JP2013011079A - プレキャスト柱部材接合構造 - Google Patents

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ハッサン ウサレム
Junichi Okada
純一 岡田
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Abstract

【課題】プレキャスト柱部材同士をピン接合し、且つ、プレキャスト柱部材同士間で引張り軸力を伝達することができるプレキャスト柱部材接合構造を得ることを目的とする。
【解決手段】プレキャスト柱部材12Bには、上端接続管20及び複数の第1シース管30が埋設されており、これらの上端接続管20及び第1シース管30によってプレキャスト柱部材12Bに第1貫通孔62が形成されている。また、プレキャスト柱部材12Aには、上端接続管20、第2シース管40、及び下端接続管50が埋設されており、これらの上端接続管20、第2シース管40、及び下端接続管50によってプレキャスト柱部材12Aに第2貫通孔64が形成されている。そして、各第1貫通孔62及び第2貫通孔64に挿入されたPC鋼材60によってプレキャスト柱部材12Bとプレキャスト柱部材12Aとが圧着接合されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、プレキャスト柱部材接合構造に関する。
従来から、複数のプレキャスト柱部材を現場で組み立てて柱を構築するプレキャスト工法が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示されたプレキャストコンクリート構造部材の接合構造では、地震時に作用する曲げモーメントが最小となる柱の中央部において、隣接するプレキャスト柱部材同士が円柱形のピン部材でピン接合されている。これにより、隣接するプレキャスト柱部材同士の接合部に配筋される鉄筋等を省略可能にしている。
特開2009−185447号公報
ところで、地震時には、種々の要因(例えば、建物の転倒モーメントなど)により、柱に引張り軸力が作用する場合がある。特に、建物の外周に立てられた柱では、柱に作用する引張り軸力が大きくなり易い。
しかしながら、特許文献1に開示されたプレキャストコンクリート構造部材の接合構造では、プレキャスト柱部材同士をピン部材でピン接合する構成であるため、プレキャスト柱部材の間で上記した引張り軸力を十分に伝達できない場合があり、この点に、改善の余地がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、プレキャスト柱部材同士をピン接合し、且つ、プレキャスト柱部材同士間で引張り軸力を伝達することができるプレキャスト柱部材接合構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載のプレキャスト柱部材接合構造は、第1端面の中央部から側面へ放射状に延びる複数の第1貫通孔が形成された第1プレキャスト柱部材と、第2端面が前記第1端面に突き合わされると共に、該第2端面の中央部に第2貫通孔が形成された該第2プレキャスト柱部材と、前記第1貫通孔の各々と前記第2貫通孔とに挿入され、前記第1端面と前記第2端面とを圧着接合する複数のPC鋼材と、を備えている。
請求項1に記載のプレキャスト柱部材接合構造によれば、第1プレキャスト柱部材には、第1端面の中央部から側面へ放射状に延びる複数の第1貫通孔が形成されている。この第1端面には、第2プレキャスト柱部材の第2端面が突き合わされる。第2端面の中央部には第2貫通孔が形成されており、第1貫通孔の各々と第2貫通孔とに挿入される複数のPC鋼材によって、第1プレキャスト柱部材の第1端面と第2プレキャスト柱部材の第2端面とが圧着接合されている。
これにより、第1プレキャスト柱部材と第2プレキャスト柱部材とがピン接合されると共に、第1プレキャスト柱部材及び第2プレキャスト柱部材にプレストレスが導入される。従って、第1プレキャスト柱部材と第2プレキャスト柱との間で引張り軸力が伝達可能になるため、耐震性能が向上する。
請求項2に記載のプレキャスト柱部材接合構造は、請求項1に記載のプレキャスト柱部材接合構造において、前記第1端面と前記第2端面との接合部が、階層の中央部に位置されている。
請求項2に記載のプレキャスト柱部材接合構造によれば、第1プレキャスト柱部材の第1端面と第2プレキャスト柱部材の第2端面との接合部が、階層の中央部に位置されている。これにより、地震時に第1プレキャスト柱部材及び第2プレキャスト柱部材に作用する曲げモーメント(以下、「地震時曲げモーメント」という)の反曲点が、階層の中央部に位置される。この結果、第1プレキャスト柱部材及び第2プレキャスト柱部材に作用する地震時曲げモーメントが、階層の中央部に対して逆対称(点対称)になるため、第1プレキャスト柱部材及び第2プレキャスト柱部材の設計が単純化される。
本発明は、上記の構成としたので、プレキャスト柱部材同士をピン接合し、且つ、プレキャスト柱部材同士間で引張り軸力を伝達することができる。
本発明の一実施形態におけるプレキャスト柱部材を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造が適用されたプレキャスト柱部材を示す縦断面図である。 (A)は本発明の一実施形態におけるプレキャスト柱部材を上下方向下側から見た平面図であり、(B)は本発明の一実施形態におけるプレキャスト柱部材の接合部を示す図2の拡大断面図であり、(C)は本発明の一実施形態におけるプレキャスト柱部材を上下方向上側から見た平面図である。 (A)は、本発明の一実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造を有する建物を示す立面図であり、(B)は、本発明の一実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造の変形例を有する建物を示す立面図である。 (A)は、図4(A)に示される建物を模式化した構造モデルを示す立面図であり、(B)は図4(B)に示される建物を模式化した構造モデルを示す立面図である。 本発明の一実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造の変形例を示す縦断面図である。 図6の7−7線断面図である。 本発明の一実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造の変形例を示す拡大縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造の変形例を示す拡大縦断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造について説明する。なお、各図において適宜示される矢印Zは、プレキャスト柱部材の柱軸方向(上下方向)を示している。
図1に示されるように、本実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造10は、上下方向に隣接して配置される一対のプレキャスト柱部材12と、これらのプレキャスト柱部材12同士を圧着接合する複数(本実施形態では、4本)のPC鋼材60とを備えている。なお、上下方向に隣接する一対のプレキャスト柱部材12の構成は同じである。また、一対のプレキャスト柱部材12のうち、必要に応じて上側に配置されたプレキャスト柱部材12を第2プレキャスト柱部材としてのプレキャスト柱部材12Aとし、下側に配置されたプレキャスト柱部材12を第1プレキャスト柱部材としてのプレキャスト柱部材12Bとして以下説明する場合がある。
プレキャスト柱部材12は、角柱状のプレキャストコンクリートで形成されている。プレキャスト柱部材12の柱軸方向の中央部に設けられた梁仕口部12Hには、複数のプレキャスト梁部材14が設けられている。これらのプレキャスト梁部材14はプレキャストコンクリートで形成され、梁仕口部12Hの4つの側面12Sにそれぞれ設けられている。
なお、プレキャスト梁部材14の数や配置は適宜変更可能である。また、本実施形態では、工場等においてプレキャスト柱部材12と複数のプレキャスト梁部材14とが一体に製造されているが、これらのプレキャスト梁部材14は適宜省略可能である。
図2に示されるように、プレキャスト柱部材12には、上端接続管20と、複数(本実施形態では、4つ)の第1シース管30と、第2シース管40と、下端接続管50とが埋設されている。
図3(B)に示されるように、接続部としての上端接続管20は、下端から上端に向けて直径が徐々に大きくなる拡径管で構成され、プレキャスト柱部材12の上端部に埋設されると共に、当該プレキャスト柱部材12の上端面12Uの中央部を開口している。また、分岐部としての上端接続管20の側周壁には4つの分岐孔22が形成されている。各分岐孔22には、プレキャスト柱部材12の上端部に埋設された第1シース管30の上端部が接続されており、これらの分岐孔22を通して上端接続管20から各第1シース管30へPC鋼材60がそれぞれ挿入可能になっている。
第1シース管30は円筒状の管で構成され、上端接続管20の側周壁からプレキャスト柱部材12の4つの側面12Sへそれぞれ延びると共に、上端接続管20からプレキャスト柱部材12の各側面12Sへ向けて緩やかに湾曲されている。この第1シース管30の下端部は、プレキャスト柱部材12の側面12Sに形成された切欠き溝16に接続されている。また、第1シース管30の下端部には、固定部としての支圧板32が取り付けられている。この支圧板32は切欠き溝16内に収容されており、第1シース管30に挿入されたPC鋼材60の下端部(一端部)がクサビ等によって固定されている。
このように構成された上端接続管20及び複数の第1シース管30によって、プレキャスト柱部材12の上端面12Uの中央部から4つの側面12Sへ放射状に延びる4つの第1貫通孔62が形成されている。
一方、図2に示されるように、第2シース管40は円筒状の管で構成されると共に、平面視にてプレキャスト柱部材12の中央部に埋設され、柱軸方向に沿って延びている。この第2シース管40の上端部は、接続部としての上端接続管20の下端部に接続されており、上端接続管20から第2シース管40へPC鋼材60が挿入可能になっている。
また、図3(B)に示されるように、第2シース管40の上端部には、固定部としての支圧板42が取り付けられている。この支圧板42は上端接続管20内に収容されており、第2シース管40に挿入された各PC鋼材60の上端部(他端部)がクサビ等によって固定されている。更に、第2シース管40の下端部には、下端接続管50が設けられており、第2シース管40から下端接続管50へPC鋼材60が挿入可能になっている。接続部としての下端接続管50は上端から下端に向けて直径が徐々に大きくなる拡径管で構成され、プレキャスト柱部材12の下端部に埋設されると共に、当該プレキャスト柱部材12の下端面12Lの中央部を開口している。
このように構成された上端接続管20、第2シース管40、及び下端接続管50によって、プレキャスト柱部材12の中央部を柱軸方向に貫通する第2貫通孔64が形成されている。また、第2貫通孔64と第1貫通孔62とは上端接続管20を共有しており、当該上端接続管20において第2貫通孔64から第1貫通孔62が分岐している。
ここで、図3(B)に示されるように、プレキャスト柱部材12の第2端面としての下端面12Lは、半球体状(ドーム状)に湾曲された凹面とされており、鋼製の下端面プレート70によって被覆されている。下端面プレート70は、プレキャスト柱部材12の下端面12Lに沿って湾曲されており、プレキャスト柱部材12の下端部に埋設された図示しないスタッド等によって当該下端面12Lに固定されている。
また、図3(A)に示されるように、下端面プレート70の下面の中央部には、下端接続管50に通じる4つの出口孔74が形成されている。これらの出口孔74は略半円形状で、係止突起72の周方向に間隔を空けると共にプレキャスト柱部材12の各側面12Sと対向するように形成されており、第2シース管40に挿入された4本のPC鋼材60が各出口孔74からプレキャスト柱部材12の外部へ出るようになっている。また、隣接する出口孔74の間には、係止突起72が設けられている。この係止突起72は柱軸方向下側から見て略十字形状のプレートで、下端面プレート70に重ねられ、溶接等で下端面プレート70に固定されている。
一方、図3(B)に示されるように、プレキャスト柱部材12の第1端面としての上端面12Uは、プレキャスト柱部材12の下端面12Lに応じて、上に凸となるように半球体状(ドーム状)に湾曲された凸面とされており、鋼製の上端面プレート80によって被覆されている。上端面プレート80は、プレキャスト柱部材12の上端面12Uに沿って湾曲されており、プレキャスト柱部材12の上端部に埋設された図示しないスタッド等によって当該上端面12Uに固定されている。
また、図3(C)に示されるように、上端面プレート80の中央部には、上端接続管20に通じる接続孔84が形成されており、下端面プレート70の出口孔74から出た4本のPC鋼材60が接続孔84から上端接続管20へ挿入可能になっている。また、接続孔84には、上端面プレート80に他のプレキャスト柱部材12の下端面プレート70が重ねられたときに、下端面プレート70に設けられた係止突起72が挿入されるようになっている。この接続孔84の直径は係止突起72の外径よりも大きくされており、接続孔84内で係止突起72が移動可能になっている。これにより、接続孔84が許容する範囲内で、下端面プレート70に対して上端面プレート80がスライド可能になっている。なお、係止突起72及び接続孔84の形状は適宜変更可能である。
次に、本実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造の施工方法の一例について説明する。
先ず、図1に示されるように、プレキャスト柱部材12Aの第2シース管40(図2参照)内に4本のPC鋼材60を挿入し、各PC鋼材60の上端部を第2シース管40の上端部に取り付けられた支圧板42(図3(B)参照)にクサビ等によって固定する。この際、下端面プレート70に形成された各出口孔74からPC鋼材60をプレキャスト柱部材12Aの外部へ延出させておく。
次に、プレキャスト柱部材12Bの上端面プレート80の上にプレキャスト柱部材12Aの下端面プレート70を載置して突き合せる。この際、プレキャスト柱部材12Bの上端面プレート80に対してプレキャスト柱部材12Aの下端面プレート70を接近させながら、プレキャスト柱部材12Aの下端面プレート70から延出された4本のPC鋼材60をプレキャスト柱部材12Bの上端面プレート80の接続孔84から上端接続管20へ挿入する。更に、上端接続管20へ挿入された4本のPC鋼材60を上端接続管20の各分岐孔22を通して第1シース管30へそれぞれ挿入し、プレキャスト柱部材12Bの各側面12Sに形成された切欠き溝16から外部へ延出させる。この状態で、プレキャスト柱部材12Bの上端面プレート80に形成された接続孔84に、プレキャスト柱部材12Aの下端面プレート70に設けられた係止突起72を挿入し、上端面プレート80に下端面プレート70を突き合わせる。
次に、プレキャスト柱部材12Bの各切欠き溝16から延出されたPC鋼材60の下端部にそれぞれ引張り力を付与し、プレキャスト柱部材12Bの上端面プレート80にプレキャスト柱部材12Aの下端面プレート70を圧着させると共に、プレキャスト柱部材12A及びプレキャスト柱部材12Bにプレストレスを導入する。この状態で、各PC鋼材60の所定部位をクサビ等によって第1シース管30の下端部に取り付けられた支圧板32(図3(B)参照)に固定し、PC鋼材60の不要部分を切断する。これにより、プレキャスト柱部材12Bの上端面12Uとプレキャスト柱部材12Aの下端面12Lとが圧着接合されると共に、プレキャスト柱部材12Bの上端部とプレキャスト柱部材12Aの下端部とが相対回転可能にピン接合される。
なお、本実施形態では、プレキャスト柱部材12Aの第2貫通孔64にPC鋼材60を挿入した後に、プレキャスト柱部材12Bの上にプレキャスト柱部材12Aを載置したが、プレキャスト柱部材12Bの上にプレキャスト柱部材12Aを載置した後に、プレキャスト柱部材12Aの上端面12U又はプレキャスト柱部材12Bの各側面12Sから第1貫通孔62及び第2貫通孔64へPC鋼材60を挿入しても良い。
次に、本実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造の作用について説明する。
一般に、一対の柱と上下の梁で構成されたラーメン架構は、上下の梁間の中央部、換言すると階層の中央部に、地震時に柱に作用する曲げモーメント(以下、「地震時曲げモーメント」という)の反曲点があるものと仮定して設計される。しかしながら、柱や梁の材料強度や断面積等の相違から、柱に作用する地震時曲げモーメントの反曲点が階層の中央部からずれる場合がある。この場合、柱に作用する地震時曲げモーメントが階層の中央部に対して逆対称(点対称)にならないため、当該反曲点を境に柱の上部と下部で必要強度にばらつきが生じる。この結果、柱の設計が複雑化するため、不経済となる。
これに対して本実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造10によれば、前述したように、4本のPC鋼材60によってプレキャスト柱部材12Bの上端部とプレキャスト柱部材12Aの下端部とが相対回転可能にピン接合される。これにより、プレキャスト柱部材12Bの上端面12Uとプレキャスト柱部材12Aの下端面12Lとの接合部では、地震時曲げモーメントが発生せず、若しくは、地震時曲げモーメントが発生してもその量が無視できる程度に小さいものとなる。従って、プレキャスト柱部材12Bの上端面12Uとプレキャスト柱部材12Aの下端面12Lとの接合部を階層の中央部に位置させることにより、地震時曲げモーメントの反曲点を階層の中央部に位置させることができる。
例えば、図4(A)には、複数層からなる建物90の立面図が模式的に示されている。この建物90は、プレキャスト柱部材12A,12Bと梁部材92とを接合して構成された複数のラーメン架構を有している。この建物90を例に具体的に説明すると、階層の中央部、換言するとラーメン架構を構成する上下の梁部材92の間の中央部(梁仕口部12H間の中央部)に、上下方向に隣接するプレキャスト柱部材12A,12Bの接合部Rを位置させることにより、地震時曲げモーメントの反曲点を階層の中央部に位置させることができる。これにより、プレキャスト柱部材12Aの下部及びプレキャスト柱部材12Bの上部に作用する地震時曲げモーメントMが、階層の中央部に対して逆対称(点対称)になるため、これらのプレキャスト柱部材12A及びプレキャスト柱部材12Bの必要強度のばらつきが低減される。従って、プレキャスト柱部材12A及びプレキャスト柱部材12Bの設計を単純化することができる。更に、所定階層における全てのプレキャスト柱部材12Aとプレキャスト柱部材12Bとの接合部Rを当該階層の中央部に位置させることにより、当該階層の層間変形量が調整し易くなる。従って、建物90の設計が容易になると共に、耐震性能が向上する。
なお、プレキャスト柱部材12Bの上端面12Uとプレキャスト柱部材12Aの下端面12Lとの接合部は、必要に応じて階層の中央部に位置させれば良く、階層の中央部からずれていても良い。
また、本実施形態では、4本のPC鋼材60によってプレキャスト柱部材12A及びプレキャスト柱部材12Bにプレストレスを導入したことにより、プレキャスト柱部材12Bとプレキャスト柱部材12Aとの間で引張り軸力が伝達可能になっている。従って、例えば、建物90に転倒モーメント等が作用しても、プレキャスト柱部材12Aとプレキャスト柱部材12Bとの間で引張り軸力が伝達されるため、耐震性能が向上する。
更に、本実施形態では、プレキャスト柱部材12Bの上端面12U及び上端面プレート80と、プレキャスト柱部材12の下端面12L及び下端面プレート70とが上に凸となるように半球体状に湾曲されている。これにより、プレキャスト柱部材12Bの上端部に対してプレキャスト柱部材12Aの下端部が相対的に回転したときに、上端面プレート80に沿って下端面プレート70がスライドする。従って、プレキャスト柱部材12Bの上端面12U及びプレキャスト柱部材12Aの下端面12Lの破損、損傷が抑制される。
また、上端面プレート80に形成された接続孔84には、下端面プレート70に設けられた係止突起72が挿入されており、上端面プレート80に対する下端面プレート70のスライド量が所定値以上になると、接続孔84の縁に係止突起72の外周部が接触して上端面プレート80に対する下端面プレート70のスライドが規制される。これにより、プレキャスト柱部材12Bの上端部に対するプレキャスト柱部材12Aの下端部の相対回転量が規制されるため、プレキャスト柱部材12Aの脱落等が抑制される。
更に、上端面プレート80及び下端面プレート70の接触面の摩擦係数を増減することにより、上端面プレート80に対する下端面プレート70のスライド量を調整することも可能である。
更にまた、上端面プレート80及び下端面プレート70を上に凸となるように半球体状に湾曲させたことにより、上端面プレート80と下端面プレート70との隙間に雨水等が溜まり難いため、これらの上端面プレート80及び下端面プレート70の腐食、劣化が抑制される。
次に、本実施形態に係るプレキャスト柱部材接合構造の変形例について説明する。
上記実施形態では、図4(A)に示される建物90のように、1つのプレキャスト柱部材12A,12Bに対して1つの梁仕口部12Hを設け、2階層にまたがるようにプレキャスト柱部材12A,12Bを設置したがこれに限らない。例えば、図4(B)に示される建物94のように、1つのプレキャスト柱部材18に2つの梁仕口部18Hを設け、3階層にまたがるようにプレキャスト柱部材18を設置しても良い。
また、1つのプレキャスト柱部材18に2つの梁仕口部18Hを設けた場合は、図4(B)に示されるように、所定の階層においてプレキャスト柱部材18の接合部Rが水平方向に連続しないようにプレキャスト柱部材18を配列しても良い。これにより、所定の階層の剛性を大きくすることができる。
ここで、図5(A)には、図4(A)に示される建物90を模式化した構造モデルが示されており、図5(B)には、図4(B)に示される建物94を模式化した構造モデルが示されている。
図5(A)に示されるように、所定の階層においてプレキャスト柱部材12の接合部Rが水平方向に連続する建物90では、例えば、地震力Fによってプレキャスト柱部材12の梁仕口部12Hに接合された梁部材92の端部にヒンジXが発生した場合、当該プレキャスト柱部材12が矢印K方向へ回転し易くなる。これに対して図5(B)に示されるように、所定の階層においてプレキャスト柱部材18の接合部Rが水平方向に連続しない建物94では、プレキャスト柱部材18の梁仕口部18Hに接合された梁部材92の端部にヒンジXが発生してもプレキャスト柱部材18の矢印K方向の回転量を小さくすることができる。
次に、上記実施形態では、平面視にてプレキャスト柱部材12の中央部に第2シース管40を埋設したがこれに限らない。例えば、図6及び図7に示される変形例のように、上端接続管20から下方へ延びる第2シース管40を複数の分岐シース管44に分岐し、梁仕口部12Hの角部(コーナー部)を通った後、これらの分岐シース管44を再び第2シース管40に集合させて下端接続管50に連結しても良い。これにより、分岐シース管44に挿入されたPC鋼材60が、平面視にてプレキャスト柱部材12の角部に配筋されるため、プレキャスト柱部材12に作用する地震時曲げモーメントに対してPC鋼材60が抵抗し易くなる。従って、プレキャスト柱部材12の曲げ耐力を大きくすることができる。なお、この変形例では、上端接続管20、第2シース管40、分岐シース管44、及び下端接続管50によって第2貫通孔64が形成されている。
また、図8に示される変形例のように、プレキャスト柱部材12Aには、その下端面12Lの中央部から各側面12Sへ放射状に延びる複数の第2シース管46を埋設しても良い。具体的には、プレキャスト柱部材12Aの下端部には、当該プレキャスト柱部材12Aの下端面12Lの中央部を開口する接続部としての下端接続管52が埋設されている。この下端接続管52の側周壁には複数の分岐孔54が形成されており、これらの分岐孔54に第2シース管46の下端部がそれぞれ接続されている。
また、第2シース管46の上端部は、プレキャスト柱部材12Aの各側面12Sに形成された切欠き溝16に接続されている。この第2シース管46の上端部には固定部としての支圧板32が取り付けられており、この支圧板32に第2シース管46に挿入されたPC鋼材60の上端部がクサビ等によって固定されている。また、第2シース管46に挿入されたPC鋼材60の下端部は、プレキャスト柱部材12Bの上端部に埋設された上端接続管20を介して第1シース管30に挿入され、クサビ等によって第1シース管30の下端部に取り付けられた支圧板32に固定されている。これにより、プレキャスト柱部材12Bの上端面12Uとプレキャスト柱部材12Aの下端面12Lとが圧着接合されている。
このようにプレキャスト柱部材12Aに、当該プレキャスト柱部材12Aの下端面12Lの中央部から各側面12Sへ放射状に延びる第2シース管46を埋設することにより、第1シース管30及び第2シース管46にPC鋼材60を挿入し易くなる。従って、施工性が向上する。また、PC鋼材60の必要長さが短くなるため、コスト削減を図ることができる。なお、この変形例では、第2シース管46及び下端接続管52によって第2貫通孔64が形成されている。
また、図9に示される変形例のように、プレキャスト柱部材12Bの上端部に埋設された第1シース管34とプレキャスト柱部材12Aの下端部に埋設された第2シース管48とを略直線状に配列しても良い。これにより、第1シース管34及び第2シース管48に挿入されたPC鋼材60が湾曲しないため、PC鋼材60に引張り力を付与し易くなる。従って、プレキャスト柱部材12A及びプレキャスト柱部材12Bにプレストレスを導入し易くなる。なお、この変形例では、第1シース管34によって第1貫通孔62が形成され、第2シース管48によって第2貫通孔64が形成されている。
更に、図示を省略するが、図2に示す構成において、プレキャスト柱部材12A及びプレキャスト柱部材12Bの上下をそれぞれ反転させた状態で、プレキャスト柱部材12Bの上にプレキャスト柱部材12Aを載置しても良い。
また、上記実施形態では、プレキャスト柱部材12Bの上端面12Uとプレキャスト柱部材12Bの下端面12Lを上に凸となるように湾曲させたが、これらの上端面12U及び下端面12Lを下に凸となるように湾曲させても良い。また、上端面12U及び下端面12Lを湾曲させず、平坦面にしても良い。更に、下端面プレート70及び上端面プレート80は必要に応じて設ければ良く、適宜省略可能である。
また、プレキャスト柱部材12は角柱状に限らず、円柱状でも良い。この場合、プレキャスト柱部材には、その上端面又は下端面の中央部から側周面へ放射状に延びる複数の第1貫通孔を形成すれば良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 プレキャスト柱部材接合構造
12 プレキャスト柱部材(第1プレキャスト柱部材、第2プレキャスト柱部材)
12L 下端面(第1端面、第2端面)
12S 側面
12U 上端面(第1端面、第2端面)
18 プレキャスト柱部材(第1プレキャスト柱部材、第2プレキャスト柱部材)
60 PC鋼材
62 貫通孔(第1貫通孔、第2貫通孔)
64 貫通孔(第1貫通孔、第2貫通孔)
R 接合部

Claims (2)

  1. 第1端面の中央部から側面へ放射状に延びる複数の第1貫通孔が形成された第1プレキャスト柱部材と、
    第2端面が前記第1端面に突き合わされると共に、該第2端面の中央部に第2貫通孔が形成された該第2プレキャスト柱部材と、
    前記第1貫通孔の各々と前記第2貫通孔とに挿入され、前記第1端面と前記第2端面とを圧着接合する複数のPC鋼材と、
    を備えるプレキャスト柱部材接合構造。
  2. 前記第1端面と前記第2端面との接合部が、階層の中央部に位置されている請求項1に記載のプレキャスト柱部材接合構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103147458A (zh) * 2013-02-27 2013-06-12 同济大学 一种自复位框架柱脚节点

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