JP2013010171A - マイクロポンプ及びマイクロ流体デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロポンプの出力の向上を図る。
【解決手段】マイクロポンプ2は、基材10と、ガス発生材12と、光源14と、光学素子20とを備えている。基材10には、マイクロ流路11が形成されている。ガス発生材12は、光が照射されることによりガスを発生させる。ガス発生材12は、発生したガスがマイクロ流路11に供給されるように配されている。光源14は、ガス発生材12に光を照射する。光学素子20は、光源14からの光が入射する光入射面21と、ガス発生材12側に光を出射する光出射面22とを有する。光学素子20は、ガス発生材12の光源14からの光が入射する光入射領域における光の強度分布を小さくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロポンプ及びそれを備えるマイクロ流体デバイスに関する。
例えば、特許文献1には、マイクロ流体デバイスの一例として、マイクロポンプシステムを有するマイクロ流体デバイスの一種であるマイクロ全分析システムが開示されている。特許文献1のマイクロポンプシステムは、微細流路と、ガス発生材料が充填されたマイクロポンプ室とが形成された基板により構成されている。特許文献1のマイクロポンプシステムでは、光線をマイクロポンプ室に照射したり、熱を付与したりすることでガス発生材料からガスが発生し、マイクロポンプシステムが作動する。このため、特許文献1のマイクロポンプシステムは、複雑な機械的構造を要さない。従って、特許文献1に開示された構造を採用することで、マイクロポンプシステムの小型化及び製造容易化を図ることができる。
特開2005−297102号公報
近年、マイクロ流体デバイスの構造が複雑になってきており、それに伴い、マイクロポンプの出力を向上したいという要望が高まってきている。
本発明は、マイクロポンプの出力の向上を図ることを目的とする。
本発明に係るマイクロポンプは、基材と、ガス発生材と、光源と、光学素子とを備えている。基材には、マイクロ流路が形成されている。ガス発生材は、光が照射されることによりガスを発生させる。ガス発生材は、発生したガスがマイクロ流路に供給されるように配されている。光源は、ガス発生材に光を照射する。光学素子は、光源からの光が入射する光入射面と、ガス発生材側に光を出射する光出射面とを有する。光学素子は、ガス発生材の光源からの光が入射する光入射領域における光の強度分布を小さくする。
本発明に係るマイクロポンプのある特定の局面では、光学素子は、光入射面側から光出射面側に向かって先細る形状を有する。光学素子は、光入射面から入射した光が側面で反射されつつ光出射面側に導光されるように設けられている。
本発明に係るマイクロポンプの別の特定の局面では、光学素子は、中央部と外側部分とで光学的パワーが互いに異なる少なくともひとつの非球面を有する集光レンズにより構成されている。
本発明に係るマイクロポンプの他の特定の局面では、光学素子は、光拡散部材により構成されている。
本発明に係るマイクロポンプのさらに他の特定の局面では、光源は、LEDにより構成されている。
本発明に係るマイクロポンプのさらに別の特定の局面では、LEDは、波長が350nm〜420nmである光を出射する。
本発明に係るマイクロポンプのまたさらに他の特定の局面では、マイクロ流路は、基材の表面に開口している。ガス発生材は、基材のマイクロ流路が開口している部分を覆うように配されたガス発生フィルムにより構成されている。
本発明に係るマイクロポンプのまたさらに別の特定の局面では、基材のガス発生材側の表面と、ガス発生材の基材側の表面との少なくとも一方に、マイクロ流路の開口から放射状に延びる溝が形成されている。
本発明に係るマイクロポンプのさらにまた他の特定の局面では、基材には、マイクロ流路に接続されたガス発生室が設けられている。ガス発生材は、ガス発生室内に配されている。
本発明に係るマイクロ流体デバイスは、上記本発明に係るマイクロポンプを備えている。
なお、「マイクロ流体デバイス」とは、液体が流れるマイクロ流路を有するデバイスである。
「マイクロ流路」とは、マイクロ流路を流れる液体が、表面張力と毛細管現象との影響を強く受け、通常の寸法の流路を流れる液体とは異なる挙動を示す形状寸法に形成された流路をいう。すなわち、「マイクロ流路」とは、マイクロ流路を流れる液体に所謂マイクロ効果が発現する形状寸法を有する流路をいう。マイクロ流路の直径は、通常5μm以下である。
本発明によれば、マイクロポンプの出力の向上を図ることができる。
第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。 光源から出射された光の照射強度を模式的に表すグラフである。 光入射領域における光の照射強度を模式的に表すグラフである。 第2の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。 第3の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。 第4の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。 第5の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。 第6の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。 第7の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。図1に示すように、マイクロ流体デバイス1は、マイクロポンプ2を備えている。なお、図1には、マイクロ流体デバイス1のマイクロポンプ2の周辺部のみを描画している。
マイクロポンプ2は、基材10と、ガス発生材12と、光源14とを有する。基材10には、マイクロ流路11が形成されている。マイクロ流路11は、基材10の表面10aに開口している。
ガス発生材12は、光が照射されることによりガスを発生させる。具体的には、ガス発生材12は、光が照射されることによりガスを発生させるガス発生剤を含んでいる。ガス発生材12は、ガス発生剤以外にバインダー等を適宜含んでいてもよい。ガス発生材12は、ガス発生材12から発生したガスがマイクロ流路11に供給されるように配されている。
具体的には、本実施形態では、ガス発生材12は、フィルム状の形状を有するガス発生フィルムにより構成されている。ガス発生材12は、基材10のマイクロ流路11が開口している部分を覆うように配されている。具体的には、ガス発生材12は、基材10の表面10aの少なくともマイクロ流路11が開口している部分を覆うように設けられている。ガス発生材12は、基材10の表面10aの実質的に全体を覆うように設けられていてもよい。
ガス発生材12の基材10とは反対側の表面上には、ガスバリア層13が配されている。ガスバリア層13は、ガス発生材12において発生したガスがマイクロ流路11側に導かれずに、マイクロ流路11とは反対側の表面から発散することを抑制する。このため、ガスバリア層13は、ガス透過率の低い材料により構成されていることが好ましい。具体的には、ガスバリア層13は、例えば、ガラスや、ポリアクリル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂により構成されていることが好ましい。
なお、ガスバリア層13は、必ずしも必須の構成要素ではない。本発明に係るマイクロポンプは、ガスバリア層を有していなくてもよい。特に、ガス発生材が基材内に設けられたガス発生室内に配されている場合は、ガスバリア層を設ける必要が低い。
光源14は、ガス発生材12のマイクロ流路11の開口の上に位置する部分と対向して設けられている。光源14は、ガス発生材12にガスを発生させるための光を照射する。光源14は、例えば、LED(Light Emitting Diode)により構成されていることが好ましい。LEDは、波長が350nm〜420nmである光を出射するものであってもよい。
光源14と、ガス発生材12との間には、光学素子20が設けられている。光学素子20は、光源14からの光が入射する光入射面21と、ガス発生材12側に光を出射する光出射面22とを有する。光学素子20は、ガス発生材12の光源14からの光が入射する光入射領域における照射光の強度分布を小さくする機能を有する。
本発明者らは、鋭意研究の結果、ガス発生材の光源の光軸上に位置する部分には高強度の光が照射されるものの、ガス発生材の光源の光軸から離れた位置にある部分には、低強度の光しか照射されておらず、ガス発生材の光源の光軸から離れた位置にある部分におけるガス発生量が少ないことを見出した。特に、光直進性の高いLEDにより光源が構成さ
れている場合は、図2に示すように、光軸から離れるに従って光の照射強度が急激に低下するため、ガス発生材の光源の光軸から離れた位置にある部分におけるガス発生量が格段に少なくなることを見出した。その結果、ガス発生材の光源の光軸上に位置する部分のみならず、光軸から離れた位置にある部分に対する光の照射強度を高め、光軸から離れた位置にある部分からのガス発生量を高めることにより、マイクロポンプ2の出力特性を向上できることを見出した。その結果、本発明を成すに至った。
本発明に従う本実施形態に係るマイクロポンプ2では、上述のように、ガス発生材12の光源14からの光が入射する光入射領域における照射光の強度分布を小さくする光学素子20が設けられている。このため、図3に示すように、ガス発生材12の光軸上に位置する部分のみならず、光軸から離れた部分にも高強度の光を照射することができる。即ち、ガス発生材12の広い部分に高強度の光を照射することが可能となる。従って、ガス発生材12の広い部分から多量のガスを発生させることができるため、優れた出力特性を有するマイクロポンプ2を実現することができる。その結果、マイクロ流体デバイス1の高機能化を図ることができる。
このマイクロポンプ2の高出力化を図る技術は、例えば、波長が350nm〜420nmの光を出射する、高出力が得られにくいLEDを光源として用いた場合に特に有効である。
具体的には、本実施形態では、光学素子20は、光入射面21側から光出射面22側に向かって先細る形状を有している。より具体的には、光学素子20は、光入射面21側から光出射面22側に向かって先細る円錐台状または角錐台状の形状を有する。光学素子20は、光入射面21から入射した光が側面23で反射されつつ光出射面22に導光されるように設けられている。光学素子20では、側面23での反射等により、光入射面21側から光出射面22側に向かって、光軸に対して垂直な方向における光強度分布が小さくなっている。
以下、本発明の好ましい実施形態の他の例について説明する。以下の説明において、上記第1の実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、説明を省略する。
(第2及び第3の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。図5は、第3の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。
本発明において、光学素子は、光源からの光が入射する光入射面と、ガス発生材側に光を出射する光出射面とを有し、ガス発生材の光軸からの光が入射する光入射領域における光の強度分布を小さくするものである限りにおいて特に限定されない。
第2の実施形態では、図4に示すように、光学素子20は、中央部と外側部分とで光学的パワーが互いに異なる少なくともひとつの非球面を有する集光レンズにより構成されている。
第3の実施形態では、図5に示すように、光学素子20は、光拡散板やプリズムシートなどの光拡散部材により構成されている。
これらの場合であっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。図6に示すマイクロ流体デバイスは、基材10の表面10aと、ガス発生材12の基材10側の表面12aとの少なくとも一方に、マイクロ流路11の開口から放射状に延びる溝12bが形成されている点で第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイス1と異なる。具体的には、本実施形態では、ガス発生材12の表面12aに、マイクロ流路11の開口から放射状に延びる溝12bが形成されている。
本実施形態においても、マイクロ流体デバイス1と同様に、光学素子20が設けられているため、ガス発生材12の光軸近傍の広い部分に高強度の光を照射することができる。ここで、本実施形態では、上述の通り、ガス発生材12の表面12aに、マイクロ流路11の開口から放射状に延びる溝12bが形成されている。このため、この溝12bを経由してガス発生材12の光軸近傍部分から発生したガスがマイクロ流路11に効率的に収集される。従って、より優れた出力特性を実現することができる。
(第5の実施形態)
図7は、第5の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。
第1の実施形態では、ガスバリア層13と光学素子20との間、及び、光学素子20と光源14との間のそれぞれに間隔を設ける例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。ガスバリア層13と光学素子20との間、及び、光学素子20と光源14との間のそれぞれに間隔を設けなくてもよい。その場合、基材10,ガス発生材12、ガスバリア層13、光学素子20及び光源14が一体化されていてもよい。
(第6の実施形態)
図8は、第6の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。
第1の実施形態では、光源14が光学素子20に対して直接光を出射する発光素子により構成されている例について説明した。但し、本発明は、これに限定されない。
図8に示すように、光源14は、発光素子14aと、発光素子14aからの光を光学素子20に導く反射部材14b、14cとを備えていてもよい。本実施形態のように、反射部材を設けることにより、光源のレイアウト自由度が向上する。
(第7の実施形態)
図9は、第7の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの略図的断面図である。
第1の実施形態では、フィルム状のガス発生材が基材の表面に貼付されている例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。
図9に示すように、ガス発生材12は、基材10に設けられており、マイクロ流路11に接続されたガス発生室24内に配されていてもよい。この場合、ガス発生材12は、フィルム状である必要は必ずしもなく、液体であってもよいし、粒子状であってもよい。
1…マイクロ流体デバイス
2…マイクロポンプ
10…基材
10a…基材の表面
11…マイクロ流路
12…ガス発生材
12a…マイクロ流体デバイスの表面
12b…溝
13…ガスバリア層
14…光源
14a…発光素子
14b、14c…反射部材
20…光学素子
21…光入射面
22…光出射面
23…側面
24…ガス発生室

Claims (10)

  1. マイクロ流路が形成された基材と、
    光が照射されることによりガスを発生させ、発生したガスが前記マイクロ流路に供給されるように配されているガス発生材と、
    前記ガス発生材に光を照射する光源と、
    前記光源からの光が入射する光入射面と、前記ガス発生材側に光を出射する光出射面とを有し、前記ガス発生材の前記光源からの光が入射する光入射領域における光の強度分布を小さくする光学素子と、
    を備えるマイクロポンプ。
  2. 前記光学素子は、前記光入射面側から前記光出射面側に向かって先細る形状を有し、かつ、前記光入射面から入射した光が側面で反射されつつ前記光出射面側に導光されるように設けられている、請求項1に記載のマイクロポンプ。
  3. 前記光学素子は、中央部と外側部分とで光学的パワーが互いに異なる少なくともひとつの非球面を有する集光レンズにより構成されている、請求項1に記載のマイクロポンプ。
  4. 前記光学素子は、光拡散部材により構成されている、請求項1に記載のマイクロポンプ。
  5. 前記光源は、LEDにより構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロポンプ。
  6. 前記LEDは、波長が350nm〜420nmである光を出射する、請求項5に記載のマイクロポンプ。
  7. 前記マイクロ流路は、前記基材の表面に開口しており、
    前記ガス発生材は、前記基材の前記マイクロ流路が開口している部分を覆うように配されたガス発生フィルムにより構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマイクロポンプ。
  8. 前記基材の前記ガス発生材側の表面と、前記ガス発生材の前記基材側の表面との少なくとも一方に、前記マイクロ流路の開口から放射状に延びる溝が形成されている、請求項7に記載のマイクロポンプ。
  9. 前記基材には、前記マイクロ流路に接続されたガス発生室が設けられており、
    前記ガス発生材は、前記ガス発生室内に配されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマイクロポンプ。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のマイクロポンプを備えるマイクロ流体デバイス。
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