JP2013012220A - 車載電子制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マイクロコンピュータ(MCU2)の内部に、ハードウェア部21の主機能22の入出力を監視することで故障を検出する監視機能23と、ソフトウェア部24の主機能25の演算結果を監視することで異常を検出する監視機能26とを設ける。監視機能23は、ハードウェア部21の主機能22とは演算処理の特性が等しく且つ異なる実装とし、監視機能26は、ソフトウェア部24の主機能25とは演算処理の特性が等しく且つ異なる実装とする。
【選択図】図1
Description
また、上記監視機能として、制御CPUを監視CPUで監視する、所謂2CPU方式を採用したものもある(例えば、特許文献3参照)。
このように、異常の詳細を診断することができないため、異常発生時には、異常の詳細によらず一律に制御を停止していた。ところが、車両の大型化による制御停止時のドライバ負担や車両安全制御の規格化などの観点から、異常の詳細によっては異常発生時にも制御を続行することが望まれる。
そこで、本発明は、マイクロコンピュータの異常の詳細を適切に診断することができる車載電子制御装置を提供することを課題としている。
さらに、上記において、前記監視用演算処理回路は、前記監視対象のハードウェア要素の演算処理回路とは異なるトランジスタ数で実装するようにしてもよい。
これにより、監視用演算処理回路を、監視対象のハードウェア要素の演算処理回路に対して簡素化した構造とすることができる。
これにより、監視対象のソフトウェア要素の故障を適切に検出することができる。
さらにまた、上記において、前記監視用演算処理部は、前記監視対象のソフトウェア要素の演算処理部とは異なるインストラクション数で演算処理するようにしてもよい。
また、上記において、前記マイクロコンピュータの外部に設けられ、前記マイクロコンピュータの異常を監視する外部監視手段を備え、前記外部監視手段は、前記ハードウェア要素監視手段及び前記ソフトウェア要素監視手段が動作していないとき、これを前記マイクロコンピュータの異常として検出するようにしてもよい。
これにより、マイクロコンピュータをハードウェア監視、ソフトウェア監視、外部監視の3つで総合監視することができ、マイクロコンピュータの異常をより詳細に診断することができる。
図1は、本実施形態における車載電子制御装置の機能を示す図である。
図中、符号1は車両の制御を行う車載電子制御装置であり、この車載電子制御装置は、マイクロコンピュータ(MCU)2を備える。MCU2は、ハードウェア部21とソフトウェア部22とを含んで構成されている。
MCU2には、車両に搭載されている各種センサ11で検出した検出信号が、入力I/F回路3を介して入力される。そして、MCU2は、入力された検出信号に基づいて、車両に搭載されたアクチュエータ(ブレーキアクチュエータ、アクティブサスペンション等)12を駆動制御するための指令信号を演算し、これをアクチュエータ駆動回路4に出力する。
また、車載電子制御装置1は、MCU2の外部でMCU2の故障を監視する故障処理回路5を備える。
なお、図1において、監視機能23がハードウェア要素監視手段に対応し、監視機能26がソフトウェア要素監視手段に対応し、故障処理回路5が外部監視手段に対応している。
図2は、ハードウェア部21の監視機能23を説明するためのブロック図である。この図2に示すように、複数のMCU内部要素(主機能)31に、それぞれ監視機能23として故障処理要素32が配置されている。ここで、MCU内部要素31と故障処理要素32とは、異なる構造で実装する。
MCU内部要素33は、故障処理要素32の診断結果を受けて、アクチュエータ駆動回路4へ故障後処置の実施指令を出力する。
このように、通知手段を冗長化することにより、MCU内部要素33及び故障後処置要素34の何れかの通知機能が失われた状態でも、確実にアクチュエータ駆動回路4へ故障後処置の実施指令を出力することができる。
図4は、S/W要素の診断例を示すブロック図である。この図4に示すように、S/W要素(主機能)41には、監視機能26として異常処理S/W42が配置されている。ここで、S/W要素41と異常処理S/W42とは、異なる構造で実装する。
異常処理S/W42は、監視対象のS/W要素41の演算結果を監視し、当該S/W要素に異常が発生しているか否かを診断する。ここでは、異常処理S/W42は、演算処理(監視用演算処理部)42aと、比較処理(比較処理部)42bと、制限処理42cとを備える。演算処理42aは、監視対象のS/W要素41の演算処理41aとは異なる実装で、且つ演算処理41aと同等の演算を行う。
すなわち、図5に示すように、主機能側の値(演算処理41aの演算結果)が監視側の値(演算処理42aの演算結果)に対して±所定範囲となる領域を許容領域とし、それ以外の斜線で示す領域を異常診断領域とする。そして、主機能側の値と監視側の値とによって決まる点が異常診断領域内にあるとき、上記誤差が許容範囲内にないと判断する。なお、図5の破線で示す直線は、主機能側の値と監視側の値とが等しい領域である。
また、異常診断領域は、例えば図6に示すように設定することもできる。この例は、主機能側の値と監視側の値とが同符号で、且つ主機能側の値の絶対値が監視側の値の絶対値よりも小さい領域±所定範囲を許容範囲としたものである。すなわち、主機能側の値と監視側の値とによって決まる点が、図6の斜線に示す異常診断領域内にあるとき、上記誤差が許容範囲内にないと判断する。これにより、実際の動作の値が小さいものは、不具合発生に繋がる可能性が低いと判断して許容することができるので、むやみに異常判定されるのを抑制することができる。
制限処理42cには、演算処理41aの演算結果が入力される。比較処理42bから異常を検出したことを示す診断結果が入力された場合には、制限処理42cは、演算処理41aの演算結果を許容できる制限値まで制限して出力する。ここで、上記制限値は、車両で許容できる範囲を実験的に検証して決定することが望ましい。一方、比較処理42bから異常を検出したことを示す診断結果が入力されていない場合には、制限処理42cは、演算処理41aの演算結果をそのまま出力する。
図7は、故障処理回路5の機能を示すブロック図である。故障処理回路5は、MCU2の故障をMCU2の外部から監視するものである。MCU2の監視方法としては、MCU2のクロック27を監視する方法と、MCU2の監視機能23及び26が動作していることを監視する方法とを採用する。
また、故障処理回路5は、MCU2の監視機能23の動作を監視するために、故障処理要素32のウォッチドッグタイマの出力パルスを監視するパルス監視処理53を備える。パルス監視処理53は、上記出力パルスが所定時間停止したことをもって、監視機能23の異常を検出する。
すなわち、監視機能26(異常処理S/W42)が正しく実行されたときにウォッチドッグタイマからパルスを出力することによって、監視機能26が実行されない状態(監視されていない状態)をMCU2の外部の故障処理回路5で診断することができる。
このように、本実施形態では、MCUをハードウェア監視、ソフトウェア監視、外部監視の3つで総合監視するので、MCUの異常を詳細に監視することができる。
また、このとき、故障処理要素を監視対象のMCU内部要素とは異なる構造で実装するので、例えば、両者で処理完了までの遅延時間を異ならせることができる。その結果、両者に共通して影響を受ける故障要因に対しても、適切に故障として検出することができる。さらに、トランジスタ数を少なくするなどにより、故障処理要素を監視対象のMCU内部要素よりも簡素化した構造で実装するので、比較的簡易且つ安価に故障処理要素を設けることができる。
このとき、ソフトウェア監視においては、S/W要素に異常処理S/Wを配置してS/W要素の演算結果を監視するので、S/W要素の異常を適切に診断することができる。さらに、異常処理S/Wを監視対象のS/W要素とは異なる構造で実装するので、例えば、両者で演算に使用されるインストラクションを異ならせることができる。その結果、両者に共通して影響を受ける異常要因に対しても、適切に異常として検出することができる。
車両に搭載される電子制御用MCUは、異常発生時には異常の詳細によらず制御を停止させるのが一般的であった。ところが、車両の大型化による制御停止時のドライバ負担や車両安全制御の規格化などの観点から、異常発生時にも異常の詳細によっては制御を続行させる必要がある。本実施形態では、MCUの異常をきめ細かく診断することができるので、異常の詳細に応じて制御を停止したり制御を続行したりすることができるなど、適切な処置を行うことができる。
例えば、MCUの外部にMCUとは独立したクロックを配置し、MCUのクロックを監視することで、MCU内部の各監視機能が共通して影響を受けるクロック異常が発生し、MCU内部で故障/異常の診断が行えない場合には、これを異常として検出することができる。また、MCU内部の各監視機能のウォッチドッグタイマの出力パルスを監視することで、MCU内部の各監視機能が動作していない場合には、これを異常として検出することができる。このように、MCUの機能不全をMCUの外部で検出し、処置することができる。
Claims (6)
- 車両に搭載されたセンサからの検出信号に基づいて、アクチュエータの駆動信号を生成するマイクロコンピュータを備える車載電子制御装置であって、
前記マイクロコンピュータは、ハードウェア部とソフトウェア部とを含んで構成されており、
前記マイクロコンピュータの内部に設けられ、前記ハードウェア部の各要素とは演算処理の特性が等しく、且つ前記ハードウェア部の各要素の演算処理回路とは異なる実装で、前記ハードウェア部の各要素の異常を監視するハードウェア要素監視手段と、
前記マイクロコンピュータの内部に設けられ、前記ソフトウェア部の各要素とは演算処理の特性が等しく、且つ前記ソフトウェア部の各要素の演算処理部とは異なる実装で、前記ソフトウェア部の各要素の異常を監視するソフトウェア要素監視手段と、を備えることを特徴とする車載電子制御装置。 - 前記ハードウェア要素監視手段は、監視用演算処理回路と比較回路とを備え、
前記監視用演算処理回路は、監視対象のハードウェア要素の演算処理回路と同一の信号を入力したとき、前記監視対象のハードウェア要素の演算処理回路と同一の信号を出力するものであり、前記監視対象のハードウェア要素の演算処理回路での演算処理よりも簡素化した演算処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の車載電子制御装置。 - 前記監視用演算処理回路は、前記監視対象のハードウェア要素の演算処理回路とは異なるトランジスタ数で実装することを特徴とする請求項2に記載の車載電子制御装置。
- 前記ソフトウェア要素監視手段は、監視用演算処理部と比較処理部とを備え、
前記監視用演算処理部は、監視対象のソフトウェア要素の演算処理部と数式上同一となる演算処理を行うものであり、前記監視対象のソフトウェア要素の演算処理部での演算処理よりも簡素化した演算処理を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車載電子制御装置。 - 前記監視用演算処理部は、前記監視対象のソフトウェア要素の演算処理部とは異なるインストラクション数で演算処理することを特徴とする請求項4に記載の車載電子制御装置。
- 前記マイクロコンピュータの外部に設けられ、前記マイクロコンピュータの異常を監視する外部監視手段を備え、
前記外部監視手段は、前記ハードウェア要素監視手段及び前記ソフトウェア要素監視手段が動作していないとき、これを前記マイクロコンピュータの異常として検出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車載電子制御装置。
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