練しつつ少量の水に溶解させたポリリン酸ナトリウムを0.5%添加し、リン酸塩とタンパク質を反応させるために85℃まで昇温を行った。得られた酸性大豆素材の風味は、クリームチーズ様の程良い固さを有している上にざらつきが殆ど感じられず、雑味・不快味が少なくかつ発酵によるコク味を備えた良好なものであった。
(比較例1) 分離大豆蛋白を原料とした酸性大豆素材
分離大豆たん白「フジプロ-E」(不二製油(株)製)10%溶液を発酵原料に用い、実施例1と同様にして、乳酸発酵、pH調整及び加熱殺菌を行った。得られた酸性大豆素材の風味は、舌を刺すようなざらつきを感じ、雑味・不快味が目立つ食しにくいものあった。
(比較例2) 全脂豆乳を原料とした酸性大豆素材
全脂豆乳「無調整豆乳」(不二製油(株)製)を発酵原料に用い、実施例1と同様にして、乳酸発酵、pH調整及び加熱殺菌を行った。得られた酸性大豆素材の風味も、舌を刺すようなざらつきを感じ、雑味・不快味が際立っており、特に腐敗したような酸臭が目立つ食しにくいものあった。
(比較例3) 市販大豆乳化組成物を原料とした酸性大豆素材
市販大豆乳化組成物「Soy Supreme Kreme」(サンオプタ社(SunOpta Grains and Foods Group)製)を発酵原料に用い、加水して固形分を製造例2の大豆乳化組成物と同じにし、その他は実施例1と同様にして、乳酸発酵、pH調整及び加熱殺菌を行った。得られた酸性大豆素材の風味も、舌を刺すようなざらつき・雑味・不快味が際立っており、特に腐敗したような酸臭が目立つ食しにくいものあった。
(表3)各種酸性大豆素材の風味及び食感評価
Figure 2013013396
(応用例1) レアチーズケーキ様食品
実施例1で得られた酸性大豆素材350部に対し、粉ゼラチン8部を水40部で膨潤させたものに、豆乳及び大豆粉の混合製品「ソイクレマ15」(不二製油(株)製)15部及び液糖15部を合わせ、加熱溶解したものを混合した。次いで、大豆クリーム「ソイクレマホイップ」(不二製油(株)製)360部をホイップ後に混合し、最後に卵白100部とグラニュー糖100部を混合して起泡させたメレンゲを混合し、比重約0.5のレアチーズケーキ様の食品を得た。
得られたレアチーズケーキ様食品はチーズやフィルドタイプのチーズで作製したレアチーズケーキと遜色なく、コクがあり、且つ大豆由来の爽やかさのある滑らかな食感なものであった。
(応用例2) ベイクドチーズケーキ様食品
実施例3で得られた酸性大豆素材288部とグラニュー糖80部を混合したものに対し、クリーム「ガトーノイエ22」(乳脂肪分22%、不二製油(株)製)75部を加温してホワイトチョコレート「クーベルチュールホワイトカカオ」(不二製油(株)製)125部と合わせてしっかり乳化させたものを混合し、次いで全卵32.5部と卵黄32.5部を合わせたものを混合し、最後にコーンスターチ19.5部を混合して生地を作成した。
次いでタルト生地「ドゥーフェリーデPS8H」 (不二製油(株)製)を上火160℃/下火160℃のオーブンで空焼きし、粉々に砕いたものに対しマーガリン「メサージュ500」(不二製油(株)製)を加熱溶解したものを混合した。次にこれを金属製のデコ型(直径12cm)に40g敷き詰めた。その上に酸性大豆素材で作製したチーズ生地を300g流し込み、40℃前後の湯を入れた天板にデコ型を乗せ、上火165℃/下火165℃のオーブンで30分前後焼成し、最後に上火を190℃に上げ5分間焼成し、焼き色が綺麗なベイクドチーズ様の食品を得た。得られたベイクドチーズケーキ様食品は、チーズやフィルドタイプのチーズで作製したものと見た目に遜色なく、コクがあるものになった。食感についてはホクホクとした芋のような新たな食感が付与され、通常のベイクドチーズとは違った新しいケーキを得ることができた。
すなわち本発明は、
(1)乾物あたりの蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう)が蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値が55%以上である大豆乳化組成物を含む原料を乳酸発酵又は酸添加により酸性化して得られることを特徴とする酸性大豆素材、
(2)酸性大豆素材がチーズタイプ又はヨーグルトタイプである、前記(1)記載の素材、
(3)酸性大豆素材が、酸性化後にホエーを分離しカードを回収して得られる、ホエー分離タイプである、前記(1)記載の素材、
(4)酸性大豆素材が、酸性化後にホエーを分離しない、ホエー非分離タイプである、前記(1)記載の素材、
(5)原料を酸性化した後にリン酸塩を添加する、ホエー分離タイプ又はホエー非分離タイプの前記(1)記載の素材、
(6)前記(1)記載の酸性大豆素材を使用した食品、
(7)酸性大豆素材が主原料、又は、練り込み用、フィリング用、トッピング用もしくはナッペ用の副原料として使用されている、前記(6)記載の食品、
(8)前記(1)記載の酸性大豆素材を主原料として使用した、レアチーズケーキ様食品、
(9)前記(1)記載の酸性大豆素材を主原料として使用した、ベイクドチーズケーキ様食品、
(10)乾物あたりの蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう)が蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値が55%以上である大豆乳化組成物を含む原料を乳酸発酵又は酸添加により酸性化することを特徴とする酸性大豆素材の製造法、
である。
・水抽出後の固液分離
水抽出後、含脂大豆の懸濁液を遠心分離、濾過等により固液分離する。この際、中性脂質のみならず極性脂質も含めた大部分の脂質を水抽出物中に溶出させず、不溶化した蛋白質や食物繊維質の方に移行させ沈殿側(不溶性画分)とすることが重要である。具体的には含脂大豆の脂質の70重量%以上を沈殿側に移行させる。また抽出の際に上清側にも少量の脂質が溶出するが、豆乳中の脂質のように微細にエマルション化されたものではなく、15,000×g以下、あるいは5,000×g程度以下の遠心分離によっても容易に浮上させ分離することができ、この点で遠心分離機を使用するのが好ましい。なお遠心分離機は使用する設備によっては10万×g以上の超遠心分離を使用することも可能であるし、本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材の場合は超遠心分離機を用いなくとも実施が可能である。
また水抽出の際あるいは水抽出後に解乳化剤を添加して豆乳からの脂質の分離を促進させることも可能であり、解乳化剤は特に限定されない。ただし本発明に用いられる減脂大豆蛋白素材を調製する場合は解乳化剤を用いなくとも実施が可能である。

Claims (10)

  1. 乾物あたりの蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値が55%以上である大豆乳化組成物を含む原料を乳酸発酵又は酸添加により酸性化して得られることを特徴とする酸性大豆素材。
  2. 酸性大豆素材がチーズタイプ又はヨーグルトタイプである、請求項1記載の素材。
  3. 酸性大豆素材が、酸性化後にホエーを分離しカードを回収して得られる、ホエー分離タイプである、請求項1記載の素材。
  4. 酸性大豆素材が、酸性化後にホエーを分離しない、ホエー非分離タイプである、請求項1記載の素材。
  5. 原料を酸性化した後にリン酸塩を添加する、ホエー分離タイプ又はホエー非分離タイプの請求項1記載の素材。
  6. 請求項1記載の酸性大豆素材を使用した食品。
  7. 酸性大豆素材が主原料、又は、練り込み用、フィリング用、トッピング用もしくはナッペ用の副原料として使用されている、請求項2記載の食品。
  8. 請求項1記載の酸性大豆素材を主原料として使用した、レアチーズケーキ様食品。
  9. 請求項1記載の酸性大豆素材を主原料として使用した、ベイクドチーズケーキ様食品。
  10. 乾物あたりの蛋白質含量が25重量%以上、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して100重量%以上であって、LCI値が55%以上である大豆乳化組成物を含む原料を乳酸発酵又は酸添加により酸性化することを特徴とする酸性大豆素材の製造法。
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